JP7019481B2 - 感光性導電樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents
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本発明による感光性導電樹脂組成物について説明する。本発明による感光性導電樹脂組成物は、少なくとも、カルボキシル基含有樹脂、熱硬化性樹脂としてブロックイソシアネート化合物、導電フィラー、およびイオン吸着剤を含み、感光性モノマー、他の熱硬化性樹脂、光重合開始剤、硬化触媒、充填剤、有機溶剤、および添加剤等の他の成分をさらに含んでもよい。感光性導電樹脂組成物は基板上に塗布し、乾燥させて溶媒を除去した後、露光、現像、加熱によって所望の機能を得ることができる。以下、本発明による感光性導電樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
カルボキシル基含有樹脂としては、分子中にカルボキシル基を有している従来公知の各種カルボキシル基含有樹脂を使用できる。感光性樹脂組成物が、カルボキシル基を有する樹脂を含むことにより、感光性樹脂組成物に対しアルカリ現像性を付与することができる。特に、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂が、光硬化性や現像性の面から好ましい。エチレン性不飽和二重結合は、アクリル酸もしくはメタクリル酸またはそれらの誘導体由来であることが好ましい。エチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のみを用いる場合、組成物を感光性とするためには、後述する分子中に複数のエチレン性不飽和基を有する化合物、即ち感光性モノマーを併用する必要がある。カルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下のような化合物(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)を挙げることができる。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物およびポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂、
(3)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂、
(4)前記(2)または(3)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子内に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂、
(5)前記(2)または(3)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物など、分子内に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂、
(6)2官能またはそれ以上の多官能(固形)エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂、
(7)2官能(固形)エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂、
(8)2官能オキセタン樹脂にアジピン酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等のジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂、
(9)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p-ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(10)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(11)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(12)前記(1)~(11)の樹脂にさらに1分子内に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有感光性樹脂、
等が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
感光性モノマーとして用いられる化合物としては、例えば、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。具体的には、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス-ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコールまたはこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε-カプロラクトン付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;前記に限らず、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオールなどのポリオールを直接アクリレート化、もしくは、ジイソシアネートを介してウレタンアクリレート化したアクリレート類およびメラミンアクリレート、および前記アクリレートに対応する各メタクリレート類のいずれか少なくとも1種から適宜選択して用いることができる。このような感光性モノマーは、反応性希釈剤としても用いることができる。
本発明で用いられる熱硬化性樹脂は、少なくとも、ブロックイソシアネート化合物を含む。イソシアネート化合物は水酸基との反応性が非常に高く、炭酸ガスが発生による容器の破損または増粘による保存安定性の低下等扱いにくい場合があるため、本発明においてはイソシアネート化合物のイソシアネート基を安定化したブロックイソシアネート化合物を用いる。ブロックイソシアネート化合物は加熱処理によりブロック剤が解離して、イソシアネート基が生成し、反応性を示すことができるものである。熱硬化性樹脂としてブロックイソシアネート化合物を用いることで、形成された硬化塗膜と基板との密着性を向上させることができる。
