JP7055388B2 - 運動開始前の情報に基づき最高酸素摂取量を求める方法および装置 - Google Patents

運動開始前の情報に基づき最高酸素摂取量を求める方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、運動開始前の情報に基づき最高酸素摂取量を求める方法および装置に関するものである。
特許文献1には、被験者に高負荷を掛けずに簡単に被験者の持久力を算出することが開示されている。被験者に着脱可能に装着される持久力算出装置は、被験者に作用する加速度を測定する加速度センサと、加速度センサにより出力された加速度の値に基づいて、被験者に作用する力積を算出するCPUと、被験者が低速から被験者の成し得る最大限の速度で歩行するように促す情報である歩行情報を出力する表示部又はスピーカとを備えている。CPUは、表示部又はスピーカにより歩行情報が出力された後に、算出した力積の最大値に基づいて該力積の最大値と相関関係を持つ被験者の持久力を算出する。
特開2006-238970号公報
被験者が低速から最大限の速度で歩行するような行為を経ずして、さらに簡易に、持久力、すなわち、最高酸素消費量を算出することが求められている。
本発明の一態様は、被験者の自発運動開始直前の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度の少なくともいずれかの情報を含む事前情報を取得することと、事前情報に基づき被験者の最高酸素摂取量を算出することとを有する方法である。本願の発明者らは、自発運動開始前にもかかわらず、脳血流が上昇すること、心拍数が上昇すること、および筋血管が拡張することを見出すとともに、脳血流の情報、心拍応答、筋血管拡張などが、最高酸素取得量との間に一定の相関があることを見出した。したがって、自発運動開始直前の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度の少なくともいずれかを測定することにより、被験者が低速から最大限の速度で歩行するような行為を経ずして、最高酸素消費量を算出できる。
事前情報を取得することは、被験者が自発運動開始のカウントダウンを行うことを含んでもよい。カウントダウンにより、脳心血管反応がより明瞭に表れ、より確実に最高酸素消費量を算出できる。
被験者の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度の少なくともいずれかの情報を含む身体情報を実質的に連続して記録することと、被験者の運動開始を検出することとをさらに有し、事前情報を取得することは、運動開始前に記録された身体情報から事前情報を抽出することを含んでもよい。被験者の日常的な行動をモニタリングすることにより最高酸素消費量を求めてもよい。事前情報は、自発運動開始直前の、脳血流上昇、心拍応答および筋血管拡張などを示す情報を含んでもよい。
算出することは、事前情報に含まれる、脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度のいずれかの第1の情報についての、自発運動開始直前の第1の期間の前の第2の期間により求められるベースラインに対する第1の期間の曲線下面積値を変数とする一次関数を用いて最高酸素摂取量を求めることを含んでもよい。
本願の他の態様の1つは、被験者の自発運動開始直前の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度の少なくともいずれかの情報を含む事前情報を取得する機能(手段、取得するように構成されたユニット)と、事前情報に基づき被験者の最高酸素摂取量を算出する機能(手段、取得するように構成されたユニット)とを有するシステムである。事前情報を取得する機能を含むシステム、特に、心拍数を取得する機能を含むシステムは、ウェアラブルなコンパクトな端末として提供可能である。
このシステムは、被験者に自発運動開始を示すカウントダウンを通知する機能を有してもよい。システムは、被験者の脳血流、心拍数および全末梢血管抵抗の少なくともいずれかの情報を含む身体情報を実質的に連続して記録する機能と、被験者の運動開始を検出する機能とをさらに有し、事前情報を取得する機能は、運動開始前に記録された身体情報から前記事前情報を抽出する機能を含んでもよい。
算出する機能は、事前情報に含まれる、脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度のいずれかの第1の情報についての、自発運動開始直前の第1の期間の前の第2の期間により求められるベースラインに対する前記第1の期間の曲線下面積値を変数とする一次関数を用いて最高酸素摂取量を求める機能を含んでもよい。
本発明のさらに異なる態様の1つは、被験者の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度の少なくともいずれかの情報を含む身体情報を実質的に連続して記録する機能と、被験者の運動開始を検出する機能と、被験者の運動開始前に記録された身体情報から、被験者の最高酸素摂取量を算出するための運動開始直前の事前情報を抽出する機能とを含むシステムである。
本発明の一態様は、上記に記載のシステムを搭載した携帯端末であってもよい。また、本発明の他の態様の1つは、コンピュータを、上記に記載のシステムとして機能させるための命令を有するプログラム(プログラム製品)であり、適当な記録媒体に記録して提供されてもよい。
