JP7058847B2 - 線状変形装置およびグリッパ装置 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 ・集 会 名:計測自動制御学会 東北支部 第312回研究集会 開 催 日:2017年(平成29年)11月24日
本発明は、線状変形装置およびグリッパ装置に関する。
従来、支持アームやグリッパ装置等として使用するために、ジャミング転移現象を利用して剛性を変化可能に設けられた、細長い構造体が開発されている。例えば、細長い袋状構造の内部に粉体を封入し、内部の空気を引き抜くことにより、粉体同士を接触させて剛性を向上させたり、内部に空気を供給することにより、剛性を低下させたりするものがある(例えば、非特許文献1乃至3参照)。また、手術具などを支持する円筒状アーム表面の袋状構造の内部に、レイヤージャミングとして、複数の面状の構造体をずらして重ねた状態で収納し、ジャミング転移現象と同様の剛性変化を生じさせるものも開発されている(例えば、非特許文献4または5参照)。
Brown, Eric, et al. "Universal robotic gripper based on the jamming of granular material", Proceedings of the National Academy of Sciences, 2010, 107.44, p.18809-18814 Cheng, N., Lobovsky, M., Keating, S., Setapen, A., Gero, K., Hosoi, A. and Iagnemma, K., "Design and Analysis of a Robust, Low-cost, Highly Articulated Manipulator Enabled by Jamming of Granular Media", Proceedings of the IEEE International Conference on Robotics and Automation, 2012, p.4328-4333 Allen Jiang, Prokar Dasgupta, Kaspar Althoefer and Thrishantha Nanayakkara、"Robotic Granular Jamming: A New Variable Stiffness Mechanism"、日本ロボット学会誌、2014年、Vol.32、No.4, p.333-338 Kim, Y., Cheng, S., Kim, S., and Iagnemma, K., "Design of a Tubular Snake-like Manipulator with Stiffening Capability by Layer Jamming", Proceedings of the IEEE International Conference on Robots and Systems, 2012, p.4251-4256 Kim, Y., Cheng, S., Kim, S., and Iagnemma, K., "A Novel Layer Jamming Mechanism with Tunable Stiffness Capability for Minimally Invasive Surgery", IEEE Transactions on Robotics, August 2013, Vol. 29, No. 1, p.1031-1042
しかしながら、非特許文献1乃至3に記載の粉体を利用した構造体では、袋状構造を高剛性にして水平方向に延ばした場合、その根元で座屈が生じやすいという課題があった。