JP7024231B2 - 情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び観察システム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び観察システム Download PDF

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Description

本技術は、細胞の評価に適用可能な情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び観察システムに関する。
特許文献1に記載の画像処理装置では、複数の受精卵を撮像することにより得られた画像群から基準画像が選択され、受精卵の輪郭が基準輪郭として検出される。この基準輪郭を基準として、所定のプロファイルを実行することで、画像群の他の任意の画像における受精卵の輪郭が決定される。これにより、画像群の全ての画像に対して受精卵の位置を正確に合わせた受精卵画像を出力することが可能となり、受精卵の解析精度の向上が図られている。
特開2011-192109号公報
このように観察対象となる受精卵等を高い精度で評価する技術が求められている。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、観察対象となる受精卵を高精度に評価することを可能とする情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び観察システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る情報処理装置は、画像取得部と、認識部と、特徴量算出部と、を有する。
上記画像取得部は、受精卵が経時的に撮像された複数のオリジナル画像を取得する。
上記認識部は、上記オリジナル画像から上記受精卵が存在する確率を示す確率画像を生成する確率画像生成部を有し、上記確率画像に基づき上記受精卵を認識可能に構成される。
上記特徴量算出部は、上記確率画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量を算出可能に構成される。
上記技術により、受精卵を形態学的な所見だけではなく、受精卵の経時的な状態変化と、この状態変化に基づく特徴量をも考慮した多面的な品質評価が可能となり、観察対象となる受精卵を高精度に評価することができる。
上記認識部は、上記確率画像に対して画素毎に所定の閾値で2値化処理を施すことにより、上記確率画像から2値化画像を生成する2値化画像生成部をさらに有し、上記2値化画像に基づき上記受精卵を認識可能に構成され、
上記特徴量算出部は、上記2値化画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量をさらに算出可能に構成されてもよい。
上記認識部は、上記2値化画像と上記オリジナル画像とを重畳させたオーバーレイ画像を生成するオーバーレイ画像生成部をさらに有し、上記オーバーレイ画像に基づき上記受精卵を認識可能に構成され、
上記特徴量算出部は、上記オーバーレイ画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量をさらに算出可能に構成されてもよい。
上記認識部は、上記受精卵の透明帯と、上記受精卵内部の細胞とを認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記透明帯及び上記受精卵内部の細胞の面積の変化を算出してもよい。
これにより、透明帯及び受精卵内部の細胞各々の収縮/拡張活動を定量的且つ客観的に捉えることができる。
上記特徴量算出部は、上記透明帯の面積と、上記受精卵内部の細胞の面積の経時的な変化とに基づき、上記特徴量として、上記受精卵のコンパクション時間及び卵割時間の少なくとも1つを算出してもよい。
これにより、例えば、受精卵が16細胞期から桑実胚期に成長する過程での、コンパクション時間や卵割時間を定量的且つ客観的に捉えることができる。
上記認識部は、上記受精卵内部の細胞として、胚盤胞を認識し、
上記特徴量算出部は、上記透明帯と上記胚盤胞との面積差の経時的な変化に基づき、上記特徴量として、上記透明帯及び上記胚盤胞の収縮回数、収縮直径、収縮速度、収縮時間、収縮間隔、収縮強度、収縮周波数、拡張回数、拡張直径、拡張速度、拡張時間、拡張間隔、拡張強度及び拡張周波数の少なくとも1つを算出してもよい。
これにより、透明帯及び胚盤胞各々の微細な収縮/拡張活動を定量的且つ客観的に捉えることができる。
上記認識部は、上記受精卵の透明帯を認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記透明帯の径、面積及び厚みの変化の少なくとも1つを算出してもよい。
これにより、受精卵の状態が変化し始めた時間や、成長速度等を確認することができ、受精卵の経時的な収縮/拡張活動を定量的且つ客観的に捉えることができる。
上記認識部は、上記受精卵の前核を認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記前核の面積の変化を算出してもよい。
これにより、受精卵の成長過程における前核の出現時間と消失時間が判定可能となる。
上記特徴量算出部は、上記前核の面積に基づき、上記特徴量として、上記前核の個数を算出してもよい。
これにより、前核の個数に基づいて、受精卵の前核が異常であるか否かが判定可能となる。即ち、受精卵が正常受精であるか否か、さらには、異常受精の種類が判定可能となる。
上記認識部は、上記受精卵の第1及び第2の極体を認識し、
上記特徴量算出部は、上記第1及び第2の極体の面積の和と、第1の極体の面積との差に基づき、上記特徴量として、上記受精卵の極体の個数を算出してもよい。
これにより、受精卵の極体の個数に基づいて、受精後の受精卵に第2の極体が放出されているか否かが判定可能となる。即ち、受精卵が正常に受精しているか否かを判定することができる。
上記認識部は、上記受精卵の割球の核を認識し、
上記特徴量算出部は、上記核の面積に基づき、上記特徴量として、上記核の個数を算出してもよい。
これにより、受精卵が多核状態であるか否かを判定することができる。
上記認識部は、上記受精卵の透明帯と、上記受精卵内部の細胞と、上記受精卵のフラグメンテーションとを認識し、
上記特徴量算出部は、上記特徴量として、上記透明帯の面積と上記受精卵内部の細胞の面積の総和に対する上記フラグメンテーションの面積の割合を算出してもよい。
上記認識部は、上記受精卵の卵細胞辺縁透明領域と、上記受精卵内部の細胞とを認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記受精卵内部の細胞の面積に対する上記卵細胞辺縁透明領域の面積の割合の変化を算出してもよい。
これにより、受精卵の成長過程における卵細胞辺縁透明領域(Halo)の出現時間及び消失時間が判定可能となる。
上記認識部は、上記受精卵内部の細胞を認識し、
上記特徴量算出部は、上記認識部により認識された上記受精卵内部の細胞の経時的な動き量の変化をさらに算出してもよい。
これにより、上記動き量の変化がグラフ等で可視化されることで、受精卵内部の性能評価が可能となる。
上記特徴量に基づき、上記受精卵の品質を判定する判定部をさらに具備してもよい。
上記認識部は、上記受精卵の第1及び第2の極体を認識し、
上記特徴量算出部は、上記第1及び第2の極体の面積の和と、第1の極体の面積との差に基づき、上記特徴量として、上記受精卵の極体の個数を算出し、
上記判定部は、上記極体の個数に基づき、上記受精卵の極体が異常であるか否かを判定してもよい。
これにより、受精卵が正常受精であるか否かだけではなく、異常受精の種類も自動的に判定される。
上記認識部は、上記受精卵の割球の核を認識し、
上記特徴量算出部は、上記核の面積に基づき、上記特徴量として、上記核の個数を算出し、
上記判定部は、上記核の個数に基づき、上記受精卵が多核状態であるか否かを判定してもよい。
これにより、受精卵の細胞割球内が多核状態であるか否かが自動的に判定される。
上記判定部は、上記状態変化に基づき、上記受精卵の発育状態をさらに判定してもよい。
上記認識部は、上記受精卵の透明帯を認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記透明帯の厚みの変化を算出し、
上記判定部は、上記透明帯の厚みの変化に基づき、上記受精卵が拡張胚盤胞であると判定してもよい。
上記認識部は、上記受精卵の透明帯を認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記透明帯の径及び面積の変化の少なくとも1つを算出し、
上記判定部は、上記透明帯の径及び面積の変化の少なくとも1つに基づき、上記受精卵が拡張胚盤胞であると判定してもよい。
上記認識部は、上記受精卵の前核を認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記前核の面積の変化を算出し、
上記判定部は、上記前核の面積の変化に基づき、上記受精卵における前核の出現及び消失を判定してもよい。
これにより、受精卵の成長過程における前核の出現及び消失が自動的に判定される。
上記特徴量算出部は、上記前核の面積に基づき、上記特徴量として、上記前核の個数をさらに算出し、
上記判定部は、上記前核の個数に基づき、上記受精卵の前核が異常であるか否かを判定してもよい。
これにより、受精卵が正常受精であるか否か、さらには異常受精の種類が自動的に判定される。
上記認識部は、上記受精卵の卵細胞辺縁透明領域と、上記受精卵内部の細胞とを認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記受精卵内部の細胞の面積に対する前記卵細胞辺縁透明領域の面積の割合の変化を算出し、
上記判定部は、上記割合の変化に基づき、上記受精卵における卵細胞辺縁透明領域の出現及び消失を判定してもよい。
これにより、受精卵の成長過程における卵細胞辺縁透明領域(Halo)の出現及び消失が自動的に判定される。
上記判定部は、上記受精卵内部の細胞の経時的な動き量の変化に基づき、上記受精卵の発育状態をさらに判定してもよい。
上記判定部は、上記受精卵内部の細胞の動き速度ベクトルの合計値が、第1の閾値以上であり、且つ、単位時間あたりの上記動き速度ベクトルの変化がほぼゼロである上記受精卵の状態をlag-phaseと判定してもよい。
これにより、受精卵のlag-phase(細胞休止期)が自動的に判定される。
上記判定部は、上記受精卵内部の細胞の動き速度ベクトルの合計値が、第1の閾値より大きく、且つ、単位時間あたりの上記動き速度ベクトルの変化がゼロではない前記受精卵の状態を、変性細胞割合が15%未満と判定してもよい。
上記判定部は、上記受精卵内部の細胞の動き速度ベクトルの合計値が、第1の閾値以下であり、且つ、単位時間あたりの上記動き速度ベクトルの変化がほぼゼロである上記受精卵の状態を、変性細胞割合が15%以上と判定してもよい。
上記判定部は、上記受精卵内部の細胞の動き平均速度が、第2の閾値より大きい上記受精卵の状態を、変性細胞割合が15%以上50%未満とさらに判定してもよい。
上記判定部は、上記受精卵内部の細胞の動き平均速度が第2の閾値より小さい上記受精卵の状態を、変性細胞割合が50%以上とさらに判定してもよい。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る情報処理方法は、
受精卵が経時的に撮像された複数のオリジナル画像が取得される。
上記オリジナル画像から上記受精卵が存在する確率を示す確率画像が生成される。
上記確率画像から上記受精卵の経時的な状態変化が算出され、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量が算出される。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係るプログラムは、情報処理装置に以下のステップを実行させる。
