JP7064408B2 - 組成物、熱伝導シート、熱伝導層付きデバイス - Google Patents

組成物、熱伝導シート、熱伝導層付きデバイス Download PDF

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Description

本発明は、組成物、熱伝導シート、及び熱伝導層付きデバイスに関する。
パーソナルコンピュータ、一般家電、及び自動車等の様々な電気機器に用いられているパワー半導体デバイスは、近年、小型化が急速に進んでいる。小型化に伴い高密度化されたパワー半導体デバイスから発生する熱の制御が困難になっている。
このような問題に対応するため、パワー半導体デバイスからの放熱を促進する熱伝導材料が用いられている。
例えば、特許文献1に、重合性モノマーと、窒化ホウ素の表面をボロン酸化合物で処理して形成される表面修飾無機物とを含む組成物、及び上記組成物を用いて形成される熱伝導材料が開示されている。
国際公開第2016/084873号公報
本発明者らは、特許文献1を参照して調製した組成物を用いて熱伝導シートを作製し、その熱伝導性について検討したところ、膜厚方向の熱伝導性を更に改善する余地があることを知見した。
そこで、本発明は、膜厚方向の熱伝導性に優れた熱伝導シートを形成し得る組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、膜厚方向の熱伝導性に優れた熱伝導シート、及び上記熱伝導シートを用いた熱伝導層付きデバイスを提供することを課題とする。
本発明者らは、後述する一般式(1)~(4)で表される化合物を表面修飾剤として含む組成物によって上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
〔1〕 窒化ホウ素と、
後述する一般式(1)で表される化合物、後述する一般式(2)で表される化合物、後述する一般式(3)で表される化合物、及び後述する一般式(4)で表される化合物からなる群より選択される1種以上の化合物と、を含む組成物。
〔2〕 上記一般式(1)中、n個の上記G1のうち1つ以上が縮合多環式の芳香族炭化水素環基を表す、〔1〕に記載の組成物。
〔3〕 上記D1及び上記D2が、それぞれ独立に、単結合、炭素数1~20の2価の脂肪族炭化水素基、-O-、-S-、-SO2-、-NRA-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NRA-CO-、-CO-NRA-、-SO3-、-SO2NRA-、-NRASO2-、及び、これらを2種以上組み合わせた基を表し、上記RAは、水素原子又は1価の置換基を表す、〔1〕又は〔2〕に記載の組成物。
〔4〕 上記E1、上記E2、上記E21、上記E31、及び上記E41が、それぞれ独立に、単結合、炭素数1~20の2価の脂肪族炭化水素基、-O-、-S-、-SO2-、-NRA-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NRA-CO-、-CO-NRA-、-SO3-、-SO2NRA-、-NRASO2-、及び、これらを2種以上組み合わせた基を表し、上記RAは、水素原子又は1価の置換基を表す、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の組成物。
〔5〕 更に、重合性モノマーを含む、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の組成物。
〔6〕 上記重合性モノマーが液晶性を示す、〔5〕に記載の組成物。
〔7〕 上記重合性モノマーが円盤状液晶化合物である、〔5〕又は〔6〕に記載の組成物。
〔8〕 上記窒化ホウ素が平板状である、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の組成物。
〔9〕 更に、硬化剤を含み、
上記硬化剤が、活性水素含有官能基を有する円盤状液晶化合物を含む、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の組成物。
〔10〕 〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の組成物を硬化して形成される熱伝導シートであり、下記式(1)を満たす、熱伝導シート。
式(1):I(002)/I(100)≧20
I(002):X線回折により測定される窒化ホウ素の(002)面に由来するピーク強度
I(100):X線回折により測定される窒化ホウ素の(100)面に由来するピーク強度
〔11〕 デバイスと、上記デバイス上に配置された〔10〕に記載の熱伝導シートを含む熱伝導層とを有する、熱伝導層付きデバイス。
本発明によれば、膜厚方向の熱伝導性に優れた熱伝導シートを形成し得る組成物を提供できる。
また、本発明によれば、膜厚方向の熱伝導性に優れた熱伝導シート、及び上記熱伝導シートを用いた熱伝導層付きデバイスを提供できる。
以下、本発明の組成物、熱伝導シート、及び熱伝導層付きデバイスについて詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、オキシラニル基は、エポキシ基とも呼ばれる官能基であり、例えば、飽和炭化水素環基の隣接する炭素原子2つがオキソ基(-O-)により結合してオキシラン環を形成している基等もオキシラニル基に含む。
また、本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」との記載は、「アクリロイル基及びメタクリロイル基のいずれか一方又は双方」の意味を表す。また、「(メタ)アクリルアミド基」との記載は、「アクリルアミド基及びメタクリルアミド基のいずれか一方又は双方」の意味を表す。
また、本明細書において、「置換基を有していてもよい」という場合の置換基の種類、置換基の位置、及び置換基の数は特に制限されない。置換基の数は例えば、1個、又は、2個以上が挙げられる。置換基の例としては水素原子を除く1価の非金属原子団が挙げられ、例えば、以下の置換基群Yから選択できる。
置換基群Y:
ハロゲン原子(-F、-Br、-Cl、-I)、水酸基、アミノ基、カルボン酸基及びその共役塩基基、カルボン酸無水物基、シアネートエステル基、不飽和重合性基、オキシラニル基、オキセタニル基、アジリジニル基、チオール基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、アルデヒド基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、N-アルキルアミノ基、N,N-ジアルキルアミノ基、N-アリールアミノ基、N,N-ジアリールアミノ基、N-アルキル-N-アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N-アルキルカルバモイルオキシ基、N-アリールカルバモイルオキシ基、N,N-ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N-ジアリールカルバモイルオキシ基、N-アルキル-N-アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N-アルキルアシルアミノ基、N-アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’-アルキルウレイド基、N’,N’-ジアルキルウレイド基、N’-アリールウレイド基、N’,N’-ジアリールウレイド基、N’-アルキル-N’-アリールウレイド基、N-アルキルウレイド基、N-アリールウレイド基、N’-アルキル-N-アルキルウレイド基、N’-アルキル-N-アリールウレイド基、N’,N’-ジアルキル-N-アルキルウレイド基、N’,N’-ジアルキル-N-アリールウレイド基、N’-アリール-N-アルキルウレイド基、N’-アリール-N-アリールウレイド基、N’,N’-ジアリール-N-アルキルウレイド基、N’,N’-ジアリール-N-アリールウレイド基、N’-アルキル-N’-アリール-N-アルキルウレイド基、N’-アルキル-N’-アリール-N-アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N-アルキル-N-アルコキシカルボニルアミノ基、N-アルキル-N-アリーロキシカルボニルアミノ基、N-アリール-N-アルコキシカルボニルアミノ基、N-アリール-N-アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N-アルキルカルバモイル基、N,N-ジアルキルカルバモイル基、N-アリールカルバモイル基、N,N-ジアリールカルバモイル基、N-アルキル-N-アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(-SO3H)及びその共役塩基基、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N-アルキルスルフィナモイル基、N,N-ジアルキルスルフィナモイル基、N-アリールスルフィナモイル基、N,N-ジアリールスルフィナモイル基、N-アルキル-N-アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N-アルキルスルファモイル基、N,N-ジアルキルスルファモイル基、N-アリールスルファモイル基、N,N-ジアリールスルファモイル基、N-アルキル-N-アリールスルファモイル基、N-アシルスルファモイル基及びその共役塩基基、N-アルキルスルホニルスルファモイル基(-SO2NHSO2(alkyl))及びその共役塩基基、N-アリールスルホニルスルファモイル基(-SO2NHSO2(aryl))及びその共役塩基基、N-アルキルスルホニルカルバモイル基(-CONHSO2(alkyl))及びその共役塩基基、N-アリールスルホニルカルバモイル基(-CONHSO2(aryl))及びその共役塩基基、アルコキシシリル基(-Si(Oalkyl)3)、アリーロキシシリル基(-Si(Oaryl)3)、ヒドロキシシリル基(-Si(OH)3)及びその共役塩基基、ホスホノ基(-PO32)及びその共役塩基基、ジアルキルホスホノ基(-PO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノ基(-PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノ基(-PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(-PO3H(alkyl))及びその共役塩基基、モノアリールホスホノ基(-PO3H(aryl))及びその共役塩基基、ホスホノオキシ基(-OPO32)及びその共役塩基基、ジアルキルホスホノオキシ基(-OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノオキシ基(-OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノオキシ基(-OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(-OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基、モノアリールホスホノオキシ基(-OPO3H(aryl))及びその共役塩基基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、及びアルキル基。
また、これらの置換基は、可能であるならば置換基同士、又は置換している基と結合して環を形成してもよい。
なお、不飽和重合性基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、及び以下に示すQ1~Q7で表される置換基等が挙げられる。
Figure 0007064408000001
[組成物]
本発明の組成物は、
窒化ホウ素と、
後述する一般式(1)で表される化合物、後述する一般式(2)で表される化合物、後述する一般式(3)で表される化合物、及び後述する一般式(4)で表される化合物からなる群より選択される1種以上の化合物(以下「特定化合物」ともいう。)と、を含む。
上記特定化合物の第一の特徴点として、分子中に、窒化ホウ素と吸着し得る官能基(具体的には、Z11、Z12、Z13、又はZ14で表される基)を含む点が挙げられる。
特定化合物は、上記構成により、窒化ホウ素の表面修飾剤として窒化ホウ素の分散性を向上させる機能を有すると考えられる。この結果として、形成される熱伝導シートは、熱伝導シート内において窒化ホウ素が偏在することなく良好に分散して存在するため、高い熱伝導性を示す。
なお、本明細書において、「表面修飾」とは、窒化ホウ素表面の少なくとも一部に上記特定化合物が吸着している状態を意味する。吸着の形態は特に限定されないが、結合している状態であることが好ましい。なお、表面修飾は、特定化合物の一部が脱離して得られる有機基(例えば、カチオン性基)が窒化ホウ素表面に結合している状態も含む。結合は、共有結合、配位結合、イオン結合、水素結合、ファンデルワールス結合、及び金属結合等、いずれの結合であってもよい。表面修飾は、窒化ホウ素表面の少なくとも一部に単分子膜を形成するようになされていてもよい。
なお、表面修飾は、窒化ホウ素表面の一部のみであっても、全体であってもよい。
