以下、パチンコ遊技機の一実施形態を説明する。本明細書において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、枠体11を備えている。枠体11は、パチンコ遊技機10の機体を遊技場などの島設備(遊技機設置設備)へ固定するための外枠(固定枠)11aと、各種の部品(遊技用構成部材)を搭載する搭載枠11bと、を備えている。搭載枠11bは、外枠11aの開口前面側に開放及び着脱自在に組み付けられている。搭載枠はさらに複数の枠体を組み合わせて構成されていてもよい。パチンコ遊技機10は、施錠装置SSを備えている。パチンコ遊技機10では、常には施錠装置SSによって搭載枠11bの開放が規制されており、遊技場の管理者が管理する枠キー(鍵)を用いて施錠装置SSを操作することで解錠されて搭載枠11bを開放させることができる。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備えている。遊技盤YBは、枠体11に搭載されている。遊技盤YBは、その前面側に、遊技球が流下する遊技領域YBaを備えている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備えている。発射ハンドルHDは、遊技媒体としての遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される。
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備えている。装飾ランプLAは、演出の1つとして、図示しない発光体を発光、点滅、及び消灯する演出(以下、「発光演出」と示す)を実行可能である。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備えている。スピーカSPは、演出の1つとして、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力する演出(以下、「音声演出」と示す)を実行可能である。
パチンコ遊技機10は、所定の情報を表示可能な情報表示装置13を備えている。例えば、情報表示装置13は、遊技盤YBにおいて、遊技者が視認可能な位置に設けられている。
情報表示装置13は、第1特別図柄表示部13aを備えている。第1特別図柄表示部13aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させる図柄変動ゲームとしての第1特別図柄変動ゲームを実行可能である。情報表示装置13は、第2特別図柄表示部13bを備えている。第2特別図柄表示部13bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させる図柄変動ゲームとしての第2特別図柄変動ゲームを実行可能である。第1特別図柄、及び第2特別図柄は、内部抽選(後述する特別図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。
以下の説明では、第1特別図柄変動ゲームを略して「第1特別ゲーム」と示し、第2特別図柄変動ゲームを略して「第2特別ゲーム」と示す。また、第1特別ゲームと、第2特別ゲームと、を総称して「特別ゲーム」と示す。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味している。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味している。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。
特別図柄表示部13a,13bにおいて導出可能な特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、小当り表示結果としての小当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄とが少なくともある。本実施形態において、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に実行されない。本実施形態において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに優先して実行される。本実施形態では、特別図柄の当り抽選において大当りに当選した場合、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出され、当該特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。以下の説明では、特別図柄の当り抽選において当選する大当りを「図柄当り」と示す場合があるとともに、特別図柄の当り抽選において大当りに当選した場合に付与される大当り遊技を、「図柄当りに基づく大当り遊技」と示す場合がある。本実施形態において、図柄当りに基づく大当り遊技は、当り抽選において大当りに当選したときに付与される第1大当り遊技に相当する。また、本実施形態では、特別図柄の当り抽選において小当りに当選した場合、特別ゲームにおいて小当り図柄が導出され、当該特別ゲームの終了後、小当り遊技が付与される。
情報表示装置13は、第1特別保留表示部13cを備えている。第1特別保留表示部13cは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。情報表示装置13は、第2特別保留表示部13dを備えている。第2特別保留表示部13dは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第1特別ゲームの回数を「第1特別保留数」と示し、保留中の第2特別ゲームの回数を「第2特別保留数」と示す。例えば、第1特別保留数、及び第2特別保留数の最大値は、それぞれ4である。
情報表示装置13は、普通図柄表示部13eを備えている。普通図柄表示部13eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を確定停止表示させる普通図柄変動ゲームを実行可能である。普通図柄は、内部抽選(後述する普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下の説明では、普通図柄変動ゲームを略して「普通ゲーム」と示す場合がある。普通図柄表示部13eに導出可能な普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄とがある。本実施形態では、普通図柄の当り抽選に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。
情報表示装置13は、普通保留表示部13fを備えている。普通保留表示部13fは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の普通ゲームの回数を「普通保留数」と示す。例えば、普通保留数の最大値は2である。なお、表示部13a~13fは、1つの表示装置に設けられている必要はなく、異なる部分に設けられていてもよい。また、情報表示装置13は、所謂「右打ち」を指示する情報を表示する右打ち表示部や、後述するラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部を備えていてもよい。
パチンコ遊技機10は、画像表示部GHを有する演出表示装置EHを備えている。演出表示装置EHは、正面から見たときに、画像表示部GHが視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。例えば、画像表示部GHは、液晶パネルや、有機ELパネルである。演出表示装置EHは、演出の1つとして、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、「表示演出」と示す)を実行可能である。
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、複数種類の演出図柄(所謂「飾り図柄」)を複数列(本実施形態では3列)で変動させて表示する演出図柄変動ゲームが行われる。以下の説明では、演出図柄変動ゲームを略して「演出ゲーム」と示す。
演出ゲームは、特別ゲームに関連して実行される。具体的に、演出ゲームは、特別ゲームの開始に伴って開始され、特別ゲームの終了に伴って終了される。演出ゲームでは、特別ゲームにおいて導出された特別図柄に応じた図柄組み合わせが導出される。特別ゲームにおいて大当り図柄が導出される場合には、演出ゲームにおいて大当りの図柄組み合わせが導出される。また、特別ゲームにおいて小当り図柄が導出される場合には、演出ゲームにおいて小当りの図柄組み合わせが導出される。そして、特別ゲームにおいてはずれ図柄が導出される場合には、演出ゲームにおいてはずれの図柄組み合わせが導出される。
演出ゲームにおいて、演出図柄は、確定停止表示される前に一旦停止表示されてもよい。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームに関連して実行される演出ゲームとを区別しない場合、これらを総称して「変動ゲーム」と示す。
パチンコ遊技機10は、遊技球が入球可能な始動口としての第1始動口15を備えている。第1始動口15は、常に遊技球を入球させることができるように遊技領域YBaに開口している。パチンコ遊技機10は、第1始動口15へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備えている(図9に示す)。本実施形態では、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技球が入球可能な始動口としての第2始動口16を備えている。パチンコ遊技機10は、第2始動口16へ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備えている(図9に示す)。本実施形態では、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動口16へ入球可能な開状態(許容状態)と、遊技球が第2始動口16へ入球不能な閉状態(規制状態)と、に動作可能な普通可変部材17を備えている。閉状態は、遊技球が第2始動口16へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。言い換えれば、本実施形態において、閉状態は、第2始動口16へ遊技球を誘導しない状態であり、開状態は、第2始動口16へ遊技球を誘導する状態である。本実施形態において、普通可変部材17は、誘導手段に相当する。また、本実施形態において、閉状態は、第1状態に相当し、開状態は、第2状態に相当する。パチンコ遊技機10は、普通可変部材17を動作させるアクチュエータとして、第1ソレノイドSL1を備えている(図9に示す)。普通可変部材17は、普通当り遊技において、開状態に動作される。したがって、普通当り遊技は、遊技者が第2特別ゲームの保留条件を成立させ易くなることから、遊技者にとって有利な状態である。
パチンコ遊技機10は、遊技球が入球可能な大入賞口としての第1大入賞口18を備えている。パチンコ遊技機10は、第1大入賞口18へ入球した遊技球を検知する第1カウントセンサSE3を備えている(図9に示す)。本実施形態では、遊技球が第1カウントセンサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技球が第1大入賞口18へ入球可能な開状態(許容状態)と、遊技球が第1大入賞口18へ入球不能な閉状態(規制状態)と、に動作可能な第1特別可変部材19を備えている。閉状態は、遊技球が第1大入賞口18へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、第1特別可変部材19を動作させるアクチュエータとして、第2ソレノイドSL2を備えている(図9に示す)。第1特別可変部材19は、予め定めた開放条件が成立すると開状態に動作する。
図2に示すように、第1大入賞口18の奥方には、第1大入賞口18に入球した遊技球が通過可能な通路26が設けられている。通路26は、第1大入賞口18の下流である分岐部27において、第1通路26aと第2通路26bとに分岐するように設けられている。
分岐部27には、第4ソレノイドSL4(図9に示す)の作動により、第1大入賞口18に入球した遊技球を第1通路26a又は第2通路26bに振り分ける振分シャッタ28が設けられている。振分シャッタ28は、第1大入賞口18に入球した遊技球を第1通路26aに振り分ける第1状態と、第2通路26bに振り分ける第2状態とを取り得るように動作する。振分シャッタ28は、予め定めた動作条件が成立すると、所定の動作パターンで動作(制御)する。
第1通路26aには、第1通路26aを通過(流入)した遊技球を検知する検出手段としての特定通過センサSE5が設けられている。即ち、特定通過センサSE5は、第1大入賞口18に入球した遊技球を検出可能である。詳しくは後述するが、本実施形態では、小当り遊技において第1大入賞口18が開放され、該第1大入賞口18に入球させた遊技球を第1通路26aを通過させるという役物ゲーム(所謂、「2種ゲーム」)が行われる。そして、役物ゲームにおいて第1通路26aを遊技球が通過したことを契機として大当りとなり、大当り遊技が付与される。本実施形態において、第1大入賞口18に入球した遊技球を第1通路26a及び第2通路26bの何れかに振り分けることは、役物の当り抽選としても把握できる。この場合、第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26aに振り分けられることが、役物の当り抽選において大当りに当選することに相当する。以下の説明では、役物の当り抽選において当選する大当りを「役物当り」と示す場合があるとともに、役物の当り抽選において大当りに当選した場合に付与される大当り遊技を「役物当りに基づく大当り遊技」と示す場合がある。つまり、本実施形態におけるパチンコ遊技機は、図柄当りに基づく大当り遊技と役物当りに基づく大当り遊技とが付与可能な遊技機(所謂、「1種2種混合機」)である。本実施形態において、役物当りに基づく大当り遊技は、遊技球が検出手段により検出されたときに付与される第2大当り遊技に相当する。
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技球が入球可能な大入賞口としての第2大入賞口20を備えている。パチンコ遊技機10は、第2大入賞口20へ入球した遊技球を検知する第2カウントセンサSE4を備えている(図9に示す)。本実施形態では、遊技球が第2カウントセンサSE4によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技球が第2大入賞口20へ入球可能な開状態(許容状態)と、遊技球が第2大入賞口20へ入球不能な閉状態(規制状態)と、に動作可能な第2特別可変部材21を備えている。閉状態は、遊技球が第2大入賞口20へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、第2特別可変部材21を動作させるアクチュエータとして、第3ソレノイドSL3を備えている(図9に示す)。第2特別可変部材21は、予め定めた開放条件が成立すると開状態に動作する。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに、遊技球が通過(入球)可能なゲート25を備えている。ゲート25は、ゲート25を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE6を備えている(図9に示す)。本実施形態では、遊技球がゲートセンサSE6によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方で、賞球の払出条件が成立しない。
