JP7044666B2 - 電力需給制御装置および電力需給制御方法 - Google Patents

電力需給制御装置および電力需給制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7044666B2
JP7044666B2 JP2018160432A JP2018160432A JP7044666B2 JP 7044666 B2 JP7044666 B2 JP 7044666B2 JP 2018160432 A JP2018160432 A JP 2018160432A JP 2018160432 A JP2018160432 A JP 2018160432A JP 7044666 B2 JP7044666 B2 JP 7044666B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
power supply
demand control
self
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018160432A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020036436A (ja
Inventor
健太郎 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Research Institute of Electric Power Industry
Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Research Institute of Electric Power Industry filed Critical Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority to JP2018160432A priority Critical patent/JP7044666B2/ja
Publication of JP2020036436A publication Critical patent/JP2020036436A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7044666B2 publication Critical patent/JP7044666B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/30Reactive power compensation

Description

本発明は、電力需給制御装置および電力需給制御方法に関する。
太陽光発電(PV)が連系している配電系統において、電力会社では電圧調整対策コストの削減、需要家側では電圧上昇抑制によるPVの発電機会損失の低減が主要な課題の一つとなっている。現在、電圧調整手法の一手法として、非特許文献1に規定されているようにPV用パワーコンディショナ(PCS)の力率一定制御手法が採用されている。
系統連系規程、電気技術規程系統連系編、JEAC 9701-2016[2017年 追補版(その1)、JESC E0019(2016)、日本電気技術規格委員会、一般社団法人日本電気協会 系統連系専門部会、2017
しかしながら、今後、PVの更なる導入やFIT(Feed-in Tariff、固定価格買い取り制度)終了に伴う自家消費型の需要家の増加などにより、無効電力が過剰に系統へ出力される可能性がある。この結果、それらの無効電力により二次系統や配電系統で過度の電圧低下を招く可能性がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、従来より適切に無効電力を制御することができる電力需給制御装置および電力需給制御方法を提供することを目的とする。
[1]上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る電力需給制御装置(PCS)は、自電力需給制御装置の電圧と有効電力と無効電力と力率と定格と配電系統における接続地点に関する情報とを自端情報として所定周期毎に収集し、他の電力需給制御装置から前記自端情報を前記所定周期毎に取得する共有部(101)と、前記自電力需給制御装置の自端情報と、前記他の電力需給制御装置の自端情報と、制御部必要な制御設定値とを記憶する記憶部(103)と、前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行うか否かを前記所定周期毎に判断し、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行う場合に前記記憶部が記憶する情報に基づいて力率を変更しながら無効電力の制御を行う処理部(102)と、を備える。
[2]また、本発明の一態様に係る電力需給制御装置において、無効電力注入可能範囲は、有効電力対無効電力の平面上において、当該電力需給制御装置の定格と設定した力率上下限値によって定まる領域を示す範囲であって、無効電力を注入する際、前記処理部は、全ての前記電力需給制御装置の電圧が上限しきい値以上であり、かつ全ての前記電力需給制御装置のうち1つ以上が無効電力注入可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力を注入可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が最大電圧の接続地点である場合に無効電力を注入するように制御するようにしてもよい。
[3]また、本発明の一態様に係る電力需給制御装置において、前記処理部は、前記自電力需給制御装置が最大電圧の接続地点ではない場合、最大電圧の地点が前記配電系統における末端側で有り無効電力を注入可能な前記電力需給制御装置のうち最大電圧の接続地点に最も近い接続地点である場合に無効電力を注入するように制御するようにしてもよい。
[4]また、本発明の一態様に係る電力需給制御装置において、前記処理部は、最大電圧の地点が末端側で有り無効電力を注入可能な前記電力需給制御装置のうち最大電圧の接続地点に最も近い接続地点ではない場合、前記末端側の前記電力需給制御装置が無効電力注入可能範囲外であり、かつ前記自電力需給制御装置が前記配電系統における上位側で無効電力を注入可能な前記電力需給制御装置のうち最大電圧の接続地点に最も近い接続地点である場合に無効電力を注入するように制御するようにしてもよい。
[5]また、本発明の一態様に係る電力需給制御装置において、無効電力注入可能範囲は、有効電力対無効電力の平面上において、当該電力需給制御装置の定格と設定した力率上下限値によって定まる領域を示す範囲であって、無効電力を注入する際、前記処理部は、全ての前記電力需給制御装置の電圧が上限しきい値以上であり、かつ前記自電力需給制御装置および前記他の電力需給制御装置のうち1つ以上が無効電力注入可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力注入可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力を注入可能な前記電力需給制御装置のうち最大電圧の場合に無効電力を注入するように制御するようにしてもよい。
[6]また、本発明の一態様に係る電力需給制御装置において、無効電力減少可能範囲は、有効電力対無効電力の平面上において、当該電力需給制御装置の定格と設定した力率上下限値によって定まる領域を示す範囲であって、無効電力を減少させる際、前記処理部は、全ての前記電力需給制御装置の電圧が解除電圧しきい値以下であり、かつ全ての前記電力需給制御装置のうち1つ以上が無効電力減少可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力減少可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が前記配電系統における上位側で無効電力を減少可能な前記電力需給制御装置のうち最大電圧の接続地点に最も遠い接続地点である場合に無効電力を減少させるように制御するようにしてもよい。
[7]また、本発明の一態様に係る電力需給制御装置において、前記処理部は、前記配電系統における上位側の前記電力需給制御装置が無効電力減少可能範囲外であり、かつ前記自電力需給制御装置が前記配電系統における末端側で無効電力を減少可能な前記電力需給制御装置のうち最大電圧の接続地点に最も遠い接続地点である場合に無効電力を減少させるように制御するようにしてもよい。
[8]また、本発明の一態様に係る電力需給制御装置において、前記処理部は、前記配電系統における末端側の前記電力需給制御装置が無効電力減少可能範囲外である場合に無効電力を減少させるように制御するようにしてもよい。
[9]また、本発明の一態様に係る電力需給制御装置において、無効電力減少可能範囲は、有効電力対無効電力の平面上において、当該電力需給制御装置の定格kVAと設定した力率上下限値によって定まる領域を示す範囲であって、無効電力を減少させる際、前記処理部は、全ての前記電力需給制御装置の電圧が解除電圧しきい値以下であり、かつ全ての前記電力需給制御装置のうち1つ以上が無効電力減少可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力減少可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力を減少可能な前記電力需給制御装置のうち最小電圧の接続地点である場合に無効電力を減少させるように制御するようにしてもよい。
[10]上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る電力需給制御方法は、共有部が、自電力需給制御装置の電圧と有効電力と無効電力と力率と定格と配電系統における接続地点に関する情報とを自端情報として所定周期毎に収集するステップと、前記共有部が、他の電力需給制御装置から前記自端情報を前記所定周期毎に取得するステップと、処理部が、前記自電力需給制御装置の自端情報と、前記他の電力需給制御装置の自端情報と、制御部必要な制御設定値とを記憶部に記憶させるステップと、前記処理部が、前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行うか否かを前記所定周期毎に判断するステップと、前記処理部が、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行う場合に前記記憶部が記憶する情報に基づいて力率を変更しながら無効電力の制御を行うステップと、を含む。
本発明によれば、従来より適切に無効電力を制御し,配電線の電圧を適切に維持することができる。
本実施形態に係る配電系統モデルを示す図である。 図1の配電系統モデルにおいて3kWの系統への逆潮流が各需要家で生じている状況における各需要家の電圧を示す図である。 図1の配電系統モデルにおいて需要家のうち1軒のみから1kvarを注入し、その時の各需要家の電圧変化を計算した結果を示す図である。 第1実施形態に係るPCSの構成例を示すブロック図である。 第1実施形態に係るPCSの記憶部が記憶する情報例を示す図である。 第1実施形態に係る無効電力制御開始時の力率の変化と無効電力注入可能範囲例を示す図である。 第1実施形態に係る無効電力制御開始時の処理手順のフローチャートである。 第1実施形態に係る無効電力制御開始時の処理手順のフローチャートである。 第1実施形態に係る電圧適正化に伴う制御解除時の力率の変化と無効電力減少可能な範囲例を示す図である。 第1実施形態に係る電圧適正化に伴う制御解除時の処理手順のフローチャートである。 第1実施形態に係る電圧適正化に伴う制御解除時の処理手順のフローチャートである。 試験で用いた模擬配線系統を示す図である。 試験に用いた検証装置の仕様を示す図である。 試験に用いた検証装置の構成例を示す図である。 基本動作確認試験で行った試験ケースを示す図である。 試験ケース1における需要家の電圧の計時変化と、需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。 試験ケース2における需要家の電圧の計時変化と、需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。 試験ケース3における需要家の電圧の計時変化と、需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。 試験ケース4における需要家の電圧の計時変化と、需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。 試験ケース5における需要家の電圧の計時変化と、需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。 60秒ごとに0.5V刻みで電源電圧を切り替えたときの需要家の電圧の計時変化と、需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。 各需要家のPV発電電力カーブを示す図である。 需要家4軒から出力される無効電力出力の総和により柱上変圧器を通過する無効電力および代表地点として末端の需要家4の電圧を示す図である。 力率一定制御手法および本実施形態の手法の平均無効電力値の算出結果を示す図である 第2実施形態に係る無効電力制御開始時の処理手順のフローチャートである。 第2実施形態に係る電圧適正化に伴う制御解除時の処理手順のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