また、上記特定化合物の第二の特徴点として、上述した窒化ホウ素と吸着し得る官能基(具体的には、Z11、Z12、Z13、又はZ14で表される基)に対して、架橋又は重合が可能な官能基を含む置換基(具体的には、*-(D1-A1m-D2-Y1。なお、Y1が、架橋又は重合が可能な官能基に該当する。)を所定位置に配置している点が挙げられる。熱伝導シートを形成した場合、特定化合物は、上記構成に起因して膜厚方向に樹脂の架橋ネットワークを形成しやすく、この結果として、熱導電シートは、膜厚方向に高い熱伝導性を示すと考えられる。つまり、例えば、一般式(1)で表される化合物は、Z11を含む置換基(具体的には、*-(E1-G1n-E2-Z11)で置換された芳香環において、Z11を含む置換基に対してメタ位又はオルト位に*-(D1-A1m-D2-Y1で表される基を有する。上記一般式(1)で表される化合物は、Z11を含む置換基に対してパラ位に*-(D1-A1m-D2-Y1で表される基が配置された化合物と比較して膜厚方向に樹脂の架橋ネットワークを形成しやすく、結果として、熱導電シートは膜厚方向に優れた熱伝導性を示す。このことは、実施例欄の実施例20~46と比較例5との対比からも明らかである。
更に、後述するように窒化ホウ素が平板状である場合、熱伝導シートは、水平方向(面内方向)の熱伝導性にもより一層優れる。
以下、組成物に含まれる成分について詳述し、その後、組成物の製造方法及びその用途等について詳述する。
〔窒化ホウ素〕
上記組成物は、窒化ホウ素(BN)を含む。
窒化ホウ素の形状は特に制限されず、例えば、平板状、及び粒子状が挙げられる。なかでも、熱伝導シートの水平方向(面内方向)における熱伝導性がより優れる点で、平板状が好ましい。
なお、本明細書中、「平板状」とは、層状で六方晶の結晶構造を有しており、窒化ホウ素の形状が板のような形状であることをいう。具体的には、層に平行な方向(a軸方向)と層に垂直な方向(c軸方向)のそれぞれの辺の長さの比率(a/c)が1.5以上であることが好ましい。
窒化ホウ素の形状が粒子状である場合、例えば、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、鱗片状、凝集状、又は不定形状が好ましい。
窒化ホウ素の大きさは特に制限されないが、分散性がより優れる点で、窒化ホウ素の平均粒径は500μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましく、200μm以下が更に好ましい。下限は特に限定されないが、取り扱い性の点で、10nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。
上記平均粒径の測定方法としては、電子顕微鏡を用いて、100個の無機窒化物を無作為に選択して、それぞれの無機窒化物の粒径(長径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、市販品を用いる場合、カタログ値を用いてもよい。
〔特定化合物〕
上記組成物は、特定化合物を含む。
上記特定化合物は、上述したように、窒化ホウ素の表面修飾剤である。以下、特定化合物について説明する。
以下において、一般式(1)で表される化合物について説明する。
<一般式(1)で表される化合物>
Figure 0007064408000002
上記一般式(1)中、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、-CH=又は窒素原子を表す。Q3は、-C(X13)=又は窒素原子を表す。
11~X13は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。
11~X13で表される1価の置換基としては特に制限されず、例えば、上述した置換基群Yで例示された基、又は、*-(D1-A1m-D2-Y1が挙げられる。但し、X11~X13のうち1つ以上は、*-(D1-A1m-D2-Y1を表す。
11~X13としては、なかでも、水素原子、置換基(例えば、上述した置換基群Yで例示された基)を有していてもよいアリール基(置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。)、置換基(例えば、上述した置換基群Yで例示された基)を有していてもよいアルキル基(炭素数1~10が好ましく、炭素数1~6がより好ましい。直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)、又は*-(D1-A1m-D2-Y1が好ましい。
1及びD2は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
1及びD2で表される2価の連結基としては特に制限されず、例えば、炭素数1~20の2価の脂肪族炭化水素基、-O-、-S-、-SO2-、-NRA-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NRA-CO-、-CO-NRA-、-SO3-、-SO2NRA-、-NRASO2-、及び、これらを2種以上組み合わせた基等が挙げられる。ここで、上記RAは、水素原子又は1価の置換基(炭素数1~10のアルキル基が好ましい。)を表す。
なお、上記2価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~20(炭素数1~10が好ましく、炭素数1~6がより好ましく、炭素数1~3が更に好ましい。)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、炭素数2~20(炭素数2~10が好ましく、炭素数2~6がより好ましく、炭素数2~3が更に好ましい。)の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニレン基、又は炭素数2~20(炭素数2~10が好ましく、炭素数2~6がより好ましく、炭素数2~3が更に好ましい。)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキニレン基が好ましい。
なお、上記2価の連結基中の水素原子は、置換基(例えば、置換基群Yで例示された基)で置換されていてもよい。
1としては、なかでも、熱伝導シート中の窒化ホウ素の分散性がより優れる点及び/又は熱伝導シートの熱伝導性に優れる点で、単結合、-O-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-C≡C-、-CH=CH-、-O-AL-O-、-O-AL-O-CO-、-O-AL-CO-O-、-CO-O-AL-O-、-CO-O-AL-O-CO-、-CO-O-AL-CO-O-、-O-CO-AL-O-、-O-CO-AL-O-CO-、又は-O-CO-AL-CO-O-が好ましく、単結合、-O-、-O-CO-、-CO-O-、又は-O-AL-O-がより好ましい。なお、上記ALは、置換基(例えば、置換基群Yで例示された基)を有していてもよい、炭素数1~10のアルキレン基である。
2としては、なかでも、熱伝導シート中の窒化ホウ素の分散性がより優れる点及び/又は熱伝導シートの熱伝導性に優れる点で、単結合、-O-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-C≡C-、-CH=CH-、-O-AL-O-、-O-AL-O-CO-、-O-AL-CO-O-、-CO-O-AL-O-、-CO-O-AL-O-CO-、-CO-O-AL-CO-O-、-O-CO-AL-O-、-O-CO-AL-O-CO-、又は-O-CO-AL-CO-O-が好ましく、単結合がより好ましい。なお、上記ALは、置換基(例えば、置換基群Yで例示された基)を有していてもよい、炭素数1~10のアルキレン基である。
なお、一般式(1)中、mが2以上の整数である場合、複数個存在するD1は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
1は、炭素数6以上の2価の芳香環基、又は炭素数6以上のシクロアルキレン基を表す。
1で表される上記2価の芳香環基としては、2価の芳香族炭化水素環基、及び2価の芳香族複素環基が挙げられる。なお、2価の芳香族炭化水素環基及び2価の芳香族複素環基のそれぞれに含まれる芳香環数は特に制限されず、単環であっても、芳香環数が2以上である縮合環であってもよい。つまり、2価の芳香族炭化水素環基及び2価の芳香族複素環基は、単環式であっても、縮合多環式であってもよい。
また、2価の芳香族複素環基が含むヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子が挙げられる。
1で表される上記2価の芳香環基の炭素数は6以上であれば特に制限されない。また、炭素数の上限値は、例えば20以下である。なお、ここでいう炭素数とは、芳香環を構成する炭素数を意図する。
上記2価の芳香環基としては、具体的には、炭素数6以上の単環式芳香族炭化水素環から2つの水素原子を除いて形成される2価の単環式芳香族炭化水素環基、又は、単環式芳香族炭化水素環及び単環式芳香族複素環からなる群から選ばれる2環以上が縮合してなる炭素数6以上の縮合環から2つの水素原子を除いて形成される2価の縮合環基が好ましい。
上記単環式芳香族炭化水素環としては、6員の単環式芳香族炭化水素環が好ましく、例えば、ベンゼン環が挙げられる。
上記単環式芳香族複素環としては、6員の単環式芳香族複素環が好ましく、例えば、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、及びトリアジン環が挙げられる。
また、上記縮合環としては、例えば、5員又は6員の単環式芳香族炭化水素環が2環以上縮合した縮合環、及び、5員又は6員の単環式芳香族炭化水素環が1環以上と5員又は6員の単環式芳香族複素環が1環以上とが縮合した縮合環等が挙げられる。なお、上記縮合環中に含まれる芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の個数の上限は特に制限されないが、例えば、10個以下の場合が多い。
上記縮合環としては、具体的には、ビフェニレン環、インダセン環、アセナフチレン環、フルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環、アントラセン環、フルオランテン環、アセフェナンスリレン環、アセアンスリレン環、ピレン環、クリセン環、テトラセン環、プレイアデン環、ピセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ペンタセン環、テトラフェニレン環、ヘキサフェン環、及びトリフェニレン環等が挙げられる。
なお、上記5員の単環式芳香族炭化水素環としては、例えば、シクロペンタジエニル環が挙げられる。また、上記5員の単環式芳香族複素環が好ましく、例えば、チオフェン環、チアゾール環、及びイミダゾール環等が挙げられる。
上記2価の芳香環基は、更に置換基を有していてもよい。置換基の種類は特に制限されず、上述した置換基群Yで例示された基が挙げられる。
1で表される上記2価の芳香環基としては、なかでも、置換基を有していてもよいフェニレン基が好ましい。
また、A1で表される上記2価の芳香環基のD1及びD2との結合位置は特に制限されない。例えば、A1で表される上記2価の芳香環基がフェニレン基である場合、1,4-フェニレン基であることが好ましい。
1で表される上記シクロアルキレン基としては、炭素数6以上であれば特に制限されず、単環式であっても、多環式であってもよい。なお、ここでいう炭素数とは、シクロアルカンを構成する炭素数を意図する。また、炭素数の上限値は、例えば20以下である。
上記シクロアルキレン基は、更に置換基を有していてもよい。置換基の種類は特に制限されず、上述した置換基群Yで例示された基が挙げられる。
1で表されるシクロアルキレン基としては、なかでも、置換基を有していてもよいシクロヘキシレン基が好ましい。
また、A1で表されるシクロアルキレン基のD1及びD2との結合位置は特に制限されない。例えば、A1で表される上記シクロアルキレン基がシクロヘキシレン基である場合、1,4-シクロヘキシレン基であることが好ましい。
なお、一般式(1)中、mが2以上の整数である場合、複数個存在するA1は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
1は、水酸基(-OH)、アミノ基(-NRBC)、チオール基(-SH)、カルボン酸基(-COOH)、カルボン酸無水物基(-CO-O-CO-)を含む1価の置換基、イソシアネート基(-N=C=O)、エポキシ基、又はオキセタニル基を表す。
上記RB及び上記RCは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。1価の置換基としては特に制限されず、例えば、上述した置換基群Yで例示された基が挙げられ、なかでも、炭素数1~10(炭素数としては、1~6が好ましく、1~3がより好ましい。)のアルキル基が好ましい。なお、アルキル基は、更に置換基(例えば、置換基群Yで例示された基)を有していてもよい。
上記RB及び上記RCとしては、水素原子が好ましい。
上記カルボン酸無水物基(-CO-O-CO-)を含む1価の置換基としては特に制限されず、例えば、無水コハク酸基、無水マレイン酸基、無水フタル酸基、無水ピロメリット酸基、及び無水トリメリット酸基等の酸無水物から任意の水素原子を除いて得られる置換基、並びに、*-CO-O-CO-RDが挙げられる。
