JP7045201B2 - 長尺積層シートおよびその巻収体 - Google Patents
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Description
本発明の第1の実施態様に係る長尺積層シートは、略矩形の支持シートと、該支持シート上の内周部に形成されている略矩形の樹脂膜形成層とを有し、平面視で樹脂膜形成層を取り囲む領域にリングフレームを保持するための略矩形のリングフレーム保持手段を有する樹脂膜形成層付支持シートと、
長尺の剥離シートとを含み、
該剥離シートの剥離処理面上の短手方向両端には、長尺の補助シートが連続して積層されてなり、
該剥離シートの剥離処理面上の短手方向内側には、剥離シートの長手方向に沿って複数の樹脂膜形成層付支持シートが剥離可能に独立して仮着されてなる、長尺積層シート。
〔1〕頂点部分に円弧状部分を有するとともに、前記円弧状部分の各端部に連続する直線状部分を有する形状、
〔2〕円弧状、
〔3〕楕円弧状、
〔4〕底辺のない三角形状、
〔5〕下底のない台形状
〔6〕〔1〕~〔5〕の形状から選択される複数の形状を含む形状。
長尺積層シートの長手方向に沿った樹脂膜形成層付支持シートの側辺とが、円弧状の曲線または、内角が90°以上となるように短い線により結ばれた形状によって、連結してなることが好ましい。
該凸状部が、円弧状の曲線または、内角が90°以上となるよう短い線により結ばれた形状に構成されてなることが好ましい。
本発明において「略矩形」とは、厳密な正方形、長方形のみではなく、これに類似したやや歪な形状も包含する。たとえば、正方形あるいは長方形の各辺は湾曲、屈曲していてもよく、角部は丸みを帯びた曲線であっても良く、方向が連続的に変化する短い直線で丸みを帯びて構成されていても良い。
また、「支持シート」とは、樹脂膜形成層を剥離可能に支持できるシート状部材であり、剥離シートであってもよく、いわゆるダイシングシートのような粘着シートであってもよい。
「樹脂膜形成層」とは、保護膜を形成するための前駆体層および接着剤層の両者を包含する意味で用いる。保護膜を形成するための前駆体層は、所定の操作により硬化され、保護膜を形成する。
「剥離シート」とは、表面の剥離力が制御されたシートであり、樹脂製であってもよく、紙製や布製であってもよい。表面の剥離力は剥離剤などにより制御されるがこれに限定はされない。
「長尺」とは、矩形であり、長手方向が短手方向よりも十分に長い形状を意味する。
「補助シート」は、長尺の剥離シートの短手方向両端に形成された層状体を意味する。
「長尺積層シート」は、長尺の剥離シートと、該剥離シートの短手方向両端に連続して積層された長尺の補助シートと、剥離シートの短手方向内側に剥離可能に仮着された樹脂膜形成層付支持シートとを含む。
「巻収体」とは、上記長尺積層シートを巻き取り、ロール状にしたものを言う。
第1の実施態様は、本発明の他の実施態様にも共通する基本形である。樹脂膜形成層付支持シートは、略矩形の支持シートと、該支持シート上の内周部に剥離可能に形成されている略矩形の樹脂膜形成層とを有し、樹脂膜形成層側からの平面視で、樹脂膜形成層を取り囲む領域にリングフレームを保持するための略矩形のリングフレーム保持手段を有する。
以下では、長尺積層シートの具体的な形態について下記第1形態および第2形態を例にとり説明するが、これらに限定はされない。
図1には、長尺積層シートの第1形態を示す。図1Aは、巻収体1から長尺積層シート2を送り出した状態を示し、図1Bは図1AのA-A線断面図であり、図1Cは図1AのB-B線断面図である。
長尺の剥離シート14上に、樹脂膜形成層を構成する樹脂層を全面に形成し、この樹脂層を、矩形状に型抜きする。この際、樹脂膜形成層を完全に切断し、剥離シート14には浅い切込みが生じる程度に抜き刃を切り込む。次いで、型抜きされた樹脂膜形成層の外周を除去し、矩形状の樹脂膜形成層12を剥離シート14に残留させる。
次いで、粘着シートをリングフレームの形状に合わせて切り込む。この際、樹脂膜形成層12が、切り込み形状のほぼ中央に位置するように位置合わせした上で切り込む。同時に、予定した補助シート15の形状に合わせて粘着シートに切り込みを作成する。この際、粘着シートを完全に切断し、剥離シートには浅い切込みが生じる程度に抜き刃を切り込む。その後、樹脂膜形成層付支持シート10と補助シート15との間の余剰部分16(カス部)を除去することで、剥離シート14上に、所定形状の樹脂膜形成層付支持シート10が得られ、剥離シート14の短手方向両端に補助シート15が残留し、前記構造の長尺積層シート2が得られる。