また、非特許文献4および5に記載の面状の構造体を利用したものでは、袋状構造の内部に面状の構造体を重ねて収納しているため、低剛性時でも袋状構造の曲率半径が小さく、可動範囲が限定されるという課題があった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、座屈しにくく、可動範囲が比較的広い線状変形装置、および、その線状変形装置を有するグリッパ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る線状変形装置は、細長く、長さ方向に沿った1または複数箇所で、湾曲および/または屈曲して変形可能な低剛性状態と変形した形状を維持可能な高剛性状態との間で、剛性を変化可能に設けられた形状可変線状体と、前記形状可変線状体の剛性を変化させる剛性変化手段とを有し、前記形状可変線状体は、長さ方向に沿って先端から後端まで伸びる紐体と、中央部に貫通孔を有する複数のユニット材とを有し、前記紐体が各ユニット材の貫通孔に挿入されて各ユニット材を一列に連結しており、前記紐体の長さ方向に沿って各ユニット材をスライド可能で、最も先端側のユニット材が、前記紐体の先端側に抜けないよう設けられ、各ユニット材は、前記紐体の先端側の表面と後端側の表面とが異なる形状を成しており、前記剛性変化手段は、隣り合うユニット材を密着させるよう、各ユニット材に対して相対的に前記紐体を後端側に引くことにより、前記形状可変線状体の剛性を高めると共に、前記紐体の張力を緩めることにより、前記形状可変線状体の剛性を低下させるよう構成されていることを特徴とする。
本発明に係る線状変形装置は、剛性変化手段で形状可変線状体を低剛性状態にし、形状可変線状体を所望の形状に湾曲および/または屈曲させて変形させた後、剛性変化手段で形状可変線状体を高剛性状態にすることにより、形状可変線状体を所望の形状に維持することができる。本発明に係る線状変形装置は、この特性を利用することにより、支持部材やグリッパ装置等として利用することができる。
本発明に係る線状変形装置は、形状可変線状体の長さ方向に沿って先端から後端まで伸びる紐体を有しているため、袋状体の内部に粉体のみを封入する従来のものと比べて、座屈しにくくなるよう構成することができる。また、従来の袋状構造の内部に面状の構造体を重ねて収納するものと比べて、低剛性状態での曲率半径が大きくなるよう構成することができ、可動範囲を比較的広くすることができる。
本発明に係る線状変形装置は、紐体に通した複数のユニット材によるジャミング転移現象を利用するため、低剛性時に各ユニット材の間隔を拡げることができ、形状可変線状体の曲率半径を大きくすることができる。これにより、可動範囲を広くすることができる。
また、本発明に係る線状変形装置は、剛性変化手段で各ユニット材に対して相対的に紐体を後端側に引くことにより、隣り合うユニット材が密着するため、形状可変線状体の剛性を高めることができる。このとき、各ユニット材が、紐体の先端側の表面と後端側の表面とが異なる形状を成しているため、湾曲および/または屈曲した形状を維持可能に構成することができる。また、剛性変化手段で紐体の張力を緩めることにより、各ユニット材の密着状態が解けるため、形状可変線状体の剛性を低下させることができる。
第1の本発明に係るグリッパ装置は、本発明に係る線状変形装置を複数有し、各形状可変線状体が、所定の中心線の周りに、前記中心線に沿って後端側から先端側に向かって伸びるよう配置されており、各形状可変線状体の内側で対象物を把持可能に設けられていることを特徴とする。
第1の本発明に係るグリッパ装置は、各形状可変線状体の内側に対象物を入れ、対象物を挟んだり覆ったりするよう、各形状可変線状体を湾曲および/または屈曲させた状態で、各形状可変線状体を高剛性状態にすることにより、対象物を把持することができる。
第1の本発明に係るグリッパ装置は、各形状可変線状体の先端部が連結されており、その連結部が、各形状可変線状体が低剛性状態のとき、各形状可変線状体の内側で前記中心線に沿って後端側に向かって移動可能に構成されていてもよい。
第2の本発明に係るグリッパ装置は、細長く、長さ方向に沿った1または複数箇所で、湾曲および/または屈曲して変形可能な低剛性状態と変形した形状を維持可能な高剛性状態との間で、剛性を変化可能に設けられた形状可変線状体と、前記形状可変線状体の剛性を変化させる剛性変化手段とを有し、前記形状可変線状体は、長さ方向に沿って先端から後端まで伸びる紐体を有することを特徴とする線状変形装置を複数有し、各形状可変線状体が、所定の中心線の周りに、前記中心線に沿って後端側から先端側に向かって伸びるよう配置されて、各形状可変線状体の先端部が連結されており、その連結部が、各形状可変線状体が低剛性状態のとき、各形状可変線状体の内側で前記中心線に沿って後端側に向かって移動可能に構成されており、各形状可変線状体の内側で対象物を把持可能に設けられていることを特徴とする。