[配電系統モデルを用いた試験]
図1は、本実施形態に係る配電系統モデルを示す図である。
図1は、低圧配電系統を模擬したモデルである。図1に示すように、配電系統モデル1は、電源V、柱上変圧器T、低圧配電線LD、引込線LS、PCS(電力需給制御装置)1、負荷1、PCS2、負荷2、PCS3、負荷3、PCS4、および負荷4を含んで構成される。
電源Vは、電源電圧であり100V系である。
柱上変圧器Tは、電柱に接地されている配電用変圧器である。
インピーダンスZTrは、高圧配電線および柱上変圧器のインピーダンス分であり、100V系の低圧換算で46mΩ+j66mΩである。
インピーダンスZDLは、線種がOW(Outdoor Weatherproof;屋外用ビニル絶縁電線)60sq(スクエア)の低圧配電線の亘長40m相当のインピーダンス分であり、100V系の低圧換算で24mΩ+j24mΩである。
インピーダンスZSLは、線種がDV電線(polyvinyl chloride insulated drop service wires;引込み用ビニル絶縁電線)14sqの引込線の亘長20m相当のインピーダンス分であり、100V系の低圧換算で57.8mΩ+j4mΩである。
PCSn(nは1から4の整数)は、需要家に設置されるパワーコンディショナである。PCSnは電圧Vnを出力する。以下の説明において、PCS1~PCS4のうち1つを特定しない場合は、PCSという。
負荷nは、需要家の負荷である。以下の説明において、負荷1~負荷4のうち1つを特定しない場合は、負荷という。
図1に示すように、PCSnと負荷nが需要家n(以下、需nという)のパワーコンディショナと負荷に相当する。
試験では、電源Vの電圧2を106Vとし、PCSからの発電が4kW、負荷の消費電力が1kW、すなわち3kWの系統への逆潮流が各需要家で生じている状況を想定した。なお、負荷は、抵抗負荷を想定した。
この条件の時の各需要家電圧は、図2のようになる。図2は、図1の配電系統モデルにおいて3kWの系統への逆潮流が各需要家で生じている状況における各需要家の電圧を示す図である。図2において、横軸は需要家の番号であり、縦軸は需要家の電圧(V)である。図2に示すように、需要家1を上流、需要家4を下流とすると、需要家の電圧は、上流から下流の順に高くなっている。
この状況から需要家のうち1軒のみから1kvarを注入し、その時の各需要家の電圧変化を計算する。計算では、注入する需要家を需要家1から需要家4の4つのケースを設定した。
図3は、図1の配電系統モデルにおいて需要家のうち1軒のみから1kvarを注入し、その時の各需要家の電圧変化を計算した結果を示す図である。なお、計算値は、配電系統総合解析ツールであるCALDG(電力中央研究所)によるシミュレーション結果である。図3において、横軸は需要家の番号であり、電圧変化(V)である。
符号g11は、PCS1から無効電力1kVar(バール)出力した際の需要家1における電圧変化である。符号g12は、PCS2から無効電力1kVar出力した際の需要家1における電圧変化である。符号g13は、PCS3から無効電力1kVar出力した際の需要家1における電圧変化である。符号g14は、PCS4から無効電力1kVar出力した際の需要家1における電圧変化である。
符号g21は、PCS1から無効電力1kVar出力した際の需要家2における電圧変化である。符号g22は、PCS2から無効電力1kVar出力した際の需要家2における電圧変化である。符号g23は、PCS3から無効電力1kVar出力した際の需要家2における電圧変化である。符号g24は、PCS4から無効電力1kVar出力した際の需要家2における電圧変化である。
符号g31は、PCS1から無効電力1kVar出力した際の需要家3における電圧変化である。符号g32は、PCS2から無効電力1kVar出力した際の需要家3における電圧変化である。符号g33は、PCS3から無効電力1kVar出力した際の需要家3における電圧変化である。符号g34は、PCS4から無効電力1kVar出力した際の需要家3における電圧変化である。
符号g41は、PCS1から無効電力1kVar出力した際の需要家4における電圧変化である。符号g42は、PCS2から無効電力1kVar出力した際の需要家4における電圧変化である。符号g43は、PCS3から無効電力1kVar出力した際の需要家4における電圧変化である。符号g44は、PCS4から無効電力1kVar出力した際の需要家4における電圧変化である。
図3の結果から、自端の電圧を変化させる効果は、自端を含めて線路末端側からの注入時に大きいことがわかる。
例えば需3の電圧変化を見ると、符号g33のように、自端から無効電力を出力した時が最も効果的である。これは、自端から無効電力を出力する場合、低圧配電線に加えて引込線のインピーダンスが追加されるため、他のケースと比較して電圧低下が大きくなるためである。
二番目に、符号g34のように自端PCS3から自端より末端側にあるPCS4から無効電力を出力した時が効果的である。ただし、自端と末端側との電圧の変化の差は小さい。この理由は、引込線のインピーダンスは抵抗成分が大きく、リアクタンス分が小さいため、引込線分の無効電力による電圧低下の効果が小さいためである。
三番目に、符号g32に示すように、自端PCS3から近く自端より系統側にあるPCS2から無効電力を出力した時が効果的である。
最後に、符号g31に示すように、自端PCS3から自端より系統側にあるPCS1から無効電力を出力した時が効果的である。
すなわち、自端から無効電力を出力した時が最も効果的であり、自端の電圧を変化させる効果は自端を含めて線路末端側からの注入時に大きい。
この理由は、線路に流れる無効電流分の経路を考えると、自端と柱上変圧器T間の低圧配電線LDの無効電流の値が同じとなり、低圧配電線LDの電圧降下が同じになるためである。
以上の無効電力注入に対する電圧変化の効果の大きさから、低圧需要家群で電圧逸脱が生じた場合、無効電力を出力する場所の最適な順番は、次の通りとなる。
優先順位1.電圧の最も高い地点
優先順位2.電圧の最も高い地点より末端側
優先順位3.電圧の最も高い地点より系統側
<第1実施形態>
[PCSの構成例]
次に、PCSの構成例を説明する。
図4は、本実施形態に係るPCSnの構成例を示すブロック図である。図4に示すように、PCSnそれぞれは、共有部101、処理部102、および記憶部103を備えている。
共有部101は、自装置の自端情報を収集し、収集した自装置の自端情報を処理部102に出力する。共有部101は、電力線または無線通信あるいは有線通信を介して、他のPCSから自端情報を取得し、取得した他のPCSの自端情報を処理部102に出力することで情報を共有させる。共有部101は、処理部102が出力する自端情報を、電力線または無線通信あるいは有線通信を介して、他のPCSへ送信する。なお、通信タイミングは、例えば1秒間隔である。
処理部102は、共有部101は出力する自装置と他のPCSの自端情報を記憶部103に記憶させることで情報を共有する。処理部102は、自端情報を共有部101に出力する。処理部102は、自端情報、他のPCSの自端情報、記憶部103が記憶する制御設定値に基づいて、自PCSが無効電力を出力するか否か判断する。処理部102は、自PCSが無効電力を出力する場合、出力する無効電力を制御する。なお、自PCSが無効電力を出力するか否か判断方法については後述する。処理部102は、時刻を計時できるタイマーを有している。
記憶部103は、図5に示すように自端情報と、制御設定値を記憶する。図5は、本実施形態に係るPCSの記憶部103が記憶する情報例を示す図である。
自端情報は、電圧、有効電力、無効電力、力率、定格(kVA)の各値、および接続地点情報である。ここで、接続地点上情報とは、上流の系統側から下流の末端側に対して接続順を示す情報であり、例えば図1において、PCS1の接続地点情報が“接続地点1”、PCS2の接続地点情報が“接続地点2”、PCS3の接続地点情報が“接続地点3”、およびPCS4の接続地点情報が“接続地点4”である。なお、PCSnそれぞれがGPS(Global Positioning System;全地球測位システム)受信器を備えている場合、接続地点情報は、PCSnが接地されている位置情報(緯度、経度)であってもよい。接続地点情報は、予め記憶部103が記憶する。
制御設定値は、電圧上限しきい値、力率上下限値(初期値)、刻み幅である。制御設定値は、予め記憶部103が記憶する。電圧上限しきい値は、100V系であるため、例えば107Vである。力率上下限値(初期値)は、例えば0.95である。刻み幅は、力率を変化させる刻み幅であり、例えば0.05である。
[無効電力制御開始時の処理手順例]
次に、無効電力制御開始時の処理手順例を説明する。
まず、力率の変化と無効電力の注入可能な範囲(以下、無効電力注入可能範囲)を説明する。図6は、本実施形態に係る無効電力制御開始時の力率の変化と無効電力注入可能範囲例を示す図である。図6において、横軸はP(有効電力)[W]、縦軸はQ(無効電力)[W]である。符号g101は、無効電力注入可能範囲の例を示している。PCSの処理部102は、図6に示すように、必要に応じて力率を小さい力率上下限値へ変更する。例えば、力率上下限値の初期値が0.95の場合、処理部102は、必要に応じて0.90に変更する。ここで、無効電力注入可能範囲とは、有効電力(P)-無効電力(Q)平面上において、PCSの定格kVAと設定した力率上下限値(例えば上限値1.0、下限値0.95を初期値)によって定まる領域を示す範囲である。
次に、PCSnそれぞれが行う処理手順について説明する。以下の処理は、PCSnそれぞれが自律して制御周期(例えば1秒毎、所定周期)に行う。図7と図8は、本実施形態に係る無効電力制御開始時の処理手順のフローチャートである。
(ステップS11)処理部102は、自端情報の収集を行い、自端情報を記憶部103に記憶させる。続けて、処理部102は、自端情報を、共有部101を介して他のPCSへ送信する。続けて、処理部102は、共有部101を介して他のPCSが送信した自端情報を受信し、受信した他のPCSの自端情報を記憶部103に記憶させる。なお、収集する自端情報は、電圧(V)、有効電力(P)、無効電力(Q)、力率(pf)、定格kVA、および低圧配電線上での接続地点である。また、処理部102は、制御設定値も他のPCSと共有する。なお、送信する自端情報には、PCSの識別情報が含まれている。PCSの識別情報は、低圧配電線上での接続地点情報であってもよい。
(ステップS12)処理部102は、共有したPCSの自端電圧情報に基づき、1箇所でも電圧が上限しきい値(例えば107V)以上であるか否かを判断する。処理部102は、電圧が上限しきい値以上であると判断した場合(ステップS12;YES)、ステップS13の処理に進める。処理部102は、全ての電圧が上限しきい値未満であると判断した場合(ステップS12;NO)、ステップS18の処理に進める。