図2には、長尺積層シートの第2形態を示す。図2Aは、巻収体3から長尺積層シート4を送り出した状態を示し、図2Bは図2AのA-A線断面図であり、図2Cは図2AのB-B線断面図である。
長尺の剥離シート24上に、樹脂膜形成層を構成する樹脂層を全面に形成し、この樹脂層を、矩形状に型抜きする。この際、樹脂膜形成層を完全に切断し、剥離シートには浅い切込みが生じる程度に抜き刃を切り込む。次いで、型抜きされた樹脂膜形成層の外周を除去し、矩形状の樹脂膜形成層22を剥離シート24に残留させる。
第2の実施態様に係る長尺積層シートでは、長尺積層シートを送り出し、樹脂膜形成層付支持シート10を長尺の剥離シート14から剥離しつつ被着体に貼付する際に、該被着体に最初に接する樹脂膜形成層付支持シートの先端辺の形状が、樹脂膜形成層付支持シートの外側に凸状であることを特徴としている。
図5は本発明の第3の実施態様に係る長尺積層シートにおける樹脂膜形成層付支持シート10の平面図である。図5A~図5Dに示すように、第3の実施態様に係る長尺積層シートでは、その長手方向に沿った樹脂膜形成層付支持シート10の側辺31が、波状に加工されてなることを特徴としている。
第4および第5の実施態様は、カス上げ時における余剰部分(カス部)の破断防止を目的としている。
この不都合を解消するためには、余剰部分の形状を、剥離力が徐々に変化するように設計すること着想した。
なお、先端辺の意味は前記と同様であり、後端辺は、先端辺の反対側の辺をいい、樹脂膜形成層付支持シートを被着体に貼付する際に、最後に接する辺を意味する。
図6Bに示す構成では、角部を1つの線によりテーパ状に形成している態様を示したが、2本以上の線で角部を連結してもよい。
第5の実施態様は、第4の実施態様と同様に、カス上げ時における余剰部分(カス部)の破断防止を目的としている。
第5の実施態様では、長尺積層シートの、長手方向に沿った2つの樹脂膜形成層付支持シート10の間に、補助シート15の一部が凸状に突出してなり、該凸状部が、円弧状の曲線または、内角が90°以上となるよう短い線により結ばれた形状に構成されてなることを特徴としている。
図7Bに示す構成では、凸部を3つの線による両テーパ状に形成している態様を示したが、4本以上の線で凸部を連結してもよい。
長尺積層シート2の製造時には、前記したように、剥離シート14の上に設けられた支持シート11、樹脂膜形成層12およびリングフレーム保持手段13の積層体をリングフレームの形状に合わせて切り込む。同時に、予定した補助シート15の形状に合わせて切り込みを作成する。この際には、積層体を完全に切断し、剥離シートには浅い切込みが生じる程度に抜き刃を切り込む。その後、樹脂膜形成層付支持シート10と補助シート15との間の余剰部分16(カス部)を除去することで、剥離シート14上に、所定形状の樹脂膜形成層付支持シート10が得られ、剥離シート14の短手方向両端に補助シート15が残留し、前記構造の長尺積層シート2が得られる。
したがって、第6の実施態様の目的は、長尺積層シート2から、樹脂膜形成層付支持シート10を剥離する際の長尺剥離シートの切断を防止することにある。
[支持シート]
第1の形態における支持シート11としてはダイシングシートなどの粘着シートが用いられる。第2の形態における支持シート21としては、剥離シートが挙げられ、また、後述するダイシングシートなどの粘着シートを用いることもできる。
樹脂膜形成層12、22は、保護膜を形成するための前駆体層であるか、または接着剤層からなる。樹脂膜形成層に少なくとも要求される機能は、(1)シート形状維持性、(2)初期接着性および(3)硬化性である。
なお、樹脂膜形成層を硬化するまでの間、パッケージに仮着させておくための機能である(2)初期接着性は、感圧接着性であってもよく、熱により軟化して接着する性質であってもよい。(2)初期接着性は、通常バインダー成分の諸特性や、後述する無機フィラー(C)の配合量の調整などにより制御される。
第1のバインダー成分は、重合体成分(A)と硬化性成分(B)を含有することにより、樹脂膜形成層にシート形状維持性と硬化性を付与する。なお、第1のバインダー成分は、第2のバインダー成分と区別する便宜上、硬化性重合体成分(AB)を含有しない。
重合体成分(A)は、樹脂膜形成層にシート形状維持性を付与することを主目的として樹脂膜形成層に添加される。
