JP7024109B2 - 電池、電池パック、電池モジュール、蓄電装置、車両及び飛翔体 - Google Patents

電池、電池パック、電池モジュール、蓄電装置、車両及び飛翔体 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、電池、電池パック、電池モジュール、蓄電装置、車両及び飛翔体に関する。
一次電池及び二次電池などの電池は、一般に、正極及び負極を備えた電極群と、この電極群を収納する外装部材とを具備する。
薄型の電池であるため電池内のリードは複雑に折り曲げるなどしてコンパクトに収容することが求められており、電極端子についても例外ではない。従来、電極端子の軸部は、断面が真円のような円形状とされてきた。しかし、電池が薄型化しているため、断面が円形状である軸部の電極端子軸径が細くなり大電流を流しにくいという問題が生じている。
特開2017-010743号公報
本発明が解決しようとする課題は、薄型の電池において、高レートにおける充放電特性に優れた電池、電池パック、電池モジュール、蓄電装置、車両及び飛翔体を提供する。
実施形態の電池は、正極、正極と電気的に接続された正極集電タブ、負極、及び、負極と電気的に接続された負極集電タブを含み、扁平形状に捲回された正極集電タブが第一端面に位置し、かつ扁平形状に捲回された負極集電タブが第二端面に位置する、扁平形状の電極群と、正極集電タブと電気的に接続した電極群側正極リードと、負極集電タブと電気的に接続した電極群側負極リードと、第1の外装部と、第2の外装部とを含み、第1の外装部と第2の外装部が溶接されて形成された空間内に電極群が収納された外装部材と、第1の外装部は正極集電タブ側に貫通孔を有し、正極頭部及び正極頭部から延び出た正極軸部を含む正極外部端子と、貫通孔を有する正極端子リードを含み、正極頭部が第1の外装部の外側に突出し、正極軸部が正極端子リードの貫通孔に挿入されて正極軸部が第1の外装部及び正極端子リードにカシメ固定された正極端子部と、第1の外装部は負極集電タブ側に貫通孔を有し、負極頭部及び負極頭部から延び出た負極軸部を含む負極外部端子と、貫通孔を有する負極端子リードを含み、負極頭部が第1の外装部の外側に突出し、負極軸部が負極端子リードの貫通孔に挿入されて負極軸部が第1の外装部及び負極端子リードにカシメ固定された負極端子部と、を含む。正極軸部は、楕円錐台又は楕円柱台の第1の正極軸部と楕円錐台の第2の正極軸部を少なくとも含む。第1の正極軸部は、第2の正極軸部と正極頭部の間に配置されている。第1の正極軸部の天面と第2の正極軸部の天面は、直接的に連結している。負極軸部は、楕円錐台又は楕円柱台の第1の負極軸部と楕円錐台の第2の負極軸部を少なくとも含む。第1の負極軸部は、第2の負極軸部と負極頭部の間に配置されている。第1の負極軸部の天面と第2の負極軸部の天面は、直接的に連結している。第1の正極軸部の天面の短軸の長さをAa1、長軸の長さをAa2とし、第2の正極軸部の天面の短軸の長さをBa1、長軸の長さをBa2とし、第2の正極軸部の底面の短軸の長さをBb1、長軸の長さをBb2としたとき、|(Aa2-Ba2)-(Aa1-Ba1)|≦0.1mm、及び、(Bb2-Ba2)<(Bb1-Ba1)を満たす。第1の負極軸部の天面の短軸の長さをCa1、長軸の長さをCa2とし、第2の負極軸部の天面の短軸の長さをDa1、長軸の長さをDa2とし、第2の負極軸部の底面の短軸の長さをDb1、長軸の長さをDb2としたとき、|(Ca2-Da2)-(Ca1-Da1)|≦0.1mm、及び、(Db2-Da2)<(Db1-Da1)を満たす。
図1は、第1の実施形態の電池の概略斜視図である。 図2は、図1に示す電池の正極側から見た展開斜視図である。 図3は、図1に示す電池の負極側から見た展開斜視図である。 図4は、図1に示す電池の電極群の斜視図である。 図5は、電極群を部分的に展開した状態を示す斜視図である。 図6は、図1の正極部分を電池長辺方向に沿って切断した際に得られる断面図である。 図7は、図1の負極部分を電池長辺方向に沿って切断した際に得られる断面図である。 図8は、図1の正極部分を図6のA-A’面方向に沿って切断した際に得られる断面図である。 図9は、第1の実施形態の電池の正極外部端子(負極外部端子)の斜視図である。 図10は、図9に示す正極外部端子(負極外部端子)の短軸方向の断面図(a)と長軸方向の断面図(b)である。 図11(a)、図11(b)、図11(c)と図11(d)は、正極外部端子(負極外部端子)の断面形状の例である。 図12は、図1に示す電池の第1の外装部に端子部が固定されたものを示す斜視図である。 図13(a)は、第2の外装部の平面図であり、図13(b)は、第1の外装部の平面図である。 図14(a)、図14(b)、図14(c)と図14(d)は、第1の実施形態の電池の製造工程を示す三面図である。 図15Aは、複数の電極群を収容した電池の組み立て工程を示す工程図である。 図15Bは、複数の電極群を収容した電池の組み立て工程を示す工程図である。 図15Cは、複数の電極群を収容した電池の組み立て工程を示す工程図である。 図15Dは、複数の電極群を収容した電池の組み立て工程を示す工程図である。 図16は、第1の実施形態の変形例における正極部分を電池長辺方向に沿って切断した際に得られる断面図である。 図17は、第1の実施形態の変形例における図16のB-B’面方向に沿って切断した際に得られる断面図である。 図18は、第1の実施形態の変形例における電池の正極外部端子(負極外部端子)の斜視図である。 図19は、図18に示す正極外部端子(負極外部端子)の短軸方向の断面図(a)と長軸方向の断面図(b)である。 図20は、第2の実施形態の電池の概略斜視図である。 図21は、図20に示す電池の展開斜視図である。 図22は、図20に示す電池の一部の展開斜視図である。 図23は、図20に示す電池の第1の外装部に端子部が固定されたものを示す断面図である。 図24は、図23のC-C’面方向に沿って切断した際に得られる電池の一部の断面図(a)とD-D’面方向に沿って切断した際に得られる電池の一部の断面図(b)である。 図25は、第2の実施形態の電池の正極外部端子(負極外部端子)の斜視図である。 図26は、図25に示す正極外部端子(負極外部端子)の短軸方向の断面図(a)と長軸方向の断面図(b)である。 図27は、第2の実施形態の変形例にかかる電池の第1の外装部に端子部が固定されたものを示す断面である。 図28は、図27のE-E’面方向に沿って切断した際に得られる電池の一部の断面図(a)とF-F’面方向に沿って切断した際に得られる電池の一部の断面図(b)である。 図29は、第2の実施形態の変形例における電池の正極外部端子(負極外部端子)の斜視図である。 図30は、図29に示す正極外部端子(負極外部端子)の短軸方向の断面図(a)と長軸方向の断面図(b)である。 図31は、第3の実施形態の電池パックの第一例を示す概略図である。 図32は、第3の実施形態の電池パックの第二例を示す概略図である。 図33は、第4の実施形態の電池モジュールの展開斜視図である。 図34は、第4の実施形態の電池モジュールの断面図である。 図35は、第5の実施形態の蓄電装置の概略図である。 図36は、第6の実施形態の車両の概略図である。 図37は、第7の実施形態の飛翔体の概略図である。
以下に、実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施の形態の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術とを参酌して、適宜設計変更することができる。
[第1の実施形態]
第1の実施形態の電池を図1~図15を参照して説明する。図面の一部は斜視図や展開図であり、一部の部材及び部分は図示されていないが、正極及び負極は対称に構成されているため、一方の電極の図示されない部分は、他方の電極の構造から明らかにされる。なお、実施形態は、正極及び負極を非対称に構成することを認める。
図1に示す電池100は、外装部材1と、電極群2と、正極端子部3と、負極端子部4と、電解質(図示しない)とを含む。図1に示す電池100は、例えば、二次電池である。実施形態の電池100は、薄型である。薄型である電池100の厚さ(電池100の外寸(高さ、幅、奥行き)のうちの最小の長さ)は、5mm以上30mm以下である。電池100は、カップ型である。
図2は、図1に示す電池の正極側から見た展開斜視図である。図3は、図1に示す電池の負極側から見た展開斜視図である。図1、図2及び図3に示すように、外装部材1は、第1の外装部5と、第2の外装部6とを含む。第1の外装部5は、底付き角筒容器であり、開口部5aにフランジ部5bを有する。外装部材1には、第1の外装部5のフランジ部5bと第2の外装部6が溶接されて形成された空間内に電極群2が収納されている。
第1の外装部5及び第2の外装部6は、ステンレス、アルミラミネート及びアルミニウムからなる群より選ばれるいずれかからなることが好ましい。また、電池100の体積当たりの電池容量を増加させるために、第1の外装部5及び第2の外装部6の厚さ、つまり、第1の外装部5及び第2の外装部6の板厚は、0.02mm以上0.3mm以下の範囲にすることが望ましい。この範囲にすることにより、機械的強度と柔軟性という相反する性質を両立させることができる。板厚のより好ましい範囲は、0.05mm以上0.15mm以下である。
図1、図2及び図3に示すように、第1の外装部5の短辺側壁と底部とを繋ぐコーナの中央付近に内側に張り出した凹部が設けられており、凹部の底部が傾斜面5dになっている。第1の外装部5は、開口部5aの大きさ(開口面積となる部分の最大長)以下の深さを有するものである。より好ましい第1の外装部5は、開口面積となる部分の短辺以下の深さを有するものである(例えば図2に示すもの)。第1の外装部5は、例えば、鋼板から浅絞り加工によって作製された開口部を5a有するカップ型容器である。一方、第2の外装部6は、蓋である。第2の外装部6は第1の外装部5の開口部5aを覆う。第2の外装部6も第1の外装部5と同様に浅絞り加工によって作成されたカップ型容器でも板状でもよい。第2の外装部6がカップ型容器であるとき、第2の外装部6の側面を第1の外装部5の側面の一部と見なすことができる。また、第2の外装部6がカップ型容器であるとき、第2の外装部6の側面側の内面を第1の外装部5の内面の一部と見なすことができる。第1の外装部5のフランジ部5bが第2の外装部6の四辺に溶接されて形成された空間内に電極群2が収納される。溶接には、例えば、抵抗シーム溶接が用いられる。抵抗シーム溶接は、レーザ溶接に比して低いコストで高い気密性と耐熱性を実現することができる。
図4は、図1に示す電池100の電極群2の斜視図である。図4に示す電極群2の正極集電タブ7aは、電極群側正極リード12と電気的に接続している。例えばU字型のバックアップ正極リード11を用いる場合、正極集電タブ7aをバックアップ正極リード11で挟み、バックアップ正極リード11が電極群側正極リード12と電気的に接続した構成とすることが出来る。正極集電タブ7aの電極群側正極リード12又はバックアップ正極リード11と接していない部分は、切り取られ、正極集電タブ7aは、電極群2の中央部分のみに設けられた構成とすることが出来る。
同様に、図4に示す電極群2の負極集電タブ8aは、電極群側負極リード14と電気的に接続している。例えば、U字型のバックアップ負極リード13を用いる場合、負極集電タブ8aをバックアップ負極リード13で挟み、バックアップ負極リード13が電極群側負極リード14と電気的に接続した構成とすることが出来る。負極集電タブ8aの電極群側負極リード14又はバックアップ負極リード13と接していない部分は、切り取られ、負極集電タブ8aは、電極群2の中央部分のみに設けられた構成とすることが出来る。
薄型の電池であるため、電極群2が収容される空間は、高さの低い空間である。1個の電極群2が収容される空間の高さは、外装部材1内に収容され、高さ方向に並んだ電極群2の数で第1の外装部5の底部から第2の外装部6までの距離を割った値である。電池が薄型であるため、1個あたりの電極群2が収容される空間の高さは、5mm以上30mm以下である。電極群2が収容される空間は、高さが低い空間であるため、リードの形状に制限が生じる。
図5は、電極群2を部分的に展開した状態を示す斜視図である。電極群2は、図5に示すように、扁平形状で、正極7と、負極8と、正極7と負極8の間に配置されたセパレータ9とを含む。扁平状の電極群2は、正極7、正極7と電気的に接続された正極集電タブ7a、負極8、及び、負極8と電気的に接続された負極集電タブ8aを含み、扁平形状に捲回された正極集電タブ7aが第一端面に位置し、かつ扁平形状に捲回された負極集電タブ8aが第二端面に位置する。電極群2の扁平な2面のうち1つの面が第1の外装部5の底面5cと対向し、電極群2の扁平な2面のうち他方の面が第2の外装部6の面と対向する。
電極群2は、第1の外装部5内に、第一端面7aが正極端子部3と対向し、かつ第二端面8aが負極端子部4と対向するように収納される。そのため、電極群2の第一端面7a及び第二端面8aと交わる平面が第1の外装部5内の底面5cと対向し、第一端面7a及び第二端面8aと交わる湾曲面が第1の外装部5内の長辺側側面と対向する。
正極7は、例えば箔からなる帯状の正極集電体と、正極集電体の長辺に平行な一端部からなる正極集電タブ7aと、少なくとも正極集電タブ7aの部分を除いて正極集電体に形成された正極材料層(正極活物質含有層)7bとを含む。