(ステップS13)処理部102は、全てのPCSが無効電力注入可能範囲外にあるかを、共有情報に基づき判断する。処理部102は、全てのPCSが無効電力注入可能範囲外にあると判断した場合(ステップS13;YES)、ステップS14の処理に進める。処理部102は、1台でもPCSが無効電力注入可能範囲内にあると判断した場合(ステップS13;NO)、ステップS15の処理に進める。
(ステップS14)処理部102は、力率の上限値および下限値を設定された刻み幅(例えば0.05刻み)で次のより小さく変更した後、ステップ18の処理に進める。
(ステップS15)処理部102は、自端情報から自PCSの動作点が無効電力注入可能範囲内にあるかを判断する。処理部102は、自端情報から自PCSの動作点が無効電力注入可能範囲内にあると判断した場合(ステップS15;YES)、ステップS16の処理に進める。処理部102は、自端情報から自PCSの動作点が無効電力注入可能範囲内にないと判断した場合(ステップS15;NO)、自PCSは現状のまま何もせずにステップS18の処理に進める。
(ステップS16)処理部102は、共有情報に基づき自PCSが最大電圧の地点であるか否かを判断する。処理部102は、自PCSが最大電圧の地点であると判断した場合(ステップS16;YES)、ステップS17の処理に進める。処理部102は、自PCSが最大電圧の地点ではないと判断した場合(ステップS16;NO)、ステップS19(図8)の処理に進める。
(ステップS17)処理部102は、自PCSが無効電力を注入する機器と判断し、決められた無効電力QSTEPを注入する。処理後、処理部102は、ステップS18の処理に進める。
(ステップS18)処理部102は、処理タイミング(例えば1秒)が経過した後、ステップS11の処理に戻す。
図8に移って説明を続ける。
(ステップS19)処理部102は、共有情報に基づき最大電圧地点のPCSが無効電力注入可能範囲内であるか否かを判断する。処理部102は、最大電圧地点のPCSが無効電力注入可能範囲内であると判断した場合(ステップS19;YES)、自PCSは現状のまま何もせずにステップS18(図7)の処理に進める。処理部102は、最大電圧地点のPCSが無効電力注入可能範囲内ではないと判断した場合(ステップS19;NO)、ステップS20の処理に進める。
(ステップS20)処理部102は、共有情報に基づき自PCSが最大電圧地点よりも末端側にある無効電力注入可能なPCSのうち最大電圧地点に最も近い地点であるか否かを判断する。処理部102は、自PCSが最大電圧地点よりも末端側にある無効電力注入可能なPCSのうち最大電圧地点に最も近い地点であると判断した場合(ステップS20;YES)、ステップS17(図7)の処理に進める。処理部102は、自PCSが最大電圧地点よりも末端側にある無効電力注入可能なPCSのうち最大電圧地点に最も近い地点ではないと判断した場合(ステップS20;NO)、ステップS21の処理に進める。
(ステップS21)処理部102は、共有情報に基づき最大電圧地点より末端側にあるPCSが無効電力注入可能範囲内であるか否かを判断する。処理部102は、最大電圧地点より末端側にあるPCSが無効電力注入可能範囲内であると判断した場合(ステップS21;YES)、自PCSは現状のまま何もせずにステップS18(図7)の処理に進める。処理部102は、最大電圧地点より末端側にある全てのPCSが無効電力注入可能範囲内ではないと判断した場合(ステップS21;NO)、ステップS22の処理に進める。
(ステップS22)処理部102は、共有情報に基づき自PCSが最大電圧点よりも系統上位側にある無効電力注入可能なPCSのうち最大電圧地点に最も近い地点であるか否かを判断する。処理部102は、自PCSが最大電圧点よりも系統上位側にある無効電力注入可能なPCSのうち最大電圧地点に最も近い地点であると判断した場合(ステップS22;YES)、ステップS17(図7)の処理に進める。処理部102は、自PCSが最大電圧点よりも系統上位側にある無効電力注入可能なPCSのうち最大電圧地点に最も近い地点ではないと判断した場合(ステップS22;NO)、自PCSは現状のまま何もせずにステップS18(図7)の処理に進める。
以上の手順を、全てのPCSそれぞれが電圧上限しきい値以下に到達するまで、制御周期毎に逐次制御する。なお、上記手順により全てのPCSが無効電力出力上限まで制御を行っても電圧が上限しきい値以下に抑制されない場合は、系統連系規程に従って有効電力出力を減少させるなどの対応を各処理部102が行う。
[電圧適正化に伴う制御解除時の処理手順例]
次に、電圧適正化に伴う制御解除時の処理手順例を説明する。
まず、力率の変化と無効電力の減少可能な範囲(以下、無効電力減少可能範囲という)を説明する。図9は、本実施形態に係る電圧適正化に伴う制御解除時の力率の変化と無効電力減少可能な範囲例を示す図である。図9において、横軸はP(有効電力)[W]、縦軸はQ(無効電力)[W]である。符号g102は、無効電力減少可能な範囲の例を示している。PCSの処理部102は、図9に示すように、必要に応じて力率を大きい力率上下限値へ変更する。例えば、力率上下限値の現在値が0.90の場合、処理部102は、必要に応じて0.95に変更する。ここで、無効電力減少可能範囲とは、前述した無効電力注入可能範囲と同様であるが、PCSが無効電力を出力していない時は範囲の対象から除外される。
次に、PCSnそれぞれが行う処理手順について説明する。以下の処理は、PCSnそれぞれが自律して制御周期(例えば1秒毎)に行う。図10と図11は、本実施形態に係る電圧適正化に伴う制御解除時の処理手順のフローチャートである。
(ステップS31)処理部102は、ステップS11(図7)と同様の処理を行う。処理後、処理部は、ステップS32の処理に進める。
(ステップS12)処理部102は、共有したPCSの自端電圧情報に基づき、全てのPCSの電圧が解除電圧しきい値(例えば106.8V)以下であるか否かを判断する。処理部102は、全てのPCSの電圧が解除電圧しきい値以下であると判断した場合(ステップS32;YES)、ステップS33の処理に進める。処理部102は、全てのPCSの電圧が解除電圧しきい値以下ではないと判断した場合(ステップS32;NO)、現状のまま何もせずにステップS38の処理に進める。
(ステップS33)処理部102は、全てのPCSが無効電力減少可能範囲外にあるかを、共有情報に基づき判断する。処理部102は、全てのPCSが無効電力減少可能範囲外にあると判断した場合(ステップS33;YES)、ステップS34の処理に進める。処理部102は、1台でもPCSが無効電力減少可能範囲内にあると判断した場合(ステップS33;NO)、ステップS35の処理に進める。
(ステップS34)処理部102は、力率の上限値および下限値を設定された刻み幅(例えば0.05刻み)で次のより大きく変更した後、ステップ18の処理に進める。
(ステップS35)処理部102は、自端情報から自PCSの動作点が無効電力減少可能範囲内にあるかを判断する。処理部102は、自端情報から自PCSの動作点が無効電力減少可能範囲内にあると判断した場合(ステップS35;YES)、ステップS36の処理に進める。処理部102は、自端情報から自PCSの動作点が無効電力注入可能範囲内にないと判断した場合(ステップS35;NO)、自PCSは現状のまま何もせずにステップS38の処理に進める。
(ステップS36)処理部102は、共有情報に基づき自PCSが最大電圧地点より系統側上位側で無効電力減少可能なPCSのうち最大電圧地点から最も遠いか否かを判断する。処理部102は、自PCSが最大電圧地点より系統側上位側で無効電力減少可能なPCSのうち最大電圧地点から最も遠い地点と判断した場合(ステップS36;YES)、ステップS37の処理に進める。処理部102は、自PCSが最大電圧地点より系統側上位側で無効電力減少可能なPCSのうち最大電圧地点から最も遠い地点ではないと判断した場合(ステップS36;NO)、ステップS39(図11)の処理に進める。
(ステップS37)処理部102は、自PCSが無効電力を減少する機器と判断し、決められた無効電力QSTEPを減少させる。処理後、処理部102は、ステップS38の処理に進める。
(ステップS38)処理部102は、処理タイミング(例えば1秒)が経過した後、ステップS31の処理に戻す。
図11に移って説明を続ける。
(ステップS39)処理部102は、共有情報に基づき最大電圧地点より系統上位側にあるPCSが無効電力減少可能範囲内であるか否かを判断する。処理部102は、最大電圧地点より系統上位側にあるPCSが無効電力減少可能範囲内であると判断した場合(ステップS39;YES)、自PCSは現状のまま何もせずにステップS38(図10)の処理に進める。処理部102は、最大電圧地点より系統上位側にあるPCSが無効電力減少可能範囲内ではないと判断した場合(ステップS39;NO)、ステップS40の処理に進める。
(ステップS40)処理部102は、共有情報に基づき自PCSが最大電圧地点より末端側にある無効電力減少可能なPCSのうち最大電圧地点に最も遠い地点か否かを判断する。処理部102は、自PCSが最大電圧地点より末端側にある無効電力減少可能なPCSのうち最大電圧地点に最も遠い地点と判断した場合(ステップS40;YES)、ステップS37(図10)の処理に進める。処理部102は、自PCSが最大電圧地点より末端側にある無効電力減少可能なPCSのうち最大電圧地点に最も遠い地点ではないと判断した場合(ステップS40;NO)、ステップS41の処理に進める。
(ステップS41)処理部102は、共有情報に基づき最大電圧地点より末端側にあるPCSが無効電力減少可能範囲内であるか否かを判断する。処理部102は、最大電圧地点より末端側にあるPCSが無効電力減少可能範囲内であると判断した場合(ステップS41;YES)、自PCSは現状のまま何もせずにステップS38(図10)の処理に進める。処理部102は、最大電圧地点より末端側にあるPCSが無効電力減少可能範囲内ではないと判断した場合(ステップS41;NO)、ステップS42の処理に進める。
(ステップS42)処理部102は、これまでの通過した条件分岐の結果から、自PCSが最大電圧地点のPCSであり、かつ無効電力減少可能範囲内にある唯一のPCSであると判断する。処理後、処理部102は、ステップS37の処理に進める。
以上の手順を、少なくとも1台のPCSが制御解除電圧しきい値に到達するまで、制御周期毎に逐次制御する。なお、上記手順により全てのPCSの無効電力出力が零になっても制御解除電圧しきい値に到達しない場合は、無効電力による電圧調整不要の状態であるため、各PCSからは有効電力のみが出力される。
[試験による提案手法の検証]
次に、上述した処理が適切に行われるか、電圧調整手法検証装置(以下、検証装置という)をPCSの代わりに用いて試験を行った結果を説明する。
図12は、試験で用いた模擬配線系統を示す図である。試験の模擬配電系統は図1に示した代低圧配電系統モデルと同様になるよう構成した。高圧配電線の電源はBTB(Back-To-Back;電力潮流制御)電源装置(最大出力1MVA)を用いた。高圧配電線からの電圧は、30kVAの柱上変圧器を介して低圧配電線に課電されるように構成した。低圧配電線の亘長は120mとした。低圧配電線のインピーダンスは、線種OW60sqの低圧配電線40m相当の低圧模擬配電線装置を用いて模擬した。柱上変圧器2次側の直下、および低圧配電線40m、80m、120mの地点からそれぞれ長さ20mの引込線(線種DV14sq)を介して需要家が接続されている構成とした。また、各需要家には、PCSの動作を模擬する電圧調整手法検証装置と消費負荷を模擬する電子負荷装置をそれぞれ接続して構成した。また、図12に示すように、需要家の数を4とした。
図13は、試験に用いた検証装置の仕様を示す図である。なお、図13に示した検証装置の仕様は一例であり、試験条件を満たしていれば他の装置であってもよい。図14は、試験に用いた検証装置の構成例を示す図である。検証装置は、図14に示すようにPCSの構成と同じく入力側が直流(双方向直流電源)で出力側が単相3線式交流に接続される単相インバータ回路で構成される。検証装置の機器容量は、図13に示すように4.7kVAで、その範囲内の有効電力および無効電力を、外部の直流電圧指令により自在に出力させることが可能である。