この第1および第2の本発明に係るグリッパ装置は、以下のようにして対象物を把持することができる。すなわち、まず、各形状可変線状体を低剛性状態にしておき、連結部付近に対象物を押し当てる。これにより、連結部が各形状可変線状体の後端側に向かって移動し、各形状可変線状体が対象物の形状になじむように変形する。各形状可変線状体が対象物を把持可能な形状に変形したならば、各形状可変線状体を高剛性状態にする。これにより、各形状可変線状体で対象物を把持することができる。対象物を離す場合には、各形状可変線状体を低剛性状態にすればよい。
また、この場合、連結部を各形状可変線状体の先端側に移動させる移動手段を有していてもよい。このとき、対象物を離した後、移動手段により、各形状可変線状体を元の状態に戻すことができる。
第2の本発明に係るグリッパ装置で、前記形状可変線状体は、細長い袋状体と、前記袋状体の内部に収納された流動体とを有し、前記紐体は、複数から成り、前記袋状体の内部に、前記袋状体の長さ方向に沿って伸びるよう設けられており、前記剛性変化手段は、前記形状可変線状体の剛性を高めるよう前記袋状体の内部から前記流動体を排出可能、かつ、前記形状可変線状体の剛性を低下させるよう前記袋状体の内部に前記流動体を供給可能に構成されていてもよい。この場合、複数の紐体によるジャミング転移現象を利用するため、形状可変線状体が高剛性状態のときに座屈しにくい。
また、この場合、剛性変化手段で袋状体の内部から流動体を排出することにより、複数の紐体同士が密接するため、形状可変線状体の剛性を高めることができる。また、剛性変化手段で袋状体の内部に流動体を供給することにより、複数の紐体同士の密接状態が解けるため、形状可変線状体の剛性を低下させることができる。流動体は、液体、気体、粉体、または、これらのうちの複数を組み合わせたものから成ることが好ましい。
また、この場合、流動体が機能性流体から成り、流動体の粘性を変化させるよう、流動体に物理的作用を付与可能な硬度制御手段を有していてもよい。この場合、紐体および剛性変化手段による剛性の変化と、機能性流体および硬度制御手段による粘性の変化との組合せにより、形状可変線状体の剛性を細かく変化させることができる。例えば、機能性流体としてER流体(電気粘性流体)を使用し、硬度制御手段により、ER流体に電界を印加することにより、流動体の粘性を任意に変化させることができる。また、機能性流体としてMR流体(磁気粘性流体)を使用し、硬度制御手段により、MR流体に磁界を印加することにより、流動体の粘性を任意に変化させることができる。
本発明によれば、座屈しにくく、可動範囲が比較的広い線状変形装置、および、その線状変形装置を有するグリッパ装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態の線状変形装置を示す、(a)断面図、(b)袋状体の一部を切り欠いた斜視図である。 図1に示す線状変形装置の変形例を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態の線状変形装置の、(a)形状可変線状体が真っ直ぐ伸びた状態、(b)形状可変線状体が湾曲した状態を示す断面図である。 図3に示す線状変形装置の、複数箇所で湾曲した使用状態を示す斜視図である。 図3に示す線状変形装置の第1の変形例を示す斜視図である。 図3に示す線状変形装置の第2の変形例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態のグリッパ装置の使用状態を示す斜視図である。 図7に示すグリッパ装置の変形例を示す斜視図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
図1および図2は、本発明の第1の実施の形態の線状変形装置を示している。
図1に示すように、線状変形装置10は、形状可変線状体11と剛性変化手段12とを有している。
