JP7060270B1 - 業務用衣類処理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
まず、従来の衣類処理装置は、一般家庭で用いられる装置であり、クリーニング事業者の視点からは、家庭用電源による電力では十分な量のスチームを発生させることができず、従って十分なシワ伸ばし等の効果が得られない。仮に、業務用電源を利用するように上記の衣類処理装置の構成を単に変更しただけでは、スチームを循環させる機構等を含む装置全体への更なる工夫を行わない限り、クリーニング事業者の視点から十分なシワ伸ばし等の効果を得ることが困難である。
また、上記の衣類処理装置では、スチームの噴霧パターンが画一的であり、筐体内に収容された衣類に満遍なくスチームを行き渡らせることが困難である。そのため、衣類は部分的にシワ伸ばし等が行われない箇所が発生し、ひいては、衣類全体に渡ってシワ伸ばし等を行う、といったユーザがクリーニング事業者に望む処理を達成することが困難である。
さらには、可能な限り人が介在することなく、シワ伸ばしや消臭といった衣類の処理をオートメーション化できれば、クリーニング事業者にとってはマンパワーや人件費を減らすことができ、好適である。
本実施の形態に係る業務用衣類処理装置の構成について、詳細に説明する。この業務用衣類処理装置(以下、省略して衣類処理装置と称する)は、例えば、コインランドリー事業を営む事業者のコインランドリースペースに設置され、コインランドリーを利用するユーザに利用され得る。
まず、制御装置2の外観について図1(a)及び図2を参照して詳細に説明する。制御装置2は、硬貨等のコインが投入されることで電源が投入されて起動し、衣類処理筐体3の動作全体を制御する据え置き型の装置である。この制御装置2は、衣類処理筐体3とは別体で設置され、例えば、衣類処理筐体3から1.8m以内の範囲に設置される。既存のコインランドリーのスペースの制約下で、衣類処理装置1の設置を行えるようにするためである。なお、既存のコインランドリーのスペースの制約がないような場合や、一体に設けたほうが衣類処理装置1の設置が容易となるような場合には、制御装置2は、衣類処理筐体3と一体に設けられてもよい。
動作表示部213aは、例えば、液晶パネルにシワ伸ばし中等のメッセージを表示する構成を採用してもよいし、図示するように、シワ伸ばし、消臭処理、冷却中、終了、のそれぞれを示すインジケータを備え、各動作に応じたランプを表示する構成を採用してもよい。
次に、衣類処理筐体3の構成について、図1及び図4を参照して詳細に説明する。衣類処理筐体3は、その内部空間の大部分である衣類処理スペース34に収容された衣類に、制御ボックス21の制御処理部215の制御の下でシワ伸ばし処理、消臭・仕上げ処理等を行う機構であり、主に、一対の扉32と、ハンガー機構33と、スチーム噴霧機構4と、消臭剤噴射機構5と、検出機構6と、を備える。なお、図1(b)では、図示による本発明についての理解を容易にするため、後述するスチーム噴霧機構4及び消臭剤噴射機構5の一部を省略している。
なお、一対の開閉可能な扉32はあくまでも一例であって、衣類処理スペース34を開閉できるのであれば、開き扉に限定されず折れ扉等の他の種の扉を採用してもよい。
なお、棚36は、千鳥格子状に限定されず、例えば4辺を除いて全面が金属メッシュ363によって形成される構成を採用してもよい。
パターンBでは、衣類処理筐体3の構造上、衣類とスチームとの距離が確保できるため、スチームの水滴が直接衣類にかかることがなく適度に衣類を蒸らすことができる。スチームには水滴が含まれるが、スチームと比較して重いため、乾燥度の高いスチームよりも重力で下に落下しやすく、従って衣類にいわゆる水ジミが生じるおそれが少ない。また、落下した水滴は、高熱のスチームが通過するスチームチャンバ44に落下するため、再沸騰されて揮発しやすい。
パターンCでは、横方向における左右の衣類にスチームが集中し、その間にある衣類にはスチームが直接届かず、十分なシワ伸ばしが行えない。また、横方向における左右両端に位置する衣類は、スチームと距離が近いため、水滴による水ジミが生じるおそれがある。
以上を考慮して、本実施の形態では、スチームを衣類の下から噴霧する構成を採用することとした。
