JP7066584B2 - メモリシステム - Google Patents

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Description

以下の実施形態は、メモリシステムに関する。
メモリシステムでは、一般に、記憶するデータを保護するために、誤り訂正符号化されたデータが記憶される。このため、メモリシステムに記憶されたデータを読み出す際には、誤り訂正符号化されたデータに対する復号が行われる。
特表2012-504842号公報 特表2014-520489号公報 米国特許出願公開第2011/0268168号明細書
本発明の一つの実施形態は、誤り訂正をより高精度に実行可能なメモリシステムを提供することを目的とする。
実施形態によれば、メモリシステムは、不揮発性メモリと、メモリコントローラと、を備える。不揮発性メモリは、誤り訂正符号を記憶する。メモリコントローラは、不揮発性メモリから読出し情報を取得する処理を行い、少なくとも読出し情報に基づいて計算される軟判定入力値と、軟判定入力値により復号された復号語と、に基づいて、復号語の信頼度と相関を持つ情報である信頼性メトリックを計算し、複数の信頼性メトリックの履歴または履歴から求められる統計情報である参照情報を記憶し、信頼性メトリックから信頼度を計算するための対応情報を用いて、信頼性メトリックから信頼度を計算し、復号語および信頼度に基づいて、復号情報を計算し、参照情報に基づいて、対応情報を更新する。
図1は、データを誤り訂正符号で保護する動作の一般的な流れを説明するための図である。 図2は、積符号の一例を示す図である。 図3は、二次元の誤り訂正符号に対してターボ復号を実行する機能ブロックの一例を示すブロック図である。 図4は、図3に示す機能ブロックによる処理フローの一例を示すフローチャートである。 図5は、信頼度を用いた外部値の計算処理の一例を示すフローチャートである。 図6は、第1の実施形態に係るメモリシステムの概略構成例を示すブロック図である。 図7は、第1の実施形態に係る復号器の概略構成例を示すブロック図である。 図8は、本実施形態に係るSISO復号部が実現するターボ復号器の概略構成例を示すブロック図である。 図9は、図8に示すターボ復号器による復号処理の一例を示すフローチャートである。 図10は、信頼性メトリック、ヒストグラムおよび経験分布の例を示す図である。 図11は、条件付き確率を求める処理の一例を示す図である。 図12は、第1の実施形態に係るSISO復号部が実現する近似的ターボ復号器の概略構成例を示すブロック図である。 図13は、図12に示す近似的ターボ復号器の処理フローの一例を示すフローチャートである。 図14は、第2の実施形態に係る次元1軟判定入力値計算部の動作フローの一例を示すフローチャートである。 図15は、第3の実施形態に係る次元1軟判定入力値計算部の動作フローの一例を示すフローチャートである。 図16は、次元ごとに異なる信頼性メトリックのヒストグラムを記憶する例を示す図である。
以下に添付図面を参照して、実施形態に係るメモリシステムを詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
近年、NAND型フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを利用したメモリシステムは、その高速性という特長を生かし、様々な場所で用いられている。しかしながら、不揮発性メモリから読出したデータには、不揮発性メモリに記憶されてからの時間経過や読出し・書込みの際に生じるノイズ等に起因するエラーが含まれる可能性がある。そのため、一般には、不揮発性メモリに記憶するデータに対して誤り訂正符号を用いた符号化処理が実行され、読出し時にはその誤り訂正符号を用いた復号処理が実行されることで、読出したデータに含まれているエラーが除去される。
図1は、データを誤り訂正符号で保護する動作の一般的な流れを説明するための図である。なお、本説明におけるユーザとは、例えばパーソナルコンピュータ、サーバ装置、ポータブルな情報機器、デジタルスチルカメラ等の情報処理装置であってよい。
ユーザ931は、書込み対象のデータ(以下、書込みデータという)をメモリシステム900に対して送信する。メモリシステム900は、ユーザ931から受け取った書込みデータを符号化器941を用いて符号化し、これにより生成された符号化データ(符号語)を不揮発性メモリ920に書込む。従って、不揮発性メモリ920に書込まれる符号化データには、基本的にはエラーが含まれていない。
不揮発性メモリ920に記憶されている符号化データは、例えばユーザ932からの読出し要求に応じて読出される。ここで、読出された符号化データにはエラーが含まれている可能性がある。そこで、読出された符号化データに含まれるエラーを復号器942を用いて除去しつつ復号を実行することで、オリジナルの符号語が復元される。その後、オリジナルの符号語または復元された符号化前の書込みデータがユーザ932へ送信される。なお、読出し要求を発行したユーザ932は、書込み要求を発行したユーザ931と同一のユーザであってもよいし、別のユーザであってもよい。
ここで、符号化器941が書込みデータを‘0’または‘1’で表現された二値情報(ビット)から構成される符号語に符号化し、その符号語が二値情報として不揮発性メモリ920に記憶された場合を想定する。以下、不揮発性メモリ920からのデータ読出しの際、記憶されたデータを‘0’であるか‘1’であるかを示す二値情報として読出して復号器942に入力する場合、その入力情報を硬判定入力(Hard-Input)と称する。それに対し、記憶されたデータを‘0’であった確率または‘1’であった確率の情報として読出して復号器942に入力する場合、その確率情報を軟判定入力(Soft-Input)と称する。
また、復号器942が出力する復号結果が、オリジナルの書込みデータが‘0’であったか‘1’であったかの二値情報である場合、その出力情報を硬判定出力(Hard-Output)と称する。それに対し、復号器942が出力する復号結果にオリジナルの書込みデータが‘0’であったか‘1’であったかの確率情報が含まれる場合、その出力情報を軟判定出力(Soft-Output)と称する。
復号器942への入力として軟判定入力を用いた場合、硬判定入力を用いた場合と比較してより多くの情報を用いた復号が可能となる。そのため、読出しデータにエラーが多く含まれる場合には、復号器942への入力として軟判定入力を用いた方が、正しいデータを復号できる確率を高めることができる。
軟判定入力値および軟判定出力値として、例えば情報を‘0’か‘1’かのビットで表現する二元符号(Binary Code)に対しては、しばしばビットが‘0’である確率と‘1’である確率との比の自然対数であるLLR(Log-Likelihood-Ratio)表現が用いられる。二元符号の符号語はビット値のベクトルとして表現できるので、二元符号の軟判定入力値および軟判定出力値は、LLR(実数値)のベクトルとして表現することができる。以降の実施形態では、説明の簡略化のため、軟判定入力値および軟判定出力値の確率情報がLLRのベクトルとして表現されている場合を例示するが、このような場合に限定されず、種々変形することが可能である。
軟判定入力に対して軟判定出力を行う復号器(以下、SISO(Soft-Input Soft-Output)復号器という)は、例えば、多次元の誤り訂正符号の成分符号復号器として用いることができる。