また、制御の実装は、PC(パーソナルコンピュータ)を用いて構築した。PCは、自端情報の収集および制御設定値の共有に加え、有線LAN(Local Area Network)により他の地点の自端情報を収集してPC内に保存し、その保存された情報を用いて上述した手順に従って自PCSに相当する検証装置の無効電力出力制御を行うようにした。
また、試験では、各需要家の自端情報を、パワーアナライザを用いて計測し、計測値をPCへ出力するようにした。
[基本動作確認試験]
図15は、基本動作確認試験で行った試験ケースを示す図である。図15の電源電圧は、需要家機器が何も接続されていない無負荷状態で柱上変圧器2次側に出力される電圧である。試験では、BTB電源装置に表中の電源電圧になる指令値を与えることにより電源電圧を変更した。また、電源電圧変更前は、無効電力注入動作が開始しないように、全ての需要家電圧を電圧上限しきい値以下にするため電源電圧の設定値を104Vとした。例えば、試験ケース1では、電源電圧を104Vから104.5Vに変更し、無効電力開始(注入)手順を確認した。なお、以下に示す試験結果において、電源電圧の最初の変更時刻を0秒とした。その後、104.5Vから104Vへ変更し、無効電力の解除(減少)手順を確認した。これらの試験を、試験ケース1から5まで電源電圧を変更して実施した。また、上限しきい値を107Vとし、力率上限下限値の初期値を0.95とし、刻み幅を0.05とした。
また、試験では制御周期毎に注入する無効電力の量(ここでは注入速度と呼ぶ)を、100var/s(制御周期1秒あたり100var)とした。
(試験ケース1)
試験ケース1では、図15に示すように、時刻が0秒のとき初期電源電圧の104Vを104.5Vに変更した。また。時刻が約180秒のとき、電源電圧を104.5Vから104Vへ変更した。
図16は、試験ケース1における需要家の電圧の計時変化と、需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。図16(A)は、試験ケース1における需要家の電圧の計時変化を示す図であり、図16(B)は、試験ケース1における需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。図16(A)と図16(B)において横軸は時刻(s)である。図16(A)において縦軸は電圧(V)である。図16(B)において左の縦軸は無効電力(var)であり、右の縦軸は逸脱電圧(V)である。
また、図16(A)において、符号g301は、需要家1の電圧V1の経時変化である。符号g302は、需要家2の電圧V2の経時変化である。符号g303は、需要家3の電圧V3の経時変化である。符号g304は、需要家4の電圧V4の経時変化である。
また、図16(B)において、符号g311は、需要家1から出力される無効電力Q1の経時変化である。符号g312は、需要家2から出力される無効電力Q2の経時変化である。符号g313は、需要家3から出力される無効電力Q3の経時変化である。符号g314は、需要家4から出力される無効電力Q4の経時変化である。符号g315は、104Vからのずれを積算した逸脱電圧ΔV0の経時変化である。
試験開始時、まず、需要家1~4の検証装置間で自端情報と制御設定を共有する(図7、ステップS11)。なお、以下の説明で、需要家n(nは1~4の整数)の検証装置を検証装置nとする。
時刻0のとき、電源電圧の変更によって需要家3の電圧V3と需要家4の電圧V4が上限しきい値である107Vを超えている。このため、需要家1~4の検証装置それぞれは、ステップS12(図7)の判定で電圧上限しきい値より大きいと判定し、無効電力注入の動作のためにステップS13(図7)へ進める。
ステップS13の判定により、検証装置4台ともに無効電力注入可能範囲内になるため、検証装置1~4は、ステップS15(図7)に進める。
次に、需要家4の検証装置4は、ステップS15で無効電力変化可能範囲内にいることを認識してステップS16(図7)に進め、自検証装置4が最大電圧地点であることから、符号g314(図16(B))のようにステップS17(図7)に進めて無効電力の注入を開始する。
一方、需要家1~3の検証装置1~3は、ステップS15で自検証装置が無効電力注入可能範囲内にいることを認識し、ステップS16に進むが、ステップS16の判定で自検証装置が最大地点でないことからステップS19(図8)に進める。
次に、検証装置1~3は、ステップS19で、最大電圧地点である需要家4の検証装置が無効電力注入可能範囲内にいることを認識するため、何もせずステップS18(図7)に進める。
この手順に従って注入の制御を進め、符号g314(図16(B))のように需要家4の検証装置4から無効電力の出力が継続され、図16(A)のように約40秒経過時に全ての需要家電圧が107V以下に抑制される。このため、検証装置1~4は、ステップS12(図7)の判定で、0~40秒の状態それぞれを保持する。これにより、符号g315(図16(B))のように、逸脱電圧ΔV0は、0Vに向かって収束している。
その後、時刻が約180秒のとき、試験者が電源電圧を104.5Vから104Vへ変更する。これにより、全ての需要家の電圧が106.8Vを下回った。
時刻が約180秒のとき、検証装置1~4それぞれは、ステップS31(図10)で各需要家の自端情報を共有し、ステップS32(図10)の判定で検証装置1~4が解除電圧しきい値より低いと判定し、無効電力減少動作のためにステップS33(図10)へ進める。
次に、ステップS33の判定では、需要家4の検証装置4が無効電力を出力していることを検証装置1~4が認識し、検証装置1~4ともにステップS35(図10)に進める。
ステップS35で、需要家1~3の検証装置1~3は、自検証装置が無効電力を出力していないため範囲内にいないと判断し、現状のまま何もしない。
ステップS35で、需要家4の検証装置4は、自検証装置が無効電力を出力しているため、減少可能範囲内にいることを認識し、ステップS36(図10)に進める。検証装置4は、ステップS36の条件に一致しないため、ステップS39(図11)に進める。
次に、検証装置4は、ステップS39、ステップS40(図11)およびステップS41(図11)の条件に一致しないためステップS42(図11)に進め、ステップS37(図10)に進め符号g314(図16(B))のように無効電力を減少する。
上記を繰り返し、最終的には制御開始前の状態に戻る。
(試験ケース2)
試験ケース2では、図15に示すように、時刻が0秒のとき初期電源電圧の104Vを105.0Vに変更した。また。時刻が約120秒のとき、電源電圧を105.0Vから104Vへ変更した。
図17は、試験ケース2における需要家の電圧の計時変化と、需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。図17(A)は、試験ケース2における需要家の電圧の計時変化を示す図であり、図17(B)は、試験ケース2における需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。図17(A)において縦軸と横軸は図16(A)と同じであり、図17(B)において縦軸と横軸は図16(B)と同じである。
また、図17(A)において、符号g351は、需要家1の電圧V1の経時変化である。符号g352は、需要家2の電圧V2の経時変化である。符号g353は、需要家3の電圧V3の経時変化である。符号g354は、需要家4の電圧V4の経時変化である。
また、図17(B)において、符号g361は、需要家1から出力される無効電力Q1の経時変化である。符号g362は、需要家2から出力される無効電力Q2の経時変化である。符号g363は、需要家3から出力される無効電力Q3の経時変化である。符号g364は、需要家4から出力される無効電力Q4の経時変化である。符号g365は、104Vからのずれを積算した逸脱電圧ΔV0の経時変化である。
試験ケース2では、図17(A)の符号g353とg354に示すように、需要家3と4の電圧が上限しきい値より高いため、試験ケース1と同様に、まず需要家4の検証装置4が図17(B)の符号g364のように無効電力の注入を開始し、検証装置2~4は無効電力の注入を行わない。
そして、時刻が約15秒のとき、需要家4の検証装置4は、動作点が力率の下限値(0.95)以下になったことを認識する。これにより、検証装置4は、ステップS15により現状のまま何もしない状態になる。
時刻が0秒~約15秒の間、需要家1~3の検証装置1~3は、ステップS15の判断からステップS16に進め、ステップS19の条件、ステップS20の条件およびステップS21に一致しないため、ステップS22に進める。
ステップS22で、需要家3の検証装置3は、条件に一致するため、図17(B)の符号g363のように無効電力の注入を開始する。
ステップS22で、需要家1および2の検証装置1および2は、条件に一致しないため、現状のまま何もしない。
時刻が15秒以降、上記を繰り返し、需要家3の検証装置は、図17(B)の符号g363のように無効電力の注入を継続する。
そして、制御開始から約30秒経過したときに、需要家3の検証装置3は、動作点が力率の下限値以下になったことを認識する。このため、検証装置3は、ステップS15の判断により現状のまま何もしない状態になる。
一方、時刻が約30秒のとき、需要家2の検証装置2は、ステップS15の判定に従い、図17(B)の符号g362のように無効電力の注入を開始する。
制御開始から約60秒経過時に、図17(A)のように、全ての需要家の電圧が上限しきい値以下に抑制される。これにより、符号g365(図17(B))のように、逸脱電圧ΔV0は、0Vに向かって収束している。
その後、時刻が約120秒のとき、試験者が電源電圧を105.0Vから104Vへ変更する。これにより、全ての需要家の電圧が106.8Vを下回った。
時刻が約120秒のとき、検証装置1~4それぞれは、ステップS31で各需要家の自端情報を共有し、ステップS32の判定で無効電力減少のステップS33へ進める。
次に、ステップS33の判定で、需要家2~4の検証装置2~4が無効電力を出力していることを検証装置1~4が認識し、検証装置1~4は、ステップS35に進める。
需要家1 の検証装置1は、ステップS35の判定により、現状のまま何もしない。
需要家2~4の検証装置2~4は、ステップS36に進める。
需要家2の検証装置2は、ステップS36の条件に一致するため、図17(B)の符号g362のように自検証装置の無効電力を減少させる。
このとき、需要家3および4の検証装置3および4は、ステップS36の条件に一致しないため、ステップS39に進める。
需要家3および4の検証装置3および4は、共有情報からステップS39の条件に一致すると認識し、現状のまま何もしない。
これらの処理を繰り返し、図17(B)の符号g362、g363およびg364のように検証装置2、3、4の順番で無効電力を減少させ、制御開始前の状態に戻る。
(試験ケース3)
試験ケース3では、図15に示すように、時刻が0秒のとき初期電源電圧の104Vを105.5Vに変更した。また。時刻が約300秒のとき、電源電圧を105.5Vから104Vへ変更した。
図18は、試験ケース3における需要家の電圧の計時変化と、需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。図18(A)は、試験ケース3における需要家の電圧の計時変化を示す図であり、図18(B)は、試験ケース3における需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。図18(A)において縦軸と横軸は図16(A)と同じであり、図18(B)において縦軸と横軸は図16(B)と同じである。
また、図18(A)において、符号g401は、需要家1の電圧V1の経時変化である。符号g402は、需要家2の電圧V2の経時変化である。符号g403は、需要家3の電圧V3の経時変化である。符号g404は、需要家4の電圧V4の経時変化である。
また、図18(B)において、符号g411は、需要家1から出力される無効電力Q1の経時変化である。符号g412は、需要家2から出力される無効電力Q2の経時変化である。符号g413は、需要家3から出力される無効電力Q3の経時変化である。符号g414は、需要家4から出力される無効電力Q4の経時変化である。符号g415は、104Vからのずれを積算した逸脱電圧ΔV0の経時変化である。
