次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、方向や位置関係等を説明する際には、特に断りのない限り、パチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態での上、下、左、右を基準とする。
(パチンコ機10の概略構成について)
実施例1に係るパチンコ機10は、図1に示すように矩形状をなし、遊技店に縦置き姿勢で設置される。パチンコ機10は、遊技店に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20(図2参照)を着脱可能に保持する中枠(遊技機本体)12が扉状に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられ、この中枠12の前面側には、装飾が施された前枠(装飾枠)13が扉状に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられている。図示省略するが、中枠12の右上端部には、前枠13の開閉に応じて前後に進退移動する開閉検出レバーが設けられている。この開閉検出レバーの変位を中枠12に設けられた扉開放検出センサSE10(図3参照)で検出することにより、中枠12や前枠13の開放状態が検出されるようになっている。
図1に示すように、前枠13には、前記遊技盤20の前面側に形成される遊技領域20a(図2参照)を機前側から視認するための窓口13aが前後に貫通形成され、この窓口13aを覆うように、ガラス板や透明な合成樹脂材からなる透視保護板13bが配設されている。また、前枠13の下部位置には、パチンコ球を貯留する上球受け皿14および下球受け皿15が一体的に組み付けられている。ここで、パチンコ機10は、球払出装置(図示せず)を駆動することで、パチンコ球を上球受け皿14へと払い出すよう構成される。上球受け皿14は、球払出装置によって払い出されたパチンコ球を貯留すると共に、貯留したパチンコ球を最終的に球発射装置(図示せず)による打出し位置へと1個ずつ送り出すように設けられている。この上球受け皿14がパチンコ球で満杯になると、新たに払い出されたパチンコ球は下球受け皿15に導かれて貯留される。
図1に示すように、前枠13の右下方位置には、該中枠12に配設された前記球発射装置を作動する操作ハンドル16が設けられている。操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで球発射装置が作動されて、打出し位置から前記遊技領域20aに向けてパチンコ球が1球ずつ発射される。そして、打ち出されたパチンコ球が遊技領域20aの後述する始動入賞口31a,32aに入賞(始動入賞)して判定条件が成立した場合に、当該入賞を契機として特図当り判定(当否判定)が実行され、この当り判定の結果が当りの判定となることで、遊技者に有利な大当り遊技状態(当り遊技状態)が生起されるようになっている。
なお、中枠12に配設される遊技盤20は、演出(表示演出)を実行可能な演出実行部としての図柄表示装置17(図2および図3参照)を備えている。パチンコ機10では、前記特図当り判定や各種の遊技状態の制御等、遊技に関する主な制御処理(遊技制御)を、機後側に配設された主制御基板60(図3参照)に備えられる主制御CPU60a(遊技制御手段)が実行し、この主制御CPU60aからの制御信号(コマンド)に基づいて、機後側に配設された演出制御基板65(図3参照)に備えられる演出制御CPU65a(演出制御手段)が遊技内容に対応する表示演出等の各種演出に関する制御処理を統括的に制御するようになっている。パチンコ機10はこのような制御構成により、始動入賞口31a,32aへのパチンコ球の入賞を契機として、演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させる図柄変動演出を図柄表示装置17の表示部17aで行い、この図柄変動演出において最終的に停止表示(確定停止表示)する飾図によって、特図当り判定の結果を報知する。この図柄表示装置17としては、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が一般的に採用されるが、これに限られず、図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
ここで、前枠13は、発光演出や音演出を実行可能な演出実行部18,19を備えている。図1に示すように、前枠13の上部および下部には、音声や効果音を出力可能な演出実行部としてのスピーカ(音出力手段)18が配設されている。また、前枠13における上球受け皿14よりも上側の部位は、窓口13aを除いた略全体に装飾が施されており、LED等の光によって前面の色彩を変化させる(発光する)演出実行部としての枠ランプ(発光手段)19を構成している。そして、枠ランプ19に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、スピーカ18から適宜の音声を出力することで、図柄表示装置17での表示演出に合わせた発光演出や音演出を行い得るよう構成されている。
(遊技盤20について)
次に、図2を参照し、前記遊技盤20の構成について説明する。遊技盤20は、光透過性を有するアクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材によって所定板厚の略矩形状に形成された平板状の透明板(遊技領域形成部材)により構成されている。遊技盤20の前側には、前面(盤面)に配設された略円形状の案内レール22によりパチンコ球が流下可能(移動可能)な遊技領域20aが画成されている。前記球発射装置から発射されたパチンコ球は、この遊技領域20aの外周に沿って形成された発射球通路22aを通じて当該遊技領域20a内に導かれる。なお、遊技盤20は、ベニヤ材や合成樹脂材等の非光透過性の板部材の表面に装飾シール等を貼付したものであってもよい。
前記遊技盤20には、遊技領域20aの外周より内側に複数の装着口が前後に貫通するよう形成され、各装着口に複数の遊技構成部品が前側から取り付けられている。例えば、遊技盤20には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞(入球)可能な入賞口31a,32a,33aが形成された遊技構成部品として、第1始動入賞部31、第2始動入賞部32および特別入賞部33が設けられている。また、遊技盤20の遊技領域20aには、多数の遊技釘が設けられている。従って、遊技領域20aに到達したパチンコ球は、遊技釘との接触により流下方向を不規則に変化させ、その一部が入賞口31a,32a,33aへと入賞(入球)する。また、遊技領域20aの最下部位置には、アウト口23が遊技盤20を前後に貫通するよう形成され、遊技領域20aの最下部まで流下したパチンコ球がアウト口23から遊技領域20a外へと排出されるようになっている。
(枠状装飾体25)
前記遊技領域20aの略中央部分には、前後に開口する開口部25aが形成された枠状装飾体25が取り付けられている。そして、遊技盤20の後面側に配設された図柄表示装置17の表示部17aが、枠状装飾体25の開口部25aを介して遊技盤20の前面側に臨んでいる。枠状装飾体25は、遊技盤20の前面より前方に突出して内周側(すなわち開口部25a)へのパチンコ球の進入を防ぐ庇状部25bと、該庇状部25bの後端から遊技盤20前面に沿って庇状部25bの外周方向に延出する薄板状の台板部25cとを備えている。遊技領域20aは、枠状装飾体25が設けられることにより、庇状部25bの左側方を流下するパチンコ球の経路(移動領域)である第1球流下経路21aと、庇状部25bの右側方を流下するパチンコ球の経路(移動領域)である第2球流下経路21bとに区画されている。そして、パチンコ球を第1球流下経路21aへと流下させる場合(左打ちした場合)には、第2球流下経路21bを流下させる場合よりも第1始動入賞部31への入賞可能性が高くなり、パチンコ球を第2球流下経路21bへと流下させる場合(右打ちした場合)には、第1球流下経路21aを流下させる場合よりも第2始動入賞部32および特別入賞部33への入賞可能性が高くなるように構成されている。
(始動入賞部31,32)
第1始動入賞部31は、第1始動入賞口31aが常に開口して遊技領域20aを流下するパチンコ球を常に受け入れるよう構成されている。一方、第2始動入賞部32は、所定の開放条件および閉鎖条件に従って始動用開閉部材32bにより第2始動入賞口32aを開閉する開閉型の入賞部(可変入賞部)とされている。すなわち、第2始動入賞口32aは、パチンコ球が入賞(入球)可能な開状態および入賞(入球)不可能な閉状態に変化する。また、第2始動入賞部32は、始動用開閉部材32bを開閉作動(駆動)する駆動手段としての始動入賞ソレノイドSL1(図3参照)を備えている。
前記第1および第2始動入賞部31,32には、該第1および第2始動入賞口31a,32aに入賞(入球)したパチンコ球を検出する始動入賞検出センサSE1,SE2(図3参照)が設けられている。そして、始動入賞検出センサSE1,SE2によってパチンコ球が検出されると(始動入賞口31a,32aへの入賞が検出されると)、球払出装置が規定賞球数(例えば4個)のパチンコ球(賞球)を払い出すようになっている。また、始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出(判定条件の成立)を契機として始動入賞情報(後述する各種乱数の値)が取得され、この取得された始動入賞情報に基づいて、大当り遊技状態を付与するかの特図当り判定(大当り抽選)が行われる。
なお、図柄表示装置17の表示部17aでは、特図当り判定の結果に基づいて決定された表示内容(演出パターン)に応じた図柄変動演出が実行される。そして、図柄変動演出の結果、演出用の図柄としての飾図が、所定の当り表示となる組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で図柄表示装置17に確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(以後、大当り遊技状態という)が付与されることを報知し得るようになっている。
(特別入賞部33)
特別入賞部33は、特別入賞口(入球口、可変入球口)33aと、特別用開閉部材33bとを備え、所定の開放条件および閉鎖条件に従って特別用開閉部材33bにより特別入賞口33aを開閉する開閉型の入賞部(可変入賞部)とされている。特別入賞部33は、駆動手段としての特別入賞ソレノイドSL2(図3参照)を備え、この特別入賞ソレノイドSL2の駆動に応じて特別用開閉部材33bを開放作動(駆動)することで、特別入賞口33aをパチンコ球が入賞可能な開状態から入賞不可能な閉状態へと変化させる。また、特別入賞部33には、特別入賞口33aに入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出センサSE3(特別入賞検出手段、図3参照)が設けられている。特別入賞検出センサSE3によってパチンコ球が検出されると、前記球払出装置が規定賞球数(例えば9個)のパチンコ球(賞球)を払い出すようになっている。
ここで、前記特別入賞ソレノイドSL2は、図柄表示装置17に当り表示となる組み合わせで飾図が確定停止表示された後に付与される大当り遊技状態において駆動制御される。すなわち、大当り遊技状態が付与される場合には、特別入賞部33の特別入賞口33aが開放されることで、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられる。具体的に、大当り遊技状態は、規定回数(例えば、3回、6回または9回)のラウンド遊技を含み、各ラウンド遊技において特別用開閉部材33bを開放することで、特別入賞口33aへのパチンコ球の入賞が許容される。なお、1回のラウンド遊技は、特別入賞口33aに規定入賞数(規定個数、例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(例えば25000msの特電開放時間)が経過することで終了するよう設定されている。また、大当り遊技状態中の各ラウンド遊技の間には、特別用開閉部材33bが所定時間(例えば1000msのラウンド間インターバル時間)だけ閉鎖状態に維持されるラウンド間インターバルが設定されている。大当り遊技状態では、1回目のラウンド遊技の開始前にオープニング演出が所定時間(例えば8000msのオープニング時間)に亘って行われ、最終回のラウンド遊技の終了後にはエンディング演出が所定時間(例えば5000msのエンディング時間)に亘って行われる。ここで、主制御CPU60aは、大当り遊技状態中か否かを示す大当りフラグを主制御RAM60cに設定可能であり、大当り遊技状態の開始タイミング(オープニング演出の開始タイミング)で大当りフラグの値を「1」に設定し、大当り遊技状態の終了タイミング(エンディング演出の終了タイミング)で大当りフラグの値を「0」に戻すよう制御を行う。
次に、遊技盤20に設けられた図柄表示用の表示手段(遊技情報表示器Mおよび図柄表示装置17)について説明する。
(遊技情報表示器Mについて)
図2に示すように、遊技盤20には、各種の遊技情報を表示可能な遊技情報表示器Mが配設されている。遊技情報表示器Mは、複数の表示部(情報表示部)Ma,Mb,Mc,Mdを備えると共に、後述する主制御基板60の主制御CPU60aと電気的に接続され、主制御CPU60aによって表示内容(発光態様)が制御されるようになっている。各表示部(情報表示部)Ma,Mb,Mc,Mdは、点灯状態および消灯状態に変化可能な1個または複数個の点灯部(LED)を有しており、点灯部の点灯数、点灯色および点灯位置のうち少なくとも何れかの違いに応じて、当該表示部(情報表示部)Ma,Mb,Mc,Md毎に複数種類の遊技情報を表示可能に構成されている。なお、実施例1の遊技情報表示器Mは、各表示部(情報表示部)Ma,Mb,Mc,Mdが個別に点灯制御可能な所定数のLED(点灯部)により構成されているが、7セグメント表示器やドットマトリックス表示器、小型の液晶表示器、その他の表示手段を採用できる。
(特図表示部Ma,Mb)
遊技情報表示器Mには、前記第1および第2始動入賞口31a,32aへの入賞を契機として行われる特図当り判定(大当り抽選)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する特図表示部(図柄表示部)Ma,Mbが設けられている。特図表示部Ma,Mbは、前記第1始動入賞口31aへの入賞(第1始動入賞検出センサSE1による検出)を契機として変動表示を開始した後に最終的に複数種類の図柄(特別図柄)の内の1つを停止表示する複数個のLED(実施例1では8個)から構成された第1特図表示部Maと、第2始動入賞口32aへの入賞(第2始動入賞検出センサSE2による検出)を契機として変動表示を開始した後に最終的に複数種類の特別図柄(以下、「特図」という)の内の1つを停止表示する複数個のLED(実施例1では8個)から構成された第2特図表示部Mbとからなる。
なお、第1および第2特図表示部Ma,Mbに停止表示される特図としては、大当り遊技状態が付与されることを認識し得る大当り図柄としての複数種類の特図と、外れを認識し得る外れ表示(外れ図柄)としての1種類の特図とが、各特図表示部Ma,Mbに対応して夫々設定されている。これらの特図(複数種類の大当り図柄および1種類の外れ図柄)は、特図表示部Ma,Mbの点灯部のうち少なくとも1個の点灯部が点灯状態となる表示に対応し、互いに点灯数、点灯位置および点灯色の少なくとも何れかが異なるように設定されている。なお、以下の記載では、第1特図表示部Maで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部Maに停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部Mbで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部Mbに停止表示される特図を特図2と称する場合がある。なお、実施例1では、特図1の大当り図柄として、図柄(特図)A,B,C,D,Eの5種類があり、特図2の大当り図柄として、図柄(特図)a,b,c,d,eの5種類がある。
特図表示部Ma,Mbでの特図変動表示の変動時間(特図変動時間)および停止表示する特図の種類は、第1および第2始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出を契機として主制御CPU60aに取得される始動入賞情報(取得した乱数の値)に基づいて決定される。具体的に、主制御CPU60aは、大当り遊技状態を付与するか否かの決定(特図当り判定)に用いる特図当り判定用乱数の値と、特図としての大当り図柄の決定に用いる特図決定用乱数の値と、特図変動表示の変動時間の決定や図柄変動演出の内容の決定に用いる特図変動パターン振分用乱数の値とを、第1および第2始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出タイミングに応じて取得し、主制御基板60に備えられる記憶手段としての主制御RAM60cに記憶する。そして、主制御RAM60cに記憶した特図当り判定用乱数の値に応じて特図当り判定を行い、この特図当り判定が外れの判定結果となった場合には、停止表示する特図として外れを示す1種類の特図を決定する。また、特図当り判定が当りの判定結果となった場合には、特図決定用乱数の値に応じて大当り図柄としての特図を決定する。更に、特図変動パターン振分用乱数の値に応じて特図変動表示の変動時間や図柄変動演出の内容を特定する特図変動パターンを複数種類のうちから決定する。
