1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2(図2参照)とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時等に遊技者が操作し得る演出ボタン63やセレクトボタン64が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
図2に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図7参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(符号省略)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出用表示手段)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面(表示部)7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」~「8」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図5参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一例)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用の客待ち演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図5参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。またセンター装飾体10の上部には、盤可動体15が格納状態にて配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20を、第1始動入賞口、第1入球口、固定始動口、固定入球口ともいう。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄(特図1)の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21を、第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口、可変入球口ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄(特図2)の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図6参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときのみ遊技球が入球可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域3におけるセンター装飾体10の左方には、遊技球が通過可能な第1ゲート(第1通過領域)28が設けられ、遊技領域3における第1始動口20の右上方には、遊技球が通過可能な第2ゲート(第2通過領域)29が設けられている。第1ゲート28及び第2ゲート29への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また、遊技領域3における第2ゲート29の下方には、第1大入賞口(第1特別入賞口、特定特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、第1特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図6参照)により駆動される。つまり、第1大入賞口ソレノイド33は開閉部材32の駆動源である。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、第2特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図6参照)により駆動される。第2大入賞口ソレノイド38は開閉部材37の駆動源である。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図3(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な本特定領域(本V領域、第2特定領域ともいう)39および本非特定領域(本非V領域、第2非特定領域ともいう)70が形成されている。以下では簡単のため、本特定領域39を単に「特定領域39」といい、本非特定領域70を単に「非特定領域70」という。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ(第2特別入賞口検知手段)35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ(第2特定領域検知手段)39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ(第2非特定領域検知手段)70aが配されている。
また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける本振分部材(第2振分部材)71と、本振分部材71を駆動する本振分部材ソレノイド73とを備えている。以下では簡単のため、本振分部材71を単に「振分部材71」といい、本振分部材ソレノイド73を単に「振分部材ソレノイド73」という。振分部材ソレノイド73は、振分部材71の駆動源である。なお、振分部材71は、遊技盤2に対して左右方向に移動するものであり、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける退状態(第1状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける進状態(第2状態)をとる。なお振分部材71は、言い換えれば、特定領域39を開閉するシャッター部材(第2シャッター部材)である。
図3(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図3(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。振分部材71が第1状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図3(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図3(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。振分部材71が第2状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口は設けられていない。
但し本形態の第1大入賞装置31には、図4(A)に示すように、疑似特定領域(本願発明の「特定領域」に相当、疑似V領域、第1特定領域ともいう)34と、疑似非特定領域(疑似非V領域、第1非特定領域ともいう)75とが設けられている。
より詳細には、図4(A)に示すように、第1大入賞装置31の内部には、第1大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な疑似特定領域34および疑似非特定領域75が形成されている。なお、第1大入賞装置31において、疑似特定領域34および疑似非特定領域75の上流には、第1大入賞口30への遊技球の入賞を検知する第1大入賞口センサ(第1特別入賞口検知手段)30aが配されている。また、疑似特定領域34には、疑似特定領域34への遊技球の通過を検知する疑似特定領域センサ(第1特定領域検知手段)34aが配されている。また、疑似非特定領域75には、疑似非特定領域75への遊技球の通過を検知する疑似非特定領域センサ(第1非特定領域検知手段)75aが配されている。
また、第1大入賞装置31は、第1大入賞口30を通過した遊技球を疑似特定領域34または疑似非特定領域75のいずれかに振り分ける疑似振分部材(第1振分部材)76と、疑似振分部材76を駆動する疑似振分部材ソレノイド78とを備えている。疑似振分部材ソレノイド78は、疑似振分部材76の駆動源である。なお、疑似振分部材76は、遊技盤2に対して左右方向に移動するものであり、疑似振分部材ソレノイド78の通電時には、遊技球を疑似特定領域34に振り分ける退状態(第1状態)をとり、疑似振分部材ソレノイド78の非通電時には、遊技球を疑似非特定領域75に振り分ける進状態(第2状態)をとる。なお疑似振分部材76は、言い換えれば、疑似特定領域34を開閉する疑似シャッター部材(第1シャッター部材)である。
図4(A)は、疑似振分部材ソレノイド78の通電時を示している。図4(A)に示すように、疑似振分部材ソレノイド78の通電時には、疑似振分部材76は疑似特定領域34への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。疑似振分部材76が第1状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過したあと疑似特定領域34を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図4(B)は、疑似振分部材ソレノイド78の非通電時を示している。図4(B)に示すように、疑似振分部材ソレノイド78の非通電時には、疑似振分部材76は疑似特定領域34への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。疑似振分部材76が第2状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過したあと疑似振分部材76の上面を転動して疑似非特定領域75を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
本形態の疑似特定領域34は、いわゆる大当たり当選の契機としての特定領域(V領域)に似せたものである。しかし疑似特定領域34への通過に基づいて大当たりに当選するわけではなく、疑似特定領域34は、後述するサブ制御基板90による演出の実行契機となる通過領域に過ぎない。後に詳しく説明するが、本形態では、あたかも疑似特定領域34への通過に基づいて大当たりに当選したかのような演出を行こととしている。これにより、疑似的にいわゆる2種遊技にて大当たり(2種大当たり)に当選したかのようなゲーム性を実現することとしている。勿論この疑似特定領域34は、本形態の特定領域39のような確変作動口として機能するものではない。
図2に戻り、遊技領域3の下部には、普通入賞口27や、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1ゲート28と、普通入賞口27と、第1始動口20と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は左打ちをすることで、第1始動口20への入賞を狙う。なお本形態では、左打ち時に第1ゲート28への通過が生じるため、これに基づく普通図柄抽選にて当選すれば、第2始動口21への入賞も発生することがある。
一方、第2流路R2上には、第2大入賞装置36と、第2ゲート29と、第1大入賞装置31と、普通入賞口27と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は右打ちをすることで、第2大入賞口35への入賞(特定領域39への通過)、第2ゲート29への通過、第1大入賞口30への入賞(疑似特定領域34への通過)、又は第2始動口21への入賞を狙う。
また図2に示すように、遊技盤2の右側中央には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図5に示すように、第1特別図柄(第1識別図柄)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2識別図柄)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留、特図1の保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留、特図2の保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄又は小当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たりに当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、特図保留記憶部85(図6参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図6参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図6参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(普通当たり図柄すなわち長開放図柄又は短開放図柄)である場合には、停止表示された特定普通図柄の種類および現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が長開放図柄での当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した長開放図柄(普通当たり図柄の一つ)を表示する。また抽選結果が短開放図柄での当たりである場合には、「○●」というように左のLEDのみが点灯した短開放図柄(普通当たり図柄の一つ)を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図6参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図6及び図7に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図6及び図7に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、サブ駆動基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部99を構成する。なお、サブ制御部99は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や枠ランプ66、盤ランプ5、盤可動体15、スピーカ67等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
図6に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。また、RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)が設けられている。
また主制御基板80には、図6に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1ゲートセンサ28a、第2ゲートセンサ29a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。第1ゲートセンサ28aは、第1ゲート28内に設けられて第1ゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第2ゲートセンサ29aは、第2ゲート29内に設けられて第2ゲート29を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
またサブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107に中継基板108を介して接続された盤可動体15(図2参照)を動作させる。盤可動体15は、センター装飾体10の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。盤可動体15は、表示画面7aの周辺部(本形態では上部)でコンパクトに折り畳まれて格納されている格納状態(図2参照)から、その折り畳みを解除されて表示画面7aの中央部を含む略全域の前方で露出している露出状態(図示省略)に変位可能なものである。
詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、サブ駆動基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や盤可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、サブ駆動基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン64が押されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。なお、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64のうち上ボタンに対応する上方向検出スイッチ、下ボタンに対応する下方向検出スイッチ、左ボタンに対応する左方向検出スイッチ、右ボタンに対応する右方向検出スイッチからなっている。
さらにサブ制御基板90には、疑似特定領域センサ34a、疑似非特定領域センサ75a、および疑似振分部材ソレノイド78が接続されている。疑似特定領域センサ34aは、第1大入賞口30内の疑似特定領域34に設けられて疑似特定領域34を通過した遊技球を検出するものである。疑似非特定領域センサ75aは、第1大入賞口30内の疑似非特定領域75に設けられて疑似非特定領域75を通過した遊技球を検出するものである。疑似振分部材ソレノイド78は、第1大入賞装置31の疑似振分部材76を駆動するものである。このように、疑似特定領域センサ34a、疑似非特定領域センサ75a、及び疑似振分部材ソレノイド78は、サブ制御基板90によって制御されるものである。これに対して、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、及び振分部材ソレノイド73は、主制御基板80によって制御されるものである。勿論、第1大入賞口センサ30a、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口センサ35a、及び第2大入賞口ソレノイド38も、主制御基板80によって制御されるものである。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「小当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たり又は小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「特別遊技」が実行される。大当たりに当選して実行される特別遊技を大当たり遊技といい、小当たりに当選して実行される特別遊技を小当たり遊技という。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また小当たり遊技は、本形態では、第1大入賞口30を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニングと、小当たり開放遊技が終了した後のエンディングとを含んでいる。小当たり開放遊技では、第1大入賞口30を1.6秒にわたって1回開放する(図9参照)。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図8及び図9に示す通りである。図8及び図9に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
さらに、「Vロング大当たり」には、「通常Vロング大当たり」と「特殊Vロング大当たり」とがある。どちらのVロング大当たりも、総ラウンド数は16Rである。両大当たりは、2R以降の開放態様は同じであるが、1R目の開放態様が異なっている。
より具体的には図9に示すように、「通常Vロング大当たり」は、1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒(通常開放時間の一例)にわたって1回開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって1回開放する。この14R及び16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。
これに対して、「特殊Vロング大当たり」(以下では単に「特殊大当たり」と言うことがある)は、1R目においてまず第1大入賞口30を1.6秒(第1の開放時間、短開放時間に相当)にわたって開放し、続いて17秒にわたって閉鎖し、その後最大27.9秒(第2の開放時間に相当、通常開放時間の一例)にわたって開放する。つまり、1R目の初回の開放として1.6秒の短開放をまず行い、その後17秒のインターバル(閉鎖期間)を経て、1R目の2回目の開放として最大27.9秒の長開放を行う。このような開放態様にしているのは、初回の開放が終了してから数秒が経過するまでは上述の小当たりと見た目上の区別がつかないようにするためである。
