JP7042557B2 - 通信中継システム及び方法 - Google Patents
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そして、TDD方式の無線伝送方式を採用した共用リピータシステムにおいては、隣接帯域で使用する異なる事業者間で時分割のタイミングにずれが生じると、相互に干渉が発生し、サービス品質の劣化あるいはサービスが停止する虞があった。
親局装置は、絶対基準となるタイミング信号が入力され、タイミング信号に基づいて、複数の基地局システムのそれぞれからの信号の基準送受信切替タイミングを設定する。
図1は、実施形態の通信中継システムを有する通信システムの概要構成ブロック図である。
通信システム10は、大別すると、図1に示すように、基地局システム11-1~11-7と、通信中継システム20と、アンテナユニットANT1~ANT8と、移動通信端末装置16-1~16-7と、を備えている。
上記構成において、通信中継システム20は、高周波ユニット(Radio Frequency Unit:以下、RFUという)12-1~12-6と、親局装置13と、子局装置14-1~14-8と、を備えている。
まず、基地局システム11-1~11-7の構成について説明する。
基地局システム11-1は、GNSS(Global Navigation Satellite System)からのGNSS信号を受信して基準時刻データDST1を出力するグランドマスタークロック(GMC)ユニット21-1と、基準時刻データDST1に基づいて制御を行いキャリア周波数帯f1の高周波通信信号SC1を介して通信を行う基地局装置(図1中、BSと表示)22-1と、を備えている。なお、図中、GMCユニットをGMCと表記するものとする(以下、同様)。
まず、通信中継システム20を構成しているRFU12-1~12-6について説明する。
RFU12-1は、基地局システム11-1から複数の移動体通信端末装置に対応する複数の高周波通信信号SC1を同軸ケーブル等の複数の通信ケーブルを介して受信し、光ディジタル信号SLD1に多重化して光ケーブルLC1を介して親局装置13に送信する。
子局装置14-1は、キャリア周波数帯f1を利用しアンテナユニットANT1を介して移動通信端末装置と通信を行うサブユニット(図1中、SUBと表示)15-1と、キャリア周波数帯f2を利用しアンテナユニットANT1を介して移動通信端末装置と通信を行うサブユニット15-2と、を備えている。
子局装置14-3は、キャリア周波数帯f1を利用しアンテナユニットANT3を介して移動通信端末装置と通信を行うサブユニット15-5と、キャリア周波数帯f3を利用しアンテナユニットANT3を介して移動通信端末装置と通信を行うサブユニット15-6と、を備えている。
子局装置14-5は、キャリア周波数帯f1を利用してアンテナユニットANT5を介して移動通信端末装置と通信を行うサブユニット15-8と、キャリア周波数帯f2を利用しアンテナユニットANT5を介して移動通信端末装置と通信を行うサブユニット15-9と、を備えている。
子局装置14-8は、キャリア周波数帯f3を利用しアンテナユニットANT7を介して移動通信端末装置と通信を行うサブユニット15-14を備えている。
親局装置13は、RFU12-1~12-6側である事業者間の遅延差及び子局装置14-1~14-8側の遅延差を補正して、アンテナユニットANT1~ANT7における実効的な送受信切替タイミング(TDDタイミング)のずれを抑制している。これは、上記構成において、アンテナユニットANT1~ANT8は、送受信波が互いに干渉可能な範囲に配置されているものとすると、事業者毎の送受信切替タイミングがずれていると、相互に干渉し、正しい通信を行うことができなくなるからである。
これによれば、子局装置14-1~14-8側だけで相互干渉を防止する場合と比較して子局装置14-1~14-8側の負担を大きく低減することが出来、システム構築コスト及びシステム運営コストを低減することが可能となる。
TDDタイミングのずれの原因としては、(1)事業者間の遅延差及び(2)子局装置間の遅延差が挙げられる。
事業者間の遅延差として、例えば、以下の五つが考えられる。
(1.1) 各事業者におけるグランドマスタークロック(GMC)ユニット21-1~21-6の個体差によるGMC(基準クロック)同士のずれ。
(1.2) 各事業者における基地局装置22-1~22-7の個体差による(処理)遅延差。
(1.3) 各事業者の基地局装置22-1~22-7と対応するRFU12-1~12-6までの信号線路長の差よる(伝送)遅延差。
(1.4) 各RFU12-1~12-6における検出回路の個体差による(処理)遅延差。
(1.5) 各RFU12-1~12-6と親局装置13との間の光ケーブルLC1~LC6のケーブル長の差による(伝送)遅延差。
(2.1) 各子局装置14-1~14-8と親局装置13との間の光ケーブルのケーブル長の差による(伝送)遅延差。