パチンコ遊技機10は、図示しないアウト口を備えている。例えば、アウト口は、遊技領域YBaの下端部において、遊技領域YBaに開口している。なお、パチンコ遊技機10は、釘(遊技釘)や風車など、遊技領域YBaを流下する遊技球の挙動に変化を与える遊技構成部材を備えている。
次に、本実施形態において、遊技球が流下する経路について説明する。
上記のように構成されたパチンコ遊技機10は、遊技領域YBaにおいて遊技球が流下する経路として、遊技球の発射強度に応じた複数通りの経路を有している。遊技球が流下する経路は、遊技球が流下する領域として把握することもできる。複数通りの経路には、演出表示装置EHの左側を通ってアウト口へと至る第1経路R1と、演出表示装置EHの右側を通ってアウト口へと至る第2経路R2と、がある。第1経路R1と第2経路R2は、一部が重複してもよく、全部が重複していなくてもよい。以下の説明では、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaを左右に二等分する中心線よりも左側に位置する領域を左側領域と示し、中心線よりも右側に位置する領域を右側領域と示す。左側領域を流下する経路は第1経路R1に相当し、右側領域を流下する経路は第2経路R2に相当する。
遊技者は、発射ハンドルHDを操作して遊技球の発射強度を調整することで、左側領域及び右側領域に遊技球を打ち分け、第1始動口15や第2始動口16、第1大入賞口18、第2大入賞口20、ゲート25へ遊技球を入球させることが可能となる。本実施形態において、第1経路R1上(左側領域)には、第1始動口15が配設されており、第2経路R2上(右側領域)には、第2始動口16、第1大入賞口18、第2大入賞口20、及びゲート25が配設されている。
そして、本実施形態では、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合(所謂、左打ち)、遊技球が左側領域を流下し易く、第1始動口15へ入球する可能性がある。一方、本実施形態では、発射強度を強めに調整して遊技球を発射させた場合(所謂、右打ち)、遊技球が右側領域を流下し易く、第2始動口16や第1大入賞口18、第2大入賞口20、ゲート25へ入球する可能性がある。
以下の説明では、遊技球の発射強度のうち遊技球が第1経路R1上を流下するように発射される発射強度を第1発射強度と示し、第1発射強度で遊技球を発射することを「左打ち」と示す場合がある。また、遊技球の発射強度のうち遊技球が第2経路R2上を流下するように発射される発射強度を第2発射強度と示し、第2発射強度で遊技球を発射することを「右打ち」と示す場合がある。
図3に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、主制御ユニットMUと、副制御ユニットSUと、電源ユニット60とを備えている(副制御ユニットSUのみ図9に示す)。ここでは、主制御ユニットMUの構造について詳しく説明し、各ユニットMU,SU,60を含むパチンコ遊技機10の電気的構成については後述する。
主制御ユニットMUは、主制御基板40を備えている。主制御基板40は、例えばプリント基板であり、各種の電子部品が表面実装されている。主制御基板40は、マイクロプロセッサ41、RWMクリアスイッチ42、設定器43、及び表示器45を備えている。即ち、マイクロプロセッサ41、RWMクリアスイッチ42、設定器43、及び表示器45は、同一基板に実装されている。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。バックアップ機能は、外部電源からの電力供給が停止した場合でも遊技制御に関する各種情報を内部的に保持(バックアップ)しておき、電力供給が開始されたときに、保持している各種情報に基づいて遊技制御を復帰する機能である。RWMクリアスイッチ42は、バックアップされている各種情報の初期化を指示する操作を可能に構成された初期化操作手段である。RWMクリアスイッチ42は、押し込み操作をしたときにはオン状態となる一方、押し込み操作をしていないときにはオフ状態となるように構成されている。RWMクリアスイッチ42の操作は、例えば遊技場の管理者による人的操作である。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、設定変更機能を搭載している。設定変更機能は、特別図柄の当り抽選において大当りに当選する確率(以下、大当り確率と示す)を定めた設定値を変更して設定可能とする機能である。設定器43は、設定値に関する制御を行う設定制御状態としての設定制御モードへの移行を指示する操作を可能に構成された設定操作手段である。設定器43は、主制御基板40に固定された基端部43cと、図示しない設定キー(鍵)を挿し込む鍵穴43aを有する円柱状のシリンダ43bと、を備えている。鍵穴43aは、シリンダ43bの先端面に開口している。設定器43は、設定キーを鍵穴43aに挿し込んだ状態で所定方向へ回動させたオン状態と、前記所定方向へ回動させていないオフ状態のうち、何れかの操作状態(指示状態)に切り替える操作を可能に構成されている。そして、設定器43は、設定キーを用いた切り替え後の操作状態(オン状態又はオフ状態)を、人的操作なしに戻ることなく、そのまま維持するように構成されている。なお、設定器43は、オフ状態に切り替えた操作状態でなければ、鍵穴43aから設定キーを抜くことができないように構成されている。
表示器45は、1種類又は複数種類の情報を表示可能に構成された表示手段である。本実施形態の表示器45では、少なくともその時点において内部的に設定されている設定値を報知する表示を行う。表示器45は、7セグメントLEDを含む4つの表示部45a~45dを備えている。表示部45a~45dは、横並びに配置されている。したがって、表示器45は、表示部45a~45dにおいてそれぞれ16進法で0~Fの数値(10進法で0~15)の数値を表示することで、最大で4桁の数値を表示可能である。なお、表示部45a~45dは、所謂「ドット」を示すセグメントを加えた8セグメントLEDであってもよい。
既に説明した通り、本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技場の管理者が管理する枠キーを用いて施錠装置SSを操作しなければ、搭載枠11bを開放することができない。即ち、施錠装置SSを操作することができない遊技者は、原則として搭載枠11bを開放することができない。このため、主制御基板40に搭載されたRWMクリアスイッチ42、及び設定器43は、原則として遊技者が操作できない。また、主制御基板40に搭載された表示器45は、遊技者の目には触れない位置に配置されているといえる。
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、遊技球の発射個数に対する賞球個数の割合が異なる遊技状態として、低ベース状態と高ベース状態とを備えている。本実施形態の高ベース状態は、低ベース状態に比して、遊技球が第2始動口16に入球する確率が高い遊技状態である。本実施形態の高ベース状態は、遊技球が第2始動口16に入球する確率が高まり、第2始動口16の遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な遊技状態(入球容易状態)となる。言い換えれば、高ベース状態は、遊技球が第2始動口16に入球可能な遊技状態であり、低ベース状態は、高ベース状態と比較して遊技球が第2始動口16に入球し難い遊技状態である。即ち、本実施形態における高ベース状態は、所謂「電サポ状態」であり、低ベース状態は、所謂「非電サポ状態」である。本実施形態において、低ベース状態は、第1遊技状態に相当し、高ベース状態は、第2遊技状態に相当する。
例えば、高ベース状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。
第1の制御は、普通ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。なお、変動時間短縮制御においては、高ベース状態における普通ゲームの変動時間の平均を、低ベース状態における普通ゲームの変動時間の平均よりも短くなっていればよく、高ベース状態において、低ベース状態における普通ゲームの変動時間よりも長い変動時間で普通ゲームが実行される場合があってもよい。
第2の制御は、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率(普通当り確率)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。なお、普通図柄の確率変動制御において、低ベース状態における普通当り確率は0(零)としてもよいし、高ベース状態における普通当り確率は1としてもよい。即ち、低ベース状態においては普通当りに当選しないようにしてもよいし、高ベース状態においては必ず普通当りに当選するようにしてもよい。
第3の制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の開放回数を、低ベース状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における普通可変部材17の1回の開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
なお、本実施形態において、低ベース状態における普通当り確率は0(零)である。このため、本実施形態において、低ベース状態では、普通当りに当選しないことから、普通当り遊技が付与されず、普通可変部材17が開状態に制御されない。ただし、普通当り遊技中に遊技状態が高ベース状態から低ベース状態に移行したときにはこの限りではなく、低ベース状態中に普通可変部材17が開状態に制御されることもあり得る。一方で、本実施形態において、高ベース状態における普通当り確率は0よりも大きい確率である。このため、本実施形態において、高ベース状態では、普通当りに当選して普通当り遊技が付与され、普通可変部材17が開状態に制御されることがある。
また、高ベース状態は、次に説明する第4の制御を組み合わせて実現してもよい。第4の制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低ベース状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高ベース状態は、特別図柄についての、所謂「変動時間短縮状態(時短状態)」となる。これに対して、低ベース状態は、特別図柄についての、所謂「非変動時間短縮状態(非時短状態)」となる。
次に、本実施形態における小当り遊技について説明する。
小当り遊技は、小当り図柄が導出された特別ゲームの終了後に開始される。なお、本実施形態において、小当り図柄は、第2始動口16に遊技球が入球したことを契機として実行される第2特別ゲームにおいて導出される場合がある一方で、第1始動口15に遊技球が入球したことを契機として実行される第1特別ゲームにおいては導出されない。したがって、本実施形態では、第1始動口15への遊技球の入球を契機としては小当り遊技が付与されない一方で、第2始動口16への遊技球の入球を契機として小当り遊技が付与され得る。
小当り遊技では最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、小当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。本実施形態の小当り遊技では、オープニング時間の経過後に、第1大入賞口18が開放される。そして、小当り遊技では、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1小当り終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2小当り終了条件が成立すると、第1大入賞口18が閉鎖される。即ち、本実施形態において、第1特別可変部材19は、小当り遊技において、オープニング時間が経過したことを契機として開状態に動作し、第1小当り終了条件又は第2小当り終了条件の成立を契機として閉状態に動作する。その後、小当り遊技では、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、小当り遊技の終了を認識可能な終了演出としてのエンディング演出である。小当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。本実施形態において、小当り遊技は、第1大入賞口18を開放する特殊遊技に相当する。
次に、本実施形態における大当り遊技について説明する。なお、以下の説明では、単に「大当り遊技」と示す場合、「図柄当りに基づく大当り遊技」と「役物当りに基づく大当り遊技」の両方を含むことを意図している。
図柄当りに基づく大当り遊技は、大当り図柄が導出された特別ゲームの終了後に開始される。また、役物当りに基づく大当り遊技は、遊技球が第1通路26aを通過した小当り遊技の終了後に開始される。本実施形態において、大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能な開始演出としてのオープニング演出である。本実施形態の大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、第2大入賞口20を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1ラウンド終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2ラウンド終了条件が成立することによって終了される。ラウンド遊技において、第2大入賞口20は、所定の開放態様となるように開放される。具体的に、本実施形態において、第2大入賞口20は、ラウンド遊技の開始を契機として開放され、ラウンド遊技の終了を契機として閉鎖される。即ち、本実施形態において、第2特別可変部材21は、ラウンド遊技の開始を契機として開状態に動作し、ラウンド遊技の終了を契機として閉状態に動作する。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能な終了演出としてのエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