試験ケース3の場合は、図18(A)のように需要家2、3、4の電圧が上限しきい値より高いため、図18(B)の符号g414、g413、g412およびg411のように検証装置4、3、2、1の順序で、無効電力の注入が開始される。
しかしながら、検証装置1~4の全てが無効電力の注入を行った後でも、図18(A)のように全ての需要家電圧がしきい値以下にならない。
このため、時刻が約60秒のとき、検証装置1~4は、動作点が力率下限値以下になり注入可能範囲外となったことを認識する。そして、検証装置1~4は、ステップS13の判断で次のより小さい力率上下限値(上限値0.95、下限値0.90)へ一斉変更する。
これにより、新たな注入可能範囲になった検証装置1~4それぞれは、ステップS15以下の判断に従い、図18(B)のように需要家4、3、2の検証装置4、3、2の順番で無効電力の注入を開始する。これにより、全ての需要家電圧が上限しきい値以下に抑制される。そして、符号g415(図18(B))のように、逸脱電圧ΔV0は、0Vに向かって収束している。
その後、時刻が約300秒のとき、試験者が電源電圧を105.5Vから104Vへ変更する。これにより、全ての需要家の電圧が106.8Vを下回った。
無効電力減少の手順に従い処理が行われ、図18(B)のように需要家2、3、4の順で無効電力が減少する。
そして、時刻が約320秒のとき、全ての検証装置の動作点が力率上限値以上になると、検証装置1~4それぞれは、力率上下限値を次のより大きい力率上下限値(上限値0.95、下限値0.90)へ一斉変更する。
時刻が約320秒以降、検証装置1~4それぞれは、新たな減少可能範囲になったため、ステップS35以下の判断に従い、力率上下限値を0.90から0.95へ切り替えながら、検証装置1、2、3、4の順番で無効電力を減少させ、制御開始前の状態に戻る。
(試験ケース4)
試験ケース4では、図15に示すように、時刻が0秒のとき初期電源電圧の104Vを106.0Vに変更した。また。時刻が約175秒のとき、電源電圧を106.0Vから104Vへ変更した。
図19は、試験ケース4における需要家の電圧の計時変化と、需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。図19(A)は、試験ケース4における需要家の電圧の計時変化を示す図であり、図19(B)は、試験ケース4における需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。図19(A)において縦軸と横軸は図16(A)と同じであり、図19(B)において縦軸と横軸は図16(B)と同じである。
また、図19(A)において、符号g451は、需要家1の電圧V1の経時変化である。符号g452は、需要家2の電圧V2の経時変化である。符号g453は、需要家3の電圧V3の経時変化である。符号g454は、需要家4の電圧V4の経時変化である。
また、図19(B)において、符号g461は、需要家1から出力される無効電力Q1の経時変化である。符号g462は、需要家2から出力される無効電力Q2の経時変化である。符号g463は、需要家3から出力される無効電力Q3の経時変化である。符号g464は、需要家4から出力される無効電力Q4の経時変化である。符号g465は、104Vからのずれを積算した逸脱電圧ΔV0の経時変化である。
試験ケース4の場合は、図19(B)のように試験ケース3と同様に無効電力の注入を検証装置4、3、2、1の順序で力率上下限値を2回切り替え(力率下限が0.95と力率上限が1.0から力率下限が0.90と力率上限が0.95へ切り替え、力率下限が0.90と力率上限が0.95から力率下限が0.85と力率上限が0.90へ切り替え)た結果、図19(A)のように需要家電圧が上限しきい値以下に抑制される。これにより、符号g465(図19(B))のように、逸脱電圧ΔV0は、0Vに向かって収束している。
その後、時刻が約175秒のとき、試験者が電源電圧を106.0Vから104Vへ変更する。これにより、全ての需要家の電圧が106.8Vを下回った。
無効電力減少の手順に従い処理が行われ、力率上下限値を2回切り替え(力率下限が0.95と力率上限が1.0から力率下限が0.90と力率上限が0.95へ切り替え、力率下限が0.90と力率上限が0.95から力率下限が0.85と力率上限が0.90へ切り替え)ながら、図19(B)のように需要家1、2、3、4の順で無効電力が減少する。
(試験ケース5)
試験ケース5では、図15に示すように、時刻が0秒のとき初期電源電圧の104Vを106.5Vに変更した。また。時刻が約175秒のとき、電源電圧を106.5Vから104Vへ変更した。
図20は、試験ケース5における需要家の電圧の計時変化と、需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。図20(A)は、試験ケース5における需要家の電圧の計時変化を示す図であり、図20(B)は、試験ケース5における需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。図20(A)において縦軸と横軸は図16(A)と同じであり、図20(B)において縦軸と横軸は図16(B)と同じである。
また、図20(A)において、符号g501は、需要家1の電圧V1の経時変化である。符号g502は、需要家2の電圧V2の経時変化である。符号g503は、需要家3の電圧V3の経時変化である。符号g504は、需要家4の電圧V4の経時変化である。
また、図20(B)において、符号g511は、需要家1から出力される無効電力Q1の経時変化である。符号g512は、需要家2から出力される無効電力Q2の経時変化である。符号g513は、需要家3から出力される無効電力Q3の経時変化である。符号g514は、需要家4から出力される無効電力Q4の経時変化である。符号g515は、104Vからのずれを積算した逸脱電圧ΔV0の経時変化である。
試験ケース4の場合は、図20(B)のように試験ケース4と同様に無効電力の注入を検証装置4、3、2、1の順序で力率上下限値を2回切り替え(力率下限が0.95と力率上限が1.0から力率下限が0.90と力率上限が0.95へ切り替え、力率下限が0.90と力率上限が0.95から力率下限が0.85と力率上限が0.90へ切り替え)た。しかしながら、試験ケース5では、図20(A)のように全ての検証装置の力率下限値が0.85に到達しても全ての需要家の電圧が上限しきい値以下に抑制できない状態で維持された。このため、符号g515(図20(B))のように、逸脱電圧ΔV0は、0Vに収束していない。
このようなケースでは、無効電力制御のみでは限界のため、有効電力を減少させるなどの制御が必要となると考えられる。
その後、時刻が約175秒のとき、試験者が電源電圧を106.5Vから104Vへ変更する。これにより、全ての需要家の電圧が106.8Vを下回った。
無効電力減少の手順に従い処理が行われ、力率上下限値を2回切り替え(力率下限が0.95と力率上限が1.0から力率下限が0.90と力率上限が0.95へ切り替え、力率下限が0.90と力率上限が0.95から力率下限が0.85と力率上限が0.90へ切り替え)ながら、図20(B)のように需要家1、2、3、4の順で無効電力が減少する。
以上のように、上記の試験によって、実施形態の手法に沿って各需要家の検証装置が自立的に自身の動作をそれぞれ判断し、無効電力を出力する最適な手順で低圧需要家群が制御されていることが確認できた。また、上記の試験によって、無効電力出力負担の偏りを極力小さくするため、力率により段階的に切り替えることも確認できた。
[過渡特性]
上述した基本動作確認試験の試験ケース1~5では、104Vから他の電源電圧に切り替えたときを説明した。以下では、電源電圧を104Vから60秒ごとに0.5V刻みで上昇させ、106.5Vまで変化させ、106.5Vの状態から60秒ごとに0.5V刻みで低下させ、104Vまで変化させる動作のときの経時特性を確認した結果を説明する。検証装置の構成と仕様、模擬配電系統は、上述した基本動作確認試験と同じである。
図21は、60秒ごとに0.5V刻みで電源電圧を切り替えたときの需要家の電圧の計時変化と、需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。図21(A)は、約60秒ごとに0.5V刻みで電源電圧を切り替えたときの需要家の電圧の計時変化を示す図であり、図21(B)は、約60秒ごとに0.5V刻みで電源電圧を切り替えたときの需要家から出力される無効電力の経時変化を示す図である。
図21(A)において縦軸と横軸は図16(A)と同じであり、図21(B)において縦軸と横軸は図16(B)と同じである。
また、図21(A)において、符号g551は、需要家1の電圧V1の経時変化である。符号g552は、需要家2の電圧V2の経時変化である。符号g553は、需要家3の電圧V3の経時変化である。符号g554は、需要家4の電圧V4の経時変化である。
また、図21(B)において、符号g561は、需要家1から出力される無効電力Q1の経時変化である。符号g562は、需要家2から出力される無効電力Q2の経時変化である。符号g563は、需要家3から出力される無効電力Q3の経時変化である。符号g564は、需要家4から出力される無効電力Q4の経時変化である。符号g565は、104Vからのずれを積算した逸脱電圧ΔV0の経時変化である。
時刻0秒~60秒の間、電源電圧が104Vである。時刻60秒~120秒の間、電源電圧が104.5Vである。時刻120秒~180秒の間、電源電圧が105.0Vである。時刻180秒~240秒の間、電源電圧が105.5Vである。時刻240秒~300秒の間、電源電圧が106.0Vである。時刻300秒~420秒の間、電源電圧が106.5Vである。
時刻420秒~480秒の間、電源電圧が106.0Vである。時刻480秒~540秒の間、電源電圧が105.5Vである。時刻540秒~600秒の間、電源電圧が105.0Vである。時刻600秒~660秒の間、電源電圧が104.5Vである。時刻660秒~700秒の間、電源電圧が104.0Vである。
また、時刻0~約200秒の間、力率下限が0.95、力率上限が1.0である。時刻200~約260秒の間、力率下限が0.90、力率上限が0.95である。時刻260~約500秒の間、力率下限が0.85、力率上限が0.9である。時刻500~約570秒の間、力率下限が0.90、力率上限が0.95である。時刻570~約700秒の間、力率下限が0.95、力率上限が1.0である。
時刻0~60秒の間、電源電圧が104Vであり、図21(A)のように需要家1~4の電圧が107V以下である。このため、検証装置1~4それぞれは、図21(B)のように無効電力を出力しない。
時刻60秒のとき、電源電圧が104Vから104.5Vに切り替えられる。この結果、図21(B)の符号g564のように需要家4の検証装置4から無効電力が出力され、需要家の電圧を上限しきい値に抑制される。電源電圧が104.5Vの間、力率下限と上限は変更されない。
時刻120秒のとき、電源電圧が104.5Vから105.0Vに切り替えられる。この結果、検証装置4の無効電力の出力が継続され、無効電力出力による動作点が力率下限以下になる。そして、図21(B)の符号g563のように需要家3の検証装置3から無効電力が出力され、検証装置3の動作点が力率下限以下になると、図21(B)の符号g562のように需要家2の検証装置2から無効電力が出力され、需要家の電圧を上限しきい値に抑制させる。電源電圧が105.0Vの間、力率下限と上限は変更されない。
時刻180秒のとき、電源電圧が105.0Vから105.5Vに切り替えられる。この結果、検証装置4、3、2の無効電力の出力が継続され、無効電力出力による動作点が力率下限以下になる。そして、図21(B)の符号g561のように需要家1の検証装置1から無効電力が出力される。検証装置1の動作点が力率下限以下になると、検証装置1~4それぞれは、設定した力率上下限値(下限0.95、上限1.0)を次のより小さい力率(下限0.90、上限0.95)に変更する。これにより再び検証装置4から無効電力が出力され、その次に検証装置4から無効電力が出力され、電圧上限しきい値に抑制される。
