JP7042470B2 - 色素組成物、食品、退色抑制方法、及び色素組成物の製造方法 - Google Patents

色素組成物、食品、退色抑制方法、及び色素組成物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7042470B2
JP7042470B2 JP2017008963A JP2017008963A JP7042470B2 JP 7042470 B2 JP7042470 B2 JP 7042470B2 JP 2017008963 A JP2017008963 A JP 2017008963A JP 2017008963 A JP2017008963 A JP 2017008963A JP 7042470 B2 JP7042470 B2 JP 7042470B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
dye
red
nanoparticles
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017008963A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018115303A (ja
Inventor
敏夫 原
タケル 松尾
秀孝 森永
宏太郎 福田
望嘉 尾形
綾乃 金城
晋吾 葛西
英樹 池元
和代 ジャークス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sentan Pharma
Original Assignee
Sentan Pharma
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sentan Pharma filed Critical Sentan Pharma
Priority to JP2017008963A priority Critical patent/JP7042470B2/ja
Publication of JP2018115303A publication Critical patent/JP2018115303A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7042470B2 publication Critical patent/JP7042470B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

特許法第30条第2項適用 平成28年7月27日に琉球朝日放送株式会社「ニュースQプラス」で公開 平成28年9月15日に日本経済新聞電子版で公開 日本経済新聞九州版平成28年9月15日朝刊地方経済面に掲載
本発明は、光退色性が抑制された色素組成物に関する。
発色剤や合成着色料として用いられる色素組成物は、食品、医薬品、化粧品をはじめとして種々の物品に添加される。食品に添加する例では、魚卵加工品、食肉加工品、清涼飲料、菓子類、健康食品、サプリメント類等に添加して、食欲を刺激したり、色調を整えて外観を保持したりする。しかし近年の食品の安全性に対する基準の厳格化に伴い、国・地域によっては従来の発色剤が添加物として認められない場合がある。そこで、従来の発色剤や合成着色料に代わる、安全性の高い色素組成物が望まれる。そのような色素組成物として、天然色素を含有する色素組成物が検討される(特許文献1)。
天然色素としては、紅麹菌由来や植物由来の色素が例示される。しかし、天然色素には光退色性が高いものもある。そのような天然色素が添加された被添加物は、自然光や人口光が照射されることで退色するため、経時的に外観が損なわれやすい。
そのため、発色剤または着色料としての安全性を備え、かつ光退色性が抑制された色素組成物が望まれる。さらに近年、色素組成物は多機能化が進められる。例えば、被添加物の保存性を向上させる機能を備える色素組成物が期待される。
特許第3224911号公報
本発明の課題は、光退色性が抑制された色素組成物を提供することである。
本発明は、生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される分子のナノ粒子中に、色素成分が封入された色素組成物である。本発明で用いられるナノ粒子は、PLGA(ポリ(ラクチド-co-グリコリド)共重合体、Poly(Lactic-co-Glycolic Acid))ナノ粒子と、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース、HydroxyPropyl Cellulose)ナノ粒子と、キトサンナノ粒子とからなる群から一種以上選択されることが好ましい。
本発明は、赤色色素と、黄色色素と、緑色色素とからなる群から一種以上選択される色素成分が所定のナノ粒子に封入された色素組成物を包含する。またナノ粒子に封入される色素成分としての赤色色素は、紅麹色素と、トマト色素と、カプサイシンと、トウガラシ色素と、コチニール色素と、ベニバナ赤色素と、クチナシ赤色素と、ビートレッドと、ブドウ果皮色素と、シソ色素と、ヘマトコッカス藻色素とからなる群から一種以上選択されることが好ましい。本発明は、上記の色素成分が所定のナノ粒子に封入されることで、光退色を抑制できる。これにより、本発明の被添加物の色調を保持できる。
本発明は、食品添加用の色素組成物を包含する。本発明は、食品を腐敗させる微生物の生育を抑制できる。したがって、本発明が添加された食品の保存性を向上できる。なお本発明の色素組成物は、化粧品用途、顔料用途、塗料用途でも被添加物に添加されうる。
本発明は、上記の色素組成物が添加された食品を包含する。当該色素組成物の被添加物の例としては、塩たらこに例示される魚卵加工品や、ハム・ソーセージに例示される食肉加工品、その他、清涼飲料、菓子類、健康食品、サプリメント類が挙げられる。本発明は、所定の色素組成物が添加されることにより、所望の色調が保持され、かつ保存性に優れる。本明細書において、健康食品とは、広く健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般を指し、日本国が定めた安全性や有効性に関する基準等を満たした保健機能食品を包含する。
本発明は、上記の色素組成物を被添加物に添加する退色抑制方法を包含する。本発明によれば、被添加物は、自然光や人口光を照射されても退色が抑制される。また被添加物に微生物が存在する場合、その生育が抑制されうる。
本発明は上記の色素組成物の製造方法を包含する。本発明は、生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される原料を含有する原料溶液と、色素成分を含有する色素成分溶液とを混合する混合工程と、原料溶液と色素成分溶液との混合液から、生体内分解性分子または生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される分子のナノ粒子中に色素成分が封入された色素組成物を析出させる析出工程とを含む色素組成物の製造方法である。
生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される原料と分散剤とを含有する原料溶液と、色素成分を有機溶媒に溶解させた色素成分溶液とを、互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する処理用面間に導入することにより形成される薄膜流体中で混合する混合工程と、薄膜流体中に、生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される分子のナノ粒子中に色素成分が封入された色素組成物を析出させる析出工程とを含む色素組成物の製造方法を包含する。
本発明の色素組成物は光退色抑制効果を発揮する。したがって、該色素組成物の被添加物は光が照射されても退色しがたい。また本発明は微生物生育抑制効果を備える。したがって被添加物の保存性を向上できる。
