JP7029270B2 - ベルトサンダ - Google Patents
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Description
一方、電動工具においては、コントローラの温度上昇を抑制するために、モータの出力軸に設けたファンの回転による冷却風によってコントローラを冷却することがよく行われている。例えば特許文献2には、ハウジング内に、出力軸の端部にファンを有するモータを収容すると共に、ファンに隣接してコントローラを配置して、ファンの回転に伴って、モータ側から吸い込んだ空気でモータを冷却する一方、コントローラ側から吸い込んだ空気でコントローラを冷却するようにした構造が開示されている。
モータは、ハウジング内で出力軸が研磨面と平行となる姿勢で配置されて、出力軸の一端部にはファンが設けられ、コントローラは、最短辺を有する第1の面と、第1の面と直角となる平面とを含む外形を呈して、出力軸の軸方向で、ファンと、出力軸の他端部との間で且つサンディングベルトの上面によって規定される前後左右方向の平面より上方となる領域に、全体が位置すると共に、平面が軸方向と平行となるように配置されて、ファンの回転により生じる冷却風によってコントローラが冷却可能であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、ハウジングは、前方へ突出する前グリップを含み、コントローラは、前グリップの下方でハウジング内に収容されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、コントローラは、最短辺方向でモータとオーバーラップしない位置に配置されて、当該平面が研磨面を向いた姿勢で保持されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、ハウジング内でモータを収容するモータ収容部とコントローラを収容するコントローラ収容部とを連通させて、ファンによってモータ収容部に冷却風を通過させてモータを冷却すると共に、モータ収容部内に負圧を発生させて、コントローラ収容部に、ハウジング外部から吸い込んだ冷却風を通過させることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、ファンによる冷却風を生じさせる吸気口を少なくとも三箇所備え、このうち少なくとも一箇所がコントローラの冷却用、少なくとも二箇所がモータの冷却用であって、モータ冷却用の二箇所の吸気口は、ハウジングの互いに異なる面に設けられて互いに異なる方向から吸気可能であることを特徴とする。
特に、コントローラを、最短辺を有する第1の面と、第1の面と直角となる平面とを含む外形を呈するものとして、当該平面が出力軸の軸方向と平行となるように配置したことで、出力軸の径方向にコンパクトとなる上、モータとコントローラとの互いの冷却風を平行に流すことができるので、風速のロスが低減される。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、コントローラを、最短辺方向でモータとオーバーラップしない位置に配置して、当該平面が研磨面を向いた姿勢で保持しているので、全体の上下方向の寸法がコンパクトとなる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、モータ収容部内に負圧を発生させて、コントローラ収容部にハウジング外部から吸い込んだ冷却風を通過させているので、ベンチュリー効果により、コントローラをハウジング外部から吸い込んだ新鮮な空気によって効果的に冷却することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、ファンによる冷却風を生じさせる吸気口を少なくとも三箇所備え、モータ冷却用の二箇所の吸気口を、ハウジングの互いに異なる面に設けられて互いに異なる方向から吸気可能としているので、モータ冷却用の冷却風の取り入れがスムーズに行える。
図1~4は、ベルトサンダの一例を示す外観図、図5は中央縦断面図である。
このベルトサンダ1は、ブラシレスモータ3を収容した本体部2の下部に、前後方向に延びるベルト駆動部4を備えている。本体部2の後部には、後方に向けてグリップ5が形成されて、グリップ5の後端とベルト駆動部4の後端とは、上下方向に繋がって、電源となるバッテリーパック7を装着可能なバッテリー装着部6を形成している。本体部2の前部には、グリップ5の延長線上で前方へ突出する前グリップ8が形成されて、本体部2の左側部には、平面視でベルト駆動部4よりも左側へ突出する駆動伝達部9が設けられている。