一方、負極8は、例えば箔からなる帯状の負極集電体と、負極集電体の長辺に平行な一端部からなる負極集電タブ8aと、少なくとも負極集電タブ8aの部分を除いて負極集電体に形成された負極材料層(負極活物質含有層)8bとを含む。電極群2は、正極7の正極材料層7bと負極8の負極材料層8bがセパレータ9を介して対向すると共に、捲回軸の一方側に正極集電タブ7aが負極8及びセパレータ9よりも突出し、かつ他方側に負極集電タブ8aが正極7及びセパレータ9よりも突出するように、正極7、セパレータ9及び負極8が扁平形状に捲回されたものである。よって、電極群2において、捲回軸と垂直な第一端面に、扁平の渦巻き状に捲回された正極集電タブ7aが位置する。
また、捲回軸と垂直な第二端面に、扁平の渦巻き状に捲回された負極集電タブ8aが位置する。なお、電極群2は、電解質(図示しない)を保持している。絶縁シート10は、電極群2の最外周のうち、正極集電タブ7aと負極集電タブ8aの間の部分を被覆している。そして、絶縁シート10は、電極群2の最外周のうち、正極集電タブ7a及び負極集電タブ8aを除いた部分を被覆している。なお、電極群2は、電解質(図示しない)を保持している。
図6に図1の正極7部分を電池長辺方向に沿って切断した際に得られる断面図を示す。また、図7に図1の負極8部分を電池長辺方向に沿って切断した際に得られる断面図を示す。正極端子側の図6と負極端子側の図7は、対称である。図6には、A-A’の仮想線(破線)を示している。
図8は、図6の正極7側のA-A’面に沿って切断した際に得られる断面図である。A-A’面は、正極端子17の中央(傾斜面5dの中央)を通る断面である。図8の断面図においては、A-A’面の断面図、つまり、仮想線から電池100の奥行き方向(正極端子17から負極端子に向かう方向)に切断した断面図を示している。正極7側と負極8側は対称であるため、負極8側のA-A’面の断面図は、図示しないが、正極7側の図面を参考にすることによって負極8側の構造が理解される。
正極端子部3は、図2、図3、図6及び図8に示すように、第1の外装部5の傾斜面5dに開口された貫通孔15と、正極外部端子17と、正極絶縁部材18a、正極補強部材(リング状部材)18bと、絶縁ガスケット19と、正極端子絶縁部材20とを含む。
正極端子部3において、第1の外装部5は正極集電タブ側に貫通孔15を有している。正極端子部3の正極外部端子17は、正極頭部17a及び正極頭部17aから延び出た正極軸部を含む。正極端子部3において、貫通孔23aを有する正極端子リード23を含む。正極端子部3において、正極頭部17aが第1の外装部5の外側に突出し、正極軸部が正極端子リード23の貫通孔23aに挿入されて、正極軸部が第1の外装部5及び正極端子リード23にカシメ固定されている。
バーリング部(環状の立ち上がり部)16は、図5に示すように、貫通孔15の周縁部から外装部材1の内側に向けて延びており、バーリング加工によって形成されたものである。
図9に正極外部端子17の斜視図を示す。正極外部端子17は、図6、図8及び図9に示すように、例えば、角錐台形状の正極頭部17aと、第1の外装部5の貫通孔15を貫通する正極軸部とを含む。正極軸部は、正極頭部17aの頂面と平行で、頂面とは反対側の平面から伸び出ている。正極外部端子17は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金等の導電性材料から形成される。
正極軸部は、楕円錐台又は楕円柱台の第1の正極軸部17bと楕円錐台の第2の正極軸部17cを少なくとも含む。図9に示す正極外部端子17の斜視図では、第1の正極軸部17bが楕円錐台である。第1の正極軸部17bが楕円柱台である形態は、変形例で説明する。第1の正極軸部17bは、第2の正極軸部17cと正極頭部17aの間に配置されている。正極軸部の断面を楕円形状とすることで、電極端子部分の形状及び容積的な制限を満たしつつ、正極軸部の断面が円形状である場合と比べて、正極軸部と正極端子リード23の接触面と、正極軸部の断面積を大きくすることが出来る。第2の正極軸部17cを楕円錐台にすることで、第2の正極軸部17cの断面積を大きくし、正極端子リード23とのカシメ固定をより強固にすることができる。
図6及び図8に示す通り、正極集電タブ7aと正極外部端子17の間の電気的経路では、正極軸部の断面(正極軸部と正極頭部17aの連結方向に対して垂直方向の正極軸部の断面)が最も小さくなる。正極軸部の断面を正極頭部17aよりも大きくすると、正極外部端子17を貫通孔15に通すことが出来ない。電池100を高レートで充放電するためには、正極集電タブ7aと正極外部端子17の間の電気的経路の断面積を大きくすることが好ましい。正極外部端子17をカシメ固定している場合では、正極軸部の断面積が最も小さくなる。つまり、電池の端子部分において、正極軸部の断面積を大きくすると、電池100を更に高レートで充放電することが出来る。しかし、単純に、正極軸部の断面積を大きくすると、電池100の厚み(電池容量に対する電池100の厚み)が増加、若しくは、電池容量が低下してしまう。そこで、実施形態では、正極軸部の断面を楕円形状とすることで電池100の厚さにも電池容量にも悪影響を及ぼさずに、正極軸部の断面積を増加させることができる。正極外部端子17を含め、電池100の内部形状は、X線を用いたCT(Computed Tomography)検査を行って得られた断面から求められる。
第1の正極軸部17bと第2の正極軸部17cは、天面と底面を有する。楕円錐台の小さい方の頂面を天面とし、楕円錐台の大きい方の頂面を底面とする。第1の正極軸部17bの底面は、正極頭部17aを向く面である。第1の正極軸部17bの天面は、第1の正極軸部17bの底面とは反対側の面である。第1の正極軸部17bの天面は、第2の正極軸部17cの天面を向く面である。第2の正極軸部17cの天面は、正極頭部17aを向く面である。第2の正極軸部17cの底面は、第2の正極軸部17cの天面とは反対側の面である。第1の正極軸部17bの側面は、絶縁ガスケット19、より具体的には、フランジ部19aと対向し接している。第1の正極軸部17bの天面と第2の正極軸部17cの天面は、直接的に連結している。第1の正極軸部17bと正極頭部17aの間には、図示しない楕円錐台又は楕円柱台を更に設けることが出来る。第1の正極軸部17bと正極頭部17aの間の図示しない楕円錐台又は楕円柱台の断面積は、正極頭部17aの断面積以下であり、第1の正極軸部17bの断面積よりも大きく、第2の正極軸部17cの断面積よりも大きいことが、高レートでの充放電の観点から好ましい。正極軸部の断面が楕円形状であることで、正極外部端子17が回転しにくくなるという点でも好ましい。
図10に正極外部端子17の短軸方向の断面図(図10(a))と長軸方向の断面図(図10(b))を示す。正極外部端子17の短軸方向(第1の正極軸部17bの短軸方向と第2の正極軸部17cの短軸方向)とは、正極軸部の中心を通り、正極軸部の軸径が最も細くなる断面の方向である。正極外部端子17の長軸方向(第1の正極軸部17bの長軸方向と第2の正極軸部17cの長軸方向)とは、正極軸部の中心を通り、正極軸部の軸径が最も太くなる断面の方向である。第1の正極軸部17bの短軸方向と第2の正極軸部17cの短軸方向は同じ方向であることが好ましい。また、第1の正極軸部17bの長軸方向と第2の正極軸部17cの長軸方向は同じ方向であることが好ましい。また、正極外部端子17の短軸方向(第1の正極軸部17bの短軸方向と第2の正極軸部17cの短軸方向)は、正極頭部17aの正極軸部側の平面の短手方向であり、正極外部端子17の長軸方向(第1の正極軸部17bの長軸方向と第2の正極軸部17cの長軸方向)は、正極頭部17aの正極軸部側の平面の長手方向である。正極外部端子17の短軸方向(第1の正極軸部17bの短軸方向と第2の正極軸部17cの短軸方向)と正極外部端子17の長軸方向(第1の正極軸部17bの長軸方向と第2の正極軸部17cの長軸方向)は、傾斜面5dと平行若しくは実質的に平行(角度差±3度以内)であることが好ましい。
図10に示す通り、第1の正極軸部17bの天面の短軸の長さをAa1とし、第1の正極軸部17bの天面の長軸の長さをAa2とする。また、第1の正極軸部17bの底面の短軸の長さをAb1とし、第1の正極軸部17bの底面の長軸の長さをAb2とする。また、第2の正極軸部17cの天面の短軸の長さをBa1とし、第2の正極軸部17cの天面の長軸の長さをBa2とする。また、第2の正極軸部17cの底面の短軸の長さをBb1とし、第2の正極軸部17cの底面の長軸の長さをBb2とする。
Aa1とAb1は、Aa1<Ab1(第1正極軸部17bが楕円柱である変形例を含めるとAa1≦Ab1)を満たす。Aa2とAb2は、Aa2<Ab2(第1正極軸部17bが楕円柱である変形例を含めるとAa2≦Ab2)を満たす。Ba1とBb1は、Ba1<Bb1を満たす。Ba2とBb2は、Ba2<Bb2を満たす。
また、Aa1、Aa2、Ba1、Ba2、Bb1及びBb2は、|(Aa1-Ba1)-(Aa2-Ba2)|≦0.1mm、及び、(Bb2-Ba2)<(Bb1-Ba1)を満たすことが好ましい。|(Aa1-Ba1)-(Aa2-Ba2)|≦0.1mmを満たすと第1の正極軸部17bと正極端子リード23を安定して接触させることができるという利点がある。(Bb2-Ba2)<(Bb1-Ba1)を満たすと第2の正極軸部17cと正極端子リード23の接触部の面積を大きくすることができカシメ部を強固にすることができるという利点がある。同観点から、1.2(Bb2-Ba2)<(Bb1-Ba1)を満たすことがより好ましい。
また、第1の正極軸部17bの天面の短軸の長さであるAa1と、第1の正極軸部17bの天面の長軸の長さであるAa2は、1.1≦Aa2/Aa1≦2.0を満たすことが好ましい。Aa2/Aa1が1.1より小さいと第1の正極軸部17bの断面形状が円に近くなり、Aa2/Aa1が2.0より大きいと長軸が長すぎることで、断面積が小さくなる。従って、高レートでの充放電の観点から上記範囲を満たすことが好ましい。
また、第1の正極軸部17bの底面の短軸の長さであるAb1と第1の正極軸部17bの底面の長軸の長さであるAb2は、1.08≦Ab2/Ab1≦2.0を満たすことが好ましい。Ab2/Ab1が1.08より小さいと第1の正極軸部17bの断面形状が円に近くなり、Ab2/Ab1が2.0より大きいと長軸が長すぎることで、断面積が小さくなる。従って、高レートでの充放電の観点から上記範囲を満たすことが好ましい。
また、第1の正極軸部17bの天面の長軸の長さであるAa2と第2の正極軸部17cの天面の長軸の長さであるBa2は、1.05≦Aa2/Ba2≦1.5を満たすと第1の正極軸部17bと正極端子リード23を安定して接触させることができるという利点がある。Aa2/Ba2が1.05より小さいと正極端子リード23の組立性の観点から好ましくない。Aa2/Ba2が1.5より大きいと、Ba2が小さい場合は断面積が小さくなり高レートでの充放電の観点から好ましくなく、Aa2が大きい場合は絶縁ガスケット19によるシール部分が増えることになり気密性の観点から好ましくない。
図11に、正極外部端子17の軸部分の断面形状の例を示す。実施形態における楕円とは、数学的に定義された楕円に限定されるものではなく、広義に解釈する。広義に解釈される楕円形状の例の一部を図11に示す。図11(a)は、数学的に定義された楕円である。図11(b)は、小判型の楕円形状である。図11(c)は、トラック形状であり、これも楕円形状に含む。図11(d)は、菱形の角を丸くした形状(例えば、バイポーラトランジスタのTO-3型)であり、これも楕円形状に含む。負極外部端子32の軸部分の楕円形状も正極外部端子17の軸部分の楕円形状と同様である。なお、実施形態における楕円形状は、顕著な角を含まない形状である。
また、高レートでの充放電を行う観点から、正極軸部は、中実であることが好ましい。中実とは、正極軸部は、実質的に空隙が無く、実質的に金属又は合金で構成されていることである。正極外部端子17全体が、中実であることがより好ましい。
正極絶縁部材18aは、貫通孔及び凸部有し、第1の外装部5を正極外部端子17及び正極端子リード23と絶縁する。正極絶縁部材18aは、凸部を有するリング状部材である。正極絶縁部材18aの凸部は、正極端子リード23が存在する方向とは、反対側の方向に延出している。正極絶縁部材18aは、絶縁性の部材である。
凸部を有する正極絶縁部材18aは、例えば、フッ素樹脂、フッ素ゴム、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK樹脂)、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)、及びポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)などからなる群より選ばれる1種以上の樹脂材料で構成されることが好ましい。
正極補強部材18bは、例えば、ガスケットよりも剛性の高い材質で形成された貫通孔を有する円形リングからなる。正極補強部材18bは、第1の外装部5と正極絶縁部材18aとの間に配置されている。ガスケットよりも剛性の高い材質の例には、ステンレス鋼、鉄にメッキ(例えばNi、NiCr等)を施したもの、セラミックス、ガスケットよりも高い剛性を持ち得る樹脂(例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT))などが含まれる。正極補強部材18bは、図6に示すように、バーリング部16の外周面上に配置されてバーリング部16及び正極絶縁部材18aと接している。外装部材1が薄い部材であるため、正極補強部材18bによって第1の外装部5及びバーリング部16の補強がなされることが好ましい。