受精卵が経時的に撮像された複数のオリジナル画像を取得するステップ。
上記オリジナル画像から上記受精卵が存在する確率を示す確率画像を生成するステップ。
上記確率画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量を算出するステップ。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る観察システムは、撮像部と、情報処理装置と、を有する。
上記撮像部は、受精卵を経時的に撮像する。
上記情報処理装置は、画像取得部と、認識部と、特徴量算出部と、を有する。
上記画像取得部は、上記受精卵が経時的に撮像された複数のオリジナル画像を取得する。
上記認識部は、上記オリジナル画像から上記受精卵が存在する確率を示す確率画像を生成する確率画像生成部を有し、上記確率画像に基づき上記受精卵を認識可能に構成される。
上記特徴量算出部は、上記確率画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量を算出可能に構成される。
以上のように、本技術によれば、観察対象となる受精卵を高精度に評価することを可能とする情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び観察システムを提供することができる。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、又は、上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果又は本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本技術の第1の実施形態に係る観察システムの構成例を示す模式図である。 上記観察システムの観察ステージ上に設置された培養容器群を光源側から見た模式図である 上記実施形態に係る培養容器の断面を模式的に示す図である。 上記培養容器を光源側から見た模式図である。 上記培養容器における撮影エリアを光源側からみた模式図である。 上記観察システムの構成例を示す機能ブロック図である。 上記実施形態に係る情報処理装置の受精卵の品質を評価する方法を示すフローチャートである。 上記観察システムの撮像部が複数の受精卵を撮像する様子を示す模式図である。 本技術の複数のオリジナル画像を示す概念図である。 本技術の認識部の画像処理の過程を示す各種画像の模式図である。 本技術の複数のオリジナル画像を示す概念図である。 上記実施形態において、受精卵の経時的な状態変化を可視化したグラフを模式的に示す図である。 上記実施形態において、受精卵を撮像した画像を示す模式図である。 上記実施形態において、受精卵の経時的な状態変化を可視化したグラフを模式的に示す図である。 上記実施形態において、受精卵を撮像した画像を示す模式図である。 上記実施形態において、受精卵の経時的な状態変化を可視化したグラフを模式的に示す図である。 受精卵の成長過程における前核の出現及び消失を示す模式図である。 前核の個数がそれぞれ異なる各種受精卵を示す模式図である。 本技術の第2の実施形態において、受精卵の前核の面積と前核の個数との関係を示すグラフである。 上記実施形態において、受精卵の経時的な状態変化を可視化したグラフを模式的に示すである。 本技術の第3の実施形態において、未受精卵の第1極体の面積と、当該未受精卵由来の受精卵における極体部分の面積との関係を示すグラフである。 上記第3の実施形態において、前核の面積と前核の個数との関係を示すグラフと、極体の面積と極体の個数との関係を示すグラフとを併記して示す図である。 本技術の第4の実施形態において、2細胞期の受精卵を示す模式図である。 上記実施形態において、受精卵の細胞割球内の核部分の面積と、当該細胞割球内の核の個数との関係を示すグラフである。 本技術の第5の実施形態において、品質がグレーディングされた各種2細胞期の受精卵Fをそれぞれ示す模式図である。 上記実施形態において、各グレードの受精卵のそれぞれについてのフラグメンテーション、透明帯及び細胞割球の面積を示すグラフである。 本技術の第6の実施形態における受精卵の模式図である。 上記実施形態において、受精卵内部の細胞の面積に対するHaloの面積の割合を経時的にプロットしたグラフである。 本技術の第7の実施形態において、受精卵内部の動き量の経時的な変化を可視化したグラフである。 上記実施形態において、受精卵内部の動き量の経時的な変化を可視化したグラフである。 上記実施形態において、受精卵内部の動き量の経時的な変化を可視化したグラフである。
以下、図面を参照しながら、本技術の実施形態を説明する。図面には、適宜相互に直交するX軸、Y軸及びZ軸が示されている。X軸、Y軸及びZ軸は全図において共通である。
<第1の実施形態>
[観察システムの構成]
図1は、本技術の第1の実施形態に係る観察システム100の構成例を示す模式図である。観察システム100は、図1に示すように、インキュベータ10と、観察装置20と、湿度・温度・ガス制御部30と、検出部40と、情報処理装置50と、表示装置60と、入力部70と、を有する。
インキュベータ10は、観察装置20と、湿度・温度・ガス制御部30と、検出部40とを収容する培養装置であり、その内部の温度や湿度等を一定に保つ機能を有する。インキュベータ10は、任意のガスが流入可能に構成される。当該ガスの種類は特に限定されないが、例えば窒素、酸素又は二酸化炭素等である。
観察装置20は、撮像部21と、光源22と、培養容器群23と、を有する。撮像部21は、培養容器23a(ディッシュ)に収容されている受精卵F(図3参照)を経時的に撮像し、受精卵Fのオリジナル画像を生成可能に構成されている。このオリジナル画像とは、後述する認識部53が画像処理する前の画像を指し、受精卵Fがそのまま映し出された画像である。以下の説明のオリジナル画像も同義とする。
撮像部21は、光軸方向(Z軸方向)に移動可能なレンズ群を含む鏡筒と、当該鏡筒を通過する被写体光を撮像するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、CCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像素子と、これらを駆動する駆動回路等を有する。
撮像部21は、光軸方向(Z軸方向)及び水平方向(Z軸方向に直交する方向)に移動可能に構成され、水平方向に移動しながら培養容器23aに収容されている受精卵Fを撮像する。また、撮像部21は、静止画だけではなく、動画を撮影可能に構成されてもよい。
本実施形態の撮像部21は、典型的には可視光カメラであるが、これに限定されず、赤外線(IR)カメラや、偏光カメラ等であってもよい。
光源22は、培養容器23a内の受精卵Fを撮像部21で撮像する際に、培養容器23aに対して光を照射する。光源22には、例えば、特定の波長の光を照射するLED(Light Emitting Diode)等が採用される。光源22がLEDである場合は、例えば、波長が640nmの光を照射する赤色LEDが採用される。
培養容器群23は複数の培養容器23aから構成され、撮像部21と光源22との間において、観察ステージS上に設置される。観察ステージSは光源22が照射する光を透過可能に構成される。
図2は、観察装置20の観察ステージS上に設置された培養容器群23を光源22側から見た模式図である。培養容器23aは、図2に示すように、例えば観察ステージS上において行列状に6つ設置され、X軸方向に3つ、Y軸方向2つ設置される。
図3は、培養容器23aの断面を模式的に示す図である。培養容器23aには、図3に示すように、ウェルWが複数設けられている。ウェルWは、培養容器23aに行列状(図5参照)に設けられ、1個の受精卵Fを収容可能に構成されている。
培養容器23aにはウェルWが設けられる以外に、培養液CとオイルOが注入されている。オイルOは、培養液Cをコーティングすることにより、培養液Cの蒸発を抑制する機能を有する。
図4は、光源22側から見た培養容器23aの模式図(平面図)である。培養容器23aは、複数のウェルWが形成されているウェル領域E1を有する。培養容器23aの直径D1とウェル領域E1の直径D2は特に限定されず、例えば直径D1は35mm程度であり、直径D2は20mm程度である。
ウェル領域E1は、撮像部21の撮影対象となる撮影領域E2を有する。撮影領域E2は、図2に示すように、4つの撮影エリアL1~L4に4等分されている。各撮影エリアL1~L4の一辺の長さD3は、例えば、5mm程度である。
図5は、光源22側から見た撮影エリアL1を拡大して示す模式図である。撮影エリアL1は、ウェル領域E1に設けられた複数のウェルWのうち72個のウェルWを含み、POS(Position)領域毎に12等分されている。
POS領域P1~P12は、それぞれ、ウェルWがX軸方向に3つ、Y軸方向に2つ並んだ6つのウェルWを含む。本実施形態の撮像部21は、後述する画像取得工程(図7参照)において、POS領域毎にウェルWに収容されている受精卵Fを経時的に撮像する。なお、図5は撮影エリアL1を拡大して示す模式図であるが、撮影エリアL2~L4も撮影エリアL1と同様の構成である。
培養容器23aを構成する材料は、特に限定されないが、例えばガラス又はシリコン等の無機材料や、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂又は塩化ビニル樹脂等の有機材料等からなり、光源22が照射する光が透過する透明体である。あるいは、培養容器23aは、光源22が照射する光が透過する箇所以外が上記で列挙した材料からなるものであってもよく、金属材料からなるものであってもよい。
湿度・温度・ガス制御部30は、インキュベータ10内の温度及び湿度と、インキュベータ10内に導入されたガスを制御するものであり、受精卵Fの発育に適した環境をつくる。湿度・温度・ガス制御部30は、インキュベータ10内の温度を例えば38℃程度に制御することができる。
検出部40は、情報処理装置50に無線により接続され、インキュベータ10内の温度、湿度及び気圧や、光源22の照度等を検出し、情報処理装置50に出力するように構成される。検出部40は、例えばソーラーパネル式又は電池式のIoT(Internet of Things)センサ等であり、その種類は問わない。
情報処理装置50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等のコンピュータに必要なハードウェアを有する。CPUが、ROMやHDDに格納された本技術のプログラムをRAMにロードして実行することにより、後述する情報処理装置50の各ブロック動作が制御される。
プログラムは、例えば種々の記憶媒体(内部メモリ)を介して情報処理装置50にインストールされる。あるいは、インターネット等を介してプログラムのインストールが実行されてもよい。本実施形態では、情報処理装置50として、例えば、PC(Personal Computer)等が用いられるが、他の任意のコンピュータが用いられてもよい。
表示装置60は、撮像部21が撮影した画像等を表示可能に構成されている。表示装置60は、例えば、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を用いた表示デバイスである。
入力部70は、ユーザの操作を入力するためのキーボードやマウス等の操作デバイスである。本実施形態の入力部70は、表示装置60と一体的に構成されたタッチパネル等であってもよい。
次に、上記の情報処理装置50の構成について説明する。図6は、観察システム100の構成例を示す機能ブロック図である。
[情報処理装置]
情報処理装置50は、図6に示すように、画像取得部51と、画像加工部52と、認識部53と、特徴量算出部54と、撮像制御部55と、判定部56と、予測部57と、表示制御部58と、受精卵情報データベース59と、を有する。