ここで、特殊Vロング大当たりとしての大当たり遊技は、短開放遊技を経て長開放遊技を行う特殊大当たり遊技と言える。短開放遊技には、1.6秒にわたる1R目の初回の開放とその後の17秒にわたるインターバルが含まれる。長開放遊技には、最大で27.9秒にわたる1R目の2回目の開放からEDの開始までが含まれる。1.6秒にわたる1R目の初回の開放は、短開放パターンでの開放と言える。最大で27.9秒にわたる1R目の2回目の開放や最大で29.5秒にわたる2R目以降の開放は、長開放パターンでの開放と言える。なお、短開放パターンを言い換えれば、1,2球程度のわずかな入賞しか見込めない開放パターンであり、長開放パターンを言い換えれば、短開放パターンよりも多くの入賞が見込める開放パターンである。但し、長開放パターンは、1R当たりの入賞上限数に至る程度の入賞が見込める開放パターンであることが望ましい。
また、通常Vロング大当たりとしての大当たり遊技は、短開放遊技を経ないで長開放遊技を行う通常大当たり遊技と言える。また、上述の小当たり遊技では1.6秒にわたって第1大入賞口30を開放するが、この開放は、上記の短開放パターンと同等の開放パターンと言える。なお、小当たり遊技における開放時間は、特殊大当たり遊技の短開放遊技の開放時間と完全に一致していなくてもよい。例えば、1.4秒や1.8秒等若干の時間差があっても、短開放パターンと同等の開放パターンに含まれるものとする。
一方、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、このVショート大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける14Rと16Rでは第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける14R及び16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(図3(B)参照)から第1状態(図3(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図8に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たり(但しそのうちの20%は特殊Vロング大当たり)となっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。なお本形態では、特図1の抽選にて特殊Vロング大当たりに当選することはない。また、特図1の抽選では小当たりに当選することもない(図12(A)参照)。つまり、特殊Vロング大当たり及び小当たりへの当選の可能性があるのは特図2の抽選だけとなっている。
ここで、各種の当たりに当選した場合の演出図柄8L,8C,8Rの停止態様について説明する。図8に示す「特図1_大当たり図柄1」又は「特図1_大当たり図柄2」に当選した場合には、図10に示すように、数字図柄のゾロ目(例えば「2・2・2」等)が選択される。より詳細には、「特図1_大当たり図柄1」に当選した場合には、金図柄(本形態では3又は7)のゾロ目、あるいは、銀図柄(本形態では1,2,4,5,6,又は8)のゾロ目が選択される。これに対して、「特図1_大当たり図柄2」に当選した場合には、金図柄のゾロ目が選択されることはなく、銀図柄のゾロ目が選択される。したがって本形態では、金図柄のゾロ目は、Vロング大当たりへの当選が確定する演出図柄の組み合わせとなっている。
また、「特図2_大当たり図柄3」に当選した場合には、金図柄のゾロ目が選択される。特図2の抽選にて当選可能な大当たりはVロング大当たりに限られるため、金図柄のゾロ目を選択するようにしている。
また、「特図2_大当たり図柄4」(特殊大当たり)に当選した場合、あるいは、小当たりに当選した場合には、図10に示すように、金図柄や銀図柄といった数字図柄のゾロ目は選択されず、中演出図柄8Cをチャンス図柄CZ(特殊図柄に相当、図57(A)参照)とする演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせが選択される。チャンス図柄CZは、Vチャンス演出(Vチャンスというゲームに関する演出)が開始されることを示す演出図柄となっている。Vチャンスの詳細については後述する。
大当たり遊技中は、図10に示すように、特殊大当たりに当選したときを除いて、確定停止時の演出図柄が1つだけ表示画面7aの右上部に表示される。
大当たり遊技の後は、図10に示すように、原則として、確定停止時の演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせが表示される。但し、特殊大当たりに基づく大当たり遊技の後は、確定停止時の左演出図柄8Lと同じ数字図柄のゾロ目が表示される。つまり、チャンス図柄CZを含む演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせは表示されない。これにより、大当たり遊技が実行されたこと(つまり大当たりに当選したこと)をわかりやすく示している。
また、小当たり遊技の後は、確定停止時と同様の演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ、即ち、チャンス図柄CZを含む組み合わせが表示される。但し、客待ち演出が1周すると、チャンス図柄CZを含まないバラケ目を表示する(図10の備考欄、図58(D)~(I)参照)。これにより、小当たり変動を最後に遊技者が遊技を止め、パチンコ遊技機1が空き台となった場合、遊技する台を探すホール来店者に何らかのチャンス中であるかのように誤解させてしまうのを防止することが可能となっている。
なお、客待ち演出が1周する前に選択待機画面(選択待機画像T2を表示している表示画面7a)から音量調整画面(音量調整画像T6を表示している表示画面7a)を表示し、再び選択待機画面に戻った場合には、そのときに表示する演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせは、音量調整画面を表示する前と同じとする(図10の備考欄、図59参照)。すなわち、チャンス図柄CZを含む組み合わせが表示されている選択待機画面から、音量調整画面に移行し、選択待機画面に戻った場合には、再びチャンス図柄CZを含む演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせを表示する。このようなケースは、客待ち演出が1周するほどの時間が経過していないケースであり、小当たりに当選した遊技者が遊技を継続している可能性が高いと考えられるからである。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否か及び小当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図11(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小とを繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~127までの範囲で値をとる。また、第1ゲート28又は第2ゲート29の通過に基づいて取得される乱数には、図11(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図12(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図13参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図12(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄(長開放図柄または短開放図柄)となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図12(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図14参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図14参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技の実行中の状態を「特別遊技状態」と称することとし、特に、大当たり遊技の実行中の状態を「大当たり遊技状態」と称し、小当たり遊技の実行中の状態を「小当たり遊技状態」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となる第2ゲート29へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図15~図34に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図15に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図11に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。この場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図16に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図6参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。また、入力処理(S102)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図15の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図11に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、および特定領域センサ検出処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。また、後述の普図保留球数に基づいて普図保留表示器44をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(図15参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検出処理]図17に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、第1ゲート28又は第2ゲート29に遊技球が通過したか否か、即ち、第1ゲートセンサ28a又は第2ゲートセンサ29aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。第1ゲート28又は第2ゲート29を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球が第1ゲート28又は第2ゲート29を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が4に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が4未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図11(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
続いて遊技制御用マイコン81は、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が4に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図11(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
[ゲート通過処理]図18に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値、図11(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う。図19に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チュー22の作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理(S405)を行う。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、図12(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて判定する。そして、図柄決定処理を行う(S406)。図柄決定処理(S406)では、当たり判定処理(S405)の結果が「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じた普図停止図柄データ(50H)をRAM84の所定の記憶領域にセットする。一方、当たり判定処理(S405)の結果が「当たり」のうち「長開放図柄」であれば、「長開放図柄」に応じた普図停止図柄データ(51H)をRAM84の所定の記憶領域にセットし、「当たり」のうち「短開放図柄」であれば、「短開放図柄」に応じた普図停止図柄データ(52H)をRAM84の所定の記憶領域にセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S407)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図12(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄(長開放図柄又は短開放図柄)の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中に長開放図柄に当選したのであれば、図14に示す長開放TBL2の開放パターンをセットし、時短状態中に短開放図柄に当選したのであれば、図14に示す短開放TBL2の開放パターンをセットする。
これに対して、非時短状態中に長開放図柄に当選したのであれば、図14に示す長開放TBL1の開放パターンをセットし、非時短状態中に短開放図柄に当選したのであれば、図14に示す短開放TBL1の開放パターンをセットする。長開放TBL1の開放パターンは、2回目の開放において4秒の開放時間で電チュー22を開放する開放パターンである。よって本形態では、非時短状態中であっても長開放図柄に当選すれば第2特図保留を上限数である「4」まで溜めることが可能となっている。したがって本形態では、非時短状態中でも特殊大当たりや小当たりに当選することがある。また短開放TBL2の開放パターンは、0.2秒の開放時間で電チュー22を1回開放する開放パターンである。この開放パターンは、開放時間が0.2秒と極めて短いため、電チュー22への入賞はまず生じ得ない。つまりこの開放パターンは、電チュー22への入賞が困難な開放パターンである。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S420)。
[特別動作処理]図16に示すように遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、図20に示すように、特別図柄表示器41および大入賞口装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305で共にNO、S1307でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S1308)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1301,S1303,S1305,S1307の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S1309)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図21に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ち待機フラグがONか否かを判定し(S1415)、ONであれば(S1415でYES)本処理を終え、ONでなければ(S1415でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットするとともに(S1416)、客待ち待機フラグをONにして(S1417)本処理を終える。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行して、ステップS1413に進む。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行して、ステップS1413に進む。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
ステップS1413に進むと客待ち待機フラグがONか否かを判定し、ONであれば客待ち待機フラグをOFFして(S1414)、処理を終える。上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(図8参照)。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図22に基づいてまとめて説明する。図22に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図12(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図12(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「164」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図12(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「649」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図8に示す当たり種別判定テーブルに基づいて当たり種別を判定する(S1506)。当たり種別を判定(S1506)した後は、大当たりフラグをONするとともに(S1507)、当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をRAM84に設けた特図バッファにセットして(S1512)処理を終える。
一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1508,S1510)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)が、小当たり判定値である「65000」~「65535」の何れかと一致するか否か判定する(図12(A)参照)。そして、小当たりであれば(S1508でYES又はS1510でYES)、小当たりフラグをONするとともに(S1509,S1511)、小当たり図柄に応じた特図停止図柄データ(23H)を特図バッファにセットして(S1512)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
また、大当たりでなく(S1504でNO又はS1505でNO)、小当たりでもなければ(S1508でNO又はS1510でNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)を特図バッファにセットして(S1512)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理]図23及び図24に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。そして、時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、さらに当選した大当たりの種別が特殊Vロング大当たり(特殊大当たり)であるか否かを、セットされている特図停止図柄データ(図8参照)に基づいて判定する(S1603)。特殊Vロング大当たりでなければ(S1603でNO)、通常Vロング大当たりに当選しているので、非時短状態中通常Vロング大当たりテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ通常Vロング大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1604)。具体的には、変動パターンP21が選択されることとなる。
