以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態による手書きデータ取り込み装置1の外観を示す図である。同図に示すように、手書きデータ取り込み装置1は、デジタイザ2と、電子ペン10と、タブレット型のコンピュータ30とを備えて構成される。このうちデジタイザ2は、電磁誘導(EMR:Electro-Magnetic Resonance)方式による位置検出装置を構成する位置検出器としての機能とともに、用箋挟又はクリップボードなどと呼ばれる文房具としての機能を有する装置である。また、電子ペン10は、電磁誘導方式による位置検出装置を構成する指示体としての機能とともに、例えばボールペンなど紙媒体の表面に筆跡を残すための筆記具としての機能を有する装置である。デジタイザ2とコンピュータ30はともに平板状の外観を有しており、それぞれ手帳型カバー40の見開きの一方面及び他方面に固定される。
初めに、手書きデータ取り込み装置1の概要を説明する。手書きデータ取り込み装置1は、文房具としてのデジタイザ2に挟んだレポート用紙Pの表面(筆記面)に対し、筆記具としての電子ペン10を用いてユーザが文字や絵を書き込むと、その筆跡を示す一連の座標データを含む手書きデータが位置検出器としてのデジタイザ2によって取り込まれ、後にコンピュータ30に転送されて、コンピュータ30のタッチスクリーン31に表示される、というものである。
デジタイザ2は、基本動作としては、逐次取り込まれる一連の座標データを1つのファイル内に蓄積していくように構成される。レポート用紙Pのどのページに書かれたものであるかを認識する処理は行わないので、仮にユーザがレポート用紙Pをめくりつつ複数のページに筆記を行ったとすると、1つのファイル内に異なるページの筆跡にかかる座標データが含まれることになる。こうして蓄積された手書きデータがコンピュータ30のタッチスクリーン31に表示されると、複数のページにかかる筆跡が重なって表示されてしまうことになる。
しかしながら、これでは現実の使用に耐えないので、デジタイザ2には操作ボタン4が設けられている。ユーザが操作ボタン4を押下した場合、デジタイザ2は、座標データの蓄積先となるファイルを新たなファイルに切り替える。これにより、ページごとに手書きデータのファイルが作成されることになるので、上記のように複数のページにかかる筆跡が重なってタッチスクリーン31に表示されてしまうことが防止される。
しかしながら、現実問題としては、ユーザが操作ボタン4の押下を忘れてしまう場合がある。特に、手書きデータをリアルタイムにコンピュータ30のタッチスクリーン31に表示する場合(詳しくは後述する)を除くと、ユーザは、デジタイザ2が検出している手書きデータを視認できないまま操作ボタン4を操作せねばならず、このことは操作ボタン4の押し忘れを誘発する。本実施の形態による手書きデータ取り込み装置1は、デジタイザ2に設けられるLEDランプ5a,5bの点灯状態を工夫することによって操作ボタン4の押し忘れを防止するとともに、仮にユーザが操作ボタン4の押下を忘れた場合であっても、コンピュータ30上におけるユーザ操作によって事後的にページを分割することを可能にするものである。以下、順を追って詳しく説明する。
まず、デジタイザ2について説明する。文房具としてのデジタイザ2は、レポート用紙Pを載置するための平坦な表面2aと、この表面2aの一端近傍に設けられたクリップ3とを有して構成される。クリップ3は紙媒体を挟持可能に構成されており、ユーザは、レポート用紙Pをこのクリップ3に挟んだ状態で、手書きデータ取り込み装置1を使用する。なお、本実施の形態ではレポート用紙Pを利用しているが、他の種類の紙媒体(伝統的な紙、電子ペーパーを含む)を利用してもよいことは勿論である。ただし、指示体としての電子ペン10と位置検出器としてのデジタイザ2の間に挟んで用いる関係上、磁性体が漉き込まれた紙など、磁界や電磁波の通過を妨害する作用を有する紙媒体は、手書きデータ取り込み装置1では利用できない。
位置検出器としてのデジタイザ2は、図示しないCPU及び記憶装置と、図示したタッチセンサ2bとを備えて構成される。以下で説明するデジタイザ2の動作は、この記憶装置に記憶されるプログラムに従ってCPUが動作することによって実行される。また、デジタイザ2は、図示しない内臓電池から供給される電力によって動作するよう構成される。
タッチセンサ2bは、長方形の平面領域内に複数のループコイルLC(後述の図3参照)が配置された構成を有しており、図1に破線で示したように、表面2aの一部に配置される。タッチセンサ2bの設置領域の具体的な形状及び位置等は、図1にも例示するように、表面2a上にレポート用紙Pを載置したとき、レポート用紙Pの全体が設置領域内に入るように構成される。これは、レポート用紙Pの全面について、ユーザの筆跡を手書きデータとして取り込めるようにするためである。
デジタイザ2は、タッチセンサ2b上における電子ペン10の位置を示す座標データを取得する機能を有している。この取得は、電子ペン10がタッチセンサ2b上に存在している間、周期的に行われる。したがって、電子ペン10がタッチセンサ2b上を移動した場合には、その移動軌跡(=筆跡)を示す一連の座標データがデジタイザ2によって取得される。デジタイザ2は、こうして取得した一連の座標データを、後述する図2に示すメモリ23に逐次蓄積するよう構成される。
また、デジタイザ2は、座標データの取得の都度、電子ペン10に関する各種の情報(筆記時にペン先10aに対して筆記面から加えられる力を示す情報(以下、「筆圧」と称する)、電子ペン10に設けられるサイドスイッチ10b,10cのオンオフ状態を示すサイドスイッチ情報など。以下、まとめて「ペン情報」と称する場合がある)を取得し、取得した座標データと対応付けて、後述する図2に示すメモリ23に蓄積するよう構成される。
ここで、電磁誘導方式を利用するデジタイザ2は、電子ペン10が必ずしもタッチセンサ2bに接触していなくても、タッチセンサ2bに接近してさえいれば、電子ペン10について座標データ及びペン情報を取得することができる。したがって、電子ペン10とタッチセンサ2bの間にレポート用紙Pが挟まっていても、レポート用紙Pの厚みがある程度以下である限り、デジタイザ2は、座標データ及びペン情報を取得することができる。
逆に、電子ペン10がレポート用紙Pの表面に接触しておらず、実際には筆記がなされていない場合にも、電子ペン10とタッチセンサ2bの間の距離がある程度以下であれば、デジタイザ2は座標データ及びペン情報を取得してしまう。これについては、コンピュータ30においてストロークデータ(後述)を生成する際、対応する筆圧がゼロとなっている座標データをストロークデータの生成対象から外すことによって対処する。詳しくは後述する。
その他、デジタイザ2は、上でも触れたように、操作ボタン4及びLEDランプ5a,5bを有して構成される。これらはいずれも、図1に示すように表面2aに配置される。表面2a上の具体的な位置としては、筆記中のユーザが操作ないし視認できるよう、レポート用紙Pを載置しても隠れない位置が選択される。図1に示した配置は、そのような配置の一例である。この例では、LEDランプ5a、操作ボタン4、LEDランプ5bの順で、表面2aの長手方向の一辺に沿って並置されている。操作ボタン4及びLEDランプ5a,5bの具体的な機能及び用途については、後ほど詳しく説明する。