形状可変線状体11は、細長い袋状体21と、袋状体21の内部に、袋状体21の長さ方向に沿って先端から後端まで伸びるよう設けられた複数の紐体22と、袋状体21の内部に収納された流動体23とを有している。袋状体21は、使用用途に応じて、例えば、伸縮性の素材や難伸縮性の素材、弾性を有する素材など、いかなるものから成っていてもよい。紐体22は、例えば、単線や撚線、表面の摩擦が大きい素材や、伸縮性の素材、柔軟な素材、弾性を有する素材など、いかなるものから成っていてもよい。流動体23は、液体や気体、粉体など、流動可能なものであれば、いかなるものから成っていてもよく、例えば、水や空気から成っている。
剛性変化手段12は、袋状体21の内部から流動体23を排出可能、かつ、袋状体21の内部に流動体23を供給可能に設けられている。剛性変化手段12は、例えば、シリンダーやポンプ等を利用して構成可能である。
線状変形装置10は、剛性変化手段12により、形状可変線状体11の剛性を変化させるようになっている。すなわち、線状変形装置10は、剛性変化手段12で袋状体21の内部から流動体23を排出することにより、袋状体21の内部で複数の紐体22同士を密接させてジャミング転移を発生させ、形状可変線状体11の剛性を高めるようになっている。また、剛性変化手段12で袋状体21の内部に流動体23を供給することにより、複数の紐体22同士が密接したジャミング転移を解消し、形状可変線状体11の剛性を低下させるようになっている。こうして、線状変形装置10は、形状可変線状体11を、その長さ方向に沿った1または複数箇所で、湾曲および/または屈曲して変形可能な低剛性状態と、変形した形状を維持可能な高剛性状態との間で、変形可能に構成されている。
次に、作用について説明する。
線状変形装置10は、剛性変化手段12で形状可変線状体11を低剛性状態にし、形状可変線状体11を所望の形状に湾曲および/または屈曲させて変形させた後、剛性変化手段12で形状可変線状体11を高剛性状態にすることにより、形状可変線状体11を所望の形状に維持することができる。これにより、線状変形装置10は、対象物になじむ際には柔らかく、対象物に力を及ぼす際には高剛性にて接触するという剛性可変を実現することができる。線状変形装置10は、この特性を利用することにより、支持部材やグリッパ装置等として利用することができる。グリッパ装置として利用する場合には、例えば、投げ縄の要領で、形状可変線状体11の先端部を対象物に巻き付けたりすることにより、対象物を把持することができる。
線状変形装置10は、形状可変線状体11の長さ方向に沿って、袋状体21の先端から後端まで伸びる複数の紐体22によるジャミング転移現象を利用するため、袋状体21の内部に粉体のみを封入する従来のものと比べて、高剛性状態のときに座屈しにくい。
具体的な一例として、袋状体21を天然ゴム製とし、紐体22として、直径1.2mmの耐熱絶縁ビニル電線(UL1007AWG28)を19本用い、直径6mm、長さ260mm、重さ15.5gの形状可変線状体11を作製した。この形状可変線状体11を、高剛性状態にして水平方向に伸ばし、根元から50mmの位置に上から下に向かって荷重をかけて、そこでの変位を測定した。また、比較のため、同じ袋状体21を使用して、中に粉体(コーヒー粉)のみを封入して高剛性にした線状体についても、同様の測定を行った。その結果、形状可変線状体11は、比較試料と比べて、3.5倍以上のせん断剛性が得られた。また、座屈しにくいことも確認された。
なお、図2に示すように、線状変形装置10は、袋状体21を末端側から巻き取り可能に構成されていてもよい。この場合、袋状体21を巻き取って形状可変線状体11を短くしたり、紐体22を先端側に押して、巻き取った袋状体21を延ばすことにより、形状可変線状体11を長くしたりすることができ、形状可変線状体11を伸縮させることができる。
また、線状変形装置10は、流動体23が機能性流体から成り、流動体23の粘性を変化させるよう、流動体23に物理的作用を付与可能な硬度制御手段を有していてもよい。この場合、紐体22および剛性変化手段12による剛性の変化と、機能性流体および硬度制御手段による粘性の変化との組合せにより、形状可変線状体11の剛性を細かく変化させることができる。例えば、機能性流体としてER流体(電気粘性流体)を使用し、硬度制御手段により、ER流体に電界を印加することにより、流動体23の粘性を任意に変化させることができる。また、機能性流体としてMR流体(磁気粘性流体)を使用し、硬度制御手段により、MR流体に磁界を印加することにより、流動体23の粘性を任意に変化させることができる。
