JP7039021B2 - 遠心分離機 - Google Patents

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Description

本発明は、遠心力を利用して原液を液分とケーキ分とに分離する固液分離処理を行う遠心分離機に関するものである。
遠心分離機は、周壁部に透過孔を有するドラムと、ドラムの周壁部の内側に配置されるフィルタと、ドラムを高速で回転させる回転駆動装置とを備えている。固液分離処理を行う際には、高速で回転しているドラム内に原液を供給して、ドラムの回転に伴って生じる遠心力により、原液を液分とケーキ(固形物)分とに分離する。分離された液分は、フィルタとドラムの周壁部に設けられた透過孔とを通して外部に排出され、フィルタの内側にケーキが堆積していく。ケーキの厚みが規定の厚みに達した段階でドラム内への原液の供給を停止させ、ドラムを一定時間回転させることにより、ケーキからの脱液を十分に行わせる。その後、フィルタの内側に形成されたケーキをドラム外に排出して回収する。
遠心分離機においては、ドラム内に形成されたケーキを回収する際に、フィルタに付着した状態で残留するケーキを極力少なくして、ケーキを効率よく回収することが必要とされる。そのために種々の形式の遠心分離機が提案されているが、その一つとして、特許文献1や特許文献2に示されているようなフィルタ反転式の遠心分離機が知られている。フィルタ反転式の遠心分離機は下記のように構成されている。
ドラムは、透過孔を有する周壁部と、該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部と、周壁部の軸線方向の他端に形成された開口部とを有しており、ドラムの底壁部がドラム駆動装置の主軸に取り付けられる。ドラムの開口部を開閉するため、ドラムとともに回転しながらドラムの軸線方向に変位するドラム蓋が設けられる。このドラム蓋は、ドラムの開口部を閉じる際の位置である閉位置とドラムの外方に設定された開位置との間をドラムの中心軸線に沿って変位させられる。
またドラムの底壁部に近接した位置に設定された初期位置とドラム蓋の開位置の手前に設定された最終前進位置との間をドラムとともに回転しながらドラムの中心軸線に沿って変位するケーキ押出板が設けられる。ドラム蓋とケーキ押出板との間は、閉位置にあるドラム蓋と初期位置にあるケーキ押出板との間の距離に相当する長さを有する連結バーにより連結されている。ドラム蓋及びケーキ押出板をドラムの軸線方向に変位させるためにリニア駆動装置が設けられ、この駆動装置により、連結バーで連結されたドラム蓋及びケーキ押出板が、相互間の距離を一定に保った状態でドラムの軸線方向に変位させられる。
フィルタは、布などの可撓性を有する材料により、ほぼ円筒状(円筒状ないしは円錐台状)の形態をとり得るように形成されている。フィルタは、その一端をケーキ押出板の外周部に固定し、他端をドラムの開口部の内側に固定した状態で設けられていて、ケーキ押出板がドラム内の初期位置に配置されているときに、ほぼ円筒状の形態をとってドラムの周壁部の内周面を覆った状態で配置される。フィルタは可撓性を有するため、ケーキ押出板を初期位置から最終前進位置に向けて変位させると、ケーキ押出板の変位に伴って反転されて(折り返されて)いき、ケーキ押出板が最終前進位置に達したときには、フィルタが完全に反転されて(裏返しにされて)、ドラムの開口部の前方に配置されたケーキ押出板とドラムの開口部との間に張り渡された状態にされる。
フィルタ反転式の遠心分離機により固液分離処理を行う際には、ドラムの底壁部に近接した位置に設定された初期位置にケーキ押出板を配置した状態で、ドラムを高速回転させ、ドラム内に原液を供給する。ドラムの回転に伴って生じる遠心力により原液を液分とケーキ分とに分離し,分離した液分をフィルタとドラムの周壁部の透過孔とを通して排出させて、フィルタの内側にケーキを堆積させる。フィルタの内側に所定量のケーキが堆積したところで原液の供給を停止させ、ケーキの脱液を行った後、ドラムの回転を維持した状態で、ドラム蓋及びケーキ押出板をそれぞれ開位置及び最終前進位置に向けて変位させる。ケーキ押出板の前進により、フィルタの内側に堆積しているケーキを押してドラムの開口部から外部に排出させるとともに、フィルタを反転させて行く。ケーキ押出板を最終前進位置まで変位させると、フィルタが完全に反転されて(裏返しにされて)ケーキ押出板とドラムの開口部との間に張り渡された状態になる。この状態でドラムの回転に伴って生じる遠心力によりフィルタに付着しているケーキを脱落させる。
上記のように、フィルタ反転式の遠心分離機によれば、ドラム内に形成されたケーキをケーキ押出板により押し出すとともに、フィルタを反転させて、フィルタに付着しているケーキを遠心力により脱落させるため、フィルタに付着して残留するケーキの量を少なくして、ケーキを効率よく回収することができる。
従来のフィルタ反転式遠心分離機においては、ケーキ押出板とドラム蓋とが連結バーにより相互に連結されていて、ドラム内に形成されたケーキを回収する際に、ケーキ押出板とドラム蓋とが相互間の距離を一定に保った状態でドラムの軸線方向に変位させられる。そのため、従来のこの種の遠心分離機では、ドラムの開口部の前方でケーキ押出板及びドラム蓋をドラムとともに回転させるために、ドラムの開口部の前方に少なくともドラムの深さのほぼ2倍の長さを有するスペースを確保しておく必要があった。
特開2002-177821号公報 特表2006-520261号公報
上記のように、従来のフィルタ反転式遠心分離機においては、ドラムの開口部の前方に少なくともドラムの深さのほぼ2倍の長さを有するスペースを確保しておく必要があったため、ドラムの軸線方向に測った遠心分離機の寸法が著しく長くなって、遠心分離機が大型になるという問題があった。
また従来のフィルタ反転式遠心分離機では、ドラム蓋がケーキ押出板に長い連結棒を介して連結されていて、ドラムを回転させながらケーキ押出板を最終前進位置まで前進させた際に、質量が大きいドラム蓋がケーキ押出板から前方に大きく離れた位置でドラムとともに回転させられるため、フィルタを反転させてフィルタに付着したケーキを回収する際に、ドラム蓋と連結棒とからなる構造体が大きく振動して騒音が発生したり、当該構造体の寿命が短くなったりするという問題もあった。
本発明の目的は、ドラム蓋の開位置を従来よりもドラム側に寄った位置に設定することができるようにして、ケーキ回収時にドラムの前方でドラム蓋及びケーキ押出板を回転させるためにドラムの前方に確保しておく必要があるスペースを縮小して小形化を図ることを可能にしたフィルタ反転式遠心分離機を提供することにある。
本発明の他の目的は、ケーキ押出板を最終前進位置まで前進させた際にケーキ押出板及びドラム蓋を含む構造体がドラムの軸線方向に占める寸法を縮小して、フィルタを反転させてケーキを回収する際に大きな振動が生じるのを防ぐことができるようにしたフィルタ反転式の遠心分離機を提供することにある。
本発明は、透過孔を有する周壁部と該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部と前記周壁部の軸線方向の他端に形成された開口部とを有して前記周壁部の軸線を中心軸線としたドラムと、前記ドラムの中心軸線を回転中心として前記ドラムを回転駆動するドラム駆動装置と、前記ドラムの開口部を閉じる際の位置である閉位置と前記ドラムの外方に設定された開位置との間を前記ドラムとともに回転しながら前記ドラムの中心軸線に沿って変位し得るように設けられたドラム蓋と、前記ドラム内の前記底壁部に近接した位置に設定された初期位置と前記ドラム蓋の開位置の手前に設定された最終前進位置との間を前記ドラムとともに回転しながら前記ドラムの中心軸線に沿って変位し得るように設けられたケーキ押出板と、前記ドラム蓋及びケーキ押出板を前記ドラムの軸線方向に駆動するリニア駆動装置と、前記ドラムの開口部の内側に一端が固定されるとともに他端が前記ケーキ押出板の外周部に固定されて前記ケーキ押出板が前記初期位置にあるときに前記ドラムの周壁部の内周面を覆った状態で配置され、前記ケーキ押出板が前記初期位置から最終前進位置に変位する過程で反転させられるフィルタとを備えたフィルタ反転式の遠心分離機を対象とする。
本明細書には、前記の目的を達成するために、少なくとも以下に示す第1ないし第12の発明が開示される。
<第1の発明>
第1の発明においては、ドラム蓋が、ケーキ押出板に対してドラムの軸線方向に相対的に変位し得るように設けられていて、ドラム蓋を停止させた状態でもケーキ押出板をドラムの軸線方向に変位させ得るように構成され、ドラム蓋及びケーキ押出板がそれぞれ開位置及び最終前進位置にあるときのドラム蓋とケーキ押出板との間の距離が、ドラム蓋及びケーキ押出板がそれぞれ閉位置及び初期位置にあるときのドラム蓋とケーキ押出板との間の距離未満になるようにドラム蓋の開位置が設定される。
上記のように、ドラム蓋をケーキ押出板に対してドラムの軸線方向に相対的に変位させ得るように設けて、ドラム蓋を停止させた状態でもケーキ押出板をドラムの軸線方向に変位させ得るように構成しておくと、ドラム蓋の開位置をケーキ押出板の最終前進位置に近づけることができるため、ケーキ回収時にドラムの前方でドラム蓋及びケーキ押出板を回転させるためにドラムの前方に確保しておく必要があるスペースを縮小して、フィルタ反転式遠心分離機の小形化を図ることができる。
また上記のように構成しておくと、ケーキ押出板を最終前進位置まで前進させてフィルタを反転させた際にドラム蓋とケーキ押出板との間の距離を短縮することができ、ドラム蓋をケーキ押出板に接近させた状態でドラム蓋及びケーキ押出板を回転させることができるため、フィルタを反転させてケーキを回収する際に生じる機械的振動を抑制することができる。
<第2の発明>
第2の発明は第1の発明に適用されるもので、本発明においては、ケーキ押出板を最終前進位置まで変位させたときに、ケーキ押出板又はケーキ押出板に一体化されている部分のドラム蓋側の端部がドラム蓋又はドラム蓋に一体化されている部分に接した状態で配置されるように、ドラム蓋の開位置及びケーキ押出板の最終前進位置が設定される。