次に、電子ペン10について説明する。図1に示すように、電子ペン10の一端にはペン先10aが設けられる。ユーザは、このペン先10aをレポート用紙Pの表面に押し当てつつ、押し当て位置を移動させることにより、文字や絵の筆記を行う。
筆記具としての電子ペン10は、図示していないが、例えば、インクを溜める細い管と、この管内に溜まっているインクをペン先10aから滲出させる滲出部とを有するボールペンとして構成される。この場合、滲出部を通じてペン先10aから滲出したインクにより、筆記面上に筆跡が構成される。
なお、筆記具としての電子ペン10に必要な機能は、本質的には、デジタイザ2の表面に載置された紙媒体に筆記できる機能である。したがって、上記のように電子ペン10にボールペン機能を持たせることは必須ではなく、例えば、鉛筆やシャープペンシルのように黒鉛を用いて筆記できるように電子ペン10を構成してもよい。また、例えば感熱紙や電子ペーパーを用いる場合などには、電子ペン10を、筆記面にインクや黒鉛を置く能力を何ら有しないスタイラスとして構成することも可能である。
指示体としての電子ペン10は、図示した2つのサイドスイッチ10b,10cと、図1には示していないが、デジタイザ2が生成する磁界(後述)から動作用の電力を取り出すとともに、デジタイザ2に対して信号を送信する役割を果たす共振回路(後述の図2参照)とを有して構成される。また、電子ペン10は、サイドスイッチ10b,10cそれぞれのオンオフ状態を示すサイドスイッチ情報を取得するサイドスイッチ情報取得部(図示せず)を有して構成される。なお、電子ペン10にサイドスイッチを設けることは必須ではなく、設ける場合の数も2個に限られず1個以上であればよい。
以下、電子ペン10及びデジタイザ2の内部構成を参照しながら、これらによって構成される位置検出装置の構成及び機能について、さらに詳しく説明する。
図2には、電子ペン10及びデジタイザ2の内部構成を示している。同図に示すように、電子ペン10は、キャパシタ11及びインダクタ12からなるLC共振回路を有して構成される。また、デジタイザ2は、センサコントローラ20、入出力部21、無線通信部22、及びメモリ23を有して構成される。
電子ペン10のインダクタ12は、デジタイザ2のタッチセンサ2bから供給される磁界に応じて誘導電圧を生成し、キャパシタ11を充電する役割を果たす。タッチセンサ2bからの磁界の供給が止まった後のインダクタ12は、キャパシタ11に蓄積した電圧を利用して、デジタイザ2に対して反射信号を送信する。こうして送信される反射信号には、位置検出用の連続信号、連続信号の終了を示すスタート信号、及び、サイドスイッチ情報のそれぞれが、この順に含まれる。
キャパシタ11は、電子ペン10のペン先10a(図1)に対して筆記面から加えられる力(=筆圧)によってその容量が変化するよう構成される。キャパシタ11の容量が変化すると共振回路の共振周波数が変化するので、上記のようにして送信される反射信号の周波数も筆圧によって変化することになる。この周波数の変化は、デジタイザ2による筆圧の検出に利用される。詳しくは後述する。
デジタイザ2のセンサコントローラ20は、タッチセンサ2b上における電子ペン10の位置を示す座標データを周期的に取得するとともに、座標データの取得の都度、電子ペン10のペン情報を取得し、これらを対応付けてメモリ23に蓄積する機能を有して構成される。
図3は、タッチセンサ2b及びセンサコントローラ20の内部構成を示す図である。同図に示すように、まずタッチセンサ2bは、長方形の平面領域内に複数のループコイルLCが配置された構成を有している。各ループコイルLCの一端は接地され、他端はセンサコントローラ20に接続される。図3では、複数のループコイルLCの例として、図示したy方向に延在する40本のループコイルX1~X40と、y方向に直交するx方向に延在する40本のY1~Y40とを図示している。以下、この80本のループコイルX1~X40,Y1~Y40を前提に説明を続けるが、タッチセンサ2bに設けるべきループコイルLCの本数はこれに限られない。
センサコントローラ20は、図3に示すように、選択回路50と、スイッチ回路51と、アンプ52と、検波回路53と、ローパスフィルタ(LPF)54と、サンプルホールド回路(S/H)55と、アナログデジタル変換回路(A/D)56と、制御部57と、発振器58と、電流ドライバ59とを有して構成される。
選択回路50には各ループコイルLCの他端が接続されている。選択回路50は、制御部57からの制御に応じてループコイルX1~X40,Y1~Y40の中の1本又は複数本を選択し、選択したものをスイッチ回路51に接続する回路である。
スイッチ回路51は、1つの共通端子と2つの選択端子とを有するスイッチであり、共通端子に接続される選択端子を制御部57からの制御に応じて切り替え可能に構成される。スイッチ回路51の共通端子には選択回路50が、一方の選択端子にはアンプ52の入力端が、他方の選択端子には電流ドライバ59の出力端がそれぞれ接続される。
アンプ52は、スイッチ回路51を介して選択回路50から供給される電圧信号を増幅し、検波回路53に出力する回路である。検波回路53は、アンプ52から出力される電圧信号に対して包絡線検波を行うことによって包絡線信号を生成し、ローパスフィルタ54に出力する回路である。ローパスフィルタ54は、検波回路53が生成した包絡線信号から高周波成分を除去する役割を果たす。サンプルホールド回路55は、ローパスフィルタ54によって高周波成分が除去された上記包絡線信号のサンプル動作及びホールド動作を、所定時間間隔で行うよう構成される。アナログデジタル変換回路56は、サンプルホールド回路55によりホールドされている信号にアナログデジタル変換を施すことによってデジタル信号を生成し、制御部57に出力する。
制御部57は、図示しない記憶装置に記憶されるプログラムに従って動作するプロセッサである。制御部57が行う動作には、選択回路50、スイッチ回路51、サンプルホールド回路55、及びアナログデジタル変換回路56の制御と、電子ペン10の座標データ及びペン情報を取得する処理とが含まれる。
発振器58は、所定周波数の交流信号を生成するよう構成される。電流ドライバ59は、発振器58から出力される交流信号を電流信号に変換し、スイッチ回路51に供給する役割を果たす。
制御部57による座標データ及びペン情報の取得について、具体的に説明する。まず初めに、制御部57は、スイッチ回路51の他方の選択端子(電流ドライバ59に接続されている選択端子)を共通端子に接続するとともに、選択回路50にループコイルX1~X40,Y1~Y40の中の一本を選択させる。すると、電流ドライバ59から出力される電流信号により、選択されたループコイルLCに磁界が発生する。なお、ここでは1本のループコイルLCを選択するとしているが、例えばループコイルX1~X40の中から1本、ループコイルY1~Y40の中から1本の計2本を選択することとしてもよい。また、ループコイルX1~X40,Y1~Y40とは別に、タッチセンサ2bの外周に沿って磁界発生専用のループコイルを配置し、この段階ではこの専用ループコイルのみを選択することとしてもよい。
ループコイルLCに発生した磁界の中に電子ペン10が入ると、上述したように、電子ペン10のインダクタ12(図2)に誘導電圧が発生し、キャパシタ11(図2)に電荷が蓄積される。制御部57は、スイッチ回路51の他方の選択端子を共通端子に接続してから所定時間が経過した後、今度は、スイッチ回路51の一方の選択端子(アンプ52に接続されている選択端子)を共通端子に接続する。すると、ループコイルLCからの磁界の発生が終了する。これを受けて、電子ペン10は上述した反射信号(連続信号、スタート信号、及びサイドスイッチ情報をこの順で含む信号)の送信を開始する。
