JP7054852B2 - 無線電力伝送システムにおける送電装置の制御方法、異物検知方法、および送電装置 - Google Patents

無線電力伝送システムにおける送電装置の制御方法、異物検知方法、および送電装置 Download PDF

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Description

本開示は、無線電力伝送システムにおける送電装置の制御方法、異物検知方法、および送電装置に関する。
車両などの移動体に用いられる無線電力伝送システムは、送電装置に含まれる送電コイルと受電装置に含まれる受電コイルとを電磁的に結合させて、送電コイルから受電コイルに電力を送電する。その際、送電コイルと受電コイルとの間に空き缶または硬貨などの金属異物が存在すると、送電時に送電コイルから発生する磁界により金属異物の表面温度が上昇し、安全上問題となる虞がある。また、両コイル間に金属異物が存在することで、正常に無線での充電ができなくなる問題も生じる。そこで、このような金属異物を検知する種々の技術が提案されている。
特許文献1は、車両の底面にカメラを設置し、送電コイルと受電コイルとが対向した状態で、カメラによって金属異物を検知する方法を開示している。金属異物が送電コイルと受電コイルとの間に存在すると判断された場合には、送電コイルから受電コイルへの電力の送電が停止される。
特許文献2は、受電側の端末に設けられた二次電圧検知部と二次電流検知部とで得られた情報を、端末から本体に伝達し、本体が前記情報に基づいて給電発振部への一次電流値が過電流であるか否かを判断して端末への電力供給を制御する方法を開示している。これにより、給電側と受電側との間に金属異物が存在する場合でも、金属異物が発熱する前に給電動作を停止できることが開示されている。
特開2013-192411 特開2001-275280
前述の従来技術では、送電コイルと受電コイルとが対向している状態で金属異物が検知される。しかし、そのようなシステムでは、例えば車両の下に存在する金属異物を除去するには、一旦車両を駐車位置から移動させることが必要になる。本開示は、このような課題を解決し得る新規な方法を提供する。
本開示の一態様に係る異物検知方法は、
送電装置が、
電力を生成するインバータ回路と、
移動体が備える受電コイルに電力を出力するための送電コイルと、
前記送電コイル上の金属異物の表面温度を計測するサーマルセンサーと、
前記インバータ回路に、前記送電コイルから出力される電力をコントロールさせる送電制御回路と、を備え、
前記受電コイルと前記送電コイルとが電磁的に結合する前で、かつ前記移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに電力を出力させ、
前記サーマルセンサーに前記金属異物の表面温度を計測させ、
前記計測された金属異物の表面温度が閾値以上である場合、前記送電装置から前記送電装置以外の前記信号の受信機能をもつ受信装置に、前記金属異物の存在を示す信号を送信する。
本開示の他の態様に係る異物除去方法は、
送電装置が、
電力を生成するインバータ回路と、
移動体が備える受電コイルに電力を出力するための送電コイルと、
前記送電コイル上の金属異物の表面温度を検知するサーマルセンサーと、
異物除去機構と、
前記インバータ回路に、前記送電コイルから出力される電力をコントロールさせる送電制御回路と、を備え、
前記受電コイルと前記送電コイルとが電磁的に結合する前で、かつ前記移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに電力を出力させ、
前記サーマルセンサーに前記金属異物の表面温度を計測させ、
計測された前記金属異物の表面温度が閾値以上である場合、前記異物除去機構に、異物除去動作を実行させる。
上記の包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、又は、記録媒体で実現されてもよい。あるいは、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせによって実現されてもよい。
本開示の一態様によれば、受電コイルと送電コイルとが電磁的に結合する前で、かつ受電コイルを有する移動体と前記送電コイルとが重なる前に、送電コイルの近傍に位置する金属異物を検知することができる。このため、迅速に異物を除去することができ、非接触での電力伝送を正常かつ迅速に開始することが可能になる。
図1は、移動体200に無線で電力を供給する無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図2は、送電コイル上に金属異物が存在する状況の一例を示している。 図3は、移動体200と送電コイル110とが重なる状況の一例を示している。 図4は、ある態様において送電装置が実行する基本的な動作を示すフローチャートである。 図5は、他の態様において送電装置が実行する基本的な動作を示すフローチャートである。 図6は、送電装置および移動体の少なくとも一方が備える異物除去機構によって金属異物を除去する動作の例を示すフローチャートである。 図7は、本開示の例示的な実施形態1における無線電力伝送システムの構成を模式的に示す斜視図である。 図8は、本実施形態における無線電力伝送システムの構成を示すブロック図である。 図9は、送電制御回路150が実行する動作の基本的な流れを示すフローチャートである。 図10は、送電制御回路150による動作のより詳細な例を示すフローチャートである。 図11Aは、送電コイル110および受電コイル210の等価回路の一例を示す図である。 図11Bは、送電コイル110および受電コイル210の等価回路の他の例を示す図である。 図12は、送電コイル110の配置のバリエーションを説明するための図である。 図13Aは、路面に沿って送電コイル110が配置されている例を示している。 図13Bは、路面に直交する壁面に送電コイル110が配置されている例を示している。 図14は、送電コイル110および受電コイル210の他の例を模式的に示す図である。 図15Aは、フルブリッジ型のインバータ回路160の構成例を示している。 図15Bは、ハーフブリッジ型のインバータ回路160の構成例を示している。 図16Aは、ある例における無線電力伝送システムを移動体200の横方向から見た模式図である。 図16Bは、このシステムを移動体200の正面方向から見た模式図である。 図17は、本実施形態の無線電力伝送システムの適用例を示す図である。 図18Aは、本開示の例示的な実施形態2における無線電力伝送システムの構成の一例を示す図である。 図18Bは、実施形態2における送電制御回路150による基本的な動作を示すフローチャートである。 図19は、ディスプレイで金属異物400の送電コイル上の位置を確認してから、当該異物400を除去する流れのイメージを示す図である。 図20は、実施形態2における動作の他の例を示すフローチャートである。 図21は、実施形態2における動作の他の例を示すフローチャートである。 図22は、実施形態2における動作のさらに他の例を示す図である。 図23は、実施形態2における動作のさらに他の例を示す図である。 図24は、実施形態2における動作のさらに他の例を示す図である。 図25は、実施形態2における動作のさらに他の例を示す図である。 図26は、実施形態2における動作のさらに他の例を示す図である。 図27は、実施形態2における動作のさらに他の例を示す図である。 図28は、実施形態2における動作のさらに他の例を示す図である。 図29は、実施形態2における動作のさらに他の例を示す図である。 図30は、実施形態2における動作のさらに他の例を示す図である。
(本開示の基礎となった知見)
本開示の実施形態を説明する前に、本開示の基礎となった知見を説明する。
図1は、移動体200に無線で電力を供給する無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。この無線電力伝送システムでは、路面に沿って配置された送電コイル110から、移動体200の底面に配置された受電コイル210に、無線で電力が伝送される。移動体200は、この例では電気モータによって駆動される車両である。移動体200は、例えば、バス、自動車、電車、無人搬送車(AGV)などの車両であり得るが、車両以外の可動物体でもよい。
図1には、互いに直交するX、Y、Z方向を示すXYZ座標が示されている。以下の説明では、図示されているXYZ座標を用いる。移動体200の進行方向をY方向、路面に垂直な方向をZ方向、Y方向およびZ方向に垂直な方向をX方向とする。なお、本開示の図面に示される構造物の向きは、説明のわかりやすさを考慮して設定されており、本開示の実施形態が現実に実施されるときの向きをなんら制限するものではない。また、図面に示されている構造物の全体または一部分の形状および大きさも、現実の形状および大きさを制限するものではない。
無線電力伝送システムは、送電装置と、受電装置とを備える。送電装置は、外部の電源300から供給された電力を、電力伝送に適した周波数および電圧の交流電力に変換して出力する送電回路120と、送電回路120に接続された送電コイル110と、後述するサーマルセンサー130(図3参照)とを有する。送電回路120は、図示されていないインバータ回路および送電制御回路などの構成要素を有する。送電回路120および電源300は、例えば路面の下に埋設され得る。受電装置は、移動体200に設けられる。受電装置は、受電コイル210に加え、図示されていない整流回路、および受電制御回路などの構成要素を有する。
この無線電力伝送システムでは、移動体200が送電エリア105上まで移動し、送電コイル110と受電コイル210とが対向した状態になると、電力伝送が開始する。送電エリア105は、送電コイル110が配置されたエリアであり、受電コイル210が送電コイル110と電磁結合できるエリアである。送電回路120に含まれる送電制御回路は、インバータ回路に、例えば高周波の交流電力を生成させ、インバータ回路からの送電コイル110への交流電力の出力をコントロールする。つまり、送電制御回路150は、インバータ回路に、送電コイル110から出力される交流電力をコントロールさせる。