本発明の実施例の粒度の測定結果である。 本発明の吸収スペクトルの測定結果である。 本発明の光退色抑制効果の確認結果である。 本発明の光退色抑制効果の確認結果である。 本発明の微生物生育抑制効果の確認結果である。 本発明の微生物生育抑制効果の確認結果である。 本発明の微生物生育抑制効果の確認結果である。 本発明の実施例の色調測定結果である。 本発明の実施例の粒度の測定結果である。 本発明の製造方法に適用する装置例の断面概略図である。
[色素組成物]
本発明は、生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される分子のナノ粒子中に、色素成分が封入された色素組成物である。本発明は、PLGAナノ粒子と、HPCナノ粒子とキトサンナノ粒子とからなる群から一種以上選択されるナノ粒子中に、色素成分が封入された色素組成物であることが好ましい。
上記の所定のナノ粒子は、後に説明する色素成分を封入しても、該色素成分の色調に対する影響が極めて少ない。したがって被添加物を所望の色調で着色できる。また色素成分をナノ粒子に封入することで、本発明は色素成分の光照射による退色を抑制できる。そのため、本発明の被添加物に自然光や人口光を照射しても、被添加物の色調を保持できる。HPCナノ粒子は、色素成分の色再現性に優れる。一方、PLGAナノ粒子は退色抑制効果に優れる。従って本発明においては、添加目的にあわせて、一種のナノ粒子を用いてもよく、二種以上のナノ粒子を併用してもよい。
本発明で用いられる色素成分は、被添加物の用途ごとに規定される安全基準を満たすものであればよい。食品用途の場合の安全基準例としては、食品衛生法が挙げられる。本発明は光退色性が高い色素成分を用いても、退色抑制効果が認められる。従って、本発明は、光退色性が高い色素成分を用いて被添加物を着色する場合に好適である。
本発明においては、赤色色素と、黄色色素と、緑色色素とからなる群から一種以上選択される色素成分がナノ粒子に封入されることが好ましい。赤色色素としては、紅麹色素、トマト色素、カプサイシン、トウガラシ色素、コチニール色素、ベニバナ赤色素、クチナシ赤色素、ビートレッド、ブドウ果皮色素、シソ色素、ヘマトコッカス藻色素等を例示でき、紅麹色素が好ましい。紅麹色素は、公知の製造方法により製造されたものを使用できる。また、泡盛蒸留廃液上清が添加された培地で培養された紅麹菌株に由来する紅麹色素を用いることが好ましい。これにより、退色抑制効果を一層向上できる。黄色色素としてはクルクミン、紅麹黄色色素、クチナシ黄色素等を例示できる。緑色色素としては、クロロフィル、クチナシ青色素、ベニバナ黄色素等を例示できる。
本発明における、ナノ粒子中の色素成分の封入量は、色素組成物の全重量に対し0.1重量%以上である。0.1重量%未満の場合、所望の色調を再現できない。また被添加物中の微生物の生育を十分に抑制できず、被添加物の保存性が低下する。本明細書において、色素成分の封入量とは、色素組成物から抽出された色素成分の濃度を定量した値に基づいて算出された色素組成物の重量に対する色素成分の重量をいう。
色素成分として紅麹色素を選択する場合、その封入量の例は、0.1重量%以上70重量%以下であり、好ましくは1重量%以上50重量%以下が好ましい。
本発明の色素組成物の平均粒径は、用いられるナノ粒子の平均粒径と同じであり、2nm以上1μm以下であることが好ましく、10nm以上650nm以下であることが好ましい。その測定方法としては、透過型電子顕微鏡による観察と、走査型電子顕微鏡による観察と、動的光散乱法と、レーザー回折・散乱法と、画像イメージング法とを例示できる。並びに、手分析の測定方法としてアンドレアゼンピペットを用いた重力沈降法等を挙げられる。本発明の粒径は、測定方法に応じて、ストーク相当径、円相当径、球相当径で表すことができる。粒径測定が複数の粒子を対象として行われる場合、その測定結果は、各粒子の粒径の平均で表した平均粒径の他、体積平均粒径及び面積平均粒径等で表される場合がある。また、本明細書において色素組成物の粒度は、色素組成物の長径のD50と定義され、特に説明しない限り、色素組成物を構成するナノ粒子の粒度によっても同等に評価できる。
本発明のスパン値は、3.0以下が好ましく、2.0以下がより好ましい。スパン値は小さいほど、粒径分布幅が小さいことを意味する。本発明は、スパン値が上記の範囲内であることにより、被添加物の色調を安定させ、かつその退色を抑制できる。また所望の領域で均質に微生物生育抑制効果を発揮させることができる。
スパン値は、下記の式(1)により算出できる。
スパン値=(D90-D10)/D50 (1)
本明細書で色素組成物のD90とD10とD50とは、色素組成物の長径のD90とD10とD50とであり、体積基準でのナノ粒子群の累積分布において、ナノ粒子群の全体積を100体積%として、それぞれ90体積%、10体積%、50体積%となる点の粒子径を意味する。上記の粒度分布は、公知の粒度分布計を用いて計測できる。粒度分布計の例としては、NIKKISO Nanotra Wave-EX150(日機装社製)が挙げられる。
上記の所定の色素組成物が添加される被添加物は、本発明の作用効果を発揮しうる限り、いずれの物品も該当する。被添加物の例としては、食品、医薬品、化粧品、顔料、塗料等が挙げられる。本発明の色素組成物においては、ナノ粒子が生体内分解性や生体適合性を備えるものから選択され、かつ色素成分が用途に対応する安全基準を満たすものから選択される。そのため、特に食品用途、医薬品用途、化粧品用途に好適である。
[食品]
本発明は、上記の色素組成物が添加された食品を包含する。食品の例としては、魚卵加工品、食肉加工品、清涼飲料、菓子類、健康食品、サプリメント類等が挙げられる。色素組成物の添加量は、食品100重量%に対し、0.0001重量%以上10重量%以下が好ましく、0.001重量%以上5重量%以下がより好ましい。上記の好ましい範囲内の添加量で本発明の色素組成物を添加された食品は、光照射による退色が抑制され良好な外観を保持できる。また微生物の生育が抑制されるため、保存性を向上できる。
[退色抑制方法]
本発明の退色抑制方法は、生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される分子のナノ粒子中に、色素成分が封入された色素組成物を食品に添加する添加工程を含む。添加方法は、本発明の作用効果を発揮する限り限定されないが、例としては、色素組成物を被添加物に浸透させる方法や、色素組成物を混合させた原料を用いて被添加物となる物品を製造する方法が挙げられる。
添加される色素組成物は溶液でも粉末状でもよい。また単一の色素組成物を添加してもよく、2種以上の色素組成物を併用してもよい。2種以上の色素組成物を併用する態様としては、同色または異なる色の2種以上の色素成分をそれぞれ同種のナノ粒子に封入した色素組成物を併用する場合や、同種の色素成分を2種以上のナノ粒子にそれぞれ封入した色素組成物を併用する場合が挙げられる。
色素組成物の併用例として、第一の色素成分を封入したHPCナノ粒子による第一の色素組成物と、第一の色素成分を封入したPLGAナノ粒子による第二の色素組成物との添加量比を0:100ないし100:0として用いる例が挙げられる。第一の色素組成物と第二の色素組成物とにそれぞれ色素成分として、同量の紅麹色素を封入する場合、被添加物の赤みを強くする場合には、第一の色素組成物を第二の色素組成物よりも多く被添加物に添加することが好ましい。被添加物の黄色みを強くする場合には、第二の色素組成物を第一の色素組成物よりも多く添加することが好ましい。すなわち本発明の添加量比を調節することで、所望の色調で被添加物を着色することができる。
他の併用例として、第一の色素成分を封入したHPCナノ粒子による第一の色素組成物と、第一の色素成分と異なる第二の色素成分を封入したHPCナノ粒子による第三の色素組成物との添加量比を0:100ないし100:0とすることができる。同様に、第一の色素成分を封入したPLGAナノ粒子と第二の色素成分を封入したPLGAナノ粒子を併用してもよい。上記の併用例は、ナノ粒子としてHPCナノ粒子やPLGAナノ粒子を用いる場合を挙げて説明したが、キトサンナノ粒子に色素成分を封入した色素組成物も同様に適用できる。