また、実施例1では、特図表示部Ma,Mbでの特図変動表示の結果として停止表示される特図によって、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態が報知されるようになっている。ここで、パチンコ機10は、主制御CPU60aによる前記特図決定用乱数の値を用いた大当り図柄の決定に伴い、大当り遊技状態を構成するラウンド遊技の回数と、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態とを決定する。主制御CPU60aは、特図当り判定が当りの判定結果となる確率を向上させる確率変動機能と、第2始動入賞口32aへのパチンコ球の入賞し易さ(入賞確率)を向上させる入賞率向上機能とを有しており、確率変動機能が作動する確率変動状態(確変状態、高確状態)とするか、および入賞率向上機能が作動する入賞率向上状態(入賞容易状態、変短(時短)状態、高ベース状態)とするかの組み合わせにより、複数種類の遊技状態を生起し得るようになっている。なお、主制御CPU60aは、確変状態に対応して、主制御RAM60cに記憶される確変フラグの値を「1」に設定すると共に、確率変動機能が作動しない状態(非確変状態、低確状態)では確変フラグの値を「0」に設定するよう構成されている。また、主制御CPU60aは、変短状態に対応して、主制御RAM60cに記憶される変短フラグの値を「1」に設定すると共に、入賞率向上機能が作動しない状態(非変短状態、低ベース状態)では変短フラグの値を「0」に設定するよう構成されている。
なお、パチンコ機10(主制御CPU60a)は、大当り遊技状態の終了後の遊技状態として、確率変動機能および入賞率向上機能の何れも作動させない低確低ベース状態(第1の遊技状態)と、確率変動機能および入賞率向上機能を作動させる高確高ベース状態(第2の遊技状態)と、確率変動機能を作動させ、入賞率向上機能を作動させない高確低ベース状態(第3の遊技状態)と、確率変動機能を作動させず、入賞率向上機能を作動させる低確高ベース状態(第4の遊技状態)とを生起させ得る。大当り遊技状態のラウンド遊技の回数(規定回数)は、図柄A,aに対応する大当り遊技状態(第1大当り)および図柄B,bに対応する大当り遊技状態(第2大当り)では、3回、図柄C,cに対応する大当り遊技状態(第3大当り)および図柄D,dに対応する大当り遊技状態(第4大当り)では、6回、図柄E,eに対応する大当り遊技状態(第5大当り)では、9回となっている。また、大当り遊技状態の終了後の遊技状態は、「第1大当り」の後、直ちに低確低ベース状態となり、「第2大当り」の後、50回の図柄変動演出が終了するまでを最長期間(上限)として高確低ベース状態となり、「第3大当り」の後、50回の図柄変動演出が終了するまでを最長期間(上限)として低確高ベース状態となり、「第4大当り」および「第5大当り」の後、50回の図柄変動演出が終了するまでを最長期間(上限)として高確高ベース状態となる(但し、途中で大当り遊技状態が生起される場合は、最長期間(上限回数)に達しない)。
(特図保留表示部Mc,Md)
遊技情報表示器Mの特図保留表示部Mc,Mdは、第1始動入賞口31aおよび第2始動入賞口32aにパチンコ球が入賞した際に取得される始動入賞情報(各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(具体的には、主制御基板60に備えられた主制御RAM60c)に始動保留情報(特図保留情報)として記憶する場合に、当該始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記特図保留表示部Mc,Mdは、前記第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞した際に取得される始動入賞情報(各種乱数情報)を主制御RAM60cが第1始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部Mcと、第2始動入賞口32aにパチンコ球が入賞した際に取得される始動入賞情報(各種乱数情報)を主制御RAM60cが第2始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部Mdとからなり、各特図保留表示部Mc,Mdの何れも複数個(実施例1では各2個)のLED(点灯部)により構成されている。すなわち、第1および第2特図保留表示部Mc,Mdの表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、第1特図保留表示部Mcで表示される第1始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、第2特図保留表示部Mdで表示される第2始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口32aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例1では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。
(図柄表示装置17について)
図3に示すように、図柄表示装置17は、後述する表示制御基板66と電気的に接続され、演出制御基板65の演出制御CPU65aから出力される制御信号に基づく表示制御基板66の制御によって表示内容が更新されるようになっている。図柄表示装置17の表示部17aには、飾図を変動表示可能な図柄列171が複数列(例えば、左、右、中の3列)設定されており、前記第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口32aへの入賞(判定条件の成立)を契機として各図柄列171の飾図が変動表示されるようになっている。図柄変動演出(飾図の変動表示)は、主制御CPU60aが決定した特図変動パターンにより特定される変動時間に亘って行われ、該変動時間の終了タイミングで飾図が停止表示(確定表示)されることで終了する。この場合に、各図柄列171に定められた有効停止位置172を組み合わせた停止図柄有効ライン173に停止表示(確定表示)される飾図の図柄組み合わせにより、特図当り判定の結果が報知される。例えば、停止図柄有効ライン173上に同じ飾図が3つ並んで停止表示されることにより、特図当り判定が当りの判定結果となった(大当り遊技状態が生起される)ことが報知される。また、所定の図柄列(例えば中列)171が変動を継続している状態で停止図柄有効ライン173上に同じ飾図が2つ並んで停止表示されること(リーチ状態)により、特図当り判定が当りの判定結果となった(大当り遊技状態が生起される)可能性が高いことが示唆される。なお、第1特図表示部Maと図柄表示装置17とでは、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出とが同時に開始され、特図1と飾図とが同時に停止表示される。同様に、第2特図表示部Mbと図柄表示装置17とでは、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出とが同時に開始され、特図2と飾図とが同時に停止表示される。
また、図柄表示装置17の表示部17aには、第1始動入賞口31aへの始動入賞を契機とする図柄変動演出の保留数(待機数)を第1保留表示として表示する第1保留表示領域174と、第2始動入賞口32aへの始動入賞を契機とする図柄変動演出の保留数(待機数)を第2保留表示として表示する第2保留表示領域175とが設定されている。第1保留表示領域174での第1保留表示は、前記第1特図保留表示部Mcに表示される保留数(主制御RAM60cが第1始動保留情報として記憶した保留数)と同数の保留数を表す。また、第2保留表示領域175での第2保留表示は、前記第2特図保留表示部Mdに表示される保留数(主制御RAM60cが第2始動保留情報として記憶した保留数)と同数の保留数を表す。
(パチンコ機10に備えられる各種基板59,60,65,66等について)
パチンコ機10の後面側には、パチンコ遊技に関する統括的な制御を行う主制御CPU60aを備えた主制御基板60(図3参照)が配設されている。また、パチンコ機10の後面側には、演出に関する制御を行う演出制御CPU65aを備えた演出制御基板65(図3参照)と、この演出制御基板65(演出制御CPU65a)で決定した演出内容に応じて図柄表示装置17での画像表示を制御する表示制御CPU66aを備えた表示制御基板66(図3参照)とが配設されている。更に、パチンコ機10の後面側には、外部電源(例えば、AC24V)から各部の必要電源電圧(例えば、DC30V)を生成して各制御基板60,65,66や他の電気部品に供給する電源回路(図示せず)を備えた電源基板59(図3参照)が配設されている。各制御基板59,60,65,66は、透明な基板ケースに収容された状態で、パチンコ機10の後面側に配設されている。
次に、図3を参照し、パチンコ機10が備える前述した各制御基板59,60,65,66についての具体的な基板構成や制御内容を、電源基板59、主制御基板60、演出制御基板65および表示制御基板66の順に説明する。
(電源基板59について)
電源基板59には、電源のON-OFFを切り替えるための電源スイッチPWSが設けられていると共に、電源回路(図示せず)に供給される電源電圧(以下、監視電源電圧という)の電圧値が閾値電圧に降下したかを監視する電源断監視回路(図示せず)が設けられている。ここで、監視電源電圧が閾値電圧に降下するのは、例えば電源スイッチPWSのOFF操作や停電によって機外部からの電力供給が遮断された場合(電源断時)である。
電源基板59には、前記電源断監視回路に接続するリセット信号回路(図示せず)が設けられている。ここで、電源断監視回路は、監視電源電圧が閾値電圧以下となった場合に、リセット信号回路、主制御基板60(主制御CPU60a)および演出制御基板65(演出制御CPU65a)に対して電源断信号(監視電源電圧が閾値電圧に降下したことを示す信号)を出力する。また、リセット信号回路は、機外部からの電力供給の開始時(電源投入時や復電時)および電源断信号の入力時に、主制御基板60(主制御CPU60a)および演出制御基板65(演出制御CPU65a)に対してリセット信号を出力し、主制御CPU60aおよび演出制御CPU65aの動作を規制する。また、電源基板59には、コンデンサ等のバックアップ電源(図示せず)が設けられている。そして、パチンコ機10への電力供給が停止した場合(電源断信号が出力された場合)には、前記バックアップ電源から主制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに電力が供給されるようになっている。
(主制御基板60について)
ここで、主制御基板60について説明する。主制御基板60は、制御処理を実行する主制御CPU60a、該主制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶する主制御ROM60b、当該主制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な主制御RAM60c、後述する特図当り判定および普図当り判定に用いるハードウエア乱数を発生させる乱数発生回路60d等を備えている。
前記乱数発生回路60dは、クロック発信器(図示せず)と、特図当り判定用乱数カウンタ(図示せず)とを備えたもので、前記特図当り判定用乱数カウンタが、「0」から「65535」までの特図当り判定用乱数の値を前記クロック発信器からのクロック信号の入力に応じたタイミングでカウント(更新)するようになっている(ハードウエア乱数更新処理)。そして、始動入賞検出センサSE1,SE2による検出を示す信号が主制御CPU60aから乱数発生回路60dに対して入力された場合に、当該入力時点で前記特図当り判定用乱数カウンタがカウントする特図当り判定用乱数の値が乱数確認信号として主制御CPU60aに入力されて、主制御RAM60cに始動入賞情報として記憶されるようになっている。なお、主制御基板60は、乱数発生回路60dにおいてハードウエア乱数としての特図当り判定用乱数を更新する一方で、主制御CPU60aの制御によってソフトウエア乱数としての特図決定用乱数および特図変動パターン振分用乱数の各値を更新するようになっている。
主制御CPU60aは、第1始動入賞検出センサSE1、第2始動入賞検出センサSE2、特別入賞検出センサSE3等の各種の検出センサと電気的に接続され、各検出センサからの検出信号を夫々入力すると共に、該検出信号の入力の有無を夫々判定するよう構成されている。また、主制御CPU60aは、始動入賞ソレノイドSL1や特別入賞ソレノイドSL2等の各種の駆動手段と電気的に接続され、各駆動手段を夫々駆動制御するよう構成されている。更に、主制御CPU60aは、遊技に関する各種の情報を表示する遊技情報表示器Mと電気的に接続され、当該遊技情報表示器Mに備えられる各表示部Ma,Mb,Mc,Mdの表示内容(発光態様)を夫々制御するよう構成されている。
なお、主制御CPU60aは、遊技に関する制御処理(遊技制御)を実行する制御処理実行手段として機能している。また、主制御CPU60aは、判定条件の成立(始動入賞検出センサSE1,SE2による検出)を契機として遊技者に有利な遊技状態(大当り遊技状態)を生起させるかの特図当り判定(抽選)を行う当り判定手段として機能すると共に、判定条件の成立を契機として遊技者に有利な遊技状態(大当り遊技状態)を生起させる生起手段として機能している。また、主制御CPU60aは、始動入賞ソレノイドSL1や特別入賞ソレノイドSL2の駆動制御処理を実行する動作制御手段として機能している。また、主制御CPU60aは、入賞検出センサSE1,SE2,SE3による検出が発生したかを判定する検出判定処理を実行可能な入球検出判定手段として機能している。また、主制御CPU60aは、時間決定条件の成立(例えば後述する特図開始処理の実行)を契機として遊技時間(例えば特図変動時間)を決定する(例えば後述する特図変動時間決定処理を実行する)時間決定手段として機能すると共に、遊技時間を計測する計時制御手段として機能している。そして、主制御CPU60aは、遊技時間の計測に応じて遊技を進行させるように構成されている。また、主制御CPU60aは、遊技時間(例えば特図変動時間)の計測に応じて情報表示部(例えば特図表示部Ma,Mb)の表示を更新する(後述する表示制御処理を実行する)情報表示制御手段として機能している。
ここで、主制御基板60には、主制御RAM60cを初期化(バックアップした記憶情報を消去)するためのクリアスイッチCLSが設けられていると共に、クリアスイッチCLSに接続するクリア回路(図示せず)が設けられている。実施例1では、クリアスイッチCLSをON操作した状態で電源基板59の電源スイッチPWSをON操作(電源投入)した場合に、クリア回路から主制御基板60の主制御CPU60aにクリア信号が出力されて当該主制御CPU60aが記憶手段としての主制御RAM60cを初期化する処理を行うようになっている。なお、以下の記載では、主制御RAM60cを初期化するための操作(クリアスイッチCLSのON操作と電源スイッチPWSのON操作とを同時に行うこと)を、「クリア操作」と称する場合がある。また、主制御RAM60cの初期化を伴わない電源投入操作(クリアスイッチCLSがOFFの状態で電源スイッチPWSのON操作を行うこと)を、「復電操作」と称する場合がある。
主制御基板60に備えられる主制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に各種情報を一時的に記憶する常用記憶エリア(作業領域)の他に、バックアップエリアが設けられている。そして、バックアップ電源からの電力供給に応じて、主制御RAM60cの常用記憶エリアに記憶されている各種情報の一部または全部がバックアップエリアに記憶(書き込み)され、バックアップエリアに記憶された情報は、機外部からパチンコ機10への電力供給が停止された後の一定期間に亘って保持されるようになっている。主制御CPU60aによるバックアップエリアへの各種情報の記憶(書き込み)は、電源断時(電源断信号の入力時)の電源断処理(図8参照)において実行され、該バックアップエリアに記憶された各種情報の常用記憶エリアへの設定(読み出し)は、パチンコ機10への電力供給開始時におけるデータ復旧処理(図5参照)で実行される。
(主制御RAM60cの記憶領域および記憶対象)
主制御RAM60cには、バックアップの対象となる情報を記憶する記憶領域として、クリアスイッチCLSのクリア操作に伴って記憶内容が消去される遊技情報記憶領域と、クリアスイッチCLSがクリア操作されても記憶内容が消去されない設定情報記憶領域とが設けられている。ここで、遊技情報記憶領域に記憶される情報としては、例えば、遊技状態を特定可能な情報(確変フラグ、変短フラグおよび大当りフラグの各値)や、遊技の進行状況を特定可能な情報(後述する遊技時間の計測値や、大当り遊技状態中のラウンド遊技の実行済み回数等)や、始動入賞口31a,32aへの入賞に応じて取得された始動入賞情報(各種乱数の値)や、コマンドの未出力情報等がある。また、エラーを特定可能な情報(エラーフラグの値)についても、この遊技情報記憶領域に記憶される。一方で、主制御RAM60cの設定情報記憶領域には、主制御CPU60aにより実行される特図当り判定において当りの判定結果となる確率(大当り確率)を特定するための複数の段階フラグ(後述)が設けられている。
(大当り確率(有利度)の設定)
主制御ROM60bには、特図当り判定において特図当り判定用乱数の値が当りか否かを判定するための当否判定テーブル(図示せず)が複数種類(具体的には、第1~第6当否判定テーブルの6種類)記憶されている。各当否判定テーブルは、確率変動機能を作動させない低確状態での大当り確率である1種類の通常時確率と、確率変動機能を作動させる高確状態(確率変動状態)での大当り確率である1種類の確変時確率とに対応している。具体的に、第1当否判定テーブルは、最も低い確率の通常時確率および確変時確率に対応しており、第2当否判定テーブルは、2番目に低い確率の通常時確率および確変時確率に対応している。同様に、第3~第6当否判定テーブルが、3~6番目に低い確率の通常時確率および確変時確率に対応している。従って、第6当否判定テーブルが、最も高い確率の通常時確率および確変時確率に対応する当否判定テーブルとなる。そして、主制御RAM60cに設けられた複数の段階フラグのうち段階1フラグが第1当否判定テーブルに対応付けられており、段階2フラグが第2当否判定テーブルに対応付けられており、段階3フラグ、段階4フラグ、段階5フラグおよび段階6フラグが第3~第6当否判定テーブルに夫々対応付けられている。これら6種類の段階フラグは夫々、「0」および「1」の各値に変更可能であり、主制御CPU60aは、1種類の段階フラグの値を「1」に設定すると共に他の5種類の段階フラグの値を「0」に設定することで、値を「1」とした段階フラグに対応する当否判定テーブルを用いて、当該テーブルに対応する大当り確率(通常時確率および確変時確率)で特図当り判定を実行するように構成されている。
