JP7049164B2 - 微生物培養用の寒天培地 - Google Patents
微生物培養用の寒天培地 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7049164B2 JP7049164B2 JP2018079574A JP2018079574A JP7049164B2 JP 7049164 B2 JP7049164 B2 JP 7049164B2 JP 2018079574 A JP2018079574 A JP 2018079574A JP 2018079574 A JP2018079574 A JP 2018079574A JP 7049164 B2 JP7049164 B2 JP 7049164B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- agar
- medium
- molecular weight
- low molecular
- amount
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
(1)少なくとも(a)および(b)を固化成分として含有することを特徴とする、微生物の培養に用いる固体培地。
(a)重量平均分子量が30万~45万である寒天、
(b)重量平均分子量が15万以下である低分子量寒天。
(2)前記低分子量寒天の重量平均分子量が2万~15万であることを特徴とする(1)に記載の固体培地。
(3)前記重量平均分子量が30万~45万である寒天の含有量(A)に対する前記低分子量寒天の含有量(B)の比が0.05以上0.5以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の固体培地。
(4)微生物の培養に用いる固体培地の製造方法であって、固化成分として(a)および(b)を使用することを特徴とする固体培地の製造方法。
(a)重量平均分子量が30万~45万である寒天、
(b)重量平均分子量が15万以下である低分子量寒天。
(5)前記低分子量寒天の重量平均分子量が2万~15万であることを特徴とする(4)に記載の固体培地の製造方法。
(6)前記重量平均分子量が30万~45万である寒天の含有量(A)に対する前記低分子量寒天の含有量(B)の比が0.05以上0.5以下であることを特徴とする(4)または(5)に記載の固体培地の製造方法。
実際に微生物を培養する際には、従来の微生物培養用の寒天を含有する基礎培地の成分に加えて重量平均分子量が15万以下、特に2万~15万である低分子量寒天を添加したものを本発明の培地として用いることができる。なお、寒天の重量平均分子量の測定方法は特に限定されないが、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)により測定することができる。具体的には、国際公開第2016/167373号公報に記載されているように、寒天を0.15%濃度となるよう精製水に懸濁し、95℃~97℃で加温溶解後、50℃に冷却し、カラム(TOSOH TSK-GEL for HPLC,TSK-GEL GMPWXL等)を使用し、分子量既知のプルランを標準物質として測定することができる。
なお、本発明で使用できる市販の低分子量寒天としては、例えば、ウルトラ寒天AX-30(伊那食品工業株式会社、ゼリー強度:30~60g/cm2)、ウルトラ寒天AX-100(伊那食品工業株式会社製、ゼリー強度:100~150g/cm2)、ウルトラ寒天BX-30(伊那食品工業株式会社製、ゼリー強度:30~60g/cm2)、ウルトラ寒天BX-100(伊那食品工業株式会社製、ゼリー強度:100~150g/cm2)、ウルトラ寒天UX-30(伊那食品工業株式会社製、ゼリー強度:30~60g/cm2)、ウルトラ寒天UX-100(伊那食品工業株式会社、ゼリー強度:100~150g/cm2)などが挙げられる。
そのため、本発明の固体培地で使用する低分子量寒天の添加量は、凝水量およびゼリー強度の両面において培地表面をコロニー形成に適切な状態に保ち、コロニーの微小化を抑えつつ凝水を抑制できる範囲とすることが好ましい。当業者であれば本発明の実施例を参考にして低分子量寒天の添加量を設定することができる。例えば、培地1L当たりの低分子量寒天の添加量を0.8g以上とすることが好ましく、1g以上とすることがより好ましく、2g以上とすることがさらに好ましく、2.5g以上とすることがよりさらに好ましい。また、培地1L当たりの低分子量寒天の添加量を7.5g以下とすることが好ましく、6g以下とすることがより好ましく、5g以下とすることがさらに好ましいが、低分子量寒天の添加によるゼリー強度の上昇に起因するコロニーの微小化の状況に応じて、適宜、低分子量寒天の添加量を4g以下、3.5g以下などとすることができる。