モニタリングシステムの概要を示すブロック図。 インターバル速歩の概要を示す図。 3段階ステップアップ歩行により最高酸素摂取量VO2peakを求める方法を示す図。 3段階ステップアップ歩行により求められた最高酸素摂取量VO2peakの推定値と、自転車エルゴメータ負荷漸増法と呼気ガス分析器で求めた最高酸素摂取量VO2peakとの相関を示す図。 被験者群の特性を示す図。 実験プロトコルを説明する図。 実験結果を示す図。 心拍数HRの圧反射制御を示す図。 実験により得られたデータを示す図。 実験結果を、低体力(a)、中体力(b)および高体力(c)の被験者に分けて示す図。 事前情報の例を示す図。 最高酸素摂取量VO2peakと、脳血流CBFのAUC(A)、心拍数HRのAUC(B)、総末梢抵抗TPRのAUC(C)の相関を示す図。 脳血流ピーク(CBFピーク)までの時間と、最高酸素摂取量VO2peakとの相関を示す図。 心拍数HRのAUCと、最高酸素摂取量VO2peakとの相関を示す図。 端末により最高酸素摂取量VO2peakを取得するプロセスを示すフローチャート。 日常活動で最高酸素摂取量VO2peakを取得する例を示す図。 未病マーカーを説明する図。 インターバル速歩の効果の例を示す図。 インターバル速歩の他の効果を示す図。 インターバル速歩と乳製品との効果を示す図。 インターバル速歩と乳製品との他の効果を示す図。
図1に、人の活動をモニタリングするシステムの一例の概要を示している。このシステム(モニタリングシステム)1は、ユーザー(被測定者、被験者)2に装着される携帯型またはウェアラブルの端末(ユーザー端末)10と、クラウド9、例えばインターネットなどのコンピュータネットワークを介して端末10と接続されたサーバーシステム50とを含む。活動量をモニタリングするシステム1は、端末10のみで提供されてもよく、クラウド9を介してサーバーシステム50でデータを蓄積し、後日、さらに詳しく、またはアップデートされた方法により解析されるシステムとして提供されてもよい。端末10の一例は、スマートホン、またはユーザー2の身体に装着できる携帯端末であってもよい。端末10は、腕時計型や、眼鏡型のウェアラブルな端末であってもよい。
端末10は、センサー群11と、センサー群11から得られたデータを処理する機能を含むプロセッサ12と、入出力を行うユーザーインターフェイス13と、携帯電話網などを介してクラウド9に接続可能な通信ユニット14と、メモリー15とを含む。センサー群11は、3軸加速度センサー11a、高度計11b、脈拍計(心拍計)11c、体温計11dなどを含み、これらに限定されず、脳血流や全末梢血管抵抗などを測定するセンサーを含んでもよい。高度を測定するセンサー(第1のセンサー)11bの一例は、気圧計である。
プロセッサ12では、メモリー15にダウンロードされたアプリケーション(ソフトウェア、以下で説明する処理を実行する命令を含むプログラム)15aを展開することにより様々な機能が提供される。プロセッサ12により提供される機能は、活動量(消費エネルギー量)のモニタリング機能(消費エネルギーモニタリングユニット)20と、体力測定機能(最高酸素摂取量算出ユニット)21とを含む。
モニタリングユニット(モニター)20は、センサー群11から所定の測定データ16を取得して、測定データ16をメモリー15に一時的に格納する測定ユニット25と、ユーザー2の活動の種別、例えば、歩行中か、サイクリング中(自転車3での移動中)か、自家用車あるいは他の交通機関で移動中か、休憩中かなどを判断して、活動形態に基づいて所定の推定式により酸素消費量eVOを推定する酸素消費量推定ユニット(VO2ユニット)27と、推定された酸素消費量を用いてエネルギー消費量を求めるエネルギー消費量推定ユニット(CALユニット)28と、推定値および推定に用いられたセンサーの測定値を含めた測定データ16を、通信ユニット14を介してサーバーシステム50に提供するユニット28と、求められた消費エネルギー量などを、ユーザーインターフェイス13を介してユーザー2に提供する出力ユニット26とを含む。
体力測定ユニット21は、測定データ16の中から、最高酸素摂取量算出に要する身体データ17、例えば心拍数17aを事前情報18として取得する(抽出する)機能(事前情報取得ユニット)22と、事前情報18に基づきユーザー2の最高酸素摂取量(VO2peak)19を算出する機能(VO2peak算出ユニット)23と、ユーザー2の運動(活動)の開始を判断する自発運動検出ユニット24とを含む。自発運動検出ユニット24は、加速度センサー11aなどから自発運動の開始を検出してもよく、自発運動の開始をユーザー2に知らせるためのカウントダウン(CD)を、ユーザーインターフェイス13を介してユーザー2に提供してもよい。事前情報18は、心拍数17aとともに他の情報、例えば、脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度のいずれかまたは複数の情報を含んでいてもよい。
クラウド9を介して端末10と通信可能なサーバーシステム50は、クラウド9を介して測定データ16を受信するインターフェイス51と、測定データ16などを格納するデータベース52と、端末10から提供される情報、例えば測定データ16に基づきユーザー2の活動を解析するユニット54と、測定データ29および解析ユニット54の処理結果に基づいてユーザー2に活動方針などについてのアドバイスを行うサービスプロバイダ(アドバイザー)ユニット53とを含む。解析ユニット54は、端末10のモニタリングユニット20と、体力測定ユニット21との機能を備えていてもよい。
アドバイザーユニット(アドバイザー)53は、定期的にデータベースに格納された、各ユーザーの耐力(最高酸素摂取量)19、消費エネルギー量の履歴52aなどを参照し、各ユーザー2が計画したスケジュールとエネルギー消費量との差をアドバイスしたり、過剰または過少なエネルギー消費に対するアラームを提供したり、生活環境・活動環境のアドバイスを提供するなどの機能を含む。