本発明で用いられる導電フィラーは、形成された導電回路の硬化収縮によりフィラー同士が接触することで導電性を付与するものである。導電フィラーとしては、例えば、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Cu、Al、Sn、Pb、Zn、Fe、Ir、Os、Rh、W、Mo、Ruなどを挙げることができる。これらの導電性粉末は、単体の形態で用いてもよいし、これらのいずれかの合金や、これらのいずれかをコアまたは被覆層とする多層体であってもよい。また、酸化錫(SnO2)、酸化インジウム(In2O3)、ITO(Indium Tin Oxide)などの酸化物を用いてもよい。これらの導電性粉末の中でも、Agが好適に用いられる。
本発明で用いられるイオン吸着剤は、感光性導電樹脂組成物中の余剰なイオン成分を捕捉する特性を有する。合成樹脂や合成ゴムの安定剤や保湿剤であり、塗膜特性の安定化を付与することができる。
本発明の感光性導電樹脂組成物は、光重合させるために光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、公知のものを用いることができ、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、α-アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤等が挙げられる。その中でも、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
R4は、炭素原子数1~4のアルキル基、炭素原子数1~4のアルコキシ基、または、炭素原子数1~4のアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表す。
R5は、酸素原子または硫黄原子で連結されていてもよく、フェニル基で置換されていてもよい炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~4のアルコキシ基で置換されていてもよいベンジル基を表す。
R6は、ニトロ基、または、X2-C(=O)-で表されるアシル基を表す。
X2は、炭素原子数1~4のアルキル基で置換されていてもよいアリール基、チエニル基、モルホリノ基、チオフェニル基、または、下記式(III)で示される構造を表す。)
感光性導電樹脂組成物には、必要に応じてさらに、難燃剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、分散剤、表面調整剤などの成分を配合することができる。これらは、電子材料の分野において公知の物を使用することができる。また、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤およびレベリング剤の少なくともいずれか1種、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤、防錆剤、蛍光増白剤などのような公知慣用の添加剤類の少なくとも何れか一種を配合することができる。
本発明においては、上記の感光性導電樹脂組成物を用いて、導電回路を製造することができる。例えば、まずは、上記の感光性導電樹脂組成物の各成分を混合することにより調製され、攪拌機等による攪拌の後、3本ロールミルなどにより練肉して樹脂組成物化する。
<カルボキシル基含有樹脂ワニス1の合成>
下記一般式(IV)においてXがCH2、平均の重合度nが6.2であるビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量950g/eq、軟化点85℃)380部とエピクロルヒドリン925部をジメチルスルホキシド462.5部に溶解させた後、攪拌下70℃で98.5%NaOH60.9部を100分かけて添加した。添加後さらに70℃で3時間反応を行った。反応終了後、水250部を加え水洗を行った。油水分離後、油層よりジメチルスルホキシドの大半および過剰の未反応エピクロルヒドリンを減圧下に蒸留回収し、残留した副製塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトン750部に溶解させ、更に30%NaOH10部を加え、70℃で1時間反応させた。反応終了後、水200部で2回水洗を行った。油水分離後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量310g/eq、軟化点69℃のエポキシ樹脂(a)を得た。得られたエポキシ樹脂(a)は、エポキシ当量から計算すると、前記出発物質ビスフェノールF型エポキシ樹脂におけるアルコール性水酸基6.2個のうち約5個がエポキシ化されたものであった。このエポキシ樹脂(a)310部およびカルビトールアセテート282部をフラスコに仕込み、90℃に加熱・攪拌し、溶解した。得られた溶液を一旦60℃まで冷却し、アクリル酸72部(1モル)、メチルハイドロキノン0.5部、トリフェニルホスフィン2部を加え、100℃に加熱し、約60時間反応させ、酸価が0.2mgKOH/gの反応物を得た。これにテトラヒドロ無水フタル酸140部(0.92モル)を加え、90℃に加熱し、反応を行い、感光性のカルボキシル基含有樹脂ワニス1を得た。得られたカルボキシル基含有樹脂ワニス1の固形分濃度は62.5%、固形分酸価(mgKOH/g)は100であった。
<カルボキシル基含有樹脂ワニス2の合成>
攪拌装置、還流管をつけた2Lフラスコ中に、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物として、2官能ビスフェノール-A型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製RE-310S、エポキシ当量:183.5g/当量)を367.0部、エチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物としてアクリル酸(分子量:72.06)を144.1部、熱重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテルを1.02部および反応触媒としてトリフェニルフォスフィンを1.53部仕込み、98℃の温度で反応液の酸価が0.5mgKOH/g以下になるまで反応させ、エポキシカルボキシレート化合物(理論分子量:511.1)を得た。次いで、この反応液に反応用溶媒としてカルビトールアセテートを445.93部、熱重合禁止剤として2-メチルハイドロキノンを0.70部、カルボキシル基を有するジオール化合物としてジメチロールプロピオン酸(分子量:134.1)を118.8部加え、60℃に昇温させた。この溶液にジイソシアネート化合物としてイソホロンジイソシアネート(分子量:222.29)209.6部を反応温度が65℃を超えないように徐々に滴下した。滴下終了後、温度を80℃に上昇させ、赤外吸収スペクトル測定法により、2250cm-1付近の吸収がなくなるまで6時間反応させた。この溶液に、多塩基酸無水物として無水コハク酸(分子量:100.1)36.7部、カルビトールアセテート43.0部を添加した。添加後、温度を95℃に昇温し、6時間反応させ、感光性のカルボキシル基含有樹脂ワニス2を得た。得られたカルボキシル基含有樹脂ワニス2の固形分濃度は65%、固形分酸価(mgKOH/g)は102であった。