このように、主制御CPU60aは、6段階の大当り確率の夫々で特図当り判定(遊技制御)を実行可能であり、値が「1」に設定されている段階フラグの違いに応じて、6種類のうちどの大当り確率で特図当り判定を実行するかを特定するよう構成されている。なお、以下の記載では、6段階の大当り確率を「(遊技に関する)有利度」(低段階の側から順に「有利度1」~「有利度6」)と表現することがある。すなわち、主制御CPU60aは、段階1フラグの値を「1」とし他の段階フラグの値を「0」とすることで、遊技制御の有利度を「有利度1」に設定し、段階6フラグの値を「1」とし他の段階フラグの値を「0」とすることで、遊技制御の有利度を「有利度6」に設定する(「有利度1」が有利度の最低段階、「有利度6」が有利度の最高段階となっている)。また、以下の記載では、主制御CPU60aの制御によって値を「1」とする段階フラグの種類を変更することを、「有利度の設定変更」とも表現する。
主制御CPU60aは、機後側に操作可能に設けられた設定変更操作手段(所定の操作手段)に対する設定変更操作(後述)が行われたことに応じて、特図当り判定における有利度の設定変更(すなわち、値を「1」とする段階フラグの変更)を実行するように構成されている。すなわち、主制御CPU60aは、遊技に関する複数段階の有利度のうち、設定変更操作による選択に応じた有利度で特図当り判定を実行する。ここで、主制御CPU60aは、パチンコ機10の電源が投入されてから遊技可能状態に移行するまでの制御状態(初期状態、遊技停止状態)において「設定変更モード(設定変更状態)」および「設定確認モード(設定確認状態)」に移行可能に構成されている。設定変更モードは、有利度の設定変更を行うための設定変更操作を有効とする制御モード(制御状態)である。また、設定確認モードは、設定変更操作を有効とすることなく当該時点での有利度の確認のみ可能とする制御モード(制御状態)である。なお、主制御CPU60aは、電源スイッチPWSのON操作状態、後述する設定操作部91のオン姿勢、扉開放検出センサSE10の検出状態、の各条件が同時に成立している、という特定の条件下において、更にクリアスイッチCLSが操作された場合に、設定変更モードに移行する一方、クリアスイッチCLSが操作されなかった場合には、設定確認モードに移行する。
図3に示すように、主制御基板60には、設定変更モードや設定確認モードを開始および終了させる際の操作の対象となる設定操作部91と、主制御CPU60aによる特図当り判定の有利度(「有利度1」~「有利度6」の何れか)を示す設定表示値(「1」~「6」)等を表示するための性能表示器92と、前述したクリアスイッチCLSとが設けられている。実施例1では、クリアスイッチCLSを、設定変更モードにおいて設定変更操作の対象となる設定変更操作手段として兼用している。但し、設定変更操作手段は、クリアスイッチCLSとは別に備えるようにしてもよい。
なお、主制御基板60は、透明な合成樹脂材からなる箱状の主基板ケース(図示せず)に収容されている。主基板ケースには、クリアスイッチCLSを露出する開口部と、設定操作部91の突出端面を露出する開口部とが形成されているので、遊技店員等の作業者が主基板ケースを開放することなくクリアスイッチCLSや設定操作部91を操作することができる。一方で性能表示器92は、表示内容を外部から視認可能な状態かつ外部からアクセス不能な状態となるよう主基板ケースの壁面で覆われている。
性能表示器92は、7つのセグメントで構成される7セグ表示部を4つ備えている。各7セグ表示部は、セグメントの点灯位置の組み合わせによって、「0」~「9」の整数と、「b」や「E」等のアルファベットとを表示可能に構成されている。なお、図4には、性能表示器92について、点灯状態のセグメントを色付きで示している。主制御CPU60aは、設定変更モード中および設定確認モード中に、前述した設定表示値を性能表示器92に点灯表示させる。この場合には、図4に示すように、性能表示器92における右端の7セグ表示部を用いて「1」~「6」の何れかの数値が設定表示値として表示される。
なお、設定表示値は、前述のように設定確認モード中や設定変更モード中に表示され、そのモード終了後に主制御CPU60aが遊技可能状態に移行した際の有利度(大当り確率)を表すことになるが、設定変更モード中に表示される設定表示値は、設定変更操作手段としてのクリアスイッチCLSを操作する毎に変化する。例えば、有利度が「有利度1」に設定されている場合、性能表示器92における右端の7セグ表示部には、設定変更モードの開始時に設定表示値「1」が表示され、その後に設定変更操作を行う毎に、「2」→「3」…「6」→「1」→「2」…の順で、「1」から「6」までの数値がループするように変化する。なお、「有利度1」以外の有利度が設定されている場合も同様であり、例えば、有利度が「有利度5」に設定されている場合は、7セグ表示部には設定変更モードの開始時に設定表示値「5」が表示され、その後に設定変更操作を行う毎に、「6」→「1」→「2」…「6」→「1」→「2」…の順で数値が変化する。一方で、設定確認モード中に表示される設定表示値は、当該モード終了まで(前述の設定操作部91をオフ姿勢とするまで)操作の有無に関わらず変化しない。なお、設定変更モードや設定確認モードが終了した後は、性能表示器92において設定表示値は非表示となる。この場合には、主制御CPU60aが低確低ベース状態での遊技期間について算出したベース値(有効球の総数に対する賞球の払い出し総数の割合)が、性能表示器92に表示される(7セグ表示部に「b~」と表示される)。
主制御CPU60aは、主制御RAM60cの記憶内容に異常が発生したことおよび前記有利度の設定に異常が発生した(可能性がある)ことを、「第1設定エラー」として判定し、当該第1設定エラーの発生を性能表示器92の点灯表示によって報知する。ここで、第1設定エラーが発生したと主制御CPU60aが判定した場合には、主制御CPU60aを設定変更モードに移行させる操作(以下「第1の移行操作」という)や主制御CPU60aを設定確認モードに移行させる操作(以下「第2の移行操作」という)が行われたか否かに関わらず、性能表示器92における右側2つの7セグ表示部を用いて「E1」が表示される(図4参照)。
また、主制御CPU60aは、設定変更モード中に電源断が発生した場合に、その後の電源投入時において性能表示器92を用いた報知を行うように構成されている。これは、設定変更モード中にパチンコ機10の電源を遮断することが一般になく、このような状態が発生した場合、不正に有利度(大当り確率)の設定を変更しようとする不正行為がなされたことが疑われるためである。主制御CPU60aは、電源投入時において、前回の電断時に設定変更モード中であったと判定した場合を、異常状態(以下「第2設定エラー」という)として性能表示器92の点灯表示により報知する。この第2設定エラーが発生したと主制御CPU60aが判定した場合には、性能表示器92における右側2つの7セグ表示部を用いて「E2」が表示される(図4参照)。但し、実施例1では、第1の移行操作が行われた場合には、第2設定エラーの発生を判定せず、そのまま設定変更モードに移行するようになっている。これは、第1の移行操作に伴って設定変更モードに移行すれば、任意の有利度を設定できるからである。
なお、主制御CPU60aは、設定エラー(第1設定エラー、第2設定エラー)の発生を契機として、演出制御CPU65aに設定エラー指定コマンドを出力するよう構成されている。これに対し、演出制御CPU65aは、設定エラー指定コマンドを入力してから電源断までの期間に、設定エラーが発生したことを報知するための設定エラー報知を実行する。なおこの場合には、図4に示すように、図柄表示装置17の表示部17aの略全体を使って、「設定エラー」の文字および「設定を変更して下さい」の文字を含む専用画像が表示される。
主制御CPU60aは、第1の移行操作が行われたことを契機として、設定変更モードに移行するように構成されている。ここで、第1の移行操作は、電源が遮断された状態のパチンコ機10に対し、扉開放検出センサSE10を検出状態とし、設定操作部91をオン姿勢に切り替えたもとで、クリアスイッチCLSを操作状態としながら電源スイッチPWSをON操作(電源を投入)することである。すなわち、クリア操作(主制御RAM60cの初期化)を含む操作が、第1の移行操作(主制御CPU60aの制御状態を設定変更モードに移行させる条件)として定められている。また、第1の移行操作には、設定キーを用いて設定操作部91をオン姿勢とする操作が含まれている。更に、第1の移行操作には、扉開放検出センサSE10を検出状態とする操作(すなわち、中枠12や前枠13を開放すること)が含まれている。これにより、実施例1のパチンコ機10は、予め定めた複数の条件を満たす場合にのみ主制御CPU60aを設定変更モードに移行させることができる。そして、遊技店の管理者だけが、主制御CPU60aを設定変更モードに移行させて有利度(大当り確率)を変更し得る(一般的な遊技者等では主制御CPU60aを設定変更モードに移行させることができない)ようになっている。主制御CPU60aは、第1の移行操作が行われた後、設定変更モードに移行したタイミングで性能表示器92に設定表示値を表示し、設定操作部91がオフ姿勢に回動操作された後、設定操作部91をオフ姿勢とする操作(以下「第1の移行終了操作(設定変更モード終了操作)」という)による設定変更モードの終了(遊技可能状態への移行)に伴って性能表示器92での設定表示値の表示をベース値の表示に変更するよう構成されている。
主制御CPU60aは、設定変更モードへの移行に伴い、主制御RAM60cを初期化するように構成されている。この場合に、主制御CPU60aは、主制御RAM60cにおける遊技情報記憶領域に記憶されている遊技情報を消去する一方、主制御RAM60cにおける設定情報記憶領域に記憶されている設定情報については消去しないようにする。なお、実施例1の主制御CPU60aは、前述のように設定変更モードへの移行(第1の移行操作)に伴って主制御RAM60cを初期化する他、第1の移行終了操作により設定変更モードを終了する際にも、再度、主制御RAM60cを初期化するように構成されている。
また、主制御CPU60aは、主制御RAM60cの初期化を伴う電源投入操作(クリア操作)が行われたことを契機に、RAMクリア指定コマンドを演出制御CPU65aに出力するよう構成されている。このため、主制御CPU60aは、クリア操作を含む第1の移行操作が行われた際(設定変更モードへの移行時)にも、RAMクリア指定コマンドを演出制御CPU65aに出力する。そして、演出制御CPU65aは、RAMクリア指定コマンドを入力してから所定時間、RAMクリア報知を制御するよう構成されている。ここで、演出制御CPU65aは、第1の移行操作(後述する設定変更開始コマンドの入力)を契機としてRAMクリア報知の開始を待機するようになっている。すなわち、RAMクリア報知は、設定変更モード中には行われず、設定変更モードの終了後に開始される。なお、設定変更モードへの移行により待機されたRAMクリア報知は、設定変更モードが終了(後述する設定変更終了コマンドを入力)し、かつ扉開放検出センサSE10が非検出状態となったことを契機として、開始されるようになっている。
主制御CPU60aは、第1の移行操作に伴う設定変更モードの開始を契機として、演出制御CPU65aに設定変更開始コマンドを出力するよう構成されている。また、主制御CPU60aは、設定変更モード中における第1の移行終了操作(設定操作部91のオフ姿勢への変位)に伴う設定変更モードの終了を契機として、演出制御CPU65aに設定変更終了コマンドを出力するよう構成されている。これに対し、演出制御CPU65aは、設定変更開始コマンドを入力してから設定変更終了コマンドを入力するまでの期間に、設定変更モード中であることを報知する(設定変更中報知を実行する)ようになっている。この場合には、図4に示すように、図柄表示装置17の表示部17aの略全体を使って、「設定変更中」の文字を含む専用画像が表示される。なお、演出制御CPU65aが設定変更終了コマンドを入力した場合に、電源投入後に設定変更モードに移行したことが履歴として演出制御RAM65cに記憶される。
また、主制御CPU60aは、設定変更モードの開始から終了までの期間に、遊技情報表示器Mの表示内容を通常とは異なる表示内容となるよう制御する。実施例1では、図4に示すように、遊技情報表示器Mを全消灯状態とする。
主制御CPU60aは、第2の移行操作が行われたことを契機として、設定確認モードに移行するように構成されている。ここで、第2の移行操作は、電源が遮断された状態のパチンコ機10に対し、扉開放検出センサSE10を検出状態とし、設定操作部91をオン姿勢に切り替えたもとで、クリアスイッチCLSを操作状態とせずに(非操作状態に維持しながら)電源スイッチPWSをON操作(電源を投入)することである。すなわち、復電操作を含む操作が、第2の移行操作(主制御CPU60aの制御状態を設定確認モードに移行させる条件)として定められている。すなわち、予め定めた複数の条件を満たす場合にのみ主制御CPU60aを設定確認モードに移行させることが可能とされている点は、設定変更モードの場合と同様である。そして、遊技店の管理者だけが、主制御CPU60aを設定確認モードに移行させて有利度(大当り確率)を確認することができる(一般的な遊技者等では主制御CPU60aを設定確認モードに移行させることができない)ようになっている。但し、第2の移行操作には、主制御RAM60cを初期化するクリア操作が含まれていない(復電操作が含まれている)。主制御CPU60aは、第2の移行操作が行われた後、設定確認モードに移行したタイミングで性能表示器92に設定表示値を表示し、設定操作部91がオフ姿勢に回動操作された後、設定操作部91をオフ姿勢とする操作(以下「第2の移行終了操作(設定確認モード終了操作)」という)による設定確認モードの終了(遊技可能状態への移行)に伴って性能表示器92での設定表示値の表示をベース値の表示に変更するよう構成されている。
また、主制御CPU60aは、主制御RAM60cの初期化を伴わない電源投入操作(復電操作)が行われたことを契機に、復旧コマンドを演出制御CPU65aに出力するよう構成されている。このため、主制御CPU60aは、復電操作を含む第2の移行操作が行われた際(設定確認モードへの移行時)にも、復旧コマンドを演出制御CPU65aに出力する。そして、演出制御CPU65aは、復旧コマンドを入力してから所定時間、復電報知を制御するよう構成されている。ここで、演出制御CPU65aは、第2の移行操作(後述する設定確認開始コマンドの入力)を契機として復電報知の開始を待機する。すなわち、復電報知は、設定確認モード中には行われず、第2の移行終了操作による設定確認モードの終了後に開始される。なお、設定確認モードへの移行により待機された復電報知は、設定確認モードが終了(後述する設定確認終了コマンドを入力)し、かつ扉開放検出センサSE10が非検出状態となったことを契機として、開始される。
主制御CPU60aは、第2の移行操作に伴う設定確認モードの開始を契機として、演出制御CPU65aに設定確認開始コマンドを出力する。また、主制御CPU60aは、設定確認モード中における第2の移行終了操作(設定操作部91のオフ姿勢への変位)に伴う設定確認モードの終了を契機として、演出制御CPU65aに設定確認終了コマンドを出力するよう構成されている。これに対し、演出制御CPU65aは、設定確認開始コマンドを入力してから設定確認終了コマンドを入力するまでの期間に、設定確認モード中であることを報知する(設定変更中報知を実行する)。なおこの場合には、図4に示すように、図柄表示装置17の表示部17aの略全体を使って、「設定確認中」の文字を含む専用画像が表示される。なお、演出制御CPU65aが設定確認終了コマンドを入力した場合に、電源投入後に設定確認モードに移行したことが履歴として演出制御RAM65cに記憶される。
また、主制御CPU60aは、設定確認モードの開始から終了までの期間に、遊技情報表示器Mの表示内容を通常とは異なる表示内容となるよう制御する。実施例1では、図4に示すように、遊技情報表示器Mを全点灯状態とする。
(メイン処理)
主制御CPU60aが行うメイン処理について、図5を参照しながら詳細に説明する。
先ず、主制御CPU60aは、電源基板59の電源スイッチPWSがOFFからONに切り替えられてパチンコ機10の電源が投入された場合に、主制御CPU60aを正常動作させるために必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。この場合に、主制御CPU60aは、後述するタイマ割込処理(図9参照)を定期的に発生させるための設定も行う。具体的には、割込の発生間隔を計測するためのインターバルタイマ(例えば4ms)を、主制御基板60に備えられるタイマ回路(図示せず)のレジスタに設定すると共に、タイマ割込処理の発生を許可する。但し、主制御CPU60aは、このタイマ割込処理における後述のステップS505からステップS511までの処理の実行については許可しない。また、タイマ割込処理における後述のステップS503の処理(計時処理)について限定的に許可する(遊技時間を計測する処理は許可しない)と共に、後述のステップS504の処理(検出判定処理)について限定的に許可する(不正行為の可能性がある状態を検出するための検出センサ(図示せず)のみ有効とする)。これにより、パチンコ機10は、主制御CPU60aが後述するステップS115の処理(デバイス設定)を実行するまでの間、遊技に関する制御を実行しない遊技停止状態に維持される。そして、初期設定処理を終了すると、主制御CPU60aは、主制御RAM60cをアクセス許可状態に設定する(ステップS102)。
次に、主制御CPU60aは、前記電源スイッチPWSがONに切り替えられるタイミングでクリアスイッチCLSがONされたかを判定する(ステップS103)。このステップS103の判定処理において、主制御CPU60aは、前記クリアスイッチ回路からのクリア信号の入力があるか否かを判定し、クリア信号を入力していると判定した場合(肯定判定の場合)には、ステップS104の処理に移行する(後述)。また主制御CPU60aは、ステップS103の判定処理においてクリア信号を入力していないと判定した場合(否定判定の場合)には、ステップS107の処理に移行して、主制御RAM60cのバックアップエリアに保存されているバックアップデータが正常か否かのデータチェックを行う。具体的には、RAM判定値(チェックサム値)を算出すると共に、算出したRAM判定値を後述する電源断処理(ステップS402、図8参照)で保存されたRAM判定値と比較して、正常値か否かを判定する。そして、このステップS107においてバックアップデータが正常ではないと判定した場合(否定判定の場合)は、ステップS112に移行する。一方、バックアップデータを正常と判定した場合(肯定判定の場合)には、ステップS108の処理に移行する。