上記の目的を達成するため、重合体成分(A)の重量平均分子量(Mw)は、通常20,000以上であり、20,000~3,000,000であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)の値は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法(GPC)法(ポリスチレン標準)により測定される場合の値である。このような方法による測定は、たとえば、東ソー社製の高速GPC装置「HLC-8120GPC」に、高速カラム「TSK gurd column HXL-H」、「TSK Gel GMHXL」、「TSK Gel G2000 HXL」(以上、全て東ソー社製)をこの順序で連結したものを用い、カラム温度:40℃、送液速度:1.0mL/分の条件で、検出器を示差屈折率計として行われる。
なお、後述する硬化性重合体(AB)と区別する便宜上、重合体成分(A)は後述する硬化機能官能基を有しない。
重合体成分(A)としては、アクリル系重合体(A1)が好ましく用いられる。アクリル系重合体(A1)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは-60~50℃、より好ましくは-50~40℃、さらに好ましくは-40~30℃の範囲にある。アクリル系重合体(A1)のガラス転移温度が高いと樹脂膜形成層の接着性が低下し、ワークに転写できなくなることや、転写後にワークから樹脂膜形成層または樹脂膜形成層を硬化して得られる樹脂膜が剥離する等の不具合を生じることがある。また、アクリル系重合体(A1)のガラス転移温度が低いと樹脂膜形成層と支持シートとの剥離力が大きくなって樹脂膜形成層の転写不良が起こることがある。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が1~18であるアルキル(メタ)アクリレート、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど;環状骨格を有する(メタ)アクリレート、具体的にはシクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、後述する水酸基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体、アミノ基を有する単量体として例示するもののうち、(メタ)アクリル酸エステルであるものを例示することができる。
また、重合体成分(A)として、ポリエステル、フェノキシ樹脂(後述する硬化性重合体(AB)と区別する便宜上、エポキシ基を有しないものに限る。)、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリシロキサン、ゴム系重合体またはこれらの2種以上が結合したものから選ばれる非アクリル系樹脂(A2)の1種単独または2種以上の組み合わせを用いてもよい。このような樹脂としては、重量平均分子量が20,000~100,000のものが好ましく、20,000~80,000のものがさらに好ましい。
硬化性成分(B)は、樹脂膜形成層に硬化性を付与することを主目的として添加される。硬化性成分(B)は、熱硬化性成分(B1)、またはエネルギー線硬化性成分(B2)を用いることができる。また、これらを組み合わせて用いてもよい。熱硬化性成分(B1)は、少なくとも加熱により反応する官能基を有する化合物を含有する。また、エネルギー線硬化性成分(B2)は、エネルギー線照射により反応する官能基を有する化合物(B21)を含有し、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合硬化する。これらの硬化性成分が有する官能基同士が反応し、三次元網目構造が形成されることにより硬化が実現される。硬化性成分(B)は、重合体成分(A)と組み合わせて用いるため、樹脂膜形成層を形成するための塗工用組成物の粘度を抑制し、取り扱い性を向上させる等の観点から、通常その重量平均分子量(Mw)は、10,000以下であり、100~10,000であることが好ましい。
熱硬化性成分としては、たとえば、エポキシ系熱硬化性成分が好ましい。
エポキシ系熱硬化性成分は、エポキシ基を有する化合物(B11)を含有し、エポキシ基を有する化合物(B11)と熱硬化剤(B12)を組み合わせたものを用いることが好ましい。