魚卵加工品の一つである塩たらこの例では、すけそうだらの卵巣(たらこ)を原料とする公知の製造工程に、本発明の添加工程を組み合わせることができる。塩たらこの公知の製造工程としては、すけそうだらの卵巣を食塩水に浸漬させる塩浸け工程や、塩浸け工程後のたらこをグルタミン酸ナトリウム、アスコルビン酸等を含有する調味液に浸漬させる第一の調味工程、調味工程後のたらこに唐辛子を添加する第二の調味工程等が含まれる。
本発明を適用する場合、粉末状の所定の色素組成物を第一の調味工程で用いられる調味液に添加し、添加後の調味液にたらこを浸漬させる。調味液における色素組成物の含有量は、被添加物であるたらこの重量や産地を考慮して調節され、0.001重量%以上20重量%以下が好ましく、0.001重量%以上10重量%以下がより好ましく、0.01重量%以上5重量%以下がさらに好ましい。0.01重量%未満の場合、十分な着色効果や保存効果を得られない。20重量%を超える場合、被添加物の色が濃くなりすぎる。浸漬時間は、従来の調味液の浸漬時間と同様である。
上記の添加工程により該色素組成物を含有する調味液を浸透させたたらこは、自然光や人口光が照射されても退色し難い。また本発明の方法によれば、原料のたらこに存在する微生物の生育を抑制し、塩たらこの保存性を向上させることができる。したがって本発明の退色抑制方法は、同時に、優れた被添加物の保存方法たりうる。
[色素組成物の製造方法]
生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される原料を含有する原料溶液と、色素成分を含有する色素成分溶液とを混合する混合工程と、原料溶液と色素成分溶液との混合液から、生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される分子のナノ粒子中に色素成分が封入された色素組成物を析出させる析出工程とを含む。
本発明の混合工程では、所定の原料溶液と色素成分溶液とを混合する。色素成分溶液は、上記に例示する赤色色素と、黄色色素と、緑色色素とからなる群からいずれか一種以上選択される色素成分を有機溶媒に溶解させて準備することができる。有機溶媒としては、所望の色素成分を溶解可能なものであればよく、エタノール、酢酸等を例示できる。色素成分溶液中の色素成分の濃度は、0.01W/W%以上99.9W/W%以下が好ましい。色素成分溶液には色素成分の他に、分散剤、泡盛蒸留粕由来成分等が含有されうる。
原料溶液は、生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される原料を含有する。原料の例としては、HPC、PLGA、キトサン等が挙げられる。原料溶液中の上記原料の濃度0.01重量%以上5.0重量%以下、好ましくは0.1重量%以上1重量%以下の水溶液を用いることができる。原料溶液を弱アルカリ性にするため、適宜、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸アンモニウム、クエン酸、酢酸等のpH調整剤を添加してもよい。上記の弱アルカリ性とは、pHが7.0を超えて11.0以下であることを意味する。
色素成分溶液と原料溶液との混合方法は、原料のナノ粒子が形成され、該ナノ粒子中に色素成分を封入することができれば、特に限定されない。好ましくは、色素成分溶液を、攪拌中の原料溶液に滴下して懸濁液を得る方法を例示できる。その場合、原料溶液の攪拌時の温度は、10℃以上70℃以下が好ましく、15℃以上50℃以下がより好ましい。攪拌速度は100rpm以上3000rpm以下が好ましく、200rpm以上2500rpm以下がより好ましい。原料溶液の滴下速度は、0.5mL/分以上500mL/分以下が好ましく、1.0mL/分以上250mL/分以下がより好ましい。上記の好ましい条件下で得られた懸濁液中で、色素成分と原料とを反応させる。混合液のpHは6~9であることが好ましい。
析出工程では、混合工程で得られた混合液中の反応により生成された生成物を回収する。当該生成物が、本発明の色素組成物である。上記の例によれば、減圧下で懸濁液から溶媒を留去することにより、色素組成物を回収できる。さらに回収された色素組成物を乾燥凍結させてもよい。
上記の混合工程として、生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される原料と分散剤とを含有する原料溶液(以下、「原料溶液」と記載する場合がある。)と、色素成分を有機溶媒に溶解させた色素成分溶液(以下、「色素成分溶液」と記載する場合がある。)とを、互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する処理用面間に導入することにより形成される薄膜流体中で混合する態様を例示できる。
原料溶液に溶解される原料は、上記の説明したとおり、所定の生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される。分散剤としては、糖アルコールが挙げられる。糖アルコールの具体例としては、エリトリトール、グリセリン、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトールおよびキシリトール等が挙げられ、D-マンニトールを例示できる。
原料溶液に溶解される所定の生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される原料の濃度は、0.01重量%以上5.0重量%以下であり、好ましくは、0.1重量%以上1重量%以下である。原料溶液に含有される分散剤の濃度は、0.01重量%以上10.0重量%以下であり、0.01重量%以上5.0重量%以下が好ましく、0.1重量%以上1重量%以下がより好ましく、0.2重量%が特に好ましい。
原料溶液は取り扱い上の観点から水溶液であることが好ましいが、原料を十分に溶解でき均質な溶液とすることができれば、溶媒の種類は限定されない。原料の溶解を促進するため、溶媒に原料を添加後、攪拌することが好ましい。また、原料溶液の調製においては、必要に応じて、静置、減圧又は加圧等の任意の消泡手段を適用できる。
色素成分溶液に用いられる色素成分は、上記に説明した所定の色素成分から選択される。有機溶媒は、所定の色素成分を十分に溶解できるものであればよく、エタノール、酢酸等が好ましく、エタノールがより好ましい。また2種以上の溶媒を混合して用いてもよい。色素成分溶液中の色素成分の濃度は、0.01W/W%以上99.9W/W%以下が好ましい。なお、該色素成分溶液は、泡盛蒸留粕由来成分や本発明の作用効果に影響を与えない量の不純物を含みうる。
混合工程では、原料溶液と色素成分溶液とを、互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する処理用面間に導入する。これにより、処理用面間に薄膜流体が形成され、原料溶液と色素成分溶液とを混合できる。
混合された原料溶液および色素成分溶液は薄膜流体中で反応し、所定のナノ粒子に色素成分を封入させた反応物が形成される。析出工程では、該反応物を薄膜流体中に析出させる。原料溶液の原料としてHPCを用いた場合、析出工程で、色素成分を封入させたHPCナノ粒子が薄膜流体中に析出する。
上記の製造方法例に適用できる装置例を説明する。図10は、本発明の製造方法に適用される装置例の断面の概略図である。100は、当該装置としての薄膜回転式分散機である。薄膜回転式分散機100は、ホルダ10と、ホルダ20と、導入部30と、流体付与部40と、導入部50と、流体供給部60と、ケース70とを備える。
ホルダ10は、ホルダ20の図10において軸心方向下側に配設される。ホルダ10は環状(リング状)の処理部11を備え、該処理部11は処理用面1を有する。ホルダ20は環状(リング状)の処理部21を備える。処理部21は、処理部11に設けられた処理用面1に対向する処理用面2を有する。該装置100は、ホルダ20と処理部21との間に、接面圧付与部22が配置される。接面圧付与部22により処理部21に圧力(以下、「背圧」と記載する場合がある。)をかけることで、処理部21を図10において軸心方向下側に配設された処理部11に接近させうる。これにより処理用面1と処理用面2とは、相互に近接および離反可能である。
ホルダ10は、モーターによってホルダ10の軸心を中心としてホルダ20に対し相対的に回転する。これにより、互いに対向して配設された処理用面1が処理用面2に対して相対的に回転する。
