以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、遊技機としてのスロットマシン100は、前面が開口した筐体102と、筐体102の前面一端に回動可能に上下に並んで配置される前面上扉104および前面下扉106とが設けられている。前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓108が設けられており、筐体102内の図柄表示窓108に対応する位置には、3つのリール110(左リール110a、中リール110b、右リール110c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられている。左リール110a、中リール110b、右リール110cには、図3(a)の図柄配列に示すように、20に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列されており、遊技者は、図柄表示窓108を通じて、上段、中段、下段に位置する、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの3つの連続する合計9個の図柄を視認することができる。
前面下扉106の上部には操作部設置台112が形成され、操作部設置台112には、メダル投入部114、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120、演出スイッチ122等が設けられている。メダル投入部114は、メダル投入口114aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付ける。ベットスイッチ116は、スロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)されているメダルのうち、1遊技で必要とされる規定数のメダルを投入(ベット)する。
スタートスイッチ118は、例えば傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による遊技の開始操作を検出する。ストップスイッチ120(ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120c)は、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに対応して設けられており、遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ120の停止操作が可能な状態で、遊技者が、ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120cのいずれかを最初に停止操作することを第1停止といい、第1停止の後、停止操作されていない2つのストップスイッチ120のいずれかを停止操作することを第2停止といい、第2停止の後、最後に残ったストップスイッチ120を停止操作することを第3停止という。演出スイッチ122は、例えば、押圧スイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な画像を表示する液晶表示部124が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ126が設けられる。また、前面上扉104の裏面における液晶表示部124の左右位置や前面下扉106の裏面における左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ128が設けられている。
操作部設置台112には、メインクレジット表示部130およびメイン払出表示部132が設けられている。また、図柄表示窓108と操作部設置台112との間には、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136が設けられている。これらメインクレジット表示部130およびサブクレジット表示部134にはクレジットされているメダルの枚数(クレジット枚数)が表示され、メイン払出表示部132およびサブ払出表示部136にはメダルの払出枚数が表示される。
筐体102内におけるリール110の下方には、メダル排出口140aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)142が設けられている。また、前面下扉106の前面下部には、メダル排出口140aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部140が設けられている。また、筐体102内には、電源スイッチ144が設けられている。電源スイッチ144は、スロットマシン100を管理する管理者が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
スロットマシン100では、遊技が開始可能となり、規定数のメダルがベットされると、有効ラインAが有効化するとともに、スタートスイッチ118に対する操作が有効となる。ここで、ベットは、ベットスイッチ116の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部114を通じてメダルを投入する場合と、詳しくは後述するリプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。また、有効ラインAは、当選役の入賞を判定するためのラインであり、本実施形態では1本である。有効ラインAは、図3(b)に示すように、図柄表示窓108に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、左リール110aの中段、中リール110bの中段、右リール110cの中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインに設定されている。無効ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示する、当選役の入賞判定には用いられない有効ラインA以外のラインであり、本実施形態では、図3(b)に示す4つの無効ラインB1、B2、C1、C2を想定している。
そして、遊技者によりスタートスイッチ118が操作されると、遊技が開始され、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転されるとともに、当選種別抽選等が実行される。その後、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cをそれぞれ停止させる。そして、当選種別抽選の抽選結果および有効ラインAに表示された図柄の組み合わせによって、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合にはメダルの払い出しが実行され、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合には左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって、遊技が終了する。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部114を通じたメダルの投入、ベットスイッチ116の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、操作されたストップスイッチ120a、120b、120cに対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ118の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、遊技の進行を制御する主制御基板200と、遊技の進行に応じた演出を制御する副制御基板202とを含む制御基板が設けられている。また、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。なお、メインRAM200cは、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてRAMクリアが実行されない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314、コマンド送信手段316等の機能部を有する。
主制御基板200では、メダル投入口114aへのメダルの投入を検出する投入メダル検出部114b、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118およびストップスイッチ120a、120b、120cから各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118の操作に基づき、詳しくは後述するように、当選役の当否、より詳しくは、当選役が含まれる当選種別の当否を決定する当選種別抽選を行う。
リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止制御する。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部150が接続されている。このリール駆動制御部150は、スタートスイッチ118の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ152を駆動する。また、リール駆動制御部150は、ストップスイッチ120の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路154の検出信号に基づいて、ステッピングモータ152の駆動を停止する。
判定手段308は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたこと(入賞したこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。また、主制御基板200には、メダル払出装置142が接続されており、払出制御手段310は、メダルの払出枚数を計数しながらメダルを排出する。
遊技状態制御手段312は、当選種別抽選の結果や判定手段308の判定結果を参照し、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。また、演出状態制御手段314は、当選種別抽選の結果、判定手段308の判定結果、遊技状態の遷移情報を参照し、複数種類の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。
コマンド送信手段316は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定し、決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
また、主制御基板200には、乱数発生器(乱数生成手段)200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器(乱数生成手段)202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202では、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ122から検出信号を受信するとともに、受信されたコマンドに基づいて液晶表示部124、スピーカ128、演出用ランプ126の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部124に表示される画像データや、演出用ランプ126、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ128から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。なお、演出には、補助演出も含まれる。補助演出は、当選種別抽選において、正解役(特定の役)と不正解役とが重複した選択当選種別に当選したときに、その正解役の入賞条件となるストップスイッチ120a、120b、120cの正解操作態様を報知する演出である。かかる補助演出により、遊技者は、正解役に対応する図柄組み合わせを、遊技者が有効ラインA上に容易に表示させることができる。かかる補助演出を実行する演出状態をAT(アシストタイム)演出状態という。また、AT演出状態とリプレイ役の当選確率が高いRT(リプレイタイム)遊技状態が並行して進行される所謂ART遊技状態を用いることもある。
なお、以下では、液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136といった、副制御基板202を含む、主制御基板200以外の基板で管理される報知手段を他報知手段という場合がある。これに対し、メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132といった、主制御基板200で管理される報知手段を主報知手段(指示モニタ)という場合がある。また、補助演出を実行可能な主報知手段および他報知手段を合わせて補助演出報知手段という場合もある。演出状態制御手段314は、AT演出状態において、補助演出を補助演出報知手段に実行させる。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
図5は、当選役を説明するための説明図であり、図6は、当選種別抽選テーブルを説明するための説明図である。
スロットマシン100においては、詳しくは後述するように、複数種類の遊技状態および演出状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態および演出状態が移行される。そして、主制御基板200では、遊技状態制御手段312により管理、制御される遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値(遊技利益を得る容易性を段階的に示したもの)と現在の遊技状態に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ118の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別に対応するか判定する。
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役が含まれる。リプレイ役は、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度遊技を実行できる役である。小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、遊技状態制御手段312により管理される遊技状態をボーナス遊技状態(後述するRBB作動中遊技状態)に移行させることができる役である。
