JP7018416B2 - インパクタスプレーイオン源 - Google Patents

インパクタスプレーイオン源 Download PDF

Info

Publication number
JP7018416B2
JP7018416B2 JP2019176665A JP2019176665A JP7018416B2 JP 7018416 B2 JP7018416 B2 JP 7018416B2 JP 2019176665 A JP2019176665 A JP 2019176665A JP 2019176665 A JP2019176665 A JP 2019176665A JP 7018416 B2 JP7018416 B2 JP 7018416B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion source
targets
structures
ion
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019176665A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020024923A (ja
Inventor
ステバン・バジック
Original Assignee
マイクロマス ユーケー リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GBGB1414596.5A external-priority patent/GB201414596D0/en
Application filed by マイクロマス ユーケー リミテッド filed Critical マイクロマス ユーケー リミテッド
Publication of JP2020024923A publication Critical patent/JP2020024923A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7018416B2 publication Critical patent/JP7018416B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/10Ion sources; Ion guns
    • H01J49/14Ion sources; Ion guns using particle bombardment, e.g. ionisation chambers
    • H01J49/142Ion sources; Ion guns using particle bombardment, e.g. ionisation chambers using a solid target which is not previously vapourised
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/04Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components
    • H01J49/0431Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components for liquid samples
    • H01J49/0445Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components for liquid samples with means for introducing as a spray, a jet or an aerosol
    • H01J49/045Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components for liquid samples with means for introducing as a spray, a jet or an aerosol with means for using a nebulising gas, i.e. pneumatically assisted
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/10Ion sources; Ion guns
    • H01J49/16Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field-, thermionic- or photo-emission