画像取得部51は、撮像部21によって受精卵Fが経時的に撮像された複数のオリジナル画像を取得し、これらを画像加工部52と、表示制御部58と、受精卵情報データベース59に出力する。
画像加工部52は、画像取得部51から取得したオリジナル画像を加工(トリミング)し、加工後のオリジナル画像を、後述する確率画像生成部53aと、オーバーレイ画像生成部53cと、表示制御部58と、受精卵情報データベース59に出力する。
認識部53は、確率画像生成部53aと、2値化画像生成部53bと、オーバーレイ画像生成部53cと、を有する。確率画像生成部53aは、画像加工部52から取得したオリジナル画像から受精卵Fが存在する確率を示す確率画像を生成し、当該確率画像を2値化画像生成部53bと、特徴量算出部54と、表示制御部58と、受精卵情報データベース59に出力する。
2値化画像生成部53bは、確率画像生成部53aから取得した確率画像に対して所定の閾値で2値化処理を施すことにより、当該確率画像から2値化画像を生成する。そして、この2値化画像をオーバーレイ画像生成部53cと、特徴量算出部54と、表示制御部58と、受精卵情報データベース59に出力する。
オーバーレイ画像生成部53cは、画像加工部52から取得したオリジナル画像と、2値化画像生成部53bから取得した2値化画像とを重畳させたオーバーレイ画像を生成する。そして、このオーバーレイ画像を特徴量算出部54と、表示制御部58と、受精卵情報データベース59に出力する。
本実施形態の認識部53は、上記の確率画像、2値化画像及びオーバーレイ画像の少なくとも1つに基づき、受精卵Fを認識可能に構成される。
特徴量算出部54は、確率画像生成部53a、2値化画像生成部53b及びオーバーレイ画像生成部53cから取得した確率画像、2値化画像及びオーバーレイ画像の少なくとも1つから、受精卵Fの経時的な状態変化を算出し、この状態変化に基づく受精卵Fの特徴量を算出可能に構成される。
そして、特徴量算出部54は、算出した状態変化及び特徴量に関する数値データを、撮像制御部55と、判定部56と、予測部57と、表示制御部58と、受精卵情報データベース59に出力する。
撮像制御部55は、特徴量算出部54の出力に基づき、受精卵Fが撮像される時間が変化するように、撮像部21及び光源22を制御可能に構成される。
例えば、撮像制御部55は、特徴量算出部54から取得した状態変化又は特徴量に基づき、受精卵Fが撮像される撮影間隔が短くなるように、撮像部21及び光源22を制御する。これにより、受精卵Fの品質評価に影響が大きいデータ取得時のみ受精卵Fに光を当てることが可能となる。従って、観察対象となる受精卵Fに光源22の光を当てる時間が短くなり、受精卵Fに与える光ダメージ(光毒性)が低減する。
上記光ダメージ(光毒性)とは、光によるDNAや染色体に与える光ダメージや熱ダメージ等である。撮像制御部55は、特徴量算出部54から取得した状態変化又は特徴量だけではなく、受精卵Fを撮像する時間や、発育段階等に基づいて、撮像部21及び光源22を制御してもよい。
また、撮像制御部55は、検出部40の出力に基づき、光源22と温度・湿度・ガス制御部30も制御可能に構成される。これにより、インキュベータ10内の温度及び湿度や、光源22の照度が調整される。
判定部56は、特徴量算出部54から取得した特徴量に基づき、受精卵Fの品質を判定する。また、判定部56は、特徴量算出部54から出力された状態変化に基づき、受精卵Fの発育状況も判定する。
判定部56は、特徴量及び状態変化に基づき判定した判定結果を表示制御部58と、受精卵情報データベース59に出力する。
予測部57は、特徴量算出部54から取得した状態変化及び特徴量の少なくとも1つに基づき、受精卵Fに関するう化率、着床率、妊娠率、受胎率、流産率、産仔体重、出生率及び育種価等の少なくとも1つを算出する。予測部57はこれらの予測値を表示制御部58と、受精卵情報データベース59に出力する。
表示制御部58は、画像取得部51及び画像加工部52から取得したオリジナル画像、確率画像生成部53aから取得した確率画像、2値化画像生成部53bから取得した2値化画像、オーバーレイ画像生成部53cから取得したオーバーレイ画像、特徴量算出部54から取得した状態変化及び特徴量、判定部56から取得した受精卵Fに関する判定結果、予測部57から取得した予測値、さらには、受精卵情報データベース59から読み出した各種画像や品質情報等を表示装置60に表示させる。
受精卵情報データベース59は、画像取得部51及び画像加工部52から取得したオリジナル画像や、確率画像生成部53aから取得した確率画像、2値化画像生成部53bから取得した2値化画像、及びオーバーレイ画像生成部53cから取得したオーバーレイ画像を記憶する。
また、受精卵情報データベース59は、特徴量算出部54から取得した状態変化や特徴量、判定部56から取得した受精卵Fに関する判定結果、予測部57から取得した予測値、さらには、入力部70から入力された入力情報等を記憶する。
[品質評価]
図7は、情報処理装置50の受精卵Fの品質を評価する方法を示すフローチャートである。以下、受精卵Fの品質評価方法について、図7を適宜参照しながら説明する。なお、後述するように、本実施形態では、受精卵Fの透明帯及び受精卵F内部の細胞を認識した場合の品質評価方法について説明する。
(ステップS01:画像取得)
図8は、撮像部21が複数の受精卵Fを撮像する様子を示す模式図であり、撮像部21の移動ルートを示す図である。
先ず、撮像部21が複数のウェルWに個々に収容されている複数の受精卵FをPOS(Position)領域毎に経時的に撮像する。この際、図8に示すように、撮像部21の視野範囲21aが移動ルートRに従って、POS領域P1からPOS領域P12の順に約3秒間隔で移動する。
そして、この作業が観察ステージSに設置された全ての培養容器23aに対して行われ、規定回数繰り返される。これにより、受精卵Fを6つ含むオリジナル画像が複数生成され、これらが画像取得部51(情報処理装置50)に転送される。
図9は、複数のオリジナル画像を示す概念図である。本実施形態のオリジナル画像は、POS領域P1~P12のそれぞれについて、図9に示すように、時間軸Tに沿って経時的に複数生成される。本明細書では、図9に示す画像群を第1経時画像G1と称す。
観察システム100における撮像部21の撮像間隔や撮像枚数は任意に設定可能である。例えば、撮像期間が1週間であるとして、撮像間隔が15分であり、深さ方向(Z軸方向)に焦点距離を変えて9スタック撮像する場合、一つのPOS領域について6つの受精卵Fを含む積層画像が約6000枚得られる。これにより、受精卵Fの3次元的な画像が取得可能となる。
画像取得部51は、撮像部21から転送された第1経時画像G1を画像加工部52と、表示制御部58と、受精卵情報データベース59に出力し、第1経時画像G1が受精卵情報データベース59に記憶される。
(ステップS02:所見情報取得)
表示制御部58は、受精卵情報データベース59に記憶された第1経時画像G1を読み出し、表示装置60に出力する。これにより、表示装置60は、第1経時画像G1を表示する。
次いで、胚培養士等の専門家が表示装置60に表示された第1経時画像G1から形態学的な所見により、受精卵Fの品質(発育状態、細胞数、細胞対称性、前核の個数、極体の個数、細胞割球内の核の個数、フラグメント等)を評価する。胚培養士により評価された受精卵Fの評価結果は、入力部70を介して受精卵情報データベース59に出力され、受精卵Fに関する第1の品質データとして受精卵情報データベース59に記憶される。
なお、本実施形態では、胚培養士の受精卵Fの品質評価方法は特に限定されない。例えばステップS02では、胚培養士がPOS領域P1~P12のそれぞれについて、典型的には第1経時画像G1に含まれる6つの受精卵F全ての品質を評価するが、これに限られず、一部の受精卵Fのみの品質を評価してもよい。また、評価にあたっては、各受精卵Fについての9スタック分の全ての積層画像が参照されてもよいし、9スタック分の一部の画像が参照されてもよい。
(ステップS03:画像処理)
図10は、本実施形態の認識部53の画像処理の過程を示す各種画像の模式図である。画像加工部52は、画像取得部51から取得した第1経時画像G1を受精卵F単位に加工(トリミング)する。これにより、受精卵Fを1つ含むオリジナル画像G3が複数生成する(図10(a)、図11参照)。次いで、画像加工部52は、複数のオリジナル画像G3を確率画像生成部53aと、オーバーレイ画像生成部53cと、表示制御部58と、受精卵情報データベース59に出力し、複数のオリジナル画像G3が受精卵情報データベース59に記憶される。
図11は、複数のオリジナル画像G3を示す概念図である。受精卵Fを1つ含むオリジナル画像G3は、複数のウェルWのそれぞれについて、図11に示すように、時間軸Tに沿って経時的に複数生成される。本明細書では、図11に示す画像群を第2経時画像G2と称す。
確率画像生成部53aは、画像加工部52から取得した第2経時画像G2に対して所定の解析処理を施すことにより、複数のオリジナル画像G3各々に対応した確率画像G4(図10(b)参照)を生成する。そして、これらを2値化画像生成部53bと受精卵情報データベース59に出力する。
具体的には、確率画像生成部53aは、予め受精卵情報データベース59に記憶されている受精卵の透明帯を認識済みの画像を教師データとしたディープラーニング解析により、複数のオリジナル画像G3のそれぞれについて、画素毎に受精卵Fの透明帯の存在確率が算出された確率画像G4を生成する。
この際、上記教師データとしては、例えば、本実施形態の受精卵Fと同様の受精卵が大量に撮像された画像に対して、目視によるラベリング処理を施すことにより、当該受精卵の透明帯が認識された大量の画像が教師データとして採用される。
受精卵情報データベース59に出力された確率画像G4は、オリジナル画像G3から確率画像を生成する際の新たな教師データとして受精卵情報データベース59に記憶され、受精卵情報データベース59が更新される。
続いて、2値化画像生成部53bは、確率画像生成部53aから取得した複数の確率画像G4のそれぞれについて、画素毎に所定の閾値で2値化処理を施すことにより、複数の確率画像G4各々に対応した2値化画像G5(図10(c)参照)を生成する。そして、これらをオーバーレイ画像生成部53cに出力する。
具体的には、2値化画像生成部53bは、複数の確率画像G4のそれぞれについて、例えば、透明帯である確率が50%未満の画素を0(黒)とし、50%以上の画素を1(白)とする2値化処理を画素毎に施すことによって、2値化画像G5を生成する。これにより、例えば、確率画像G4における透明帯の輪郭線が抽出される。
次いで、オーバーレイ画像生成部53cは、画像加工部52から取得した複数のオリジナル画像G3(第2経時画像G2)と、2値化画像生成部53bから取得した複数の2値化画像G5とを重畳することにより、複数のオリジナル画像G3のそれぞれについて、例えば透明帯を50%以上の確率で認識したオーバーレイ画像G6(図10(d)参照)を生成する。そして、これらを特徴量算出部54と受精卵情報データベース59に出力する。
続いて、オーバーレイ画像生成部53cは、複数のオーバーレイ画像G6のそれぞれについて、認識された透明帯部分に沿ったマスク領域を形成する。これにより、透明帯の存在確率が例えば50%以上の箇所のみがマスキングされる。
本実施形態の認識部53は、上記したような画像処理方法により、受精卵Fの透明帯だけではなく、受精卵F内部の細胞(胚盤胞、細胞割球、桑実胚等)、前核、極体、割球内の核、フラグメンテーション及び卵細胞辺縁透明領域(以下、Halo)等も認識可能であり、後述する実施形態ではこれらを認識した場合の品質評価方法について説明する。