ホルダ10には、流体圧付与部40が接続された導入部30が設けられる。コンプレッサを備える流体圧付与部40によって原料溶液に加圧されることで、処理用面1と処理用面2との間に原料溶液が供給される。すなわち原料溶液は、流体圧付与部40による加圧によって導入部30からホルダ10およびホルダ20の内側の空間に導入される。なお、原料溶液が導入部30から処置用面1と処理用面2との間に直接供給されるようにしてもよい。
当該空間に導入された原料溶液は、処理用面1と処理用面2との間を通り、ホルダ10とホルダ20の外側に抜けようとする。このとき原料溶液の送圧を受けたホルダ20は、背圧に抵抗して、ホルダ10から離反する。これにより、処理用面1と処理用面2との間に微小な間隔ができる。
処理部21の内部には、導入部50が設けられる。導入部50は、色素成分溶液の通路であり、その一端に、コンプレッサを備える流体供給部60が接続されている。流体供給部60は、導入部50を介して処理用面1と処理用面2との間に色素成分溶液を供給する。色素成分溶液は、導入部30を介して供給された原料溶液と処理用面1と処理用面2と間で合流する。
微小間隔を保った処理用面1および処理用面2との間で合流した原料溶液と色素成分溶液とは、処理用面2に対する処理用面1の相対的な回転により、薄膜流体となる。薄膜流体では、原料溶液と色素成分溶液との混合と反応とが促進される。原料溶液と色素成分溶液との反応で生成した生成物は、均一で微細な所定のナノ粒子に色素成分が封入されてなる色素組成物として薄膜流体中に析出する。析出した色素組成物は、液体に懸濁された状態でホルダ10およびホルダ20の外側に排出される。
ホルダ10およびホルダ20の外周面の外側には、ケース70が配置される。ケース70は、ホルダ10およびホルダ20の外側に排出された懸濁液を収容する。収容された懸濁液から溶媒を除去することで、本発明の色素組成物を回収できる。
上記に説明した装置の好適例として、強制薄膜式マイクロリアクターであるULREA SS-11(エム・テクニック社製)が挙げられる。ULREA SS-11を用いる場合、ホルダ10の回転数、背圧、原料溶液および色素成分溶液の流速および温度等を適宜設定することができる。例えば回転数は、100rpm以上3000rpm以下が好ましく、200rpm以上2500rpm以下がより好ましい。背圧は0.001~0.1MPa、0.005~0.08MPa、0.008~0.05MPa、0.01~0.03MPa、好ましくは0.02MPaである。
本発明を、実施例を用いて説明する。ただし本発明は、その作用効果を発揮する限り、以下の実施例に限定されない。
紅麹色素を封入したHPCナノ粒子を水中エマルジョン法で作製し、実施例1および実施例2とした。
[実施例1]
0.05w/w%の紅麹色素(モナスカス色素、和光純薬工業社製)を溶解したエタノール溶液を色素成分溶液として、0.1w/w%HPC(日本曹逹社製)を溶解した0.01w/w%炭酸水素ナトリウム水溶液を原料溶液として、それぞれ用意した。色素成分溶液60gを、40℃、400rpmで撹拌しながら、原料溶液120gに2.3mL/分で滴下し、紅麹色素HPCナノ粒子懸濁液を得た。得られた懸濁液の溶媒を、減圧下で留去した後、凍結乾燥して紅麹色素封入HPCナノ粒子0.1gを得た。得られた紅麹色素封入HPCナノ粒子を実施例1とした。
[実施例2]
0.05w/w%の紅麹色素(モナスカス色素、和光純薬工業社製)を溶解したエタノール溶液を色素成分溶液として、0.5w/w%HPC(日本曹逹社製)を溶解した0.01w/w% 炭酸水素ナトリウム水溶液を原料溶液として、それぞれ用意した。色素成分溶液60gを、40℃、400rpmで撹拌しながら、原料溶液120gに2.3mL/分で滴下し、紅麹色素HPCナノ粒子懸濁液を得た。得られた懸濁液の溶媒を、減圧下で留去した後、凍結乾燥して紅麹色素封入HPCナノ粒子0.1gを得た。得られた紅麹色素封入HPCナノ粒子を実施例2とした。
図1に実施例1と実施例2との作製条件と測定結果を示す。図1(a)は、上記の各実施例の作製条件をまとめた表である。図1(b)は実施例1の粒度の測定結果であり、図1(c)は実施例2の粒度の測定結果である。なお、各実施例の粒度の測定機器は、いずれもNIKKISO Nanotrac Wave-EX150(日機装社製)であった。
図1に示すとおり、実施例1について、D50は67nm、スパン値は2.4、紅麹色素の含有率は20.0%であった。実施例2について、D50は30.3nm、スパン値は2.3、紅麹色素の含有率は4.0%であった。
図2は、紅麹色素の吸収スペクトルの測定結果である。測定には、Ultrospec 2100 pro(GEヘルスケアジャパン株式会社製)を使用した。図2(a)は、比較例1としての、ナノ粒子に封入されていない市販の紅麹色素の吸収スペクトルの測定結果である。図2(b)は実施例1の吸収スペクトルの測定結果である。図2に示されるように、実施例1の吸収スペクトルは比較例1のものと有意差が認められない。これにより実施例1は、ナノ粒子に封入することによる色素成分の色調への影響がないことを確認できた。
紅麹色素を封入したPLGAナノ粒子を水中エマルジョン法で作製し、実施例3とした。
[実施例3]
0.39gのPLGA(PLGA7520、乳酸:グリコール酸=75:25、平均分子量20,000、和光純薬工業社製)を含む、原料溶液としての20mLのアセトン溶液と、色素成分溶液としての0.05w/w%紅麹色素エタノール溶液10mLとを混合し、ポリマー溶液を準備した。得られたポリマー溶液を40℃、400rpmで撹拌した0.5w/w%ポリビニルアルコール溶液(日本合成化学工業社製)120mL中に2.3mL/分で滴下し、紅麹色素封入ナノ粒子懸濁液を得た。得られた懸濁液を減圧下で溶媒を留去した後、凍結乾燥して紅麹色素封入PLGAナノ粒子1.0gを得た。得られた紅麹色素封入PLGAナノ粒子を実施例3とした。実施例3について、D50は250nm、スパン値は1.9、紅麹色素の含有率は4.8%であった。実施例3の粒度の測定機器は、NIKKISO Nanotrac Wave-EX150(日機装社製)あった。
[光退色抑制効果試験]
実施例1と実施例3と比較例1とをそれぞれガラス容器に載置し、室温で、蛍光灯の光を照射した。経時的に波長490nmにおける吸光度を測定し、測定値から色素残存率を下記の式(2)により算出した。
色素残存率(%)=(光照射後の吸光度/光照射前の吸光度)×100 (2)
図3は光退色抑制効果の確認結果である。図3に示すように、実施例1(図3中、HPCナノ粒子、と表示)の色素残存率は、光照射開始日(0日目)を100%として、1日目が85%、2日目が75%、3日目が66%、4日目が57%、5日目が49%、6日目が42%、7日目が37%、8日目が33%、9日目が29%であった。実施例3(図3中、PLGAナノ粒子、と表示)の色素残存率は、光照射開始日(0日目)を100%として、1日目が90%、2日目が81%、3日目が75%、4日目が71%、5日目が66%、6日目が65%、7日目が67%、8日目が66%、9日目が62%であった。一方、比較例1(図3中、紅麹色素、と表示)の色素残存率は、光照射開始日(0日目)を100%として、1日目が79%、2日目が68%、3日目が59%、4日目が49%、5日目が41%、6日目が31%、7日目が30%、8日目が25%、9日目が22%であった。各実施例は比較例1より色素残存率が高く、光退色性の抑制効果が認められた。
泡盛蒸留廃液上清で培養した紅麹菌(B-3-3-1株)由来の紅麹色素を封入したHPCナノ粒子とPLGAナノ粒子とを水中エマルジョン法で作製し、それぞれ実施例4と実施例5とした。
[実施例4]
泡盛蒸留廃液上清で培養した紅麹菌B-3-1-1株の培養上清の80%エタノール抽出液20gとエタノール40gを混合した溶液を色素成分溶液として、0.1w/w%HPC(日本曹逹社製)を溶解した0.01w/w%炭酸水素ナトリウム水溶液を原料溶液として、それぞれ用意した。色素成分溶液60gを、40℃、400rpmで撹拌しながら、原料溶液120gに2.3mL/分で滴下し、紅麹色素HPCナノ粒子懸濁液を得た。得られた懸濁液の溶媒を、減圧下で留去した後、凍結乾燥して紅麹色素封入HPCナノ粒子0.3gを得た。得られた紅麹色素封入HPCナノ粒子を実施例4とした。実施例4について、D50は76nm、スパン値は2.7であった。