時刻240秒のとき、電源電圧が105.5Vから106.0Vに切り替えられる。検証装置1~4それぞれの力率下限が0.90であり、力率上限が0.95のままである。この結果、検証装置2、1の動作点が力率下限以下になる。これにより、検証装置1~4それぞれは、設定した力率上下限値(下限0.90、上限0.95)を次のより小さい力率(下限0.85、上限0.90)に変更する。これにより再び、図21(B)に示すように検証装置4、3、2の順で無効電力が出力され、電圧上限しきい値に抑制される。
時刻約300秒のとき、電源電圧が106.0Vから106.5Vに切り替えられる。検証装置1~4それぞれ力率下限が0.85、力率上限が0.90のままである。全ての検証装置が力率0.85の力率下限値に到達し、それでも全ての需要家電圧が上限しきい値以下に抑制不可の状態で維持された。図21(B)の符号565のように逸脱電圧ΔV0は0Vに収束していない。
時刻約420秒のとき、電源電圧が106.5Vから106.0Vに切り替えられる。検証装置1~4それぞれ力率下限が0.85、力率上限が0.90のままである。この結果、図21(B)の符号561のように需要家1の検証装置1から無効電力が減少され、電圧上限しきい値に抑制される。そして、図21(B)の符号565のように逸脱電圧ΔV0は0Vに収束する。
時刻約480秒のとき、電源電圧が106.0Vから105.5Vに切り替えられる。検証装置1~4それぞれ力率下限が0.85、力率上限が0.90のままである。この結果、検証装置2、3、4の順で検証装置から無効電力が減少され、全ての検証装置の動作点が設定した力率上限値以上となる。これにより、検証装置1~4それぞれは、設定した力率上下限値(下限0.85、上限0.90)を次のより大きい力率(下限0.90、上限0.95)に変更する。この結果、再び検証装置1の無効電力が減少され、電圧上限しきい値に抑制される。
時刻約540秒のとき、電源電圧が105.5Vから105.0Vに切り替えられる。検証装置1~4それぞれ力率下限が0.90、力率上限が0.85のままである。この結果、検証装置2、3、4の順で検証装置から無効電力が減少され、全ての検証装置の動作点が設定した力率上限値以上となる。これにより、検証装置1~4それぞれは、設定した力率上下限値(下限0.90、上限0.95)を次のより大きい力率(下限0.95、上限1.0)に変更する。この結果、再び検証装置1の無効電力が減少され、電圧上限しきい値に抑制される。
時刻約600秒のとき、電源電圧が105.0Vから104.5Vに切り替えられる。検証装置1~4それぞれ力率下限が0.95、力率上限が1.0のままである。この結果、検証装置2の無効電力の出力が維持され、検証装置2、3、4の順で検証装置から無効電力が減少され、電圧上限しきい値に抑制される。
時刻約660秒のとき、電源電圧が104.5Vから104.0Vに切り替えられる。この結果、検証装置1から無効電力が減少され、無効電力出力がなくても制御解除しきい値に到達しないため無効電力出力がない状態が維持される。
なお、図21(B)において力率の切り替わる箇所が電圧上昇時と電圧降下時で異なるのは、無効電力出力のしきい電圧と無効電力減少のしきい電圧にヒステリシスを設けているためと考えられる。なお、過渡変化については、系統電圧の変化に加え、負荷条件の変化によるものも想定される。
以上より、系統電圧を想定して電源電圧が変化した場合でも、図21に示したように不要な電圧振動などを引き起こさずに制御が追従し安定に動作していることが確認できた。
[力率一定制御手法との比較]
次に、本実施形態の手法と力率一定制御手法とで制御した結果を比較する。
比較では、快晴日を対象とした本実施形態の手法と力率一定手法との1日の無効電力出力パターンの比較を行った。
比較に用いた配電系統モデルは、第1実施形態の配電系統モデル(図1)と同じである。この配電系統モデルにPV発電および負荷情報を入力し、1時間毎の各需要家の電圧および無効電力出力を本実施形態の手法と力率一定制御手法とで計算した。
まず、比較条件を説明する。
電源電圧を105Vとした。各需要家のPCSは、前述した試験で使用した検証装置と同等の4.7kVAとした。使用するPV発電カーブは、図22に示すように快晴日の平均的な出力特性を用いて、PVの最大出力が12時のピークで4kW出力する条件とした。図22は、各需要家のPV発電電力カーブを示す図である。横軸は時刻[h]であり、縦軸はPV発電電力[kW]である。各需要家には1kWの消費負荷が接続されていることとし、負荷力率を1とした。
力率一定制御手法では、系統連系規程に採用されている値である力率0.95とした。
また、本実施形態の手法では、電圧上限しきい値を107V、制御解除電圧しきい値を106.8Vとした。比較では、上述したCALDGを用いて計算を行い、各需要家の電圧および無効電力出力を求めた。
図23は、需要家4軒から出力される無効電力出力の総和により柱上変圧器を通過する無効電力および代表地点として末端の需要家4の電圧を示す図である。図23において、横軸は時刻[h]であり、縦軸の左は無効電力の総和[kvar]であり、縦軸の右は需要家4の電圧[V]である。符号g601は、力率一定手法で制御した場合の需要家4の電圧の変化である。符号g602は、本実施形態の手法で制御した場合の需要家4の電圧の変化である。符号g611は、力率一定手法で制御した場合の4軒の需要家の無効電力出力の総和である。符号g612は、本実施形態の手法で制御した場合の4軒の需要家の無効電力出力の総和である。
図23に示すように、力率一定制御手法および本実施形態の手法のいずれの手法においても、需要家4の電圧は上限値である107V以下に抑制されている。
ここで、無効電力の総和について、PV発電出力時に出力する無効電力を時間で積算し、それをPVの発電時間で除した値をPV出力時の平均無効電力値として定義し、力率一定制御手法および本実施形態の手法の平均無効電力値を算出した。
図24は、力率一定制御手法および本実施形態の手法の平均無効電力値の算出結果を示す図である。図24に示すように、力率一定制御手法の平均無効電力値は3.22[kvar]であり、本実施形態の手法の平均無効電力値は0.95[kvar]であった。
この結果から、本実施形態の手法の平均無効電力値が力率一定制御手法よりも70%低減されることが明らかとなり、本実施形態の手法の有効性を確認できた。
以上のように、本実施形態では、複数の需要家のPCSそれぞれが情報(自端情報と制御設定値)を共有し、共用した情報に基づいて複数の需要家のPCSそれぞれが自律的に電圧調整(無効電力の注入、または無効電力の減少)を行うか否かを判断するようにした。これにより、本実施形態によれば、複数の需要家のPCSそれぞれが自律的に電圧調整(無効電力の注入、または無効電力の減少)を行うことができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、無効電力を注入させるとき、まず自PCSが無効電力を出力させ、次に末端側かつ最大電圧地点に最も近い地点のPCSが注入し、それでも解消できない場合に上位側のPCSが注入する例を説明した。
本実施形態では、自端情報に基づいて電圧が最大のPCSが制御を行う例を説明する。なお、本実施形態でも、配電系統モデルは、第1実施形態の配電系統モデル(図1)と同様である。
まず、PCSが無効電力を注入する際の処理について説明する。
図25は、本実施形態に係る無効電力制御開始時の処理手順のフローチャートである。図7と同様の処理には同じ符号を用いて説明を省略する。
(ステップS11~S15)処理部102は、ステップS11~S15の処理を行う。処理部102は、自端情報から自PCSの動作点が無効電力注入可能範囲内にあると判断した場合(ステップS15;YES)、ステップS101の処理に進める。処理部102は、自端情報から自PCSの動作点が無効電力注入可能範囲内にないと判断した場合(ステップS15;NO)、自PCSは現状のまま何もせずにステップS18の処理に進める。
(ステップS101)処理部102は、共有情報に基づき自PCSが無効電力出力可能なPCSのうち最大電圧の地点であるか否かを判断する。処理部102は、自PCSが無効電力出力可能なPCSのうち最大電圧の地点であると判断した場合(ステップS101;YES)、ステップS17の処理に進める。処理部102は、自PCSが無効電力出力可能なPCSのうち最大電圧の地点ではないと判断した場合(ステップS101;NO)、現状のまま何もせずにステップS18の処理に進める。
以上の処理を、全てのPCSが電圧上限しきい値以下に到達するまで、制御周期毎に逐次制御する。なお、上記処理により全てのPCSが無効電力出力上限まで制御を行っても電圧が上限しきい値以下に抑制されない場合、PCSそれぞれの処理部102は、系統連系規程に従って有効電力出力を減少させるなどの対応するようにしてもよい。
上述したように、本実施形態では、共有情報に基づき自PCSが無効電力出力可能なPCSのうち最大電圧の地点であると判断したPCSが自立的に無効電力の注入を行う。これにより、例えば図16(A)に示したように、電源電圧が104Vから104.5Vに変化した場合、需要家1のPCS1が最大電圧地点であると判断して無効電力の注入を行う。
また、図17(A)に示したように電源電圧が104Vから105.0Vに変化した場合、まず需要家1のPCS1が最大電圧地点であると判断して無効電力の注入を行う。この処理によって電圧上限しきい値に抑制されない場合、次に、需要家2のPCS2が最大電圧地点であると判断して無効電力の注入を行う。この処理によって電圧上限しきい値に抑制されない場合、次に、需要家3のPCS3が最大電圧地点であると判断して無効電力の注入を行う。
次に、PCSが無効電力を減少させる際の処理について説明する。
図26は、本実施形態に係る電圧適正化に伴う制御解除時の処理手順のフローチャートである。図10と同様の処理には同じ符号を用いて説明を省略する。
(ステップS31~S35)処理部102は、ステップS31~S35の処理を行う。処理部102は、自端情報から自PCSの動作点が無効電力減少可能範囲内にあると判断した場合(ステップS35;YES)、ステップS201の処理に進める。処理部102は、自端情報から自PCSの動作点が無効電力注入可能範囲内にないと判断した場合(ステップS35;NO)、自PCSは現状のまま何もせずにステップS38の処理に進める。
(ステップS201)処理部102は、共有情報に基づき自PCSが無効電力減少可能なPCSのうち最小電圧の地点か否かを判断する。処理部102は、自PCSが無効電力減少可能なPCSのうち最小電圧の地点であると判断した場合(ステップS201;YES)、ステップS37の処理に進める。処理部102は、自PCSが無効電力減少可能なPCSのうち最小電圧の地点ではないと判断した場合(ステップS201;NO)、現状のまま何もせずにステップS38の処理に進める。
以上の処理を、少なくとも1台のPCSが制御解除電圧しきい値に到達するまで、制御周期毎に逐次制御する。なお、上記処理により全てのPCSの無効電力出力が零になっても制御解除電圧しきい値に到達しない場合、無効電力による電圧調整不要の状態であるため、PCSそれぞれは有効電力のみが出力する。
上述したように、本実施形態では、共有情報に基づき自PCSが無効電力減少可能なPCSのうち最小電圧の地点であると判断したPCSが自立的に無効電力の減少を行う。図16において、例えば104.5Vから104Vに戻した場合の最小電圧なのは需要家1である。従って、需要家1のPCSから無効電力の減少が行われる。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に複数のPCSそれぞれが情報を共有して、共有した情報に基づいて自律的に電圧調整するか否かを判断するようにしたので、複数の需要家のPCSそれぞれが自律的に電圧調整することができる。
なお、本発明におけるPCSの機能の全てまたは一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりPCSが行う処理の全てまたは一部を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