<カルボキシル基含有樹脂ワニス3の合成>
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、登録商標“エピクロン”N-695、エポキシ当量:220)220部を撹拌機および還流冷却器の付いた四つ口フラスコに入れ、カルビトールアセテート214部を加え、加熱溶解した。次に、重合禁止剤としてハイドロキノン0.1部と、反応触媒としてジメチルベンジルアミン2.0部を加えた。この混合物を95~105℃に加熱し、アクリル酸72部を徐々に滴下し、16時間反応させた。この反応生成物を80~90℃まで冷却し、テトラヒドロフタル酸無水物106部を加え、8時間反応させ、冷却後、取り出し、感光性のカルボキシル基含有樹脂ワニス3を得た。得られたカルボキシル基含有樹脂ワニス3の固形分濃度は65%、固形物酸価(mgKOH/g)は100であった。
[実施例1]
カルボキシル基含有樹脂、熱硬化性樹脂、導電フィラー、イオン吸着剤、光重合開始剤、添加剤、および有機溶剤(非反応性希釈剤)等を表1に示す割合(質量部)にて配合した後、攪拌機にて予備混合した後3本ロールミルで混練して、感光性導電樹脂組成物1を調製した。
各成分の配合を表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、感光性導電樹脂組成物2~14を調製した。
各成分の配合を表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、感光性導電樹脂組成物15~18を調製した。
上記の実施例および比較例で調製した感光性導電樹脂組成物1~18を、PETフィルム基板(東レ株式会社製)およびITOが塗布されたPETフィルム基板(日東電工株式会社製)上にテトロン380メッシュカレンダー版のスクリーンを用いて、乾燥後の塗膜の膜厚が5μmになるように全面に塗布した。続いて、熱風循環式乾燥炉にて、80℃で30分間乾燥して、乾燥塗膜を形成した。この基板に高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて、最適露光量でネガマスク越しに露光して、30℃の0.15質量%炭酸カリウム水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で30秒間現像を行い、水洗した。
この基板を熱風循環式乾燥炉にて、140℃で1時間加熱して硬化した。得られた評価基板に対して下記の評価を行った。
上記作製方法で作製した評価基板(ITO付きPETフィルム基板、導電性パターンのライン幅:100μm、ライン長さ:60mm、図1参照)のパターンの端部を表面抵抗計でつなぎ、表面抵抗値を測定し、下記数式(1)により比抵抗率を算出した。
比抵抗率=表面抵抗値×膜厚×線幅/ライン長・・・(1)
以下の基準にて導電性を評価し、評価結果を表2に示した。
[評価基準]
○:比抵抗率1.0×10-5 Ω・cm未満であった。
△:比抵抗率1.0×10-5 Ω・cm以上1.0×10-2 Ω・cm未満であった。
×:比抵抗率1.0×10-2 Ω・cm以上であった。
上記で作製した評価基板(PETフィルム基板およびITO付きPETフィルム基板)に対して、それぞれ1mm幅で10×10の碁盤目状にカッターで切れ目を入れた。碁盤目状の箇所にJIS Z 1522:2009に規定するセロハン粘着テープ(粘着力1.8N/10mm以上、ニチバン株式会社製セロテープ)を貼着して剥がし、残存マス数を測定した。測定結果(密着性1:PETフィルム基板、密着性2:ITO付きPETフィルム基板)を表2に示した。
上記の実施例および比較例で調製した感光性導電樹脂組成物1~18について、コーンプレート型粘度計を用いて、粘度を測定した。5rpm値30秒値を粘度として採用した。室温で放置し、24時間後に粘度を測定した。下記数式(2)により増粘率を算出した。
増粘率=(24時間後の粘度-初期粘度)/初期粘度×100・・・(2)。
以下の基準にて増粘率を評価し、評価結果を表2に示した。
[評価基準]
○:増粘率10%未満であった。
△:増粘率10%以上50%未満であった。
×:増粘率50%以上であった。
上記作製方法で作製した評価基板(ITO付きPETフィルム基板、図2参照)について、初期抵抗値を測定した後、85℃、85%RHの恒温恒湿槽IH-42M(ヤマト科学株式会社製)内で500時間保管した。保管後抵抗値を測定し、下記数式(3)に基づいて接触抵抗変化率を算出した。
抵抗変化率=保管後抵抗値(500時間後)/初期抵抗値 ・・・ (3)
以下の基準にて抵抗変化率を評価し、評価結果を表2に示した。
[評価基準]
○:変化率1.2未満であった。
△:変化率1.2以上1.5未満であった。
×:変化率1.5以上であった。
上記の性能評価に対して以下の基準にて総合判定し、結果を表2に示した。
[評価基準]
A:感光性導電樹脂組成物は保存安定性に優れ、硬化物は、導電性や基板との密着性に優れ、かつ、高温高湿の環境条件でも接触抵抗を安定的に維持できた。
B:感光性導電樹脂組成物の保存安定性、硬化物の導電性、密着性、接触抵抗のいずれかが多少劣っているが、実用上は問題無かった。
C:感光性導電樹脂組成物の保存安定性、硬化物の導電性、密着性、接触抵抗のいずれかが非常に劣っており、実用上に問題があった。
12:導電層
21:透明電極(ITO)層
22:導電層
23:PETフィルム基板
Claims (4)
- カルボキシル基含有樹脂、熱硬化性樹脂、導電フィラー、およびイオン吸着剤を含み、前記熱硬化性樹脂が、ブロックイソシアネート化合物を含み、前記イオン吸着剤が、炭酸塩であることを特徴とする、感光性導電樹脂組成物。
- 前記イオン吸着剤が、層状構造を有する、請求項1に記載の感光性導電樹脂組成物。
- 前記イオン吸着剤が、ハイドロタルサイトである、請求項1または2に記載の感光性導電樹脂組成物。
- 請求項1~3のいずれか一項に記載の感光性導電樹脂組成物を硬化させて得られることを特徴とする、硬化物。
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