主制御CPU60aは、ステップS104の処理において、主制御RAM60c(遊技情報記憶領域)の記憶内容をクリア(消去)する。すなわち、前述したステップS103において肯定判定した場合(クリア信号の入力時)に、主制御CPU60aは、電源断時(電源スイッチPWSのOFF操作時または停電時)に行われた電源断処理(後述するステップS402)で記憶保持したバックアップデータをクリアし、主制御RAM60cに初期値を設定する。すなわち、主制御CPU60aは、当該ステップS104の処理において主制御RAM60cを初期化した上で、パチンコ機10を起動させる。但しこの場合に、主制御CPU60aは、遊技情報記憶領域に記憶された遊技情報のみを消去し、設定情報記憶領域に記憶された設定情報については消去しないようにする。
主制御CPU60aは、ステップS104の処理を終了すると、主制御RAM60cの記憶内容をクリアしたことを示すRAMクリア指定コマンドを設定し、演出制御CPU65aへ向けて出力する(ステップS105)。これにより、クリア操作に応じた報知(RAMクリア報知)が演出制御CPU65aの制御に基づいて実行される。但し、後述するステップS106(設定変更に関する処理)において設定変更開始コマンドを主制御CPU60aが出力した場合は、該コマンドを入力した演出制御CPU65aがRAMクリア報知の実行制御を、設定変更モードが終了した後のタイミングまで待機する。
ここで、主制御CPU60aは、前述したステップS105に続くステップS106において、有利度(大当り確率)の設定変更(設定変更モードへの移行)に関する処理を実行する。この処理(ステップS106)については後述する。
ステップS107のデータチェックにおいてバックアップデータの異常を判定した場合に、主制御CPU60aは、電源断時(電源スイッチPWSのOFF操作時または停電時)に行われた電源断処理(後述するステップS402)で記憶保持したバックアップデータをクリアし、主制御RAM60cに初期値を設定する(ステップS112)。この場合において、主制御CPU60aは、続くステップS113において、性能表示器92の表示内容を「E1」に変更してパチンコ機10の異常(主制御RAM60cの異常としての設定エラー)を報知するよう制御を行う。そして、主制御CPU60aは、以降においてパチンコ機10の電源が遮断されるまで、遊技停止状態を維持し(ステップS114)、後述する通常処理(図8参照)に移行しない。
前述したステップS107において肯定判定した場合(バックアップデータの正常時)、主制御CPU60aは、電源断フラグの値を「0」に設定する(ステップS108)。なお、電源断フラグは、主制御RAM60cにおいて常には「0」の値に設定され、機外部からの電力供給が遮断された場合に、主制御CPU60aの処理(ノンマスカブル割込処理)において「1」に変更される。すなわち、電源断フラグの値が「1」に設定されるのは、電源OFFや停電の発生に応じて電源基板59からの電源断信号が主制御基板60に入力された場合である。このステップS108の処理が終了すると、主制御CPU60aは、ステップS109の処理に移行する。なお、電源断フラグの値は、前述したステップS104およびステップS112においても「0」に設定されるようになっている。
次に、ステップS109において、主制御CPU60aは、主制御RAM60cのバックアップエリアに記憶されている情報に基づいてデータ復旧処理を実行する。このデータ復旧処理において、主制御CPU60aは、電源断時にバックアップした内容を主制御RAM60cの常用記憶エリア(作業領域)に設定して、パチンコ機10を電源断前の状態に復帰させる。
主制御CPU60aは、ステップS109の処理を終了すると、電源が復旧したことを示す復旧コマンドを設定し、演出制御CPU65aへ向けて出力する(ステップS110)。これにより、復電操作に応じた報知(復電報知)が演出制御CPU65aの制御に基づいて実行される。但し、後述するステップS111(設定確認に関する処理)において設定確認開始コマンドを主制御CPU60aが出力した場合は、該コマンドを入力した演出制御CPU65aが復電報知の実行制御を、設定確認モードが終了した後のタイミングまで待機する。なお、図柄変動演出の途中で電力供給が停止(電源断)した後に電力供給が再開された場合に、当該ステップS109において主制御CPU60aから出力された復旧コマンドを入力した演出制御CPU65aは、図柄表示装置17、スピーカ18および枠ランプ19に関する演出について、次回の図柄変動演出から演出の実行を再開させる。
ここで、主制御CPU60aは、前述したステップS110に続くステップS111において、有利度(大当り確率)の設定確認(設定確認モードへの移行)に関する処理を実行する。この処理(ステップS111)については後述する。
ステップS106またはステップS111の処理の終了後、主制御CPU60aは、デバイス設定等の処理を実行する(ステップS115)。ここで、主制御CPU60aは、その処理(ステップS115)の実行時点で設定されている特図当り判定の有利度(「有利度1」~「有利度6」の何れか)を示す情報を含んだ有利度指定コマンドを設定し、出力する。この有利度指定コマンドは演出制御CPU65aに入力される。また、主制御CPU60aは、電源投入から無効であった検出センサ(入球検出手段)SE1,SE2,SE3を検出可能な状態に設定する。
また、主制御CPU60aは、ステップS115において、タイマ割込処理(図9参照)の発生を許可した時点(前述のステップS101の時点)で一部規制していたタイマ割込処理での制御処理の実行を許可する。これにより、タイマ割込処理における後述のステップS505からステップS511までの処理が実行可能となり、また、後述のステップS503(計時処理)における遊技時間の計測と、後述するステップS504(検出判定処理)における検出センサ(入球検出手段)SE1,SE2,SE3による検出状態の判定とが、実行可能となる。これにより、パチンコ機10(主制御CPU60a)は、主制御CPU60aによるステップS115の処理の終了後、後述する通常処理(図8参照)を前記電源断信号の入力がされない限り繰り返す、遊技に関する制御処理を実行可能な制御状態に移行する(遊技停止状態から遊技可能状態へと変化する)。
(通常処理)
次に、主制御CPU60aが行う通常処理について、図8を参照しながら詳細に説明する。
主制御CPU60aは、通常処理において先ず、主制御RAM60cに設定されている電源断フラグの値が「1」であるかを判定する(ステップS401)。ここで、主制御基板60は、電源基板59からの前記電源断信号を入力する場合(電源断時)に、主制御CPU60aの制御状態に関わらずノンマスカブル割込処理を主制御CPU60aの処理に強制的に割り込ませ、主制御RAM60cに記憶される電源断フラグの値を「0」から「1」に変更するよう構成されている。そして、このステップS401の判定処理において電源断フラグの値を「1」と判定した場合(肯定判定の場合)に、主制御CPU60aは、電源断処理(ステップS402)を実行するようになっている。一方、電源断フラグの値を「0」と判定した場合(否定判定の場合)には、主制御CPU60aは、後述するステップS403の処理に移行する。
電源断処理(ステップS402)において、主制御CPU60aは、タイマ割込処理を禁止に設定する。そして、主制御CPU60aは、復電時に遊技状態等を復旧するために必要な遊技情報を、主制御RAM60cのバックアップエリアに記憶する。そして、主制御CPU60aは、この電源断処理において、機外部からの電力供給の開始時に参照されるRAM判定値(チェックサム値)を算出すると共に、算出したRAM判定値を主制御RAM60cのバックアップエリアに記憶する。
また、主制御CPU60aは、前記電源断処理(ステップS402)において、電源断コマンドを設定すると共に、演出制御CPU65a、表示制御CPU66aへ向けて電源断コマンドを出力する。そして、主制御CPU60aは、当該電源断処理において、主制御RAM60cをアクセス禁止状態に設定する。主制御CPU60aは、前述した一連の電源断処理を終了すると、電圧値が完全に低下しきるまで、処理を行わないループ状態(待機状態)となる。
一方、前述したステップS401の判定処理において電源断フラグの値を「0」と判定した場合(否定判定の場合)に、主制御CPU60aは、後述するタイマ割込処理(図9参照)が、ステップS115(図5参照)の処理の終了後からの期間または前回のステップS401の終了後からの期間に発生したか否かを判定する(ステップS403)。そして、主制御CPU60aは、タイマ割込処理が発生したと判定した場合(肯定判定の場合)には、前述したステップS401の処理に移行する。なお、ステップS403の処理においてタイマ割込処理が発生していないと判定すると(否定判定となると)、主制御CPU60aは、タイマ割込処理が発生するまで当該ステップS403の判定処理を繰り返し実行する。
(タイマ割込処理)
次に、主制御CPU60aが行うタイマ割込処理について、図9を参照しながら詳細に説明する。
主制御CPU60aは、タイマ割込処理において先ず、コマンド入出力処理を実行する(ステップS501)。なお、このコマンド入出力処理において出力可能なコマンドは、当該タイマ割込処理に関連して設定されたコマンドであり、例えば、始動入賞コマンド(後述)や、大当り開始コマンド(後述)および大当り終了コマンド(後述)や、開放コマンド(後述)および閉鎖コマンド(後述)等がある。
ステップS502において、主制御CPU60aは、エラー判定処理を実行する。このエラー判定処理において、主制御CPU60aは、パチンコ機10の異常状態(エラー)が発生したか否かを判定し、異常状態が発生したと判定した場合に、その発生した異常状態に対応するエラー判定フラグの値を「1」に設定する。そして、何れかのエラー判定フラグの値が「1」である場合に、主制御CPU60aは、値が「1」になっているエラー判定フラグを特定し、特定したエラー判定フラグに対応するエラー指定コマンドを設定する。なお、設定されたエラー指定コマンドは、前述したコマンド入出力処理(ステップS501)の実行に応じて演出制御CPU65aへ向けて出力される。
ステップS503において、主制御CPU60aは、遊技の進行に関する遊技時間(変動時間等)を計測する計時処理を実行する。具体的に、主制御CPU60aは、遊技の進行に関する遊技時間として、特図変動パターンによって特定される特図変動時間と、特図変動表示の終了タイミングから次の特図変動表示の開始タイミングまでの待機時間である特図変動インターバル時間と、大当り遊技状態においてオープニング演出が行われる時間であるオープニング時間と、大当り遊技状態においてエンディング演出が行われる時間であるエンディング時間と、各ラウンド遊技の最大継続時間である特電開放時間と、ラウンド遊技の終了時点から次のラウンド遊技の開始までの待機時間であるラウンドインターバル時間とを、当該計時処理(ステップS503)において計測可能に構成されている。なお、実施例1では、ラウンド遊技が付与される期間に亘って特別用開閉部材33bが開放されるようになっているが、ラウンド遊技が付与される期間の一部において特別用開閉部材33bが開放されるようにしてもよい。この場合には、当該ステップS302において、ラウンド遊技の開始タイミングからの最大継続時間を計測すると共に、この最大継続期間のうち一部を特電開放時間として計測することができる。また、主制御CPU60aは、前述した複数種類の遊技時間の他に、前述したエラー判定処理(ステップS502)での各エラー判定において必要となる時間についても計測を行う。
ステップS504において、主制御CPU60aは、当該主制御CPU60aと電気的に接続されている検出センサ(第1始動入賞検出センサSE1、第2始動入賞検出センサSE2、特別入賞検出センサSE3等)からの検出信号が入力されているか否かを判定するための検出判定処理を実行する。この検出判定処理において、主制御CPU60aは、各種の入球検出手段SE1,SE2,SE3等からの検出信号の入力の有無に応じて、入球検出手段毎に検出状態であるか否かを判定するようになっている。ここで、主制御CPU60aは、複数の入球検出手段SE1,SE2,SE3のうち何れかの検出状態(検出信号が入力されていること)を判定した場合に、検出状態に対応する入球検出手段SE1,SE2,SE3の種類に応じた賞球を払い出すことを決定する。
ステップS505において、主制御CPU60aは、特図の大当り図柄を決定するために用いられるソフトウエア乱数としての特図決定用乱数の値と、特図変動パターンを決定するために用いられるソフトウエア乱数としての特図変動パターン振分用乱数の値とを更新する(ソフトウエア乱数更新処理を実行する)。このソフトウエア乱数更新処理では、特図決定用乱数としての「0」~「100」の全101通りの整数値と、特図変動パターン振分用乱数としての「0」~「250」の全251通りの整数値とを、1回の更新処理につき夫々「1」更新する。すなわち、実施例1では、タイマ割込み処理が1回発生する毎に(4ms毎に)、特図決定用乱数、特図変動パターン振分用乱数の各乱数の値が「1」ずつ更新される(なお、更新前の値が最大値の場合は、ランダムな値に決定される初期値へと更新する)ようになっている。なお、特図当り判定用乱数の値を更新するハードウエア乱数更新処理は、乱数発生回路60dに備えられる前記特図当り判定用乱数カウンタにより実行されている。
ステップS506において、主制御CPU60aは、遊技状態を切り替える遊技状態切替処理を実行する。具体的に、主制御CPU60aは、大当り遊技状態を開始するタイミング(特図変動表示の結果として大当り図柄(特図)を停止表示してから所定時間が経過するタイミング)で、主制御RAM60cに記憶される大当りフラグの値を「0」から「1」に変更し、大当り遊技状態を終了するタイミングで、大当りフラグの値を「1」から「0」に変更する。主制御CPU60aは、大当りフラグの値を「1」に変更するのに応じて大当り開始コマンドを設定する。一方、主制御CPU60aは、大当りフラグの値を「0」に変更するのに応じて大当り終了コマンドを設定する。なお、大当り開始コマンドは、開始される大当り遊技状態の種類(その大当り遊技状態後の遊技状態の種類)を特定可能な情報を含んでいる。
また、このステップS506において、主制御CPU60aは、大当り遊技状態の終了に伴って確変状態を開始する場合に、主制御RAM60cに記憶される確変フラグの値を「0」から「1」に変更し、確変状態を終了する場合に、確変フラグの値を「1」から「0」に変更する。主制御CPU60aは、確変フラグの値を「1」に変更するのに応じて確変開始コマンドを設定する。一方、主制御CPU60aは、確変フラグの値を「0」に変更するのに応じて確変終了コマンドを設定する。更に、主制御CPU60aは、このステップS506において、大当り遊技状態の終了に伴って変短状態を開始する場合に、主制御RAM60cに記憶される変短フラグの値を「0」から「1」に変更し、変短状態を終了する場合に、変短フラグの値を「1」から「0」に変更する。主制御CPU60aは、変短フラグの値を「1」に変更するのに応じて変短開始コマンドを設定する。そして、主制御CPU60aは、変短フラグの値を「0」に変更するのに応じて変短終了コマンドを設定する。
なお、設定された大当り開始コマンド、大当り終了コマンド、確変開始コマンド、確変終了コマンド、変短開始コマンド、変短終了コマンドは、前述したコマンド入出力処理(ステップS501)の実行に応じて演出制御CPU65aへ向けて出力される。
ステップS507において、主制御CPU60aは、特図に関する特図入力処理を実行する。この特図入力処理において、主制御CPU60aは、前述した検出判定処理(ステップS504)において始動入賞検出センサSE1,SE2からの検出信号の入力があったと判定された場合(すなわち、始動入賞口31a,32aへのパチンコ球の入賞が発生した場合)に、始動入賞情報としての各種乱数値を取得すると共に主制御RAM60cの始動記憶領域に記憶する。ここで、始動入賞情報として主制御RAM60cの始動記憶領域に記憶される乱数の値としては、特図当り判定用乱数カウンタによりカウントされる特図当り判定用乱数(ハードウエア乱数)の値の他に、特図決定用乱数や特図変動パターン振分用乱数といったソフトウエア乱数の値がある。なお、主制御RAM60cの始動記憶領域は、第1始動入賞検出センサSE1からの検出信号の入力があったと判定された場合に始動入賞情報を記憶する始動記憶領域と、第2始動入賞検出センサSE2からの検出信号の入力があったと判定された場合に始動入賞情報を記憶する始動記憶領域とが個別に設定されており、各始動記憶領域において予め定めた上限数(実施例1では、4個)までの始動入賞情報を、時系列に従って、対応する特図変動表示が開始されるまで始動保留情報として記憶(保留)可能となっている。このため、主制御CPU60aは、第1始動入賞検出センサSE1からの検出信号の入力があったと判定された場合には、該第1始動入賞検出センサSE1に対応する始動記憶領域における始動入賞情報(始動保留情報)の記憶数(保留数)が上限に達しているかを確認し、上限に達していない場合に限り、新たな始動入賞情報を始動記憶領域に記憶すると共に、当該始動記憶領域における現在の記憶数(保留数)を示す数値情報を更新(加算)する。また、主制御CPU60aは、第2始動入賞検出センサSE2からの検出信号の入力があったと判定された場合には、該第2始動入賞検出センサSE2に対応する始動記憶領域における始動入賞情報(始動保留情報)の記憶数(保留数)が上限に達しているかを確認し、上限に達していない場合に限り、新たな始動入賞情報を始動記憶領域に記憶すると共に、当該始動記憶領域における現在の記憶数(保留数)を示す数値情報を更新(加算)する。また、特図入力処理(ステップS507)では、主制御RAM60cの始動記憶領域に記憶される始動入賞情報(始動保留情報)の記憶数(保留数)等が変化するタイミングで、変化後の記憶数(保留数)等を特定するための始動入賞コマンドを設定する。なお、始動入賞コマンドとしては、第1始動入賞検出センサSE1による検出に応じて出力される場合と、第2始動入賞検出センサSE2による検出に応じて出力される場合とで異なるコマンドが設定される。設定された始動入賞コマンドは、前述したコマンド入出力処理(ステップS501)の実行に応じて演出制御CPU65aへ向けて出力される。
