JP7053050B2 - 水中航走体射出装置及び射出方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、水中航走体をコンテナに格納して一旦浮上させ、水上から射出する技術が開示されている。
特許文献2には、流体の圧力により動作するピストンによりケーブルを移動させ、このケーブルに連結された水中航走体を前方に引き出す技術が開示されている。
特許文献3には、流体の圧力による動作するピストンにより水中航走体の後部を押し、前方に押し出す技術が開示されている。
また特許文献2に記載された技術は、水中航走体の射出にピストンおよびその駆動装置、さらには、水中航走体を引き出すためのケーブルが必要になるともに、これらの機構の作動に伴う騒音が発生するという課題がある。
また特許文献3に記載された技術は、特許文献2と同様、水中航走体の射出にピストンおよびその駆動装置を備えることに伴う課題がある。
符号101は母船であって、水上または水中を航走することができる。この母船101には、水中に射出される水中航走体102を格納する格納部103が設けられている。この格納部103は、図示例では、端部が開口され、この開口部を覆う蓋が、前記水中航走体102を格納部103内に離脱可能に保持する保持部104となっている。また前記水中航走体102には、前記母船1の進行方向(図1の例では図中右方向)と反対方向(図中左方向)への抵抗を与える抵抗体105が設けられている。この抵抗体105は、例えば、図1のA-A’矢視において水中航走体102より大きな断面積に構成されることにより、水中航走体102に抵抗を与える。なお図1の例における格納部103は、水中航走体102を単に格納する区画と水中航走体102を水中に射出するための扉等を備えたいわゆる発射管との両方を含むものである。
この離脱のための水中航走体102の射出に際し、水中航走体102に格別な外力を作用させる必要がないため、射出に際しての騒音を軽減することができる。
また、母船101が高速で航行するほど流体抵抗が大きいことから、母船101が高速で航行中でも水中航走体102を射出することが容易になる。
この射出方法は、水中航走可能な水中航走体102を母船101内部の格納部103に格納する工程と、前記母船101の進行方向に逆らう抵抗を前記水中航走体102に発生させる工程と、前記母船101の進行を維持しつつ前記水中航走体102に前記抵抗を与えることにより、前記水中航走体102を前記母船101から離脱させる工程とを有する。
この離脱に際し、水中航走体102に格別な外力を作用させる必要がないため、射出に際しての騒音を軽減することができる。
まず、図2、3を参照して水中航走体射出装置の全体構成を説明する。
図2の符号1は、水中、水上を航行することが可能な船舶、例えば潜水艇等の母船であって、この母船1には、水中航走体2が格納されている。図2の例において、前記水中航走体2は、母船1を推進するスクリュープロペラ(以下推進器という)3が設けられた側、すなわち後方へ向けて、射出可能な状態で格納されている。
なお、図2にあっては、射出後の水中航走体をその後方が下に傾いて図示したが、発射管が傾いているのではなく、水中パラシュートの錘に引きずられて傾いている状態を示している。
前記母船1は、図3に示すように、水密構造の船殻4の内側に水圧等の外圧に耐える強度を有する水密構造の耐圧殻5を設けた二重構造を有する。
前記耐圧殻5の内部には、前記水中航走体2を格納する格納部としての発射管6が設けられている。
前記発射管6は、耐圧殻5の内側と外側との両方に開口した筒状をなしている。また前記発射管6は、母船1の後方かつ斜め側方(図2の紙面と斜めに交差する方向)へ向けられている。また前記発射管6の耐圧殻5の内側の開口は、船内扉7により開放可能に閉鎖され、同じく耐圧殻5の外側の開口は、この実施形態において、常時水没する位置(喫水線より下)に位置していて、船外扉8により開放可能に閉鎖されている。この第1実施形態では、前記船外扉8が水中航走体2を母船1に対して離脱可能に保持する保持部としての機能を果たしている。