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Description

関連出願の相互参照
本願は、2014年8月18日に出願された英国特許出願第1414596.5号及び2014年8月18日に出願された欧州特許出願第14181248.7号に基づく優先権及び利益を主張するものである。これらの出願の全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、一般に、質量分析、特に、質量分析計及び質量分析方法に関する。種々の実施形態は、イオン源及びサンプルをイオン化する方法に関する。
液体クロマトグラフィを質量分析計に接続するために大気圧イオン化(「API」)源が一般に用いられる。エレクトロスプレー(「ESI」)源、大気圧化学イオン化(「APCI」)源、及びインパクタスプレー(「IS」)源を含む、多くのタイプのAPI源が存在する。
図1は、従来の標準インパクタスプレー源を概略的に示す。これは、空気圧ネブライザ組立体1と、脱溶媒ヒータ4と、インパクタターゲット5と、コーンガスノズル6、イオン入口オリフィス8、及び第1の真空領域9を備える質量分析計入口組立体とを備える。
この配置は、溶媒のフュームを排出するための排気出口を含むソース筐体によって取り囲まれてもよい(図示せず)。ネブライザ組立体1は、内側液体キャピラリー2と、液体溶媒の流れの霧化を支援するべくネブライザチップで高速ガス流を送達する外側ガスキャピラリー3で構成される。内側液体キャピラリー2は、130μmの内径及び270μmの外径を有してもよい。外側ガスキャピラリー3は、330μmの内径を有してもよい。
ガス供給(例えば窒素)はおよそ7バールに加圧され、0.1~1mL/minの液体流量が一般に用いられる。加熱される脱溶媒ガス(例えば窒素)は、通常、1200L/hrの流量でネブライザ1とヒータ4との間を流れる。
ネブライザ1からの高速液滴流が、直径1.6mmのステンレススチールの円筒形ロッドターゲット5に衝突する。通常、ロッドターゲット5の表面は、研磨され、平滑である。例示される寸法x、y、及びyは、通常、それぞれ5mm、3mm、及び7mmである。ネブライザ1及びインパクタターゲット5は、通常、それぞれ0V及び1kVに保たれる。質量分析計入口は、通常、接地電位(例えば0~100V)に近い。
通常150L/hrの窒素カーテンガス流が、コーンガスノズル6とイオン入口コーン10との間を通過する。インパクタターゲット5からのガス流の後流7内に含まれるイオン、荷電粒子、又は中性粒子は、MSの第1の真空領域9とソース筐体の大気圧領域との間の境界をなすイオン入口オリフィス8を介して質量分析計に入ることができる。
インパクタターゲット5の直径が液体キャピラリー2の内径よりも著しく大きいときに、スプレーを、図1に示す右上の象限でターゲット5に衝突するように誘導することが有利である。これらの条件下では、ガス流の後流7は、ターゲットの湾曲に沿い(コアンダ効果)、かつ、イオン入口オリフィス8の方向に振られ、結果的により大きいイオン信号強度をもたらす。
したがって、インパクタスプレー源では、ネブライザは、高電圧に保たれネブライザチップの近傍にある金属ロッドターゲットに当たる超音速ガスジェット状の高速液滴流を生じる。
WO2013/093517(「Micromass」)は、インパクタスプレーイオン化源を介した、キャピラリー電気泳動から質量分析計へのインターフェース化を開示する。
WO2014064400(「Micromass」)は、メッシュターゲットを使用した、低及び高有機移動相組成のための衝撃ベースのイオン源の改善された再現性を開示する。
EP1855306(「Cristoni」)は、質量分析のためのイオン化源及び方法を開示する。
WO2004/034011(「Cristoni」)は、質量分析のためのイオン化源を開示する。
WO2013/093517 WO2014064400 EP1855306 WO2004/034011
改善されたイオン源を提供することが望まれる。
本開示の態様によれば、イオン源であって、
1つ以上のネブライザ及び1つ以上のターゲット、
を備え、1つ以上のターゲットに衝突させられ、これにより、複数のイオンを生成するべくイオン化される、液滴から主として成る流れを、使用中に、放出するように、1つ以上のネブライザが、配置及び適合され、
1つ以上のターゲットが、1つ以上のターゲットの表面に沿って又はわたって流れるガスを乱すように構成された1つ以上の構造体をさらに備える、
イオン源が提供される。
インパクタスプレー源の性能を高めるべくさらなる渦流挙動を助長するように設計される、インパクタスプレーイオン源のターゲット表面への修正が提案される。従来のインパクタスプレーイオン源は、通常、平面的な湾曲面であり、かつ、その表面に沿って流れるガスを乱すように構成される構造体を備えない、ターゲットに関係する。ターゲット表面での渦流パターンは、インパクタスプレーイオン源でのネブライゼーションプロセス、脱溶媒プロセス、及びイオン化プロセスにおいて重要な役割を果たし得ることが認識されており、本開示は、この認識を用いることを意図するものである。
上記のイオン源は、ターゲットが、その表面に沿って又はわたって流れるガスを乱すように構成された1つ以上の構造体を備えることを必要とすることが分かるであろう。これは、例えば、ターゲットの表面が完全に平滑であるWO2013/093517(「Micromass」)とは大きく異なる。
液滴から主として成る流れは、1つ以上のターゲットに衝突させられ、これにより、前記複数のイオンを生成するべく液滴をイオン化してもよい。
1つ以上の構造体は、1つ以上の渦発生構造体を含んでもよく、渦発生構造体は、随意的に、1つ以上の渦発生構造体を越えて流れるガスに渦及び/又は乱流を生じさせるように構成される。
1つ以上の構造体は、ガスの流れが表面に付着したままであることを助長する表面流の渦を促進するように構成されてもよい。
1つ以上の構造体は、随意的に、ガスの流れが表面に付着したままであることを助長する表面流の渦を促進するように構成された空気力学的形状又は外形を含む。
1つ以上の構造体は、よどみ点又はよどみラインの下流、及び/又は、剥離点又は剥離ラインの上流に位置決めされてもよい。
1つ以上の構造体は、ターゲットの上又は周りを流れるガスの全般的な方向と平行、非平行、又は垂直な縦軸を有する1つ以上のストレーク又はフィンを含んでもよい。
1つ以上の構造体は、1つ以上のターゲットの表面から延びる隆起、及び/又は、1つ以上のターゲットの表面の中に延びるノッチ又はキャビティを含んでもよい。
1つ以上の構造体は、
(i)単一の構造体又は複数の構造体、
(ii)単一の列の構造体又は複数の列の構造体、
(iii)立方体、立方体様、円筒形、又は多面体構造体、
(iv)構造体間に不規則な間隔を有する構造体、
(v)1つ以上のターゲットの表面にインプリント、エッチング、又はマイクロ機械加工される連続するマイクロパターンが形成された表面、及び
(vi)マイクロ構造体、
のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
1つ以上の構造体は、1つ以上のターゲットを越えて流れるガスの主流方向内に位置決めされてもよい。
1つ以上の構造体は、1つ以上のターゲットを越えて流れるガスの主流方向と位置合わせされてもよい。
1つ以上のターゲットは、円筒形チューブ又はロッドを含んでもよい。1つ以上のターゲットを越えて流れるガスの主流方向は、円筒形チューブの表面、円周、又は周方向表面の一部に沿ってもよい又はその周りであってもよい。
1つ以上のターゲットは、プレートの形態の平坦面を備えてもよく、及び又は、前記1つ以上のターゲットを越えて流れるガスの主流方向は、前記平坦面にわたってもよい又は沿ってもよい。