体力は20歳代をピークとし、それ以降、10歳加齢するごとに10%ずつ低下すると言われており、この体力低下と医療費とに相関があることが知られている。したがって、もし運動処方により、10%体力が向上すれば、20%医療費が削減できる。これを目指して、これまで1日一万歩が推奨されてきた。しかしながら、この方法は、個人の体力にあった運動処方ではなく、運動強度が考慮されていない。そのため、体力が上がらない、という問題が指摘されている。
一方、体力の向上には、ジムでマシントレーニングを行うのが、国際標準である。この際、呼気ガス分析によりVO2peakを測定し、トレーニング強度を決定する。しかしながら、場所と時間の制約があり、トレーニングのための費用を考えると必ずしも誰でもできるという方法ではない。それに対して、発明者らは、インターバル速歩トレーニングを提唱している。
図2にインターバル速歩トレーニング(IWT)の概要を示している。IWTとは、各個人の体力に合わせて、速歩と普通歩行を繰り返し行うトレーニング方法であり、速歩目標レベルを最大体力、すなわち、最高酸素摂取量VO2peakの70%とするトレーニング方法である。また、図1に示したシステム1は、発明者らが提案しているインターバル速歩&ITネットワークからなる遠隔型個別運動システムとして適用できる。このシステム1には3つの特徴がある。1つ目はインターバル速歩であり、2つ目は携帯型カロリー計、すなわち、端末10を採用することであり、3つ目はITnetworkシステム1である。端末10は、アプリケーション15aとして、インターバル速歩のスマホアプリ(IWTアプリ)を実装できる。IWTアプリが、活動量計で体力運動データを測定するには、3軸の加速度計と、気圧計の機能を用いるが、これらの機能はすでにスマホ10に内蔵されている。IWTアプリは、活動量計のロジックをスマホに搭載し、スマホ10で体力・運動データを測定、閲覧できるシステムを提供できる。さらに、データをサーバー50に転送すると、運動効果が自動解析され、ユーザー2は個人の解析結果とそれに基づくアドバイスを閲覧できる。
図2に示すように、IWT101は、ゆっくり歩き102と、早歩き103とを3分間ずつ交互にくり返すことを基本としている。もちろん、継続する時間はこれに限定されないが、早歩き103の運動強度は,個人の最高酸素摂取量VO2peakの70%以上を目標とする。両者を交互に繰り返す理由は,早歩き103を連続3分間以上実施するように指導すると、乳酸蓄積によって息切れ、筋肉痛が起こり多くの被験者がトレーニングを継続できなかったからである。
さらに、歩くことは、運動習慣のないほとんどの中高年、多くの若年者が、速歩で最大体力の70%以上の強度に達するからであり、また、現有の携帯型カロリー計として機能させる端末10ではランニング中は空中動作が長いため,エネルギー消費量の測定精度に問題があるからである。端末10で、現有のプロトコルを用いてトレーニング中のエネルギー消費量を「精度よく」測定できるのは最高酸素摂取量が2L/分以下の人で、歩行系の運動であることが有効である。トレーニング方法は、野外のジョギング中でもエネルギー消費量を精度よく測定できれば、「インターバルジョギング」でもよく、同様に、テニスなどスポーツ種目別にカロリー計が開発されれば,それらの運動でもよい。運動習慣のない体力の低い大部分の中高年者を対象に,運動トレーニングの「体力向上」「生活習慣病予防」「医療費抑制」効果を得るためにはIWTは優れている。
IWTを始めとする体力増進トレーニングを実施する上での1つの課題は、最大体力(最高酸素摂取量VO2peak)を求めることである。従来、最高酸素摂取量VO2peakは、ジムで自転車エルゴメータ、トレッドミルなどの運動負荷装置を用い、負荷漸増し、個人の最大値まで追い込んだときの酸素消費量から求めることがルーチンであった。これに対し、本願の発明者らは、まず、体育館などのフィールドで3段階ステップアップ歩行を実施し、その際の運動量を携帯型カロリー計で測定した値と従来のマシンを使った値が一致することを明らかにし、わざわざジムに行かなくてもフィールドで簡便に最高酸素摂取量VO2peakが測定できることを明らかにした。
図3に、3段階ステップアップ歩行により最高酸素摂取量VO2peakを求める方法を示している。この方法では、被験者に低速111、中速112、高速113で歩いてもらい、最高速で歩いている際の最後の1分の酸素摂取量115を加速度計から推定し、最高酸素摂取量VO2peakとする。具体的には、体育館など平らな床面が確保できる場所で,被験者に携帯型カロリー計を腰に装着させ、安静、ゆっくり111、中くらい112、最大の速さ113の歩行を3分間ずつ段階的に負荷し,最大の速さで歩いたときの最後の1分問のエネルギー消費量を個人の最高酸素摂取量(最大運動強度)VO2peakとし、その際の心拍数116を最高心拍数とする。
図4に、本願の発明者らが測定した、3段階ステップアップ歩行により求められた最高酸素摂取量VO2peakの推定値と、自転車エルゴメータ負荷漸増法と呼気ガス分析器で求めた最高酸素摂取量VO2peakに対してプロットした結果を示している。両者が非常によく相関していることがわかる。
しかしながら、3段階ステップアップ歩行も、被験者2が、体育館などに出かけて、最大体力を発揮する状態まで追い込まないといけないという条件がある。体力測定のための時間、労力を考えれば、生活の中で、無理せずに、さらに簡単に最高酸素摂取量VO2peakが得られることが望ましい。
これに対し、本願の発明者らは、運動開始前の脳心血管反応が、個々の被験者(ユーザー)2のピーク有酸素能力、すなわち最高酸素摂取量VO2peakと関連することを見出した。自発運動前のカウントダウン(CD)が脳の活性化と昇圧反応を引き起こし、続いて筋肉の血管拡張が起き、これらの応答は個々の被験者2のピーク有酸素容量VO2peakに関連付けられることを見出した。
