JP7026367B1 - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
合成樹脂材料からなり実質的に伸縮性を有しない基材の一面に金属めっき層からなる導電性パターンが配置された配線基板であって、
前記基材に3次元形状への賦形が施される領域において前記導電性パターンが配置された第1の領域に比べて前記導電性パターンが配置されていない第2の領域が賦形における前記基材の伸び率が大きくなるように厚み方向に切り込みが形成された前記基材と、
前記基材の少なくとも一面を覆う樹脂層と、を備えた、
ことを特徴とする。
前記切り込みは、前記導電性パターンが延在する方向と交差する方向に長手方向を有する、
ことを特徴とする。
前記切り込みは、前記基材の厚み方向に貫通する深さで形成されている、
ことを特徴とする。
前記切り込みは、前記基材の厚み方向に貫通しない深さで形成されている、
ことを特徴とする。
前記導電性パターンは、前記第1の領域で賦形による前記基材の伸び方向と交差する方向に延在して配置され、前記切り込みは、前記第2の領域で前記導電性パターンに近接して形成されている、
ことを特徴とする。
前記導電性パターンは、前記第1の領域で賦形による前記基材の伸び方向と交差する方向に屈曲してミアンダ形状に配置され、前記切り込みは、前記第2の領域で前記ミアンダ形状の屈曲した前記導電性パターンの間に少なくとも一つ形成されている、
ことを特徴とする。
前記基材が実質的に平坦な2次元形状から実質的に立体的な3次元形状に変形可能なフィルムである、
ことを特徴とする。
合成樹脂材料からなり実質的に伸縮性を有しない基材の一面に金属めっき層からなる導電性パターンが配置され前記基材に3次元形状への賦形が施される領域において前記導電性パターンが配置された第1の領域と前記導電性パターンが配置されていない第2の領域で賦形における前記基材の伸び率が異なる配線基板の製造方法であって、
前記基材を準備する工程と、
前記基材の前記一面に電解めっき又は無電解めっきにより前記導電性パターンを配置する工程と、
前記導電性パターンが配置された前記基材の前記第2の領域に前記基材の厚み方向に切り込みを形成する工程と、
前記切り込みが形成された前記基材を型に載置して前記基材に3次元形状への賦形を施す賦形工程と、を含む、
ことを特徴とする。
前記賦形工程の後に、前記賦形が施された前記基材を金型に載置して前記基材の少なくとも一面を覆う樹脂層を射出成形する工程を更に含む、
ことを特徴とする。
前記切り込みは、レーザー、型抜き、又は、刃を用いて、前記基材に形成されている、
ことを特徴とする。
尚、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1Aは本実施形態に係る配線基板1の一例を示す断面模式図、図1Bは配線基板1の一例を示す平面模式図、図2Aは基材2に形成される切り込みSを導電性パターン3との関係で説明する平面模式図、図2Bは切り込みSが形成された基材2を3次元形状に賦形した場合の切り込みSの開きを説明する図、図3Aは基材の厚み方向に貫通する深さで形成された切り込みを示す断面模式図、図3Bは基材の厚み方向に貫通しない深さで形成された切り込みを示す断面模式図である。
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る配線基板1の構成について説明する。
本実施形態における基材2は、合成樹脂材料からなり変形可能な絶縁性のフィルム状の基材である。ここで、「変形可能な基材」は、導電性パターン3を配置後に変形できる、すなわち、熱成形、真空成形または圧空成形によって実質的に平坦な2次元形状から実質的に立体的な3次元形状に変形することができる基材を意味する。
特にポリエステルがより好ましく、さらにその中でもポリエチレンテレフタレート(PET)が経済性、電気絶縁性、耐薬品性等のバランスが良く最も好ましい。
具体的には、導電性パターン3が配置された第1の領域R1に比べて、導電性パターン3が配置されていない第2の領域R2が、賦形における基材2の伸び率が大きくなるように、第2の領域R2で、基材2の厚み方向に切り込みSが形成されている。
また、切り込みSの切り込み深さ方向の形状としては、図3に示すように、ストレート、先細り形状、くさび形状等が挙げられるが、これらに限定されない。
この場合、切り込みSは、図2Aに示すように、導電性パターン3Bが延在する方向と交差する方向に長手方向を有するように形成される。
また、切り込みSの切り込み深さは、図3に示すように、基材2の厚みに応じて、例えば、基材2の厚みが薄い場合は、貫通する深さで形成し、基材2の厚みが厚い場合には、貫通しない深さで形成してもよい。
これにより、導電性パターン3A、3Bは、基材2の伸び方向に直線的に配置されている場合に比べて、伸びやすく、配線としての導電性パターン3A、3Bの賦形に伴う断線を抑制することができる。また、基材2は、切り込みSが開いて伸びることで、導電性パターン3A、3Bが配置された第1の領域R1の伸びを少なくして、導電性パターン3A、3Bの賦形に伴う断線を抑制することができる。
導電性パターン3(以下、ミアンダ形状の導電性パターン3Aと、基材の伸び方向に対して斜めに配置される導電性パターン3Bを区別する必要が無い場合は、導電性パターン3と記す)は、基材2に賦形が施されない領域に配置された直線形状の導電性パターン3と、基材2に賦形が施される領域Wに配置されたミアンダ形状の導電性パターン3A、斜め形状の導電性パターン3Bからなる。