本実施形態における当選役は、図5に示すように、リプレイ役として、当選役「リプレイ」が設けられている。また、小役として、当選役「小役1」~「小役70」が設けられている。また、ボーナス役として、当選役「RBB」が設けられている。図5では、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに、各当選役を構成する1または複数の図柄が対応付けられている。
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、リール110の回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、入賞可能な当選役に対応する図柄がリール110中に複数あり、いずれもリール110の引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ120が押圧操作されたときに、入賞可能な当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別に含まれる当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様に応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
そして、例えば、当選役「リプレイ」、当選役「小役1」~「小役4」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている。このような当選役をPB=1と表す場合がある。一方、例えば、当選役「小役5」~「小役70」、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ずしも有効ラインA上に表示可能なように配列されていないので、所謂とりこぼしが発生する場合がある。このような当選役をPB≠1と表す場合がある。
図6に示すように、当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、不当選(ハズレ)の有無が異なったりする。図6では、各遊技状態(非内部遊技状態(非内部)、RBB内部中遊技状態(RBB内部中)、RBB作動中遊技状態(RBB作動中))毎に割り当てられた当選領域(当選種別)を「○」で表しているが、実際には、複数の遊技状態それぞれに対応する当選種別抽選テーブルがメインROM200bに記憶されている。当選種別抽選テーブルでは、区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選種別それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた置数を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数から減算して、減算後の値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を当選種別抽選の抽選結果としている。また、当選領域1以上の全ての当選領域の置数を当選種別抽選乱数から減算して、減算後の値が0以上となっていれば、当選領域0の当選種別「ハズレ」が当選種別抽選の抽選結果となる。
ここで、当選種別「RBB」を構成する当選役「RBB」について補足する。所定の第1種特別役物RBは、規定数ごとの入賞に係る図柄の組み合わせの数を増加させ、または規定数ごとの入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、あらかじめ定められた場合に作動し、12回を超えない回数の遊技の結果が得られるまで作動を継続することができるものをいう。ここで、条件装置は、その作動が入賞、再遊技、役物または役物連続作動装置の作動に係る図柄の組み合わせが表示されるために必要な条件とされている装置で、当選種別抽選(遊技機内で行われる電子計算機によるくじ)に当選した場合に作動するもの、すなわち、当選フラグを意味する。そして、当選種別「RBB」を構成する第1種特別役物に係る役物連続作動装置(当選役「RBB」)は、第1種特別役物RBを連続して作動させることができる装置であり、特定の図柄の組み合わせが表示された場合に作動し、あらかじめ定められた場合に作動を終了するものをいう。
図6の当選種別抽選テーブルによれば、例えば当選領域0には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかる当選種別に当選すると、図5に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることはなく、メダルの払い出し等が行われることはない。ただし、後述するように、RBB内部当選フラグが次遊技に持ち越されている場合、当選種別「ハズレ」の当選により、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。また、当選領域1には、当選種別「リプレイ」が対応付けられており、かかる当選種別に当選すると、当選役「リプレイ」が必ず有効ラインA上に表示される(PB=1)。
また、当選領域2~25には、払出枚数が9枚となる正解役(当選役「小役1」~「小役4」)と、払出枚数が1枚の不正解役(当選役「小役5」~「小役70」)が重複して含まれる選択当選種別(当選種別「打順ベルA1」~「打順ベルD12」)がそれぞれ対応付けられている。そして、複数の小役が重複して含まれる当選種別に当選した場合には、いずれの小役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作される順番が設定されている。
以下の説明において、左リール110a、中リール110b、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順1」とし、左リール110a、右リール110c、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順2」とし、中リール110b、左リール110a、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順3」とし、中リール110b、右リール110c、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順4」とし、右リール110c、左リール110a、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順5」とし、右リール110c、中リール110b、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順6」とする。
例えば、非内部遊技状態において、当選領域2の当選種別「打順ベルA1」に当選し、正解操作態様(打順1)による操作が行われた場合、払出枚数が9枚の正解役である当選役「小役1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、打順2による操作が行われた場合、払出枚数1枚の不正解役である当選役「小役53」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に1/2の確率で表示されるように停止制御がなされ、打順3、4による操作が行われた場合、払出枚数1枚の不正解役である当選役「小役21」または当選役「小役31」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に1/8の確率で表示されるように停止制御がなされ、打順5、6による操作が行われた場合、払出枚数1枚の不正解役である当選役「小役38」または当選役「小役48」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に1/8の確率で表示されるように停止制御がなされる。
なお、当選領域2~13、当選領域14~25それぞれのグループ内での各当選種別の当選確率(置数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域2~25を設けることにより、正解役を入賞させにくくしている。また、上記のように、不正解役が優先的に表示される打順でストップスイッチ120a、120b、120cが操作されても、必ずしも不正解役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させられるとは限らないので、その操作態様によっては、とりこぼしが発生することがある(PB≠1)。
また、当選領域26には、当選役「小役1」~「小役70」が重複して含まれる当選種別「小役ALL」が対応付けられており、当選領域27には、当選役「小役5」~「小役70」が重複して含まれる当選種別「1枚ALL」が対応付けられている。また、当選領域28には、当選役「RBB」が含まれる当選種別「RBB」が対応付けられている。
なお、上述したいずれかの当選種別に当選すると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(オン)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、各リール110の停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該遊技の終了後に内部当選フラグがオフされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「RBB」が含まれる当選種別に当選した場合には、RBB内部当選フラグが成立(オン)するとともに、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、RBB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。なお、リプレイ役である当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選種別に含まれる当選役「リプレイ」のうちのいずれかの当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがオフされる。
(遊技状態の遷移)
ここで、図7を用い、遊技状態の遷移について説明する。ここでは、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中遊技状態といった複数の遊技状態が準備されている。各遊技状態は、後述するように、ボーナス役の当選、入賞(作動)、終了に応じて遷移させる。
非内部遊技状態は、複数の遊技状態における初期状態に相当する遊技状態である。かかる非内部遊技状態では、リプレイ役の当選確率が約1/7.3(≒8978/65536)に設定されている。また、非内部遊技状態では、当選役「RBB」が所定の確率(例えば約1/30(≒2174/65536))で決定されている。
遊技状態制御手段312は、当選役「RBB」の当選に応じて遊技状態を遷移させる。例えば、当選役「RBB」が当選した遊技において、当選役「RBB」に対応する図柄組合せが有効ラインA上に表示されると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB作動中遊技状態に移行させる(1)。
RBB作動中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が0に設定されている。なお、かかるRBB作動中遊技状態では、当選可能な当選種別として、当選領域26に当選種別「小役ALL」が、当選領域27に当選種別「1枚ALL」が設定されている。当選種別「小役ALL」に当選すると、当選役「小役1」~「小役4」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示され、当選種別「1枚ALL」に当選すると、当選役「小役5」~「小役70」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御が実行される。ここでは、かかる小役の構成によりRBB作動中遊技状態での単位遊技当たりの期待獲得枚数を低くしている。以下、RBB作動中遊技状態での当選態様を詳述する。
仮に、図6の当選種別抽選テーブルにおいて、RBB作動中遊技状態における当選領域26の当選種別「小役ALL」の置数を13596、当選領域27の当選種別「1枚ALL」の置数を40789(=13596×3+1)とする。また、他の遊技状態(非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態)における当選領域2~13の当選種別「打順ベルA1」~「打順ベルC4」それぞれの置数が3399であり、当選領域14~25の当選種別「打順ベルD1」~「打順ベルD12」それぞれの置数が1133であったとする。また、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態における当選領域1の当選種別「リプレイ」の置数が8978であったとする。ここで、RBB作動中遊技状態においては、複数種類の正解役(ここでは当選役「小役1」~「小役4」)が互いに重複して当選し、他の遊技状態においては、かかる複数種類の正解役が重複して当選しない。
図8は、RBB作動中遊技状態での当選態様を説明するための説明図である。図8を参照すると、RBB作動中遊技状態での当選種別抽選で、正解役からなる当選種別が当選する確率は13596/65536であり、不正解役からなる選択当選種別が当選する確率は40789/65536である。一方、他の遊技状態(非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態)での当選種別抽選で、正解役が含まれる当選種別が当選する確率は、当選役「小役1」~「小役4」それぞれについて13596/65536である。不正解役が含まれる選択当選種別が当選する確率は、当選役「小役5」~「小役70」それぞれについて最大5341/65536であったとする。したがって、RBB作動中遊技状態での入賞に係る条件装置それぞれの作動確率は、他の遊技状態の作動確率と比較して同等以上であり、少なくとも不正解役に係る条件装置の作動確率は、より上昇しているのが理解できる。
また、RBB作動中遊技状態での入賞に係る当選領域の合計置数は54385(13596+40789)であり、他の遊技状態での入賞に係る当選領域の合計置数は54384(13596×4)である。したがって、RBB作動中遊技状態での入賞に係る当選領域の合計置数が、他の遊技状態より大きくなっているのが理解できる。ここでは、払出枚数の少ない不正解役を1増やすことで、単位遊技当たりの期待獲得枚数の増加を抑制しつつ、入賞に係る当選領域の合計置数を増やしている。