[実施例5]
0.39 gのPLGA(PLGA7520、乳酸:グリコール酸=75:25、平均分子量20,000、和光純薬工業社製)を含む、原料溶液としての20mLのアセトン溶液と、色素成分溶液としての、泡盛蒸留廃液上清で培養した紅麹菌B-3-1-1株の培養上清の80%エタノール抽出液10mLとを混合し、ポリマー溶液を準備した。得られたポリマー溶液を40℃、400rpmで撹拌した0.5w/w% ポリビニルアルコール溶液(日本合成化学工業社製)120mL中に2.3 mL/分で滴下し、紅麹色素封入ナノ粒子懸濁液を得た。得られた懸濁液を、減圧下で溶媒を留去した後、凍結乾燥し、紅麹色素封入PLGAナノ粒子1.3gを得た。得られた紅麹色素封入PLGAナノ粒子を実施例5とした。実施例5について、D50は167nm、スパン値は1.1であった。
図4は、光退色抑制効果の確認結果である。図4に示す光退色抑制効果は図3の説明で記載した方法と同じ方法で確認した、実施例1と実施例3と比較例1との色素残存率を図4(a)に示す。図4(a)に示すように、実施例1(図4(a)中、HPC、と表示)の色素残存率は、光照射開始日(0日目)を100%として、1日目が87%、2日目が76%、3日目が67%、4日目が58%、5日目が49%であった。実施例3(図4(a)中、PLGA、と表示)の色素残存率は、光照射開始日(0日目)を100%として、1日目が81%、2日目が72%、3日目が66%、4日目が73%、5日目が68%であった。一方、比較例1(図4(a)中、紅麹色素、と表示)の色素残存率は、光照射開始日(0日目)を100%として、1日目が81%、2日目が66%、3日目が56%、4日目が44%、5日目が36%であった。
図4(b)に実施例4と実施例5と比較例1との色素残存率を示す。図4(b)に示すように、実施例4(図4(b)中、HPC、と表示)の色素残存率は、光照射開始日(0日目)を100%として、1日目が80%、2日目が79%、3日目が78%、4日目が75%、5日目が69%であった。実施例5(図4(b)中、PLGA、と表示)の色素残存率は、光照射開始日(0日目)を100%として、1日目が84%、2日目が83%、3日目が81%、4日目が76%、5日目が74%であった。図4(b)に示す比較例1(図4(b)中、紅麹色素、と表示)の色素残存率は、図4(a)と同じである。
図4(b)の実施例4と図4(a)の実施例1、図4(b)の実施例5と図4(a)の実施例3とを比較すると、色素成分として泡盛蒸留廃液上清で培養した紅麹菌由来の紅麹色素を用いることにより、実施例4、実施例5とではそれぞれ培養時に泡盛蒸留廃液上清を添加しなかった紅麹菌由来のものと比較して退色抑制効果が大きく向上した。
[微生物生育抑制効果確認試験1]
図5と図6とは、微生物生育抑制効果の確認結果である。当該確認試験は、ペーパーディスク法により行った。図5(a)は本発明の微生物生育抑制効果を示す。比較例1としての紅麹色素5mg/mLの水溶液と、比較例2としての2.0mg/mLのHPC水溶液と、実施例1の紅麹色素を封入させたHPCナノ粒子25mg/mLの水に溶解させた溶液とを、それぞれ80μLずつ直径8mmのペーパーディスクに含侵させて、シャーレ内の図5(a)に示すA、B、Cの位置にそれぞれ載置した。シャーレに紅麹色素感受性菌としてBacillus subtilis NBRC 3134株(枯草菌)を播種し、30℃で18時間培養した。図5(a)に示すように、実施例1による増殖阻止域は、比較例1による増殖阻止域と比較して培地の水平方向、垂直方向とのいずれの方向にも大きく現れ、かつ均一に拡がっていた。培養条件は下記のとおりである。
[培養条件1]
30℃で18時間前培養した紅麹色素感受性菌Bacillus subtilis NBRC 3134株(枯草菌)懸濁液をブイヨン寒天平板培地に塗布し、寒天平板培地上に載置した直径8mmのペーパーディスクに紅麹色素水溶液、HPC水溶液、及び紅麹色素を封入したHPC ナノ粒子水溶液をそれぞれ80μlずつ含浸させた後、培養温度30℃で18時間培養した。
また、比較例1としての紅麹色素1mg/mLの水溶液と、比較例2としてのHPC20mg/mLの水溶液と、実施例2の紅麹色素を封入させたHPCナノ粒子21mg/mLの水溶液とを、それぞれ80μLずつ直径8mmのペーパーディスクに含侵させて、シャーレ内の図5(b)に示すD、E、Fの位置にそれぞれ載置した。シャーレにBacillus subtilis NBRC 3134株(枯草菌)を播種し、上記の培養条件1により18時間培養した。
図5(a)、図5(b)に示すように、実施例1、実施例2、比較例1を含有する溶液による位置C、F、A、Dには、枯草菌の増殖阻止域が現れた。図5各図の位置C、F、A、Dのペーパーディスクの周囲の白い領域が増殖阻止域である。一方、比較例2を含有する溶液による位置B、Eは、上記の増殖阻止域が認められなかった。また、実施例1による増殖阻止域は、比較例1による増殖阻止域と比較して培地の水平方向、垂直方向とのいずれの方向にも大きく現れ、かつ均一に拡がっていた。実施例2による増殖阻止域も実施例1と同様に比較例2によるものより広くかつ均一に拡がっていた。これにより本発明は、ナノ粒子に封入しない紅麹色素と比較して拡散しやすく、均質に分散させやすいと考えられる。
亜硝酸ナトリウム(和光純薬社製)水溶液を、含有量がそれぞれ1.6mg、1.2mg、0.8mg、0.4mg、0.16mgとなるようにペーパーディスクに含侵させ、シャーレ内の図6に示す、A、B、C、D、Eの位置にそれぞれ載置した。シャーレにBacillus subtilis NBRC 3134株(枯草菌)を播種し、上記の培養条件1で18時間培養した。その結果、図6に示されるように、位置Eでは枯草菌は増殖したが、位置Dで枯草菌の増殖阻害が認められた。位置Dにおける亜硝酸ナトリウム濃度は0.4mgであった。図6の位置A、B、C、Dのペーパーディスクの周囲の白い領域が枯草菌の増殖阻止域である。
[微生物生育抑制効果確認試験2]
実施例1と、実施例2と、それぞれナノ粒子に封入されていない比較例3としての市販の亜硝酸ナトリウム(和光純薬社製)と、比較例4としての市販の合成色素(赤色102号、黄色5号、赤色3号、保土谷化学工業株式会社製)とをそれぞれ添加した塩たらこと、上記の色素がいずれも添加されていない塩たらこをそれぞれ準備した。庫内温度4℃の冷蔵庫で各塩たらこを保管した。庫内保管の開始時の微生物検査では、いずれの塩たらこにも微生物のコロニーは認められなかった。塩たらこを、それぞれ同時期に冷蔵庫から取り出して室温下かつ蛍光灯下に載置することを複数回繰り返し、経過を目視で1か月間観察するとともに臭気を確認した。
図7の上部に示す表に、各実施例と比較例とにおける添加物をまとめた。当該表中で塩たらこに添加した成分は「○」で示し、添加しなかった成分は「×」で示した。詳細には、表中試料(a)は、2.5kgの塩たらこに対し、亜硝酸Na25mgと合成色素75mgとを添加した。試料(b)は2.5kgの塩たらこに対し、亜硝酸Na25mgを添加した。試料(c)は、2.5kgの塩たらこに対し、合成色素75mgを添加した。試料(d)は、いずれの色素組成物も添加しなかった。試料(e)は、2.5kgの塩たらこに対し、実施例1を2.5g添加した。試料(f)は、2.5kgの塩たらこに対し、実施例2を2.5g添加した。
図7の下部に示す(a)ないし(f)は、各実施例と比較例による試料(a)ないし試料(f)の観察結果の略図である。塩たらこの外形を示す略楕円形内に示される円形領域は、塩たらこ表面に生育した微生物のコロニーである。各図に示されるように、実施例1、実施例2を添加した図7(e)、図7(f)では、微生物のコロニーがほとんど認められず、微生物の生育が抑制されていることが確認できた。
図7に示す試料(a)ないし試料(f)のL*a*b*表色系による色調を日本電色工業株式会社製 NF333 簡易型分光色差計(規格:JIS Z8729)を用いて測定し、図8の表に示した。図8の表中(a)ないし(f)は、それぞれ図7の表中の試料(a)ないし(f)の測定結果である。図8の表に示す通り、試料(e)の色相は、試料(a)ないし試料(c)と比較してL*値、a*値が赤方向の色相で、明るい色に近い。特に、試料(f)は塩たらこ表面に艶としっとり感があり、合成色素無添加の塩たらこである試料(d)に近い色相を再現できた。