ここで図13に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチとなるのかも決まる。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
図23のステップS1603において、特殊Vロング大当たりである場合には(S1603でYES)、非時短状態中特殊Vロング大当たりテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ特殊Vロング大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。具体的には、変動パターンP22が選択されることとなる。
またステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ(S1602でNO)、続いて小当たりフラグがONか否かを判定する(S1606)。ONであれば(S1606でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1607)。具体的には、変動パターンP23が選択されることとなる。
これに対して、小当たりフラグがONでなければ(S1606でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1608)。なお、図12(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」~「13」であり、時短状態であれば「0」~「5」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1608でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1609)。具体的には、変動パターンP24(SPリーチハズレ)又はP25(ノーマルリーチハズレ)が選択されることとなる。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1608でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1610)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。具体的には、変動パターンP26又はP27が選択されることとなる。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図24に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1602~S1610と同様の流れで処理(S1613~S1621)を行う。すなわち、通常Vロング大当たりであれば、図13の時短状態中且つ通常Vロング大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1615)。具体的には、変動パターンP31が選択されることとなる。
また特殊Vロング大当たり(特殊大当たり)であれば、図13の時短状態中且つ特殊Vロング大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1616)。具体的には、変動パターンP32が選択されることとなる。また小当たりであれば、図13の時短状態中且つ小当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1618)。具体的には、変動パターンP33が選択されることとなる。
またリーチ有りハズレであれば、図13の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1620)。具体的には、変動パターンP34(SPリーチハズレ)が選択されることとなる。またリーチ無しハズレであれば、図13の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1621)。具体的には、変動パターンP35又はP36が選択されることとなる。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。すなわち、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1622)、本処理を終える。セットした変動パターンの情報は特図2変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図1変動パターン選択処理]図25及び図26に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1701)。そして、時短状態でなければ(S1701でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1702)。ONであれば(S1702でYES)、さらに当選した大当たりの種別がVロング大当たりであるか否かを、セットされている特図停止図柄データに基づいて判定する(S1703)。Vロング大当たりである場合には(S1703でYES)、非時短状態中Vロング大当たりテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVロング大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。具体的には、変動パターンP1が選択されることとなる。
図25のステップS1703において、Vロング大当たりでなければ(S1703でNO)、Vショート大当たりに当選しているので、非時短状態中Vショート大当たりテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVショート大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1705)。具体的には、変動パターンP2が選択されることとなる。
またステップS1702において、大当たりフラグがONでなければ(S1702でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1706)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1706でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1707)。具体的には、変動パターンP3(SPリーチハズレ)又はP4(ノーマルリーチハズレ)が選択されることとなる。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1706でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1708)。具体的には、P5又はP6が選択されることとなる。
またステップS1701において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1701でYES)には、図26に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1702~S1708と同様の流れで処理(S1709~S1715)を行う。すなわち、Vロング大当たりであれば図13の時短状態中且つVロング大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1711)。具体的には、変動パターンP11が選択されることとなる。
またVショート大当たりであれば、図13の時短状態中且つVショート大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1712)。具体的には、変動パターンP12が選択されることとなる。またリーチ有りハズレであれば、図13の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。具体的には、変動パターンP13(SPリーチハズレ)が選択されることとなる。またリーチ無しハズレであれば、図13の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1715)。具体的には、変動パターンP14又はP15が選択されることとなる。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図25に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1716)、本処理を終える。セットした変動パターンの情報は特図1変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図27に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図13参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図28に示すように、特別図柄確定処理(S1005)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図13参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1902)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8及び図9を参照)をセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1904に続いて、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1905)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始し(S1907)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1908)。
一方、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、続いて小当たりフラグがONか否かを判定する(S1909)。小当たりフラグがONであれば(S1909でYES)、小当たり用の開放パターン(詳しくは図9を参照)をセットする(S1910)。なおこのときに、小当たり遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする小当たり用開放カウンタの値を、小当たり遊技における開放回数に応じた値(本形態では「1」)にセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1911)、小当たり遊技のオープニングを開始し(S1912)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1913)。
また、ステップS1909において小当たりフラグがONでなければ(S1909でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1914)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図29に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、確変フラグがONか否か判定し(S2001)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定して(S2003)、「0」であれば確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「160」にセットされるようになっている。この点については後述する。
続いて、時短フラグがONか否か判定し(S2005)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定して(S2007)、「0」であれば時短フラグをOFFする(S2008)。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2009に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には低確高ベース状態であれば時短カウンタの値が「100」にセットされ、高確高ベース状態であれば時短カウンタの値が「160」にセットされるようになっている。この点については後述する。
その後、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2009)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図30に示すように、遊技状態リセット処理(S1905)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。なお、本形態における低ベース状態とは、電チュー22が頻繁に開放されることによる入賞サポートがないという意味での低ベース状態であり、大入賞装置の作動に基づくベースアップを考慮したものではない。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]図31に示すように、特別電動役物処理1(S1308)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間(オープニング時間)が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たり(通常Vロング大当たり又は特殊Vロング大当たり)としての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。そして、Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、第2大入賞口35を開放させる第14ラウンド若しくは第16ラウンドを開始するタイミングであるか否か、すなわちラウンドカウンタの値が「3」若しくは「1」であるか否かを判定する(S2205)。第14ラウンド若しくは第16ラウンドを開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、第14ラウンド若しくは第16ラウンドを開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、Vロング大当たりの第14ラウンド及び第16ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図34)を参照)ということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口35の閉塞直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図32)を参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2207では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図8及び図9参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる。なお、振分部材71は、特定のラウンド遊技(本形態では第14ラウンドと第16ラウンド)の開始から一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材37が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞することがほぼできないように開閉部材37が開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第2大入賞口35に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材37の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、特殊Vロング大当たりの1R目において2回の大入賞口の開放がなされる。
特別電動役物処理1(図31)のステップS2202において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図9参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2209でYES)には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そして、ステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了するか否かを判定する(S2211)。終了しない場合には(S2211でNO)、次の開放を開始するためそのまま処理を終える。終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2213でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、遊技状態設定処理(S2221)を行って本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図32に示すように、遊技状態設定処理(S2221)ではまず、VフラグがONか否かを判定する(S2301)。VフラグがONでなければ(S2301でNO)、時短フラグをONするとともに(S2302)、時短カウンタに「100」をセットして(S2303)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、ステップS2301においてVフラグがONであれば、確変フラグをONするとともに(S2304)、確変カウンタに「160」をセットする(S2305)。その後、VフラグをOFFする(S2306)。続いて、時短フラグをONするとともに(S2307)、時短カウンタに「160」をセットして(S2308)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が160回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
ステップS2309では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、遊技状態設定処理を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]図33に示すように、特別電動役物処理2(S1309)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2501)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2501でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2502)。開放中でなければ(S2502でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち小当たりのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2503)。
ステップS2503の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2503の判定結果がYESであれば、小当たり開放パターン(図9参照)に従って第1大入賞口30を開放させ(S2504-1)、ラウンド指定コマンドをセットする(S2504-2)。なお正確には、小当たり遊技における大入賞口の開放中をラウンドとは言わないが、小当たり遊技における第1大入賞口30の開放をサブ制御基板90に通知するためのコマンドの名称は、大当たり遊技の際に送信する「ラウンド指定コマンド」と合わせるため、同様の名称を用いることとする。
ステップS2502において第1大入賞口30の開放中であれば(S2502でYES)、第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2505)。規定入賞個数に達していなければ(S2505でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図9参照)が経過したか否か)を判定する(S2506)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2506でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2505でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過している場合(S2506でYES)には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2507)。そして、小当たり用開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2508)、小当たり用開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2509)。