次に、本実施形態における当り(大当り及び小当り)について説明する。
図4に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当り遊技の種類が定められている。大当り図柄の種類は、大当りの種類としても把握できる。
本実施形態において、第1特別図柄の大当り図柄及び第2特別図柄の大当り図柄には、それぞれ予め定めた複数種類の大当り図柄がある。本実施形態において、複数種類の特別図柄の大当り図柄は、予め定めた比率で、図柄ZA、図柄ZB、図柄Za、及び図柄Zbの4つのグループに分類されている。具体的に、本実施形態では、100種類の第1特別図柄の大当り図柄のうち、50種類の大当り図柄が図柄ZAに、50種類の大当り図柄が図柄ZBに、それぞれ分類されている。また、本実施形態では、100種類の第2特別図柄の大当り図柄のうち、10種類の大当り図柄が図柄Zaに、90種類の大当り図柄が図柄Zbに、それぞれ分類されている。
以下の説明では、図柄ZAに分類される大当り図柄に基づく大当りを「大当りZA」、図柄ZBに分類される大当り図柄に基づく大当りを「大当りZB」、図柄Zaに分類される大当り図柄に基づく大当りを「大当りZa」、図柄Zbに分類される大当り図柄に基づく大当りを「大当りZb」と示す。
本実施形態において、大当りZA,ZBに基づく大当り遊技では、オープニング時間及びエンディング時間としてそれぞれ10秒が定められており、大当りZa,Zbに基づく大当り遊技では、オープニング時間及びエンディング時間としてそれぞれ0.1秒が定められている。また、本実施形態において、大当りZA,ZBに基づく大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として10回が定められており、大当りZa,Zbに基づく大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として2回が定められている。さらに、本実施形態において、大当りZA,ZBに基づく大当り遊技では、各ラウンド遊技の上限時間として25秒が定められている。そして、本実施形態において、大当りZa,Zbに基づく大当り遊技では、各ラウンド遊技の上限時間として1.8秒が定められている。
本実施形態において、図柄当りに基づく大当り遊技の終了後には、高ベース状態が付与される場合がある。具体的に、大当りZA,Zaに基づく大当り遊技の終了後には、予め定められた作動回数(本実施形態では100回)の特別ゲームが終了するまでを上限として高ベース状態が付与される。また、大当りZB,Zbに基づく大当り遊技の終了後には、高ベース状態が付与されない。言い換えれば、大当りZB,Zbに基づく大当り遊技の終了後には、低ベース状態に制御される。即ち、本実施形態において、図柄当りに基づく大当り遊技には、大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御される特定大当り遊技と、大当り遊技の終了後に低ベース状態に制御される非特定大当り遊技と、を含む。
本実施形態では、100種類の第1特別図柄の大当り図柄のうち、50種類の大当り図柄(図柄ZA)が特定大当り遊技を付与する大当り図柄であり、残りの50種類の大当り図柄(図柄ZB)が非特定大当り遊技を付与する大当り図柄である。一方で、100種類の第2特別図柄の大当り図柄のうち、10種類の大当り図柄(図柄Za)が特定大当り遊技を付与する大当り図柄であり、残りの90種類の大当り図柄(図柄Zc)が非特定大当り遊技を付与する大当り図柄である。このため、第1始動口15への遊技球の入球を契機に図柄当りに基づく大当り遊技が付与された場合の全体に占める、大当り遊技の終了後に高ベース状態が付与される割合は、第2始動口16への遊技球の入球を契機に図柄当りに基づく大当り遊技が付与された場合の全体に占める、大当り遊技の終了後に高ベース状態が付与される割合よりも大きい。
また、図5に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の小当り図柄として、複数種類の小当り図柄を備えている。複数種類の小当り図柄には、それぞれ小当り遊技の種類が定められている。小当り図柄の種類は、小当りの種類としても把握できる。
図5(a)に示すように、本実施形態において、第2特別図柄の小当り図柄には、予め定めた複数種類の小当り図柄がある。本実施形態において、複数種類の特別図柄の小当り図柄は、予め定めた比率で、図柄Zc、及び図柄Zdの2つのグループに分類されている。具体的に、本実施形態では、100種類の第2特別図柄の小当り図柄のうち、35種類の小当り図柄が図柄Zcに、65種類の大当り図柄が図柄Zdに、それぞれ分類されている。なお、本実施形態において、第1特別図柄には、小当り図柄が含まれていない。即ち、本実施形態では、第1特別ゲームにおいて小当り図柄が導出されることはない。以下の説明では、図柄Zcに分類される小当り図柄に基づく小当りを「小当りZc」、図柄Zdに分類される小当り図柄に基づく小当りを「小当りZd」と示す。
本実施形態において、小当りZcに基づく小当り遊技では、オープニング時間として0.01秒が、第1大入賞口18の開放時間として1秒が、エンディング時間として0.01秒がそれぞれ定められている。また、小当りZdに基づく大当り遊技では、オープニング時間として2秒が、第1大入賞口18の開放時間として1.8秒が、エンディング時間として0.01秒がそれぞれ定められている。
また、図5(b)に示すように、小当り遊技では、一定の動作パターンで振分シャッタ28が動作する。この一定の動作パターンにおいて、振分シャッタ28は、小当り遊技が開始されると、第1通路26aに遊技球を振り分ける第1状態に動作し、0.01秒の間、第1状態を維持した後に、第2通路26bに遊技球を振り分ける第2状態に動作し、1.99秒の間、第2状態を維持する。次に、振分シャッタ28は、第1状態に動作し、1.8秒の間、第1状態を維持した後、第2状態に動作し、それ以降、第2状態を維持する。以下の説明では、上記した動作パターンに基づく振分シャッタ28の動作のうち、0.01秒の間第1状態を維持する動作を1回目の振分動作と示す場合があるとともに、1.8秒の間第1状態を維持する動作を2回目の振分動作と示す場合がある。なお、振分シャッタ28は、上記した動作パターンに基づく動作中に小当り遊技が終了した場合、動作パターンに基づく動作を終了し、第2状態に動作する。
上述したように、本実施形態において、小当りZcに基づく小当り遊技では、0.01秒のオープニング時間の後に第1大入賞口18が開放される。このため、小当りZcに基づく小当り遊技において第1大入賞口18が開放されるときには、振分シャッタ28の1回目の振分動作が終了していることとなる。また、小当りZcに基づく小当り遊技は、最長でも1.02秒で終了する。このため、小当りZcに基づく小当り遊技は、振分シャッタ28の2回目の振分動作が行われる前に終了する。したがって、小当りZcに基づく小当り遊技において第1大入賞口18に入球した遊技球は、第2通路26bに振り分けられることとなる。言い換えれば、小当りZcに基づく小当り遊技では、実質的に、第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26aを通過不可能である。
また、本実施形態において、小当りZdに基づく小当り遊技では、2秒のオープニング時間の後に第1大入賞口18が開放される。このため、小当りZdに基づく小当り遊技において第1大入賞口18が開放されるときには、振分シャッタ28の2回目の振分動作が開始されることとなる。その後、小当りZdに基づく小当り遊技では、1.8秒にわたって振分シャッタ28が第1状態に維持されるとともに、1.8秒を上限時間として第1大入賞口18が開放される。したがって、小当りZdに基づく小当り遊技において第1大入賞口18に入球した遊技球は、第1通路26a及び第2通路26bの何れにも振り分けられる場合がある。言い換えれば、小当りZdに基づく小当り遊技では、第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26aを通過可能である。
そして、本実施形態では、小当り遊技において遊技球が第1通路26aを通過し、特定通過センサSE5で検知された場合に大当り(役物当り)となり、該小当り遊技の終了後に役物当りに基づく大当り遊技が付与される。以下の説明では、小当りZcに基づく小当り遊技において遊技球が第1通路26aを通過した場合に付与される大当り遊技を「小当りZcに基づく大当り遊技」と示す場合があるとともに、小当りZdに基づく小当り遊技において遊技球が第1通路26aを通過した場合に付与される大当り遊技を「小当りZdに基づく大当り遊技」と示す場合がある。本実施形態において、小当りに基づく大当り遊技は、役物当りに基づく大当り遊技である。
図5(c)に示すように、本実施形態において、小当りZcに基づく大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として2回が定められており、小当りZdに基づく大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として9回が定められている。また、本実施形態において、小当りZc,Zdに基づく大当り遊技では、オープニング時間及びエンディング時間として10秒が定められている。さらに、本実施形態において、小当りZcに基づく大当り遊技では、各ラウンド遊技の上限時間として1.8秒が定められている。そして、本実施形態において、小当りZdに基づく大当り遊技では、各ラウンド遊技の上限時間として25秒が定められている。
また、本実施形態において、役物当りに基づく大当り遊技の終了後には、高ベース状態が付与される。具体的に、小当りZc,Zdに基づく大当り遊技の終了後には、予め定められた作動回数の特別ゲームが終了するまでを上限として高ベース状態が付与される。即ち、本実施形態において、役物当りに基づく大当り遊技には、大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御される特定大当り遊技を含む一方で、大当り遊技の終了後に低ベース状態に制御される非特定大当り遊技を含まない。
以上のように、本実施形態において、図柄当りに基づく大当り遊技には、大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御される特定大当り遊技と、大当り遊技の終了後に低ベース状態に制御される非特定大当り遊技と、を含む一方で、役物当りに基づく大当り遊技には、特定大当り遊技を含み、非特定大当り遊技を含まない。このため、本実施形態において、図柄当りに基づく大当り遊技の全体に占める非特定大当り遊技の割合は、役物当りに基づく大当り遊技の全体に占める非特定大当り遊技の割合よりも大きい。
次に、本実施形態に特徴的な設定変更機能について説明する。
図6に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、複数種類の設定値として、特別図柄の当り抽選における大当り確率を設定可能である。具体的に言えば、本実施形態のパチンコ遊技機10は、複数種類の設定値として第1設定値から第6設定値までの全6段階にわたって特別図柄の当り抽選における大当り確率を設定可能である。以下の説明では、「第n設定値が設定されている」ことを、単に[設定n]と示す場合がある(但し、n=1~6)。また、以下の説明では、特別図柄の当り抽選における大当り確率を、単に「特別ゲームの大当り確率」と示す場合がある。なお、設定値は、6段階である必要はなく、2段階から5段階、及び7段階以上のうち何れであってもよい。
設定1の特別ゲームの大当り確率はPo1であり、設定2の特別ゲームの大当り確率はPo2であり、設定3の特別ゲームの大当り確率はPo3であり、設定4の特別ゲームの大当り確率はPo4であり、設定5の特別ゲームの大当り確率はPo5であり、設定6の特別ゲームの大当り確率はPo6である。特別ゲームの大当り確率Po1~Po6は、特別ゲームの大当り確率Po1<Po2<Po3<Po4<Po5<Po6の順に高確率であり、大当りに当選し易くなっている。以上のように、本実施形態において、特別ゲームの大当り確率は、設定されている設定値に応じて異なる。即ち、本実施形態において、図柄当りに基づく大当り遊技が付与される確率は、設定されている設定値に応じて異なる。
ここで、特別ゲームの大当り確率は、何れの設定値であっても、第1始動口15に遊技球が入球したことを契機として特別図柄の当り抽選が行われる場合と、第2始動口16に遊技球が入球したことを契機として特別図柄の当り抽選が行われる場合とで同一である。そして、特別ゲームの大当り確率は、第1始動口15に遊技球が入球したことを契機として特別図柄の当り抽選が行われる場合と、第2始動口16に遊技球が入球したことを契機として特別図柄の当り抽選が行われる場合と、の何れであっても、設定されている設定値に応じて異なる。即ち、本実施形態において、第1特別ゲームに基づく大当りとなる確率は、設定されている設定値に応じて異なるとともに、第2特別ゲームに基づく大当りとなる確率は、設定されている設定値に応じて異なる。
また、本実施形態において、特別図柄の当り抽選において小当りに当選する確率(以下、小当り確率と示す)は、何れの設定値が設定されている場合であっても同一である。一方で、本実施形態において、特別図柄の当り抽選における小当り確率は、第1始動口15に遊技球が入球したことを契機として特別図柄の当り抽選が行われる場合と、第2始動口16に遊技球が入球したことを契機として特別図柄の当り抽選が行われる場合と、で異なる。即ち、本実施形態では、第1特別ゲームにおける小当り確率と、第2特別ゲームにおける小当り確率とが異なる。本実施形態において、第2特別ゲームにおける小当り確率は、第1特別ゲームにおける小当り確率よりも高い。具体的に、第2特別ゲームにおける小当り確率は、何れの設定値が設定されている場合であってもPk1である一方で、第1特別ゲームにおける小当り確率は、何れの設定値が設定されている場合であっても0(零)である。即ち、本実施形態において、第2始動口16に遊技球が入球した場合には、小当りに当選可能であり、小当り遊技が付与され得る一方で、第1始動口15に遊技球が入球した場合には、小当りに当選せず、小当り遊技が付与されない。なお、本実施形態において、第2特別ゲームにおける小当り確率Pk1は、特別ゲームにおける大当り確率Po1~Po6よりも高く設定されている。
また、本実施形態において、普通当り確率は、何れの設定値が設定されている場合であっても同一である。一方で、本実施形態において、普通当り確率は、低ベース状態である場合と、高ベース状態である場合と、で異なる。具体的に、本実施形態において、低ベース状態における普通当り確率は0(零)であり、高ベース状態における普通当り確率はPf1である。つまり、本実施形態において、高ベース状態における普通当り確率は、低ベース状態における普通当り確率よりも高い。