制御部57は、アナログデジタル変換回路56から供給されるデジタル信号を復号することにより、電子ペン10が送信している反射信号の内容を判定するよう構成される。そして、電子ペン10が連続信号の送信を行っている間に、選択回路50が選択するループコイルLCを連続的に切り替えることにより、ループコイルX1~X40,Y1~Y40のそれぞれに発生した電圧を走査する。こうして検出される電圧は、ループコイルLCと電子ペン10の間の距離が短いほど大きくなるので、制御部57は、走査結果から電子ペン10の位置を示す座標データを得ることができる。
なお、走査時間を短縮するため、上記のようにすべてのループコイルLCを走査して位置検出を行うのは初回だけ(この場合、初回の位置検出では、電子ペン10がスタート信号やペン情報を送信している間にも、これらを連続信号とみなして位置検出を行う)とし、2回目からは、前回検出された位置の近傍に位置するループコイルLCのみを走査することとしてもよい。
一方、電子ペン10がサイドスイッチ情報を送信している間には、制御部57は、検出された電子ペン10の位置に応じていずれか1本のループコイルLC(通常は、検出した電子ペン10の位置に最も近いもの)を、選択回路50に選択させる。そして、こうして選択されたループコイルLCを通じて得られた信号の復号結果から、電子ペン10が送信したサイドスイッチ情報を取得するよう構成される。
ここで、上述したように、電子ペン10が送信する反射信号の周波数は、筆圧によって変化する。制御部57は、電子ペン10が送信する反射信号の周波数を検出可能に構成されており、検出した周波数から電子ペン10の筆圧を取得するよう構成される。
制御部57は、以上のようにして取得した座標データ及びペン情報(筆圧及びサイドスイッチ情報)を、これらの取得が完了した時刻を示すタイムスタンプ情報と対応付けて、図2に示したメモリ23に逐次蓄積する。メモリ23はファイル単位でデータが管理するように構成されており、制御部57は、取得した座標データ及びペン情報をメモリ23内のファイルに書き込むことによって、これらをメモリ23に蓄積する処理を行う。
図2に戻る。入出力部21は、操作ボタン4の押下状態に応じた処理を実行する機能と、LEDランプ5a,5bの点灯状態を制御する機能とを有して構成される。
操作ボタン4は、ユーザによる所定操作を受け付ける操作受付手段である。以下、次の表1を参照しながら、操作ボタン4に関する入出力部21の処理について説明する。
表1に示すように、デジタイザ2は、スキャンモードとスリープモードの2つのモードを有している。スキャンモードは、電子ペン10の探索(位置検出)と、探索により見つかった電子ペン10についての座標データ及びペン情報の取得とを実行するモードである。一方、スリープモードは、これらを行わないモードである。デジタイザ2は、表1に示すように、スキャンモードである場合において所定時間(例えば30分)にわたり無操作状態(操作ボタン4の操作も電子ペン10の検出も行われない状態)が継続した場合に、自動的に、すなわちユーザ操作によらずスリープモードに移行する。こうしてデジタイザ2がスリープモードに移行した後にユーザが操作ボタン4を短押し(例えば、5秒未満にわたって継続する押下)すると、入出力部21は、デジタイザ2をスキャンモードに移行させる。
デジタイザ2がスキャンモードにある場合にユーザが操作ボタン4を長押し(例えば、5秒以上にわたって継続する押下)すると、入出力部21は、センサコントローラ20に電子ペン10の探索を再実施させる。すなわち、すべてのループコイルLCを走査して行う位置検出(上述した初回の位置検出)を、再度センサコントローラ20に実施させる。
一方、デジタイザ2がスキャンモードにある場合にユーザが操作ボタン4を短押し(例えば、5秒未満にわたって継続する押下)すると、入出力部21は、センサコントローラ20による座標データ等の格納先を、それまでのファイル(メモリ23内の第1の領域)から新たなファイル(メモリ23内の第2の領域)に切り替えるための処理を行う。これにより、ユーザがレポート用紙Pのページをめくるタイミングで確実に操作ボタン4を押下していると仮定できるならば、レポート用紙Pのページごとに手書きデータのファイルが作成されることになる。
図4には、こうして作成される手書きデータのファイルの例を示している。同図に示すように、センサコントローラ20からは、逐次、座標データ(X,Y)、筆圧P、サイドスイッチ情報SW1,SW2、及びタイムスタンプ情報timeを含むデータ(以下、このデータを「単位手書きデータ」と称する)が出力される。なお、サイドスイッチ情報SW1,SW2はそれぞれ、電子ペン10のサイドスイッチ10b,10c(図1)に対応する。出力された単位手書きデータはメモリ23内のファイルに格納されるが、操作ボタン4が押下されたことに応じて、それまで単位手書きデータを蓄積していたファイル(例えば#1のファイル)が閉じられ、新たに蓄積用のファイル(例えば#2のファイル)が生成される。各ファイルには、その中に含まれる最新の単位手書きデータに対応するタイムスタンプ情報timeが対応付けられる。これにより、コンピュータ30等が後に各ファイルを参照する際に、ファイル間の筆記順を知ることが可能になる。
図2に戻り、LEDランプ5a,5bはそれぞれ発光素子であり、ユーザに対する通知機能を有する通知手段として機能する。以下、次の表2を参照しながら、入出力部21によるLEDランプ5a,5bの点灯状態の制御について、詳しく説明する。
表2には、制御の条件、点灯制御の優先度、制御対象のLEDランプ、及び、制御された点灯状態を示している。同表に示すように、まずメモリ23の残量がゼロである場合、入出力部21は、LEDランプ5aを琥珀色に点滅させるとともに、LEDランプ5bを緑色に点滅させる。この点灯状態はユーザに大きなインパクトを与えることができるもので、ユーザはこれを見て、メモリ23に新たな手書きデータを蓄積できなくなっていることを知ることができる。この場合、ユーザは、例えばコンピュータ30上での操作によって後述する無線通信部22を制御することにより、メモリ23に蓄積されているファイルをコンピュータ30に向けて送信させる。こうすることで、メモリ23に空き領域を確保することが可能になる。なお、この点灯制御は、以下に述べる他の種類の点灯制御に優先して行われる。
次に、入出力部21は、デジタイザ2の内臓電池の残量が所定量以下となった場合に、LEDランプ5aを琥珀色に点滅させる。また、デジタイザ2の内臓電池が充電中である場合に、LEDランプ5aを琥珀色に点灯させる。これによりユーザは、LEDランプ5aを参照することにより、内臓電池の充電の必要性と、内臓電池が充電中であることとを認識できる。なお、これらの点灯制御は、メモリ23の残量がゼロである場合には行われず、一方で、以下に述べる他の種類の点灯制御に優先して行われる。