羊血液寒天培地を基礎培地とし、低分子量寒天SW(SSKセールス株式会社製、重量平均分子量:約10万、ゼリー強度:140~150g/cm2)を添加して凝水抑制効果を調べた。
以下の表1に示した培地成分1を秤量し、以下の(2)で羊血液を添加した後の培地量が2Lとなるように精製水に懸濁後、121℃で15分間高圧滅菌した。従来の微生物培養用の寒天と低分子量寒天を区別するため、表1において、従来の微生物培養用の寒天を寒天A、低分子量寒天SWを寒天Bと記載する。
高圧滅菌後、培地を50℃に冷却した後、予め無菌的に採取した羊脱繊維血液を、培地1L当たり50mLとなるように添加した。その後、培地を18mLずつシャーレに分注して固化した。
(1)、(2)で調製した培地入りシャーレを4℃、倒置にて20時間保存した後、25℃、倒置にてシャーレを30分間放置し、その後、培地入りシャーレの重量を電子天秤にて測定した。続いてシャーレを縦置きにして30分間放置して培地表面に滲み出た水を濾紙によって拭き取った後、再び培地入りシャーレの重量を測定し、(滲み出た水の拭き取り前のシャーレの重量)-(滲み出た水を拭き取った後のシャーレの重量)を凝水量として算出した。
なお、低分子量寒天SWの各添加量につき10枚のシャーレを凝水試験対象とし、重量の測定はシャーレ1枚毎に行った。
(1)、(2)で調製した培地を上記(3)の凝水量測定用のものとは別に用意し、20℃の恒温槽にて20時間保存した後、レオメーター(FUDOH RHEO METER RTC-3002D)(株式会社レイテック製)の測定部が培地に1mm侵入する強度をゼリー強度として測定した。なお、低分子量寒天SWの各添加量につきシャーレ1枚をゼリー強度測定の対象とし、1枚のシャーレの3箇所を測定して平均値をゼリー強度として算出した。
培地の凝水量およびゼリー強度の測定結果を表2に示す。凝水量の測定結果は、低分子量寒天SWの各添加量における平均凝水量を、低分子量寒天SWを添加していない培地(No.1)の平均凝水量と比較した凝水削減量および凝水削減率とともに表示し、また、ゼリー強度は、低分子量寒天SWを添加していない培地(No.1)のゼリー強度からの上昇値とともに表示している。
羊血液寒天培地を基礎培地として低分子量寒天SW(SSKセールス株式会社製、重量平均分子量:約10万、ゼリー強度:140~150g/cm2)を添加した培地にStreptococcus pyogenes、Streptococcus agalactiae、Streptococcus intermedius、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus Group G、Enterobacter cloacae、Moraxella catarrhalis、Staphylococcus aureusを接種し、菌の発育状況を調べた。
以下の表3に示した培地成分2を秤量し、以下の(2)で羊血液を添加した後の培地量が3Lとなるように精製水に懸濁後、121℃で15分間高圧滅菌した。表3において、従来の微生物培養用の寒天を寒天A、低分子量寒天SWを寒天Bと記載する。
高圧滅菌後、培地を50℃に冷却した後、予め無菌的に採取した羊脱繊維血液を、培地1L当たり50mLとなるように添加した。その後、培地を18mLずつシャーレに分注して固化した。
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1の菌液を作製した。その後、前記菌液を(1)、(2)で調製した培地に画線し、35℃で18時間、5%炭酸ガス環境下での培養または好気培養を行い、発育した細菌のコロニーサイズを測定した。なお、シャーレ1枚につき1菌株を接種して培養試験を行い、優勢に発育した1コロニーを代表としてサイズの測定を行った。
5%炭酸ガス環境下での培養により発育したコロニーのサイズを表4に、また、好気培養により発育したコロニーのサイズを表5に示す。
低分子量寒天SW(SSKセールス株式会社製、重量平均分子量:約10万)の3種類のロットについて、ゼリー強度を調べた。
各ロットの低分子量寒天SWを1.5%濃度となるように精製水に懸濁し、pHを7.0に調整した。寒天懸濁液を100℃で40分間加温溶解した。50℃に冷却した後、18mLずつシャーレに分注して固化した。