送電コイル110は、供給された交流電力によって周辺の空間に磁界を発生させる。交流電流を単に電力と呼んでもよい。受電コイル210は、その磁界によって送電コイル110と磁気的に結合し、伝送された電力(エネルギー)の少なくとも一部を受け取る。受電コイル210は、受け取った電力を、図示されていない整流回路を介して移動体200内の負荷(二次電池など)に供給する。これにより、移動体200への充給電が行われる。
しかしながら、送電コイル110上またはその近傍に金属異物400が存在すると、送電時に金属異物400が加熱され、安全上問題が生じる。そこで、このような金属異物を電力伝送時に検知し、加熱を防止する種々の技術がこれまでに提案されている。
例えば、前述の特許文献1は、車両の底面に搭載されたカメラによって金属異物を検知するシステムを開示している。特許文献1によれば、非接触電力授受の開始要求に応じてカメラによって車両外コイルの上方の金属異物検知領域が撮像される。この撮像によって得られた画像に基づいて金属異物が無いと判定されると、当該非接触電力授受の間、温度センサーによって測定された温度に基づいて、金属異物検知領域内での金属異物有無判定がなされる。また、前述の特許文献2は、受電側である端末に設けられた二次電圧検知部と二次電流検知部とで得られた情報を、端末から本体に伝達し、本体が前記情報に基づいて給電発振部への一次電流値が過電流であるか否かを判断して端末への電力供給を制御する方法を開示している。特許文献2によれば、給電側と受電側との間に金属異物が存在する場合でも、金属異物が異常に発熱する前に給電動作を停止できる。これらの技術以外にも、例えば、給電損失の上昇を検出することによって金属異物を検知する方法もある。
ところが、これらの従来の技術は、いずれも送電コイルと受電コイルとが対向する状態で初めて金属異物の検知が可能である。すなわち、車両が送電コイルの上に位置する状態で金属異物が検知される。そのため、車両を移動させることなく金属異物を除去することが困難である。また、特許文献1のように、カメラによって金属異物を検知するシステムでは、送電コイル上の異物が、例えば銅製の硬貨なのか泥なのかを判別し難いという課題もある。また、一般的なカメラでは、土などが金属異物を覆っている場合、土の上からでは、金属異物を検知することは難しい。
本発明者らは、以上の課題を見出し、この課題を解決するための構成を検討した。本発明者らは、移動体が送電コイル上に位置する前に、金属異物検知のための予備的な送電を行い、サーマルセンサーによって送電コイルおよび送電コイル近傍の温度を計測することにより、金属異物を検知できることに想到した。金属異物を検知した場合に、送電コイルからの電力の出力を停止または低減したり、金属異物の存在を示す信号を外部の装置に送信したり、送電装置に異物除去動作を実行させたりすることにより、当該金属異物を安全にまたは容易に除去することが可能になる。
以上の考察に基づき、本発明者らは、以下に説明する本開示の各態様に想到した。
本開示の一態様に係る送電装置の制御方法は、
受電コイルに、電力を出力するための送電コイルと、
前記送電コイル上の金属異物の表面温度を計測するサーマルセンサーと、
を備えた送電装置を制御する方法であって、
前記受電コイルと前記送電コイルとが電磁的に結合する前で、かつ前記受電コイルを有する移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに電力を出力させ、
前記サーマルセンサーに前記金属異物の表面温度を計測させ、
計測された前記金属異物の表面温度が閾値以上である場合、前記送電コイルに電力の出力を減少させる、または、停止させる。
上記態様によれば、前記制御方法は、
前記受電コイルと前記送電コイルとが電磁的に結合する前で、かつ前記受電コイルを有する移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに電力を出力させ、
前記サーマルセンサーに前記金属異物の表面温度を計測させ、
計測された前記金属異物の表面温度が閾値以上である場合、前記送電コイルに電力の出力を減少させる、または、停止させる。
これにより、受電コイルを有する移動体と送電コイルとが重なる前に、金属異物を検知することができ、金属異物が検知された場合には、前記送電コイルに電力の出力を減少させる、または、停止させる。このため、金属異物の温度上昇を未然に防ぐことができる。特に、移動体が送電コイルに重なる前に送電を停止し、かつ移動体も停止させれば、容易に金属異物を除去することが可能である。
送電コイルの上に通常設けられているカバーには、泥またはタイヤの跡などの付着物が付いており、通常のカメラでは、金属異物の有無を識別することが困難な場合がある。また、夜などの暗闇の状況では、通常のカメラでは、金属異物の有無を識別することがさらに困難になる。本開示の上記態様によれば、金属異物の表面温度を意図的に上昇させることにより、金属異物を確実に検知できるので、上記課題を解決できる。
金属異物検知のために送電コイルから出力される第1電力と、送電コイルから受電コイルへの送電のための第2電力とは、異なっていてもよい。ある例では、第1電力は、第2電力よりも小さい値に設定される。携帯端末などの小型の機器への充電に適用されるシステムにおいては、送電コイルから出力される電力は数W程度のため、送電コイルから出力される電力と、金属異物を検知するための電力とを等しくしても、金属異物が異常に高温になることはない。しかし、車両に給電するシステムのように、送電コイルから大電力(例えば、数kw~数百kw)が出力されるシステムでは、金属異物が急激に温度上昇することになり、非常に危険である。そこで、金属異物検知のための第1電力を、送電のための第2電力よりも小さくすることが有効である。これにより、金属異物を検知する際に、金属異物が急激に温度上昇することを防止することができる。第1電力は、例えば第2電力の10分の1未満に設定され得る。他の例では、第1電力は、第2電力の100分の1未満に設定され得る。
一般的に、金属異物の発熱量は、金属異物の材質または形状、および送電コイル110から受電コイル210に伝送される電力の周波数に依存して変化する。第1電力の周波数と第2電力の周波数は、同じであることが好ましい。その結果、送電コイル110から受電コイル210に第2電力を伝送する前に、第2電力と同じ周波数の第1電力で金属異物を発熱させるので、事前に第2電力による金属異物の発熱を予測できる。なお、第1電力の大きさが第2電力の大きさと等しい場合も、第1電力の周波数と第2電力の周波数は、同じ周波数であることが好ましい。
本明細書において、「移動体」とは、車両に限定されず、電力によって駆動される任意の可動物体を意味する。移動体には、例えば、電気モータおよび1以上の車輪を備える電動車両が含まれる。そのような車両は、例えば、前述の搬送ロボットなどの無人搬送車(Automated Guided Vehicle:AGV)、または電気自動車(EV)、電動カート、であり得る。本開示における「移動体」には、車輪を有しない可動物体も含まれる。例えば、二足歩行ロボット、マルチコプターなどの無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle:UAV、所謂ドローン)、および有人の電動航空機も、「移動体」に含まれる。
本明細書において、「送電コイル上の金属異物」とは、送電コイルから発生する磁界によって加熱され得る位置に存在する金属異物を意味する。例えば図2は、送電コイル上に金属異物が存在する状況の一例を示している。図2の例では、送電コイル110は路面下に埋設され、路面上に金属異物400が配置されている。図2における矢印は、磁力線の一部を模式的に示している。この例のように、金属異物400が送電コイル110の直上に位置していない場合であっても、金属異物400は、送電コイル110からの磁界によって加熱され得る。伝送される電力が大きいほど、金属異物400が加熱され得る範囲は広くなる。本明細書では、金属異物400が送電コイル110の直上に位置していない場合であっても、金属異物400の表面温度が上昇する場合には、金属異物400が送電コイル上に位置しているものとする。金属異物が存在する場合に、その表面温度が上昇する領域のことを「対象領域」と言うことがある。
「受電コイルを有する移動体と送電コイルとが重なる」とは、送電コイルが設けられた領域に対向する領域に、受電コイルを有する移動体の少なくとも一部が位置している状態を意味する。例えば、送電コイルが平面コイルであり、路面または壁面などの平面状の面に沿って配置されている場合、その面に垂直な方向から見て、移動体が送電コイルと重なっていれば、受電コイルを有する移動体と送電コイルとが重なっているといえる。
図3は、移動体200と送電コイル110とが重なる状況の一例を示している。この例では、移動体200の一部(車両のボディの先端部)のみが、送電コイル110が位置する領域に対向する領域に位置している。この状態では、受電コイル210は送電コイル110とは重なっていないが、移動体200は送電コイル110に重なっている。本開示のある実施形態においては、このような状態になる前に、送電装置が金属異物400を意図的に加熱し、サーマルセンサー130によって金属異物400を検知する。さらに、送電装置は、金属異物400が検知された場合に、送電コイル110からの出力電力を停止または低減する。これにより、金属異物400を安全にかつ容易に除去することが可能になる。
移動体200と送電コイル110とが重なる前であるか否かは、サーマルセンサー130または他の位置センサーを用いて判断される。図3に示す例では、サーマルセンサー130が、金属異物400だけでなく、移動体200の位置も検知する。サーマルセンサー130は、例えば、送電コイル110の近傍の赤外線画像を取得するイメージセンサーを含み得る。当該赤外線画像から、金属異物400の有無に加えて、移動体200の位置も検知し得る。送電装置は、サーマルセンサー130に加えて、移動体200の位置を検知する位置センサーを備えていてもよい。そのような位置センサーは、例えば、可視光カメラ、送電コイル110と移動体200との距離を測定する測距装置、GPSを利用したセンサーであり得る。各センサーは、金属異物400の有無、および送電コイル110に対する移動体200の相対位置を高い精度で検知できる位置に設けられる。