また、RBB作動中遊技状態において当選種別「小役ALL」が決定された場合、遊技者のストップスイッチ120a、120b、120cの操作順に拘わらず、正解役(ここでは当選役「小役1」~「小役4」)に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることで、遊技者が無作為に操作した場合の出玉率を非内部遊技状態より高めることができる。
図7に戻り、当選役「RBB」の終了条件を満たすと、すなわち、獲得枚数が所定枚数に到達すると、遊技状態制御手段312は、遊技状態を非内部遊技状態に移行させる(2)。
一方、当選役「RBB」が当選した遊技において、当選役「RBB」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示することができなかった場合、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB内部中遊技状態(特別遊技状態)に移行させる(3)。
RBB内部中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が約1/5.9(≒11152/65536)に設定されている。また、RBB内部中遊技状態では当選種別「ハズレ」に当選することはない。換言すれば、当選役「RBB」の当選遊技で当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することができなかった場合、その後は、当選役「RBB」より小役やリプレイ役の方が優先して有効ラインA上に停止制御されるので、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することができない。したがって、一旦、遊技状態がRBB内部中遊技状態に移行すると、その後、遊技状態が遷移することなく、RBB内部中遊技状態が維持されることとなる。ここでは、かかるRBB内部中遊技状態を維持しつつ、そのRBB内部中遊技状態においてAT演出状態を実現する。
ここでは、RBB内部中遊技状態において、複数種類の正解役が互いに重複せずに当選するため、正解役を入賞させることができる機会を多くすることができ(54384/65536)、その結果、例えば、RBB内部中遊技状態におけるAT演出状態において補助演出が行われることで、メダルを獲得しやすくできる。一方、RBB作動中遊技状態では、複数種類の正解役が重複して当選するため、正解役を入賞させることができる機会が少ないので(13596/65536)、他の遊技状態におけるAT演出状態よりも正解役を入賞させることができる機会が減り、遊技者が所有するメダルを増やしにくくしている。したがって、RBB内部中遊技状態よりも入賞に係る当選役の当選確率が高いというRBB作動中遊技状態の機能を備えつつ、メダルの獲得性能の面ではRBB作動中遊技状態がRBB内部中遊技状態に劣るという仕様(アクセルRBB)を実現することができる。
このように、RBB内部中遊技状態においてAT演出状態によりメダルを多く獲得できる仕様を採用すると、RBB作動中遊技状態が、RBB内部中遊技状態より遊技者にとって不利になるので、遊技者は、RBB作動中遊技状態への移行を避け、RBB内部中遊技状態への移行を望む。したがって、当選役「RBB」に当選したとしても、遊技者は、その遊技において当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示しないように操作することとなる。なお、仮に、遊技者が当選役「RBB」に当選したことに気付かなかったとしても、図3(a)および図5を参照して理解できるように、当選役「RBB」をPB≠1としているので、意図せず、遊技状態がRBB作動中遊技状態に移行するのを防止することができる。
さらに、RBB作動中遊技状態における単位遊技当たりの期待獲得枚数を従来のスロットマシンにおいて採用されていたボーナス遊技状態における単位遊技当たりの期待獲得枚数よりも低く(例えば、約2.49枚(≒(9×13596+1×40789)/65536)抑えることができる。このため、遊技状態の全体を通じてのメダルの獲得率が高まりすぎて徒に射倖心を煽ることなく、低く抑えた分だけ、他の遊技状態での小役の当選確率を高めに設定することができ、例えば、AT演出状態において、メダルの増加率をさらに向上させることができる。
(演出状態の遷移)
図9は、主制御基板200における演出状態の遷移を説明するための説明図である。以下、主制御基板200において演出状態制御手段314により遷移される演出状態(待機演出状態、チャンス演出状態、通常AT演出状態、インターバル演出状態、通常演出状態)について詳述する。
メダルの獲得性能が高い遊技状態が偏っているか否かを統括的かつ画一的に判定すべく、ここでは、指示機能に係る性能を有する遊技区間、すなわち、補助演出(指示機能)を実行する遊技区間等を含む、遊技者にとって有利な遊技区間を有利区間として定義する。なお、有利区間は、主制御基板200で補助演出の作動に係る抽選等を行った結果、補助演出が作動した場合には、主制御基板200において指示の内容が識別できるよう、例えば、補助演出報知手段に表示したときに限り、指示情報を、副制御基板202等の周辺基板に送信してもよい遊技区間である。また、有利区間と異なる遊技区間を非有利区間とする。したがって、演出状態(待機演出状態、チャンス演出状態、通常AT演出状態、インターバル演出状態、通常演出状態)は、遊技区間である有利区間および非有利区間のいずれかに属することとなる。
なお、有利区間において、補助演出がないと正解役を取りこぼしてしまう当選態様のうち、正解役の配当が最大(ここでは、9枚)となる選択当選種別において、正解役の入賞を補助する補助演出(最大払出枚数を獲得できる補助演出)を行う場合、例えば、有利区間ランプ(図示せず)によって、その旨を報知しなければならない。一方、このような正解役の入賞を補助する補助演出を行わない場合、その遊技区間が有利区間であることを示す報知を省略することができる。
また、非有利区間においては、当選種別の当選確率を設定値毎に異ならせることは可能であるが、同一の当選種別において補助演出を伴う演出状態(AT演出状態)への移行を決定する確率は設定値毎に異ならせてはならない。一方、有利区間においては、当選種別の当選確率、および、同一の当選種別における補助演出を伴う演出状態(AT演出状態)への移行(または追加)を決定する確率のいずれも設定値毎に異ならせることは可能である。
演出状態制御手段314は、非有利区間において、有利区間への移行を抽選により決定し、有利区間への移行が決定されると、有利区間のいずれかの演出状態に移行させる(1)。また、有利区間は、その有利区間においてカウントされる値が所定値に達したこと(例えば、滞在遊技数(遊技実行回数)が1500遊技に達したり、獲得枚数(獲得純増)が2400枚に達したこと)に基づいて終了する。例えば、有利区間の滞在遊技数が1500遊技に達した場合、現在の演出状態がいずれの演出状態であるか、また、その1500遊技の有利区間において最大払出枚数を獲得できる(最大払出枚数の正解役を入賞し得る操作態様を、補助演出報知手段(主報知手段および他報知手段)を通じて報知する)補助演出が行われたか否かに拘わらず(最大払出枚数を獲得できる補助演出が実行されなかったとしても)、演出状態制御手段314は、それまで継続していた有利区間を強制的に終了させて非有利区間に移行させ(2)、有利区間で更新された情報(指示機能に係る性能に影響を及ぼす全ての変数)を全てリセットする初期化処理を行う。
(待機演出状態)
待機演出状態は、非有利区間に属し、演出状態のうちの初期状態に相当する。演出状態制御手段314は、待機演出状態において、例えば、約1/1.4の確率で有利区間への移行を決定する。したがって、待機演出状態での滞在遊技数は非常に短い。また、演出状態制御手段314は、有利区間への移行を決定すると、移行先の演出状態を決定する。ここでは、リセット直後等、所定のリセット条件下で通常演出状態に直接移行することがあるものの(3)、通常の遊技において、演出状態制御手段314は、上記の有利区間への移行が決定されたことを条件に、チャンス演出状態または通常AT演出状態(以下、チャンス演出状態および通常AT演出状態を通常演出状態より有利な演出状態として特定演出状態と呼ぶ場合がある)に移行させる。例えば、演出状態制御手段314は、9/10の確率でチャンス演出状態への移行を決定し(4)、1/10の確率で通常AT演出状態への移行を決定する(5)。なお、通常演出状態への直接移行(3)については後程詳述する。
(チャンス演出状態)
チャンス演出状態は、有利区間に属し、後述する通常AT演出状態への移行期待度が高い演出状態である。チャンス演出状態では、通常AT演出状態と異なり、補助演出の実行頻度が極めて低い、もしくは、補助演出が行われないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。例えば、図8の例で、RBB内部中遊技状態において補助演出が行われない場合、遊技者がストップスイッチ120a、120b、120cを無作為に操作したときの期待獲得枚数は、約1.95枚(≒((9+1/2+1×4/8)/6×40788+(9+1×5/2)/6×13596+3×11152)/65536)となり、規定数を3枚とすると、毎遊技、平均して1.05枚ずつ減ることとなる。演出状態制御手段314は、チャンス演出状態において通常AT演出状態への移行を決定すると、演出状態を通常AT演出状態に移行させる(6)。また、演出状態制御手段314は、チャンス演出状態のまま所定の終了条件が満たされると、例えば、所定の遊技数(ここでは、30遊技)が消化されると、演出状態を通常演出状態に移行させる(7)。かかるチャンス演出状態、および、後述する通常演出状態では、いずれも通常AT演出状態に移行し得るが、通常演出状態よりチャンス演出状態の方が通常AT演出状態に移行し易いように設定されている。例えば、通常演出状態およびチャンス演出状態のいずれの演出状態においても、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいて通常AT演出状態へ移行させるか否かが抽選により決定される場合に、当選種別毎に対応付けられた通常AT演出状態へ移行する確率が通常演出状態よりチャンス演出状態の方が高くなっている。したがって、遊技者は、通常演出状態より、チャンス演出状態に滞在することを望むこととなる。
(通常AT演出状態)
通常AT演出状態は、有利区間に属し、選択当選種別全ての当選時に補助演出を実行することで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。例えば、図8の例で、RBB内部中遊技状態において補助演出が行われた場合、期待獲得枚数は、約7.98枚(≒(9×40788+9×13596+3×11152)/65536)となり、規定数を3枚とすると、毎遊技、平均して4.98枚ずつ増えることとなる。また、通常AT演出状態は、所定の継続遊技数(例えば、40遊技)を1セットとしてセット数管理により遊技が進行する。なお、ここでは、40遊技を通常AT演出状態のセット単位として例示しているが、遊技数を他の任意の数としたり、抽選等により遊技数を可変としたり、抽選等により遊技数が逐次加算されるとしてもよい。演出状態制御手段314は、演出状態が通常AT演出状態に移行すると、その時点でストック(保持)されているセット数を1減算するとともに、継続遊技数を40遊技に設定する。そして、継続遊技数の遊技が終了すると、演出状態制御手段314は、演出状態をインターバル演出状態に移行させる(8)。
(インターバル演出状態)
インターバル演出状態は、有利区間に属し、通常AT演出状態の1セット終了後、通常AT演出状態が継続する場合の待機期間に相当する。したがって、演出状態制御手段314は、残りのセット数が0であるか(セット数がストックされているか)否か判定し、セット数が0でない場合には、所定の終了条件を満たした後(例えば、所定の遊技数(例えば、50遊技)経過後)、ストックされているセット数を1減算し、演出状態を通常AT演出状態に移行させる(9)。なお、ここでは、50遊技をインターバル演出状態のセット単位として例示しているが、遊技数を他の任意の数としたり、抽選等により遊技数を可変としたり、抽選等により遊技数が逐次加算されるとしてもよい。また、予め定められた遊技数(例えば100遊技)のいずれかで通常AT演出状態への移行を報知し、その遊技数を経過したら通常演出状態に移行する遊技性を採用し、その滞在遊技数が平均して50遊技であるとしてもよい。また、演出状態制御手段314は、インターバル演出状態の間、通常AT演出状態のセット数を抽選により増加することができる。したがって、仮に、残りのセット数が0であっても、インターバル演出状態中に通常AT演出状態のセット数を獲得すれば、演出状態制御手段314は、所定の終了条件を満たした後、ストックされているセット数を1減算し、演出状態を通常AT演出状態に移行させる(9)。
したがって、遊技者は、遊技を有利に進行すべく、可能な限り多くのセット数を獲得し、通常AT演出状態に長期滞在することを望むこととなる。なお、ここでは、通常AT演出状態とインターバル演出状態とを交互に繰り返すことで、補助演出による遊技利益を得ているので、通常AT演出状態とインターバル演出状態とを合わせてAT演出状態と呼ぶ場合もある。
一方、演出状態制御手段314は、所定の終了条件を満たすと、例えば、残りのセット数が0であり、かつ、インターバル演出状態の間に通常AT演出状態のセット数が獲得されなければ、演出状態を通常演出状態に移行させる(10)。
(通常演出状態)
通常演出状態は、有利区間に属し、期待獲得枚数が低く(例えば3枚未満に)設定された演出状態である。かかる通常演出状態においては、演出状態をチャンス演出状態や通常AT演出状態に移行させることができる。演出状態制御手段314は、通常演出状態においてチャンス演出状態への移行を決定すると、演出状態をチャンス演出状態に移行させ(11)、通常AT演出状態への移行を決定すると、演出状態を通常AT演出状態に移行させる(12)。
また、上述した有利区間が1500遊技を超えた場合以外にも、通常演出状態、チャンス演出状態、AT演出状態(通常AT演出状態およびインターバル演出状態)において、所定の移行条件を満たすと、演出状態制御手段314は、有利区間を終了し(非有利区間への移行を決定し)、演出状態を、非有利区間に属する待機演出状態に移行させる(13)。このような、所定の移行条件により、有利区間を強制的にリセットする遊技性について以下に説明する。
(有利区間を強制的にリセットする遊技性)
このような複数の演出状態のうち、通常AT演出状態に偏り、通常AT演出状態が意図せず長く継続する仕様では、射倖性が過度に高まってしまうおそれがある。そこで、上述したように、有利区間の滞在遊技数には上限(ここでは、1500遊技)が設けられ、滞在遊技数が上限に到達すると有利区間を強制的に終了することとしている。