具体的には、図5に示す特性を備えた27人の青年(VO2peak、25.2-61.4ml/ min/kg)が50%VO2peakで自発的なサイクリングを行い、中大脳動脈の血流速度(脳血流、Cerebral Blood Flow、CBF;Doppler超音波検査)、心拍数(Heart Rate、HR)、血圧(BP;Finometer)、酸素消費量(VO2)、心拍出量(Cardiac Output、CO;cZ法)および総末梢抵抗(Total Peripheral Resistance、TPR)を測定した。全被験者は安静2分と最低1分以上の運動を1セットとして、最大8回の試行を繰り返し、5分以上の休憩を取った。8つの試験から無作為に選択された4つの試験では、運動開始は30秒のCDによって合図されたが、残りの4つの試験では運動はCDなしで開始された。
図6に具体的な実験プロトコルを示している。8つの試験から無作為に選択された4つの試験では、運動の開始は30秒のカウントダウン(CD1)によって合図された(以降において、このプロトコルを「CD+」という)が、残りの4つの試験では運動はCDなしで開始された(以降において、このプロトコルを「CD-」という)。CD+条件では、運動を始める前に、さらに次の単語CD2およびCD3が与えられた。CD2は「15秒前」という言葉が与えられ、CD3は、「10、9、8…1、運動開始」という言葉で運動開始時に与えられた。
図7に、この実験に先行して行われた14人の青年におけるCD+およびCD-を用いたサイクル運動の開始前に測定された被験者の身体情報17を示す。この例においては、身体情報17として、被験者の脳血流CBF、心拍数HR、心拍出量CO、平均動脈圧(Mean Arterial Pressure、MAP)、相互相関のZ変換値(Z transformed R(t)、ZR(t)、(R(t)は、収縮期血圧の変化(Δsystolic arterial pressure)と、心拍数変化(ΔHR)、酸素消費量VO2、総末梢抵抗TPR、および筋組織中の酸素飽和度(組織酸素飽和度、Oxygen Saturation in the muscle tissue、StO2)を含む。図7には、-90秒から、破線で示したベースラインからの変化(Δ)として表されている。各値の30秒平均と標準誤差S.E.とが14人の被験者に対するバーとして1秒毎にしめされている。なお、ZR(t)は、移行期、CDの±5秒間および運動の±5秒間には決定されなかった。実線は、CD+状態をしめし、点線は、CD-状態を示す。また、図中の「*」は、CD-条件に対して有意な差(P<0.05)がある部分を示す。「(CD+対CD-)×時間」で示す相互作用効果において、全ての変数で有意な差(すべて、P<0.008)が認められた。
図8に、心拍数HRの圧反射制御を示している。時刻tの前後の5対のΔSBPおよびΔHR値を使用し、合計11対の時間tにおける相互相関関数をR(t)として決定し、次に値をZ変換することにより、Z変換値ZR(t)を求めた。
図9に、この実験により得られた身体情報17の値を-90秒から-30秒と、-30秒から開始直前(0秒)までに分けて示している。脳血流CBF、心拍数HR、心拍出量CO、平均動脈圧MAP、変換されたR(t)値ZR(t)、総末梢抵抗TPR、酸素消費量VO2、筋肉組織の酸素飽和度StO2の平均値と標準誤差±SEとを示す。CD+条件においては、-90~-30秒の平均値(ベースライン)と、-30秒から開始直前(0秒)の値(事前情報)18との間には有意差(P<0.05)があることがわかる。また、CD+条件と、CD-条件との間にも有意差(P<0.05)があることがわかる。
図10に、高、中、低の最高酸素摂取量VO2peakでグループ分けした被験者2のサイクルエクササイズ開始前の身体情報17、すなわち、脳血流CBF、心拍数HR、心拍出量CO、平均動脈圧MAP、変換されたR(t)値ZR(t)、総末梢抵抗TPR、酸素消費量VO2、筋肉組織の酸素飽和度StO2を、CD+条件(実線)とCD-条件(破線)で示している。高グループ((図10(c))の最高酸素摂取量VO2peakは、54.7±1.3ml/kg/min、中グループ(図10(b))の最高酸素摂取量VO2peakは、44.3±0.8ml/kg/min、低グループ(図10(a))の最高酸素摂取量VO2peakは、33.5±1.7ml/kg/minである。各変数は、-90から-30秒におけるベースラインからの変化(Δ)として表されている。なお、ZR(t)は、移行期、CD1の約±5秒間および運動開始の±5秒間に決定されなかった。CD+条件とCD-条件とは有意な差(P<0.05)が認められる。図10には、各群の9人の対象についての平均と標準誤差(SE)がバーで1秒毎に示されている。なお、中群のVO2は5人の平均となっている。
これらの測定結果より、CD+条件において、CDの、自発運動開始直前の間に、脳血流CBF、心拍数HR、心拍出量COおよび平均動脈圧MAP(BP)は増加し、総末梢抵抗TPRは低下し、酸素消費量VO2は増加した。
図11に脳血流CBFを例に示すように、自発運動開始時点Tsの直前の第1の期間T1(本例においては、-30秒から0秒)の前の第2の期間T2(本例においては、-90秒から-30秒)により求められるベースラインBLに対する第1の期間T1の曲線上(マイナス)および下(プラス)の面積の積算(曲線下面積:AUC)を変数として求めることができる。各変数に対する反応の曲線下面積(AUC)を決定すると、脳血流CBFと心拍数HRのAUCは被験者間で著しく異なり、最高酸素摂取量VO2peakと正の相関があることが分かった(両方、P<0.001)。一方、総末梢抵抗TPRのAUCは最高酸素摂取量VO2peakと逆相関した(P<0.001)。したがって、若年男性において、運動開始前のCDの第1の期間T1に対する脳循環系反応の個人差は最高酸素摂取量VO2peakと関連していることがわかる。