上記のようにドラム蓋の開位置及びケーキ押出板の最終前進位置を設定しておくと、ケーキ押出板を最終前進位置まで前進させた際にケーキ押出板及びドラム蓋がドラムの軸線方向に占める寸法を大幅に縮小することができる。
<第3の発明>
本明細書に開示された第3の発明は、第1の発明または第2の発明に適用される。本発明においては、ドラム駆動装置が、中心軸線をドラムの中心軸線に一致させた状態で回転自在に設けられて一端がドラムの底壁部に結合された主軸と、主軸をドラムとともに回転させる回転駆動機構とを備えている。
またリニア駆動装置は、ドラムと中心軸線を共有した状態で、かつ前記主軸内を軸線方向に貫通した状態で設けられて先端がケーキ押出板に結合され、主軸に対しては軸線方向に沿った相対変位のみが許容されたスラスト軸と、スラスト軸を主軸の軸線方向に駆動するスラスト軸駆動機構と、ドラムの内側にドラムと中心軸線を共有した状態で設けられてスラスト軸にスライド自在に支持された可動支持部材と、ケーキ押出板をスライド自在に貫通してドラムの中心軸線と平行に延びるように設けられ、一端及び他端がそれぞれドラム蓋及び可動支持部材に固定されてドラム蓋及び可動支持部材と共にドラムの軸線方向に変位する複数のドラム蓋支持軸と、ドラム蓋が開位置を越えて変位するのを阻止するストッパ機構とを備えている。
<第4の発明>
本明細書に開示された第4の発明は、第3の発明に適用される。本発明においては、ドラム蓋支持軸の少なくとも一つが中空に形成されて、一端がドラムの底壁部に固定されたガイド軸が中空に形成されたドラム蓋支持軸の中空部内にスライド自在に嵌合される。またストッパ機構は、ガイド軸に形成されたストッパ係合部と、ドラムの径方向に沿ってガイド軸側に向かう方向とガイド軸から離れる方向とに変位し得るように変位の方向が規制された状態で可動支持部材にスライド自在に支持されたストッパと、ストッパをガイド軸側に付勢するバネとを備えていて、ドラム蓋が開位置の手前に位置している間はストッパがガイド軸のストッパ係合部以外の部分に接した状態を保持してドラム蓋支持軸がドラム蓋とともにドラムの軸線方向に変位するのを許容し、ドラム蓋がドラムの開口部から離れる方向に変位する過程で開位置に達したときにストッパがガイド軸に設けられたストッパ係合部に係合してドラム蓋支持軸及びドラム蓋がドラムの底壁部から離れる方向に変位するのを阻止するように構成されている。
<第5の発明>
本明細書に開示された第5の発明は、第3の発明又は第4の発明に適用される。本発明においては、スラスト軸がケーキ押出板を初期位置から最終前進位置に向けて変位させる過程で、ドラム蓋が閉位置から開位置に変位するまでの間可動支持部材とスラスト軸との間に軸線方向に沿った相対変位が生じるのを阻止するべく可動支持部材をスラスト軸に仮固定し、ドラム蓋が開位置に達した後は可動支持部材とスラスト軸との間に軸線方向に沿った相対変位が生じるのを許容するべく可動支持部材のスラスト軸に対する仮固定を解除するように構成された可動支持部材仮止め機構がスラスト軸と可動支持部材との間に設けられている。
上記のように構成しておくと、スラスト軸を駆動して初期位置にあるケーキ押出板を最終前進位置に向けて変位させる際に、スラスト軸により可動支持部材を駆動してドラム蓋をケーキ押出板と共に変位させることができ、ドラム蓋が開位置に達した後は、ケーキ押出板のみを変位させて最終前進位置に到達させることができる。
<第6の発明>
第6の発明は第5の発明に適用されるもので、本発明においては、可動支持部材仮止め機構が、スラスト軸の径方向に変位自在な可動子と該可動子をスラスト軸側に付勢するバネとを有して可動支持部材側に固定された第1のプランジャと、第1のプランジャの可動子を嵌合させるためにスラスト軸側に設けられた凹部とを備えて、第1のプランジャの可動子が前記凹部に嵌合しているときに可動支持部材をスラスト軸に仮固定し、第1のプランジャの可動子が凹部から離脱しているときに可動支持部材の仮固定を解除して可動支持部材とスラスト軸との間に軸線方向に沿った相対変位が生じるのを許容するように構成されている。
<第7の発明>
第7の発明は第3ないし第6の発明の発明の何れかに適用される。本発明においては、ドラム内に原液を供給する給液パイプが、ドラムと中心軸線を共有した状態で、かつドラム蓋を貫通した状態で設けられる。またドラム蓋は、給液パイプの外周をスライドしつつ前記閉位置と開位置との間を変位するように設けられていて、ドラム蓋が開位置にあるときにドラム蓋と給液パイプとの間に軸線方向に沿った相対変位が生じるのを阻止するべくドラム蓋を給液パイプに仮固定し、ケーキ押出板が最終前進位置から初期位置に向けて変位する過程でケーキ押出板が可動支持部材に接して可動支持部材をドラムの底壁部側に押したときにドラム蓋の給液パイプへの仮固定を解除するように構成されたドラム蓋仮止め機構が設けられている。
上記のようにドラム蓋仮止め機構を設けておくと、ケーキ押出板を初期位置に向けて変位させてフィルタを反転前の状態に復帰させる際に、ドラム蓋がケーキ押出板に接近した状態でケーキ押出板とともにドラム側に変位してフィルタに干渉するのを防ぐことができるため、フィルタの復帰を円滑に行わせることができる。
<第8の発明>
第8の発明は、第7の発明に適用される。本発明においては、ドラム蓋仮止め機構が給液パイプの径方向に変位自在な可動子と該可動子を給液パイプ側に付勢するバネとを備えた第2のプランジャと、第2のプランジャの可動子を嵌合させるために給液パイプの周方向に伸びるようにして給液パイプ側に設けられた溝部とを備えていて、第2のプランジャの可動子が前記溝部に嵌合しているときにドラム蓋を給液パイプに仮固定し、第2のプランジャの可動子が前記溝部から離脱しているときにドラム蓋の仮固定を解除してドラム蓋と給液パイプとの間に給液パイプの軸線方向に沿った相対変位が生じるのを許容するように構成されている。
<第9の発明>
第9の発明は第3の発明に適用されるもので、本発明においては、ドラム内に原液を供給する給液パイプが、ドラムと中心軸線を共有した状態で、かつドラム蓋を貫通した状態で設けられる。またドラム蓋は給液パイプの外周をスライドしつつ閉位置と開位置との間を変位するように設けられ、ドラム蓋が開位置に達したときにドラム蓋に接してドラム蓋が開位置を越えてドラムから離れる方向に変位するのを阻止するストッパが給液パイプに固定される。
本発明のように構成すると、ドラム蓋が開位置を越えて変位するのを防止するストッパ機構を構成するためにドラム蓋支持軸を中空に形成して、該ドラム蓋支軸の中空部内にガイド軸を嵌合させる必要がないため、本発明に係る遠心分離機の構造の簡素化を図ることができる。
<第10の発明>
第10の発明は第9の発明に適用されるもので、本発明においては、ドラム蓋が開位置にあるとき及びケーキ押出板が最終前進位置から初期位置に向けて変位する過程で可動支持部材に接するまでの間ドラム蓋を前記開位置に保持するためにドラム蓋を給液パイプに仮固定し、ケーキ押出板が最終前進位置から初期位置に向けて変位する過程で可動支持部材に接して可動支持部材をドラムの底壁部側に押した際にドラム蓋が閉位置に向けて変位するのを許容するためにドラム蓋の給液パイプへの仮固定を解除するように構成されたドラム蓋仮止め機構がドラム蓋と前記給液パイプとの間に設けられる。
<第11の発明>
第11の発明は、第10の発明に適用される。本発明においては、ドラム蓋仮止め機構が、給液パイプの径方向に変位自在な可動子と該可動子を前記給液パイプ側又はドラム蓋側に付勢するバネとを備えてドラム蓋側又は給液パイプ側に固定された第2のプランジャと、第2のプランジャの可動子を嵌合させるために給液パイプの周方向に伸びるようにしてドラム蓋側又は給液パイプ側に設けられた溝部とを備えて、ドラム蓋が開位置にあるときに第2のプランジャの可動子が前記溝部に嵌合してドラム蓋を給液パイプに仮固定し、ケーキ押出板が最終前進位置から初期位置に向けて変位する過程で可動支持部材に接して可動支持部材をドラムの底壁部側に押した際に第2のプランジャの可動子が前記溝部から離脱してドラム蓋の仮固定を解除するように構成される。
<第12の発明>
第12の発明は、第7ないし第11の発明の何れかに適用されるもので、本発明においては、給液パイプが、ドラム蓋とともに回転するように設けられる。
本発明に係る遠心分離機においては、ケーキ押出板を初期位置から最終前進位置に向けて変位させる過程で、ドラム蓋をケーキ押出板により押すことによってもドラム蓋を開位置まで変位させることができる。またドラム内のケーキを回収する際には、ケーキ押出板を最終前進位置に向けて変位させる過程で、ケーキ押出板がドラムから押し出すケーキによりドラム蓋を押して該ドラム蓋を開位置に向けて変位させることもできる。従って、可動支持部材仮止め機構を設けてスラスト軸から可動支持部材を介してドラム軸支持軸に駆動力を与える構成をとらなくても、ドラム蓋を開位置まで変位させることは可能である。従って、本発明において、可動支持部材仮止め機構を設けることは好ましい要件ではあるが必須の要件ではない。
またケーキ押出板を最終前進位置から初期位置に向けて変位させる過程で、ドラム蓋がケーキ押出板に接近した状態でケーキ押出板に追従して閉位置に向けて変位してもフィルタの復帰動作に支障を来さない場合には、ドラム蓋仮止め機構を省略することができる。従って、ドラム蓋支持機構を設けることも好ましい要件ではあるが必須の要件ではない。
以上のように、本発明によれば、ドラム蓋をケーキ押出板に対してドラムの軸線方向に相対的に変位させ得るように設けて、ドラム蓋及びケーキ押出板がそれぞれ開位置及び最終前進位置にあるときのドラム蓋とケーキ押出板との間の距離を、ドラム蓋及びケーキ押出板がそれぞれ閉位置及び初期位置にあるときのドラム蓋とケーキ押出板との間の距離未満になるようにドラム蓋の開位置を設定したので、ケーキ回収時にドラムの前方でドラム蓋及びケーキ押出板を回転させるためにドラムの前方に確保しておく必要があるスペースを縮小して、フィルタ反転式遠心分離機の小形化を図ることができる。
