JP7068550B2 - 自動車両ポンプ装置、及び自動車両ポンプ装置のための実装装置 - Google Patents

Description

本発明は、自動車両ポンプ装置を対象とし、特に、対応する自動車両実装構造にポンピング・ユニットを実装するための振動分離実装装置を含む自動車両ポンプ装置を対象とする。本発明はまた、自動車両ポンプ装置のためのそのような実装装置を対象とする。

そのようなポンプ装置（ｐｕｍｐ ａｒｒａｎｇｅｍｅｎｔ）は、自動車両流体回路内の流体を循環させるためのポンピング・ユニット、好ましくは電動ポンピング・ユニットを有する。ポンプ装置はまた、対応する自動車両実装構造にポンピング・ユニットを実装するための実装装置（ｍｏｕｎｔｉｎｇ ａｒｒａｎｇｅｍｅｎｔ）を有する。実装装置には、自動車両実装構造に取付け可能であり、ポンピング・ユニットを支持する、振動分離体が設けられる。振動分離体は、自動車両実装構造の振動、特に自動車両の機関によって生じる振動がポンピング・ユニットへ伝達されない態様で、又は少なくとも著しく抑制された態様でのみポンピング・ユニットへ伝達されるように、比較的柔軟な材料で作られる。これは、ポンピング・ユニットの破損確率を最小限に抑え、ポンピング・ユニット寿命を向上させる。その逆も同じで、振動分離体はまた、ポンピング・ユニットから自動車両フレームへの実装構造を介した振動伝達を回避し、又は少なくとも最小限に抑える。これは、特に、自動車両の乗員室騒音を最小限に抑える。典型的には、分離体は環状であり、ポンピング・ユニットを支持するだけでなく、径方向に包囲する。

例えば、そのようなポンプ装置は、独国特許出願公開第１０２０１６２０９２０４（Ａ１）号で開示されている。このポンプ装置では、振動分離体の環状開口部は、ポンピング・ユニットが分離体によりフォース・ロックの態様で支持されるように、ポンピング・ユニット・ハウジングの対応する周囲面にプレス嵌めされる。分離体は効率的な振動分離を提供するために比較的柔軟でなければならないので、フォース・ロック接続は、比較的限られた軸力しか支持することができない。したがって、ポンピング・ユニット・ハウジングには、径方向に突出する支持突出部が設けられ、この支持突出部は、分離体と軸方向接触して、分離体におけるポンピング・ユニットの追加的な形状固定軸方向支持（ｆｏｒｍ－ｌｏｃｋｅｄ ａｘｉａｌ ｓｕｐｐｏｒｔ）を提供する。支持突出部は、分離体の両軸方向側に配置されて、両軸方向における支持を提供する。しかし、分離体は、ポンピング・ユニット・ハウジングの組立て中にポンピング・ユニットに実装しなければならず、特に、完全に組み立てられたポンピング・ユニットには実装することができない。結果として、分離体実装ステップは、ポンピング・ユニット組立てプロセスに組み込まれなければならず、ポンプ装置の組立てが複雑になる。

完全に組み立てられたポンピング・ユニットに分離体を実装することも当技術分野では知られており、この場合、分離体は、ねじ継手又は接着結合によりポンピング・ユニットに固定される。しかし、これらの固定方法は、分離体をポンピング・ユニットに取り付けるために、追加の固定要素及び／又は複雑な実装プロセスを必要とする。特に、ポンピング・ユニットと振動分離体との間のねじ継手は、ポンプ装置の振動分離特性を弱める可能性もある。

独国特許出願公開第１０２０１６２０９２０４（Ａ１）号

本発明の目的は、ポンピング・ユニットの確実な振動分離実装を提供し、簡単な方法で組み立てられ得る自動車両ポンプ装置を提供することである。

この目的は、請求項１に記載の構成を有する自動車両ポンプ装置によって達成される。

本発明による自動車両ポンプ装置には、自動車両流体回路内の作動流体を循環させるためのポンピング・ユニットが設けられる。ポンピング・ユニットは、電動機によって電気的に駆動され、自動車両機関によって機械的には駆動されないことが好ましい。ポンピング・ユニットは、特に、自動車両冷却液回路内の冷却液を循環させるための電動冷却液ポンプであり得る。機械的に駆動されるポンピング・ユニットとは対照的に、電気的に駆動されるポンピング・ユニットの実装場所は、比較的自由に選択可能である。機関との機械的結合の不在により、振動は、実装装置を介してのみ、電気的に駆動されるポンピング・ユニットに伝達される。