ステップS2509において「0」でなければ(S2509でNO)本処理を終えるが、「0」であれば(S2509でYES)、小当たり遊技を終了させる小当たり終了処理として、小当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2510)、小当たりのエンディングを開始する(S2511)。そして、小当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2512)。なお小当たり用開放カウンタは、大入賞口の開放が1回なされると「0」になる。
ステップS2501において小当たり終了フラグがONであれば(S2501でYES)、小当たりとしての開放が終了しているので、小当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2513)、エンディング時間が経過していなければ(S2513でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2513でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2514)、小当たりフラグをOFFし(S2515)、さらに特別動作ステータスを「1」にセットして処理を終える(S2516)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。
なお、小当たり遊技の開始に際して確変フラグや時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当たり遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2221、図32)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当たり遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。
[特定領域センサ検出処理]図16に示すように遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで特定領域センサ検出処理(S107)を行う。特定領域センサ検出処理(S107)では図34に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2701)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材71が第1状態(図3(A))に制御されているときのみなされる。ステップS2701にて検知がなければ(S2701でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2701でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2702)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理1(図31)におけるV有効期間設定処理(S2206)にて設定される期間である。V有効期間は、Vロング大当たりの第14ラウンド及び第16ラウンド中の期間として設定される。
ステップS2702でV有効期間中であると判定した場合には(S2702でYES)、VフラグをONするとともに(S2703)、V通過コマンドをセットして(S2704)、本処理を終える。V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知を行わせるためのコマンドである。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図35~図53に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図35に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001~S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数更新処理を実行する(S4005)。乱数更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数、演出図柄の停止態様を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、客待ち演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、サブ駆動基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、盤可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。図36に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4101)。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図37に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63aやセレクトボタン検出スイッチ64aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるランプ処理(S4307)や他の処理で作成したランプデータをサブ駆動基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体15を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体15を所定の動作態様で駆動させる。また、後述するステップS6005における可動片の開放設定に従って、疑似振分部材76を作動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図38に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)、可動片制御処理(S4302)、客待ち演出処理(S4303)を順次行う。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4304)。続いて、後述するスイッチ処理(S4305)および設定音量変更処理(S4306)を行う。なお、スイッチ処理(S4305)は、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定する処理であり、設定音量変更処理(S4306)は、スピーカ67から出力される音の大きさを設定する処理である。
その後、ランプ処理(S4307)を行う。ランプ処理(S4307)では、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の発光を制御するデータ)の作成や発光演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理(S4308)を行う。音声制御処理(S4308)では、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声が、設定されている音量でスピーカ67から出力される。
そして、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4309)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図39に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する変動演出開始処理(S4402)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出終了処理(S4404)を行う。変動演出終了処理(S4404)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。変動演出終了コマンドを受信した画像制御基板100は、演出図柄8L,8C,8Rを確定的に停止表示する(つまり変動速度が零の状態で表示する)。なお、演出図柄8L,8C,8Rを確定的に停止表示することを、確定停止といい、確定停止のタイミングを図柄確定時という。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述するオープニング演出選択処理(S4406)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述するラウンド演出選択処理(S4408)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述するエンディング演出選択処理(S4410)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から客待ちコマンドを受信したか否か判定する(S4411)。判定結果がNOであればステップS4414に進む。これに対して、判定結果がYESであれば、客待ちタイマに第1待機時間(本形態では30秒)をセットするとともに(S4412)、客待ちフラグの値を「1」にセットして(S4413)、ステップS4414に進む。ここで客待ちタイマとは、客待ち演出として順次表示する各種の画像(選択待機画像T2、ホールコード対応画像T3、新規登録画像T4、デモ画像T5、図58参照)の表示タイミングを計るカウンタである。なお、サブ制御基板90が客待ちコマンドを受信してから次に変動開始コマンドを受信するまでの期間(つまり主制御基板80において客待ち待機フラグがONである期間)を客待ち状態中という。
また客待ちフラグとは、客待ち状態の段階を示すフラグである。詳細には、図50中の表に示すように、客待ちフラグが「0」であれば客待ち状態中でないこと(つまり非客待ち中)を示す。また、客待ちフラグが「1」であれば、演出図柄8L,8C,8Rが完全に止まっている図柄停止画像T1(図58(D)参照)を表示している段階(つまり客待ち状態が開始された段階)であることを示す。また、客待ちフラグが「2」であれば選択待機画像T2(図58(E)参照)を表示している段階であることを示す。また、客待ちフラグが「3」であればホールコード対応画像T3(図58(F)参照)を表示している段階であることを示す。また、客待ちフラグが「4」であれば新規登録画像T4(図58(G)参照)を表示している段階であることを示す。また、客待ちフラグが「5」であればデモ画像T5(図58(H)参照)を表示している段階であることを示す。また、客待ちフラグが「6」であれば音量調整画像T6(図59(B)参照)を表示している段階であることを示す。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4414)、受信していればV通過報知演出開始処理(S4415)を行う。V通過報知演出開始処理(S4415)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面7aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域39への通過に基づいて高確率状態への制御を行う本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行報知としての意味ももつ。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、その他の処理(S4416)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、遊技状態の把握ために遊技状態指定コマンドに基づき現在の遊技状態を示す遊技状態ステータスの値を設定する処理等)を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[変動演出開始処理]図40に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S5001)。変動開始コマンドには、変動パターン選択処理(図21のステップS1403,S1409)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている(図13参照)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
次に演出制御用マイコン91は、演出図柄変動演出において最終的に停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの選択を行う(S5002)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、特別図柄抽選の結果として停止表示される特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「2・2・2」等)が決定される。
具体的には、図10に示したように、特殊Vロング大当たり以外の大当たりに当選していれば、数字図柄のゾロ目を選択し、特殊Vロング大当たりや小当たりに当選していれば、中演出図柄8Cをチャンス図柄CZとする演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(「Vチャンス目」という)を選択する。また、リーチ有りハズレであれば、右演出図柄8Rが左演出図柄8Lと同じで中演出図柄8Cが左演出図柄8Lと異なる演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(「リーチハズレ目」という)を選択し、リーチ無しハズレであれば、右演出図柄8Rが左演出図柄8Lと異なる演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(「ドハズレ目」という)を選択する。
続いて演出制御用マイコン91は、変動演出パターンの選択を行う(S5003)。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動パターンの種類(図13のP1等)などに応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、例えばリーチの種類(ノーマルリーチを行うのか、SPリーチを行うのか)や疑似連の回数に加えて、SPリーチに属する演出を複数設けている場合にどの演出を実行するのか等までを含めた変動演出の詳細が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば、変動演出の演出時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
続いて演出制御用マイコン91は、予告演出の選択を行う(S5004)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
そして、選択した変動演出パターン、演出図柄、及び予告演出にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5005)。ステップS5005でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
続くステップS5006では、客待ちタイマの値が「0」より大きいか否かを判定し、「0」より大きければ(S5006でYES)、客待ちタイマの値を「0」にクリアする(S5007)。次いで演出制御用マイコン91は、客待ちフラグが非客待ち中に対応する値「0」でないか否かを判定し(S5008)、「0」でなければ(S5008でYES)、客待ちフラグを「0」にクリアして(S5009)、本処理を終える。
ここで本形態では、特殊Vロング大当たり又は小当たりに当選した場合の変動演出として、図57(A)及び図58(A)に示すように、中演出図柄8Cをチャンス図柄CZとする演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせを停止表示させる変動演出が実行される。これによりVチャンスというゲームが開始されることを遊技者に報知している。
[オープニング演出選択処理]図41に示すように、オープニング演出選択処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、Vチャンス演出の実行状況を示すVチャンスフラグの値を、演出なしを示す値「0」(図41の表参照)に設定する(S5101)。
ここで本形態では、小当たり遊技と特殊大当たり遊技の実行に伴ってVチャンス演出を行うこととしている。Vチャンス演出とは、疑似特定領域(疑似V領域)34を狙って遊技すべき旨を報知する演出である。具体的には、図57(B)および図58(B)に示すような演出画像を表示画面7aに表示する演出である。図57(B)および図58(B)に示す演出画像は、「VCHANCEを狙え!」の文字画像と、疑似特定領域34に遊技球が通過している様子を示す遊技説明画像とを含んでいる。「VCHANCE」は疑似特定領域34の呼称である。つまり、図57(B)および図58(B)に示す演出画像は、疑似特定領域34への遊技球の通過を狙うべき旨を報知する画像となっている。この疑似特定領域34への遊技球の通過を狙うゲームを、Vチャンスと呼ぶ。
Vチャンスフラグは、図41の表に示すように、「0」~「3」までの値をとる。Vチャンスフラグが「0」であれば、Vチャンス演出をしないことを示している。Vチャンスフラグが「1」であれば、特殊Vロング大当たりに当選してVチャンス演出を行うことを示している。Vチャンスフラグが「2」であれば、小当たりに当選してVチャンス演出を行うことを示している。Vチャンスフラグが「3」であれば、Vチャンス演出が終了したことを示している。
ステップS5101に続いて、演出制御用マイコン91は、疑似振分部材76の動作状況を示す可動片動作フラグに、疑似振分部材76が動作中でないことを示す値「0」を設定する(S5102)。なお本明細書中では、「可動片」は「疑似振分部材76」のことを指す。可動片動作フラグは、図41の表に示すように、「0」~「2」までの値をとる。可動片動作フラグが「0」であれば、疑似振分部材76は動作中でないことを示している。可動片動作フラグが「1」であれば、疑似振分部材76の動作を開始させることを示している。可動片動作フラグが「2」であれば、疑似振分部材76の動作中であることを示している。
続いて演出制御用マイコン91は、疑似特定領域34の通過の成否の判定タイミングを管理する可動片動作タイマをゼロクリアするとともに(S5103)、Vチャンス演出を含む一連の演出の演出実行時間を管理するVチャンス演出タイマをゼロクリアする(S5104)。
次いで演出制御用マイコン91は、実行中の特別遊技が高確率状態又は時短状態での当選に基づくものか否かを判定する(S5105)。この遊技状態に関する情報は、遊技状態ステータスを参照することで取得する。なお、変動開始コマンドの受信によって得た遊技状態情報を参照することで取得してもよいし、オープニングコマンドに含まれるようにしてもよい。
ステップS5105でNOであれば、以下に説明するステップS5106~S5119に示す処理を行う。すなわち、オープニングコマンド(図8参照)に基づいて、当選した当たりが「Vショート大当たり」であると判定した場合には(S5106でYES)、主人公キャラが敵キャラに敗北する1stバトル演出の演出データをRAM94の所定の記憶領域にセットする(S5107)。そして、初当たりとしての通常のオープニング演出(初回通常オープニング演出)を行うための初回通常オープニング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5108)。
また、オープニングコマンドに基づいて、当選した当たりが「通常Vロング大当たり」であると判定した場合には(S5106でNO、S5109でYES)、主人公キャラが敵キャラに勝利する1stバトル演出の演出データをRAM94の所定の記憶領域にセットする(S5110)。そして、初回通常オープニング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5111)。
また、オープニングコマンドに基づいて、当選した当たりが「特殊Vロング大当たり」であると判定した場合には(S5106及びS5109でNO、S5112でYES)、特殊Vロング大当たり当選時のVチャンス演出の演出データをRAM94の所定の記憶領域にセットする(S5113)。そして、そのVチャンス演出(図57(B)参照)を開始するためのVチャンス演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5114)。その後、Vチャンスフラグに、特殊Vロング大当たりに当選してVチャンス演出を行うことを示す値「1」(図41の表参照)を設定する(S5115)。