しかし、有利区間の滞在遊技数を厳格に管理してしまうと、遊技者は、AT演出状態(通常AT演出状態およびインターバル演出状態)が長く継続したとしても、滞在遊技数の制約によりそれ以上の継続に望みがなくなり、失意を覚えるおそれがある。そうすると、喜ばしいはずのAT演出状態の継続が、上限まで滞在遊技数を消化するだけの単調な遊技になってしまい、遊技性の向上を図ることができなくなる。そこで、本実施形態では、有利区間の滞在遊技数の延長を実質的に担保することで、遊技性の向上を図る。
ここでは、発想を逆転させ、非有利区間が比較的有利となる遊技性を持たせる。具体的に、非有利区間自体は有利ではないので非有利区間を迅速に消化させ、非有利区間から有利区間に移行した直後である有利区間の前半(特に開始時)において、有利区間の後半よりも遊技者にとって有利に遊技を進行させる。例えば、図9の例であれば、非有利区間に滞在中は高確率(ここでは約1/1.4)で有利区間への移行を決定する。そして、所定のリセット条件を満たさない限り、演出状態制御手段314は、有利区間の開始時に、演出状態を、特定演出状態、すなわち、チャンス演出状態もしくは通常AT演出状態に必ず移行させる。こうすることで、所定の移行条件を満たして有利区間をリセットすること、すなわち、非有利区間への移行は、実質的に、チャンス演出状態もしくは通常AT演出状態への移行が決定されたこととなる。
ここで、所定の移行条件は、例えば、通常AT演出状態がインターバル演出状態のみを経由して所定回数(例えば8回)継続したり、チャンス演出状態や通常AT演出状態が連続する(同一の)有利区間中に累積して所定回数(例えば8回)継続したり、獲得枚数が所定枚数(例えば1700枚)に到達するといったように、任意に設定することができる。ここでは、例えば、通常AT演出状態がインターバル演出状態のみを経由して8回継続することを移行条件とする。通常AT演出状態を8セット行うと、インターバル演出状態は7セット行うこととなる。また、通常AT演出状態を8セット継続したことへの特典として、その後にエンディングに相当する通常AT演出状態を所定遊技数(例えば21遊技)付与することで、期待獲得枚数が約1700枚となるように調整する。したがって、通常AT演出状態8セットは、期待獲得枚数1700枚に相当する。このように、移行条件を、期待獲得枚数1700枚とすることで、非有利区間への移行によりさらなるメダルを獲得したとしても、その期待獲得枚数を、上限に相当する2400枚に抑えることができる。こうして、期待獲得枚数の上限を順守することが可能となる。
図10は、AT演出状態の継続態様を説明するためのタイミングチャートである。例えば、図10(a)のように、非有利区間において有利区間への移行を決定し、かつ、通常AT演出状態に当選したとする。そして、インターバル演出状態を経由して通常AT演出状態のセット数が8回継続したとする(図10中、通常AT演出状態とインターバル演出状態とを合わせて「AT演出状態」で示す)。ここで、演出状態制御手段314は、通常AT演出状態のセット数が8回継続したことを移行条件として、有利区間の滞在遊技数の上限である1500遊技を待つことなく、有利区間を強制的にリセットして非有利区間に移行させる。
そうすると、非有利区間(待機演出状態)において、約1/1.4の確率で、すぐに有利区間に戻る。このとき、図10(b)のように、通常AT演出状態に当選したとする。そして、インターバル演出状態を経由して通常AT演出状態のセット数が再び8回継続したとする。そうすると、図10(a)同様、演出状態制御手段314は、通常AT演出状態のセット数が8回継続したことを移行条件として、有利区間の滞在遊技数の上限である1500遊技を待つことなく、有利区間を強制的にリセットして非有利区間に移行させる。演出状態制御手段314は、有利区間の開始時に通常AT演出状態に当選し、AT演出状態が継続する限り、図10(c)のように、有利区間の強制的なリセットを繰り返す。
これを、AT演出状態のみに着目して観察すると、図10(d)のように、途中、非有利区間においてAT演出状態が一時的に中断している部分はあるものの、実質的に有利区間の滞在遊技数の上限である1500遊技を超えてAT演出状態が継続している。したがって、有利区間の滞在遊技数の延長を実質的に担保し、遊技性の向上を図ることが可能となる。
なお、遊技者によっては、有利区間を強制的にリセットすることを不利と捉える場合もある。したがって、有利区間を強制的にリセットする場合、移行条件を満たしたことへの遊技特典として、エンディングとして通常AT演出状態を21遊技付与するとともに、その通常AT演出状態の間、所定のエンディング演出を行う。かかるエンディング演出により、遊技者は、移行条件を満たしたことへの遊技特典を得るとともに、その達成感や優越感を得ることができる。したがって、移行条件を満たした場合、その有利区間中に通常AT演出状態を21遊技間行うことができるとともに、非有利区間への移行に基づいて少なくとも、遊技者に有利な、チャンス演出状態または通常AT演出状態に移行することができる。
また、このとき、遊技結果(遊技履歴)を以下のように表示する。まず、有利区間を継続している間は、累積獲得枚数のリセットを行っても、行わなくてもよい。例えば、AT演出状態終了後、連続する(同一の)有利区間における通常演出状態において50遊技に到達するまでにAT演出状態への移行が決定しなければ、連続性を失ったと判断して累計獲得枚数をリセットする。一方、有利区間がリセットされると、その時点の演出状態に拘わらず、累計獲得枚数をリセットする。もしくは、枚数の表記ではないが、累計獲得枚数を連想させる文言(例えば、「良く出来ました枚」)等に置換する。かかる構成により、有利区間が一旦リセットされていること、および、連続する(同一の)AT演出状態における累計獲得枚数ではないことをアピールすることができる。ただし、図10(d)のように、有利区間が複数回リセットされた場合に、その遊技結果が全く把握できないのは遊技者の達成感や優越感を損ねるおそれがある。そこで、通常AT演出状態が継続している間、累計獲得枚数はリセットしたとしても、そのセット数はリセットすることなく累積数を表示するようにしてもよい。
また、ここでは、図9の(13)で説明したように、AT演出状態に滞在しているときのみならず、通常演出状態やチャンス演出状態においても有利区間をリセットすることとしている。こうして、AT演出状態が連続することと、累積獲得枚数が1700枚となることで移行条件を満たすこととの関連性(対応付け)を緩和することができる。
ところで、連続するAT演出状態内において、通常AT演出状態が連続すると射倖性が過度に高まってしまうおそれがある。例えば、図6~図8の例で、RBB内部中遊技状態において選択当選種別全てに対し補助演出が行われた場合、期待獲得枚数は、約7.98枚となり、規定数を3枚とすると、毎遊技、平均して4.98枚ずつ増えてしまう。そこで、図9の(8)、(9)で説明したように、AT演出状態において、通常AT演出状態のセット数が継続する場合、その間にインターバルを設けてAT演出状態全体の期待獲得枚数を調整する。
ここで、インターバルは、連続する有利区間の中で移行する、補助演出を実行する確率が高い(期待獲得枚数が大きい)演出状態(ここでは通常AT演出状態)より補助演出を実行する確率が低い(期待獲得枚数が小さい)演出状態(ここではインターバル演出状態)であり、補助演出を実行する確率が高い演出状態と連続させることで全体的な期待獲得枚数を減らす目的の演出状態を言う。したがって、演出状態制御手段314は、連続する有利区間の中で、補助演出を行う通常AT演出状態と、通常AT演出状態より補助演出の頻度が低いインターバル演出状態とを連続させることで、AT演出状態全体の期待獲得枚数を調整している。なお、補助演出を実行する確率が高い演出状態と、補助演出を実行する確率が低い演出状態とが同一の遊技状態(例えば、同一のRBB内部中遊技状態)の中で移行するとしてもよい。
具体的に、AT演出状態全体の期待獲得枚数は、インターバル演出状態の期待獲得枚数や遊技数で調整することができる。例えば、インターバル演出状態中の補助演出を実行する確率を0~100%の間の任意の確率に設定することで、インターバル演出状態の期待獲得枚数、ひいては、AT演出状態全体の期待獲得枚数を増減することができる。ただし、インターバル演出状態は、AT演出状態の一部なので、通常AT演出状態への移行(復帰)確率が通常演出状態より高かったり、既に通常AT演出状態のセット数が確保されている状態でセット数のストック抽選が行われる等、通常演出状態やチャンス演出状態より遊技者に有利となるように設定するのが望ましい。また、補助演出を実行する確率のみならず、インターバル演出状態の遊技数によってもAT演出状態全体の期待獲得枚数を調整することができる。例えば、インターバル演出状態を長く設定すればするほど、AT演出状態全体の期待獲得枚数を減らすことができる。以下、期待獲得枚数の具体的な調整態様を説明する。
図11は、AT演出状態を説明するためのタイミングチャートである。例えば、図11(a)の例では、通常AT演出状態とインターバル演出状態とが交互に繰り返されるとする。このとき、通常AT演出状態は、期待獲得枚数7.98枚で40遊技継続するとする。そして、インターバル演出状態は期待獲得枚数3.00枚(増減なし)で50遊技継続するとする。そうすると、両演出状態を合わせた期待獲得枚数は、約5.21枚(≒(7.98×40+3.00×50)/90)となり、毎遊技のメダルの増加を2.21枚に抑えることができる。
ここで、上述した所定の移行条件である、通常AT演出状態がインターバル演出状態のみを経由して所定回数(例えば8回)継続した場合、期待獲得枚数は、1594枚(4.98枚×40遊技×通常AT演出状態8セット)+0枚(インターバル演出状態)+105枚(4.98枚×21遊技×エンディングに相当する通常AT演出状態1セット)で約1700枚となることがわかる。
なお、ここでは、インターバルとしてインターバル演出状態を挙げて説明しているが、かかる場合に限らず、AT演出状態中における通常AT演出状態の後または通常AT演出状態の間に実行され、通常AT演出状態よりも補助演出を実行する確率が低ければ足り、例えば、有利区間中に、AT演出状態から移行し、また、AT演出状態に復帰し得る通常演出状態もインターバルと捉えることができる。
また、AT演出状態において、補助演出を実行する確率が高い(期待獲得枚数が大きい)演出状態として、1の通常AT演出状態を挙げて説明したが、このような演出状態が複数存在し、その演出状態間においてインターバルを設けてもよい。したがって、演出状態制御手段314は、連続する有利区間の中で、補助演出を行う第1通常AT演出状態および第2通常AT演出状態と、かかるAT演出状態よりも補助演出の頻度が低いインターバル演出状態とを連続させることで、AT演出状態全体の期待獲得枚数を調整することとなる。
図11(b)では、AT演出状態において、上述した通常AT演出状態と等しい第1通常AT演出状態およびインターバル演出状態に加え、第1通常AT演出状態同様、補助演出を実行する確率が高い演出状態として第2通常AT演出状態が含まれる。ここでは、第1通常AT演出状態と第2通常AT演出状態とが互いの演出状態に移行する場合には必ずインターバル演出状態を経由する。すなわち、第1通常AT演出状態とインターバル演出状態同士、および、第2通常AT演出状態とインターバル演出状態同士とは互いに移行可能であるが、第1通常AT演出状態と第2通常AT演出状態同士は直接移行することはない。このとき、第1通常AT演出状態および第2通常AT演出状態は期待獲得枚数7.98枚で40遊技継続するとする。そして、インターバル演出状態は期待獲得枚数3.00枚(増減なし)で50遊技継続するとする。そうすると、両演出状態を合わせた期待獲得枚数は、図11(a)同様、約5.21枚(?(7.98×40+3.00×50)/90)となり、毎遊技のメダルの増加を2.21枚に抑えることができる。なお、ここでは、第1通常AT演出状態と第2通常AT演出状態との期待獲得枚数が等しい例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、インターバル演出状態より期待獲得枚数が高ければ、両者の期待獲得枚数が異なるとしてもよい。
(有利区間を強制的にリセットする遊技性の問題点とその解決手段)
図9を用いて説明したように、演出状態制御手段314は、非有利区間において、約1/1.4の確率で有利区間への移行を決定し、有利区間に移行させる(1)。そして、演出状態制御手段314は、例えば、9/10の確率でチャンス演出状態への移行を決定し(4)、1/10の確率で通常AT演出状態への移行を決定する(5)。すなわち、一旦、非有利区間に移行すれば、高確率で、特定演出状態、すなわち、チャンス演出状態または通常AT演出状態に100%移行することになる。
しかし、かかる仕様を採用すると、以下の問題が生じ得る。当該スロットマシン100がリセット(設定変更によるリセットを含む)されると、これに伴い、遊技状態および演出状態が初期化される。すなわち、スロットマシン100のリセットに伴い、遊技状態は非内部遊技状態に設定され、演出状態は待機演出状態(非有利区間)に設定される。かかる待機演出状態は、上記のように、高確率で有利区間に移行させることで、チャンス演出状態または通常AT演出状態に移行する。そうすると、スロットマシン100のリセットに伴い、必然的に、チャンス演出状態または通常AT演出状態に移行することとなる。例えば、遊技場では、営業時間終了後、次の日の営業時間が始まるまでにスロットマシン100をリセットする場合がある。そうすると、営業時間の開始時には、必ず、チャンス演出状態または通常AT演出状態に移行するので、営業時間の開始時から遊技を行う遊技者が必然的に有利になってしまう。
そこで、本実施形態では、スロットマシン100のリセット時以外の通常時には、非有利区間においてチャンス演出状態または通常AT演出状態に必ず移行する遊技性を維持しつつ、スロットマシン100のリセット時には特定演出状態への移行を回避し、通常演出状態に直接移行する仕様を実現する。
ところで、図7を用いて説明したように、スロットマシン100のリセット時には、初期状態として遊技状態は非内部遊技状態となるものの、当選役「RBB」に当選した遊技において、当選役「RBB」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示させなかった場合、遊技状態がRBB内部中遊技状態(内部中遊技状態)に移行し、その後、遊技状態は変化することなく、RBB内部中遊技状態が継続することとなる。ここでは、かかるRBB内部中遊技状態においてAT演出状態を実現することを想定している。
そこで、演出状態制御手段314は、有利区間への移行を決定すると、その時点の遊技状態を参照して演出状態を決定する。具体的に、演出状態制御手段314は、遊技状態を参照し、所定のリセット条件を満たすか(遊技状態がRBB内部中遊技状態(特別遊技状態)ではないか)を判定し、すなわち、スロットマシン100がリセットされた後、まだ、当選役「RBB」に当選していなければ、演出状態を通常演出状態に直接移行させる(図9の(3))。一方、演出状態制御手段314は、遊技状態を参照し、リセット条件を満たさなければ(遊技状態がRBB内部中遊技状態であれば)、すなわち、スロットマシン100のリセット後に当選役「RBB」に当選した状態であれば、演出状態を、チャンス演出状態または通常AT演出状態に100%移行させる(図9の(4)、(5))。