ステップS508において、主制御CPU60aは、主制御RAM60cに記憶した始動入賞情報に基づいて(各種乱数の値に基づいて)遊技内容を決定して特図変動表示(図柄変動演出)を開始させる特図開始処理を実行する。この特図開始処理では、特図当り遊技を生起させるか否かの特図当り判定や、特図表示部Ma,Mbに停止表示させる特図の決定や、図柄変動演出(特図変動表示)の実行時間に関する特図変動パターンの決定(特図変動時間決定処理)等が主制御CPU60aにより実行される。
具体的に、特図開始処理において、主制御CPU60aは、特図変動表示の変動開始条件が成立したかを判定し、この変動開始条件が成立したと判定した場合に、主制御RAM60cの始動記憶領域に記憶されている始動入賞情報(複数ある場合は、最も早く記憶された始動入賞情報)を読み出す。そして、主制御CPU60aは、読み出した始動入賞情報が記憶された始動記憶領域における現在の記憶数(保留数)を示す数値情報を更新(減算)する。次に、主制御CPU60aは、主制御ROM60bに記憶されている6種類の当否判定テーブルのうち、主制御RAM60cにおける値が「1」に設定されている段階フラグに対応する当否判定テーブルを参照し、読み出した始動入賞情報のうち特図当り判定用乱数の値がその当否判定テーブルの特図当り判定値と一致するか否かを判定する(特図当り判定)。すなわち、主制御CPU60aは、その時点で設定されている有利度(「有利度1」から「有利度6」までの何れか)に対応する大当り確率(通常時確率・確変時確率)で特図当り判定を実行する。そして、特図当り判定が外れの判定結果となった場合には、特図変動表示の結果として特図表示部Ma,Mbに停止表示する特図として、外れを示す特図を決定する。一方、特図当り判定が当りの判定結果となった場合には、読み出した始動入賞情報のうち特図決定用乱数の値が、主制御ROM60bに記憶されている特図決定用判定値の何れと一致するかによって、特図変動表示の結果として特図表示部Ma,Mbに大当り図柄として停止表示する特図を複数種類のうちから決定する。
次に、主制御CPU60aは、変動パターンテーブルを参照し、特図当り判定が当りの判定結果であったか、外れの判定結果であったかに応じて異なる選択肢のうちから特図変動パターンを決定する(特図変動時間決定処理)。そして、主制御CPU60aは、決定した特図(当りの種類)および決定した特図変動パターンを示す特図変動パターン指定コマンドを設定して、特図変動表示を開始するタイミングに応じて演出制御CPU65aへ向けて出力する。なお、設定された特図変動パターン指定コマンドは、前述したコマンド入出力処理(ステップS501)の実行に応じて演出制御CPU65aへ向けて出力される。
ステップS509において、主制御CPU60aは、遊技情報表示器M(第1および第2特図表示部Ma,Mb、普図表示部Me)での特図の表示内容を制御する表示制御処理を実行する。具体的に、前記特図変動時間を計測している期間に対応して、特図変動表示中であることを示す発光態様で特図表示部Ma,Mbを点灯および消灯制御(切替制御)すると共に、前記特図変動時間の計測終了に合わせて、変動表示の結果としての特図を示す発光態様で、特図表示部Ma,Mbを点灯制御する。一方、特図変動時間を計測していない期間(大当り遊技状態中を含む)には、各表示部Ma,Mbの各々において、最も新しい特図変動表示の結果として停止表示した特図を示す発光態様の点灯制御を維持する。ここで、主制御CPU60aは、主制御RAM60cの対応する始動記憶領域に記憶された始動入賞情報(始動保留情報)の記憶数(保留数)が増減するタイミングで、特図保留表示部Mc,Mdでの保留数を示す発光態様を変更制御すると共に、変更した発光態様を次に記憶数が増減するまで維持させる。
ステップS510において主制御CPU60aは、始動入賞ソレノイドSL1を駆動して始動用開閉部材32bを開放する(普図当り遊技を付与する)第1駆動処理を実行する。
ステップS511において、主制御CPU60aは、大当り遊技状態を付与する期間(主制御RAM60cにおける大当りフラグの値が「1」とされる期間)に、特別入賞ソレノイドSL2を駆動して特別用開閉部材33bを開放する第2駆動処理を実行する。具体的に、主制御CPU60aは、前述した計時処理(ステップS503)での特電開放時間の計測を開始するタイミング(言い換えれば、オープニング時間やラウンドインターバル時間の計測を終了するタイミング)で、特別入賞ソレノイドSL2を消磁状態から励磁状態に切り替える(特別用開閉部材33bを開放する)と共に、特別入賞検出センサSE3による規定入賞数のパチンコ球の検出または前述した計時処理(ステップS503)での計測における特電開放時間の経過を契機として、特別入賞ソレノイドSL2を励磁状態から消磁状態に切り替える(特別用開閉部材33bを閉鎖する)。ここで、主制御CPU60aは、特別入賞ソレノイドSL2を消磁状態から励磁状態に切り替えるタイミング(各ラウンド遊技の開始タイミング)で、特別用開閉部材33bを開放することを示す開放コマンドを設定する。また、主制御CPU60aは、特別入賞ソレノイドSL2を励磁状態から消磁状態に切り替えるタイミング(各ラウンド遊技の終了タイミング)で、特別用開閉部材33bを閉鎖することを示す閉鎖コマンドを設定する。なお、設定された開放コマンドや閉鎖コマンドは、前述したコマンド入出力処理(ステップS501)の実行に応じて演出制御CPU65aへ向けて出力される。そして、主制御CPU60aは、ステップS511の処理の終了に応じてタイマ割込処理を終了する。
(設定変更に関する処理)
次に、前述したメイン処理におけるステップS106の処理(設定変更に関する処理)について、図6を参照しながら詳細に説明する。
この設定変更に関する処理(図6)において、主制御CPU60aは先ず、主制御RAM60cにおける各段階フラグ(段階1フラグ~段階6フラグ)の設定値(有利度の設定)が正常であるか否かを判定する(ステップS201)。そして、ステップS201において各段階フラグの設定値が正常と判定した場合に、ステップS202の処理に移行する。一方、ステップS201において段階フラグの設定値が正常でない(設定異常)と判定した場合、ステップS209の処理に移行する。
ステップS201において段階フラグの設定値が正常でない(設定異常)と判定した場合は、例えば、段階1フラグから段階6フラグまでの各段階フラグの設定値が全て「1」の状態や、2つ以上の段階フラグの設定値が「1」となっている状態であり、設定エラー(第1設定エラー)の発生状態に相当する。これに対し、主制御CPU60aは、ステップS209において、段階2フラグから段階6フラグまでの値を「0」に設定すると共に段階1フラグの値を「1」に設定することで、主制御CPU60aによる特図当り判定の有利度(大当り確率)を「有利度1」に設定する(再設定処理)。なお、実施例1では、再設定処理(ステップS209)において有利度を最低段階である「有利度1」に設定するが、他の有利度(例えば、最高段階である「有利度6」や、最低段階・最高段階の何れとも異なる「有利度3」等)に設定するようにしてもよい。
続くステップS210において、主制御CPU60aは、第1設定エラーの発生状態に対応し、性能表示器92に「E1」を表示させる。そして、設定エラー指定コマンドを設定・出力する。この設定エラー指定コマンドは、演出制御CPU65aに入力される。これに対し、演出制御CPU65aは、設定エラー指定コマンドの入力により、設定エラー報知を開始させる。そして、以降においてパチンコ機10の電源が遮断されるまで、遊技停止状態を維持し(ステップS211)、前述した通常処理(図8)に移行しない。
前述のステップS201において段階フラグの設定値が正常であった場合、主制御CPU60aは、ステップS202において、設定操作部91がオン姿勢に変位しているか否か(設定キーがONであるか否か)を判定する。そして、設定操作部91がオン姿勢に変位していれば、ステップS203に移行し、設定操作部91がオフ姿勢に維持されていれば、ステップS212に移行する。また、主制御CPU60aは、ステップS203において、扉開放検出センサSE10が検出状態であるか否か(扉が開放状態であるか否か)を判定する。そして、扉開放検出センサSE10が検出状態となっていれば、ステップS204に移行し、扉開放検出センサSE10が非検出状態に維持されていれば、ステップS212に移行する。
主制御CPU60aは、ステップS202およびステップS203の何れか一方が否定判定となった場合、すなわち、電源投入に伴い、主制御CPU60aを設定変更モードに移行させるための第1の移行操作が行われず、単にクリア操作が行われた場合に、ステップS212に移行する。ここで、主制御CPU60aは、ステップS212において、前回電断時が設定変更モードであったか否かを判定する。そして、このステップS212が否定判定の場合には、設定変更に関する処理(図6)を終了し、前述したメイン処理(図5)のステップS115に移行する。一方で、ステップS212が肯定判定の場合には、ステップS213に移行する。このステップS212の肯定判定が、設定エラー(第2設定エラー)の発生状態に相当する。すなわち、主制御CPU60aは、電源投入時において第1の移行操作ではない単なるクリア操作が行われた場合には、第2設定エラーの発生状態であるか否かを判定する。一方で主制御CPU60aは、電源投入時において第1の移行操作が行われた場合には、第2設定エラーの発生状態であるか否かを判定しない。
続くステップS213において、主制御CPU60aは、第2設定エラーの発生状態に対応し、性能表示器92に「E2」を表示させる。そして、設定エラー指定コマンドを設定・出力する。この設定エラー指定コマンドは、演出制御CPU65aに入力される。これに対し、演出制御CPU65aは、設定エラー指定コマンドの入力により、設定エラー報知を開始させる。そして、以降においてパチンコ機10の電源が遮断されるまで、遊技停止状態を維持し(ステップS214)、前述した通常処理(図8)に移行しない。
ここで、前述したステップS203が肯定判定となって主制御CPU60aがステップS204に移行した後、後述するステップS208に移行するまでの主制御CPU60aの制御状態が、主制御CPU60aにおける設定変更モードへの移行状態に相当する。すなわち、主制御CPU60aは、扉開放検出センサSE10を検出状態とし、設定操作部91をオン姿勢に切り替えたもとで、クリアスイッチCLSを操作状態としながら電源スイッチPWSをON操作(電源を投入)する第1の移行操作が行われた場合に、設定変更モードに移行する(ステップS204)。
主制御CPU60aは、ステップS204において、消灯状態となっていた性能表示器92に、値が「1」に設定されている段階フラグに対応する設定表示値を表示させる。この場合に、主制御CPU60aは、遊技情報表示器Mを全消灯状態とする。また、主制御CPU60aは、設定変更モードの開始を示す設定変更開始コマンドを設定・出力する。この設定変更開始コマンドは、演出制御CPU65aに入力される。これに対し、演出制御CPU65aは、設定変更開始コマンドの入力により、RAMクリア報知の開始を待機するよう制御する一方、設定変更中報知を開始させる。
ステップS204の処理を終了すると、主制御CPU60aは、ステップS205において設定変更操作手段(設定変更SW)としてのクリアスイッチCLSが操作されたか否かを判定する。そして、クリアスイッチCLSが操作されたと判定した場合には、ステップS206に移行し、性能表示器92における設定表示値の表示を、予め定められた順(「1」→「2」→「3」…「6」→「1」…のようにループする順)に従って、別の設定表示値の表示に変更する。そして、主制御CPU60aは、ステップS207に移行する。一方で主制御CPU60aは、ステップS205においてクリアスイッチCLSが操作されていないと判定した場合には、ステップS206の処理を行うことなくステップS207に移行する。次に、主制御CPU60aは、ステップS207において、設定操作部91がオフ姿勢に変位しているか否か(設定キーがOFFであるか否か)を判定する。そして、設定操作部91がオフ姿勢に変位していれば、ステップS208に移行する。このステップS207からステップS208への移行により、主制御CPU60aは、設定変更モードを終了する。一方で、主制御CPU60aは、ステップS207において設定操作部91がオン姿勢に維持されていれば、再びステップS205に移行する。主制御CPU60aは、ステップS205からステップS207までの処理を、ステップS207において設定操作部91がオフ姿勢に変位していると判定するまで繰り返す。
なお、前述したステップS205で判定されるクリアスイッチCLSの操作は、主制御CPU60aによる特図当り判定の有利度(大当り確率)を設定変更するための設定変更操作に相当するものである。但し、設定変更操作は設定変更モード中に何度も行うことができることから、当該ステップS205の処理を実行している時点では、性能表示器92に表示されている設定表示値に対応する有利度を設定変更モード後の有利度として確定せず、ステップS207の結果として設定変更モードが終了される際に性能表示器92に表示されている設定表示値に対応する有利度を設定変更モード後の有利度として確定するようになっている。
主制御CPU60aは、ステップS208において、設定変更終了コマンドを設定・出力する。この設定変更終了コマンドは、演出制御CPU65aに入力される。そして、設定変更に関する処理(図6)を終了し、前述したメイン処理(図5)のステップS115に移行する。これに対し、演出制御CPU65aは、設定変更終了コマンドの入力により、設定変更中報知を終了させ、設定変更モードに移行したことを履歴として演出制御RAM65cに記憶する。また、演出制御CPU65aは、当該設定変更終了コマンドを入力したこと(条件1)および扉開放検出センサSE10が非検出状態に変化したこと(条件2)の両条件の成立を契機として、待機していたRAMクリア報知を開始させる。
(設定確認に関する処理)
次に、前述したメイン処理におけるステップS111の処理(設定確認に関する処理)について、図7を参照しながら詳細に説明する。
この設定確認に関する処理(図7)において、主制御CPU60aは先ず、主制御RAM60cにおける各段階フラグ(段階1フラグ~段階6フラグ)の設定値(有利度の設定)が正常であるか否かを判定する(ステップS301)。そして、ステップS301において各段階フラグの設定値が正常と判定した場合に、ステップS302の処理に移行する。一方、ステップS301において段階フラグの設定値が正常でない(設定異常)と判定した場合、ステップS305の処理に移行する。
ステップS301において段階フラグの設定値が正常でない(設定異常)と判定した場合は、例えば、段階1フラグから段階6フラグまでの各段階フラグの設定値が全て「1」の状態や、2つ以上の段階フラグの設定値が「1」となっている状態であり、設定エラー(第1設定エラー)の発生状態に相当する。これに対し、主制御CPU60aは、ステップS305において、段階2フラグから段階6フラグまでの値を「0」に設定すると共に段階1フラグの値を「1」に設定することで、主制御CPU60aによる特図当り判定の有利度(大当り確率)を「有利度1」に設定する(再設定処理)。なお、実施例1では、再設定処理(ステップS305)において有利度を最低段階である「有利度1」に設定するが、他の有利度(例えば、最高段階である「有利度6」や、最低段階・最高段階の何れとも異なる「有利度3」等)に設定するようにしてもよい。
続くステップS306において、主制御CPU60aは、第1設定エラーの発生状態に対応し、性能表示器92に「E1」を表示させる。そして、設定エラー指定コマンドを設定・出力する。この設定エラー指定コマンドは、演出制御CPU65aに入力される。これに対し、演出制御CPU65aは、設定エラー指定コマンドの入力により、設定エラー報知を開始させる。そして、以降においてパチンコ機10の電源が遮断されるまで、遊技停止状態を維持し(ステップS307)、前述した通常処理(図8)に移行しない。
前述のステップS301において各段階フラグの設定値が正常であった場合、主制御CPU60aは、ステップS302において、前回電断時が設定変更モードであったか否かを判定する。そして、このステップS302が否定判定の場合には、後述するステップS308に移行する。一方で、ステップS302が肯定判定の場合には、ステップS303に移行する。このステップS302の肯定判定が、設定エラー(第2設定エラー)の発生状態に相当する。すなわち、主制御CPU60aは、電源投入に伴い、主制御CPU60aを設定確認モードに移行させるための第2の移行操作が行われたか否かに関わらず、第2設定エラーの発生状態であるか否かを判定する。
続くステップS303において、主制御CPU60aは、第2設定エラーの発生状態に対応し、性能表示器92に「E2」を表示させる。そして、設定エラー指定コマンドを設定・出力する。この設定エラー指定コマンドは、演出制御CPU65aに入力される。これに対し、演出制御CPU65aは、設定エラー指定コマンドの入力により、設定エラー報知を開始させる。そして、以降においてパチンコ機10の電源が遮断されるまで、遊技停止状態を維持し(ステップS304)、前述した通常処理(図8)に移行しない。
主制御CPU60aは、前述のステップS302が否定判定となると、ステップS308に移行し、設定操作部91がオン姿勢に変位しているか否か(設定キーがONであるか否か)を判定する。次に、主制御CPU60aは、ステップS309において、扉開放検出センサSE10が検出状態であるか否か(扉が開放状態であるか否か)を判定する。そして、ステップS308において設定操作部91がオン姿勢に変位しており、かつ、ステップS309において扉開放検出センサSE10が検出状態となっていれば、ステップS310に移行する。一方で、主制御CPU60aは、ステップS308およびステップS309の何れか一方が否定判定となった場合、すなわち、電源投入に伴い、主制御CPU60aを設定確認モードに移行させるための第2の移行操作が行われず、単に復電操作が行われた場合には、設定確認に関する処理(図7)を終了し、前述したメイン処理(図5)のステップS115に移行する。