次に、入出力部21は、デジタイザ2がスリープモードである場合に、LEDランプ5a,5bをともに消灯する。一方、デジタイザ2がスキャンモードである場合については、以下のようにLEDランプ5bの点灯状態を制御する。すなわち、まず電子ペン10の探索中である場合には、LEDランプ5bを緑色(第1の色)に点滅させる。また、電子ペン10の探索が終わって単位手書きデータの取得中であるが、ペンアップ状態であり、かつ、現在単位手書きデータを蓄積中のファイルにまだ1つも単位手書きデータが蓄積されていない場合、LEDランプ5bを薄緑色(第2の色)に点灯させる。さらに、単位手書きデータを取得中であり、かつペンダウン状態である場合、LEDランプ5bを緑色に点灯させる。そして、単位手書きデータを取得中であってペンアップ状態であり、かつ、現在単位手書きデータを蓄積中のファイルに1つ以上の単位手書きデータが蓄積されている場合、LEDランプ5bを薄緑色でゆっくり点滅させる。最後に、操作ボタン4が押下されて蓄積対象のファイルを切り替えるときには、LEDランプ5bを、3回だけ薄緑色で早く点滅させる。なお、電子ペン10がペンアップ状態であるかペンダウン状態であるかの判定について、入出力部21は、センサコントローラ20から出力されるペン情報に含まれる筆圧を監視し、筆圧がゼロである場合に「ペンアップ状態」、それ以外の場合に「ペンダウン状態」と判定することによって行う。
スキャンモード中におけるLEDランプ5bの点灯状態の制御で特に重要なのは、LEDランプ5bを薄緑色でゆっくり点滅させることである。この場合、蓄積中のファイル内に1つ以上の単位手書きデータが蓄積されており、しかもペンアップ状態であることを考慮すると、ユーザがあるページへの筆記を終了して次のページに移ろうとしている可能性がある。そこで、入出力部21は、LEDランプ5bを薄緑色でゆっくり点滅という特徴的な点灯状態とすることにより、ユーザに「単位手書きデータを蓄積するファイルを切り替えなくていいのですか?」と注意を促しているのである。もし本当にページを切り替えようとしているのであれば、この点灯状態によって注意を喚起されたユーザは、操作ボタン4を押してファイルを切り替えればよい。
LEDランプ5bの点灯制御について、入出力部21の処理フローを参照しながら、再度より詳しく説明する。
図5は、LEDランプ5bの点灯制御にかかる入出力部21の処理フローを示す図である。ただし、図5には、一部その他の処理についても記載している(後述するステップS6a)。同図に示す処理フローは、入出力部21によって周期的に繰り返し実行されるものである。
図5に示すように、入出力部21はまず、メモリ23の残量がゼロであるか否かを判定する(ステップS1)。その結果、メモリ23の残量がゼロであれば、LEDランプ5bを緑色に点滅させる(ステップS2)。一方、メモリ23の残量がゼロでなければ、次に、デジタイザ2がスリープモードにエントリしているか否かを判定する(ステップS3)。その結果、デジタイザ2がスリープモードにエントリしていれば、LEDランプ5bを消灯させる(ステップS4)。一方、デジタイザ2がスリープモードにエントリしていなければ、次に、操作ボタン4が押下されたか否かを判定する(ステップS5)。その結果、押下されていれば、LEDランプ5bを薄緑色で3回、早く点滅させる(ステップS6)。このとき同時に、入出力部21は、上述したように、センサコントローラ20による単位手書きデータの格納先を、それまでのファイルから新たなファイルに切り替えるための処理も行う(ステップS6a)。
ステップS5で操作ボタン4が押下されていなければ、次に入出力部21は、センサコントローラ20による電子ペン10の探索中であるか否かを判定する(ステップS7)。その結果、探索中であれば、LEDランプ5bを緑色で点滅させる(ステップS8)。一方、探索中でなければ、次に、電子ペン10がペンダウン状態であるか否かを判定する(ステップS9)。この判定は、上述したように、センサコントローラ20から出力される筆圧を監視することによって実行される。判定の結果、ペンダウン状態であれば、LEDランプ5bを緑色で点灯させる(第3の通知。ステップS10)。一方、ペンダウン状態でなければ、蓄積中のファイルに既に単位手書きデータが格納されているか否かを判定する(ステップS11)。その結果、格納されていなければLEDランプ5bを薄緑色で点灯させ(第2の通知。ステップS12)、格納されていればLEDランプ5bを薄緑色でゆっくり点滅させる(第1の通知。ステップS13)。
入出力部21が以上のようにしてLEDランプ5bの点灯制御を行うことにより、上述したように、ユーザがあるページへの筆記を終了して次のページに移ろうとしているときに、ユーザに、「単位手書きデータを蓄積するファイルを切り替えなくていいのですか?」という主旨の通知を行うことが可能になる。
図2に戻る。無線通信部22は、メモリ23に蓄積されたファイルを取り出し、コンピュータ30に対して無線通信により送信する機能を有する機能部である。無線通信部22によるファイルの送信は、デジタイザ2におけるユーザの操作に応じて実行されてもよいし、コンピュータ30から送信指示が受信されたことに応じて実行されてもよい。後者の場合において、コンピュータ30は、コンピュータ30におけるユーザの操作に応じて、デジタイザ2に対して送信指示を送信することとしてもよい。また、デジタイザ2とコンピュータ30とが通信可能な距離に接近した場合に、自動的に送信が実行されるように構成してもよい。上記無線通信として具体的には、例えばブルートゥース(登録商標)を利用することが好適であるが、Wi-Fi(登録商標)やNFC(登録商標)などの他の通信規格を利用することも可能である。
なお、本実施の形態による無線通信部22はファイル単位で手書きデータの送信を行うが、センサコントローラ20によって1座標分の単位手書きデータがメモリ23に蓄積される都度、単位手書きデータの送信を行うこととしてもよい。こうすることで、コンピュータ30のタッチスクリーン31に、リアルタイムに手書きデータを表示することが可能になる。これは、特許文献2,3のように、紙媒体としての電子ペーパーに手書きデータを表示する場合にも有効である。なお、この場合の無線通信部22は、操作ボタン4が押下された場合に、その旨をコンピュータ30に通知することが好ましい。こうすることで、本実施の形態では入出力部21が行っているファイルの切り替え機能を、コンピュータ30側に持たせることが可能になる。
図1に戻り、次にコンピュータ30について説明する。コンピュータ30は上述したようにタブレット型のコンピュータであり、タッチスクリーン31と操作ボタン32を有して構成される。図示していないが、コンピュータ30はCPU及び記憶装置を備えており、以下で説明するコンピュータ30の動作は、記憶装置に記憶されるプログラムに従ってCPUが動作することによって実行される。また、タッチスクリーン31はユーザのタッチ操作(タップ操作及びスライド操作を含む)を検出可能に構成されており、コンピュータ30は、タッチスクリーン31によって検出されたユーザ操作と、操作ボタン32の押下状態とに応じた動作を行うよう構成される。
なお、本実施の形態では、コンピュータ30としてタブレット型のコンピュータを使用する例を説明するが、手書きデータ取り込み装置1の構成要素としてのコンピュータ30は必ずしもタブレット型でなくてもよく、例えばデスクトップ型やノート型であってもよい。また、図1に示したように、コンピュータ30をデジタイザ2とともに1つの手帳型カバー40に実装することも必須ではない。また、デジタイザ2上に載置する紙媒体としての電子ペーパーに、コンピュータ30としての機能を持たせることとしてもよい。また、コンピュータ30は、ユーザのタッチ操作とともに、又はユーザのタッチ操作に代えて、マウスやキーボードによる操作に応じた動作を行うように構成されてもよい。
図2には、コンピュータ30の内部構成も示している。同図に示すように、コンピュータ30はその内部に、無線通信部32、ストロークビルダー33、エディター34、及びメモリ35を有して構成される。