ステップS5112で特殊Vロング大当たりでなければ(S5112でNO)、当選した当たりは「小当たり」である。この場合、演出制御用マイコン91は、小当たり当選時のVチャンス演出の演出データをRAM94の所定の記憶領域にセットする(S5117)。そして、そのVチャンス演出(図58(B)参照)を開始するためのVチャンス演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5118)。その後、Vチャンスフラグに、小当たりに当選してVチャンス演出を行うことを示す値「2」(図41の表参照)を設定する(S5119)。
本オープニング演出選択処理のステップS5105でYESであれば、図42に示すステップS5130~S5143に示す処理を行う。すなわち、オープニングコマンドに基づいて、当選した当たりが「Vショート大当たり」であると判定した場合(S5130でYES)又は「通常Vロング大当たり」であると判定した場合(S5130でNO、S5133でYES)には、所定の楽曲演出(特別遊技中に再生する楽曲を遊技者により選択可能とした演出)の演出データをRAM94の所定の記憶領域にセットする(S5131又はS5134)。そして、初当たりではない通常のオープニング演出(継続通常オープニング演出)を行うための継続通常オープニング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5132又はS5135)。
また、オープニングコマンドに基づいて、当選した当たりが「Vショート大当たり」でもなく「通常Vロング大当たり」でもないと判定した場合には(S5130でNO且つS5133でNO)、上述した図41のステップS5112~S5119と同様の処理(S5136~S5143)を行う。ステップS5136~S5143については説明を省略する。
[ラウンド演出選択処理]図43に示すように、ラウンド演出選択処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン91は、実行中の特別遊技が高確率状態又は時短状態での当選に基づくものか否かを判定する(S5201)。この遊技状態に関する情報は、遊技状態ステータスを参照することで取得する。なお、変動開始コマンドの受信によって得た遊技状態情報を参照することで取得してもよいし、ラウンド指定コマンドに含まれるようにしてもよい。
ステップS5201でNOであれば、以下に説明するステップS5202~S5208に示す処理を行う。すなわち、ラウンド指定コマンド(図8参照)に基づいて、当選した当たりが「Vショート大当たり」であると判定した場合には(S5202でYES)、主人公キャラが敵キャラに敗北する1stバトル演出を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5203)。そして、演出図柄表示処理(S5204)を行う。演出図柄表示処理(S5204)は、1R目のラウンド遊技の開始とともに、表示画面7aの右上部に、図柄確定時の演出図柄を1つ表示させる処理である。つまり、大当たり遊技前の変動演出において確定的に停止表示されたゾロ目の演出図柄8L,8C,8Rと同じ演出図柄が表示画面7aの右上部に表示される(図56(A)(B)参照)。なお、この演出図柄の表示は全てのラウンドが終了するまで継続される。
また、ラウンド指定コマンドに基づいて、当選した当たりが「通常Vロング大当たり」であると判定した場合には(S5202でNO,S5205でYES)、主人公キャラが敵キャラに勝利する1stバトル演出を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットし(S5206)、演出図柄表示処理(S5207)を行う。演出図柄表示処理(S5207)は、ステップS5204の処理と同様である。
また、ラウンド指定コマンドに基づいて、当選した当たりが「Vショート大当たり」でもなく「通常Vロング大当たり」でもないと判定した場合には(S5202でNO且つS5205でNO)、「特殊Vロング大当たり」又は「小当たり」に当選しているため、後述するVチャンス設定処理(S5208)を行う。
一方、ステップS5201でYESであれば、以下に説明するステップS5210~S5216に示す処理を行う。すなわち、ラウンド指定コマンドに基づいて、当選した当たりが「Vショート大当たり」であると判定した場合(S5210でYES)又は「通常Vロング大当たり」であると判定した場合(S5210でNO、S5213でYES)には、所定の楽曲演出を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットし(S5211又はS5214)、演出図柄表示処理(S5212又はS5215)を行う。演出図柄表示処理(S5212,S5215)は、ステップS5204の処理と同様である。
また、ラウンド指定コマンドに基づいて、当選した当たりが「Vショート大当たり」でもなく「通常Vロング大当たり」でもないと判定した場合には(S5210でNO且つS5213でNO)、「特殊Vロング大当たり」又は「小当たり」に当選しているため、後述するVチャンス設定処理(S5216)を行う。
[Vチャンス設定処理]図44に示すように、Vチャンス設定処理(S5208及びS5216)ではまず、演出制御用マイコン91は、Vチャンスフラグの値がVチャンス演出が終了したことを示す値「3」(図41の表参照)であるか否かを判定する。判定結果がYESであれば、特殊大当たり遊技における2R目以降であるので、所定の楽曲演出を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5302)。
一方、Vチャンスフラグの値が「3」でなければ(S5301でNO)、以下に説明するステップS5303~S5309の処理を行う。すなわち、Vチャンスフラグの値が、特殊Vロング大当たりに当選してVチャンス演出を行うことを示す値「1」である場合には(S5303でYES)、疑似振分部材76の作動パターンとして可動片パターン1(第1作動パターン)を設定して(S5304)、ステップS5308に進む。
可動片パターン1は、図45の疑似振分部材作動TBL1に示す作動パターンである。具体的な疑似振分部材76の作動態様としては、第1大入賞口30の開放開始からまず200msにわたって、疑似特定領域34への通過を妨げる第2状態(図4(B)参照)に制御され、次いで200msにわたって、疑似特定領域34への通過を許容する第1状態(図4(A)参照)に制御される。その後600msにわたって第2状態に制御され、次いで1600msにわたって第1状態に制御される。その後は第2状態に制御され続ける。
第1大入賞口30の開放タイミングとの関係は、図54(a),(b)に示す通りである。図54に示すように、疑似振分部材76の初回の200msにわたる第1状態への制御中に遊技球が疑似特定領域34を通過することはまずない。第1大入賞口30の開放開始と同時に第1大入賞口30に入賞した遊技球であっても、疑似特定領域34に到達するまでに1秒程度はかかるからである。遊技球が疑似特定領域34を通過するとすれば、疑似振分部材76の2回目の1600msにわたる第1状態への制御中である。
図44に戻り、Vチャンスフラグの値が、小当たりに当選してVチャンス演出を行うことを示す値「2」である場合には(S5303でNO、S5305でYES)、疑似振分部材76の作動パターンとして可動片パターン2(第2作動パターン)を設定して(S5306)、ステップS5308に進む。可動片パターン2は、図45の疑似振分部材作動TBL2に示す作動パターンである。具体的な疑似振分部材76の作動態様としては、第1大入賞口30の開放開始からまず200msにわたって第2状態(図4(B)参照)に制御され、次いで200msにわたって第1状態(図4(A)参照)に制御される。その後は第2状態に制御され続ける。可動片パターン1との違いとしては、1600msにわたる第1状態への制御が無いことである。
第1大入賞口30の開放タイミングとの関係は、図55(a),(b)に示す通りである。図55に示すように、この可動片パターン2における200msにわたる第1状態への制御中に遊技球が疑似特定領域34を通過することはまずない。上記した通り、第1大入賞口30の開放開始と同時に第1大入賞口30に入賞した遊技球であっても、疑似特定領域34に到達するまでに1秒程度はかかるからである。
なお、可動片パターン1が疑似特定領域34に通過可能な疑似振分部材76の作動パターンであり、可動片パターン2が疑似特定領域34に通過不可能又は困難な疑似振分部材76の作動パターンであれば、例えば両可動片パターンにおける始めの200msにわたる第2状態への制御をなくすなど、疑似振分部材76の作動タイミングを適宜変更してもよい。
図44に戻り、ステップS5308では可動片動作フラグに、疑似振分部材76の動作を開始させることを示す値「1」(図41の表参照)を設定する(S5308)。そして、Vチャンス演出タイマの値を設定して(S5309)、本処理を終える。具体的には、小当たり遊技における第1大入賞口30の開放時間(1600ms)とエンディング時間(5500ms、図55参照)の合計時間である7100msを、Vチャンス演出タイマにセットする。
[エンディング演出選択処理]図46に示すように、エンディング演出選択処理(S4410)ではまず、演出制御用マイコン91は、エンディングコマンドを解析して(S5501)、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する(S5502)。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5503)。
続いて演出制御用マイコン91は、今回当選した大当たりが特殊Vロング大当たりであるか否かを、エンディングコマンド(図8参照)の解析結果に基づいて判定する(S5504)。特殊Vロング大当たりでなければ本処理を終えるが、特殊Vロング大当たりであれば、第1演出図柄変更コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5505)、本処理を終える。
ステップS5503でセットされたエンディング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、エンディング演出開始コマンドが指定する内容のエンディング演出を、画像表示装置7の表示画面7aにて行う。エンディング演出の後(特別遊技の終了後)は、新たな特別図柄の変動表示(特図変動)が実行されるか、客待ち演出が実行されるまで、演出図柄8L,8C,8Rを停止表示させる。このとき表示される演出図柄8L,8C,8Rは、原則、図柄確定時と同じである(図56(C)(D)、図58(D)参照)。例えば小当たり遊技の終了後に新たな特図変動が実行されなければ、チャンス図柄CZを含むVチャンス目が停止表示される、つまり、図58(D)に示す図柄停止画像T1が表示される。
これに対して、特殊Vロング大当たりの大当たり遊技が終了した場合、すなわち、ステップS5505が実行された場合は、大当たり遊技の前後で表示される演出図柄8L,8C,8Rが変わる。具体的には、ステップS5505でセットされた第1演出図柄変更コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、エンディング演出の終了後に(大当たり遊技のエンディングの終了後に)に、数字図柄のゾロ目で演出図柄8L,8C,8Rを表示する。より詳細には、図柄確定時の左演出図柄8Lが3つ揃った状態のゾロ目で演出図柄8L,8C,8Rを表示する。すなわち、図柄確定時の停止出目であるチャンス図柄CZを含む出目(図57(A)参照)を表示せず、数字図柄のゾロ目(例えば「1・1・1」)を表示させる(図57(G)(H)参照)。これにより、特別遊技後の演出図柄8L,8C,8Rの観点において、小当たり遊技の終了時と区別されることとなり、Vチャンス演出を経て実行された特別遊技が大当たり遊技であったこと、すなわち大当たりに当選していたということを、改めて遊技者に示すことが可能となっている。
[可動片制御処理]図38に示すように演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S4301)に次いで可動片制御処理(S4302)を行う。可動片制御処理(S4302)では図47に示すように、演出制御用マイコン91はまず、Vチャンス演出タイマが「0」であるか否かを判定する(S6001)。「0」であれば(S6001でYES)、処理を終える。一方、「0」でなければ(S6001でNO)、Vチャンス演出タイマを減算するとともに(S6002)、可動片動作フラグの値が、疑似振分部材76の動作中でないことを示す値「0」(図41の表参照)であるか否かを判定する(S6003)。なお、Vチャンス演出タイマが「0」でなければ、特殊大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中である。
ステップS6003において可動片動作フラグが「0」でなければ(S6003でNO)、続いて、可動片動作フラグが、疑似振分部材76の動作を開始させることを示す値「1」(図41の表参照)であるか否かを判定する(S6004)。この判定結果がYESであれば、疑似振分部材76を、上述のステップS5304又はS5306で設定した可動片パターン(可動片パターン1又は可動片パターン2)で作動させるための開放設定を行う(S6005)。なお、このステップS6005における開放設定に従った疑似振分部材76の作動は、上述した1msタイマ割り込み処理(図37)の駆動制御処理(S4203)においてなされる。続いて演出制御用マイコン91は、可動片動作タイマの値を設定する(S6006)。具体的には、特殊大当たり遊技又は小当たり遊技における第1大入賞口30の開放開始から疑似特定領域34への通過の成否を判定するまでの時間3100ms(1600ms+1500ms(図54及び図55参照))を、可動片動作タイマにセットする。
次いで演出制御用マイコン91は、可動片動作フラグに、疑似振分部材76の動作中であることを示す値「2」(図41の表参照)を設定する(S6007)。そして、疑似特定領域34への遊技球の通過があったことを示すための疑似V領域入賞フラグをクリアして(S6008)、本処理を終える。
上述したステップS6007で可動片動作フラグに「2」が設定されると、この可動片制御処理(図47)におけるステップS6004の判定結果はNOとなり、続くステップS6009の判定結果はYESとなる。この場合には、演出制御用マイコン91は、可動片動作タイマの値が「0」か否かを判定する(S6010)。そして、「0」でなければ(S6010でNO)後述する可動片動作中処理(S6011)を行い、「0」であれば(S6010でYES)後述する可動片停止処理(S6012)を行う。なお、可動片動作タイマの値が「0」であれば、可動片パターン1が設定されていても可動片パターン2が設定されていても、疑似振分部材76の第1状態(図4(A)参照)への制御は終了している(図54及び図55参照)。もちろん、第1大入賞口30も閉鎖されている。
また、本可動片制御処理(図47)のステップS6003で、可動片動作フラグが疑似振分部材76の動作中でないことを示す値「0」(図41の表参照)であれば(S6003でYES)、続いて、Vチャンスフラグが、特殊Vロング大当たりに当選してVチャンス演出を行うことを示す値「1」(図41の表参照)であるか否かを判定する(S6014)。この判定結果がNOであればそのまま本処理を終えるが、この判定結果がYESであれば、Vチャンスフラグに、Vチャンス演出が終了したことを示す値「3」(図41の表参照)を設定してから(S6015)本処理を終える。
ステップS6015でVチャンスフラグの値が「3」に設定されると、上述のVチャンス設定処理(図44)のステップS5301でYESとなり、楽曲演出を行うための演出開始コマンドがセットされることとなる(S5302)。つまり、特殊大当たり遊技の2R目以降では楽曲演出が実行されることとなる。
[可動片動作中処理]図48に示すように、可動片動作中処理(S6011)ではまず、演出制御用マイコン91は、可動片動作タイマを減算するとともに(S6101)、疑似V領域入賞フラグがONか否かを判定する(S6102)。疑似V領域入賞フラグがONであれば(S6102でYES)、すでに後述の可動片成功演出又は可動片失敗演出が実行されているため、本処理を終える。これに対して、疑似V領域入賞フラグがONでなければ(S6102でNO)、続いて、疑似特定領域センサ34aの検知信号に基づいて疑似特定領域34への遊技球の通過の有無を判定する(S6103)。疑似特定領域34への通過が無ければ(S6103でNO)、本処理を終える。これに対して、疑似特定領域34への通過があれば(S6103でYES)、疑似V領域入賞フラグをONする(S6104)。そして、可動片パターン1が設定されているか否かを判定する(S6105)。可動片パターン1が設定されていれば、特殊大当たり遊技の実行中であるため、可動片成功演出(当選報知演出)を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S6106)。
可動片成功演出とは、本パチンコ遊技機1のモチーフにおける主人公キャラクタの画像を表示画面7aに表示したあと、「V」の文字画像を表示画面7aに大きく表示する演出である(図57(C)(D)参照)。この演出により、遊技者は特殊大当たり遊技を行う大当たりに当選していたことを知ることとなる。つまり、この可動片成功演出は、大当たりへの当選を報知する当選報知演出と言える。さらに言えば、ここでの「V」の文字画像の表示は、大当たり当選報知としての意味をもつ。
なお本形態では、可動片成功演出に続いて、「BONUS」の文字画像を表示画面7aに表示する演出を実行する(図57(E)参照)。この演出は、特殊大当たり遊技における1R目の2回目の開放よりも前から実行される(図54(d)参照)。なお特殊大当たり遊技中は、これ以外の大当たり遊技中と異なり、表示画面7aの右上部に演出図柄は表示されない(図57(F)参照)。
図48に戻り、ステップS6105において可動片パターン1が設定されていなければ(S6105でNO)、つまり可動片パターン2が設定されていれば、小当たり遊技の実行中であるため、可動片失敗演出(非当選報知演出)を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S6107)。可動片失敗演出については後述する。
なお、可動片パターン2が設定されている場合には、疑似特定領域34への遊技球の通過はほぼ起こり得ない。そのため、このステップS6107の処理が行われることはほぼない。万が一、小当たり遊技中に疑似特定領域34への通過がなされてしまった場合に備えて、可動片失敗演出を実行できるようにしたものである。これによれば、大当たりに当選していないのに可動片成功演出が実行されて、遊技者に大当たりに当選しているとの誤解を与えてしまうのを防ぐことが可能となる。
[可動片停止処理]図49に示すように、可動片停止処理(S6012)ではまず、演出制御用マイコン91は、設定された可動片パターン(可動片パターン1又は可動片パターン2)での疑似振分部材76の作動を終了させるための閉鎖設定を行う(S6201)。次いで演出制御用マイコン91は、可動片動作フラグに、疑似振分部材76の動作中でないことを示す値「0」を設定する(S6202)。これにより、上述の可動片制御処理(図47)では、ステップS6003においてYESと判定され、ステップS6014及びS6015の処理が実行されるようになる。
その後、演出制御用マイコン91は、疑似V領域入賞フラグがONか否かを判定する(S6203)。ONであれば(S6203でYES)、既に可動片成功演出(S6106)又は可動片失敗演出(S6107)が行われているため、そのまま本処理を終える。これに対して、疑似V領域入賞フラグがONでなければ(S6203でNO)、続いて可動片パターン1が設定されているか否かを判定する(S6204)。そして、可動片パターン1が設定されていれば(S6204でYES)、特殊大当たり遊技の実行中であるため、可動片復活演出を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S6205)。
可動片復活演出とは、まず「失敗」の文字画像を表示画面7aに大きく表示した後、上記の可動片成功演出と同様、本パチンコ遊技機1のモチーフにおける主人公キャラクタの画像を表示画面7aに表示し、次いで「V」の文字画像を表示画面7aに大きく表示する演出である(図54(c)参照)。この演出により、一旦は遊技者に大当たりに当選していないと思わせた後、実は、特殊大当たり遊技を行う大当たりに当選していたことを報知している。
つまり、この可動片復活演出は、大当たりへの非当選を報知する非当選報知演出(「失敗」の文字画像の表示)を経て、大当たりへの当選を報知する当選報知演出(主人公キャラクタの画像の表示や「V」の文字画像の表示)を行う演出である。なお、可動片復活演出は、非当選報知演出を経ないで当選報知演出を行うものでもよい。