上記RDは、1価の置換基を表す。
上記RDで表される1価の置換基としては特に制限されず、例えば、上述した置換基群Yで例示された基が挙げられ、炭素数1~10(炭素数としては、1~6が好ましく、1~3がより好ましい。)のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれも含む。)が好ましい。なお、アルキル基は、更に置換基(例えば、置換基群Yで例示された基)を有していてもよい。
*は、結合位置を表す。
mは、0以上の整数を表す。
mとしては、熱伝導シート中の窒化ホウ素の分散性がより優れる点及び/又は熱伝導シートの熱伝導性に優れる点で、1以上が好ましい。
mの上限値は特に制限されないが、例えば10以下である。
mとしては、1~3がより好ましい。
1及びE2は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
1及びE2で表される2価の連結基としては、上述したD1及びD2で表される2価の連結基と同じものが挙げられる。
1としては、なかでも、熱伝導シート中の窒化ホウ素の分散性がより優れる点及び/又は熱伝導シートの熱伝導性に優れる点で、単結合、-O-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-C≡C-、-CH=CH-、-O-AL-O-、-O-AL-O-CO-、-O-AL-CO-O-、-CO-O-AL-O-、-CO-O-AL-O-CO-、-CO-O-AL-CO-O-、-O-CO-AL-O-、-O-CO-AL-O-CO-、又は-O-CO-AL-CO-O-が好ましく、単結合、-O-、-O-CO-、又は-CO-O-がより好ましい。なお、上記ALは、置換基(例えば、置換基群Yで例示された基)を有していてもよい、炭素数1~10のアルキレン基である。
2としては、なかでも、熱伝導シート中の窒化ホウ素の分散性がより優れる点及び/又は熱伝導シートの熱伝導性に優れる点で、単結合、-O-、-CO-、-O-CO-、-CO-O-、-AL-、-C≡C-、-CH=CH-、-O-AL-O-、-O-AL-O-CO-、-O-AL-CO-O-、-CO-O-AL-O-、-CO-O-AL-O-CO-、-CO-O-AL-CO-O-、-O-CO-AL-O-、-O-CO-AL-O-CO-、又は-O-CO-AL-CO-O-が好ましく、単結合、-O-、-CO-、又は-AL-がより好ましく、単結合が更に好ましい。なお、上記ALは、置換基(例えば、置換基群Yで例示された基)を有していてもよい、炭素数1~10のアルキレン基である。
なお、一般式(1)中、nが2以上の整数である場合、複数個存在するE1は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
1は、2価の芳香族炭化水素環基、又は2価の複素環基を表す。
1で表される2価の芳香族炭化水素環基に含まれる芳香環数は特に制限されず、単環であっても、芳香環数が2以上である縮合環であってもよい。つまり、2価の芳香族炭化水素環基は、単環式であっても、縮合多環式であってもよい。
上記2価の芳香族炭化水素環基としては、具体的には、単環式芳香族炭化水素環から2つの水素原子を除いて形成される2価の単環式芳香族炭化水素環基、又は、単環式芳香族炭化水素環が2環以上が縮合してなる縮合環から2つの水素原子を除いて形成される2価の縮合環基(言い換えると、縮合多環式の芳香族炭化水素環基)が好ましい。
上記単環式芳香族炭化水素環としては、5員又は6員の単環式芳香族炭化水素環が好ましく、例えば、シクロペンタジエニル環、及びベンゼン環が挙げられる。
また、上記縮合環としては、例えば、5員又は6員の単環式芳香族炭化水素環が2環以上縮合した縮合環が挙げられる。なお、上記縮合環中に含まれる芳香族炭化水素環の個数の上限は特に制限されないが、例えば、10個以下の場合が多い。
上記縮合環としては、具体的には、ビフェニレン環、インダセン環、アセナフチレン環、フルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環、アントラセン環、フルオランテン環、アセフェナンスリレン環、アセアンスリレン環、ピレン環、クリセン環、テトラセン環、プレイアデン環、ピセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ペンタセン環、テトラフェニレン環、ヘキサフェン環、及びトリフェニレン環等が挙げられる。
上記2価の芳香族炭化水素環基は、更に置換基を有していてもよい。置換基の種類は特に制限されず、上述した置換基群Yで例示された基が挙げられる。
1で表される上記2価の芳香族炭化水素環基としては、なかでも、フェニレン基、又は、ピレン環基、ペリレン環、及びトリフェニレン環からなる群より選ばれる縮合環から誘導される2価の縮合環基が好ましい。
1で表される上記2価の複素環基としては、2価の脂肪族複素環基、及び2価の芳香族複素環基が挙げられる。
脂肪族複素環としては、単環式であっても、多環式であってもよい。
上記脂肪族複素環が含むヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子が挙げられる。
上記脂肪族複素環の炭素数は特に制限されないが、5~20が好ましく、5~10がより好ましい。上記脂肪族複素環の具体例としては、例えば、オキソラン環、オキサン環、ピペリジン環、及びピペラジン環等が挙げられる。なお、2価の脂肪族複素環基は、上記脂肪族複素環から水素原子が2つ除かれることによって形成される。
1で表される2価の芳香族複素環基に含まれる芳香環数は特に制限されず、単環であっても、芳香環数が2以上である縮合環であってもよい。つまり、2価の芳香族複素環基は、単環式であっても、縮合多環式であってもよい。
上記芳香族複素環が含むヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子が挙げられる。
芳香族複素環の炭素数は特に限定されないが、5~18が好ましい。
上記2価の芳香族複素環基としては、具体的には、単環式芳香族複素環から2つの水素原子を除いて形成される2価の単環式芳香族複素環基、単環式芳香族炭化水素環を1環以上と単環式芳香族複素環を1環以上が縮合してなる縮合環から2つの水素原子を除いて形成される2価の縮合環基、又は2環以上の単環式芳香族複素環が縮合してなる縮合環から2つの水素原子を除いて形成される2価の縮合環基が好ましい。
上記単環式芳香族炭化水素環としては、5員又は6員の単環式芳香族炭化水素環が好ましく、例えば、シクロペンタジエニル環、及びベンゼン環が挙げられる。
上記単環式芳香族複素環としては、5員又は6員の単環式芳香族複素環が好ましく、例えば、チオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、及びトリアジン環が挙げられる。
また、上記縮合環としては、例えば、5員又は6員の単環式芳香族複素環が2環以上縮合した縮合環、及び、5員又は6員の単環式芳香族炭化水素環が1環以上と5員又は6員の単環式芳香族複素環が1環以上とが縮合した縮合環等が挙げられる。なお、上記縮合環中に含まれる芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の個数の上限は特に制限されないが、例えば、10個以下の場合が多い。
上記2価の複素環基は、更に置換基を有していてもよい。置換基の種類は特に制限されず、上述した置換基群Yで例示された基が挙げられる。
なお、一般式(1)中、nが2以上の整数である場合、複数個存在するG1は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
11は、アルデヒド基(-CHO)、ボロン酸基(-B(OH)2)、ハロゲン原子(F原子、Cl原子、Br原子、及びI原子)、イソチオシアネート基(-N=C=S)、シアネート基(-O-CN)、N-ヒドロキシコハク酸イミド基、スルホニルクロリド基(-SO2Cl)、カルボン酸クロリド基(-COCl)、カーボネート基(-O-CO-O-)を含む1価の置換基、カルボジイミド基(-N=C=N-)を含む1価の置換基、カルボン酸基(-COOH)、ホスホン酸基(-PO(OH)2)、ホスフィン酸基(-HPO(OH))、スルホン酸基(-SO3H)、ニトリル基(-CN)、ニトロ基(-NO2)、アルコキシシリル基、アルキニル基(アルキンから水素原子を一つ除いた基。例えば、エチニル基、及びプロパ-2-イン-1-イル基等が含まれる。)、マレイミド基、アシルアジド基、アリールハライド基、ペンタフルオロフェニルエステル基(-O-CO-C65、又は-CO-O-C65)、イミドエステル基を含む1価の置換基、又はハロゲン化アルキル基を表す。
上記N-ヒドロキシコハク酸イミド基は下記式より表される基を表す。*は、結合位置を表す。
Figure 0007064408000003
上記カーボネート基を含む1価の置換基としては、*-O-CO-O-*で表される基を含む1価の置換基であれば特に制限されず、例えば、*-O-CO-O-REで表される基が挙げられる。
上記REは、1価の置換基を表す。
上記REで表される1価の置換基としては特に制限されず、例えば、上述した置換基群Yで例示された基が挙げられ、炭素数1~10(炭素数としては、1~6が好ましく、1~3がより好ましい。)のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれも含む。)が好ましい。なお、アルキル基は、更に置換基(例えば、置換基群Yで例示された基)を有していてもよい。
*は、結合位置を表す。
上記カルボジイミド基を含む1価の置換基としては、*-N=C=N-*で表される基を含む1価の置換基であれば特に制限されず、例えば、*-N=C=N-RFで表される基が挙げられる。
上記RFは、1価の置換基を表す。
上記RFで表される1価の置換基としては特に制限されず、例えば、上述した置換基群Yで例示された基が挙げられ、炭素数1~10(炭素数としては、1~6が好ましく、1~3がより好ましい。)のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれも含む。)が好ましい。なお、アルキル基は、更に置換基(例えば、置換基群Yで例示された基)を有していてもよい。
*は、結合位置を表す。
上記アルコキシシリル基としては特に制限されず、例えば、*-Si(ORG3で表される基が挙げられる。
上記RGは、それぞれ独立して、アルキル基(直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれも含む。)を表す。*は、結合位置を表す。
Gで表されるアルキル基としては、例えば、炭素数1~10のアルキル基が挙げられ、炭素数1~6が好ましく、炭素数1~3がより好ましい。
具体的には、トリメチトキシシリル基及びトリエトキシシリル基等が挙げられる。
なお、アルキル基は、更に置換基(例えば、置換基群Yで例示された基)を有していてもよい。
上記マレイミド基は、下記式より表される化合物から任意の位置の水素原子を一つ除いて形成される基を表す。
Figure 0007064408000004
上記アシルアジド基は、下記構造により表されるものを意図する。なお、式中の*は結合位置を表す。アシルアジド基のカウンターアニオン(Z)は特に限定されず、例えばハロゲンイオンが挙げられる。
Figure 0007064408000005
上記アリールハライド基としては、芳香環基にハロゲン原子が1個以上置換したものであれば特に限定されない。上記芳香環基としては、単環構造及び多環構造のいずれであってもよいが、フェニル基が好ましい。また、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。なお、アリールハライド基は、更に置換基(例えば、置換基群Yで例示された基)を有していてもよい。
アリールハライド基としては、具体的には、フルオロフェニル基(好ましくは、p-フルオロフェニル基)、パーフルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、及びヨードフェニル基等が挙げられる。
上記イミドエステル基を含む1価の置換基としては、-C(=NRH)-O-又は-O-C(=NRH)-で表される基を含む1価の置換基であれば特に制限されない。
上記RHとしては、例えば、水素原子及びアルキル基(直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれも含む。)が挙げられる。アルキル基中の炭素数は、例えば1~10であり、1~6が好ましく、1~3がより好ましい。なお、アルキル基は、更に置換基(例えば、置換基群Yで例示された基)を有していてもよい。
なお、イミドエステル基は、イミン窒素の化学結合に関与しない電子対が他の陽イオン(例えば、水素イオン)と配位結合することによりオニウム塩構造となっていてもよい。
上記イミドエステル基を含む1価の置換基としては、例えば、*-C(=NRH)-O-RIで表される基、又は*-O-C(=NRH)-RIで表される基が挙げられる。
上記RIは、1価の置換基を表す。
上記RIで表される1価の置換基としては特に制限されず、例えば、上述した置換基群Yで例示された基が挙げられ、炭素数1~10(炭素数としては、1~6が好ましく、1~3がより好ましい。)のアルキル基が好ましい。なお、アルキル基は、更に置換基(例えば、置換基群Yで例示された基)を有していてもよい。*は、結合位置を表す。