前記発射管6の船内扉7側の端部には、圧縮空気タンク11が圧縮空気管12を介して接続されている。この圧縮空気管12に設けられた圧縮空気バルブ13を開閉操作することにより、前記発射管6内へ圧縮空気を供給し、あるいは供給を遮断することができる。
また前記制動ケーブル17は、水中航走体2が母船1から後方に射出された後で、母船1と水中航走体2とが適切な距離まで離隔後に水中航走体2から切り離すことが可能な構成、すなわち、制動ケーブル17による規制を離れて水中航走体2が自律航走することができる構成となっている。
この変形例にあっては、発射管6Aは、耐圧殻5の内側と外側との両方に開口した筒状をなすとともに、母船1の後方かつ斜め下方へ向けられている。また前記発射管6Aは、船内側の開口が船内扉7により開閉可能に閉鎖され、船外側の開口が船外扉8により開閉可能に閉鎖されている。なお図4、5に図示を省略したが、前記発射管6Aは、注水管を経由して海水を注入することが可能に構成されている。
水中航走体2は、全体として、先端がとがった円筒状をなし、尾部には、内蔵するポンプ(あるいはプロペラ)により発生させた水流を噴射して水中航走体2に図中右するポンプジェット推進器21が設けられている。ポンプジェット推進器21は、その内部に水中航走体が航走するためのスクリュープロペラ及び舵が装備されており、制動ケーブル17がメインパラシュート15により後方に引っ張られている間は制動ケーブル17がポンプジェット推進器21の吸水口に吸い込まれて内部のスクリュープロペラに絡まることはない。
前記メインパラシュート収納部24は、図8(a)(b)に示すように、メインパラシュート15を収容する空間を内部に有する中空状をなす主おもり19内に設けられている。前記メインパラシュート収納部24は、円筒状のメインパラシュート収納部カバー22に同心状に収容され、主おもり19とメインパラシュート収納部カバー22との間の隙間に制動ケーブル17が螺旋状に巻かれた状態で収容されている。
図9において符号26は、姿勢ジャイロを示す。この姿勢ジャイロ26は、水中航走体2に固定された制御ケーブル離脱制御部25の内部に装備され、水中航走体2の三次元の姿勢の角度データをマイクロプロセッサ28に出力する。
図9において符号27は、加速度計を示す。この加速度計27は、水中航走体に固定された制御ケーブル切断制御部の内部に装備され、水中航走体2の三次元の姿勢毎の加速度データを前記マイクロプロセッサ28に出力する。
このマイクロプロセッサ28は、姿勢ジャイロ26から姿勢データ、加速度計27から加速度データ、タイマー時計29からタイミング情報が入力され、図10に示す処理を行い、制動ケーブルカッター30に制動ケーブル切断信号を出力する。なお制動ケーブル17の離脱は、必ずしも切断を伴うものでなくても良く、制動ケーブル17を着脱可能に水中航走体2に連結する手段に連結を解除する操作を行うものであっても良い。
前記制動ケーブルカッター30は、マイクロプロセッサ28が出力する制動ケーブル切断信号が入力されると、制動ケーブル17を切断する。
(処理段階1)
SP1 タイマー割り込み監視処理
タイマー時計29からのタイマー割り込み信号の入力を待つ。
SP2 タイマー割り込み入判定処理
タイマー時計29からの割り込み信号を入力するとSP3へ進み、入力しない場合はSP1に戻って入力を待つ。
(処理段階2)
SP3 姿勢データ入力処理
姿勢ジャイロ26から三次元の姿勢データを入力する。
SP4 加速度データ入力処理
加速度計27から姿勢毎の三次元の加速度データを入力する。
SP5 姿勢データ判定処理