[実施例6]
ULREA SS-11を使用して、実施例6を作製した。まず原料溶液として0.1%HPC、0.01%NaCO3を含む水溶液と、色素成分溶液として紅麹色素:エタノールの組成が重量比で0.05:99.95の溶液とを準備した。原料溶液を原料溶液タンクに充填し、原料溶液タンクを0.3MPaに加圧した。その後、設定値40℃(実測値約40℃)で原料溶液を167mL/分で送液した。次いで設定値40℃(実測値約31℃)で色素成分溶液を100mL/分で送液した。送液により原料溶液と色素成分溶液とをホルダ10とホルダ20との内側に導入し、ホルダ10の回転数を400rpmとし、背圧を0.02MPaとして装置を作動させた。
各ホルダの外側に懸濁液が排出された。懸濁液の収量は267mLであった。懸濁液をエバポレーターにて30℃に加温して溶媒(エタノール)を留去し、紅麹色素が封入されたナノ粒子分散液を得た。該分散液を凍結乾燥機(FDU-1110 DRC-1000システム、東京理化器械社製)で-80℃で凍結乾燥し、0.17gの、紅麹色素が封入されたHPCナノ粒子の色素組成物を得た。得られた色素組成物を実施例6とした。
実施例6をチューブに12mg量りとり、ミリQ水3mLを加えた。ボルテックスミキサーで30秒間撹拌後、5分間超音波処理を行った。ミリQ水を対照とし、HPCナノ粒子の粒度分布をNIKKISO Nanotrac Wave-EX150(日機装社製)で測定した。図9(a)に示すように、実施例6は粒度1.8nm、スパン値0.4であった。
[実施例7]
ULREA SS-11を使用して、実施例7を作製した。まず原料溶液として0.1%HPC、0.01%NaCO3を含む水溶液と、色素成分溶液として紅麹色素:エタノールの組成が重量比で0.05:99.95の溶液とを準備した。原料溶液を原料溶液タンクに充填し、原料溶液タンクを0.3MPaに加圧した。その後、設定値40℃(実測値約40℃)で原料溶液を167mL/分で送液した。次いで設定値40℃(実測値約31℃)で色素成分溶液を100mL/分で送液した。送液により原料溶液と色素成分溶液とをホルダ10とホルダ20との内側に導入し、ホルダ10の回転数を1700rpmとし、背圧を0.02MPaとして装置を作動させた。
各ホルダの外側に懸濁液が排出された。懸濁液の収量は267mLであった。懸濁液をエバポレーターにて30℃に加温して溶媒(エタノール)を留去し、紅麹色素が封入されたナノ粒子分散液を得た。該分散液を凍結乾燥機(FDU-1110 DRC-1000システム、東京理化器械社製)で-80℃で凍結乾燥し、0.17gの、紅麹色素が封入されたHPCナノ粒子の色素組成物を得た。得られた色素組成物を実施例7とした。
実施例7をチューブに12mg量りとり、ミリQ水3mLを加えた。ボルテックスミキサーで30秒間撹拌後、5分間超音波処理を行った。ミリQ水を対照とし、HPCナノ粒子の粒度分布をNIKKISO Nanotrac Wave-EX150(日機装社製)で測定した。図9(b)に示したように、実施例7は粒度1.7nm、スパン値0.2であった。
[実施例8]
ULREA SS-11を使用して、以下のように実施例8を作製した。まず原料溶液として0.1%HPC、0.01%NaCO3を含む水溶液と、色素成分溶液として、紅麹色素:エタノールの組成が重量比で0.05:99.95の溶液とを準備した。原料溶液を原料溶液タンクに充填し、原料溶液タンクを0.3MPaに加圧した。その後、設定値40℃(実測値約40℃)で原料溶液を167mL/分で送液した。次いで設定値40℃(実測値約31℃)で色素成分溶液を100mL/分で送液した。送液により原料溶液と色素成分溶液とをホルダ10とホルダ20との内側に導入し、ホルダ10の回転数を2500rpmとし、背圧を0.02MPaとして装置を作動させた。
各ホルダの外側に懸濁液が排出された。懸濁液の収量は、267mLであった。懸濁液をエバポレーターにて30℃に加温して溶媒(エタノール)を留去し、紅麹色素が封入されたナノ粒子分散液を得た。該分散液を凍結乾燥機(FDU-1110 DRC-1000システム、東京理化器械社製)で-80℃で凍結乾燥し、0.7gの紅麹色素が封入されたHPCナノ粒子の色素組成物を得た。得られた色素組成物を実施例8とした。
実施例8をチューブに12mg量りとり、ミリQ水3mLを加えた。ボルテックスミキサーで30秒間撹拌後、5分間超音波処理を行った。ミリQ水を対照とし、HPCナノ粒子の粒度分布をNIKKISO Nanotrac Wave-EX150(日機装社製)で測定した。図9(c)に示したように、実施例8は粒度1.7nm、スパン値0.4であった。
[実施例9]
ULREA SS-11を使用して、実施例9を作製した。まず原料溶液として0.5%HPC、0.01%NaCO3を含む水溶液と、色素成分溶液として紅麹色素:エタノールの組成が重量比で0.05:99.95の溶液とを準備した。原料溶液を原料溶液タンクに充填し、原料溶液タンクを0.3MPaに加圧した。その後、設定値40℃(実測値約40℃)で原料溶液を167mL/分で送液した。次いで設定値40℃(実測値約31℃)で色素成分溶液を100mL/分で送液した。送液により原料溶液と色素成分溶液とをホルダ10とホルダ20との内側に導入し、ホルダ10の回転数を400rpmとし、背圧を0.02MPaとして装置を作動させた。
各ホルダの外側に懸濁液が排出された。懸濁液の収量は267mLであった。懸濁液をエバポレーターにて30℃に加温して溶媒(エタノール)を留去し、紅麹色素が封入されたナノ粒子分散液を得た。該分散液を、凍結乾燥機(FDU-1110 DRC-1000システム、東京理化器械社製)で-80℃で凍結乾燥し、0.72gの紅麹色素が封入されたHPCナノ粒子の色素組成物を得た。得られた色素組成物を実施例9とした。
実施例9をチューブに12mg量りとり、ミリQ水3mLを加えた。ボルテックスミキサーで30秒間撹拌後、5分間超音波処理を行った。ミリQ水を対照とし、HPCナノ粒子の粒度分布をNIKKISO Nanotrac Wave-EX150(日機装社製)で測定した。図9(d)に示すように、実施例9は粒度15.5nm、スパン値0.8であった。
[実施例10]
ULREA SS-11を使用して、実施例10を作製した。まず原料溶液として0.5%HPC、0.01%NaCO3を含む水溶液と、色素成分溶液として、紅麹色素:エタノールの組成が重量比で0.05:99.95の溶液とを準備した。原料溶液を原料溶液タンクに充填し、原料溶液タンクを0.3MPaに加圧した。その後、設定値40℃(実測値約40℃)で原料溶液を167mL/分で送液した。次いで設定値40℃(実測値約31℃)で色素成分溶液を100mL/分で送液した。送液により原料溶液と色素成分溶液とをホルダ10とホルダ20との内側に導入し、ホルダ10の回転数を1700rpmとし、背圧を0.02MPaとして装置を作動させた。
各ホルダの外側に懸濁液が排出された。懸濁液の収量は、267mLであった。懸濁液をエバポレーターにて30℃に加温して溶媒(エタノール)を留去し、紅麹色素が封入されたナノ粒子分散液を得た。該分散液を凍結乾燥機(FDU-1110 DRC-1000システム、東京理化器械社製)で、-80℃で凍結乾燥し、0.72gの紅麹色素が封入されたHPCナノ粒子の色素組成物を得た。得られた色素組成物を実施例10とした。
実施例10をチューブに12mg量りとり、ミリQ水3mLを加えた。ボルテックスミキサーで30秒間撹拌後、5分間超音波処理を行った。ミリQ水を対照とし、HPCナノ粒子の粒度分布をNIKKISO Nanotrac Wave-EX150(日機装社製)で測定した。図9(e)に示すように、実施例10は粒度15nm、スパン値1.2であった。
[実施例11]