1つ以上の構造体の高さ又は深さは、1つ以上のターゲットを越えて流れるガスの境界層の厚さと等しくてもよい又は同等であってもよい。例えば、1つ以上の構造体の高さ又は深さは、1つ以上のターゲットを越えて流れるガスの境界層の厚さの+/-0%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、100%、200%、500%、1000%、2500%、又は5000%以内であってもよい。
1つ以上の構造体の高さ又は深さ及び/又は隣接する構造体間の距離又は間隔は、(i)1μm、(ii)2μm、(iii)5μm、(iv)10μm、(v)15μm、(vi)20μm、(vii)25μm、(viii)30μm、(ix)35μm、(x)40μm、(xi)45μm、(xii)50μm、(xiii)60μm、(ixv)70μm、(xv)80μm、(xvi)90μm、(xvii)100μm、(xviii)150μm、(ixx)200μm、(xx)300μm、(xxi)400μm、又は(xxii)500μmよりも大きくても、等しくても、又は小さくてもよい。
イオン源は、大気圧イオン化(「API」)イオン源を含んでもよい。
本開示の態様によれば、上述のイオン源を備える質量分析計が提供される。
本開示の態様によれば、サンプルをイオン化する方法であって、
1つ以上のネブライザ及び1つ以上のターゲットを提供することと、
1つ以上のターゲットは、1つ以上のターゲットの表面に沿って流れるガスを乱すように構成された1つ以上の構造体を備え、
1つ以上のターゲットに衝突させられ、これにより、複数のイオンを生成するべくイオン化される、液滴から主として成る流れを、1つ以上のネブライザに、放出させることと、
1つ以上の構造体を用いて1つ以上のターゲットの表面に沿って流れるガスを乱すことと、
を含む方法が提供される。
本開示の態様によれば、サンプルをイオン化する方法であって、
1つ以上のネブライザ及び1つ以上のターゲットを提供することと、
条件Rρ/Rμ>1
(Rρ=ρ(X)/ρ(N)、及びRμ=μ(X)/μ(N)であり、ρ(X)はネブライジングガスの密度、ρ(N)は窒素の密度、μ(X)はネブライジングガスの粘度、及びμ(N)は窒素の粘度である)
を満たすネブライジングガスを用いて、前記1つ以上のターゲットに衝突させられ、これにより、複数のイオンを生成するべくイオン化される、液滴から主として成る流れを、前記1つ以上のネブライザに、放出させることと、
を含む、方法が提供される。
種々の実施形態は、イオン化効率を高める目的でさらなるマイクロ渦度を助長する、インパクタスプレー源の設計への修正に関係する。インパクタスプレーのロッドターゲットからの走査型電子顕微鏡(「SEM」)画像は、渦間の特徴的な間隔が理論との何らかの類似性をもつ場合に、こうした逆回転する微小渦の存在の有力な証拠を示す。
本明細書で用いられる場合の「構造体」という用語は、例えば、(i)1μm、(ii)2μm、(iii)5μm、(iv)10μm、(v)15μm、(vi)20μm、(vii)25μm、(viii)30μm、(ix)35μm、(x)40μm、(xi)45μm、(xii)50μm、(xiii)60μm、(ixv)70μm、(xv)80μm、(xvi)90μm、(xvii)100μm、(xviii)150μm、(ixx)200μm、(xx)300μm、(xxi)400μm、又は(xxii)500μm未満の寸法を有するマイクロ構造体を指す場合がある。
一実施形態によれば、質量分析計は、以下をさらに含んでもよい:
(a)以下からなる群から選択されたイオン源:(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、(v)レーザ脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源、(vii)シリコン上脱離イオン化(「DIOS」)イオン源、(viii)電子衝突(「EI」)イオン源、(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源、(x)電界イオン化(「FI」)イオン源、(xi)電界脱離(「FD」)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源、(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、(xvi)ニッケル-63放射性イオン源、(xvii)大気圧マトリックス支援レーザ脱離イオン化イオン源、(xviii)サーモスプレーイオン源、(xix)大気サンプリンググロー放電イオン化(「ASGDI」)イオン源、(xx)グロー放電(「GD」)イオン源、(xxi)インパクタイオン源、(xxii)リアルタイム直接分析(「DART」)イオン源、(xxiii)レーザスプレーイオン化(「LSI」)イオン源、(xxiv)ソニックスプレーイオン化(「SSI」)イオン源、(xxv)マトリックス支援入口イオン化(「MAII」)イオン源、(xxvi)溶媒支援入口イオン化(「SAII」)イオン源、(xxvii)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、(xxviii)レーザアブレーションエレクトロスプレーイオン化(「LAESI」)イオン源、(xxix)Heプラズマ(HePl)イオン源、及び(xxx)ペニングイオン化イオン源、及び/又は、
(b)1つ以上の連続又はパルスイオン源、及び/又は、
(c)1つ以上のイオンガイド、及び/又は、
(d)1つ以上のイオン移動度分離装置及び/又は1つ以上の電場非対称イオン移動度分光計装置、及び/又は、
(e)1つ以上のイオントラップ又は1つ以上のイオントラッピング領域、及び/又は、
(f)以下からなる群から選択された1つ以上の衝突、フラグメンテーション、又は反応セル:(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーション装置、(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーション装置、(iii)電子移動解離(「ETD」)フラグメンテーション装置、(iv)電子捕獲解離(「ECD」)フラグメンテーション装置、(v)電子衝突又は衝突解離フラグメンテーション装置、(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーション装置、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーション装置、(viii)赤外放射誘起解離装置、(ix)紫外放射誘起解離装置、(x)ノズルスキマーインターフェースフラグメンテーション装置、(xi)インソースフラグメンテーション装置、(xii)インソース衝突誘起解離フラグメンテーション装置、(xiii)熱又は温度源フラグメンテーション装置、(xiv)電界誘起フラグメンテーション装置、(xv)磁界誘起フラグメンテーション装置、(xvi)酵素消化又は酵素分解フラグメンテーション装置、(xvii)イオン-イオン反応フラグメンテーション装置、(xviii)イオン-分子反応フラグメンテーション装置、(xix)イオン-原子反応フラグメンテーション装置、(xx)イオン-準安定イオン反応フラグメンテーション装置、(xxi)イオン-準安定分子反応フラグメンテーション装置、(xxii)イオン-準安定原子反応フラグメンテーション装置、(xxiii)イオンと反応して付加イオン又は生成イオンを生成するためのイオン-イオン反応装置、(xxiv)イオンと反応して付加イオン又は生成イオンを生成するためのイオン-分子反応装置、(xxv)イオンと反応して付加イオン又は生成イオンを生成するためのイオン-原子反応装置、(xxvi)イオンと反応して付加イオン又は生成イオンを生成するためのイオン-準安定イオン反応装置、(xxvii)イオンと反応して付加イオン又は生成イオンを生成するためのイオン-準安定分子反応装置、(xxviii)イオンと反応して付加イオン又は生成イオンを生成するためのイオン-準安定原子反応装置、及び(xxix)電子イオン化解離(「EID」)フラグメンテーション装置、及び/又は、