パターン2では、エアAによる加圧を調整することで、パターン1同様に消臭剤Dのミストを満遍なく噴射することができるが、衣類との距離が比較的遠いため、このパターンのみでは消臭剤Dによる消臭効果を得にくい。また、上記のように、棚36をセットしてクッション等の衣類を配置した状態では、上まで噴射した消臭剤Dのミストが届かないおそれがある。
パターン3では、左右の両端にある衣類に直接消臭剤Dが噴射され、その間にある衣類にはほとんど届かないおそれがある。そのため、消臭処理の効果にムラが生じる。
以上を考慮して、本実施の形態では、消臭剤Dのミストを、上及び下の両側から噴射する構成を採用することとした。
温度検出部61は、例えばサーミスタであり、制御処理部215と電気的に接続され、衣類処理スペース34の天井側に配置される。温度検出部61は、例えば、ハンガー機構33の近傍に配置される。温度検出部61は、検出した温度を示す信号を制御処理部215に供給し、制御処理部215は、供給された信号に基づいて衣類処理スペース34の温度が略60℃以下か否か判別する。
ロープ631は、一端が衣類処理スペース34内において衣類処理筐体3の一の側面に固定され、他端がマイクロスイッチ633のヒンジレバーに固定される。
ローラ632は、衣類処理スペース34内において衣類処理筐体3の他方の側面に回転可能に固定され、ロープ631にたるみが生じないよう、ロープ631が掛けられる。ロープ631やローラ632は、衣類処理スペース34において所定の高さ、例えば、一対の第7の部分537に設けられた複数の消臭剤噴射ノズル54の上方に設けられる。
マイクロスイッチ633は、制御処理部215に電気的に接続され、衣類処理筐体3の底面において、ローラ632が設けられた側面側のスチームチャンバ44と干渉しない位置に設けられる。
次に、以上のような構成を有する衣類処理装置1の動作について、図9及び図10のフローチャート、並びに図11の動作概略図を参照しつつ説明する。本実施の形態においては、衣類処理装置1は、一例として、シワ伸ばし処理、消臭・仕上げ処理、の順で衣類に対して処理を行う。ここでは、予め、ユーザが処理をしたい複数の衣類Cを衣類処理筐体3内のハンガー332のそれぞれに掛け、衣類処理筐体3の一対の扉32を完全に閉じた場合を想定する。なお、以下に説明するステップの順序は、本発明の特徴的な動作を説明することを目的とした一例に過ぎず、同様の作用、効果が得られるのであれば適宜変更してよい。
まず、シワ伸ばし処理のフローについて、図9並びに図11を適宜参照しつつ説明する。
ユーザが、硬貨投入口から所定の金額の硬貨を投入すると(ステップS1:YES)、硬貨投入パネル211は、電源電力を制御処理部215に供給し、制御ボックス21を起動、つまり、ユーザの操作待ち状態にさせる(ステップS2)。制御処理部215は、操作パネル212のインジケータ212aを点灯して所定の金額が投入されたことを表示する(ステップS3)。所定の金額の硬貨が投入されるまで、硬貨投入パネル211は、制御処理部215をユーザの操作待ち状態にしない(ステップS1:NO)。
なお、落下物があるか否かについては、制御処理部215は、衣類処理筐体3の動作の間において、続く処理や各ステップの間においても落下物検出部63から供給される信号があるか否か、判別し続け、例えば衣類処理筐体3の動作中に落下物が検出された場合には安全のためその時点での衣類処理筐体3の動作をいわゆる割り込み処理によって一旦停止する。ユーザによって落下物が除去された場合には、ユーザがスタートボタン212bを再度押圧することで、中断した時点からの衣類処理筐体3の動作を再開する。
以上により、シワ伸ばし処理が完了し、制御処理部215は、処理を続く消臭・仕上げ処理に移行する。
次に、消臭・仕上げ処理のフローについて、図10並びに図11を適宜参照して詳細に説明する。
制御処理部215は、ステップS14において温風の循環が所定の時間行われたか否か、判別する(ステップS21)。ステップS14において所定の時間の温風の循環が完了していない場合(ステップS21:NO)、制御処理部215は、図9のステップS14を継続する。一方、ステップS14において所定の時間の温風の循環が完了した場合には(ステップS21:YES)、制御処理部215は、まず、動作表示部213aにおける表示を変更し、消臭処理中である旨を表示する。また、制御処理部215は、消臭剤噴射用電磁弁52を開き、タンク51から消臭剤供給配管53に加圧された消臭剤Dを供給し、ひいては、複数の消臭剤噴射ノズル54から消臭剤Dのミストを処理対象の衣類Cに向かって上下から噴射する(ステップS22)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下のような作用・効果が得られる。