図12にCD+条件での第1の期間T1、すなわち-30から0秒までの期間における個々の被験者2の最高酸素摂取量VO2peakと、脳血流CBFのAUC(図12(A))、心拍数HRのAUC(図12(B))、総末梢抵抗TPRのAUC(図12(C))の関係を示している。白丸の値は、27名の被験者2のそれぞれの値であり、黒丸の値は平均値±SEである。
これらの図からわかるように、自発運動開始直前の期間T1の脳血流CBF、心拍数HRおよび全末梢血管抵抗TPRと、最高酸素摂取量VO2peakとは相関があり、脳血流CBF、心拍数HRまたは全末梢血管抵抗TPRから、最高酸素摂取量VO2peakを一次関数で求めることができる。したがって、被験者2の自発運動開始直前の期間T1の脳血流CBF、心拍数HRおよび全末梢血管抵抗TPRの少なくともいずれかの情報を含む事前情報18を取得することで、事前情報18に基づき被験者2の最高酸素摂取量VO2peakを算出することができる。なお、図11および12においては、脳血流CBF、心拍数HRおよび全末梢血管抵抗TPRについて最高酸素摂取量VO2peakとの関係を示しているが、心拍出量CO、血圧BP、酸素摂取量VO2および組織酸素飽和度StO2についても同様の傾向が表れていることは明らかであり、これらの情報を事前情報18として用いてもよい。
図13に、CD+状態におけるCD開始、すなわち、-30秒から脳血流ピーク(CBFピーク)までの時間と、最高酸素摂取量VO2peakとの関係を示している。一例は図11に示す通りである。白丸の値は27人の被験者におけるCD+状態の値を示し、黒丸の値は、は平均値±SEを示す。この図からわかるように、自発運動開始直前の期間T1のCBFピークまでの時間と、最高酸素摂取量VO2peakとは相関があり、CBFピークまでの時間から、最高酸素摂取量VO2peakを一次関数で求めることができる。したがって、被験者2の自発運動開始直前の期間T1の脳血流CBF、心拍数HRおよび全末梢血管抵抗TPRの少なくともいずれかの情報を含む事前情報18を取得することで、事前情報18に基づき被験者2の最高酸素摂取量VO2peakを算出することができる。
図14に、自発運動開始直前の期間T1の心拍数HRのAUC(X軸)に対する最高酸素摂取量VO2peak(Y軸)を示している。したがって、事前情報18として心拍数HRが取得できれば、図14に示した一次関数を用いて最高酸素摂取量VO2peakを算出、または近似的に算出できる。
図15に、端末10において、最高酸素摂取量VO2peakを求めるプロセスをフローチャートにより示している。ステップ121において、モニタリングユニット20は、身体情報17を含む測定データ16を連続して取得してメモリー15に格納する。ステップ121において、身体情報17を含む測定データ16は実質的に連続して記録されていればよく、過去の全ての測定データ16を記録してもよく、所定の期間の測定データ16をサイクリックに記録してもよい。また、連続して記録されることには、測定データ16が数10m秒程度の間隔で断続的に記録されることも含まれる。
ステップ122において、体力測定ユニット21の自発運動検出ユニット24は、測定データ16に含まれる加速度情報から自発運動開始のタイミングTsを取得する。自発運動検出ユニット24は、被験者2に自発運動開始を示すカウントダウンCDを通知する機能を備えていてもよい。
ステップ123において、自発運動が検出されると、例えば、CDがゼロになると、事前情報取得ユニット22は、メモリー15に記録された、自発運動開始前の身体情報17の中から、自発運動開始時点Tsに先立つ、自発運動開始直前の事前情報18を抽出(取得)する。事前情報取得ユニット22は、自発運動開始直前の第1の期間T1の事前情報18と、その前の第2の期間T2のベース情報とを取得し、第2の期間T2の情報からベースラインBLを定める機能を備えていてもよい。上記においては、第1の期間T1は30秒であり、第2の期間T2は、それに先立つ60秒の期間であるが、これらの期間に限定されない。
ステップ124において、VO2peak算出ユニット23が、事前情報18に基づき被験者の最高酸素摂取量VO2peakを算出する。VO2peak算出ユニット23は、第2の期間T2で得られたベースラインBLに対する第1の期間T1の曲線下面積値AUCを変数とする一次関数を用いて最高酸素摂取量VO2peakを求めてもよい。事前情報18は、被験者2の自発運動開始直前の脳血流CBF、心拍数HRおよび全末梢血管抵抗TPRの少なくともいずれかの情報を含んでいればよく、典型的には心拍数HRの情報を含む。この場合、図14に示した一次関数を用いて最高酸素摂取量VO2peakを求めてもよい。事前情報18は、自発運動開始直前の、脳血流上昇、心拍応答および筋血管拡張を示す情報に対応するものである。これらの処理を行うアプリケーション(プログラム、プログラム製品)15aは、記録媒体に記録して提供してもよく、ネットワークを介して提供してもよい。
このように、本願の発明者らは、自発運動開始前30秒前からカウントダウンをおこなったところ、運動開始前にもかかわらず、脳血流量が上昇し、心拍数が上昇すること、さらに、筋血管が拡張することを明らかにした。これは、運動状態を脳が予測し、運動開始前から、運動に適した循環状態をあらかじめ準備していることを意味する。
さらに、本願の発明者らは、この脳血流の上昇、心拍数応答、筋血管拡張が、最高酸素摂取量VO2peakと比例することを明らかにした。したがって、事前情報18を用いる方法により、フィールドで、3段階ステップアップ法を実施する前に、カウントダウンを行い、「心拍応答を測定すれば」、最高酸素摂取量VO2peakを求めることができる。さらに、一歩進めて、日常生活において、活動量を加速度計で、さらに心拍数を(数十msecオーダーで)同時連続測定すれば、個人の最高酸素摂取量VO2peakが推定できる。端末10は、アプリケーション15aとして、この機能を搭載している。