ここで、多次元の誤り訂正符号とは、誤り訂正符号の少なくとも一つ以上の構成単位であるシンボルが、複数のより小規模な成分符号によって多重に保護されているものを指す。また、1シンボルは、例えば1ビット(二元体(binary field)の元(element))、または、二元体以外の有限体(finite field)などのアルファベットの元で構成される。
多次元の誤り訂正符号の例として、図2に積符号を示す。図2に示す積符号500は、構成単位である各情報ビット(シンボルであってもよい)d~dが、行方向(図面中横方向)と列方向(図面中縦方向)とのそれぞれで、情報長2ビットで且つパリティ長2ビットのハミング符号511~515および521~525で保護された構造を備える。このような積符号500では、全ての情報ビットd~dおよびパリティビットp~p20が行方向のハミング符号と列方向のハミング符号とで2重に保護されている。図2に示す積符号では、全てのシンボルが行方向(次元1と称される)および列方向(次元2と称される)の成分符号によって二重に保護されている。なお、多次元の誤り訂正符号としてはこれに限らず、例えば一般化LDPC符号(Generalized Low Density Parity Check Code)などであってもよい。一般化LDPC符号を含む一般の多次元の誤り訂正符号では、シンボルごとに保護の多重度が異なっていてもよく、また、成分符号を次元1と次元2のようにグループ分けすることができないが、このような符号構成に対しても本技術は適用することが可能である。
このような多次元の誤り訂正符号に対しては、軟判定反復復号を行うことができる。以下では、軟判定反復復号としてターボ復号を用いる例を説明するが、ターボ復号以外のどのような軟判定反復復号を用いてもよい。図3は、二次元の誤り訂正符号に対してターボ復号を実行する機能ブロックの一例を示す図である。また、図4は、図3に示す機能ブロックによる処理フローの一例を示すフローチャートである。
図3に示すように、二次元の誤り訂正符号に対してターボ復号を実行する機能ブロックには、読出し情報メモリ901と、次元1加算器911と、次元1SISO復号器912と、次元1外部値メモリ913と、次元2加算器921と、次元2SISO復号器922と、次元2外部値メモリ923とが含まれる。
このような機能ブロックによるターボ復号動作では、図4に示すように、まず、不揮発性メモリ920から誤り訂正符号が軟判定値で読出される(ステップS901)。読み出された軟判定値の誤り訂正符号は、読出し情報として読出し情報メモリ901へ転送されて記憶される(ステップS902)。
つぎに、読出し情報メモリ901内の読出し情報と、次元2外部値メモリ923内の次元2外部値とが次元1加算器911により加算され、これにより、次元1軟判定入力値(=読出し情報+次元2外部値)が計算される(ステップS903)。なお、次元1外部値メモリ913および次元2外部値メモリ923はともに、本動作の起動時にリセット(ゼロクリア)されているものとする。
つづいて、次元1加算器911で計算された次元1軟判定入力値が、成分符号ごとに次元1SISO復号器912に入力される。次元1SISO復号器912は、入力された次元1軟判定入力値に対して次元1の軟判定復号を実行することで、次元1外部値を計算する(ステップS904)。計算された次元1外部値は、次元1外部値メモリ913へ転送されて記憶される(ステップS905)。
つぎに、読出し情報メモリ901内の読出し情報と、次元1外部値メモリ913内の次元1外部値とが次元2加算器921により加算され、これにより、次元2軟判定入力値(=読出し情報+次元1外部値)が計算される(ステップS906)。
つづいて、次元2加算器921で計算された次元2軟判定入力値が、成分符号ごとに次元2SISO復号器922に入力される。次元2SISO復号器922は、入力された次元2軟判定入力値に対して次元2の軟判定復号を実行することで、次元2外部値を計算する(ステップS907)。計算された次元2外部値は、次元2外部値メモリ923へ転送されて記憶される(ステップS908)。
つぎに、復号に成功したか否かが判定される(ステップS909)。復号に成功したとは、例えば正しいと判断できる復号語が発見されたことなどであってよい。復号に成功した場合(ステップS909のYES)、外部の制御部等に復号の成功とともに発見された復号語が通知され(ステップS910)、本動作が終了する。一方、復号に成功していない場合(ステップS909のNO)、本動作の反復回数が予め設定しておいた規定値に達しているか否かが判定され(ステップS911)、規定値に達していない場合(ステップS911のNO)、ステップS903へリターンして、以降の動作を実行する。また、規定値に達していた場合(ステップS911のYES)、外部の制御部等に復号の失敗が通知され(ステップS912)、本動作が終了する。なお、反復回数とは、例えば図4のステップS903~S908の動作を繰り返した回数等であってよい。
次に、次元1SISO復号器912および次元2SISO復号器922に適用可能な、外部値を計算する復号アルゴリズムの例を説明する。外部値は、例えば、信頼性メトリックから信頼度を計算し、計算した信頼度を用いて計算することができる。信頼度は、復号語が真の復号語(正しい復号語)である軟判定入力値を与えられた下でのベイズ確率、または、その近似値である。信頼性メトリックは、信頼度と相関を持つ情報である。信頼度は、例えば、信頼性メトリックから信頼度を計算するための対応情報を用いて計算される。対応情報は、例えば、信頼性メトリックから信頼度を計算する信頼度計算関数である。信頼度計算関数は、信頼性メトリックと信頼度とを対応づけたテーブルの形式で表されてもよい。
図5は、信頼度を用いた外部値の計算処理の一例を示すフローチャートである。図5では、次元1SISO復号器912が次元1外部値を計算する場合(ステップS904)を例に説明するが、次元2SISO復号器922が次元2外部値を計算する場合(ステップS907)にも同様の手順を適用できる。
次元1SISO復号器912は、軟判定入力値rを入力し、軟判定入力値rに基づき、復号語cを計算する(ステップS101)。軟判定入力値rは、例えば、次元1軟判定入力値に相当する。
次元1SISO復号器912は、軟判定入力値rと復号語cとから、信頼性メトリックm=f(r,c)を計算する(ステップS102)。信頼性メトリックmは、例えば、軟判定入力値rと復号語cとの間の距離である。すなわち、信頼性メトリックmを計算する関数f(r,c)は、例えば軟判定入力値rと復号語cの間の距離関数f(r,c)=|r-(1-2c)|を用いることができる。信頼性メトリックmは、これに限られず、例えば軟判定入力値rのノルム|r|などを用いてもよい。この例では信頼性メトリックmは一次元の値であるが、それに限らず、例えば距離とノルムとを含む、多次元のベクトルであっても構わない。
次元1SISO復号器912は、信頼度、すなわち復号語cが真の復号語xである確率φ=P(c=x|r)を、信頼度計算関数g(m)を用いて、φ≒g(m)として計算する(ステップS103)。
次元1SISO復号器912は、軟判定入力値r、復号語c、および、確率φから、外部値ベクトルvを計算し、外部値ベクトルvを出力する(ステップS104)。例えば、i番目のビットの軟判定入力値rを、復号語のi番目のビットの値をcとして、i番目のビットの外部値vを以下の式(1)で計算する。
Figure 0007066584000001
なお式(1)は一例であり、これに限られるものではない。軟判定入力値r、復号語c、および、確率φから、外部値ベクトルvの各要素である外部値vを計算する方法であればどのような計算方法を用いてもよい。