また、図示しないが、本実施形態において、大当り遊技の終了後に制御される遊技状態は、大当りの種類に応じて異なる一方で、何れの設定値が設定されている場合であっても同一である。即ち、所定の大当り遊技の終了後に何れの遊技状態に制御されるかは、設定されている設定値が何れの設定値であっても同一である。さらに、図示しないが、本実施形態において、大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御される場合の作動回数は、何れの設定値が設定されている場合であっても同一である。即ち、大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御される場合において、高ベース状態が継続する上限期間は、設定されている設定値が何れの設定値であっても同一である。
また、図示しないが、本実施形態において、小当りとなった場合の小当り図柄(小当りの種類)の決定割合、小当り遊技における第1大入賞口18の開放時間、及び小当り遊技における振分シャッタ28の動作パターンは、設定されている設定値が何れの設定値であっても同一である。このため、本実施形態において、役物ゲームの大当り確率は、何れの設定値が設定されている場合であっても同一である。即ち、本実施形態において、役物当りに基づく大当り遊技が付与される確率は、設定されている設定値が何れの設定値であっても同一である。
図7に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、設定器43をオン状態に操作した状態であって、且つRWMクリアスイッチ42をオン状態に操作した状態にて電源投入されると、設定変更モードへ移行する。設定変更モードでは、内部的に設定されている設定値が報知される。また、設定変更モードでは、設定スイッチの操作毎に、内部的に設定されている設定値が[設定1]→[設定2]→…→[設定5]→[設定6]→[設定1]→…というように、ループするように変更できる。本実施形態において、設定スイッチは、RWMクリアスイッチ42と兼用されている。設定変更モードは、設定キーを用いて、設定器43をオフ状態に操作すると終了する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、設定器43をオン状態に操作した状態であって、RWMクリアスイッチ42がオフ状態である状態にて電源投入されると、設定確認モードへ移行する。この設定確認モードでは、内部的に設定されている設定値が報知される。また、設定確認モードでは、設定スイッチを操作しても、内部的に設定されている設定値を変更できない。設定確認モードは、設定キーを用いて、設定器43をオフ状態に操作すると終了する。設定変更モード(設定制御状態)及び設定確認モード(設定確認状態)は、設定値に関する制御を行う設定制御モード(設定制御状態)である。
図8に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、設定制御モードにおいて設定値を報知する手段として表示器45を備えている。以下、表示器45による設定値の報知例について説明する。
表示器45では、電源投入されたときに設定変更モード及び設定確認モードの何れかへの移行条件が成立している場合、内部的に設定されている設定値を報知する表示を行う。具体的に言えば、表示部45a,45bに[-]を表示し、表示部45c,45dに設定値を示す値を表示する。例えば、表示器45では、設定1のときに[--01](図8(a))を、設定2のときに[--02](図8(b))を、設定3のときに[--03](図8(c))を、設定4のときに[--04](図8(d))を、設定5のときに[--05](図8(e))を、設定6のときに[--06](図8(f))を表示する。
例えば、設定変更モードでは、設定スイッチの操作毎に設定値が変更されるため、表示器45では、[--01]→[--02]→…→[--05]→[--06]→[--01]→…というように、設定値を報知する表示がループするように切り替わる。なお、設定変更モードでは、表示部45a,45bでは変更前の設定値を表示し、表示部45c,45dでは変更後の設定値を表示してもよい。一方、設定確認モードでは、設定スイッチを操作しても設定値が変更されないため、表示器45では、設定値を報知する表示が切り替わることなく継続する。なお、設定変更モード及び設定確認モードが終了した後において、表示器45では、設定されている設定値を報知する表示を継続してもよく、設定値とは異なる情報を報知する表示に切り替わってもよく、何れの情報を報知する表示も行わなくてもよい。
本実施形態における表示器45は、少なくともその時点において内部的に設定されている設定値を報知する表示が可能であればよく、その他の情報を表示可能であってもよい。即ち、表示器45は、設定値を報知する表示に加えて、設定値とは異なる情報の表示を行う兼用の表示手段であってもよい。設定値とは異なる情報には、例えば、大当り遊技中ではないことを前提として、(通常遊技状態時の賞球の総数÷通常遊技状態時の有効球の総数)×100の計算式によって計数(計算)されるベース値を採用してもよい。なお、表示器45は、2桁以上の情報からなる表示を行う表示手段と兼用しない場合、必ずしも4つの表示部45a~45dを必要としない。例えば、表示器45は、表示部45b~45dを省略して1桁の数値を表示可能に構成されていてもよい。また、表示器45は、パチンコ遊技機10の機体の表側に設けられた表示手段と兼用されていてもよい。例えば、特別図柄表示部13a,13bと兼用されていてもよい。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図9に示すように、本実施形態の主制御基板40は、所定の処理を行い、当該処理の結果に応じて、制御コマンドなどの制御信号を出力する。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板50は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
まず、主制御基板40について詳しく説明する。
マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、「主制御CPU41a」と示す)と、記憶部(メモリ)とを備えている。主制御CPU41aは、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読み出しが可能であって情報の書き込みが不能なROM領域(以下、「主制御ROM41b」と示す)と、情報の読み出し及び書き込みが可能なRWM領域(以下、「主制御RWM41c」と示す)とがある。
主制御ROM41bは、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。また、主制御ROM41bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了する迄の変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームなどの演出内容(変動態様)を特定可能な情報である。本実施形態の変動パターンには、大当り変動パターンと、小当り変動パターンと、はずれ変動パターンとがある。大当り変動パターンは、演出ゲームにおいて、最終的に大当りの図柄組み合わせを導出する変動パターンである。小当り変動パターンは、演出ゲームにおいて、最終的に小当りの図柄組み合わせを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンは、演出ゲームにおいて、最終的にはずれの図柄組み合わせを導出する変動パターンである。
主制御RWM41cは、主制御CPU41aの処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM41cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する乱数回路41dを備えている。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU41aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU41a、主制御ROM41b、主制御RWM41c、及び乱数回路41dは、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されている必要はなく、別体であってもよい。
主制御CPU41aは、センサSE1~SE6と接続されている。主制御CPU41aは、センサSE1~SE6が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、情報表示装置13(表示部13a~13f)と接続されている。主制御CPU41aは、情報表示装置13(表示部13a~13f)の表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU41aは、ソレノイドSL1~SL4と接続されている。主制御CPU41aは、ソレノイドSL1~SL4の動作を制御することによって、普通可変部材17、第1特別可変部材19、第2特別可変部材21、及び振分シャッタ28の動作を制御可能に構成されている。
主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42と接続されている。主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42がオン状態に操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、設定器43と接続されている。主制御CPU41aは、設定器43がオン状態に操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、表示器45と接続されている。主制御CPU41aは、表示器45の表示内容を制御可能に構成されている。
次に、副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU50aと、副制御ROM50bと、副制御RWM50cと、を備えている。副制御CPU50aは、副制御プログラムを実行することにより、所定の処理として、演出に関する処理などを行う。副制御ROM50bは、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM50bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び、図示しない可動体を動作させる可動体演出に用いる可動体演出データなどを記憶している。
副制御RWM50cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM50cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板50は、副制御CPU50aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
副制御CPU50aは、演出表示装置EHと接続されている。副制御CPU50aは、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、装飾ランプLAと接続されている。副制御CPU50aは、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、スピーカSPと接続されている。副制御CPU50aは、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。
次に、電源ユニット60について説明する。
図3に示すように、電源ユニット60は、遊技場などの外部電源から供給される電源電圧を所定の電源電圧(V1)に変換するとともに、その変換後の電源電圧(V1)を各制御基板40,50へ供給すべき電源電圧(V2)にさらに変換する。電源ユニット60は、複数本の電源供給線を介して各制御基板40,50と接続されており、各基板は電源供給線を通じて電力供給を受けることによって動作する。
電源ユニット60は、電源スイッチ(接点装置)60aを備えている。電源スイッチ60aは、オン状態及びオフ状態の何れかに切り替える操作が可能であって、切り替え後の操作状態を維持するように構成されている。本実施形態では、外部電源からパチンコ遊技機10へ電力が供給されている状態において、電源スイッチ60aをオフ状態からオン状態に操作にすると、各制御基板40,50に電力が供給され、さらにオフ状態に操作すると各制御基板40,50への電力供給が遮断される。
したがって、パチンコ遊技機10を起動するためには、電源スイッチ60aをオン状態に操作したまま、外部電源からの電力供給を開始するか、外部電源からの電力供給をしている状態のまま、電源スイッチ60aをオフ状態からオン状態に操作にする。本明細書において、「電源を投入する」ことは、電源スイッチ60aを操作するなどして、各制御基板40,50に対して電力が供給されている状態にすることを意味し、「電源を遮断(電源断)する」ことは、各制御基板40,50に対して電力が供給されていない状態にすることを意味する。
次に、バックアップ機能について詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10において、主制御RWM41cは、電源断がされても、電源断がされたときに記憶している各種情報を所定期間にわたって保持可能に構成されている。例えば、主制御RWM41cは、電源ユニット60に搭載された図示しないバックアップ用電源(例えば電気二重層コンデンサ)から供給される電力によって、電源断がされた後にも各種情報を保持するとよい。例えば、主制御RWM41cは、電力の供給を受けない状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断がされた後にも各種情報を保持するようになっていてもよい。
ここで、バックアップの対象となる各種情報には、遊技の進行に関する遊技情報と、設定値に関する設定値情報とが含まれている。例えば、遊技情報には、特別ゲームに関する情報、大当り遊技に関する情報、遊技状態に関する情報、賞球の払出しに関する情報を含む。特別ゲームに関する情報としては、例えば特別保留数を特定可能な情報、各種の乱数情報、当り抽選の抽選結果を特定可能な情報、特別ゲームの変動パターンを特定可能な情報、特別ゲームで導出される特別図柄を特定可能な情報などである。大当り遊技に関する情報としては、大当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。遊技状態に関する情報としては、現在の遊技状態を特定可能な情報、高ベース状態が付与される残り回数を特定可能な情報などである。賞球の払出しに関する情報としては、未払出しの賞球数を特定可能な情報などである。
次に、電源投入処理について説明する。本実施形態では、主制御CPU41aが電源投入処理を実行することにより、設定値を設定する制御が可能な設定制御手段が実現される。