なお、認識部53は、典型的にはオーバーレイ画像G6に基づき、受精卵Fの透明帯、胚盤胞、細胞割球、前核、極体、割球内の核、フラグメンテーション及びHalo等を認識するが、これに限られない。本実施形態では、確率画像G4又は2値化画像G5に基づき上記で列挙した受精卵Fの各種部分を認識してもよく、これらの画像に基づき、以下の実施形態で説明する状態変化、特徴量及び受精卵F内部の細胞の経時的な動き量の変化も算出可能である。
(ステップS04:状態変化算出)
特徴量算出部54は、認識部53から出力された複数のオーバーレイ画像G6に対して所定の解析処理を施すことにより、受精卵Fの時間軸Tに沿った状態変化を算出し、当該状態変化に関する数値データを撮像制御部55、判定部56、予測部57、表示制御部58及び受精卵情報データベース59に出力する。
受精卵情報データベース59に出力された状態変化に関する数値データは、先のステップS02により評価された当該状態変化を有する受精卵Fに関する第1の品質データ(発育状態、細胞数、細胞対称性、フラグメント等)に対応づけられ、第2の品質データとして受精卵情報データベース59に記憶される。
例えば、特徴量算出部54は、認識部53から出力された複数のオーバーレイ画像G6について、フレーム間差分値を算出し、この差分値に基づき、上記状態変化を算出する。
あるいは、特徴量算出部54は、先のステップS03において、複数のオーバーレイ画像G6のそれぞれに対して形成された複数のマスク領域について、一方のオーバーレイ画像G6のマスク領域と他方のオーバーレイ画像G6のマスク領域間の差分値を算出してもよい。即ち、特徴量算出部54は、マスク領域のみのフレーム間差分値を算出し、この差分値に基づき上記状態変化を算出してもよい。
これにより、受精卵Fが撮像された画像全体でフレーム間差分値を算出することに伴うノイズや誤検出が抑制され、受精卵Fの状態変化や後述する特徴量を正確に算出することが可能となる。
特徴量算出部54は、状態変化として、受精卵Fの透明帯の径、面積、厚みの変化の少なくとも一つを算出する。さらには、受精卵F内部の細胞として、例えば、胚盤胞や細胞割球の面積の変化を算出する。これにより、これらがグラフ等で可視化されることで、受精卵Fの透明帯と、受精卵F内部の細胞の経時的な収縮/拡張活動を客観的且つ定量的に捉えることができる(図16参照)。
(ステップS05:特徴量算出)
続いて、特徴量算出部54は、算出した状態変化に対して所定の解析処理を施すことにより受精卵Fの特徴量を算出し、この特徴量に関する数値データを撮像制御部55、判定部56、予測部57、表示制御部58及び受精卵情報データベース59に出力する。
受精卵情報データベース59に出力された特徴量に関する数値データは、予め受精卵情報データベース59に記憶されている第2の品質データ(状態変化に関する数値データと、第1の品質データとが対応づけられた品質データ)に対応づけられ、第4の品質データとして受精卵情報データベース59に記憶される。
図12は、培養時間に対する受精卵Fの経時的な面積の変化を示すグラフである。図12に示すS1は透明帯の面積の変化を示すグラフであり、S2は細胞割球の面積の変化を示すグラフである。また、図13は、受精卵Fを撮像した画像を示す模式図である。図13(a)は16細胞期の受精卵Fを撮像した模式図であり、図13(b)は桑実胚期の受精卵Fを撮像した模式図である。
特徴量算出部54は、特徴量として、受精卵Fのコンパクション(分割した細胞が融合し1つの塊となった状態)時間、卵割時間の少なくとも1つを算出する。これにより、図13に示すように、受精卵Fが例えば16細胞期から桑実胚期に形態変化する際のコンパクション時間や卵割時間等を定量的且つ客観的に捉えることができる。
図12に示す例で言えば、グラフS2の変曲点P1に対応した培養時間T1が、受精卵Fのコンパクション時間に相当するが、グラフS1,S2に基づいてどの時点をコンパクション時間や卵割時間とするかは任意に設定されてよい。
図14は、培養時間に対する受精卵Fの経時的な面積の変化を示すグラフである。図14に示すS1は透明帯の面積の変化を示すグラフであり、S3は胚盤胞の面積の変化を示すグラフである。また、図15は、受精卵Fを撮像した画像を示す模式図である。図15(a)は胚盤胞期の受精卵Fを撮像した模式図であり、図15(b)は受精卵Fの胚盤胞と透明帯が収縮している状態を示す模式図である。図15(c)は受精卵Fの胚盤胞のみが収縮している状態を示す模式図である。
本実施形態の特徴量算出部54は、透明帯と胚盤胞との面積差の経時的な変化に基づき、特徴量として、透明帯及び胚盤胞の収縮回数、収縮直径、収縮速度、収縮時間、収縮間隔、収縮強度、収縮周波数、拡張回数、拡張直径、拡張速度、拡張時間、拡張間隔、拡張強度及び拡張周波数の少なくとも1つをさらに算出可能に構成される。
これにより、透明帯及び胚盤胞各々の微細な収縮/拡張活動を定量的且つ客観的に捉えることができる。図14に示す例で言えば、受精卵Fの培養時間において、透明帯の面積S1から胚盤胞の面積S3を差し引いた面積差ΔS1が0になる回数と0にならない回数をカウントすることで、透明帯及び胚盤胞のそれぞれの収縮回数が求められる。
具体的には、透明帯の経時的な面積の変化を示すグラフS1のピークQ2において、面積差ΔS1が0になる場合が透明帯及び胚盤胞の収縮活動(図15(b)参照)と判別され、胚盤胞の経時的な面積の変化を示すグラフS3のピークQ3において、面積差ΔS1が0にならない場合が胚盤胞の収縮活動(図15(c)参照)と判別される。
よって、図14では、面積差ΔS1が0となるグラフS1のピークQ2の数が透明帯の収縮回数に相当し、面積差ΔS1が0とならないグラフS3のピークQ3の数が胚盤胞の収縮回数に相当する。また、ピークQ2間の間隔T2が透明帯及び胚盤胞の収縮周期に相当し、ピークQ3間の間隔T3が胚盤胞の収縮周期に相当する。
(ステップS06:品質判定)
判定部56は、特徴量算出部54から出力された状態変化又は特徴量に関する数値データと、予め受精卵情報データベース59に記憶されている状態変化又は特徴量に対応する第4の品質データとを照合することにより、受精卵Fの品質や発育状態等を判定する。
この際、判定部56は、状態変化又は特徴量に関する数値データに対応する第4の品質データとして、当該数値データに最も類似した数値データを含む第4の品質データを選択し、受精卵情報データベース59から読み出す。
これにより、判定部56は、特徴量算出部54から出力された状態変化又は特徴量に基づき、胚培養士の形態学的な所見によって下された品質結果を利用して、受精卵Fの品質や発育状態等を自動的に判定することができる。
次に、判定部56は、状態変化又は特徴量に関する数値データと、第4の品質データとを照合することにより判定した判定結果を表示制御部58及び受精卵情報データベース59に出力する。これにより、上記判定結果が新たな参照データ(第4の品質データ)として受精卵情報データベース59に記憶され、受精卵情報データベース59が更新される。
特徴量算出部54が先のステップS04において、状態変化として受精卵Fの透明帯の径、面積、厚みの変化を算出した場合、判定部56は、これらの少なくとも1つに基づき、受精卵Fの発育状態を判定する。
図16は、培養時間に対する透明帯の径(直径)の経時的な変化を示すグラフである。判定部56は、特徴量算出部54から出力された状態変化(透明帯の径の変化)に関する数値データに所定の解析処理を施すことにより、単位培養時間当たりの透明帯の径の変化が0から0より大きくなる培養時間T4を検出する。
次いで、判定部56は、培養時間T4における受精卵Fの発育状態が拡張胚盤胞であると判定する。これにより、受精卵Fの発育状態が拡張胚盤胞に形態変化する時刻等を定量的且つ客観的に捉えることができる。なお、判定部56は、透明帯の経時的な径の変化だけではなく、透明帯の面積及び厚みの経時的な変化のすくなくとも1つに基づき、受精卵Fの発育状態が拡張胚盤胞であると判定することもできる。
(ステップS07:予測値算出)
予測部57は、特徴量算出部54から出力された状態変化に関する数値データと特徴量に関する数値データの少なくとも1つと、これらに対応する予め受精卵情報データベース59に記憶された第3の品質データ(う化率、着床率、妊娠率、受胎率、流産率、産仔体重、出生率及び育種価等)とを照合することにより、受精卵Fに関するう化率、着床率、妊娠率、受胎率、流産率、産仔体重、出生率及び育種価等の少なくとも1つ算出する。
この際、予測部57は、特徴量算出部54から出力された状態変化及び特徴量に関する数値データに対応する第3の品質データとして、これらに最も類似した状態変化及び特徴量を有する受精卵Fに関する第3の品質データを選択し、受精卵情報データベース59から読み出す。
次に、予測部57は、状態変化に関する数値データと特徴量に関する数値データの少なくとも1つと、第3の品質データとを照合することにより判定した受精卵Fの予測値を表示制御部58及び受精卵情報データベース59に出力する。これにより、上記予測値が新たな参照データ(第3の品質データ)として受精卵情報データベース59に記憶され、受精卵情報データベース59が更新される。
(ステップS08:品質結果表示)
表示制御部58は、画像取得部51及び画像加工部52から取得した第1及び第2経時画像G1,G2(オリジナル画像)、認識部53から取得した画像処理後の画像(受精卵認識画像、動きベクトル画像及び動き量ヒートマップ画像等)、特徴量算出部54から取得した状態変化及び特徴量、判定部56から取得した受精卵Fの品質結果、予測部57から取得した予測値、受精卵Fの発育状態に応じた品質コード、あるいは、受精卵情報データベース59から読み出した各種画像や品質情報等を、webダッシュボードとして表示装置60に表示させる。
これにより、ユーザは、受精卵Fに関する観察画像、受精卵認識画像、動きベクトル画像、動き量ヒートマップ画像、状態変化、特徴量、品質結果、予測値等を総合的に考慮することにより、移植前の受精卵Fを高精度に選定可能となる。なお、表示制御部58は、上記以外に、受精卵Fが収容されているウェルWの位置情報、撮像日時、撮像条件等も表示装置60に表示させることができる。
(機械学習アルゴリズム)
本技術の情報処理装置50では、上述したステップS02~ステップS07の工程が、機械学習アルゴリズムに従って、実行される。この機械学習アルゴリズムは特に限定されず、例えばRNN(Recurrent Neural Network:再帰型ニューラルネットワーク)、CNN(Convolutional Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)又はMLP(Multilayer Perceptron:多層パーセプトロン)等のニューラルネットワークを用いた機械学習アルゴリズムが用いられる。その他、教師あり学習法、教師なし学習法、半教師あり学習法、強化学習法等を実行する任意の機械学習アルゴリズムが用いられてもよい。
[作用]
近年、不妊治療や畜産等の現場において、移植する細胞(受精卵)の品質は移植成績を左右する重要な因子となっている。移植する細胞の選別は、光学顕微鏡や画像処理装置等を用いた形態学的な所見により細胞の発育や品質を判定するのが一般的である。
しかしながら、移植前の受精卵の品質評価において、上記したような形態学的な評価方法では、熟練を要するだけでなく、主観的になりやすい傾向がある。このため、定量的で客観性の高い評価方法が望まれており、受精卵の品質を形態学的に評価するだけではなく、多面的に評価する方法が切望されている。
このような事情に鑑み、本実施形態の情報処理装置50では、受精卵Fの状態変化に基づく特徴量と、形態学的な所見により得られた当該受精卵Fの品質結果とが対応づけられた品質情報を利用して、移植前の受精卵Fの品質が評価される。これにより、受精卵Fの形態学的な所見とこの受精卵Fの状態変化を考慮した多面的な品質評価が可能となり、観察対象となる受精卵Fを高精度に評価することができる。
また、本実施形態の情報処理装置50では、受精卵Fの画像から受精卵Fに関する状態変化や特徴量等を自動的に算出することができるため、従来の胚培養士が受精卵Fの画像を1枚ずつ確認する形態学的な所見による評価よりも、受精卵Fの多面的な品質評価における効率性がはるかに向上する。