正極外部端子17は、正極絶縁部材18aの貫通孔と正極補強部材18bの貫通孔に挿入されている。正極絶縁部材18aの凸部と、第1の外装部5のバーリング部16によって、正極補強部材18bが挟まれている。正極端子リード23部分が動いたとしても正極絶縁部材18aよって正極端子リード23が第1の外装部5とショートすることをより確実に妨げる点で好ましい。また、正極絶縁部材18aの凸部によって、正極端子リード23と第1の外装部5との絶縁の確実性が向上することが好ましい。
絶縁ガスケット19は、図2及び図6に示すように、一方の開口端にフランジ部19aを有する円筒体(筒部)である。絶縁ガスケット19は、図2及び図6に示すように、円筒体の部分が貫通孔15及びバーリング部16内に挿入され、フランジ部19aが第1の外装部5の外面上の貫通孔15の外周に配置されている。絶縁ガスケット19は、例えば、フッ素樹脂、フッ素ゴム、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK樹脂)、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)、及びポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)などの樹脂から形成されている。
正極端子絶縁部材20は、図2及び図6に示すように、鈍角に折れ曲がった板状部材であり、底部に貫通孔20aを有する。正極端子絶縁部材20は、第1の外装部5の外面上に配置されている。正極端子絶縁部材20の貫通孔20aには、絶縁ガスケット19のフランジ部19aが挿入されている。
正極端子部3は、正極端子リード23をさらに備える。正極端子リード23は、貫通孔23aと第1の外装部5の開口部側、すなわち、第2の外装部6側に延出した第1の延出部23bを有する導電性の板である。図5では、正極端子リード23は、電極群2側に延出した第1の延出部23aを有する。正極端子リード23の第1の延出部23bは、電極群側正極リード12の第1の延出部12aと溶接により一体化されている。第1の延出部23bと第1の延出部12aの対向する面が溶接されており、さらに、先端側の第1の延出部23bの端面と第1の延出部12aの端面も溶接されている。正極端子リード23の第1の延出部23b及び電極群側正極リード12の第1の延出部12aの少なくとも先端部分は、第2の外装部6の面に対して垂直又は略垂直(80°以上100°以下)である。正極端子リード23の第1の延出部23b及び電極群側正極リード12の第1の延出部12aの少なくとも先端部分が第2の外装部6の面に対して垂直又は略垂直であることは、正極端子リード23の第1の延出部23bと電極群側正極リード12の第1の延出部12aの溶接後にリードを折り曲げずに作製されたことを表している。溶接後にリードを折り曲げることによって電極の端子部分の配線をコンパクトにできるという利点があるが、溶接後に折曲げを精度良く行うには、リードの厚さを薄くすることが求められる。しかし、リードの厚さを薄くすると大電流を流しにくいという点で好ましくない。溶接された部分が第2の外装部6の面の方向を向くようにすることで、リードの厚さを厚くすることができる。なお、リードの折り曲げ形状を含め、電極群側正極リード12や正極端子リード23の形状は、図6に示す形状に限定されず他の形状であっても良い。
大電流特性を考慮すると、正極端子リード23の厚さは、0.5mm以上3.0mm以下とすることができ、また、電極群側正極リード12の厚さは、0.5mm以上3.0mm以下とすることができる。さらに、リード同士の溶接前のリードの折り曲げ工程及び大電流特性を考慮すると、正極端子リード23の厚さと電極群側正極リード12の厚さの和は、1.0mm以上1.2mm以下とすることが好ましい。これらの厚さは、溶接されている部分で少なくとも満たすことが好ましい。
電池100は、第1の正極絶縁補強部材24をさらに備える。第1の正極絶縁補強部材24は、第1の外装部5の内面側に配置される。より具体的には、第1の正極絶縁補強部材24は、第1の外装部5の内面側であって正極端子リード23と第1の外装部5との間に配置される。図2及び図6に示すように、第1の正極絶縁補強部材24は、有底矩形筒を長辺方向に半割した構造の本体部分24aと、本体部分24aに形成された円形溝24bと、円形溝24bの中央に開口された貫通孔24cとを有する。貫通孔24c内に、正極絶縁部材18a、正極補強部材18b及び正極外部端子17が配置される。第1の正極端子絶縁補強部材24は、本体部分24aが第1の外装部5の短辺側側壁から底面に繋がるコーナ部と、第1の外装部5の短辺側側壁から長辺側側面に繋がるコーナ部を被覆する。これにより、第1の外装部5、特に短辺側側壁と長辺側側壁と底部とが交わるコーナ付近を補強することができる。円形溝24bには、バーリング部16の外周面上に配置された正極絶縁部材18aが配置される。貫通孔24cは、バーリング部16の開口及び第1の外装部5の貫通孔15と連通する。第1の正極端子絶縁補強部材24上に、正極端子リード23が配置される。正極端子リード23の貫通孔23aは、第1の正極端子絶縁補強部材24の貫通孔24c、バーリング部16の開口及び第1の外装部5の貫通孔15と連通する。
第1の正極絶縁補強部材24と一対の第2の正極絶縁補強部材25は、第1の外装部5の内面側及び第2の外装部6の内面側に配置される。第2の正極絶縁補強部材25は、図2に示すように、有底矩形筒を長辺方向に半割した構造を有する。一方の第1の正極絶縁補強部材24は、正極集電タブ7aのうち、捲回中心から第1の外装部5側までの半分程度を被覆する。他方の第2の正極絶縁補強部材25は、正極集電タブ7aのうち、捲回中心から第2の外装部6側までの半分程度を被覆する。これにより、第2の外装部6、特に短辺付近を補強することができる。
正極外部端子17の軸部は、絶縁ガスケット19、正極端子絶縁部材20の貫通孔20a、第1の外装部5の貫通孔15、正極端子絶縁補強部材24の貫通孔24c及び正極端子リード23の貫通孔23aに挿入された後、カシメ加工によって塑性変形を生じる。その結果、これらの部材が一体化されると共に、正極外部端子17が正極端子リード23と電気的に接続される。よって、正極外部端子17は、リベットの役割も担う。なお、第2の正極軸部17cが正極端子リード23とカシメ固定され、正極端子リード23の貫通孔23aの内壁の少なくとも一部又は全部は、第2の正極軸部17cと溶接され、より強固な接続と電気導通性の向上を施しても良い。
負極端子部4は、図3及び図7に示すように、第1の外装部5の傾斜面5dに開口された貫通孔30と、負極外部端子32と、負極絶縁部材33a、負極補強部材(リング状部材)33bと、絶縁ガスケット34と、負極端子絶縁部材35とを含む。
負極端子部4において、第1の外装部5は負極集電タブ8a側に貫通孔30を有している。負極端子部4の負極外部端子32は、負極頭部32a及び負極頭部32aから延び出た負極軸部を含む。負極端子部4において、貫通孔36aを有する負極端子リード36を含む。負極端子部4において、負極頭部32aが第1の外装部5の外側に突出し、負極軸部が負極端子リード36の貫通孔36aに挿入されて、負極軸部が第1の外装部5及び負極端子リード36にカシメ固定されている。
図9に負極外部端子32の斜視図を示す。負極外部端子32は、図7及び図9に示すように、例えば、角錐台形状の負極頭部32aと、負極軸部とを含む。負極軸部は、負極頭部32aの頂面と平行な平面から伸び出ている。負極外部端子32は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金等の導電性材料から形成される。
負極軸部は、楕円錐台又は楕円柱台の第1の負極軸部32bと楕円錐台の第2の負極軸部32cを少なくとも含む。図9に示す負極外部端子32の斜視図では、第1の負極軸部32bが楕円錐台である。第1の負極軸部32bが楕円柱台である形態は、変形例で説明する。第1の負極軸部32bは、第2の負極軸部32cと負極頭部32aの間に配置されている。負極軸部の断面を楕円形状とすることで、電極端子部分の形状及び容積的な制限を満たしつつ、負極軸部の断面が円形状である場合と比べて、負極軸部と負極端子リード36の接触面と、負極軸部の断面積を大きくすることが出来る。第2の負極軸部32cを楕円錐台にすることで、第2の負極軸部32cの断面積を大きくし、負極端子リード36とのカシメ固定をより強固にすることができる。
図7及び参照する図8に示す通り、負極集電タブ8aと負極外部端子32の間の電気的経路では、負極軸部の断面(負極軸部と負極頭部32aの連結方向に対して垂直方向の負極軸部の断面)が最も小さくなる。負極軸部の断面を負極頭部32aよりも大きくすると、負極外部端子32を貫通孔15に通すことが出来ない。電池100を高レートで充放電するためには、負極集電タブ8aと負極外部端子32の間の電気的経路の断面積を大きくすることが好ましい。負極外部端子32をカシメ固定している場合では、負極軸部の断面積が最も小さくなる。つまり、電池の端子部分において、負極軸部の断面積を大きくすると、電池100を更に高レートで充放電することが出来る。しかし、単純に、負極軸部の断面積を大きくすると、電池100の厚み(電池容量に対する電池100の厚み)が増加、若しくは、電池容量が低下してしまう。そこで、実施形態では、負極軸部の断面を楕円形状とすることで電池100の厚さにも電池容量にも悪影響を及ぼさずに、負極軸部の断面積を増加させることができる。
第1の負極軸部32bと第2の負極軸部32cは、天面と底面を有する。楕円錐台の小さい方の頂面を天面とし、楕円錐台の大きい方の頂面を底面とする。第1の負極軸部32bの底面は、負極頭部32aを向く面である。第1の負極軸部32bの天面は、第1の負極軸部32bの底面とは反対側の面である。第1の負極軸部32bの天面は、第2の負極軸部32cの天面を向く面である。第2の負極軸部32cの天面は、負極頭部32aを向く面である。第2の負極軸部32cの底面は、第2の負極軸部32cの天面とは反対側の面である。第1の負極軸部32bの側面は、絶縁ガスケット34、より具体的には、フランジ部34aと対向し接している。第1の負極軸部32bの天面と第2の負極軸部32cの天面は、直接的に連結している。第1の負極軸部32bと負極頭部32aの間には、図示しない楕円錐台又は楕円柱台を更に設けることが出来る。第1の負極軸部32bと負極頭部32aの間の図示しない楕円錐台又は楕円柱台の断面積は、負極頭部32aの断面積以下であり、第1の負極軸部32bの断面積よりも大きく、第2の負極軸部32cの断面積よりも大きいことが、高レートでの充放電の観点から好ましい。負極軸部の断面が楕円形状であることで、正極外部端子17が回転しにくくなるという点でも好ましい。
図10に負極外部端子32の短軸方向の断面図(図10(a))と長軸方向の断面図(図10(b))を示す。負極外部端子32の短軸方向(第1の負極軸部32bの短軸方向と第2の負極軸部32cの短軸方向)とは、負極軸部の中心を通り、負極軸部の軸径が最も細くなる断面の方向である。負極外部端子32の長軸方向(第1の負極軸部32bの長軸方向と第2の負極軸部32cの長軸方向)とは、負極軸部の中心を通り、負極軸部の軸径が最も太くなる断面の方向である。第1の負極軸部32bの短軸方向と第2の負極軸部32cの短軸方向は同じ方向であることが好ましい。また、第1の負極軸部32bの長軸方向と第2の負極軸部32cの長軸方向は同じ方向であることが好ましい。また、負極外部端子32の短軸方向(第1の負極軸部32bの短軸方向と第2の負極軸部32cの短軸方向)は、負極頭部32aの負極軸部側の平面の短手方向であり、負極外部端子32の長軸方向(第1の負極軸部32bの長軸方向と第2の負極軸部32cの長軸方向)は、負極頭部32aの正極軸部側の平面の長手方向である。負極外部端子32の短軸方向(第1の負極軸部32bの短軸方向と第2の負極軸部32cの短軸方向)と負極外部端子32の長軸方向(第1の負極軸部32bの長軸方向と第2の負極軸部32cの長軸方向)は、傾斜面5dと平行若しくは実質的に平行(角度差±3度以内)であることが好ましい。
図10に示す通り、第1の負極軸部32bの天面の短軸の長さをCa1とし、第1の負極軸部32bの天面の長軸の長さをCa2とする。また、第1の負極軸部32bの底面の短軸の長さをCb1とし、第1の負極軸部32bの底面の長軸の長さをCb2とする。また、第2の負極軸部32cの天面の短軸の長さをDa1とし、第2の負極軸部32cの天面の長軸の長さをDa2とする。また、第2の負極軸部32cの底面の短軸の長さをDb1とし、第2の負極軸部32cの底面の長軸の長さをDb2とする。
Ca1とCb1は、Ca1<Cb1(第1負極軸部32bが楕円柱である変形例を含めるとCa1≦Cb1)を満たす。Ca2とCb2は、Ca2<Cb2(第1負極軸部32bが楕円柱である変形例を含めるとCa2≦Cb2)を満たす。Da1とDb1は、Da1<Db1を満たす。Da2とDb2は、Da2<Db2を満たす。
また、Ca1、Ca2、Da1、Da2、Db1及びDb2は、|(Ca1-Da1)-(Ca2-Da2)|≦0.1mm、及び、(Db2-Da2)<(Db1-Da1)を満たすことが好ましい。|(Ca1-Da1)-(Ca2-Da2)|≦0.1mmを満たすと第1の負極軸部32bと負極端子リード36を安定して接触させることができるという利点がある。(Db2-Da2)<(Db1-Da1)を満たすと第2の負極軸部32cと負極端子リード36の接触部の面積を大きくすることができカシメ部を強固にすることができるという利点がある。同観点から、1.2(Db2-Da2)<(Db1-Da1)を満たすことがより好ましい。