また本発明によれば、ケーキ押出板を最終前進位置まで前進させてフィルタを反転させた際にドラム蓋をケーキ押出板に近い位置に配置することができ、ドラム蓋をケーキ押出板の近くに配置した状態でドラム蓋及びケーキ押出板を回転させることができるため、フィルタを反転させてケーキを回収する際に生じる機械的振動を抑制することができる。
図1は、本発明に係る遠心分離機の一実施形態の全体的な構造を示した断面図である。 図2は本発明に係る遠心分離機の一実施形態において、ドラム蓋及びケーキ押出板がそれぞれ閉位置及び初期位置にある状態を示した要部の断面図である。 図3は本発明に係る遠心分離機の一実施形態において、ドラム蓋が開位置に達した状態を示した要部の断面図である。 図3は本発明に係る遠心分離機の一実施形態において、ドラム蓋が開位置に停止し、ケーキ押出板が最終前進位置に達した状態を示した要部の断面図である。 図5は本発明に係る遠心分離機の他の実施形態を示した要部の断面図である。
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1ないし図4は本発明に係る遠心分離機の第1の実施形態を示したもので、図1は本実施形態の遠心分離機を垂直面に沿って断面してその全体的な構成を示した断面図である。図1において、1は透過孔を有する周壁部101と該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部102と周壁部101の軸線方向の他端に形成された開口部103とを有して周壁部101の軸線を中心軸線として回転させられるドラム、2はドラム1内の底壁部102に近接した位置に設定された初期位置とドラムの前方(図1において左方向)に設定された最終前進位置との間をドラム1とともに回転しながらドラムの中心軸線に沿って変位するケーキ押出板、3はドラム1の開口部を開閉するために、ドラム1とともに回転しながらドラム1の開口部を閉じる際の位置である閉位置とドラム1の前方に設定された開位置との間をドラム1の中心軸線に沿って変位するドラム蓋、4は布などの可撓性を有するフィルタ材料により筒状に形成されて、ドラム1の内周に添わせた状態で、一端及び他端がそれぞれドラム1の開口部側の端部の内側及びケーキ押出板2の外周部に固定された可撓性フィルタである。
また5はドラム1と、ケーキ押出板2とドラム蓋3とを駆動する駆動装置である。この駆動装置は、回転自在に設けられて一端がドラム1の底壁部102に結合された主軸501と、主軸1を回転駆動してドラム1を回転させるドラム駆動装置と、主軸501の内側にスラスト自在に設けられて先端がケーキ押出板2に連結されたスラスト軸502と、スラスト軸502を駆動してケーキ押出板2及びドラム蓋3をドラム1の軸線方向に直線駆動するリニア駆動装置とを備えている。
また6は駆動装置5を覆うカバー、7はドラム1を収容するドラム収納用ケーシング、8はケーシング7の前端部に固定された前カバーであり、前カバー8の内側にケーキ排出室が構成されている。前カバー8の下部にはケーキ排出シュート8Aが設けられている。また9は中心軸線をドラム1の中心軸線に一致させた状態で設けられてドラム1と共に回転させられる給液パイプである。
給液パイプ9は、その軸線方向の一端が、前カバー8の前端の壁部に取り付けられたロータリジョイント10の回転側のジョイントに接続されることにより前カバー8に回転自在に支持されている。給液パイプ9はその先端がドラム1の開口端寄りの部分の内側に達する長さを有しており、図2に示すようにドラム蓋3が閉位置にあってドラム1の開口部を閉じているときに、給液パイプ9の先端がドラム蓋3を貫通してドラム1内に開口した状態になるように、給液パイプ9の先端位置が設定されている。
ロータリジョイント10の固定側ジョイントは前カバー8に固定されていて、この固定側のジョイントに原液供給パイプ11の一端が接続されている。原液供給パイプ11の他端は原液供給源に接続されていて、原液供給源から供給される原液が原液供給パイプ11とロータリジョイント10と給液パイプ9とを通してドラム1内に供給されるようになっている。
ドラム1と、駆動装置5と、駆動装置5の主要部を覆うカバー6と、ケーシング7とを支持するためにフレーム12が設けられている。フレーム12は、設置面S上に配置されたベースBと、水平な板面を有し、ベースBの上に固定された板状のベースフレーム13と、ベースフレーム13と板面が直交するように配置されてベースフレーム13に下端が溶接等により固定された主フレーム14とを有している。
主フレーム14は、ベースフレーム13の前端から垂直上方に起立した前側壁部14Aと、ベースフレーム13の幅方向(図1の紙面と直交する方向)の両端から垂直上方に起立した一対の側壁部14B,14Bとにより、横断面がコの字形を呈するように構成されている。駆動装置5の主要部を覆うカバー6はフレーム12に固定されており、フレーム12とカバー6とにより、駆動装置5の主要部を収容するハウジングが構成されている。主フレーム14の側壁部14B,14Bには、駆動装置5の保守点検等を行う際に用いる開口部や、該開口部を開閉する扉等が適宜設けられるが、これらの図示は省略されている。
主フレーム14の前側壁部14Aの前方にはドラム1を収容する円筒状のケーシング7がその軸線を水平方向に向けた状態で配置され、該ケーシング7の一端に設けられたフランジ7aが主フレームの前側壁部14Aに固定されている。ドラム1を収容したケーシング7の他端に前面カバー8が取り付けられ、この前面カバー8内にケーキ回収室が形成されている。前面カバー8の下部には、ケーキ排出用シュート8Aが設けられ、ドラム内から回収されたケーキがケーキ排出用シュート8Aを通して外部に排出されるようになっている。ケーシング7の下部には、排液管7aが接続され、ドラム1の周壁部に設けられた透過孔から排出された液分が排液管7aを通して外部に排出される。
以下各部の構成を詳細に説明する。
<ドラム回りの構成>
(1)ドラム
図2ないし図4に示されているように、ドラム1は、多数の透過孔hを有する周壁部101と、周壁部101の軸線方向の一端を閉じる底壁部102と、周壁部101の軸線方向の他端に形成された開口部103とを有して、周壁部101の軸線を中心軸線とした公知のものである。ドラム1の底壁部102の中央寄りの部分にはドラムの開口方向と逆の方向に突出した円錐台状の突出部102aが形成され、この突出部102aの中央部に設けられた平板部が主軸501の先端にボルト等により固定されている。ドラム1内に形成されたケーキの排出と後記するフィルタ4の反転とを容易にするため、ドラム1の周壁部101には、ドラムの底壁部102から開口部103側に向かうに従って徐々に径が大きくなっていく向きのテーパが付けられている。
またドラム1の底壁部102の突出部102aの中央部に設けられた平坦部を貫通させて、スラスト軸502を貫通させるための孔部102bが形成されている。スラスト軸502は主軸501内を貫通した状態で設けられていて、ドラム1及び主軸501とともに回転しながら、主軸501の軸線に沿ってドラム1の開口方向(図2ないし図4において左方向)に変位する前進運動と、ドラム1の開口方向と反対方向(図2ないし図4において右方向)に変位する後退運動とを行う。
ドラム1の周壁部の開口部103側の端部には、外側に突出したフランジ部104が形成されている。フランジ部104の内周寄りの部分及び外周寄りの部分にはそれぞれドラム1の開口方向に向いた段部104a及び104bが形成され、段部104aにリング状のフィルタ保持板105が嵌合されている。またドラム1の開口方向に向いたフランジ部104の端面にリング状のフィルタ押え板106が当接されている。フィルタ押え板106の内径側の部分及び外径側の部分にそれぞれ、ドラム1の周壁部101と反対側(ドラムの開口方向)に突出した環状の突出部106a及びドラム1の周壁部101側に突出した環状の突出部106bが形成され、外径側の突出部106bがドラムの周壁部のフランジ部104の外周部に形成された段部104bに嵌合されている。
フィルタ保持板105はドラムの内周に添わせて配置されたフィルタ4の一端をフランジ部104の段部104aとの間に挟んだ状態で、ボルト等の固定手段によりフランジ部104に着脱可能な状態で固定される。またフィルタ押え板106は、フィルタ4の一端をフィルタ保持板105との間に挟持した状態で、ボルト等の図示しない固定手段により、ドラムのフランジ部104に対して着脱可能な状態で固定される。
ドラム1の周壁部101の内側には、周壁部101の内周面を直接覆う環状の硬質フィルタ107が配置されている。フィルタ107は、微細な透過孔を多数有する金属板等からなっていて、ドラム1の周壁部101の内周に形成された浅い凹部に嵌合されて保持されている。ドラム1の周壁部101の開口部側の端部の外周には、周壁部101の透過孔hを通して外部の排出される液分がドラムの開口部側に飛散して、前カバー8内に侵入するのを防ぐために傘状のガイド板108が取り付けられている。
(2)ケーキ押出板
ケーキ押出板2は、円形な輪郭形状を有する金属板からなっていて、ドラム1内に設定された初期位置(図2に示した位置)と、ドラム1の開口方向の前方に位置させて前面カバー8内(ケーキ回収室内)に設定された最終前進位置(図4に示した位置)との間を変位させられる。ケーキ押出板2の最終前進位置は、図4に示すようにフィルタ4を完全に反転させるために必要な位置に設定される。
ケーキ押出板2は、図2及び図3に示したようにドラム1内に配置されているときに、その外周面2aとドラムの周壁部101の内周面との間に周方向に沿って均一な隙間が形成されるように、その外径寸法が設定されている。ケーキ押出板2の中央寄りの部分に、ドラム1の開口方向に突出した円錐台状の突出部2bが形成され、この突出部の中央部に形成された平板部を貫通させて、後記する駆動装置5のスラスト軸502を貫通させるための孔部2cが形成されている。孔部2cを貫通したスラスト軸502の端部に形成された外フランジ502aがケーキ押出板2の中央寄りの部分にボルトで締結されることにより、ケーキ押出板2がスラスト軸502に連結されている。従ってケーキ押出板2は、スラスト軸502により直接駆動されて、初期位置(図2に示す位置)と最終前進位置(図4に示す位置)との間を変位させられる。