各次元の外部値は、復号処理で用いられる復号情報に相当する。例えば、次元2外部値から計算される次元1軟判定入力値が次元1SISO復号器912に入力され、次元1SISO復号器912による次元1の軟判定復号で用いられる。また、次元1外部値から計算される次元2軟判定入力値が次元2SISO復号器922に入力され、次元2SISO復号器922による次元2の軟判定復号で用いられる。
上述のように、信頼度計算関数g(m)は、信頼性メトリックmを用いて、信頼度、すなわち復号語cが真の復号語xである確率φを近似的に求めるために用いられる関数である。信頼度計算関数g(m)がより正確に確率φを近似しているほど、結果的に高い訂正能力を達成することができる。
(第1の実施形態)
図6は、第1の実施形態に係るメモリシステムの概略構成例を示すブロック図である。図6に示すように、メモリシステム1は、メモリコントローラ10と不揮発性メモリ20とを備える。メモリシステム1は、ホスト30と接続可能であり、図6ではホスト30と接続された状態が示されている。ホスト30は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末などの電子機器であってよい。
不揮発性メモリ20は、データを不揮発に記憶する不揮発性メモリであり、例えば、NAND型フラッシュメモリ(以下、単にNANDメモリという)である。以下の説明では、不揮発性メモリ20としてNANDメモリが用いられた場合を例示するが、不揮発性メモリ20として3次元構造フラッシュメモリ、ReRAM(Resistance Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)等のNANDメモリ以外の記憶装置を用いることも可能である。また、不揮発性メモリ20が半導体メモリであることは必須ではなく、半導体メモリ以外の種々の記憶媒体に対して本実施形態を適用することも可能である。
メモリシステム1は、メモリコントローラ10と不揮発性メモリ20とが1つのパッケージとして構成されるメモリカード等であってもよいし、SSD(Solid State Drive)等であってもよい。
メモリコントローラ10は、ホスト30からの書込み要求に従って不揮発性メモリ20への書込みを制御する。また、ホスト30からの読出し要求に従って不揮発性メモリ20からの読出しを制御する。メモリコントローラ10は、ホストI/F(ホストインタフェース)15、メモリI/F(メモリインタフェース)13、制御部11、符号化/復号部(コーデック)14およびデータバッファ12を備える。ホストI/F15、メモリI/F13、制御部11、符号化/復号部14およびデータバッファ12は、内部バス16で相互に接続されている。
ホストI/F15は、ホスト30との間のインタフェース規格に従った処理を実施し、ホスト30から受信した命令、書込み対象のユーザデータなどを内部バス16に出力する。また、ホストI/F15は、不揮発性メモリ20から読出されて復元されたユーザデータ、制御部11からの応答などをホスト30へ送信する。
メモリI/F13は、制御部11の指示に基づいて、不揮発性メモリ20への書込み処理を行う。また、メモリI/F13は、制御部11の指示に基づいて、不揮発性メモリ20からの読出し処理を行う。
データバッファ12は、メモリコントローラ10がホスト30から受信したユーザデータを不揮発性メモリ20へ記憶するまでに一時記憶する。また、データバッファ12は、不揮発性メモリ20から読出したユーザデータをホスト30へ送信するまでに一時記憶する。データバッファ12には、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの汎用メモリを用いることができる。
制御部11は、メモリシステム1の各構成要素を統括的に制御する。制御部11は、ホスト30からホストI/F15経由で命令を受けた場合に、その命令に従った制御を行う。例えば、制御部11は、ホスト30からの命令に従って、不揮発性メモリ20へのユーザデータおよびパリティの書込みをメモリI/F13へ指示する。また、制御部11は、ホスト30からの命令に従って、不揮発性メモリ20からのユーザデータおよびパリティの読出しをメモリI/F13へ指示する。
また、制御部11は、ホスト30からユーザデータの書込み要求を受信した場合、データバッファ12に蓄積されるユーザデータに対して、不揮発性メモリ20上の記憶領域(メモリ領域)を決定する。すなわち、制御部11は、ユーザデータの書込み先を管理する。ホスト30から受信したユーザデータの論理アドレスと該ユーザデータが記憶された不揮発性メモリ20上の記憶領域を示す物理アドレスとの対応はアドレス変換テーブルとして記憶される。
また、制御部11は、ホスト30から読出し要求を受信した場合、読出し要求により指定された論理アドレスを上述のアドレス変換テーブルを用いて物理アドレスに変換し、該物理アドレスからの読出しをメモリI/F13へ指示する。
NANDメモリでは、一般に、ページと呼ばれるデータ単位で、書込みおよび読出しが行われ、ブロックと呼ばれるデータ単位で消去が行われる。本実施形態では、この同一のワード線に接続される複数のメモリセルをメモリセルグループと呼ぶ。メモリセルがシングルレベルセル(SLC)である場合は、1つのメモリセルグループが1ページに対応する。メモリセルがマルチレベルセル(MLC)である場合は、1つのメモリセルグループが複数ページに対応する。また、各メモリセルはワード線に接続するとともにビット線にも接続される。従って、各メモリセルは、ワード線を識別するアドレスとビット線を識別するアドレスとで識別することが可能である。
ホスト30から送信されるユーザデータは、内部バス16に転送されてデータバッファ12に一旦記憶される。符号化/復号部14は、不揮発性メモリ20に記憶されるユーザデータを符号化して符号語を生成する。また、符号化/復号部14は、不揮発性メモリ20から読出された受信語を復号してユーザデータを復元する。そこで符号化/復号部14は、符号化器(Encoder)17と復号器(Decoder)18を備える。なお、符号化/復号部14により符号化されるデータには、ユーザデータ以外にも、メモリコントローラ10内部で用いる制御データ等が含まれてもよい。
次に、本実施形態の書込み処理について説明する。制御部11は、不揮発性メモリ20へのユーザデータの書込み時に、ユーザデータの符号化を符号化器17に指示する。その際、制御部11は、不揮発性メモリ20における符号語の記憶場所(記憶アドレス)を決定し、決定した記憶場所もメモリI/F13へ指示する。
符号化器17は、制御部11からの指示に基づいて、データバッファ12上のユーザデータを符号化して符号語を生成する。符号化方式としては、例えば、BCH(Bose-Chandhuri-Hocquenghem)符号やRS(リード・ソロモン)符号を用いた符号化方式を採用することができる。符号化器17により生成される符号語は、上述において図2を用いて例示した積符号500などの多次元の誤り訂正符号である。図2に例示した積符号500は、上述したように、構成単位である各情報ビット(シンボルであってもよい)d~dが、行方向(図面中横方向)と列方向(図面中縦方向)とのそれぞれで、情報長2ビットで且つパリティ長2ビットのハミング符号である成分符号511~515および521~525で保護された構造を備える。このような積符号500では、全ての情報ビットd~dおよびパリティビットp~p20が行方向の成分符号(ハミング符号)511~515と列方向の成分符号(ハミング符号)521~525とで2重に保護されている。メモリI/F13は、制御部11から指示された不揮発性メモリ20上の記憶場所へ符号語を記憶する制御を行う。
次に、本実施形態の不揮発性メモリ20からの読出し時の処理について説明する。制御部11は、不揮発性メモリ20からの読出し時に、不揮発性メモリ20上のアドレスを指定してメモリI/F13へ読出しを指示する。また、制御部11は、復号器18へ復号の開始を指示する。メモリI/F13は、制御部11の指示に従って、不揮発性メモリ20の指定されたアドレスから受信語を読出し、読出した受信語を復号器18に入力する。復号器18は、この不揮発性メモリ20から読出された受信語を復号する。
復号器18は、不揮発性メモリ20から読出された受信語を復号する。図7は、復号器18の概略構成例を示すブロック図である。復号器18は、硬判定値を入力として復号を実行し、その結果として硬判定値を出力するHIHO(hard-input hard-output)復号部181と、軟判定値を入力として復号を実行し、その結果として軟判定値を出力するSISO(soft-input soft-output)復号部182とを備える。
一般に、SISO復号は、HIHO復号より誤り訂正能力は高いが処理時間が長いという特徴を持つ。そこで本実施形態では、まず、HIHO復号部181が、不揮発性メモリ20から硬判定値として読出された受信語をHIHO復号し、硬判定復号により復号できなかった受信語を軟判定値として読出すように構成する。そして、SISO復号部182が、軟判定値として読出された受信語をSISO復号するように構成する。ただし、このような構成に限られず、HIHO復号を省略して全ての受信語にSISO復号を実行する構成など、種々変形することが可能である。
つづいて、図7に示すSISO復号部182のより詳細な構成を、図面を参照して詳細に説明する。図8は、本実施形態に係るSISO復号部が実現するターボ復号器100の概略構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、ターボ復号器100は、読出し情報メモリ901と、次元1加算器911と、次元1SISO復号器962と、次元1外部値メモリ913と、次元2加算器921と、次元2SISO復号器972と、次元2外部値メモリ923と、参照情報メモリ951と、更新部952と、を備える。
ターボ復号器100は、参照情報メモリ951および更新部952を追加したこと、並びに、次元1SISO復号器962および次元2SISO復号器972の機能が、図3と異なっている。他の機能は、図3と同様の機能を備えるため同一の記号を付し説明を省略する。
参照情報メモリ951は、信頼性メトリックの履歴、または、信頼性メトリックの履歴から求められる統計情報である参照情報を記憶する記憶部である。更新部952は、参照情報を参照して信頼度計算関数(対応情報)を更新する。信頼度計算関数の更新処理の詳細は後述する。
次元1SISO復号器962は、計算した信頼性メトリックに基づく参照情報を参照情報メモリ951に記憶する点、および、更新部952から通知された信頼度計算関数g(m)を用いて信頼度を計算し、計算した信頼度を用いて外部値を計算する点が、図3の次元1SISO復号器912と異なっている。
次元2SISO復号器972は、計算した信頼性メトリックに基づく参照情報を参照情報メモリ951に記憶する点、および、更新部952から通知された信頼度計算関数g(m)を用いて信頼度を計算し、計算した信頼度を用いて外部値を計算する点が、図3の次元2SISO復号器922と異なっている。
図9は、図8に示すターボ復号器100による復号処理の一例を示すフローチャートである。なお、更新部952は、例えば本動作の起動時に、信頼度計算関数g(m)を予め定められた初期値に初期化する。
ステップS201からステップS205は、図4のステップS901からステップS905までと同様の処理なので、その説明を省略する。
なおステップS204では、次元1SISO復号器962は、図5に示す手順に従い次元1外部値を計算する。このときに用いる信頼度計算関数g(m)は、更新部952から通知される。
次元1SISO復号器962は、信頼性メトリックmを計算するごとに、参照情報メモリ951の参照情報を更新する(ステップS206)。参照情報は、例えば、信頼性メトリックmの値のヒストグラム(信頼性メトリックの履歴から求められる統計情報)である。次元1SISO復号器962は、信頼性メトリックmの履歴から求められる経験分布P^(m)をさらに参照情報として記憶してもよい。
図10は、信頼性メトリック、ヒストグラムおよび経験分布の例を示す図である。図10の上部は、図2に示すような5行、5列の積符号の各行(行1~5)および各列(列1~5)の信頼性メトリックmの値のリスト(信頼性メトリックの履歴)を示す。図10の下部は、このリストから計算した信頼性メトリックmのヒストグラムおよび経験分布P^(m)を示す。
例えば行4と列2でm=7の値が観測されていることから、m=7のヒストグラムのカウント値は2となる。また、行数+列数が10であることから、経験分布の値P^(m=7)=2/10=0.2となる。
図10では、信頼性メトリックmが0~9までの整数を取り得る例が示されている。信頼性メトリックmは、離散値である必要はなく、連続値であってもよい。信頼性メトリックmが連続値の場合、参照情報メモリ951は、例えば連続値を所定の範囲で区切ったビンごとにヒストグラムを記憶すればよい。
図9に戻り、次元2SISO復号器972による処理(ステップS207~ステップS210)も、次元1SISO復号器962と同様に実行される。
ステップS207からステップS209は、図4のステップS906からステップS908までと同様の処理なので、その説明を省略する。
なおステップS208では、次元2SISO復号器972は、図5に示す手順に従い次元2外部値を計算する。このときに用いる信頼度計算関数g(m)は、更新部952から通知される。
次元2SISO復号器972は、信頼性メトリックmを計算するごとに、参照情報メモリ951の参照情報を更新する(ステップS210)。
ステップS211からステップS214は、図4のステップS909からステップS912までと同様の処理なので、その説明を省略する。
反復回数が規定値に規定値に達していない場合(ステップS213のNO)、更新部952は、信頼度計算関数g(m)を更新し(ステップS215)、ステップS203へリターンして、以降の動作を実行する。信頼度計算関数g(m)の更新処理の詳細は後述する。
このように、第1の実施形態の更新部952は、次元1SISO復号器962および次元2SISO復号器972で用いる信頼度計算関数g(m)を動的に更新する。これにより、復号対象となる誤り訂正符号の構成やフラッシュメモリの状態によらず、高い訂正能力を達成することができる。
なお、次元1SISO復号器962および次元2SISO復号器972は、信頼性メトリックmを計算するごとに信頼性メトリックのヒストグラムを求めて参照情報メモリ951のヒストグラムを更新する代わりに、信頼性メトリックの値自体を参照情報メモリ951に記憶してもよい。言い換えると次元1SISO復号器962および次元2SISO復号器972は、信頼性メトリックmを計算するごとに、参照情報メモリ951に記憶された信頼性メトリックの履歴を更新してもよい。この場合、例えば更新部952は、信頼性メトリックmの履歴からヒストグラムを計算し、信頼度計算関数g(m)の更新に用いればよい。
次に、信頼度計算関数g(m)の更新処理の詳細について説明する。更新部952は、信頼度計算関数g(m)を、例えば以下の式(2)に従って更新する。
Figure 0007066584000002
P(m|c=x)は復号語cが真の復号語xであるという条件下での信頼性メトリックmの出現確率(第1確率)である。P(m|c≠x)は復号語cが真の復号語xでないという条件下での信頼性メトリックmの出現確率(第2確率)である。P(c=x)は、復号語cが真の復号語xである事前確率(第3確率)を示す。P(c≠x)は、復号語cが真の復号語xでないケースの事前確率(第4確率)を示す。
なお、事前確率P(c=x)およびP(c≠x)の間には、P(c=x)+P(c≠x)=1という関係が成立している。従って、事前確率P(c=x)または事前確率P(c≠x)のうち一方が求まれば、他方も求めることができる。2つの事前確率の比P(c=x)/P(c≠x)などが既知である場合も、事前確率P(c=x)およびP(c≠x)は計算可能である。そこで以降では、P(c=x)およびP(c≠x)を区別せずいずれも事前確率と呼ぶこととする。事前確率としては、例えば事前確率P(c=x)=P(c≠x)=0.5のような固定値を用いることができる。
更新部952は、経験分布P^(m)に基づきクラスタリングアルゴリズムを適用することで、条件付き確率P(m|c=x)およびP(m|c≠x)を求めることができる。更新部952は、例えば、経験分布P^(m)に対してk-meansアルゴリズムに基づくクラスタリング(ただしクラスタ数k=2)を適用することで、複数の信頼性メトリックを、クラスタAおよびクラスタBの2つのクラスタ(集合)のいずれかに分類するとともに、クラスタAに属する条件下での信頼性メトリックmの出現確率P(m|A)と、クラスタBに属する条件下での信頼性メトリックmの出現確率P(m|B)とを推定することができる。
クラスタAおよびクラスタBのうち、一方が真の復号語xである復号語cから計算された信頼性メトリックが分類されたクラスタに対応し、他方が真の復号語xでない復号語cから計算された信頼性メトリックが分類されたクラスタに対応する。更新部952は、クラスタAおよびクラスタBのうち、いずれが真の復号語xである復号語cから計算された信頼性メトリックが分類されたクラスタであるかを、「信頼性メトリックmが小さい方が確率φが大きい」という関係を利用して決定できる。また、更新部952は、各クラスタ内での各信頼性メトリックの出現確率を、P(m|c=x)およびP(m|c≠x)のいずれかとして計算することができる。
例えば、更新部952は、各クラスタの信頼性メトリックmの期待値、すなわち、m=E[m|A]およびm=E[m|B]を求める。更新部952は、「信頼性メトリックmが小さい方が確率φが大きい」という関係を利用することで、以下の式(3)および式(4)のように条件付き確率P(m|c=x)およびP(m|c≠x)を求めることができる。
Figure 0007066584000003
Figure 0007066584000004
信頼性メトリックと信頼度とを対応づけたテーブルの形式で信頼度計算関数を表す場合、更新部952は、式(2)を満たすような信頼性メトリックと信頼度とを対応づけたテーブルとなるようにテーブルを更新すればよい。
図11は、更新部952がクラスタリングアルゴリズムによって条件付き確率P(m|c=x)およびP(m|c≠x)を求める処理の一例を示す図である。
図11の上部に示す経験分布P^(m)が与えられたとき、k-meansアルゴリズムを適用することで、更新部952は、図11の下部に示すような、クラスタAに属する条件下での信頼性メトリックmの出現確率P(m|A)、および、クラスタBに属する条件下での信頼性メトリックmの出現確率P(m|B)を計算することができる。
ここで、クラスタAの信頼性メトリックmの期待値は0.67であり、クラスタBの信頼性メトリックmの期待値は7.00である。従って、クラスタAが、信頼性メトリックmが小さい、すなわち復号語cが真の復号語xと等しい場合に対応するクラスタであることが分かる。従って、更新部952は、条件付き確率P(m|c=x)は、出現確率P(m|A)であり、条件付き確率P(m|c≠x)は、出現確率P(m|B)であると決定できる。
なお適用可能なクラスタリングアルゴリズムはk-meansアルゴリズムに限られず、どのようなクラスタリングアルゴリズムを適用してもよい。例えば、EM(Expectation Maximization)アルゴリズムに基づく混合分布のパラメータ推定手法などのアルゴリズムを適用することが可能である。
なお、上述のように、事前確率P(c=x)、P(c≠x)としては固定値を用いてもよいが、より正しい事前確率の値を用いることで、信頼度計算関数g(m)による信頼度の近似精度を上げることができる。
更新部952は、例えば、P(m|c=x)とP(m|c≠x)と同様に、クラスタリングアルゴリズムによって事前確率を推定することができる。例えばEMアルゴリズムに基づく混合分布のパラメータ推定手法では、推定の過程で事前確率が求められる。従って更新部952は、推定の過程で求められる事前確率を、信頼度計算関数g(m)の更新処理で用いてもよい。
また、一般に復号語cが真の復号語xと等しい(=訂正に成功している)確率は、反復復号処理の後半になるにつれ増加する。すなわち、反復復号の反復回数と事前確率とは相関を持っている。また、一般に読出し情報、次元1外部値、および、次元2外部値から計算した硬判定値にエラーが少ないとき、硬判定値に対して計算したシンドロームが0である確率が高くなり、また復号語cが真の復号語xと等しい(=訂正に成功している)確率も高くなるという関係が成立している。すなわち、「硬判定値に対して計算したシンドロームが0である数」と事前確率とは相関を持っている。更新部952は、このような事前確率と相関を持つ値から、事前確率を推定することも可能である。
更新部952は、例えば反復回数が大きくなるに従い、復号語cが真の復号語xである事前確率P(c=x)を増加させてもよい。また更新部952は、例えばシンドロームが0である数が大きいほど、復号語cが真の復号語xである事前確率P(c=x)を増加させてもよい。
信頼性メトリックと信頼度の対応関係は、用いる符号やメモリシステムにかかるストレス条件などの条件に依存して変化する。そのため、予め特定の条件に対してのみ最適化された固定の信頼度計算関数g(m)を用いる構成では、メモリシステムにかかるストレス条件等が変化した場合に、信頼度の計算精度が低下し、その結果誤り訂正能力が低下するおそれがある。これに対して、第1の実施形態では、多次元の誤り訂正符号の軟判定復号時に用いられる信頼度計算関数を、復号処理中に動的に更新する。これにより、より高い精度で信頼度を計算することができ、この結果、ストレス条件等によらず高い訂正能力を実現することが可能となる。また、信頼度計算関数を予め最適化する必要がなくなる。
(第2の実施形態)
SISO復号器を用いたターボ復号器は、確率情報である外部値を外部値メモリに記憶しておかなければならないため、復号に必要なメモリ量が増大してしまう可能性がある。そこで、復号に必要なメモリ量を削減することが可能なメモリシステムの提供が望まれる。
第2の実施形態では、復号に必要なメモリ量を削減することが可能なメモリシステムの例を説明する。第2の実施形態のメモリシステムの概略構成は、第1の実施形態のメモリシステムの概略構成を示す図6と同様であるため説明を省略する。第2の実施形態では、SISO復号部182が実現するターボ復号器の機能が第1の実施形態と異なる。
図12は、本実施形態に係るSISO復号部が実現する近似的ターボ復号器100-2の概略構成例を示すブロック図である。また、図13は、図12に示す近似的ターボ復号器100-2の処理フローの一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、SISO復号部182が実現する近似的ターボ復号器100-2は、読出し情報メモリ101と、中間値メモリ102と、次元1軟判定入力値計算部111と、次元1成分符号SISO復号器112と、次元2軟判定入力値計算部121と、次元2成分符号SISO復号器122と、参照情報メモリ151と、更新部152と、を備える。
次元1軟判定入力値計算部111および次元2軟判定入力値計算部121は、読出し情報メモリ101に記憶された軟判定値の読出し情報と、中間値メモリ102に記憶された次元1の中間値(次元1中間値)および次元2の中間値(次元2中間値)とから、各次元の軟判定入力値を成分符号ごとに計算する。
なお、中間値とは、復号の途中で計算される各成分符号の中間の硬判定値と、この中間の硬判定値の信頼度とからなる情報であり、次元1の外部値(次元1外部値)および次元2の外部値(次元2外部値)の近似計算に必要な情報である。本実施形態では、中間の硬判定値の信頼度が、信頼度計算関数によって計算される。中間の硬判定値の信頼度の計算方法の詳細は後述する。
次元1成分符号SISO復号器112および次元2成分符号SISO復号器122は、入力された各次元の軟判定入力値に対して成分符号ごとにSISO復号を実行することで、各次元の中間値を計算する。
本実施形態では、各次元の中間値、すなわち、各成分符号の中間の硬判定値、すなわち復号語と、中間の硬判定値の信頼度、すなわち復号語の信頼度とが、復号処理で用いられる復号情報に相当する。次元1成分符号SISO復号器112および次元2成分符号SISO復号器122は、更新部152から通知された信頼度計算関数g(m)を用いて、中間の硬判定値の信頼度を計算する。また、次元1成分符号SISO復号器112は、信頼性メトリックに基づく参照情報を参照情報メモリ151に記憶する。
参照情報メモリ151は、信頼性メトリックの履歴、または、信頼性メトリックの履歴から求められる統計情報である参照情報を記憶する記憶部である。更新部152は、参照情報を参照して信頼度計算関数(対応情報)を更新する。
図12に示す近似的ターボ復号器100-2によるターボ復号動作では、図13に示すように、まず、不揮発性メモリ20から多次元の誤り訂正符号が軟判定値で読出される(ステップS301)。読出された軟判定値の多次元の誤り訂正符号は、読出し情報として読出し情報メモリ101へ転送されて記憶される(ステップS302)。
つぎに、読出し情報メモリ101内の読出し情報と中間値メモリ102内の次元1中間値および次元2中間値とを次元1軟判定入力値計算部111に入力して、次元1軟判定入力値を計算する(ステップS303)。なお、本動作の起動時に、中間値メモリ102がリセット(ゼロクリア)されているものとする。従って、最初の次元1軟判定入力値の計算処理では、次元1中間値および次元2中間値として例えば0ビットが連続するデータが次元1軟判定入力値計算部111に入力される。
つぎに、次元1軟判定入力値計算部111で計算された次元1軟判定入力値を次元1の成分符号ごとに次元1成分符号SISO復号器112に入力して、次元1中間値、すなわち復号語と復号語の信頼度とを計算する(ステップS304)。次元1成分符号SISO復号器112は、第1の実施形態と同様の処理により、復号語の信頼度を計算する。計算された次元1中間値は、中間値メモリ102に転送されて記憶される(ステップS305)。
次元1成分符号SISO復号器112は、次元1中間値の計算時に、信頼性メトリックを計算する。次元1成分符号SISO復号器112は、信頼性メトリックmを計算するごとに、参照情報メモリ151の参照情報を更新する(ステップS306)。参照情報は、例えば、信頼性メトリックmの値のヒストグラムである。
つぎに、読出し情報メモリ101内の読出し情報と中間値メモリ102内の次元1中間値および次元2中間値とを次元2軟判定入力値計算部121に入力して、次元2軟判定入力値を計算する(ステップS307)。なお、最初の次元2軟判定入力値の計算処理時には、中間値メモリ102に次元2中間値が記憶されていないため、最初の次元2軟判定入力値の計算処理では、次元1中間値と例えば0ビットが連続するデータと次元2軟判定入力値計算部121に入力される。
つぎに、次元2軟判定入力値計算部121で計算された次元2軟判定入力値を次元2の成分符号ごとに次元2成分符号SISO復号器122に入力して、次元2中間値、すなわち復号語と復号語の信頼度とを計算する(ステップS308)。次元2成分符号SISO復号器122は、第1の実施形態と同様の処理により、復号語の信頼度を計算する。計算された次元2中間値は、中間値メモリ102に転送されて記憶される(ステップS309)。
次元2成分符号SISO復号器122は、次元2中間値の計算時に、信頼性メトリックを計算する。次元2成分符号SISO復号器122は、信頼性メトリックmを計算するごとに、参照情報メモリ151の参照情報を更新する(ステップS310)。
つぎに、復号に成功したか否かが判定される(ステップS311)。復号に成功したとは、例えば正しいと判断できる復号語が発見されたことであってよい。また、発見された復号語が正しいか否かの判断は、例えば符号化/復号部14内の不図示の制御部が実行してもよい。復号に成功した場合(ステップS311のYES)、外部の制御部11等に復号の成功とともに発見された復号語が通知され(ステップS312)、本動作が終了する。一方、復号に成功していない場合(ステップS311のNO)、本動作の反復回数が予め設定しておいた規定値に達しているか否かが判定される(ステップS313)。
反復回数が規定値に規定値に達していない場合(ステップS313のNO)、更新部152は、信頼度計算関数g(m)を更新し(ステップS315)、ステップS303へリターンして、以降の動作を実行する。更新部152は、第1の実施形態の更新部952と同様の手順で信頼度計算関数g(m)を更新することができる。
また、規定値に達していた場合(ステップS313のYES)、外部の制御部11等に復号の失敗が通知され(ステップS314)、本動作が終了する。なお、反復回数とは、例えば図13のステップS303~S310の動作を繰り返した回数等であってよい。
つづいて、図13のステップS303およびS306において、図12における次元1軟判定入力値計算部111および次元2軟判定入力値計算部121が次元1軟判定入力値および次元2軟判定入力値を計算する際の動作フローを、図面を参照して詳細に説明する。図14は、本実施形態に係る次元1軟判定入力値計算部の動作フローの一例を示すフローチャートである。なお、図14には、次元1軟判定入力値計算部111の動作を示すが、同様の動作を次元2軟判定入力値計算部121に適用することが可能である。
図14に示すように、次元1軟判定入力値計算部111は、次元1軟判定入力値を計算するにあたり、まず、読出し情報メモリ101から読出し情報を入力するとともに、中間値メモリ102から次元1中間値および次元2中間値を入力する(ステップS321)。
つぎに、次元1軟判定入力値計算部111は、入力した読出し情報と次元1中間値および次元2中間値とから次元2外部値の近似値を計算する。具体的には、次元1軟判定入力値計算部111は、次元2中間値における次元2の復号語、次元2の復号語の信頼度から、式(1)に従って次元2外部値を計算する。
ただし式(1)を計算するためには次元2軟判定入力値rの値が必要であるが、本実施形態では、現時点で次元2軟判定入力値が未知である。そこで本実施形態では、読出し情報を次元2軟判定入力値rの近似値として代用して次元2外部値を近似的に計算する(ステップS322)。
つぎに、ステップS322で計算された次元2外部値の近似値と読出し情報とを加算することで、次元1軟判定入力値を計算する(ステップS323)。その後、計算された次元1軟判定入力値を次元1の成分符号ごとに次元1成分符号SISO復号器112へ出力し(ステップS324)、図13に示す動作へリターンする。
以上のように、読出し情報を軟判定入力値の近似値として代用した場合でも、最終的に計算される軟判定入力値は、本来のターボ復号において計算されるべき軟判定入力値に対して、よい近似となっている。これは、本実施形態によれば、例えば図3に例示した構成における各次元の外部値メモリ(次元1外部値メモリ913および次元2外部値メモリ923)を、より容量の小さい中間値メモリ102で代用することができることを示唆している。
具体的には、第1の実施形態では、外部値を次元ごとに記憶しておくメモリが必要であったが、本実施形態では、外部値として硬判定値(復号語に相当)および復号語の信頼度を記憶しておけばよく、また、全ての次元に対して1つのメモリを共有することが可能となる。その結果、本実施形態によれば、復号に必要なメモリ量を削減することが可能である。
以上のように、第2の実施形態も第1の実施形態と同様に、軟判定復号時に用いられる信頼度計算関数を、復号処理中に動的に更新することができる。また、第2の実施形態では、復号に必要なメモリ量を削減することが可能となる。
(第3の実施形態)
つぎに、第3の実施形態に係るメモリシステムについて、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態における符号化/復号部を含むメモリシステムの構成は、第2の実施形態において図5、図6、および、図12を用いて例示したメモリシステムと同様であってよいため、ここでは重複する説明を省略する。また、本実施形態に係る近似的ターボ復号器の処理フローも第2の実施形態において図13を用いて説明した処理フローと同様であってよいため、ここでは重複する説明を省略する。ただし、本実施形態では、次元1軟判定入力値計算部111および次元2軟判定入力値計算部121の動作フローが、第2の実施形態において図14を用いて例示した動作フローとは異なる。
図15は、本実施形態に係る次元1軟判定入力値計算部の動作フローの一例を示すフローチャートである。なお、図15には、次元1軟判定入力値計算部111の動作を示すが、同様の動作を次元2軟判定入力値計算部121に適用することが可能である。また、図15に示す動作において、図14に示す動作と同様の動作については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図15に示すように、次元1軟判定入力値計算部111は、まず、図14におけるステップS321と同様にして、読出し情報と次元1中間値および次元2中間値とを入力し、入力した読出し情報と次元1中間値および次元2中間値とから次元2外部値の近似値を計算する。本実施形態では、次元1軟判定入力値計算部111は、次元1中間値における次元1の復号語、次元1の復号語の信頼度から、式(1)に基づいて次元1の外部値の近似値を計算する。ただし式(1)を計算するためには軟判定入力値rの値が必要であるが、本実施形態では、現時点で次元1軟判定入力値が未知である。そこで本実施形態では、読出し情報を次元1軟判定入力値の近似値として代用して次元1外部値の近似値を計算する。(ステップS521)
つづいて、次元1軟判定入力値計算部111は、次元1中間値における次元2の復号語、次元2の復号語の信頼度から、式(1)に基づいて次元2の外部値の近似値を計算する。ただし式(1)を計算するためには次元2軟判定入力値rの値が必要であるが、本実施形態では、現時点で次元2軟判定入力値が未知である。そこで本実施形態では、読出し情報と次元1外部値の加算結果を次元2軟判定入力値の近似値として代用して次元2外部値の近似値を計算する。(ステップS522)
その後、次元1軟判定入力値計算部111は、図14のステップS324~S325で説明した動作と同様の動作を実行することで、次元2外部値の近似値と読出し情報とを加算して次元1軟判定入力値を計算し(ステップS523)、計算された次元1軟判定入力値を次元1の成分符号ごとに次元1成分符号SISO復号器112へ出力して(ステップS524)、図13に示す動作へリターンする。
以上のように、一方の次元の対数事後確率比を他方の次元の軟判定入力値の近似値として代用した場合でも、最終的に計算される軟判定入力値は、本来のターボ復号において計算されるべき軟判定入力値に対して、よい近似となっている。これにより、第2の実施形態と同様に、例えば図3に例示した構成における各次元の外部値メモリ(次元1外部値メモリ913および次元2外部値メモリ923)を、より容量の小さい中間値メモリ102で代用することが可能となり、復号に必要なメモリ量を削減することが可能である。
その他の構成、動作および効果は、上述した実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(第4の実施形態)
つぎに、第4の実施形態に係るメモリシステムについて説明する。第2の実施形態において図14を用いて例示した次元1軟判定入力値計算部111および次元2軟判定入力値計算部121の動作フローと、第3の実施形態において図15を用いて例示した次元1軟判定入力値計算部111および次元2軟判定入力値計算部121の動作フローとは、特定の条件で選択的に切り替えて使い分けることが可能である。例えば、次元1または次元2の復号語の信頼度が予め定めておいた閾値より高い場合には、図15に示した動作フローを用いて次元1軟判定入力値または次元2軟判定入力値を求め、それ以外の場合には、図14に示した動作フローを用いて次元1軟判定入力値または次元2軟判定入力値を求めるというように、復号語の信頼度に基づいて実行する動作フローを切り替えるように構成することも可能である。
そのような構成においても、上述した実施形態と同様に、例えば図3に例示した構成における各次元の外部値メモリ913および923を、より容量の小さい中間値メモリ102で代用することが可能となり、復号に必要なメモリ量を削減することが可能である。
その他の構成、動作および効果は、上述した実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(変形例1)
上記各実施形態では、例えば各次元について共通の信頼度計算関数g(m)を用いていた。信頼度計算関数g(m)は、予め定められた規則に従い変更されてもよい。
信頼度計算関数g(m)を変更する規則としては、例えば以下の(R1)~(R3)に示すような規則を用いることができる。
(R1)次元1の成分符号を復号する場合と、次元2の成分符号を復号する場合とで、それぞれ異なる信頼度計算関数g(m)を用いる。
(R2)復号語cを得るために複数種類の復号器(例えばBounded Distance Decoder、Chase decoder、Ordered Statistics Decoderなど)が使用されている場合、いずれの復号器から得られた復号語であるかによって、それぞれ異なる信頼度計算関数g(m)を用いる。
(R3)復号語cを得るために複数種類の復号器が使用されている場合、複数種類の復号器の出力した復号語cが一致しているか否かによって、それぞれ異なる信頼度計算関数g(m)を用いる。
(R3)の場合、各復号器は、例えば以下のようにして、使用する信頼度計算関数g(m)を決定する。
(R3-1)復号語cが一致している復号器については、共通の信頼度計算関数g(m)を使用し、不一致の復号器については、各復号器に対して定められた個別の信頼度計算関数g(m)を使用する。
(R3-2)復号語cが一致している復号器については、復号語cが一致している場合の関数として定められた第1の共通の信頼度計算関数g(m)を使用し、不一致の復号器については、復号語cが一致していない場合の関数として定められた第2の共通の信頼度計算関数g(m)を使用する。
(R3-3)すべての復号器の復号語cが一致している場合は、共通の信頼度計算関数g(m)を使用する。復号語cが一致しない復号器が存在する場合は、正しいと推定される復号器のみを用いて、当該復号器に対して定められた信頼度計算関数g(m)を使用する。
異なる信頼度計算関数g(m)を用いる場合、更新部(更新部952、更新部152)は、使用する信頼度計算関数g(m)ごとにそれぞれ異なる初期値を初期化に用いる。また、参照情報メモリ(参照情報メモリ951、参照情報メモリ151)は、信頼度計算関数g(m)ごとにそれぞれ異なる信頼性メトリックmのヒストグラムを記憶する。また、更新部(更新部952、更新部152)は、信頼度計算関数g(m)ごとに更新値を計算する。
図16は、次元ごとに異なる信頼性メトリックmのヒストグラムを記憶する例を示す図である。図16では、行1~5に対応する次元1の信頼性メトリックmのヒストグラムおよび経験分布、並びに、列1~5に対応する次元2の信頼性メトリックmのヒストグラムおよび経験分布の例が示されている。
このように、規則に従い異なる信頼度計算関数g(m)を用いることで、信頼度計算関数g(m)がより精度よく信頼度φ=P(c=x|r)を近似できるようになり、より高い訂正能力を得ることができると期待される。
(変形例2)
更新部(更新部952、更新部152)は、信頼度計算関数g(m)の更新処理を、他の処理の少なくとも一部と並行して実行してもよい。変形例1の(R1)のように次元ごとに異なる信頼度計算関数g(m)を用いる場合であれば、更新部は、複数の次元のうち、いずれかの復号処理を実行中に、他の次元で使用する信頼度計算関数g(m)の更新処理を実行してもよい。
(変形例3)
これまでは主に二次元の誤り訂正符号を例に説明したが、三次元以上の誤り訂正符号に対しても同様に上記実施形態を適用できる。また、BCH符号、RS符号などを含む多次元でない誤り訂正符号に対しても上記実施形態を適用しうる。例えば、多次元でない誤り訂正符号に対して複数回の復号処理を実行して最終的な復号結果を出力する構成であって、各復号処理で上記のように信頼性メトリックおよび信頼度を計算する構成に対しても適用しうる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 メモリシステム
10 メモリコントローラ
11 制御部
12 データバッファ
13 メモリI/F
14 符号化/復号部
15 ホストI/F
16 内部バス
17 符号化器
18 復号器
20 不揮発性メモリ
30 ホスト
100 ターボ復号器
100-2 近似的ターボ復号器
101 読出し情報メモリ
102 中間値メモリ
111 次元1軟判定入力値計算部
112 次元1成分符号SISO復号器
121 次元2軟判定入力値計算部
122 次元2成分符号SISO復号器
151 参照情報メモリ
152 更新部
181 HIHO復号部
182 SISO復号部
911 次元1加算器
912 次元1SISO復号器
913 次元1外部値メモリ
920 不揮発性メモリ
921 次元2加算器
922 次元2SISO復号器
923 次元2外部値メモリ
941 符号化器
942 復号器
951 参照情報メモリ
952 更新部
962 次元1SISO復号器
972 次元2SISO復号器

Claims (11)

  1. 誤り訂正符号を記憶する不揮発性メモリと、
    前記不揮発性メモリから読出し情報を取得する処理を行い、
    少なくとも前記読出し情報に基づいて計算される軟判定入力値と、前記軟判定入力値により復号された復号語と、に基づいて、前記復号語の信頼度と相関を持つ情報である信頼性メトリックを計算し、
    複数の前記信頼性メトリックの履歴または前記履歴から求められる統計情報である参照情報を記憶し、
    前記信頼性メトリックから前記信頼度を計算するための対応情報を用いて、前記信頼性メトリックから前記信頼度を計算し、
    前記復号語および前記信頼度に基づいて、復号情報を計算し、
    前記参照情報に基づいて、前記対応情報を更新する、
    メモリコントローラと、
    を備えるメモリシステム。
  2. 前記不揮発性メモリは、符号を構成するシンボルのうち少なくとも1つのシンボルが少なくとも第1の成分符号と前記第1の成分符号とは異なる第2の成分符号とによって保護されている多次元の誤り訂正符号を記憶し、
    前記メモリコントローラは、少なくとも前記第1の成分符号の復号情報と、前記読出し情報に基づいて、前記第2の成分符号の前記軟判定入力値を計算する、
    請求項1に記載のメモリシステム。
  3. 前記復号情報は、前記第1の成分符号の外部値、および、前記第2の成分符号の外部値である、
    請求項2に記載のメモリシステム。
  4. 前記復号情報は、前記復号語、および、前記復号語の信頼度である
    請求項2に記載のメモリシステム。
  5. 前記メモリコントローラは、
    前記第1の成分符号に対して、前記信頼性メトリックから前記信頼度を計算するための第1の対応情報を使用し、前記第2の成分符号に対して、前記信頼性メトリックから前記信頼度を計算するための第2の対応情報を使用する、
    請求項2に記載のメモリシステム。
  6. 前記信頼性メトリックは、前記軟判定入力値と前記復号語との間の距離である、
    請求項1に記載のメモリシステム。
  7. 前記対応情報は、前記復号語が正しい復号語であるという条件下での前記信頼性メトリックの出現確率である第1確率、および、前記復号語が正しい復号語でないという条件下での前記信頼性メトリックの出現確率である第2確率を含み、
    前記メモリコントローラは、
    前記参照情報を用いて、複数の前記信頼性メトリックを、正しい復号語から計算された前記信頼性メトリックを含む第1集合と、正しくない復号語から計算された前記信頼性メトリックを含む第2集合と、に分類し、
    前記第1集合内での前記信頼性メトリックの出現確率から前記第1確率を計算し、
    前記第2集合内での前記信頼性メトリックの出現確率から前記第2確率を計算し、
    計算した前記第1確率および計算した前記第2確率を用いて、前記対応情報を更新する、
    請求項1に記載のメモリシステム。
  8. 前記対応情報は、前記復号語が正しい復号語である事前確率を示す第3確率、および、前記復号語が正しい復号語でない事前確率を示す第4確率を含み、
    前記メモリコントローラは、
    複数の前記信頼性メトリックを前記第1集合と前記第2集合とに分類するときに、前記第3確率と前記第4確率を計算し、
    計算した前記第3確率および計算した前記第4確率を用いて、前記対応情報を更新する、
    請求項7に記載のメモリシステム。
  9. 前記対応情報は、前記復号語が正しい復号語である事前確率を示す第3確率、および、前記復号語が正しい復号語でない事前確率を示す第4確率を含み、
    前記メモリコントローラは、
    復号処理の反復回数に基づいて前記第3確率および前記第4確率を推定する、
    請求項1に記載のメモリシステム。
  10. 前記対応情報は、前記復号語が正しい復号語である事前確率を示す第3確率、および、前記復号語が正しい復号語でない事前確率を示す第4確率を含み、
    前記メモリコントローラは、
    前記読出し情報および前記復号情報に基づいて硬判定値を計算し、前記硬判定値に対して計算したシンドロームに基づいて前記第3確率および前記第4確率を推定する、
    請求項1に記載のメモリシステム。
  11. 前記メモリコントローラは、
    前記信頼性メトリックの計算、および、前記信頼度の計算の少なくとも一方と並行して、前記対応情報を更新する処理を実行する、
    請求項1に記載のメモリシステム。
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