[変形例]
第1の実施形態では、判定部56が状態変化又は特徴量に関する数値データと、第4の品質データとを照合することにより受精卵Fの品質や発育状態が判定されるが、これに限られず、第2の品質データが利用されてもよい。
<第2の実施形態>
次に、本技術の第2の実施形態に係る情報処理装置100の受精卵Fの前核PN(Prenuclear)を認識した場合の品質評価方法について、図7を適宜参照しながら説明する。本技術に係る情報処理装置100は、第1の実施形態で説明した評価方法に加えて、以下のステップも実行可能である。なお、第1の実施形態と同様のステップについては、その説明を省略する。
(ステップS04:状態変化算出)
図17は、一般的な受精卵の成長過程における前核の出現及び消失を示す模式図である。同図に示すように、正常な受精卵には、精子由来の雄性前核と、卵子由来の雌性前核の2つ(2PN)が確認でき、受精後約22時間程度で、融合して消失することが知られている。一方、前核が1個(1PN)の受精卵Fは、雄性前核と雌性前核とが融合して消える途中の状態である場合と、異常受精である場合がある。また、前核が3個以上(3PN以上)の受精卵は多前核といい、染色体異常等の異常が生じている可能性が高い。
ここで、本実施形態の特徴量算出部54は、状態変化として、これらの前核の面積の変化を算出する(図20参照)。これにより、受精卵Fの成長過程における前核の出現時間及び消失時間が判定可能となる。
(ステップS05:特徴量算出)
図18は前核の個数がそれぞれ異なる各種受精卵の模式図であり、図19は前核の面積と前核の個数との関係を示すグラフである。特徴量算出部54は、先のステップS04により算出された前核の面積に基づき、特徴量として、受精卵Fの前核の個数を算出する。これにより、図18に示すように、前核の個数に基づいて、受精卵Fの前核が異常であるか否かが判定可能となる。即ち、受精卵Fが正常受精であるか否か、さらには、異常受精の種類が判定可能となる。
(ステップS06:品質判定)
図20は、培養時間に対する前核の経時的な面積の変化を示すグラフである。特徴量算出部54が先のステップS04において、状態変化として前核の面積の変化を算出した場合、判定部56は、前核の面積の変化に基づき、受精卵Fの成長過程における前核の出現時間T5と消失時間T6を判定する。これにより、受精卵Fの前核の出現時間T5と消失時間T6を定量的且つ客観的に捉えることができる。
本実施形態では、例えば、前核の面積が培養開始時点から全面積に対して50%となった時間が前核の出現時間T5となり、前核の面積が全面積に対して50%消失した時間が前核の消失時間T6となる。この場合、出現時間T5は、培養開始時点から6~18時間後であることが好ましく、消失時間T6は、培養開始時点から16~24時間後であることが好ましい。
判定部56は、先のステップS05において、特徴量として算出された前核の個数に基づき、受精卵Fの前核が異常であるか否かを判定する。この際、図19に示すように、判定部56は、先のステップS02において形態学的な所見によって確認された前核の個数と、特徴量として算出された前核の個数から、前核に異常がある受精卵Fの種類(1PN、3PN、3PN以上)を判定する。これにより、受精卵Fが正常受精であるか否か、さらには異常受精の種類が自動的に判定される。
<第3の実施形態>
次に、本技術の第3の実施形態に係る情報処理装置100の受精卵Fの極体PB(Polarbody)を認識した場合の品質評価方法について、図7を適宜参照しながら説明する。本技術に係る情報処理装置100は、第1及び第2の実施形態で説明した評価方法に加えて、以下のステップも実行可能である。なお、第1及び第2の実施形態と同様のステップについては、その説明を省略する。
(ステップS05:特徴量算出)
図21は、未受精卵(卵子)の第1極体の面積と、当該未受精卵由来の受精卵Fにおける極体部分の面積との関係を示すグラフである。成熟した卵子は、透明帯と原形質膜との隙間の囲卵空に、第1極体と呼ばれ核を放出(形成)している。この様な卵子は、精子の進入に伴った細胞分裂により、第2極体を放出(形成)する。よって、受精卵が正常受精であるか否かは、第2極体が放出(形成)されているか否かによって判断できる。
ここで、特徴量算出部54は、先のステップS03により認識された受精卵Fの極体部分において、第1及び第2極体の面積S4,S5を算出する。次いで、第1極体と第2極体の面積の和(S4+S5)と、受精卵Fが未受精卵(卵子)の状態の時の第1極体の面積S4との差((S4+S5)-S4)に基づき、特徴量として、受精卵Fの極体の個数を算出する。これにより、図21に示すように、面積差(ΔS2)の有無に応じて受精後の受精卵Fに第2極体が放出されているか否かが判定可能となる。即ち、受精卵Fが正常に受精しているか否かを判定することができる。
(ステップS06:品質判定)
図22は、前核の面積と前核の個数との関係を示すグラフと、極体の面積と極体の個数との関係を示すグラフとを併記して示す図である。判定部56は、先のステップS05において、特徴量として算出された極体の個数に基づき、受精卵Fの極体が異常であるか否かを判定する。具体的には、図22に示すように、判定部56は、第2の実施形態において特徴量として算出された前核の個数と、極体の個数に基づき、受精卵Fの形態が2前核2極体(2PN2PB)、1前核2極体(1PN2PB)、3前核2極体(3PN2PB)又は3前核1極体(3PN1PB)のいずれかであると判定する。
これにより、受精卵Fが正常受精であるか否かだけではなく、異常受精の種類も自動的に判定される。なお、現在の生物学的な知見では、受精卵の形態が2前核2極体であると正常受精、1前核2極体(1PN2PB)、3前核2極体(3PN2PB)又は3前核1極体(3PN1PB)であると異常受精であるされている。
<第4の実施形態>
次に、本技術の第4の実施形態に係る情報処理装置100の受精卵Fの割球内の核を認識した場合の品質評価方法について、図7を適宜参照しながら説明する。本技術に係る情報処理装置100は、第1~第3の実施形態で説明した評価方法に加えて、以下のステップも実行可能である。なお、第1~第3の実施形態と同様のステップについてはその説明を省略する。
(ステップS05:特徴量算出)
図23は、2細胞期の受精卵Fの模式図である。特徴量算出部54は、先のステップS03により認識された受精卵Fの割球内の核部分において、この核部分の面積を算出する。次いで、核部分の面積に基づき、特徴量として、受精卵Fの割球内の核の個数を算出する。これにより、受精卵Fの割球内が多核状態であるか否かを判定することができる。
(ステップS06:品質判定)
図24は、受精卵Fの細胞割球内の核部分の面積と、当該細胞割球内の核の個数との関係を示すグラフである。判定部56は、先のステップS05において、特徴量として算出された割球内の核の個数に基づき、受精卵Fの割球内が多核状態であるか否かを判定する。この際、判定部56は、先のステップ02において形態学的な所見によって確認された割球内の核の個数と、特徴量として算出された割球内の核の個数から、割球内が多核状態であるか否かを判定する。これにより、例えば、受精卵Fの2細胞期から桑実胚期までの発育段階において、細胞割球内が多核状態であるか否かが自動的に判定される。
<第5の実施形態>
次に、本技術の第5の実施形態に係る情報処理装置100の受精卵Fのフラグメンテーションを認識した場合の品質評価方法について、図7を適宜参照しながら説明する。本技術に係る情報処理装置100は、第1~第4の実施形態で説明した評価方法に加えて、以下のステップも実行可能である。なお、第1~第4の実施形態と同様のステップについてはその説明を省略する。
(ステップS05:特徴量算出)
図25は品質がグレーディングされた各種2細胞期の受精卵Fをそれぞれ示す模式図であり、図26は各グレードの受精卵Fのそれぞれについて、フラグメンテーション、透明帯及び細胞割球の面積を示すグラフである。
従来、例えば4~8細胞期の受精卵の品質を評価する上で、Veeck分類というものがよく利用される。これは受精卵の成長過程で細胞分裂がきれいに行われているか、あるいは、フラグメンテーション(受精卵が細胞分裂をする際に発生する細胞断片)の多いか少ないかにより、受精卵の品質が五段階(G1~G5)にグレーディングされ、このグレードが発生能の高い受精卵を選定する上での重要な指標となる。なお、Veeck分類では、Grade5~Grade1の順に品質が良好な受精卵として評価される。
ここで、本実施形態の特徴量算出部54は、図26に示すように、先のステップ03により認識された受精卵Fのフラグメンテーションの面積S9と、透明帯の面積S6と、受精卵F内部の細胞(細胞割球)の面積S7,S8を算出する。
次いで、特徴量算出部54は、特徴量として、透明帯と細胞割球の面積の総和に対するフラグメンテーションの面積の割合を算出する。本実施形態では、この面積の割合が複数の細胞割球が均一の場合(図25(b)参照)に10%以下であることが好ましく、不均一の場合(図25(c)参照)に10%以上50%以下であることが好ましい。
(ステップS06:品質判定)
判定部56は、先のステップS05において、特徴量として算出された透明帯と細胞割球の面積の総和(S6+S7+S8)に対するフラグメンテーションの面積(S9)の割合に基づき、受精卵Fの品質をグレーディング(格付け)する。
これにより、これまで形態学的な所見により行われてきた先のステップS05で説明したようなグレーディング作業の自動化が図られ、移植前に発生能の高い受精卵Fを選定する上での作業効率性が飛躍的に向上する。
<第6の実施形態>
次に、本技術の第6の実施形態に係る情報処理装置100の受精卵FのHaloを認識した場合の品質評価方法について、図7を適宜参照しながら説明する。本技術に係る情報処理装置100は、第1~第5の実施形態で説明した評価方法に加えて、以下のステップも実行可能である。なお、第1~第5の実施形態と同様のステップについてはその説明を省略する。
(ステップS04:状態変化算出)
図27は受精卵Fの模式図であり、図27(a)はHaloがない受精卵F、図27(b)はHaloがある受精卵Fの模式図である。特徴量算出部54は、先のステップS03により認識された受精卵FのHaloの面積S11を算出する。そして、状態変化として、受精卵F内部の細胞の面積S10に対するHaloの面積S11の割合(S11/S10)の経時的な変化を算出する。これにより、受精卵Fの成長過程におけるHaloの出現時間と消失時間が判定可能となる。
(ステップS06:品質判定)
図28は、受精卵F内部の細胞の面積S10に対するHaloの面積S11の割合(S11/S10)を経時的にプロットしたグラフである。判定部56は、先のステップS04において、状態変化として算出された受精卵F内部の細胞の面積S10に対するHaloの面積S11の割合(S11/S10)の変化に基づき、図28に示すように、受精卵Fの成長過程におけるHaloの出現時間T7と消失時間T8を判定する。これにより、受精卵FのHaloの出現時間T7と消失時間T8が自動的に判定される。
本実施形態では、例えば、受精卵Fの成長過程において、培養開始時点からS11/S10が初めて確認された時間がHaloの出現時間T7となり、S11/S10が確認されてから0となった時間がHaloの消失時間T8となる。
<第7の実施形態>
次に、本技術の第7の実施形態に係る情報処理装置100の受精卵Fの品質評価方法について、図7を適宜参照しながら説明する。本実施形態に係る情報処理装置100は、第1~第6の実施形態で説明した評価方法に加えて、以下のステップも実行可能である。なお、第1~第6の実施形態と同様のステップについては、その説明を省略する。
(ステップS04:状態変化算出)