図12は、有利区間当選時の演出状態制御手段314の処理を説明するためのタイミングチャートである。非有利区間(待機演出状態)において、演出状態制御手段314が有利区間への移行を決定すると、その時点において遊技状態がいずれであるか判定する。このとき図12(a)のように、遊技状態がRBB内部中遊技状態ではない(非内部遊技状態である)と判定されれば、スロットマシン100がリセットされた直後だとして、演出状態を通常演出状態に移行させる。一方、図12(b)のように、遊技状態がRBB内部中遊技状態であると判定されれば、その非有利区間は、有利区間を経由した非有利区間であるとして、演出状態を、9/10の当選確率でチャンス演出状態に、1/10の当選確率で通常AT演出状態に移行させる(ここでは、通常AT演出状態を例示している)。
なお、ここでは、演出状態制御手段314が有利区間への移行を決定した遊技において、遊技状態に基づく演出状態を決定しているが、有利区間への移行決定を条件にすれば足り、有利区間への移行を決定した遊技の次の遊技後に遊技状態に基づく演出状態を決定してもよい。
ただし、当選役「RBB」の当選確率を高く設定した場合、スロットマシン100のリセット後に有利区間に当選する前に、当選役「RBB」に当選する可能性が高まってしまう。例えば、図12(c)のように、スロットマシン100のリセット後、有利区間に未だ当選しておらず、まだ、演出状態が待機演出状態である間に、当選役「RBB」に当選し、遊技状態がRBB内部中遊技状態に移行すると、有利区間への移行を決定した時点では、既に遊技状態がRBB内部中遊技状態となっているので、演出状態制御手段314は、想定と異なり、演出状態をチャンス演出状態または通常AT演出状態に移行させることとなる。したがって、当選役「RBB」の当選確率は、有利区間の当選確率より低く設定する必要がある。
なお、当選役「RBB」の当選確率を、有利区間の当選確率より低く設定したとしても、確率論なので、必ずしも有利区間の方が当選役「RBB」より先に当選するとは限らない。そこで、万が一、リセット後に、有利区間の方が当選役「RBB」より先に当選した場合には、液晶表示部124や、その他の表示手段にその旨を表示することで、管理者に伝達し、管理者が、再度、スロットマシン100をリセットすればよい。また、有利区間の方が当選役「RBB」より先に当選した旨を表示する場合のみならず、例えば、スロットマシン100のリセット後、予め「初期設定待機中」等の文言を液晶表示部124やその他の表示手段に表示し、当選役「RBB」が当選する前に有利区間が当選した場合にのみ、その表示を削除することで、管理者に、有利区間の方が当選役「RBB」より先に当選した旨を伝達するとしてもよい。
また、当選役「RBB」の当選確率は低くすべきことを述べたが、当選役「RBB」の当選確率が低すぎる場合、当選役「RBB」に当選する前に、有利区間から非有利区間に移行する可能性が高まってしまう。例えば、図12(d)のように、有利区間において、非有利区間への移行が決定された後、当選役「RBB」に未だ当選しておらず、まだ、遊技状態が非内部遊技状態である間に、有利区間に当選すると、有利区間への移行を決定した時点では、遊技状態が未だ非内部遊技状態なので、演出状態制御手段314は、想定と異なり、演出状態を通常演出状態に移行させることとなる。したがって、当選役「RBB」の当選確率は、有利区間において非有利区間への移行が決定される確率よりも高く設定する必要がある。
したがって、ここでは、非有利区間において有利区間への移行が決定される確率1/1.4に対し、当選役「RBB」の当選確率を1/30とすることで、演出状態制御手段314が、リセット後に、演出状態をチャンス演出状態または通常AT演出状態に移行させたり、有利区間において非有利区間が決定されたにも拘わらず、有利区間の当選後に演出状態を通常演出状態に移行させることを回避している。
(有利区間中の処理)
ところで、図9や図11を用いて説明したように、本実施形態では、AT演出状態として、通常AT演出状態とインターバル演出状態とが交互に実行される。また、AT演出状態から通常演出状態に転落したとしても、通常演出状態において、通常AT演出状態への移行が決定されれば、再度、AT演出状態を実行することができる。
図13は、有利区間中の演出状態の推移例を示したタイミングチャートである。例えば、図13の例では、非有利区間において有利区間への移行が決定し、これに伴って、AT演出状態(通常AT演出状態)への移行が決定したとする。また、AT演出状態が一旦終了し、通常演出状態に移行しているが、再度、通常演出状態において、AT演出状態(通常AT演出状態)への移行が決定したとする。しかし、このように連続する有利区間中に、通常演出状態とAT演出状態とを繰り返す仕様では、図13のように、有利区間の滞在遊技数の上限である1500遊技においてもAT演出状態を維持している可能性がある。この場合、演出状態制御手段314は、有利区間の滞在遊技数が上限に達したことに伴って、強制的に非有利区間に移行させる。そうすると、AT演出状態が有利区間の滞在遊技数の上限に達したことによって不意に終了するとともに、非有利区間における有利区間への再移行に伴い、意図せず、演出状態が、チャンス演出状態または通常AT演出状態(ここでは、通常AT演出状態を例示している)に移行することとなる。
演出状態がこのように推移するのは、以下の理由による。すなわち、図9のように、通常演出状態において、非有利区間への移行(実質的に非有利区間を経由してチャンス演出状態や通常AT演出状態への移行)を決定するとともに、連続する有利区間において通常AT演出状態への再度の移行を決定している。このような移行決定を、有利区間の最初の方で実行するのには問題ないが、有利区間の滞在遊技数の上限に近くなってまで実行すると、有利区間の滞在遊技数の上限近くで通常AT演出状態への移行が決定される場合があり、図13で説明したように、AT演出状態の継続に基づいて、有利区間の滞在遊技数の上限に到達するからである。そこで、本実施形態では、有利区間の滞在遊技数に応じAT演出状態の決定態様を変更する。具体的には、比較的、有利区間の滞在遊技数の上限に近い通常演出状態においては、非有利区間への移行は決定しても、連続する有利区間において通常AT演出状態への再度の移行を決定しないようにする。
図14は、有利区間中の演出状態の推移例を示したタイミングチャートである。ここでは、説明の便宜上、有利区間の開始時に通常AT演出状態に当選し、通常演出状態において、直接、通常AT演出状態への移行が決定される例を挙げて説明する。しかし、かかる場合に限らず、有利区間の開始時にチャンス演出状態に当選したり、通常演出状態において、チャンス演出状態を経由して通常AT演出状態への移行が決定される場合があることは言うまでもない。また、ここでは、通常演出状態のうちの前半に相当し、非有利区間への移行、および、連続する有利区間における通常AT演出状態への再度の移行のいずれも許容する期間を非ブロック期間とする。一方で、通常演出状態のうちの後半に相当し、非有利区間への移行は許容するが、連続する有利区間における通常AT演出状態への再度の移行は許容しない期間をブロック期間と定義する。そして、演出状態制御手段314は、非ブロック期間では、非有利区間への移行を決定するとともに、連続する有利区間内で特定演出状態(チャンス演出状態または通常AT演出状態)への移行を決定し、通常演出状態の後半に相当するブロック期間では、連続する有利区間内で特定演出状態への移行を決定することなく、非有利区間への移行を決定する。
ただし、非ブロック期間とブロック期間とで、AT演出状態への移行確率が異なると、遊技者に損失感を与えるおそれがある。したがって、非ブロック期間における非有利区間への移行、および、連続する有利区間における通常AT演出状態への再度の移行(詳細にはチャンス演出状態を経由した通常AT演出状態への移行も含む)の合計確率と、ブロック期間における非有利区間への移行確率は等しく(同等と)するのが望ましい。例えば、非ブロック期間における非有利区間への移行、および、連続する有利区間における通常AT演出状態への再度の移行の確率をそれぞれ1/1000と9/1000とし、ブロック期間における非有利区間への移行確率を10/1000とする。なお、有利区間の滞在遊技数の上限に近いということで、後者の確率を段階的に上げるとする遊技性を採用することもできる。
図14(a)では、有利区間の開始時に通常AT演出状態が2セット継続して終了したとする。この場合、AT演出状態の滞在遊技数は、40(通常AT演出状態)×2+50(インターバル演出状態)=130遊技となる。そして、通常演出状態に移行してからの非ブロック期間は、有利区間の開始から所定の固定遊技数(ここでは、700遊技)まで継続する。すなわち、非ブロック期間は700-130=570遊技の間継続する。そして、有利区間の開始から700遊技経過後、その上限である1500遊技までブロック期間となる。すなわち、ブロック期間は1500-700=800遊技継続することとなる。また、この場合、通常演出状態(非ブロック期間+ブロック期間)の滞在遊技数は、1500-130=1370遊技となる。
ここでは、非ブロック期間の終了が固定遊技数で固定されているので、非ブロック期間は、その固定遊技数からAT演出状態を除いた(差し引いた)期間となる。また、ブロック期間は、基本的に、有利区間の滞在遊技数の上限から非ブロック期間の固定遊技数を除いた(差し引いた)期間、すなわち、800遊技となる。また、通常演出状態の滞在遊技数は非ブロック期間とブロック期間の合計で表される。
このように、非ブロック期間において、非有利区間への移行、および、連続する有利区間における通常AT演出状態への再度の移行のいずれも許容するといった遊技性を担保しつつ、有利区間の滞在遊技数の上限である1500遊技に近いブロック期間において、通常AT演出状態への再度の移行は許容しないとすることで、有利区間の滞在遊技数の上限近くで連続する有利区間における通常AT演出状態への移行が決定されるのを防止することができる。こうして、通常AT演出状態の継続に基づいて、有利区間の滞在遊技数の上限に到達し、AT演出状態が有利区間の滞在遊技数の上限によって不意に終了するとともに、非有利区間における有利区間への再移行に伴い、意図せず、演出状態が、チャンス演出状態または通常AT演出状態に移行することを回避することが可能となる。
なお、非ブロック期間において、非有利区間に移行することなく通常AT演出状態へ再度移行した場合の継続セット数の決定や追加(対価の積み上げ)は可能であるが、このような継続セット数の決定や追加を報知した後に、ブロック期間において、通常AT演出状態への移行が禁止されるとなると、その継続セット数の決定や追加が遊技者に喪失感を与えることになる。また、有利区間がリセットされると、継続セット数の決定や追加を持ち越すことができないので、ここでも遊技者に損失感を与えかねない。したがって、非ブロック期間において継続セット数の決定や追加を行わないとしてもよい。
なお、図14(b)のように、有利区間の開始から700遊技に到達していなくとも、所定の移行条件を満たすと、例えば、通常AT演出状態がインターバル演出状態のみを経由して所定回数(例えば8回)継続すると(滞在遊技数691遊技)、ブロック期間が開始されることなく、演出状態制御手段314は、有利区間をリセットし、実質的にチャンス演出状態もしくは通常AT演出状態に必ず移行させる。また、このような所定の移行条件を複数回満たすことができれば、図10で説明したように、非有利区間を挟んでAT演出状態を継続でき、有利区間の滞在遊技数(遊技実行回数)の上限(例えば1500遊技)や、有利区間の獲得枚数(獲得純増)の上限(例えば2400枚)を超えて、メダルを獲得することが可能となる。
また、非ブロック期間においては、図14(c)のように、非有利区間への移行、および、連続する有利区間における通常AT演出状態への再度の移行のいずれも許容されているので、当然、非有利区間に移行することなく通常AT演出状態へ再度移行することがある。このとき、非ブロック期間内に移行した通常AT演出状態が、図14(c)のように、非ブロック期間内に終了しなかった場合、終了後の通常演出状態は、必ず、ブロック期間になる。なお、かかる非ブロック期間内に移行した通常AT演出状態が継続したとしても、有利区間の滞在遊技数の上限に達する前に、所定の移行条件を満たす(ここでは、691遊技を消化)こととなるので、有利区間の滞在遊技数の上限に達することはない。この場合、有利区間がリセットされるので、ブロック期間(通常演出状態)に移行することもない。
なお、通常AT演出状態が、非ブロック期間を跨いで、すなわち、所定の固定遊技数を超えて継続した場合、そのAT演出状態の終了に伴い、ブロック期間に移行することなく、演出状態制御手段314は、有利区間をリセットし、実質的にチャンス演出状態もしくは通常AT演出状態に移行させるとしてもよい。かかる構成により、連続する有利区間において通常AT演出状態に何回も移行し、有利区間の滞在遊技数が上限に近づくことを回避することができる。
また、連続する有利区間においてAT演出状態への移行が所定回数(例えば、4回)に達すると、その特典として、演出状態制御手段314は、有利区間をリセットし、実質的にチャンス演出状態もしくは通常AT演出状態に移行させるとしてもよい。なお、これに加え、4回目のAT演出状態は、特典として無条件で通常AT演出状態を8セット付与し、強制的に所定の移行条件を満たさせるとしてもよい。かかる構成により、連続する有利区間において通常AT演出状態に何回も移行し、有利区間の滞在遊技数が上限に近づくことを回避することができる。
また、AT演出状態終了後の通常演出状態が所定遊技数(例えば、999遊技)に到達すると(所謂、天井機能)、演出状態制御手段314は、有利区間をリセットし、実質的にチャンス演出状態もしくは通常AT演出状態に移行させるとしてもよい。かかる天井機能により、遊技者は、安心感を得るとともに、通常演出状態をある程度消化すると、遊技を継続した場合の期待獲得枚数が高まり、天井(例えば999遊技)まで遊技を継続することとなるので、スロットマシン100の稼働率の向上を図ることができる。
また、ここでは、AT演出状態が所定の移行条件を満たさず、かつ、有利区間の開始から固定遊技数に達していない場合、通常演出状態のうち非ブロック期間に移行する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、所定の移行条件を満たさなくとも、AT演出状態によって多くのメダルを獲得したことが想定される場合(例えば、セット数が所定回数に到達、獲得枚数が所定枚数に到達等)、非ブロック期間に代えて、強制的にブロック期間に移行させるとしてもよい。かかる構成により、連続する有利区間において通常AT演出状態に何回も移行し、有利区間の滞在遊技数が上限に近づくことを回避することができる。