主制御CPU41aは、電源投入時の起動処理(ブート処理)によって起動すると、最初に電源投入処理を実行する。電源投入処理では、電源投入時のRWMクリアスイッチ42及び設定器43の操作状態に応じて、設定制御モード(設定変更モード及び設定確認モード)への移行の有無、及び主制御RWM41cの初期化の有無が制御される。以下、詳細に説明する。
主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42がオン状態に操作されており、且つ設定器43がオン状態に操作されている場合、主制御RWM41cのRWMクリア処理を実行する。RWMクリア処理において、主制御CPU41aは、バックアップされているベース情報遊技情報を初期化する一方で、バックアップされている設定値情報を初期化しない。次に、主制御CPU41aは、設定変更モードへ移行する。主制御CPU41aは、設定変更モードへ移行すると、設定変更モードの開始を特定可能な制御コマンド(以下、「変更開始コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。
また、主制御CPU41aは、設定変更モードへ移行すると、主制御RWM41cに記憶されている設定値を読み出すとともに、読み出した設定値を報知する表示を行うように表示器45を制御する。即ち、表示器45では、電源断がされたときの設定値が報知される。設定変更モードにおいて、主制御CPU41aは、設定スイッチ(本実施形態ではRWMクリアスイッチ42)が操作される毎に、設定している設定値を、[設定1]→[設定2]→…→[設定5]→[設定6]→[設定1]→…というように、ループするように変更する。主制御CPU41aは、設定スイッチの操作を契機に設定値を変更する毎に、変更後の設定値を報知する表示を行うように表示器45を制御する。
主制御CPU41aは、設定変更モードにおいて、設定器43がオフ状態に操作されると、その時点において設定している設定値を確定し、設定変更モードを終了する。主制御CPU41aは、設定変更モードを終了すると、確定した設定値を特定可能な制御コマンド(以下、「設定値コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。また、主制御CPU41aは、設定変更モードの終了を特定可能な制御コマンド(以下、「変更終了コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。その後、電源投入処理を終了し、後述する通常制御状態へ移行する。
主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42がオフ状態であり、且つ設定器43がオン状態に操作されている場合、バックアップされている各種情報が正常であるかを確認する。バックアップされている各種情報が正常であるか、異常であるかの確認は、例えばバックアップフラグの状態確認とチェックサムの一致確認によって行われる。バックアップされている各種情報が異常である場合、主制御CPU41aは、主制御RWM41cのRWMクリア処理を実行する。バックアップされている各種情報が正常である場合、主制御CPU41aは、主制御RWM41cのRWMクリア処理を実行しない。次に、主制御CPU41aは、設定確認モードへ移行する。主制御CPU41aは、設定確認モードへ移行すると、設定確認モードの開始を特定可能な制御コマンド(以下、「確認開始コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。
また、主制御CPU41aは、設定確認モードへ移行すると、主制御RWM41cに記憶されている設定値を読み出すとともに、読み出した設定値を報知する表示を行うように表示器45を制御する。即ち、表示器45では、電源断がされたときの設定値が報知される。設定確認モードにおいて、主制御CPU41aは、設定スイッチ(本実施形態ではRWMクリアスイッチ42)が操作されても、設定値を変更せず、表示器45の表示内容も変化させない。
主制御CPU41aは、設定確認モードにおいて、設定器43がオフ状態に操作されると、設定確認モードを終了する。主制御CPU41aは、設定確認モードを終了すると、その時点において設定している設定値を特定可能な設定値コマンドを副制御基板50に出力する。また、主制御CPU41aは、設定確認モードの終了を特定可能な制御コマンド(以下、「確認終了コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。その後、電源投入処理を終了し、通常制御状態へ移行する。
また、主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42がオン状態に操作されており、且つ設定器43がオフ状態である場合、主制御RWM41cのRWMクリア処理を実行する。その後、主制御CPU41aは、設定変更モード及び設定確認モードへ移行することなく、電源投入処理を終了し、通常制御状態へ移行する。一方、主制御CPU41aは、RWMクリアスイッチ42がオフ状態であり、且つ設定器43がオフ状態である場合、主制御RWM41cのRWMクリア処理を実行しない。また、主制御CPU41aは、設定変更モード及び設定確認モードへ移行することなく、電源投入処理を終了し、通常制御状態へ移行する。
ここで、通常制御状態は、主制御CPU41aが内部抽選(当り抽選)に基づいて変動ゲームを実行させる制御や、大当り遊技を付与する制御を可能な制御状態である。RWMクリア処理の実行によって、遊技情報が初期化された場合には、何れの特別ゲーム及び普通ゲームが実行及び保留されておらず、且つ大当り遊技中でもない状態に復帰される。一方、遊技情報が初期化されなかった場合には、バックアップされている遊技情報に基づいて、電源断がされたときの遊技の状態に復帰される。
なお、主制御CPU41aは、電源投入処理を終了するときに、上記設定値コマンドのほか、主制御RWM41cに記憶されている遊技情報に基づいて所定の制御コマンド(以下、「初期コマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。ここで、主制御RWM41cに記憶されている遊技情報とは、RWMクリア処理が実行されたときは初期化された遊技情報であり、RWMクリア処理が実行されていないときには直近の電源断がされたときの遊技情報である。
例えば、主制御CPU41aは、特別ゲームの実行中に復帰する場合、初期コマンドとして、当り抽選の抽選結果を特定可能な制御コマンド、特別ゲームの変動パターンを特定可能な制御コマンド、特別ゲームで導出される特別図柄を特定可能な制御コマンドなどを出力する。あわせて、主制御CPU41aは、遊技状態を特定可能な制御コマンドを出力する。例えば、主制御CPU41aは、大当り遊技の付与中に復帰する場合、初期コマンドとして、大当り遊技の進行状況を特定可能な制御コマンドなどを出力する。
また、主制御CPU41aは、電源投入処理において、設定されている設定値に異常がある場合、設定値エラーを検知してもよい。設定されている設定値に異常があるか否かは、例えば、主制御RWM41cのうち、設定値を特定可能な情報を格納する記憶領域に、設定1~6の何れを特定する値でもない値が格納されているとき、設定値エラーと判定するとよい。主制御CPU41aは、設定値エラーを検知すると、電源断がされるまで解除不能な遊技停止状態へ移行するとよい。
また、主制御CPU41aは、設定変更モードへ移行してから終了する迄の間、及び設定確認モードへ移行してから終了する迄の間にわたって、所定の外部信号(セキュリティ信号)を図示しない外部端子から機外へ出力してもよい。外部端子には、例えば遊技場の管理室などに設置されたホールコンピュータ、及び島設備などに設置された外部演出装置などが接続される。主制御CPU41aは、設定変更モードへ移行してから終了する迄の間、及び設定確認モードへ移行してから終了する迄の間にわたって、設定制御モード中であることを報知する表示を行うように、特別図柄表示部13a,13bを制御してもよい。設定制御モード中であることを報知する表示は、特別ゲームにおいて導出する大当り図柄、小当り図柄、及びはずれ図柄の何れとも異なる発光パターンによる表示である。
また、主制御CPU41aは、電源投入処理によって設定変更モードへ移行した場合には、電源投入処理を終了してから、搭載枠11bが閉鎖されたことを契機として、RWMクリア処理が実行されたことを特定可能な制御コマンド(以下、「RWMクリアコマンド」と示す)を副制御基板50に出力する。例えば、搭載枠11bが閉鎖されたか否かは、搭載枠11bが開放されているか否かを検知するセンサを設けたり、施錠装置SSによる搭載枠11bの施錠状態を検知するセンサを設けたりすることで特定するとよい。
電源投入処理によって設定変更モードへ移行しなかった場合であって、RWMクリア処理を実行したときには、電源投入処理が終了すると、搭載枠11bが閉鎖されたか否かを問わず、RWMクリアコマンドを副制御基板50に出力する。詳しくは後述するが、RWMクリアコマンドを入力した副制御基板50は、所定の報知(後述するRWMクリア報知)を実行させる。即ち、設定変更モードへ移行したときと、設定変更モードへ移行しなかったときとでは、RWMクリア報知のタイミング(実行態様)が異なる。また、主制御CPU41aは、RWMクリアコマンドの出力とともに所定の外部信号(セキュリティ信号)を外部端子から所定時間(例えば50ms)にわたって出力するとよい。
次に、主制御CPU41aによって実行される各種の処理について説明する。
主制御CPU41aは、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行う割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。なお、本実施形態において、出力バッファに設定された制御コマンドは、割り込み処理として実行されるコマンド出力処理によって副制御基板50へ出力される。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU41aは、第1始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、第1始動口15へ遊技球が入球したか否かを判定する。第1始動口15へ遊技球が入球した場合、主制御CPU41aは、主制御RWM41cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。
第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41aは、第1特別保留数を1加算して更新する。この処理において、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満である状態において、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU41aは、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM41cに記憶させる。この処理において、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。例えば、乱数は、当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。なお、乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態では、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM41cに記憶させておくことによって、当該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留する。
第1始動口15へ遊技球が入球していない場合、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、及び、第1特別ゲーム用の乱数情報を記憶させた場合、主制御CPU41aは、第2始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、第2始動口16へ遊技球が入球したか否かを判定する。第2始動口16へ遊技球が入球している場合、主制御CPU41aは、主制御RWM41cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。
第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41aは、第2特別保留数を1加算して更新する。この処理において、主制御CPU41aは、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満である状態において、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると成立する。
次に、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM41cに記憶させる。この処理において、主制御CPU41aは、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM41cに記憶させておくことによって、当該第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留する。
そして、第2始動口16へ遊技球が入球していない場合、第2特別保留数が上限数未満ではない場合、及び、第2特別ゲーム用の乱数情報を記憶させた場合、主制御CPU41aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
まず、主制御CPU41aは、特別ゲームの実行条件が成立しているかを判定する。なお、本実施形態において、特別ゲームの実行条件は、特別ゲームを開始させるための始動条件としても把握できる。この判定において、主制御CPU41aは、大当り遊技中ではなく、小当り遊技中ではなく、且つ特別ゲーム中ではない場合に実行条件が成立したと判定する一方で、大当り遊技中、小当り遊技中、又は特別ゲーム中である場合に実行条件が成立していないと判定する。実行条件が成立していない場合、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、実行条件が成立している場合、主制御CPU41aは、主制御RWM41cに記憶されている第2特別保留数を取得し、取得した第2特別保留数が0(零)よりも大きいかを判定する。第2特別保留数が0よりも大きい場合、主制御CPU41aは、第2特別ゲームを開始させる。一方、第2特別保留数が0の場合、主制御CPU41aは、第1特別保留数を取得し、取得した第1特別保留数が0よりも大きいかを判定する。第1特別保留数が0よりも大きい場合、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを開始させる。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームと第2特別ゲームとを同時に実行させず、第2特別ゲームを優先的に実行させる。また、第1特別保留数及び第2特別保留数の何れも0の場合、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。