特定の姿勢データが所定のしきい値を超えることにより、水中航走体2が射出したタイミングを検出する。しきい値を超えない場合はSP1に戻る。
SP6 加速度データ判定処理
特定の加速度データが所定のしきい値を超えることにより、水中航走体が射出したタイミングを検出する。
SP7 減速離隔距離計算処理
姿勢データ、加速度データ及びタイマー割り込みによる時間経過情報により、水中航走体2が制動ケーブル17に引っ張られて減速することにより、所定の速度で継続して航行している母船1から離隔した距離を計算する。
SP8 減速離隔距離判定処理
前記SP7の減速離隔距離計算処理の計算結果がしきい値以上に達した場合にP9へ進む。しきい値に達しない場合は、SP1に戻る。
(処理段階3)
SP9 制動ケーブル切断信号出力処理
マイクロプロセッサ28から制動ケーブルカッター30へ制動ケーブル切断信号を出力し、制動ケーブル17を切断する。
図11において符号40は、原点に位置する姿勢ジャイロ26に対する鉛直方向を示す。
図11において符号41は、原点に位置する姿勢ジャイロ26に対する東西方向(水平面内における一の方向)を示す。
図11において符号42は、原点に位置する姿勢ジャイロ26に対する南北方向(水平面内における他の方向)を示す。
図11において符号43は、原点に位置する姿勢ジャイロ26が検出した姿勢X軸の方向を示す。この姿勢X軸は、水中航走体2の左右方向に対応する。
図11において符号44は、原点に位置する姿勢ジャイロ26が検出した姿勢Y軸の方向を示す。姿勢Y軸は、水中航走体の前後方向に対応する。
図11において符号45は、原点に位置する姿勢ジャイロ26が検出した姿勢Z軸の方向を示す。姿勢Z軸は、水中航走体2の上下方向に対応する。
図12は水中航走体射出装置における射出動作で行われる処理をフローチャートにより表現したものである。
(射出準備フェーズ)
SP11
発射管6の内部が水で満たされている場合は、図2~図5に示す圧縮空気バルブ13、及び、注水バルブ10を開いて、船内扉7、船外扉8を閉じた状態の発射管6内に圧縮空気タンク11から圧縮空気を注入し、発射管6内部の水を排水する。
このとき、母船1は、船殻4の外部の水圧よりも圧縮空気タンク11の圧力の方が高い深度まで上昇する。すなわち、発射管6に加わる水圧が圧縮空気の圧力より高いと排水することができないから、水圧が圧縮空気の圧力より低い深度まで上昇して、このSP11が実行される。
SP12
発射管6の内部の水を排水し終わったら、注水バルブ10を閉じ、図2~図5に示す船内扉7を開く。
SP13
図2~図5に示すように、母船1の内部に保管していた水中航走体2を船内扉7側から発射管6に装てんする。
SP14
水中航走体2を発射管6内に装てんしたら、図2~図5に示すように船内扉7を閉じる。
SP15
注水バルブ10を開き、発射管6に船殻4の外側の水を注水する。
SP16
母船1が前進中に図2~図5に示す船外扉8及び注水バルブ10を開く。
SP17
図2、4、6に示すように、前記ドローグシュート16が発射管6の内部に流入した水の抵抗により、発射管6から外部に引き出され、開傘する。
SP18
図2~図5に示すように、ドローグシュート16が開傘すると、副おもり20及び副おもり20の外周に巻いて収納していたドローグケーブル18が発射管6から引き出される。前記ドローグシュート16は、副おもり20に作用する重力により、母船1のスクリュープロペラ3から離れる方向へ沈降し、この沈降によって、ドローグシュート16及びドローグケーブル18がスクリュープロペラ3に絡みつくことが防止される。また、図2~図5に示すように、ドローグケーブル18が全て発射管6の外部に引き出されると、ドローグシュート16からドローグケーブル18に与えられた張力によって、メインパラシュート15が発射管6の外部に引き出され、水の抵抗により開傘する。