エポキシ基を有する化合物(B11)(以下、「エポキシ化合物(B11)」ということがある。)としては、従来公知のものを用いることができる。具体的には、多官能系エポキシ樹脂や、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂など、分子中に2官能以上有するエポキシ化合物が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱硬化剤(B12)は、エポキシ化合物(B11)に対する硬化剤として機能する。好ましい熱硬化剤としては、1分子中にエポキシ基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。その官能基としてはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基および酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基、酸無水物などが挙げられ、さらに好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基が挙げられる。
アミン系硬化剤の具体的な例としては、DICY(ジシアンジアミド)が挙げられる。
これらは、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
硬化促進剤(B13)を、樹脂膜形成層の熱硬化の速度を調整するために用いてもよい。硬化促進剤(B13)は、特に、熱硬化性成分(B1)として、エポキシ系熱硬化性成分を用いるときに好ましく用いられる。
樹脂膜形成層がエネルギー線硬化性成分を含有することで、多量のエネルギーと長い時間を要する熱硬化工程を行うことなく樹脂膜形成層の硬化を行うことができる。これにより、製造コストの低減を図ることができる。
エネルギー線硬化性成分は、エネルギー線照射により反応する官能基を有する化合物(B21)を単独で用いてもよいが、エネルギー線照射により反応する官能基を有する化合物(B21)と光重合開始剤(B22)を組み合わせたものを用いることが好ましい。
エネルギー線照射により反応する官能基を有する化合物(B21)(以下「エネルギー線反応性化合物(B21)」ということがある。)としては、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4-ブチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート等のアクリレート系化合物が挙げられ、また、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートおよびイタコン酸オリゴマーなどのアクリレート系化合物等の重合構造を有するアクリレート化合物であって、比較的低分子量のものが挙げられる。このような化合物は、分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有する。
エネルギー線反応性化合物(B21)に光重合開始剤(B22)を組み合わせることで、重合硬化時間を短くし、ならびに光線照射量を少なくすることができる。
光重合開始剤(B22)の配合割合が0.1質量部未満であると光重合の不足で満足な硬化性が得られないことがあり、10質量部を超えると光重合に寄与しない残留物が生成し、不具合の原因となることがある。
第2のバインダー成分は、硬化性重合体成分(AB)を含有することにより、樹脂膜形成層にシート形状維持性と硬化性を付与する。
硬化性重合体成分は、硬化機能官能基を有する重合体である。硬化機能官能基は、互いに反応して三次元網目構造を構成しうる官能基であり、加熱により反応する官能基や、エネルギー線により反応する官能基が挙げられる。
硬化機能官能基は、硬化性重合体(AB)の骨格となる連続構造の単位中に付加していてもよいし、末端に付加していてもよい。硬化機能官能基が硬化性重合体成分(AB)の骨格となる連続構造の単位中に付加している場合、硬化機能官能基は側鎖に付加していてもよいし、主鎖に直接付加していてもよい。硬化性重合体成分(AB)の重量平均分子量(Mw)は、樹脂膜形成層にシート形状維持性を付与する目的を達成する観点から、通常20,000以上である。
また、上述のアクリル系重合体(A1)と同様の重合体であって、単量体として、エポキシ基を有する単量体を用いて重合したもの(エポキシ基含有アクリル系重合体)であってもよい。エポキシ基を有する単量体としては、たとえばグリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
エポキシ基含有アクリル系重合体を用いる場合、その好ましい態様はエポキシ基以外についてアクリル系重合体(A1)と同様である。