(1)で調製した寒天ゲルを20℃の恒温槽にて20時間保存した後、レオメーター(FUDOH RHEO METER RTC-3002D)(株式会社レイテック製)の測定部が培地に1mm侵入する強度をゼリー強度として測定した。なお、低分子量寒天SWの各添加量につきシャーレ1枚をゼリー強度測定の対象とし、1枚のシャーレの3箇所を測定して平均値をゼリー強度として算出した。
寒天ゲルのゼリー強度の測定結果を溶液のpH実測値とともに表6に示す。
羊血液寒天培地を基礎培地とし、低分子量寒天SW(SSKセールス株式会社製、重量平均分子量:約10万、ゼリー強度:140~150g/cm2)を添加して調製後、10℃、倒置にて3.5ヶ月保存した培地における凝水試験を行った。
以下の表7に示した培地成分3を秤量し、以下の(2)で羊血液を添加した後の培地量が1Lとなるように精製水に懸濁後、121℃で15分間高圧滅菌した。従来の微生物培養用の寒天と低分子量寒天を区別するため、表7において、従来の微生物培養用の寒天を寒天A、低分子量寒天SWを寒天Bと記載する。
高圧滅菌後、培地を50℃に冷却した後、予め無菌的に採取した羊脱繊維血液を、培地1L当たり50mLとなるように添加した。その後、培地を18mLずつシャーレに分注して固化した。
(1)、(2)で調製した培地入りシャーレを10℃、倒置にて3.5ヶ月保存した(培地調製日、保存開始日とも2016年12月8日)。その後、4℃、倒置にて20時間保存した後、25℃、倒置にてシャーレを30分間放置し、その後、培地入りシャーレの重量を電子天秤にて測定した。続いてシャーレを縦置きにして30分間放置して培地表面に滲み出た水を濾紙によって拭き取った後、再び培地入りシャーレの重量を測定し、(滲み出た水の拭き取り前のシャーレの重量)-(滲み出た水を拭き取った後のシャーレの重量)を凝水量として算出した(凝水量測定日は2017年3月22日)。
なお、低分子量寒天SWの各添加量につき9枚のシャーレを凝水試験対象とし、重量の測定はシャーレ1枚毎に行った。
培地の凝水量の測定結果を表8に示す。
ドリガルスキー改良培地(BTB乳糖寒天培地)を基礎培地とし、低分子量寒天SW(SSKセールス株式会社製、重量平均分子量:約10万、ゼリー強度:140~150g/cm2)を添加して凝水抑制効果を調べた。
以下の表9に示した培地成分4を秤量し、精製水に懸濁後、121℃で15分間高圧滅菌した。滅菌後、50℃に冷却した後、培地を18mLずつシャーレに分注して固化した。なお、従来の微生物培養用の寒天と低分子量寒天を区別するため、表9において、従来の微生物培養用の寒天を寒天A、低分子量寒天SWを寒天Bと記載する。
(1)で調製した培地入りシャーレを4℃、倒置にて20時間保存した後、25℃、倒置にてシャーレを30分間放置し、その後、培地入りシャーレの重量を電子天秤にて測定した。続いてシャーレを縦置きにして30分間放置して培地表面に滲み出た水を濾紙によって拭き取った後、再び培地入りシャーレの重量を測定し、(滲み出た水の拭き取り前のシャーレの重量)-(滲み出た水を拭き取った後のシャーレの重量)を凝水量として算出した。
なお、低分子量寒天SWの各添加量につき10枚のシャーレを凝水試験対象とし、重量の測定はシャーレ1枚毎に行った。
低分子量寒天SWを添加した培地の平均凝水量を、低分子量寒天SWを添加していない培地の平均凝水量と比較した凝水削減量および凝水削減率とともに表10に示す。
カンジダ鑑別用寒天培地を基礎培地とし、低分子量寒天SW(SSKセールス株式会社製、重量平均分子量:約10万、ゼリー強度:140~150g/cm2)を添加して凝水抑制効果を調べた。
以下の表11に示した培地成分5を秤量し、精製水に懸濁後、100℃で40分間加温溶解した。50℃に冷却した後、培地を18mLずつシャーレに分注して固化した。なお、従来の微生物培養用の寒天と低分子量寒天を区別するため、表11において、従来の微生物培養用の寒天を寒天A、低分子量寒天SWを寒天Bと記載する。
(1)で調製した培地入りシャーレを4℃、倒置にて20時間保存した後、25℃、倒置にてシャーレを30分間放置し、その後、培地入りシャーレの重量を電子天秤にて測定した。続いてシャーレを縦置きにして30分間放置して培地表面に滲み出た水を濾紙によって拭き取った後、再び培地入りシャーレの重量を測定し、(滲み出た水の拭き取り前のシャーレの重量)-(滲み出た水を拭き取った後のシャーレの重量)を凝水量として算出した。
なお、低分子量寒天SWの各添加量につき10枚のシャーレを凝水試験対象とし、重量の測定はシャーレ1枚毎に行った。
低分子量寒天SWを添加した培地の平均凝水量を、低分子量寒天SWを添加していない培地の平均凝水量と比較した凝水削減量および凝水削減率とともに表12に示す。