また、Ca1とCa2は、1.1≦Ca2/Ca1≦2.0を満たすことが好ましい。Ca2/Ca1が1.1より小さいと第1の負極軸部32bの断面形状が円に近くなり、Ca2/Ca1が2.0より大きいと長軸が長すぎることで、断面積が小さくなる。従って、高レートでの充放電の観点から上記範囲を満たすことが好ましい。
また、Cb1とCb2は、1.08≦Cb2/Cb1≦2.0を満たすことが好ましい。Cb2/Cb1が1.08より小さいと第1の負極軸部32bの断面形状が円に近くなり、Cb2/Cb1が2.0より大きいと長軸が長すぎることで、断面積が小さくなる。従って、高レートでの充放電の観点から上記範囲を満たすことが好ましい。
また、Ca2とDa2は、1.05≦Ca2/Da2≦1.5を満たすと第1の負極軸部32bと負極端子リード36を安定して接触させることができるという利点がある。Ca2/Da2が1.5より小さいと負極端子リード36の組立性の観点から好ましくない。Ca2/Da2が1.5より大きいとBa2が小さい場合は断面積が小さくなり高レートでの充放電の観点から好ましくなく、Aa2が大きい場合は絶縁ガスケット19によるシール部分が増えることになり気密性の観点から好ましくない。
また、高レートでの充放電を行う観点から、負極軸部は、中実であることが好ましい。中実とは、負極軸部は、実質的に空隙が無く、実質的に金属又は合金で構成されていることである。負極外部端子32全体が、中実であることがより好ましい。
バーリング部(環状の立ち上がり部)31は、図7に示すように、貫通孔31の周縁部から外装部材1の内側に向けて延びており、バーリング加工によって形成されたものである。
図9に負極外部端子32の斜視図を示す。負極外部端子32は、図7、参照する図8及び図9に示すように、例えば、角錐台形状の負極頭部32aと、第1の外装部5の貫通孔30を貫通する負極軸部とを含む。円柱状の軸部は、負極頭部32aの頂面と平行で、頂面とは反対側の平面から伸び出ている。負極外部端子32は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金等の導電性材料から形成される。
負極絶縁部材33aは、貫通孔及び凸部を有し、第1の外装部5を負極外部端子32及び負極端子リード36と絶縁する。負極絶縁部材33aは外周に凸部を有するリング状部材である。負極絶縁部材33aの凸部は、負極端子リード36が存在する方向とは、反対側の方向に延出している。負極絶縁部材33aは、絶縁性の部材である。
凸部を有する負極絶縁部材33aは、例えば、フッ素樹脂、フッ素ゴム、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK樹脂)、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)、及びポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)などからなる群より選ばれる1種以上の樹脂材料で構成されることが好ましい。
負極補強部材33bは、例えば、ガスケットよりも剛性の高い材質で形成された貫通孔を有する円形リングからなる。負極補強部材33bは、第1の外装部5と負極絶縁部材33aとの間に配置されている。ガスケットよりも剛性の高い材質の例には、ステンレス鋼、鉄にメッキ(例えばNi、NiCr等)を施したもの、セラミックス、ガスケットよりも高い剛性を持ち得る樹脂(例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT))などが含まれる。負極補強部材33bは、図7に示すように、バーリング部31の外周面上に配置されてバーリング部31及び負極絶縁部材33aと接している。外装部材1が薄い部材であるため、負極補強部材33bによって第1の外装部5及びバーリング部31の補強がなされることが好ましい。
負極外部端子32は、負極絶縁部材33aの貫通孔と負極補強部材33bの貫通孔に挿入されている。負極絶縁部材33aの凸部と、第1の外装部5のバーリング部31によって、負極補強部材33bが挟まれている。負極端子リード36部分が動いたとしても負極絶縁部材33aによって負極端子リード36が第1の外装部5とショートすることをより確実に妨げる点で好ましい。また、負極絶縁部材33aに凸部があることによって、負極端子リード36と第1の外装部5との絶縁の確実性が向上することが好ましい。
絶縁ガスケット34は、図3及び図7に示すように、一方の開口端にフランジ部34aを有する円筒体(筒部)である。絶縁ガスケット34は、図3及び図7に示すように、円筒体の部分が貫通孔30及びバーリング部31内に挿入され、フランジ部34aが第1の外装部5の外面上の貫通孔30の外周に配置されている。絶縁ガスケット34は、例えば、フッ素樹脂、フッ素ゴム、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK樹脂)、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)、及びポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)などの樹脂から形成されている。
負極端子絶縁部材35は、図3及び図7に示すように、鈍角に折れ曲がった板状部材であり、底部に貫通孔35aを有する。負極端子絶縁部材35は、第1の外装部5の外面上に配置されている。負極端子絶縁部材35の貫通孔35aには、絶縁ガスケット34のフランジ部34aが挿入されている。
負極端子部4は、負極端子リード36をさらに備える。負極端子リード36は、貫通孔36aと第1の外装部5の開口部5a側、すなわち、第2の外装部6側に延出した第1の延出部36bを有する導電性の板である。図6では、負極端子リード36は、電極群2側に延出した第1の延出部36bを有する。負極端子リード36の第1の延出部36bは、電極群側負極リード14の第1の延出部14aと溶接により一体化されている。第1の延出部36bと第1の延出部14aの対向する面が溶接されており、さらに、先端側の第1の延出部36bの端面と第1の延出部14aの端面も溶接されている。負極端子リード36の第1の延出部36b及び電極群側負極リード14の第1の延出部14aの少なくとも先端部分は、第2の外装部6の面に対して垂直又は略垂直(80°以上100°以下)である。負極端子リード36の第1の延出部36b及び電極群側負極リード14の第1の延出部14aの少なくとも先端部分が第2の外装部6の面に対して垂直又は略垂直であることは、負極端子リード36の第1の延出部36bと電極群側負極リード14の第1の延出部14aの溶接後にリードを折り曲げずに作製されたことを表している。溶接後にリードを折り曲げることによって電極の端子部分の配線をコンパクトにできるという利点があるが、溶接後に折曲げを精度良く行うには、リードの厚さを薄くすることが求められる。しかし、リードの厚さを薄くすると大電流を流しにくいという点で好ましくない。溶接された部分が第2の外装部6の面の方向を向くようにすることで、リードの厚さを厚くすることができる。なお、リードの折り曲げ形状を含め、電極群側負極リード14や負極端子リード36の形状は、図7に示す形状に限定されず他の形状であっても良い。
大電流特性を考慮すると、負極端子リード36の厚さは、0.5mm以上3.0mm以下とすることができ、また、電極群側負極リード14の厚さは、0.5mm以上3.0mm以下とすることができる。さらに、リード同士の溶接前のリードの折り曲げ工程及び大電流特性を考慮すると、負極端子リード36の厚さと電極群側負極リード14の厚さの和は、1.0mm以上1.2mm以下とすることが好ましい。
電池100は、第1の負極端子絶縁補強部材37をさらに備える。第1の負極絶縁補強部材37は、第1の外装部5の内面側に配置される。より具体的には、第1の負極絶縁補強部材37は、第1の外装部5の内面側であって負極端子リード36と第1の外装部5との間に配置される。図3及び図7に示すように、第1の負極端子絶縁補強部材37は、有底矩形筒を長辺方向に半割した構造の本体部分37aと、本体部分37aに形成された円形溝37bと、円形溝37bの中央に開口された貫通孔37cとを有する。貫通孔37c内に、負極絶縁部材33a、負極補強部材33b及び負極外部端子32が配置される。第1の負極端子絶縁補強部材37は、本体部分37aが第1の外装部5の短辺側側壁から底面に繋がるコーナ部と、第1の外装部5の短辺側側壁から長辺側側面に繋がるコーナ部を被覆する。これにより、第1の外装部5、特に短辺側側壁と長辺側側壁と底部とが交わるコーナ付近を補強することができる。円形溝37bには、バーリング部31の外周面上に配置されたバーリング部を有する負極絶縁部材33bが配置される。貫通孔37cは、バーリング部31の開口及び第1の外装部5の貫通孔30と連通する。第1の負極端子絶縁補強部材37上に、負極端子リード36が配置される。負極端子リード36の貫通孔36aは、第1の負極端子絶縁補強部材37の貫通孔37c、バーリング部31の開口及び第1の外装部5の貫通孔30と連通する。
第1の負極絶縁補強部材37と一対の第2の負極絶縁補強部材38は、第1の外装部5の内面側及び第2の外装部6の内面側に配置される。第2の負極絶縁補強部材38は、図3及び図7に示すように、有底矩形筒を長辺方向に半割した構造をそれぞれ有する。一方の第1の負極絶縁補強部材37は、負極集電タブ8aのうち、捲回中心から第1の外装部5側までの半分程度を被覆する。他方の第2の絶縁補強部材38は、負極集電タブ8aのうち、捲回中心から第2の外装部6側までの半分程度を被覆する。これにより、第2の外装部6、特に短辺付近を補強することができる。
負極外部端子32の軸部は、絶縁ガスケット34、負極端子絶縁部材35の貫通孔35a、第1の外装部5の貫通孔30、第1の負極絶縁補強部材37の貫通孔37c及び負極端子リード36の貫通孔36aに挿入された後、カシメ加工によって塑性変形を生じる。その結果、図3及び図7に示すように、これらの部材が一体化されると共に、負極外部端子32が負極端子リード36と電気的に接続される。よって、負極外部端子36は、リベットの役割も担う。なお、第2の負極軸部32cが負極端子リード36とカシメ固定され、負極端子リード36の貫通孔36aの内壁の少なくとも一部又は全部は、第2の負極軸部32cとレーザ等により溶接し、より強固な接続と電気導通性の向上を施しても良い。
バックアップ正極リード11、電極群側正極リード12、正極端子リード23、バックアップ負極リード13、電極群側負極リード14及び負極端子リード36は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金材から形成することができる。接触抵抗を低減するために、リードの材料は、リードに電気的に接続し得る正極集電体又は負極集電体の材料と同じであることが好ましい。
第1の正極絶縁補強部材24、第2の正極絶縁補強部材25、第1の負極絶縁補強部材37及び第2の負極絶縁補強部材38は、例えば、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の熱可塑性樹脂から形成される。
第1の外装部5の短辺側壁と底部とを繋ぐコーナ部においては、電極群2の第一端面7aとの間、第二端面8aとの間、それぞれに隙間が存在する。第1の外装部5の短辺側壁と底部とを繋ぐコーナ部に内側に張り出した凹部を設け、凹部の底部を傾斜面5dとすることにより、第1の外装部5内のデッドスペースが少なくなるため、電池の体積エネルギー密度を高くすることが可能となる。また、傾斜面5dそれぞれに正極端子部3、負極端子部4を配置することにより、傾斜面を持たない短辺側面に正極端子部3及び負極端子部4を設ける場合よりも、端子部の設置面積を増やすことができる。そのため、正極外部端子17の軸部及び負極外部端子32の軸部の径を太くすることが可能になるため、低抵抗で大きな電流(ハイレート電流)を流すことが可能となる。
ステンレス鋼製の第1の外装部5及び第2の外装部6は、溶接がし易く、安価な抵抗シーム溶接により封止が可能である。よって、ラミネートフィルム製容器よりも気体シール性の高い外装部材1を低コストで実現することができる。また、外装部材1の耐熱性を向上することができる。例えば、SUS304の融点が1400℃であるのに対し、Alの融点は650℃である。
また、外部端子の軸部は、貫通孔にカシメ固定された結果、塑性変形を生じる。その結果、絶縁ガスケットの径方向に力が加わるが、バーリング部がその外側に配置されたリング状部材で補強されているため、絶縁ガスケットに圧縮応力が生じて外部端子を第1の外装部5に高い強度で接続することができる。第1の外装部5の板厚、すなわち、バーリング部の板厚を薄くしてもリング状部材でバーリング部を補強することができるため、第1の外装部5の板厚に拘らず、外部端子を第1の外装部5に高い強度で接続することができる。さらに、バーリング部が、貫通孔の縁部から外装部材1内に向けて延びているため、ガス発生等により外装部材1の内圧が上昇した際の液漏れを、外圧の作用によって抑えることが可能となる。よって、第1の外装部5及び第2の外装部6の板厚を薄くした際にも高い信頼性を実現することができる。
よって、第1の実施形態の電池によれば、第1の外装部5及び第2の外装部6の板厚を薄くした際にも高い強度と信頼性を得ることができるため、柔軟性と放熱性に優れ、かつ強度と信頼性の高い電池を提供することができる。
