JP7065060B2 - 流体の流れ計測装置及びガス検知装置 - Google Patents
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また、流体自体を異なる二つの色で着色し、着色された流体を交互に流すことで、流体の流れを観察する方法等も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
そのため、広い範囲を対象とする建物内や屋外、工場内、人が大勢いる駅等の公共の設備等、実際の構造物や環境に対しては、流体の流れの解析を有効に行うことは困難であった。
なお、以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の具体的な構成について記載されている。しかしながら、このような特定の具体的な構成に限定されることなく他の実施態様が実施できることは明らかである。また、以下の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は本発明の第一実施形態に係る流体の流れ計測装置の一例を示す構成図であって、流体の流れ計測装置1は、図1に示すように、カメラ11と、入力装置及び表示装置を有する画像処理装置12と、カメラ11からの温度画像データを格納するためのハードディスク等からなる記憶装置(特許請求の範囲に記載の記憶部に対応)13とを備える。流体の流れ計測装置1では、予め設定した所定期間の間、予め設定した周期でカメラ11によって計測対象の気流が存在する領域を撮影し、温度画像データを取得する。カメラ11の温度画像データは画像処理装置12を介して時系列に記憶装置13に格納される。画像処理装置12は、記憶装置13に格納された時系列の温度画像データ及び、予め記憶装置13に格納されている温度変動分布解析に必要なデータベースをもとに、流体の流れ解析を行う。
カメラ11としては、一般には赤外線カメラが好適に用いられるが、計測対象の流体の温度が高い場合(例えば、700℃以上)には、可視カメラも使用することができる。
なお、解析される時系列温度データの温度変動に欠落が生じることを防ぐため、連続する部分温度データどうしは、温度データの一部が重なるように切り出されることが望ましい。画像処理装置12は、切り出した部分温度データそれぞれに対してフーリエ変換を行う。
画像処理装置12は、切り出した部分温度データ毎に周波数解析法により、温度変動分布解析を行い、解析結果を表示装置に時系列に表示する。なお、本実施形態においては、時系列の温度データに対し、短時間の窓関数を順次ずらしながら掛けて切り出し、それに対してフーリエ変換を行っており、この方法を短時間フーリエ変換法という。短時間フーリエ変換法を用いることにより、時間変化に伴う温度変動を得ることができる。
ここで、計測された温度範囲に比べて温度変動量がわずかな場合、温度画像データそのものからは流れを認識することはできない。例えば、計測する温度範囲を15℃から25℃とし、温度変動を0.1℃とすると、温度画像データを表示する場合、ダイナミックレンジに対する変化量は1/100となるため、温度変動成分は、背景に埋もれてしまい、流れとして表現することはできない。つまり、温度画像データを時系列に表示したとしても、温度画像データから温度変動成分を認識することは困難である。
記憶装置13に格納されているデータベースは、例えば表1に示すように、計測対象の流体を特定する情報と、計測対象毎の切り出し窓幅、解析ステップ及び解析周波数等を含む。
画像処理装置12では、計測対象の流体がデータベースに登録されている場合には、登録された切り出し窓幅、解析ステップ、解析周波数を用いて温度変動分布解析を行う。また、計測対象の流体がデータベースに登録されていないとき、また、ユーザの操作により入力装置からこれらパラメータの値が入力設定されたときには、設定された各種パラメータ値を用いて温度変動分布解析を行う。
画像処理装置12では、カメラ11により、予め設定されたフレームレートで計測対象の流体を撮影し(ステップS1)、画像処理装置12では、カメラ11で撮影した温度画像データを記憶装置13に時系列に格納する(ステップS2)。
画像処理装置12は、記憶装置13に格納された温度画像データを読み込み(ステップS11)、続いて入力装置により計測対象の流体を特定する情報が設定されると、画像処理装置12は、設定された計測対象の流体が記憶装置13のデータベースに登録されていれば(ステップS12、S13)、対応する、切り出し窓幅、解析ステップ及び解析周波数を読み出し、これらを温度変動分布解析用のパラメータ値として設定する(ステップS14)。