羊血液寒天培地を基礎培地とし、低分子量寒天であるSW(SSKセールス株式会社製、重量平均分子量:約10万、ゼリー強度:140~150g/cm2)またはウルトラ寒天BX-30(伊那食品工業株式会社製、重量平均分子量:2万~5万程度、ゼリー強度:30~60g/cm2)を添加して凝水抑制効果を調べた。
以下の表13に示した培地成分6を秤量し、以下の(2)で羊血液を添加した後の培地量が1Lとなるように精製水に懸濁後、121℃で15分間高圧滅菌した。従来の微生物培養用の寒天と低分子量寒天を区別するため、表13において、従来の微生物培養用の寒天を寒天A、低分子量寒天SWまたはウルトラ寒天BX-30を寒天Bと記載する。
高圧滅菌後、培地を50℃に冷却した後、予め無菌的に採取した羊脱繊維血液を、培地1L当たり50mLとなるように添加した。その後、培地を18mLずつシャーレに分注して固化した。
(1)、(2)で調製した培地入りシャーレを4℃、倒置にて20時間保存した後、25℃、倒置にてシャーレを30分間放置し、その後、培地入りシャーレの重量を電子天秤にて測定した。続いてシャーレを縦置きにして30分間放置して培地表面に滲み出た水を濾紙によって拭き取った後、再び培地入りシャーレの重量を測定し、(滲み出た水の拭き取り前のシャーレの重量)-(滲み出た水を拭き取った後のシャーレの重量)を凝水量として算出した。
なお、低分子量寒天の各添加量につき9枚のシャーレを凝水試験対象とし、重量の測定はシャーレ1枚毎に行った。
(1)、(2)で調製した培地を上記(3)の凝水量測定用のものとは別に用意し、20℃の恒温槽にて20時間保存した後、レオメーター(FUDOH RHEO METER RTC-3002D)(株式会社レイテック製)の測定部が培地に1mm侵入する強度をゼリー強度として測定した。なお、低分子量寒天の各添加量につきシャーレ1枚をゼリー強度測定の対象とし、1枚のシャーレの3箇所を測定して平均値をゼリー強度として算出した。
培地の凝水量およびゼリー強度の測定結果を表14に示す。凝水量の測定結果は、寒天B(低分子量寒天SWまたはウルトラ寒天BX-30)の各添加量における平均凝水量を、寒天Bを添加していない培地の平均凝水量と比較した凝水削減量および凝水削減率とともに表示し、また、ゼリー強度は、寒天Bを添加していない培地のゼリー強度からの上昇値とともに表示している。
羊血液寒天培地を基礎培地とし、低分子量寒天であるSW(SSKセールス株式会社製、重量平均分子量:約10万、ゼリー強度:140~150g/cm2)、ウルトラ寒天BX-30(伊那食品工業株式会社製、重量平均分子量:2万~5万程度、ゼリー強度:30~60g/cm2)またはウルトラ寒天BX-100(伊那食品工業株式会社製、重量平均分子量:7万~10万程度、ゼリー強度:100~150g/cm2)を添加して凝水抑制効果を調べた。
以下の表15に示した培地成分7を秤量し、以下の(2)で羊血液を添加した後の培地量が2Lとなるように精製水に懸濁後、121℃で15分間高圧滅菌した。従来の微生物培養用の寒天と低分子量寒天を区別するため、表15において、従来の微生物培養用の寒天を寒天A、低分子量寒天SW、ウルトラ寒天BX-30またはウルトラ寒天BX-100を寒天Bと記載する。
高圧滅菌後、培地を50℃に冷却した後、予め無菌的に採取した羊脱繊維血液を、培地1L当たり50mLとなるように添加した。その後、培地を18mLずつシャーレに分注して固化した。
(1)、(2)で調製した培地入りシャーレを4℃、倒置にて20時間保存した後、25℃、倒置にてシャーレを30分間放置し、その後、培地入りシャーレの重量を電子天秤にて測定した。続いてシャーレを縦置きにして30分間放置して培地表面に滲み出た水を濾紙によって拭き取った後、再び培地入りシャーレの重量を測定し、(滲み出た水の拭き取り前のシャーレの重量)-(滲み出た水を拭き取った後のシャーレの重量)を凝水量として算出した。
なお、低分子量寒天の各添加量につき10枚のシャーレを凝水試験対象とし、重量の測定はシャーレ1枚毎に行った。
(1)、(2)で調製した培地を上記(3)の凝水量測定用のものとは別に用意し、20℃の恒温槽にて20時間保存した後、レオメーター(FUDOH RHEO METER RTC-3002D)(株式会社レイテック製)の測定部が培地に1mm侵入する強度をゼリー強度として測定した。なお、低分子量寒天の各添加量につきシャーレ1枚をゼリー強度測定の対象とし、1枚のシャーレの3箇所を測定して平均値をゼリー強度として算出した。