ケーキ押出板2の外周寄りの部分には、ドラム1の開口方向に向いた段部2dが形成され、この段部2dにリング状のフィルタ押え板201が嵌合されている。フィルタ押え板201は、ドラムの内周に添わせて配置された筒状のフィルタ4の他端を段部2dとの間に挟持した状態で、ボルト等の固定手段により、ケーキ押出板2に対して着脱が可能な状態で固定される。
(3)ドラム蓋
ドラム蓋3は、ドラム1の周壁部101の内径よりも大きい外径を有する円板からなっていて、その外周寄りの部分には、ドラム1の開口方向に突出した環状の突出部が形成されることにより肉厚部301が形成され、この肉厚部301にドラム1側に向いた段部302が形成されている。ドラム蓋3の肉厚部301に形成された段部302は、フィルタ押え板106に設けられた環状の突出部106aを嵌合させ得るように形成されていて、ドラム蓋3の段部302にフィルタ押え板106の突出部106aを嵌合させた状態にしたときに、ドラム1の開口部103が閉じられるようになっている。
ドラム蓋3の段部302の内面には、ドラム蓋3の段部302にフィルタ押え板106の突出部106aを嵌合させてドラム1の開口部を閉じた状態にしたときに、ドラム内に存在する液分がドラム蓋3とフィルタ押え板106との間から外部に漏れるのを防ぐためのシール材が設けられている。ドラム蓋3の中心部には給液パイプ9を貫通させる孔305が形成され、この孔305の内周には、給液パイプ9の外周に摺動接触するリング状のベアリング部材306が固定されている。ベアリング部材306は、ポリテトラフルオロエチレンなどの摩擦抵抗が小さい樹脂材料からなっていて、ドラム蓋3と給液パイプ9との間に軸線方向の相対変位が生じる際及び周方向の相対変位が生じる際にそれぞれスラスト軸受及びラジアル軸受として機能すると共に、ドラム蓋3と給液パイプ9との間から液分が漏れるのを防ぐシール材としても機能する。
従来のフィルタ反転式遠心分離機では、ドラム蓋2とケーキ押出板2とが連結バーを介して連結されていて、ドラム蓋2とケーキ押出板2とが常に一体になってドラムの軸線方向に変位するように構成されていたが、本実施形態では、ドラム蓋2が、ケーキ押出板2に対してドラム1の軸線方向に相対的に変位し得るように設けられて、ドラム蓋3を停止させた状態でもケーキ押出板2をドラム1の軸線方向に変位させ得るように構成されている。
ドラム蓋3は、ドラム1の開口部103を閉じる際の位置である閉位置(図2に示した位置)と、ドラム1の外方に設定された開位置(図3及び図4に示した位置)との間を、ドラム1とともに回転しながらドラム1の中心軸線に沿って変位し得るように設けられる。ドラム蓋3の開位置は、前面カバー8内に設定される。ケーキ押出板2の最終前進位置は、前面カバー8内で、図4に示したようにフィルタ4を完全に反転させて裏返した状態にするために必要な位置に設定する必要がある。ドラム蓋3の開位置は、ケーキ押出板2の最終前進位置よりも更に前方の位置に設定する必要があるが、本発明においては、遠心分離機を小形に構成するため、図4に示したようにドラム蓋3及びケーキ押出板2がそれぞれ開位置及び最終前進位置にあるときのドラム蓋3とケーキ押出板2との間の距離が、図2に示したようにドラム蓋3及びケーキ押出板2がそれぞれ閉位置及び初期位置にあるときのドラム蓋3とケーキ押出板2との間の距離未満になるように、ドラム蓋3の開位置が設定される。
遠心分離機の軸線方向寸法をできるだけ縮小するためには、図4に示したようにケーキ押出板2を最終前進位置まで変位させたときに、ケーキ押出板2又はケーキ押出板2に一体化されている部分のドラム蓋側の端部(図示の例ではスラスト軸502の先端部)がドラム蓋3又はドラム蓋3に一体化されている部分に接した状態になるように、ドラム蓋3の開位置及びケーキ押出板2の最終前進位置を設定しておくのが好ましい。
<駆動装置の構成>
次に図1を参照して、ドラム1とケーキ押出板2とドラム蓋3とを駆動する駆動装置5の構成について説明する。駆動装置5は、ドラムの中心軸線を回転中心としてドラムを回転駆動するドラム駆動装置と、ドラム蓋3及びケーキ押出板2をドラム1とともに回転させながらドラム1の軸線方向に駆動するリニア駆動装置とを備えている。以下これらの駆動装置について説明する。
(1)ドラム駆動装置
ドラム駆動装置は、ドラム1に結合された主軸501と、主軸501を回転駆動する回転駆動機構とにより構成される。図示の例では、ベースフレーム3に支柱511,511を介して軸受装置512が支持され、この軸受装置の軸線方向の一端が主フレーム14の前側壁部14Aに結合されている。軸受け装置512には軸受け513及び514が設けられており、これらの軸受けにより、中空の主軸501がその中心軸線を横方向(水平方向)に向けた状態で回転自在に支持されている。主軸501の軸線方向の一端は主フレーム14の前側壁部14Aに設けられた孔を通して、前側壁部14Aの前方に配置されたドラム1の底壁部102に結合され、主軸501の軸線方向の他端は軸受け装置512の軸線方向の他端から外部に導出されている。主軸501の軸線方向の一端及び他端をそれぞれ主軸501の前端及び後端とする。
ベースフレーム13には主軸駆動用モータ520が支持され、軸受け装置512の他端から導出された主軸501の後端部に取り付けられた歯付きプーリ521と、主軸駆動用モータ520の回転軸に取り付けられた歯付きプーリ522とにタイミングベルト523が巻き掛けされている。主軸501と、モータ520と、歯付きプーリ521及び522と、タイミングベルト523とにより、ドラム1をその中心軸線を回転中心として回転駆動するドラム駆動装置525が構成されている。
(2)リニア駆動装置
リニア駆動装置は、ドラム1と中心軸線を共有した状態で、かつ主軸501内を軸線方向に貫通した状態で設けられて先端がケーキ押出板に結合され、前記主軸に対しては軸線方向に沿った相対変位のみが許容されたスラスト軸502と、スラスト軸502を主軸501の軸線方向に駆動するスラスト軸駆動機構と、ドラム1の内側にドラムと中心軸線を共有した状態で設けられてスラスト軸502にスライド自在に支持された可動支持部材25と、ケーキ押出板2をスライド自在に貫通してドラム1の中心軸線と平行に延びるように設けられ、一端及び他端がそれぞれドラム蓋3及び可動支持部材25に固定されてドラム蓋3及び可動支持部材25と共にドラムの軸線方向に変位する複数のドラム蓋支持軸20と、ドラム蓋3が開位置を越えて変位するのを阻止するストッパ機構とを備えている。また本実施形態では、ドラム蓋3を閉位置から開位置に変位させる過程で可動支持部材25をスラスト軸とともに変位させるために、ドラム蓋3が開位置に到達するまでの間可動支持部材25をスラスト軸502に仮固定しておく可動支持部材仮止め機構と、最終前進位置にあるケーキ押出板2を初期位置に向けて変位させる過程で、ドラム蓋3がケーキ押出板2に接近した状態でケーキ押出板2に追従して変位するのを防ぐために、ケーキ押出板2が可動支持部材25に接するまでの間ドラム蓋3を給液パイプに仮固定しておくドラム蓋仮止め機構とが設けられる。以下これらの各部について説明する。
(2.1)スラスト軸
スラスト軸502は、主軸501の中空部内にスライド自在に挿入されている。スラスト軸502と主軸501との間に許容される相対変位を両軸の軸線方向に沿った変位のみに限定するために、主軸501の一部に該主軸の軸線方向に伸びるスロット530が形成され、スラスト軸502に固定されたキー531がスロット530にスライド自在に嵌合されている。主軸501の前端側及び後端側にそれぞれ配置されたスラスト軸502の一端及び他端をそれぞれスラスト軸502の前端及び後端とする。
スラスト軸502の前端は、主軸501の前端から前方に(ドラム側に)突出して、ドラム1の底壁部102に形成された孔102b(図2参照)を通してドラム1内に導入されている。ドラム1の底壁部102に形成された孔102bの内周面とスラスト軸502との間には、スラスト軸受532と、ドラム内に供給された原液がスラスト軸502と主軸501との間に侵入するのを防ぐシール部材533とが配置されている。
(2.2)スラスト軸駆動機構
スラスト軸502の後端にはナット535が、その中心軸線をスラスト軸502の中心軸線に一致させた状態で固定されている。スラスト軸502の軸心部には、ナット535側に開口部を有し、ナット535と反対側の端部が閉鎖された第1の孔502bと、ドラム1側の端部に開口部を有し、ドラム1と反対側の端部が閉鎖された第2の孔502cとが形成され、ナット535に螺合されたねじ棒536が第1の孔502bに挿入されている。第2の孔502cは、スラスト軸502が前進していく過程で図3及び図4に示すように給液パイプ9を受け入れるために設けられたもので、その内部には、耐蝕性を有し、摩擦抵抗が小さい樹脂材料からなる保護チューブ540(図2ないし図4参照)が嵌合されている。
ネジ棒536は、その後端部側にネジが設けられていない軸部536aを有し、この軸部が、ベースフレーム3に支柱537を介して支持されたフレーム538に固定された筒状部材539を貫通して外部に導出されている。ネジ棒536の軸部536aにはスプラインを形成する歯部536bが形成され、筒状部材539の内周に回転自在に支持された歯付きプーリ540のボス部の内周に形成された歯部が歯部536bに噛み合わされることにより、ネジ棒536と歯付きプーリ540とがスプライン結合されている。
フレーム538にはスラスト軸駆動用モータ541が固定され、このモー541の出力軸に歯付きプーリ542が取り付けられている。歯付きプーリ542と、ネジ棒536にスプライン結合された歯付きプーリ540とにタイミングベルト543が巻き掛けされ、モータ541の回転がベルト543を介してネジ棒536に伝達されるようになっている。