(g)以下からなる群から選択された質量分析計:(i)四重極質量分析計、(ii)2D又は線形四重極質量分析計、(iii)ポール又は3D四重極質量分析計、(iv)ペニングトラップ質量分析計、(v)イオントラップ質量分析計、(vi)磁場セクタ質量分析計、(vii)イオンサイクロトロン共鳴(「ICR」)質量分析計、(viii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析計、(ix)四重極の対数的な電位分布を有する静電場を発生させるように構成された静電質量分析計、(x)フーリエ変換静電質量分析計、(xi)フーリエ変換質量分析計、(xii)飛行時間型質量分析計、(xiii)直交加速飛行時間型質量分析計、及び(xiv)線形加速飛行時間型質量分析計、及び/又は、
(h)1つ以上のエネルギー分析器又は静電エネルギー分析器、及び/又は、
(i)1つ以上のイオン検出器、及び/又は、
(j)以下からなる群から選択された1つ以上のマスフィルタ:(i)四重極マスフィルタ、(ii)2D又は線形四重極イオントラップ、(iii)ポール又は3D四重極イオントラップ、(iv)ペニングイオントラップ、(v)イオントラップ、(vi)磁場セクタマスフィルタ、(vii)飛行時間型マスフィルタ、及び(viii)ウィーンフィルタ、及び/又は、
(k)イオンをパルスするための装置又はイオンゲート、及び/又は、
(l)実質的に連続するイオンビームをパルスイオンビームへ変換する装置。
質量分析計は、以下のうちいずれかをさらに含んでもよい:
(i)四重極の対数的な電位分布の静電場を形成する外側の樽状電極及び同軸の内側スピンドル状電極を備えるCトラップ及び質量分析計であって、第1の動作モードにおいて、イオンがCトラップに送られ、次いで、質量分析計内に注入され、第2の動作モードにおいて、イオンがCトラップに送られ、次いで、衝突セル又は電子移動解離装置に送られ、少なくとも一部のイオンがフラグメント化されてフラグメントイオンとなり、フラグメントイオンはその後Cトラップに送られて質量分析計内に注入される、Cトラップ及び質量分析器、及び/又は、
(ii)複数の電極を備えるスタック型リングイオンガイドであって、複数の電極はそれぞれ、使用時にイオンを送る孔を有し、電極の間隔は、イオン経路の長さに沿って増加し、イオンガイドの上流区域の電極内の孔は第1の直径を有し、イオンガイドの下流区域の電極内の孔は、第1の直径よりも小さい第2の直径を有し、AC又はRF電圧の逆位相が使用時に連続する電極に印加される、スタック型リングイオンガイド。
一実施形態によれば、質量分析計は、電極にAC又はRF電圧を供給するように配置及び適合される装置をさらに含む。AC又はRF電圧は、随意的に、(i)約<50Vピークツーピーク、(ii)約50~100Vピークツーピーク、(iii)約100~150Vピークツーピーク、(iv)約150~200Vピークツーピーク、(v)約200~250Vピークツーピーク、(vi)約250~300Vピークツーピーク、(vii)約300~350Vピークツーピーク、(viii)約350~400Vピークツーピーク、(ix)約400~450Vピークツーピーク、(x)約450~500Vピークツーピーク、及び(xi)>約500Vピークツーピークからなる群から選択された振幅を有する。
AC又はRF電圧は、(i)<約100kHz、(ii)約100~200kHz、(iii)約200~300kHz、(iv)約300~400kHz、(v)約400~500kHz、(vi)約0.5~1.0MHz、(vii)約1.0~1.5MHz、(viii)約1.5~2.0MHz、(ix)約2.0~2.5MHz、(x)約2.5~3.0MHz、(xi)約3.0~3.5MHz、(xii)約3.5~4.0MHz、(xiii)約4.0~4.5MHz、(xiv)約4.5~5.0MHz、(xv)約5.0~5.5MHz、(xvi)約5.5~6.0MHz、(xvii)約6.0~6.5MHz、(xviii)約6.5~7.0MHz、(xix)約7.0~7.5MHz、(xx)約7.5~8.0MHz、(xxi)約8.0~8.5MHz、(xxii)約8.5~9.0MHz、(xxiii)約9.0~9.5MHz、(xxiv)約9.5~10.0MHz、及び(xxv)>約10.0MHzからなる群から選択された周波数を有していてもよい。
質量分析計はまた、イオン源の上流のクロマトグラフィ分離装置又は他の分離装置を含んでもよい。一実施形態によれば、クロマトグラフィ分離装置は、液体クロマトグラフィ装置又はガスクロマトグラフィ装置を含む。別の実施形態によれば、分離装置は、(i)キャピラリー電気泳動(「CE」)分離装置、(ii)キャピラリー電子クロマトグラフィ(「CEC」)分離装置、(iii)実質的に剛性のセラミックベースの多層マイクロ流体基板(「セラミックタイル」)分離装置、又は(iv)超臨界流体クロマトグラフィ分離装置を含んでもよい。
イオンガイドは、(i)<約0.0001mbar、(ii)約0.0001~0.001mbar、(iii)約0.001~0.01mbar、(iv)約0.01~0.1mbar、(v)約0.1~1mbar、(vi)約1~10mbar、(vii)約10~100mbar、(viii)約100~1000mbar、及び(ix)>約1000mbarからなる群から選択された圧力に維持されてもよい。
一実施形態によれば、分析種イオンは、電子移動解離フラグメンテーション装置において電子移動解離(「ETD」)フラグメンテーションを受けてもよい。分析種イオンは、イオンガイド又はフラグメンテーション装置内でETD試薬イオンと相互作用させられてもよい。
一実施形態によれば、電子移動解離をもたらすために、(a)分析種イオンが、フラグメント化され又は解離させられ、試薬イオンと相互作用する際に生成イオン又はフラグメントイオンを生成し、及び/又は(b)電子が、1つ以上の試薬アニオン又は負電荷をもつイオンから1つ以上の多価の分析種カチオン又は正電荷をもつイオンに移動されると、多価の分析種カチオン又は正電荷をもつイオンの少なくとも一部が解離させられ、生成イオン又はフラグメントイオンを生成し、及び/又は(c)分析種イオンが、フラグメント化され又は解離させられ、中性の試薬ガス分子又は原子又は非イオン性の試薬ガスと相互作用する際に生成イオン又はフラグメントイオンを生成し、及び/又は(d)電子が、1つ以上の中性、非イオン性、又は非荷電の塩基性ガス又は蒸気から1つ以上の多価の分析種カチオン又は正電荷をもつイオンに移動されると、多価の分析種カチオン又は正電荷をもつイオンの少なくとも一部が解離させられ、生成イオン又はフラグメントイオンを生成し、及び/又は(e)電子が、1つ以上の中性、非イオン性、又は非荷電の超塩基性試薬ガス又は蒸気から1つ以上の多価の分析種カチオン又は正電荷をもつイオンに移動されると、多価の分析種カチオン又は正電荷をもつイオンの少なくとも一部が解離させられ、生成イオン又はフラグメントイオンを生成し、及び/又は(f)電子が、1つ以上の中性、非イオン性、又は非荷電のアルカリ金属ガス又は蒸気から1つ以上の多価の分析種カチオン又は正電荷をもつイオンに移動されると、多価の分析種カチオン又は正電荷をもつイオンの少なくとも一部が解離させられ、生成イオン又はフラグメントイオンを生成し、及び/又は(g)電子が、1つ以上の中性、非イオン性、又は非荷電のガス、蒸気、又は原子から1つ以上の多価の分析種カチオン又は正電荷をもつイオンに移動されると、多価の分析種カチオン又は正電荷をもつイオンの少なくとも一部が解離させられ、生成イオン又はフラグメントイオンを生成し、1つ以上の中性、非イオン性、又は非荷電のガス、蒸気、又は原子は、(i)ナトリウム蒸気又は原子、(ii)リチウム蒸気又は原子、(iii)カリウム蒸気又は原子、(iv)ルビジウム蒸気又は原子、(v)セシウム蒸気又は原子、(vi)フランシウム蒸気又は原子、(vii)C60蒸気又は原子、及び(viii)マグネシウム蒸気又は原子からなる群から選択される。