培地の凝水量およびゼリー強度の測定結果を表16に示す。凝水量の測定結果は、寒天B(低分子量寒天SW、ウルトラ寒天BX-30またはウルトラ寒天BX-100)の各添加量における平均凝水量を、寒天Bを添加していない培地の平均凝水量と比較した凝水削減量および凝水削減率とともに表示し、また、ゼリー強度は、寒天Bを添加していない培地のゼリー強度からの上昇値とともに表示している。
羊血液寒天培地を基礎培地とし、低分子量寒天SW(SSKセールス株式会社製、重量平均分子量:約10万、ゼリー強度:140~150g/cm2)を添加して調製後、10℃、倒置にて3.5ヶ月保存した培地における凝水試験を行った。
以下の表17に示した培地成分8を秤量し、以下の(2)で羊血液を添加した後の培地量が1Lとなるように精製水に懸濁後、121℃で15分間高圧滅菌した。従来の微生物培養用の寒天と低分子量寒天を区別するため、表17において、従来の微生物培養用の寒天を寒天A、低分子量寒天SWを寒天Bと記載する。
高圧滅菌後、培地を50℃に冷却した後、予め無菌的に採取した羊脱繊維血液を、培地1L当たり50mLとなるように添加した。その後、培地を18mLずつシャーレに分注して固化した。
(1)、(2)で調製した培地入りシャーレを10℃、倒置にて3.5ヶ月保存した(培地調製日、保存開始日とも2017年6月13日)。その後、4℃、倒置にて20時間保存した後、25℃、倒置にてシャーレを30分間放置し、その後、培地入りシャーレの重量を電子天秤にて測定した。続いてシャーレを縦置きにして30分間放置して培地表面に滲み出た水を濾紙によって拭き取った後、再び培地入りシャーレの重量を測定し、(滲み出た水の拭き取り前のシャーレの重量)-(滲み出た水を拭き取った後のシャーレの重量)を凝水量として算出した(凝水量測定日は2017年9月27日)。
なお、低分子量寒天SWの各添加量につき9枚のシャーレを凝水試験対象とし、重量の測定はシャーレ1枚毎に行った。
培地の凝水量の測定結果を表18に示す。
Claims (6)
- 少なくとも(a)および(b)を固化成分として含有することを特徴とする、微生物の培養に用いる固体培地。
(a)重量平均分子量が30万~45万である寒天、
(b)重量平均分子量が15万以下である低分子量寒天。 - 前記低分子量寒天の重量平均分子量が2万~15万であることを特徴とする請求項1に記載の固体培地。
- 前記重量平均分子量が30万~45万である寒天の含有量(A)に対する前記低分子量寒天の含有量(B)の比が0.05以上0.5以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体培地。
- 微生物の培養に用いる固体培地の製造方法であって、固化成分として(a)および(b)を使用することを特徴とする固体培地の製造方法。
(a)重量平均分子量が30万~45万である寒天、
(b)重量平均分子量が15万以下である低分子量寒天。 - 前記低分子量寒天の重量平均分子量が2万~15万であることを特徴とする請求項4に記載の固体培地の製造方法。
- 前記重量平均分子量が30万~45万である寒天の含有量(A)に対する前記低分子量寒天の含有量(B)の比が0.05以上0.5以下であることを特徴とする請求項4または5に記載の固体培地の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022050337A JP7348341B2 (ja) | 2017-04-25 | 2022-03-25 | 微生物培養用の寒天培地 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017086509 | 2017-04-25 | ||
JP2017086509 | 2017-04-25 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022050337A Division JP7348341B2 (ja) | 2017-04-25 | 2022-03-25 | 微生物培養用の寒天培地 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018183136A JP2018183136A (ja) | 2018-11-22 |
JP7049164B2 true JP7049164B2 (ja) | 2022-04-06 |
Family
ID=64356385
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018079574A Active JP7049164B2 (ja) | 2017-04-25 | 2018-04-18 | 微生物培養用の寒天培地 |