第2特別ゲームを開始させる場合、主制御CPU41aは、第2特別保留数を1減算して更新するとともに、減算後の第2特別保留数を表示させるように情報表示装置13を制御する。次に、主制御CPU41aは、第2特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM41cから取得する。そして、主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される当り乱数の値を用いて当り抽選(当り判定)を行う。本実施形態の当り抽選には、大当り抽選(大当り判定)と、小当り抽選(小当り判定)と、を含む。
具体的に、主制御CPU41aは、当り乱数の値が大当り判定値と一致するか否かを判定することにより大当り抽選を行う。なお、大当り抽選における大当り判定値の数は、設定されている設定値に応じて異なる。これにより、本実施形態において、図柄当りに当選する確率は、設定されている設定値に応じて異ならされる。大当りに当選した場合、主制御CPU41aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される当り図柄乱数の値に基づいて、特別図柄の大当り図柄を決定する。この決定した大当り図柄が、特別ゲームにて導出される確定停止図柄となる。また、主制御CPU41aは、特別図柄の大当り図柄を決定した場合、変動パターン決定抽選を行うことにより、複数種類の大当り変動パターンの中から大当り変動パターンを決定する。
一方、大当りに当選しなかった場合、主制御CPU41aは、当り乱数の値が小当り判定値と一致するか否かを判定することにより小当り抽選を行う。なお、小当り抽選における小当り判定値の数は、何れの設定値が設定されている場合であっても同一である。これにより、本実施形態において、小当り確率は、何れの設定値が設定されている場合であっても同一となる。小当りに当選した場合、主制御CPU41aは、小当り変動処理を行う。小当り変動処理において主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される当り図柄乱数の値に基づいて、特別図柄の小当り図柄を決定する。この決定した小当り図柄が、特別ゲームにて導出される確定停止図柄となる。また、主制御CPU41aは、特別図柄の小当り図柄を決定した場合、変動パターン決定抽選を行うことにより、複数種類の小当り変動パターンの中から小当り変動パターンを決定する。
そして、小当りに当選しなかった場合、主制御CPU41aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において主制御CPU41aは、特別図柄のはずれ図柄を決定する。この決定したはずれ図柄が、特別ゲームにて導出される確定停止図柄となる。また、主制御CPU41aは、特別図柄のはずれ図柄を決定した場合、変動パターン決定抽選を行うことにより、複数種類のはずれ変動パターンの中からはずれ変動パターンを決定する。
なお、大当り抽選及び小当り抽選は、1回の当り抽選により実現されてもよい。例えば、当り抽選において、主制御CPU41aは、当り乱数の値が、大当り判定値と、小当り判定値と、はずれ判定値と、の何れと一致するかにより、大当りと、小当りと、はずれと、の何れとなるかを抽選してもよい。
また、第1特別ゲームを開始させる場合、主制御CPU41aは、前述した第2特別ゲームに関する制御と同様の制御を第1特別ゲームを対象にして行う。つまり、主制御CPU41aは、第1特別保留数の減算、当り抽選、当り抽選の結果に基づく大当り変動処理、又ははずれ変動処理を行う。その後、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理を終了する。なお、上述したように、本実施形態において、第1特別ゲームでは、小当りに当選しない。即ち、本実施形態において、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを開始させる場合、小当り抽選を実行しない。
そして、特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU41aは、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始させるように情報表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を指定する情報(以下、特別図柄指定コマンドと示す)を出力バッファに設定する。また、主制御CPU41aは、変動パターンを指定するとともに演出ゲームの開始を指示する情報(以下、変動パターン指定コマンドと示す)を出力バッファに設定する。また、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間を計測する。そして、主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄が導出されるように、情報表示装置13を制御する。また、主制御CPU41aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間が経過すると、演出図柄の組み合わせを導出させるための情報(以下、全図柄停止コマンドと示す)を出力バッファに設定する。
次に、主制御CPU41aが行う小当り遊技を付与するための小当り処理について説明する。主制御CPU41aは、小当りの特別ゲームの終了後、小当り処理を行う。本実施形態では、主制御CPU41aが小当り処理を行うことにより、特殊遊技としての小当り遊技を付与する特殊遊技付与手段が実現される。
小当り処理において、主制御CPU41aは、最初にオープニング時間の開始を特定可能な情報(以下、オープニングコマンドと示す)を出力バッファに設定する。また、主制御CPU41aは、一定の動作パターンで振分シャッタ28が動作されるように第4ソレノイドSL4を制御する。続いて、主制御CPU41aは、オープニング時間が経過すると、小当りの種類により決定される動作パターンに基づいて第1大入賞口18が開放されるように、第2ソレノイドSL2を制御する。また、主制御CPU41aは、第1大入賞口18の開放に伴って、第1大入賞口18が開放されたことを特定可能な情報(以下、小当り開放コマンドと示す)を出力バッファに設定する。その後、主制御CPU41aは、第1小当り終了条件又は第2小当り終了条件が成立すると、第1大入賞口18が閉鎖されるように第2ソレノイドSL2を制御する。そして、主制御CPU41aは、第1大入賞口18を閉鎖させると、エンディング時間の開始を特定可能な情報(以下、エンディングコマンドと示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、小当り遊技を終了する。なお、このとき、主制御CPU41aは、一定の動作パターンに基づく振分シャッタ28の動作が終了していない場合、小当り遊技の終了に伴って振分シャッタ28の動作を終了させるように第4ソレノイドSL4を制御する。
次に、主制御CPU41aが行う大当り遊技を付与するための大当り処理について説明する。主制御CPU41aは、大当りの特別ゲームの終了後に大当り処理を行う。これにより、主制御CPU41aは、乱数を用いた当り抽選において大当りに当選したときに図柄当りに基づく大当り遊技を付与する。このため、本実施形態において、主制御CPU41aは、第1始動口15への遊技球の入球、及び第2始動口16への遊技球の入球を契機として図柄当りに基づく大当り遊技を付与可能である。また、主制御CPU41aは、小当り遊技において遊技球が特定通過センサSE5で検知された場合の該小当り遊技の終了後に大当り処理を行う。これにより、主制御CPU41aは、小当り遊技において遊技球が特定通過センサSE5により検出されたときに役物当りに基づく大当り遊技を付与する。このように、本実施形態では、主制御CPU41aが大当り処理を行うことにより、大当り遊技を付与する大当り遊技付与手段が実現される。
大当り処理において、主制御CPU41aは、最初にオープニング時間の開始を特定可能な情報(以下、オープニングコマンドと示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU41aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。具体的に、主制御CPU41aは、大当りの種類により決定される開放パターンに基づいて第2大入賞口20が開放されるように、第3ソレノイドSL3を制御し、ラウンド遊技を開始させる。そして、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を開始させた後、第1ラウンド終了条件又は第2ラウンド終了条件が成立すると、第2大入賞口20が閉鎖されるように第3ソレノイドSL3を制御し、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU41aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。
また、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を開始するごとに、ラウンド遊技の開始を特定可能な情報(以下、ラウンドコマンドと示す)を出力バッファに設定する。また、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を終了するごとに、ラウンド遊技の終了を特定可能な情報(以下、ラウンド終了コマンドと示す)を出力バッファに設定する。
主制御CPU41aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な情報(以下、エンディングコマンドと示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。
次に、主制御CPU41aが行う遊技状態に関する処理について説明する。本実施形態では、主制御CPU41aが以下の処理を行うことにより、遊技状態を制御する遊技状態制御手段が実現される。
主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後に遊技状態を変化させる制御が可能である。具体的に、主制御CPU41aは、大当り遊技を終了させるに際して、大当りの種類に応じた遊技状態に制御する。言い換えれば、主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後には大当りの種類に応じた遊技状態に制御する。例えば、大当りZA,Zaに基づく大当り遊技を終了させる場合、主制御CPU41aは、遊技状態を高ベース状態に制御する。また、大当りZB,Zbに基づく大当り遊技を終了させる場合、主制御CPU41aは、遊技状態を低ベース状態に制御する。そして、小当りZc,Zdに基づく大当り遊技を終了させる場合、主制御CPU41aは、遊技状態を高ベース状態に制御する。
本実施形態において、主制御CPU41aは、遊技状態を高ベース状態に制御する場合、作動回数(本実施形態では100回)の特別ゲームが終了するまでを上限として定めた高ベース状態に制御する。その後、主制御CPU41aは、次回の大当り遊技が付与される第1高ベース終了条件、及び作動回数の特別ゲームが終了する第2高ベース終了条件のうち、何れかの終了条件が成立するまで、遊技状態を高ベース状態に制御する。特に、第1高ベース終了条件が成立した場合であって、且つ付与された大当り遊技が、該大当り遊技の終了後に低ベース状態に制御する非特定大当り遊技であるときには、大当り遊技の前後で高ベース状態が継続しないこととなる。このため、本実施形態において、高ベース状態は、第1高ベース終了条件が成立した場合、大当り遊技が終了してから作動回数の特別ゲームが終了するよりも前に終了されることがある。
次に、副制御CPU50aによって実行される各種の処理について説明する。
最初に、各種の報知を行わせる報知処理について説明する。副制御CPU50aは、変更開始コマンドを入力すると、設定変更モード中であることを特定可能な設定変更報知を実行するように、演出表示装置EHを制御する。例えば、設定変更報知は、「設定変更中です」といった文字列のように、設定変更モードであることを特定可能な画像を表示する態様により実行される。副制御CPU50aは、変更終了コマンドを入力すると、設定変更報知を終了するように、演出表示装置EHを制御する。
副制御CPU50aは、確認開始コマンドを入力すると、設定確認モード中であることを特定可能な設定確認報知を実行するように、演出表示装置EHを制御する。例えば、設定確認報知は、「設定確認中です」といった文字列のように、設定確認モードであることを特定可能な画像を表示する態様により実行される。副制御CPU50aは、確認終了コマンドを入力すると、設定確認報知を終了するように、演出表示装置EHを制御する。
副制御CPU50aは、RWMクリアコマンドを入力すると、RWMクリア処理が実行されたこと、即ち、遊技情報の初期化が行われたことを特定可能なRWMクリア報知を実行するように、演出表示装置EHを制御する。例えば、RWMクリア報知は、「RWMクリア」の文字列のように、RWMクリア処理が行われたことを特定可能な画像を表示する態様により実行される。副制御CPU50aは、RWMクリアコマンドを入力してから所定時間(例えば30秒)が経過すると、RWMクリア報知を終了するように、演出表示装置EHを制御する。なお、報知処理によって実行させる各種の報知は、演出表示装置EHによる画像表示に加えて、又は代えて、スピーカSPによる音声出力、及び装飾ランプLAによる発光を組み合わせて実行してもよい。
次に、演出ゲームを実行するための演出図柄変動処理について説明する。
演出図柄変動処理において、副制御CPU50aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、特別図柄指定コマンドにより指定された特別図柄に基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。副制御CPU50aは、特別図柄の大当り図柄が指定された場合、演出図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。また、副制御CPU50aは、特別図柄の小当り図柄が指定された場合、演出図柄による小当りの図柄組み合わせを決定する。そして、副制御CPU50aは、特別図柄のはずれ図柄が指定された場合、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。
また、副制御CPU50aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、特別ゲームの実行中に実行させる演出を決定する。本実施形態において、特別ゲームの実行中に実行させる演出の決定割合は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じて異ならされている。そして、副制御CPU50aは、決定した演出を実行させるように演出表示装置EHの表示内容を制御する。
