JP7065163B2 - 圃場統合管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、圃場統合管理システムに関する。
農作物は、生育期間において様々な病害虫に侵される場合がある。病害虫の発生は、収率・品質低下の要因になる。そこで、各種センサを用いて圃場内の環境をモニタし、作物の品質及び生産性を向上させる試みが検討されている(非特許文献1)。
圃場は、囲いをした畑のことである。例えば、苺のハウス栽培のハウス単位の農地を、ここでは圃場と称する。なお、圃場は苺栽培のハウスに限られない。
[令和2年8月24日検索]、インターネット<URL:http://fsds.dc.affrc.go.jp/data1/fukatsu/paper/2012 jul.pdf>
しかしながら、非特許文献1に開示された技術は、利用者の意向決定に必要な情報をコンピュータシステムが提供するだけであり、作物に発生する病害虫を具体的に抑制する手段を備えないものである。つまり、IoT(Internet of Things)技術を用いて圃場内の作物の生育を統合的に管理するシステムは存在しないという課題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、IoT技術を用いて圃場内の作物の生育を統合的に管理することができる圃場統合管理システムを提供することを目的とする。
本発明に係る圃場統合管理システムは、通信ネットワークを介して圃場内の作物の生育を管理する圃場統合管理システムであって、前記圃場内の環境を表す環境パラメータを所定の時間間隔で検出する複数のセンサと、前記作物に発生する病害虫を抑制する一つ以上の病害虫抑制部と、前記環境パラメータを、前記通信ネットワークを介して予測装置に送信し、前記予測装置から前記病害虫抑制部の動作を制御する制御信号を受信し、前記病害虫抑制部の動作を制御する圃場内端末と、前記環境パラメータの推移から前記作物に発生する病害虫を予測する病害虫発生予測モデルを有し、新たに入力された前記環境パラメータから病害虫の発生を予測し、発生が予測された病害虫に対応する前記制御信号を生成する前記予測装置とを備え、前記圃場内端末は、前記環境パラメータの値が閾値よりも大きいか否かを判定する判定部と、該値が前記閾値よりも大きい場合に利用者に第1警報を発する第1報知部とを備え、前記予測装置は、前記第1警報が発せられた場合、又は前記病害虫発生予測モデルによって病害虫の発生が予測された場合に携帯電話の回線を用いて前記利用者の携帯電話の電話番号が登録されている呼制御サーバに第2警報を発する第2報知部を備えることを要旨とする。
本発明によれば、圃場内の作物の生育を統合的に管理することができる圃場統合管理システムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る圃場統合管理システムの機能構成例を示すブロック図である。 圃場内に配置される構成の一例を示すブロック図である。 図1に示す予測装置の機能構成例を示すブロック図である。 病害虫発生予測モデルの概念を示す図である。 作物と発生する病害虫の関係を示す図である。 ハウス内の温度湿度の変化と炭疽病との関係例を示す図である。 病害虫の種類とその発生を抑制する手段との関係を示す図である。 図1に示す病害虫抑制部の動作の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。複数の図面中同一のものに
は同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
(構成)
図1は、本発明の実施形態に係る圃場統合管理システムの機能構成例を示すブロック図である。図1に示す圃場統合管理システム100は、通信ネットワークを介して圃場内の作物の生育を管理するシステムである。
圃場統合管理システム100は、複数のセンサ10、病害虫抑制部20、圃場内端末30、通信ネットワーク40、予測装置50、及び携帯端末60を備える。複数のセンサ10、病害虫抑制部20、及び圃場内端末30は、例えばビニールハウス等の圃場内に設けられる。なお、携帯端末60は無くても構わない。