JP2022050337A Active JP7348341B2 (ja) | 2017-04-25 | 2022-03-25 | 微生物培養用の寒天培地 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022050337A Active JP7348341B2 (ja) | 2017-04-25 | 2022-03-25 | 微生物培養用の寒天培地 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP7049164B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7049164B2 (ja) * | 2017-04-25 | 2022-04-06 | 栄研化学株式会社 | 微生物培養用の寒天培地 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003023977A (ja) | 2001-05-08 | 2003-01-28 | Ina Food Ind Co Ltd | 寒天組成物 |
JP2008307028A (ja) | 2007-06-18 | 2008-12-25 | Uha Mikakuto Co Ltd | 飲料組成物及びその製造方法 |
JP2011125263A (ja) | 2009-12-17 | 2011-06-30 | Nissui Pharm Co Ltd | 血液寒天培地及びその保存方法 |
WO2016167373A1 (ja) | 2015-04-16 | 2016-10-20 | 日産化学工業株式会社 | 培地添加物及び培地組成物並びにそれらを用いた細胞又は組織の培養方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7049164B2 (ja) * | 2017-04-25 | 2022-04-06 | 栄研化学株式会社 | 微生物培養用の寒天培地 |
-
2018
- 2018-04-18 JP JP2018079574A patent/JP7049164B2/ja active Active
-
2022
- 2022-03-25 JP JP2022050337A patent/JP7348341B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003023977A (ja) | 2001-05-08 | 2003-01-28 | Ina Food Ind Co Ltd | 寒天組成物 |
JP2008307028A (ja) | 2007-06-18 | 2008-12-25 | Uha Mikakuto Co Ltd | 飲料組成物及びその製造方法 |
JP2011125263A (ja) | 2009-12-17 | 2011-06-30 | Nissui Pharm Co Ltd | 血液寒天培地及びその保存方法 |
WO2016167373A1 (ja) | 2015-04-16 | 2016-10-20 | 日産化学工業株式会社 | 培地添加物及び培地組成物並びにそれらを用いた細胞又は組織の培養方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7348341B2 (ja) | 2023-09-20 |
JP2018183136A (ja) | 2018-11-22 |
JP2022076001A (ja) | 2022-05-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Harrigan et al. | Laboratory methods in microbiology | |
Tan et al. | Safety assessment and probiotic evaluation of Enterococcus faecium YF5 isolated from sourdough | |
JP7084719B2 (ja) | 微生物増殖培地およびそれを使用する方法 | |
KR20110011598A (ko) | 시험 샘플에서 황색포도상구균의 존재 또는 부재를 검출하기 위한 방법 및 배지 | |
CN107142304A (zh) | 药品中铜绿假单胞菌能力验证样品及其制备方法 | |
JP7348341B2 (ja) | 微生物培養用の寒天培地 | |