ここで、前述したステップS309が肯定判定となって主制御CPU60aがステップS310に移行した後、後述するステップS312に移行するまでの主制御CPU60aの制御状態が、主制御CPU60aにおける設定確認モードへの移行状態に相当する。すなわち、主制御CPU60aは、扉開放検出センサSE10を検出状態とし、設定操作部91をオン姿勢に切り替えたもとで、クリアスイッチCLSを操作状態とせずに電源スイッチPWSをON操作(電源を投入)する第2の移行操作が行われた場合に、設定確認モードに移行する(ステップS310)。この場合に、主制御CPU60aは、値が「1」に設定されている段階フラグに対応する設定表示値を性能表示器92に表示させる。またこの場合に、主制御CPU60aは、遊技情報表示器Mを全点灯状態とする。そして、主制御CPU60aは、設定確認モードの開始を示す設定確認開始コマンドを設定・出力する。この設定確認開始コマンドは、演出制御CPU65aに入力される。これに対し、演出制御CPU65aは、設定確認開始コマンドの入力により、復電報知の開始を待機するよう制御する一方、設定確認中報知を開始させる。
次に、主制御CPU60aは、ステップS311において、設定操作部91がオフ姿勢に変位しているか否か(設定キーがOFFであるか否か)を判定する。そして、設定操作部91がオフ姿勢に変位するまで、ステップS311の処理を繰り返す。この間、性能表示器92には、値が「1」に設定されている段階フラグに対応する設定表示値が継続的に表示される。
主制御CPU60aは、ステップS311において設定操作部91がオフ姿勢に変位したと判定すると、ステップS312に移行する。主制御CPU60aは、ステップS312において、設定確認終了コマンドを設定・出力する。この設定確認終了コマンドは、演出制御CPU65aに入力される。そして、設定確認に関する処理(図7)を終了し、前述したメイン処理(図5)のステップS115に移行する。これに対し、演出制御CPU65aは、設定確認終了コマンドの入力により、設定確認中報知を終了させ、設定確認モードに移行したことを履歴として演出制御RAM65cに記憶する。また、演出制御CPU65aは、当該設定確認終了コマンドを入力したこと(条件1)および扉開放検出センサSE10が非検出状態に変化したこと(条件2)の両条件の成立を契機として、待機していた復電報知を開始させる。
(演出制御基板65について)
次に、演出制御基板65について説明する。演出制御基板65には、図3に示すように、制御処理を実行する演出制御CPU65a、該演出制御CPU65aが実行する制御プログラムを記憶する演出制御ROM65b、当該演出制御CPU65aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な演出制御RAM65c等が備えられている。演出制御CPU65aには、演出制御ROM65bおよび演出制御RAM65cが接続されており、演出制御RAM65cに記憶される各種乱数の値を演出制御CPU65aが所定の周期毎に更新して、更新後の値を演出制御RAM65cに記憶(設定)するようになっている。
演出制御ROM65bには、特図変動表示中の演出(図柄変動演出)や大当り遊技状態中の演出(大当り演出)の具体的な演出内容(演出パターン)が記憶されている。演出制御CPU65aは、主制御基板60により出力された特図変動パターン指定コマンドや大当り開始コマンド(または、開放コマンドや閉鎖コマンド)等の制御信号(コマンド)に基づいて、図柄変動演出や大当り演出の演出内容(演出パターン)を決定し、その決定した演出内容を制御信号(コマンド)として表示制御基板66へ出力する。また、演出制御CPU65aは、決定した演出内容に応じて、前記スピーカ18の音声出力を制御すると共に、前枠13に設けられた枠ランプ19や遊技盤20に設けられたランプ(図示せず)等を発光制御する。これにより演出制御CPU65aは、演出実行部としての図柄表示装置17、スピーカ18および枠ランプ19により実行される演出を統括的にコントロールし得る。すなわち、演出制御CPU65aは、主制御CPU60a(遊技制御手段)からの制御信号に基づいて演出に関する制御処理を実行する演出制御手段として機能している。
(演出モード)
また、演出制御CPU65aは、複数種類の演出モードを設定可能であり、演出モード毎に、図柄変動演出の内容(背景画像を含む)や決定頻度等を異ならせるように構成されている。このため、遊技者は、図柄表示装置17、スピーカ18および枠ランプ19の演出態様により、どの演出モードであるかを容易に把握できる。具体的に、実施例1では、演出制御CPU65aが設定可能な演出モードとして、「通常モード」、「変短モード」、「確変モード」および「秘匿モード」の4種類がある。そして、演出制御CPU65aは、第3大当り(図柄C,c)の後の低確高ベース状態を「変短モード」とし、第4大当り(図柄D,d)および第5大当り(図柄E,e)の後の高確高ベース状態を「確変モード」とすると共に、第1大当り(図柄A,a)および第2大当り(図柄B,b)の後における50回の図柄変動演出が終了するまでの低ベース状態(低確低ベース状態か高確低ベース状態)を「秘匿モード」として、これらの各モードの終了後に「通常モード」に移行するよう制御する。すなわち、通常モード以外の演出モード(変短モード、確変モード、秘匿モード)は、遊技者の期待感を高めるためのチャンスモードである。
ここで、演出制御RAM65cは、各チャンスモード(変短モード、確変モードおよび秘匿モード)に対応する複数種類の演出モードフラグを備えており、値が「1」に設定されている演出モードフラグに対応した演出モードを演出制御CPU65aが制御するようになっている。具体的には、第1大当りおよび第2大当りの何れかの終了タイミングで大当り終了コマンドを入力した場合には、「秘匿モード」に対応する秘匿モードフラグの値を「0」から「1」に変更する。また、第3大当りの終了タイミングで大当り終了コマンドを入力した場合には、「変短モード」に対応する変短モードフラグの値を「0」から「1」に変更する。更に、第4大当りおよび第5大当りの何れかの終了タイミングで大当り終了コマンドを入力した場合には、「確変モード」に対応する確変モードフラグの値を「0」から「1」に変更する。
また、演出制御CPU65aは、大当り遊技状態の終了後における主制御CPU60aからの特図変動パターン指定コマンドの入力回数に応じて、その大当り遊技状態の終了後の演出モードでの図柄変動演出(特図変動表示)の合計変動回数を計数し、その合計変動回数に対応する計数値を演出制御RAM65cに記憶させる。そして、上限回数目(実施例1では50回目)の特図変動パターン指定コマンドに対応する図柄変動演出の終了に応じて、値が「1」になっている演出モードフラグを「0」に変更し、対応の演出モードを終了させるように制御を行う。
(連荘期間)
演出制御CPU65aは、低確低ベース状態での始動入賞を契機として大当り遊技状態が生起されてから再び低確低ベース状態に移行するまでの期間を、演出制御RAM65cに備えられる連荘中フラグの値が「0」から「1」に変化して再び「0」に戻るまでの期間(以下「連荘期間」と称する)として特定可能に構成されている。
ここで、演出制御CPU65aは、確変開始コマンドの入力時に、演出制御RAM65cに備えられるサブ確変フラグの値を「0」から「1」に変更し、このサブ確変フラグの値を確変終了コマンドの入力時に「1」から「0」に変更することで、確変状態であるか否かをサブ確変フラグの値により記憶する。また、演出制御CPU65aは、変短開始コマンドの入力時に、演出制御RAM65cに備えられるサブ変短フラグの値を「0」から「1」に変更し、このサブ変短フラグの値を変短終了コマンドの入力時に「1」から「0」に変更することで、変短状態であるか否かをサブ変短フラグの値により記憶する。そして、サブ確変フラグおよびサブ変短フラグの各値が何れも「0」の状態(低確低ベース状態)で主制御CPU60aからの大当り開始コマンドを入力した場合に、連荘中フラグの値を「0」から「1」に変更(連荘期間を開始)すると共に、サブ確変フラグおよびサブ変短フラグの何れかの値が「1」の状態から、当該フラグの値を大当り遊技状態を生起させないタイミングで「0」に変更する場合に、連荘中フラグの値を「1」から「0」に変更(連荘期間を終了)する。
また、演出制御CPU65aは、連荘中フラグの値が「1」とされている状態での主制御CPU60aからの大当り開始コマンドの入力回数に応じて、連荘期間中における大当り遊技状態の合計生起回数(連荘回数)を計数し、演出制御RAM65cに記憶するよう構成されている。この合計生起回数(連荘回数)は、大当り遊技状態中やその連荘期間の終了時に実行される連荘終了報知演出の一部として、図柄表示装置17に表示される。そして、連荘終了報知演出の終了時に、演出制御RAM65cに記憶されている合計生起回数(連荘回数)の計数値を、演出制御CPU65aがクリアする。
なお、演出制御RAM65cについては電源断時にバックアップが行われない。このため、連荘期間中に電源断が発生し、その後に復電した場合には、その復帰時点において演出制御RAM65cに記憶されている合計生起回数(連荘回数)の計数値は「0」となる。
(表示制御基板66について)
次に、表示制御基板66について説明する。表示制御基板66には、図3に示すように、制御処理を実行する表示制御CPU66a、該表示制御CPU66aが実行する制御プログラムを記憶する表示制御ROM66b、当該表示制御CPU66aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な表示制御RAM66c等が備えられている。表示制御CPU66aには、表示制御ROM66bおよび表示制御RAM66cが接続されると共に、図柄表示装置17が接続されている。そして、表示制御ROM66bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。この表示制御ROM66bには、各種の演出に関する各種の画像データ(図柄、背景画像、文字やキャラクタなどの画像データ)が記憶されていると共に、エラー報知に関する各種の画像データが記憶されている。また、表示制御RAM66cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)される。
(有利度の設定に関する示唆について)
次に、演出制御CPU65aによる制御内容のうち、主制御CPU60aが実行する特図当り判定(当否判定)の大当り確率(有利度)の設定に関する示唆(以下「設定示唆」という)について説明する。
演出制御CPU65aは、主制御CPU60aからのコマンド(有利度指定コマンドや設定変更終了コマンド等)に基づいて有利度に関する情報を取得することで、実行契機が相違する複数種類の設定示唆(後述する当り中設定示唆および当り後設定示唆)を制御可能に構成されている。なお、各設定示唆は、現時点で設定されている有利度の段階に関する情報、および、電源投入時に設定変更モードへ移行したか否か(有利度の設定変更が行われた可能性があるか否か)の情報、の少なくとも何れかについての示唆である。実施例1において設定示唆は、RAMクリア報知(初期化報知)中、復電報知中、設定変更モード中および設定確認モード中には実行不可能とされている。
(当り中設定示唆(オーバー入賞演出の実行))
「当り中設定示唆」は、大当り遊技状態中において特別入賞口33aに対するオーバー入賞(規定入賞数である9個を超える入賞)が発生した際に実行されるオーバー入賞演出の態様の違いに応じて、特図当り判定の有利度の段階を示唆するものである。すなわち、実施例1では、オーバー入賞演出を、有利度の設定に関する示唆演出(設定示唆演出)として実行するようになっている。演出制御CPU65aは、オーバー入賞の発生タイミングに合わせて、演出制御ROM65bに記憶されている複数種類の入賞音パターン(図10(a)参照)の何れかに応じた入賞音(音演出)を出力するようスピーカ18を制御することで、スピーカ18にオーバー入賞演出を実行させる。この場合に、演出制御CPU65aは、その時点で設定されている有利度に基づいてオーバー入賞演出の演出態様(種類)を決定することで、当該有利度を、どのような演出態様(種類)のオーバー入賞演出(入賞音)がスピーカ18から出力されるかに応じて示唆する。
ここで、大当り遊技状態の各ラウンド遊技中には特別入賞ソレノイドSL2の励磁によって特別用開閉部材33bが開放されており、特別入賞口33aへの規定入賞数目の入賞が特別入賞検出センサSE3によって検出されると、特別入賞ソレノイドSL2が消磁状態とされて速やかに閉鎖状態へと変位する。このため、オーバー入賞演出は、規定入賞数目のパチンコ球が特別入賞検出センサSE3に検出される時点前後の短い時間に特別入賞口33aを他のパチンコ球が通過(入球)した場合に限って実行され得る。これに対し、実施例1では、オーバー入賞演出に関する実行可否判定(後述)および実行種別判定(後述)をオーバー入賞の発生毎に(大当り遊技状態の種類やラウンド遊技の回数に関係なく)実行するようにして、オーバー入賞演出の発生頻度を調整している。
演出制御CPU65aは、電源投入後の遊技停止状態における主制御CPU60aからの有利度指定コマンドの入力に基づいて、有利度の段階に関する情報を取得する。また、演出制御CPU65aは、大当り遊技中における主制御CPU60aからの特別入賞コマンドの入力に基づいて、特別入賞口33aへのパチンコ球の入賞数(特別入賞検出センサSE3による検出数)を計数し、その計数値を演出制御RAM65cの入賞数記憶領域に記憶すると共に、主制御CPU60aからの開放コマンドまたは大当り終了コマンドを入力した際に、入賞数記憶領域に記憶される計数値をクリアするよう構成されている。すなわち、演出制御CPU65aは、ラウンド遊技の開始時点から次のラウンド遊技の開始時点まで(最終のラウンド遊技であれば大当り遊技状態の終了時点まで)に発生した特別入賞口33aへのパチンコ球の合計入賞数により、各ラウンド遊技における入賞数を特定する。そして、入賞数記憶領域に記憶される計数値を規定入賞数(9個)を超える入賞数を示す値に更新する毎に、オーバー入賞演出を実行するか否かを決定する(実行可否判定)。そして、オーバー入賞演出を実行することを決定した場合には、その実行するオーバー入賞演出の種類(入賞音パターンの種類、図10(a)参照)を、その時点で設定されている有利度の段階と、後述する入賞音決定テーブル(図10(b)~図10(d))とに基づいて決定する。すなわち、ラウンド間インターバル時間中や特別用開閉部材33bの閉鎖動作中にオーバー入賞の検出が発生した場合にもオーバー入賞演出が実行され得る。これに対し、オーバー入賞の検出がラウンド間インターバル時間に発生したオーバー入賞演出を実行しないようにしてもよい。
図10(a)に示すように、演出制御ROM65bには、オーバー入賞演出の内容を定めた複数種類(実施例1では7種類)の入賞音パターン(入賞音A,B,C,D,E1,E2,E3)が記憶されている。なお、複数種類の入賞音パターンにより特定される各オーバー入賞演出は、当該パチンコ機10で行われる可能性のある他の演出(リーチ演出等)において登場する所定のキャラクタ(第1要素)が発する所定のセリフ(第2要素)として表現されるものであり、各入賞音パターンの名称に付すアルファベット(A,B,C,D,E)の違いは、発声するキャラクタの違いを示している。なお、当該アルファベットが共通の入賞音パターン(入賞音E1~E3)は、同一キャラクタが発声するセリフの内容が相違している。
ここで、「入賞音A」は、主制御CPU60aによる特図当り判定の有利度が偶数段階の有利度である可能性が高いことを示唆する入賞音パターンとして設定されており、「入賞音B」は、主制御CPU60aによる特図当り判定の有利度が奇数段階の有利度である可能性が高いことを示唆する入賞音パターンとして設定されている。また、「入賞音C」は、主制御CPU60aによる特図当り判定の有利度が低段階の有利度(「有利度3」以下の有利度)である可能性が高いことを示唆する入賞音パターンとして設定されており、「入賞音D」は、主制御CPU60aによる特図当り判定の有利度が高段階の有利度(「有利度4」以上の有利度)である可能性が高いことを示唆する入賞音パターンとして設定されている。また、「入賞音E1」は、主制御CPU60aによる特図当り判定の有利度が「有利度1」および「有利度2」の何れかである(可能性が高い)ことを示唆する入賞音パターンとして設定されており、「入賞音E2」は、主制御CPU60aによる特図当り判定の有利度が「有利度3」および「有利度4」の何れかである(可能性が高い)ことを示唆する入賞音パターンとして設定されており、「入賞音E3」は、主制御CPU60aによる特図当り判定の有利度が「有利度5」および「有利度6」の何れかである(可能性が高い)ことを示唆する入賞音パターンとして設定されている。
ここで、演出制御CPU65aは、オーバー入賞演出の実行可否判定および実行種別判定を実行する際に参照する入賞音決定テーブルT1,T2,T3(図10(b)~図10(d))を、その時の大当り遊技状態が連荘期間(連荘フラグの値が「1」に変更されてから「0」に戻されるまでの期間)における何回目の大当り遊技状態であるかに応じて決定する。具体的に、演出制御CPU65aは、オーバー入賞発生時の大当り遊技状態が連荘回数1回目~4回目の大当り遊技状態の何れかであれば、実行可否判定において第1の入賞音決定テーブルT1を参照し、オーバー入賞発生時の大当り遊技状態が連荘回数5回目~9回目の大当り遊技状態の何れかであれば、実行可否判定において第2の入賞音決定テーブルT2を参照し、オーバー入賞発生時の大当り遊技状態が連荘回数10回目以降の大当り遊技状態であれば、実行可否判定において第3の入賞音決定テーブルT3を参照する。
そして、演出制御CPU65aは、第1の入賞音決定テーブルT1を参照して行う実行可否判定において、オーバー入賞演出の実行を70パーセントの確率で決定し、30パーセントの確率で非実行を決定する。また、第2の入賞音決定テーブルT2を参照して行う実行可否判定において、オーバー入賞演出の実行を85パーセントの確率で決定し、15パーセントの確率で非実行を決定する。更に、第3の入賞音決定テーブルT3を参照して行う実行可否判定において、オーバー入賞演出の実行を100パーセントの確率で決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、特図当り判定の有利度に関する示唆演出(オーバー入賞演出)の実行可能性を、大当り遊技状態の連荘回数に応じて変更する。