図4は、上記態様において送電装置が実行する基本的な動作を示すフローチャートである。この動作は、送電装置の動作を制御する送電制御回路(送電回路120に含まれる)によって実行される。送電制御回路は、まずステップS101において、移動体が送電コイルに重なる前に送電コイルに電力を出力させる。
ここで、本開示の明細書及び図面における「移動体が送電コイルに重なる前に送電コイルに電力を出力させる」という文言は、後述するように、「受電コイルを有する移動体が、受電コイルと送電コイルとが電磁的に結合可能な位置に移動する前で、かつ移動体が送電コイルに重なる前に、送電コイルに電力を出力させる」という意味と同等の表現である。尚、上記表現は、他の実施態様においても適用されてもよい。
次にステップS102において、送電制御回路は、サーマルセンサーに金属異物の表面温度の計測を開始させる。この計測は、例えば送電コイル近傍の対象領域における温度の分布に基づいて行われ得る。言い換えれば、送電制御回路は、サーマルセンサーに、送電コイルの近傍の対象領域における温度分布を監視させる。対象領域内に、温度が閾値を超える箇所が検知されれば、その箇所に金属異物が存在すると判断できる。ステップS103において、金属異物の表面温度が閾値以上であると判断された場合、送電制御回路は、ステップS104において、送電コイルからの電力の出力を減少させる、または、停止させる。
ステップS103において、金属異物の表面温度が閾値未満であると判断された場合、送電制御回路はステップS103の動作を再び実行させる。例えば、送電制御回路は、移動体が要求する電力の伝送が完了するまで、または送電制御回路が送電コイルに電力を出力させた時刻(T1)から所定の時間が経過するまで、ステップS103の判断を繰り返す。移動体が要求する電力の伝送が完了した後、または送電制御回路が送電コイルに電力を出力させた時刻(T1)から所定の時間が経過した後、送電制御回路はステップS104の動作を実行させる。上記所定の時間は、例えば、送電制御回路が送電コイルに電力を出力させた時刻(T1)から、移動体が送電コイルに重なるまでの時間またはそれよりも長い時間に設定され得る。上記所定の時間は、移動体が搭載するバッテリの充電に要する標準的な時間に設定されてもよい。上記所定の時間は、送電コイルに電力を出力させた時刻(T1)に関連する時刻(例えば、T1より早い時刻またはT1より遅い時刻など)を起点とする時間であればよく、特に限定されない。
以上の動作により、金属異物の加熱を未然に防ぐことができる。
なお、上記態様では、金属異物の表面温度が閾値以上になる場合、金属異物があると判断されるが、次の方法でもよい。まず、送電制御回路は、移動体が送電コイルに近づく前に、サーマルセンサーに金属異物の表面温度を計測させる。この計測された温度を「計測温度1」とする。次に、送電制御回路は、受電コイルを有する移動体と送電コイルとが重なる前に、送電コイルに電力を出力させて、サーマルセンサーに金属異物の表面温度を計測させる。この計測された温度を「計測温度2」とする。送電制御回路は、計測温度1と計測温度2との差分が閾値以上である場合、金属異物があると判断してもよい。
本開示の他の態様に係る異物検知方法は、
送電装置が、
電力を生成するインバータ回路と、
移動体が備える受電コイルに電力を出力するための送電コイルと、
前記送電コイル上の金属異物の表面温度を計測するサーマルセンサーと、
前記インバータ回路に、前記送電コイルから出力される電力をコントロールさせる送電制御回路と、を備え、
前記受電コイルと前記送電コイルとが電磁的に結合する前で、かつ前記移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに電力を出力させ、
前記サーマルセンサーに前記金属異物の表面温度を計測させ、
前記計測された金属異物の表面温度が閾値以上である場合、前記送電装置から前記送電装置以外の前記信号の受信機能をもつ受信装置に、前記金属異物の存在を示す信号を送信する。
上記態様によれば、前記異物検知方法は、計測された前記金属異物の表面温度が閾値以上である場合、前記金属異物の存在を示す信号を、前記送電装置以外の前記信号の受信機能をもつ受信装置に送信する。本開示の本明細書及び図面において、「前記信号の受信機能をもつ受信装置」を「他の装置」と呼んでも良い。
これにより、金属異物が検知されたときに、他の装置を介して、金属異物が存在することを当事者に知らせることができる。金属異物の存在を示す信号の送信先である「他の装置」は、例えば、移動体に搭載された情報機器、移動体の使用者または管理者が所有する情報機器、または送電装置を制御する制御装置であり得る。「他の装置」は、例えば、カーナビゲーションシステム、スマートフォン、タブレットコンピュータ、移動体(例えば車両もしくはロボット)、または送電装置を制御する制御装置に搭載されたコンピュータ(またはコントローラ)を含み得る。移動体の使用者または管理者は、送信された信号に基づき、金属異物の存在に気付き、当該金属異物を除去する行動を迅速にとることができる。送電装置が例えば駐車場に設置され、管理人室または中央監視室のシステムによって制御される場合には、「他の装置」は、当該システムにおける制御装置(コントローラ)であり得る。送電装置の管理者は、送信された信号に基づき、金属異物の存在を把握し、金属異物を除去するために清掃員を派遣するといった行動を迅速に行うことができる。
「金属異物の存在を示す信号」は、金属異物の有無を示す情報に加えて、金属異物の送
電コイル上の位置を示す情報を含んでいてもよい。金属異物の位置は、サーマルセンサーその他のセンサーによって計測され得る。送電装置における送電制御回路は、金属異物を検知した場合、例えば送電コイルと金属異物との相対的な位置関係を示す情報を、スマートフォンなどの他の装置に送信してもよい。その情報を受け取った装置は、例えば送電コイルと金属異物との相対的な位置関係を示す画像をディスプレイに表示してもよい。そのような態様によれば、当事者は、表示された画像に基づいて、金属異物の位置を容易に特定し、検知された金属異物を迅速に除去することができる。
つまり、上記態様の異物検知方法は、計測された金属異物の表面温度が閾値以上である場合、前記送電装置から前記送電装置以外の前記信号の受信機能をもつ受信装置に、前記金属異物の存在を示す信号を送信する。上記異物検知方法は、例えば、送電装置の送電制御回路で実行される。上記異物検知方法は、例えば、無線電力伝送システムが有する上記送電装置の送電制御回路で実行される。尚、上記異物検知方法は、他の実施形態において適用されてもよい。
図5は、本態様において送電装置が実行する基本的な動作を示すフローチャートである。この動作は、送電装置の動作を制御する送電制御回路によって実行される。ステップS111からS113の動作は、図4におけるステップS101からS103の動作と同じである。図5の例では、金属異物が存在すると判断すると、送電制御回路は、異物の存在を示す信号を、送電装置以外の他の装置に送信する(ステップS114)。
これにより、当該信号を受信した他の装置を介して、当事者に金属異物の存在を通知することができ、迅速な異物除去が可能になる。
なお、図5に示す例において、図4のステップS104における送電停止または出力電力低減動作を併せて行ってもよい。これにより、金属異物の加熱を抑制する効果と、当事者に異物の存在を通知する効果の両方を得ることができる。
本開示の実施形態においては、検知された異物を、送電装置および移動体の少なくとも一方に設けられた異物除去機構によって除去してもよい。「異物除去機構」とは、送電コイルの近傍に位置する異物を除去し得る任意の機構を意味する。異物は、金属を含む異物と金属を含まない異物とがある。金属を含む異物を金属異物という。送電装置は、例えば、送電コイルを覆うカバーの一部を持ち上げることによって傾きを変化させ、異物を滑らせるように落とす異物除去機構を備え得る。異物除去機構の他の例は、移動体(例えば車両)の底面または送電装置に設けられたワイパーまたはブラシなどを用いて異物を掃き出す機構であり得る。他にも、例えばコンプレッサによって強風を吹き付けて異物を吹き飛ばしたり、強力な吸引力によって異物を吸い込んだりする機構を、異物除去機構として用いることができる。このような異物除去機構の例は、例えば特開2013-48511および特開2013-59239(または米国特許出願公報第2014/239735号)に開示されている。これらの文献の開示内容の全体を本開示の明細書に援用する。
図6は、送電装置および移動体の少なくとも一方が備える異物除去機構によって金属異物を除去する動作の例を示すフローチャートである。図6におけるステップS121からS123の動作は、図4におけるステップS101からS103の動作と同じである。図6の例では、金属異物が検知されると、送電制御回路は、送電装置および/または移動体における異物除去機構に、異物除去動作を実行させる(ステップS124)。これにより、金属異物を迅速に除去することが可能である。
以下、本開示のより具体的な実施形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。以下の説明において、同一または類似する構成要素については、同じ参照符号を付している。
(実施形態1)
図7は、本開示の例示的な実施形態1における無線電力伝送システムの構成を模式的に示す斜視図である。この無線電力伝送システムは、例えば道路または駐車場などの路上で電気自動車への給電を行う用途に用いられる。無線電力伝送システムは、送電装置と、移動体200とを備える。送電装置は、送電回路120と、送電コイル110と、サーマルセンサー130と、位置センサー140とを備えている。本実施形態では、サーマルセンサー130および位置センサー140は、送電エリア105の上方(屋根の下側)に配置されている。サーマルセンサー130と送電回路120との間、および、位置センサー140と送電回路120との間は、無線で接続されている。このように、送電装置は、空間的に分離した複数の構成要素の集合であり得る。なお、サーマルセンサー130と送電回路120との間、および、位置センサー140と送電回路120との間は、有線で接続されていてもよい。