本発明による自動車両ポンプ装置はまた、自動車両実装構造にポンピング・ユニットを実装するための実装装置を備える。実装構造は、自動車両フレームに直接取り付けられるか又は自動車両フレームによって画定され、或いは、その代わりに、例えば自動車両機関といった自動車両フレームに取り付けられる自動車両構成要素に取り付けられるか又は自動車両構成要素によって画定される。実装装置は、ポンピング・ユニット横断面（ｔｒａｎｓｖｅｒｓａｌ ｐｕｍｐｉｎｇ ｕｎｉｔ ｐｌａｎｅ）に実質的に延在する、環状の振動分離体を有する。振動分離体は、ポンピング・ユニットを径方向に包囲及び支持し、自動車両実装構造に取付け可能である。振動分離体は、ポンピング・ユニットの質量中心が振動分離体内に位置するように電動ポンピング・ユニットの電動機を径方向に包囲することが好ましい。ポンピング・ユニットは、振動分離体を介してのみ自動車両実装構造において支持され、特に、自動車両実装構造、自動車両フレーム、又は自動車両機関と直接接触しない。振動分離体は、円形の環状開口部を備えることが好ましいが、その代わりに、任意の他の横断方向環状開口部形状を備えてもよい。いずれの場合にも、環状開口部形状は、ポンピング・ユニットが実質的に全周囲に沿って振動分離体によって径方向に支持されるように、振動分離体によって包囲されるポンピング・ユニットの断面形状に対応する。振動分離体はまた、好ましくは下向きに向けられた第１の軸方向においてポンピング・ユニットを軸方向に支持することが好ましい。振動分離体は、振動分離体が振動を効率的に相殺することができるように、比較的柔らかく且つ弾性のある材料で作られ、例えば、ゴム、シリコーン、ＳＥＢＳ、ＥＰＤＭ、又は任意の他のエラストマーで作られる。振動分離体は、３０～７０ＩＲＨＤの範囲内の硬度を与えられることが好ましく、より好ましくは、３０～４０ＩＲＨＤの範囲内の硬度を与えられる。結果として、振動は、ポンピング・ユニットへ伝達されないか又は少なくとも著しく抑制された態様でのみ伝達される。

本発明によれば、実装装置はまた、振動分離体に取り付けられ、第１の軸方向とは反対の第２の軸方向においてポンピング・ユニットを軸方向に保持する、クリップ保持器を有する。クリップ保持器は、プラスチックで作られ、形状固定の態様で振動分離体に取り付けられることが、好ましい。クリップ保持器は、実質的にポンピング・ユニット横断面（ｔｒａｎｓｖｅｒｓａｌ ｐｕｍｐｉｎｇ ｕｎｉｔ ｐｌａｎｅ）に延在し振動分離体によって軸方向に支持される、保持器フレームを備える。保持器フレームは、クリップ保持器と振動分離体との間に大きな横断方向接触領域を提供し、結果的にクリップ保持器の確実な軸方向支持を実現する。保持器フレームは、振動分離体の横断方向底面側と軸方向接触することが好ましい。

クリップ保持器はまた、第２の軸方向に保持器フレームから軸方向に突出する少なくとも２つの保持器アームを備える。保持器アームは、ポンピング・ユニットの周囲に沿って好ましくは均一の角距離で配置され、ポンピング・ユニットの対応する係合段部に係合して、第２の軸方向においてポンピング・ユニットを軸方向に保持する。特に、保持器アームは、振動分離体と反対の側を向いた係合段部の軸方向側部に係合する。保持器アームは、自動車両ポンプ装置の組立て中のクリップ保持器へのポンピング・ユニットの軸方向挿入を可能にするために、特に径方向において弾性的に変形し得るように、比較的柔軟に設けられる。最終位置では、ポンピング・ユニットは、第１の軸方向において、好ましくは振動分離体によって又はその代わりに保持器フレームによって軸方向に支持され、反対の第２の軸方向において、ポンピング・ユニット・ハウジングの係合段部に係合する保持器アームによって軸方向に支持される。