図16に、端末10により、日常活動時の心拍数HRと活動量をモニターし、活動の開始直前のHRの上昇の程度から最高酸素摂取量VO2peakを推定する一例を示している。最高酸素摂取量VO2peakの高い人では、運動開始前の事前情報18に含まれる心拍数HRの上昇度が大きいのに対して、最高酸素摂取量VO2peakの低い人では、心拍数HRの上昇度が小さい。また、上記では、カウントダウンを行うことにより運動開始時点(活動開始時点)を被験者に認識させているが、日常生活または運動において、被験者は自ら運動開始を意識した時点で、脳血流量が上昇し、心拍数が上昇し、筋血管拡張することによる総末梢抵抗の低下がみられ、それらを事前情報18として取得することができる。被験者は日常生活の中で、無理なく、簡便に最高酸素摂取量VO2peakを知ることができ、最高酸素摂取量VO2peakの変動を、日常的に継続して記録することができる。
端末10は、モニタリングユニット20と連動してインターバル速歩トレーニングIWTの実施を被験者2にガイドするインターバル速歩トレーナ機能(インターバル速歩トレーナユニット、IWTユニット)30を含む。IWTユニット30は、加速度センサー11aおよび高度計11bより、IWT中の酸素摂取量VO2を計算する。歩行中の酸素消費量の推定値VO2を求める推定式(1)については、本願の発明者らの「Yamazaki T, Gen-no H, Kamijo Y, Okazaki K, Masuki S, and Nose H. A new device to estimate VO2 during incline walking by accelerometry and barometry. Med Sci Sports Exerc, 41: 2213-2219, 2009」に開示されている。推定式(1)は、3軸加速度センサーにより測定される単位時間当たりの累積加速度VM、被測定者(被験者)の単位時間当たりの上昇量Huおよび被測定者の単位時間当たりの下降量Hdを含む以下の式で与えられる。この文献において、係数aの平均値は0.044、係数bの平均値は1.365、係数cの平均値は0.553であり、発明者らの最新の測定結果によると、係数aの平均値は0.046(±標準偏差SD0.008)、係数bの平均値は1.328(±SD0.186)、係数cの平均値は0.590(±SD0.164)である。
VO2=w1・VM+w2・Hu+w3・Hd・・・(1)
酸素摂取量(酸素消費量)VO2の単位はml/kg/min、累積加速度VMの単位はG/min、上昇量Huの単位はm/min、下降量Hdの単位はm/min、係数w1の単位はml/kg/G、係数w2およびw3の単位はml/kg/mである。係数w1は、上記にて求められた係数aより、0.046±3SDが好ましく、0.046±2SDであってもよく、0.046±1SDであってもよい。係数w2は、上記にて求められた係数bより、1.328±3SDが好ましく、1.328±2SDであってもよく、1.328±1SDであってもよい。係数w3は、上記にて求められた係数cより、0.590±3SDが好ましく、0.590±2SDであってもよく、0.590±1SDであってもよい。
酸素消費量VO2が求められると、以下の推定式(2)により消費エネルギー量CALを求めることができる。
CAL=k1・W・VO2・C・・・(2)
体重Wは、予めユーザーによりモニタリングユニット20を介してメモリー15に格納された値を使用できる。カロリー変換係数k1の一例として、糖質50%、脂質50%、蛋白質0%を仮定した値として4.825を用いてもよい。求められた消費エネルギーCALは、出力ユニット26を介してユーザー2に随意提供されてもよく、クラウド9を介してサーバーシステム50に提供されてもよい。
IWTユニット30は、図2に示した普通歩行102をガイドする第1のユニット31と、速歩103をガイドする第2のユニット32と、IWTの履歴やIWTによる消費エネルギー量を管理するマネージメントユニット33とを含む。第1のユニット31は、数10m秒程度の適当な間隔で酸素消費量VO2を推定し、普通歩行102の継続時間を管理し、所定の時間、例えば3分が経過すると、速歩101への移行を促すガイドを出力する。第2のユニット32は、求められた酸素消費量VO2が最高酸素摂取量VO2peakの70%を超えると、その速度を維持することを、音声などを用いてガイドし、その後、所定の時間、例えば3分が経過すると、普通歩行102へ移行することを促すガイドを出力する。この端末10においては、体力測定ユニット21により随時、被験者(ユーザー)2の最高酸素摂取量VO2peak19を測定し、その値を更新することができる。このため、被験者2のその時の状態に合致した条件でIWTをガイドすることができ、被験者2に無理なく、また、体力の増強が見込まれる強度で、IWTを実施させることができる。
図17に示すように、近年、新たな未病マーカーが注目されている。これについて、不活動は慢性炎症を引き起こすことが報告されている。炎症が、各種細胞に及べば、生活習慣病を引き起こす。不活動が慢性炎症を引き起こす原因として、本願の発明者らは、筋肉が萎縮し、ミトコンドリア機能が低下するからではないかと想定している。したがって、体力、炎症のモニタリングが未病マーカーとして使用できるのではないかと考えられる。最大体力を無理なく測定できる上記の方法および装置は、健康診断の延長や人間ドックで有用であると考えられる。また、未病から疾病への移行を防止する対策としてIWTは有用である。