移動体200は、例えばバスなどの車両であり、底面に受電コイル210を備えている。
図8は、本実施形態における無線電力伝送システムの構成を示すブロック図である。送電装置100は、前述の送電コイル110、送電回路120、サーマルセンサー130、および位置センサー140の他、通信回路170を備えている。送電回路120は、インバータ回路160と、送電制御回路150とを有している。インバータ回路160は、外部の電源300と送電コイル110との間に接続されている。インバータ回路160は、電源300から供給された直流電力を交流電力に変換して送電コイル110に供給する。送電制御回路150は、インバータ回路160、通信回路170、サーマルセンサー130、および位置センサー140を制御する。送電制御回路150は、例えばインバータ回路160における複数のスイッチング素子の導通/非導通を制御して所望の周波数および電圧の交流電力を出力させる。通信回路170は、移動体200における通信回路270との間で信号の送受信を行う。サーマルセンサー130は、送電コイル110の近傍の金属異物を検知する。位置センサー140は、金属異物の位置を計測し、さらに移動体200の位置を計測する役割を果たす。
移動体200は、受電コイル210と、整流回路220と、受電制御回路230と、二次電池240と、通信回路270と、電気モータ260と、モータインバータ250とを有している。整流回路220は、受電コイル210に接続され、受電コイル210から出力された交流電力を直流電力に変換して出力する。電気モータ260は、移動体200の駆動用のモータであり、例えば三相交流電力によって駆動される。モータインバータ250は、供給された直流電力を三相交流電力に変換して電気モータ260に供給する。受電制御回路230は、整流回路220から出力された直流電力によって二次電池240を充電する制御、およびモータインバータ250および通信回路270の制御を行う。
本実施形態における移動体200は、二次電池240の蓄電量が少なくなると、充電のために送電コイル110が配置された送電エリア105に接近する。送電コイル110の近傍に金属異物400が検知されない場合は、送電制御回路150は、インバータ回路160を駆動して送電を開始する。送電コイル110と受電コイル210との間の磁界結合によって伝送された電力は、二次電池240に蓄えられる。二次電池240の充電が完了すると、移動体200は、二次電池240に蓄えられた電力によってモータ260を駆動し、走行を再開する。
しかしながら、図7に示すように、金属異物400が送電コイル110の近傍に存在する場合、金属異物400が加熱され、危険である。そこで、本実施形態における送電装置100は、移動体200が送電コイル110上の領域に到達する前に、サーマルセンサー130を用いて金属異物400を検知する。そして、金属異物400が検知された場合には、送電コイル110からの送電を停止または出力電力を低減する。
サーマルセンサー130は、例えば赤外線カメラと同様の構成によって実現され得る。サーマルセンサー130は、例えば赤外線に感度を有する1つまたは複数の検出器によって、対象物から放射されている赤外線の量を検出して、対象領域の温度を計測する。サーマルセンサー130による上記の計測方法は、赤外線サーモグラフィとも呼ばれる。サーマルセンサー130が1つの検出器(例えばフォトダイオードを含む。)の場合は、対象物の全体を計測する。サーマルセンサー130が、2次元のCCDまたはCMOSなどのイメージセンサーによって実現される場合は、対象物の温度分布を2次元で計測できるので好ましい。
図7に示す例では、サーマルセンサー130によって計測された温度に関する情報は、無線によって送電制御回路150に送られる。
本実施形態では、サーマルセンサー130に加えて、位置センサー140がさらに設けられている。位置センサー140は、例えば光、電波、圧力、音波などを利用して、移動体200の位置を計測する。位置センサー140は、例えば、通常のイメージセンサー、またはTOFセンサーなどの測距装置であってもよい。位置センサー140はまた、感圧式のセンサーであってもよい。そのような感圧センサーは、移動体200の経路上に配置され得る。本実施形態では、位置センサー140が、サーマルセンサー130とは独立して配置されているが、これらが1つのセンサーによって実現されていてもよい。例えばサーマルセンサー130が位置センサー140の機能を兼ねていてもよい。
以下、図9を参照して、本実施形態における動作をより詳細に説明する。
図9は、送電制御回路150が実行する動作の基本的な流れを示すフローチャートである。送電制御回路150は、移動体200が送電コイル110に重なる前に、送電コイル110から微弱な電力(第1電力)を出力させる(ステップS151)。次に、送電制御回路150は、サーマルセンサー130に、送電コイル110を含む対象領域の温度を計測させる(ステップS152)。ステップS152は、図4におけるステップS102と同じ動作である。対象領域の中に温度が所定の閾値以上の箇所があれば、その箇所に金属異物400が存在すると判断できる(ステップS153)。この閾値は、例えば、摂氏50度以上100度以下の値に設定され得る。例えば、摂氏60度、70度、80度、または90度などの温度に設定され得る。電力伝送前の表面温度と電力伝送後の表面温度との差に基づいて金属異物の有無を判断してもよい。この場合、温度差の値(例えば、10度など)が閾値となる。送電制御回路150は、金属異物400が存在すると判断すると、インバータ回路160の制御を停止またはスイッチングのタイミングを変更することによって送電コイル110からの電力(第1電力)の出力を停止または低減する(ステップS154)。
ステップS151においては、移動体200が送電コイル110に重なるか否かの判断が行われる。この判断は、位置センサー140からの出力に基づいて行われる。送電制御回路150は、位置センサー140からの出力に基づき、送電コイル110と、移動体200との相対的な位置関係を常に監視している。移動体200と送電コイル110との距離が所定の距離よりも短くなったと判断すると、送電制御回路150は、送電コイル110から第1電力を出力させるようにインバータ回路160を制御する。これにより、サーマルセンサー130による金属異物400の検知が可能になる。
図10は、送電制御回路150による動作のより詳細な例を示すフローチャートである。送電制御回路150は、位置センサー140からの出力に基づいて、移動体200が送電コイル110に重なっているかを判断する(ステップS200)。ここで、「移動体200が送電コイル110に重なっているかを判断する」という意味は、「受電コイルと送電コイルとが電磁的に結合する前で、かつ移動体と送電コイルとが重なっているかを判断する」という意味である。この判断がNOの場合、前述のように、送電制御回路150は、送電コイル110に第1電力を出力させる(ステップS201)。次に、送電制御回路150は、サーマルセンサー130に、送電コイル110の対象領域の温度を計測させる(ステップS202)。そして、温度が閾値以上の部分があるか否かを判断する(ステップS203)。この判断がYESの場合には、送電制御回路150は、送電コイル110からの第1電力の出力を停止または低減する(ステップS204)。ステップS203における判断がNOの場合には、ステップS200に戻り、受電コイルを有する移動体が送電コイルに重なるまで、または金属異物が検知されるまで、ステップS200からS203が繰り返される。なお、金属異物を検知するタイミングは、定期的でもよいし、不定期でもよい。
ステップS200において、移動体200が送電コイル110に重なったと判断すると、送電制御回路150は、受電コイル210が送電コイル110に対向しているか否かを判断する(ステップS210)。この判断がYESであれば、送電制御回路150は、送電コイル110から第2電力を出力させる(ステップS211)。これにより、充電が開始される。第2電力は、前述のように、異物検知用の第1電力よりも大きい。第2電力は、例えば第1電力の10倍以上、ある例では100倍以上の値に設定され得る。第2電力は、例えば数kWから数百kWの範囲内の値に設定され得る。これに対し、第1電力は、例えば数十Wから数十kWの範囲内の値に設定され得る。ステップS212において充電が完了すると、送電制御回路150は、インバータ回路160の制御を停止することにより、送電コイル110に第2電力の出力を停止させる(ステップS213)。以上の動作により、移動体200への充電が完了する。
このように、本実施形態では、送電制御回路150は、サーマルセンサー130によって検知された金属異物の表面温度が閾値以上である場合、送電コイル110に電力の出力を停止させる、または、出力電力を低減させる。また、金属異物が検知されず、受電コイル210が送電コイル110と電磁的に結合可能な位置まで移動体が移動したとき、送電コイル110に第2電力を出力させる。このような動作により、移動体200への送電を行う前に、金属異物を事前に発見でき、安全に金属異物を除去することができる。
つまり、本実施形態の制御方法は、受電コイルを有する移動体が、受電コイルと送電コイルとが電磁的に結合可能な位置に移動する前で、かつ移動体が送電コイルに重なる前に、送電コイルに電力を出力させ、サーマルセンサーに金属異物の表面温度を計測させ、計測された金属異物の表面温度が閾値以上である場合、送電コイルに電力の出力を減少させる、または、停止させる。
上記制御方法は、例えば、送電装置が有する送電制御回路で実行される。上記制御方法は、例えば、無線電力伝送システムが有する上記送電装置の上記送電制御回路で実行される。尚、上記制御方法は、他の実施形態に適用されてもよい。
次に、本実施形態における各構成要素をより詳細に説明する。