特徴量算出部54は、認識部53から出力された複数のオーバーレイ画像G6に対して所定の解析処理を施すことにより、受精卵F内部のマクロ的な動き量の経時的な変化を算出し、この動き量の変化に関する数値データを撮像制御部55、判定部56、予測部57、表示制御部58及び受精卵情報データベース59に出力する。受精卵情報データベース59に出力された当該数値データは、受精卵情報データベース59の参照データとして記憶される。
特徴量算出部54は、先のステップS03において、複数のオーバーレイ画像G6のそれぞれに対して形成された複数のマスク領域について、一方のオーバーレイ画像のマスク領域と他方のオーバーレイ画像のマスク領域間の差分値を算出する。即ち、特徴量算出部54は、受精卵F内部の細胞に沿ったマスク領域のみのフレーム間差分値を算出し、この差分値に基づき上記動き量の変化を算出する。
これにより、受精卵Fが撮像された画像全体でフレーム間差分値を算出することに伴うノイズや誤検出が抑制され、受精卵Fの内部の動き量の変化を正確に算出することができる。
図29~図31は、培養時間に対する受精卵F内部の細胞の動き量の変化を示すグラフである。特徴量算出部54は、上記動き量の変化として、受精卵F内部の細胞の動きベクトルの最小速度、最大速度、最大加速度、平均速度、平均加速度、中央値、標準偏差、動き速度ベクトルの合計値及び動き加速度ベクトルの合計値の経時的な変化の少なくとも1つを算出する。これにより、これらが図29~図31に示すようなグラフ等で可視化されることで、受精卵Fの外形変化が少ない場合に、受精卵F内部の性能評価が可能となる。
[ステップS06:品質判定]
判定部56は、特徴量算出部54から出力された動き速度ベクトルの合計値の経時的な変化に関する数値データに対して所定の解析処理を施すことにより、動き速度ベクトルの合計値が例えば5000以上であり、且つ、単位培養時間当たりの動き速度ベクトルの変化がほぼゼロである期間T9を検出する。
続いて、判定部56は、期間T9を検出した受精卵Fについて、期間T9における受精卵Fの状態をlag-phase(細胞休止期)であると判定する。これにより、移植後に発生能が高いと予測される受精卵Fを選択する際の指標となる、lag-phaseを自動的に判定することができる。
また、本実施形態の判定部56は、受精卵Fの動き速度ベクトルの合計値の経時的な変化に関する数値データに所定の解析処理を施すことによって、動き速度ベクトルの合計値が例えば5000より大きく、且つ、単位培養時間当たりの動き速度ベクトルの変化がゼロではない期間T10を検出する。さらに、動き速度ベクトルの合計値が例えば5000以下であり、且つ、単位培養時間当たりの動き速度ベクトルの変化がほぼゼロである期間T11を検出する。
続いて、判定部56は、期間T10における受精卵Fの発育状態を変性細胞割合(受精卵Fを構成する全細胞に対する変性している細胞の割合)が15%未満と判定し、期間T11における受精卵Fの発育状態を変性細胞割合が15%以上と判定する。この際、受精卵Fの発育状態に応じた品質コードが付与される。例えば、期間T10における受精卵Fの発育状態は品質コード1,2とされ、期間T11における受精卵Fの発育状態は品質コード3,4とされる。
さらに、判定部56は、期間T10,T11が検出された受精卵Fの動き平均速度に関する数値データを受精卵情報データベース59から読み出し、当該数値データに所定の解析処理を施すことによって、期間T11の内、動き平均速度が例えば0.25より大きい期間T12と、0.25より小さい期間T13を検出する。なお、本実施形態の動き平均速度の単位は、例えば「μm/s」であるが、受精卵Fの動き平均速度が表示された画像のピクセル数に応じて適宜変更されてもよい。
そして、判定部56は、期間T12における受精卵Fの発育状態を変性細胞割合が15%以上50%未満と判定し、期間T13における受精卵Fの発育状態を変性細割合が50%以上と判定する。この際、例えば期間T12における受精卵Fの発育状態は品質コード3とされ、期間T13における受精卵Fの発育状態は品質コード4とされる。
本実施形態では、受精卵F内部の細胞の経時的な動き量の変化において、期間T9~T13が検出されることにより、変性細胞割合が15%未満、15%以上50%未満、50%以上、あるいは、lag-phaseである受精卵Fの状態を定量的且つ客観的に捉えることができる。
[変形例]
第7の実施形態では、判定部56が動き速度ベクトルの合計値の経時的な変化や、動き平均速度の経時的な変化に基づき、受精卵Fに関する変性細胞割合とlag-phaseを判定するが、これに限られず、受精卵F内部の細胞の動き加速度ベクトル、最大速度、最大加速度、平均加速度等の経時的な変化に基づいて変性細胞割合とlag-phaseを判定してもよい。
この場合、判定部56が動き平均速度の合計値が例えば0.25以上であり、且つ、単位培養時間当たりの動き平均速度の変化がほぼゼロである期間を検出し、当該期間における受精卵Fの状態をlag-phaseであると判定してもよい。
また、これら動き速度ベクトルの合計値や、動き平均速度の閾値は、撮影条件、例えば、撮影間隔や照明条件等により、適宜最適なものを選択することが可能である。
以上、本技術の実施形態について説明したが、本技術は上述の実施形態に限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、観察システム100では、任意の時期毎、例えば15分間隔や1日おきといった所定の間毎、もしくは連続的にステップS01が繰り返され、この工程により取得した画像を利用して受精卵Fの品質が評価されるが、これに限られない。本実施形態に係る観察システム100では、必要に応じてリアルタイムに画像を取得してもよく、表示装置60に受精卵Fの画像を表示させて随時観察、評価するようにしてもよい。
また、本技術に係る観察システム100が観察する受精卵Fは、典型的にはウシ由来のものであるが、これに限られず、例えばマウス、ブタ、イヌ又はネコ等の家畜由来のものであってもよく、ヒト由来のものであってもよい。
さらに、本明細書において、「受精卵」とは、単一の細胞と、複数の細胞の集合体とを少なくとも概念的に含む。
加えて、本技術は、畜産分野等における生物の未受精の卵細胞(卵子)や胚等、再生医療、病理生物学及び遺伝子編集技術等の分野における幹細胞、免疫細胞、癌細胞等の生体から取り出された生体試料等、任意の細胞に対しても適用可能である。
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)
受精卵が経時的に撮像された複数のオリジナル画像を取得する画像取得部と、
上記オリジナル画像から上記受精卵が存在する確率を示す確率画像を生成する確率画像生成部を有し、上記確率画像に基づき上記受精卵を認識可能に構成される認識部と、
上記確率画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量を算出可能に構成される特徴量算出部と
を具備する情報処理装置。
(2)
上記(1)に記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記確率画像に対して画素毎に所定の閾値で2値化処理を施すことにより、上記確率画像から2値化画像を生成する2値化画像生成部をさらに有し、上記2値化画像に基づき上記受精卵を認識可能に構成され、
上記特徴量算出部は、上記2値化画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量をさらに算出可能に構成される
情報処理装置。
(3)
上記(2)に記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記2値化画像と上記オリジナル画像とを重畳させたオーバーレイ画像を生成するオーバーレイ画像生成部をさらに有し、上記オーバーレイ画像に基づき上記受精卵を認識可能に構成され、
上記特徴量算出部は、上記オーバーレイ画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量をさらに算出可能に構成される
情報処理装置。
(4)
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記受精卵の透明帯と、上記受精卵内部の細胞とを認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記透明帯及び上記受精卵内部の細胞の面積の変化を算出する
情報処理装置。
(5)
上記(4)に記載の情報処理装置であって、
上記特徴量算出部は、上記透明帯の面積と、上記受精卵内部の細胞の面積の経時的な変化とに基づき、上記特徴量として、上記受精卵のコンパクション時間及び卵割時間の少なくとも1つを算出する
情報処理装置。
(6)
上記(4)又は(5)に記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記受精卵内部の細胞として、胚盤胞を認識し、
上記特徴量算出部は、上記透明帯と上記胚盤胞との面積差の経時的な変化に基づき、上記特徴量として、上記透明帯及び上記胚盤胞の収縮回数、収縮直径、収縮速度、収縮時間、収縮間隔、収縮強度、収縮周波数、拡張回数、拡張直径、拡張速度、拡張時間、拡張間隔、拡張強度及び拡張周波数の少なくとも1つを算出する
情報処理装置。
(7)
上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記受精卵の透明帯を認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記透明帯の径、面積及び厚みの変化の少なくとも1つを算出する
情報処理装置。
(8)
上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記受精卵の前核を認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記前核の面積の変化を算出する
情報処理装置。
(9)
上記(8)に記載の情報処理装置であって、
上記特徴量算出部は、上記前核の面積に基づき、上記特徴量として、上記前核の個数を算出する
情報処理装置。
(10)
上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記受精卵の第1及び第2の極体を認識し、
上記特徴量算出部は、上記第1及び第2の極体の面積の和と、第1の極体の面積との差に基づき、上記特徴量として、上記受精卵の極体の個数を算出する
情報処理装置。
(11)
上記(1)から(10)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記受精卵の割球の核を認識し、
上記特徴量算出部は、上記核の面積に基づき、上記特徴量として、上記核の個数を算出する
情報処理装置。
(12)
上記(1)から(11)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記受精卵の透明帯と、上記受精卵内部の細胞と、上記受精卵のフラグメンテーションとを認識し、
上記特徴量算出部は、上記特徴量として、上記透明帯の面積と上記受精卵内部の細胞の面積の総和に対する上記フラグメンテーションの面積の割合を算出する
情報処理装置。
(13)
上記(1)から(12)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記受精卵の卵細胞辺縁透明領域と、上記受精卵内部の細胞とを認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記受精卵内部の細胞の面積に対する上記卵細胞辺縁透明領域の面積の割合の変化を算出する
情報処理装置。
(14)
上記(1)から(13)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記受精卵内部の細胞を認識し、
上記特徴量算出部は、上記認識部により認識された上記受精卵内部の細胞の経時的な動き量の変化をさらに算出する