次いで、画像処理装置12は、ステップS14またはステップS15で設定された切り出し窓幅と解析ステップで、時系列温度データから部分温度データを切り出す(ステップS16 特許請求の範囲に記載の切り出し処理部に対応)。
そして、切り出した部分温度データそれぞれについて短時間フーリエ変換法を用いて温度変動分布解析を行う(ステップS17 特許請求の範囲に記載の解析部に対応)。具体的には、温度変動分布解析用のパラメータ値として設定された解析周波数の正弦波信号と余弦波信号を用いて、切り出した部分温度データ信号に対し、サイン変換とコサイン変換からなるフーリエ変換を行う。
なお、ここでは、正弦波信号と余弦波信号とを用いてフーリエ変換を行っているが、正弦波信号及び余弦波信号のうちのいずれか一方のみを用いた変換処理を行ってもよい。
ここで、気流があるということは、ある一つの地点では、温度変動が現れることになる。そのため、温度変動の分布を計測し、温度変動の分布を時系列に表示することによって、計測対象の気流の流れを可視化することができる。つまり、流れがある場合、単位時間に温度変動が凸になる場合と温度変動が凹になる場合とが、交互に繰り返されるが、これを時間的に連続して描画することで、気流の流れを可視化することができる。
まず、計測対象の流体の温度画像データを取得する。そのためユーザは、計測対象の流体が視野内に含まれるように、カメラ11を固定する。そして、カメラ11により予め設定したフレームレートで所定期間継続して撮影を行い、所定期間分の温度画像データを得る。この温度画像データは画像処理装置12を介して記憶装置13に時系列に格納される。
次に、記憶装置13の時系列の温度画像データを画像処理装置12に取り込む。
画像処理装置12は、記憶装置13から温度画像データを読み込むと、設定された解析ステップだけ切り出し領域をずらしながら、設定された切り出し窓幅で切り出して、部分温度データを得る。
そして、設定された解析周波数を用いて、フーリエ変換処理を行う。ここで、解析周波数や、切り出し窓幅、解析ステップを調整する。
ここで、同一の計測対象の流体における温度変動の周波数は、同等程度となる傾向にある。したがって、データベースに格納されたパラメータを利用することによって、良好な部分温度データを切り出すことのできる各種パラメータの調整に要する処理時間を短縮することができる。
そして、計測対象の気流が存在すると予測される領域を撮影し、解析するだけで温度変動分布解析を行うことができるため、簡易な構成で容易に気流の流れを計測することができる。
第二実施形態に係る流体の流れ計測装置は、第一実施形態において、温度変動分布解析時の処理手順が異なる。流体の流れ計測装置の構成は、第一実施形態における流体の流れ計測装置の構成と同様である。
第一実施形態に係る流体の流れ計測装置1では、カメラ11により温度画像データを取得して記憶装置13に時系列に格納し、記憶装置13に格納した時系列の温度画像データをもとに、温度変動分布解析を行っている。第二実施形態に係る流体の流れ計測装置1では、温度変動分布解析を、第一実施形態で説明した短時間フーリエ変換法と、リアルタイムで温度変動分布を取得するバンドパスフィルタ法とのいずれかの方法で計測できるようになっている。
そこで、バンドパスフィルタ法では、フーリエ変換処理を行う代りに、デジタルフィルタとしてバンドパスフィルタ処理を行うことで、処理時間の短縮を図り、リアルタイムでの温度変動分布解析を可能にしている。バンドパスフィルタとしては、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタを用いる。
したがって、温度画像データの取得間隔を0.01秒とすると、温度画像データの取得間隔のタイミングで温度画像データから温度変動分布画像を十分得ることができる。そのため、温度画像データとともに温度変動分布画像を同時にリアルタイムで表示することが可能になる。
a0=1+α
a1=-2×cos(ω)
a2=1-α
b0=α
b1=0
b2=-α
なお、ω=2.0×π×中心周波数/サンプリングレート
α
=sin(ω)×sinh{(log(2)/2)×帯域幅×ω/sin(ω)} ……(1)
出力画像=(b0/a0)×入力画像
+(b1/a0)×1つ前の入力画像
+(b2/a0)×2つ前の入力画像
-(a1/a0)×1つ前の出力画像
-(a2/a0)×2つ前の出力画像
……(2)
このように、バンドパスフィルタ法を用いることで、簡易的な温度変動分布画像を得ることができる。
そこで、第二実施形態に係る流体の流れ計測装置1では、温度変動分布解析を、短時間フーリエ変換法と、バンドパスフィルタ法とのいずれの方法で行うかを選択可能に構成し、簡易的ではあるがリアルタイムでの温度変動分布解析と、リアルタイムでの演算処理は困難ではあるがより詳細な温度変動分布画像を得ることのできる短時間フーリエ変換法を用いた温度変動分布解析とを、切り替え可能としている。
流体の流れ計測装置1では、画像処理装置12の入力装置により、周波数解析法として短時間フーリエ変換法とバンドパスフィルタ法とのいずれかが設定されると(ステップS21 特許請求の範囲に記載の選択部に対応)、短時間フーリエ変換法が設定されたときには、ステップS22に移行し、図3に示す第一実施形態における、撮影時の処理と同様の処理を行い、撮影した温度画像データを記憶装置13に格納した後、記憶した温度画像データをもとに、第一実施形態における短時間フーリエ変換法による温度変動分布解析を行う。
また、中心周波数は複数段階に設定可能に構成してもよく、また、帯域幅等といった各種パラメータは固定であってもよく、複数段階に設定可能に構成してもよい。また、中心周波数を、自動又は手動によってスイープさせるようにしてもよい。このようにスイープさせることで、中心周波数等といった各種パラメータを、その場で調整し最適な値に設定することができる。
第三実施形態に係る流体の流れ計測装置1aは、第二実施形態に係る流体の流れ計測装置1において、周波数解析法としてバンドパスフィルタ法のみを備えたものである。この場合には、カメラ11から入力される温度画像データを記憶しなくともよいため、図7に示すように、流体の流れ計測装置1aは、温度画像データを記憶するための記憶装置を備える必要はなく、カメラ11と、カメラ11からの温度画像データの取得及びフィルタ処理を行う画像処理装置12と、を備えていればよい。
また、画像処理装置12として、携帯型のパーソナルコンピュータ等、簡易なパーソナルコンピュータを適用した場合であっても、リアルタイムで温度変動分布画像を表示することができ、使い勝手を向上させることができる。
また、第一実施形態及び第二実施形態に係る流体の流れ計測装置において、カメラ11と画像処理装置12と記憶装置13とを一体に形成してもよい。
[実施例1]
本発明の第一実施形態に係る流体の流れ計測装置1を用いて、気流の流れを計測した。ここでは、図9に示すように、室内の天井付近の気流を計測対象とした。具体的には、エアーコンディショナーによって生じる気流の流れを計測した。なお、図9は、計測対象の気流が存在する領域の可視画像である。
カメラ11として、中赤外帯域の冷却型(素子InSb)の赤外線カメラを用いた。カメラ11の温度画像の画素数は、640×512画素である。
そして、計測対象の気流が存在する領域の温度画像データを記憶装置13に時系列に記憶し、次に、画像処理装置12において、短時間フーリエ変換により、温度変動分布解析を行った。
短時間フーリエ変換の切り出しの窓幅は2.4sec.とし、解析の周波数は0.37Hzとし、窓関数は矩形窓とし、窓関数で切り出す切り出し窓の解析ステップは0.2sec.とした。
図11に、計測対象の気流が存在する領域の短時間フーリエ変換による温度変動分布解析の結果を示す。温度変動が比較的大きい部分が時間の経過と共に、天井に上昇し、天井に沿って移動していることがわかる。つまり、時間の経過に伴う温度変動を表す濃淡の分布の変化から、気流の流れが良好に可視化できることがわかる。
すなわち、窓幅(時間分解能)と周波数分解能とは相反する関係にあり、一方を向上させようとすると、他方が低下する。つまり、時間分解能を向上させると(窓幅を狭めると)周波数分解能が低下し、時間分解能を低下させると(窓幅を広げると)、周波数分解能が向上する。
次に、本発明の第三実施形態に係る流体の流れ計測装置1aを用いて、気流の流れを計測した。
ここでは、エアダスター噴射による気流の流れを計測した。
カメラ11として、中赤外帯域の冷却型(素子InSb)の赤外線カメラを用いた。カメラ11の温度画像の画素数は、640×512画素である。
撮影フレームレートは97Hzとし、露光時間は2000μsec.撮影時間は60sec.とした。
バンドパスフィルタとしては、IIRフィルタの一種である双二次フィルタを用いた。フィルタ係数は(1)式に示す通りであり、バンドパスフィルタのフィルタ処理は(2)式に示す通りである。なお、中心周波数(カットオフ周波数)は0.3Hz、サンプリングレートは97Hz、帯域幅は中心周波数を中心として2Hzとした。
図14に、バンドパスフィルタ法により解析処理を行うことにより得られる温度変動分布画像の一例を示す。図14は、0.1秒毎の解析結果である。
図14に示すように、エアダスターを噴射させたときに生じる温度差が、気流の流れとして可視化できることが確認された。
なお、中心周波数が0.3Hzであり、帯域幅が2Hzとした場合、バンドパスフィルタの通過帯域fは、0Hz≦f≦1.3となる。すなわちローパスフィルタと同等となるため、バンドパスフィルタに代えてローパスフィルタを用いてもよい。
上記各実施形態に係る流体の流れ計測装置を、例えば、石油化学プラントや、パイプライン等からのガスの漏出を検知するガス検知装置として適用することも可能である。
ここで、石油化学プラントやパイプライン等から漏出するガスの中には、人体に有害であるガスや、災害や環境汚染の引き金にもなり得るガス等を含む可能性があることから、迅速に検知する必要がある。
赤外線バンドパスフィルタは、カメラ11のレンズの前に設けてもよいし、レンズと素子の間に設けてもよい。
また、可視化した温度変動分布画像から、流れの速度ベクトルを求めることも可能である。
具体的には、まず、時刻tにおける温度変動分布画像をI(x,y,t)とする。ここで、xは横方向の画素番号(x=1,2,…,N)、yは縦方向の画素番号(y=1,2,…,M)、Nは温度変動分布画像の横方向の画素数、Mは縦方向の画素数である。
V(x1,y1,t1)
=K・{(x2-x1)2+(y2-y1)2}1/2/(t2-t1) ……(3)
なお、(3)式中のKは、温度変動分布画像上の1画素が実際の寸法ではいくつかを表す画素分解能である。
φ(t1)=tan-1{(y2-y1}/(x2-x1)} ……(4)
ただし、φは、右横向きを基準とし、反時計回りを正に定義している。また、y2-y1>0のときは0<φ<180°、y2-y1<0のときは180<φ<360°となるように定義する。
図17において、温度変動分布画像上に重畳した矢印の大きさで速度の大きさを表し、矢印の向きで方向を表している。また、温度変動分布画像上の全ての点(画素)で対応付けを行うと誤りも多くなることから、標準偏差σ(x,y,t1)が所定の値以上の特徴的な点のみに注目し、対応点を探すようにしている。
その場合は、図18に示すように、2台の赤外線カメラ21L及び21Rを設ける。このとき、赤外線カメラ21L及び21Rの光軸が平行となり、且つ互いの視野が重複するように配置する。
具体的には、各赤外線カメラ21L及び21Rからの温度画像データそれぞれに基づく温度変動分布の画像から、対応する同一の流れ部分を抽出し、通常の可視カメラではよく実施されるステレオ立体視の原理で、同一の流れ部分の奥行位置を演算する。
同一の流れ部分を抽出する方法は、上述した異なる時刻の温度変動分布画像間の対応を取る方法を、同時刻の赤外線カメラ21L及び21Rの温度画像データに基づく温度変動分布画像に適用したものである。すなわち、赤外線カメラ21Lの温度画像データに基づく温度変動分布画像をIL(x,y,t)、赤外線カメラ21Rの温度画像データに基づく温度変動分布画像をIR(x,y,t)(x=1,2,…,N,y=1,2,…,M)とする。
このとき、時刻t0における赤外線カメラ21Lに基づく温度変動分布画像上の点(x0,y0)と対応する赤外線カメラ21Rに基づく温度変動分布画像上の点は、次式(9)で表される残差S(x,y)を最小にする点(x,y)として求めることができる。is,ie,js,jeは残差を計算する範囲を表し、流れの特徴が表されるような範囲に設定する。
ここで、赤外線カメラ21L、21Rを起点として奥行距離Zの位置にある点Pは、赤外線カメラ21Lの撮像素子22上の座標tLの点で撮像され、同様に、赤外線カメラ21Rの撮像素子22上の座標tRの点で撮像されるとする。なお、座標tLおよび座標tRは、いずれも光軸中心を原点とし、右向きを正とする。赤外線カメラ21L、21Rのレンズ23の焦点距離をfとし、Zが十分遠いとすると、座標tL及びtRは、近似的に次式(13)及び(14)で表すことができる。
-tR/f=XR/Z ……(14)
ここで、XL-XRは、次式(15)で表すことができる。
XL-XR=2D ……(15)
(13)式~(15)式から次式(16)が得られる。したがって、奥行距離Zは(17)式から得ることができる。
(tR-tL)/f=2D/Z ……(16)
Z=2Df/(tR-tL) ……(17)
図19に、赤外線カメラ21Lが角度θL0、赤外線カメラ21Rが角度θR0だけ傾けられ、光軸が交差するように配置されている場合の図を示す。ただし、角度は、赤外線カメラ2台を平行に並べた時の光軸を基準とし、時計回りを正と定義する。
このとき、次式(13a)、(14a)、(18)が成り立つ。
-tR/f=tanθR ……(14a)
XL/Z=tan(-θL0+θL)……(18)
したがって、(13a)、(14a)、(18)式から次式(13b)、(14b)が成り立つ。
XL/Z=-tan(θL0+tan-1(tL/f)) ……(13b)
XR/Z=-tan(θR0+tan-1(tR/f)) ……(14b)
Z・{tan(θR0+tan-1(tR/f))-tan(θL0+tan-1(tL/f))}
=2D
Z
=2D/{tan(θR0+tan-1(tR/f))-tan(θL0+tan-1(tL/f))}
……(7a)
θR0=θR0=0の場合は、(7)式と(7a)式とは一致する。
左右の赤外線カメラ21L、21Rそれぞれで取得した温度変動分布画像間で、同一位置を表す画素同士の対応を多くの点で取ることができる場合には、速度ベクトルを示す矢印は表示せずに、画像そのものに色等を付けて奥行き情報を表現することもできる。また、表示する奥行き方向の範囲を指定し、その範囲に含まれる流れのみ表示することも可能である。
11 カメラ
12 画像処理装置
13 記憶装置
21L、21R 赤外線カメラ
22 撮像素子
110 赤外線カメラ
110a 表示装置
120 フィルタホイール
Claims (19)
- 流体を撮影するカメラと、
当該カメラで所定期間撮影した前記流体の温度画像データから一定期間の温度データを、一定の解析ステップずつ時間方向にずらして切り出して部分温度データを生成する切り出し処理部と、
前記切り出し処理部で切り出した部分温度データ毎に解析を行い、前記一定期間毎の温度変動分布を検出する解析部と、
を備えることを特徴とする流体の流れ計測装置。 - 前記解析部は、前記部分温度データ毎にフーリエ変換処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の流体の流れ計測装置。
- 前記フーリエ変換処理は、コサイン変換及びサイン変換のうちの少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項2に記載の流体の流れ計測装置。
- 前記フーリエ変換処理の解析周波数を設定する解析周波数設定部を備え、
前記解析部は、前記解析周波数設定部で設定された解析周波数の基底関数を用いて前記フーリエ変換処理を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の流体の流れ計測装置。 - 前記解析周波数設定部で設定された解析周波数設定値を、前記流体と対応付けて記憶する記憶部を備え、
前記解析部は、前記記憶部に記憶されている流体について前記フーリエ変換処理を行うときには、前記記憶部に記憶されている前記解析周波数設定値を用いて前記フーリエ変換処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の流体の流れ計測装置。 - 前記一定期間の期間幅と、前記解析ステップのステップ幅の少なくとも一方を設定するパラメータ設定部を備え、
前記切り出し処理部は、前記パラメータ設定部で設定された設定値を用いて前記部分温度データを生成することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の流体の流れ計測装置。 - 前記パラメータ設定部で設定された設定値を、前記流体と対応付けて記憶する記憶部を備え、
前記切り出し処理部は、前記記憶部に記憶されている流体について前記温度データから前記部分温度データを切り出すときには、前記記憶部に記憶されている前記設定値を用いて切り出すことを特徴とする請求項6に記載の流体の流れ計測装置。 - 表示装置と、
前記解析部で検出した前記温度変動分布を前記表示装置に表示する表示処理部と、
を備え、
前記表示装置と、前記カメラと、前記切り出し処理部と、前記解析部と、前記表示処理部とは、一体に形成されている請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の流体の流れ計測装置。 - 前記カメラで撮影した前記流体の温度画像データに対してデジタルフィルタ処理を行うフィルタ処理部と、
当該フィルタ処理部での処理後の温度画像データで表される画像を、温度変動分布を表す画像として表示装置に表示する表示処理部と、
前記解析部により前記温度変動分布を検出する第一の検出処理と、前記フィルタ処理部で前記デジタルフィルタ処理を行うことにより前記温度変動分布を検出する第二の検出処理と、のうちのいずれかを選択する選択部と、
を備え、
前記選択部で選択された検出処理により前記温度変動分布を検出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の流体の流れ計測装置。 - 表示装置を備え、
前記表示装置と、前記カメラと、前記切り出し処理部と、前記解析部と、前記表示処理部と、前記フィルタ処理部と、前記選択部とは、一体に形成されている請求項9に記載の流体の流れ計測装置。 - 前記フィルタ処理部は、前記カメラから前記温度画像データが入力される毎に前記デジタルフィルタ処理を行い、
前記表示処理部は、前記フィルタ処理部で前記デジタルフィルタ処理が行われる毎に、処理後の温度画像データで表される画像を表示することを特徴とする請求項10に記載の流体の流れ計測装置。 - 流体を撮影するカメラと、
当該カメラで撮影した前記流体の温度画像データに対して時間領域でデジタルフィルタ処理を行うフィルタ処理部と、
当該フィルタ処理部で処理後の温度画像データで表される画像を、温度変動分布を表す画像として表示装置に表示する表示処理部と、
を備え、
前記フィルタ処理部は、前記カメラから前記温度画像データが入力される毎に前記デジタルフィルタ処理を行い、
前記表示処理部は、前記フィルタ処理部で前記デジタルフィルタ処理が行われる毎に、処理後の温度画像データで表される画像を表示することを特徴とする流体の流れ計測装置。 - 前記フィルタ処理部は、IIRフィルタを用いて前記デジタルフィルタ処理を行うことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の流体の流れ計測装置。
- 表示装置と、
前記カメラと、
前記フィルタ処理部と、
前記表示処理部とは、一体に形成されている請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の流体の流れ計測装置。 - 前記デジタルフィルタ処理はバンドパスフィルタ処理であり、中心周波数は選択可能であることを特徴する請求項9から請求項14のいずれか一項に記載の流体の流れ計測装置。
- 前記表示処理部は、
異なる時刻における前記温度変動分布から、互いに対応する箇所を、温度変動の対応点として検出し、
前記異なる時刻間における前記対応点の移動量に基づき、前記対応点の移動速度をベクトルで表示することを特徴とする請求項8から請求項15のいずれか一項に記載の流体の流れ計測装置。 - 前記流体は気体であり、前記カメラは赤外線カメラであって、
前記赤外線カメラの入力部に、前記気体に対応した通過帯域を有するバンドパスフィルタ処理を行う赤外線バンドパスフィルタを備える請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の流体の流れ計測装置。 - 前記カメラは、視野が重複するように間隔を空けて設けられた2台のカメラを含み、
当該カメラ毎に、その温度画像データから前記温度変動分布を取得するようになっており、
前記カメラ毎に取得した前記温度変動分布それぞれから、同一箇所に対応する温度変動分布を抽出し、抽出した温度変動分布から、ステレオ立体視の原理を用いて前記抽出した温度変動分布に対応する部分の、実際の奥行方向の位置を演算する奥行情報算出部を、さらに備える請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の流体の流れ計測装置。 - 請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の流体の流れ計測装置を有するガス検知装置。
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