(2.2) 各子局装置14-1~14-8の個体差による(処理)遅延差。
事業者間の遅延差については、親局装置13から見た場合、事業者間の遅延差は、実効的には、各RFU12-1~12-6と親局装置13との間に発生している遅延差と見做せる。このため、各RFU12-1~12-6と親局装置13との間に発生している遅延差(ずれ)を補正すれば良いこととなる。
(1)第1態様:親局装置13及び全てのRFU12-1~12-6が絶対基準となるタイミング(タイミング信号)を有している場合。
(2)第2態様:親局装置13のみが絶対基準となるタイミング(タイミング信号)を有している場合。
(3)第3態様:いずれか一つのRFU(例えば、RFU12-1)のみが絶対基準となるタイミング(タイミング信号)を有している場合。
(4)第4態様:いずれか一つの子局装置14-Xのみが絶対基準となるタイミング(タイミング信号)を有している場合。
(5)第5態様:親局装置13、RFU12-1~12-6あるいは子局装置14-1~14-8のいずれもが絶対基準となるタイミング(タイミング信号)を有していない場合。
(1)親局装置13及び全てのRFU12-1~12-6が絶対基準となるタイミング(タイミング信号)を有している場合。
この場合において、絶対基準となるタイミングを有する態様としては、親局装置13及び全てのRFU12-1~12-6が全て、GPS受信機、GMCユニット、地上ディジタルチューナあるいは電波時計のいずれかを備えている(あるいは接続されている)場合が考えられる。
親局装置13と、RFU12-1との間で個別に時刻同期を行う場合に、親局装置13は、BC(Boundary Clock)としてGMCユニット25からLAN26を介して伝送される時刻情報を補正してRFU12-1に再配信する機能を有し、PTPにおいてGMCユニット21は、スレーブとして機能している親局装置13に対してマスタとして機能し、さらに親局装置13はRFU12-1に対してマスタとして機能するものとし、RFU12-1は、スレーブとして機能しているものとする。
まず、時刻t0において、親局装置13は、時刻同期精度情報の通知をするためのアナウンスメッセージ(Announce Message)AMをRFU12-1に対して送信する。
これによりRFU12-1は、その後所定時間内に時刻同期精度情報を送信される旨を把握する。
この場合において、シンクメッセージSMには、当該シンクメッセージSMの送信時刻である時刻t1が記録されている。
この場合において、ディレイリクエストメッセージDRQMには、当該ディレイリクエストメッセージDRMの送信時刻である時刻t3が記録されている。
さらに親局装置13は、ディレイリクエストメッセージDRMの受信時刻t4を記録したディレイレスポンスメッセージ(Delay Response Message)DRPMをRFU12-1に送信する。
ここで、RFU12-1が有する時計の時刻と、親局装置13が有する時計の時刻とは、オフセット時間TOF1だけずれているものとする。
・親局装置13(マスタ)からRFU12-1(スレーブ)方向の時刻差
t2-t1=DLY1+TOF1 …(1)
・RFU12-1(スレーブ)から親局装置13(マスタ)方向の時刻差
t4-t3=DLY1-TOF …(2)
これらの結果、RFU12-1は、式(1)と式(2)との和から伝送遅延時間DLY1を算出し、式(1)と式(2)との差からオフセット時間TOF1を算出する。
すなわち、
DLY1=((t2-t1)+(t4-t3))/2 …(3)
TOF1=((t2-t1)-(t4-t3))/2 …(4)
図4は、送受信切替タイミングの設定処理の処理フローチャートである。
まず、親局装置13は、事業者毎(本例では、RFU毎)に送受信切替タイミングを検出する(ステップS11)。
この場合において、絶対基準となるタイミングを有する態様としては、親局装置13のみGPS受信機、GMCユニット、地上ディジタルチューナあるいは電波時計のいずれかを備えている(あるいは接続されている)場合であって、RFU12-1~12-6の全てがIEEE1588に規定されたPTPに対応していない場合等が考えられる。
この場合においては、親局装置13は、絶対基準となるタイミングをGPSユニット31から取得し、取得した絶対基準となるタイミングに対応づけてRFU12-1~12-6に対し、基準タイミング信号Stを同時並行して送出する。
この結果、各RFU12-1~12-6は、対応する光ケーブルLC1~LC6の伝送線路長に応じた補正を行い、実効的にRFU12-1~12-6との間で遅延差が無い状態(あるいは所定許容値範囲内の状態)とすることが可能となる。
図6は、第3態様における親局装置とRFUとの間の接続構成説明図である。