本発明による実装装置は、自動車両ポンプ装置の簡単な組立てを可能にし、ここで、クリップ保持器は、複雑な固定プロセス及び／又は追加の固定要素を少しも必要とせずに、振動分離体へのポンピング・ユニットの確実な取付けを実現する。比較的柔らかな振動分離体及び柔軟なクリップ保持器を有する実装装置はまた、自動車両とポンピング・ユニットとの間の効率的な振動分離を提供する。

クリップ保持器は、熱軟化性プラスチックとも呼ばれる熱可塑性物質で作られることが好ましい。より好ましくは、クリップ保持器は、強化された熱可塑性物質で作られ、特に、ガラス球で強化された熱可塑性物質で作られる。クリップ保持器は、例えば、ガラス球強化ポリアミド（ｇｌａｓｓ－ｂａｌｌ－ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ ｐｏｌｙａｍｉｄｅ）で作られ得る。熱可塑性のクリップ保持器は、比較的高い強度と相まった比較的高い柔軟性を提供する。結果として、熱可塑性のクリップ保持器は、クリップ保持器へのポンピング・ユニットの簡単な挿入を可能にし、ポンピング・ユニットの頑丈且つ確実な軸方向保持も提供する。

本発明の好ましい実施例では、保持器アームは、振動分離体を通って、好ましくは環状の振動分離体の環状開口部を通って、軸方向に延在する。結果として、保持器アーム、したがってクリップ保持器は、振動分離体によって径方向外方に支持され、そのため、振動分離体へのクリップ保持器の確実な取付けを実現するのに追加の支持要素は必要とされない。保持器アームは、振動分離体の径方向内側とポンピング・ユニット・ハウジングの径方向外側との間で径方向に挟持されることが好ましい。これは、比較的コンパクトな自動車両ポンプ装置を提供し、ポンピング・ユニットの確実な取付けを保証する。

振動分離体には、少なくとも２つの保持器アームが係合する少なくとも２つの保持器凹部が設けられることが好ましい。保持器凹部は、振動分離体の軸方向表面及び／又は径方向内表面に設けられ得る。いずれの場合にも、係合した保持器アームは、クリップ保持器が振動分離体内で回転することができないように、振動分離体によって周方向に取り囲まれる。保持器凹部は、いかなる別個の位置決め手段も必要とせずに、振動分離体に対する明確且つ安定した回転配向を保持器クリップに提供することを可能にする。

本発明の好ましい実施例では、振動分離体は、長手方向ポンピング・ユニット面（ｌｏｎｇｉｔｕｄｉｎａｌ ｐｕｍｐｉｎｇ ｕｎｉｔ ｐｌａｎｅ）内に延在し自動車両実装構造に取付け可能である、フランジ部分を備える。フランジ部分は、単純且つ頑丈なねじ継手により振動分離体が自動車両実装構造に取り付けられ得るように、ねじ穴を備えることが好ましい。フランジ部分は、振動分離体と自動車両実装構造との間に大きな接触領域を提供し、結果的に自動車両実装構造への自動車両ポンプ装置の頑丈且つ確実な取付けを実現する。

各保持器アームは、ポンピング・ユニットの対応する係合段部に係合し、ポンピング・ユニットを軸方向に保持する径方向内方に向けられたスナップ要素を備えることが、好ましい。スナップ要素は、保持器アームと一体に設けられることが好ましいが、その代わりに、保持器アームに固定される別個の物体として設けられてもよい。スナップ要素は、保持器アームの保持器フレーム遠隔軸方向端部に配置されることが好ましい。スナップ要素は、比較的剛体で設けられ、ポンピング・ユニットの確実な軸方向保持を提供するように、係合段部との比較的大面積の接触を提供する。