歯付きプーリ540を貫通してドラム1と反対側に導出されたネジ棒536の端部にボルト545によりフランジ板546が固定され、フランジ板546と歯付きプーリ540との間に、ネジ棒536の軸線方向に並べた状態でネジ棒536に嵌合された多数の皿バネ547が配置されている。皿バネ547はネジ棒536の軸線方向に圧縮された状態で設けられていて、皿バネ547によりネジ棒536とスラスト軸502とがドラム1の開口方向と反対方向に(図1において右方向に)付勢されている。皿バネ547は、ドラム蓋3が閉位置に配置された際に、スラスト軸502とケーキ押出板2とドラム蓋支持軸20とを介してドラム蓋3をドラム1側に付勢して、ドラム蓋3を閉位置に確実に保持する作用をする。
図示の例では、ナット535と、ネジ棒536と、モータ541と、プーリ540及び542と、ベルト543とにより、スラスト軸502を主軸501に対して前進及び後退させるように駆動するスラスト軸駆動機構550が構成されている。
(2.3)スラスト軸駆動機構の動作
図示の駆動装置5において、モータ520及び541のうち、モータ520のみを駆動したとすると、モータ520の回転により、主軸501が回転させられ、主軸502にキー531を介して結合されたスラスト軸502が主軸501とともに回転させられる。スラスト軸502が回転することにより、該スラスト軸とともにナット535も回転し、該ナット535に螺合されているネジ棒536も回転させられる。ネジ棒536の回転は、プーリ540とベルト543とを通してプーリ542に伝達されるため、モータ541の回転軸が回転させられる。この状態では、モータ541がモータ520の負荷となっており、モータ541の回転軸がモータ520により回転させられる。このように、モータ541がモータ520により回転させられる状態では、ネジ棒536がナット535及びスラスト軸502と一緒に回転し、ネジ棒536とナッ535との間には相対的な回転が生じないため、スラスト軸502は主軸9に対してスラスト運動を行わない。
これに対し、モータ520を停止させた状態で、モータ541を駆動すると、ネジ棒536がナット535に対して相対的に回転するため、モータ541の回転方向に応じてナット535が前進または後退し、ナット535に固定されているスラスト軸502がナット535の前進及び後退に伴って前進または後退する。
モータ520及び541が同時に駆動された時には、主軸501の回転速度とネジ棒536の回転速度との差に応じて、ネジ棒536がナット535に対して相対的に回転し、ネジ棒536のナット535に対する回転方向に応じて、スラスト軸502が前進または後退する。このときスラスト軸502の変位速度は、ネジ棒536の回転速度と主軸501の回転速度との差に比例する。従って、ネジ棒536の回転速度を主軸501の回転速度よりも高くしたり、低くしたりすることにより、スラスト軸502を前進又は後退させることができる。
(2.4)ドラム蓋の支持構造
ドラム蓋3は、ドラム1の中心軸線に沿ってケーキ押出板2に対して相対的に変位し得るように設けられる。本実施形態では、ドラム蓋3をドラム1の中心軸線に沿ってケーキ押出板2に対して相対的に変位させることができるようにするため、ドラム1の中心軸線の周囲に複数のドラム蓋支持軸20が等角度間隔で配置され、各ドラム蓋支持軸20の一端がドラム蓋3に固定されている。本実施形態では、合計6本のドラム蓋支持軸20がドラムの中心軸線の周囲に60度間隔で配置されている。
本実施形態では各ドラム蓋支持軸20が、中空に(管状に)形成されていて、各ドラム蓋支持軸20の軸線方向の一端寄りの部分の外周に雄ネジ部20aが形成され、各ドラム蓋支持軸20のネジ部20aの基部に隣接する位置に環状の固定金具21が溶接等により固定されている。6本のドラム蓋支持軸20の一端をドラム蓋3に固定するため、ドラムの中心軸線の周囲に等角度間隔で並ぶ6個の貫通孔306がドラム蓋3を貫通させた状態で設けられ、各貫通孔306に各ドラム蓋支持軸20の一端が挿入されている。各ドラム蓋支持軸20のドラム蓋3から外側に突出した部分の外周に設けられたネジ部20aにナット22が螺合され、各ドラム蓋支持軸20に固定された固定金具21をドラム蓋3の内面に当接させた状態でナット22が締め付けられることにより、各ドラム蓋支持軸20の軸線方向の一端がドラム蓋3に締結されている。
各ドラム蓋支持軸20とケーキ押出板2との間に軸線方向に沿った相対変位が生じるのを許容するため、ケーキ押出板2に各ドラム蓋支持軸20をゆるく貫通させる孔部2eが形成され、孔部2eの内周に固定されたスラスト軸受23が各ドラム蓋支持軸20にスライド自在に接触させられている。
また6本のドラム蓋支持軸20のそれぞれの他端側をスラスト軸502に対して支持するために、スラスト軸502の外周にスライド自在に支持された可動支持部材25が6本のドラム蓋支持軸20に対して共通に設けられ、この可動支持部材25に6本のドラム蓋支持軸20の他端が固定されている。
図示の可動支持部材25は、円形の輪郭形状を有するディスク状の金属部材からなっていて、その中央部にスラスト軸502をゆるく貫通させる孔部25aを有し、孔部25aの周囲に、6本のドラム蓋支持軸20の他端をそれぞれ圧力嵌めする6個の孔部25bを有している。
可動支持部材25は、各孔部25bに対応するドラム蓋支持軸20の他端を圧力嵌めした状態で、その中央の孔部25aの内周に固定されたスラスト軸受26を、孔部25aを貫通させたスラスト軸502の外周に接触させることによりスラスト軸502の外周にスライド自在に支持されている。ドラム蓋3は、ドラム蓋支持軸20と可動支持部材25とを介してスラスト軸502に支持されている。
(2.5)ストッパ機構
ドラム蓋3が設定された開位置(図3及び図4に示した位置)を越えてドラム1の前方(ドラム1から離れる方向)に変位するのを阻止するためにストッパ機構が設けられる。本実施形態では、ストッパ機構を構成するために、各ドラム蓋支持軸20の中空部内にドラム1の中心軸線と平行に伸びるガイド軸27がスライド自在に嵌合され、各ガイド軸27の一端がドラム1の底壁部102に固定されている。図示の例では、各ガイド軸27の一端に雄ネジ部27aが設けられていて、該雄ネジ部27aがドラム1の底壁部102に設けられたネジ孔に螺合されることにより各ガイド軸27がドラムの底壁部102に固定されている。
また可動支持部材25の外周寄りの部分と、可動支持部材25に固定されたドラム蓋支持軸20とを貫通させた孔に、中心軸線をドラム1の径方向に向けた筒体28が嵌着され、この筒体28内にピストン状のストッパ29がスライド自在に嵌合されている。ストッパ29は、ドラム1の径方向に沿って、ガイド軸27側に向かう方向とガイド軸27から離れる方向とに変位し得るように変位方向が規制された状態で可動支持部材25に支持されていて、筒体28内に設けられたバネ30により、各ストッパ29がガイド軸27側に付勢されている。またガイド棒27の先端寄りの部分の外径が縮小されることにより、ガイド棒27の先端寄りの部分にストッパ係合部27bが形成されている。
本実施形態では、先端寄りの部分にストッパ係合部27bが形成されて、ドラム蓋支持軸20内にスライド自在に嵌合されたガイド軸27と、ドラム1の径方向に沿ってガイド軸27側に向かう方向とガイド軸27から離れる方向とに変位し得るように変位の方向が規制された状態で可動支持部材25にスライド自在に支持されたストッパ29と、ストッパ29をガイド軸27側に付勢するバネ30とにより、ドラム蓋3が設定された開位置を越えて変位するのを阻止するストッパ機構が構成されている。
上記のようにストッパ機構を構成しておくと、ドラム蓋3がドラム1の開口部から離れる方向に変位していく過程で設定された開位置の手前に位置している間は、ストッパ29がガイド軸27のストッパ係合部27b以外の部分に接した状態を保持して、ドラム蓋支持軸20がドラム蓋3とともにドラムの軸線方向に変位するのを許容するが、図3に示したようにドラム蓋3が設定された開位置に達すると、ストッパ29がガイド軸27に設けられたストッパ係合部27bに係合してドラム蓋支持軸20及びドラム蓋3がドラムの底壁部102から離れる方向に変位するのを阻止するため、ドラム蓋3が設定された開位置を越えて更に前方に変位するのを阻止することができる。
なお本実施形態において、6本のドラム蓋支持軸20のすべてに対して筒体28内に支持されてバネ30で付勢されたストッパ29を設けてストッパ機構を構成してもよいが、一部のドラム支持軸20(例えば一つ置きに配置された3本のドラム支持軸)のみに対してストッパ29を設けてストッパ機構を構成し、他のドラム支持軸20には単にガイド軸27を嵌合させるだけの構造にすることもできる。
(2.6)可動支持部材仮止め機構
可動支持部材仮止め機構は、スラスト軸502がケーキ押出板2を初期位置から最終前進位置に向けて変位させる過程で、ドラム蓋3が閉位置から開位置に変位するまでの間可動支持部材25とスラスト軸502との間に軸線方向に沿った相対変位が生じるのを阻止するべく可動支持部材25をスラスト軸502に仮固定し、ドラム蓋3が開位置に達した後は可動支持部材25とスラスト軸502との間に軸線方向に沿った相対変位が生じるのを許容するべく可動支持部材25のスラスト軸502に対する仮固定を解除する機構である。
本実施形態では、可動支持部材25に取り付けられた第1のプランジャ41と、この第1のプランジャの可動子を嵌合させるためにスラスト軸502側に設けられた凹部44とにより、可動支持部材仮止め機構が構成されている。図示の例では、スラスト軸502の径方向に伸びていて一端がスラスト軸502側に開口した中空部が可動支持部材25に形成されていて、この中空部内に、第1のプランジャ41が組み込まれている。第1のプランジャ41は、スラスト軸502の径方向に変位自在に設けられて先端がスラスト軸502に接触させられた可動子42と、可動子42をスラスト軸502側に付勢するバネ43とを備えた公知のものである。第1のプランジャ41の可動子42としてはピンやボールが用いられるが、図示の例では先端に丸味が付けられたピンが可動子42として用いられている。