ロータ16は、永久磁石22,22・・を内設したロータコア21の軸心に出力軸17を備え、出力軸17の左端部は、左側の半割ハウジング11Aに形成されて横ハウジング12内に突出する軸受部24に、軸受25を介して軸支される。出力軸17の右端部は、右側の半割ハウジング11Bに形成された軸受部26に、軸受27を介して軸支される。出力軸17におけるロータコア21と軸受27との間には、遠心ファン28が設けられている。
こうして本体部2内には、筒状リブ20及び受けリブ29、左右の軸受部24,26とで囲まれるモータ収容部33が形成される。
また、横ハウジング12内で軸受部24には、集塵用ファン35の羽根37側に対向して左側が開口し、集塵用ファン35の外周に沿って渦巻き状に旋回する集塵路39を形成した皿状のスクロールプレート38が設けられて、集塵路39の終端に当たる横ハウジング12の後面上部には、図3に示すように、集塵路39と連通する排出筒40が後ろ向きに突設されている。さらに、スクロールプレート38よりも右側(ステータ15側)で横ハウジング12の前面及び後面、下面には、図1~4及び図9等に示すように、それぞれ複数の前吸気口41,41・・、後吸気口42,42、下吸気口43,43が形成されている。
コントローラ58は、コンデンサ60や、センサ回路基板23で検知されたロータ16の回転位置情報に基づいて制御信号を送信するマイコンからなる制御回路、この制御回路から受信した制御信号に基づいてブラシレスモータ3の電流をスイッチングするFETからなる駆動回路、及びバッテリの状態の検出結果に応じて過放電又は過電流状態とならないようにブラシレスモータ3への電力供給を遮断するオートストップ回路等を搭載した平面視四角形状の制御回路基板59を、同形皿状のケース61に収容してなる。そして、ケース61の前端が、仕切板55の前端に凹設された前受け部62に支持され、後端が、筒状リブ20の前側で半割ハウジング11A,11Bの内面に突設された後受けリブ63に支持されることで、コントローラ58は、コントローラ収容部57内で、前後方向で且つ後端が前端よりもやや上方となる前下がり傾斜姿勢で支持されている。このときコントローラ58の後端は、コンデンサ60と共に筒状リブ20の前側に位置して、上下方向でブラシレスモータ3とオーバーラップしないようになっている。
また、コントローラ58は、ケース61の上下方向(高さ方向)が最短辺となる第1の面としての側面61aと、側面61aと直角となる平面としての下面61bとを含み、下面61bが出力軸17と平行となる左右方向に配置されている。この配置により、コントローラ収容部57が上下方向にコンパクトとなっている。ケース61の下面61bは、やや傾いた姿勢で下向きとなり、後述するサンディングベルト74による研磨面74aに対向している。
そして、制御回路基板59の前端には、バッテリーパック7の残容量やブラシレスモータ3の回転数等を表示する表示部及び透明な導光部65が設けられて、導光部65は、突出部56の前側上面に設けた窓66を介して外部へ露出している。
よって、ここには、遠心ファン28の回転により、側面吸気口67,67から吸い込まれた空気がコントローラ収容部57内でコントローラ58の上側及び下側を通過して左から右へ流れた後、筒状リブ20とバッフル部30との間から透孔31を通って遠心ファン28に至り、排気口32,32・・から排出されるコントローラ冷却流路68(図8)が形成されることになる。
駆動ローラ70は、軸心に設けた回転軸としての後ローラ軸75の右端部が支持枠72に軸支され、左端部は、半割ハウジング11Aに保持された軸受76に軸支されて横ハウジング12内に突出し、その突出端に設けたギヤ77が、中間シャフト45のギヤ50と噛合している。
よって、出力軸17の回転に伴ってプーリ部36が一体回転すると、シンクロベルト49及びプーリ48を介して中間シャフト45が回転し、その回転がギヤ50,77を介して後ローラ軸75に伝わることで、駆動ローラ70は、図5に示す矢印a方向へ回転する。
バッテリー装着部6は、上方からバッテリーパック7を差し込み装着可能で、バッテリー装着部6内には、装着されたバッテリーパック7と電気的に接続する端子台88が設けられている。スイッチ85や端子台88から引き出されるリード線は、グリップ5から本体部2内でモータ収容部33の上側を通ってコントローラ58の制御回路基板59に配線される。センサ回路基板23から引き出される電源線や信号線も制御回路基板59に配線される。前グリップ8内には、右側面側へ露出する回転数調整ダイヤル89が設けられて、この回転数調整ダイヤル89を搭載する基板からのリード線も本体部2内を通って制御回路基板59に配線される。
こうして出力軸17が回転すると、前述のように駆動伝達部9では、集塵用ファン35のプーリ部36からシンクロベルト49及びプーリ48を介して中間シャフト45に回転が伝わり、中間シャフト45からギヤ50,77を介して駆動ローラ70に回転が伝わるため、駆動ローラ70が回転して従動ローラ71との間でサンディングベルト74が回転する。よって、プレート73によってサンディングベルト74が押し付けられる研磨面74aによって被研磨材の研磨が可能となる。