Qian et al. | Intracellular granule formation in response to oxidative stress in Bifidobacterium | |
Abbas et al. | Resistance of Escherichia coli and Klebsiella pneumoniae isolated from different Sources to β-lactam Antibiotics | |
Yuan et al. | Calcium-mediated modulation of Pseudomonas fluorescens biofilm formation | |
Dortey et al. | Effect of storage methods and duration of storage on the bacteriological quality of processed liquid milk post-opening | |
Li et al. | Use of β-cyclodextrin and milk protein-coated activated charcoal for rapid detection of Listeria monocytogenes in leafy greens by PCR without pre-enrichment | |
CN110819570A (zh) | 一种血琼脂平板及其制备方法 | |
JP6261664B2 (ja) | 耐酸性、耐胆汁性及び細胞付着能に優れたラクトバシラス・プランタラムllp5193を有効成分として含む凍結乾燥物 | |
JP5286123B2 (ja) | バクテリオファージの検出方法 | |
CN107142301A (zh) | 药品中需氧菌总数计数能力验证样品及其制备方法 | |
JP5160157B2 (ja) | 油性試料の微生物検査用培地および微生物検査器具 | |
CN107090489A (zh) | 乳粉中菌落总数标准样品及其制备方法 | |
US7176014B2 (en) | Solid culture medium and method for preparing the same | |
Indhu et al. | STUDIES ON MICROFLORA AND THEIR ROLE ON EGG SHELL CONTAMINATION AND INFECTION. | |
CN110157819B (zh) | 一种快速检测畜禽粪便中印第安纳沙门氏菌的lamp试剂盒 | |
RU2670585C1 (ru) | Способ оценки антагонистической активности лактобактерий толстокишечного биотопа пациента относительно разнообразных бактерий двухэтапным культивированием микроорганизма-антагониста и тестируемой культуры в условиях комбинированной системы | |
Hada et al. | 11. Antimicrobial testing methods | |
Elsenduony et al. | Investigation of Histamine Producing Bacteria Isolated from Food of Animal Origin. | |
CN107142303A (zh) | 药品中耐胆盐革兰阴性菌能力验证样品及其制备方法 | |
TALAN | STRIP FOR DETECTION OF ANTIBIOTIC RESISTANT Listeria monocytogenes IN MILK |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210407 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220228 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220325 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7049164 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |