JP7025538B2 - 流体流に対するメッシュの音響効果 - Google Patents

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Description

〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2017年10月10日に出願された米国特許出願第15/729216号の利益を主張するものである。この先行出願の開示は本出願の開示の一部と見なされ、引用により本出願の開示に組み入れられる。
本明細書は、流体流(fluid flow)及び音響(acoustics)などの物理的プロセスのコンピュータシミュレーションに関する。
高レイノルズ数の流れは、巨視的物理量(例えば、密度、温度、流速)を表す変数に対して多くの離散的空間位置の各々において高精度の浮動小数点算術演算を行うことでナヴィエ・ストークス微分方程式の離散化解を生成することによってシミュレートされてきた。別の方法は、微分方程式の代わりに、一般に格子ガス(又はセル)オートマトンとして知られているものを使用し、この場合、ナヴィエ・ストークス方程式を解くことによってもたらされる巨視的レベルのシミュレーションが、格子上のサイト間を移動する粒子に関する演算を実行する微視的レベルのモデルに置き換えられる。
米国特許第5,594,671号明細書
本明細書では、1つの実装において、1又は2以上の処理装置と、1又は2以上の処理装置によって実行された時に、流体流及び音波が多孔質材料(porous material)を通過して圧力損失及び音響損失を受けるシミュレーション空間において多孔性物質を2次元界面としてモデル化するステップを含む動作を1又は2以上の処理装置に実行させる命令を記憶する1又は2以上のハードウェア記憶装置と、について説明する。これらの動作は、シミュレーション空間において流体流及び音波伝播をシミュレートするステップも含み、流体の活動は、シミュレーション空間内の界面を横切る要素の動きをシミュレートするようにシミュレートされ、界面を横切る要素の動きのシミュレーションは、モデルによって制御される。
1又は2以上のコンピュータのシステムを、動作時にシステムに行動を実行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらの組み合わせがシステムにインストールされることによって特定の動作又は行動を実行するように構成することができる。1又は2以上のコンピュータプログラムを、データ処理装置によって実行された時に装置に行動を実行させる命令を含むことによって特定の動作又は行動を実行するように構成することができる。
本開示の実装は、以下の動作のうちの1つ又は2つ以上を単独で又は組み合わせて含むことができる。動作は、シミュレーション空間内の界面に起因する流体流及び音波伝播の変化をさらに識別することができる。多孔質材料の幾何学的特性及びシミュレーション特性に基づいて、界面を横切る流体流の指標を生成することを決定することができる。音波伝播をシミュレートするステップは、界面の第1の側から界面の第2の側への圧力変化を計算するステップを含むことができる。動作は、シミュレーションに基づいて、多孔質材料の音響減衰特性を求めるステップをさらに含むことができる。流体流及び音波伝播をシミュレートするステップは、界面の第1の側を界面の第2の側とは無関係にシミュレートするステップを含むことができる。音波伝播をシミュレートするステップは、界面を横切る流体流の指標(measure)に基づいて、界面の一方向を通る制限されていない流体流を可能にし、他方向の流体流を制限するステップを含むことができる。多孔質材料は、メッシュとすることができる。
本明細書で説明するシステムのいくつかの利点としては、複雑な界面の処理が単純化され、保存則が完全に満たされ、界面上の特定の流体境界条件が容易に実現される点が挙げられる。
2つのLBMモデルの速度成分を示す図である。 2つのLBMモデルの速度成分を示す図である。 物理的プロセスシミュレーションシステムが従う手順のフローチャートである。 マイクロブロックの透視図である。 図3のシステムが使用する格子構造の図である。 図3のシステムが使用する格子構造の図である。 可変分解能技術を示す図である。 可変分解能技術を示す図である。 表面のファセットの影響を受ける領域を示す図である。 ボクセルから表面への粒子の動きを示す図である。 表面から表面への粒子の動きを示す図である。 表面動力学の実行手順のフローチャートである。 異なるサイズのボクセル間の界面を示す図である。 可変分解能条件下でのファセットとの相互作用をシミュレートする手順のフローチャートである。 メッシュの説明図である。 メッシュを表す界面の概略図である。
様々な図面の同じ参照番号及び参照記号は同じ要素を示す。
気流は、環境内のノイズ発生の原因となり得る。気流によって生じるノイズの1つの極端な事例は機体ノイズである。機体ノイズは、例えば(スロット付きスラップ(slotted slaps)、フラップ側縁部、スラット側縁部及び空洞、フラット及びスラットトラック(flats and slat tracks)、スラットトラック切欠部、スポイラ、及びギアウェイク/フラップの相互作用などの)着陸装置及び揚力面と相互作用する空気流のように、空気流が固形物と相互作用して乱流を引き起こすことによって生じ得る。機体ノイズは、航空機によって発生するノイズ量の下限として説明されている。すなわち、機体ノイズは、航空機によって発生する最小ノイズ量を定めることができる。
機体ノイズを低減する試みには異なる方法が使用されており、例えば風洞実験において流線形フェアリング(streamlines fairings)が試験されている。フェアリングは、ある領域の周囲の全ての気流を方向を変化させるように、或いは部分的に流れ透過性(flow transparent)である(例えば、メッシュ又は伸縮性布地から形成される)ように設計することができる。
空気流によって発生するノイズは、金属、木材、プラスチック又は段ボールを含む様々な材料の穿孔又はスロット付きシート又はパネルを使用して低減又は排除することができる。これらのシート又はパネルを音響処理として使用して音を吸収し、ノイズの発生を抑えることができる。これらのシート又はパネルは、様々な厚み及び形状のものとすることができる。これらのシート又はパネルは、輪郭形成することも又はしないこともでき、曲面への取り付けに適合するように湾曲させることができる。
流体流領域にわたって穿孔パネルを適用する効果は、穿孔を通る実際の流体流を完全に解明することなく判定することができる。モデルを通じて、流れが穴を通過して流体力学的圧力降下及び音響減衰の両方をもたらす同じ局所的効果を達成することができる。
A.音響吸収をモデル化するための容積法
音響工学では、多孔質材料による音響吸収、すなわち音響抵抗、音響インピーダンスなどが重要なテーマである。微視的スケールでは、材料の位相幾何学的な複雑さに起因して、多孔質媒体における音の伝播を特性化することは困難である。巨視的スケールでは、空隙率の高い多孔質材料を、空気に対する修正特性を有する流体の領域として扱うことができる。このような媒体の音響伝播は、材料の2つの固有の周波数依存した容量特性の形の特性インピーダンス及び複素音波数(complex acoustic wave number)で表すことができる。これらの特性は、異なる形でモデル化することもできる。例えば、ある仮定の下では、吸収材料における音響伝播のための所与の容積モデルを、2つの異なる媒体間の界面における局所的に反応する周波数依存した複素インピーダンスの形にすることができる。このようなインピーダンスモデルは、境界要素法(BEM)、有限要素法(FEM)及び統計的エネルギー解析(SEA)法などの方法において使用することができ、周波数領域の境界条件として実装することができる。
流れに起因するノイズに関する問題の場合、好適な計算流体力学(CFD)及び/又は計算空力音響学(CAA)数値法は非線形的であって、しばしば時間陽的(time-explicit)である。時間陽的解決策(time-explicit solution)では、時間領域表面インピーダンス境界条件が、多孔質材料に起因する音響吸収のモデル化を可能にすることができる。しかしながら、たとえ時間領域表面インピーダンスの公式化を導き出せる場合であっても、安定性及びロバスト性は、克服の困難な課題となり得る。
以下でさらに詳細に説明する別の方法は、音波が材料内を伝わって運動量シンクを通じて消失するように、吸収材料を容積流体領域としてモデル化することを含む。この方法は、ダルシーの法則に従って運動量シンクを材料の流れ抵抗に関連付けることによって行われる、多孔質媒体を通る流れを巨視的モデル化する方法に類似する。音響吸収のモデル化では、望ましい吸収挙動を実現するための運動量シンクの求め方が問題である。音響吸収が流れ抵抗と同じ物理的機構によって支配される(又は少なくとも左右される)のであれば、特定の多孔質材料の正しい流れ抵抗を実現するために使用するものと同じ運動量シンク挙動が、この材料の正しい音響吸収も実現するはずである。この方法は、あらゆる受動的な同質の多孔質材料に適用することができる。さらに、この方法では、原因となる実際の受動的条件を満たすようにしてインピーダンスが実現されるので、数値的安定性の問題も排除される。
この容積モデル化法は、マサチューセッツ州バーリントンのExa社から市販されているPowerFLOWシステムなどの、格子ボルツマン法(LBM)に基づく時間陽的CFD/CAA解決策と併用することができる。LBMは、巨視的連続体方程式を離散化することに基づく方法とは異なり、巨視的流体力学を予測する「メゾスコピック」なボルツマン動力学方程式から開始する。結果として得られる圧縮可能で非定常的な解法を用いて、空力音響学及び純粋な音響問題などの様々な複雑な流動物理学を予測することができる。HVACシステム、車両のエンジンコンパートメント及びその他の用途装置などを通じた流れをシミュレートする際に遭遇する、エアフィルタ、ラジエータ、熱交換器、蒸発器及びその他のコンポーネントなどの様々なコンポーネントの流れ抵抗を表すために多孔質媒体モデルを使用する。
以下では、LBMベースのシミュレーションシステムの一般論を示し、その後にこのような容積モデル化法を支援するために使用できる、音響吸収及びその他の現象、並びに多孔質媒体界面モデルのための容積モデル化法について説明する。
B.モデルシミュレーション空間
LBMベースの物理プロセスシミュレーションシステムでは、離散速度の集合ciにおいて評価される分布関数値fiによって流体流を表すことができる。分布関数の動特性は、以下の方程式4によって制御され、
Figure 0007025538000001
方程式(4a)
ここでの
Figure 0007025538000002
は、以下のように定義される平衡分布関数として知られている。
Figure 0007025538000003
方程式(4b)
この方程式は、分布関数fiの時間的発展を表す周知の格子ボルツマン式である。左辺は、いわゆる「流動プロセス」に起因する分布の変化を表す。この流動プロセスは、ある格子位置において流体ポケットが開始し、速度ベクトルのうちの1つに沿って次の格子位置に移動する時点である。この時点で、「衝突係数」、すなわち開始した流体ポケットに対する近くの流体ポケットの影響を計算する。流体は、別の格子位置にしか移動することができず、従って全ての速度の全ての成分が共通速度の倍数になるように正しく速度ベクトルを選択することが必要である。
第1の方程式の右辺は、上述した流体ポケット間の衝突に起因する分布関数の変化を表す「衝突演算子」である。ここで使用する特定の形の衝突演算子は、Bhatnagar、Gross及びKrock(BGK)によるものである。この衝突演算子は、分布関数を、二次方程式によって与えられる「平衡」形態である規定値に近づくように強要する。
このシミュレーションからは、質量ρ及び流体速度uなどの従来の流体変数が方程式(3)の単純和として得られる。ここでは、ci及びwiの集合的な値がLBMモデルを定める。LBMモデルは、スケーラブルコンピュータプラットフォーム上に効率的に実装して、時間的非定常流(time unsteady flows)及び複雑な境界条件のために高いロバスト性を伴って実行することができる。
ボルツマン式から流体系の動きの巨視的方程式を取得する標準的方法は、完全なボルツマン式の連続近似を取るチャップマン-エンスコッグ法(Chapman-Enskog method)である。
流体系では、密度の微小変動が音速で伝わる。気体系では、一般に音速が温度によって決まる。流れにおける圧縮率の影響の重要性は、特徴的速度と音速との比率によって測定され、これはマッハ数として知られている。
図1を参照すると、第1のモデル(2D-1)100は、21個の速度を含む2次元モデルである。これらの21個の速度のうち、1つ(105)は動いていない粒子を表し、3組の4つの速度は、格子のx軸又はy軸のいずれかに沿って正の方向又は負の方向のいずれかに正規化速度(r)(110~113)、正規化速度の2倍(2r)(120~123)、又は正規化速度の3倍(3r)(130~133)のいずれかで動いている粒子を表し、2組の4つの速度は、x格子軸及びy格子軸の両方に関して正規化速度(r)(140~143)又は正規化速度の2倍(2r)(150~153)で動いている粒子を表す。
また、図2に示すように、第2のモデル(3D-1)200は、各速度が図2の矢印のうちの1つによって表される39個の速度を含む3次元モデルである。これらの39個の速度のうち、1つは動いていない粒子を表し、3組の6つの速度は、格子のx軸、y軸又はz軸に沿って正の方向又は負の方向のいずれかに正規化速度(r)、正規化速度の2倍(2r)、又は正規化速度の3倍(3r)のいずれかで動いている粒子を表し、8つの速度は、x、y、z格子軸の3つ全てに関して正規化速度(r)で動いている粒子を表し、12個の速度は、x、y、z格子軸の2つに関して正規化速度の2倍(2r)で動いている粒子を表す。
101個の速度を含む3D-2モデル及び37個の速度を含む2D-2モデルなどのさらに複雑なモデルを使用することもできる。これらの速度は、表1及び表2にそれぞれ文書化されるように、その各軸に沿った成分によってさらに明確に記述される。
3次元モデル3D-2では、101個の速度のうち、1つが動いていない粒子(グループ1)を表し、3組の6つの速度が、格子のx、y又はz軸に沿って正の方向又は負の方向のいずれかに正規化速度(r)、正規化速度の2倍(2r)、又は正規化速度の3倍(3r)のいずれかで動いている粒子(グループ2、4及び7)を表し、3組の8つの速度が、x、y、z格子軸の3つ全てに関して正規化速度(r)、正規化速度の2倍(2r)、又は正規化速度の3倍(3r)で動いている粒子(グループ3、8及び10)を表し、12個の速度が、x、y、z格子軸の2つに関して正規化速度の2倍(2r)で動いている粒子(グループ6)を表し、24個の速度が、x、y、z格子軸のうちの2つに対して正規化速度(r)及び正規化速度の2倍(2r)で動いていて残りの軸に関しては動いていない粒子(グループ5)を表し、24個の速度が、x、y、z格子軸のうちの2つに対して正規化速度(r)で動いていて残りの軸に関して正規化速度の3倍(3r)で動いている粒子(グループ9)を表す。
2次元モデル2D-2では、37個の速度のうち、1つが動いていない粒子(グループ1)を表し、3組の4つの速度が、格子のx軸又はy軸のいずれかに沿って正の方向又は負の方向のいずれかに正規化速度(r)、正規化速度の2倍(2r)、又は正規化速度の3倍(3r)のいずれかで動いている粒子(グループ2、4及び7)を表し、2組の4つの速度が、x及びy格子軸の両方に関して正規化速度(r)又は正規化速度の2倍(2r)で動いている粒子を表し、8つの速度が、x及びy格子軸の一方に関して正規化速度(r)で動いていて他方の軸に関して正規化速度の2倍(2r)で動いている粒子を表し、8つの速度が、x及びy格子軸の一方に関して正規化速度(r)で動いていて他方の軸に対して正規化速度の3倍(3r)で動いている粒子を表す。
上述したLBMモデルは、2次元及び3次元の両方における流れの数値シミュレーションのための特定のクラスの効率的でロバストな離散速度動力学モデルを提供する。この種のモデルは、特定の離散速度の組と、これらの速度に関連する重みとを含む。これらの速度は、特に格子ボルツマンモデルとして知られている種類の離散速度モデルの正確で効率的な実装を容易にする速度空間におけるデカルト座標の格子点と一致する。このようなモデルを使用して、高い忠実度で流れをシミュレートすることができる。
図3を参照すると、物理プロセスシミュレーションシステムが、手順300に従って動作して流体流などの物理プロセスをシミュレートする。シミュレーションの前に、シミュレーション空間をボクセルの集合としてモデル化する(ステップ302)。通常、シミュレーション空間は、コンピュータ支援設計(CAD)プログラムを用いて生成される。例えば、CADプログラムを使用して、風洞内に位置するマイクロデバイスを描くことができる。その後、CADプログラムによって生成されたデータを、適切な分解能の格子構造を追えてシミュレーション空間内の物体及び表面を考慮するように処理する。
格子の分解能は、シミュレートされているシステムのレイノルズ数に基づいて選択することができる。レイノルズ数は、以下のように、流れの粘性(ν)、流れにおける物体の特徴的長さ(L)及び流れの特徴的速度(u)に関連する。
Re=uL/ν 方程式(5)
物体の特徴的長さは、物体の大規模な特徴を表す。例えば、マイクロデバイスの周囲の流れをシミュレートしている場合には、マイクロデバイスの高さを特徴的長さと見なすことができる。物体の小領域(例えば、自動車のサイドミラー)の周囲の流れを対象とする時には、シミュレーションの分解能を高めるか、或いは対象領域の周囲に高分解能領域を使用することができる。ボクセルの次元は、格子の分解能が高まるにつれて減少する。
状態空間はfi(x,t)として表され、ここでのfiは、時点tに3次元ベクトルxによって示される、格子サイトの状態iにおける単位容積当たりの要素又は粒子の数(すなわち、状態iの粒子の密度)を表す。既知の時間増分では、粒子の数が単純にfi(x)として見なされる。格子サイトの全ての状態の組み合わせは、f(x)として示される。
状態の数は、各エネルギー準位内の考えられる速度ベクトルの数によって決まる。速度ベクトルは、x、y及びzの3次元空間における整数の線形速度から成る。多重種シミュレーションでは状態の数が増加する。
各状態iは、特定のエネルギー準位(すなわち、エネルギー準位0、1又は2)における異なる速度ベクトルを表す。各状態の速度ciは、以下のように3次元の各次元における「速度」を使用して示される。
i=(ci,x,ci,y,ci,z) 方程式(6)
エネルギー準位ゼロの状態は、どの次元にも動いていない停止した粒子を表し、すなわちcstopped=(0,0,0)である。エネルギー準位1の状態は、3次元のうちの1つの次元において±1の速度を有し、他の2つの次元においてゼロの速度を有する粒子を表す。エネルギー準位2の状態は、3次元全てにおいて±1の速度を有する粒子、或いは3次元のうちの1つの次元において±2の速度を有し、他の2つの次元においてゼロの速度を有する粒子を表す。
3つのエネルギー準位の考えられる順列を全て生成すると、全部で39個の可能な状態(1つのエネルギー0状態、6つのエネルギー1状態、8つのエネルギー3状態、6つのエネルギー4状態、12のエネルギー8状態及び6つのエネルギー9状態)が得られる。
各ボクセル(すなわち、各格子サイト)は、状態ベクトルf(x)によって表される。状態ベクトルは、ボクセルの状態を完全に定め、39個のエントリを含む。39個のエントリは、1つのエネルギー0状態、6つのエネルギー1状態、8つのエネルギー3状態、6つのエネルギー4状態、12のエネルギー8状態及び6つのエネルギー9状態に対応する。システムは、この速度集合を使用することによって、達成された平衡状態ベクトルのマクスウェル-ボルツマン統計を生じることができる。
ボクセルは、処理効率のためにマイクロブロックと呼ばれる2×2×2の容量にグループ化される。これらのマイクロブロックは、ボクセルの並行処理を可能にして、データ構造に関連するオーバーヘッドを最小化するように編成される。マイクロブロック内のボクセルの略語はNi(n)として定義され、ここでのnは、マイクロブロック内の格子サイトの相対的位置を表し、n∈{0,1,2,...,7}である。図4にマイクロブロックを示す。
図5A及び図5Bを参照すると、表面S(図3A)をシミュレーション空間(図5B)内にファセットFαの集合として以下のように表しており、
S={Fα} 方程式(7)
ここでのαは、特定のファセットを列挙する指数である。ファセットはボクセル境界に制限されず、通常は比較的少数のボクセルに影響を与えるように、ファセットに隣接するボクセルのサイズと同程度又はそれよりもわずかに小さなサイズを有する。ファセットには、表面動力学を実装する目的で特性が割り当てられる。具体的に言えば、各ファセットFαは、単位法線(nα)と、表面積(Aα)と、中心位置(xα)と、ファセットの表面動特性を表すファセット分布関数(fi(α))とを有する。
図6を参照すると、シミュレーション空間の異なる領域内で異なるレベルの分解能を用いて処理効率を高めることができる。通常は、物体655の周囲の領域650が最も重要であり、従って最高分解能でシミュレートされる。粘性の効果は物体からの距離と共に減少するので、物体655から広がる距離に配置された領域660、665のシミュレーションには低レベルの分解能(すなわち、拡大されたボクセル容積)を使用する。同様に、図7に示すように、物体775のそれほど重要でない特徴の周囲の領域770のシミュレートには低レベルの分解能を使用する一方で、物体775の最も重要な特徴(例えば、先端面及び後端面)の周囲の領域780のシミュレーションには最高レベルの分解能を使用することができる。中心から遠い領域785は、最低レベルの分解能及び最大ボクセルを用いてシミュレートされる。
C.ファセットの影響を受けるボクセルの識別
再び図3を参照すると、シミュレーション空間をモデル化したら(ステップ302)、1又は2以上のファセットの影響を受けるボクセルを識別する(ステップ304)。ボクセルは、複数の形でファセットの影響を受けることができる。まず、1又は2以上のファセットが交わるボクセルは、交わっていないボクセルに比べて容量が小さいという点で影響を受ける。この理由は、ファセットと、ファセットが表す表面下の材料とがボクセルの一部を占有するからである。部分因子(fractional factor)Pf(x)は、ファセットの影響を受けないボクセルの部分(すなわち、流体又は流れをシミュレートされている他の物質が占有できる部分)を示す。交わっていないボクセルでは、Pf(x)が1に等しい。
ファセットへの粒子の移動又はファセットからの粒子の受け取りを行うことによって1又は2以上のファセットと相互作用するボクセルも、ファセットの影響を受けるボクセルとして識別される。ファセットが交わる全てのボクセルは、ファセットから粒子を受け取るという少なくとも1つの状態と、ファセットに粒子を移動させるという少なくとも1つの状態とを含むようになる。ほとんどの場合、追加のボクセルもこのような状態を含む。
図8を参照すると、非ゼロの速度ベクトルciを有する各状態iでは、ファセットFαが、速度ベクトルCiとファセットの単位法線nαとのベクトルドット積の大きさによって定められる高さ(|cii|)と、ファセットの表面積Aαによって定められる底面とを有する平行六面体Gによって定められる領域から粒子を受け取り、又はこの領域に粒子を移動させることにより、平行六面体Gの容積Vは次式に等しくなる。
=|ciα|Aα 方程式(8)
ファセットFαは、状態の速度ベクトルがファセットに向けられた(|cii|<0の)時には容積Vから粒子を受け取り、状態の速度ベクトルがファセットから離れる方に向けられた(|cii|>0の)時にはこの領域に粒子を移動させる。後述するように、内角などの非凸型の特徴の近傍で起こり得る条件である、別のファセットが平行六面体Gの一部を占有する時には、この表現を修正しなければならない。
ファセットFαの平行六面体Gは、複数のボクセルの一部又は全部に重なり合うことができる。ボクセルの数又はその一部は、ボクセルのサイズに対するファセットのサイズと、状態のエネルギーと、格子構造に対するファセットの配向とに依存する。影響を受けるボクセルの数は、ファセットのサイズと共に増加する。従って、上述したように、通常、ファセットのサイズは、ファセットの近傍に位置するボクセルのサイズと同程度又はそれよりも小さくなるように選択される。
平行六面体Gが重なり合ったボクセルN(x)の部分は、V(x)として定められる。この項を使用すると、ボクセルN(x)とファセットFαとの間を移動する状態iの粒子の流束Γ(x)は、以下のように、ボクセル内の状態iの粒子の密度(Ni(x))と、ボクセルが重なり合った領域の容積(V(x))とを乗算したものに等しい。
Γ(x)=Ni(x)V(x) 方程式(9)
平行六面体Gに1又は2以上のファセットが交わる時には、以下の条件が当てはまり、
=ΣVα(x)+ΣV(β) 方程式(10)
ここでの第1の総和は、Giαが重なり合った全てのボクセルに相当し、第2項は、Gに交わる全てのファセットに相当する。平行六面体Gに別のファセットが交わらない時には、この式が以下のように短縮される。
=ΣV(x) 方程式(11)
D.シミュレーションの実行
1又は2以上のファセットの影響を受けるボクセルを識別したら(ステップ304)、タイマを初期化してシミュレーションを開始する(ステップ306)。(本明細書では時間ステップとも呼ぶ)シミュレーションの各時間増分中には、粒子と表面ファセットとの相互作用を考慮した移流段階(ステップ308~316)によってボクセルからボクセルへの粒子の移動をシミュレートする。次に、衝突段階(ステップ318)によって各ボクセル内の粒子の相互作用をシミュレートする。その後、タイマを増分する(ステップ320)。増分されたタイマがシミュレーションの完了を示していない(ステップ322)場合には、移流段階及び衝突段階(ステップ308~320)を繰り返す。増分されたタイマがシミュレーションの完了を示している(ステップ322)場合には、シミュレーションの結果を記憶及び/又は表示する(ステップ324)。
1.表面の境界条件
表面との相互作用を正しくシミュレートするには、各ファセットが4つの境界条件を満たさなければならない。まず、ファセットが受け取った粒子の合計質量が、ファセットが移動させた粒子の合計質量に等しくなければならない(すなわち、ファセットへの正味質量流束がゼロに等しくなければならない)。次に、ファセットが受け取った粒子の合計エネルギーが、ファセットが移動させた粒子の合計エネルギーに等しくなければならない(すなわち、ファセットへの正味エネルギー流束がゼロに等しくなければならない)。これらの2つの条件は、各エネルギー準位(すなわち、エネルギー準位1及び2)での正味質量流束がゼロに等しいことを必要とすることによって満たすことができる。
他の2つの境界条件は、ファセットと相互作用する粒子の正味運動量に関連する。本明細書では滑り面と呼ぶ表面摩擦がない表面では、正味接線運動量流束がゼロに等しくなければならず、正味法線運動量流束がファセットの局所圧力に等しくなければならない。従って、ファセットの法線nαに垂直な全ての受け取られた運動量の成分と全ての移動した運動量の成分と(すなわち、接線成分)は等しくなければならず、ファセットの法線nαに平行な全ての受け取られた運動量の成分と全ての移動した合計運動量の成分と(すなわち、法線成分)の差分はファセットの局所的圧力に等しくなければならない。非滑り面では、表面の摩擦により、ファセットが移動させた粒子の合計接線運動量が、ファセットが受け取った粒子の合計接線運動量に対し、摩擦量に関連する倍数だけ減少する。
2.ボクセルからファセットへの収集
粒子と表面との間の相互作用をシミュレートする第1のステップとして、ボクセルから粒子を集めてファセットに提供する(ステップ308)。上述したように、ボクセルN(x)とファセットFαとの間の状態iの粒子の流束は以下の通りである。
Γ(x)=Ni(x)V(x) 方程式(12)
このことから、ファセットFαに向けられた各状態i(ciα<0の)では、ボクセルによってファセットFαに提供される粒子の数が以下のようになる。
Figure 0007025538000004
方程式(13)
(x)が非ゼロの値を有するボクセルのみを加算しなければならない。上述したように、ファセットのサイズは、V(x)が少数のボクセルのみについて非ゼロの値を有するように選択される。V(x)及びPf(x)は非整数値を有することもできるので、Γα(x)は実数として記憶され処理される。
3.ファセットからファセットへの移動
次に、ファセット間で粒子を移動される(ステップ310)。ファセットFαが流入状態(ciα<0)にある平行六面体Gに別のファセットFβが交わる場合、ファセットFαが受け取る状態iの粒子の一部はファセットFβから流入するようになる。具体的に言えば、ファセットFαは、前回の時間増分中にファセットFβによって生成された状態iの粒子の一部を受け取るようになる。この関係を図10に示しており、ここでは、ファセットFβが交わる平行六面体Gの一部1000が、ファセットFαが交わる平行六面体Gの一部1005に等しい。上述したように、交わった部分をV(β)として示す。この項を用いて、ファセットFβとファセットFαとの間の状態iの粒子の流束を以下のように表すことができ、
Γ(β,t-1)=Γi(β)V(β)/V 方程式(14)
ここでのΓi(β,t-1)は、前回の時間増分中にファセットFβによって生成された状態iの粒子の指標である。このことから、ファセットFαに向けられた各状態i(ciα<0の)では、他のファセットによってファセットFαに提供される粒子の数が以下のようになり、
Figure 0007025538000005
方程式(15)
ファセット内への状態iの粒子の全流束は以下のようになる。
Figure 0007025538000006
方程式(16)
ファセット分布関数とも呼ばれるファセットの状態ベクトルN(α)は、ボクセル状態ベクトルの54個のエントリに対応する54個のエントリを有する。ファセット分布関数N(α)の入力状態は、これらの状態になる粒子の流束を容積Vで除算したものに等しく設定され、
iα<0の場合、以下のようになる。
i(α)=ΓiIN(α)/V 方程式(17)
ファセット分布関数は、ファセットからの出力流束を生成するためのシミュレーションツールであり、必ずしも実際の粒子を表すものではない。正確な出力流束を生成するには、分布関数の他の状態に値を割り当てる。上述した内部状態を取り込む方法を使用して外部状態を取り込むと、
iα≧0の場合、
i(α)=ΓiOTHER(α)/V 方程式(18)
となり、ここでのΓiOTHER(α)は、上述したΓiIN(α)を生成するための方法を使用して、ただしこの方法を流入状態(ciα<0))以外の状態(ciα≧0)に適用して求められる。別の方法では、前回の時間ステップからのΓiOUT(α)の値を用いて以下のようにΓiOTHER(α)を生成することもできる。
ΓiOTHER(α,t)=ΓiOUT(α,t-1) 方程式(19)
平行状態(ciα=0)では、V及びV(x)がいずれもゼロである。Ni(α)についての式では、V(x)が(ΓiOTHER(α)の式からの)分子に現れ、Vが(Ni(α)についての式からの)分母に現れる。従って、V及びVがゼロに近付くにつれ、平行状態のNi(α)はNi(α)の極限として求められる。
ゼロの速度を有する状態の値(すなわち、静止状態、並びに状態(0,0,0,2)及び(0,0,0,-2))は、シミュレーションの開始時に温度及び圧力の初期条件に基づいて初期化される。その後、これらの値は時間と共に調整される。
4.ファセット表面動力学の実行
次に、各ファセットが上述した4つの境界条件を満たすように表面動力学を実行する(ステップ312)。図11に、ファセットの表面動力学の実行手順を示す。最初に、ファセットFαにおける粒子の全ての運動量P(α)を以下のように求めることによって、このファセットに垂直な全ての運動量を求める(ステップ1105)。
全てのiについて、
Figure 0007025538000007
方程式(20)
この式から、法線運動量Pn(α)が以下のように求められる。
n(α)=nα・P(α) 方程式(21)
次に、プッシング/プリング法を用いて、この法線運動量を排除(ステップ1110)してNn-(α)を取り出す。この方法によれば、粒子は、法線運動量のみに影響を与えるように状態間を移行する。プッシング/プリング法は、米国特許第5,594,671号に記載されており、この特許は引用により本明細書に組み入れられる。
その後、Nn-(α)の粒子が衝突してボルツマン分布Nn-β(α)をもたらす(ステップ1115)。以下で流体力学の実行に関して説明するように、ボルツマン分布は、Nn-(α)に一連の衝突則を適用することによって達成することができる。
次に、流入流束分布とボルツマン分布とに基づいてファセットFαの流出流束分布を求める(ステップ1120)。まず、流入流束分布Γi(α)とボルツマン分布との差分を以下のように求める。
ΔΓi(α)=ΓiIN(α)-Nn-βi(α)V 方程式(22)
この差分を使用すると、流出流束分布は、
αi>0の場合、以下のようになり、
ΓiOUT(α)=Nn-βi(α)V-.Δ.Γi*(α) 方程式(23)
ここでのi*は、状態iとは逆の方向を有する状態である。例えば、状態iが(1,1,0,0)である場合、状態i*は(-1,-1,0,0)である。流出流束分布は、表面摩擦及びその他の因子を考慮するために、nαci>0の場合に以下のようにさらに精緻化することができ、
ΓiOUT(α)=Nn-βi(α)V-.ΔΓi*(α)+Cf(nα・ci)[Nn-Bi*(α)]V+(nα・ci)(t・ci)ΔNj,1+(nα・ci)(t・ci)ΔNj,2 方程式(24)
ここでのCfは、表面摩擦の関数であり、tは、nαに垂直な第1の接線ベクトルであり、tは、nαとtの両方に垂直な第2の接線ベクトルであり、ΔNj,1及びΔNj,2は、状態iのエネルギー(j)及び示される接線ベクトルに対応する分布関数である。分布関数は、次式に従って求められ、
Figure 0007025538000008
方程式(25)
ここでのjは、エネルギー準位1の状態では1に等しく、エネルギー準位2の状態では2に等しい。
ΓiOUT(α)についての方程式の各項の機能は以下の通りである。第1項及び第2項は、ボルツマン分布を生じる上で衝突が有効であった範囲まで法線運動量流束境界条件を強制するが、接線運動量流束異常(tangential momentum flux anomaly)を含む。第4項及び第5項は、不十分な衝突に起因する離散性効果又は非ボルツマン構造によって生じ得る異常を補正する。最後に、第3項は、表面上の接線運動量流束の所望の変化を強制するように指定量の表面摩擦を加える。摩擦係数Cfの生成については以下で説明する。なお、ベクトル操作に関与する全ての項は、シミュレーションの開始前に計算できる幾何学的因子である。
このことから、接線速度が以下のように求められ、
i(α)=(P(α)-Pn(α)nα)/ρ 方程式(26)
ここでのpは、以下のようなファセット分布の密度である。
Figure 0007025538000009
方程式(27)
上述したように、流入流束分布とボルツマン分布との差分は以下のように求められる。
ΔΓi(α)=ΓiIN(α)-Nn-βi(α)V 方程式(28)
この時、流出流束分布は以下のようになり、
ΓiOUT(α)=Nn-βi(α)V-ΔΓi*(α)+Cf(nαi)[Nn-βi*(α)-Nn-βi(α)]V 方程式(29)
この式は、従来の方法によって求められる流出流束分布の第1の2つの線に対応するが、異常な接線流束の補正を必要としない。
いずれの方法を使用しても、結果として得られる流束分布は運動量流束条件を全て満たし、すなわち、
Figure 0007025538000010
方程式(30)
となり、ここでのpαは、ファセットに粒子を提供するボクセルの平均密度及び温度値に基づくファセットFαにおける平衡圧であり、uαは、ファセットにおける平均速度である。
質量及びエネルギー境界条件が確実に満たすには、各エネルギー準位jについて入力エネルギーと出力エネルギーとの差分を以下のように測定する。
Figure 0007025538000011
方程式(31)
ここでの添字jは、状態iのエネルギーを示す。次に、このエネルギー差を用いて差分項(difference term)を生成すると、
jiα>0の場合、以下のようになる。
Figure 0007025538000012
方程式(32)
この差分項を用いて流出流束を修正すると、流速は、cjiα>0の場合に以下のようになる。
ΓαjiOUTf=ΓαjiOUT+δΓαji 方程式(33)
この演算は、接線運動量流束をそのままにして質量及びエネルギー流束を訂正するものである。流れがファセットの近傍でほぼ均一であって平衡に近い場合には、この調整はわずかなものである。調整後に結果として得られる法線運動量流束は、近傍の平均特性に近傍の非均一性又は非平衡特性に起因する補正を加えたものに基づいて、平衡圧力である値までわずかに変化する。
5.ボクセルからボクセルへの移動
再び図3を参照すると、粒子が3次元直線格子に沿ってボクセル間を移動する(ステップ314)。このボクセルからボクセルへの移動は、ファセットと相互作用しないボクセル(すなわち、表面付近に存在しないボクセル)上で行われる唯一の移動演算である。典型的なシミュレーションでは、表面と相互作用するほど十分近くに存在しないボクセルがボクセルの大多数を構成する。
この別個状態の各々は、3次元:x、y及びzの各々において格子に沿って整数速度(integer speeds)で移動する粒子を表す。整数速度は、0、±1及び±2を含む。速度の符号は、対応する軸に沿った粒子の移動方向を示す。
表面と相互作用しないボクセルでは、この移動演算が計算的に極めて単純である。毎時間増分中に、状態の集団全体がその現在のボクセルから宛先ボクセルに移動する。同時に、宛先ボクセルの粒子は、そのボクセルから独自の宛先ボクセルに移動する。例えば、+1x及び+1y方向に移動中のエネルギー準位1の粒子(1,0,0)は、その現在のボクセルからx方向に+1、他の方向に0のボクセルに移動する。この粒子は、最終的に移動前に有していた同じ状態の宛先ボクセル(1,0,0)に落ち着く。ボクセル内の相互作用は、他の粒子及び表面との局所的相互作用に基づいて、その状態の粒子数を変化させる可能性が高い。そうでなければ、粒子は、同じ速度で同じ方向に格子に沿って移動し続ける。
1又は2以上の表面と相互作用するボクセルでは、移動演算がわずかに複雑になる。これにより、1又は2以上の部分粒子(fractional particles)がファセットに移動することがある。このような部分粒子のファセットへの移動により、部分粒子がボクセル内に残るようになる。これらの部分粒子は、ファセットによって占められたボクセルに移動する。例えば、図9を参照すると、ボクセル905の状態iの粒子の一部900がファセット910に移動すると(ステップ308)、残り部分915は、ファセット910が位置するボクセル920に移動し、ここから状態iの粒子がファセット910に向けられる。従って、状態集団が25に等しく、V(x)が0.25に等しい(すなわち、ボクセルの4分の1が平行六面体Gに交わる)場合には、6.25の粒子がファセットFαに移動し、18.75の粒子がファセットFαに占められたボクセルに移動する。複数のファセットが単一のボクセルに交わることもあるので、1又は2以上のファセットによって占められたボクセルに移動する状態iの粒子の数N(f)は以下のようになり、
Figure 0007025538000013
方程式(34)
ここでのN(x)はソースボクセルである。
6.ファセットからボクセルへの散乱
次に、各ファセットから出ていく粒子がボクセルに散乱する(ステップ316)。基本的に、このステップは、粒子がボクセルからファセットに移動した収集ステップの逆である。ファセットFαからボクセルN(x)に移動する状態iの粒子の数は以下のようになり、
Figure 0007025538000014
方程式(35)
ここでのPf(x)は、部分ボクセルの容積減少を表す。このことから、各状態iについて、ファセットからボクセルN(x)に向けられる粒子の総数は以下のようになる。
Figure 0007025538000015
方程式(36)
粒子をファセットからボクセルに散乱させ、これらの粒子と周囲のボクセルから移流してきた粒子とを組み合わせ、結果を整数化した後には、特定のボクセルの特定の方向がアンダーフロー(負となる)又はオーバーフローとなる(8ビット実装では255を超える)可能性がある。この結果、質量、運動量及びエネルギーを許容できる値の範囲に収まるように切り捨てた後に、これらの量が増加又は減少するようになる。このような発生を防ぐために、有害な状態を切り捨てる前に、境界を超える質量、運動量及びエネルギーを集計する。状態が属しているエネルギーについては、(アンダーフローに起因して)得られた又は(オーバーフローに起因して)失われた値に等しい質量を、同じエネルギーを有する、それ自体オーバーフロー又はアンダーフローの影響を受けないランダムに(又は順次的に)選択された状態に加え戻す。この質量及びエネルギーの追加に起因する運動量を集計し、切り捨てによる運動量に加える。同じエネルギー状態のみに質量を追加することにより、質量カウンタがゼロに達した時に質量及びエネルギーの両方が補正される。最後に、プッシング/プリング法を用いて、運動量集計器(momentum accumulator)がゼロに戻るまで運動量を補正する。
7.流体力学の実行
最後に、流体力学を実行する(ステップ318)。このステップは、マイクロ動力学演算又はボクセル内演算と呼ぶことができる。同様に、移流手順は、ボクセル間演算と呼ぶことができる。後述するマイクロ動力学演算は、ファセットにおける粒子を衝突させてボルツマン分布を生じるために使用することもできる。
格子ボルツマン方程式モデルでは、BGK衝突モデルとして知られている特定の衝突演算子によって流体力学が保証される。この衝突モデルは、実際の流体系における分布の動力学を模倣するものである。衝突プロセスは、方程式1及び方程式2の右辺によって十分に表すことができる。移流ステップ後には、方程式3を使用して、保存された流体系の量、具体的には密度、運動量及びエネルギーを分布関数から取得する。これらの量から、方程式(2)のfeqによって示される平衡分布関数が方程式(4)によって十分に規定される。表1に示す速度ベクトルセットci及び重みの選択、並びに方程式2は、共に巨視的挙動が正しい流体力学方程式に従うことを確実にする。
E.可変分解能
図12を参照すると、(図6及び図7に示す上述したような)可変分解能は、以下では粗ボクセル12000及び微細ボクセル1205と呼ぶ異なるサイズのボクセルを使用する。(以下の説明では、2つの異なるサイズを有するボクセルを参照するが、説明する方法は、3又は4以上の異なるサイズのボクセルに適用してさらなる分解能レベルを提供することもできると理解されたい。)粗ボクセルの領域と微細ボクセルの領域との間の界面は、可変分解能(VR)界面1210と呼ばれる。
表面又はその付近で可変分解能を使用する場合、ファセットは、VR界面の両側でボクセルと相互作用することができる。これらのファセットは、VR界面ファセット1215(FαIC)又はVR微細ファセット1220(FαIF)として分類される。VR界面ファセット1215は、VR界面の粗側に位置し、微細ボクセル内に延びる粗平行六面体1225を有するファセットである。(粗平行六面体は、ciの寸法が粗ボクセルの寸法に従って決定された平行六面体であり、微細平行六面体は、ciの寸法が微細ボクセルの寸法に従って決定された平行六面体である。)VR微細ファセット1220は、VR界面の微細側に位置し、粗ボクセル内に延びる微細平行六面体1230を有するファセットである。界面ファセットに関する処理は、粗ファセット1235(FαC)及び微細ファセット1240(FαF)との相互作用を伴うこともできる。
両タイプのVRファセットでは、表面動力学が微細スケールで実行され、上述したように機能する。しかしながら、VRファセットは、VRファセットとの間で粒子が移流する方法に関して他のファセットとは異なる。
VRファセットとの相互作用は、図13に示す可変分解能手順1300を用いて処理される。この手順のほとんどのステップは、非VRファセットとの相互作用について上述した同等のステップを用いて行われる。手順1300は、それぞれが微細時間ステップに対応する2つの位相を含む粗時間ステップ(すなわち、粗ボクセルに対応する時間間隔)中に実行される。ファセット表面動力学は、各微細時間ステップ中に実行される。このため、VR界面ファセットFαICは、それぞれが黒色ファセットFαICb及び赤色ファセットFαICrと呼ばれる2つの同一サイズ及び同一配向の微細ファセットと見なされる。黒色ファセットFαICbは、粗時間ステップ内の第1の微細時間ステップに関連し、赤色ファセットFαICrは、粗時間ステップ内の第2の微細時間ステップに関連する。
最初に、第1の表面間移流段階によって粒子がファセット間を移動(移流)する(ステップ1302)。粒子は、ファセットFαから延びてファセットFβの裏側に存在する粗平行六面体(図12、1225)の未ブロック化部分から、ファセットFαから延びてファセットFβの裏側に存在する微細平行六面体(図12、1245)の未ブロック化部分を差し引いた容積に対応するV-αβの重み付け係数によって、黒色ファセットFαICbから粗ファセットFβCに移動する。微細ボクセルのciの大きさは、粗ボクセルのciの大きさの1/2である。上述したように、ファセットFαの平行六面体の容積は以下のように定義される。
=|ciα|Aα 方程式(37)
従って、ファセットの表面積Aαは粗平行六面体と微細平行六面体との間で変化せず、単位法線nαは常に1の大きさを有するので、ファセットに対応する微細平行六面体の容積は、このファセットの対応する粗平行六面体の容積の1/2である。
粒子は、ファセットFαから延びてファセットFβの裏側に存在する微細平行六面体の未ブロック化部分の容積に対応するVαβの重み付け係数によって、粗ファセットFαCから黒色ファセットFβICbに移動する。
粒子は、Vαβの重み付け係数によって赤色ファセットFαICrから粗ファセットFβCに移動し、V-αβの重み付け係数によって粗ファセットFαCから赤色ファセットFβICbに移動する。
粒子は、Vαβの重み付け係数によって赤色ファセットFαICrから黒色ファセットFβICbに移動する。この段階では、黒色から赤色への移流は発生しない。また、黒色ファセット及び赤色ファセットは連続時間ステップを表すので、黒色から黒色への移流(又は赤色から赤色への移流)は決して発生しない。同様の理由で、この段階における粒子は、Vαβの重み付け係数によって赤色ファセットFαICrから微細ファセットFβIF又はFβFに移動し、同じ重み付け係数によって微細ファセットFαIF又はFαFから黒色ファセットFαICbに移動する。
最後に、粒子は、同じ重み付け係数によって微細ファセットFαIF又はFαFから他の微細ファセットFβIF又はFβFに移動し、ファセットFαから延びてファセットFβの裏側に存在する粗平行六面体の未ブロック化部分の容積に対応するVCαβの重み付け係数によって、粗ファセットFαCから他の粗ファセットFCに移動する。
粒子が表面間を移流した後に、第1の収集段階においてボクセルから粒子を収集する(ステップ1304~1310)。粒子は、微細ファセットFαFでは微細平行六面体を用いて微細ボクセルから収集され(ステップ1304)、粗ファセットFαCでは粗平行六面体を用いて粗ボクセルから収集される(ステップ1306)。その後、黒色ファセットFαIRb及びVR微細ファセットFαIFでは、微細平行六面体を用いて粗ボクセル及び微細ボクセルの両方から粒子が収集される(ステップ1308)。最後に、赤色ファセットFαIRrでは、粗平行六面体と微細平行六面体との差分を用いて粗ボクセルから粒子が収集される(ステップ1310)。
次に、微細ボクセル又はVRファセットと相互作用する粗ボクセルを微細ボクセルの集合に展開する(ステップ1312)。単一の粗時間ステップ内で粒子を微細ボクセルに送る状態の粗ボクセルを展開する。例えば、ファセットが交わっていない適切な状態の粗ボクセルは、図4のマイクロブロックのように配向された8つの微細ボクセルに展開される。1又は2以上のファセットが交わっている適切な状態の粗ボクセルは、完全微細ボクセル、及び/又はいずれのファセットも交わっていない粗ボクセルの一部に対応する部分的微細ボクセルの集合に展開される。これらの展開によって生じる粗ボクセル及び微細ボクセルの粒子密度Ni(x)は等しいが、微細ボクセルは、粗ボクセルの部分因子及び他の微細ボクセルの部分因子とは異なる部分因子Pfを有することができる。
その後、微細ファセットFαIF及びFαFについて表面動力学を実行し(ステップ1314)た後に、黒色ファセットFαICbについて表面動力学を実行する(ステップ1316)。動力学は、図11に示す上述した手順を用いて実行される。
次に、実際の微細ボクセルと粗ボクセルの展開によって生じた微細ボクセルとを含む微細ボクセル間を粒子が移動する(ステップ1318)。粒子が移動し終えると、微細ファセットFαIF及びFαFから微細ボクセルに粒子を散乱させる(ステップ1320)。
粒子は、黒色ファセットFαICbから(粗ボクセルを展開することによって生じた微細ボクセルを含む)微細ボクセルへも散乱される(ステップ1322)。表面が存在しない時点で微細ボクセルが粒子を受け取っていれば、粒子は微細ボクセルに散乱される。具体的は、ボクセルが(粗ボクセルの展開によって生じた微細ボクセルではなく)実際の微細ボクセルである場合、ボクセルN(x)を超える1つの速度単位であるボクセルN(x+ci)が実際の微細ボクセルである場合、或いはボクセルN(x)を超える1つの速度単位であるボクセルN(x+ci)が粗ボクセルの展開によって生じた微細ボクセルである場合、粒子はボクセルN(x)に散乱される。
最後に、微細ボクセル上で流体力学を実行することによって第1の微細時間ステップが完了する(ステップ1324)。流体力学を実行するボクセルは、粗ボクセルを展開することによって生じた微細ボクセルを含まない(ステップ1312)。
手順1300は、第2の微細時間ステップ中にも同様のステップを実行するものである。最初に、第2の表面間移流段階において、粒子が表面間を移動する(ステップ1326)。粒子は、黒色ファセットから赤色ファセットへ、黒色ファセットから微細ファセットへ、微細ファセットから赤色ファセットへ、及び微細ファセットから微細ファセットへ移流する。
粒子が表面間を移流した後に、第2の収集段階(ステップ1328~1330)においてボクセルから粒子を収集する。粒子は、赤色ファセットFαIRrでは微細平行六面体を用いて微細ボクセルから収集される(ステップ1328)。粒子は、微細ファセットFαF及びFαIFでも微細平行六面体を用いて微細ボクセルから収集される(ステップ1330)。
その後、上述したように、微細ファセットFαIF及びFαFについて(ステップ1332)、粗ファセットFαCについて(ステップ1134)、及び赤色ファセットFαICRについて表面動力学を実行する(ステップ1336)。
次に、微細ボクセルと粗ボクセルを表す微細ボクセルとの間を粒子が移動するように、微細分解能を用いてボクセル間で粒子を移動させる(ステップ1338)。その後、粒子が粗ボクセルとの間を移動するように、粗分解能を用いてボクセル間で粒子を移動させる(ステップ1340)。
次に、複合ステップにおいて、粗ボクセルを表す微細ボクセル(すなわち、粗ボクセルを展開させることによって生じた微細ボクセル)が粗ボクセルに合体している間に、粒子をファセットからボクセルに散乱させる(ステップ1342)。この複合ステップでは、粗平行六面体を用いて粗ファセットから粗ボクセルへ、微細平行六面体を用いて微細ファセットから微細ボクセルへ、微細平行六面体を用いて赤色ファセットから微細又は粗ボクセルへ、及び粗平行六面体と微細平行六面体との差分を用いて黒色ファセットから粗ボクセルへと粒子を散乱させる。最後に、微細ボクセル及び粗ボクセルについて流体力学を実行する(ステップ1344)。
F.メッシュモデリング
上述したように、物理的構成要素の周囲の気流によって発生するノイズは、構造の周囲に適用された穿孔シートを使用して低減することができる。図14に、穿孔シート1400の例を示す。穿孔1402自体は、穿孔パターンが非常に小さな穿孔にも達する広い範囲の開口表面積対閉鎖表面積比を達成するように、異なる形状のものにして表面上で交互配列することもできる。シート1400は、硬質なものとすることも、或いは織布のような折り畳むことができる柔軟なものとすることもできる。また、これらのシート又はパネルは、時にはそのノイズ低減効果を高めるために(発泡体などの)他の音響減衰材料と多層式に組み合わされることもある(図示せず)。
これらの穿孔シートは、音波を吸収して周囲環境のノイズ知覚を全体的に抑えるために、これらの音波を生成又は反射する、従ってノイズ源に相当する表面に取り付けることができる。室内又は建物上などにおける大規模な取り付けも、機械部品の周囲などにおける小規模な取り付けも見られる。航空宇宙用途では、これらの取り付けが、高揚力装置及び着陸装置などの複数の構成要素からのノイズを低減するのに効果的である。これらの穿孔シートは、例えば着陸装置部品及びドアの周囲に固体又は可撓性フェアリング(弾性膜)として使用することができる。
パネルの3次元形状に加えて、材料及び組成とは無関係に、シートの性能及び物理的挙動を説明するために使用できる測定可能な量がわずかに存在する。第1の測定可能な品質の組は、例えばパネルの厚み、多孔率(例えば、開放面積(又は体積)と閉鎖面積(又は体積)との比率)、及び表面粗度を含む、パネルを形成する材料の幾何学的特性を含むことができる。第2の測定可能な品質の組は、例えば様々な速度についての抵抗性(例えば、所与の速度についての流体力学的圧力降下)、及び音響インピーダンス(例えば、周波数の関数としての音響吸収を引き起こす音圧減衰)を含む、パネルの物理的特性を含むことができる。一般に、物理的特性は、パネル表面に垂直な法線方向について説明することができる。
穿孔パネルの幾何学的特性及び物理的特性の両方が利用可能であれば、シミュレーションは、これらの特性を使用して、穿孔を通る実際の流体流を完全に解明することなく、パネルの周囲を流れる流体の流体力学的及び音響的挙動を完全にモデル化することができる。穴を通過して流体力学的圧力降下及び音響減衰の両方をもたらす流れの同じ局所的効果は、モデルを通じて達成することができる。このモデルは、幾何学的特性及び物理的特性を、あらゆる所与の時点で界面の一方側から界面の他方側に流れることができる流体の割合を表す指標Φに崩壊させる。
図15を参照すると、上述したように、流体流領域1502、1506を横切る流体流に影響を与えるメッシュ1508を、流体流領域1502、1506を横切る2次元界面1508としてモデル化することができる。一般に、2次元界面は、長さ及び幅(及び形状)は有しているが、深さ/厚みを有していない(又はほんのわずかな深さ/厚みを有する)界面である。例えば、2次元界面は、平面、曲面、円筒又は他のいずれか形状を形成することができる。
メッシュを2次元界面としてモデル化すると、より効率的な流体流領域のコンピュータシミュレーションが可能になる。指標Φに基づいて、メッシュをモデル化することに固有の複雑性が、境界を横切る流体を可能にする障壁にまで低減される。このようにして、コンピュータプロセッサは、より効率的にシミュレーションを実行し、シミュレーションを実行するためのプロセッサ及びメモリ要件を抑える。
例えば、システムは、小さな穴が空いた薄いシートが流体流領域に交わる状況を表す表面多孔性φ1504を考慮することができる。流れは、両側から部分的に妨げられる。幾何学的パラメータφを指標Φに崩壊させる物理的モデルを仮定すると、第1の側1502からの流体のΦ割合(Φ fraction)は第2の側1506に流れることができ、第2の側1506からの流体のΦ割合は第1の側1502に流れることができる。界面1508では、質量流束が依然として保存条件を満たす。φ=1の場合、この界面は存在しないまでに減少する。
この表面多孔性は、界面特性のモデル化のための自由度をもたらす。直接的応用の1つ(唯一ではない)は、音響減衰のための小さな穴が空いた薄いシートによって部分的に覆われた航空機の翼のノイズ低減である。モデルに追加パラメータを導入して、(例えば、界面の厚み、穴の直径などの)界面特性のモデル化のための自由度を加えることもできる。
界面1508(例えば、メッシュシート)は、いわゆる両面表面要素(すなわち、サーフェル)によって表すことができる。このような両面サーフェルでは、一対のサーフェルの組Sが、内面A及び外面Bを有する二層表面を形成する。内面Aは第1の側1502と相互作用し、外面Bは第2の側1508と相互作用する。内面Aと外面Bとの間に間隙は存在しない。計算の便宜上、各内側サーフェルは、その対を成す外側サーフェルと同一の形状及びサイズを有し、対を成す外側サーフェルのみに接触する。標準的なサーフェル収集及び散乱スキームは、表面A、Bのそれぞれの側に対し、第1の側1502からの流入粒子のФ割合が第2の側1506に通過して、第2の側1506からの流入粒子Фの全てが第1の側1502に通過するという条件で実行される。この方法の利点としては、複雑な界面の処理が単純化され、保存則が完全に満たされ、界面上の特定の流体境界条件が容易に実現される点が挙げられる。
事実上、この方法は、界面の厚みに比例しない界面抵抗を導入し、従ってダルシーの法則の近似に含めることはできない。この方法は、界面における流れの詳細を考慮し、音響吸収のモデル化などの特定のタイプの流量問題のシミュレーション結果を改善する。
この方法を使用して、界面1508の第1の側1502の圧力を、界面1508の第2の側1506の圧力とは異なるように決定することができる。界面の第1の側1502から界面1508の第2の側1508に空気が通過するにつれて、第2の側1508の圧力が増加する。シミュレーション中には、界面の一方側のボクセルから界面の第2の側のボクセルへの流体流を使用してこの効果を計算することができる。界面を横切る流れを使用して、音響効果及び流体流変化の両方を計算することができる。
モデルへの入力を修正してΦを計算することによって、異なる穿孔シートのモデル化を実行することができる。
本明細書で説明した動作は、例えば1又は2以上のコンピュータ可読記憶装置に記憶された、又は他のソースから受け取られたデータに対してデータ処理装置が実行する動作として実装することができる。
「データ処理装置」という用語は、データを処理する全ての種類の装置、機器及び機械を含み、一例としてプログラマブルプロセッサ、コンピュータ、システムオンチップ、又は複数のシステムオンチップ、又はこれらの組み合わせを含む。この装置は、(例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)などの)専用論理回路を含むこともできる。この装置は、ハードウェアに加えて、(例えばプロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想マシン、又はこれらのうちの1つ又は2つ以上の組み合わせを構成するコードなどの)対象とするコンピュータプログラムの実行環境を形成するコードを含むこともできる。この装置及び実行環境は、ウェブサービスインフラ、分散コンピューティングインフラ及びグリッド計算インフラなどの様々な異なる計算モデルインフラを実現することができる。
(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト又はコードとしても知られている)コンピュータプログラムは、コンパイラ型言語又はインタープリタ型言語、宣言型言語又は手続き型言語を含むあらゆる形のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラム、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト、又はコンピュータ環境で使用するのに適した他のユニットとしての形を含むあらゆる形で展開することができる。コンピュータプログラムは、必須ではないが、ファイルシステム内のファイルに対応することができる。プログラムは、対象プログラム専用の単一のファイル内の、又は複数の連動するファイル(例えば、1又は2以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を記憶するファイル)内の、他のプログラム又はデータ(例えば、マークアップ言語リソースに記憶された1又は2以上のスクリプト)を保持するファイルの一部に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で実行されるように展開することも、或いは1つのサイトに位置する、又は複数のサイトに分散して通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することもできる。
本明細書で説明したプロセス及びロジックフローは、1又は2以上のコンピュータプログラムを実行する1又は2以上のプログラマブルプロセッサによって、入力データに作用して出力を生成することによって動作を行うように実行することができる。プロセス及びロジックフローは、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)などの専用論理回路によって実行することもでき、装置をこのような専用論理回路として実装することもできる。
コンピュータプログラムを実行するのに適したプロセッサとしては、一例として、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びにいずれかの1又は2以上のあらゆる種類のデジタルコンピュータのプロセッサが挙げられる。一般に、プロセッサは、リードオンリメモリ又はランダムアクセスメモリ、或いはこれらの両方から命令及びデータを受け取る。コンピュータの必須要素は、命令に従って動作を実行するプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶する1又は2以上の記憶装置である。一般に、コンピュータは、(例えば磁気ディスク、磁気光学ディスク又は光学ディスクなどの)データを記憶する1又は2以上の大容量記憶装置も含み、或いはこのような大容量記憶装置との間でデータの受け取り及びデータの転送、又はこれらの両方を行うように動作可能に結合されるが、コンピュータは、このような装置を有していなくてもよい。さらに、コンピュータは、例えば携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオプレーヤ又はビデオプレーヤ、ゲーム機、全地球測位システム(GPS)受信機、又はポータブル記憶装置(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)などの別の装置に組み込むこともできる。コンピュータプログラム命令及びデータの記憶に適した装置としては、一例として(EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイスなどの)半導体メモリデバイス、(内部ハードディスク又はリムーバブルディスクなどの)磁気ディスク、磁気光学ディスク、並びにCD ROM及びDVD-ROMディスクを含む全ての形の不揮発性メモリ、媒体及びメモリデバイスが挙げられる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完することも、又は専用論理回路に組み込むこともできる。
本明細書で説明した主題の実施形態は、ユーザとの相互作用をもたらすために、(CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタなどの)ユーザに情報を表示する表示装置と、(マウス又はトラックボールなどの)ユーザがコンピュータに入力を提供できるようにするキーボード及びポインティングデバイスとを有するコンピュータ上に実装することができる。他の種類の装置を使用してユーザとの相互作用をもたらすこともでき、例えばユーザに提供されるフィードバックは、(視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック又は触覚的フィードバックなどの)あらゆる形の感覚的フィードバックとすることができ、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力又は触覚入力を含むあらゆる形で受け取ることができる。また、コンピュータは、例えばウェブブラウザから受け取られた要求に応答してユーザのユーザ装置上のウェブブラウザにウェブページを送信することなどの、ユーザが使用する装置との間で文書を送受信することによってユーザと相互作用することもできる。
本明細書で説明した主題の実施形態は、(例えばデータサーバとしての)バックエンドコンポーネントを含む、又は(アプリケーションサーバなどの)ミドルウェアコンポーネントを含む、又は(ユーザが本明細書で説明した主題の実装と相互作用できるようにするグラフィカルユーザインターフェイス又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータなどの)フロントエンドコンポーネントを含む、或いは1又は2以上のこのようなバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント又はフロントエンドコンポーネントのいずれかの組み合わせを含むコンピュータシステムに実装することができる。システムのコンポーネントは、(通信ネットワークなどの)いずれかの形又は媒体のデジタルデータ通信によって相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、(インターネットなどの)ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、及び(アドホックピアツーピアネットワークなどの)ピアツーピアネットワークが挙げられる。
コンピュータシステムは、ユーザ及びサーバを含むことができる。一般に、ユーザとサーバは互いに離れており、通常は通信ネットワークを介して相互作用する。このユーザとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行される、互いにユーザ-サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。実施形態によっては、(例えば、ユーザ装置とやりとりするユーザにデータを表示し、このユーザからユーザ入力を受けるために)サーバがユーザ装置にデータ(例えば、HTMLページ)を送信することもある。ユーザ装置で生成されたデータ(例えば、ユーザインタラクションの結果)は、サーバにおいてユーザ装置から受け取ることができる。
本明細書は多くの特定の実装の詳細を含むが、これらの詳細は、いずれかの発明又は特許請求できるものの範囲を限定するものとして解釈すべきではなく、むしろ特定の発明の特定の実施形態に固有の特徴を説明するものとして解釈すべきである。本明細書において別個の実施形態の文脈で説明したいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実装することもできる。これとは逆に、単一の実施形態の文脈で説明した様々な特徴は、複数の実施形態において別個に、又はいずれかの好適な部分的組み合わせの形で実装することもできる。さらに、上記ではいくつかの組み合わせで機能するように特徴を説明し、最初はこのように特許請求していることもあるが、場合によっては、特許請求する組み合わせから生じる1又は2以上の特徴をこれらの組み合わせから削除することもでき、特許請求する組み合わせを下位の組み合わせ又は下位の組み合わせの変形例に向けることもできる。
同様に、図面には特定の順序で動作を示しているが、これについて、望ましい結果を達成するためにこのような動作を図示の特定の順序又は順番で実施し、又は図示の動作を全て実施する必要があると理解すべきではない。状況によっては、マルチタスク及び並行処理が有利な場合もある。さらに、上述した実施形態において様々なシステムコンポーネントを分離していても、このような分離が全ての実施形態において必要であると理解すべきではなく、説明したプログラムコンポーネント及びシステムを単一のソフトウェア製品に一般的に統合し、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化することもできると理解されたい。
以上、本主題の特定の実施形態について説明した。以下の特許請求の範囲には他の実施形態も含まれる。場合によっては、特許請求の範囲に記載した動作を異なる順序で実行しても望ましい結果を得ることができる。また、望ましい結果を達成するために、添付図に示した処理を必ずしも図示の特定の順序又は順番で行う必要はない。実装によっては、マルチタスク及び並行処理が有利な場合もある。
1502 流体流領域
1504 表面多孔性
1506 流体流領域
1508 メッシュ
A 内面
B 外面

Claims (24)

  1. 3次元多孔質材料を通る流体流及び音波伝播を判定するシステムであって、
    プロセッサ及びメモリを備え、該プロセッサ及びメモリは、
    前記システムによって、前記3次元多孔質材料のモデルを受信するステップと、
    3次元多孔質材料を任意の形状を定義する幅及び長さを有するものとして定義される2次元界面シートとしてモデル化するステップであって、流体流及び音波がシミュレーション空間において前記モデル化された2次元界面シートを通過して圧力損失及び音響損失を受ける、モデル化するステップと、
    前記シミュレーション空間において、流体流及び音波伝播をシミュレートするステップと、
    を含む動作を実行するように構成され、前記流体は、前記シミュレーション空間内の前記流体流の前記モデル化された2次元界面を横切る要素の動きをシミュレートするようにシミュレートされ、前記モデル化された2次元界面を横切る前記要素の前記動きのシミュレーションは、前記モデル化された2次元界面に従って行なわれる
    ことを特徴とするシステム。
  2. 前記動作は、前記シミュレーション空間内の前記モデル化された2次元界面に起因する前記流体流及び音波伝播の変化を識別するステップをさらに含む、
    請求項1に記載のシステム。
  3. 前記動作は、前記多孔質材料の幾何学的特性及びシミュレーション特性に基づいて決定される前記モデル化された2次元界面の一方側から前記モデル化された2次元界面の他方側へ横切る前記流体流の部分を表わす指標を生成すること、をさらに含む
    請求項1に記載のシステム。
  4. 前記モデル化された2次元界面モデルはメッシュシートを表わし、前記モデル化された2次元界面モデルは、所与の時間で前記界面の一方側から前記界面の他方側に流れることができる前記流体の部分へ幾何学的パラメータφを崩壊させることを表わすΦとして定義される前記指標に基づいて、境界を横切る流体を可能にする障壁にまで前記メッシュシートのモデリングを低減させる
    請求項1に記載のシステム。
  5. 前記音波伝播をシミュレートするステップは、前記モデル化された2次元界面の第1の側から前記モデル化された2次元界面の第2の側への圧力変化を計算するステップを含む、
    請求項1に記載のシステム。
  6. 前記シミュレーションに基づいて、前記多孔質材料の前記音響減衰特性を求めるステップをさらに含む、
    請求項1に記載のシステム。
  7. 前記流体流及び音波伝播をシミュレートするステップは、前記モデル化された2次元界面の前記第1の側を前記モデル化された2次元界面の前記第2の側とは無関係にシミュレートするステップを含む、
    請求項1に記載のシステム。
  8. 前記3次元多孔質材料はメッシュシートであ前記モデル化された2次元界面は、前記メッシュシートの外面と相互作用し接触する内面を有する二層表面を形成する両面表面要素の組を含む、請求項1に記載のシステム。
  9. 3次元多孔質材料を通る流体流及び音波伝播を判定するコンピュータ実装方法であって、
    システムによって、任意の形状を定義する幅及び長さを有するものとして定義される2次元界面シートとしてモデル化された前記3次元多孔質材料のモデルを受信するステップであって、流体流及び音波がシミュレーション空間において前記モデル化された2次元界面を通過して圧力損失及び音響損失を受ける、受信するステップと、
    前記シミュレーション空間において、流体流及び音波伝播をシミュレートするステップと、
    を含み、前記流体は、前記シミュレーション空間内の前記流体流の前記モデル化された2次元界面を横切る要素の動きをシミュレートするようにシミュレートされ、前記モデル化された2次元界面を横切る前記要素の前記動きのシミュレーションは、前記モデル化された2次元界面に従って行なわれる
    ことを特徴とする方法。
  10. 前記動作は、前記シミュレーション空間内の前記モデル化された2次元界面に起因する前記流体流及び音波伝播の変化を識別するステップをさらに含む、
    請求項9に記載にコンピュータ実装方法。
  11. 前記多孔質材料の幾何学的特性及びシミュレーション特性に基づいて決定される前記モデル化された2次元界面の一方側から前記モデル化された2次元界面の他方側へ横切る前記流体流の部分を表わす指標を生成すること、をさらに含む
    請求項9に記載にコンピュータ実装方法。
  12. 前記モデル化された2次元界面モデルはメッシュシートを表わし、前記モデル化された2次元界面モデルは、所与の時間で前記界面の一方側から前記界面の他方側に流れることができる前記流体の部分へ幾何学的パラメータφを崩壊させることを表わすΦとして定義される前記指標に基づいて、境界を横切る流体を可能にする障壁にまで前記メッシュシートのモデリングを低減させる
    請求項11に記載にコンピュータ実装方法。
  13. 前記音波伝播をシミュレートするステップは、前記モデル化された2次元界面の第1の側から前記モデル化された2次元界面の第2の側への圧力変化を計算するステップを含む、
    請求項9に記載にコンピュータ実装方法。
  14. 前記シミュレーションに基づいて、前記多孔質材料の前記音響減衰特性を求めるステップをさらに含む、
    請求項9に記載にコンピュータ実装方法。
  15. 前記流体流及び音波伝播をシミュレートするステップは、前記モデル化された2次元界面の前記第1の側を前記モデル化された2次元界面の前記第2の側とは無関係にシミュレートするステップを含む、
    請求項9に記載にコンピュータ実装方法。
  16. 前記多孔質材料はメッシュシートであ前記モデル化された2次元界面は、前記メッシュシートの外面と相互作用し接触する内面を有する二層表面を形成する両面表面要素の組を含む、
    請求項9に記載にコンピュータ実装方法。
  17. コンピュータプログラム命令が符号化された非一時的コンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令は、1又は2以上のコンピュータによって実行された時に、
    システムによって、任意の形状を定義する幅及び長さを有するものとして定義される2次元界面シートとしてモデル化された前記3次元多孔質材料のモデルを受信するステップであって、流体流及び音波がシミュレーション空間において前記モデル化された2次元界面を通過して圧力損失及び音響損失を受ける、受信するステップと、
    前記シミュレーション空間において、流体流及び音波伝播をシミュレートするステップと、
    を含む動作を前記1又は2以上のコンピュータに実行させ、前記流体は、前記シミュレーション空間内の前記流体流の前記モデル化された2次元界面を横切る要素の動きをシミュレートするようにシミュレートされ、前記モデル化された2次元界面を横切る前記要素の前記動きのシミュレーションは、前記モデル化された2次元界面に従って行なわれる
    ことを特徴とする非一時的コンピュータ記憶媒体。
  18. 前記動作は、前記シミュレーション空間内の前記モデル化された2次元界面に起因する前記流体流及び音波伝播の変化を識別するステップをさらに含む、
    請求項17に記載の非一時的コンピュータ記憶媒体。
  19. 前記動作は、前記多孔質材料の幾何学的特性及びシミュレーション特性に基づいて決定される、前記モデル化された2次元界面の一方側から前記モデル化された2次元界面の他方側へ横切る前記流体流の部分を表わす指標を生成すること、をさらに含む
    請求項17に記載の非一時的コンピュータ記憶媒体。
  20. 前記音波伝播をシミュレートするステップは、前記モデル化された2次元界面の第1の側から前記モデル化された2次元界面の第2の側への圧力変化を計算するステップを含む、
    請求項17に記載の非一時的コンピュータ記憶媒体。
  21. 前記シミュレーションに基づいて、前記多孔質材料の前記音響減衰特性を求めるステップをさらに含む、
    請求項17に記載の非一時的コンピュータ記憶媒体。
  22. 前記流体流及び音波伝播をシミュレートするステップは、前記モデル化された2次元界面の前記第1の側を前記モデル化された2次元界面の前記第2の側とは無関係にシミュレートするステップを含む、
    請求項17に記載の非一時的コンピュータ記憶媒体。
  23. 前記モデル化された2次元界面モデルはメッシュシートを表わし、前記モデル化された2次元界面モデルは、所与の時間で前記界面の一方側から前記界面の他方側に流れることができる前記流体の部分へ幾何学的パラメータφを崩壊させることを表わすΦとして定義される前記指標に基づいて、境界を横切る流体を可能にする障壁にまで前記メッシュシートのモデリングを低減させる
    請求項17に記載の非一時的コンピュータ記憶媒体。
  24. 前記多孔質材料はメッシュシートである、
    請求項17に記載の非一時的コンピュータ記憶媒体。
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吉田広顕,多孔質膜の流動抵抗:格子ボルツマン法と分子動力学による再現,日本流体力学会誌「ながれ」,日本,一般社団法人日本流体力学会,2016年08月25日,第35巻,第4号,pp.285-290
陳 ▲▼ 外1名,格子ボルツマン法の基礎とその応用,シミュレーション,(株)日鉄技術情報センター,1998年09月15日,第17巻,第3号,pp.43-49

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