スラスト軸502の先端部寄りの部分には、第1のプランジャ41の可動子42の先端を嵌合させる凹部44が形成されており、可動支持部材25がケーキ押出板2に接した状態で配置されているときに第1のプランジャ41の可動子42が凹部44に嵌合して、可動支持部材25をスラスト軸502に仮固定するようになっている。
なお本明細書において、可動支持部材25をスラスト軸502に仮固定するとは、可動支持部材25とスラスト軸502との間に軸線方向に沿った相対変位が生じるのを一時的に(解除可能な状態で)阻止することを意味する。可動支持部材25は、スラスト軸502に仮固定されている間、スラスト軸502とともに回転しながら、スラスト軸502とともにドラムの軸線方向に変位させられる。
スラスト軸502がケーキ押出板2を最終前進位置に向けて変位させる過程で、ストッパ機構により、ドラム蓋3の変位が阻止されるまでの間は、第1のプランジャ41の可動子42と第1の凹部44との嵌合により可動支持部材25がスラスト軸502に仮固定されている(可動支持部材25とスラスト軸502との間に軸線方向に沿った相対変位が生じることがないようにされている)ため、スラスト軸502の変位に伴って可動支持部材25も変位し、この可動支持部材の変位によりドラム蓋3が開位置に向けて変位させられる。
ドラム蓋3が開位置に達すると、前述のストッパ機構が働いてドラム蓋3の変位が阻止されるため可動支持部材25の変位も阻止される。可動支持部材25の変位が阻止されると、スラスト軸502から第1のプランジャ41の可動子42に与えられる力により可動子42が凹部44から離脱させられるため、可動支持部材25のスラスト軸への仮固定が解除され、スラスト軸502と可動支持部材25との間に軸線方向の相対変位が生じるのが許容されるようになる。従ってスラスト軸502は、ドラム蓋3が設定された開位置に停止させられ、可動支持部材25が停止させられた後も前進を続けて、ケーキ押出板2を最終前進位置まで変位させる。
本実施形態では、第1のプランジャ41と凹部44とにより、可動支持部材仮止め機構が構成されている。この可動支持部材仮止め機構においては、ドラム1の軸線方向に沿った可動支持部材25の変位が許容されている状態でスラスト軸502がドラムの軸線方向に駆動された際に、プランジャ41の可動子42が凹部44と嵌合した状態を維持し、ドラム1の軸線方向に沿った可動支持部材25の変位が阻止された状態でスラスト軸502がドラムの軸線方向に駆動された際に、スラスト軸502からプランジャ41の可動子42に作用する力により可動子42が凹部44から外されるように、プランジャ41の可動子42を付勢するバネ43の付勢力が設定される。
ストッパ機構によりドラム蓋3及び可動支持部材25の変位が阻止された際に第1のプランジャの可動子42を第1の凹部44から離脱させるためにスラスト軸502から第1のプランジャの可動子42に与える力を適宜に調整することができるようにするため、バネ43の付勢力を調整する手段(図示せず。)を設けておくのが好ましい。また第1のプランジャ41は複数個設けて、該複数のプランジャをスラスト軸502の周囲に等角度間隔で並ぶように配置しておくのが好ましい。
(2.7)ドラム蓋仮止め機構
ドラム蓋仮止め機構は、ドラム蓋3が開位置にあるとき及びケーキ押出板2が最終前進位置から初期位置に向けて変位する過程で可動支持部材25に接するまでの間ドラム蓋3を開位置に保持するためにドラム蓋を給液パイプ9に仮固定し、ケーキ押出板2が最終前進位置から初期位置に向けて変位する過程で可動支持部材25に接して可動支持部材25をドラム1の底壁部102側に押した際にドラム蓋3が閉位置に向けて変位するのを許容するためにドラム蓋3の給液パイプ9への仮固定を解除する機構である。ケーキ押出板2が最終前進位置から初期位置に向けて変位する過程で可動支持部材25に接するまでの間ドラム蓋3を開位置に保持するのは、図4に示されているように反転されたフィルタ4をドラム1内に戻す動作を円滑に行わせるためである。
本実施形態では、ドラム蓋仮止め機構が、給液パイプ9の径方向に変位自在な可動子と該可動子を給液パイプ9側に付勢するバネとを備えた第2のプランジャ45と、第2のプランジャ45の可動子を嵌合させるために給液パイプ9の周方向に伸びるようにして給液パイプ側に設けられた溝部49とにより構成されている。図示の例では、ドラム蓋3の中心部寄りの部分の外側に、第2のプランジャ45が取り付けられている。第2のプランジャ45は、可動子46と、可動子46を付勢するバネ47とをケーシング48内に収容して、可動子46の先端をケーシング48の先端から突出させた構造を有する公知のものである。可動子46は先端に丸味が付けられたピンでもよく、ボール(球体)でもよいが、図示の例では可動子46としてボールが用いられている。第2のプランジャ45は、その可動子46の先端(ケーシング48から外部の突出した部分)を給液パイプ9側に向けた状態でドラム蓋3に取り付けられていて、その可動子46の先端が給液パイプ9に接触させられている。給液パイプ9の外周には、ドラム蓋3が開位置(図3及び図4に示した位置)にあるときに第2のプランジャ45の可動子46の先端を嵌合させる溝部49が形成されている。ドラム蓋3が開位置にあるときに給液パイプ9とドラム蓋3とがそれぞれの回転方向に対して如何なる位置関係にある場合でも、可動子45を溝部49に嵌合させることができるようにするため、溝部49は、給液パイプ9の周方向に連続的に伸びるように設けられている。第2のプランジャ45も複数個設けて、該複数の第2のプランジャを給液パイプ9の周囲に等角度間隔で配置しておくのが好ましい。
本実施形態で用いるドラム蓋仮止め機構においては、スラスト軸502が後退運動(図4において右方向へ移動する運動)を行って、ケーキ押出板2を最終前進位置(図4に示した位置)から初期位置(図2に示した位置)に向けて後退させる過程で、図3に示すようにケーキ押出板2が可動支持部材25に接するまでの間第2のプランジャ45の可動子46の先端が溝部49に嵌合した状態を保持してドラム蓋3を開位置に留まらせ、図3に示すようにケーキ押出板2が可動支持部材25に接して、可動支持部材25をドラム1の底壁部102側に押した際に、第2のプランジャ45の可動子46が溝部49から外れて、ドラム蓋3の閉位置側への変位を開始させるように、第2のプランジャ45の可動子46を付勢するバネ47の付勢力が設定される。
実際の遠心分離機には、ドラム1やケーシング7内及び前カバー8内等を洗浄する洗浄装置などの付属部品が更に設けられるがこれらについての説明は省略する。
<リニア駆動装置の動作>
上記のように構成して、図2に示すようにドラム蓋3及びケーキ押出板2がそれぞれ閉位置及び初期位置にある状態でスラスト軸502を前進させる(図2において左方に変位させる)と、スラスト軸502により直接駆動されるケーキ押出板2が最終前進位置に向けて変位すると同時に、可動支持部材25がケーキ押出板2に追従して変位するため、可動支持部材25にドラム蓋支持軸20を介して接続されているドラム蓋3が開位置に向けて変位する。ケーキ押出板2の変位に伴ってフィルタ4が反転させられる。
ドラム蓋3が図3に示す開位置に達すると、ストッパ29がストッパ係合部27bに係合してドラム蓋3の変位を阻止するため、ドラム蓋3が開位置に停止させられる。ドラム蓋3が開位置で停止した後更にスラスト軸502を前進させると、スラスト軸502の先端に結合されているケーキ押出板2が、停止しているドラム蓋3に向かって変位して図4に示す最終前進位置に到達し、フィルタ4が完全に反転して裏返しにされた状態になる。この間ドラム蓋3は開位置に停止したままの状態に保持される。
なお図3は、ドラム1内にケーキが存在しない状態でケーキ押出板2をドラム1の開口方向に移動させた状態を示している。ドラム1内にケーキが存在しない状態でドラム蓋3及びケーキ押出板2をドラム1の開口方向に移動させた場合には、ケーキ押出板2がドラム1の開口部まで移動する過程で図3に示すようにフィルタ4がドラム1内で折り返されるが、実際にドラム1内に原液を供給して固液分離処理を行った後にドラム1内に形成されたケーキを回収する際には、ドラム蓋3が開位置に向けて移動していく過程でフィルタ4の内側に堆積しているケーキC(図2参照)がケーキ押出板2によりドラム外に押し出され、ドラム外に押し出されるケーキCとともにフィルタ4もドラム外に押し出されるため、フィルタ4はドラム1の外側で折り返されていくことになる。
遠心分離機の軸線方向寸法をできるだけ短くするため、図4に示すように、ケーキ押出板2を最終前進位置まで変位させたときに、ケーキ押出板2に一体化されて該ケーキ押出板とともに変位する部分のドラム蓋3側の端部(図示の例ではスラスト軸502の先端の外フランジ502a及び軸受23の端部)がドラム蓋2又はドラム蓋2に一体化されている部分に接した状態になるように、ドラム蓋3の開位置及びケーキ押出板2の最終前進位置を設定しておくのが好ましい。
ケーキ押出板2が最終前進位置に達したときにスラスト軸502の前進動作を停止させる。ケーキ押出板2が最終前進位置に達したときにスラスト軸502の前進を停止させるには、例えば、ケーキ押出板2が最終前進位置に達した時に検出動作を行う位置検出手段を設けて、この位置検出手段が検出動作を行った時にスラスト軸駆動機構によるスラスト軸の駆動を停止させるようにすればよい。ケーキ押出板2が最終前進位置に達した時に検出動作を行う位置検出手段としては、例えば、ケーキ押出板2が最終前進位置に達した時にケーキ押出板2又はケーキ押出板とともに変位をする適宜の部材に係合して検出動作を行うリミットスイッチを用いることができる。ケーキ押出板2を最終前進位置まで変位させたときに、ケーキ押出板2に一体化されている部分がドラム蓋2又はドラム蓋2に一体化されている部分に接した状態になるように、ドラム蓋3の開位置及びケーキ押出板2の最終前進位置を設定する場合には、ケーキ押出板2に一体化されている部分がドラム蓋2又はドラム蓋2に一体化されている部分に接したときに動作するように設けられたリミットスイッチを上記位置検出手段として用いることができる。