その後、副制御CPU50aは、全図柄停止コマンドの入力を契機として、演出ゲームを終了させ、演出図柄の組み合わせを導出させるように演出表示装置EHの表示内容を制御する。なお、副制御CPU50aは、変動パターン指定コマンドを入力したことを契機として指定された変動パターンから特定される変動時間を計時し、該変動時間が経過したことを契機に演出ゲームを終了させるようにしてもよい。つまり、主制御基板40から全図柄停止コマンドを出力せずに、演出ゲームの終了を制御してもよい。
次に、普通図柄入力処理について説明する。
普通図柄入力処理において、主制御CPU41aは、ゲートセンサSE6から検知信号を入力したか否かに基づいて、ゲート25を遊技球が通過したか否かを判定する。ゲート25を遊技球が通過した場合、主制御CPU41aは、主制御RWM41cに記憶されている普通保留数が上限数(本実施形態では2)未満であるか否かを判定する。普通保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41aは、普通保留数を1加算して更新する。この処理において、主制御CPU41aは、更新後の普通保留数を特定可能な情報を表示するように、普通保留表示部13fを制御する。
次に、主制御CPU41aは、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM41cに記憶させる。この処理において、主制御CPU41aは、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。例えば、乱数は、普通当り抽選に用いる普通当り乱数などである。
そして、ゲート25を遊技球が通過していない場合、普通保留数が上限数未満ではない場合、及び、普通ゲーム用の乱数情報を記憶させた場合、主制御CPU41aは、普通図柄入力処理を終了する。
次に、普通図柄開始処理について説明する。
まず、主制御CPU41aは、普通ゲームの実行条件が成立しているかを判定する。この判定において、主制御CPU41aは、普通当り遊技中ではなく、且つ普通ゲーム中ではない場合に実行条件が成立したと判定する一方で、普通当り遊技中、又は普通ゲーム中である場合に実行条件が成立していないと判定する。実行条件が成立していない場合、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理を終了する。
一方、実行条件が成立している場合、主制御CPU41aは、主制御RWM41cに記憶されている普通保留数を取得し、取得した普通保留数が0(零)よりも大きいかを判定する。普通保留数が0よりも大きい場合、主制御CPU41aは、普通ゲームを開始させる。また、普通保留数が0の場合、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理を終了する。
普通ゲームを開始させる場合、主制御CPU41aは、普通保留数を1減算して更新するとともに、減算後の普通保留数を表示させるように情報表示装置13を制御する。次に、主制御CPU41aは、普通ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM41cから取得する。そして、主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される普通当り乱数の値を用いて普通当り抽選(普通当り判定)を行う。
具体的に、主制御CPU41aは、普通当り乱数の値が普通当り判定値と一致するか否かを判定することにより普通当り抽選を行う。なお、普通当り抽選における普通当り判定値の数は、低ベース状態に制御されているときと高ベース状態に制御されているときとで異なる一方で、何れの設定値が設定されている場合であっても同一である。なお、上述したように、本実施形態において、低ベース状態に制御されている場合には、普通当りに当選しない。本実施形態において、主制御CPU41aは、低ベース状態に制御されている場合、普通当り抽選を実行しなくてもよいし、普通当り抽選において常にはずれとなるように制御してもよい。
そして、普通図柄開始処理を終了すると、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、普通ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU41aは、普通図柄の変動を開始させるように情報表示装置13の表示内容を制御する。その後、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理における普通当り抽選の結果を示す普通図柄が導出されるように、情報表示装置13を制御する。
また、普通当り抽選において普通当りに当選した場合、主制御CPU41aは、普通ゲームの終了後、普通可変部材17を所定の動作パターンに従って開閉動作させて普通当り遊技を付与する。本実施形態では、主制御CPU41aが普通当り遊技において普通可変部材17を開閉動作させることにより、誘導手段を制御する誘導制御手段が実現される。
以上のような制御により、主制御CPU41aは、低ベース状態においては、普通可変部材17を開状態に制御しない一方で、高ベース状態においては、普通可変部材17を開状態に制御可能である。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10による作用について説明する。
まず、低ベース状態に制御されている場合と高ベース状態に制御されている場合における遊技性の違いについて説明する。
図10に示すように、本実施形態では、低ベース状態である場合と、高ベース状態である場合と、の何れであっても、図柄当りに基づく大当り遊技が付与され得る。一方で、本実施形態において、低ベース状態である場合には、普通当り遊技が付与されないため、第2特別ゲームが実行されず、小当り遊技が付与されない。これに対し、本実施形態において、高ベース状態である場合には、普通当り遊技が付与され得るため、第2特別ゲームが実行され、小当り遊技が付与されることがある。つまり、本実施形態において、低ベース状態は、小当り遊技が付与されない遊技状態であり、高ベース状態は、小当り遊技が付与され得る遊技状態である。そして、上述したように、本実施形態では、小当り遊技において遊技球が特定通過センサSE5により検出されたときに役物当りに基づく大当り遊技が付与される。このため、本実施形態において、低ベース状態は、図柄当りに基づく大当り遊技が付与され得る一方で、役物当りに基づく大当り遊技が付与されない遊技状態であり、高ベース状態は、図柄当りに基づく大当り遊技が付与され得るとともに、役物当りに基づく大当り遊技が付与され得る遊技状態である。
ただし、本実施形態では、第2特別ゲームの実行を保留可能であるため、高ベース状態中に第2特別ゲームの実行が保留され、その後に遊技状態が高ベース状態から低ベース状態に変化された場合に、低ベース状態中に第2特別ゲームが実行されることも起こり得る。このような場合には、低ベース状態中であっても、小当り遊技が付与され、役物当りに基づく大当り遊技が付与されることもあり得る。
次に、異なる設定値が設定されている場合の遊技性の違いについて説明する。
図11に示すように、本実施形態では、設定値に応じて、特別図柄の当り抽選における大当り確率が異なる。即ち、本実施形態では、設定値に応じて、図柄当りとなる確率が異なる。一方で、本実施形態では、何れの設定値が設定されている場合であっても、役物当りとなる確率が同一である。このため、本実施形態において、大当り全体に占める図柄当りの割合は、設定値に応じて異なる。具体的に、大当り全体に占める図柄当りの割合は、図柄当りとなる確率が高い設定値が設定されているときほど大きくなる一方で、図柄当りとなる確率が低い設定値が設定されているときほど小さくなる。このため、大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御される場合に、大当り遊技が終了してから作動回数の特別ゲームが終了するよりも前に図柄当りとなる確率は、図柄当りとなる確率が高い設定値が設定されているときほど高くなる一方で、図柄当りとなる確率が低い設定値が設定されているときほど低くなる。なお、図中では、大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御される場合に、大当り遊技が終了してから作動回数の特別ゲームが終了するよりも前に図柄当りとなる確率について、「大当り後100回以内に図柄当りとなる確率」と示している。
上述したように、本実施形態において、図柄当りに基づく大当り遊技には、大当り遊技の終了後に低ベース状態に制御する大当り遊技が含まれている。このため、本実施形態では、大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御される場合に、大当り遊技が終了してから作動回数の特別ゲームが終了するよりも前に図柄当りとなり、図柄当りに基づく大当り遊技が付与されたことを契機として、高ベース状態が終了することがある。そして、上述したように、大当り遊技が終了してから作動回数の特別ゲームが終了するよりも前に図柄当りとなる確率は、図柄当りとなる確率が高い設定値が設定されているときほど高くなる一方で、図柄当りとなる確率が低い設定値が設定されているときほど低くなる。したがって、本実施形態において、高ベース状態の継続率は、図柄当りとなる確率が高い設定値が設定されているときほど低くなる一方で、図柄当りとなる確率が低い設定値が設定されているときほど高くなる。即ち、本実施形態において、大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御される場合に、大当り遊技が終了してから作動回数の特別ゲームが終了するよりも前に高ベース状態が終了する確率は、設定されている設定値に応じて異なる。
次に、ベース状態と設定値の関係によって生じる遊技性の違いについて説明する。
本実施形態において、低ベース状態では、役物当りに基づく大当り遊技が付与されないため、主に図柄当りに基づく大当り遊技が付与されることとなる。このため、低ベース状態において、遊技者は、図柄当りに基づく大当り遊技と、役物当りに基づく大当り遊技と、のうち何れの大当り遊技が付与されるかよりも、大当り遊技が付与されるか否かそのものに注目する。ここで、図柄当りに基づく大当り遊技が付与される確率は、設定されている設定値に応じて異なる。したがって、低ベース状態において、遊技者は、図柄当りとなる確率の高い設定値であることに期待する。
一方、高ベース状態では、図柄当りに基づく大当り遊技と、役物当りに基づく大当り遊技の何れも付与され得る。このため、高ベース状態において、遊技者は、大当り遊技が付与されるか否かに加えて、図柄当りに基づく大当り遊技と、役物当りに基づく大当り遊技と、のうち何れの大当り遊技が付与されるかにも注目する。そして、本実施形態において、図柄当りに基づく大当り遊技の終了後には、低ベース状態に制御されることがある。したがって、高ベース状態において、引き続き高ベース状態に制御されることに期待する遊技者は、図柄当りに基づく大当り遊技が付与されることを避けたいと考えることがある。
上述したように、大当り全体に占める図柄当りの割合は、図柄当りとなる確率が高い設定値が設定されているときほど大きくなる一方で、図柄当りとなる確率が低い設定値が設定されているときほど小さくなる。このため、高ベース状態において、引き続き高ベース状態に制御されることに期待する遊技者は、図柄当りとなる確率の低い設定値であることに期待する。
したがって、本実施形態によれば、次の効果を有する。
(1-1)低ベース状態である場合と、高ベース状態である場合とで、遊技者が期待する設定値を異ならせることができる。言い換えれば、設定されている設定値が、図柄当りとなる確率の高い設定値である場合と、図柄当りとなる確率が低い設定値である場合と、の何れであっても、遊技者に異なる楽しみを与えることができるため、遊技に対する興趣を向上できる。
(1-2)特に、図柄当りに基づく大当り遊技と、役物当りに基づく大当り遊技とでは、図柄当りに基づく大当り遊技の方が、大当り遊技の終了後に低ベース状態に制御される非特定大当り遊技である割合が大きい。このため、高ベース状態において、引き続き高ベース状態に制御されることに期待する遊技者は、図柄当りとなる確率が低い設定値であることに期待することとなる。したがって、図柄当りとなる確率が低い設定値である場合であっても、遊技に対する興趣を低下させてしまうことを抑制できる。
(1-3)高ベース状態では、小当り遊技において第1大入賞口18が開放され、該第1大入賞口18に入球させた遊技球を第1通路26aを通過させるという役物ゲームを楽しませることができる。
(1-4)高ベース状態では、遊技球を第2始動口16へ入球させて第2特別ゲームを実行させることで小当り遊技を獲得し、該小当り遊技において役物当りを獲得するという遊技性で遊技を楽しませることができる。即ち、高ベース状態では、役物当りに基づく大当り遊技を獲得するまでの流れを段階的に楽しませることができる。
(1-5)第1始動口15への遊技球の入球を契機に図柄当りに基づく大当り遊技が付与された場合の全体に占める、大当り遊技の終了後に高ベース状態が付与される割合は、第2始動口16への遊技球の入球を契機に図柄当りに基づく大当り遊技が付与された場合の全体に占める、大当り遊技の終了後に高ベース状態が付与される割合よりも大きい。このため、第1始動口15へ遊技球が入球したときには、図柄当りに基づく大当り遊技が付与されることで大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御されることに期待させることができる。一方で、第2始動口16へ遊技球が入球したときには、図柄当りに基づく大当り遊技が付与されることで大当り遊技の終了後に低ベース状態に制御されてしまうという不安感を煽りつつも、役物当りに基づく大当り遊技が付与されることで大当り遊技の終了後に継続して高ベース状態に制御されることに期待させることができる。
(1-6)設定されている設定値が何れの設定値であっても、高ベース状態に制御されるときの作動回数が同一である。このため、高ベース状態に制御されたときには、設定値にかかわらず同一の作動回数を上限として高ベース状態における遊技を楽しませることができる。
(1-7)仮に、所定の大当り遊技について、設定値に応じて大当り遊技後の遊技状態が異ならされる場合、高ベース状態に制御されることに期待する遊技者は、何れの大当り遊技が付与されることに対して期待すればよいのかがわかり難くなる。これに対し、本実施形態では、所定の大当り遊技について、設定されている設定値が何れの設定値である場合であっても、大当り遊技の終了後には同一の遊技状態に制御されるため、高ベース状態に制御されることに期待する遊技者は、何れの大当り遊技が付与されることに対して期待すればよいのかがわかり易い。したがって、高ベース状態に制御されることに期待する遊技者の興趣を好適に向上できる。