前記メインパラシュート15が開傘すると、該メインパラシュート15に接続された主おもり19が発射管6の外部に引き出される。メインパラシュート15は、前記主おもり19に作用する重力により、スクリュープロペラ3から離れる方向へ沈降し、この沈降によって、スクリュープロペラ3に絡みつくことなく沈降すると同時に、主おもり19の外周に巻いて収納していた制動ケーブル17を発射管6の外部へ引き出す。
このとき、前記母船1の右舷側の発射管6から水中航走体2を射出する場合にあっては、母船1が右方向に旋回しながら前進すると、母船1と水中航走体2とが接触する可能性が減少する。また、左舷側の発射管6から水中航走体2を射出する場合は、母船1が左方向に旋回しながら前進すると、母船1と水中航走体2とが接触する可能性が減少する。
なお、母船1の船底側に発射管6を設けた場合は、水中航走体2を射出する際に母船1が左又は右に旋回する必要はない。
SP20
図2、4に示すように、前記制動ケーブル17が全て発射管6の外部に引き出されると、前記メインパラシュート15に生じた抵抗により制動ケーブル17に張力が伝達され、該制動ケーブル17に接続された水中航走体2が発射管6の外部に引き出される。
SP21
発射管6の外部に引き出された水中航走体2は、前進している母船1から分離され、メインパラシュート15を開傘したため生じた水の抵抗により、母船1から分離した際の慣性による運動エネルギーを失って減速し、主おもり19に作用する重力によりスクリュープロペラ3に接触することなく沈降する。
SP22
このとき、図2、4に示すように、水中航走体2に内蔵した制動ケーブル離脱制御部25は、図9に示すように姿勢ジャイロ26、加速度計27及びタイマー時計29からマイクロプロセッサ28に対して、姿勢データ、加速度データ及びタイマー割り込み信号を入力する。このマイクロプロセッサ28の処理内容について、再度図10を参照して詳細に説明する。さらに制動ケーブル17を切断すると、水中航走体2が自律航走を開始し(SP23)、発射管の船外扉8を閉じると(SP24)、再装てん可能な状態となり、再装てんが行われたことを条件に(SP25)前記SP11へ戻る。再装てんがない場合は発射処理を終了する。
SP1のタイマー割り込み監視処理は、マイクロプロセッサ28が、タイマー時計29から割り込み信号の入力を待ち受ける処理である。タイマー時計29は、例えば20ミリsec周期でマイクロプロセッサ28に対して割り込み信号を入力する。タイマー割り込み信号の入力周期は、姿勢ジャイロ26及び加速度計27のデータ更新周期と一致するよう設定されるものとする。さらに、SP2のタイマー割り込み判定処理では、SP1のタイマー割り込み信号が入力されたか否かを判定して次のSP3へ進む。すなわち、タイマー割り込み信号の入力を待つ。
(処理段階2)
前記タイマー割り込み判定処理SP2により、タイマー割り込み信号を検出した場合は、姿勢データ入力処理SP3により、姿勢ジャイロ26から姿勢データを入力し、加速度データ入力処理SP4により加速度計27から加速度データを入力する。
姿勢データ判定処理SP3では、姿勢ジャイロ26から入力した姿勢データにより、水中航走体2が制動ケーブル17に後部を下向きに引っ張られることによる、図11に示す鉛直方向40と姿勢Y軸(前後方向)44のなす角(ピッチ角)を算出する。
このピッチ角が前部上向き(後部下向き)の方向に所定のしきい値よりも大きいとSP5で判定された場合は、水中航走体2が射出されたと判定し、加速度データ判定処理SP6に進む。
加速度データ判定処理SP6では、加速度計27から入力した加速度データにより姿勢Y軸(前後方向)44の加速度が減速方向に所定のしきい値よりも大きいか判定し、その姿勢Y軸方向44の加速度が減速方向に所定のしきい値を超える場合は、水中航走体2が射出されたと判定し、減速離隔距離計算処理SP7に進む。