多価の分析種カチオン又は正電荷をもつイオンは、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、又は生体分子を含んでもよい。
一実施形態によれば、電子移動解離をもたらすために、(a)試薬アニオン又は負電荷をもつイオンが、多環芳香族炭化水素又は置換された多環芳香族炭化水素から誘導され、及び/又は、(b)試薬アニオン又は負電荷をもつイオンが、(i)アントラセン、(ii)9,10ジフェニル-アントラセン、(iii)ナフタレン、(iv)フッ素、(v)フェナントレン、(vi)ピレン、(vii)フルオランテン、(viii)クリセン、(ix)トリフェニレン、(x)ペリレン、(xi)アクリジン、(xii)2,2’ジピリジル、(xiii)2,2’ビキノリン、(xiv)9-アントラセンカルボニトリル、(xv)ジベンゾチオフェン、(xvi)1,10’-フェナントロリン、(xvii)9’アントラセンカルボニトリル、及び(xviii)アントラキノンからなる群から誘導され、及び/又は、(c)試薬イオン又は負電荷をもつイオンが、アゾベンゼンアニオン又はアゾベンゼンラジカルアニオンを含む。
一実施形態によれば、電子移動解離フラグメンテーションのプロセスは、分析種イオンを試薬イオンと相互作用させることを含み、試薬イオンは、ジシアノベンゼン、4-ニトロトルエン、又はアズレンを含む。
クロマトグラフィ検出器が提供されてもよく、クロマトグラフィ検出器は、
随意的に(i)水素炎イオン化検出器(FID)、(ii)エアロゾルベース検出器又はエヌキャド(NQAD)、(iii)炎光光度検出器(FPD)、(iv)原子発光検出器(AED)、(v)窒素リン検出器(NPD)、及び(vi)蒸発光散乱検出器(ELSD)からなる群から選択された破壊型クロマトグラフィ検出器、又は、
随意的に(i)固定波長又は可変波長UV検出器、(ii)熱伝導度検出器(TCD)、(iii)蛍光検出器、(iv)電子捕獲検出器(ECD)、(v)導電率モニタ、(vi)光イオン化検出器(PID)、(vii)屈折率検出器(RID)、(viii)ラジオフロー検出器、及び(ix)キラル検出器からなる群から選択された非破壊型クロマトグラフィ検出器、
のいずれかを含む。
質量分析計は、質量分析(「MS」)動作モード、タンデム質量分析(「MS/MS」)動作モード、親イオン又は前駆イオンが代替的にフラグメントイオン又は生成イオンを生じるようにフラグメント化される又は反応させられる、フラグメント化されない又は反応させられない、又はより少ない程度にフラグメント化される又は反応させられる動作モード、多重反応モニタリング(「MRM」)動作モード、データ依存型分析(「DDA」)動作モード、データ非依存型分析(「DIA」)動作モード、定量動作モード、又はイオン移動度分光分析(「IMS」)動作モードを含む種々の動作モードで動作してもよい。
本開示の種々の実施形態が単なる例として付属の図面を参照しながらここで説明される。
従来のインパクタスプレーイオン源を示す図である。 円筒を越えて流れるガスのよどみゾーンの概略を示す図である。 Kestin and Wood(1970)からの、円筒を越えて流れるガスの逆回転する渦を示す図である。 Kestin and Wood(1970)からのマイクロ渦度の関係性のグラフを示す図である。 円筒形インパクタスプレーターゲットの走査型電子顕微鏡(「SEM」)画像を示す図である。 表面溝を組み込んだターゲットを備えるインパクタスプレーイオン源を示す図である。 溝の位置と信号強度との関係性を例示するグラフを示す図である。 本開示の実施形態を示す図である。
インパクタスプレーイオン源に関連する開発、具体的には、ガスの流れ及び渦流挙動がここで説明される。
ガスの流れが固体物体に接近するときに、流れが表面に付着することになり局所表面速度がゼロになり得る点に到達する場合がある。これは、よどみ点11として知られており、図2にインパクタスプレーの幾何学的形状に関して概略的に示される。
よどみ領域13は、流れが随意的に表面に付着することになるよどみ点11と、流れが随意的に表面から剥離する剥離点12によって境界付けられる場合がある。図2は、ロッド軸線の右側に変位されたガス流線を示すが、インパクタスプレーのネブライザからの集中的なガスの流れが結果的にターゲット5の両側に2つの対称な流線を生じてもよいことが理解される。
よどみ領域13で発生する渦現象は、クロスフロー内の円筒形の幾何学的形状に関してモデル化されている(「On the Stability of Two-Dimensional Stagnation Flow」、J.Kestin及びR.T.Wood、Fluid Mech.(1970)、vol.44、Part3、pp.461~479、本明細書では「Kestin and Wood(1970)」と呼ぶ)。こうした渦現象は、インパクタスプレーイオン源において遭遇する場合がある。この理論は、クロスフロー内の円筒は、その回転軸線がガスの流れの流線と位置合わせされる線形の一連の逆回転する表面渦を呈し得るという十分に確立した観察を特徴とする。
図3は、逆回転する対をなす表面渦の例示である。逆回転する対がわたる距離は擾乱波長λとして知られている場合があり、これは、円筒の直径Dに正比例し、かつレイノルズ数Rの平方根に反比例し得ることが見出される場合がある。
λ=constDR -0.5 (i)
=ρvD/μ (ii)
式中、ρはガスの密度であり、vは自由流のガスの速度(表面から離れる)であり、μはガスの粘度である。種々の乱れ強さ(Tu)に関するλ/D対R -0.5のプロットが図4に示される。
図5は、タンパク質を沈殿させたヒト血漿中に含まれる分析種の分析のために前述のように用いられたインパクタスプレーターゲット(例えば直径1.6mmのステンレススチールのインパクタスプレーターゲット)の走査型電子顕微鏡(「SEM」)画像を示す。顆粒性の円形の「ハロー」は、血漿の不揮発性成分の堆積に起因し、本発明の説明での関心ある領域の外側にある。
衝突する液滴流及びネブライザガスジェットと同じ方向にSEM画像を撮った。図5の十字(+)は、入来するガスジェットの中央の衝突点の近似位置を表すことができる。画像の丸で囲まれた領域を綿密に調べると、流れの流線の方向と位置合わせされる線形の一連の条線模様が明らかになる。これらの条線模様は、説明した逆回転する表面渦の存在の証拠であり得る。
図1を参照すると、ネブライザチップとターゲットとの間の距離yは、通常、3mmである。こうした近い距離では、ガスの速度は超音速である場合があり、例えばマッハ1では、Rは、100℃の温度での窒素ガスに関しておよそ30,000と推定することができる。この値を図4に示されたプロット上に当てはめてみると、D=1.6mmのときTu=4%と仮定するとλ=37μmの擾乱波長値が得られる。3つの条線模様が一対の逆回転する渦の外方に広がる部分と中心部分を表すと仮定すると、これは、図5からの実験で求められるλ=23μmと比較できる。
したがって、クロスフロー内の円筒に関する渦度の観察された実験データと理論との間に或る相関関係が存在するように思われる。