(1-8)高ベース状態は、第1高ベース終了条件が成立した場合、大当り遊技が終了してから作動回数の特別ゲームが終了するよりも前に終了されることがある。このため、本実施形態では、設定値にかかわらず同一の作動回数を上限として高ベース状態に制御しつつも、大当り遊技が終了されてから作動回数の特別ゲームが終了するよりも前に高ベース状態が終了するかもしれないという不安感を煽ることができる。さらに、作動回数の特別ゲームが終了するよりも前に高ベース状態が終了する確率が設定値に応じて異なるため、設定値に応じて、高ベース状態が終了する確率が低いことで安心して遊技を楽しませるという遊技性と、高ベース状態が終了してしまうかもしれないという緊張感を持って遊技を楽しませるという遊技性と、を両立することができる。
(1-9)役物当りに基づく大当り遊技には、大当り遊技の終了後に低ベース状態に制御される非特定大当り遊技を含まないため、高ベース状態において、役物当りに基づく大当り遊技が付与されることに対してより一層期待させることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。なお、以下の説明では、すでに説明した実施形態と同一の構成、及び同一の制御については同一の符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
図12に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。具体的に、本実施形態では、100種類の第1特別図柄の大当り図柄のうち、50種類の大当り図柄が図柄ZEに、50種類の大当り図柄が図柄ZFに、それぞれ分類されている。また、本実施形態では、100種類の第2特別図柄の大当り図柄のすべてが図柄Zeに分類されている。
以下の説明では、図柄ZEに分類される大当り図柄に基づく大当りを「大当りZE」、図柄ZFに分類される大当り図柄に基づく大当りを「大当りZF」、図柄Zeに分類される大当り図柄に基づく大当りを「大当りZe」と示す。
本実施形態において、大当りZE,ZFに基づく大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として10回が定められており、大当りZeに基づく大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として2回が定められている。さらに、本実施形態において、大当りZE,ZFに基づく大当り遊技では、各ラウンド遊技の上限時間として25秒が定められている。そして、本実施形態において、大当りZeに基づく大当り遊技では、各ラウンド遊技の上限時間として1.8秒が定められている。
本実施形態において、図柄当りに基づく大当り遊技の終了後には、予め定められた作動回数の特別ゲームが終了するまでを上限として高ベース状態が付与される。本実施形態において、高ベース状態に制御される作動回数は、大当りの種類に応じて異なる。具体的に、本実施形態では、大当りZF,Zeに基づく大当り遊技では、作動回数として、第1回数(例えば、5回)が定められている一方で、大当りZEに基づく大当り遊技では、作動回数として、第1回数よりも多い第2回数(例えば、100回)が定められている。本実施形態において、作動回数として第1回数が定められた大当り遊技は、第1上限期間を上限として高ベース状態に制御される非特別大当り遊技に相当し、作動回数として第2回数が定められた大当り遊技は、第1上限期間よりも長い第2上限期間を上限として高ベース状態に制御される特別大当り遊技に相当する。
上述したように、本実施形態では、100種類の第1特別図柄の大当り図柄のうち、50種類の大当り図柄(図柄ZE)が特別大当り遊技を付与する大当り図柄であり、残りの50種類の大当り図柄(図柄ZF)が非特別大当り遊技を付与する大当り図柄である。一方で、100種類の第2特別図柄の大当り図柄のすべてが、非特別大当り遊技を付与する大当り図柄である。このため、第1特別図柄の大当り図柄に基づく大当り遊技が付与された場合において大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御されるときの上限期間は、第2特別図柄の大当り図柄に基づく大当り遊技が付与された場合において大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御されるときの上限期間よりも長くなり易い。
また、図13に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の小当り図柄として、複数種類の小当り図柄を備えている。
図13(a)に示すように、本実施形態において、第2特別図柄の小当り図柄には、予め定めた複数種類の小当り図柄がある。本実施形態において、複数種類の特別図柄の小当り図柄は、そのすべてが図柄Zfに分類されている。なお、本実施形態において、第1特別図柄には、小当り図柄が含まれていない。以下の説明では、図柄Zfに分類される小当り図柄に基づく小当りを「小当りZf」と示す。本実施形態において、小当りZfに基づく小当り遊技では、オープニング時間として2秒が、第1大入賞口18の開放時間として1.8秒が、エンディング時間として0.01秒がそれぞれ定められている。
また、図13(b)に示すように、小当り遊技では、一定の動作パターンで振分シャッタ28が動作する。なお、動作パターンの詳細については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。そして、本実施形態において、小当りZfに基づく小当り遊技では、2秒のオープニング時間の後に第1大入賞口18が開放される。このため、小当りZfに基づく小当り遊技において第1大入賞口18が開放されるときには、振分シャッタ28の2回目の振分動作が開始されることとなる。その後、小当りZfに基づく小当り遊技では、1.8秒にわたって振分シャッタ28が第1状態に維持されるとともに、1.8秒を上限時間として第1大入賞口18が開放される。したがって、小当りZfに基づく小当り遊技において第1大入賞口18に入球した遊技球は、第1通路26a及び第2通路26bの何れにも振り分けられる場合がある。言い換えれば、小当りZfに基づく小当り遊技では、第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26aを通過可能である。
そして、本実施形態では、小当り遊技において遊技球が第1通路26aを通過し、特定通過センサSE5で検知された場合に大当り(役物当り)となり、該小当り遊技の終了後に役物当りに基づく大当り遊技が付与される。以下の説明では、小当りZfに基づく小当り遊技において遊技球が第1通路26aを通過した場合に付与される大当り遊技を「小当りZfに基づく大当り遊技」と示す場合がある。
図13(c)に示すように、本実施形態において、小当りZfに基づく大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として9回が定められている。また、本実施形態において、小当りZfに基づく大当り遊技では、各ラウンド遊技の上限時間として25秒が定められている。そして、本実施形態において、役物当りに基づく大当り遊技の終了後には、高ベース状態が付与される。具体的に、小当りZfに基づく大当り遊技の終了後には、予め定められた作動回数の特別ゲームが終了するまでを上限として高ベース状態が付与される。本実施形態において、小当りZfに基づく大当り遊技では、作動回数として、第2回数(例えば、100回)が定められている。
以上のように、本実施形態において、図柄当りに基づく大当り遊技には、大当り遊技の終了後に第1回数の特別ゲームが終了されるまでを上限として高ベース状態に制御される非特別大当り遊技と、大当り遊技の終了後に第1回数よりも多い第2回数の特別ゲームが終了されるまでを上限として高ベース状態に制御される特別大当り遊技と、を含む。一方で、役物当りに基づく大当り遊技には、特別大当り遊技を含み、非特別大当り遊技を含まない。このため、本実施形態において、図柄当りに基づく大当り遊技が終了したときには、役物当りに基づく大当り遊技が終了したときと比較して、高ベース状態が継続する上限期間が短くなり易い。
したがって、本実施形態によれば、次の効果を有する。
(2-1)図柄当りに基づく大当り遊技が終了したときには、役物当りに基づく大当り遊技が終了したときと比較して、高ベース状態が継続する上限期間が短くなり易い。したがって、高ベース状態において、引き続き高ベース状態に制御されることに期待する遊技者は、図柄当りに基づく大当り遊技と、役物当りに基づく大当り遊技と、のうち役物当りに基づく大当り遊技が付与されることを望む。そして、大当り全体に占める図柄当りの割合は、図柄当りとなる確率が高い設定値が設定されているときほど大きくなる一方で、図柄当りとなる確率が低い設定値が設定されているときほど小さくなる。このため、高ベース状態では、図柄当りとなる確率が低い設定値である場合であっても、遊技者の興趣の低下を抑制できる。
(2-2)何れの大当り遊技が付与された場合であっても、大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御される一方で、大当りの種類に応じて、高ベース状態に制御されるときの上限期間が異なる。これによれば、大当り遊技が付与されたにもかかわらず該大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御されないことで遊技者の興趣を低下させてしまうことを抑制しつつ、大当りの種類に応じて異なる上限期間で高ベース状態を楽しませることができる。
例えば、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・図14に示すように、主制御CPU41aは、第1特別ゲームにおいて小当りに当選可能に制御してもよい。即ち、第1特別図柄の小当り図柄を備えていてもよい。この場合、第1特別図柄の当り抽選において小当りに当選する確率Pk0は、第2特別図柄の当り抽選において小当りに当選する確率Pk1よりも低くするとよい。これによれば、主制御CPU41aは、第1始動口15への遊技球の入球を契機としては、第2始動口16へ遊技球が入球した場合と比較して小当り遊技を付与し難くすることができる。
・図14に示すように、主制御CPU41aは、低ベース状態において普通当りに当選可能に制御してもよい。この場合、低ベース状態において普通当りに当選する確率Pf0は、高ベース状態において普通当りに当選する確率Pf1よりも低くするとよい。また、この場合、低ベース状態において普通当りに当選したときには、高ベース状態において普通当りに当選したときと比較して、普通当り遊技において普通可変部材17が開状態となる時間を短くしてもよい。これによれば、主制御CPU41aは、低ベース状態においては、高ベース状態と比較して普通可変部材17が開状態となる時間が短くなるように制御することができる。
・主制御CPU41aは、低ベース状態において小当り遊技を付与可能に制御してもよい。この場合、主制御CPU41aは、低ベース状態においては、高ベース状態と比較して小当り遊技が付与され難くなるように制御するとよい。即ち、低ベース状態は、高ベース状態と比較して小当り遊技が付与され難い遊技状態であってもよい。なお、低ベース状態において、高ベース状態と比較して小当り遊技が付与され難くなるようにするための制御は適宜選択可能である。例えば、主制御CPU41aは、低ベース状態においては、高ベース状態と比較して普通可変部材17が開状態となる時間が短くなるように制御してもよいし、第1始動口15への遊技球の入球を契機としては、第2始動口16へ遊技球が入球した場合と比較して小当り遊技を付与し難くするように制御してもよい。
・主制御CPU41aは、低ベース状態において役物当りに基づく大当り遊技を付与可能に制御してもよい。この場合、主制御CPU41aは、低ベース状態において小当り遊技を付与可能に制御するとともに、該小当り遊技において第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26aを通過可能となるように制御するとよい。このとき、主制御CPU41aは、低ベース状態においては、高ベース状態と比較して役物当りに基づく大当り遊技が付与され難いように制御するとよい。即ち、低ベース状態は、高ベース状態と比較して役物当りに基づく大当り遊技が付与され難い遊技状態であってもよい。なお、低ベース状態において、高ベース状態と比較して役物当りに基づく大当り遊技が付与され難くなるようにするための制御は適宜選択可能である。例えば、主制御CPU41aは、低ベース状態においては、高ベース状態と比較して、小当り遊技が付与され難くなるように制御してもよいし、小当り遊技全体に占める第1通路26aを遊技球が通過不能な小当り遊技の割合が大きくなるように制御してもよい。
・主制御CPU41aは、図柄当りに基づく大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御する場合には、役物当りに基づく大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御するときと比較して、高ベース状態に制御される上限期間が常に短くなるように制御してもよい。
・主制御CPU41aは、低ベース状態において、図柄当りに基づく大当り遊技の終了後には、大当りの種類にかかわらず高ベース状態が付与されるようにしてもよい。また、主制御CPU41aは、高ベース状態において、図柄当りに基づく大当り遊技の終了後には、大当りの種類にかかわらず高ベース状態が付与されないように制御してもよい。
・特別図柄の当り抽選における大当り確率及び小当り確率は、適宜調整が可能である。このとき、例えば、第2特別ゲームの小当り確率を、第2特別ゲームの大当り確率よりも極めて高い確率とすることにより、主に第2特別ゲームが行われる高ベース状態において、役物ゲームに基づく大当りが付与されることへの期待感を高めることができる。
・小当り遊技における第1大入賞口18の開放時間及び振分シャッタ28の動作パターンは、適宜変更してもよい。
・パチンコ遊技機10のベース状態として、3種類以上のベース状態を備えた遊技機に具体化してもよい。この場合、3種類以上のベース状態のうち、最も遊技者にとっての有利度が低い遊技状態を含む1又は複数種類のベース状態が第1遊技状態に相当し、該第1遊技状態よりも遊技者にとっての有利度が高い遊技状態が第2遊技状態に相当する。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記遊技状態制御手段は、前記大当り遊技の終了後には該大当り遊技の種類に応じた遊技状態に制御するようになっており、所定の大当り遊技の終了後に何れの遊技状態に制御されるかは、設定されている設定値が何れの設定値であっても同一である。
(ロ)前記第2遊技状態は、前記大当り遊技が終了してから前記上限期間が経過するよりも前に終了される場合があり、前記上限期間が経過するよりも前に前記第2遊技状態が終了する確率は、設定されている設定値に応じて異なる。