情報処理装置。
(15)
上記(1)から(14)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記特徴量に基づき、上記受精卵の品質を判定する判定部をさらに具備する
情報処理装置。
(16)
上記(15)に記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記受精卵の第1及び第2の極体を認識し、
上記特徴量算出部は、上記第1及び第2の極体の面積の和と、第1の極体の面積との差に基づき、上記特徴量として、上記受精卵の極体の個数を算出し、
上記判定部は、上記極体の個数に基づき、上記受精卵の極体が異常であるか否かを判定する
情報処理装置。
(17)
上記(15)又は(16)に記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記受精卵の割球の核を認識し、
上記特徴量算出部は、上記核の面積に基づき、上記特徴量として、上記核の個数を算出し、
上記判定部は、上記核の個数に基づき、上記受精卵が多核状態であるか否かを判定する
情報処理装置。
(18)
上記(15)から(17)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記判定部は、上記状態変化に基づき、上記受精卵の発育状態をさらに判定する
情報処理装置。
(19)
上記(15)から(18)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記受精卵の透明帯を認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記透明帯の厚みの変化を算出し、
上記判定部は、上記透明帯の厚みの変化に基づき、上記受精卵が拡張胚盤胞であると判定する
情報処理装置。
(20)
上記(15)から(19)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記受精卵の透明帯を認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記透明帯の径及び面積の変化の少なくとも1つを算出し、
上記判定部は、上記透明帯の径及び面積の変化の少なくとも1つに基づき、上記受精卵が拡張胚盤胞であると判定する
情報処理装置。
(21)
上記(15)から(20)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記受精卵の前核を認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記前核の面積の変化を算出し、
上記判定部は、上記前核の面積の変化に基づき、上記受精卵における前核の出現及び消失を判定する
情報処理装置。
(22)
上記(21)に記載の情報処理装置であって、
上記特徴量算出部は、上記前核の面積に基づき、上記特徴量として、上記前核の個数をさらに算出し、
上記判定部は、上記前核の個数に基づき、上記受精卵の前核が異常であるか否かを判定する
情報処理装置。
(23)
上記(15)から(22)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記認識部は、上記受精卵の卵細胞辺縁透明領域と、上記受精卵内部の細胞とを認識し、
上記特徴量算出部は、上記状態変化として、上記受精卵内部の細胞の面積に対する上記卵細胞辺縁透明領域の面積の割合の変化を算出し、
上記判定部は、上記割合の変化に基づき、上記受精卵における卵細胞辺縁透明領域の出現及び消失を判定する
情報処理装置。
(24)
上記(15)から(23)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記判定部は、前記受精卵内部の細胞の経時的な動き量の変化に基づき、前記受精卵の発育状態をさらに判定する
情報処理装置。
(25)
上記(24)に記載の情報処理装置であって、
上記判定部は、上記受精卵内部の細胞の動き速度ベクトルの合計値が、第1の閾値以上であり、且つ、単位時間あたりの上記動き速度ベクトルの変化がほぼゼロである上記受精卵の状態をlag-phaseと判定する
情報処理装置。
(26)
上記(24)又は(25)に記載の情報処理装置であって、
上記判定部は、上記受精卵内部の細胞の動き速度ベクトルの合計値が、第1の閾値より大きく、且つ、単位時間あたりの上記動き速度ベクトルの変化がゼロではない上記受精卵の状態を、変性細胞割合が15%未満と判定する
情報処理装置。
(27)
上記(24)から(26)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記判定部は、上記受精卵内部の細胞の動き速度ベクトルの合計値が、第1の閾値以下であり、且つ、単位時間あたりの上記動き速度ベクトルの変化がほぼゼロである上記受精卵の状態を、変性細胞割合が15%以上と判定する
情報処理装置。
(28)
上記(24)から(27)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記判定部は、上記受精卵内部の細胞の動き平均速度が、第2の閾値より大きい上記受精卵の状態を、変性細胞割合が15%以上50%未満とさらに判定する
情報処理装置。
(29)
上記(24)から(28)のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
上記判定部は、上記受精卵内部の細胞の動き平均速度が第2の閾値より小さい上記受精卵の状態を、変性細胞割合が50%以上とさらに判定する
情報処理装置。
(30)
受精卵が経時的に撮像された複数のオリジナル画像を取得し、
上記オリジナル画像から上記受精卵が存在する確率を示す確率画像を生成し、
上記確率画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量を算出する
情報処理方法。
(31)
上記(30)に記載の情報処理方法であって、
上記確率画像に対して画素毎に所定の閾値で2値化処理を施すことにより、上記確率画像から2値化画像をさらに生成し、
上記2値化画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量をさらに算出する
情報処理方法。
(32)
上記(31)に記載の情報処理方法であって、
上記2値化画像と上記オリジナル画像とを重畳させたオーバーレイ画像をさらに生成し、
上記オーバーレイ画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量をさらに算出する
情報処理方法。
(33)
上記(30)から(32)のいずれか1つに記載の情報処理方法であって、
上記確率画像から、上記受精卵内部の細胞の経時的な動き量の変化をさらに算出する
情報処理方法。
(34)
受精卵が経時的に撮像された複数のオリジナル画像を取得するステップと、
上記オリジナル画像から上記受精卵が存在する確率を示す確率画像を生成するステップと、
上記確率画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量を算出するステップと
を情報処理装置に実行させるプログラム。
(35)
上記(34)に記載のプログラムであって、
上記確率画像に対して画素毎に所定の閾値で2値化処理を施すことにより、上記確率画像から2値化画像をさらに生成するステップと、
上記2値化画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量をさらに算出するステップと
を情報処理装置に実行させるプログラム。
(36)
上記(35)に記載のプログラムであって、
上記2値化画像と上記オリジナル画像とを重畳させたオーバーレイ画像をさらに生成するステップと、
上記オーバーレイ画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量をさらに算出するステップと
を情報処理装置に実行させるプログラム。
(37)
上記(34)から(36)のいずれか1つに記載のプログラムであって、
上記確率画像から、上記受精卵内部の細胞の経時的な動き量の変化をさらに算出するステップと
を情報処理装置に実行させるプログラム。
(38)
受精卵を経時的に撮像する撮像部と、
上記受精卵が経時的に撮像された複数のオリジナル画像を取得する画像取得部と、
上記オリジナル画像から上記受精卵が存在する確率を示す確率画像を生成する確率画像生成部を有し、上記確率画像に基づき上記受精卵を認識可能に構成される認識部と、
上記確率画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量を算出可能に構成される特徴量算出部と
を有する情報処理装置と
を具備する観察システム。
(39)
上記(38)に記載の観察システムであって、
上記認識部は、上記確率画像に対して画素毎に所定の閾値で2値化処理を施すことにより、上記確率画像から2値化画像を生成する2値化画像生成部をさらに有し、上記2値化画像に基づき上記受精卵を認識可能に構成され、
上記特徴量算出部は、上記2値化画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量をさらに算出可能に構成される
観察システム。
(40)
上記(39)に記載の観察システムであって、
上記認識部は、上記2値化画像と上記オリジナル画像とを重畳させたオーバーレイ画像を生成するオーバーレイ画像生成部をさらに有し、上記オーバーレイ画像に基づき上記受精卵を認識可能に構成され、
上記特徴量算出部は、上記オーバーレイ画像から上記受精卵の経時的な状態変化を算出し、上記状態変化に基づく上記受精卵の特徴量をさらに算出可能に構成される
観察システム。
(41)
上記(38)から(40)のいずれか1つに記載の観察システムであって、
上記認識部は、上記受精卵内部の細胞を認識し、
上記特徴量算出部は、上記認識部により認識された上記受精卵内部の細胞の経時的な動き量の変化をさらに算出する
観察システム。
100・・・観察システム
10・・・インキュベータ
20・・・観察装置
21・・・撮像部
22・・・光源
23・・・培養容器群
23a・・培養容器
30・・・湿度・温度・ガス制御部
40・・・検出部
50・・・情報処理装置
51・・・画像取得部
52・・・画像加工部
53・・・認識部
54・・・特徴量算出部
55・・・撮像制御部
56・・・判定部
57・・・予測部
58・・・表示制御部
59・・・受精卵情報データベース
60・・・表示装置
70・・・入力部
F・・・受精卵
W・・・ウェル

Claims (32)

  1. 受精卵が経時的に撮像された複数の受精卵画像から前記受精卵が存在する確率を示す確率画像を生成する確率画像生成部を有し、前記確率画像に基づき前記受精卵を認識可能に構成される認識部と、
    前記確率画像から前記受精卵の経時的な状態変化を算出し、前記状態変化に基づく前記受精卵の特徴量を算出可能に構成される特徴量算出部と、
    前記特徴量に基づき、前記受精卵の品質を判定する判定部と
    を具備し、
    前記判定部は、前記受精卵内部の細胞の動き速度ベクトルの合計値が、第1の閾値以上であり、且つ、単位時間あたりの前記動き速度ベクトルの変化がほぼゼロである前記受精卵の状態をlag-phaseと判定する
    情報処理装置。
  2. 請求項1に記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記確率画像に対して画素毎に所定の閾値で2値化処理を施すことにより、前記確率画像から2値化画像を生成する2値化画像生成部をさらに有し、前記2値化画像に基づき前記受精卵を認識可能に構成され、
    前記特徴量算出部は、前記2値化画像から前記受精卵の経時的な状態変化を算出し、前記状態変化に基づく前記受精卵の特徴量を算出可能に構成される
    情報処理装置。
  3. 請求項2に記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記2値化画像と前記受精卵画像とを重畳させたオーバーレイ画像を生成するオーバーレイ画像生成部をさらに有し、前記オーバーレイ画像に基づき前記受精卵を認識可能に構成され、
    前記特徴量算出部は、前記オーバーレイ画像から前記受精卵の経時的な状態変化を算出し、前記状態変化に基づく前記受精卵の特徴量を算出可能に構成される
    情報処理装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記受精卵の透明帯と、前記受精卵内部の細胞とを認識し、
    前記特徴量算出部は、前記状態変化として、前記透明帯及び前記受精卵内部の細胞の面積の変化を算出する
    情報処理装置。
  5. 請求項4に記載の情報処理装置であって、
    前記特徴量算出部は、前記透明帯の面積と、前記受精卵内部の細胞の面積の経時的な変化とに基づき、前記特徴量として、前記受精卵のコンパクション時間及び卵割時間の少なくとも1つを算出する
    情報処理装置。
  6. 請求項4又は5に記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記受精卵内部の細胞として、胚盤胞を認識し、
    前記特徴量算出部は、前記透明帯と前記胚盤胞との面積差の経時的な変化に基づき、前記特徴量として、前記透明帯及び前記胚盤胞の収縮回数、収縮直径、収縮速度、収縮時間、収縮間隔、収縮強度、収縮周波数、拡張回数、拡張直径、拡張速度、拡張時間、拡張間隔、拡張強度及び拡張周波数の少なくとも1つを算出する
    情報処理装置。
  7. 請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記確率画像中の各位置は、前記受精卵画像中の対応する位置に前記受精卵の少なくとも一部が存在する確率を示す
    情報処理装置。
  8. 請求項7に記載の情報処理装置であって、
    前記受精卵画像中の対応する位置は、前記受精卵画像中のピクセル位置である
    情報処理装置。
  9. 請求項1~8のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記受精卵の透明帯を認識し、
    前記特徴量算出部は、前記状態変化として、前記透明帯の物理的特徴の変化を算出する
    情報処理装置。
  10. 請求項9に記載の情報処理装置であって、
    前記透明帯の物理的特徴の変化は、前記透明帯の径、面積及び厚みの変化の少なくとも1つである
    情報処理装置。
  11. 請求項1~10のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記受精卵の前核を認識し、
    前記特徴量算出部は、前記状態変化として、前記前核の面積の変化を算出する
    情報処理装置。
  12. 請求項11に記載の情報処理装置であって、
    前記特徴量算出部は、前記前核の面積に基づき、前記特徴量として、前記前核の個数を算出する
    情報処理装置。
  13. 請求項1~12のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記受精卵の第1及び第2の極体を認識し、
    前記特徴量算出部は、前記第1及び第2の極体の面積の和と、第1の極体の面積との差に基づき、前記特徴量として、前記受精卵の極体の個数を算出する
    情報処理装置。
  14. 請求項1~13のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記受精卵の割球の核を認識し、
    前記特徴量算出部は、前記核の面積に基づき、前記特徴量として、前記核の個数を算出する
    情報処理装置。
  15. 請求項1~14のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記受精卵の透明帯と、前記受精卵内部の細胞と、前記受精卵のフラグメンテーションとを認識し、
    前記特徴量算出部は、前記特徴量として、前記透明帯の面積と前記受精卵内部の細胞の面積の総和に対する前記フラグメンテーションの面積の割合を算出する
    情報処理装置。
  16. 請求項1~15のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記受精卵の卵細胞辺縁透明領域と、前記受精卵内部の細胞とを認識し、
    前記特徴量算出部は、前記状態変化として、前記受精卵内部の細胞の面積に対する前記卵細胞辺縁透明領域の面積の割合の変化を算出する
    情報処理装置。
  17. 請求項1~16のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記受精卵内部の細胞を認識し、
    前記特徴量算出部は、前記認識部により認識された前記受精卵内部の細胞の経時的な動き量の変化をさらに算出する
    情報処理装置。
  18. 請求項1に記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記受精卵の第1及び第2の極体を認識し、
    前記特徴量算出部は、前記第1及び第2の極体の面積の和と、第1の極体の面積との差に基づき、前記特徴量として、前記受精卵の極体の個数を算出し、
    前記判定部は、前記極体の個数に基づき、前記受精卵の極体が異常であるか否かを判定する
    情報処理装置。
  19. 請求項1又は18に記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記受精卵の割球の核を認識し、
    前記特徴量算出部は、前記核の面積に基づき、前記特徴量として、前記核の個数を算出し、
    前記判定部は、前記核の個数に基づき、前記受精卵が多核状態であるか否かを判定する
    情報処理装置。
  20. 請求項1、18又は19のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記判定部は、前記状態変化に基づき、前記受精卵の発育状態をさらに判定する
    情報処理装置。
  21. 請求項1、18~20のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記受精卵の透明帯を認識し、
    前記特徴量算出部は、前記状態変化として、前記透明帯の厚みの変化を算出し、
    前記判定部は、前記透明帯の厚みの変化に基づき、前記受精卵が拡張胚盤胞であると判定する
    情報処理装置。
  22. 請求項1、18~21のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記受精卵の透明帯を認識し、
    前記特徴量算出部は、前記状態変化として、前記透明帯の径及び面積の変化の少なくとも1つを算出し、
    前記判定部は、前記透明帯の径及び面積の変化の少なくとも1つに基づき、前記受精卵が拡張胚盤胞であると判定する
    情報処理装置。
  23. 請求項1、18~22のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記受精卵の前核を認識し、
    前記特徴量算出部は、前記状態変化として、前記前核の面積の変化を算出し、
    前記判定部は、前記前核の面積の変化に基づき、前記受精卵における前核の出現及び消失を判定する
    情報処理装置。
  24. 請求項23に記載の情報処理装置であって、
    前記特徴量算出部は、前記前核の面積に基づき、前記特徴量として、前記前核の個数をさらに算出し、
    前記判定部は、前記前核の個数に基づき、前記受精卵の前核が異常であるか否かを判定する
    情報処理装置。
  25. 請求項1、18~24のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記認識部は、前記受精卵の卵細胞辺縁透明領域と、前記受精卵内部の細胞とを認識し、
    前記特徴量算出部は、前記状態変化として、前記受精卵内部の細胞の面積に対する前記卵細胞辺縁透明領域の面積の割合の変化を算出し、
    前記判定部は、前記割合の変化に基づき、前記受精卵における卵細胞辺縁透明領域の出現及び消失を判定する
    情報処理装置。
  26. 請求項に記載の情報処理装置であって、
    前記判定部は、前記受精卵内部の細胞の動き速度ベクトルの合計値が、第1の閾値より大きく、且つ、単位時間あたりの前記動き速度ベクトルの変化がゼロではない前記受精卵の状態を、変性細胞割合が15%未満と判定する
    情報処理装置。
  27. 請求項1又は26に記載の情報処理装置であって、
    前記判定部は、前記受精卵内部の細胞の動き速度ベクトルの合計値が、第1の閾値以下であり、且つ、単位時間あたりの前記動き速度ベクトルの変化がほぼゼロである前記受精卵の状態を、変性細胞割合が15%以上と判定する
    情報処理装置。
  28. 請求項1、26又は27のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記判定部は、前記受精卵内部の細胞の動き平均速度が、第2の閾値より大きい前記受精卵の状態を、変性細胞割合が15%以上50%未満とさらに判定する
    情報処理装置。
  29. 請求項1、26~28のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
    前記判定部は、前記受精卵内部の細胞の動き平均速度が第2の閾値より小さい前記受精卵の状態を、変性細胞割合が50%以上とさらに判定する
    情報処理装置。
  30. 受精卵が経時的に撮像された複数の受精卵画像から前記受精卵が存在する確率を示す確率画像を生成し、
    前記確率画像から前記受精卵の経時的な状態変化を算出し、前記状態変化に基づく前記受精卵の特徴量として前記受精卵内部の細胞の動き速度ベクトルの合計値を算出し、
    前記受精卵内部の細胞の動き速度ベクトルの合計値が、第1の閾値以上であり、且つ、単位時間あたりの前記動き速度ベクトルの変化がほぼゼロである前記受精卵の状態をlag-phaseと判定する
    情報処理方法。
  31. 受精卵が経時的に撮像された複数の受精卵画像から前記受精卵が存在する確率を示す確率画像を生成するステップと、
    前記確率画像から前記受精卵の経時的な状態変化を算出し、前記状態変化に基づく前記受精卵の特徴量として前記受精卵内部の細胞の動き速度ベクトルの合計値を算出し、
    前記受精卵内部の細胞の動き速度ベクトルの合計値が、第1の閾値以上であり、且つ、単位時間あたりの前記動き速度ベクトルの変化がほぼゼロである前記受精卵の状態をlag-phaseと判定するステップと
    を情報処理装置に実行させるプログラム。
  32. 受精卵を経時的に撮像する撮像部と、
    前記受精卵が経時的に撮像された複数の受精卵画像から前記受精卵が存在する確率を示す確率画像を生成する確率画像生成部を有し、前記確率画像に基づき前記受精卵を認識可能に構成される認識部と、
    前記確率画像から前記受精卵の経時的な状態変化を算出し、前記状態変化に基づく前記受精卵の特徴量を算出可能に構成される特徴量算出部と、
    前記特徴量に基づき、前記受精卵の品質を判定する判定部と
    を有する情報処理装置と
    を具備し、
    前記判定部は、前記受精卵内部の細胞の動き速度ベクトルの合計値が、第1の閾値以上であり、且つ、単位時間あたりの前記動き速度ベクトルの変化がほぼゼロである前記受精卵の状態をlag-phaseと判定する
    観察システム。
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