JP7018364B2 - マススペクトル処理装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明はマススペクトル処理装置及び方法に関し、特に、ポリマーを含む試料から得られたマススペクトルの処理に関する。
質量分析システムは、一般に、質量分析装置及び情報処理装置により構成される。質量分析装置はマススペクトルを測定する装置であり、情報処理装置はマススペクトル処理装置として機能する。
二次元の質量分析を行う場合、試料に対して設定された観測領域を構成する複数のピクセル(微小領域、観測点)に対して、ピクセル単位での質量分析が実行される。これにより、複数のピクセルに対応する複数のマススペクトル(マススペクトルアレイ)が取得される。マススペクトルアレイに基づいて、特定の質量(正確には、特定の質量電荷比(m/z))を有する物質の二次元分布を表す画像が生成される(特許文献1,2を参照)。その画像はマスイメージと称されており、マスイメージの生成はマスイメージングと称されている。マスイメージによれば、通常の光学画像では得られない、特定の物質の分布情報を得られる。一般には、イメージング対象となる質量を変化させながら複数のマスイメージが生成される。
質量分析対象がポリマーである場合、一般に、概形的に見て山状のマススペクトルが得られる。そのマススペクトルは、複数の重合度に対応する複数のピークからなるものである。重合度のみが異なる複数のポリマーはポリマーシリーズと称される。試料上の複数のピクセルに対応する複数のマススペクトルから、特定の重合度(特定の質量)をもったポリマーの二次元分布を示すマスイメージが生成される。複数の重合度に対応する複数のマスイメージを生成することも可能である。
なお、複数のポリマーを含む試料から得られたマススペクトルを解析する手法として、ケンドリックマスディフェクト(KMD:Kendrick Mass Defect)解析法(特許文献3を参照)が知られている。それから派生した又はそれに関連する解析法として、ケンドリックマスリメインダー(KMR:Kendrick Mass Remainder)解析法も知られている。しかし、それらの解析法により生成されたピーク点マップ(プロット)に含まれるピーク点集団をマススペクトル処理に適用する技術は未だ実現されていない。
特開2016-133339号公報 特開2017-173103号公報 特表2016-503884号公報
本発明の目的は、マススペクトルに含まれる注目ポリマーマススペクトル成分を精度良く抽出することにある。あるいは、本発明の目的は、複数のマススペクトルから注目ポリマーマススペクトル成分を効率的に抽出することにある。あるいは、本発明の目的は、試料に含まれる注目ポリマーの分布を表す画像を提供することにある。
実施形態に係るマススペクトル処理装置は、試料上の複数の位置から取得された複数のマススペクトルに基づいて、それらを代表する代表マススペクトルを生成する代表マススペクトル生成手段と、前記代表マススペクトルに含まれる複数のピークを複数のピーク点としてポリマー解析座標系にマッピングすることによりピーク点マップを生成するマップ生成手段と、前記ピーク点マップの中から選択された注目ピーク点集団に基づいて、前記各マススペクトルから注目マススペクトル成分を抽出する抽出手段と、前記複数のマススペクトルから抽出された複数の注目マススペクトル成分に基づいて、注目マススペクトル成分分布像を生成する分布像生成手段と、を含む。
上記構成によれば、ポリマー解析座標系という特別な座標系を利用して各マススペクトルに含まれる注目マススペクトル成分を抽出できるので、そのような特別な座標系を利用しない場合に比べて、注目マススペクトル成分の抽出精度を高められる。また、複数のマススペクトル間で注目ピーク点集団を共用できるので、処理効率を高められる。注目マススペクトル成分は、画像化対象とするポリマーのマススペクトルの全部又は一部に相当するものである。複数のポリマーが画像化対象とされてもよい。
ポリマーのマススペクトルは、モノマー単位の質量の間隔で並ぶ複数のピークからなる。すなわち、ポリマーのマススペクトルには規則性が認められる。上記ポリマー解析座標系は、そのような規則性を利用して、複数のポリマーに対応する複数のピーク群を空間的に分離しながら可視化するためのものである。ピーク点マップの生成に際しては、ユーザーによって必要なパラメータ(例えばモノマー単位の質量)が与えられてもよい。注目ピーク点集団は、マニュアルで選択されてもよいし、自動的に又は反自動的に選択されてもよい。マススペクトルアレイが処理対象となってもよいし、マススペクトルアレイから生成されたマスイメージアレイが処理対象となってもよい。注目マススペクトル成分分布像は、個々の注目マススペクトル成分の一部又は全部が反映された画像である。
実施形態において、前記抽出手段は、前記代表マススペクトルから生成される全ピークリストに基づいて、前記注目ピーク点集団に対応する注目ピークリストを生成する手段と、前記複数のマススペクトルに対して前記注目ピークリストを共通適用することにより前記複数の注目マススペクトル成分を抽出する手段と、を含む。この構成によれば、複数のマススペクトルに対して注目ピークリストが共通適用されるので、マススペクトル処理効率を高められる。各注目マススペクトル成分は、実施形態において、注目ポリマーのマススペクトルに相当する成分である。全ピークリストは、注目ピーク抽出前のピークリストを意味する。代表マススペクトルの全体から全ピークリストが生成されてもよいし、代表マススペクトルの一部から全ピークリストが生成されてもよい。