この空気流が開口面積の狭い透孔31を通過する際、流速が増加して圧力が低下し、バッフル部30の手前で負圧となるため、モータ収容部33と連通するコントローラ収容部57では、ベンチュリー効果によって側面吸気口67から新鮮な外気が吸い込まれる。そして、図8に矢印で示すように、冷却風は、コントローラ冷却流路68を通ってコントローラ58の上下を通過して制御回路基板59及びケース61を冷却した後、透孔31からバッフル部30に導かれて排気口32,32・・から排出される。
また、コントローラ58を、最短辺方向でブラシレスモータ3とオーバーラップしない位置に配置して、下面61bが研磨面74aを向いた姿勢で保持しているので、本体部2全体の上下方向の寸法がコンパクトとなる。
また、上記形態では、モータ収容部とコントローラ収容部との空気流を遠心ファンの上流側で連通させて、コントローラを新鮮な空気で冷却するようにしているが、両収容部を遠心ファンの下流側で連通させて、ブラシレスモータ冷却後の空気流をコントローラ収容部に導いてコントローラを冷却することも可能である。ファンも軸流ファン等としてもよい。
さらに、コントローラの配置姿勢も、前下がり傾斜姿勢に限らず、後下がり傾斜姿勢や、研磨面と平行な姿勢としたりしてもよいし、上下方向でモータとオーバーラップするように配置してもよい。コントローラ自体もケースや表示部がないものであっても差し支えない。
加えて、モータとコントローラとの配置も上記形態に限らず、例えばコントローラがベルト駆動部の上側にあってモータがベルト駆動部の前側若しくは後側にあるような配置であっても、本発明は適用可能である。
その他、ベルト駆動部や駆動伝達部の構成も上記形態に限らず、ベルト駆動部では駆動ローラと従動ローラとを前後逆にしたり、駆動伝達部ではスクロールプレートや中間シャフトを省略したり、ベルト伝達でなくギヤ伝達としたり等、適宜変更可能である。電源もバッテリーパックに限らず、商用電源を用いるベルトサンダであっても本発明は適用可能である。
Claims (5)
- モータと、
前記モータを制御するコントローラと、
前記モータ及び前記コントローラを収容するハウジングと、
前記モータによって回転し、回転軸が左右方向に支持される前後2つのローラと、を含み、前記2つのローラ間に張設されるサンディングベルトの下面によって研磨面が規定されるベルトサンダであって、
前記モータは、前記ハウジング内で出力軸が前記研磨面と平行となる姿勢で配置されて、前記出力軸の一端部にはファンが設けられ、
前記コントローラは、最短辺を有する第1の面と、前記第1の面と直角となる平面とを含む外形を呈して、前記出力軸の軸方向で、前記ファンと、前記出力軸の他端部との間で且つ前記サンディングベルトの上面によって規定される前後左右方向の平面より上方となる領域に、全体が位置すると共に、前記平面が前記軸方向と平行となるように配置されて、
前記ファンの回転により生じる冷却風によって前記コントローラが冷却可能であることを特徴とするベルトサンダ。 - 前記ハウジングは、前方へ突出する前グリップを含み、前記コントローラは、前記前グリップの下方で前記ハウジング内に収容されていることを特徴とする請求項1に記載のベルトサンダ。
- 前記コントローラは、前記最短辺方向で前記モータとオーバーラップしない位置に配置されて、前記平面が前記研磨面を向いた姿勢で保持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のベルトサンダ。
- 前記ハウジング内で前記モータを収容するモータ収容部と前記コントローラを収容するコントローラ収容部とを連通させて、前記ファンによって前記モータ収容部に冷却風を通過させて前記モータを冷却すると共に、前記モータ収容部内に負圧を発生させて、前記コントローラ収容部に、前記ハウジング外部から吸い込んだ冷却風を通過させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のベルトサンダ。
- 前記ファンによる冷却風を生じさせる吸気口を少なくとも三箇所備え、このうち少なくとも一箇所が前記コントローラの冷却用、少なくとも二箇所が前記モータの冷却用であって、前記モータ冷却用の二箇所の前記吸気口は、前記ハウジングの互いに異なる面に設けられて互いに異なる方向から吸気可能であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のベルトサンダ。
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