本発明の好ましい実施例では、各保持器アームは、横断面に延在し振動分離体によって軸方向に支持される支持セクションを備える。支持セクションは、保持器フレームから軸方向に間隔を空けて設けられる。支持セクション及び保持器リングは、保持器リングがぴったりと合う態様で（ｉｎ ａ ｆｏｒｍ－ｆｉｔｔｉｎｇ ｍａｎｎｅｒ）振動分離体に取り付けられるように、振動分離体の両軸方向側部と軸方向接触する。結果として、振動分離体へのクリップ保持器の固定に追加の固定要素は必要とされない。これは、単純且つコンパクトな自動車両ポンプ装置を提供する。

各保持器アームは、軸方向に延在する２つの支持レッグと支持レッグを横方向に連結する横方向に延在する連結レッグとを含んで実質的にＵ字形状とされることが好ましい。ポンピング・ユニットは、支持レッグが両側面で支持突出部を取り囲むように、及び、連結レッグが軸方向側部で支持突出部を取り囲むように、径方向に突出する対応する支持突出部、例えば２つの支持レッグ間に係合するポンピング・ユニット・ハウジングのねじソケットを備えることが好ましい。これは、クリップ保持器とポンピング・ユニットとの間の頑丈な連結を提供し、結果的に振動分離体へのポンピング・ユニットの確実な取付けを実現する。

連結レッグは、支持レッグの支持リング遠隔軸方向端部に位置し、スナップ要素が保持器アームの軸方向端部に位置するようにスナップ要素を備えることが、より好ましい。スナップ要素を含むＵ字形状の保持器アームは、ポンピング・ユニットの確実且つ頑丈な保持を提供する。

本発明の好ましい実施例では、保持器フレームは、環状であり、ポンピング・ユニットを径方向に包囲する。環状の保持器フレームは、振動分離体における保持器フレームの比較的一様且つ大面積の軸方向支持を提供する。

典型的には、ポンピング・ユニット・ハウジングは、互いに軸方向にねじ留めされる２つのハウジング体を有し、この場合、ねじソケットは、ポンピング・ユニット・ハウジングの径方向外側に位置する。係合段部は、係合段部を設けるのにポンピング・ユニット・ハウジングの構造上の適応が必要とされないように、ポンピング・ユニット・ハウジングのねじソケットによって、特にねじソケットの横断方向表面によって画定されることが、好ましい。

本発明の好ましい実施例では、振動分離体の軸方向側部には、軸方向に延在する幾つかのマーロン（ｍｅｒｌｏｎ；凸壁）を有する城郭風構造体が設けられる。城郭風構造体のマーロンは、振動分離体の周囲に沿って均一の角距離で置かれ、それらの間に幾つかのポンプ受容部を画定することが、好ましい。ポンプ装置の実装状態では、ポンピング・ユニット・ハウジングのねじソケットは、ポンピング・ユニットが振動分離体内で回転することができないように、ポンプ受容部のうちの幾つかに係合する。結果として、ポンピング・ユニットには、振動分離体に対して、結果的に自動車両実装構造に対して、明確且つ安定した回転配向が与えられる。ポンプ受容部の数は、ポンプ受容部に係合するねじソケットの数よりも多いことが好ましい。これは、ポンピング・ユニットを、簡単な方法で、特にポンピング・ユニット及び／又は実装装置の構造上の適応を少しも必要とせずに、振動分離体に対する幾つかの異なる明確な回転配向を有して実装することを可能にする。

添付の図面を参照しながら、本発明の一実施例を説明する。

本発明による自動車両ポンプ装置の側面図である。 図１の自動車両ポンプ装置の実装装置の斜視図である。 図２の実装装置のクリップ保持器の斜視図である。

説明される本発明による自動車両ポンプ装置１０は、電動ポンピング・ユニット１２と、例えば自動車両フレーム又は自動車両機関によって画定され得る対応する自動車両実装構造１５にポンピング・ユニット１２を実装するための実装装置１４とを有する。

ポンピング・ユニット１２は、渦巻形ハウジング体１８を有し、モータ・ハウジング体２０を有する、ポンピング・ユニット・ハウジング１６を備える。渦巻形ハウジング体１８及びモータ・ハウジング体２０は、対応するねじソケット２２内に配置される幾つかのねじによって互いに軸方向に取り付けられる。ポンピング・ユニット・ハウジング１６は、環状の横断方向支持台２７を備える。ねじソケット２２は、ポンピング・ユニット・ハウジング１６の径方向外側に位置し、支持台２７から径方向に突出する。ポンピング・ユニット１２は、軸方向ポンプ入口２４、及び径方向ポンプ出口２６を備える。