内部に処理対象の衣類Cを配置可能な衣類処理筐体3と、
衣類処理筐体3の内部(衣類処理スペース)34において、衣類処理装置1の外部のボイラーからのスチームを処理対象の衣類Cに向けて噴霧するとともに、スチームの噴霧とは別に、外部のボイラーからのスチームを用いて衣類処理筐体3の内部(衣類処理スペース)34を暖めるスチーム噴霧機構4と、
衣類処理筐体3の内部(衣類処理スペース)34において、消臭剤Dを処理対象の衣類Cに向けて噴射する消臭剤噴射機構5と、
スチーム噴霧機構4と、消臭剤噴射機構5とに電気的に接続され、処理対象の衣類Cに対してシワ伸ばし及び消臭を含む処理を行うよう、スチーム噴霧機構4と消臭剤噴射機構5とをそれぞれ制御する制御装置2と、
を備える。
また、コインランドリーで使用されるボイラーからのスチームは、家庭用の機器で生成されるスチームよりも強力なため、ボイラーからのスチームを利用することで、家庭用の機器と比較して、クリーニング事業者の視点から見て十分なシワ伸ばし処理が行える。
さらに、クリーニング事業者が自己の業務に用いる業務用の消臭剤Dを用いるため、ユーザが比較的容易に入手可能な家庭用消臭剤を用いる場合と比較して、クリーニング事業者の視点から見て十分な消臭効果が得られる。
従って、本実施の形態によれば、クリーニング事業者による仕上がり品質のシワ伸ばしや消臭といった衣類の処理を行うことができる業務用衣類処理装置1を提供することが可能となる。
衣類処理筐体3の内部(配置用スペース)39に設けられるスチームヒータ45と、
スチームチャンバ44とスチームヒータ45とのそれぞれの内部を連通する配管451と、
を備え、
配管451を介してスチームをスチームチャンバ44及びスチームヒータ45のそれぞれの内部に供給することで、スチームチャンバ44及びスチームヒータ45の内部をそれぞれ暖めるようにしてもよい。
送風機37を駆動して送風機37からの風を、内部にスチームが供給されて暖められたスチームヒータ45に当てることで、衣類処理筐体3の内部(衣類処理スペース)34で温風を循環させるようにしてもよい。
制御装置2と電気的に接続され、衣類処理筐体3の内部(衣類処理スペース)34の温度を検出する温度検出部61と、
制御装置2と電気的に接続され、制御装置2の制御の下、扉32をロックするとともに、扉32が正常に閉じられたか否かを示す信号を制御装置2に供給する扉ロック部62と、
制御装置2と電気的に接続され、衣類処理筐体3の内部(衣類処理スペース)34において底面に向かって落下した衣類Cの有無を示す信号を制御装置2に供給する落下物検出部63と、
をさらに備えてもよい。
仕切り板38の上端側及び下端側を介して、衣類処理スペース34と配置用スペース39とが連通するようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、棚36についての変形例である。第1の実施の形態では、棚36は、衣類処理筐体3の衣類処理スペース34内の奥行き方向にある仕切り板38に対して折り畳み可能に取り付けられた。本実施の形態においては、棚は、衣類処理筐体3の衣類処理スペース34において両側面に折り畳み可能に取り付けられる。以下、図12を参照して詳細に説明する。
例えば、上記の実施の形態では、衣類処理装置1は、硬貨等のコインが投入されることで動作を開始する場合を例にして説明した。しかしながら、本発明はこの例に限定されず、硬貨等のコインに代えて、ICカード等にチャージされた電子マネーを利用する構成とすることもできる。この場合は、硬貨投入パネル211等に代えて、公知の任意のICカードリーダ等を設け、ユーザが例えばICカードをICカードリーダにかざすことで当該ICカードを読み取り、当該ICカードにチャージされた電子マネーを処理することで動作を開始するよう、衣類処理装置1を構成してもよい。
2 制御装置
3 衣類処理筐体
4 スチーム噴霧機構
5 消臭剤噴射気孔
32 一対の扉
34 衣類処理スペース
36、136 棚
37 送風機
38 仕切り板
39 配置用スペース
44 スチームチャンバ