また、演出制御CPU65aは、連荘回数1回目~4回目の大当り遊技状態の何れかでのオーバー入賞の発生に伴う実行可否判定においてオーバー入賞演出の実行が決定された場合には、第1の入賞音決定テーブルT1に定められた決定確率に基づいて実行種別判定を実行することで入賞音A,B,C,Dの何れかの入賞音パターンを決定し、連荘回数5回目~9回目の大当り遊技状態の何れかでのオーバー入賞の発生に伴う実行可否判定においてオーバー入賞演出の実行が決定された場合には、第2の入賞音決定テーブルT2に定められた決定確率に基づいて実行種別判定を実行することで入賞音A,B,C,Dの何れかの入賞音パターンを決定し、連荘回数10回目以降の大当り遊技状態でのオーバー入賞の発生に伴う実行可否判定においてオーバー入賞演出の実行が決定された場合には、第3の入賞音決定テーブルT3に定められた決定確率に基づいて実行種別判定を実行することで入賞音A,B,C,D,E1,E2,E3の何れかの入賞音パターンを決定する。
演出制御CPU65aは、図10(b)に示す第1の入賞音決定テーブルT1に基づいて実行可否判定および実行種別判定を実行する場合(連荘回数が1回目~4回目の場合)に、特図当り判定の有利度が「有利度1」に設定されていれば、入賞音A,Bを夫々30パーセントの確率で決定し、入賞音C,Dを夫々5パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度2」に設定されていれば、入賞音Aを30パーセントの確率で決定し、入賞音Bを20パーセントの確率で決定し、入賞音Cを12パーセントの確率で決定し、入賞音Dを8パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度3」に設定されていれば、入賞音Aを20パーセントの確率で決定し、入賞音Bを30パーセントの確率で決定し、入賞音Cを12パーセントの確率で決定し、入賞音Dを8パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度4」に設定されていれば、入賞音Aを30パーセントの確率で決定し、入賞音Bを20パーセントの確率で決定し、入賞音Cを8パーセントの確率で決定し、入賞音Dを12パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度5」に設定されていれば、入賞音Aを20パーセントの確率で決定し、入賞音Bを30パーセントの確率で決定し、入賞音Cを8パーセントの確率で決定し、入賞音Dを12パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度6」に設定されていれば、入賞音A,Bを夫々30パーセントの確率で決定し、入賞音C,Dを夫々5パーセントの確率で決定する。
すなわち、第1の入賞音決定テーブルT1において、入賞音Aの決定確率は、「有利度2」、「有利度4」および「有利度6」の設定時に、「有利度3」および「有利度5」の場合よりも高確率に設定されている。一方、入賞音Bの決定確率は、「有利度1」、「有利度3」および「有利度5」の設定時に、「有利度2」および「有利度4」の場合よりも高確率に設定されている。すなわち、スピーカ18が入賞音Aに応じたオーバー入賞演出を実行(音出力)することで、偶数段階の有利度が設定されている可能性が高いことが示唆され、また入賞音Bに応じたオーバー入賞演出を実行(音出力)することで、奇数段階の有利度が設定されている可能性が高いことが示唆される。なお、有利度が最低段階の「有利度1」である場合と最高段階の「有利度6」である場合とに限り、入賞音A,Bの各決定確率が等しく設定されており、入賞音A,Bのどちらに対応する入賞音がスピーカ18から出力されても、最高段階の有利度であることに対する期待値や、最低段階の有利度でないことに対する期待値が等しくなるようにしている。
また、第1の入賞音決定テーブルT1において、入賞音Cの決定確率は、「有利度2」、「有利度3」の設定時に、「有利度4」、「有利度5」の場合よりも高確率に設定されている。一方、入賞音Dの決定確率は、「有利度4」、「有利度5」の設定時に、「有利度2」、「有利度3」の場合よりも高確率に設定されている。すなわち、スピーカ18が入賞音Cに応じたオーバー入賞演出を実行(音出力)することで、「有利度3」以下の有利度が設定されてい可能性が高いことが示唆され、また入賞音Dに応じたオーバー入賞演出を実行(音出力)することで、「有利度4」以上の有利度が設定されている可能性が高いことが示唆される。なお、有利度が最低段階の「有利度1」である場合と最高段階の「有利度6」である場合とに限り、入賞音C,Dの各決定確率が等しく設定されており、入賞音C,Dのどちらに対応する入賞音がスピーカ18から出力されても、最高段階の有利度であることに対する期待値や、最低段階の有利度でないことに対する期待値が等しくなるようにしている。
演出制御CPU65aは、図10(c)に示す第2の入賞音決定テーブルT2に基づいて実行可否判定および実行種別判定を実行する場合(連荘回数が5回目~9回目の場合)に、特図当り判定の有利度が「有利度1」に設定されていれば、入賞音A,Bを夫々20パーセントの確率で決定し、入賞音Cを40パーセントの確率で決定し、入賞音Dを5パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度2」に設定されていれば、入賞音Aを20パーセントの確率で決定し、入賞音Bを5パーセントの確率で決定し、入賞音Cを50パーセントの確率で決定し、入賞音Dを10パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度3」に設定されていれば、入賞音Aを5パーセントの確率で決定し、入賞音Bを20パーセントの確率で決定し、入賞音Cを50パーセントの確率で決定し、入賞音Dを10パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度4」に設定されていれば、入賞音Aを20パーセントの確率で決定し、入賞音Bを5パーセントの確率で決定し、入賞音Cを10パーセントの確率で決定し、入賞音Dを50パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度5」に設定されていれば、入賞音Aを5パーセントの確率で決定し、入賞音Bを20パーセントの確率で決定し、入賞音Cを10パーセントの確率で決定し、入賞音Dを50パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度6」に設定されていれば、入賞音A,Bを夫々20パーセントの確率で決定し、入賞音Cを5パーセントの確率で決定し、入賞音Dを40パーセントの確率で決定する。
すなわち、第2の入賞音決定テーブルT2では、入賞音Aの決定確率が、偶数段階の有利度の設定時に高確率となっており、入賞音Bの決定確率が、奇数段階の有利度の設定時に高確率となっており、入賞音Cの決定確率が、「有利度3」以下の有利度の設定時に高確率となっており、入賞音Dの決定確率が、「有利度4」以上の有利度の設定時に高確率となっている。これらの点は、前述した第1の入賞音決定テーブルT1と同様である。
但し、第2の入賞音決定テーブルT2では、偶数段階の有利度の設定時における入賞音Aの決定確率および奇数段階の有利度の設定時における入賞音Bの決定確率が、第1の入賞音決定テーブルT1での決定確率と比べて低確率となっている。具体的に、第2の入賞音決定テーブルT2における偶数段階設定時の入賞音Aの決定確率(20パーセント)は、第1の入賞音決定テーブルT1での決定確率(30パーセント)よりも10パーセント低く設定されている。また、第2の入賞音決定テーブルT2における奇数段階設定時の入賞音Bの決定確率(20パーセント)は、第1の入賞音決定テーブルT1での決定確率(30パーセント)よりも10パーセント低く設定されている。すなわち、演出制御CPU65aは、入賞音A,Bの入賞音パターンに対応するオーバー入賞演出の実行可能性を、大当り遊技状態の連荘回数に応じて変更する。
また、第2の入賞音決定テーブルT2では、低段階の有利度の設定時における入賞音Cの決定確率および高段階の有利度の設定時における入賞音Dの決定確率が、第1の入賞音決定テーブルT1における決定確率と比べて高確率となっている。具体的に、第2の入賞音決定テーブルT2における低段階(有利度3以下)設定時の入賞音Cの決定確率(40~50パーセント)は、第1の入賞音決定テーブルT1での決定確率(5~12パーセント)よりも35~38パーセント高く設定されている。また、第2の入賞音決定テーブルT2における高段階(有利度4以上)設定時の入賞音Dの決定確率(40~50パーセント)は、第1の入賞音決定テーブルT1での決定確率(5~12パーセント)よりも35~38パーセント高く設定されている。すなわち、演出制御CPU65aは、入賞音C,Dの入賞音パターンに対応するオーバー入賞演出の実行可能性を、大当り遊技状態の連荘回数に応じて変更する。
このように、実施例1では、連荘回数が5回~9回に達した場合の大当り遊技状態でオーバー入賞が発生した場合には、入賞音A,Bに対応する、偶数段階・奇数段階の何れの有利度の設定時かを示唆するオーバー入賞演出が、連荘回数が5回に達していない場合の大当り遊技状態でオーバー入賞が発生した場合よりも実行され難くなる一方、入賞音C,Dに対応する、低段階・高段階の何れの有利度の設定時かを示唆するオーバー入賞演出が、連荘回数が5回に達していない場合の大当り遊技状態でオーバー入賞が発生した場合よりも実行され易くなる。すなわち、偶数段階・奇数段階の何れの有利度の設定時かを示唆するオーバー入賞演出(第1の示唆演出)の実行可能性が、大当り遊技状態の連荘回数が5回(特定回数)となった場合に当該連荘回数が5回となる前より低下する一方、低段階・高段階の何れの有利度の設定時かを示唆するオーバー入賞演出(第2の示唆演出)の実行可能性が、大当り遊技状態の連荘回数が5回(特定回数)となった場合に当該連荘回数が5回となる前より上昇する。
演出制御CPU65aは、図10(d)に示す第3の入賞音決定テーブルT3に基づいて実行可否判定および実行種別判定を実行する場合(連荘回数が10回目以降の場合)に、特図当り判定の有利度が「有利度1」に設定されていれば、入賞音Bを30パーセントの確率で決定し、入賞音Cを50パーセントの確率で決定し、入賞音E1を20パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度2」に設定されていれば、入賞音Aを40パーセントの確率で決定し、入賞音B,Cを夫々10パーセントの確率で決定し、入賞音E1を40パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度3」に設定されていれば、入賞音A,Cを夫々10パーセントの確率で決定し、入賞音B,E2を夫々40パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度4」に設定されていれば、入賞音A,E2を夫々40パーセントの確率で決定し、入賞音B,Dを夫々10パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度5」に設定されていれば、入賞音A,Dを夫々10パーセントの確率で決定し、入賞音B,E3を40パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度6」に設定されていれば、入賞音Aを30パーセントの確率で決定し、入賞音Dを50パーセントの確率で決定し、入賞音E3を20パーセントの確率で決定する。
ここで、第3の入賞音決定テーブルT3では、入賞音Aの決定確率が、偶数段階の有利度の設定時に高確率となっており、入賞音Bの決定確率が、奇数段階の有利度の設定時に高確率となっており、入賞音Cの決定確率が、「有利度3」以下の有利度の設定時に高確率となっており、入賞音Dの決定確率が、「有利度4」以上の有利度の設定時に高確率となっている。これらの点は、前述した第1・第2の入賞音決定テーブルT1,T2と同様である。但し、第3の入賞音決定テーブルT3では、入賞音A,B,C,Dの各決定確率として第1・第2の入賞音決定テーブルT1,T2と異なる決定確率が設定されている。すなわち、演出制御CPU65aは、入賞音A,B,C,Dの入賞音パターンに対応するオーバー入賞演出の実行可能性を、大当り遊技状態の連荘回数に応じて変更する。
特に、第3の入賞音決定テーブルT3では、「有利度4」以上の有利度の設定時における入賞音Cの決定確率が0パーセントとなっており、「有利度3」以下の有利度の設定時における入賞音Dの決定確率が0パーセントとなっている。すなわち、連荘回数が10回目以降の大当り遊技状態では、入賞音Cにより特定されるオーバー入賞演出が実行された時点で「有利度3」以下の有利度が設定されていることが確定し、入賞音Dにより特定されるオーバー入賞演出が実行された時点で「有利度4」以上の有利度が設定されていることが確定する。
また、第3の入賞音決定テーブルT3では、第1・第2の入賞音決定テーブルT1,T2で決定確率が0パーセントに設定されている入賞音E1,E2,E3にも決定確率が振り分けられている。すなわち、演出制御CPU65aは、大当り遊技状態の連荘回数が10回(特定回数)となる前の、連荘回数が1回目から9回目までの大当り遊技状態におけるオーバー入賞の発生時には、第1・第2の入賞音決定テーブルT1,T2を参照して入賞音パターンを決定することで、入賞音A,B,C,Dの各入賞音パターンに対応するオーバー入賞演出のみを決定可能である。これに対し、大当り遊技状態の連荘回数が10回(特定回数)となった場合には、第3の入賞音決定テーブルT3を参照して入賞音パターンを決定するため、入賞音A,B,C,Dの各入賞音パターンに対応するオーバー入賞演出に加えて、入賞音E1,E2,E3の各入賞音パターンに対応するオーバー入賞演出を決定可能となる。すなわち、実行可能性のあるオーバー入賞演出(示唆演出)の種類は、大当り遊技状態の連荘回数が10回(特定回数)に到達すると増加(変化)する。
なお、入賞音E1は、第3の入賞音決定テーブルT3における「有利度1」および「有利度2」以外の有利度の設定時に対応する決定確率が0パーセントに設定されており、入賞音E2は、第3の入賞音決定テーブルT3における「有利度3」および「有利度4」以外の有利度の設定時に対応する決定確率が0パーセントに設定されており、入賞音E3は、第3の入賞音決定テーブルT3における「有利度5」および「有利度6」以外の有利度の設定時に対応する決定確率が0パーセントに設定されている。すなわち、連荘回数が10回目以降の大当り遊技状態では、入賞音E1により特定されるオーバー入賞演出が実行された時点で「有利度1」および「有利度2」の何れかが設定されていることが確定し、入賞音E2により特定されるオーバー入賞演出が実行された時点で「有利度3」および「有利度4」の何れかが設定されていることが確定し、入賞音E3により特定されるオーバー入賞演出が実行された時点で「有利度5」および「有利度6」の何れかが設定されていることが確定する。
(当り後設定示唆(背景画像変更演出の実行))
「当り後設定示唆」は、連荘期間中(大当り遊技状態の終了後)の高確状態または高ベース状態において、図柄表示装置17で実行される1回分の図柄変動演出での飾図の背景画像を特殊背景画像に変更する(以下、「背景画像変更演出」ともいう)ことにより、電源投入時に設定変更モードに移行したか否か(設定変更操作が行われた可能性があるか否か)を示唆すると共に、その変更後の背景画像の種類に応じて、特図当り判定の有利度の段階を示唆するものである。すなわち、実施例1では、高確状態または高ベース状態における背景画像変更演出を、有利度の設定に関する示唆演出(設定示唆演出)として実行するようになっている。
ここで、演出制御CPU65aは、有利度指定コマンドの入力に基づいて、有利度の段階に関する情報を取得すると共に、設定変更終了コマンドの入力に基づいて、電源投入時において設定操作部91をオフ姿勢に変位させる第1の移行終了操作が行われたこと(設定変更モードに移行したこと)を把握する。そして、電源投入時に設定変更モードに移行したことを把握した場合に限り、大当り遊技状態の終了後における所定回数目(例えば、25回目)の特図変動パターン指定コマンドを入力したことを契機として、背景画像変更演出を実行するか否かの実行可否判定を実行する。また、実行可否判定で背景画像変更演出の実行を決定した場合には、その実行する背景画像変更演出において表示する特殊背景画像の種類(図11(a)参照)を、その時点で設定されている有利度の段階と、後述する特殊背景決定テーブル(図11(b)~図11(d)参照)とに基づいて決定する。但し、演出制御CPU65aは、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が低確低ベース状態の場合には、背景画像変更演出の実行可否判定(および実行種別判定)を実行しないようになっている。すなわち、演出制御CPU65aは、大当り遊技状態の終了後における所定回数目(25回目)の特図変動パターン指定コマンドの入力時であって、サブ確変フラグおよびサブ変短フラグの少なくとも一方の値が「1」である場合に、背景画像変更演出の実行可否判定(および実行種別判定)を実行する。
図11(a)に示すように、演出制御ROM65bには、図柄表示装置17に表示可能な複数種類(実施例1では4種類)の特殊背景画像(のパターン)X1,X2,X3,X4が記憶されている。ここで、特殊背景画像X1,X3は、主制御CPU60aによる特図当り判定の有利度が奇数段階の有利度である可能性が高いことを示唆する背景画像として夫々設定され、特殊背景画像X2,X4は、主制御CPU60aによる特図当り判定の有利度が偶数段階の有利度である可能性が高いことを示唆する背景画像として設定されている。
ここで、演出制御CPU65aは、背景画像変更演出の実行可否判定および実行種別判定を実行する際に参照する特殊背景決定テーブルT4,T5,T6(図11(b)~図11(d))を、その時の大当り遊技状態が連荘期間(連荘フラグの値が「1」に変更されてから「0」に戻されるまでの期間)における何回目の大当り遊技状態であるかに応じて決定する。具体的に、演出制御CPU65aは、大当り遊技状態の終了後25回目の特図変動パターン指定コマンドの入力時であって遊技状態が高確状態か高ベース状態の場合に、その終了した大当り遊技状態が連荘回数1回目~4回目の大当り遊技状態のうち何れかであれば、実行可否判定において第1の特殊背景決定テーブルT4を参照し、連荘回数5回目~9回目の大当り遊技状態のうち何れかであれば、実行可否判定において第2の特殊背景決定テーブルT5を参照し、連荘回数10回目以降の大当り遊技状態であれば、実行可否判定において第3の特殊背景決定テーブルT6を参照する。