減速離隔距離L=L’+Y1+Y2+Y3+・・・+YN
L=減速離隔距離(m)
L’=前回の減速離隔距離(m)
Y1=1周期目の姿勢Y軸方向の減速加速度(m/割り込み信号入力周期2)
Y2=2周期目の姿勢Y軸方向の減速加速度(m/割り込み信号入力周期2)
Y3=3周期目の姿勢Y軸方向の減速加速度(m/割り込み信号入力周期2)
……
YN=N周期目の姿勢Y軸方向の減速加速度(m/割り込み信号入力周期2)
なお母船1と水中航走体2とのの離隔距離は、母船1の前進速度(m/s)×射出後経過時間(S)とほぼ同じであるが、水中航走体2が独立して離隔距離を算出する計算式としては、前述の減速加速度(m/s)を加算する方法でもほぼ同等な近似値を得られる。
(処理段階3)
減速離隔距離が所定のしきい値よりも大きい場合は、図2、4に示す水中航走体2が母船1と衝突する可能性がない安全な距離まで離隔したと判定し、制動ケーブル切断信号出力処理SP9により制動ケーブルカッター30に制動ケーブル切断信号を出力する。
制動ケーブルカッター30は、制動ケーブル切断信号を入力すると、制動ケーブル17を切断する。制動ケーブル17が切断された水中航走体2は、図8に示すポンプジェット推進器21の内部のスクリュープロペラを回転させて自律航走を開始する。このようにして水中航走体2が自律航走を開始すると、その射出が完了する。
なお、前記制動ケーブルカッター30は、開傘不良を起こしたパラシュートの切り離し機構を電動で制御したものと同等であり、当業者にとってよく知られており、その詳細な構成は説明を省略する。
第2の効果は、母船1から水中航走体2を射出する際に、圧縮空気や高圧水を使用しないため、母船1から水中航走体2を射出する際、母船1が潜行状態であって、圧縮空気や高圧水よりも船殻4外の水圧が高い場合であっても、母船1から水中航走体2を射出することができる。
第3の効果は、母船1から水中航走体2を射出する際に、前方ではなく後方に射出するため、母船1が高速で前進中の場合であっても、水中航走体2を射出する際に衝突する確率を低減することができる。この結果、例えば、従来の母船における発射時の航行速度の上限である時速10km程度から、その数倍程度の最大航行速度に近い速度で航行中の母船からの発射を可能とすることができる。
第4の効果は、母船1から水中航走体2を射出する際に、前方ではなく後方に射出するため、従来の前方に向けて圧縮空気や高圧水により射出する発射管と併用することにより、母船1に装備可能な発射管数をおおよそ2倍に増やすことができる。
上記第1実施形態では、水上、水中の両方を航行する母船から水中航走体を射出する方法を述べたが、母船から射出する物体は、水中航走体に限定するものではない。
例えば、ソナー等、自身に推進器等の移動手段を持たず、水中に定置される敷設物を射出する場合にも適用することができる。すなわち、水中航走体は、航走速度がゼロの定置型の場合を含むものとする。
図13及び図14は、水上を航行する船舶を母船とした第2実施形態を示すものである。なお図13、図14において、第1実施形態と共通の構成には同一符号を付し、説明を簡略化する。
図13及び図14において符号46は、水面を示す。また符号47は前記水面46上を航行する母船となる船舶を示す。また符号48は、船舶47の船底を示す。
すなわち第2実施形態の発射管6は、母船47の船内に設けられて前記船底47に下端が開口するように設けられ、船外扉8により開閉されるよう構成されている。
この第2実施形態にあっても、発射管6内の海水を排出した後、船外扉8を閉じた状態で船内扉7を開いて発射管6内に水中航走体2を装てんすることができる。
第3実施形態の船舶47は、鉛直下方へ向けて、複数の発射管6Bを設けた構成となっている。