図11Aは、送電コイル110および受電コイル210の等価回路の一例を示す図である。図示されるように、各コイル110、120は、インダクタンス成分とキャパシタンス成分とを有する共振回路として機能する。コイル110、120の共振周波数を近い値に設定することにより、高い効率で電力を伝送することができる。送電コイル110には、インバータ回路160から交流電力が供給される。この交流電力によって送電コイルから発生する磁界により、受電コイル210に電力が伝送される。この例では、送電コイル110および受電コイル210の両方が、直列共振回路として機能する。
図11Bは、送電コイル110および受電コイル210の等価回路の他の例を示す図である。この例では、送電コイル110は、直列共振回路として機能し、受電コイル210は、並列共振回路として機能する。これらの例の他にも、送電コイル110が並列共振回路として機能し、受電コイル210が直列共振回路として機能する構成もあり得る。
各コイルは、例えば、平面コイルもしくは積層コイル、または、銅線、リッツ線、もしくはツイスト線などを用いた巻き線コイルであり得る。共振回路における各キャパシタンス成分は、各コイルの寄生容量によって実現されていてもよいし、例えばチップ形状またはリード形状を有するキャパシタを別途設けてもよい。
共振回路の共振周波数f0は、典型的には、電力伝送時の伝送周波数fに一致するように設定される。共振回路の各々の共振周波数f0は、伝送周波数fに厳密に一致していなくてもよい。各々の共振周波数f0は、例えば、伝送周波数fの50~150%程度の範囲内の値に設定されていてもよい。伝送周波数fは、例えば50Hz~300GHz、より好ましくは20kHz~10GHz、さらに好ましくは20kHz~20MHz、さらに好ましくは20kHz~7MHzに設定され得る。
本実施形態では共振回路を用いたが、共振を用いない電磁誘導方式、または、マイクロ波を用いる方式でもよい。
図12は、送電コイル110の表面(上面)の配置のバリエーションを説明するための図である。図12には、3つのバリエーションが示されている。これらのいずれの例においても、送電コイル110は、例えば樹脂製のカバー部材112で覆われている。図12の(a)の例では、送電コイル110の表面は、路面の上に配置されている。図12の(b)の例では、送電コイル110の表面は、路面にほぼ等しい高さの位置に配置されている。図12の(c)の例では、送電コイル110の表面は、路面の下に配置されている。送電コイル110の表面の配置は、これらのいずれの配置であってもよい。また、樹脂製のカバー部材112の表面が、路面の上、路面にほぼ等しい高さ、および路面の下のいずれの位置に配置されていてもよい。
本実施形態では、送電コイル110は、路面に沿って配置されているが、路面以外の面(例えば壁面)に沿って配置されていてもよい。
図13Aおよび図13Bは、送電コイル110および受電コイル210の配置例を示す図である。図13Aは、路面に沿って送電コイル110が配置されている例を示している。このような構成は、本実施形態のように、底面に受電コイル210を有する電気自動車などの車両への給電に適している。一方、図13Bは、路面に交差(図示される例では直交)する壁面に送電コイル110が配置されている例を示している。このような例では、受電コイル210も、壁面に交差する面(例えば移動体200の側面)に設けられ得る。このように、送電コイル110および受電コイル210は、路面に平行に配置されている必要はない。
図14は、送電コイル110および受電コイル210の他の例を模式的に示す図である。この例では、送電コイル110および受電コイル210は、それぞれ、磁性体部材190、290に巻かれた巻線によって構成される。2つの磁性体部材190、290は、対称的な形状を有し、2つの両端部の端面が互いに対向している。このような構造によっても、電磁誘導(磁界結合)を利用した電力伝送が可能である。なお、2つの磁性体部材190、290は、非対称な形状を有していてもよい。
図15Aおよび図15Bは、インバータ回路160の構成例を示す図である。図15Aは、フルブリッジ型のインバータ回路160の構成例を示している。この例では、送電制御回路150は、インバータ回路160に含まれる4つのスイッチング素子S1~S4のオン/オフを制御することにより、入力された直流電力を所望の周波数fおよび電圧V(実効値)をもつ交流電力に変換する。図15Bは、ハーフブリッジ型のインバータ回路160の構成例を示している。この例では、送電制御回路150は、インバータ回路160に含まれる2つのスイッチング素子S1、S2のオン/オフを制御することにより、入力された直流電力を所望の周波数fおよび電圧V(実効値)をもつ交流電力に変換する。インバータ回路160は、図15A、15Bに示す構成とは異なる構造を有していてもよい。例えば、E級などの発振回路を用いてもよい。
送電制御回路150および受電制御回路230は、例えばマイクロコントローラユニット(MCU)などの、プロセッサとメモリとを備える回路によって実現され得る。メモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、各種の制御を行うことができる。送電制御回路150および受電制御回路230は、本実施形態の動作を実行するように構成された専用のハードウェアによって構成されていてもよい。
通信回路170、270は、例えば公知の無線通信技術、光通信技術、または変調技術(周波数変調または振幅変調など)を用いて、信号を送受信することができる。通信回路170、270による通信方式は任意であり、特定の方式に限定されない。
電気モータ260は、例えば永久磁石同期モータまたは誘導モータなどの、三相交流によって駆動されるモータであり得る。モータ260は、直流モータ等の他の種類のモータでもよい。その場合には、三相インバータ回路であるモータインバータ250に代えて、モータ260の構造に応じたモータ駆動回路が使用される。
電源300は、直流電源を出力する任意の電源であり得る。電源300は、例えば、商用電源、一次電池、二次電池、太陽電池、燃料電池、USB(Universal Serial Bus)電源、高容量のキャパシタ(例えば電気二重層キャパシタ)、商用電源に接続された電圧変換器などの任意の電源であってよい。
二次電池240は、例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池、または鉛電池などの任意の二次電池であり得る。二次電池240に代えて、大容量のキャパシタ(例えば、電気二重層キャパシタ等)を利用してもよい。
次に、図16Aおよび図16Bを参照しながら、サーマルセンサー130および位置センサー140の配置例を説明する。図16Aは、ある例における無線電力伝送システムを移動体200の横方向から見た模式図である。図16Bは、このシステムを移動体200の正面方向から見た模式図である。図16Aに示すように、この例におけるサーマルセンサー130および位置センサー140は、送電コイル110の位置よりも、移動体200の正面側(前方)に配置されている。このように配置することにより、移動体200が送電コイル110に重なる直前まで金属異物および移動体200を検知できる。また、図16Bに示すように、サーマルセンサー130および位置センサー140(不図示)は、X方向の座標が、移動体200の中央または送電コイル110の中央にほぼ一致するように設けられている。このような配置は、異物および移動体200の位置をより正確に計測する上で適している。
図17は、本実施形態の無線電力伝送システムの適用例を示す図である。この例では、無線電力伝送システムが、立体駐車場に利用されている。立体駐車場の各フロアの天井にはサーマルセンサー130が配置されている。図17には示されていないが、位置センサー140も各フロアの天井に配置されている。各フロアの床面には送電コイル110が配置されている。サーマルセンサー130および位置センサー140が移動体200よりも高い位置に配置されているため、金属異物および移動体200を検知し易い。このように、図17に示すような屋根のある駐車場には、本実施形態の無線電力伝送システムが適している。
図17において、移動体200が後ろ向きに駐車する場合は、サーマルセンサー130は、移動体200の後方に配置されていても良い。
(実施形態2)
次に、本開示の例示的な実施形態2における無線電力伝送システムを説明する。本実施形態における無線電力伝送システムは、金属異物が検知された場合に、送電装置以外の装置に金属異物の存在を通知する点で、実施形態1とは異なっている。そのような動作により、金属異物の存在を当事者に知らせることができ、迅速に金属異物を除去でき得る。本実施形態には、金属異物の存在を他の装置に通知した後の動作に関して、非常に多くのバリエーションがある。以下、これらのバリエーションのうちの主なものを説明する。なお、本実施形態の以下の各例において、実施形態1と同様に、金属異物が検知された場合に送電の停止または出力電力を低減する制御を行ってもよい。本実施形態における送電装置100および移動体200の構成は、基本的に実施形態1の構成と同じである。ただし、本実施形態では、送電装置100および移動体200の少なくとも一方が、前述の「異物除去機構」を備え得る。図18Aは、そのような構成の一例を示す図である。この例では、送電装置100および移動体200が、異物除去機構180、280をそれぞれ有している。これらの異物除去機構180、280の構造は前述のように様々であり、異物を除去し得る任意の構造を採用することができる。
図18Bは、本実施形態における送電制御回路150による基本的な動作を示すフローチャートである。ステップS301からS303については、図9におけるステップS151からS153の動作と同じである。この例では、金属異物が検知されると、ステップS304において、送電制御回路150は、当該金属異物の存在または位置を示す信号を送電装置100以外の他の装置に送信する。サーマルセンサー130は、計測した温度の分布に基づいて、金属異物の送電コイル上の位置を特定することができる。他の装置は、例えば、移動体200の運転手が有するスマートフォン、または移動体200に搭載されたカーナビゲーションシステムなどの機器であり得る。他の装置は、送電装置100を管理する管理人室または中央監視室におけるサーバーコンピュータであってもよい。金属異物の存在を示す信号を受信した装置は、例えばディスプレイに、金属異物が存在することを示す画像を表示させる。これにより、例えば移動体200の運転手または送電装置100の管理者(併せて「当事者」と称することがある。)が、金属異物の存在に気付き、当該金属異物を自ら除去したり、作業員を派遣して除去したりすることができる。これにより、安全に送電を開始することができる。