上記RHとしては、上述した通りである。
上記ハロゲン化アルキル基としては特に限定されないが、例えば、炭素数1~10のアルキル基にハロゲン原子が1個以上置換したものが挙げられる。上記アルキル基(直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれも含む。)の炭素数は、1~6が好ましく、1~3がより好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子が好ましい。なお、ハロゲン化アルキル基は、更に置換基(例えば、置換基群Yで例示された基)を有していてもよい。
nは、1以上の整数を表す。
nとしては、熱伝導シート中の窒化ホウ素の分散性がより優れる点及び/又は熱伝導シートの熱伝導性に優れる点で、1以上が好ましい。
nの上限値は特に制限されないが、例えば10以下である。
nとしては、1~3がより好ましい。
以下において、一般式(2)で表される化合物について説明する。
<一般式(2)で表される化合物>
Figure 0007064408000006
一般式(2)中、X21~X23は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。
21~X23で表される1価の置換基としては特に制限されず、例えば、上述した置換基群Yで例示された基、又は、*-(D1-A1m-D2-Y1が挙げられる。但し、X21~X23のうち1つ以上は、*-(D1-A1m-D2-Y1を表す。
21~X23としては、なかでも、水素原子、置換基(例えば、上述した置換基群Yで例示された基)を有していてもよいアリール基(置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。)、置換基(例えば、上述した置換基群Yで例示された基)を有していてもよいアルキル基(炭素数1~10が好ましく、炭素数1~6がより好ましい。直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)、又は*-(D1-A1m-D2-Y1が好ましい。
一般式(2)中、D1、A1、m、D2、Y1、E21、及びZ21は、各々、一般式(1)中のD1、A1、m、D2、Y1、E2、及びZ11と同義であり、好適態様も同じである。
なお、一般式(2)中、mが2以上の整数である場合、複数個存在するA1及び複数個存在するD1は、は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
以下において、一般式(3)で表される化合物について説明する。
<一般式(3)で表される化合物>
Figure 0007064408000007
一般式(3)中、X31~X35は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。但し、X31~X35のうち1つ以上は、*-(D1-A1m-D2-Y1を表す。
31~X35としては、なかでも、水素原子、置換基(例えば、上述した置換基群Yで例示された基)を有していてもよいアリール基(置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。)、置換基(例えば、上述した置換基群Yで例示された基)を有していてもよいアルキル基(炭素数1~10が好ましく、炭素数1~6がより好ましい。直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)、又は*-(D1-A1m-D2-Y1が好ましい。
一般式(3)中、D1、A1、m、D2、Y1、E31、及びZ31は、各々、一般式(1)中のD1、A1、m、D2、Y1、E2、及びZ11と同義であり、好適態様も同じである。
なお、一般式(3)中、mが2以上の整数である場合、複数個存在するA1及び複数個存在するD1は、は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
以下において、一般式(4)で表される化合物について説明する。
<一般式(4)で表される化合物>
Figure 0007064408000008
一般式(4)中、X41~X44は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。但し、X41~X44のうち1つ以上は、*-(D1-A1m-D2-Y1を表す。
41~X44としては、なかでも、水素原子、置換基(例えば、上述した置換基群Yで例示された基)を有していてもよいアリール基(置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。)、置換基(例えば、上述した置換基群Yで例示された基)を有していてもよいアルキル基(炭素数1~10が好ましく、炭素数1~6がより好ましい。直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)、又は*-(D1-A1m-D2-Y1が好ましい。
一般式(4)中、D1、A1、m、D2、Y1、E41、及びZ41は、各々、一般式(1)中のD1、A1、m、D2、Y1、E2、及びZ11と同義であり、好適態様も同じである。
なお、一般式(4)中、mが2以上の整数である場合、複数個存在するA1及び複数個存在するD1は、は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
上記特定化合物の分子量は、例えば、150以上であり、熱伝導シート中の窒化ホウ素の分散性がより優れる点で、200以上が好ましく、また、溶解度の観点から、2,000以下が好ましく、1,000以下がより好ましい。
以下に、特定化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0007064408000009
Figure 0007064408000010
Figure 0007064408000011
Figure 0007064408000012
Figure 0007064408000013
Figure 0007064408000014
Figure 0007064408000015
組成物中において、特定化合物は、表面修飾剤として、窒化ホウ素に吸着していると考えられる。特に、特定化合物は、窒化ホウ素と水素結合等の結合を形成し、表面修飾を達成していることが好ましい。
組成物中における窒化ホウ素と特定化合物との混合比は、窒化ホウ素の構造及び表面積、並びに、特定化合物の分子のアスペクト比等の分子構造を考慮して決定すればよい。
組成物中、特定化合物と窒化ホウ素との質量比(特定化合物の質量/窒化ホウ素の質量)は特に制限されないが、熱伝導シート中の窒化ホウ素の分散性がより優れる点で、0.0001以上が好ましく、0.0005以上がより好ましい。また、その上限値は特に制限されないが、0.5以下が好ましく、0.1以下がより好ましい。
また、組成物中、特定化合物と窒化ホウ素との合計含有量は、組成物の用途に応じて適宜最適な含有量が選択される。特定化合物と窒化ホウ素との合計含有量は、組成物中の全固形分に対して、例えば、0.01~95質量%であり、なかでも、熱伝導シート中の窒化ホウ素の分散性がより優れる点及び/又は熱伝導シートの熱伝導性に優れる点で、20~95質量%が好ましく、30~90質量%がより好ましく、40~85質量%が更に好ましく、40~80質量%が特に好ましい。なお、本明細書中「固形分」とは、熱伝導シートを構成する成分であればよく、溶媒は含まれない。また、その性状が液体状であっても固形分に含まれる。
〔任意の成分〕
組成物には、特定化合物及び窒化ホウ素以外の材料が含まれていてもよく、例えば、窒化ホウ素以外のその他の無機物、重合性モノマー、硬化剤、硬化促進剤、及び重合開始剤等が挙げられる。
以下、各種成分について詳述する。
<窒化ホウ素以外のその他の無機物>
上記組成物は、窒化ホウ素以外のその他の無機物を含んでいてもよい。
上記その他の無機物としては特に制限されず、従来から熱伝導材料の無機フィラーとして用いられているいずれの無機物であってもよい。
上記その他の無機物としては、無機酸化物、又は無機窒化物が好ましい。また、上記その他の無機物は、無機酸化窒化物であってもよい。
上記その他の無機物の形状は特に制限されず、粒子状であってもよく、フィルム状であってもよく、又は板状であってもよい。粒子状の場合、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、鱗片状、凝集状、及び不定形状が挙げられる。
上記無機酸化物としては、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化鉄(Fe23、FeO、Fe34)、酸化銅(CuO、Cu2O)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y23)、酸化ニオブ(Nb25)、酸化モリブデン(MoO3)、酸化インジウム(In23、In2O)、酸化スズ(SnO2)、酸化タンタル(Ta25)、酸化タングステン(WO3、W25)、酸化鉛(PbO、PbO2)、酸化ビスマス(Bi23)、酸化セリウム(CeO2、Ce23)、酸化アンチモン(Sb23、Sb25)、酸化ゲルマニウム(GeO2、GeO)、酸化ランタン(La23)、及び酸化ルテニウム(RuO2)が挙げられる。
上記無機酸化物は、1種のみを使用していてもよいし、2種以上を併用していてもよい。
上記無機酸化物としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、又は酸化亜鉛が好ましい。
上記無機酸化物は、非酸化物として用意された金属が、環境下等で酸化したことにより生じている酸化物であってもよい。
上記無機窒化物(但し、窒化ホウ素は含まない。)としては、例えば、窒化炭素(C34)、窒化ケイ素(Si34)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化クロム(Cr2N)、窒化銅(Cu3N)、窒化鉄(Fe4N)、窒化鉄(Fe3N)、窒化ランタン(LaN)、窒化リチウム(Li3N)、窒化マグネシウム(Mg32)、窒化モリブデン(Mo2N)、窒化ニオブ(NbN)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、窒化タングステン(W2N)、窒化タングステン(WN2)、窒化イットリウム(YN)、及び窒化ジルコニウム(ZrN)が挙げられる。
上記無機窒化物は、1種のみを使用していてもよいし、2種以上を併用していてもよい。
上記無機窒化物は、アルミニウム原子又は珪素原子を含むことが好ましく、窒化アルミニウム又は窒化珪素であることがより好ましく、窒化アルミニウムであることが更に好ましい。
上記その他の無機物の大きさは特に限定されないが、無機物の分散性がより優れる点で、その平均粒径は500μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましく、200μm以下が更に好ましい。下限は特に限定されないが、取り扱い性の点で、10nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。
上記平均粒径の測定方法としては、電子顕微鏡を用いて、100個の無機物を無作為に選択して、それぞれの無機物の粒径(長径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、市販品を用いる場合、カタログ値を用いてもよい。
上記その他の無機物は、1種のみを使用していてもよいし、2種以上を併用していてもよい。
上記組成物が上記その他の無機物を含む場合、上記その他の無機物の含有量は、組成物中の全固形分に対して、70質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。なお、下限としては特に制限されないが、例えば5質量%以上である。
<重合性モノマー>
重合性モノマーは、熱又は光等の所定の処理によって硬化する化合物である。
重合性モノマーは、重合性基を有する。
重合性基の種類は特に制限されず、公知の重合性基が挙げられ、反応性の点から、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基又は環重合性基がより好ましい。重合性基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、オキシラニル基、ビニル基、マレイミド基、スチリル基、アリル基、及び、オキセタニル基等が挙げられる。なお、上記各基中の水素原子は、ハロゲン原子等他の置換基で置換されていてもよい。重合性基は、なかでも、反応性の観点から、アクリロイル基、メタクリロイル基、オキシラニル基、及び、ビニル基からなる群より選ばれる基であることが好ましい。
なお、重合性モノマーに含まれる重合性基の数は特に限定されないが、組成物を硬化して得られる硬化物の耐熱性がより優れる点で、2個以上であることが好ましく、3個以上であることがより好ましい。上限は特に限定されないが、8個以下の場合が多い。
重合性モノマーの種類は特に限定されず、公知の重合性モノマーを用いることができる。例えば、特許第4118691号の段落0028に記載のエポキシ樹脂モノマー及びアクリル樹脂モノマー、特開2008-13759号公報の段落0006~0011に記載のエポキシ化合物、並びに、特開2013-227451号公報の段落0032~0100に記載のエポキシ樹脂混合物等が挙げられる。