また、線状変形装置10は、管内や狭い隙間等に挿入して移動可能に構成された細長い索状の移動体に取り付けて使用されてもよい。この場合、移動時には、低剛性状態で移動体に沿って取り付けることにより、移動体と共に柔軟に変形して移動することができる。作業時には、移動体から伸ばし、対象物や作業内容に合わせて高剛性状態にすることにより、対象物を把持したり、対象物に力を及ぼしたりすることができる。
図3乃至図6は、本発明の第2の実施の形態の線状変形装置を示している。
図3に示すように、線状変形装置30は、形状可変線状体31と剛性変化手段32とを有している。
形状可変線状体31は、中央部に貫通孔を有する複数のユニット材41と、各ユニット材41の貫通孔に挿入されて各ユニット材41を一列に連結して、長さ方向に沿って先端から後端まで伸びた紐体42とを有している。各ユニット材41は、非凹凸対称形状を成しており、紐体42の先端側の表面と後端側の表面とが異なる形状を成している。形状可変線状体31は、細長く、紐体42の長さ方向に沿って各ユニット材41をスライド可能になっており、最も先端側のユニット材41が、紐体42の先端側に抜けないよう、紐体42の先端にストッパ42aが設けられている。各ユニット材41は、いかなる材質であってもよいが、硬いことが好ましい。紐体42は、いかなる材質であってもよいが、難伸縮性であることが好ましい。
剛性変化手段32は、各ユニット材41に対して相対的に紐体42を後端側に引いて、紐体42の張力を高めたり緩めたりするよう構成されている。剛性変化手段32は、例えば、モータを利用した巻き取り装置等を利用して構成することができる。
線状変形装置30は、剛性変化手段32により、形状可変線状体31の剛性を変化させるようになっている。すなわち、線状変形装置30は、剛性変化手段32で紐体42を後端側に引いて、紐体42の張力を高めることにより、隣り合うユニット材41を密着させてジャミング転移を発生させ、形状可変線状体31の剛性を高めるようになっている。また、剛性変化手段32で紐体42の張力を緩めることにより、隣り合うユニット材41が密着したジャミング転移を解消し、形状可変線状体31の剛性を低下させるようになっている。こうして、線状変形装置30は、形状可変線状体31を、その長さ方向に沿った1または複数箇所で、湾曲および/または屈曲して変形可能な低剛性状態と、変形した形状を維持可能な高剛性状態との間で、変形可能に構成されている。
次に、作用について説明する。
線状変形装置30は、以下のようにして使用することができる。すなわち、剛性変化手段32で形状可変線状体31を低剛性状態にし、形状可変線状体31を所望の形状に湾曲および/または屈曲させて変形させた後、剛性変化手段32で形状可変線状体31を高剛性状態にする。このとき、各ユニット材41が球状の場合には、紐体42の張力により各ユニット材41が真っ直ぐに並んでいたが、線状変形装置30では、各ユニット材41が紐体42の先端側の表面と後端側の表面とが異なる非凹凸対称形状を成しているため、隣り合うユニット同士の凹凸が不規則に接して、湾曲および/または屈曲した形状を維持することができる。これにより、高剛性状態で、形状可変線状体31を所望の形状に維持することができる。
このように、線状変形装置30は、対象物になじむ際には柔らかく、対象物に力を及ぼす際には高剛性にて接触するという剛性可変を実現することができる。線状変形装置30は、この特性を利用することにより、支持部材やグリッパ装置等として利用することができる。また、線状変形装置30は、紐体42に通した複数のユニット材41によるジャミング転移現象を利用するため、低剛性時に各ユニット材41の間隔を拡げることができ、形状可変線状体31の曲率半径を大きくすることができる。これにより、可動範囲を広くすることができる。