図19は、ディスプレイで金属異物400の送電コイル上の位置を確認してから、当該金属異物400を除去する流れのイメージを示す図である。図19に示すように、他の装置のディスプレイには、送電コイル110と、金属異物400との位置関係を把握できる画像が表示され得る。当事者は、この画面を見ながら、金属異物400を除去することができる。なお、図19には、異物を除去しようとしている人の手も表示されている。このような手の表示は、実際に表示してもよいし、表示しなくてもよい。
金属異物400の表面温度は高温であり得るため、火傷を防ぐために、道具を用いて金属異物400を除去してもよい。
続いて、送電装置100および移動体200の少なくとも一方が異物除去動作を行う例を説明する。前述のように、送電装置100および移動体200の少なくとも一方は、異物除去機構を有し得る。送電装置100における送電制御回路150は、サーマルセンサー130によって計測された金属異物の表面温度が閾値以上である場合、送電装置100および移動体200の少なくとも一方における異物除去機構に、異物除去動作を実行させる。以下、具体例を説明する。
図20は、本実施形態における動作の他の例を示すフローチャートである。この例では、移動体200が、前述の異物除去機構を備え、異物を除去する動作を実行する。移動体200が送電コイル110に近接する位置まで接近すると(ステップS331)、送電装置100の電源がオンになる(ステップS332)。そして、送電制御回路150は、送電コイルに電力を出力させる(ステップS333)。次に、送電制御回路150は、サーマルセンサーによって金属異物の表面温度を計測する(ステップS334)。そして、温度が閾値以上であるか否かを判断する(ステップS335)。この判断がYESの場合、送電制御回路150は、通信回路170に、金属異物の存在を示す信号を移動体200に通知する(ステップS336)。移動体200は、この通知を受信すると(ステップS337)、送電コイル110の近傍まで移動し、異物除去動作を実行する(ステップS338)。異物除去動作は、前述のように、例えば移動体200の底面に設けられたワイパーまたはブラシなどで異物を掃出したり、強風で吹き飛ばしたり、吸い込んだりする動作であり得る。この異物除去動作が完了した後、実施形態1において説明した非接触での充電工程が実行される(ステップS339)。
図21は、本実施形態における動作の他の例を示すフローチャートである。この例では、送電装置100が、前述の異物除去機構を備え、異物を除去する動作を実行する。ステップS341からS345までの動作は、図20におけるステップS331からS335までの動作と同じである。金属異物が検知されると、ステップS346において、送電制御回路150は、異物除去機構に、異物除去動作を実行させる(ステップS346)。この異物除去動作は、前述のように、例えば送電コイル110の近傍に設けられたワイパーまたはブラシなどで異物を掃出したり、強風で吹き飛ばしたり、送電コイル110のカバーを傾けたりする動作であり得る。これにより、金属異物が除去されると、送電制御回路150は、金属異物除去が完了したことを示す信号を通知する(ステップS347)。移動体200が、この通知を受信すると(ステップS348)、非接触での充電工程が開始される(ステップS349)。
図22は、本実施形態における動作のさらに他の例を示す図である。この例におけるステップS351からS358までの動作は、図20の例におけるステップS331からS338までの動作と同じである。相違点は、移動体200が、異物除去動作を行った後、ステップS359において、金属異物の有無を検知する点にある。異物除去動作を1回行っただけでは、金属異物を完全に除去できない場合がある。そこで、この例では、異物除去動作の後、金属異物の有無を確認し、金属異物が除去されていない場合は異物除去動作が再度実行される(ステップS360)。移動体200による金属異物検知は、例えば、電力伝送の効率を計測することによって行われ得る。例えば、異物除去動作が行われた後、試験的に電力伝送を行い、伝送効率が通常運転時の効率と比較して、大きく低下した場合には、金属異物が存在すると判断できる。ステップS360において、金属異物の除去が確認されると、非接触での充電工程が実行される(ステップS361)。ステップS358~S360の処理を複数回繰り返してもステップS360においてYESと判断される場合、受電制御回路230または送電制御回路150は、金属異物を除去できない旨の信号を、予め登録されたスマートフォンなどの他の装置に送信してもよい。これにより、当事者に、金属異物の存在を通知することができる。
図23は、本実施形態における動作のさらに他の例を示す図である。この例におけるステップS371からS377までの動作は、図22の例におけるステップS351からS357までの動作と同じである。この例では、送電装置100が、異物除去動作を行った後、金属異物検知動作を行い、金属異物が完全に除去されるまで、異物除去動作を繰り返す(ステップS378~S380)。ステップS379、S380における金属異物の除去の確認は、前述のように、電力伝送効率の低下率に基づいて行われ得る。異物の除去が確認されると、送電装置100は、異物除去が完了したことを示す信号を、移動体200に通知する(ステップS381)。移動体200がこの通知を受信した後(ステップS382)、非接触での充電工程が実行される(ステップS383)。ステップS378~S380の処理を複数回繰り返してもステップS380においてYESと判断される場合、送電制御回路150は、金属異物を除去できない旨の信号を、予め登録されたスマートフォンなどの他の装置に送信してもよい。これにより、当事者に、金属異物の存在を通知することができる。このように、送電制御回路150は、異物除去動作が実行された後、金属異物が実際に除去されたか否かを検知し、検知結果を示す信号を他の装置に送信してもよい。
図20から図23の例では、送電装置100および移動体200の一方のみが異物検知動作を行うが、送電装置100および移動体200の両方が異物検知動作を行ってもよい。以下、そのような動作の例を説明する。
図24は、本実施形態における動作のさらに他の例を示す図である。この例におけるステップS401からS410までの動作は、図22の例におけるステップS351からS360までの動作と同じである。この例では、移動体200がまず異物除去動作を行う(ステップS408)。その後、移動体200における受電制御回路230は、金属異物が正常に除去されたかを確認する(ステップS409、S410)。金属異物の除去を確認できなかった場合は、送電装置100にその旨の信号を送信し、送電装置100が異物除去動作を行う(ステップS411)。そして、送電装置100は、金属異物が正常に除去されたかを確認する(ステップS412、S413)。金属異物の除去が確認された場合には、非接触での充電工程が開始される(ステップS414)。金属異物の除去が確認されなかった場合には、送電制御回路150は、他の装置に金属異物の除去ができなかった旨の信号(警告)を送信する(ステップS415)。その後、人手を介して、金属異物の除去が行われる。
図25は、本実施形態における動作のさらに他の例を示す図である。この例では、送電装置100がまず異物除去動作を行い(ステップS428)、それでも金属異物が除去できなかった場合には、移動体200が異物除去動作を行う(ステップS431)。移動体200の異物除去動作によっても金属異物が除去されない場合は(ステップS433におけるYES)、送電装置100以外の他の装置に警告を送る(ステップS435)。その他の点は、図24における動作と同様である。
図24および図25に示す例のように、送電装置100および移動体200の各々は、異物除去機構を有し得る。送電装置100における送電制御回路150は、計測された金属異物の表面温度が閾値以上である場合、送電装置100および移動体200の一方における異物除去機構に、異物除去動作を実行させる。異物除去動作が実行された後、送電制御回路150は、金属異物が実際に除去されたか否かを検知する。そして、金属異物が除去されていなかった場合には、送電装置100および移動体200の他方における異物除去機構に、他の異物除去動作を実行させる。このような動作により、より確実に金属異物を除去することができる。
図26は、本実施形態における動作のさらに他の例を示す図である。この例では、送電制御回路150は、金属異物の表面温度が閾値以上の場合、送電制御回路150は、金属異物の送電コイル上の位置情報を他の装置(例えば、スマートフォン、カーナビゲーションシステム、または監視室内のサーバーコンピュータ)に送信する(ステップS446)。他の装置は、位置情報を受信すると、異物の送電コイル上の位置情報を示す画像を、ディスプレイに表示する(ステップS447)。これにより、使用者または管理者は、金属異物の存在および送電コイル上の位置を認識することができる。この例においては、例えばスマートフォンまたはカーナビゲーションシステムなどの他の装置を介して、使用者が、送電装置100の電源をオフにする指令または電力の出力を減少させる指令を出すことができる。ステップS448において、そのような指令を受けると、他の装置は、送電装置100に電源をオフにすべき旨の信号または電力の出力を減少させる旨の信号を送信する(ステップS449)。送電装置100における送電制御回路150は、この信号を受けて、電源をオフにする(出力電力を停止させる)、または出力電力を減少させる(ステップS450)。これにより、金属異物のさらなる加熱を防止できる。この後、人手などによる金属異物の除去が行われる(ステップS451)。