図18に、インターバル速歩(IWT)の効果を、何もしない群、1日一万歩の普通歩行群と比較して示している。これは、膝伸展、屈曲筋力、持久力のトレーニングによる上昇度を示し、IWT群では、膝伸展、屈曲筋力、持久力が上昇しているのに対して、1日1万歩ではほとんど上昇しないことがわかる。
図19に、IWTの効果を最高血圧SBPと最低血圧DBPにより示している。体力が増加した、IWT群では、最高、最低血圧が低下しているのに対し、体力が増加しなかった1日1万歩では、血圧も低下しないことがわかる。このように、インターバル速歩は1日1万歩より体力向上、血圧低下に効果があり、ほかの生活習慣病指標も改善することが予想される。
図20に、インターバル速歩の継続者が、日々のIWT直後に、乳製品を摂取した場合の変化を示している。トレーニング中の乳製品摂取は慢性炎症を抑制することが期待され、未病マーカーの改善を図ることができるからである。図20は、5ヶ月間の介入による下肢筋力の増加度を示す。下肢筋力の増加は、黒で示す3単位の乳製品を摂取した群において、他の群と比較して大きいことがわかる。炎症反応の指標として、炎症反応のキー遺伝子であるNFKB1とB2のメチル化を測定した。メチレーションの亢進は、炎症反応の抑制を意味する。黒で示す3単位の乳製品を摂取した群において、他の群と比較して、NFKB1とB2のメチル化が亢進していることがわかる。すなわち、トレーニング中の乳製品摂取は慢性炎症を抑制することが分かった。
図21に、インターバル速歩を継続しているにもかかわらず、血圧と血糖が高止まりしている中高年者に日々のIWT直後に、乳製品を摂取した結果を示している。ミルク摂取群では、より最高酸素摂取量VO2peakが上昇し、24時間の血糖が低下し、頚動脈コンプライアンスが上昇することが分かった。したがって、インターバル速歩中の乳製品摂取は、生活習慣病の症状をさらに改善できることがわかった。
以上に説明したように、体力向上には、個人の体力にフィットしたトレーニングが大切であり、そのために、本発明により、最高酸素摂取量VO2peakを簡便に測定できることは重要である。体力増進のトレーニングの1つとして、最大体力(最高酸素摂取量VO2peak)を意識したインターバル速歩は有用であり、本発明において提供するデバイス(端末)10により、個々のユーザー2の状態に適当したトレーニングを提供できる。さらに、本発明のデバイスおよび方法は、トレーニングとともに食品の効能検証にも活用できることを開示した。
上記には、被験者の自発運動開始直前の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度の少なくともいずれかの情報を含む事前情報を取得することと、前記事前情報に基づき前記被験者の最高酸素摂取量を算出することとを有する方法が開示されている。前記事前情報を取得することは、前記被験者が前記自発運動開始のカウントダウンを行うことを含んでもよい。上記の方法は、前記被験者の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度の少なくともいずれかの情報を含む身体情報を実質的に連続して記録することと、前記被験者の運動開始を検出することとをさらに有し、前記事前情報を取得することは、前記運動開始前に記録された前記身体情報から前記事前情報を抽出することを含んでもよい。前記事前情報は、自発運動開始直前の、脳血流上昇、心拍応答および筋血管拡張を示す情報を含んでもよい。前記算出することは、前記事前情報に含まれる、脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度のいずれかの第1の情報についての、自発運動開始直前の第1の期間の前の第2の期間により求められるベースラインに対する前記第1の期間の曲線下面積値を変数とする一次関数を用いて最高酸素摂取量を求めることを含んでもよい。
上記には、被験者の自発運動開始直前の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度の少なくともいずれかの情報を含む事前情報を取得する機能と、前記事前情報に基づき前記被験者の最高酸素摂取量を算出する機能とを有するシステムが開示されている。このシステムは、前記被験者に前記自発運動開始を示すカウントダウンを通知する機能を有してもよい。このシステムは、前記被験者の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度の少なくともいずれかの情報を含む身体情報を実質的に連続して記録する機能と、前記被験者の運動開始を検出する機能とをさらに有し、前記事前情報を取得する機能は、前記運動開始前に記録された前記身体情報から前記事前情報を抽出する機能を含んでもよい。前記算出する機能は、前記事前情報に含まれる、脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度のいずれかの第1の情報についての、自発運動開始直前の第1の期間の前の第2の期間により求められるベースラインに対する前記第1の期間の曲線下面積値を変数とする一次関数を用いて最高酸素摂取量を求める機能を含んでもよい。
上記には、さらに、被験者の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度の少なくともいずれかの情報を含む身体情報を実質的に連続して記録する機能と、前記被験者の運動開始を検出する機能と、前記被験者の運動開始前に記録された前記身体情報から、前記被験者の最高酸素摂取量を算出するための運動開始直前の事前情報を抽出する機能とを含むシステムが開示されている。また、上記に記載のシステムを搭載した携帯端末が開示されている。さらに、コンピュータを、上記に記載のシステムとして機能させるための命令を有するプログラムについても開示されている。