斜め形状の導電性パターン3Bは、直線形状の導電性パターン3の延びる方向と交差する方向に斜めに形成され、配線長が長くなっている。ミアンダ形状の導電性パターン3A及び斜め形状の導電性パターン3Bは、直線形状に比べて配線長が長くなることで、基材2に賦形を施された場合に、導電性パターン3が伸びやすく導電性パターン3の断線を抑制している。
導電性パターン3には、複数の電子部品4が取り付けられてもよい。電子部品4としては、制御回路、歪み、抵抗、静電容量、TIRなどの接触感知、および光検出部品、圧電アクチュエータまたは振動モータなどの触知部品または振動部品、LED、OLED,LCDなどの発光素子、マイクおよびスピーカーなどの発音または受音、メモリチップ、プログラマブルロジックチップおよびCPUなどのデバイス操作部品、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ALSデバイス、PSデバイス、処理デバイス、MEMS等が挙げられる。
基材2の導電性パターン3が配置された一面2aには基材2と導電性パターン3とを一体的に覆う絶縁層6が設けられてもよい(図1Aに図示)。ただし、絶縁層6は、導電性パターン3における電子部品4との接合部分上には設けられていない。このような絶縁層6としては、具体的には、ソルダーレジストが塗布されて導電性パターン3を保護している。特に、ソルダーレジストは、電子部品をはんだ付けで実装する際に、電気的接続をとる接合部以外にはんだが付着して回路ショートを起こすのを防止している。また、導電性パターン3間の絶縁性を維持するとともに、ほこり、熱、湿気などの外部環境から導電性パターン3を保護している。
樹脂層5は、接着層ADを介して基材2の少なくとも一面を覆うように形成されている。接着層ADは、導電性パターン3を外部から不可視に覆い隠すように調色されてもよい。また、樹脂層5は接着層ADを透光性とした上で樹脂材料を透明樹脂材料とすることで、例えば配線基板1の内部に加飾が施された場合に、加飾を保護しながら視認可能とすることができる。本実施形態においては、樹脂層5は、導電性パターン3が配置された一面2aとは反対側の他面2bを覆うように形成されているが、導電性パターン3が配置された一面2aを覆うように形成したうえで、電子部品4は後実装してもよい。また、樹脂層5は、配線基板1の機能に応じて、基材2の両面を覆うように形成してもよい。
図4は配線基板1の製造方法の概略の手順の一例を示すフローチャート図、図5は配線基板1の製造過程を説明するための配線基板1の部分断面模式図、図6は基材2を3次元形状に賦形するための熱プレス成形の各工程を説明するための説明図、図7は賦形された基材2に樹脂層5を射出成形する樹脂充填工程を示す図である。
基材の準備工程S11においては、まず、所定の形状及び大きさに形成された実質的に平坦なフィルム状の基材2に導電性パターン3を配置するために、基材2上に金属めっき成長のきっかけとなる金属ナノ粒子等の触媒粒子からなる下地層をミアンダ形状を含む所定のパターン状に形成する。尚、基材2には、金属ナノ粒子等の触媒粒子からなる触媒インクを均一に塗布するために、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、溶剤処理、プライマー処理等の表面処理を施すことが好ましい。
焼成温度は、100°C~300°Cが好ましく、150°C~200°Cがより好ましい。焼成温度が低すぎると、金属ナノ粒子同士の焼結が不十分となるとともに、金属ナノ粒子以外の成分が残ることで、密着性が得られない虞がある。また、焼成温度が高すぎると、基材2の劣化や歪みが発生する虞がある。
基材2上に形成された下地層に対し、電解めっきまたは無電解めっきを行うことにより、下地層の表面および内部にめっき金属を析出させ導電性パターン3を配置する(図5A 参照)。めっき方法は公知のめっき液およびめっき処理と同様であり、具体的に無電解銅めっき、電解銅めっきが挙げられる。
導電性パターン3が配置された基材2の賦形が施される領域Wの導電性パターン3が配置されていない第2の領域R2で、基材2の厚み方向に切り込みSを形成する(図5B 参照)。
基材2には、賦形を施され屈曲する領域Wにおいては、直線形状の導電性パターン3の延びる方向と交差する方向に蛇行を繰り返すように、ミアンダ形状の導電性パターン3Aが形成され、ミアンダ形状に屈曲した導電性パターン3Aの間となる第2の領域R2に、切り込みSを形成する。
また、基材2には、賦形を施され屈曲する領域Wにおいては、賦形による基材2の伸び方向に対して斜めに導電性パターン3Bが形成され、導電性パターン3Bが延在する方向と交差する方向に長手方向を有するように切り込みSを形成する。
賦形工程S14においては、導電性パターン3が配置され、切り込みSが形成された基材2を、熱プレス成形、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、等の成形手段により、3次元形状に賦形する。
賦形に用いられる型は、賦形が施された基材2の外表面が後述する樹脂充填工程S15における射出成形(インモールド成形)に用いられる射出成形用金型KのキャビティCAの形状に沿うように形成されている。
そして、図6Bに示すように、雌型11と雄型12とを所定の圧力で型締めすると、基材2は雄型12のコア部12aと雌型11のキャビティ部11aとの間に挟まれて賦形される。