第1の外装部5を、開口部5aの最大長以下の深さを有するものにすると、第1の外装部5の開口部5a面積が広くなる。第1の外装部の四辺に第2の外装部6が溶接されるが、開口部5a面積が大きくなると、溶接される一辺の長さが長くなるため、三辺を先に溶接して残りの一辺の隙間から電解液を注液するのが容易となる。また、溶接強度が他よりも低い箇所を設ける等により外装部材1を仮封止することができるため、仮封止用の部品(例えばゴム栓)を不要にすることができる。さらに、外装部材1が扁平形状になるため、電池の放熱性を向上することができる。
第1の外装部5が傾斜面5dを有する凹部を含み、傾斜面5dに端子部を配置することにより、第1の外装部5内のデッドスペースを削減することができる。
なお、傾斜面5dは、外装部材1の短辺の中央部付近に設けるものに限定されず、外装部材1の短辺全体に亘るものでも良い。
正極集電タブ7aと電気的に接続されたバックアップ正極リード11や負極集電タブ8aと電気的に接続されたバックアップ負極リード13をさらに含み、電極端子リードをバックアップリードと電気的に接続することが望ましい。これにより、溶接の際の位置決めが容易となる。また、正極集電タブ7a及び負極集電タブ8aに対するバックアップリードの位置が多少ずれても、十分な接続面積を確保することができるため、低抵抗な電池を実現することができる。
外部端子の第1の端面が、四辺形の頂面と、頂面の互いに対向する二辺に連結された第1、第2の傾斜面とを有することにより、三つの面のいずれかを溶接面に選択することで溶接方向を変更することができる。
また、リング状部材の外郭形状は必ずしもバーリング断面形状と同様形状である必要は無く、長方形や六角形などの多面体でも良く、単数又は複数の曲線と単数又は複数の直線の複合形状でも良い。
バックアップ正極リード11及びバックアップ負極リード13は、U字形状の導電板に限定されず、導電性の平板を使用しても良い。また、バックアップ正極リード11またはバックアップ負極リード13あるいは両方を用いない構成にすることも可能である。
外装部材1は、電池内圧が規定値以上に上昇した際に電池内部の圧力を開放することができる安全弁などを更に備えることもできる。
第1の実施形態に係る電池は、一次電池であってもよいし、又は二次電池であってもよい。第1の実施形態に係る電池の一例としては、リチウムイオン二次電池が挙げられる。
第1の実施形態の電池の正極7、負極8、セパレータ及び非水電解質について、以下に説明する。
1)正極7
正極7は、例えば、正極集電体と、正極集電体に保持された正極材料層と、正極集電タブとを含むことができる。正極材料層は、例えば、正極活物質、導電剤、及び結着剤を含むことができる。
正極活物質としては、例えば、酸化物又は硫化物を用いることができる。酸化物及び硫化物の例には、リチウムを吸蔵する二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLixMn24またはLixMnO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1-yCoy2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLixMnyCo1-y2)、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えばLixMn2-yNiy4)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(例えばLixFePO4、LixFe1-yMnyPO4、LixCoPO4)、硫酸鉄(Fe2(SO43)、バナジウム酸化物(例えばV25)及び、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物が挙げられる。上記の式において、0<x≦1であり、0<y≦1である。活物質として、これらの化合物を単独で用いてもよく、或いは、複数の化合物を組合せて用いてもよい。
結着剤は、活物質と集電体とを結着させるために配合される。結着剤の例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムが挙げられる。
導電剤は、集電性能を高め、且つ、活物質と集電体との接触抵抗を抑えるために必要に応じて配合される。導電剤の例としては、アセチレンブラック、カーボンブラック及び黒鉛のような炭素質物が挙げられる。
正極材料層において、正極活物質及び結着剤は、それぞれ、80質量%以上98質量%以下及び2質量%以上20質量%以下の割合で配合することが好ましい。
結着剤は、2質量%以上の量にすることにより十分な電極強度を得ることができる。また、20質量%以下にすることにより電極の絶縁材の配合量を減少させ、内部抵抗を減少できる。
導電剤を加える場合には、正極活物質、結着剤及び導電剤は、それぞれ、77質量%以上95質量%以下、2質量%以上20質量%以下、及び3質量%以上15質量%以下の割合で配合することが好ましい。導電剤は、3質量%以上の量にすることにより上述した効果を発揮することができる。また、15質量%以下にすることにより、高温保存下での正極導電剤表面での非水電解質の分解を低減することができる。
正極集電体は、アルミニウム箔、又は、Mg、Ti、Zn、Ni、Cr、Mn、Fe、Cu及びSiから選択される少なくとも1種類の元素を含むアルミニウム合金箔であることが好ましい。
正極集電体は、正極集電タブと一体であることが好ましい。或いは、正極集電体は、正極集電タブと別体でもよい。
2)負極8
負極8は、例えば、負極集電体と、負極集電体に保持された負極材料層と、負極集電タブとを含むことができる。負極材料層は、例えば、負極活物質、導電剤、及び結着剤を含むことができる。
負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる、金属酸化物、金属窒化物、合金、炭素等を用いることができる。0.4V以上(対Li/Li+)貴な電位でリチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な物質を負極活物質として用いることが好ましい。
負極活物質としては、例えば、黒鉛質材料もしくは炭素質材料(例えば、黒鉛、コークス、炭素繊維、球状炭素、熱分解気相炭素質物、樹脂焼成体など)、カルコゲン化合物(例えば、二硫化チタン、二硫化モリブデン、セレン化ニオブなど)、軽金属(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、リチウム、リチウム合金など)、Li4+xTi12(xは充放電反応により-1≦x≦3の範囲で変化する)で表されるスピネル型チタン酸リチウム、ラムステライド型Li2+xTi(xは充放電反応により-1≦x≦3の範囲で変化する)、TiとP、V、Sn、Cu、NiおよびFeからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含有する金属複合酸化物及びニオブチタン複合酸化物などが挙げられる。
TiとP、V、Sn、Cu、NiおよびFeからなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含有する金属複合酸化物としては、例えば、TiO-P、TiO-V、TiO-P-SnO、TiO-P-MO(MはCu、Ni及びFeからなる群より選択される少なくとも1つの元素)を挙げることができる。これらの金属複合酸化物は、充電によりリチウムが挿入されることでリチウムチタン複合酸化物に変化する。リチウムチタン酸化物(例えば、スピネル型のチタン酸リチウム)、ケイ素とスズ等から成る群のうちの1以上の物質を含むことが好ましい。負極活物質層の結着剤は、正極活物質層の結着剤と共通する。負極活物質層の導電剤は、正極活物質層の導電剤と共通する。
ニオブチタン含有複合酸化物としては、例えば、一般式LiaTiMbNb2±β7±σ(ここで、各添字の値は、0≦a≦5、0≦b≦0.3、0≦β≦0.3の範囲内にあり、0≦σ≦0.3、MはFe、V、Mo及びTaからなる群より選ばれる少なくとも1種(1種でもよいし、又は複数種でもよい)である)で表される単斜晶型の結晶構造を有する複合酸化物、一般式Li2+a1M(I)2-b1Ti6-c1M(II)d114+σ1(ここで、各添字の値は、0≦a1≦6、0<b1<2、0<c1<6、0<d1<6、-0.5≦σ1≦0.5の範囲内にあり、M(I)はSr、Ba、Ca、Mg、Na、Cs及びKからなる群より選ばれる少なくとも1種(1種でもよいし、又は複数種でもよい)であり、M(II)はZr、Sn、V、Nb、Ta、Mo、W、Fe、Co、Mn及びAlからなる群より選ばれる少なくとも1種(1種でもよいし、又は複数種でもよい)であり、且つNbを含む)で表される斜方晶型の結晶構造を有する複合酸化物を用いることができる。上記一般式Li2+a1M(I)2-b1Ti6-c1M(II)d114+σ1において、各添字の値は、0≦a1≦6、0<b1<2、0<c1<6、0<d1<6、-0.5≦σ1≦0.5の範囲内にあり、M(I)はSr、Ba、Ca、Mg、Na、Cs及びKからなる群より選ばれる少なくとも1種(1種でもよいし、又は複数種でもよい)であり、M(II)はNbであるか、又はNbと、Zr、Sn、V、Ta、Mo、W、Fe、Co、Mn及びAlからなる群より選ばれる少なくとも1種(1種でもよいし、又は複数種でもよい)との組み合わせであることが好ましい。特に、単斜晶系ニオブチタン含有複合酸化物は、重量当たりの容量が大きく、電池容量を高めることができるのでより望ましい。
導電剤は、集電性能を高め、且つ、負極活物質と集電体との接触抵抗を抑えるために配合される。導電剤の例としては、アセチレンブラック、カーボンブラック及び黒鉛のような炭素質物が挙げられる。
結着剤は、分散された負極活物質の間隙を埋め、また、負極活物質と集電体とを結着させるために配合される。結着剤の例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、及びスチレンブタジェンゴムが挙げられる。
負極材料層中の活物質、導電剤及び結着剤は、それぞれ、68質量%以上96質量%以下、2質量%以上30質量%以下、及び2質量%以上30質量%以下の割合で配合することが好ましい。導電剤の量を2質量%以上とすることにより、負極層の集電性能を向上させることができる。また、結着剤の量を2質量%以上とすることにより、負極材料層と集電体との結着性を十分に発現することができ、優れたサイクル特性を期待できる。一方、導電剤及び結着剤はそれぞれ28質量%以下にすることが高容量化を図る上で好ましい。
集電体としては、負極活物質のリチウムの吸蔵電位及び放出電位において電気化学的に安定である材料が用いられる。集電体は、銅、ニッケル、ステンレス又はアルミニウム、或いは、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、及びSiから選択される少なくとも1種類の元素を含むアルミニウム合金から作られることが好ましい。集電体の厚さは5~20μmの範囲内にあることが好ましい。このような厚さを有する集電体は、負極の強度と軽量化とのバランスをとることができる。
負極集電体は、負極集電タブと一体であることが好ましい。或いは、負極集電体は、負極集電タブと別体でもよい。
負極8は、例えば負極活物質、結着剤および導電剤を汎用されている溶媒に懸濁してスラリーを調製し、このスラリーを集電体に塗布し、乾燥させて、負極材料層を形成した後、プレスを施すことにより作製される。負極8はまた、負極活物質、結着剤及び導電剤をペレット状に形成して負極材料層とし、これを集電体上に配置することにより作製されてもよい。
3)セパレータ
多孔質で薄い絶縁性の薄膜である。セパレータとしては、樹脂製の極薄ナノファイバー膜を含む不織布、フィルム、紙や無機粒子層などが含まれる。セパレータの構成材料の例に、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、セルロース、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリテトラフルオロエチレン及びビニロンが含まれる。薄さと機械的強度の観点から好ましいセパレータの例に、セルロース繊維を含む不織布を挙げることができる。無機粒子層は、酸化物粒子、増粘剤、結着剤を含む。酸化物粒子には、酸化アルミ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウムなどの金属酸化物が使用できる。増粘剤にはカルボキシメチルセルロースが使用できる。結着剤には、アクリル酸メチルやそれを含むアクリル系共重合体、スチレンブタジエンゴム(SBR)などが使用できる。
4)電解質
電解質は、電解質塩と非水溶媒を含む溶液、電解質塩と非水溶媒を含む溶液に高分子材料を複合化した非水系ゲル状電解質、電解質塩と水を含む溶液又は電解質塩と水を含む溶液に高分子材料を複合化した水系ゲル状電解質を用いることが好ましい。
非水系溶液に含まれる電解質塩は、例えばLiPF、LiBF、Li(CFSON(ビストリフルオロメタンスルホニルアミドリチウム;通称LiTFSI)、LiCFSO(通称LiTFS)、Li(CSON(ビスペンタフルオロエタンスルホニルアミドリチウム;通称LiBETI)、LiClO、LiAsF、LiSbF、LiB(C(ビスオキサラトホウ酸リチウム;通称LiBOB)、ジフルオロ(トリフルオロ-2-オキシド-2-トリフルオロ-メチルプロピオナト(2-)-0,0)、LiBFOCOOC(CF(ホウ酸リチウム;通称LiBF(HHIB))のようなリチウム塩を用いることができる。これらの電解質塩は一種類で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。特にLiPF、LiBFが好ましい。リチウム塩には、イオンを導電する支持塩を使用することができる。例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)や四フッ化ホウ酸リチウム、イミド系支持塩などが挙げられる。リチウム塩は1種類、または2種類以上を含んでいても良い。