なお、本形態において可動片復活演出を行うようにしているのは、第1大入賞口30の開放が1.6秒と短いため、遊技球の打込を行っていても第1大入賞口30に1球も入賞しないことが考えられるからである。可動片復活演出が実行された場合も、この演出に続いて、「BONUS」の文字画像を表示画面7aに表示する演出が実行される(図54(c)参照)。
図49に戻り、ステップS6204において可動片パターン1が設定されていなければ(S6204でNO)、つまり可動片パターン2が設定されていれば、小当たり遊技の実行中であるため、可動片失敗演出を行うための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S6206)。
可動片失敗演出とは、「失敗」の文字画像を表示画面7aに大きく表示する演出である(図55(c)、図58(C)参照)。この演出により、遊技者は小当たり遊技が実行されているのであり大当たりには当選していないことを知ることとなる。つまり、この可動片失敗演出は、大当たりへの非当選を報知する非当選報知演出と言える。なお、上述の可動片成功演出、可動片失敗演出、及び可動片復活演出としてどのような画像を表示するかは適宜変更可能である。
[客待ち演出処理]図38に示すように演出制御用マイコン91は、可動片制御処理(S4302)に次いで客待ち演出処理(S4303)を行う。図50及び図51に示すように、客待ち演出処理(S4303)ではまず、演出制御用マイコン91は、客待ちタイマの値が「0」より大きいか否かを判定する(S7001でYES)。客待ちタイマの値が「0」より大きくなければ(S7001でNO)、本処理を終えるが、客待ちタイマの値が「0」より大きければ(S7001でYES)、客待ちタイマの値を減算して(S7002)、客待ちタイマの値が「0」であるか否かを判定する(S7003)。「0」でなければ(S7003でNO)、客待ち演出の画像を切替えるタイミングではないため、本処理を終える。一方、「0」であれば(S7003でYES)、客待ちフラグの値が「1」であるか否かを判定する(S7004)。
ステップS7004において客待ちフラグの値が「1」であると判定された場合、図柄停止画像T1から選択待機画像T2への切替タイミングであるため、選択待機画像T2を表示させるための選択待機画像表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S7005)。ここでセットされた選択待機画像表示コマンドを受信した画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aに図58(E)に示す選択待機画像T2を表示させる。
選択待機画像T2は、セレクトボタン64の上下の操作で携帯端末連係機能に切り替わり、セレクトボタン64の左右の操作で音量調整画面(音量調整画像T6を表示している表示画面7a)に切り替わることを示す画像である。選択待機画像T2は、停止表示されている演出図柄8L,8C,8Rの前に重ねて表示される。つまり、図柄停止画像T1(図56(D)参照)に重ねて表示される。よって、選択待機画像T2が表示されている表示画面7a(選択待機画面)では、遊技者からは演出図柄8L,8C,8Rが一部欠けた状態で見えていることとなる(図56(E)参照)。
ステップS7005に続いて、演出制御用マイコン91は、選択待機画像T2の表示時間である第2待機時間(本形態では30秒)を、客待ちタイマにセットする(S7006)。そして客待ちフラグの値を、選択待機画像T2に応じた値「2」にセットして(S7007)、本処理を終える。
ステップS7004の判定結果がNOである場合、続いて、客待ちフラグの値が「2」であるか否かを判定する(S7008)。この判定結果がYESであれば、選択待機画像T2からホールコード対応画像T3への切替タイミングであるため、ホールコード対応画像T3を表示させるためのホールコード対応画像表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S7009)。ここでセットされたホールコード対応画像表示コマンドを受信した画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aに図58(F)に示すホールコード対応画像T3を表示させる。
ホールコード対応画像T3は、主人公キャラクタの画像と、パチンコ遊技機1が設置されているホールの名前と遊技者への挨拶文の画像とを含んでいる。ホールコード対応画像T3は、表示画面7aの全域で演出図柄8L,8C,8Rよりも手前に表示される。よって、ホールコード対応画像T3を表示している表示画面7a(ホールコード対応画面)では、演出図柄8L,8C,8Rは非表示となる。
ステップS7009に続いて、演出制御用マイコン91は、ホールコード対応画像T3の表示時間である第3待機時間(本形態では30秒)を、客待ちタイマにセットする(S7010)。そして客待ちフラグの値を、ホールコード対応画像T3に応じた値「3」にセットして(S7011)、本処理を終える。
ステップS7008の判定結果がNOである場合、続いて、客待ちフラグの値が「3」であるか否かを判定する(S7012)。この判定結果がYESであれば、ホールコード対応画像T3から新規登録画像T4への切替タイミングであるため、新規登録画像T4を表示させるための新規登録画像表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S7013)。ここでセットされた新規登録画像表示コマンドを受信した画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aに図58(G)に示す新規登録画像T4を表示させる。
新規登録画像T4は、携帯端末連係機能を利用するための新規登録の方法を説明する画像である。新規登録画像T4は、表示画面7aの全域で演出図柄8L,8C,8Rよりも手前に表示される。よって、新規登録画像T4を表示している表示画面7a(新規登録画面)では、演出図柄8L,8C,8Rは非表示となる。
ステップS7013に続いて、演出制御用マイコン91は、新規登録画像T4の表示時間である第4待機時間(本形態では30秒)を、客待ちタイマにセットする(S7014)。そして客待ちフラグの値を、新規登録画像T4に応じた値「4」にセットして(S7015)、本処理を終える。
ステップS7012の判定結果がNOである場合、図51に示すように、客待ちフラグの値が「4」であるか否かを判定する(S7020)。この判定結果がYESであれば、新規登録画像T4からデモ画像T5への切替タイミングであるため、デモ画像T5を表示させるためのデモ画像表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S7021)。ここでセットされたデモ画像表示コマンドを受信した画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aに図58(H)に示すデモ画像T5を表示させる。
デモ画像T5は、主人公キャラクタと敵キャラクタとが戦っているシーンの画像である。デモ画像T5は、表示画面7aの全域で演出図柄8L,8C,8Rよりも手前に表示される。よって、デモ画像T5を表示している表示画面7a(デモ画面)では、演出図柄8L,8C,8Rは非表示となる。
ステップS7021に続いて、演出制御用マイコン91は、デモ画像T5の表示時間である第5待機時間(本形態では30秒)を、客待ちタイマにセットする(S7022)。そして客待ちフラグの値を、新規登録画像T4に応じた値「5」にセットして(S7023)、本処理を終える。
ステップS7020の判定結果がNOである場合、続いて、客待ちフラグの値が「5」であるか否かを判定する(S7024)。この判定結果がYESであれば、デモ画像T5から選択待機画像T2への切替タイミングであるため、選択待機画像T2を表示させるための選択待機画像表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S7025)。そして、選択待機画像T2の表示時間である第2待機時間(本形態では30秒)を、客待ちタイマにセットするとともに(S7026)、客待ちフラグの値を、選択待機画像T2に応じた値「2」にセットする(S7027)。
続いて演出制御用マイコン91は、現在の演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(各種の客待ち演出用の画像の後ろで内部的に表示されている演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ)が、チャンス図柄CZを含む組み合わせであるか否かを判定する(S7028)。この判定結果がNOであれば本処理を終えるが、YESであれば、第2演出図柄変更コマンドをセットして(S7029)、本処理を終える。なお、現在の演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせを示すデータは、演出制御用マイコン91がRAM94に保持している(変動演出開始時の演出図柄の選択の際にRAM94に格納している)ものとする。
ステップS7025でセットされた選択待機画像表示コマンドを受信した画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aに図58(I)に示す選択待機画像T2を表示させる。また、選択待機画像表示コマンドとともに、ステップS7029でセットされた第2演出図柄変更コマンドを受信した画像制御基板100のCPU102は、選択待機画像T2の後ろに、チャンス図柄CZを含まない組み合わせ(ハズレ目)で演出図柄8L,8C,8Rを表示する。
このように本形態では、客待ち演出が一度最後まで実行されると(これを客待ち演出が1周するという)、チャンス図柄CZを含む演出図柄8L,8C,8R(例えば「1・チャンス図柄・3」、図58(E)参照)が、チャンス図柄CZを含まない演出図柄8L,8C,8R(例えば「1・6・3」、図58(I)参照)に変更される。よって、小当たり遊技後に次の特別図柄の変動表示が実行されることなく、遊技者が遊技を止めてしまった場合に、いつまでもチャンス図柄CZが表示されるということはない。よって、遊技台を探しているホール来店者に対して、チャンス中であるかのような誤解を与えるなどの恐れのない遊技機となっている。
ステップS7024の判定結果がNOである場合、客待ちフラグの値は「6」であり、後述する音量調整画像T6(図59(B)参照)から選択待機画像T2への切替タイミングである。そのため、選択待機画像T2を表示させるための選択待機画像表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S7030)。そして、選択待機画像T2の表示時間である第2待機時間(本形態では30秒)を、客待ちタイマにセットするとともに(S7031)、客待ちフラグの値を、選択待機画像T2に応じた値「2」にセットして(S7032)、本処理を終える。ステップS7030でセットされた選択待機画像表示コマンドを受信した画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aを選択待機画面に戻す(図59(B)(C)参照)。
[スイッチ処理]図38に示すように演出制御用マイコン91は、客待ち演出処理(S4303)の後、スイッチ状態取得処理を行って(S4304)、スイッチ処理(S4305)を行う。図52に示すように、スイッチ処理(S4305)ではまず、演出制御用マイコン91は、選択待機画像T2の表示中であるか否か、すなわち客待ちフラグの値が「2」であるか否かを判定する(S7101)。選択待機画像T2の表示中でなければ(S7101でNO)、その他の処理(S7106)に進む。
一方、選択待機画像T2の表示中であれば(S7101でYES)、次にセレクトボタン64の右ボタン、又は、セレクトボタン64の左ボタンが押されたか否か、即ちセレクトボタン検出スイッチ64aの右方向検出スイッチ、又は、セレクトボタン検出スイッチ64aの左方向検出スイッチがONされたか否かを判定する(S7102)。セレクトボタン64の右ボタン又は左ボタンが押されていなければ、その他の処理(S7106)に進む。
一方、押されていれば(S7102でYES)、選択待機画像T2から音量調整画像T6に切り替えるための音量調整画像表示コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S7103)。そして、音量調整画像T6の表示時間である第6待機時間(本形態では8秒)を、客待ちタイマにセットするとともに(S7104)、客待ちフラグの値を、音量調整画像T6に応じた値「6」にセットする(S7105)。ステップS7105でセットされた音量調整画像表示コマンドを受信した画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aに図59(B)に示す音量調整画像T6を表示させる。
音量調整画像T6は、設定音量を示す数字と音符の画像を含んでいる。音量調整画像T6は、表示画面7aの全域で演出図柄8L,8C,8Rよりも手前に表示される。よって、音量調整画像T6を表示している表示画面7a(音量調整画面)では、演出図柄8L,8C,8Rは非表示となる。
その他の処理(S7106)では、演出ボタン63やセレクトボタン64の操作に基づく処理のうち、選択待機画像T2から音量調整画像T6に切り替える処理以外の処理を行う。
[設定音量変更処理]図38に示すように演出制御用マイコン91は、スイッチ処理(S4305)に次いで設定音量変更処理(S4306)を行う。図53に示すように、設定音量変更処理(S4306)ではまず、演出制御用マイコン91は、音量調整画像T6の表示中であるか否か、即ち客待ちフラグの値が「6」であるか否かを判定する。判定結果がNOであれば本処理を終える。一方、判定結果がYESであれば、続いて、セレクトボタン検出スイッチ64aの右方向検出スイッチがONされたか否か、すなわち、セレクトボタン64の右ボタンが押下操作されたか否かを判定する(S7202)。
ONされていなければ(S7202でNO)、ステップS7206に進む。一方、ONされていれば(S7202でYES)、現時点で設定されている設定音量を「1」だけ増加させる(S7203)。またステップS7203では、設定音量に対応する音声データがセットされる。これにより、設定音量の大きさに対応したボリュームの効果音がスピーカ67から出力されて、遊技者に設定音量が増加したことを聴覚により把握させることが可能である。なお設定音量(音量レベル)は、最小である「0」(無音)から最大である「9」までの範囲の中から設定されるようになっている。従って現時点での設定音量が「9」であれば、更に設定音量が増加することはない。
ステップS7203の後、設定音量増加表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットするとともに(S7204)、客待ちタイマに第6待機時間(本形態では8秒)を再びセットして(S7205)、ステップS7206に進む。設定音量増加表示コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、増加された設定音量の数字を示すと共に設定音量が大きいほど大きくなる音符を示す画像を表示する(図59(B)参照)。これにより、遊技者に設定音量が増加したこと視覚により把握させることが可能である。
ステップS7206では、セレクトボタン検出スイッチ64aの左方向検出スイッチがONされたか否か、すなわち、セレクトボタン64の左ボタンが押下操作されたか否かを判定する。ONされていなければ(S7206でNO)、本処理を終える。一方、ONされていれば(S7206でYES)、現時点で設定されている設定音量を「1」だけ減少させる(S7207)。またステップS7207では、設定音量に対応する音声データがセットされる。これにより、設定音量の大きさに対応したボリュームの効果音がスピーカ67から出力されて、遊技者に設定音量が減少したことを聴覚により把握させることが可能である。なお現時点での設定音量が「0」であれば、更に設定音量が減少することはない。
ステップS7207の後、設定音量減少表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットするとともに(S7208)、客待ちタイマに第6待機時間(本形態では8秒)を再びセットして(S7209)、本処理を終える。設定音量減少表示コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、減少された設定音量の数字を示すと共に設定音量が小さいほど小さくなる音符を示す画像を表示する。これにより、遊技者に設定音量が減少したこと視覚により把握させることが可能である。
なお音量調整画像T6の表示中(客待ちフラグの値が「6」であるとき)に、客待ちタイマが「0」になると、選択待機画像T2が再び表示される(ステップS7030参照)。ここで、チャンス図柄CZを含む演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせが選択待機画像T2の後ろに表示されている状態(図59(A)参照)から、音量調整画像T6が表示され(図59(B)参照)、選択待機画像T2に戻った場合には(図59(C)参照)、選択待機画像T2の後ろに再びチャンス図柄CZを含む演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせが表示される。つまり、音量調整画像T6の表示の前後で演出図柄8L,8C,8Rは変わらない。このようにしているのは次の理由による。すなわち、図59に示す表示制御がなされるケースとしては、小当たりに当選した遊技者が小当たり遊技の直後に音量を変更したケースが考えられる。このようなケースにおいてまで、演出図柄8L,8C,8Rを変更する必要はないからである。
7.特徴的な演出制御
[特殊Vロング大当たり以外の大当たり当選時]本形態では、特殊Vロング大当たり以外の大当たり当選時には、変動演出としてSPリーチの演出あるいはノーマルリーチの演出が実行され、図10に示すように、最終的に演出図柄8L,8C,8Rが数字図柄のゾロ目で停止表示される。そして、大当たり遊技中は、表示画面7aの右上部に、確定停止時の演出図柄が1つ表示される(図56(B)参照)。大当たり遊技の終了直後の演出図柄8L,8C,8Rは、大当たり遊技の開始前の演出図柄8L,8C,8R(確定停止時の演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ)と同じものが表示される(図56(A)(C)参照)。
[特殊Vロング大当たり当選時]また本形態では、図10に示すように、特殊Vロング大当たり当選時には、変動演出において最終的に演出図柄8L,8C,8Rが、中演出図柄8Cをチャンス図柄CZとする出目(Vチャンス目)で停止表示される。そして、Vチャンス演出が実行される(図57(B)参照)。大当たり遊技中に、表示画面7aに演出図柄は表示されない(図57(F)参照)。大当たり遊技の終了直後の演出図柄8L,8C,8Rは、Vチャンス目ではなく、数字図柄のゾロ目(確定停止時の左演出図柄8Lと同じ数字図柄のゾロ目)が表示される(図56(G)参照)。これにより、大当たり遊技が行われたこと(大当たりに当選したこと)を遊技者にわかり易く示している。
[小当たり当選時]また本形態では、図10に示すように、小当たり当選時には、特殊Vロング大当たりと同様、変動演出において最終的に演出図柄8L,8C,8Rが、中演出図柄8Cをチャンス図柄CZとする出目(Vチャンス目)で停止表示される。そして、Vチャンス演出が実行される(図58(B)参照)。小当たり遊技中に、表示画面7aに演出図柄は表示されない。小当たり遊技の終了直後の演出図柄8L,8C,8Rは、Vチャンス目のままである(図58(D)参照)。但し、Vチャンス目が停止表示されている状態から、客待ち演出が1周すると、演出図柄8L,8C,8Rはハズレ目に変更表示される(図58(I)参照)。つまり、いつまでもVチャンス目が表示され続けることのないようにしている。これにより、ホール来店者にチャンスであるとの誤解を与えることのないようにしている。