1 モニタリングシステム、 10 ユーザー端末(デバイス)、 50 サーバーシステム

Claims (12)

  1. 被験者の自発運動開始直前の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度の少なくともいずれかの情報を含む事前情報を取得することと、
    前記事前情報に基づき前記被験者の最高酸素摂取量を算出することとを有し、
    前記事前情報は、前記被験者の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度のいずれかの第1の情報について、前記被験者がカウントダウンの開始により自発運動開始を意識した第1の時点の前のベースラインに対する、前記第1の時点から自発運動開始までを前記カウントダウンする第1の期間の変化を含み、
    前記算出することは、前記第1の情報の前記ベースラインに対する前記第1の期間の変化を変数とする一次関数を用いて前記被験者の最高酸素摂取量を求めることを含み、前記変数は、前記第1の時点から前記第1の情報のピークまでの時間、または、前記第1の期間にわたる前記第1の情報の変化の積算値を含む、方法。
  2. 請求項1において、
    前記事前情報を取得することは、前記被験者が前記自発運動開始の前記カウントダウンを行うことを含む、方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記被験者の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度の少なくともいずれかの情報を含む身体情報を実質的に連続して記録することと、
    前記被験者の運動開始を検出することとをさらに有し、
    前記事前情報を取得することは、前記運動開始前に記録された前記身体情報から前記事前情報を抽出することを含む、方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記事前情報は、前記自発運動開始直前の、脳血流上昇、心拍応答および筋血管拡張を示す情報を含む、方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記算出することは、前記第1の情報の、前記ベースラインに対する前記第1の期間の曲線下面積値を前記変数とすることを含む、方法。
  6. 被験者の自発運動開始直前の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度の少なくともいずれかの情報を含む事前情報を取得する機能と、
    前記事前情報に基づき前記被験者の最高酸素摂取量を算出する機能とを有し、
    前記事前情報は、前記被験者の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度のいずれかの第1の情報について、前記被験者がカウントダウンの開始により自発運動開始を意識した第1の時点の前のベースラインに対する、前記第1の時点から自発運動開始までを前記カウントダウンする第1の期間の変化を含み、
    前記算出する機能は、前記第1の情報の前記ベースラインに対する前記第1の期間の変化を変数とする一次関数を用いて前記被験者の最高酸素摂取量を求める機能を含み、前記変数は、前記第1の時点から前記第1の情報のピークまでの時間、または、前記第1の期間にわたる前記第1の情報の変化の積算値を含む、システム。
  7. 請求項6において、
    前記被験者に前記自発運動開始を示す前記カウントダウンを通知する機能を有する、システム。
  8. 請求項6または7において、
    前記被験者の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度の少なくともいずれかの情報を含む身体情報を実質的に連続して記録する機能と、
    前記被験者の運動開始を検出する機能とをさらに有し、
    前記事前情報を取得する機能は、前記運動開始前に記録された前記身体情報から前記事前情報を抽出する機能を含む、システム。
  9. 請求項6ないし8のいずれかにおいて、
    前記算出する機能は、前記第1の情報の、前記ベースラインに対する前記第1の期間の曲線下面積値を前記変数とする機能を含む、システム。
  10. 被験者の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度の少なくともいずれかの情報を含む身体情報を実質的に連続して記録する機能と、
    前記被験者の運動開始を検出する機能と、
    前記被験者の運動開始前に記録された前記身体情報から、前記被験者の最高酸素摂取量を算出するための運動開始直前の事前情報を抽出する機能とを含み、
    前記事前情報は、前記被験者の脳血流、心拍数、全末梢血管抵抗、心拍出量、血圧、酸素摂取量および組織酸素飽和度のいずれかの第1の情報について、前記被験者がカウントダウンの開始により自発運動開始を意識した第1の時点の前のベースラインに対する、前記第1の時点から自発運動開始までを前記カウントダウンする第1の期間の変化を含む情報であって、前記被験者の最高酸素摂取量に一次関数を用いて求めるための変数を含み、前記変数は、前記第1の時点から前記第1の情報のピークまでの時間、または、前記第1の期間にわたる前記第1の情報の変化の積算値を含む、システム。
  11. 請求項6ないし10のいずれかに記載のシステムを搭載した携帯端末。
  12. コンピュータを、請求項6ないし10のいずれかに記載のシステムとして機能させるための命令を有するプログラム。
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