実装装置１４は、実質的に環状の振動分離体２８と、振動分離体２８に取り付けられ、ポンピング・ユニット１２を軸方向に保持するプラスチックのクリップ保持器３０とを有する。

振動分離体２８は、比較的柔らかく且つ弾性のある材料で作られ、実質的に円形の環状開口部３１を備える。本発明のこの実施例では、振動分離体２８は３０～４０ＩＲＨＤの範囲内の硬度を有するゴムで作られる。振動分離体２８は、ポンピング・ユニット１２を径方向に包囲及び支持する。特に、振動分離体２８は、ポンピング・ユニット１２の質量中心が振動分離体２８の軸方向範囲内に位置するように、電動ポンピング・ユニット１２の比較的重い電動機（図示せず）を収容するモータ・ハウジング体２０を径方向に包囲する。振動分離体２８の環状開口部３１の径方向内側には、環状開口部３１の内周に沿って均一の角距離で置かれた幾つかの保持器凹部３６が設けられる。

渦巻形ハウジング体１８に面する振動分離体２８の軸方向上面には、軸方向に延在する幾つかのマーロン４０を有する城郭風構造体３８が設けられる。マーロン４０は、円形の環状開口部３１の周囲に沿って均一の角距離で置かれ、それらの間に幾つかのポンプ受容部４２を画定する。ポンプ受容部４２は、ポンプ受容部４２と保持器凹部３６とが互いに融合するように、保持器凹部３６と同じ周方向位置に設けられる。各マーロン４０は、実質的にＬ字形状の径方向断面を備え、実質的に横断方向のポンプ支持台座４４と、ポンプ支持台座４４の径方向外側リム領域から軸方向に突出する、回転ロック・タング４６とを有する。

振動分離体２８は、環状開口部３１を部分的に径方向に包囲し、実質的に長手方向ポンピング・ユニット面内に延在するフランジ部分３２を画定する、フレーム実装部分３３を備える。フランジ部分３２は、ねじ継手により振動分離体２８が自動車両実装構造１５に取付け可能であるように、２つのねじ穴３４を備える。フレーム実装部分３３は、フレーム実装部分３３の範囲内にポンプ受容部４２を、結果的にマーロン４０を、周方向に画定する、幾つかのポンプ実装ポケット４８を備える。

本発明のこの実施例では、クリップ保持器３０は、ガラス球強化ポリアミドで作られる。クリップ保持器３０は、環状の保持器フレーム５０、及び、保持器フレーム５０から軸方向に突出し振動分離体２８の環状開口部３１を通って延在する２つの保持器アーム５２を有する。保持器フレーム５０は、ポンピング・ユニット１２を径方向に包囲し、振動分離体２８の渦巻形ハウジング体遠隔軸方向底面側に位置する横断方向底面５４によって軸方向に支持される。

各保持器アーム５２は、実質的にＵ字形状を備え、また、実質的に横方向に延在する連結レッグ５８によって横方向に連結されている、実質的に軸方向に延在する２つの支持レッグ５６を有する。各支持レッグ５６は、３つの支持レッグ・セクション、即ち、第１の軸方向支持レッグ・セクション５９、径方向に延在する支持セクション６０、及び第２の軸方向支持レッグ・セクション６１を有する。第１の軸方向支持レッグ・セクション５９は、保持器フレーム５０を発端として軸方向上向きに延在する。支持セクション６０は、第１の軸方向支持レッグ・セクション５９の保持器フレーム遠隔軸方向端部を発端として径方向外方に延在する。第２の軸方向支持レッグ・セクション６１は、支持セクション６０の径方向外側端部を発端として軸方向上向きに延在する。支持セクション６０は、軸方向において、支持レッグ５６の軸方向高さのおおよそ半分に位置する。特に、支持セクション６０は、保持器フレーム５０から軸方向に間隔を空けて位置する。連結レッグ５８は、第２の軸方向支持レッグ・セクション６１の保持器フレーム遠隔軸方向端部に取り付けられる。各保持器アーム５２はまた、連結レッグ５８の径方向内側に設けられ、連結レッグ５８を発端として径方向内方に延在する、スナップ要素６２を備える。