45 スチームヒータ
54 噴射ノズル
61 温度検出部
62 扉ロック部
63 落下物検出部
441 スチーム噴霧孔
451 配管
C 衣類
D 消臭剤
Claims (10)
- コインランドリーのスペースに設置される業務用衣類処理装置であって、
内部に処理対象の衣類を配置可能な衣類処理筐体と、
前記衣類処理筐体の内部において、前記業務用衣類処理装置外部のボイラーからのスチームを前記処理対象の衣類に向けて噴霧するとともに、前記スチームの噴霧とは別に、前記外部のボイラーからのスチームを用いて前記衣類処理筐体の内部を暖めるスチーム噴霧機構と、
前記衣類処理筐体の内部において、クリーニング事業者が自己の業務に用いる業務用の消臭剤を前記処理対象の衣類に向けて噴射する消臭剤噴射機構と、
前記スチーム噴霧機構と、前記消臭剤噴射機構とに電気的に接続され、前記処理対象の衣類に対してシワ伸ばし及び消臭を含む処理を行うよう、前記スチーム噴霧機構と前記消臭剤噴射機構とをそれぞれ制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする業務用衣類処理装置。 - 前記スチーム噴霧機構は、前記制御装置の制御の下、前記衣類処理筐体の内部において前記処理対象の衣類の下側のみからスチームを噴霧する、ことを特徴とする請求項1に記載の業務用衣類処理装置。
- 前記消臭剤噴射機構は、前記制御装置の制御の下、前記衣類処理筐体の内部において前記処理対象の衣類の上側及び下側の両方から消臭剤を噴射する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の業務用衣類処理装置。
- 前記スチーム噴霧機構は、前記衣類処理筐体の底面に設けられ、複数の噴霧孔からスチームを噴霧するスチームチャンバと、
前記衣類処理筐体の内部に設けられるスチームヒータと、
前記スチームチャンバと前記スチームヒータとのそれぞれの内部を連通する配管と、
を備え、
前記配管を介してスチームを前記スチームチャンバ及び前記スチームヒータのそれぞれの内部に供給することで、前記スチームチャンバ及び前記スチームヒータの内部をそれぞれ暖める、ことを特徴とする請求項1に記載の業務用衣類処理装置。 - さらに、前記制御装置に電気的に接続される送風機を備え、
前記送風機を駆動して前記送風機からの風を、内部にスチームが供給されて暖められたスチームヒータに当てることで、前記衣類処理筐体の内部で温風を循環させる、ことを特徴とする請求項4に記載の業務用衣類処理装置。 - 前記衣類処理筐体は、開閉することで前記衣類処理筐体の内部を開閉する扉を備え、
前記制御装置と電気的に接続され、前記衣類処理筐体の内部の温度を検出する温度検出部と、
前記制御装置と電気的に接続され、前記制御装置の制御の下、前記扉をロックするとともに、前記扉が正常に閉じられたか否かを示す信号を前記制御装置に供給する扉ロック部と、
前記制御装置と電気的に接続され、前記衣類処理筐体の内部において底面に向かって落下した衣類の有無を示す信号を前記制御装置に供給する落下物検出部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の業務用衣類処理装置。 - 前記制御装置の制御の下、スチームの噴霧と、噴霧したスチームによる前記処理対象の衣類の蒸らしと、温風の循環と、消臭剤の噴霧と、温風の循環と、前記スチームヒータの内部へスチームの供給を停止した状態で前記送風機を駆動することによる冷却と、を行うことを特徴とする請求項5に記載の業務用衣類処理装置。
- 前記消臭剤噴射機構は、複数の消臭剤噴射ノズルを介して前記処理対象の衣類の上側及び下側から消臭剤を噴射する、ことを特徴とする請求項3に記載の業務用衣類処理装置。
- 前記衣類処理筐体の内部のうち、前記処理対象の衣類が配置される衣類処理スペースと、前記スチームヒータが配置される配置用スペースとを仕切る仕切り板をさらに備え、
前記仕切り板の上端側及び下端側を介して、前記衣類処理スペースと前記配置用スペースとが連通する、ことを特徴とする請求項4に記載の業務用衣類処理装置。 - 前記仕切り板は、前記衣類処理スペース内において、折り畳み可能なメッシュ状の棚を備える、ことを特徴とする請求項9に記載の業務用衣類処理装置。
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