8.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1では、特殊Vロング大当たり以外の大当たりに基づく大当たり遊技が終了したときに表示される演出図柄8L,8C,8Rは、図柄確定時と同様、数字図柄のゾロ目(大当たり停止態様)のままである(図56(C)参照)。また、特殊Vロング大当たりのように、変動演出において演出図柄8L,8C,8Rが数字図柄のゾロ目で停止表示されない場合であっても、大当たり遊技が終了したときに表示される演出図柄8L,8C,8Rは数字図柄のゾロ目となる(図57(G)参照)。したがって、大当たりに当選したという遊技の実態に即した演出内容にすることが可能となっている。その結果、遊技者に遊技内容を正しく認識させることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、特殊Vロング大当たりや小当たりに当選した場合、1600msの第1大入賞口30の開放が行われている間は、特殊Vロング大当たりに基づく大当たり遊技なのか、小当たりに基づく大当たり遊技なのか区別ができないため(図54及び図55参照)、この間は大当たり当選に期待させることができ、遊技興趣を向上可能となっている。そして、小当たり遊技のように、1600msの開放しか行われない場合には、その小当たり遊技が終了したときに表示される演出図柄8L,8C,8Rは、チャンス図柄CZを含むVチャンス目(特殊停止態様)のままとなる(図58(D)参照)。そのため、大当たりに当選していなかったという遊技結果を遊技者に正しく認識させることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、特殊Vロング大当たりに基づく大当たり遊技において、1600msの第1大入賞口30の開放中に第1大入賞口30内の疑似特定領域34に遊技球を通過させることで、大当たり当選が報知される(図54、図57(C)(D)参照)。そのため、1種2種混合機でなくても1種2種混合機における大当たりのように感じさせることが可能となり、遊技興趣を向上可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、疑似特定領域センサ34aや疑似振分部材ソレノイド78がサブ制御部99に接続されている。そのため、疑似振分部材76の作動制御や、疑似特定領域センサ34aによる遊技球の検知に基づく可動片成功演出(図57(C)(D)参照)を、サブ制御部99が、主制御基板80の動作に制限されることなく自由に行うことが可能となっている。そのため、演出の設計の自由度を高めることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、演出図柄8L,8C,8RがVチャンス目(特定の組み合わせ)で表示されている状態から客待ち演出が実行されると、再度表示される演出図柄8L,8C,8RがVチャンス目ではないかたち(ハズレ目)に変更され得る(図58(D)~(I)参照)。したがって、小当たり遊技後に次の特別図柄の変動が実行されずに遊技が終了された場合でも、次の遊技者や遊技する台を探しているホール来店者を惑わせ難くすることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、Vチャンス目がチャンス図柄CZを含むものであるため、Vチャンス目で演出図柄8L,8C,8Rが停止表示されたまま空き台になってしまうと、次の遊技者や遊技する台を探しているホール来店者に誤解を生じさせ易いところ、客待ち演出が1周すればVチャンス目からバラケ目に変更されるため、このような不都合の発生を防止することが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、Vチャンス目で演出図柄8L,8C,8Rが停止表示されてから、最長27900msの第1大入賞口30の開放が行われるまでの間は、特殊Vロング大当たりに当選したのか、小当たりに当選したのか区別ができない。そのため、この間は、大当たりに当選していることに期待させることができ、遊技興趣を向上可能となっている。そして、遊技者の期待に反して小当たりであった場合には、小当たり遊技が終了したときに表示される演出図柄8L,8C,8RはVチャンス目のままとなる。そのため、このまま遊技を終了されると、Vチャンス目を見たホール来店者が第1当たりに当選していると勘違いしてしまう恐れがある。しかし本形態では、客待ち演出の画像の表示に基づき演出図柄8L,8C,8RがVチャンス目ではないかたちに変更されるため、このような恐れを低減することが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、通常遊技状態においても普通図柄抽選にて長開放図柄に当選すれば、電チュー22への入賞が容易に可能となる。よって、電チュー22への入賞に基づいて、特殊Vロング大当たりや小当たりに当選することがある。すなわち、通常遊技状態であってもVチャンス演出が発生する。よって、通常遊技状態における興趣を向上可能である。また、このように通常遊技状態において小当たりに当選することがあるため、小当たり変動(小当りに当選した特別図柄の変動表示)を最後に持ち球がなくなることが起こり得る。よって、チャンス図柄CZが表示されているまま空き台となるリスクがある。よって、客待ち演出の実行によってVチャンス目がバラケ目に変更されることで、次の遊技者等がVチャンス目を見てチャンス中のように誤解するのを防止することが可能となっている。
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態では、特定の組み合わせには、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが異なる非リーチの形で中演出図柄8Cにチャンス図柄CZを表示する組み合わせを、Vチャンス目としたが、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じとなるリーチの形でチャンス図柄CZを表示する組み合わせがVチャンス目(演出図柄8L,8C,8Rの特定の組み合わせ)としてあってもよい。
また上記形態では、特殊Vロング大当たりや小当たりに当選した場合、チャンス図柄CZを含む出目を最終的に停止表示させるようにしたが、数字図柄のみからなる特定の出目(例えば「1・2・3」や「1・1・2」等の演出図柄8L,8C,8Rの特定の組み合わせ)をVチャンス目として最終的に停止表示してもよい。
また上記形態では、特殊Vロング大当たり以外の大当たりに当選した場合には、大当たり停止態様として、数字図柄のゾロ目で演出図柄8L,8C,8Rを停止表示するようにしたが、大当たりに当選したことを遊技者が認識することができれば、数字図柄のゾロ目以外の組み合わせを大当たり停止態様としてもよい。
また上記形態において、振分部材71の作動制御を、第2大入賞口35への入賞個数に基づいて行うようにしてもよい。具体的には例えば、Vロング大当たりにおける14Rや16Rでは、1球入賞時に100msにわたって通過許容状態に制御し、3球入賞時に最大29000msにわたって通過許容状態に制御する構成としてもよい。このように構成すれば、2回目の通過許容状態のときに遊技球が特定領域39を通過することが可能となる。なおこの場合、Vショート大当たりにおける14Rや16Rでは、1球入賞時に100msにわたって通過許容状態に制御するが、それ以上の入賞があっても振分部材71を通過許容状態にしない構成とするとよい。
また上記形態では、所謂V確機(特定領域39への通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)としたが、図柄確変機(当選した大当たり図柄の種類に応じて高確率状態に移行するか否かが確定する遊技機)としてもよい。また、所謂ST機(確変の回数切りの遊技機)として構成したが、所謂確変ループ機として構成してもよい。
また上記形態では、高確率状態が潜伏することのない遊技機としたが、高確率状態が潜伏することがある遊技機としてもよい。具体的には、当たりの種類として、大入賞口の総開放時間が1.8秒以下の小当たり遊技のあと、小当たり遊技の実行前と同じ遊技状態に制御する小当たりと、小当たり遊技と同様の大入賞口の開放を行う大当たり遊技のあと、高確率状態に制御する潜伏確変の大当たりとを有する構成としてもよい。この場合、小当たりや潜伏確変の大当たりに当選した場合の変動演出における最終的な演出図柄8L,8C,8Rの停止出目を、Vチャンス目のような特定の出目とすればよい。そして、どちらの当たりに当選した場合でも、特別遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)の後は、演出図柄8L,8C,8Rを特定の出目のままとすることとし、客待ち演出が1周すると、バラケ目に変更されるようにすればよい。
また上記形態では、特殊Vロング大当たりの大当たり遊技後には演出図柄8L,8C,8Rを数字図柄のゾロ目に変更して表示することとし、このゾロ目の演出図柄8L,8C,8Rが表示されている状態から客待ち演出が1周しても、演出図柄8L,8C,8Rをゾロ目のまま変更しない構成とした。これは、大当たり遊技後は、高確高ベース状態あるいは低確高ベース状態に制御されるため、遊技者が遊技を終了することはないと想定されるためである。しかしながら、大当たり遊技後に数字図柄のゾロ目が表示されている状態から客待ち演出が1周した場合も、演出図柄8L,8C,8Rをバラケ目に変更する構成としてもよい。このように構成すれば、万が一、大当たり遊技後に1回も特別図柄の変動表示が実行されずに遊技が終了された場合であっても、その空き台を見た別のホール来店者に誤解を生じさせるのを防止することが可能となる。
また上記形態では、特殊大当たりに基づく大当たり遊技の終了後は、数字図柄のゾロ目を表示するように構成したが(図57(G)参照)、Vチャンス目(特殊停止態様)のまま演出図柄8L,8C,8Rを表示するようにしてもよい。この場合、小当たり遊技の終了時と同様、客待ち演出が1周すると、バラケ目に変更されるようにするとよい。
また上記形態では、大当たり遊技の終了直後に表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせを、数字図柄のゾロ目(大当たり停止態様)としたが、バラケ目(ハズレ停止態様)としてもよい。
また上記形態では、演出図柄8L,8C,8Rの変更指示をサブ制御基板90が画像制御基板100に対して行う構成としたが、画像制御基板100が客待ち演出における各画像のループ表示の処理(画像切替タイミングの計測と画像切替の処理)と、客待ち演出が1周したときの演出図柄8L,8C,8Rの変更の処理(客待ち演出が1周して再び選択待機画面を表示させるタイミングで演出図柄8L,8C,8Rを変更する処理)とを行う構成としてもよい。このように構成する場合、サブ制御基板90は、客待ち状態の開始を通知するコマンドを画像制御基板100に送るだけでよい。
また上記形態において、液晶表示装置である画像表示装置7の輝度の調整を遊技者が可能な構成としてもよい。具体的には例えば、選択待機画面におけるセレクトボタン64等の操作に基づいて輝度調整画面に切り替わり、輝度調整の後に選択待機画面に戻る構成としてもよい。この場合、チャンス図柄CZを含むVチャンス目が表示されている状態で輝度調整画面に切り替わり、選択待機画面に戻ったときには、演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをVチャンス目のまま変えない構成とするとよい。つまり、上記形態における音量調整画面を表示した場合と同様にするとよい。
また、Vチャンス目をバラケ目に変更するタイミングは、客待ち演出が1周したタイミングでなくてもよい。例えば、客待ち演出が2周したタイミングであってもよいし、客待ち演出が1周するよりも早いタイミングであってもよい。
また、客待ち演出として表示する画像(待機画像)の内容は適宜変更可能である。例えば、デモ画像T5だけを表示する構成であってもよいし、上記形態において表示可能な画各像以外の画像を表示可能な構成としてもよい。
また上記形態において、特殊Vロング大当たりや小当たりに当選したときには変動演出に伴って、疑似特定領域34に遊技者の注意を向けさせる(遊技者の意識を誘導する)ためのアナウンス予告(特定告知表示)を行うようにしてもよい。アナウンス予告としては例えば、図60に示すようなアナウンス画像を表示画面7aに表示する演出を採用できる。このアナウンス画像は、「Vチャンス」や「右下に注目!」といった文字画像と、疑似特定領域34を遊技球が通過する様子を示す遊技説明画像とを含んでいる。よって、図60に示すアナウンス画像を表示すれば、「右下に注目!」の文字画像と疑似特定領域34の画像によって、遊技者にこれから狙うこととなる領域を示すとともに、疑似特定領域34を遊技球が通過する様子を示す遊技説明画像によって、これから行うVチャンスというゲームの遊技説明を行うことが可能となる。これにより、遊技者が疑似特定領域34への遊技球の通過の機会を逃してしまい、本来の演出効果が発揮されないのを防止することが可能となる。
なお、このようなアナウンス予告を、所謂先読み(事前判定)に基づく連続予告として実行してもよい。すなわち、第2始動口21への入賞時に特殊大当たりや小当たりに当選しているか否かを判定し、特殊大当たりや小当たりに当選している保留記憶(特定保留記憶という)がある場合には、その特定保留記憶よりも前に記憶された保留記憶に基づく特別図柄変動から、特定保留記憶に基づく特別図柄変動にわたって、継続して図60に示すアナウンス画像を表示するようにしてもよい。このような構成とすれば、遊技者が疑似特定領域34への遊技球の通過の機会を逃してしまうのを、より確実に防止することが可能となる。またこのような構成とすれば、特殊大当たりの大当たり遊技や小当たり遊技の開始前からVチャンスというゲームが実行されることを十分に告知しているため、特殊大当たりの大当たり遊技や小当たり遊技のオープニングの時間をとりわけ長くとる必要がなく、スムーズな遊技をキープすることが可能となる。
特殊大当たりの大当たり遊技は、1R目の途中まで短開放遊技であり、長開放遊技がその1R目の途中から開始されるよう構成した。これに対して、1R目の全てが短開放遊技であり、長開放遊技が2R目から開始されるよう構成してもよい。また、特殊大当たりの大当たり遊技における短開放遊技が、複数ラウンドにわたって実行されるよう構成してもよい。短開放遊技として第1大入賞口30を複数回開放させる場合には、それに合わせて小当たり遊技における第1大入賞口30の開放回数を複数回に設定する。
また上記形態では、特定領域センサ39aを第2大入賞口センサ35aとは別に設けたが、第2大入賞口センサ35aが特定領域センサ39aを兼ねる構成としてもよい。言い換えれば、第2大入賞口35が特定領域39を兼ねる構成としてもよい。この場合、振分部材71や非特定領域センサ70a(つまりは非特定領域70)は必要ない。またこの場合には、Vショート開放パターンを、第2大入賞口35にほぼ入賞不可能な開放態様とし、Vロング開放パターンを第2大入賞口35に入賞容易な開放態様とすればよい。また、第2大入賞口35の開放期間のうちの一部の開放期間を特定領域として機能させ、他の開放期間を非特定領域として機能させるようにしてもよい。この場合も、振分部材71は必要ない。
また上記形態では、疑似特定領域センサ34a、疑似非特定領域センサ75a、疑似振分部材ソレノイド78をサブ制御部99(サブ制御基板90)に接続したが、演出の設計の自由度を考慮しなければ、主制御基板80に接続してもよい。この場合、これらの電気部品を利用した処理を主制御基板80が行うこととする。
また上記形態では、遊技球の入球し易さが変化しない第1始動口20と、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口21とを設けたが、第1始動口20又は第2始動口21の一方を備えていない構成としてもよい。第1始動口20を備えていない構成とする場合、電チュー22が閉状態にあるときでも、電チュー22に係る第2始動口21へ遊技球が入球するように構成する。
また上記形態では、第1大入賞口30と第2大入賞口35の2つの大入賞口を設けたが、大入賞口を1つだけ有する構成としてもよい。また上記形態では、当たりの種類に小当たりを設けたが、設けなくてもよい。この場合、Vチャンス演出を行わない構成としてもよい。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
10.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
〈A〉
手段1Aに係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(3)に配された1又は複数の入球口(第1始動口20及び第2始動口21)と、
前記遊技領域に配された1又は複数の特別入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)と、
前記入球口への入球に基づいて、図柄表示手段(特別図柄表示器41)に停止表示させる図柄の種類を決める図柄決定手段(ステップS1402又はS1408を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記図柄決定手段に決定された図柄を、前記図柄表示手段にて変動表示を経て停止表示させる図柄表示制御手段(ステップS1406,S1412,S1804を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記図柄決定手段による決定結果に基づいて、前記特別入賞口を開放する特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)を行う特別遊技実行手段(ステップS1308,S1309を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記図柄の変動表示に並行して、演出図柄(8L,8C,8R)を変動表示を経て停止表示させる変動演出を所定の演出用表示手段(画像表示装置7)に行わせることが可能な演出制御手段(ステップS5005等を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記図柄決定手段により決定された図柄が第1の大当たり図柄(例えば図8に示す「特図1_大当たり図柄2」)である場合、前記変動演出において前記演出図柄を、大当たりに当選したことを示す大当たり停止態様(数字図柄のゾロ目)で停止表示させ、
前記図柄決定手段により決定された図柄が第2の大当たり図柄(図8に示す「特図2_大当たり図柄4」)である場合、前記変動演出において前記演出図柄を、大当たりに当選している可能性があることを示す特殊停止態様(チャンス図柄CZを含むVチャンス目)で停止表示させるものである遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記演出制御手段は、前記第1の大当たり図柄に基づく前記特別遊技が終了したときに表示する演出図柄を、前記大当たり停止態様とするものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1の大当たり図柄に基づく特別遊技が終了したときに表示される演出図柄が大当たり停止態様のままであるため、遊技者に遊技内容をわかり易く示すことが可能である。
手段2Aに係る発明は、
手段1Aに記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記第2の大当たり図柄に基づく前記特別遊技が終了したときに表示する演出図柄を、前記特殊停止態様(チャンス図柄CZを含むVチャンス目)ではなく、前記大当たり停止態様(数字図柄のゾロ目)とするものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2の大当たり図柄のように、変動演出において演出図柄が大当たり停止態様で停止表示されない場合であっても、特別遊技が終了したときに表示される演出図柄は大当たり停止態様となる。したがって、大当たりに当選したという遊技の実態に即した演出内容にすることが可能となる。その結果、遊技者に遊技内容を正しく認識させることが可能となる。
手段3Aに係る発明は、
手段2Aに記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記図柄決定手段により決定された図柄が小当たり図柄(特図停止図柄データ「23H」、図9参照)である場合にも、前記変動演出において前記演出図柄を前記特殊停止態様(チャンス図柄CZを含むVチャンス目)で停止表示させるものであり、
前記特別遊技実行手段は、
前記第2の大当たり図柄に基づく前記特別遊技(特殊Vロング大当たりに基づく大当たり遊技)では、予め定められた第1の開放時間(1600ms)にわたって前記特別入賞口(第1大入賞口30)を開放する第1開放制御を行ったあと、前記第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(27900ms)にわたって前記特別入賞口(第1大入賞口30)を開放可能な第2開放制御を行い、
前記小当たり図柄に基づく前記特別遊技(小当たり遊技)では、前記第1開放制御を行うが前記第2開放制御を行わないものであり、
前記演出制御手段は、前記小当たり図柄に基づく前記特別遊技が終了したときに表示する演出図柄を、前記特殊停止態様(Vチャンス目)のままとするものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1開放制御が行われている間は、第2の大当たり図柄に基づく特別遊技なのか、小当たり図柄に基づく特別遊技なのか区別ができないため、この間は大当たり当選に期待させることができ、遊技興趣を向上可能である。そして、小当たり図柄に基づく特別遊技のように、開放時間が短い第1開放制御しか行われない場合には、その特別遊技が終了したときに表示される演出図柄は特殊停止態様のままとなる。そのため、大当たりに当選していなかったという遊技結果を遊技者に正しく認識させることが可能となる。