保持器アーム５２の各第１の軸方向支持レッグ・セクション５９は、各第１の軸方向支持レッグ・セクション５９が振動分離体２８により径方向外側及び両側面において支持されるように、振動分離体２８の対応する保持器凹部３６に係合する。保持器アーム５２の各支持セクション６０は、各支持セクション６０が振動分離体２８により軸方向底面側及び両側面において支持されるように、振動分離体２８の対応するポンプ受容部４２に係合する。

クリップ保持器３０は、第１の軸方向支持レッグ・セクション５９を介して振動分離体２８によって径方向に支持される。クリップ保持器３０は、両軸方向において振動分離体２８によって軸方向に支持され、ここで、クリップ保持器３０は、下向きの軸方向では支持セクション６０を介して支持され、上向きの軸方向では保持器フレーム５０を介して支持される。保持器凹部３６及びポンプ受容部４２との支持レッグ５６の係合により、クリップ保持器３０にも、振動分離体２８に対する明確且つ安定した回転配向が与えられる。

ポンピング・ユニット１２は、振動分離体２８の環状開口部３１の径方向内側によって径方向に支持され、マーロン４０のポンプ支持台座４４により下向きの軸方向において軸方向に支持される。保持器アーム６２のスナップ要素６２は、ポンピング・ユニット１２の対応する係合段部６４に係合し、各係合段部６４は、ねじソケット２２の上側表面によって画定されている。結果として、ポンピング・ユニット１２は、上向きの軸方向において保持器アーム５２のスナップ要素６２によって軸方向に保持される。

ポンピング・ユニット１２のねじソケット２２は、ねじソケット２２が２つの隣接するマーロン４０の回転ロック・タング４６により両側面において少なくとも部分的に取り囲まれるように、対応するポンプ受容部４２に係合する。結果として、ポンピング・ユニット１２に、振動分離体２８に対する明確且つ安定した回転配向が与えられる。

振動分離体２８は、保持器アーム５２の支持レッグ５６の数と比較して、また、ポンピング・ユニット１２のねじソケット２２の数と比較して、より大きな数の保持器凹部３６及びポンプ受容部４２を備える。周方向に隣接するねじソケット２２間の角距離、及び、周方向に隣接する第１の軸方向支持レッグ・セクション５９間の角距離は、周方向に隣接するポンプ受容部４２間の角距離の整数倍である。結果として、ポンピング・ユニット１２及びクリップ保持器３０は、簡単な方法で、特に振動分離体２８及び／又はポンピング・ユニット・ハウジング１６の構造上の適応を少しも必要とせずに、幾つかの異なる明確且つ安定した回転配向を有して振動分離体２８に実装され得る。

１０ 自動車両ポンプ装置
１２ ポンピング・ユニット
１４ 実装装置
１５ 自動車両実装構造
１６ ポンピング・ユニット・ハウジング
１８ 渦巻形ハウジング体
２０ モータ・ハウジング体
２２ ねじソケット
２４ ポンプ入口
２６ ポンプ出口
２７ 支持台
２８ 振動分離体
３０ クリップ保持器
３１ 環状開口部
３２ フランジ部分
３３ フレーム実装部分
３４ ねじ穴
３６ 保持器凹部
３８ 城郭風構造体
４０ マーロン
４２ ポンプ受容部
４４ ポンプ支持台座
４６ 回転ロック・タング
４８ ポンプ実装ポケット
５０ 保持器フレーム
５２ 保持器アーム
５４ 底面
５６ 支持レッグ
５８ 連結レッグ
５９ 第１の軸方向支持レッグ・セクション
６０ 支持セクション
６１ 第２の軸方向支持レッグ・セクション
６２ スナップ要素
６４ 係合段部

Claims (13)