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のメイン処理)
図15は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120a、120b、120c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
(ステップS100)
電源スイッチ144を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、リール110の回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各リール110が回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
(ステップS200)
続いて、遊技者によるベットスイッチ116の操作、または、メダル投入部114へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。また、コマンド送信手段316は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ118の操作待ち状態に移行する。ここで、当選種別抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数から、スタートスイッチ118が操作された時点における1の当選種別抽選乱数を取得する。そして、当選種別抽選手段304は、図6に示した当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別または不当選を抽選結果として決定する。また、遊技状態制御手段312は、当選種別抽選において当選役「RBB」が決定されると、遊技状態を非内部遊技状態からRBB内部中遊技状態に移行させる。
また、コマンド送信手段316は、スタートスイッチ118の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選種別抽選の抽選結果(当選種別または不当選)や遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。かかる抽選処理S300については、後程詳述する。
(ステップS400)
スタートスイッチ118が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ152を駆動して左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転を開始し、左リール110a、中リール110b、右リール110cの全てが定速回転となったところで、ステップS500に処理を移す。
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cを有効化し、遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を受け付けると、その操作に対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cのいずれかを停止制御する。
また、コマンド送信手段316は、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップスイッチ120a、120b、120cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
(ステップS600)
次に、判定手段308は、図3(b)に示した有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、遊技状態制御手段312は、RBB内部中遊技状態において、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせであれば、遊技状態をRBB内部中遊技状態からRBB作動中遊技状態に移行させる。また、コマンド送信手段316は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS700)
続いて、払出制御手段310は、ステップS600における判定結果に基づき、例えば、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、遊技状態制御手段312は、RBB作動中遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をRBB作動中遊技状態から非内部遊技状態に移行させる。このように、払出制御手段310は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、当該1遊技を終了する。また、コマンド送信手段316は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、生成された払出コマンドを副制御基板202に送信する。
ステップS200からステップS700までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
(抽選処理S300)
図16、図17は、上記ステップS300の抽選処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS301)
まず、演出状態制御手段314は、現在の演出状態がAT演出状態(通常AT演出状態またはインターバル演出状態)であるか否かを判定する。その結果、現在の演出状態がAT演出状態であれば、ステップS302に移行し、AT演出状態でなければ、ステップS311に移行する。
(ステップS302)
ステップS301において演出状態がAT演出状態であると判定されれば、演出状態制御手段314は、現在の演出状態が通常AT演出状態であるか否かを判定する。その結果、通常AT演出状態であれば、ステップS303に移行し、通常AT演出状態でなければ、すなわち、インターバル演出状態であれば、ステップS306に移行する。
(ステップS303)
ステップS302において演出状態が通常AT演出状態であると判定されれば、演出状態制御手段314は、通常AT演出状態に基づいて、例えば、選択当選種別全てに対して(100%の確率で)補助演出を補助演出報知手段に実行させる。
(ステップS304)
次に、演出状態制御手段314は、通常AT演出状態の終了条件、例えば、滞在遊技数が所定の継続遊技数(例えば、40遊技)に到達したか否か判定する。その結果、所定の継続遊技数に到達していれば、ステップS305に移行し、到達していなければ、ステップS311に移行する。
(ステップS305)
ステップS304において滞在遊技数が所定の継続遊技数に到達したと判定されれば、演出状態制御手段314は、演出状態をインターバル演出状態に移行し、ステップS311に移行する。
(ステップS306)
ステップS302において演出状態が通常AT演出状態ではない(インターバル演出状態である)と判定されれば、演出状態制御手段314は、インターバル演出状態に基づいて、例えば、0~100%のうちの所定の確率で補助演出を補助演出報知手段に実行させる。
(ステップS307)
次に、演出状態制御手段314は、インターバル演出状態の終了条件、例えば、滞在遊技数が所定の継続遊技数(例えば、50遊技)に到達したか否か判定する。その結果、所定の継続遊技数に到達していれば、ステップS308に移行し、到達していなければ、ステップS311に移行する。
(ステップS308)
ステップS307において終了条件を満たすと判定されれば、演出状態制御手段314は、通常AT演出状態のセット数の残りがあるか否か、すなわち、通常AT演出状態を継続するか否か判定する。その結果、通常AT演出状態のセット数の残りがあれば、ステップS309に移行し、残りがなければ、ステップS310に移行する。
(ステップS309)
ステップS308において通常AT演出状態のセット数の残りがあると判定されれば、演出状態制御手段314は、演出状態を通常AT演出状態に移行させ、ステップS311に移行する。
(ステップS310)
ステップS308において通常AT演出状態のセット数の残りがないと判定されれば、演出状態制御手段314は、演出状態を通常演出状態に移行させ、ステップS311に移行する。
(ステップS311)
次に、演出状態制御手段314は、現在の演出状態がチャンス演出状態であるか否かを判定する。その結果、現在の演出状態がチャンス演出状態であれば、ステップS312に移行し、チャンス演出状態でなければ、ステップS319に移行する。
(ステップS312)
ステップS311において現在の演出状態がチャンス演出状態であると判定されれば、演出状態制御手段314は、有利区間における滞在遊技数が固定遊技数(例えば、700遊技)未満であるか否か判定する。その結果、滞在遊技数が固定遊技数未満であれば、ステップS313に移行し、固定遊技数未満ではない、すなわち、固定遊技数以上であれば、ステップS314に移行する。
(ステップS313)
ステップS312において滞在遊技数が固定遊技数未満である、すなわち、非ブロック期間に相当すると判定されれば、演出状態制御手段314は、非ブロック期間に基づく抽選により、非有利区間への移行、および、連続する有利区間における通常AT演出状態のいずれかへの移行を決定し、ステップS315に移行する。
(ステップS314)
ステップS312において滞在遊技数が固定遊技数未満ではない、すなわち、ブロック期間に相当すると判定されれば、演出状態制御手段314は、ブロック期間に基づく抽選により、非有利区間への移行を決定し、ステップS315に移行する。
(ステップS315)
次に、演出状態制御手段314は、チャンス演出状態の終了条件、例えば、滞在遊技数が所定の継続遊技数(例えば、30遊技)に到達したか否か判定する。その結果、所定の継続遊技数に到達していれば、ステップS316に移行し、到達していなければ、ステップS319に移行する。
(ステップS316)
ステップS315においてチャンス演出状態の終了条件を満たすと判定されれば、演出状態制御手段314は、ステップS313またはステップS314の抽選に当選したか、すなわち、非有利区間への移行、または、連続する有利区間における通常AT演出状態への移行が決定されたか否か判定する。その結果、非有利区間への移行、または、連続する有利区間における通常AT演出状態への移行が決定されていれば、ステップS317に移行し、決定されていなければ、ステップS318に移行する。
(ステップS317)
ステップS316において、抽選に当選したと判定されれば、演出状態制御手段314は、その抽選結果に従って、演出状態を待機演出状態(非有利区間)または通常AT演出状態に移行させ、ステップS319に移行する。
(ステップS318)
ステップS316において、抽選に当選していないと判定されれば、演出状態制御手段314は、演出状態を通常演出状態に移行させ、ステップS319に移行する。
(ステップS319)
次に、演出状態制御手段314は、現在の演出状態が通常演出状態であるか否かを判定する。その結果、現在の演出状態が通常演出状態であれば、ステップS320に移行し、通常演出状態でなければ、ステップS325に移行する。
(ステップS320)
ステップS319において現在の演出状態が通常演出状態であると判定されれば、演出状態制御手段314は、有利区間における滞在遊技数が固定遊技数(例えば、700遊技)未満であるか否か判定する。その結果、滞在遊技数が固定遊技数未満であれば、ステップS321に移行し、固定遊技数未満ではない、すなわち、固定遊技数以上であれば、ステップS322に移行する。
(ステップS321)
ステップS320において滞在遊技数が固定遊技数未満である、すなわち、非ブロック期間に相当すると判定されれば、演出状態制御手段314は、非ブロック期間に基づく抽選により、非有利区間への移行、連続する有利区間における通常AT演出状態、および、連続する有利区間におけるチャンス演出状態のいずれかへの移行を決定し、ステップS323に移行する。
(ステップS322)
ステップS320において滞在遊技数が固定遊技数未満ではない、すなわち、ブロック期間に相当すると判定されれば、演出状態制御手段314は、ブロック期間に基づく抽選により、非有利区間への移行を決定し、ステップS323に移行する。
(ステップS323)
次に、演出状態制御手段314は、ステップS321またはステップS322の抽選に当選したか、すなわち、非有利区間への移行、連続する有利区間における通常AT演出状態、または、連続する有利区間におけるチャンス演出状態への移行が決定されていれば、ステップS324に移行し、決定されていなければ、ステップS325に移行する。
(ステップS324)
ステップS323において抽選に当選したと判定されれば、演出状態制御手段314は、その抽選結果に従って、演出状態を待機演出状態(非有利区間)、通常AT演出状態、または、チャンス演出状態に移行させ、ステップS325に移行する。
(ステップS325)
次に、演出状態制御手段314は、現在の演出状態が待機演出状態(非有利区間)であるか否かを判定する。その結果、現在の演出状態が待機演出状態であれば、ステップS326に移行し、待機演出状態でなければ、ステップS331に移行する。
(ステップS326)
ステップS325において演出状態が待機演出状態であると判定されれば、演出状態制御手段314は、抽選により有利区間への移行を決定する。
(ステップS327)
次に、演出状態制御手段314は、ステップS326において有利区間への移行が決定されたか否か判定する。その結果、有利区間への移行が決定されていれば、ステップS328に移行し、決定されていなければ、ステップS331に移行する。
(ステップS328)
ステップS327において有利区間への移行が決定されていれば、演出状態制御手段314は、所定のリセット条件を満たすか否か、すなわち、現在の遊技状態が内部中遊技状態でないか否かを判定する。その結果、所定のリセット条件を満たせば、ステップS329に移行し、リセット条件を満たさなければ、ステップS330に移行する。
(ステップS329)
ステップS328において所定のリセット条件を満たすと判定されれば、スロットマシン100がリセットされた直後であると判定し、演出状態制御手段314は、演出状態を通常演出状態に移行させ、ステップS331に移行する。
(ステップS330)
ステップS328において所定のリセット条件を満たさないと判定されれば、演出状態制御手段314は、演出状態を、チャンス演出状態または通常AT演出状態に100%移行させ、ステップS331に移行する。
(ステップS331)