図6においては、RFU12-1は、地上ディジタル放送チューナ35から絶対基準となるタイミングとして、TOT(Time Offset Table)と呼ばれる時刻情報を取得し、いわゆる電波時計と同様の精度で時刻情報を取得し、絶対基準となるタイミングに対応づけて親局装置13に対し、基準タイミング信号St0として送出し、親局装置13は、基準タイミング信号St0に基づいてRFU12-2~12-6に対し、タイミング信号Stを同時並行して送出する。
図7は、第4態様における親局装置と、RFU及び子局装置との間の接続構成説明図である。
図7においては、子局装置14-1のみが絶対基準となるタイミング(タイミング信号)を有している。
図8は、第5態様における親局装置とRFUとの間の接続構成説明図である。
そして、この状態で、親局装置13は、親局装置13とRFU12-1~12-6との間における送受信切替タイミングのうち、最も遅い送受信切替タイミングを基準送受信切替タイミングとして設定した所定の基準タイミング信号St1をRFU12-1~12-6に送出する。
しがたがって、送受信切替タイミングのずれが補正され、異なる事業者間の時分割タイミングのずれを抑制し、サービス品質の向上及びサービスの継続性を確保することができる。
本第1変形例においては、親局装置13に監視装置40を接続し、監視装置40において親局装置13及びRFU12-1~12-6から送受信切替タイミングに対応する信号Sc0~Sc6を受信し、これらに基づいて基準送受信切替タイミング(例えば、所定のしきい値時間内に位置する送受信切替タイミングのうち最も遅い送受信切替タイミング)を設定し、対応する基準タイミング信号St2を親局装置13に送信し、親局装置13は基準タイミング信号St2をRFU12-1~12-6に送信し、各RFU12-1~12-6は、対応する光ケーブルLC1~LC6の伝送線路長に応じた補正を行い、実効的にRFU12-1~12-6同士で親局装置13に対し遅延差が無い状態(あるいは所定許容値範囲内の状態)とする。
この場合において、監視装置40から出力される基準タイミング信号St2については、親局装置13及びRFU12-1~12-6から送受信切替タイミングに関わらず、監視装置40において、オペレータが適宜設定した送受信切替タイミングとすることも可能である。
本第2変形例においては、親局装置13に対し、絶対基準となるタイミング(タイミング信号)を有している他の親局装置13Aを光ケーブルLC21を介して接続する。
また、本実施形態の通信中継装置のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
11-1~11-7 基地局システム
12-1~12-6 RFU
13 親局装置
13A 親局装置
14-1~14-8 子局装置
15-1~15-14 サブユニット
16 移動通信端末装置
21-1~21-6、25 GMCユニット
22-1~22-6 基地局装置
26 LAN
31 GPSユニット
35 地上ディジタル放送チューナ
37 電波時計
40 監視装置
ANT1~ANT7 アンテナユニット
LC1~LC7、LC11、LC21 光ケーブル
St、St0、St1、St2 基準タイミング信号
Claims (2)
- 上り信号及び下り信号の送受信を時分割で切り替えて通信を行う際の送受信切替タイミングが相互に独立している複数の基地局システムからの信号を受信し、子局装置を介して、移動通信端末装置との間の通信を行う親局装置を有し、前記移動通信端末装置と前記基地局システムとの間の通信の中継を行う通信中継システムであって、
前記親局装置は、絶対基準となるタイミング信号が入力され、前記タイミング信号に基づいて、前記複数の基地局システムのそれぞれからの信号の基準送受信切替タイミングを設定する、
通信中継システム。 - 上り信号及び下り信号の送受信を時分割で切り替えて通信を行う際の送受信切替タイミングが相互に独立している複数の基地局システムからの信号を受信し、子局装置を介して、移動通信端末装置との間の通信を行う親局装置を有し、前記移動通信端末装置と前記基地局システムとの間の通信の中継を行う通信中継システムで実行される方法であって、
前記親局装置に、絶対基準となるタイミング信号が入力される過程と、
前記タイミング信号に基づいて、前記複数の基地局システムのそれぞれからの信号の基準送受信切替タイミングを設定する過程と、
を備えた方法。
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US20160088623A1 (en) | 2013-06-12 | 2016-03-24 | Corning Optical Communications Wireless Ltd. | Time-division duplexing (tdd) in distributed communications systems, including distributed antenna systems (dass) |
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