なお、図4に示すように、各ユニット材41は、先端側の表面が曲率の小さい凸型を成し、後端側の表面が曲率の大きい凹型を成していてもよい。また、図5に示すように、各ユニット材41の周縁部の複数箇所に、各ユニット材41を貫通して各ユニットをスライド可能に設けられた複数の操作紐43を有していてもよい。この場合、低剛性状態のとき、各操作紐43を引いたり緩めたりすることにより、形状可変線状体31を任意の方向に曲げて、高剛性状態で所望の形状に維持することができる。また、図6に示すように、各ユニット材41は、先端側の表面が蒲鉾型の凸型を成し、後端側の表面がU字溝状の凹型を成していてもよい。この場合、凸型と凹型の伸びる方向を揃えることにより、上下方向や左右方向など一つの方向でのみ、湾曲および/または屈曲可能にすることができる。また、凸型と凹型の伸びる方向を垂直にすることにより、任意の方向に湾曲および/または屈曲可能にすることができる。
図7および図8は、本発明の実施の形態のグリッパ装置を示している。
図7に示すように、グリッパ装置50は、支持部材51と複数の線状変形装置30を有している。
支持部材51は、円板状の取付板51aと、取付板51aの一方の表面から垂直に伸びる支持体51bとを有している。各線状変形装置30は、取付板51aの他方の表面の周縁部に、外周に沿って所定の間隔で取り付けられている。各線状変形装置30は、形状可変線状体31の後端で取付板51aに取り付けられている。これにより、各形状可変線状体31は、取付板51aの中心線の周りに、その中心線に沿って後端側から先端側に向かって伸びるよう取り付けられている。
次に、作用について説明する。
図7に示すように、グリッパ装置50は、低剛性状態のとき、各形状可変線状体31の内側に対象物1を入れ、対象物1を挟んだり覆ったりするよう、各形状可変線状体31を湾曲および/または屈曲させ、その状態で各形状可変線状体31を高剛性状態にすることにより、対象物1を把持することができる。
なお、図8に示すように、グリッパ装置50は、各形状可変線状体31の先端部を連結する連結部材52を有し、各形状可変線状体31が低剛性状態のとき、連結部材52が、各形状可変線状体31の内側で、取付板51aの中心線に沿って後端側に向かって移動可能に構成されていてもよい。
図8に示すグリッパ装置50は、以下のようにして対象物を把持することができる。すなわち、まず、各形状可変線状体31を低剛性状態にしておき、連結部材52の付近に対象物を押し当てる。これにより、連結部材52が各形状可変線状体31の後端側に向かって移動し、各形状可変線状体31が対象物の形状になじむように変形する。各形状可変線状体31が対象物を把持可能な形状に変形したならば、各形状可変線状体31を高剛性状態にする。これにより、各形状可変線状体31で対象物を把持することができる。対象物を離す場合には、各形状可変線状体31を低剛性状態にすればよい。
図8に示すグリッパ装置50は、対象物を離した後、各形状可変線状体31を元の状態に戻せるよう、連結部材52を各形状可変線状体31の先端側に移動させる移動手段を有していることが好ましい。また、図8に示すように、取付板51aの向きを変更できるよう、支持体51bが、取付板51aの一方の表面に平行な軸51cを中心として回転可能に取り付けられていてもよい。
また、図7および図8に示すグリッパ装置50は、各形状可変線状体31の剛性を変化させる際、各紐体42を引いたり緩めたりするための、エアシリンダや弾性体などを有していてもよい。また、対象物を把持したときの摩擦力を高めるために、各形状可変線状体31の表面がゴム膜で覆われていてもよい。なお、図7および図8に示す一例では、線状変形装置30が使用されているが、線状変形装置10が使用されてもよい。
図8に示すグリッパ装置50を用い、対象物として、ボトル、テープ、箱、ハサミ、バルブ、バイス等を把持する実験を行った。その結果、全ての対象物を把持して持ち上げることができた。特に、ハサミの場合、直接、刃先を把持することができた。グリッパ装置50は、各形状可変線状体31が所定の間隔を開けて配置されているため、棒状のものを把持する際には、その間隙に入り込むことにより、確実に把持することができる。また、ハサミやガラス片、瓦礫などの鋭利な部分を有する対象物を把持する際には、線状変形装置30を使用したグリッパ装置50を用いることにより、安全で確実に把持することができる。