次に、演出状態制御手段314は、所定の移行条件を満たしたか、または、有利区間においてカウントされる値が所定値に達したか否か判定する。その結果、いずれかの条件を満たしていれば、ステップS332に移行し、いずれも満たしていなければ、当該抽選処理S300を終了する。
(ステップS332)
ステップS331において所定の移行条件を満たしたか、または、有利区間においてカウントされる値が所定値に達したと判定されれば、演出状態制御手段314は、演出状態を待機演出状態(非有利区間)に移行させ、当該抽選処理S300を終了する。
以上示したように、本実施形態のスロットマシン100では、有利区間の滞在遊技数の延長を実質的に担保することで、遊技性の向上を図ることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
(変形例1)
例えば、上述した実施形態では、図7を用いて説明したように、RBB内部中遊技状態を維持しつつ、RBB内部中遊技状態においてAT演出状態を実現する例を挙げた。しかし、かかる場合に限らず、第1種特別役物RBを用いた、所謂、シフトRBBを採用してAT演出状態を実現することもできる。以下、シフトRBBを採用した場合の変形例1を説明する。なお、かかる変形例1の当選種別抽選テーブルは、図18に示すように、図6に示した当選種別抽選テーブルに、RB≠1となる当選役「RB」が含まれる当選種別「RB」を追加したものである。
(遊技状態の遷移)
図19は、遊技状態の遷移を説明するための説明図である。ここでは、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態、RBB作動中RB作動中遊技状態といった複数の遊技状態が準備されている。各遊技状態は、図7同様、ボーナス役の当選、入賞(作動)、終了に応じて遷移する。
非内部遊技状態は、複数の遊技状態における初期状態に相当する遊技状態である。かかる非内部遊技状態では、リプレイ役の当選確率が約1/7.3に設定されている。また、非内部遊技状態では、当選役「RBB」が高確率で決定されている。したがって、非内部遊技状態での滞在遊技数は短くなる。遊技状態制御手段312は、当選役「RBB」の当選に応じて、遊技状態をRBB内部中遊技状態に移行させる(1)。
RBB内部中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が約1/7.3に設定されている。なお、図3(a)および図5を参照すると、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせはPB≠1なので、遊技者は、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを意図的に揃えないことで、RBB内部中遊技状態を延長することができてしまう。ここでは、遊技状態がRBB内部中遊技状態であることを条件に、ペナルティとして、AT演出状態であっても補助演出を実行しない(もしくはAT演出状態への移行を決定しない)、および、所謂天井までのカウント値の計数を止める(計数しない)とすることで、遊技者に遊技状態の進行(当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせの表示)を促す。したがって、結果的に、RBB内部中遊技状態においても滞在遊技数は短くなる。当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB作動中非内部遊技状態に移行させる(2)。
RBB作動中非内部遊技状態では、リプレイ役の当選確率が0に設定されている。したがって、後述するように、単位遊技当たりの期待獲得枚数をRBB内部中遊技状態より低く設定することができる。RBB作動中非内部遊技状態において、当選役「RB」に当選すると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB作動中RB内部中遊技状態に移行させる(3)。
RBB作動中RB内部中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が0に設定されている。したがって、RBB作動中非内部遊技状態同様、単位遊技当たりの期待獲得枚数を、RBB内部中遊技状態より低く設定することができる。また、上記のように、当選役「RB」はPB≠1であるものの、遊技者は、当選役「RB」に対応する図柄組合せを狙うことができる。ここでは、後述するように、RBB作動中RB作動中遊技状態の単位遊技当たりの期待獲得枚数を低め、かつ、AT演出状態であっても補助演出を実行しない(もしくはAT演出状態への移行を決定しない)、および、所謂天井までのカウント値の計数を止める(計数しない)とすることで、遊技者に、遊技状態を進行しないように(当選役「RB」に対応する図柄組み合わせを表示させないように)促す。なお、RBB作動中RB内部中遊技状態において、当選役「RB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示すると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB作動中RB作動中遊技状態に移行させることとなる(4)。
RBB作動中RB作動中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が0に設定されている。なお、かかるRBB作動中RB作動中遊技状態では、当選可能な当選種別として、当選領域26に当選種別「小役ALL」が、当選領域27に当選種別「1枚ALL」が設定されている。当選種別「小役ALL」に当選すると、当選役「小役1」~「小役4」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示され、当選種別「1枚ALL」に当選すると、当選役「小役5」~「小役70」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御が実行される。ここでは、図8を用いて説明した構成と同様の構成により、RBB作動中RB作動中遊技状態での単位遊技当たりの期待獲得枚数を低く設定している。以下、RBB作動中RB作動中遊技状態での当選態様を詳述する。
仮に、図18の当選種別抽選テーブルにおいて、RBB作動中RB作動中遊技状態における当選領域26の当選種別「小役ALL」の置数を9156、当選領域27の当選種別「1枚ALL」の置数を27469(9156×3+1)とする。また、他の遊技状態(非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態)における当選領域2~13の当選種別「打順ベルA1」~「打順ベルC4」それぞれの置数が2289であり、当選領域14~25の当選種別「打順ベルD1」~「打順ベルD12」それぞれの置数が763であったとする。また、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態における当選領域1の当選種別「リプレイ」の置数が8978であったとする。ここで、RBB作動中RB作動中遊技状態においては、複数種類の正解役(ここでは当選役「小役1」~「小役4」)が互いに重複して当選し、他の遊技状態においては、かかる複数種類の正解役が重複して当選しない。
図20は、RBB作動中RB作動中遊技状態での当選態様を説明するための説明図である。図20を参照すると、RBB作動中RB作動中遊技状態での当選種別抽選で、正解役からなる当選種別が当選する確率は9156/65536であり、不正解役からなる選択当選種別が当選する確率は27469/65536である。一方、他の遊技状態(非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態)での当選種別抽選で、正解役が含まれる当選種別が当選する確率は、当選役「小役1」~「小役4」それぞれについて9156/65536である。不正解役が含まれる選択当選種別が当選する確率は、当選役「小役5」~「小役70」それぞれについて最大で5341/65536であったとする。したがって、RBB作動中RB作動中遊技状態での入賞に係る条件装置それぞれの作動確率は、他の遊技状態と比較して同等以上であり、少なくとも不正解役に係る条件装置の作動確率は、より上昇しているのが理解できる。
また、RBB作動中RB作動中遊技状態での入賞に係る当選領域の合計置数は36625(9156+27469)であり、他の遊技状態での入賞に係る当選領域の合計置数は36624(9156×4)である。したがって、RBB作動中RB作動中遊技状態での入賞に係る当選領域の合計置数が、他の遊技状態より大きくなっているのが理解できる。ここでは、払出枚数の少ない不正解役を1増やすことで、単位遊技当たりの期待獲得枚数の増加を抑制しつつ、入賞に係る当選領域の合計置数を増やしている。
また、RBB作動中RB作動中遊技状態において当選種別「小役ALL」が決定された場合、遊技者のストップスイッチ120a、120b、120cの操作順に拘わらず、正解役(ここでは当選役「小役1」~「小役4」)に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることで、遊技者が無作為に操作した場合の出玉率を非内部遊技状態より高めることができる。
ここでは、他の遊技状態において、複数種類の正解役が互いに重複せずに当選するため、正解役を入賞させることができる機会を多くすることができ(36624/65536)、その結果、例えば、他の遊技状態におけるAT演出状態において補助演出が行われることで、メダルを獲得しやすくできる。一方、RBB作動中RB作動中遊技状態では、複数種類の正解役が重複して当選するため、他の遊技状態におけるAT演出状態と比較して、正解役を入賞させることができる機会が少ないので(9156/65536)、遊技者が所有するメダルを増やしにくくしている。したがって、他の遊技状態よりも入賞に係る当選役の当選確率が高いというRBB作動中RB作動中遊技状態の機能を備えつつ、メダルの獲得性能の面ではRBB作動中RB作動中遊技状態が他の遊技状態に劣るという仕様を実現することができる。
さらに、RBB作動中RB作動中遊技状態における単位遊技当たりの期待獲得枚数を従来のスロットマシンにおいて採用されていたボーナス遊技状態における単位遊技当たりの期待獲得枚数よりも低く抑えることができる。このため、遊技状態の全体を通じてのメダルの獲得率が高まりすぎて徒に射倖心を煽ることなく、メダルの獲得率を低く抑えた分だけ、他の遊技状態での小役の当選確率を高めに設定することができ、例えば、AT演出状態において、メダルの増加率をさらに向上させることができる。
図19に戻り、当選役「RB」の終了条件を満たすと、すなわち、小役が所定回数(例えば8回)入賞するか、遊技数が所定回数(例えば12回)に到達すると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB作動中非内部遊技状態に移行させる(5)。したがって、RBB作動中において、遊技状態制御手段312は、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態、RBB作動中RB作動中遊技状態を順番に繰り返し移行させることとなる。
RBB作動中の遊技状態(RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態、RBB作動中RB作動中遊技状態、以下、単にRBB作動中遊技状態という場合がある)のいずれかに滞在中に、当選役「RBB」の終了条件を満たすと(例えば、獲得枚数が所定枚数に到達すると)、遊技状態制御手段312は、遊技状態を非内部遊技状態に移行させる(6)。
したがって、遊技状態制御手段312は、大きな状態遷移として、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動後の遊技状態(RBB作動中遊技状態)を順次移行させつつ、RBB作動後に、小さな状態遷移として、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態、RBB作動中RB作動中遊技状態を順番に繰り返し移行させることとなる。ただし、上述したように、RBB作動後は、RBB作動中RB作動中遊技状態へ進行させないようにし、RBB内部中遊技状態では、RBB作動中非内部遊技状態への進行を促すので、本実施形態では、遊技状態のうち、非内部遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態の3つの遊技状態の滞在遊技数が長くなる。
また、このように遊技状態を移行しつつ、非内部遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態において、本実施形態の演出状態(待機演出状態、チャンス演出状態、通常AT演出状態、インターバル演出状態、通常演出状態)の推移を実現する。ここでは、決定された演出状態は、遊技状態を跨いで継続させる。したがって、AT演出状態の終了条件を満たすまでに、複数の遊技状態が順次移行することがある。特に、AT演出状態においては、当選役「RBB」の終了条件を満たす可能性が多くなるので、非内部遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態間の移行を繰り返すことも多くなる。
なお、上述した実施形態では、RBB内部中遊技状態を維持する仕様なので、演出状態制御手段314が、有利区間への移行が決定されたタイミングで遊技状態を参照し、遊技状態がRBB内部中遊技状態であるか否かに応じて、移行させる演出状態を決定していた。しかし、変形例1では、非内部遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態間の移行を繰り返すことを想定しており、いずれかの遊技状態が維持されているか否かを判定条件にできない。そこで、変形例1では、演出状態制御手段314が、遊技状態が特定のRT遊技状態(特別遊技状態)であるか否かに応じて、移行させる演出状態を決定するとしてもよい。
例えば、スロットマシン100のリセット後は、遊技状態が非内部遊技状態であり、演出状態制御手段314は、有利区間への移行が決定されたタイミングで遊技状態を参照し、遊技状態が非内部遊技状態であると判定されれば、スロットマシン100がリセットされているとし、演出状態を通常演出状態に移行させる。そして、当選役「RBB」の終了条件を満たすと(例えば、獲得枚数が所定枚数に到達すると)、遊技状態制御手段312は、遊技状態を非内部遊技状態に移行させる。このとき、遊技状態制御手段312は、遊技状態を特定のRT遊技状態に移行させる。演出状態制御手段314は、有利区間への移行が決定されたタイミングで遊技状態を参照し、遊技状態が特定のRT遊技状態であると判定されれば、その非有利区間は、有利区間を経由した非有利区間であるとし、演出状態を、9/10の当選確率でチャンス演出状態に、1/10の当選確率で通常AT演出状態に移行させる。
(変形例2)