式(i)及び(ii)から、表面渦の最大集中度は、低い粘度を有する濃密ガス、すなわち高いレイノルズ数Rを生み出すガスの使用から得られることになる。二酸化炭素及びブタンに関する入手できるデータを比較すると(400Kで)、Rは、ネブライジングガスとしての窒素で得られるRに対して、それぞれ1.77及び4.6倍だけ増加するであろう。したがって、渦度がインパクタスプレー源に関する重要な因子である場合、これは、高密度、低粘度のネブライザガスの使用を支持することができる。
選択されたガス(X)と窒素(N)との密度の比Rρは、以下のように定義することができる:
ρ=ρ(X)/ρ(N) (iii)
粘度の比Rμは、以下のように定義することができる:
μ=μ(X)/μ(N) (iv)
式(i)及び(ii)から、増加したマイクロ渦度は、条件:
ρ/Rμ>1 (v)
を満たすネブライジングガスの使用から得られることになる。
これらの表面渦は、液滴を剪断する際に重要な役割を果たす場合があり、これはAPI源において気相イオン及び帯電した液滴を生み出す所謂「イオンスプレー」機構及び「ソニックスプレー」機構を強化することもできる。さらに、これらのクロスフロー表面チャネルは、表面の液体を剥離点の方にガイドすることができ、剥離点で、表面液体フィラメント(又は転がる液滴)内の二重層形成期間後に二次液滴又はイオンが放出され得る。
図5を参照すると、十字(+)が流れのよどみ点(又はライン)の近似位置を表し、かつ、条線模様の端が流れの剥離点(又はライン)を表すと仮定すると、単純な幾何学的投影から、インパクタスプレーターゲットのよどみゾーンは、およそ46度の半径方向の角度に対し得ると判断することができる。
インパクタスプレー源において通常用いられる直径1.6mmのロッドターゲットに関して、これは、通常0.65mmの長さのよどみゾーンと結び付けてもよい。表面渦度はよどみゾーンと関連するので、この領域へのどのような全体の干渉もインパクタスプレー源の性能への有害な影響を有するとみなされ得る。
実験的な幾何学的形状が図6に概略的に示され、この場合、よどみ長さ(0.65mm)と等しい幅を有する表面溝14が、直径1.6mmのステンレススチールロッドターゲット50に長手方向に切られる。よどみ領域(右上の象限)に対して溝14の位置を回転させることによって、溝がよどみ領域と重なるときに顕著な感度の低下が観察される場合があることが示されている。
図7は、0.125pg/μLの濃度及び0.8mL/minの流量でソースに注入されたブスピロン及びレセルピンのインパクタスプレー/質量分析に関する相対信号強度に対するターゲットの溝の位置の影響を示す。例証される実施形態では、溝がよどみゾーン(右上の象限)から十分離れて位置決めされるときに最高感度が観察される。溝が完全に上の象限と重なるときに最低感度が観察され、この場合おそらく、よどみ領域は、よどみゾーンと自由流の流れとの間に明確な画定がもはや存在しないほど乱流に打ち負かされる。溝を含まないが直径が1.6mmである異なるターゲットから、ブスピロン及びレセルピンに関する2つのさらなる参照点が得られた。
この実験は、イオン及び帯電した液滴をイオン入口コーンの方に誘導するガスの流れの渦度又はスプレー操縦(コアンダ)効果の相対的重要度を必ずしも区別しない。しかしながら、標準ロッドターゲット上の既存のよどみ領域の長さを増加させることによって、インパクタスプレーイオン源の感度を増加させることが可能であり得ると考えるのが妥当であり得る。
航空機の翼の設計から、表面での流れは低乱流の条件下でより剥離されることになりやすいことが公知である。したがって、よどみ領域の長さを増加させて、これにより、高い迎え角の下での失速の機会を減らすために、航空機の翼は、翼の長さに沿って下流であるがよどみラインに近い位置に取り付けられる渦発生器を組み込んでいる。これらは、通常、それらの高さが翼へのそれらの取り付け点での境界層の厚さに等しいときに最も効果的な三角形、長方形、又は正方形の特徴である。渦発生器は、流れの流線の方向に位置合わせされる細長いストレーク又はフィンの形態をとることもできる。
平坦面の幾何学的形状を仮定すると、境界層(δ)の厚さは、次式によって与えられる:
層流のとき、δ=4.91xR -0.5 (vi)、又は、
乱流のとき、δ=0.38xR -0.2 (vii)、
式中、xは、よどみ点からの距離であり、Rは、自由流の流れのレイノルズ数である。
通常のインパクタスプレーの動作条件に関して、ネブライザチップへのターゲット表面の近接した位置決めは、自由流のガスの速度が超音速であるようになされ、マッハ1では、Rが30,000のオーダーとなることが期待される。この場合、式(i)及び式(ii)により、よどみ領域の始点から終点までの距離のおよそ三分の一であるx=0.2mmのとき、それぞれδ=6μm及び10μmの境界層の厚さが得られるであろう。これは、直径1.6mmのターゲットロッドの場合の、1つ以上の渦発生構造体の高さの下限を表す。ヒストリカルな熱線測定も、表面渦の擾乱は、50ほどの境界層の厚さにまで及ぶことができ、ゆえに渦発生構造体の有用な高さ範囲は境界層の厚さ(δ)の1~50倍であり得ることが期待され得ることを示している。
本開示の実施形態をここで説明する。
図8は、一実施形態に係る円筒形ロッドターゲット50の概略的な例を示す。ターゲット50は、表面流の渦を作製する目的を果たすことができる表面構造体15又はマイクロ構造体を有していてもよい。表面流の渦は、流れがターゲット表面に付着したままであることを助長することができる。
構造体の寸法は、図8(概略である)では誇張されており、10~100μmの寸法であってもよい。ターゲットは、直径1.6mmであってもよい。マイクロ構造体は、よどみライン16から下流に存在してもよく、剥離ライン(17)から上流に存在してもよい。マイクロ構造体の寸法又は高さは、ターゲットの周りを流れるガスの境界層の厚さと同等又は等しくてもよい。これは、マイクロ構造体を用いて渦を発生させることを試みるときに最も高い効果を生み出すことができる。
マイクロ構造体は、図8ではターゲットの右上の象限に示されるが、マイクロ構造体のさらなる組が、左上の象限に対称に配置されてもよい。入来するネブライザ液滴流18は、対称であってもよい、すなわちターゲットの上死点(「TDC」)に向けられてもよい。
一実施形態では、円筒形ロッドターゲット5は、代わりに、随意的にプレートの形態の平坦面を備えるプレートターゲットとすることもできる。プレートターゲットは、その表面上に1つ以上の構造体又はマイクロ構造体を備えてもよい。
本明細書で開示される態様又は実施形態のいずれにおける構造体又はマイクロ構造体も、図8に示されたものに限定されず、以下のうちの少なくとも1つを含む又はさらに含むこともできる:
(i)単一の構造体又は複数の構造体、
(ii)例えばよどみラインと剥離ラインとの間の単一の列の構造体又は複数の列の構造体、
(iii)例えば立方体、直方体、円筒、又はピラミッドである、任意の形状の構造体、
(iv)構造体間に不規則な間隔が存在する構造体、
(v)ターゲットにインプリント、エッチング、又はマイクロ機械加工される連続するマイクロパターンが形成された表面。
構造体又はマイクロ構造体は、1つ以上のストレーク又はフィンを含む又はさらに含むこともできる。ストレーク又はフィンは、ターゲットの上又は周りを流れるガスの全般的な方向と平行、非平行、又は垂直な縦軸を有していてもよい。ストレーク又はフィンは、表面を越えて流れるガスの方向を変える及び/又は随意的にガスの流れが前記表面に付着したままであることを助長するように表面流の渦を促進するように作用することができる。ストレーク又はフィンは、空気力学的形状又は外形を有することでこれを達成することができる。
開示された態様及び実施形態は、随意的に、既存のインパクタスプレーイオン源の感度を増加させ、随意的に、より多様なターゲットの種類及び幾何学的形状を提供する。
本開示が種々の実施形態を参照して説明されているが、添付の請求項に記載の本開示の範囲から逸脱することなく形態及び細部に種々の変化を加えてもよいことが当業者には理解されるであろう。

Claims (17)

  1. イオン源であって、
    1つ以上のネブライザ及び1つ以上のターゲット、
    を備え、
    前記1つ以上のターゲットに衝突させられ、これにより、複数のイオンを生成するべくイオン化される、ガス内に同伴される液滴から主として成る流れを、使用中に、放出するように、前記1つ以上のネブライザが、配置及び適合され、
    前記1つ以上のターゲットが、前記1つ以上のターゲットの表面に沿って流れるガスを乱すように構成された1つ以上の構造体をさらに備える、
    イオン源。
  2. 前記1つ以上の構造体が1つ以上の渦発生構造体を含み、前記1つ以上の渦発生構造体は、前記1つ以上の渦発生構造体を越えて流れるガスに渦及び/又は乱流を生じさせるように構成さている、請求項1に記載のイオン源。
  3. 前記1つ以上の構造体が、ガスの流れが前記表面に付着したままであることを助長する表面流の渦を促進するように構成される、請求項1又は請求項2に記載のイオン源。
  4. 前記1つ以上の構造体が、ガスの流れが前記表面に付着したままであることを助長する表面流の渦を促進するように構成された空気力学的形状又は外形を含む、請求項1、請求項2、又は請求項3に記載のイオン源。
  5. 前記1つ以上の構造体が、前記表面に沿ってガスの流れのよどみ領域内に位置決めされる、請求項1から4のいずれか一に記載のイオン源。
  6. 前記1つ以上の構造体が、前記1つ以上のターゲットの表面から延びる隆起、及び/又は、前記1つ以上のターゲットの表面の中に延びるノッチ又はキャビティを含む、請求項1から5のいずれか一に記載のイオン源。
  7. 前記1つ以上の構造体が、前記ターゲットの上又は周りを流れるガスの全般的な方向と平行、非平行、又は垂直な縦軸を有する1つ以上のストレーク又はフィンを含む、請求項1から6のいずれか一に記載のイオン源。
  8. 前記1つ以上の構造体が、
    (i)単一の構造体又は複数の構造体、
    (ii)単一の列の構造体又は複数の列の構造体、
    (iii)立方体、立方体様、円筒形、又は多面体構造体、
    (iv)構造体間に不規則な間隔を有する構造体、及び
    (v)前記1つ以上のターゲットの表面にインプリント、エッチング、又はマイクロ機械加工される連続するマイクロパターンが形成された表面、
    のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から7のいずれか一に記載のイオン源。
  9. 前記1つ以上の構造体が、前記1つ以上のターゲットを越えて流れるガスの主流方向内に位置決めされる、請求項1から8のいずれか一に記載のイオン源。
  10. 前記1つ以上の構造体が、前記1つ以上のターゲットを越えて流れるガスの主流方向と位置合わせされる、請求項1から9のいずれか一に記載のイオン源。
  11. 前記1つ以上のターゲットが円筒形チューブを備え、前記1つ以上のターゲットを越えて流れるガスの主流方向が、前記円筒形チューブの周方向表面の一部に沿う方向である、請求項1から10のいずれか一に記載のイオン源。
  12. 前記1つ以上のターゲットがプレートの形態の平坦面を備え、及び又は、前記1つ以上のターゲットを越えて流れるガスの主流方向が前記平坦面にわたる又は沿う、請求項1から10のいずれか一に記載のイオン源。
  13. 前記1つ以上の構造体の高さ又は深さが、前記1つ以上のターゲットを越えて流れる前記ガスの境界層の厚さと等しい又は同等である、請求項1から12のいずれか一に記載のイオン源。
  14. 前記1つ以上の構造体の高さ又は深さが、500μm未満である、請求項1から13のいずれか一に記載のイオン源。
  15. 前記イオン源が大気圧イオン化(「API」)イオン源を含む、請求項1から14のいずれか一に記載のイオン源。
  16. 請求項1から15のいずれか一に記載のイオン源を備える質量分析計。
  17. サンプルをイオン化する方法であって、
    1つ以上のネブライザ及び1つ以上のターゲットを提供することと、
    前記1つ以上のターゲットは、前記1つ以上のターゲットの表面に沿って流れるガスを乱すように構成された1つ以上の構造体を備え、
    前記1つ以上のターゲットに衝突させられ、これにより、複数のイオンを生成するべくイオン化される、ガス内に同伴される液滴から主として成る流れを、前記1つ以上のネブライザに、放出させることと、
    前記1つ以上の構造体を用いて前記1つ以上のターゲットの表面に沿って流れるガスを乱すことと、
    を含む、方法。
JP2019176665A 2014-08-18 2019-09-27 インパクタスプレーイオン源 Active JP7018416B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB1414596.5A GB201414596D0 (en) 2014-08-18 2014-08-18 Impactor Spray API source with vortex Generators
EP14181248.7 2014-08-18
EP14181248 2014-08-18
GB1414596.5 2014-08-18

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017509769A Division JP2017526131A (ja) 2014-08-18 2015-08-18 インパクタスプレーイオン源

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020024923A JP2020024923A (ja) 2020-02-13
JP7018416B2 true JP7018416B2 (ja) 2022-02-10

Family

ID=54011041

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017509769A Pending JP2017526131A (ja) 2014-08-18 2015-08-18 インパクタスプレーイオン源
JP2019176665A Active JP7018416B2 (ja) 2014-08-18 2019-09-27 インパクタスプレーイオン源

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017509769A Pending JP2017526131A (ja) 2014-08-18 2015-08-18 インパクタスプレーイオン源

Country Status (6)

Country Link
US (1) US10262851B2 (ja)
EP (1) EP3183740B1 (ja)
JP (2) JP2017526131A (ja)
CN (1) CN106663587B (ja)
GB (1) GB2533184B (ja)
WO (1) WO2016027073A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2567793B (en) * 2017-04-13 2023-03-22 Micromass Ltd A method of fragmenting and charge reducing biomolecules
CN109841485B (zh) * 2017-11-27 2020-05-08 中国科学院大连化学物理研究所 一种利用空气动力学辅助的方法提高离子传输效率的装置
GB201807914D0 (en) * 2018-05-16 2018-06-27 Micromass Ltd Impactor spray or electrospray ionisation ion source
CN110993481B (zh) * 2019-11-13 2022-11-15 上海裕达实业有限公司 基于康达效应的电喷雾电离源辅助电离装置
CN115531790A (zh) * 2022-10-08 2022-12-30 南开大学 一种剧毒紫精类化合物的降解方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000314726A (ja) 1993-12-09 2000-11-14 Hitachi Ltd 液体クロマトグラフ結合型質量分析装置
JP2000314725A (ja) 1993-12-09 2000-11-14 Hitachi Ltd 液体クロマトグラフ結合型質量分析装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1550145B1 (en) * 2002-10-10 2018-01-03 Universita' Degli Studi Di Milano Ionization source for mass spectrometry analysis
EP1855306B1 (en) * 2006-05-11 2019-11-13 ISB - Ion Source & Biotechnologies S.R.L. Ionization source and method for mass spectrometry
CA2860102A1 (en) * 2011-12-23 2013-06-27 Stevan Bajic Interfacing capillary electrophoresis to a mass spectrometer via an impactor spray ionization source
GB2507297B (en) * 2012-10-25 2017-06-21 Micromass Ltd Piezo-electric vibration on an in-source surface ionization structure to aid secondary droplet reduction
CA2886655A1 (en) * 2012-10-25 2014-05-01 Micromass Uk Limited Improved reproducibility of impact-based ionization source for low and high organic mobile phase compositions using a mesh target

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000314726A (ja) 1993-12-09 2000-11-14 Hitachi Ltd 液体クロマトグラフ結合型質量分析装置
JP2000314725A (ja) 1993-12-09 2000-11-14 Hitachi Ltd 液体クロマトグラフ結合型質量分析装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN106663587A (zh) 2017-05-10
US10262851B2 (en) 2019-04-16
GB2533184A (en) 2016-06-15
JP2017526131A (ja) 2017-09-07
EP3183740B1 (en) 2018-06-27
EP3183740A1 (en) 2017-06-28
WO2016027073A1 (en) 2016-02-25
JP2020024923A (ja) 2020-02-13
GB2533184B (en) 2019-01-16
US20170263428A1 (en) 2017-09-14
GB201514635D0 (en) 2015-09-30
CN106663587B (zh) 2019-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7018416B2 (ja) インパクタスプレーイオン源
US10991560B2 (en) Sample introduction system for spectrometers
US10679840B2 (en) Miniature ion source of fixed geometry
EP2783386B1 (en) Droplet manipulation using gas-phase standing-wave ultrasound fields in ms sources
US20150155151A1 (en) Atmospheric pressure ion source by interacting high velocity spray with a target
JP5880993B2 (ja) メッシュターゲットを使用した、低および高有機移動相組成のための衝撃ベースのイオン源の改善された再現性
US9721775B2 (en) Charging plate for enhancing multiply charged ions by laser desorption
EP1672676A2 (en) Apparatus and method for ion production enhancement
US10217622B2 (en) Ambient ionisation with an impactor spray source
US9651527B2 (en) Ring shaped counter electrode to improve beam stability and compound sensitivity on a ceramic tile type microfluidic device
US10090144B2 (en) Liquid extraction matrix assisted laser desorption ionisation ion source
US9607816B2 (en) Two-dimensional separation and imaging technique for the rapid analysis of biological samples
US9953819B2 (en) Impactor spray atmospheric pressure ion source with target paddle
US10217623B2 (en) Secondary electrospray ionization at reduced pressure
US10161750B2 (en) Ion source alignment
GB2560262A (en) Ambient ionisation with an impactor spray source

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191025

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210622

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210921

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220131

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7018416

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150