そして、演出制御CPU65aは、第1の特殊背景決定テーブルT4を参照して行う実行可否判定において、背景画像変更演出の実行を10パーセントの確率で決定し、90パーセントの確率で非実行を決定する。また、第2の特殊背景決定テーブルT5を参照して行う実行可否判定において、背景画像変更演出の実行を20パーセントの確率で決定し、80パーセントの確率で非実行を決定する。更に、第3の特殊背景決定テーブルT6を参照して行う実行可否判定において、背景画像変更演出の実行を50パーセントの確率で決定し、50パーセントの確率で非実行を決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、特図当り判定の有利度に関する示唆演出(背景画像変更演出)の実行可能性を、大当り遊技状態の連荘回数に応じて変更する。
また、演出制御CPU65aは、連荘回数1回目~4回目の大当り遊技状態の何れかの終了後の遊技状態での実行可否判定において背景画像変更演出の実行が決定された場合には、第1の特殊背景決定テーブルT4に定められた決定確率に基づいて実行種別判定を実行することで特殊背景画像X1,X2の何れかを決定し、連荘回数5回目~9回目の大当り遊技状態の何れかの終了後の遊技状態での実行可否判定において背景画像変更演出の実行が決定された場合には、第2の特殊背景決定テーブルT5に定められた決定確率に基づいて実行種別判定を実行することで特殊背景画像X1,X2の何れかを決定し、連荘回数10回目以降の大当り遊技状態の終了後の遊技状態での実行可否判定において背景画像変更演出の実行が決定された場合には、第3の特殊背景決定テーブルT6に定められた決定確率に基づいて実行種別判定を実行することで特殊背景画像X3,X4の何れかを決定する。
演出制御CPU65aは、図11(b)に示す第1の特殊背景決定テーブルT4に基づいて実行可否判定および実行種別判定を実行する場合(連荘回数が1回目~4回目の場合)に、特図当り判定の有利度が「有利度1」に設定されていれば、特殊背景画像X1,X2を夫々5パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度2」に設定されていれば、特殊背景画像X1を3パーセントの確率で決定し、特殊背景画像X2を7パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度3」に設定されていれば、特殊背景画像X1を7パーセントの確率で決定し、特殊背景画像X2を3パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度4」に設定されていれば、特殊背景画像X1を3パーセントの確率で決定し、特殊背景画像X2を7パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度5」に設定されていれば、特殊背景画像X1を7パーセントの確率で決定し、特殊背景画像X2を3パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度6」に設定されていれば、特殊背景画像X1,X2を夫々5パーセントの確率で決定する。
すなわち、第1の特殊背景決定テーブルT4において、特殊背景画像X1の決定確率は、「有利度1」、「有利度3」および「有利度5」の設定時に、「有利度2」および「有利度4」の場合よりも高確率に設定されている。一方、特殊背景画像X2の決定確率は、「有利度2」、「有利度4」および「有利度6」の設定時に、「有利度3」および「有利度5」の場合よりも高確率に設定されている。すなわち、図柄表示装置17において背景画像を特殊背景画像X1に変更する背景画像変更演出を実行することで、奇数段階の有利度が設定されている可能性が高いことが示唆され、また図柄表示装置17において背景画像を特殊背景画像X2に変更する背景画像変更演出を実行することで、偶数段階の有利度が設定されている可能性が高いことが示唆される。なお、有利度が最低段階の「有利度1」である場合と最高段階の「有利度6」である場合とに限り、特殊背景画像X1,X2の各決定確率が等しく設定されており、背景画像を特殊背景画像X1,X2のどちらに変更する背景画像変更演出が実行されても、最高段階の有利度であることに対する期待値や、最低段階の有利度でないことに対する期待値が等しくなるようにしている。
演出制御CPU65aは、図11(c)に示す第2の特殊背景決定テーブルT5に基づいて実行可否判定および実行種別判定を実行する場合(連荘回数が5回目~9回目の場合)に、特図当り判定の有利度が「有利度1」に設定されていれば、特殊背景画像X1,X2を夫々10パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度2」に設定されていれば、特殊背景画像X1を5パーセントの確率で決定し、特殊背景画像X2を15パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度3」に設定されていれば、特殊背景画像X1を15パーセントの確率で決定し、特殊背景画像X2を5パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度4」に設定されていれば、特殊背景画像X1を5パーセントの確率で決定し、特殊背景画像X2を15パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度5」に設定されていれば、特殊背景画像X1を15パーセントの確率で決定し、特殊背景画像X2を5パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度6」に設定されていれば、特殊背景画像X1,X2を夫々10パーセントの確率で決定する。
すなわち、第2の特殊背景決定テーブルT5では、特殊背景画像X1の決定確率が、奇数段階の有利度の設定時に高確率となっており、特殊背景画像X2の決定確率が、偶数段階の有利度の設定時に高確率となっている。これらの点は、前述した第1の特殊背景決定テーブルT4と同様である。但し、第2の特殊背景決定テーブルT5では、奇数段階の有利度の設定時における特殊背景画像X1の決定確率および偶数段階の有利度の設定時における特殊背景画像X2の決定確率が、第1の特殊背景決定テーブルT4での決定確率と比べて高確率となっている。具体的に、第2の特殊背景決定テーブルT5における奇数段階設定時の特殊背景画像X1の決定確率(10~15パーセント)は、第1の特殊背景決定テーブルT4での決定確率(5~7パーセント)よりも5~8パーセント高く設定されている。また、第2の特殊背景決定テーブルT5における偶数段階設定時の特殊背景画像X2の決定確率(10~15パーセント)は、第1の特殊背景決定テーブルT4での決定確率(5~7パーセント)よりも5~8パーセント高く設定されている。すなわち、演出制御CPU65aは、背景画像を特殊背景画像X1に変更する背景画像変更演出の実行可能性と、背景画像を特殊背景画像X2に変更する背景画像変更演出の実行可能性とを、大当り遊技状態の連荘回数に応じて変更する。
演出制御CPU65aは、図11(d)に示す第3の特殊背景決定テーブルT6に基づいて実行可否判定および実行種別判定を実行する場合(連荘回数が10回目以降の場合)に、特図当り判定の有利度が「有利度1」に設定されていれば、特殊背景画像X3,X4を夫々25パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度2」に設定されていれば、特殊背景画像X3を5パーセントの確率で決定し、特殊背景画像X4を45パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度3」に設定されていれば、特殊背景画像X3を45パーセントの確率で決定し、特殊背景画像X4を5パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度4」に設定されていれば、特殊背景画像X3を5パーセントの確率で決定し、特殊背景画像X4を45パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度5」に設定されていれば、特殊背景画像X3を45パーセントの確率で決定し、特殊背景画像X4を5パーセントの確率で決定する。また、有利度が「有利度6」に設定されていれば、特殊背景画像X3,X4を夫々25パーセントの確率で決定する。
このように、実施例1では、10回以上の連荘回数に対応する大当り遊技状態の終了後25回目の特図変動パターン指定コマンドの入力時には、9回以下の連荘回数に対応する大当り遊技状態の終了後25回目の特図変動パターン指定コマンドの入力時において決定し得た特殊背景画像X1,X2を決定し得ない一方で、当該9回以下の連荘回数に対応する大当り遊技状態の終了後25回目の特図変動パターン指定コマンドの入力時において決定し得なかった特殊背景画像X3,X4を決定し得るようになる。すなわち、背景画像を特殊背景画像X1,X2に変更する背景画像変更演出(第1の示唆演出)の実行可能性が、大当り遊技状態の連荘回数が10回(特定回数)となった場合に当該連荘回数が10回となる前より低下する一方、背景画像を特殊背景画像X3,X4に変更する背景画像変更演出(第2の示唆演出)の実行可能性が、大当り遊技状態の連荘回数が10回(特定回数)となった場合に当該連荘回数が10回となる前より上昇する。
(電源断の発生後に復電した場合の設定示唆について)
前述したように、パチンコ機10では、電源断時に演出制御RAM65cの(合計生起回数の)バックアップが行われないことから、連荘期間中に停電等による電源断が発生してその後に復電した場合には、合計生起回数の計数値がクリアされて実際の合計生起回数を把握できなくなる。このため、実施例1では、電源断の状態からの復帰時点が大当り遊技状態中であった場合に、その大当り遊技状態が連荘期間における何回目の連荘回数に対応するかに関わらず、演出制御CPU65aが、第3の入賞音決定テーブルT3を参照してオーバー入賞演出の実行可否判定・実行種別判定を実行すると共に、第3の特殊背景決定テーブルT6を参照して背景画像変更演出の実行可否判定・実行種別判定を実行するように構成されている。
(実施例1の作用)
次に、前述した実施例1に係る作用・効果につき説明する。
実施例1のパチンコ機10は、主制御CPU60aが、始動入賞口31a,32aへの始動入賞(判定条件の成立)を契機として特図当り判定(当否判定)を実行する。この場合、主制御CPU60aは、主制御ROM60bに記憶されている6種類の段階フラグのうち、値が「1」に設定されている段階フラグに対応する当否判定テーブル(主制御ROM60bに記憶されている6種類の当否判定テーブルの何れか)を参照して、始動入賞時に主制御RAM60cの始動記憶領域に記憶された始動記憶情報の内の特図当り判定用乱数の値がその当否判定テーブルの特図当り判定値と一致するか否かにより、当りか否かを判定する。すなわち、主制御CPU60aは、6種類の当否判定テーブルに対応する6段階の大当り確率(遊技に関する6段階の有利度)で特図当り判定(遊技制御)を実行し得る。そして、主制御CPU60aは、特図当り判定の結果に応じた特図変動表示(図柄変動表示)を遊技情報表示器Mの特図表示部Ma,Mb(図柄表示部)に表示させると共に、特図当り判定が当りの判定結果となった場合には、特別入賞部33の特別入賞ソレノイドSL2を駆動制御することにより特別用開閉部材33bを作動させ、特別入賞口33aが開放する大当り遊技状態(当り遊技状態)を生起させる。
ここで、主制御RAM60cに記憶される段階フラグの値(値を「1」とする段階フラグの種類)は、電源投入時に第1の移行操作が行われて主制御CPU60aの制御状態が設定変更モードに移行した場合、その設定変更モード中の設定変更操作に応じて、変更される(有利度の設定変更が可能である)。そして、主制御CPU60aは、遊技可能状態において、設定されている有利度(大当り確率)に応じた特図当り判定(遊技制御)を実行する。なお、有利度の設定に関する情報は、電源投入時に主制御CPU60aから出力される有利度指定コマンドや設定変更終了コマンド等により、演出制御CPU65aへと伝達される。
演出制御CPU65aは、主制御CPU60aからの特図変動パターン指定コマンド等の制御信号に基づき、特図変動表示に対応する表示演出である図柄変動演出(演出)を図柄表示装置17(演出実行部)に実行させると共に、図柄変動演出に合わせた発光演出(演出)を枠ランプ19(演出実行部)に実行させ、また図柄変動演出に合わせた音演出(演出)をスピーカ18(演出実行部)に実行させる。
(当り中設定示唆としてのオーバー入賞演出について)
演出制御CPU65aは、大当り遊技状態中にオーバー入賞が発生したことを契機としてオーバー入賞演出の実行可否判定を実行し、この実行可否判定でオーバー入賞演出の実行が決定された場合には、実行種別判定によってオーバー入賞演出の演出態様(種類)を決定する。そして、実行種別判定により決定された入賞音パターン(入賞音A,B,C,D,E1,E2,E3の何れか)に対応するオーバー入賞演出を、演出実行部としてのスピーカ18に実行させる。この時、演出制御CPU65aは、複数の入賞音決定テーブルT1,T2,T3の何れかを参照し、その時点で設定されている有利度との関係で、オーバー入賞演出の種類を決定する。すなわち、実施例1のパチンコ機10は、有利度に関する示唆演出としてのオーバー入賞演出を、連荘期間中、すなわち、低確低ベース状態での始動入賞を契機として大当り遊技状態が生起されてから再び低確低ベース状態に移行するまでの期間中における、大当り遊技状態において実行する。このため、遊技者は、大当り遊技状態中に実行されるオーバー入賞演出の演出態様(種類)に基づいて特図当り判定の有利度を推測することができ、遊技を継続しようとする遊技者の意欲を高め得る。
実施例1のパチンコ機10は、演出制御CPU65aが大当り遊技状態の連荘回数に応じて異なる入賞音決定テーブルT1,T2,T3を参照することにより、入賞音A,B,C,D,E1,E2,E3に対応する各オーバー入賞演出の実行可能性を当該連荘回数に応じて変更する。従って、大当り遊技状態の連荘が終了するまでの期間(連荘期間)におけるオーバー入賞演出の傾向に変化を与えることができ、当該期間の遊技の興趣を高め得る。
ここで、実施例1のパチンコ機10は、大当り遊技状態の連荘回数が5回(特定回数)となった場合に、入賞音A,Bに対応するオーバー入賞演出(偶数段階・奇数段階の何れの有利度の設定時かを示唆する第1の示唆演出)の実行可能性が、当該連荘回数が5回となる前より低下する一方、入賞音C,Dに対応するオーバー入賞演出(低段階・高段階の何れの有利度の設定時かを示唆する第2の示唆演出)の実行可能性が、当該連荘回数が5回となる前より上昇する。従って、大当り遊技状態の連荘が終了するまでの期間(連荘期間)におけるオーバー入賞演出の傾向に大きな変化を与え得る。
また、実施例1のパチンコ機10は、大当り遊技状態の連荘回数が10回(特定回数)となった場合に、入賞音A,B,C,Dの各入賞音パターンに対応するオーバー入賞演出に加えて、入賞音E1,E2,E3の各入賞音パターンに対応するオーバー入賞演出を決定可能となる(実行可能性のあるオーバー入賞演出の種類が増加する)。すなわち、大当り遊技状態の連荘回数が10回(特定回数)となったことに応じて、それまで実行可能性のなかった入賞音E1,E2,E3の各入賞音パターンに対応するオーバー入賞演出についての実行可能性が生じることで、大当り遊技状態の連荘が終了するまでの期間(連荘期間)におけるオーバー入賞演出の傾向に大きな変化を与え得る。
(当り後設定示唆としての背景画像変更演出について)
電源投入時に有利度の設定変更操作が行われた場合、演出制御CPU65aは、大当り遊技状態の終了後25回目の特図変動パターン指定コマンドの入力を契機として、背景画像変更演出の実行可否判定を実行し、この実行可否判定で背景画像変更演出の実行が決定された場合には、実行種別判定によって特殊背景画像X1,X2,X3,X4の演出態様(種類)を決定する。そして、実行種別判定により決定された特殊背景画像X1,X2,X3,X4に背景画像を変更する背景画像変更演出を、演出実行部としての図柄表示装置17に実行させる。この時、演出制御CPU65aは、複数の特殊背景決定テーブルT4,T5,T6の何れかを参照し、その時点で設定されている有利度との関係で、特殊背景画像X1,X2,X3,X4の種類を決定する。すなわち、実施例1のパチンコ機10は、有利度に関する示唆演出としての背景画像変更演出を、連荘期間中における大当り遊技状態の終了後の遊技状態(高確高ベース状態か、高確低ベース状態か、低確高ベース状態)において実行する。このため、遊技者は、大当り遊技状態の終了後25回目の図柄変動演出において背景画像が変更された場合に、電源投入時に有利度が変更されたことを認識できると共に、変更後の特殊背景画像X1,X2,X3,X4の種類に基づいて特図当り判定の有利度を推測することができ、遊技を継続しようとする遊技者の意欲を高め得る。
実施例1のパチンコ機10は、演出制御CPU65aが大当り遊技状態の連荘回数に応じて異なる特殊背景決定テーブルT4,T5,T6を参照することにより、大当り遊技状態の終了後25回目の図柄変動演出における背景画像を特殊背景画像X1,X2,X3,X4に変更する各背景画像変更演出の実行可能性を、当該連荘回数に応じて変更する。従って、大当り遊技状態の連荘が終了するまでの期間(連荘期間)における背景画像変更演出の傾向に変化を与えることができ、当該期間の遊技の興趣を高め得る。
ここで、実施例1のパチンコ機10は、大当り遊技状態の連荘回数が10回(特定回数)となった場合に、背景画像を特殊背景画像X1,X2に変更する背景画像変更演出(第1の示唆演出)の実行可能性が、当該連荘回数が10回となる前より低下する一方、背景画像を特殊背景画像X3,X4に変更する背景画像変更演出(第2の示唆演出)の実行可能性が、当該連荘回数が10回となる前より上昇する。すなわち、実施例1のパチンコ機10は、大当り遊技状態の連荘回数が10回(特定回数)となった場合に、実行可能性のある背景画像変更演出の種類が増加する。従って、大当り遊技状態の連荘が終了するまでの期間(連荘期間)における背景画像変更演出の傾向に大きな変化を与え得る。