非水系の電解質塩濃度は、0.5mol/L以上3.0mol/L以下の範囲内にすることが好ましく、0.7mol/L以上2.0mol/L以下の範囲内にすることがより好ましい。このような電解質濃度の規定によって、電解質塩濃度の上昇による粘度増加の影響を抑えつつ、高負荷電流を流した場合の性能をより向上することが可能になる。
非水溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)やジメチルカーボネート(DMC)あるいはメチルエチルカーボネート(MEC)もしくはジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート、1,2-ジメトキシエタン(DME)、γ-ブチロラクトン(GBL)、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン(2-MeHF)、1,3-ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル(AN)を用いることができる。これらの溶媒は一種類で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。環状カーボネート及び/または鎖状カーボネートを含む非水溶媒が好ましい。非水系ゲル状電解質に含まれる高分子材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)やポリメタクリレート等を挙げることができる。
水系溶液に含まれる電解質塩は、LiCl、LiBr、LiOH、LiSO、LiNO、LiN(SOCF)(リチウムトリフルオロメタンスルホニルアミド;通称LiTFSA)、LiN(SO)(リチウムビスペンタフルオロエタンスルホニルアミド;通称LiBETA)、LiN(SOF)(リチウムビスフルオロスルホニルアミド;通称LiFSA)、LiB[(OCO)]などが挙げられる。使用するリチウム塩の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。水系のゲル状電解質に含まれる高分子材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)やポリメタクリレート等を挙げることができる。
水系の電解質塩濃度は、1mol/L以上12mol/Lが好ましく、より好ましく112mol/L以上10mol/L以下である。電解液の電気分解を抑制させるために、LiOHやLiSOを添加し、pHを調整することができる。pH値は3以上13以下が好ましく、さらに好ましくはpH4以上12以下の範囲である。
或いは、非水系電解質として、リチウムイオンを含有した常温溶融塩(イオン性融体)、高分子固体電解質、無機固体電解質等を用いてもよい。
常温溶融塩(イオン性融体)は、有機物カチオンとアニオンとの組合せからなる有機塩のうち、常温(15~25℃)で液体として存在し得る化合物を指す。常温溶融塩には、単体で液体として存在する常温溶融塩、電解質と混合させることで液体となる常温溶融塩、及び有機溶媒に溶解させることで液体となる常温溶融塩が含まれる。一般に、非水電解質電池に用いられる常温溶融塩の融点は、25℃以下である。また、有機物カチオンは、一般に4級アンモニウム骨格を有する。
第1の実施形態の電池の製造方法を以下に説明する。図12、図13(a)から図13(b)及び図14(a)から図14(d)には、電池の製造する工程図を示す。
図5に例示されるような、電極群2を作製する。また、図12に例示されるような、正極端子部3及び負極端子部4が固定された第1の外装部5を作製する。なお、第1の外装部5及び第2の外装部6それぞれに、位置決め用の案内穴を少なくとも1つ開口する。その一例を図13(a)及び図13(b)に示す。図13(a)には、第2の外装部6の四隅に位置決め用の案内穴39が開口された例が示されている。図13(b)には、第1の外装部5の四隅に位置決め用の案内穴39が開口された例が示されている。
絶縁フィルム26で巻かれた電極群2を第1の外装部5内に収納し、電極群側正極リード12を正極端子リード23に溶接等して接合し、また、電極群側負極リード14を負極端子リード36に溶接等して接合する。接合には、例えばレーザ溶接、TIG溶接、摩擦撹拌接合を用いることができる。実施形態では、いずれによる接合も溶接として取り扱う。
次いで、第2の正極絶縁補強部材25及び第2の負極絶縁補強部材38を、電極群2の正極集電タブ7a及び負極集電タブ8aに被せる。ひきつづき、第2の外装部6を第1の外装部5上に配置する。第1の外装部5及び第2の外装部6それぞれの四隅に案内穴39が開口されているため、第1の外装部5に対する第2の外装部6の位置を定めることが容易である。
次いで、図14(a)に示すように、第1の外装部5及び第2の外装部6の三辺(例えば、長辺と短辺二辺)を溶接する。溶接には、例えば、抵抗シーム溶接が用いられる。溶接箇所を符号40で示す。溶接箇所40は、第1の外装部5及び第2の外装部6の外縁よりも内側に位置することが望ましい。
未溶接の一辺の開口から電解液を注液した後、図14(b)に示すように、この一辺を例えば抵抗シーム溶接で溶接する。溶接箇所41は、第1の外装部5及び第2の外装部6の外縁部にすることが望ましい。
次いで、エージング、初回充放電を施した後、図14(c)に示すように、溶接箇所41の一部を切り取ることで切り取り部分42を形成し、外装部材1内のガスを放出させる。その後、図14(d)に示すように、溶接箇所41よりもさらに内側の溶接箇所(第2の外装部6の長辺)43を抵抗シーム溶接等で溶接する。この溶接は、減圧雰囲気で行うことが望ましい。
その後、必要に応じ、第1の外装部5及び第2の外装部6の外縁付近を裁断することにより、案内穴39を取り除くことができる。なお、案内穴39を残したままでも良い。
以上説明した方法により、第1の実施形態の電池を高い生産性で製造することが可能である。
第1の実施形態の電池は、1つの外装部材1内に複数の電極群2を備えることができる。この場合、第2の外装部6として、第1の外装部5と同様に、開口部にフランジ部を有するものを用いることが望ましい。
1つの外装部材内に複数の電極群2を収納する場合、複数の電極群2同士を直列接続又は並列接続することもできる。図15A~図15Dに、複数(2個)の電極群2同士を並列接続させた電池形態を製造する正極側の工程図を示す。図15Dが作製された電池101を表している。複数の電極群2を用意し、バックアップ正極リード11で正極集電タブ7aの中央先端を束ねる。次いで、図15Aのようにバックアップ正極リード11と電極群側正極リード12を溶接する。溶接後、電極群側正極リード12を曲げて、図15Bのように第1の延出部12とする。なお、あらかじめ折り曲げた電極側正極リードをバックアップ正極リード11と溶接して図15Bのような部材を得てもよい。
そして、正極端子部3をあらかじめ組み込んだ第1の外装材5の開口部5a側から図15Bの部材を挿入する。挿入後、電極群側正極リード12の第1の延出部12aと正極端子リード23の第1の延出部をレーザ溶接して固定して図12Cのように1個の電極群2が第1の外装部5内に固定される。同様にもう1個の電極群2を第1の外装部5内に挿入し、レーザ溶接を行い、第2の外装部6で蓋をすることで、図15Dに示す複数の電極群2を収容した電池101を得ることができる。複数の電極群2の電極の向きを変えることで、直列接続にすることができる。
図16に第1の実施形態の電池100の正極部分の変形例を示す。図示しない負極側は、図16の正極部分と対称に構成されている。図16の電池102は、第1の正極軸部17b及び第1の負極軸部32bが楕円柱台であること以外は、図1から図15に示す基本形の電池100と共通する。図16は、第1の実施形態の変形例における正極部分を電池長辺方向に沿って切断した際に得られる断面図である。図16には、B-B’の仮想線(破線)を示している。
図17は、図16の正極側のB-B’面に沿って切断した際に得られる断面図である。B-B’面は、正極端子17の中央(傾斜面5dの中央)を通る断面である。図17の断面図においては、B-B’面の断面図、つまり、仮想線から電池100の奥行き方向(正極端子から負極端子に向かう方向)に切断した断面図を示している。正極側と負極側は対称であるため、負極側のB-B’面の断面図も、図示しないが、正極側の図面を参考にすることによって負極側の構造が理解される。
図18に第1の実施形態の変形例における電池の正極外部端子(負極外部端子)の斜視図を示す。図18に示す正極外部端子17の斜視図では、第1の正極軸部17bが楕円錐台である。そして、図19に、図18に示す正極外部端子(負極外部端子)の短軸方向の断面図(a)と長軸方向の断面図(b)を示す。図16から図19に示す通り、第1の正極軸部17bが楕円柱台であるため、Aa1=Ab1とAa2=Ab2の関係を満たしている。負極側についても同様に、第1の負極軸部32bが楕円柱台であるため、Ca1=Cb1とCa2=Cb2の関係を満たしている。第1の正極軸部17b及び第1の負極軸部32bを楕円柱台とすることで、ガスケット19、34の形状等か単純になり、歩留まりが高まる。変形例においても、軸部の断面を楕円形状にすることで高レートでの充放電をする観点から好ましい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の電池100は、角形形状の電池200である。第1の実施形態の電池100と第2の実施形態の電池200は、電池の外観形状が異なるが、電極軸部の断面が楕円形状であることは共通する。また、第1の実施形態と第2の実施形態において、同一符号、同一名称の部材は、形状が異なっているが、機能及び材料は共通する。第1の実施形態と第2の実施形態において、共通する内容については、一部その説明を省略する。
図20に第2の実施形態の電池200の概略斜視図を示す。図21に図20に示す電池200の展開斜視図を示す。図22に図20に示す電池200の一部の展開斜視図を示す。
図20に示す電池200は、正極端子部3と負極端子部4が設けられた第1の外装部5と、有底の第2の外装部6を有する。第2の外装部6がいわゆる電池缶であり、第1の外装部5が第2の外装部6の蓋となっている。電池200の外観には、安全弁9、電解質注入口10、正極外部端子17、正極端子絶縁部材20、負極外部端子32と負極端子絶縁部材35が確認できる。安全弁9は、電池200の内部の圧力が上昇した際に、電池200の内部のガスを放出して圧力を下げることの出来る安全装置である。電解質注入口10は、第1の外装部5と第2の外装部6を封止した後に電解質を電池200の内部に入れる際の貫通孔であり、電解質の注入後に封止される。
図21は、電池200を一部展開した斜視図であり、蓋である第1の外装部5に電極群2が接続している。電極群2の正極集電タブ7a側は、正極側内部絶縁部品26で覆われて、保護されている。また、電極群2の負極集電タブ8a側は、負極側内部絶縁部品27で覆われて、保護されている。第2の外装部6の開口部28を有し、第1の外装部5と第2の外装部6が溶接されて形成された空間内に電極群2が収容されている。
図22は、図21の上側の部分をさらに展開した斜視図である。図22に示す展開図では正極端子部3及び負極端子部4を構成する部材を分離して示している。図23は、図20に示す電池200の第1の外装部5に端子部が固定されたものを示す断面図である。図23の断面図は、正極外部端子17の中心と負極外部端子32の中心を含む断面である。第1の外装部5には、電極群2も固定されているが、図23の断面には、電極群2を固定する電極群側正極リード12及び電極群側負極リード14が含まれないため、電極群2も図示していない。また、図23のC-C’面方向に沿って切断した際に得られる電池の一部の断面図を図24(a)に示す。図23のD-D’面方向に沿って切断した際に得られる電池の一部の断面図を図24(b)に示す。
図20乃至24に示す電池200は、第1の外装部5と第2の外装部6とを含む外装材1、扁平形状の電極群2、電極群2の正極集電タブ7aと電気的に接続した電極群側正極リード12、電極群2の負極集電タブ8aと電気的に接続した電極群側負極リード14、正極端子部3、負極端子部4を含む。
電極群2は、図23と参照する図5に示すように、扁平形状で、正極7と、負極8と、正極7と負極8の間に配置されたセパレータ9とを含む。扁平状の電極群2は、正極7、正極7と電気的に接続された正極集電タブ7a、負極8、及び、負極8と電気的に接続された負極集電タブ8aを含み、扁平形状に捲回された正極集電タブ7aが第一端面に位置し、かつ扁平形状に捲回された負極集電タブ8aが第二端面に位置する。
正極端子部3において、第1の外装部5は正極集電タブ側に貫通孔15を有している。正極端子部3の正極外部端子17は、正極頭部17a及び正極頭部17aから延び出た正極軸部を含む。正極端子部3において、貫通孔23aを有する正極端子リード23を含む。正極端子部3において、正極頭部17aが第1の外装部5の外側に突出し、正極軸部が正極端子リード23の貫通孔23aに挿入されて、正極軸部が第1の外装部5及び正極端子リード23にカシメ固定されている。2部の電極群側正極リード12が正極端子リード23と直接的に電気的に接続している。2部の電極群側正極リード12で正極集電タブ7aを挟むように正極集電タブ7aと電気的に接続している。正極集電タブ7aの一部には、例えば、U字型のバックアップ正極リード11が設けられている。バックアップ正極リード11を介して、電極群側正極リード12と正極集電タブ7aが電気的に接続している。第2の実施形態の正極軸部の天面と底面についても第1の実施形態と同様である。
正極頭部17aは、平板状であって正極端子絶縁部材20の凹みに一部埋まるように配置されている。第1の外装部5の正極集電タブ7a側の貫通孔15の周りの凹みに正極端子絶縁部材20と絶縁ガスケット19が配置される。第1の実施形態において、正極絶縁部材18aは、リング状であったが、第2の実施形態では、正極端子リード23を覆い、正極端子リード23の第1の外装部5を向く面と第1の外装部5が短絡しないように構成されている。また、正極絶縁部材18aは、正極端子リード23が第2の外装部6を短絡しないように第2の外装部6側を向く壁面も有している。また、正極絶縁部材18aと負極絶縁部材33aと連結した形状も好ましい。
図25に正極外部端子17の斜視図を示す。正極外部端子17は、図20から図25に示すように、例えば、平板形状の正極頭部17aと、正極軸部とを含む。正極軸部は正極頭部17aの頂面と平行で、頂面とは反対側の平面から伸び出ている。正極軸部は、楕円錐台又は楕円柱台の第1の正極軸部17bと楕円錐台の第2の正極軸部17cを有する。
図26(a)に正極外部端子17の短軸方向の断面図を示し、図26(b)に正極外部端子17の長軸方向の断面図を示している。第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、第1の正極軸部17bの天面の短軸の長さをAa1とし、第1の正極軸部17bの天面の長軸の長さをAa2とする。また、第1の正極軸部17bの底面の短軸の長さをAb1とし、第1の正極軸部17bの底面の長軸の長さをAb2とする。また、第2の正極軸部17cの天面の短軸の長さをBa1とし、第2の正極軸部17cの天面の長軸の長さをBa2とする。また、第2の正極軸部17cの底面の短軸の長さをBb1とし、第2の正極軸部17cの底面の長軸の長さをBb2とする。Aa1、Aa2、Ab1、Ab2、Ba1、Ba2、Bb1とBb2の好適な関係についても第2の実施形態と第1の実施形態は共通する。
正極外部端子17の短軸方向(第1の正極軸部17bの短軸方向と第2の正極軸部17cの短軸方向)と正極外部端子17の長軸方向(第1の正極軸部17bの長軸方向と第2の正極軸部17cの長軸方向)は、第1の外装部5の外表面及び第2の外装部6の底面と平行又は実質的に平行(角度差±3度以内)であることが好ましい。
負極端子部4において、第1の外装部5は負極集電タブ8a側に貫通孔30を有している。負極端子部4の負極外部端子32は、負極頭部32a及び負極頭部32aから延び出た負極軸部を含む。負極端子部4において、貫通孔36aを有する負極端子リード36を含む。負極端子部4において、負極頭部32aが第1の外装部5の外側に突出し、負極軸部が負極端子リード36の貫通孔36aに挿入されて、負極軸部が第1の外装部5及び負極端子リード36にカシメ固定されている。2部の電極群側負極リード14が負極端子リード36と直接的に電気的に接続している。2部の電極群側負極リード14で負極集電タブ8aを挟むように負極集電タブ8aと電気的に接続している。負極集電タブ8aの一部には、例えば、U字型のバックアップ負極リード12が設けられている。バックアップ負極リード12を介して、電極群側負極リード14と負極集電タブ8aが電気的に接続している。第2の実施形態の負極軸部の天面と底面についても第1の実施形態と同様である。
負極頭部32aは、平板状であって、負極端子絶縁部材35の凹みに一部埋まるように配置されている。第1の外装部5の負極集電タブ8a側の貫通孔30の周りの凹みに負極端子絶縁部材35と絶縁ガスケット34が配置される。第1の実施形態において、負極絶縁部材33aは、リング状であったが、第2の実施形態では、負極端子リード36を覆い、負極端子リード36の第1の外装部5を向く面と第1の外装部5が短絡しないように構成されている。また、負極絶縁部材33aは、負極端子リード36が第2の外装部6を短絡しないように第2の外装部6側を向く壁面も有している。
図25に負極外部端子32の斜視図を示す。負極外部端子32は、図20から図25に示すように、例えば、平板形状の負極頭部32aと、負極軸部とを含む。負極軸部は、負極頭部32aの頂面と平行で、頂面とは反対側の平面から伸び出ている。負極軸部は、楕円錐台又は楕円柱台の第1の負極軸部32bと楕円錐台の第2の負極軸部32cを有する。
図26(a)に負極外部端子32の短軸方向の断面図を示し、図26(b)に負極外部端子32の長軸方向の断面図を示している。第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、第1の負極軸部32bの天面の短軸の長さをCa1とし、第1の負極軸部32bの天面の長軸の長さをCa2とする。また、第1の負極軸部32bの底面の短軸の長さをCb1とし、第1の負極軸部32bの底面の長軸の長さをCb2とする。また、第2の負極軸部32cの天面の短軸の長さをDa1とし、第2の負極軸部32cの天面の長軸の長さをDa2とする。また、第2の負極軸部32cの底面の短軸の長さをDb1とし、第2の負極軸部32cの底面の長軸の長さをDb2とする。Ca1、Ca2、Cb1、Cb2、Da1、Da2、Db1とDb2の好適な関係についても第2の実施形態と第1の実施形態は共通する。
負極外部端子32の短軸方向(第1の負極軸部32bの短軸方向と第2の負極軸部32cの短軸方向)と負極外部端子32の長軸方向(第1の負極軸部32bの長軸方向と第2の負極軸部32cの長軸方向)は、第1の外装部5の外表面及び第2の外装部6の底面と平行若しくは実質的に平行(角度差±3度以内)であることが好ましい。
第2の実施形態おいても第1の実施形態と同様に正極軸部及び負極軸部の断面形状が楕円形状である。そのため、高レートでの充放電特性に優れ、また、カシメ固定を強固にすることが出来る。
次に図27~図30を参照して第2の実施形態の変形例について説明する。第2の実施形態の変形例は、第1の正極軸部17bと第1の負極軸部32bが楕円柱台であることが、第2の実施形態の基本形態との相違点である。図27の断面図は、変形例における正極外部端子17の中心と負極外部端子32の中心を含む断面である。また、図27のE-E’面方向に沿って切断した際に得られる電池の一部の断面図を図28(a)に示す。図27のF-F’面方向に沿って切断した際に得られる電池の一部の断面図を図28(b)に示す。また、正極外部端子17(負極外部端子32)の斜視図を図29に示す。更に、図30(a)に正極外部端子17(負極外部端子32)の短軸方向の断面図を示し、図30(b)に正極外部端子17(負極外部端子32)の長軸方向の断面図を示している。図27から図30に示す通り、第1の正極軸部17bが楕円柱台であるため、Aa1=Ab1とAa2=Ab2の関係を満たしている。負極8側についても同様に、第1の負極軸部32bが楕円柱台であるため、Ca1=Cb1とCa2=Cb2の関係を満たしている。第1の正極軸部17b及び第1の負極軸部32bを楕円柱台とすることで、ガスケット19、34の形状等か単純になり、歩留まりが高まる。変形例においても、軸部の断面を楕円形状にすることで高レートでの充放電をする観点から好ましい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の電池パックは、第1の実施形態の電池を1つ以上含む。第1の実施形態の電池の組電池の例を図31及び図32に示す。
図31に示すように、電池パック300は、単位セルとして第1の実施形態の電池100~102を用いている。電池パック200は、図示しないラミネートにより被覆されている場合がある。第1の単位セル60の負極外部端子32の頂面32bと、第2の単位セル61の負極外部端子32の頂面32bの間に、三角柱状の導電性連結部材62が配置されている。また、第1の単位セル60の正極外部端子17の頂面と、第2の単位セル61の正極外部端子17の頂面の間に、三角柱状の導電性連結部材62が配置されている。二つの頂面と導電性連結部材62は、それぞれ、溶接により電気的に接続されている。溶接には、例えばレーザ溶接、アーク溶接、抵抗溶接が用いられる。これにより、第1の単位セル60と第2の単位セル61が並列接続された組電池のユニット63が得られる。組電池のユニット63同士をバスバー64により直列に接続することにより、電池パック200が得られる。
図32に示す電池パック201は、単位セルとして第1の実施形態の電池100を用いている。電池100としての第1の単位セル60と第2の単位セル61を導電性連結部材62を用いて直列に接続したものを組電池のユニット65とし、組電池のユニット65同士をバスバー64により直列に接続することで電池パックを構成する。第1の単位セル60と第2の単位セル61間を導電性連結部材62を用いて電気的接続する方法は、図31で説明したのと同様である。
図31及び図32に示す組電池では、隣り合う第1の単位セル60と第2の単位セル61が、互いの外装部材1の主面同士が面した状態で積層されている。例えば図31に示す組電池のユニット63では、第1の単位セル60の第1の外装部5の主面と、第2の単位セル61の第1の外装部5の主面とが面している。また、隣り合う組電池のユニット63において、一方の組電池のユニット63の第2の単位セル61の第2の外装部6の主面と、他方の組電池のユニット63の第2の単位セル61の第2の外装部6の主面とが面している。このように外装部材1の主面同士を対面させて電池を積層することにより、組電池の体積エネルギー密度を高くすることができる。
また、図31及び図32に図示されているように単位セル60と単位セル61、又は単位セル60、60や単位セル61、61のセル間には絶縁空間があるほうが望ましく、0.03mm以上の隙間を設けるか、絶縁部材(例えば、樹脂であるポリプロピレンやポリフェニレンサルファイドやエポキシ、ファインセラミックスであるアルミナやジルコニアなど)等を間に挟むことが出来る。
正極外部端子17及び負極外部端子32が角錐台形状の頭部を持つことにより、1つの頭部の二ヶ所(例えば第1、第2の傾斜面)の一方(第1の傾斜面)に単位セルの外部端子を、他方(第2の傾斜面)にバスバーを接続することができる。つまり、1つの頭部で二方向の接続が可能となる。その結果、電池間を電気的に接続する経路を短縮することができるので、電池パックに低抵抗で大電流を流すことが容易となる。
第3の実施形態の電池パックは、第1の実施形態の電池を少なくとも一つ含むため、薄型化及び柔軟性の向上が可能で、信頼性に優れ、製造コストの削減が可能な電池パックを提供することができる。
電池パックは、例えば、電子機器、車両(鉄道車両、自動車、原動機付自転車、軽車両、トロリーバス等)の電源として使用される。
上述の通り、組電池は、複数の電池を直列、並列、あるいは直列及び並列を組み合わせて電気的に接続したものを含み得る。また、電池パックは、組電池に加え、電池制御ユニット(Battery Control Unit, BMU)等の回路を備えることができるが、組電池が搭載されるもの(例えば車両など)が有する回路を電池制御ユニットとして使用することができる。電池制御ユニットは、単電池及び組電池の電圧または電流あるいは両方を監視して過充電及び過放電を防止する機能等を有する。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る電池モジュールは、上記実施形態に係る電池(即ち、単電池)を一以上有する。電池モジュールに複数の単電池が含まれる場合、各単電池は、電気的に直列、並列、或いは、直列と並列に接続して配置される。
図33の斜視展開図及び図34の断面図を参照して電池モジュール400を具体的に説明する。図33に示す電池モジュール400では、単電池401として図20に示す角形の電池200を使用している。図34の断面図は、図33の斜視展開図の正極外部端子403Bと負極外部端子406Bが含まれる断面である。
複数の単電池401は、電池の外装缶の外部に、正極ガスケット402に設けられた正極外部端子403(403A、403B)、安全弁404、負極ガスケット405に設けられた負極外部端子406(406A、406B)を有している。図33に示す単電池401は、互い違いにそろえられるように配置されている。図34に示す単電池401は、直列に接続されているが、配置方法を変えるなどして並列接続にしてもよい。
単電池401は、下ケース407と上ケース408内に収容されている。上ケース408には、電池モジュール400の電源入出力用端子409及び410(正極端子409、負極端子410)が設けられている。上ケース408には、単電池401の正極外部端子403及び負極外部端子406の位置に合わせて開口部411が設けられ、開口部411から正極外部端子403及び負極外部端子406が露出している。露出した正極外部端子403Aは、隣の単電池401の負極外部端子406Aとバスバー412によって接続され、露出した負極外部端子406Aは、前記の隣とは反対側の隣の単電池401の正極外部端子403Aとバスバー412によって接続されている。バスバー412によって接続されていない正極外部端子403Bは、基板413に設けられた正極端子414Aと接続し、正極端子414Aは、基板413上の回路を介して正極の電源入出力用端子409と接続している。また、バスバー412によって接続されていない負極外部端子406Bは、基板413に設けられた負極端子414Bと接続し、負極端子414Bは、基板413上の回路を介して負極の電源入出力用端子410と接続している。電源入出力用端子409及び410は、図示しない充電電源や負荷と接続し、電池モジュール400の充電や利用がなされる。上ケース408は、蓋415で封止されている。基板413には、充放電の保護回路が設けられていることが好ましい。また、単電池401の劣化等の情報を図示しない端子より出力可能な構成とするなどの構成の追加等を適宜行ってもよい。実施形態の電池200を用いることで高レートでの充放電特性に優れた電池モジュールが提供される。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は蓄電装置に関する。第3の実施形態の電池パック300、301又は第4の実施形態の電池モジュール400を蓄電装置500に搭載することができる。図35の概念図に示す蓄電装置500は、電池パック300、301又は電池モジュール400と、インバーター502と、コンバーター501とを備える。外部交流電源503をコンバーター501で直流変換し、電池パック300、301又は電池モジュール400を充電し、電池パック300、301又は電池モジュール400からの直流電源のインバーター502で交流変換し、蓄電装置500に接続した負荷504に電気を供給する構成となっている。実施形態の電池パック300~400を有する本構成の蓄電装置500とすることで、電池特性に優れた蓄電装置が提供される。なお、電池パック300、301又は電池モジュール400の代わりに、電池100~200を使用することもできる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態は車両に関する。第6の実施形態の車両は、第3の実施形態の電池パック300、301又は第4の実施形態の電池モジュール600を用いている。本実施形態にかかる車両の構成を、図36の車両600の模式図を用いて簡単に説明する。車両600は、電池パック300、301又は電池モジュール400、車体601、モーター602、車輪603と、制御ユニット604を有する。電池パック300、301又は電池モジュール400、モーター602、車輪603と、制御ユニット&04は、車体601に配置されている。制御ユニット604は、電池パック300、301又は電池モジュール400から出力した電力を変換したり、出力調整したりする。モーター602は電池パック300、301又は電池モジュール400から出力された電力を用いて、車輪603を回転させる。なお、車両600は、電車などの電動車両やエンジンなどの他の駆動源を有するハイブリッド車も含まれる。モーター602からの回生エネルギーによって、電池パック300、301又は電池モジュール400を充電してもよい。電池パック300、301又は電池モジュール400からの電気エネルギーによって駆動されるものはモーター602に限られず、車両600に含まれる電気機器を動作させるための動力源に用いても良い。また車両600の減速時に回生エネルギーを得て、得られた回生エネルギーを用いて電池パック300、301又は電池モジュール400を充電することが好ましい。実施形態の電池パック300、301又は電池モジュール400を有する本構成の車両600とすることで、電池特性に優れた車両が提供される。なお、電池パック300、301又は電池モジュール400の代わりに、電池100~200を使用することもできる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は飛翔体(例えば、マルチコプター)に関する。第5の実施形態の飛翔体は、第2の実施形態の電池パック300、301又は電池モジュール400を用いている。本実施形態にかかる飛翔体の構成を、図37の飛翔体(クアッドコプター)700の模式図を用いて簡単に説明する。飛翔体700は、電池パック300、301又は電池モジュール400、機体骨格701、モーター702、回転翼703と制御ユニット704を有する。電池パック300、301又は電池モジュール400、モーター702、回転翼703と制御ユニット704は、機体骨格701に配置している。制御ユニット704は、電池パック300、301又は電池モジュール400から出力した電力を変換したり、出力調整したりする。モーター702は電池パック300、301又は電池モジュール400から出力された電力を用いて、回転翼703を回転させる。実施形態の電池パック300、301又は電池モジュール400を有する本構成の飛翔体700とすることで、電池特性に優れた飛翔体が提供される。なお、電池パック300、301又は電池モジュール400の代わりに、電池100~200を使用することもできる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…外装部材、2…電極群、3…正極端子部、4…負極端子部、5…第1の外装部、5a…開口部、5b…フランジ部、5c…底面、5d…傾斜面、6…第2の外装部、7…正極、7a…正極集電タブ、8…負極、8a…負極集電タブ、9…安全弁、10…電解質注入口、11…バックアップ正極リード、12…電極群側正極リード、13…バックアップ負極リード、14…電極群側負極リード、15,30…第1の外装部の貫通孔、16,31…バーリング部、17…正極外部端子、17a…正極頭部、17b…第1の正極軸部、17c…第2の正極軸部、18a…正極絶縁部材、18b…正極補強部材、19,34…絶縁ガスケット、20…正極端子絶縁部材、23…正極端子リード、24…第1の正極絶縁補強部材、25…第2の正極絶縁補強部材、26…正極側内部絶縁部品、27…負極側内部絶縁部品、28…開口部、32…負極外部端子、32a…負極頭部、32b…第1の負極軸部、32c…第2の負極軸部、33a…負極絶縁部材、33b…負極補強部材、35…負極端子絶縁部材、36…負極端子リード、37…第1の負極絶縁補強部材、38…第2の負極絶縁補強部材、39…案内穴、40,41,43…溶接箇所、42…切り取り部分、60…第1の単位セル、61…第2の単位セル、62…導電性連結部材、63,65…組電池のユニット、64…バスバー、100~102…電池、300,301…電池パック、400…電池モジュール、401…単電池、402…正極ガスケット、403…正極外部端子、404…安全弁、405…負極ガスケット、406…負極外部端子、407…下ケース、408…上ケース、409…電源入出力用端子(正極端子)、410…電源入出力用端子(負極端子)、411…開口部、412…バスバー、413…基板、414A…正極端子、414B…負極端子、415…蓋、500…蓄電装置、501…コンバーター、502…インバーター、503…外部交流電源、504…負荷、600…車両、601…車体、602…モーター、603…車輪、604…制御ユニット、700…飛翔体、701…機体骨格、702…モーター、703…回転翼、704…制御ユニット

Claims (14)

  1. 正極、前記正極と電気的に接続された正極集電タブ、負極、及び、前記負極と電気的に接続された負極集電タブを含み、扁平形状に捲回された前記正極集電タブが第一端面に位置し、かつ扁平形状に捲回された前記負極集電タブが第二端面に位置する、扁平形状の電極群と、
    前記正極集電タブと電気的に接続した電極群側正極リードと、
    前記負極集電タブと電気的に接続した電極群側負極リードと、
    第1の外装部と、第2の外装部とを含み、前記第1の外装部と前記第2の外装部が溶接されて形成された空間内に前記電極群が収納された外装部材と、
    前記第1の外装部は前記正極集電タブ側に貫通孔を有し、正極頭部及び前記正極頭部から延び出た正極軸部を含む正極外部端子と、貫通孔を有する正極端子リードを含み、前記正極頭部が前記第1の外装部の外側に突出し、前記正極軸部が前記正極端子リードの貫通孔に挿入されて前記正極軸部が前記第1の外装部及び前記正極端子リードにカシメ固定された正極端子部と、
    前記第1の外装部は前記負極集電タブ側に貫通孔を有し、負極頭部及び前記負極頭部から延び出た負極軸部を含む負極外部端子と、貫通孔を有する負極端子リードを含み、前記負極頭部が前記第1の外装部の外側に突出し、前記負極軸部が前記負極端子リードの貫通孔に挿入されて前記負極軸部が前記第1の外装部及び前記負極端子リードにカシメ固定された負極端子部と、
    を含み、
    前記正極軸部は、楕円錐台又は楕円柱台の第1の正極軸部と楕円錐台の第2の正極軸部を少なくとも含み、
    前記第1の正極軸部は、前記第2の正極軸部と前記正極頭部の間に配置され、
    前記第1の正極軸部の天面と前記第2の正極軸部の天面は、直接的に連結し、
    前記負極軸部は、楕円錐台又は楕円柱台の第1の負極軸部と楕円錐台の第2の負極軸部を少なくとも含み、
    前記第1の負極軸部は、前記第2の負極軸部と前記負極頭部の間に配置され、
    前記第1の負極軸部の天面と前記第2の負極軸部の天面は、直接的に連結して
    前記第1の正極軸部の天面の短軸の長さをAa1、長軸の長さをAa2とし、
    前記第2の正極軸部の天面の短軸の長さをBa1、長軸の長さをBa2とし、
    前記第2の正極軸部の底面の短軸の長さをBb1、長軸の長さをBb2としたとき、
    |(Aa2-Ba2)-(Aa1-Ba1)|≦0.1mm、及び、(Bb2-Ba2)<(Bb1-Ba1)を満たし、
    前記第1の負極軸部の天面の短軸の長さをCa1、長軸の長さをCa2とし、
    前記第2の負極軸部の天面の短軸の長さをDa1、長軸の長さをDa2とし、
    前記第2の負極軸部の底面の短軸の長さをDb1、長軸の長さをDb2としたとき、
    |(Ca2-Da2)-(Ca1-Da1)|≦0.1mm、及び、(Db2-Da2)<(Db1-Da1)を満たす電池。
  2. 前記Aa1と前記Aa2は、1.1≦Aa2/Aa1≦2.0を満たし、
    前記Ca1と前記Ca2は
    1.1≦Ca2/Ca1≦2.0を満たす請求項1に記載の電池。
  3. 前記Aa2と前記Ba2は、1.05≦Aa2/Ba2≦1.5を満たし、
    前記Ca2と前記Da2は、1.05≦Ca2/Da2≦1.5を満たす請求項1又は2に記載の電池。
  4. 前記第1の正極軸部の底面は、前記正極頭部を向く面であり、
    前記第1の正極軸部の天面は、前記第1の正極軸部の底面とは反対側の面であり、
    前記第2の正極軸部の天面は、前記正極頭部を向く面であり、
    前記第2の正極軸部の底面は、前記第2の正極軸部の天面とは反対側の面であり、
    前記第1の負極軸部の底面は、前記負極頭部を向く面であり、
    前記第1の負極軸部の天面は、前記第1の負極軸部の底面とは反対側の面であり、
    前記第2の負極軸部の天面は、前記負極頭部を向く面であり、
    前記第2の負極軸部の底面は、前記第2の負極軸部の天面とは反対側の面である請求項1ないしのいずれか1項に記載の電池
  5. 前記正極軸部は、中実であり、
    前記負極軸部は、中実である請求項1ないしのいずれか1項に記載の電池。
  6. 前記第2の正極軸部が前記正極端子リードとカシメ固定され、
    前記正極端子リードの貫通孔の内壁の少なくとも一部又は全部は、前記第2の正極軸部と溶接され
    前記第2の負極軸部が前記負極端子リードとカシメ固定され、
    前記負極端子リードの貫通孔の内壁の少なくとも一部又は全部は、前記第2の負極軸部と溶接された請求項1ないしのいずれか1項に記載の電池。
  7. 前記Ba1、前記Ba2、前記Bb1と前記Bb2は、1.2(Bb2-Ba2)<(Bb1-Ba1)を満たし、
    前記Da1、前記Da2、前記Db1と前記Db2は、1.2(Db2-Da2)<(Db1-Da1)を満たす請求項1ないしのいずれか1項に記載の電池。
  8. 前記Aa2と前記Aa1は、1.1≦Aa2/Aa1≦2.0を満たし、
    前記Ca1と前記Ca2は、1.1≦Ca2/Ca1≦2.0を満たす請求項1ないしのいずれか1項に記載の電池。
  9. 前記第1の正極軸部の底面の短軸の長さをAb1、長軸の長さをAb2としたとき、
    1.08≦Ab2/Ab1≦2.0を満たし、
    前記第1の負極軸部の底面の短軸の長さをC1、長軸の長さをC2としたとき、
    1.08≦Cb2/Cb1≦2.0を満たす請求項1ないしのいずれか1項に記載の電池。
  10. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の電池を1つ以上含む電池パック。
  11. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の電池を1つ以上含む電池モジュール。
  12. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の電池、請求項10に記載の電池パック、又は、請求項11に記載の電池モジュールを含む蓄電装置。
  13. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の電池、請求項10に記載の電池パック、又は、請求項11に記載の電池モジュールを含む車両。
  14. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の電池、請求項10に記載の電池パック、又は、請求項11に記載の電池モジュールを含む飛翔体。
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