樹脂充填工程S15では、まず、賦形工程S14で3次元形状に賦形が施された基材2の導電性パターン3が配置された一面2aとは反対側の他面2bに基材2と樹脂層5の樹脂素材の組み合わせに応じて接着層ADを形成するバインダーインクを塗布する(図5C 参照)。バインダーインクは、接着性樹脂を含み、スクリーン印刷、インクジェット印刷、スプレーコート、筆塗り等で塗布され、基材2と射出成形される樹脂層5との接着性を向上させる。尚、樹脂層5を基材2の導電性パターン3が配置された一面2aを覆うように形成する場合には、絶縁層6を設けることなく、基材2の一面2aにバインダーインクを塗布する。
尚、本実施形態に係る配線基板1においては、賦形が施された基材2には、切り込みS形成されているために、賦形工程S14で3次元形状に賦形された基材2は型から取り出された後に基材2の剛性により発生するスプリングバック現象が抑制されている。そのために、射出成形用金型KのキャビティCAにセットした場合、キャビティCAの表面との間に発生しやすい隙間が少なくなるという効果も有している。
2・・・基材
2a・・・一面(導電性パターン3側)
2b・・・他面(樹脂層5側) 3・・・導電性パターン
3A・・・ミアンダ形状の導電性パターン
3B・・・斜め配置の導電性パターン
4・・・電子部品
5・・・樹脂層
6・・・絶縁層
11・・・雌型
12・・・雄型
S・・・切り込み
AD・・・接着層
K・・・射出成形用金型
CA・・・キャビティ
Claims (10)
- 合成樹脂材料からなり実質的に伸縮性を有しない基材の一面に金属めっき層からなる導電性パターンが配置された配線基板であって、
前記基材に3次元形状への賦形が施される領域において前記導電性パターンが配置された第1の領域に比べて前記導電性パターンが配置されていない第2の領域が賦形における前記基材の伸び率が大きくなるように厚み方向に切り込みが形成された前記基材と、
前記基材の少なくとも一面を覆う樹脂層と、を備えた、
ことを特徴とする配線基板。 - 前記切り込みは、前記導電性パターンが延在する方向と交差する方向に長手方向を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。 - 前記切り込みは、前記基材の厚み方向に貫通する深さで形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板。 - 前記切り込みは、前記基材の厚み方向に貫通しない深さで形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板。 - 前記導電性パターンは、前記第1の領域で賦形による前記基材の伸び方向と交差する方向に延在して配置され、前記切り込みは、前記第2の領域で前記導電性パターンに近接して形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配線基板。 - 前記導電性パターンは、前記第1の領域で賦形による前記基材の伸び方向と交差する方向に屈曲してミアンダ形状に配置され、前記切り込みは、前記第2の領域で前記ミアンダ形状の屈曲した前記導電性パターンの間に少なくとも一つ形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配線基板。 - 前記基材が実質的に平坦な2次元形状から実質的に立体的な3次元形状に変形可能なフィルムである、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の配線基板。 - 合成樹脂材料からなり実質的に伸縮性を有しない基材の一面に金属めっき層からなる導電性パターンが配置され前記基材に3次元形状への賦形が施される領域において前記導電性パターンが配置された第1の領域と前記導電性パターンが配置されていない第2の領域で賦形における前記基材の伸び率が異なる配線基板の製造方法であって、
前記基材を準備する工程と、
前記基材の前記一面に電解めっきまたは無電解めっきにより前記導電性パターンを配置する工程と、
前記導電性パターンが配置された前記基材の前記第2の領域に前記基材の厚み方向に切り込みを形成する工程と、
前記切り込みが形成された前記基材を型に載置して前記基材に3次元形状への賦形を施す賦形工程と、を含む、
ことを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記賦形工程の後に、前記賦形が施された前記基材を金型に載置して前記基材の少なくとも一面を覆う樹脂層を射出成形する工程を更に含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の配線基板の製造方法。 - 前記切り込みは、レーザー、型抜き、又は、刃を用いて、前記基材に形成されている、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の配線基板の製造方法。
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PCT/JP2021/027165 WO2023002570A1 (ja) | 2021-07-20 | 2021-07-20 | 配線基板及びその製造方法 |
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- 2021-07-20 JP JP2021569472A patent/JP7026367B1/ja active Active
- 2021-07-20 WO PCT/JP2021/027165 patent/WO2023002570A1/ja unknown
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