図27は、本実施形態における動作のさらに他の例を示す図である。この例における動作は、図22に示す動作と同様、移動体200が異物除去動作を行う。図22の例との相違点は、送電装置100が金属異物の送電コイル上の位置情報を移動体200に通知し(ステップS486)、移動体200が送電コイル110および受電コイル210間の位置合わせ(ステップS488、S489)を行った後で、送電コイル上の金属異物の位置情報に基づき異物除去動作を行い(ステップS490)、金属異物の除去が確認されなかった場合に、他の装置に警告を送信する(ステップS494)ことにある。ステップS481からS486、S491、S492、S493の動作は、それぞれ、図22における対応するステップの動作と同じである。ここで、ステップS488、S489における送電コイル110と受電コイル210との位置合わせとは、移動体200が移動することによって受電コイル210と送電コイル110とが対向する状態にする動作である。これにより、続くステップS490において、送電コイル上の金属異物の位置情報に基づいて金属異物を除去し易くなる。移動体200における異物除去機構は、送電コイル上の金属異物の位置情報に基づき、金属異物が存在すると推定される領域を重点的に掃出したり、吸引したりすることにより、金属異物の除去の確実性を向上させることができる。
図28は、本実施形態における動作のさらに他の例を示す図である。この例では、移動体200ではなく送電装置100が位置情報に基づいて金属異物を除去する(ステップS510)。それ以外の点を除き、図27に示す動作と同じである。この例においては、送電装置100における異物除去機構が、送電コイル上の金属異物の位置情報に基づき、金属異物が存在すると推定される領域について重点的に異物除去動作を行う。これにより、金属異物の除去の確実性を向上させることができる。
図29は、本実施形態における動作のさらに他の例を示す図である。この例では、送電装置100と移動体200との両方で異物除去動作が行われる。まず移動体200が、図27における動作と同様の動作により、異物除去動作を行う(ステップS530)。この動作によっても金属異物が除去できなかった場合は(ステップS531におけるYES)、送電装置100が位置情報に基づいて異物除去動作を行う(ステップS532)。それでも金属異物が除去できなかった場合は、送電装置100は、他の装置に警告を送信する(ステップS535)。それ以外の動作は、図27における対応する動作と同様である。
図30は、本実施形態における動作のさらに他の例を示す図である。この例でも、送電装置100と移動体200との両方で異物除去動作が行われる。まず送電装置100が、図28における動作と同様の動作により、異物除去動作を行う(ステップS560)。この動作によっても金属異物が除去できなかった場合は(ステップS561におけるYES)、移動体200が位置情報に基づいて異物除去動作を行う(ステップS562)。それでも金属異物が除去できなかった場合は、移動体200は、他の装置に警告を送信する(ステップS565)。それ以外の動作は、図28における対応する動作と同様である。
以上のように、本実施形態においては、サーマルセンサー130によって金属異物が検知された後、当該金属異物の存在を示す信号が、送電装置100以外の他の装置に送信される。これにより、例えば移動体200が当該金属異物を除去したり、人手を介して当該金属異物を除去したりすることが容易になる。上記のように、送電装置100および移動体200のそれぞれが、相補的に異物除去動作を実施することもできる。これにより、金属異物を確実に除去できる。
以上のように、本開示は、以下の項目に記載の無線電力伝送装置を含む。
[項目1]
受電コイルに電力を出力するための送電コイルと、
前記送電コイル上の金属異物の表面温度を計測するサーマルセンサーと、
を備えた送電装置を制御する方法であって、
前記受電コイルを有する移動体が、前記受電コイルと前記送電コイルとが電磁的に結合可能な位置に移動する前で、かつ前記受電コイルを有する移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに電力を出力させ、
前記サーマルセンサーに前記金属異物の表面温度を計測させ、
計測された前記金属異物の表面温度が閾値以上である場合、前記送電コイルに電力の出力を減少させる、または、停止させる、
制御方法。
[項目2]
前記送電コイルから出力される電力は、前記金属異物の検知のための第1電力、および前記送電コイルから前記受電コイルへの送電のための第2電力を含み、
前記第1電力は、前記第2電力よりも小さく、
前記移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに前記第1電力を出力させ、
前記第1電力が出力されている間に、前記サーマルセンサーに金属異物の表面温度を計測させ、
計測された前記金属異物の表面温度が前記閾値以上である場合、前記送電コイルに電力の出力を減少させる、または、停止させる、
項目1に記載の制御方法。
[項目3]
前記金属異物が検知されず、前記受電コイルが前記送電コイルと電磁的に結合可能な位置まで前記移動体が移動した後、前記送電コイルに前記第2電力を出力させる、項目1または2に記載の制御方法。
[項目4]
前記送電装置は、前記移動体と前記送電コイルとの距離、または前記移動体の位置を計測する位置センサーをさらに備え、
前記位置センサーの計測の結果に基づいて、前記移動体と前記送電コイルとが重なっていないことを判断する、
項目1から3のいずれかに記載の制御方法。
[項目5]
受電コイルに電力を出力するための送電コイルと、
前記送電コイル上の金属異物の表面温度を計測するサーマルセンサーと、
前記送電コイルから出力される電力を制御する送電制御回路と、
を備えた送電装置であって、
前記送電制御回路は、
前記受電コイルを有する移動体が、前記受電コイルと前記送電コイルとが電磁的に結合可能な位置に移動する前で、かつ前記受電コイルを有する移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに電力を出力させ、
前記サーマルセンサーに前記金属異物の表面温度を計測させ、
計測された前記金属異物の表面温度が閾値以上である場合、前記送電コイルに電力の出力を減少させる、または、停止させる、
送電装置。
[項目6]
前記送電コイルから出力される電力は、前記金属異物の検知のための第1電力、および
前記送電コイルから前記受電コイルへの送電のための第2電力を含み、
前記第1電力は、前記第2電力よりも小さく、
前記送電制御回路は、
前記移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに前記第1電力を出力させ、
前記第1電力が出力されている間に、前記サーマルセンサーに前記金属異物の表面温度を計測させ、
計測された前記金属異物の表面温度が前記閾値以上である場合、前記送電コイルに電力の出力を前記電力より減少させる、または、停止させる、
項目5に記載の送電装置。
[項目7]
前記送電制御回路は、前記金属異物が検知されず、前記受電コイルが前記送電コイルと電磁的に結合可能な位置まで前記移動体が移動したとき、前記送電コイルに前記第2電力を出力させる、項目5または6のいずれかに記載の送電装置。
[項目8]
前記移動体と前記送電コイルとの距離、または前記移動体の位置を計測する位置センサーをさらに備え、
前記送電制御回路は、前記位置センサーの計測の結果に基づいて、前記移動体と前記送電コイルとが重なっていないことを判断する、
項目5から7のいずれかに記載の送電装置。
[項目9]
金属異物を検知する異物検知方法であって、
送電装置は、
電力を生成するインバータ回路と、
移動体が備える受電コイルに電力を出力するための送電コイルと、
前記送電コイル上の金属異物の表面温度を計測するサーマルセンサーと、
前記インバータ回路に、前記送電コイルから出力される電力をコントロールさせる送電制御回路と、を備え、
前記受電コイルと前記送電コイルとが電磁的に結合する前で、かつ前記移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに電力を出力させ、
前記サーマルセンサーに前記金属異物の表面温度を計測させ、
前記計測された金属異物の表面温度が閾値以上である場合、前記送電装置から前記送電装置以外の前記信号の受信機能をもつ受信装置に、前記金属異物の存在を示す信号を送信する、
異物検知方法。
[項目10]
前記金属異物の存在を示す信号は、前記金属異物の位置情報を含む、項目9に記載の異物検知方法。
[項目11]
前記送電コイルから出力される電力は、前記金属異物の検知のための第1電力、および前記送電コイルから前記受電コイルへの送電のための第2電力を含み、
前記第1電力は、前記第2電力よりも小さく、
前記受電コイルを有する移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに前記第1電力を出力させ、
前記第1電力が出力されている間に、前記サーマルセンサーに前記金属異物の表面温度を計測させる、
項目9または10に記載の異物検知方法。
[項目12]
前記送電装置は、前記移動体と前記送電コイルとの距離、または前記移動体の位置を計
測する位置センサーをさらに備え、
前記位置センサーの計測の結果に基づいて、前記受電コイルと前記送電コイルとが重なっていないことを判断する、
項目9から11のいずれかに記載の異物検知方法。
[項目13]
前記受信装置は、前記移動体に搭載された情報機器、前記移動体の使用者または管理者が所有する情報機器、または前記送電装置を制御する制御装置である、項目9から12のいずれかに記載の異物検知方法。
[項目14]
前記受信装置は、カーナビゲーションシステム、スマートフォン、タブレットコンピュータ、車両、ロボット、または前記送電装置を制御する制御装置に搭載されたコントローラを含む、項目9から13のいずれかに記載の異物検知方法。
[項目15]
前記送電装置および前記移動体の少なくとも一方は、異物除去機構を有し、
計測された前記金属異物の表面温度が前記閾値以上である場合、前記送電装置および前記移動体の前記少なくとも一方における前記異物除去機構に、異物除去動作を実行させる、
項目9から14のいずれかに記載の異物検知方法。
[項目16]