ULREA SS-11を使用して、実施例11を作製した。まず原料溶液として0.5%HPC、0.01%NaCO3を含む水溶液と、色素成分溶液として紅麹色素:エタノールの組成が重量比で0.05:99.95の溶液とを準備した。原料溶液を原料溶液タンクに充填し、原料溶液タンクを0.3MPaに加圧した。その後、設定値40℃(実測値約40℃)で原料溶液を167mL/分で送液した。次いで設定値40℃(実測値約31℃)で色素成分溶液を100mL/分で送液した。送液により原料溶液と色素成分溶液とをホルダ10とホルダ20との内側に導入し、ホルダ10の回転数2500rpmとし、背圧を0.02MPaとして装置を作動させた。
各ホルダの外側に懸濁液が排出された。懸濁液の収量は267mLであった。懸濁液をエバポレーターにて30℃に加温して溶媒(エタノール)を留去し、紅麹色素が封入されたナノ粒子分散液を得た。該分散液を凍結乾燥機(FDU-1110 DRC-1000システム、東京理化器械社製)で-80℃で凍結乾燥し、0.72gの、紅麹色素が封入されたHPCナノ粒子の色素組成物を得た。得られた色素組成物を実施例10とした。
実施例10をチューブに12mg量りとり、ミリQ水3mLを加えた。ボルテックスミキサーで30秒間撹拌後、5分間超音波処理を行った。ミリQ水を対照とし、HPCナノ粒子の粒度分布をNIKKISO Nanotrac Wave-EX150(日機装社製)で測定した。図9(f)に示したように、実施例10は粒度17.8nm、スパン値1.7であった。
本発明は、食品用途、とりわけ魚卵加工品、食肉加工品、健康食品、サプリメントの各用途に適する。また、医薬品用途、化粧品用途、顔料用途、塗料用途でも利用しうる。
1、2 処理用面
10、20 ホルダ
11、21 処理部
22 接面圧付与部
30、50 導入部
40 流体圧付与部
60 流体圧付与部
70 ケース
100 薄膜回転式分散機

Claims (7)

  1. 生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される分子のナノ粒子中に天然物色素成分が封入された、色素組成物であって、
    前記天然色素成分は、赤色色素と、黄色色素と、緑色色素とからなる群から一種以上選択され、
    前記赤色色素は、紅麹色素と、トマト色素と、トウガラシ色素と、コチニール色素と、ベニバナ赤色素と、クチナシ赤色素と、ビートレッドと、ブドウ果皮色素と、シソ色素と、ヘマトコッカス藻色素とからなる群から一種以上選択される、色素組成物。
  2. PLGAナノ粒子とHPCナノ粒子ととからなる群から一種以上選択されるナノ粒子中に、前記天然色素成分が封入された、請求項1に記載された色素組成物。
  3. 食品添加用の、請求項1又は2に記載された色素組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載された色素組成物が添加された食品。
  5. 生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される分子のナノ粒子中に、天然色素成分が封入された色素組成物であって、前記天然色素成分は、赤色色素と、黄色色素と、緑色色素とからなる群から一種以上選択され、前記赤色色素は、紅麹色素と、トマト色素と、トウガラシ色素と、コチニール色素と、ベニバナ赤色素と、クチナシ赤色素と、ビートレッドと、ブドウ果皮色素と、シソ色素と、ヘマトコッカス藻色素とからなる群から一種以上選択される、色素組成物を食品に添加する添加工程を含む退色抑制方法。
  6. 生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される原料を含有する原料溶液と、色素成分を含有する色素成分溶液とを混合する混合工程と、原料溶液と色素成分溶液との混合液から、生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される分子のナノ粒子中に天然色素成分が封入された色素組成物を析出させる析出工程とを含む色素組成物の製造方法であって、
    前記天然色素成分は、赤色色素と、黄色色素と、緑色色素とからなる群から一種以上選択され、
    前記赤色色素は、紅麹色素と、トマト色素と、トウガラシ色素と、コチニール色素と、ベニバナ赤色素と、クチナシ赤色素と、ビートレッドと、ブドウ果皮色素と、シソ色素と、ヘマトコッカス藻色素とからなる群から一種以上選択される、
    前記製造方法。
  7. 生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される原料と分散剤とを含有する原料溶液と、色素成分を有機溶媒に溶解させた色素成分溶液とを、互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する処理用面間に導入することにより形成される薄膜流体中で混合する混合工程と、薄膜流体中に、生体内分解性分子と生体適合性分子とからなる群から一種以上選択される分子のナノ粒子中に色素成分が封入された色素組成物を析出させる析出工程とを含む、請求項に記載された色素組成物の製造方法。
JP2017008963A 2017-01-20 2017-01-20 色素組成物、食品、退色抑制方法、及び色素組成物の製造方法 Active JP7042470B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017008963A JP7042470B2 (ja) 2017-01-20 2017-01-20 色素組成物、食品、退色抑制方法、及び色素組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017008963A JP7042470B2 (ja) 2017-01-20 2017-01-20 色素組成物、食品、退色抑制方法、及び色素組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018115303A JP2018115303A (ja) 2018-07-26
JP7042470B2 true JP7042470B2 (ja) 2022-03-28

Family

ID=62983867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017008963A Active JP7042470B2 (ja) 2017-01-20 2017-01-20 色素組成物、食品、退色抑制方法、及び色素組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7042470B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001513071A (ja) 1995-07-21 2001-08-28 ブラウン・ユニバーシティ・リサーチ・ファンデーション 転相現象による微粒子の製法
JP2005028559A (ja) 2003-07-08 2005-02-03 Shinobu Ito ナノカプセル
JP2010189661A (ja) 2007-07-06 2010-09-02 M Technique Co Ltd 顔料ナノ粒子の製造方法、及び、インクジェット用インクの製造方法
JP2015180719A (ja) 2014-03-04 2015-10-15 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 紅麹色素及び/又は紅麹黄色素を含有する非乳化色素製剤

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001513071A (ja) 1995-07-21 2001-08-28 ブラウン・ユニバーシティ・リサーチ・ファンデーション 転相現象による微粒子の製法
JP2005028559A (ja) 2003-07-08 2005-02-03 Shinobu Ito ナノカプセル
JP2010189661A (ja) 2007-07-06 2010-09-02 M Technique Co Ltd 顔料ナノ粒子の製造方法、及び、インクジェット用インクの製造方法