1. ポンピング・ユニット（１２）と、
   前記ポンピング・ユニット（１２）を、対応する自動車両実装構造（１５）に実装するための実装装置（１４）と
   を有する自動車両ポンプ装置（１０）であって、
   前記実装装置（１４）が、
   前記ポンピング・ユニット（１２）を径方向に包囲及び支持する環状の振動分離体（２８）であって、前記自動車両実装構造（１５）に取付け可能である環状の振動分離体（２８）と、
   前記振動分離体（２８）に取り付けられるクリップ保持器（３０）であって、前記ポンピング・ユニット（１２）を軸方向に保持するクリップ保持器（３０）と
   を有し、
   前記クリップ保持器（３０）が、
   ポンピング・ユニット横断面に延びる保持器フレーム（５０）であって、前記振動分離体（２８）によって軸方向に支持される保持器フレーム（５０）と、
   前記保持器フレーム（５０）から軸方向に突出する少なくとも２つの保持器アーム（５２）であって、前記ポンピング・ユニット（１２）の対応する係合段部（６４）と係合して、前記ポンピング・ユニット（１２）を軸方向に保持する少なくとも２つの保持器アーム（５２）と
   を有する、自動車両ポンプ装置（１０）。
2. 前記クリップ保持器（３０）が、熱可塑性物質で作られ、好ましくはガラス球強化熱可塑性物質で作られる、請求項１に記載の自動車両ポンプ装置（１０）。
3. 前記保持器アーム（５２）が、前記振動分離体（２８）を通って軸方向に延びている、請求項１又は２に記載の自動車両ポンプ装置（１０）。
4. 前記振動分離体（２８）は、前記少なくとも２つの保持器アーム（５２）が係合する少なくとも２つの保持器凹部（３６）を備える、請求項１から３までのいずれか一項に記載の自動車両ポンプ装置（１０）。
5. 前記振動分離体（２８）が、長手方向ポンピング・ユニット面内に延びるフランジ部分（３２）であって、前記自動車両実装構造（１５）に取付け可能なフランジ部分（３２）を備える、請求項１から４までのいずれか一項に記載の自動車両ポンプ装置（１０）。
6. 各保持器アーム（５２）が、前記ポンピング・ユニット（１２）の前記対応する係合段部（６４）と係合する、径方向内方に向けられたスナップ要素（６２）であって、前記ポンピング・ユニット（１２）を軸方向に保持するスナップ要素（６２）を備える、請求項１から５までのいずれか一項に記載の自動車両ポンプ装置（１０）。
7. 各保持器アーム（５２）が、横断面内に延びる支持セクション（６０）であって、前記振動分離体（２８）によって軸方向に支持される支持セクション（６０）を備える、請求項１から６までのいずれか一項に記載の自動車両ポンプ装置（１０）。
8. 各保持器アーム（５２）が実質的にＵ字形状であり、前記Ｕ字形状が、軸方向に延びる２つの支持レッグ（５６）と、前記支持レッグ（５６）を横断方向に連結する、横断方向に延びる連結レッグ（５８）とを有する、請求項１から７までのいずれか一項に記載の自動車両ポンプ装置（１０）。
9. 前記連結レッグ（５８）が、前記支持レッグ（５６）の支持リング遠隔軸方向端部に位置し、且つ前記スナップ要素（６２）を備える、請求項６に従属する請求項８に記載の自動車両ポンプ装置（１０）。
10. 前記保持器フレーム（５０）が、環状であり、且つ前記ポンピング・ユニット（１２）を径方向に包囲している、請求項１から９までのいずれか一項に記載の自動車両ポンプ装置（１０）。
11. 前記係合段部（６４）が、ポンピング・ユニット・ハウジング（１６）のねじソケット（２２）によって画定される、請求項１から１０までのいずれか一項に記載の自動車両ポンプ装置（１０）。
12. 前記振動分離体（２８）の軸方向側部に、軸方向に延びる幾つかのマーロン（４０）を有する城郭風構造体（３８）であって、前記マーロン（４０）間に幾つかのポンプ受容部（４２）を画定する城郭風構造体（３８）が設けられ、また
    前記ポンピング・ユニット・ハウジング（１６）の前記ねじソケット（２２）が、前記ポンプ受容部（４２）と係合する、請求項１１に記載の自動車両ポンプ装置（１０）。
13. 請求項１から１２までのいずれか一項に記載の構成を有する自動車両ポンプ装置（１０）のための実装装置（１４）。

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