固液分離処理を終了し、ドラム内のケーキを排出した後、ケーキ押出板2及びドラム蓋3をそれぞれ初期位置及び閉位置に戻し、フィルタ4をドラム内に戻す際には、図4に示したように、ケーキ押出板2及びドラム蓋3がそれぞれ最終前進位置及び開位置にある状態からスラスト軸502を後退させる。ドラム蓋仮止め機構によりドラム蓋3が開位置に仮固定されているため、スラスト軸502を後退させると、最初はドラム蓋3が開位置に留まった状態で、ケーキ押出板2のみがドラム1側に移動していき、フィルタ4をドラム1内に戻していく。ケーキ押出板2が初期位置に向けて変位して、フィルタ4をドラム1内に戻していく過程では、ドラム蓋3が開位置に留まっていて、フィルタ4に干渉することがないため、フィルタ4をドラム内に戻す動作を円滑に行わせることができる。
図3に示したように、ケーキ押出板2が可動支持部材25に接して、可動支持部材25をドラム1の底壁部側に押すと、第2のプランジャ45の可動子46が溝部49から外されるため、ドラム蓋3の給液パイプへの仮固定が解除されて、ドラム蓋3及び可動支持部材25がドラム1の底壁部側に変位し得るようになる。従って、スラスト軸502の変位に伴って、ドラム蓋3、ケーキ押出板2及び可動支持部材25がドラムの底壁部側に移動させられ、図2に示すよう、ドラム蓋3及びケーキ押出板2がそれぞれ閉位置及び初期位置に復帰させられる。
<固液分離処理を行う際の動作>
次に、上記の実施形態の遠心分離機を用いて固液分離処理を行う際の動作について説明する。原液を液分とケーキ分とに分離する固液分離処理を行う際には、ドラム蓋3を閉位置に位置させ、ケーキ押出板2を初期位置に位置させた状態で、主軸501をスラスト軸502とともに高速回転させ、ドラム1、ケーキ押出板2及びドラム蓋3を高速回転させる。このときベアリング部材306とスラスト軸502との間の摩擦によってスラスト軸502から給液パイプ9に伝達されるトルクにより給液パイプ9が回転させられる。給液パイプ9は、最終的にはドラム1同じ回転速度で回転させられる。
ドラム1、ケーキ押出板2及びドラム蓋3を給液パイプ9とともに高速回転させた状態で、給液パイプ9を通してドラム1内に原液を供給する。高速回転しているドラム1内に原液を供給すると、遠心力により原液が液分とケーキ分とに分離され、液分はフィルタ4とドラムの周壁部101に設けられた透過孔hとを通してドラム外に排出されるため、ドラム1の周壁部101の内側に配置されたフィルタ9の内側にケーキC(図2参照)が層をなして堆積していく。
給液パイプ9を通してドラム1内に所定量の原液を供給したところで原液の供給を停止させ、ドラム1を高速回転させた状態を一定時間の間維持して、ケーキ内に含まれる液分をドラム外に排出する脱液工程を行う。脱液工程が終了した後、給液パイプ9を通してドラム内に洗浄液を供給してケーキを洗浄する洗浄工程を行い、洗浄液を離脱させる脱液工程を行う。次いで必要に応じてケーキを乾燥する乾燥工程を行った後、ドラム1内のケーキを回収するケーキ回収工程を行う。
ケーキ回収工程では、ドラム1及びスラスト軸502を回転させた状態で、スラスト軸502を前進させ、このスラスト軸の変位に伴って、スラスト軸の前端に直結されているケーキ押出板2を前面カバー8内に設定された最終前進位置に向けて変位させる。最終前進位置に向けて変位するケーキ押出板2によりドラム内のケーキを押してドラム1の開口部から前面カバー8内に排出させ、ケーキ排出シュート8Aから外部に排出させる。
またスラスト軸502の変位に伴って変位させられる可動支持部材25によってドラム蓋3を押すことにより、又はケーキ押出板2により押し出されるケーキによってドラム蓋3を押すことにより、ドラム蓋3を開位置に向けて変位させる。ドラム蓋3は、前面カバー8内に設定された開位置(図3に示した位置)に達したところでストッパ機構によりその変位が阻止されるため、設定された開位置に保持される。ドラム蓋3が開位置で停止した後もスラスト軸502を前進させて、ケーキ押出板2を前面カバー8内に設定された最終前進位置(図4に示す位置)まで変位させ、フィルタ4を完全に反転させた状態にする。この状態でドラム1の回転によって生じる遠心力によりフィルタ4に付着しているケーキを前面カバー8内にふるい落とす。
ケーキ回収工程を終了した後、図示しない洗浄液噴射ノズルからケーキが付着していた各部に洗浄液を吹き付けて各部の洗浄を行う。各部の洗浄が終了した後、スラスト軸502を後退させて、ケーキ押出板2をドラム1の底壁部102側に後退させ、ケーキ押出板2が可動支持部材25に接して該可動支持部材25をドラムの底壁部側に押したときにドラム蓋仮止め機構を構成している第2のプランジャ45の可動子46を溝部49から外してドラム蓋3の仮固定を解除する。このようにしてドラム蓋3の仮固定を解除してドラム蓋3がケーキ押出板2に対して相対的に変位し得る状態にした後、スラスト軸502によりケーキ押出板2と可動支持部材25とをドラム1の底壁部102側に移動させて、ドラム蓋3を閉位置に到達させ、ケーキ押出板2を初期位置に到達させる。
上記の実施形態のように構成すると、ドラム蓋3及びケーキ押出板2がそれぞれ開位置及び最終前進位置にあるときのドラム蓋とケーキ押出板との間の距離を、ドラム蓋3及びケーキ押出板2がそれぞれ閉位置及び初期位置にあるときのドラム蓋とケーキ押出板との間の距離未満になるようにドラム蓋の開位置を設定することができるため、ケーキ回収時にドラム1の前方でドラム蓋及びケーキ押出板を回転させるために前面カバー8内に確保しておく必要があるスペースを縮小して、フィルタ反転式遠心分離機の小形化を図ることができる。
また上記のように構成すると、ケーキ押出板2を最終前進位置まで前進させてフィルタ4を反転させた際にドラム蓋3をケーキ押出板2に近い位置に配置することができ、ドラム蓋3をケーキ押出板2に接近させた状態でドラム蓋3及びケーキ押出板2を回転させることができるため、フィルタ4を反転させてケーキを回収する際に生じる機械的振動を抑制することができる。従ってフィルタ反転式遠心分離機の動作音の低減を図ることができるだけでなく、ケーキ回収時に生じる振動によりドラム蓋及びケーキ押出板を含む構造体の機械的な寿命が短くなるのを防ぐことができる。
<本発明の他の実施形態>
上記の実施形態では、一端がドラムの底壁部102に固定されたガイド軸27をドラム蓋支持軸20の中空部内にスライド自在に嵌合させておいて、ガイド軸27に形成されたストッパ係合部27bと、ドラム1の径方向に沿ってガイド軸27側に向かう方向とガイド軸27から離れる方向とに変位し得るように変位の方向が規制された状態で可動支持部材25にスライド自在に支持されたストッパ29と、ストッパ29をガイド軸27側に付勢するバネとによりドラム蓋3が開位置を越えてドラムの底壁部から離れる方向に変位するのを阻止するストッパ機構を構成したが、本発明は、ストッパ機構を上記の実施形態のように構成する場合に限定されない。
例えば、図5に示したように、ドラム蓋3が設定された開位置に達したときにドラム蓋3に接してドラム蓋3が開位置を越えてドラムから離れる方向に変位するのを阻止するストッパ50を給液パイプ9に固定することによりストッパ機構を構成するようにしてもよい。
図5に示した実施形態では、ストッパ50が、給液パイプ9の外周に嵌合されたリング状の部材からなっていて、該リング状のストッパ50が、開位置にあるドラム蓋3の外側面(ドラム1の開口部と反対側の面)に接するように位置決めされて、適宜の手段により給液パイプ9に対して固定されている。
また図5に示した実施形態では、第2のプランジャ45がドラム蓋3の外側面に取り付けられ、第2のプランジャ45の可動子46を嵌合させる溝部49が、給液パイプ9の外周ではなく、ストッパ50の外周に形成されている。
本実施形態では、図2ないし図4に示した実施形態で必要としたガイド軸27が省略されていて、ドラム蓋支持軸20が中実に形成され、該ドラム蓋支持軸20の一端及び他端がそれぞれドラム蓋3及び可動支持部材25に固定されている。可動支持部材25にはストッパ29が取り付けられておらず、第1のプランジャ41のみが取り付けられている。図5に示した実施形態のその他の構成は図2ないし図4に示した実施形態と同様である。
本実施形態のように構成すれば、図2ないし図4に示した実施形態のようにガイド軸27及びストッパ29を設けてストッパ機構を構成する必要がないので、構造の簡素化を図ることができる。
<変形例>
図5に示した例では、第2のプランジャ45をドラム蓋3に取り付け、第2のプランジャ45の可動子46を嵌合させる溝部49をストッパ50の外周に形成しているが、本発明はこのように第2のプランジャ45及び溝部49を設ける場合に限定されない。例えば、ストッパ50に第2のプランジャ45を上向きにして取り付け、ストッパ50を同心的に取り囲む環状部材をドラム蓋3の外側面に固定して、この環状部材の内周に、第2のプランジャ45の可動子を嵌合させる溝部49を形成するようにしても良い。
上記の各実施形態では、最終前進位置にあるケーキ押出板2を初期位置に戻す際に、ケーキ押出板2が可動支持部材25に接するまでの間、ドラム蓋3を開位置に留めておくために、ドラム蓋3と給液パイプ9との間に第2のプランジャ45と、第2のプランジャ45の可動子を嵌合させる溝部49とを有するドラム蓋仮止め機構を設けたが、ケーキ押出板2を初期位置に戻す際に、ドラム蓋3がケーキ押出板2に追従して変位してもフィルタ4を円滑にドラム内に戻すことができる場合には、ドラム蓋仮止め機構を省略することができる。
1 ドラム
101 ドラムの周壁部
102 ドラムの底壁部
103 ドラムの開口部
2 ケーキ押出板
3 ドラム蓋
4 フィルタ
5 ドラム、ドラム蓋及びケーキ押出板を駆動する駆動装置
501 主軸
502 スラスト軸
520 主軸駆動用モータ
525 ドラム駆動装置
535 ナット
536 ネジ棒
541 スラスト軸駆動用モータ
550 スラスト軸駆動機構
7 ケーシング
8 前面カバー
9 給液パイプ
10 ロータリジョイント
20 ドラム蓋支持軸
25 可動支持部材
26 スラスト軸受
27 ガイド軸
27b ストッパ係合部
29 ストッパ
41 第1のプランジャ
42 可動子
43 バネ
44 可動子42を嵌合させる凹部