具体例として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル樹脂モノマー、及びビスフェノールFジグリシジルエーテル樹脂モノマー等も用いることができる。
組成物中における重合性モノマーの含有量は特に限定されず、組成物の用途に応じて適宜最適な含有量が選ばれる。なかでも、重合性モノマーの含有量は、組成物中の全固形分に対して、10~90質量%が好ましく、10~70質量%がより好ましく、10~60質量%が更に好ましく、10~40質量%が特に好ましい。
組成物は、重合性モノマーを1種含んでいても、2種以上含んでいてもよい。
重合性モノマーは、液晶性を示すことが好ましい。つまり、重合性モノマーが、液晶化合物であることが好ましい。言い換えれば、重合性基を有する液晶化合物であることが好ましい。
以上のように、重合性モノマーは、液晶性を示すことが好ましい。つまり、重合性モノマーは、液晶成分であることが好ましい。
重合性モノマーは、棒状液晶化合物及び円盤状液晶化合物のいずれであってもよい。つまり、重合性モノマーは、重合性基を有する棒状液晶化合物及び重合性基を有する円盤状液晶化合物のいずれであってもよい。
重合性モノマーとしては、なかでも、円盤状液晶化合物(つまり、重合性基を有する円盤状液晶化合物)が好ましい。
以下、棒状液晶化合物及び円盤状液晶化合物について詳述する。
(棒状液晶化合物)
棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、及び、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が挙げられる。以上のような低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。上記高分子液晶化合物は、低分子の反応性基を有する棒状液晶化合物が重合した高分子化合物である。
好ましい棒状液晶化合物としては、下記一般式(XXI)で表される棒状液晶化合物が挙げられる。
一般式(XXI):Q1-L111-A111-L113-M-L114-A112-L112-Q2
式中、Q1及びQ2はそれぞれ独立に、重合性基であり、L111、L112、L113、及び、L114はそれぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。A111及びA112はそれぞれ独立に、炭素数1~20の2価の連結基(スペーサ基)を表す。Mはメソゲン基を表す。
なお、重合性基の定義は、上述の通りである。
1及びQ2の少なくとも1個はアクリロイル基、メタクリロイル基、又は、オキシラニル基であることが好ましく、いずれもアクリロイル基、メタクリロイル基、又は、オキシラニル基であることがより好ましい。
111、L112、L113、及び、L114で表される2価の連結基としては、-O-、-S-、-CO-、-NR112-、-CO-O-、-O-CO-O-、-CO-NR112-、-NR112-CO-、-O-CO-、-CH2-O-、-O-CH2-、-O-CO-NR112-、-NR112-CO-O-、及び、-NR112-CO-NR112-からなる群より選ばれる2価の連結基であることが好ましい。上記R112は炭素数1~7のアルキル基又は水素原子である。
111及びA112は、炭素数1~20の2価の連結基を表す。2価の連結基は、隣接していない酸素原子及び硫黄原子などのヘテロ原子を含んでいてもよい。なかでも、炭素数1~12のアルキレン基、アルケニレン基、又は、アルキニレン基が好ましく、炭素数1~12のアルキレン基がより好ましい。上記、アルキレン基、アルケニレン基、又は、アルキニレン基がエステル基を有しているのも好ましい。
2価の連結基は直鎖状であることが好ましく、また、上記2価の連結基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、又は、臭素原子)、シアノ基、メチル基、及び、エチル基が挙げられる。
Mで表されるメソゲン基としては、公知のメソゲン基が挙げられる。なかでも、下記一般式(XXII)で表される基が好ましい。
一般式(XXII):-(W1-L115-W2
式中、W1及びW2は、それぞれ独立に、2価の環状アルキレン基、2価の環状アルケニレン基、アリーレン基、又は、2価のヘテロ環基を表す。L115は、単結合又は2価の連結基を表す。nは、1~4の整数を表す。
1及びW2としては、例えば、1,4-シクロヘキセンジイル、1,4-シクロヘキサンジイル、1,4-フェニレン、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、1,3,4-チアジアゾール-2,5-ジイル、1,3,4-オキサジアゾール-2,5-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、ナフタレン-1,5-ジイル、チオフェン-2,5-ジイル、及び、ピリダジン-3,6-ジイルが挙げられる。1,4-シクロヘキサンジイルの場合、トランス体及びシス体の構造異性体のどちらの異性体であってもよく、任意の割合の混合物でもよい。なかでも、トランス体が好ましい。
1及びW2は、それぞれ置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、上述した置換基群Yで例示された基が挙げられ、より具体的には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子)、シアノ基、炭素数1~10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、及び、プロピル基等)、炭素数1~10のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、及び、エトキシ基等)、炭素数1~10のアシル基(例えば、ホルミル基、及び、アセチル基等)、炭素数1~10のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、及び、エトキシカルボニル基等)、炭素数1~10のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、及び、プロピオニルオキシ基等)、ニトロ基、トリフルオロメチル基、及び、ジフルオロメチル基等が挙げられる。
115で表される2価の連結基としては、上述したL111~L114で表される2価の連結基の具体例が挙げられ、例えば、-CO-O-、-O-CO-、-CH2-O-、及び、-O-CH2-が挙げられる。
上記一般式(XXII)で表されるメソゲン基の基本骨格で好ましい骨格を、以下に例示する。これらに上記置換基が置換していてもよい。
Figure 0007064408000016
Figure 0007064408000017
なお、一般式(XXI)で表される化合物は、特表平11-513019号公報(WO97/00600)に記載の方法を参照して合成できる。
棒状液晶化合物は、特開平11-323162号公報及び特許4118691号に記載のメソゲン基を有するモノマーであってもよい。
(円盤状液晶化合物)
円盤状液晶化合物は、少なくとも部分的に円盤状構造を有する。円盤状構造は、少なくとも芳香族環を有する。そのため、円盤状液晶化合物は、分子間のπ-π相互作用によるスタッキング構造の形成により柱状構造を形成しうる。
円盤状構造として、具体的には、Angew.Chem.Int. Ed. 2012, 51, 7990-7993及び特開平7-306317号公報に記載のトリフェニレン構造、並びに、特開2007-2220号公報及び特開2010-244038号公報に記載の3置換ベンゼン構造等が挙げられる。
なかでも、重合性モノマーとして円盤状液晶化合物を用いることにより、高い熱伝導性を示す熱伝導材料が得られる。その理由としては、棒状液晶化合物が直線的(一次元的)にしか熱伝導できないのに対して、円盤状液晶化合物は法線方向に平面的(二次元的)に熱伝導できるため、熱伝導パスが増え、熱伝導率が向上する、と考えられる。
また、円盤状液晶化合物を用いることにより、組成物の硬化物の耐熱性が向上する。
円盤状液晶化合物は、3個以上の重合性基を有することが好ましい。3個以上の重合性基を有する円盤状液晶化合物を含む組成物の硬化物はガラス転移温度が高く、耐熱性が高い傾向がある。円盤状液晶化合物は棒状液晶化合物と比較して、メソゲン部分の特性に影響を与えることなく3個以上の重合性基を有しやすい。円盤状液晶化合物が有する重合性基の数は8個以下が好ましく、6個以下がより好ましい。重合性基はアクリロイル基、メタクリロイル基、又は、オキシラニル基であることが好ましい。
円盤状液晶化合物としては、以下の一般式(XI)で表される化合物又は一般式(XII)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007064408000018
式中、R11、R12、R13、R14、R15、及び、R16はそれぞれ独立に*-X11-L11-P11又は*-X12-Y12を表し、*はトリフェニレン環との結合位置を表し、R11、R12、R13、R14、R15、及び、R16のうち2個以上は*-X11-L11-P11であり、X11及びX12はそれぞれ独立に、単結合、-O-、-C(=O)-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-OC(=O)NH-、-OC(=O)S-、-C(=O)O-、-C(=O)NH-、-C(=O)S-、-NHC(=O)-、-NHC(=O)O-、-NHC(=O)NH-、-NHC(=O)S-、-S-、-SC(=O)-、-SC(=O)O-、-SC(=O)NH-、又は、-SC(=O)S-を表し、L11は2価の連結基又は単結合を表し、P11は重合性基を表し、Y12は、水素原子、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状、若しくは、環状のアルキル基、又は、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状、若しくは、環状のアルキル基において1個又は2個以上のメチレン基が-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-C(=O)-、-OC(=O)-、又は、-C(=O)O-で置換された基を表す。
11、R12、R13、R14、R15、及び、R16は3個以上が*-X11-L11-P11であることが好ましい。なかでも、R11及びR12のいずれか1個以上、R13及びR14のいずれか1個以上、並びに、R15及びR16のいずれか1個以上が*-X11-L11-P11であることがより好ましく、R11、R12、R13、R14、R15、及び、R16が全て*-X11-L11-P11であることが更に好ましく、R11、R12、R13、R14、R15、及び、R16が全て同一の*-X11-L11-P11であることが特に好ましい。
11及びX12としては、それぞれ独立に、-O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-OC(=O)NH-、-C(=O)O-、-C(=O)NH-、-NHC(=O)-、又は、NHC(=O)O-が好ましく、-OC(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)NH-、又は、-C(=O)NH-がより好ましく、-C(=O)O-が更に好ましい。
11は、X11とP11とを連結する2価の連結基又は単結合を表す。2価の連結基としては、-O-、-OC(=O)-、-C(=O)O-、炭素数1~10(好ましくは炭素数1~8、より好ましくは炭素数1~6)のアルキレン基、炭素数6~20(好ましくは炭素数6~14、より好ましくは炭素数6~10)のアリーレン基、又は、これらの組み合わせからなる基等が挙げられる。
炭素数1~10のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、及び、ヘキシレン基等が挙げられる。
炭素数6~20のアリーレン基としては、例えば、1,4-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,4-ナフチレン基、1,5-ナフチレン基、及び、アントラセニレン基等が挙げられ、1,4-フェニレン基が好ましい。
上記アルキレン基及び上記アリーレン基は、それぞれ置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、上述した置換基群Yで例示された基が挙げられる。置換基の数は1~3個が好ましく、1個がより好ましい。置換基の置換位置は特に限定されない。置換基としては、ハロゲン原子又は炭素数1~3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。アルキレン基及びアリーレン基は無置換であることも好ましい。特にアルキレン基は無置換であることが好ましい。
11は、重合性基を表す。重合性基の定義は、上述の通りである。
11はアクリロイル基、メタクリロイル基、又は、オキシラニル基であることが好ましい。