前記異物除去動作が実行された後、前記金属異物が実際に除去されたか否かを検知し、検知結果を示す信号を前記受信装置に送信する、項目9から15のいずれかに記載の異物検知方法。
[項目17]
前記送電装置および前記移動体の各々は、異物除去機構を有し、
計測された前記金属異物の表面温度が前記閾値以上である場合、前記送電装置および前記移動体の一方における前記異物除去機構に、異物除去動作を実行させ、
前記異物除去動作が実行された後、前記金属異物が実際に除去されたか否かを検知し、
前記金属異物が除去されていなかった場合には、前記送電装置および前記移動体の他方における前記異物除去機構に、他の異物除去動作を実行させる、
項目9から16のいずれかに記載の異物検知方法。
[項目18]
検知された前記金属異物の表面温度が前記閾値以上である場合、前記送電コイルに電力の出力を減少させる、または、停止させる、
項目9から17のいずれかに記載の異物検知方法。
[項目19]
前記送電装置が前記金属異物の存在を示す第1の信号を前記受信装置に送信した後、
前記受信装置で、前記第1の信号を受信し、
前記受信装置で、前記送電装置に、前記電力を減少させる、または、停止させる第2の信号を送信し、
前記送電装置が前記第2の信号を受信すると、前記送電装置で、前記電力を減少させる、または、停止させる、
項目9から18のいずれかに記載の異物検知方法。
前記金属異物の存在を示す信号を前記受信装置に送信した後、前記送電コイルからの電力の出力を減少させる指令または停止させる指令を前記受信装置から受信したとき、前記送電コイルに、前記電力の出力を減少させる、または、停止させる、項目9から18のいずれかに記載の異物検知方法。
[項目20]
送電装置は、
電力を生成するインバータ回路と、
移動体が備える受電コイルに電力を出力するための送電コイルと、
前記送電コイル上の金属異物の表面温度を計測するサーマルセンサーと、
前記インバータ回路に、前記送電コイルから出力される電力をコントロールさせる送電制御回路と、を備え、
前記送電制御回路は、
前記受電コイルと前記送電コイルとが電磁的に結合する前で、かつ前記移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに電力を出力させ、
前記サーマルセンサーに前記金属異物の表面温度を計測させ、
前記計測された金属異物の表面温度が閾値以上である場合、前記送電装置から前記送電装置以外の前記信号の受信機能をもつ受信装置に、前記金属異物の存在を示す信号を送信する、
送電装置。
[項目21]
金属異物を検知する異物検知方法であって、
送電装置は、
電力を生成するインバータ回路と、
移動体が備える受電コイルに電力を出力するための送電コイルと、
前記送電コイル上の金属異物の表面温度を検知するサーマルセンサーと、
異物除去機構と、
前記インバータ回路に、前記送電コイルから出力される電力をコントロールさせる送電制御回路と、を備え、
前記受電コイルと前記送電コイルとが電磁的に結合する前で、かつ前記移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに電力を出力させ、
前記サーマルセンサーに前記金属異物の表面温度を計測させ、
計測された前記金属異物の表面温度が閾値以上である場合、前記異物除去機構に、異物除去動作を実行させる、
異物除去方法。
[項目22]
前記異物除去動作が実行された後、前記金属異物が実際に除去されたか否かを検知し、検知結果を示す信号を前記送電装置以外の受信装置に送信する、項目21に記載の異物除去方法。
本開示の技術は、車両などの移動体に無線で給電する任意の用途に適用できる。例えば、道路、駐車場、または工場などにおける移動体への給電に利用できる。
100 送電装置
105 送電エリア
110 送電コイル
112 カバー
120 送電回路
130 サーマルセンサー
140 位置センサー
150 送電制御回路
160 インバータ回路
170 送電側通信回路
180 異物除去機構
190 磁性体
200 移動体
210 受電コイル
220 整流回路
230 受電制御回路
240 二次電池
250 モータインバータ
260 電気モータ
270 受電側通信回路
280 異物除去機構
290 磁性体
300 電源
400 金属異物

Claims (10)

  1. 金属異物を検知する異物検知方法であって、
    送電装置は、
    電力を生成するインバータ回路と、
    移動体が備える受電コイルに電力を出力するための送電コイルと、
    対象領域の温度分布を計測するサーマルセンサーと、
    前記インバータ回路に、前記送電コイルから出力される電力をコントロールさせる送電制御回路と、を備え、
    前記移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに電力を出力させ、
    前記サーマルセンサーに前記対象領域の温度分布を計測させ、
    前記計測された対象領域の温度が閾値以上である場合、前記送電装置から前記送電装置以外の信号の受信機能をもつ受信装置に、金属異物の存在を示す信号を送信し、
    前記送電装置が前記金属異物の存在を示す第1の信号を前記受信装置に送信した後、前記受信装置で、前記第1の信号を受信し、
    前記受信装置で、前記送電装置に、前記電力を減少させる、または、停止させる第2の信号を送信し、
    前記送電装置が前記第2の信号を受信すると、前記送電装置で、前記電力を減少させる、または、停止させる、
    異物検知方法。
  2. 前記送電コイルから出力される電力は、前記金属異物の検知のための第1電力、および前記送電コイルから前記受電コイルへの送電のための第2電力を含み、
    前記第1電力は、前記第2電力よりも小さく、
    前記受電コイルを有する移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに前記第1電力を出力させ、
    前記第1電力が出力されている間に、前記サーマルセンサーに前記金属異物の表面温度を計測させる、
    請求項に記載の異物検知方法。
  3. 前記送電装置は、前記移動体と前記送電コイルとの距離、または前記移動体の位置を計測する位置センサーをさらに備え、
    前記位置センサーの計測の結果に基づいて、前記受電コイルと前記送電コイルとが重なっていないことを判断する、
    請求項1または2に記載の異物検知方法。
  4. 前記受信装置は、前記移動体に搭載された情報機器、前記移動体の使用者または管理者が所有する情報機器、または前記送電装置を制御する制御装置である、請求項1~のうちのいずれか1項に記載の異物検知方法。
  5. 前記受信装置は、カーナビゲーションシステム、スマートフォン、タブレットコンピュータ、車両、ロボット、または前記送電装置を制御する制御装置に搭載されたコントローラを含む、請求項1~のうちのいずれか1項に記載の異物検知方法。
  6. 前記送電装置および前記移動体の少なくとも一方は、異物除去機構を有し、
    計測された前記金属異物の表面温度が前記閾値以上である場合、前記送電装置および前記移動体の前記少なくとも一方における前記異物除去機構に、異物除去動作を実行させる、
    請求項1~のうちのいずれか1項に記載の異物検知方法。
  7. 前記異物除去動作が実行された後、前記金属異物が実際に除去されたか否かを検知し、検知結果を示す信号を前記受信装置に送信する、請求項に記載の異物検知方法。
  8. 金属異物を検知する異物検知方法であって、
    送電装置は、
    電力を生成するインバータ回路と、
    移動体が備える受電コイルに電力を出力するための送電コイルと、
    対象領域の温度分布を計測するサーマルセンサーと、
    前記インバータ回路に、前記送電コイルから出力される電力をコントロールさせる送電制御回路と、を備え、
    前記移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに電力を出力させ、
    前記サーマルセンサーに前記対象領域の温度分布を計測させ、
    前記対象領域内に閾値以上の温度が検知された場合、前記送電装置から前記送電装置以外の信号の受信機能をもつ受信装置に、金属異物の存在を示す信号を送信し、
    前記送電装置および前記移動体の各々は、異物除去機構を有し、
    計測された前記金属異物の表面温度が前記閾値以上である場合、前記送電装置および前記移動体の一方における前記異物除去機構に、異物除去動作を実行させ、
    前記異物除去動作が実行された後、前記金属異物が実際に除去されたか否かを検知し、
    前記金属異物が除去されていなかった場合には、前記送電装置および前記移動体の他方における前記異物除去機構に、他の異物除去動作を実行させる、
    異物検知方法。
  9. 検知された前記金属異物の表面温度が前記閾値以上である場合、前記送電コイルに電力の出力を減少させる、または、停止させる、
    請求項1~のうちのいずれか1項に記載の異物検知方法。
  10. 力を生成するインバータ回路と、
    移動体が備える受電コイルに電力を出力するための送電コイルと、
    対象領域の温度分布を計測するサーマルセンサーと、
    前記インバータ回路に、前記送電コイルから出力される電力をコントロールさせる送電制御回路と、を備える送電装置であって
    前記送電制御回路は、
    前記移動体と前記送電コイルとが重なる前に、前記送電コイルに電力を出力させ、
    前記サーマルセンサーに前記対象領域の温度分布を計測させ、
    前記計測された対象領域の温度が閾値以上である場合、前記送電装置から前記送電装置以外の信号の受信機能をもつ受信装置に、金属異物の存在を示す信号を送信し、
    前記送電装置が前記金属異物の存在を示す第1の信号を前記受信装置に送信した後、前記受信装置で、前記第1の信号を受信し、
    前記受信装置で、前記送電装置に、前記電力を減少させる、または、停止させる第2の信号を送信し、
    前記送電装置が前記第2の信号を受信すると、前記送電装置で、前記電力を減少させる、または、停止させる、
    送電装置。
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