1,2,3,4,n…PCS、1,2,3,4,n…負荷、101…共有部、102…処理部、103…記憶部

Claims (12)

  1. 自電力需給制御装置の電圧と有効電力と無効電力と力率と定格と配電系統における接続地点に関する情報とを自端情報として所定周期毎に収集し、他の電力需給制御装置から前記自端情報を前記所定周期毎に取得する共有部と、
    前記自電力需給制御装置の自端情報と、前記他の電力需給制御装置の自端情報と、制御部必要な制御設定値とを記憶する記憶部と、
    前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行うか否かを前記所定周期毎に判断し、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行う場合に前記記憶部が記憶する情報に基づいて力率を変更しながら無効電力の制御を行う処理部と、
    を備え
    無効電力注入可能範囲は、有効電力対無効電力の平面上において、当該電力需給制御装置の定格と設定した力率上下限値によって定まる領域を示す範囲であって、
    無効電力を注入する際、
    前記処理部は、全ての前記電力需給制御装置のうち1つ以上の前記電力需給制御装置の電圧が上限しきい値以上であり、かつ全ての前記電力需給制御装置のうち1つ以上が無効電力注入可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力を注入可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が最大電圧の接続地点である場合に無効電力を注入するように制御する、
    力需給制御装置。
  2. 前記処理部は、前記自電力需給制御装置が最大電圧の接続地点ではない場合、最大電圧の地点が前記配電系統における末端側で有り無効電力を注入可能な前記電力需給制御装置のうち最大電圧の接続地点に最も近い接続地点である場合に無効電力を注入するように制御する、請求項1に記載の電力需給制御装置。
  3. 前記処理部は、最大電圧の地点が末端側で有り無効電力を注入可能な前記電力需給制御装置のうち最大電圧の接続地点に最も近い接続地点ではない場合、前記末端側の前記電力需給制御装置が無効電力注入可能範囲外であり、かつ前記自電力需給制御装置が前記配電系統における上位側で無効電力を注入可能な前記電力需給制御装置のうち最大電圧の接続地点に最も近い接続地点である場合に無効電力を注入するように制御する、請求項2に記載の電力需給制御装置。
  4. 自電力需給制御装置の電圧と有効電力と無効電力と力率と定格と配電系統における接続地点に関する情報とを自端情報として所定周期毎に収集し、他の電力需給制御装置から前記自端情報を前記所定周期毎に取得する共有部と、
    前記自電力需給制御装置の自端情報と、前記他の電力需給制御装置の自端情報と、制御部必要な制御設定値とを記憶する記憶部と、
    前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行うか否かを前記所定周期毎に判断し、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行う場合に前記記憶部が記憶する情報に基づいて力率を変更しながら無効電力の制御を行う処理部と、
    を備え、
    無効電力注入可能範囲は、有効電力対無効電力の平面上において、当該電力需給制御装置の定格と設定した力率上下限値によって定まる領域を示す範囲であって、
    無効電力を注入する際、
    前記処理部は、全ての前記電力需給制御装置のうち1つ以上の前記電力需給制御装置の電圧が上限しきい値以上であり、かつ前記自電力需給制御装置および前記他の電力需給制御装置のうち1つ以上が無効電力注入可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力注入可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力を注入可能な前記電力需給制御装置のうち最大電圧の場合に無効電力を注入するように制御する電力需給制御装置。
  5. 自電力需給制御装置の電圧と有効電力と無効電力と力率と定格と配電系統における接続地点に関する情報とを自端情報として所定周期毎に収集し、他の電力需給制御装置から前記自端情報を前記所定周期毎に取得する共有部と、
    前記自電力需給制御装置の自端情報と、前記他の電力需給制御装置の自端情報と、制御部必要な制御設定値とを記憶する記憶部と、
    前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行うか否かを前記所定周期毎に判断し、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行う場合に前記記憶部が記憶する情報に基づいて力率を変更しながら無効電力の制御を行う処理部と、
    を備え、
    無効電力減少可能範囲は、有効電力対無効電力の平面上において、当該電力需給制御装置の定格と設定した力率上下限値によって定まる領域を示す範囲であって、
    無効電力を減少させる際、
    前記処理部は、全ての前記電力需給制御装置の電圧が解除電圧しきい値以下であり、かつ全ての前記電力需給制御装置のうち1つ以上が無効電力減少可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力減少可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が前記配電系統における上位側で無効電力を減少可能な前記電力需給制御装置のうち最大電圧の接続地点に最も遠い接続地点である場合に無効電力を減少させるように制御する電力需給制御装置。
  6. 前記処理部は、前記配電系統における上位側の前記電力需給制御装置が無効電力減少可能範囲外であり、かつ前記自電力需給制御装置が前記配電系統における末端側で無効電力を減少可能な前記電力需給制御装置のうち最大電圧の接続地点に最も遠い接続地点である場合に無効電力を減少させるように制御する、請求項5に記載の電力需給制御装置。
  7. 前記処理部は、前記配電系統における末端側の前記電力需給制御装置が無効電力減少可能範囲外である場合に無効電力を減少させるように制御する、請求項6に記載の電力需給制御装置。
  8. 自電力需給制御装置の電圧と有効電力と無効電力と力率と定格と配電系統における接続地点に関する情報とを自端情報として所定周期毎に収集し、他の電力需給制御装置から前記自端情報を前記所定周期毎に取得する共有部と、
    前記自電力需給制御装置の自端情報と、前記他の電力需給制御装置の自端情報と、制御部必要な制御設定値とを記憶する記憶部と、
    前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行うか否かを前記所定周期毎に判断し、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行う場合に前記記憶部が記憶する情報に基づいて力率を変更しながら無効電力の制御を行う処理部と、
    を備え、
    無効電力減少可能範囲は、有効電力対無効電力の平面上において、当該電力需給制御装置の定格と設定した力率上下限値によって定まる領域を示す範囲であって、
    無効電力を減少させる際、
    前記処理部は、全ての前記電力需給制御装置の電圧が解除電圧しきい値以下であり、かつ全ての前記電力需給制御装置のうち1つ以上が無効電力減少可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力減少可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力を減少可能な前記電力需給制御装置のうち最小電圧の接続地点である場合に無効電力を減少させるように制御する電力需給制御装置。
  9. 共有部が、自電力需給制御装置の電圧と有効電力と無効電力と力率と定格と配電系統における接続地点に関する情報とを自端情報として所定周期毎に収集するステップと、
    前記共有部が、他の電力需給制御装置から前記自端情報を前記所定周期毎に取得するステップと、
    処理部が、前記自電力需給制御装置の自端情報と、前記他の電力需給制御装置の自端情報と、制御部必要な制御設定値とを記憶部に記憶させるステップと、
    前記処理部が、前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行うか否かを前記所定周期毎に判断するステップと、
    前記処理部が、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行う場合に前記記憶部が記憶する情報に基づいて力率を変更しながら無効電力の制御を行うステップと、
    を含み、
    無効電力注入可能範囲は、有効電力対無効電力の平面上において、当該電力需給制御装置の定格と設定した力率上下限値によって定まる領域を示す範囲であって、
    無効電力を注入する際、
    前記処理部は、全ての前記電力需給制御装置のうち1つ以上の前記電力需給制御装置の電圧が上限しきい値以上であり、かつ全ての前記電力需給制御装置のうち1つ以上が無効電力注入可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力を注入可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が最大電圧の接続地点である場合に無効電力を注入するように制御する、
    力需給制御方法。
  10. 共有部が、自電力需給制御装置の電圧と有効電力と無効電力と力率と定格と配電系統における接続地点に関する情報とを自端情報として所定周期毎に収集するステップと、
    前記共有部が、他の電力需給制御装置から前記自端情報を前記所定周期毎に取得するステップと、
    処理部が、前記自電力需給制御装置の自端情報と、前記他の電力需給制御装置の自端情報と、制御部必要な制御設定値とを記憶部に記憶させるステップと、
    前記処理部が、前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行うか否かを前記所定周期毎に判断するステップと、
    前記処理部が、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行う場合に前記記憶部が記憶する情報に基づいて力率を変更しながら無効電力の制御を行うステップと、
    を含み、
    無効電力注入可能範囲は、有効電力対無効電力の平面上において、当該電力需給制御装置の定格と設定した力率上下限値によって定まる領域を示す範囲であって、
    無効電力を注入する際、
    前記処理部は、全ての前記電力需給制御装置のうち1つ以上の前記電力需給制御装置の電圧が上限しきい値以上であり、かつ前記自電力需給制御装置および前記他の電力需給制御装置のうち1つ以上が無効電力注入可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力注入可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力を注入可能な前記電力需給制御装置のうち最大電圧の場合に無効電力を注入するように制御する、
    電力需給制御方法。
  11. 共有部が、自電力需給制御装置の電圧と有効電力と無効電力と力率と定格と配電系統における接続地点に関する情報とを自端情報として所定周期毎に収集するステップと、
    前記共有部が、他の電力需給制御装置から前記自端情報を前記所定周期毎に取得するステップと、
    処理部が、前記自電力需給制御装置の自端情報と、前記他の電力需給制御装置の自端情報と、制御部必要な制御設定値とを記憶部に記憶させるステップと、
    前記処理部が、前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行うか否かを前記所定周期毎に判断するステップと、
    前記処理部が、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行う場合に前記記憶部が記憶する情報に基づいて力率を変更しながら無効電力の制御を行うステップと、