12は、水素原子、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状、若しくは、環状のアルキル基、又は、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状、若しくは、環状のアルキル基において1個又は2個以上のメチレン基が-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-C(=O)-、-OC(=O)-、又は、-C(=O)O-で置換された基を表す。
12が炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状、若しくは、環状のアルキル基、又は、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状、若しくは、環状のアルキル基において1個又は2個以上のメチレン基が-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-C(=O)-、-OC(=O)-、又は、-C(=O)O-で置換された基の場合、Y12が表す基に存在する水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。
炭素数1~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、直鎖状又は分岐鎖状のヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、及び、ドデシル基が挙げられる。
環状のアルキル基の炭素数は、3以上が好ましく、5以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、10以下がより好ましく、8以下が更に好ましく、6以下が特に好ましい。環状のアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及び、シクロオクチル基が挙げられる。
12としては、水素原子、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基、又は、炭素数1~20のアルキレンオキシド基が好ましく、炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は、炭素数1~20のエチレンオキシド基若しくはプロピレンオキシド基がより好ましい。
上記一般式(XI)で表される化合物の具体例については、特開平7-281028号公報の段落0028~0036、特開平7-306317号公報、特開2005-156822号公報の段落0016~0018、特開2006-301614号公報の段落0067~0072、及び、液晶便覧(平成12年丸善株式会社発刊)330頁~333頁に記載の例を参照できる。
Figure 0007064408000019
式中、A2、A3、及び、A4はそれぞれ独立に-CH=又は-N=を表し、R17、R18、及び、R19はそれぞれ独立に、*-X211-(Z21-X212)n21-L21-P21又は*-X211-(Z22-X222)n22-Y22を表し、*は中心環との結合位置を表し、R17、R18、及び、R19のうち2個以上は*-X211-(Z21-X212)n21-L21-P21であり、X211、X212、及び、X222はそれぞれ独立に、単結合、-O-、-C(=O)-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-OC(=O)NH-、-OC(=O)S-、-C(=O)O-、-C(=O)NH-、-C(=O)S-、-NHC(=O)-、-NHC(=O)O-、-NHC(=O)NH-、-NHC(=O)S-、-S-、-SC(=O)-、-SC(=O)O-、-SC(=O)NH-、又は、-SC(=O)S-を表し、Z21及びZ22はそれぞれ独立に、5員環若しくは6員環の芳香族基、又は、5員環若しくは6員環の非芳香族基を表し、L21は、X212とP21とを連結する2価の連結基又は単結合を表し、P21は重合性基を表し、Y22は水素原子、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状、若しくは、環状のアルキル基、又は、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状、若しくは、環状のアルキル基において1個又は2個以上のメチレン基が-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-C(=O)-、-OC(=O)-、又は、-C(=O)O-で置換された基を表し、n21及びn22はそれぞれ独立に、0~3の整数を表し、n21及びn22が2以上の場合の複数個あるZ21-X212及びZ22-X222は同一でも異なっていてもよい。
17、R18、及び、R19は全て、*-X211-(Z21-X212)n21-L21-P21であることが好ましい。R17、R18、及び、R19は全て同一の*-X211-(Z21-X212)n21-L21-P21であることがより好ましい。
211、X212、及び、X222としては、単結合、又は、-OC(=O)-が好ましい。
21及びZ22はそれぞれ独立に、5員環若しくは6員環の芳香族基、又は、5員環若しくは6員環の非芳香族基を表し、例えば、1,4-フェニレン基、1,3-フェニレン基、及び、2価の複素環基等が挙げられる。
上記芳香族基及び非芳香族基は置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した置換基群Yで例示された基が挙げられる。置換基の数は1個又は2個が好ましく、1個がより好ましい。置換基の置換位置は特に限定されない。置換基としては、ハロゲン原子又はメチル基が好ましい。ハロゲン原子としては塩素原子又はフッ素原子が好ましい。上記芳香族基及び非芳香族基は無置換であることも好ましい。
2価の複素環としては、例えば、以下の複素環が挙げられる。
Figure 0007064408000020
式中、*はX211に結合する側の部位を示し、**はX212(又はX222)に結合する側の部位を示し;A41及びA42はそれぞれ独立にメチン基又は窒素原子を表し;X4は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、又は、イミノ基を表す。
41及びA42は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。また、X4は酸素原子であることが好ましい。
21は、X212とP21とを連結する2価の連結基又は単結合を表し、一般式(XI)におけるL11と同義である。L21としては、-O-、-OC(=O)-、-C(=O)O-、炭素数1~10(好ましくは炭素数1~8、より好ましくは炭素数1~6)のアルキレン基、又は、これらの組み合わせからなる基が好ましい。
21は、重合性基を表す。重合性基の定義は、上述の通りである。
21は、アクリロイル基、メタクリロイル基、又は、オキシラニル基であることが好ましい。
22はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基、又は、炭素数1~20の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基において1個又は2個以上のメチレン基が-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-C(=O)-、-OC(=O)-、又は、-C(=O)O-で置換された基を表し、一般式(XI)におけるY12と同義であり、好ましい範囲も同様である。
21及びn22はそれぞれ独立に、0~3の整数を表し、1~3の整数が好ましく、2又は3がより好ましい。
一般式(XII)で表される化合物の詳細及び具体例については、特開2010-244038号公報の段落0013~0077の記載を参照でき、その内容は本明細書に組み込まれる。
電子密度を減らすことでスタッキングを強くし、カラム状集合体を形成しやすくなるという点で、一般式(XI)又は一般式(XII)で表される化合物としては、水素結合性官能基を有する化合物であることが好ましい。
水素結合性官能基としては、-OC(=O)NH-、-C(=O)NH-、-NHC(=O)-、-NHC(=O)O-、-NHC(=O)NH-、-NHC(=O)S-、及び、SC(=O)NH-等が挙げられる。
一般式(XI)で表される化合物、及び、一般式(XII)で表される化合物として特に好ましい具体例としては以下の化合物が挙げられる。なお、以下に挙げられる化合物におけるオキシラニル基及びオキセタニル基が、アクリロイル又はメタクリロイル基である例も好ましい。
Figure 0007064408000021
Figure 0007064408000022
Figure 0007064408000023
Figure 0007064408000024
Figure 0007064408000025
Figure 0007064408000026
Figure 0007064408000027
Figure 0007064408000028
Figure 0007064408000029
Figure 0007064408000030
一般式(XI)で表される化合物は、特開平7-306317号公報、特開平7-281028号公報、特開2005-156822号公報、及び、特開2006-301614号公報に記載の方法に準じて合成できる。
一般式(XII)で表される化合物は、特開2010-244038号公報、特開2006-76992号公報、及び、特開2007-2220号公報に記載の方法に準じて合成できる。
<硬化剤>
硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、グアニジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、アクリル系硬化剤、酸無水物系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、及び、シアネートエステル系硬化剤等が挙げられる。
また、上記硬化剤は、液晶性を示すことが好ましい。つまり、硬化剤は、液晶化合物であることが好ましい。言い換えると、活性水素含有官能基を有する液晶化合物であることが好ましい。上記硬化剤としては、なかでも、熱伝導性シートの水平方向(面内方向)の熱伝導性がより向上する点で、活性水素含有官能基を有する円盤状液晶化合物(以下、「特定硬化剤」ともいう。)が好ましい。
なお、本明細書において「活性水素」とは、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子と直接結合した水素原子を意図する。また、「円盤状液晶化合物」の定義及び好適態様については、上述した通りである。
以下、活性水素含有官能基を有する円盤状液晶化合物(特定硬化剤)について詳述する。
特定硬化剤が含む活性水素含有官能基としては、上記活性水素を含む官能基であれば特に制限されず、例えば、アミノ基、チオール基、水酸基、カルボキシ基等が挙げられ、アミノ基、チオール基、水酸基、又はカルボキシ基が好ましく、水酸基がより好ましい。
なお、特定硬化剤に含まれる活性水素含有官能基の種類は、併用する特定化合物に含まれ得るY1で表される架橋又は重合が可能な官能基、並びに、重合性モノマーに含まれる重合性基(以下、これらを「反応性基」と総称することもある。)の種類に応じて適宜選択される。
活性水素含有官能基がアミノ基である場合に使用可能な反応性基としては、オキシラニル基、オキセタニル基、カルボキシ基、ハロゲン化ベンジル基、イソシアネート基、アルデヒド基、及びカルボニル基等が挙げられる。
活性水素含有官能基がチオール基である場合に使用可能な反応性基としては、ビニル基、オキシラニル基、オキセタニル基、ハロゲン化ベンジル基、カルボン酸無水物基、イソシアネート基、及びアルコキシシリル基等が挙げられる。
活性水素含有官能基が水酸基である場合に使用可能な反応性基としては、オキシラニル基、オキセタニル基、ハロゲン化ベンジル基、カルボン酸無水物基、イソシアネート基、及びアルコキシシリル基等が挙げられる。
活性水素含有官能基がカルボキシ基である場合に使用可能な反応性基としては、オキシラニル基、オキセタニル基、ハロゲン化ベンジル基、シアネートエステル基、アミノ基、イソシアネート基、及びアジリジン基等が挙げられる。
特定硬化剤は、3個以上の活性水素含有官能基を有することが好ましい。なお、その上限値は、8個以下が好ましく、6個以下がより好ましい。
特定硬化剤としては、上述した一般式(XI)で表される化合物中のP11で表される重合性基を上記活性水素含有官能基に置換した化合物、及び、上述した一般式(XII)で表される化合物中のP21で表される重合性基を上記活性水素含有官能基に置換した化合物が挙げられる。なかでも、上述した一般式(XII)で表される化合物中のP21で表される重合性基を上記活性水素含有官能基に置換した化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、下記構造の化合物が挙げられる。
Figure 0007064408000031
上記硬化剤は、1種のみを使用していてもよいし、2種以上を併用していてもよい。
組成物中における上記硬化剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、10~80質量%が好ましく、10~60質量%がより好ましく、10~40質量%が更に好ましい。
<硬化促進剤>