本発明の実施の形態のグリッパ装置50は、図7や図8の構成に限らず、例えば、各形状可変線状体31をすだれ状に配置し、低剛性状態で形状可変線状体31の間に対象物を挟み込み、高剛性状態で対象物を把持するよう構成されていてもよい。また、ドローンなどから複数の線状変形装置30を垂らし、低剛性状態で各形状可変線状体31を地上の対象物になじませた後、高剛性状態にして対象物を把持し、持ち上げるよう構成されていてもよい。また、複数の形状可変線状体31を面状に編み込み、生体や果実などの対象物を覆うようにして把持可能に構成されていてもよい。
1 対象物
10 線状変形装置
11形状可変線状体
21 袋状体
22 紐体
23 流動体
12 剛性変化手段

30 線状変形装置
31形状可変線状体
41 ユニット材
42 紐体
42a ストッパ
43 操作紐
32 剛性変化手段

50 グリッパ装置
51 支持部材
51a 取付板
51b 支持体
51c 軸
52 連結部材

Claims (5)

  1. 細長く、長さ方向に沿った1または複数箇所で、湾曲および/または屈曲して変形可能な低剛性状態と変形した形状を維持可能な高剛性状態との間で、剛性を変化可能に設けられた形状可変線状体と、
    前記形状可変線状体の剛性を変化させる剛性変化手段とを有し、
    前記形状可変線状体は、長さ方向に沿って先端から後端まで伸びる紐体と、中央部に貫通孔を有する複数のユニット材とを有し、前記紐体が各ユニット材の貫通孔に挿入されて各ユニット材を一列に連結しており、前記紐体の長さ方向に沿って各ユニット材をスライド可能で、最も先端側のユニット材が、前記紐体の先端側に抜けないよう設けられ、各ユニット材は、前記紐体の先端側の表面と後端側の表面とが異なる形状を成しており、
    前記剛性変化手段は、隣り合うユニット材を密着させるよう、各ユニット材に対して相対的に前記紐体を後端側に引くことにより、前記形状可変線状体の剛性を高めると共に、前記紐体の張力を緩めることにより、前記形状可変線状体の剛性を低下させるよう構成されていることを
    特徴とする線状変形装置。
  2. 請求項1記載の線状変形装置を複数有し、各形状可変線状体が、所定の中心線の周りに、前記中心線に沿って後端側から先端側に向かって伸びるよう配置されており、各形状可変線状体の内側で対象物を把持可能に設けられていることを特徴とするグリッパ装置。
  3. 各形状可変線状体の先端部が連結されており、その連結部が、各形状可変線状体が低剛性状態のとき、各形状可変線状体の内側で前記中心線に沿って後端側に向かって移動可能に構成されていることを特徴とする請求項記載のグリッパ装置。
  4. 細長く、長さ方向に沿った1または複数箇所で、湾曲および/または屈曲して変形可能な低剛性状態と変形した形状を維持可能な高剛性状態との間で、剛性を変化可能に設けられた形状可変線状体と、前記形状可変線状体の剛性を変化させる剛性変化手段とを有し、前記形状可変線状体は、長さ方向に沿って先端から後端まで伸びる紐体を有することを特徴とする線状変形装置を複数有し、
    各形状可変線状体が、所定の中心線の周りに、前記中心線に沿って後端側から先端側に向かって伸びるよう配置されて、各形状可変線状体の先端部が連結されており、その連結部が、各形状可変線状体が低剛性状態のとき、各形状可変線状体の内側で前記中心線に沿って後端側に向かって移動可能に構成されており、各形状可変線状体の内側で対象物を把持可能に設けられていることを
    特徴とするグリッパ装置。
  5. 前記形状可変線状体は、細長い袋状体と、前記袋状体の内部に収納された流動体とを有し、
    前記紐体は、複数から成り、前記袋状体の内部に、前記袋状体の長さ方向に沿って伸びるよう設けられており、
    前記剛性変化手段は、前記形状可変線状体の剛性を高めるよう前記袋状体の内部から前記流動体を排出可能、かつ、前記形状可変線状体の剛性を低下させるよう前記袋状体の内部に前記流動体を供給可能に構成されていることを
    特徴とする請求項記載のグリッパ装置。
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