無線通信部32は、デジタイザ2から一連の手書きデータを受信し、ストロークビルダー33に供給する機能を有する。ストロークビルダー33は、こうして供給される一連の手書きデータに基づいて描画用のベクターデータであるストロークデータを生成し、メモリ35に格納するよう構成される。
図4には、ストロークビルダー33によってメモリ35に格納されるデータの具体例も示している。同図に示すように、ストロークビルダー33は、各ファイル内に格納されている1以上の単位手書きデータをストローク単位のデータ(ストロークデータ)にまとめる処理を行う。
ストロークデータの具体的な生成方法について説明する。一連の単位手書きデータからストロークデータを生成するためには、まずストローク間の区切りを判定する必要がある。ストロークビルダー33は、この区切りを、各単位手書きデータ内の筆圧を参照することによって判定する。すなわち、対応する筆圧がゼロとなっている単位手書きデータはペンアップ状態であるときに取得されたものであるから、筆跡に寄与するものではない。そこで、ストロークビルダー33は、このような単位手書きデータをストロークデータの生成対象から排除し、排除した単位手書きデータが含まれていたところをストロークの区切りと判定する。そして、この区切りによって特定される1以上の単位手書きデータのセットにより、1つのストロークデータを生成する。
ストロークビルダー33は、ストロークデータを生成する際、各単位手書きデータのタイムスタンプ情報を参照することにより、生成した一連のストロークデータのそれぞれに順序情報を付与する。これにより、メモリ35に格納されるファイル内の各ストロークデータは、筆記順に順序付けられたものとなる。図4の例では、「order n」(nは自然数)と書かれたデータが順序情報であり、自然数nが筆記順を示している。
このように、本発明のストロークビルダー33は、単位手書きデータをラスタライズ処理(ピクセルデータ化)せずに、それぞれ筆記順とともに各々ストロークデータをベクターデータとして保持する。これにより、後述処理において筆記順に基づいたストロークデータの特定を可能な状態でメモリ35に保持する。
図2に戻る。エディター34は、メモリ35内に格納されているファイルを取り出してその中に含まれる各ストロークデータの描画処理を行い、その結果をタッチスクリーン31に表示する機能と、タッチスクリーン31におけるユーザのタッチ操作を認識し、その内容に応じた処理を行う機能とを有して構成される。
図6は、エディター34の機能ブロックを示す図である。同図に示すように、エディター34は機能的に、ストロークデータ取得部60、表示部61、区切り位置入力受付部62、連続部分特定部63、再表示部64、確定受付部65、及びページ等生成部66を有して構成される。
ストロークデータ取得部60は、メモリ35から、1ページに対応するデータに含まれた一連のストロークデータを取得する機能部である。この例では1ページに対応するデータは1つのファイルに含まれている。ここでいう1ページは、ある1つのファイルに含まれた複数のセクションのうちの1セクションであってもよい。また、ページあるいはセクションのそれぞれは、開始バイト位置及び終了バイト位置によって指定されるファイル中の特定の範囲や、区切りコードによってファイルから抽出されるものであってもよい。以下では、ページ又はセクションを指して「ページ等」という表現を用いる場合がある。表示部61は、ストロークデータ取得部60によって取得された一連のストロークデータのすべてに対して所定の描画処理を行い、その結果をタッチスクリーン31(表示手段)に表示する。
図7は、表示部61による表示処理を受けたタッチスクリーン31の表示例を示す図である。同図に示す例では、表示処理の対象となったページ等に、レポート用紙Pの2ページ分のストロークデータ、すなわち「123456」を示す8つのストロークデータ(注:「4」「5」はそれぞれ2画である)からなるストロークデータ群G1と、「abcdefg」を示す9つのストロークデータ(注:「b」「f」はそれぞれ2画である)からなるストロークデータ群G2とが含まれていると仮定している。また、これらのストロークデータの筆記順(順序情報により示される筆記順)は、「1」、「2」、「3」、「4」の1画目、「4」の2画目、「5」の1画目、「5」の2画目、「6」、「a」、「b」の1画目、「b」の2画目、「c」、「d」、「e」、「f」の1画目、「f」の2画目、「g」の順であるとしている。ユーザはストロークデータ群G1とストロークデータ群G2を別々のページに書いたと認識しているが、ページを変える際に操作ボタン4を押し忘れたため、これらが1つのページ等内に含まれてしまっている。その結果、図7に示すように、「123456」と「abcdefg」とが1つの画面上に重なって表示されてしまっている。
図6に戻る。区切り位置入力受付部62は、ストロークデータ取得部60によって取得された一連のストロークデータの区切り位置の入力を受け付ける機能部である。区切り位置は、ページ区切り又はセクション区切りに対応する。
また、区切り位置入力受付部62は、図7に例示するように、ユーザにページ編集モードへの移行指示を行わせるためのタッチボタン70を表示するよう構成される。このタッチボタン70がユーザによってタップされた場合、区切り位置入力受付部62はタッチボタン70を消し、図8に例示するように、ユーザに区切り位置を指定させるためのスライダ71(第1のユーザインターフェイス)と、ユーザに区切り位置の確定操作を行わせるためのタッチボタン74(第2のユーザインターフェイス)とを新たに表示する。
タッチボタン70、スライダ71、及びタッチボタン74の構成について、具体的に説明する。まずタッチボタン70,74は、ともにユーザのタップ操作を受け付けるためのボタンであり、図7及び図8には、いずれも「Create Page」との記述を有する四角形の領域により構成される例を図示している。ただし、タッチボタン70,74がこのように同じ構成を有することは必須ではない。
スライダ71は、元来、ある範囲内にある1つの値の入力値を受け付けるGUI(Graphical User Interface)である。本実施の形態においては、スライダ71の範囲の最大値には、取得されたある1のページ等に対応づけられたすべてのストロークデータのうち筆記順が最新のものが対応づけられ、最小値には、筆記順が最古のストロークデータが対応付けられる。別の言い方をすれば、スライダ71は、ストロークデータ取得部60によって取得された一連のストロークデータのうち最先に筆記されたものを開始点とし、該1以上のストロークデータのうち最後に筆記されたものを終了点として構成される。そして、スライダ71の入力値は、表示されるストロークデータと表示されないストロークデータとの区切り位置を変更するために用いられる。つまり、スライダ71は、一連のストロークデータの筆記順のうち最新の筆記順が最大値に対応付けられ、一連のストロークデータの筆記順のうち最古の筆記順が最小値に対応付けられた範囲のうちの1つの値をユーザに入力させる。また、スライダ71は、ユーザのスライド操作によってスライダ71上を移動可能に構成されたハンドル72を有する。ハンドル72は、スライダ71を操作するためのGUI要素であって、つまみ、ノブなどとも呼ばれる、スライダ71の一つの要素である。なお、ハンドル72は、特別な形状を有さず、所定の色により区別されるバーの端部であってもよい。後述する図9及び図10に示すように、スライダ71の開始点からハンドル72までを、太線等により強調表示することとしてもよい。ハンドル72のスライダ71上における位置が区切り位置を示しており、区切り位置入力受付部62は、ハンドル72のスライダ71上における位置に基づき、区切り位置の入力を受け付けるよう構成される。
スライダ71はさらに、ストロークデータ取得部60によって取得された一連のストロークデータのそれぞれと一対一に対応する1以上の目盛り73をさらに有して構成される。図8の例では、表示対象となっているストロークデータ群G1,G2が合計で17個のストロークデータを含んでいることから、スライダ71には17個の目盛り73が設けられている。目盛り73は等間隔で設けることが好適であるが、メモリ35のファイル内で各ストロークデータにタイムスタンプ情報を対応付けておき、このタイムスタンプ情報に基づいて、各目盛り73のスライダ71上の位置を決めることとしてもよい。目盛り73間の具体的な間隔は、表示対象となっているストロークデータの数によって変化する。
ハンドル72は、この目盛り73に相当する位置に移動し、スライダ71上の他の場所では停止しないように構成されることが好適である。つまり、ユーザがスライド操作によってハンドル72を移動させるとき、スムーズには動かず、目盛り73から目盛り73にガタガタと飛び移るように移動し、必ずストロークデータの個々に対応した各目盛り73の位置に移動するように、ハンドル72の変位量を設定して構成することが好適である。ただし、ユーザのスライド操作に応じてスムーズに移動するよう、ハンドル72を構成してもよいことは勿論である。
図9及び図10には、図8の表示を見たユーザが、スライド操作によってハンドル72を移動させた場合の表示例を示している。図9の例では、ユーザは、右から4つ目の目盛り73までハンドル72を移動させている。この場合、「e」に相当するストロークデータが区切り位置に相当する。一方、図10の例では、ユーザは、右から10個目の目盛り73までハンドル72を移動させている。この場合、「6」に相当するストロークデータが区切り位置に相当する。
図6に戻る。連続部分特定部63は、区切り位置入力受付部62によって取得された区切り位置と、ストロークデータ取得部60によって取得された一連のストロークデータの筆記順(ファイル内に格納されている順序情報により示される筆記順)とに基づき、該一連のストロークデータのうちの連続部分を特定するよう構成される。より具体的に言えば、連続部分特定部63は、一連のストロークデータの中から区切り位置に対応する区切り位置対応ストロークデータを特定し、さらに、筆記順に基づいて、一連のストロークデータのうち最古に筆記されたストロークデータと区切り位置対応ストロークデータとを含む第1の部分と、それ以外の第2の部分とを特定し、第1部分を連続部分とするよう構成される。
図9の例では、連続部分特定部63によって、「123456abcde」に対応する14個のストロークデータが特定されることになる。また、図10の例では、連続部分特定部63によって、「123456」に対応する8個のストロークデータが特定されることになる。
再表示部64は、連続部分特定部63により特定された連続部分を筆記順で描画することにより、タッチスクリーン31の表示を書き換える機能を有して構成される。これにより、図9及び図10に例示するように、連続部分特定部63により特定された連続部分を構成する1以上のストロークデータのみがタッチスクリーン31上に表示され、その他のストロークデータについては表示されなくなる。したがってユーザは、現在特定されているストロークデータを、その目で確認することが可能になる。
再表示部64による再表示の後も、区切り位置入力受付部62は、図9及び図10に例示するようにスライダ71を表示したままとする。したがって、ユーザがハンドル72を移動させる都度、区切り位置入力受付部62、連続部分特定部63、及び再表示部64の処理が繰り返されることになる。これによりユーザは、適切なストロークデータの特定状態(例えば図7~図10の例では、図10に示すように1ページ目に筆記した「123456」に対応するストロークデータ群G1のみが特定されている状態)を実現することができる。
図6に戻り、確定受付部65は、区切り位置の確定操作を受け付ける機能部である。この確定操作は、具体的にはタッチボタン74(図10を参照)のタップ操作である。ページ等生成部66は、確定受付部65によって区切り位置の確定操作が受け付けられた場合に、区切り位置がページ区切りであれば、その時点でタッチスクリーン31に表示中の1以上のストロークデータに基づいて第1のページを生成するとともに、当初表示していた一連のストロークデータ(ストロークデータ取得部60により取得された一連のストロークデータ)のうちの残りの1以上のストロークデータに基づいて第2のページを生成し、区切り位置がセクション区切りであれば、その時点でタッチスクリーン31に表示中の1以上のストロークデータに基づいて第1のセクションを生成するとともに、当初表示していた一連のストロークデータ(ストロークデータ取得部60により取得された一連のストロークデータ)のうちの残りの1以上のストロークデータに基づいて第2のセクションを生成するよう構成される。例えば図10の例でユーザがタッチボタン74をタップしたとすると、ページ等生成部66は、それぞれ「123456」に対応する8個のストロークデータを含む第1のページ(又は第1のセクション)と、それぞれ「abcdefg」に対応する9個のストロークデータを含む第2のページ(又は第2のセクション)とを生成することになる。
図4には、ページ等生成部66が生成するページの他の一例を示している。この例では、#1のファイルに含まれるm個のストロークデータのうち7番目までのストロークデータにより第1のページが生成され、8番目以降のストロークデータにより第2のページが生成されている。
図4に示すように、ページ等生成部66が生成した各ページは、それぞれ1つのファイルとしてメモリ35に格納される。より具体的には、#1のファイルから8番目以降のストロークデータが削除され、新たな#1のファイル(第1のファイル)として保存される。8番目以降のストロークデータについては、新たに作成される#1-1のファイル(第2のファイル)に格納される。これに対し、ページ等生成部66がセクションを生成する場合には、複数のセクションにより1つのファイルが構成される。
ページ等生成部66は、新たに作成した第1及び第2のページ等のそれぞれに、ページ等の作成順序を示す順序情報を対応付けるよう構成される。この順序情報は、具体的にはタイムスタンプである。図4の例では、新たに作成した#1-1のファイルに、処理前の#1のファイルに対応付けられていたタイムスタンプ情報T1nが対応付けられ、処理後の#1のファイルに、処理前の#1のファイルに対応付けられていたタイムスタンプ情報T1nにより示される時刻の少し前の時刻(図4ではT1n-αと表記している)が対応付けられている。「少し前」としているのは、#1のファイルが#1-1のファイルより前に作成されたものであることを示すとともに、#1のファイルの前に作成されたファイル(図示せず)がある場合に、そのファイルの作成時刻が#1のファイルの作成時刻より後の時刻とならないための工夫である。
なお、各ファイルに対応付ける順序情報は、具体的には各ファイルのファイル名に含まれることとしてもよいし、各ファイルにメタデータとして付すこととしてもよい。前者によれば、ユーザによる順序情報の視認が容易となり、後者によれば、コンピュータによる順序情報の取り扱いが容易となる。
ページ等生成部66により新たなページ等が作成された後には、ストロークデータ取得部60による一連のストロークデータの取得が再実行される。図11には、図10でユーザがタッチボタン74をタップした後の、タッチスクリーン31の表示例を示している。この表示例は、ストロークデータ取得部60が「123456」に対応するページ等にアクセスし、その中に含まれる8個のストロークデータを取得したことによって得られるものである。なお、ストロークデータ取得部60による一連のストロークデータの取得の直後には、上述したように、表示部61によってまずタッチボタン70(図7)が表示されるが、図11には、このタッチボタン70をユーザがタップした後の状態を示している。図11では、表示中のストロークデータの数が8個であることから、スライダ71上に表示される目盛り73の数も8個となっている。こうして表示した画面においてユーザがハンドル72をスライドしたりタッチボタン74をタップした場合の処理は、上記と同様である。
なお、エディター34は、例えば、ユーザがタッチスクリーン31の右端近傍をタップした場合に、現在表示中のページ等の1つ後の作成時刻に対応付けられたページ等(以下、Aとする)に含まれる一連のストロークデータをストロークデータ取得部60に取得させることによって、表示中のページ等をAに切り替え、ユーザがタッチスクリーン31の左端近傍をタップした場合に、現在表示中のページ等の1つ前の作成時刻に対応付けられたページ(以下、Bとする)に含まれる一連のストロークデータをストロークデータ取得部60に取得させることによって、表示中のページ等をBに切り替えることとしてもよい。こうすることで、ユーザは自分の意思で、任意のページ等の中身を確認することが可能になる。
以上説明したように、エディター34は、ユーザにストロークデータ特定情報を入力させ、入力されたストロークデータ特定情報に応じて、最初に一括して表示された一連のストロークデータのうち特定のページに対応すべきものだけを、繰り返し選択的に表示させ確認することができる。そして、選択的に表示した1以上のストロークデータのみを含むページ等と、その他のストロークデータのみを含むページ等とを作成することができる。また、エディター34は、その処理を行うために、紙媒体に印刷されたバーコードや紙媒体に埋め込まれたICチップを全く必要とせず、めくり検出機能も必要としない。したがって、本実施の形態による手書きデータ取り込み装置1では、複数のページを含む汎用の紙媒体の各ページに書き込まれた筆跡からページごとの手書きデータ(1以上のストロークデータの集合)を作成することが、事後的にソフトウェア的な手段により実現されていると言える。
以下、エディター34が行う処理について、エディター34の処理フローを参照しながら、再度より詳しく説明する。
図12は、エディター34の処理フローを示す図である。同図に示すように、エディター34は、ユーザによる手書きデータの表示指示(ステップS21)を受けて、まずメモリ35内にあるページ等のひとつから一連のストロークデータを取得する(ステップS22)。このときにストロークデータ取得の対象となるページ等は、ユーザによって指定可能とすることが好ましい。
続いて、エディター34は、取得した一連のストロークデータのすべてを描画し、タッチスクリーン31に表示する(ステップS23)。その後、ユーザによるページ編集モードへの移行指示(図7に例示したタッチボタン70のタップ)を受け付ける(ステップS24)。そして、ユーザによるページ編集モードへの移行指示が受け付けられると、エディター34は、スライダ(図8に例示したスライダ71、ハンドル72、目盛り73)及び区切り位置確定操作受付用のボタン(図8に例示したタッチボタン74)を表示する(ステップS25)。
その後、エディター34は、スライダの現在位置を取得し(ステップS26)、取得した現在位置に基づいて区切り位置の入力を受け付け(ステップS27)、入力された区切り位置と筆記順とに基づいて一連のストロークデータのうちの連続部分を特定し(ステップS28)、特定した連続部分によりタッチスクリーン31の表示を書き換える(ステップS29)、という一連の処理を、ユーザによって区切り位置の確定操作が行われるまで繰り返す(ステップS30)。そして、区切り位置の確定操作が行われた場合には、スライダ及び区切り位置の確定操作受付用のボタンを消去し(ステップS31)、表示中のページ等から、最後に実行したステップS28で特定した連続部分に属しないストロークデータを削除するとともに、そのページ等のタイムスタンプを「少し前」の時刻のタイムスタンプに修正し、さらに、削除したストロークデータのすべてを含むページ等を新たに作成し、表示中のページ等のタイムスタンプ(修正前のもの)を対応付ける(ステップS31)。これにより、表示中のページ等が、最後のステップS26で取得されたスライダの現在位置により特定される区切り位置(ストロークデータ)と、その1つ後のストロークデータとの間を境として分割されることになる。その後は、ステップS2以降の処理が繰り返される。
以上説明したように、本実施の形態による手書きデータ取り込み装置1によれば、ページの区切りと考えられるタイミングでLEDランプ5bを薄緑色でゆっくり点滅させることができるので、手書きデータの格納先ファイルを変えるための操作ボタン4の押し忘れを防止することが可能になる。
また、本実施の形態による手書きデータ取り込み装置1によれば、ユーザは、ストロークデータ特定情報を入力することにより、最初に一括して表示された一連のストロークデータのうち特定のページに対応するものだけを、選択的に表示させることができる。つまり、特定のページに対応する1以上のストロークデータをソフトウェア的な手段により特定することができるので、本実施の形態による手書きデータ取り込み装置1によれば、複数のページを含む汎用の紙媒体の各ページに書き込まれた筆跡を取得した後に、更に、適切に手書きデータをページごとに分類することが可能になる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、ユーザにページ区切りを指定させるための第1のユーザインターフェイスとして直線状のスライダ71(図8)を利用する例を説明したが、例えば図13に示す円形のスライダ71のように、曲線状に形成されたスライダを用いることとしてもよい。また、上記実施の形態では、ユーザにページ区切りの確定操作を行わせるための第2のユーザインターフェイスとしてのタッチボタン74をタッチスクリーン31の右上に表示する例を示したが、例えば図13に例示するタッチボタン74のように、第2のユーザインターフェイスの配置はタッチスクリーン31の右上に限定されない。
さらに言えば、タッチボタン74ではなくスライダ71のハンドル72を、第2のユーザインターフェイスとして利用することも可能である。この場合、確定受付部65は、ユーザがハンドル72を所定時間にわたってタップし続けた(押下し続けた)ことによって、区切り位置の確定操作を受け付けるようにすることが好適である。
また、上記実施の形態では、スライダ71上に表示する目盛り73を、ストロークデータ取得部60によって取得された一連のストロークデータのそれぞれと一対一に対応するものとして構成したが、該一連のストロークデータのそれぞれと多対一に対応するものとして構成することも可能である。こうすることで、ユーザは、一連のストロークデータを構成するストロークデータの数が極めて多い場合であっても、1つ1つの目盛り73を見分けることが可能になる。
この場合、ハンドル72又はスライダ71をユーザが所定時間以上にわたって押下することにより、スライダ71のスケールを拡大可能とすることが好ましい。つまり、ストロークデータ取得部60が一連のストロークデータを取得した当初に表示する目盛り73を第1の目盛りとすると、ハンドル72又はスライダ71をユーザが所定時間以上にわたって押下した場合に、一連のストロークデータの個数より少ない数のストロークデータであって、押下位置及びその近傍に対応する一群のストロークデータのそれぞれと多対一又は一対一に対応する1以上の第2の目盛りにより、1以上の第1の目盛りを置き換えることが好ましい。こうすることで、ユーザは、一連のストロークデータを構成するストロークデータの数が極めて多い場合であっても、ストロークデータ単位で細かく区切り位置を入力できるようになる。
図14及び図15を参照しながら、以上の点について具体的に説明する。図14は、タッチスクリーン31に図8と同じストロークデータを表示した状態を示しているが、1つの目盛り73に2つのストロークデータが割り当てられているため、目盛り73の数が図8の例の半数(ただし、ストロークデータの数が17個と奇数であるため、正確には半数+1個)となっている。具体的な割り当てについて説明すると、図示した目盛りAには「1」及び「2」が、目盛りBには「3」及び「4」の1画目が、目盛りCには「4」の2画目及び「5」の1画目が、目盛りDには「5」の2画目及び「6」が、目盛りEには「a」及び「b」の1画目が、目盛りFには「b」の2画目及び「c」が、目盛りGには「d」及び「e」が、目盛りHには「f」の1画目及び「f」の2画目が、目盛りIには「g」が、それぞれ割り当てられている。この場合において、ユーザが例えば図14に丸印で示した「E」の目盛り73付近を長押しすると、1つの目盛り73に対して割り当てられるストロークデータが例えば1つに減少する。図14の例では、例えば、目盛りAに「4」の2画目が、目盛りBには「5」の1画目が、目盛りCには「5」の2画目が、目盛りDには「6」が、目盛りEには「a」が、目盛りFには「b」の1画目が、目盛りGには「b」の2画目が、目盛りHには「c」が、目盛りIには「d」が、それぞれ割り当てられる。こうすることで、ユーザは、区切り位置として「4」の2画目から「d」までの範囲しか指定できなくなる一方、ストロークデータ単位で細かく区切り位置を入力できるようになる。
また、スライダ71には、上述したハンドル72及びメモリ73の他に、図15に示すポインタ74を設けることとしてもよい。このポイント74は、区切り位置の候補となる候補位置をユーザに提示する目的で、スライダ71の近傍に表示されるものである。候補位置は、区切り位置入力受付部62によって導出される。
区切り位置入力受付部62による候補位置の導出方法としては、例えば、2通りの方法が考えられる。1つ目は、ページ等に含まれる一連のストロークデータのそれぞれに筆記時刻を示すタイムスタンプが付与されている場合に利用できる方法であり、筆記順で隣接する2つのストロークデータそれぞれのタイムスタンプにより示される時間差に基づいて候補位置を導出するというものである。この方法によれば、例えば、タイムスタンプが1日以上経過しているなど、時間差がある程度以上大きいために、ユーザによるページの変更が行われた可能性が高いと考えられる位置を、候補位置として算出することが可能となる。
2つ目は、筆記順で隣接する2つのストロークデータ間における、筆記面内で互いに直交する第1及び第2の方向(長方形である筆記面の縦方向及び横方向)のいずれか一方の変位量に基づいて導出するというものである。この方法によれば、例えば1つのページの下部から上部に筆跡がジャンプした場合や、横書きに記述した場合に改行した位置など、ユーザによるページの変更が行われた可能性が高いと考えられる位置やセクションを区切るべき改行位置などを、候補位置として算出することが可能となる。
また、第1及び第2のユーザインターフェイスを、ハードウェアボタンによって実現することも可能である。図16には、そのような第1及び第2のユーザインターフェイスを例示している。同図に示す手書きデータ取り込み装置1では、デジタイザ2の一端に、四角形の停止・確定ボタンB1、右向き三角形の進むボタンB2、右向き三角形が2つ連なってなる早送りボタンB3、左向き三角形の戻るボタンB4、左向き三角形が2つ連なってなる巻き戻しボタンB5を設けている。これらのボタンのすべてにより第1のユーザインターフェイスを構成し、ボタンB1は第2のユーザインターフェイスを兼ねている。なお、デジタイザ2からコンピュータ30に対しては、ボタンB1~B5それぞれの押下状態が逐次通知される。
ユーザが戻るボタンB4を1回押下すると、区切り位置入力受付部62により、最後に取得されていたストロークデータ特定情報により特定されていたストロークデータの1つ前の筆記順のストロークデータを特定するストロークデータ特定情報が取得される。一方、ユーザが進むボタンB2を1回押下すると、区切り位置入力受付部62により、最後に取得されていたストロークデータ特定情報により特定されていたストロークデータの1つ後の筆記順のストロークデータを特定するストロークデータ特定情報が取得される。早送りボタンB3及び巻き戻しボタンB5は、それぞれ進むボタンB2及び戻るボタンB4を連続して押下した場合(早送り、巻き戻し)と同様の効果を自動的に生じさせるためのボタンである。早送り及び巻き戻しは、その実行中に停止・確定ボタンB1が押下されることにより、停止する。早送り及び巻き戻しの実行中でないときにユーザが停止・確定ボタンB1を押下すると、確定受付部65により、ページ区切りの確定操作が受け付けられる。ボタンB1~B5がそれぞれ以上のような役割を有することにより、図16の手書きデータ取り込み装置1は、上記実施の形態で説明した手書きデータ取り込み装置1と同様に、ページごとの手書きデータを作成可能となる。
また、上記実施の形態では、連続部分特定部63が、区切り位置対応ストロークデータを含む第1の部分を連続部分として特定することとしたが、区切り位置対応ストロークデータを含まない第2の部分を連続部分として特定することとしてもよい。また、最古に筆記されたストロークデータを第1の部分に含むこととしたが、最後に筆記されたストロークデータを第1の部分に含むこととしてもよい。
また、上記実施の形態では、LEDランプ5aを琥珀色、LEDランプ5bを緑色又は薄緑色としたが、これは例示であり、実際のLEDランプ5a,5bの色は任意である。LEDランプ5a,5bの色は、ユーザに対して適切なインパクトを与えられるよう、人間工学を考慮して適宜決定されることが好ましい。LEDランプ5a,5bの点灯状態や点滅方法についても同様である。さらに、視覚障害を有するユーザを考慮し、LEDランプ5a,5bに代えて、或いはLEDランプ5a,5bとともに、同様の通知を音や振動等によって行うこととしてもよい。
また、上記実施の形態では、ユーザに対する通知機能を有する通知手段としてLEDランプを用いたが、LEDランプに代え、又は、LEDランプとともに、「音」や「タブレット画面上のアイコン点滅」を通知手段として利用することも可能である。
また、上記実施の形態では、EMR方式による位置検出装置を用いる例を説明したが、本発明は、AES(Active ElectroStatic)方式などの、電池を搭載した指示体から位置検出器に対して信号を送信するタイプの位置検出装置にも好適に適用可能である。