また、たとえば側鎖に水酸基等の官能基Xを有する原料重合体に、官能基Xと反応しうる官能基Y(たとえば、官能基Xが水酸基である場合にはイソシアネート基等)およびエネルギー線照射により反応する官能基を有する低分子化合物を反応させて調製した重合体を用いてもよい。
この場合において、原料重合体が上述のアクリル系重合体(A1)に該当するときは、その原料重合体の好ましい態様は、アクリル系重合体(A1)と同様である。
樹脂膜形成層は、無機フィラー(C)を含有していてもよい。無機フィラー(C)を樹脂膜形成層に配合することにより、硬化後の樹脂膜における熱膨張係数を調整することが可能となり、パッケージに対して硬化後の樹脂膜の熱膨張係数を最適化することで半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、硬化後の樹脂膜の吸湿性を低減させることも可能となる。
樹脂膜形成層は、透明であっても良い。また樹脂膜形成層には、着色剤(D)を配合して着色してもよい。着色剤を配合することで、レーザーマーキング等の手段により樹脂膜に刻印を行った場合に、文字、記号等のマークが認識しやすくなるという効果がある。すなわち、樹脂膜が形成されたパッケージでは、樹脂膜の表面に品番等が通常レーザーマーキング法(レーザー光により保護膜表面を削り取り印字を行う方法)により印字されるが、樹脂膜が着色剤(D)を含有することで、樹脂膜のレーザー光により削り取られた部分とそうでない部分のコントラスト差が充分に得られ、視認性が向上する。
着色剤(D)の配合量は、樹脂膜形成層を構成する全固形分100質量部に対して、好ましくは0.1~35質量部、さらに好ましくは0.5~25質量部、特に好ましくは1~15質量部である。
無機物と反応する官能基および有機官能基と反応する官能基を有するカップリング剤(E)を、樹脂膜形成層のパッケージに対する接着性、密着性および/または樹脂膜の凝集性を向上させるために用いてもよい。また、カップリング剤(E)を使用することで、樹脂膜形成層を硬化して得られる樹脂膜の耐熱性を損なうことなく、その耐水性を向上させることができる。このようなカップリング剤としては、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、シランカップリング剤等が挙げられる。これらのうちでも、シランカップリング剤が好ましい。
このようなシランカップリング剤としてはγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-6-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-6-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシランなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
樹脂膜形成層には、上記の他に、必要に応じて各種添加剤が配合されてもよい。各種添加剤としては、レベリング剤、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、イオン捕捉剤、ゲッタリング剤、連鎖移動剤や剥離剤などが挙げられる。
第1形態の樹脂膜形成層付支持シート10では、支持シート11が粘着シートからなり、樹脂膜形成層12の外周部に露出している粘着剤層11Bがリングフレーム保持手段として機能する。
粘着剤層を形成する粘着剤としては、上記の粘着剤層単体からなる粘着部材における粘着剤層を形成する粘着剤と同様である。また、粘着剤層の厚さも同様である。
長尺剥離シート14、24は、樹脂膜形成用シートの使用時にキャリアフィルムとしての役割を果たすものであり、上述した支持シートとして例示した剥離シートを用いることができる。
長尺剥離シートの具体例や、剥離剤、剥離処理方法等は、前述した支持シートの一例として説明した剥離シートと同様である。
まず、巻収体から長尺積層シートを送り出し、ピールプレートにより急角度で折り曲げながら、樹脂膜形成層付支持シートを、長尺剥離シートから剥離し、樹脂膜形成層付支持シートをチップ群パッケージに貼付する。同時にリングフレーム保持手段にリングフレームを固定する。次いで、樹脂膜形成層とチップ群パッケージとを完全に切断し、支持シートを完全には切断しないようにダイシングする。ダイシング後に分割されたパッケージを、樹脂膜形成層とともに支持シートから剥離して、樹脂膜形成層が転写されたパッケージが得られる。樹脂膜形成層を保護膜として使用する場合には、ダイシングに先立ち樹脂膜形成層を硬化して保護膜としてもよく、またダイシング後に硬化してもよい。また、樹脂膜形成層を接着剤層として使用する場合には、所定の被着体上に、樹脂膜形成層を介してパッケージを貼付し、必要に応じ樹脂膜形成層を硬化する。