圃場内端末30、予測装置50、及び携帯端末60のそれぞれは、例えば、ROM、RAM、CPU等からなるコンピュータで実現することができる。その場合、各機能構成部の処理内容はプログラムによって記述される。
また、圃場統合管理システム100は、クラウドコンピューティングの形態で構成することも可能である。その場合、通信ネットワーク40はインターネットで構成され、予測装置50はクラウド上に配置される。
(作用)
複数のセンサ10は、圃場内の環境を表す環境パラメータを所定の時間間隔で検出する。環境パラメータは、温度、湿度、日照、CO濃度、捕虫器で捕獲した害虫の数、土壌含水率等を表す情報である。
病害虫抑制部20は、圃場内の作物に発生する病害虫を抑制するものである。例えば、紫外線B波(UVB)を作物に照射するUVB照射部、青色光を照射するLED光源、殺虫剤の噴霧器等の一つ以上を含む。
圃場内端末30は、複数のセンサ10で検出した環境パラメータを、通信ネットワーク40を介して予測装置50に送信し、予測装置50から病害虫抑制部20の動作を制御する制御信号を受信し、病害虫抑制部20の動作を制御する。制御信号は、例えばUVB照射部によるUVBの照射の有無及び照射時間等を制御する。
予測装置50は、環境パラメータの推移から作物に発生する病害虫を予測する病害虫発生予測モデルを有し、新たに入力された環境パラメータから病害虫の発生を予測し、発生が予測された病害虫に対応する制御信号を生成する。病害虫発生予測モデルは、例えば機械学習アルゴリズムに基づいて生成されたモデルである。病害虫発生予測モデルについて詳しくは後述する。
以上説明したように、本実施形態に係る圃場統合管理システム100は、通信ネットワーク40を介して圃場内の作物の生育を管理する圃場統合管理システムであって、圃場内の環境を表す環境パラメータを所定の時間間隔で検出する複数のセンサ10と、作物に発生する病害虫を抑制する一つ以上の病害虫抑制部20と、環境パラメータを、通信ネットワーク40を介して予測装置50に送信し、予測装置50から病害虫抑制部20の動作を制御する制御信号を受信し、病害虫抑制部20の動作を制御する圃場内端末30と、環境パラメータの推移から作物に発生する病害虫を予測する病害虫発生予測モデルを有し、新たに入力された環境パラメータから病害虫の発生を予測し、発生が予測された病害虫に対応する制御信号を生成する予測装置50とを備える。これにより、圃場内の作物の生育を統合的に管理することができる。
以降、図面を参照して各機能構成部の動作を詳しく説明する。
(圃場内)
図2は、圃場内に配置される各機能構成部を示すブロック図である。圃場内には、複数のセンサ10、病害虫抑制部20、及び圃場内端末30が配置される。
複数のセンサ10は、例えば、温度センサ11、湿度センサ12、日照センサ13、CO2センサ14、捕虫器15等を含む。温度センサ11は、例えばサーミスタ等で構成される一般的なものである。他のセンサも同様である。
病害虫抑制部20は、例えば、UVB照射部21、LED光源22、殺虫剤の噴霧器23等を含む。これ以外に害虫の走光性を利用する光源等を含んでもよい。走光性とは、光の在る方向に虫が近づく性質のことである。UVB照射部21は、例えば蛍光ランプで構成することができる。
圃場内端末30は、センサ駆動部31、判定部32、第1報知部33、制御部34、及び通信インターフェース35を備える。センサ駆動部31は、複数のセンサ10をそれぞれ駆動し、各センサで検出した環境パラメータを取得する。通信インターフェース35は、OSI参照モデルの物理層に相当する構成であり一般的なものである。
センサ駆動部31は、例えば温度センサ11のサーミスタに定電流を供給し、温度によって変化するサーミスタの端子電圧を温度に変換する。また、湿度センサ12に対しては、例えば静電容量を形成する湿度センサ12に一定電圧を供給し、湿度によって変化する発振周波数を湿度に変換する。
このように、センサ駆動部31は、各センサの仕様に合わせて駆動し、それぞれのセンサから環境パラメータを取得するドライバーである。捕虫器15は、例えば、虫見板の上に虫を誘引する正の走光性の光を照射し、虫見板上の点の数を数えることで害虫の発生の有無を検出する。害虫の発生は、複雑な画像処理技術を用いなくても検出することが可能である。
判定部32は、複数のセンサ10で検出した環境パラメータの値が閾値よりも大きいか否かを判定する。環境パラメータの値は、例えば、捕虫器15で検出した害虫の数、温度、湿度等の値である。
第1報知部33は、判定部32において環境パラメータの値が閾値よりも大きいと判定された場合に利用者に第1警報を発する。第1警報は、例えば、無線LAN(Wi-Fi)を介して発せられる。また、第1警報は、通信インターフェース35と通信ネットワーク40を介して予測装置50に伝達される。
第1報知部33は、圃場内に配置され通信ネットワーク40に接続される無線ルーター(図示せす)に代えてもよい。なお、第1報知部33は、簡単な警告灯、ブザー等で有ってもよい。
なお、複数のセンサ10に、複数の捕虫器15を含めてもよい。複数の捕虫器15をビニールハウス内に配置し、それぞれの捕虫器15で検出した害虫の数を、その位置に対応させたマップで表示させてもよい。そのマップは、圃場内端末30が備える表示部(図示せず)に表示してもよいし、利用者が携帯する携帯端末60(携帯電話又はタブレット)に表示してもよい。
つまり、センサ10は、害虫の数を計数する捕虫器15を複数含み、第1報知部33は、捕虫器15の位置を表す情報と害虫の数を表す情報を組みにした第1警報を発する。これにより、利用者は害虫発生の濃淡を知ることができ防御を確実に行うことができる。
制御部34は、予測装置50から病害虫抑制部20の動作を制御する制御信号を受信し、病害虫抑制部20の動作を制御する。制御信号は、例えばUVB照射部21のUVBの照射の有無及び照射時間を制御する。
例えば、害虫のハダニは、UVBの照射によって防除できることが知られている(参考文献1:村田康允、他1名「ハダニに対するUVBの致死効果と光回復」、植物防疫、第68巻第9号(2014年))。また、青色光に殺虫効果があることが知られている(参考文献2:堀雅敏、「青色光に見出された殺虫効果」、植物防疫、第69巻第7号(2015年))。
(予測装置)
図3は、予測装置50の機能構成例を示すブロック図である。予測装置50は、環境パラメータ蓄積部51、学習部52、病害虫発生予測モデル53、可視化部54、病害虫抑制部制御信号生成部55、第2報知部56、及び通信インターフェース57を備える。通信インターフェース57は、圃場内端末30の通信インターフェース35と同様に一般的なものである。
環境パラメータ蓄積部51は、複数のセンサ10が所定の時間間隔で検出した環境パラメータを蓄積する。所定の時間間隔は、例えば1時間、数時間、半日、又は1日といった時間間隔である。
学習部52は、環境パラメータ蓄積部51に蓄積された環境パラメータと発生する病害虫の種類とを関連付ける病害虫発生予測モデル53を、機械学習アルゴリズムを用いて学習する。機械学習アルゴリズムは、例えば、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、RNN(LSTM)等である。何れのアルゴリズムを用いてもよい。
なお、学習済みの病害虫発生予測モデル53を備えれば、環境パラメータ蓄積部51と学習部52は無くても構わない。つまり、病害虫発生予測モデル53は、別の学習装置で学習した学習済みのモデルを用いてもよい。
図3に示す予測装置50は学習部52を備え、病害虫発生予測モデル53を学習する学習フェーズと、病害虫発生予測モデル53を用いて病害虫の発生を予測する予測フェーズの両方を行うものである。
このように本実施形態に係る予測装置50は、環境パラメータを蓄積する環境パラメータ蓄積部51と、環境パラメータ蓄積部51に蓄積された環境パラメータと発生する病害虫の種類とを関連付ける病害虫発生予測モデルを、機械学習アルゴリズムを用いて学習する学習部52を備える。これにより、環境パラメータの変化から病害虫の発生を予測する病害虫発生予測モデルを生成することができる。
(病害虫発生予測モデル)
図4は、病害虫発生予測モデル53の概念を示す図である。図4に示すように、病害虫発生予測モデル53は、環境パラメータ(x)の推移(時間変化)と発生する病害虫の種類(y)とを関連付けるモデルである。病害虫発生予測モデル53は、病害虫の発生の有無を教師データとし、環境パラメータ(x)の推移を上記の機械学習アルゴリズムを用いて学習する。
病害虫の種類は、例えば、うどんこ病(y)、しろさび病(y)、炭疽病(y)、アザミウマ(y)、タバココナジラミ(y)、アブラムシ(y)、ハダニ(y)等である。作物に発生する病害虫は、作物の種類によって異なる。
図5は、作物と発生する病害虫の関係を示す図である。図中に数字が記載されている行と列の組合せが発生し得る病害虫を表す。数字は、その発生を抑制する手段を表す。抑制する手段については後述する。
例えば、作物が苺の場合、病気は「うどんこ病」と「炭疽病」、害虫は「ハダニ」、「アザミウマ」、「アブラムシ」が発生し得る。胡瓜の場合、病気は「うどんこ病」、害虫は「アザミウマ」、「タバココナジラミ」、「アブラムシ」が発生し得る。このように作物の種類によって発生する病害虫の種類は異なる。
図6は、ビニールハウス内の温度湿度の推移と炭疽病との関係の一例を示す図である。図6の横軸は日付、縦軸は温度・湿度である。温度を実線、湿度を破線で示す。図6において8月19日に炭疽病の発生が確認された。
温度湿度等の環境パラメータと、病害虫の発生との関係は複雑である。しかし、適切な情報(データ)を用いることで、環境パラメータの推移と作物に発生する病害虫との関係はモデル化(病害虫発生予測モデル53)することが可能である。
圃場ごと農作物ごとに圃場内の環境パラメータを測定し、環境パラメータの変化から病害虫の発生を予測する病害虫発生予測モデルの構築を行う。病害虫発生予測モデルは、過去の環境パラメータ(x)の推移と新たに入力される環境パラメータから発生する病害虫の種類(y)を予測するモデルである。環境パラメータは、圃場内の温度、湿度、日照量、CO濃度、土壌含水率、及び害虫の数を表す情報等である。
可視化部54は、病害虫発生予測モデルに新たに計測された環境パラメータを入力し、予測される病害虫の発生の有無を表す1/0の情報を出力する。つまり、過去の環境パラメータの推移を元に学習した病害虫発生予測モデルに新たな環境パラメータを入力し、発生が予測される病害虫を可視化させる。可視化部54が出力する信号は、例えば「うどんこ病」及び「アザミウマ」等の発生の有無を表す1/0の情報である。
病害虫抑制部制御信号生成部55は、発生が予測された病害虫の種類に対応させた抑制信号の生成を制御する制御信号を生成する。例えば、炭疽病の発生が予測された場合、病害虫抑制部制御信号生成部55は、UVB照射部21から300~310nmの波長のUVBを8~20μW/cm2の照射強度で、日没から25:00までの間の3時間だけ照射する制御信号を生成する。
第2報知部56は、病害虫発生予測モデル53によって病害虫の発生が予測された(可視化部54で病害虫の発生が可視化された)場合、又は圃場内端末30の第1報知部33から第1警報が発せられた場合に携帯電話の回線を用いて第2警報を発する。第2報知部56は、利用者の携帯電話の電話番号が登録されている呼制御サーバ(図示せず)に第2警報を送信する。
第2警報を受信した呼制御サーバは、第1警報が圃場内端末30から発せられた場合又は病害虫発生予測モデル53によって病害虫の発生が予測された場合に、利用者の携帯電話に第2警報を発する。第2警報は、携帯電話のサービスエリア内に発報される。したがって、利用者は、例えば、第1警報(例えばWi-Fi)が届くビニールハウスの周辺に居なくても第2警報が発せられたことを知ることができる。
つまり、圃場内端末30は、環境パラメータの値が閾値よりも大きいか否かを判定する判定部32と、該値が閾値よりも大きい場合に利用者に第1警報を発する第1報知部33とを備え、予測装置50は、前記第1警報が発せられた場合、又は前記病害虫発生予測モデルによって病害虫の発生が予測された場合に携帯電話の回線を用いて第2警報を発する第2報知部56を備える。これにより、利用者は、警報(第1警報と第2警報)が発せられたことを確実に知ることができる。
(病害虫抑制部)
図7は、作物を病害虫から防ぐ防除技術の例を示す図である。左から一列目の数字は図5に示した数字に対応している。二列目は防除技術名、三列目は防除メカニズムを示す。
ここで防除メカニズムについて簡単に説明する。「うどんこ病」及び「炭疽病」は、作物にUVBを照射することで遺伝子抵抗体であるキチナーゼを誘導して防除することができる。ただし、キチナーゼは、光回復酵素によって回復されてしまうので日の当たらない夜間にUVBを照射する必要がある。UVBの夜間照射については後述する。
「ハダニ」もUVBの照射で防除することができる。280~300nmの波長を10μW/cm2程度の照射強度で孵化を防止することができる。
「アザミウマ」及び「アブラムシ」は、これらの害虫に青色光を直接照射することで酸化作用(活性酸素生成)によるタンパク質等の構造損傷が期待できる。430~490nmの波長の青色光が有効である。これらの光の照射は、細菌及び害虫の核酸(DNA,RNA)に作用し、細胞死や機能異常をもたらすと考えられる。
図5に示すように、苺に発生する「うどんこ病」は、UVB照射(図7、No1)で防除することができる。害虫の「アザミウマ」と「ハダニ」は青色光照射(図7、No2,3)で防除することができる。
また、図7のNo4に示すように複数の防除技術を組み合わせてもよい。害虫が持つ誘引特性(正の走光性又は臭気)を利用して害虫を誘引し、殺虫剤等で効率的に駆除する方法も考えられる。
UVB照射部21は、病害虫抑制部制御信号生成部55で生成された制御信号に基づいて作物にUVBを照射する。UVBは、生物中の核酸に損傷を与え致死させる作用を行う。
一方、生物には様々な環境ストレスによって核酸に生じたる損傷を正常な状態に戻す修復機構が備わることが知られている(参考文献1)。核酸に生じた損傷に対する修復機構としては、光回復と称される現象がある。
光回復は、UVBの照射によって損傷を受けた核酸が可視光に晒され、光回復酵素によって正常化される修復現象である。核酸の損傷を光回復で修復させないようにするためには、UVBを照射した後に光が照射されない暗時間を一定時間確保する必要がある。
したがって、UVB照射部21によるUVBの照射は、暗時間が確保できる夜間に行う必要がある。また、所定の暗時間を確保するために日の出時刻に対応させてUVBの照射を終了する必要がある。
図8は、UVB照射部21がUVBを照射する手順を示すフローチャートである。UVB照射部21は、制御部34によって制御される。
病害虫抑制部制御信号生成部55において、UVBを照射させる制御信号が生成されると、制御部34は、カレンダー情報と圃場の座標情報を元に日の出時刻を算出する(ステップS1)。座標情報は、圃場の緯度経度で有ってもよいし、住所で有ってもよい。
次に制御部34は、所定の暗時間を確保できるUVBの照射終了時刻を算出する(ステップS2)。照射終了時刻は、例えば、日の出時刻が4時30分、暗時間が1時間であれば3時30分が照射終了時刻である。
次に制御部34は、害虫を駆除するのに必要なUVBの積算照射量から、照射時間と照射量を算出する(ステップS3)。例えば、照射時間は3時間、照射量は20μW/cm2といった値である。
次に制御部34は、日の出時刻からUVBの照射開始時刻を算出する(ステップS4)。上記の例の場合の照射開始時刻は、午前12時30分となる。この照射開始時刻は、日の出時刻、暗時間、及び照射時間によって変化する。
制御部34は、時刻が照射開始時刻になると、所定の照射量のUVBをUVB照射部21から照射させる。UVBの照射は照射時間の間継続される。
このように本実施形態に係る病害虫抑制部20は、夜間、圃場内にUVBを照射するUVB照射部21を備え、UVB照射部21は、カレンダー情報と圃場の座標情報を元に、日の出までにUVBが照射されない暗時間を所定時間以上の間生じさせる。これにより、細菌及び害虫の細胞死や機能異常が修復されずそれらを確実に防除することができる。
病害虫抑制部20を構成するLED光源22、噴霧器23等についても病害虫抑制部制御信号生成部55で生成された制御信号に基づいて作物に発生する病害虫を防除する。LED光源22と噴霧器23について詳しい説明は省略する。
以上説明したように、本実施形態に係る圃場統合管理システム100によれば、通信ネットワーク40を介して、環境パラメータの取得、病害虫発生予測モデルの学習と予測、及び病害虫の抑制(防除)まで、統合的に圃場内の作物の生育を管理することが可能である。
なお、通信ネットワーク40は、一人の管理者(利用者)が所有するプライベートネットワークで有ってもよい。また、通信ネットワーク40はインターネットで有ってもよい。つまり、圃場統合管理システム100によれば、IoT技術を用いて圃場内の作物の生育を統合的に管理することができる。
また、インターネット上に予測装置50を配置し、一人の管理者が複数の利用者にサービスを提供するようにしてもよい。このように圃場統合管理システム100は、クラウドコンピューティングで実現しても構わない。
また、病害虫抑制部20は、UVB照射部21(蛍光ランプ)、LED光源22、噴霧器23等の例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。蛍光ランプ及びLED等の光源は、低圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の各種ランプで構成することが可能である。これらの光源を含む病害虫を抑制する手段には、最新の知見に基づく手段を用いることが可能である。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を含む。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
10:複数のセンサ
20:病害虫抑制部
21:UVB照射部
22:LED光源
23:噴霧器
30:圃場内端末
32:判定部
33:第1報知部
40:通信ネットワーク
50:予測装置
51:環境パラメータ蓄積部
52:学習部
53:病害虫発生予測モデル
54:可視化部
55:病害虫抑制部制御信号生成部
56:第2報知部
60:携帯端末
100:圃場統合管理システム

Claims (4)

  1. 通信ネットワークを介して圃場内の作物の生育を管理する圃場統合管理システムであって、
    前記圃場内の環境を表す環境パラメータを所定の時間間隔で検出する複数のセンサと、
    前記作物に発生する病害虫を抑制する一つ以上の病害虫抑制部と、
    前記環境パラメータを、前記通信ネットワークを介して予測装置に送信し、前記予測装置から前記病害虫抑制部の動作を制御する制御信号を受信し、前記病害虫抑制部の動作を制御する圃場内端末と、
    前記環境パラメータの推移から前記作物に発生する病害虫を予測する病害虫発生予測モデルを有し、新たに入力された前記環境パラメータから病害虫の発生を予測し、発生が予測された病害虫に対応する前記制御信号を生成する前記予測装置と
    を備え
    前記圃場内端末は、
    前記環境パラメータの値が閾値よりも大きいか否かを判定する判定部と、
    該値が前記閾値よりも大きい場合に利用者に第1警報を発する第1報知部とを備え、
    前記予測装置は、
    前記第1警報が発せられた場合、又は前記病害虫発生予測モデルによって病害虫の発生が予測された場合に携帯電話の回線を用いて前記利用者の携帯電話の電話番号が登録されている呼制御サーバに第2警報を発する第2報知部を備えることを特徴とする圃場統合管理システム。
  2. 前記予測装置は、
    前記環境パラメータを蓄積する環境パラメータ蓄積部と、
    前記環境パラメータ蓄積部に蓄積された前記環境パラメータと発生する病害虫の種類とを関連付ける前記病害虫発生予測モデルを、機械学習アルゴリズムを用いて学習する学習部を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の圃場統合管理システム。
  3. 前記センサは、害虫の数を計数する捕虫器を複数含み、
    前記第1報知部は、前記捕虫器の位置を表す情報と前記害虫の数を表す情報を組にした前記第1警報を発する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の圃場統合管理システム。
  4. 前記病害虫抑制部は、
    夜間、前記圃場内に紫外線B波を照射するUVB照射部を備え、
    前記UVB照射部は、カレンダー情報と前記圃場の座標情報を元に、日の出までに前記紫外線B波が照射されない暗時間を所定時間以上生じさせる
    ことを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の圃場統合管理システム。
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