JP2015180719A (ja) 2014-03-04 2015-10-15 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 紅麹色素及び/又は紅麹黄色素を含有する非乳化色素製剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018115303A (ja) 2018-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhang et al. Microencapsulation of anthocyanins extracted from grape skin by emulsification/internal gelation followed by spray/freeze-drying techniques: Characterization, stability and bioaccessibility
Qin et al. Smart packaging films based on starch/polyvinyl alcohol and Lycium ruthenicum anthocyanins-loaded nano-complexes: Functionality, stability and application
Yuan et al. Shellac: A promising natural polymer in the food industry
Kumar et al. Evaluation of chitosan as a wall material for microencapsulation of squalene by spray drying: Characterization and oxidative stability studies
Esmaeili et al. In vitro release and biological activities of Carum copticum essential oil (CEO) loaded chitosan nanoparticles
Tan et al. Combination of copigmentation and encapsulation strategies for the synergistic stabilization of anthocyanins
Machado Jr et al. Encapsulation of astaxanthin from Haematococcus pluvialis in PHBV by means of SEDS technique using supercritical CO2
Ba et al. Effects of environmental stresses on physiochemical stability of β-carotene in zein-carboxymethyl chitosan-tea polyphenols ternary delivery system
Priamo et al. Precipitation and encapsulation of β-carotene in PHBV using carbon dioxide as anti-solvent
CN1625344A (zh) 多层颜料在食品和药物领域中的用途
Rahnemoon et al. Nano-encapsulation of pomegranate (Punica granatum L.) peel extract and evaluation of its antimicrobial properties on coated chicken meat
EP2983488B1 (fr) Composition d'enrobage a base d'aliments colorants
JP2008063476A (ja) 水分散性油溶性色素結晶製剤
Yan et al. Preparation of α-tocopherol-chitosan nanoparticles/chitosan/montmorillonite film and the antioxidant efficiency on sliced dry-cured ham
Neves et al. Development of novel bioactives delivery systems by micro/nanotechnology
Norcino et al. Development of alginate/pectin microcapsules by a dual process combining emulsification and ultrasonic gelation for encapsulation and controlled release of anthocyanins from grapes (Vitis labrusca L.)
TW200413524A (en) Decolorized yeast cell wall fraction, or decolorization acid-treated yeast cell wall fraction
More et al. Development and characterization of taro starch-casein composite bioactive films functionalized by micellar pomegranate peel extract (MPPE)
Laureanti et al. Microencapsulation of bioactive compound extracts using maltodextrin and gum arabic by spray and freeze-drying techniques
Zhao et al. Research progress of starch as microencapsulated wall material
Gao et al. Soy protein/chitosan-based microsphere as stable biocompatible vehicles of oleanolic acid: an emerging alternative enabling the quality maintenance of minimally processed produce
Salimbahrami et al. Synthesis, optimization via response surface methodology, and structural properties of carboxymethylcellulose/curcumin/graphene oxide biocomposite films/coatings for the shelf-life extension of shrimp
Pang et al. The properties of pH-responsive gelatin-based intelligent film as affected by ultrasound power and purple cabbage anthocyanin dose
JP7042470B2 (ja) 色素組成物、食品、退色抑制方法、及び色素組成物の製造方法
He et al. Improving shikonin solubility and stability by encapsulation in natural surfactant‐coated shikonin nanoparticles

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20170214

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201104

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220308

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7042470

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150