45 第2のプランジャ
46 可動子
47 バネ
49 可動子46を嵌合させる溝部
50 ストッパ

Claims (12)

  1. 透過孔を有する周壁部と該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部と前記周壁部の軸線方向の他端に形成された開口部とを有して前記周壁部の軸線を中心軸線としたドラムと、前記ドラムの中心軸線を回転中心として前記ドラムを回転駆動するドラム駆動装置と、前記ドラムの開口部を閉じる際の位置である閉位置と前記ドラムの外方に設定された開位置との間を前記ドラムとともに回転しながら前記ドラムの中心軸線に沿って変位し得るように設けられたドラム蓋と、前記ドラム内の前記底壁部に近接した位置に設定された初期位置と前記ドラム蓋の開位置の手前に設定された最終前進位置との間を前記ドラムとともに回転しながら前記ドラムの中心軸線に沿って変位し得るように設けられたケーキ押出板と、前記ドラム蓋及びケーキ押出板を前記ドラムの軸線方向に駆動するリニア駆動装置と、前記ドラムの開口部の内側に一端が固定されるとともに他端が前記ケーキ押出板の外周部に固定されて前記ケーキ押出板が前記初期位置にあるときに前記ドラムの周壁部の内周面を覆った状態で配置され、前記ケーキ押出板が前記初期位置から最終前進位置に変位する過程で反転させられるフィルタとを備えたフィルタ反転式の遠心分離機において、
    前記ドラム蓋は、前記ケーキ押出板に対して前記ドラムの軸線方向に相対的に変位し得るように設けられていて、前記ドラム蓋を停止させた状態でも前記ケーキ押出板を前記ドラムの軸線方向に変位させ得るように構成され、
    前記ドラム蓋及びケーキ押出板がそれぞれ前記開位置及び最終前進位置にあるときの前記ドラム蓋とケーキ押出板との間の距離が、前記ドラム蓋及びケーキ押出板がそれぞれ前記閉位置及び初期位置にあるときの前記ドラム蓋とケーキ押出板との間の距離未満になるように前記ドラム蓋の開位置が設定されていること、
    を特徴とする遠心分離機。
  2. 前記ケーキ押出板を最終前進位置まで変位させたときに、前記ケーキ押出板又は前記ケーキ押出板に一体化されている部分の前記ドラム蓋側の端部が前記ドラム蓋又は前記ドラム蓋に一体化されている部分に接した状態で配置されるように、ドラム蓋の開位置及びケーキ押出板の最終前進位置が設定されている請求項1に記載の遠心分離機。
  3. 前記ドラム駆動装置は、中心軸線を前記ドラムの中心軸線に一致させた状態で回転自在に設けられて一端が前記ドラムの底壁部に結合された主軸と、前記主軸を前記ドラムとともに回転させる回転駆動機構とを備え、
    前記リニア駆動装置は、前記ドラムと中心軸線を共有した状態で、かつ前記主軸内を軸線方向に貫通した状態で設けられて先端が前記ケーキ押出板に結合され、前記主軸に対しては軸線方向に沿った相対変位のみが許容されたスラスト軸と、前記スラスト軸を前記主軸の軸線方向に駆動するスラスト軸駆動機構と、前記ドラムの内側に前記ドラムと中心軸線を共有した状態で設けられて前記スラスト軸にスライド自在に支持された可動支持部材と、前記ケーキ押出板をスライド自在に貫通して前記ドラムの中心軸線と平行に延びるように設けられ、一端及び他端がそれぞれ前記ドラム蓋及び前記可動支持部材に固定されて前記ドラム蓋及び前記可動支持部材と共に前記ドラムの軸線方向に変位する複数のドラム蓋支持軸と、前記ドラム蓋が前記開位置を越えて変位するのを阻止するストッパ機構とを備えていること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の遠心分離機。
  4. 前記ドラム蓋支持軸の少なくとも一つは中空に形成されて、一端が前記ドラムの底壁部に固定されたガイド軸が中空に形成されたドラム蓋支持軸の中空部内にスライド自在に嵌合され、
    前記ストッパ機構は、前記ガイド軸に形成されたストッパ係合部と、前記ドラムの径方向に沿って前記ガイド軸側に向かう方向と前記ガイド軸から離れる方向とに変位し得るように変位の方向が規制された状態で前記可動支持部材にスライド自在に支持されたストッパと、前記ストッパを前記ガイド軸側に付勢するバネとを備えていて、前記ドラム蓋が前記開位置の手前に位置している間は前記ストッパが前記ガイド軸のストッパ係合部以外の部分に接した状態を保持して前記ドラム蓋支持軸が前記ドラム蓋とともに前記ドラムの軸線方向に変位するのを許容し、前記ドラム蓋が前記ドラムの開口部から離れる方向に変位する過程で前記開位置に達したときに前記ストッパが前記ガイド軸に設けられたストッパ係合部に係合して前記ドラム蓋支持軸及びドラム蓋が前記ドラムの底壁部から離れる方向に変位するのを阻止するように構成されていること、
    を特徴とする請求項3に記載の遠心分離機。
  5. 前記スラスト軸が前記ケーキ押出板を初期位置から最終前進位置に向けて変位させる過程で、前記ドラム蓋が前記閉位置から開位置に変位するまでの間前記可動支持部材と前記スラスト軸との間に軸線方向に沿った相対変位が生じるのを阻止するべく前記可動支持部材を前記スラスト軸に仮固定し、前記ドラム蓋が前記開位置に達した後は前記可動支持部材と前記スラスト軸との間に軸線方向に沿った相対変位が生じるのを許容するべく前記可動支持部材の前記スラスト軸に対する仮固定を解除するように構成された可動支持部材仮止め機構が前記スラスト軸と可動支持部材との間に設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の遠心分離機。
  6. 前記可動支持部材仮止め機構は、前記スラスト軸の径方向に変位自在な可動子と該可動子を前記スラスト軸側に付勢するバネとを有して前記可動支持部材側に固定された第1のプランジャと、前記第1のプランジャの可動子を嵌合させるために前記スラスト軸側に設けられた凹部とを備えて、前記第1のプランジャの可動子が前記凹部に嵌合しているときに前記可動支持部材を前記スラスト軸に仮固定し、前記第1のプランジャの可動子が前記凹部から離脱しているときに前記可動支持部材の仮固定を解除して前記可動支持部材とスラスト軸との間に軸線方向に沿った相対変位が生じるのを許容するように構成されている請求項5に記載の遠心分離機。
  7. 前記ドラム内に原液を供給する給液パイプが、前記ドラムと中心軸線を共有した状態で、かつ前記ドラム蓋を貫通した状態で設けられ、
    前記ドラム蓋は前記給液パイプの外周をスライドしつつ前記閉位置と開位置との間を変位するように設けられ、
    前記ドラム蓋が前記開位置にあるときに前記ドラム蓋と前記給液パイプとの間に軸線方向に沿った相対変位が生じるのを阻止するべく前記ドラム蓋を前記給液パイプに仮固定し、前記ケーキ押出板が前記最終前進位置から初期位置に向けて変位する過程で前記ケーキ押出板が前記可動支持部材に接して前記可動支持部材を前記ドラムの底壁部側に押したときに前記ドラム蓋の給液パイプへの仮固定を解除するように構成されたドラム蓋仮止め機構が設けられている請求項3ないし6の何れか一つに記載の遠心分離機。
  8. 前記ドラム蓋仮止め機構は、前記給液パイプの径方向に変位自在な可動子と該可動子を給液パイプ側に付勢するバネとを備えた第2のプランジャと、前記第2のプランジャの可動子を嵌合させるために前記給液パイプの周方向に伸びるようにして前記給液パイプ側に設けられた溝部とを備えて、前記第2のプランジャの可動子が前記溝部に嵌合しているときに前記ドラム蓋を前記給液パイプに仮固定し、前記第2のプランジャの可動子が前記溝部から離脱しているときに前記ドラム蓋の仮固定を解除して前記ドラム蓋と前記給液パイプとの間に前記給液パイプの軸線方向に沿った相対変位が生じるのを許容するように構成されている請求項7に記載の遠心分離機。
  9. 前記ドラム内に原液を供給する給液パイプが、前記ドラムと中心軸線を共有した状態で、かつ前記ドラム蓋を貫通した状態で設けられ、
    前記ドラム蓋は前記給液パイプの外周をスライドしつつ前記閉位置と開位置との間を変位するように設けられ、
    前記ドラム蓋が前記開位置に達したときに前記ドラム蓋に接して前記ドラム蓋が前記開位置を越えて前記ドラムから離れる方向に変位するのを阻止するストッパが前記給液パイプに固定されていること、
    を特徴とする請求項3に記載の遠心分離機。
  10. 前記ドラム蓋が前記開位置にあるとき及び前記ケーキ押出板が前記最終前進位置から初期位置に向けて変位する過程で前記可動支持部材に接するまでの間前記ドラム蓋を前記開位置に保持するために前記ドラム蓋を前記給液パイプに仮固定し、前記ケーキ押出板が前記最終前進位置から初期位置に向けて変位する過程で前記可動支持部材に接して前記可動支持部材を前記ドラムの底壁部側に押した際に前記ドラム蓋が前記閉位置に向けて変位するのを許容するために前記ドラム蓋の給液パイプへの仮固定を解除するように構成されたドラム蓋仮止め機構が前記ドラム蓋と前記給液パイプとの間に設けられていること、
    を特徴とする請求項9に記載の遠心分離機。
  11. 前記ドラム蓋仮止め機構は、前記給液パイプの径方向に変位自在な可動子と該可動子を前記給液パイプ側又はドラム蓋側に付勢するバネとを備えて前記ドラム蓋側又は給液パイプ側に固定された第2のプランジャと、前記第2のプランジャの可動子を嵌合させるために前記給液パイプの周方向に伸びるようにして前記ドラム蓋側又は給液パイプ側に設けられた溝部とを備えて、前記ドラム蓋が前記開位置にあるときに前記第2のプランジャの可動子が前記溝部に嵌合して前記ドラム蓋を前記給液パイプに仮固定し、前記ケーキ押出板が前記最終前進位置から初期位置に向けて変位する過程で前記可動支持部材に接して前記可動支持部材を前記ドラムの底壁部側に押した際に前記第2のプランジャの可動子が前記溝部から離脱して前記ドラム蓋の仮固定を解除するように構成されている請求項10に記載の遠心分離機。
  12. 前記給液パイプは、前記ドラム蓋とともに回転するように設けられている請求項7ないし11の何れか一つに記載の遠心分離機。
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