組成物は、更に、硬化促進剤を含んでいてもよい。
硬化促進剤の種類は制限されず、例えば、トリフェニルホスフィン、2-エチル-4-メチルイミダゾール、三フッ化ホウ素アミン錯体、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、及び特開2012-67225号公報の段落0052に記載のものが挙げられる。
組成物が硬化促進剤を含む場合、組成物中における硬化促進剤の含有量は特に制限されないが、組成物中の全固形分に対して、0.1~10質量%が好ましい。
<重合開始剤>
組成物は、更に、重合開始剤を含んでいてもよい。
特に、重合性モノマーが重合性基として(メタ)アクリロイル基を有する場合には、組成物は、特開2010-125782号公報の段落0062及び特開2015-052710号公報の段落0054に記載の重合開始剤を含むことが好ましい。
組成物が重合開始剤を含む場合、組成物中における重合開始剤の含有量は特に制限されないが、組成物中の全固形分に対して、0.1~20質量%が好ましい。
<溶媒>
組成物は、更に、溶媒を含んでいてもよい。
溶媒の種類は特に制限されず、有機溶媒であることが好ましい。有機溶媒としては、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。
〔組成物の製造方法〕
組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、窒化ホウ素と特定化合物とを接触させる工程を有する方法が挙げられる。
窒化ホウ素と特定化合物との接触は、例えば、窒化ホウ素と特定化合物を含む溶液を攪拌することにより実施される。
上記溶液の溶媒の種類は特に限定されないが、有機溶媒が好ましい。有機溶媒としては、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、及び、テトラヒドロフランが挙げられる。
また、窒化ホウ素と特定化合物とを接触させる工程の際に、上記溶液は、上述した重合性モノマー等のその他の成分を含んでいてもよい。
窒化ホウ素と特定化合物との混合比は、窒化ホウ素の構造及び表面積、並びに、特定化合物の分子のアスペクト比等の分子構造を考慮して決定すればよい。なお、混合比の好適態様については上述したとおりである。
攪拌条件(攪拌回転数、温度条件)は特に限定されない。
組成物中において、特定化合物は、表面修飾剤として、窒化ホウ素に吸着していると考えられる。特に、特定化合物は、窒化ホウ素と水素結合等の結合を形成し、表面修飾を達成していることが好ましい。
また、組成物中に、特定化合物以外の窒化ホウ素に吸着し得る他の表面修飾剤が含まれていてもよい。つまり、窒化ホウ素は、特定化合物と、特定化合物以外の窒化ホウ素に吸着し得る他の表面修飾剤により表面修飾されていてもよい。
<組成物の硬化方法>
組成物の硬化方法は特に限定されず、重合性モノマーの種類によって適宜最適な方法が選ばれる。硬化方法は、例えば、熱硬化反応であっても、光硬化反応であってもよく、熱硬化反応が好ましい。
熱硬化反応の際の加熱温度は特に限定されない。例えば、50~200℃の範囲で適宜選択すればよい。また、熱硬化反応を行う際には、温度の異なる加熱処理を複数回にわたって実施してもよい。
なお、硬化反応は、シート状とした組成物に対して実施することが好ましい。具体的には、例えば、組成物を塗布し、得られた塗膜に対して硬化反応を実施すればよい。その際、プレス加工を行ってもよい。
また、硬化反応は、半硬化反応であってもよい。つまり、得られる硬化物が、いわゆるBステージ状態(半硬化状態)であってもよい。
上記のような半硬化させた硬化物をデバイス等に接触するように配置した後、更に加熱等によって本硬化させることにより、硬化物である熱伝導材料を含む層とデバイスとの接着性がより向上する。
〔用途〕
上記組成物は、種々の用途に適用できる。例えば、顔料、触媒、電極材料、半導体材料、熱伝導材料、及び潤滑剤等として様々な分野に応用できる。
なかでも、上記組成物は、熱伝導材シート及び熱伝導層付きデバイスを形成するために用いることが好ましい。
以下、熱伝導材シート及び熱伝導層付きデバイスに関して詳述する。
<熱伝導材シート、熱伝導層付きデバイス>
本発明の熱伝導シートは、上述した組成物を硬化して作製できる。つまり、上記組成物は、熱伝導シートを形成するために用いることができる。なお、硬化反応を含む熱伝導材料の作製については、「高熱伝導性コンポジット材料」(シーエムシー出版、竹澤由高著)p63-78を参照できる。
なお、上記熱伝導シートには特定化合物及び窒化ホウ素が含まれていればよく、その製造方法は上記組成物を用いる態様には限定されない。
熱伝導材シート中には、特定化合物及び窒化ホウ素以外の成分が含まれていてもよく、例えば、バインダーが挙げられる。なお、バインダーとしては、上述した重合性モノマーが硬化して形成されるバインダーが挙げられる。
上記熱伝導シートは、膜厚方向だけでなく水平方向(面内方向)にも熱伝導性がより優れる点で、窒化ホウ素が水平配向をとっていることが好ましい。特に、平板状の窒化ホウ素は、水平配向をとりやすい。なお、窒化ホウ素が平板状である場合、「窒化ホウ素が水平配向をとる」とは、窒化ホウ素のc軸(言い換えると、(002面)に垂直な方向)が、熱伝導性シートの膜厚方向と略平行に配向することを意図する。
特に、熱伝導シートは、水平方向の熱伝導性がより優れる点で、下記式(1)を満たすことが好ましい。
式(1):I(002)/I(100)≧20
I(002):X線回折により測定される窒化ホウ素の(002)面に由来するピーク強度
I(100):X線回折により測定される窒化ホウ素の(100)面に由来するピーク強度
X線回折方法及び装置は、公知の方法を採用できる。
熱伝導シートは、熱伝導性に優れるため、放熱シート等の放熱材として用いることができる。例えば、パワー半導体デバイス等の各種デバイスの放熱用途に用いることができる。より具体的には、デバイス上に上記熱伝導シートを含む熱伝導層を配置して熱伝導層付きデバイスを作製することにより、デバイスからの発熱を効率的に熱伝導層で放熱できる。
なお、上記熱伝導シートは、完全に硬化した状態であってもよく、半硬化状態(上述したBステージ状態)であってもよい。上述したように、半硬化状態の熱伝導シートであればデバイス上に配置した後、加熱処理を施すことにより、デバイス上に接着性に優れた熱伝導層を形成できる。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[特定表面修飾剤の合成]
特定表面修飾剤(C-1~C-34)は、合成したものを使用した。以下に、C-1の合成例を一例として示す。
なお、下記合成例において、「DMAc」とはN,N-ジメチルアセトアミドを表し、「THF」とはテトラヒドロフランを表し、「DMF」とはN,N-ジメチルホルムアミドを表し、「TBSCl」とはtert-ブチルジメチルクロロシランを表し、「EA」とはエチルアミンを表し、「DIPEA」とはN,N-ジイソプロピルエチルアミンを表し、「TBAF」とはテトラブチルアンモニウムフルオリドを表す。また、「Me」はメチル基を表し、「Bu」はブチル基を表す。
Figure 0007064408000032
[組成物の調製及び評価]
〔各種成分〕
以下に、実施例及び比較例で使用した各種成分を示す。
<表面修飾剤>
以下に、実施例及び比較例で使用した表面修飾剤を示す。
Figure 0007064408000033
Figure 0007064408000034
Figure 0007064408000035
Figure 0007064408000036
Figure 0007064408000037
Figure 0007064408000038
Figure 0007064408000039
Figure 0007064408000040
<重合性モノマー>
以下に、実施例及び比較例で使用した重合性モノマーを示す。
なお、以下において、A-1、A-2、及びA-3は、非液晶化合物に該当する。A-4は、液晶化合物に該当する。
A-1:三菱化学(株)社製 YX―4000(下記構造のもの)
Figure 0007064408000041
A-2:新日鐡住金(株)社製 ZX-1059(下記構造のもの)
Figure 0007064408000042
A-3:DIC(株)社製 HP-4710(下記構造のもの)
Figure 0007064408000043
A-4:下記構造の化合物を合成して用いた。
Figure 0007064408000044
<硬化剤>
以下に、実施例及び比較例で使用した硬化剤を示す。
なお、以下において、B-1は、非液晶化合物に該当する。B-2は、液晶化合物に該当する。
B-1:日本化薬(株)社製 GPH-65(下記構造のもの)
Figure 0007064408000045
B-2:下記構造の化合物を合成して用いた。
Figure 0007064408000046
<窒化ホウ素>
以下に、実施例及び比較例で使用した窒化ホウ素を示す。
「PT-110」:平板状窒化ホウ素(平均粒径:45μm、モーメンティブ製)
「SGPS」:凝集状窒化ホウ素(平均粒径12μm、デンカ(株)社製)
なお、「PT-110」は、層状の六方晶の結晶構造を有しており、a軸方向とc軸方向の辺の比率(a/c)が1.5以上である。
<硬化促進剤>
硬化促進剤として、TPP(トリフェニルホスフィン)を用いた。
<溶媒>
溶媒として、MEK(メチルエチルケトン)を用いた。
〔実施例1〕
下記表1に示す各種成分を、重合性モノマー、MEK、硬化剤、表面修飾剤、及び硬化促進剤の順で混合した後、窒化ホウ素を添加した。得られた混合物を自転公転ミキサー(THINKY社製、あわとり練太郎ARE-310)で5分間処理することで組成物1を得た。なお、組成物1の最終的な固形分は、表1に記載された固形分濃度(「溶媒」欄内に記載)になるよう、MEKで調整した。
次に、アプリケーターを用いて、ポリエステルフィルム(NP-100A パナック社製、膜厚100μm)の離型面上に膜厚が約600μmになるように組成物1を塗布し、空気下で1時間放置することで塗膜1を得た。
次に、塗膜1の塗膜面を別のポリエステルフィルムで覆い、真空熱プレス(熱板温度130℃、真空度≦1kPa、圧力12MPa、処理時間5時間)で処理することで塗膜を硬化し、樹脂シートを得た。樹脂シートの両面にあるポリエステルフィルムを剥がし、表1に示す平均膜厚(実施例1では平均膜厚250μm)の熱伝導性シート1を得た。
<評価>
得られた熱伝導性シート1に対し、下記の評価を実施した。
[1]分散性評価
分散性評価は、熱伝導性シート1を用いて実施した。具体的には、熱伝導性シート1の膜厚を任意の5か所の位置において測定し、その測定ばらつきについて標準偏差を求め、下記の基準にしたがって評価した。標準偏差が小さい場合(言い換えると膜厚のばらつきが小さい場合)、窒化ホウ素が良好に分散していることを示す。一方、標準偏差が大きい場合(言い換えると膜厚のばらつきが大きい場合)、硬化物中において凝集等が発生し表面凹凸が生じていることを意味し、つまり窒化ホウ素の分散性が劣っていることを示す。
膜厚測定は、アイフェイズ社製の「アイフェイズ・モバイル1u」を用いて実施した。
(評価基準)
「A」:標準偏差が5未満
「B」:標準偏差が5以上10未満
「C」:標準偏差が10以上30未満
「D」:標準偏差が30以上
結果を表1に示す。
[2]熱伝導性評価
熱伝導性評価は、熱伝導性シート1を用いて実施した。熱伝導率の測定はレーザーフラッシュ法を用いて、水平方向(面内方向)と膜厚方向のそれぞれを測定した。
(評価基準)
「A」: 15W/m・K以上
「B」: 12W/m・K以上15W/m・K未満
「C」: 9W/m・K以上12W/m・K未満
「D」: 9W/m・K未満
[3]窒化ホウ素の配向度評価
窒化ホウ素の配向度評価は、熱伝導性シート1を用いて実施した。
具体的には、X線回折により下記式(1)により求められる値を配向度として、後述する評価基準に基づいて評価した。
式(1):I(002)/I(100)
I(002):X線回折により測定される窒化ホウ素の(002)面に由来するピーク強度
I(100):X線回折により測定される窒化ホウ素の(100)面に由来するピーク強度
(評価基準)
「A」: I(002)/I(100)の値が100以上
「B」: I(002)/I(100)の値が20以上100未満
「C」: I(002)/I(100)の値が20未満
結果を表1に示す。
〔実施例2~53、比較例1~5〕
実施例1と同様の手順により、下記表1に示す実施例及び比較例の各組成物を得た。なお、組成物の最終的な固形分は、表1に記載された固形分濃度(「溶媒」欄内に記載)になるよう、MEKで調整した。
また、得られた各組成物から熱伝導性シート2~53、及び比較用熱伝導性シート1~5を作製し、実施例1と同様の評価試験を実施した。結果を表1に示す。
以下に、表1を示す。
なお、表1において、各成分欄に記載される(数値)は、組成物中の全固形分に対する各成分の含有量(質量%)を意味する。
また、表1中に記載される「膜厚(μm)」は、熱伝導性シートの平均膜厚を意味する。
また、表1中の「重合性モノマー」欄及び「硬化剤」欄における「液晶化合物に該当するか否か」において、「A」は、液晶化合物に該当する場合を表し、「B」は、液晶化合物に該当しない場合を表す。