    を含み、
    無効電力減少可能範囲は、有効電力対無効電力の平面上において、当該電力需給制御装置の定格と設定した力率上下限値によって定まる領域を示す範囲であって、
    無効電力を減少させる際、
    前記処理部は、全ての前記電力需給制御装置の電圧が解除電圧しきい値以下であり、かつ全ての前記電力需給制御装置のうち1つ以上が無効電力減少可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力減少可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が前記配電系統における上位側で無効電力を減少可能な前記電力需給制御装置のうち最大電圧の接続地点に最も遠い接続地点である場合に無効電力を減少させるように制御する、
    電力需給制御方法。
  12. 共有部が、自電力需給制御装置の電圧と有効電力と無効電力と力率と定格と配電系統における接続地点に関する情報とを自端情報として所定周期毎に収集するステップと、
    前記共有部が、他の電力需給制御装置から前記自端情報を前記所定周期毎に取得するステップと、
    処理部が、前記自電力需給制御装置の自端情報と、前記他の電力需給制御装置の自端情報と、制御部必要な制御設定値とを記憶部に記憶させるステップと、
    前記処理部が、前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行うか否かを前記所定周期毎に判断するステップと、
    前記処理部が、前記自電力需給制御装置が無効電力の制御を行う場合に前記記憶部が記憶する情報に基づいて力率を変更しながら無効電力の制御を行うステップと、
    を含み、
    無効電力減少可能範囲は、有効電力対無効電力の平面上において、当該電力需給制御装置の定格と設定した力率上下限値によって定まる領域を示す範囲であって、
    無効電力を減少させる際、
    前記処理部は、全ての前記電力需給制御装置の電圧が解除電圧しきい値以下であり、かつ全ての前記電力需給制御装置のうち1つ以上が無効電力減少可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力減少可能範囲内であり、かつ前記自電力需給制御装置が無効電力を減少可能な前記電力需給制御装置のうち最小電圧の接続地点である場合に無効電力を減少させるように制御する、
    電力需給制御方法。
JP2018160432A 2018-08-29 2018-08-29 電力需給制御装置および電力需給制御方法 Active JP7044666B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018160432A JP7044666B2 (ja) 2018-08-29 2018-08-29 電力需給制御装置および電力需給制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018160432A JP7044666B2 (ja) 2018-08-29 2018-08-29 電力需給制御装置および電力需給制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020036436A JP2020036436A (ja) 2020-03-05
JP7044666B2 true JP7044666B2 (ja) 2022-03-30

Family

ID=69668919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018160432A Active JP7044666B2 (ja) 2018-08-29 2018-08-29 電力需給制御装置および電力需給制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7044666B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7261078B2 (ja) * 2019-04-25 2023-04-19 東京瓦斯株式会社 分散型電源システム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009153333A (ja) 2007-12-21 2009-07-09 Tokyo Gas Co Ltd 分散型電源システム及びその制御方法
WO2011135822A1 (ja) 2010-04-27 2011-11-03 パナソニック株式会社 電圧制御装置、電圧制御方法及び電圧制御プログラム
JP2012016150A (ja) 2010-06-30 2012-01-19 Tokyo Electric Power Co Inc:The 太陽光発電装置
WO2014132374A1 (ja) 2013-02-28 2014-09-04 株式会社日立製作所 電力系統制御システムおよびそれに用いる分散コントローラ
JP2015188313A (ja) 2010-11-08 2015-10-29 日本電気株式会社 電力系統制御システム及び方法
US20150311718A1 (en) 2014-04-24 2015-10-29 Varentec, Inc. Optimizing voltage and var on the electric grid using distributed var sources

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009153333A (ja) 2007-12-21 2009-07-09 Tokyo Gas Co Ltd 分散型電源システム及びその制御方法
WO2011135822A1 (ja) 2010-04-27 2011-11-03 パナソニック株式会社 電圧制御装置、電圧制御方法及び電圧制御プログラム
JP2012016150A (ja) 2010-06-30 2012-01-19 Tokyo Electric Power Co Inc:The 太陽光発電装置
JP2015188313A (ja) 2010-11-08 2015-10-29 日本電気株式会社 電力系統制御システム及び方法
WO2014132374A1 (ja) 2013-02-28 2014-09-04 株式会社日立製作所 電力系統制御システムおよびそれに用いる分散コントローラ
US20150311718A1 (en) 2014-04-24 2015-10-29 Varentec, Inc. Optimizing voltage and var on the electric grid using distributed var sources

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020036436A (ja) 2020-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ranaweera et al. Distributed control scheme for residential battery energy storage units coupled with PV systems
Juamperez et al. Voltage regulation in LV grids by coordinated volt-var control strategies
US7560831B2 (en) Data center uninterruptible power distribution architecture
Hill et al. Battery energy storage for enabling integration of distributed solar power generation
JP4306760B2 (ja) 分散型電源
ES2820452T3 (es) Control de tensión para generadores de turbina eólica
EP3016229A1 (en) Power adjustment device, power adjustment method, power adjustment system, power storage device, server, program
Singh et al. Energy saving estimation in distribution network with smart grid‐enabled CVR and solar PV inverter
JP5508796B2 (ja) 電源システム制御方法及び電源システム制御装置
JP2012532582A (ja) エネルギー貯蔵システムの電力充電/放出の高速フィードバック調整
CN109638872B (zh) 场控级电网控制方法、装置、系统及其存储介质
TW201023476A (en) Power factor correction (PFC) for nonsinusoidal uninterruptible power supply
Zhabelova et al. Data center energy efficiency and power quality: An alternative approach with solid state transformer
Dragosavac et al. Coordinated reactive power-voltage controller for multimachine power plant
Jayamaha et al. An independently controlled energy storage to support short term frequency fluctuations in weak electrical grids
Singh et al. Peak demand reduction in distribution network with smart grid-enabled CVR
CN113228454A (zh) 系统互连装置及服务器
JP7044666B2 (ja) 電力需給制御装置および電力需給制御方法
Aghatehrani et al. Sliding mode control approach for voltage regulation in microgrids with DFIG based wind generations
Kawabe et al. Improvement of angle and voltage stability by control of batteries using wide-area measurement system in power systems
Wallace et al. Reduction of voltage violations from embedded generators connected to the distribution network by intelligent reactive power control
Mather et al. Southern California Edison High Penetration Photovoltaic Project-Year 1
Shi et al. Assessment of Volt/Var control schemes at power distribution level
Meegahapola et al. Dynamic modelling, simulation and control of a commercial building microgrid
CN108574306B (zh) 一种基于自适应下垂系数的虚拟同步机励磁调节方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7044666

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150