すなわち船舶47の内部には、横断面が円形をなす発射管6Bが、例えば、列状、行列状、稠密状等の密集状態で配置されている。この発射管6Bは、再装てんを考慮しない場合には、船内扉(図15、16において図示を省略)を備えていない、あるいは開閉を常としない態様で備え、船外扉8を開くことにより、水中航走体2を射出することができる。
図15及び図16は、水上を航行する船舶を母船とする例を示しているが、水中を航行することが可能な潜水艇等が母船の場合でも適用できる。
なお、船舶47が高速航行している際に水中航走体2を鉛直下方へ射出すると、水中航走体2が水流の抵抗を受け破損する可能性がある。従って、第3実施形態にあっては、水中航走体2の射出時において、母船である船舶47をできるだけ低速で航行させることが望ましい。
2 水中航走体
3 推進器(スクリュープロペラ)
4 船殻
5 耐圧殻
6、6A、6B 発射管
7 船内扉
8 船外扉
9 注水管
10 注水バルブ
11 圧縮空気タンク
12 圧縮空気管
13 圧縮空気バルブ
15 メインパラシュート
16 ドローグシュート
17 制動ケーブル
18 ドローグケーブル
19 主おもり
20 副おもり
21 (ポンプジェット)推進器
22 メインパラシュート収納部カバー
23 ドローグシュート収納部カバー
24 メインパラシュート収納部
25 制動ケーブル離脱制御部
26 姿勢ジャイロ
27 加速度計
28 マイクロプロセッサ
29 タイマー時計
30 制動ケーブルカッター
40 鉛直方向
41 東西方向
42 南北方向
43 姿勢X軸の方向
44 姿勢Y軸の方向
45 姿勢Z軸の方向
46 水面
47 母船(船舶)
48 船底
101 母船
102 水中航走体
103 格納部
104 保持部
105 抵抗体
Claims (10)
- 水中に射出される水中航走体と、
該水中航走体を母船内で格納する格納部と、
該格納部に格納された前記水中航走体を前記格納部に対して離脱可能に支持する保持部と、
前記水中航走体に前記母船の進行方向に逆らう抵抗を与える抵抗体と、
を有する水中航走体射出装置。 - 前記格納部は、前記母船の進行方向に対して斜めに向けて設けられ、
前記保持部は前記格納部の開口部を開閉する、
請求項1に記載の水中航走体射出装置。 - 前記抵抗体は、前記水中航走体に設けられ、流体から受ける抵抗により開傘する、
請求項1または2のいずれか1項に記載の水中航走体射出装置。 - 前記抵抗体には、前記母船の進行により前記抵抗体を前記母船から引き出す補助抵抗体が設けられた、
請求項1~3のいずれか1項に記載の水中航走体射出装置。 - 前記抵抗体は、前記水中航走体に設けられ、錘により沈降して開傘する主パラシュートである、
請求項1~4のいずれか1項に記載の水中航走体射出装置。 - 前記母船の進行により水から抵抗を受けて、前記主パラシュートを母船から引き出す、前記主パラシュートより面積が小さく錘により沈降して開傘する副シュートを有する、
請求項5に記載の水中航走体射出装置。 - 前記格納部は、前記母船の進行方向後方へ向けて開口して設けられた、
請求項1~6のいずれか1項に記載の水中航走体射出装置。 - 前記格納部は、前記母船の下方へ向けて開口して設けられた、
請求項1~6のいずれか1項に記載の水中航走体射出装置。 - 母船内で格納された水中航走可能な水中航走体を前記母船の内部の格納部に格納する工程と、
前記母船の進行方向に逆らう抵抗を前記水中航走体に発生させる工程と、
前記母船の進行を維持しつつ前記水中航走体に前記抵抗を与えることにより、前記水中航走体を前記母船から離脱させる工程と、
を有する水中航走体の射出方法。 - 前記母船は、前記水中航走体を一方の舷側から射出した後、この舷側の側へ旋回する、
請求項9に記載の水中航走体の射出方法。
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