また、変形例1のシフトRBBに限らず、規定数に応じて抽選対象となるボーナス役が異なる仕様を採用してAT演出状態を実現することもできる。以下、このような規定数に応じて抽選対象となるボーナス役が異なる仕様を採用した場合の変形例2を説明する。
(遊技状態の遷移)
図21は、遊技状態の遷移を説明するための説明図である。ここでは、図21を用い、BB内部当選フラグの成立有無、および、規定数に基づく遊技状態の遷移について説明する。非内部遊技状態において、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118の操作に基づき、ボーナス役を含む当選種別を含む複数種類の当選種別のうち、いずれかを当選種別抽選により決定する。ただし、変形例2では、各遊技状態に応じ、規定数として、「3」または「2」のいずれかを選択できるように設定されており、遊技媒体のベット数に応じて(ベット数がいずれの規定数と等しいかに応じて)抽選対象となるボーナスの種類が異なっている。例えば、非内部遊技状態において、メダルのベット数が第1規定数の「2」であった場合、第1RBBが抽選対象となる。すなわち、当選種別抽選手段304は、メダルのベット数が第1規定数の「2」であった場合、当選役「第1RBB」を含む当選種別「第1RBB」を含む複数種類の当選種別のうちいずれかを当選種別抽選により決定することとなり、これは同時に、当選役「第2RBB」を含む当選種別「第2RBB」には当選しないことを示す。また、非内部遊技状態において、メダルのベット数が第2規定数の「3」であった場合、第2RBBが抽選対象となる。すなわち、当選種別抽選手段304は、メダルのベット数が第2規定数の「3」であった場合、当選役「第2RBB」を含む当選種別「第2RBB」を含む複数種類の当選種別のうちいずれかを当選種別抽選により決定することとなり、これは同時に、当選役「第1RBB」を含む当選種別「第1RBB」には当選しないことを示す。
したがって、非内部遊技状態において、メダルのベット数が第1規定数の「2」であった場合、ボーナス役としては、当選役「第1RBB」のみ当選可能であり、当選役「第1RBB」に当選し、その当選した遊技において当選役「第1RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、遊技状態制御手段312は、遊技状態を、非内部遊技状態から第1RBB内部中遊技状態に移行させる(1)。また、非内部遊技状態において、メダルのベット数が第2規定数の「3」であった場合、ボーナス役としては、当選役「第2RBB」のみ当選可能であり、当選役「第2RBB」に当選し、その当選した遊技において当選役「第2RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、遊技状態制御手段312は、遊技状態を、非内部遊技状態から第2RBB内部中遊技状態に移行させる(2)。
第1RBB内部中遊技状態では、第1RBB遊技フラグが成立しているので、当選役「第1RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示(入賞)させることができる。そして、第1RBB内部中遊技状態において、当選役「第1RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができなかった場合、第1RBB遊技フラグが次遊技に持ち越され(第1RBB内部中遊技状態が維持され)、次回以降の遊技においても当選役「第1RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。ただし、当該第1RBB内部中遊技状態においても、規定数として、「3」または「2」のいずれかが選択できるように設定されており、遊技媒体のベット数に応じて入賞対象となるボーナスの種類が異なっている。例えば、第1RBB内部中遊技状態において、メダルのベット数が第1規定数の「2」であった場合、当選役「第1RBB」が入賞対象となる。すなわち、リール制御手段306は、遊技者によるストップスイッチ120の操作に応じ、当選役「第1RBB」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上または引込範囲内に存在していれば、当選役「第1RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することが可能となる(入賞可能)。また、ここでは、当選役「第2RBB」は当選していないので、リール制御手段306は、当然、当選役「第2RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示できない。一方、第1RBB内部中遊技状態において、メダルのベット数が第2規定数の「3」であった場合、当選役「第2RBB」が入賞対象となる。しかし、そもそも当選役「第2RBB」は当選していないので、リール制御手段306は、当選役「第2RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示できない。また、リール制御手段306は、遊技者によるストップスイッチ120の操作に応じ、当選役「第1RBB」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上または引込範囲内に存在していたとしても、当選役「第1RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することはない(入賞不能)。
このように、第1RBB内部中遊技状態では、メダルのベット数が第1規定数の「2」であった場合にのみ、当選役「第1RBB」が入賞対象となり、当選役「第1RBB」が入賞すると、遊技状態制御手段312は、遊技状態を、第1RBB内部中遊技状態から、第1RBB作動中遊技状態に移行させる(3)。ただし、第1RBB内部中遊技状態において、メダルのベット数が第1規定数の「2」であった場合、リール制御手段306は、当選役「第1RBB」に対応する図柄組み合わせより、小役またはリプレイ役に対応する図柄組み合わせを優先して表示する仕様としているので、当選役「第1RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることはない。すなわち、メダルのベット数が第1規定数の「2」であった場合、当選役「第1RBB」が入賞対象ではあるものの、実際には、当選役「第1RBB」が入賞しないこととなる。そうすると、一旦、遊技状態が第1RBB内部中遊技状態に移行すると、それ以後、遊技状態が遷移することはなく、その遊技状態が維持されることになる。本実施形態では、太線で囲っているように、かかる遊技性を利用し、第1RBB内部中遊技状態を維持することを目的としている。
また、第2RBB内部中遊技状態では、第1RBB内部中遊技状態同様、第2RBB遊技フラグが成立しているので、当選役「第2RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示(入賞)させることができる。そして、第2RBB内部中遊技状態において、当選役「第2RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができなかった場合、第2RBB遊技フラグが次遊技に持ち越され(第2RBB内部中遊技状態が維持され)、次回以降の遊技においても当選役「第2RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。ただし、当該第2RBB内部中遊技状態においても、規定数として、「3」または「2」のいずれかが選択できるように設定されており、遊技媒体のベット数に応じて入賞対象となるボーナスの種類が異なっている。例えば、第2RBB内部中遊技状態において、メダルのベット数が第2規定数の「3」であった場合、当選役「第2RBB」が入賞対象となる。すなわち、リール制御手段306は、遊技者によるストップスイッチ120の操作に応じ、当選役「第2RBB」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上または引込範囲内に存在していれば、当選役「第2RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することが可能となる(入賞可能)。また、ここでは、当選役「第1RBB」は当選していないので、リール制御手段306は、当然、当選役「第1RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示できない。一方、第2RBB内部中遊技状態において、メダルのベット数が第1規定数の「2」であった場合、当選役「第1RBB」が入賞対象となる。しかし、当選役「第1RBB」はそもそも当選していないので、リール制御手段306は、当選役「第1RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示できない。また、リール制御手段306は、遊技者によるストップスイッチ120の操作に応じ、当選役「第2RBB」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上または引込範囲内に存在していたとしても、当選役「第2RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することはない(入賞不能)。
このように、第2RBB内部中遊技状態では、メダルのベット数が第2規定数の「3」であった場合にのみ、当選役「第2RBB」が入賞対象となり、当選役「第2RBB」が入賞すると、遊技状態制御手段312は、遊技状態を、第2RBB内部中遊技状態から、第2RBB作動中遊技状態に移行させる(4)。ただし、第1RBB内部中遊技状態同様、第2RBB内部中遊技状態において、メダルのベット数が第2規定数の「3」であった場合、リール制御手段306は、当選役「第2RBB」に対応する図柄組み合わせより、小役またはリプレイ役に対応する図柄組み合わせを優先して表示するので、当選役「第2RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることはない。すなわち、メダルのベット数が第2規定数の「3」であった場合、当選役「第2RBB」が入賞対象ではあるものの、実際には、当選役「第2RBB」が入賞しないこととなる。そうすると、一旦、遊技状態が第2RBB内部中遊技状態に移行すると、それ以後、遊技状態が遷移することはなく、その遊技状態が維持されることになる。ただし、変形例2では、上述したように第1RBB内部中遊技状態を維持することを目的としており、第2RBB内部中遊技状態に移行および維持することを目的とはしていない。
また、非内部遊技状態において、メダルのベット数が第1規定数の「2」であり、当選役「第1RBB」に当選した場合に、その当選した遊技で当選役「第1RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができれば、遊技状態制御手段312は、遊技状態を、非内部遊技状態から、第1RBB作動中遊技状態に移行させる(5)。そして、第1RBB作動中遊技状態において、メダルが所定枚数払い出されると、遊技状態制御手段312は、遊技状態を、第1RBB作動中遊技状態から、非内部遊技状態に移行させる(6)。また、非内部遊技状態において、メダルのベット数が第2規定数の「3」であり、当選役「第2RBB」に当選した場合に、その当選した遊技で当選役「第2RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができれば、遊技状態制御手段312は、遊技状態を、非内部遊技状態から、第2RBB作動中遊技状態に移行させる(7)。そして、第2RBB作動中遊技状態において、メダルが所定枚数払い出されると、遊技状態制御手段312は、遊技状態を、第2RBB作動中遊技状態から、非内部遊技状態に移行させる(8)。
なお、ここでは詳細な説明を省略するが、当選種別の当選態様は、変形例2における非内部遊技状態が、図8の非内部遊技状態に対応し、変形例2における第1RBB内部中遊技状態および第2RBB内部中遊技状態が、図8のRBB内部中遊技状態に対応し、変形例2における第1RBB作動中遊技状態および第2RBB作動中遊技状態が、図8のRBB作動中遊技状態に対応する。したがって、第1RBB内部中遊技状態や第2RBB内部中遊技状態よりも入賞に係る当選役の当選確率が高いという第1RBB作動中遊技状態や第2RBB作動中遊技状態の機能を備えつつ、メダルの獲得性能の面では第1RBB作動中遊技状態や第2RBB作動中遊技状態の方が第1RBB内部中遊技状態や第2RBB内部中遊技状態に劣るという仕様(アクセルRBB)を実現することができる。
ここでは、第1RBB内部中遊技状態を維持しつつ、本実施形態の演出状態(待機演出状態、チャンス演出状態、通常AT演出状態、インターバル演出状態、通常演出状態)の推移を実現する。このように、第1RBB内部中遊技状態が維持されるので、上述した実施形態同様、演出状態制御手段314が、有利区間への移行が決定されたタイミングで遊技状態を参照し、遊技状態がRBB内部中遊技状態であるか否かに応じて、移行させる演出状態を決定することができる。
ただし、遊技者は、第1RBB内部中遊技状態において、メダルのベット数を第1規定数の「2」とすることで、当選役「第1RBB」を入賞させ、第1RBB作動中遊技状態に移行、すなわち、図21に示すいずれの遊技状態にも移行することができる。ここでは、遊技状態が第1RBB内部中遊技状態ではないことを条件に、ペナルティとして、AT演出状態であっても補助演出を実行しない(もしくはAT演出状態を決定しない)、および、所謂天井までのカウント値の計数を止めること(計数しない)とすることで、遊技者に遊技状態を移行させないように促すことができる。
また、規定数が異なっても、当選役の当選確率を変更することはできないが、規定数が異なることで当選役の当選可否自体を変更することができる。例えば、メダルのベット数が第2規定数の「3」であれば当選可能な所定の当選役(例えば、レア役)を、メダルのベット数が第1規定数の「2」とすると当選させない(無抽選)とすることができる。そして、かかる所定の当選役の当選に応じてAT演出状態を決定するとすることで、メダルのベット数を第2規定数の「3」としたい場合に、メダルのベット数が第1規定数の「2」であれば、AT演出状態への移行自体を禁止し、ペナルティを与えることができる。こうして、遊技者に遊技状態を移行させないように促すことができる。
また、上述した実施形態では、ボーナス役として、第1種特別役物RBに係る役物連続作動装置(当選役「RBB」)を挙げて説明したが、かかるRBBの代わりに、第2種特別役物CBの入賞形態を示す図柄組み合わせの表示によらずに第2種特別役物CBが連続で作動する役物連続作動装置(当選役「CBB」)を適用することもできる。
また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。