このようなプロセスは、半導体ウエハ、チップへの保護膜の形成あるいは接着剤層の転写に関するWO2015/146254に記載の方法に準じて行われる。
2,4…長尺積層シート
10…第1の実施態様の第1形態に係る樹脂膜形成層付支持シート
11…支持シート
12…樹脂膜形成層
13…リングフレーム保持手段
14…長尺剥離シート
15…補助シート
16…余剰部分(カス部)
20…第1の実施態様の第2形態に係る樹脂膜形成層付支持シート
21…支持シート
21A…基材
21B…粘着剤層
22…樹脂膜形成層
23…リングフレーム保持手段
24…長尺剥離シート
25…補助シート
31…側辺
32…中間辺
33…最外辺
34…先端辺
35…後端辺
40…ピールプレート
41,42,43…ガイドローラ
44…チップ群パッケージ
45…リングフレーム
46…廃棄テープ
50…切り込み部
Claims (9)
- 複数の半導体チップが樹脂封止されてなる半導体パッケージに、樹脂層を形成し、かつ半導体パッケージをダイシングするために用いられる長尺積層シートであって、略矩形の支持シートと、該支持シート上の内周部に形成されている略矩形の樹脂膜形成層とを有し、平面視で樹脂膜形成層を取り囲む領域にリングフレームを保持するための略矩形のリングフレーム保持手段を有する樹脂膜形成層付支持シートと、
長尺の剥離シートとを含み、
該剥離シートの剥離処理面上の短手方向両端には、長尺の補助シートが連続して積層されてなり、
該剥離シートの剥離処理面上の短手方向内側には、剥離シートの長手方向に沿って複数の樹脂膜形成層付支持シートが剥離可能に独立して仮着されてなる、長尺積層シート。 - 該長尺積層シートを送り出し、樹脂膜形成層付支持シートを長尺の剥離シートから剥離しつつ被着体に貼付する際に、該被着体に最初に接する樹脂膜形成層付支持シートの先端辺の形状が、樹脂膜形成層付支持シートの外側に凸状である請求項1に記載の長尺積層シート。
- 前記樹脂膜形成層付支持シートの先端辺の形状が、下記の何れかである請求項2に記載の長尺積層シート:
〔1〕頂点部分に円弧状部分を有するとともに、前記円弧状部分の各端部に連続する直線状部分を有する形状、
〔2〕円弧状、
〔3〕楕円弧状、
〔4〕底辺のない三角形状、
〔5〕下底のない台形状
〔6〕〔1〕~〔5〕の形状から選択される複数の形状を含む形状。 - 前記樹脂膜形成層付支持シートの先端辺の形状が、〔4〕底辺のない三角形状であり、その頂角の内角が、179.8°~168°である、請求項3に記載の長尺積層シート。
- 該長尺積層シートの長手方向に沿った樹脂膜形成層付支持シートの側辺が、波状に加工されてなる、請求項1に記載の長尺積層シート。
- 該長尺積層シートを送り出し、樹脂膜形成層付支持シートを長尺の剥離シートから剥離しつつ被着体に貼付する際に、該被着体に最初に接する樹脂膜形成層付支持シートの先端辺および最後に接する後端辺と、
長尺積層シートの長手方向に沿った樹脂膜形成層付支持シートの側辺とが、円弧状の曲線または、内角が90°以上となるように短い線により結ばれた形状によって、連結してなる請求項1に記載の長尺積層シート。 - 長手方向に沿った2つの樹脂膜形成層付支持シートの間に、補助シートの一部が凸状に突出してなり、
該凸状部が、円弧状の曲線または、内角が90°以上となるよう短い線により結ばれた形状に構成されてなる請求項1に記載の長尺積層シート。 - 樹脂膜形成層付支持シートの外延に沿って、長尺の剥離シートに切り込みが形成されてなり、切り込み部における剥離シートの厚さが、剥離シートの全厚の20%以上である、請求項1に記載の長尺積層シート。
- 請求項1~8の何れかに記載の長尺積層シートがロール状に巻き取られてなる巻収体。
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---|---|---|---|
JP2018009740A JP7045201B2 (ja) | 2018-01-24 | 2018-01-24 | 長尺積層シートおよびその巻収体 |
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