また、表1中の「表面修飾剤」欄における「一般式(1)に該当する場合、n個のG1のうち1つ以上が縮合多環式の芳香族炭化水素環基を表すか否か」において、「A」は、n個のG1のうち1つ以上が縮合多環式の芳香族炭化水素環基を表す場合を表し、「B」は、n個のG1がいずれも縮合多環式の芳香族炭化水素環基を表さない場合を表す。
Figure 0007064408000047
Figure 0007064408000048
Figure 0007064408000049
<実施例54>
また、表面修飾剤C-6(一般式(2)で表される化合物に該当する。)中のアルデヒド基を、ボロン酸基、ハロゲン原子、イソチオシアネート基、シアネート基、N-ヒドロキシコハク酸イミド基、スルホニルクロリド基、カルボン酸クロリド基、カーボネート基を含む1価の置換基(具体的には、*-O-CO-O-CH3)、カルボジイミド基を含む1価の置換基(具体的には、*-N=C=N-CH(CH32)、カルボン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、スルホン酸基、ニトリル基、ニトロ基、アルコキシシリル基、アルキニル基、マレイミド基、アシルアジド基、アリールハライド基、p-フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニルエステル基、イミドエステル基を含む1価の置換基、又はハロゲン化アルキル基に変更した以外は同様の構造を有する化合物を各々合成した。次いで、表面修飾剤を上記化合物に変更した以外は実施例6と同様の方法により、各組成物を調製した。得られた組成物を用いて実施例6と同様の方法により熱伝導シートを作製したところ、実施例6と同等の結果が得られた。
<実施例55>
また、表面修飾剤C-7(一般式(4)で表される化合物に該当する。)中のアルデヒド基を、ボロン酸基、ハロゲン原子、イソチオシアネート基、シアネート基、N-ヒドロキシコハク酸イミド基、スルホニルクロリド基、カルボン酸クロリド基、カーボネート基を含む1価の置換基(具体的には、*-O-CO-O-CH3)、カルボジイミド基を含む1価の置換基(具体的には、*-N=C=N-CH(CH32)、カルボン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、スルホン酸基、ニトリル基、ニトロ基、アルコキシシリル基、アルキニル基、マレイミド基、アシルアジド基、アリールハライド基、ペンタフルオロフェニルエステル基、イミドエステル基を含む1価の置換基、又はハロゲン化アルキル基に変更した以外は同様の構造を有する化合物を各々合成した。次いで、表面修飾剤を上記化合物に変更した以外は実施例7と同様の方法により、各組成物を調製した。得られた組成物を用いて実施例7と同様の方法により熱伝導シートを作製したところ、実施例7と同等の結果が得られた。
<実施例56>
また、表面修飾剤C-8(一般式(3)で表される化合物に該当する。)中のアルデヒド基を、ボロン酸基、ハロゲン原子、イソチオシアネート基、シアネート基、N-ヒドロキシコハク酸イミド基、スルホニルクロリド基、カルボン酸クロリド基、カーボネート基を含む1価の置換基(具体的には、*-O-CO-O-CH3)、カルボジイミド基を含む1価の置換基(具体的には、*-N=C=N-CH(CH32)、カルボン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、スルホン酸基、ニトリル基、ニトロ基、アルコキシシリル基、アルキニル基、マレイミド基、アシルアジド基、アリールハライド基、ペンタフルオロフェニルエステル基、イミドエステル基を含む1価の置換基、又はハロゲン化アルキル基に変更した以外は同様の構造を有する化合物を各々合成した。次いで、表面修飾剤を上記化合物に変更した以外は実施例8と同様の方法により、各組成物を調製した。得られた組成物を用いて実施例8と同様の方法により熱伝導シートを作製したところ、実施例8と同等の結果が得られた。
表1の結果から、実施例の組成物によれば、熱伝導性に優れた熱伝導シートを形成できることが明らかである。
また、表1の結果から、一般式(1)中のn個のG1のうち1つ以上が縮合多環式の芳香族炭化水素環基を表す場合、分散性により優れることが確認された。
また、重合性モノマー及び硬化剤がいずれも液晶化合物である場合、得られる熱伝導シートの水平方向(面内方向)の熱伝導性がより優れることが確認できた(実施例1、実施例11、実施例14、及び実施例17の対比、実施例3、実施例12、実施例15、及び実施例18の対比、並びに実施例5、実施例16、及び実施例19の対比)。
また、窒化ホウ素が平板状である場合、得られる熱伝導シートの水平方向(面内方向)の熱伝導性がより優れることが確認できた(実施例1~10と実施例20~29の対比)。
一方、比較例の組成物から得られる熱伝導シートは、いずれも膜厚方向の熱伝導性が所望の要求を満たさなかった。

Claims (8)

  1. 窒化ホウ素と、
    一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物、一般式(3)で表される化合物、及び一般式(4)で表される化合物からなる群より選択される1種以上の化合物と、を含む組成物。
    Figure 0007064408000050
    一般式(1)中、
    1及びQ2は、それぞれ独立に、-CH=又は窒素原子を表す。
    3は、-C(X13)=又は窒素原子を表す。
    11 は、水素原子又はアリール基を表す。X 12 は、*-(D 1 -A 1 m -D 2 -Y 1 を表す。X 13 は、水素原子を表す。D 1 は、-O-、-O-CO-、-CO-O-、又は-O-AL-O-を表す。ALは、炭素数1~10のアルキレン基を表す。D 2 は、単結合、-O-、又は-O-AL-を表す。ALは、炭素数1~10のアルキレン基を表す。1は、炭素数6以上の2価の芳香環基を表す。Y1は、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボン酸基、カルボン酸無水物基を含む1価の置換基、イソシアネート基、エポキシ基、又はオキセタニル基を表す。mは、1~3の整数を表す。
    1 は、-O-、-O-CO-、又は-CO-O-を表す。
    2 は、単結合、-O-CO-、-CO-O-、又は炭素数1~10のアルキレン基を表す。
    1は、2価の芳香族炭化水素環基を表す。n個のG のうち1つ以上が縮合多環式の芳香族炭化水素環基を表す。
    11は、アルデヒド基、ボロン酸基、ハロゲン原子、イソチオシアネート基、シアネート基、N-ヒドロキシコハク酸イミド基、スルホニルクロリド基、カルボン酸クロリド基、カーボネート基を含む1価の置換基、カルボジイミド基を含む1価の置換基、カルボン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、スルホン酸基、ニトリル基、ニトロ基、アルコキシシリル基、アルキニル基、又はマレイミド基を表す。
    nは、1~3の整数を表す。
    なお、一般式(1)中、mが2以上の整数である場合、複数個存在するA1及び複数個存在するD1、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、nが2以上の整数である場合、複数個存在するE1及び複数個存在するG1は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
    Figure 0007064408000051
    一般式(2)中、
    21 は、*-(D 1 -A 1 m -D 2 -Y 1 を表す。22 及び23は、それぞれ独立に、水素原子を表す。 1 は、-O-、-O-CO-、-CO-O-、又は-O-AL-O-を表す。ALは、炭素数1~10のアルキレン基を表す。D 2 は、単結合、-O-、又は-O-AL-を表す。ALは、炭素数1~10のアルキレン基を表す。1は、炭素数6以上の2価の芳香環基を表す。Y1は、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボン酸基、カルボン酸無水物基を含む1価の置換基、イソシアネート基、エポキシ基、又はオキセタニル基を表す。mは、1~3の整数を表す。
    21は、単結合、-O-CO-、-CO-O-、又は炭素数1~10のアルキレン基を表す。
    21は、アルデヒド基、ボロン酸基、ハロゲン原子、イソチオシアネート基、シアネート基、N-ヒドロキシコハク酸イミド基、スルホニルクロリド基、カルボン酸クロリド基、カーボネート基を含む1価の置換基、カルボジイミド基を含む1価の置換基、カルボン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、スルホン酸基、ニトリル基、ニトロ基、アルコキシシリル基、アルキニル基、又はマレイミド基を表す。
    なお、一般式(2)中、mが2以上の整数である場合、複数個存在するA1及び複数個存在するD1、互いに同一であっても異なっていてもよい。
    Figure 0007064408000052
    一般式(3)中、
    31 は、*-(D 1 -A 1 m -D 2 -Y 1 を表す。32 ~X35は、それぞれ独立に、水素原子を表す。 1 は、-O-、-O-CO-、-CO-O-、又は-O-AL-O-を表す。ALは、炭素数1~10のアルキレン基を表す。D 2 は、単結合、-O-、又は-O-AL-を表す。ALは、炭素数1~10のアルキレン基を表す。1は、炭素数6以上の2価の芳香環基を表す。Y1は、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボン酸基、カルボン酸無水物基を含む1価の置換基、イソシアネート基、エポキシ基、又はオキセタニル基を表す。mは、1~3の整数を表す。
    31は、単結合、-O-CO-、-CO-O-、又は炭素数1~10のアルキレン基を表す。
    31は、アルデヒド基、ボロン酸基、ハロゲン原子、イソチオシアネート基、シアネート基、N-ヒドロキシコハク酸イミド基、スルホニルクロリド基、カルボン酸クロリド基、カーボネート基を含む1価の置換基、カルボジイミド基を含む1価の置換基、カルボン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、スルホン酸基、ニトリル基、ニトロ基、アルコキシシリル基、アルキニル基、又はマレイミド基を表す。
    なお、一般式(3)中、mが2以上の整数である場合、複数個存在するA1及び複数個存在するD1、互いに同一であっても異なっていてもよい。
    Figure 0007064408000053
    一般式(4)中、
    41 、X 43 及びX44は、それぞれ独立に、水素原子を表す。 42 は、*-(D 1 -A 1 m -D 2 -Y 1 を表す。D 1 は、-O-、-O-CO-、-CO-O-、又は-O-AL-O-を表す。ALは、炭素数1~10のアルキレン基を表す。D 2 は、単結合、-O-、又は-O-AL-を表す。ALは、炭素数1~10のアルキレン基を表す。1は、炭素数6以上の2価の芳香環基を表す。Y1は、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボン酸基、カルボン酸無水物基を含む1価の置換基、イソシアネート基、エポキシ基、又はオキセタニル基を表す。mは、1~3の整数を表す。
    41は、単結合、-O-CO-、-CO-O-、又は炭素数1~10のアルキレン基を表す。
    41は、アルデヒド基、ボロン酸基、ハロゲン原子、イソチオシアネート基、シアネート基、N-ヒドロキシコハク酸イミド基、スルホニルクロリド基、カルボン酸クロリド基、カーボネート基を含む1価の置換基、カルボジイミド基を含む1価の置換基、カルボン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、スルホン酸基、ニトリル基、ニトロ基、アルコキシシリル基、アルキニル基、又はマレイミド基を表す。
    なお、一般式(4)中、mが2以上の整数である場合、複数個存在するA1及び複数個存在するD1、互いに同一であっても異なっていてもよい。
  2. 更に、重合性モノマーを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記重合性モノマーが液晶性を示す、請求項に記載の組成物。
  4. 前記重合性モノマーが円盤状液晶化合物である、請求項又はに記載の組成物。
  5. 前記窒化ホウ素が平板状である、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 更に、硬化剤を含み、
    前記硬化剤が、活性水素含有官能基を有する円盤状液晶化合物を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載の組成物を硬化して形成される熱伝導シートであり、
    下記式(1)を満たす、熱伝導シート。
    式(1):I(002)/I(100)≧20
    I(002):X線回折により測定される窒化ホウ素の(002)面に由来するピーク強度
    I(100):X線回折により測定される窒化ホウ素の(100)面に由来するピーク強度
  8. デバイスと、前記デバイス上に配置された請求項に記載の熱伝導シートを含む熱伝導層とを有する、熱伝導層付きデバイス。
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