手段4Aに係る発明は、
手段3Aに記載の遊技機であって、
前記特別入賞口の1つである特定特別入賞口(第1大入賞口30)に入賞した遊技球が通過可能な特定領域(疑似特定領域34)と、
前記特定領域への通過の可否を切り替える振分部材(疑似振分部材76)と、
前記特定領域を通過した遊技球を検知可能な遊技球検知手段(疑似特定領域センサ34a)と、
前記振分部材の動作を制御する振分部材制御手段(ステップS4302,S4203等を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記振分部材制御手段は、
前記第2の大当たり図柄に基づく前記特別遊技(特殊Vロング大当たりに基づく大当たり遊技)では、前記第1開放制御中に、前記特定領域を遊技球が通過し易い第1作動パターン(図45に示す可動片パターン1)にて前記振分部材を動作させ、
前記小当たり図柄に基づく前記特別遊技では、前記第1開放制御中に、前記第1作動パターンよりも前記特定領域を遊技球が通過し難い第2作動パターン(図45に示す可動片パターン2)にて前記振分部材を動作させるものであり、
前記演出制御手段は、
前記第2の大当たり図柄に基づく前記特別遊技において前記遊技球検知手段が遊技球を検知したことに基づいて、大当たり当選を報知する当選報知演出(図57(C)(D)参照)を前記演出用表示手段に行わせるものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2の大当たり図柄に基づく特別遊技では、第1開放制御中に特定特別入賞口内の特定領域に遊技球を通過させることで、大当たり当選が報知される。そのため、1種2種混合機でなくても1種2種混合機における大当たりのように感じさせることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。
手段5Aに係る発明は、
手段4Aに記載の遊技機であって、
前記図柄決定手段と、前記図柄表示制御手段と、前記特別遊技実行手段とを有しており、遊技の進行を制御する主制御部(主制御基板80)と、
前記演出制御手段と、前記振分部材制御手段とを有しており、遊技に伴う演出を制御するサブ制御部(99)と、を備え、
前記遊技球検知手段(疑似特定領域センサ34a)、及び、前記振分部材の駆動源(疑似振分部材ソレノイド78)は、前記サブ制御部に接続されていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2の大当たり図柄に基づく特別遊技において実行される振分部材の作動制御や当選報知演出を、サブ制御部が、主制御部の動作に制限されることなく自由に行うことが可能となる。そのため、演出の設計の自由度を高めることが可能である。
手段6Aに係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(3)に配された1又は複数の入球口(第1始動口20及び第2始動口21)と、
前記遊技領域に配された1又は複数の特別入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)と、
前記入球口への入球に基づいて、図柄表示手段(特別図柄表示器41)に停止表示させる図柄の種類を決める図柄決定手段(ステップS1402又はS1408を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記図柄決定手段に決定された図柄を、前記図柄表示手段にて変動表示を経て停止表示させる図柄表示制御手段(ステップS1406,S1412,S1804を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記図柄決定手段による決定結果に基づいて、前記特別入賞口を開放する特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)を行う特別遊技実行手段(ステップS1308,S1309を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記図柄の変動表示に並行して、演出図柄(8L,8C,8R)を変動表示を経て停止表示させる変動演出を所定の演出用表示手段(画像表示装置7)に行わせることが可能な演出制御手段(ステップS5005等を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記図柄決定手段により決定された図柄が第1図柄(図8に示す「特図1_大当たり図柄2」)である場合、前記変動演出において前記演出図柄を、大当たりに当選したことを示す大当たり停止態様(数字図柄のゾロ目)で停止表示させ、
前記図柄決定手段により決定された図柄が第2図柄(図8に示す「特図2_大当たり図柄4」)又は第3図柄(小当たり図柄、特図停止図柄データ「23H」、図9参照)である場合、前記変動演出において前記演出図柄を、大当たりに当選している可能性があることを示す特殊停止態様(チャンス図柄CZを含むVチャンス目)で停止表示させるものである遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記特別遊技実行手段は、
前記第1図柄に基づく前記特別遊技(特殊Vロング大当たり以外の大当たりに基づく大当たり遊技)では、オープニング時間が経過すると所定の基準時間(例えば10000ms)よりも長い通常開放時間(例えば29500ms)にわたって前記特別入賞口を開放させることが可能であり、
前記第2図柄に基づく前記特別遊技(特殊Vロング大当たりに基づく大当たり遊技)では、オープニング時間が経過すると前記基準時間以下の短開放時間(1600ms)にわたって前記特別入賞口を開放させてから、前記通常開放時間(例えば27900ms)にわたって前記特別入賞口を開放させることが可能であり、
前記第3図柄に基づく前記特別遊技(小当たり遊技)では、オープニング時間が経過すると前記短開放時間にわたって前記特別入賞口を開放させるが前記通常開放時間にわたって前記特別入賞口を開放させないものであり、
前記演出制御手段は、
前記第1図柄および前記第2図柄に基づく前記特別遊技(大当たり遊技)が終了したときに表示する演出図柄を、前記大当たり停止態様(数字図柄のゾロ目)とし、
前記第3図柄に基づく前記特別遊技(小当たり遊技)が終了したときに表示する演出図柄を、前記特殊停止態様(チャンス図柄CZを含むVチャンス目)とするものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、初めから通常開放時間で特別入賞口を開放する特別遊技では、その特別遊技の前後で共に演出図柄を大当たり停止態様で表示し、短開放時間での開放を経て通常開放時間で開放する特別遊技では、その特別遊技の前は特殊停止態様とするが特別遊技の後は大当たり停止態様で表示し、短開放時間での開放だけが行われる特別遊技では、その特別遊技の前後で共に演出図柄を特殊停止態様で表示する。よって、遊技の実態に即した表示内容とすることが可能であり、遊技者に誤解を与える恐れを低減可能である。
〈B〉
手段1Bに係る発明は、
所定の判定条件の成立に基づいて当たりの判定を行う当たり判定手段(ステップS1402又はS1408を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記当たり判定手段による判定の結果に基づいて、特別入賞口(第1大入賞口30、第2大入賞口35)を開放する特別遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)を実行可能な特別遊技実行手段(ステップS1308,S1309を実行する遊技制御用マイコン81)と、
所定の表示手段(画像表示装置7)に演出を実行させることが可能な演出制御手段(ステップS5005等を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
複数の演出図柄(8L,8C,8R)を変動表示させたあと前記当たり判定手段による判定の結果を示す組み合わせで停止表示させる変動演出を、前記表示手段に実行させることが可能であるとともに、
前記当たり判定手段による判定が行われることなく所定の待機時間(第1待機時間)が経過すると、所定の待機画像(選択待機画像T2やホールコード対応画像T3等の客待ち演出の画像)を前記表示手段に表示させることが可能である遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記演出制御手段は、前記当たり判定手段による判定の結果が特定の結果(特殊Vロング大当たり又は小当たりへの当選)であることを示す特定の組み合わせ(チャンス図柄CZを含むVチャンス目)で停止表示されている前記演出図柄を、前記特定の組み合わせとは異なる組み合わせ(バラケ目)に変更可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の組み合わせで停止表示されている演出図柄が、特定の組み合わせとは異なる組み合わせに変更されることがあるため、特定の組み合わせが表示されていることによりホール来店者を惑わせる恐れを低減可能である。
手段2Bに係る発明は、
手段1Bに記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記特定の組み合わせで前記演出図柄を停止表示させているときに、前記待機画像の表示により前記演出図柄を非表示にさせた場合には、再表示させるときの演出図柄の組み合わせを、前記特定の組み合わせとは異なる組み合わせに変更可能である(客待ち演出が1周するとVチャンス目からバラケ目に変更可能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、演出図柄が特定の組み合わせで表示されている状態から待機画像の表示により演出図柄が非表示となったときには、再度表示される演出図柄が特定の組み合わせではないかたちに変更され得る。したがって、当否判定の結果が特定の結果となってから次の当否判定がなされることなく遊技が終了された場合でも、次の遊技者や遊技する台を探している来店者を惑わせ難くすることが可能である。
手段3Bに係る発明は、
手段2Bに記載の遊技機であって、
前記特定の組み合わせは、予め定めた特殊図柄の演出図柄(チャンス図柄CZ)を含む組み合わせ(Vチャンス目)であり、
前記特定の組み合わせとは異なる組み合わせは、前記特殊図柄を含まない組み合わせ(バラケ目)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特殊図柄を含む特定の組み合わせで演出図柄が停止表示されたまま空き台になってしまうと、次の遊技者や遊技する台を探している来店者に誤解を生じさせ易いところ、このような不都合の発生を防止することが可能である。
手段4Bに係る発明は、
手段2B又は手段3Bに記載の遊技機であって、
前記特別遊技実行手段は、
予め定められた第1の開放時間(1600ms)にわたって前記特別入賞口(第1大入賞口30)を開放する第1開放制御を行ったあと、前記第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(27900ms)にわたって前記特別入賞口(第1大入賞口30)を開放可能な第2開放制御を行う前記特別遊技である第1特別遊技(特殊Vロング大当たりに基づく大当たり遊技)と、
前記第1開放制御を行うが前記第2開放制御を行わない前記特別遊技である第2特別遊技(小当たり遊技)と、を実行可能なものであり、
前記演出制御手段は、
前記第1特別遊技の実行契機となる第1当たり(特殊Vロング大当たり)に当選した場合と、前記第2特別遊技の実行契機となる第2当たり(小当たり)に当選した場合の両方において、前記特別遊技の実行前に、前記特定の組み合わせ(Vチャンス目)で演出図柄を停止表示させるものであり、
少なくとも前記第2特別遊技が終了したときに表示する演出図柄の組み合わせを、前記特定の組み合わせのままとするものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の組み合わせで演出図柄が停止表示されてから、第2開放制御が行われるまでの間は、第1特別遊技なのか(第1当たりに当選したのか)、第2特別遊技なのか(第2当たりに当選したのか)区別ができないため、この間は、第2開放制御が実行される第1特別遊技であることに期待させることができ、遊技興趣を向上可能である。そして、遊技者の期待に反して第2特別遊技であった場合には、第2特別遊技が終了したときに表示される演出図柄は特定の組み合わせのままとなるため、このまま遊技を終了されると、特定の組み合わせを見たホール来店者が第1当たりに当選していると勘違いしてしまう恐れがある。しかしこの構成では、待機画像の表示に基づき演出図柄が特定の組み合わせではないかたちに変更されるため、このような恐れを低減することが可能である。
手段5Bに係る発明は、
手段4Bに記載の遊技機であって、
前記特別入賞口に入賞した遊技球が通過可能な特定領域(疑似特定領域34)と、
前記特定領域への通過の可否を切り替える振分部材(疑似振分部材76)と、
前記特定領域を通過した遊技球を検知可能な遊技球検知手段(疑似特定領域センサ34a)と、
前記振分部材の動作を制御する振分部材制御手段(ステップS4302,S4203等を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記振分部材制御手段は、
前記第1特別遊技では、前記第1開放制御中に、前記特定領域を遊技球が通過し易い第1作動パターン(図45に示す可動片パターン1)にて前記振分部材を動作させ、
前記第2特別遊技では、前記第1開放制御中に、前記第1作動パターンよりも前記特定領域を遊技球が通過し難い第2作動パターン(図45に示す可動片パターン2)にて前記振分部材を動作させるものであり、
前記演出制御手段は、
前記第1特別遊技において前記遊技球検知手段が遊技球を検知したことに基づいて、大当たり当選を報知する当選報知演出(図57(C)(D)参照)を前記表示手段に行わせるものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1特別遊技では、第1開放制御中に特別入賞口内の特定領域に遊技球を通過させることで、大当たり当選が報知される。そのため、1種2種混合機でなくても1種2種混合機における大当たりのように感じさせることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。
手段6Bに係る発明は、
手段5Bに記載の遊技機であって、
前記当たり判定手段と、前記特別遊技実行手段とを有しており、遊技の進行を制御する主制御部(主制御基板80)と、
前記演出制御手段と、前記振分部材制御手段とを有しており、遊技に伴う演出を制御するサブ制御部(99)と、を備え、
前記遊技球検知手段(疑似特定領域センサ34a)、及び、前記振分部材の駆動源(疑似振分部材ソレノイド78)は、前記サブ制御部に接続されていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1特別遊技において実行される振分部材の作動制御や当選報知演出を、サブ制御部が、主制御部の動作に制限されることなく自由に行うことが可能となる。そのため、演出の設計の自由度を高めることが可能である。
手段7Bに係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(3)に配された入球口(第1始動口20又は第2始動口21)と、
前記入球口への入球に基づいて判定用情報(大当たり乱数等の乱数値)を取得可能な判定用情報取得手段(ステップS206又はS212を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記判定用情報取得手段により取得された判定用情報に基づいて、当たりの判定を行う当たり判定手段(ステップS1402又はS1408を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記当たり判定手段による判定の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示を経て停止表示させる図柄表示制御手段(ステップS1406,S1412,S1804を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記図柄表示制御手段により当選を示す特定停止態様で前記識別図柄が停止表示されると、特別入賞口を開放する特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)を実行可能な特別遊技実行手段(ステップS1308,S1309を実行する遊技制御用マイコン81)と、
所定の演出用表示手段(画像表示装置7)と、
複数の演出図柄(8L,8C,8R)を変動表示させたあと前記当たり判定手段による判定の結果を示す組み合わせで停止表示させる変動演出を、前記演出用表示手段に実行させることが可能な変動演出実行手段(ステップS5005等を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記当たり判定手段による判定が行われることなく所定の待機時間(第1待機時間)が経過すると、所定の待機画像(選択待機画像T2やホールコード対応画像T3等の客待ち演出の画像)を前記演出用表示手段に表示させることが可能な待機画像表示手段(ステップS7005等を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記特定停止態様の識別図柄には、第1特定停止態様の識別図柄(特殊Vロング大当たりの大当たり図柄)と、第2特定停止態様の識別図柄(小当たり図柄)とがあり、
前記変動演出実行手段は、
前記第1特定停止態様の識別図柄が停止表示される場合も、前記第2特定停止態様の識別図柄が停止表示される場合も、前記演出図柄を特定の組み合わせ(チャンス図柄CZを含むVチャンス目)で停止表示させるものであり、
前記特定の組み合わせで前記演出図柄を停止表示させているときに、前記待機画像の表示により前記演出図柄が非表示にされた場合には、再表示させるときの演出図柄の組み合わせを、前記特定の組み合わせとは異なる組み合わせに変更可能なものである(客待ち演出が1周するとVチャンス目からバラケ目に変更可能である)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、演出図柄が特定の組み合わせで表示されている状態から待機画像の表示により演出図柄が非表示となったときには、再度表示される演出図柄が特定の組み合わせではないかたちに変更され得る。したがって、第1特定停止態様や第2特定停止態様で識別図柄が停止表示されてから次の当否判定がなされることなく遊技が終了された場合でも、次の遊技者や遊技する台を探している来店者を惑わせ難くすることが可能である。
なお、上記した発明における「待機画像の表示により演出図柄を非表示にする」には、演出図柄よりも前に待機画像を重ねて表示することにより演出図柄を非表示にする場合と、演出図柄を内部処理的にも表示しないことにより演出図柄を非表示にする場合(つまり待機画像の後ろに演出図柄を表示していない場合)とが含まれるものとする。
また、上記した発明における「判定条件」とは、上記形態では、特別図柄の変動中および特別遊技の実行中でなく、特図保留の数が「0」でないことである。
また上記形態における大当たり図柄1~3(図8参照)は、第1の大当たり図柄、第1図柄に相当する。また上記形態における大当たり図柄4(図8参照)は、第2の大当たり図柄、第2図柄、第1特定停止態様の識別図柄に相当する。また上記形態における小当たり図柄(特図停止図柄データ「23H」、図9参照)は、第3図柄、第2特定停止態様の識別図柄に相当する。
また上記形態における特殊Vロング大当たりは第1当たりに相当し、小当たりは第2当たりに相当する。また特殊Vロング大当たり当選や小当たり当選は、特定の結果に相当する。
また上記形態における数字図柄のゾロ目は、大当たり停止態様に相当し、チャンス図柄CZを含むVチャンス目は、特殊停止態様、特定の組み合わせに相当する。
また上記形態における特殊Vロング大当たりに基づく大当たり遊技は第1特別遊技に相当し、小当たり遊技は第2特別遊技に相当する。
また上記形態における29.5秒や27.9秒の第1大入賞口30の開放時間が、基準時間よりも長い通常開放時間に相当し、1.6秒の開放時間が、基準時間以下の短開放時間に相当する。なお基準時間とは、正しく遊技していれば1ラウンド当たりの最大入賞球数(本形態では8球)の入賞が見込める程度の時間であり、上記形態では10秒であるものとする。
また上記形態における客待ち演出の各画像、選択待機画像T2、ホールコード対応画像T3、新規登録画像T4、デモ画像T5、音量調整画像T6は、待機画像に相当する。