実施形態において、前記代表マススペクトルは、前記複数のマススペクトルの全部又は一部を積算することによって生成される積算マススペクトルである。試料の全体にわたる複数のマススペクトルに基づいて積算マススペクトルが生成されるのが望ましいが、複数のマススペクトルの中の特定のマススペクトルが代表マススペクトルとされてもよい。
実施形態において、前記ポリマー解析座標系は、ケンドリックマスディフェクト(KMD)解析法又はケンドリックマスリメインダー(KMR)解析法に従う座標系である。KMD解析法によれば、一般に、モノマー単位間隔で並ぶ複数のピーク点が直線的に並んでピーク点集団を構成する。KMR解析法によれば、一般に、マススペクトルを構成する複数のピークがある座標に多重的に集中してピーク点集団を構成する。複数のポリマーを空間的に分離できる他の座標系が利用されてもよい。
実施形態において、前記ピーク点マップを表示する手段と、前記ピーク点マップの中から前記注目ピーク点集団をユーザーにより指定するための手段と、を含む。例えば、表示画面上にピーク点マップが表示され、その表示画面上でのユーザー指定に基づいて注目ピーク点集団が特定されてもよい。
実施形態において、前記分布像生成手段は、前記各注目マススペクトル成分に基づいて当該注目マススペクトル成分の全体が反映された指標を演算する手段と、前記複数の注目マススペクトル成分に対応する複数の指標をマッピングすることにより前記注目マススペクトル成分分布像を生成する手段と、を含む。
実施形態に係るマススペクトル処理方法は、試料から取得された第1マススペクトルに基づいて、所定の座標系に複数のピーク点をマッピングすることによりピーク点マップを生成する工程と、前記ピーク点マップを表示する工程と、前記表示されたピーク点マップに含まれる注目ピーク点集団の指定を受け付ける工程と、前記注目ピーク点集団に基づいて、前記試料から取得された第2マススペクトルから注目ポリマーマススペクトル成分を抽出する工程と、前記注目ポリマーマススペクトル成分に基づいて、前記試料に含まれる注目ポリマーを表す画像を生成する工程と、を含む。
上記の第1マススペクトルは、試料から取得された複数のマススペクトルに基づいて生成される積算マススペクトルであってもよい。上記の第2マススペクトルは、上記の第1マススペクトルと同一の又は相違するマススペクトルである。上記の第2マススペクトルが、試料における複数の位置から取得された複数のマススペクトルであってもよい。
上記方法は、ハードウエアの機能として又はソフトウエアの機能として実現されうる。後者の場合には、マススペクトル処理プログラムがネットワークを介して又は可搬型記憶媒体を介して情報処理装置にインストールされる。情報処理装置が質量分析システムの一部を構成してもよい。
本発明によれば、マススペクトル中の注目ポリマーマススペクトル成分を精度良く抽出できる。あるいは、本発明によれば、複数のマススペクトルから注目ポリマーマススペクトル成分を効率的に抽出できる。あるいは、本発明によれば、試料に含まれる注目ポリマーの分布を表す画像を提供できる。
第1実施形態に係る質量分析システムを示すブロック図である。 マススペクトルアレイに基づくマスイメージの生成を示す図である。 複数のポリマーを含む混合物から得られたマススペクトルを示す図である。 マススペクトルアレイに基づく複数の分布像の生成を示す図である。 全ピークリスト及び注目ピークリストを示す図である。 ケンドリックマスディフェクト(KMD)解析法に従うピーク点マップ上でのピーク点集団の指定方法を説明するための図である。 KMD解析法に従うピークマップ上でのピーク点集団の他の指定方法を説明するための図である。 ケンドリックマスリメインダー(KMR)解析法に従うピーク点マップ上でのピーク点集団の指定方法を説明するための図である。 マススペクトル処理方法を示すフローチャートである。 追加的な処理方法を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る情報処理装置を示すブロック図である。 マスイメージアレイに基づく指標演算を説明するための図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)KMD解析法及びKMR解析法
KMD解析法は、ポリマーのマススペクトルを構成する複数のピークを可視化するための方法である。具体的には、一般に、次のような計算が実行される。
あるポリマーについて、ケンドリック質量(KM)は以下のように計算される。
KM=M×Mri/Mr …(1)
ここで、Mはポリマーの質量である。Mriはモノマー単位の整数質量であり、Mrはモノマー単位の精密質量である。それらは、通常、ユーザーにより指定される。もっとも、後者から前者を特定しうる。
上記のケンドリックマス(ケンドリック質量)(KM)の内の整数部分をNKMと表記すると、ケンドリックマスディフェクト(KMD)は以下のように定義される。
KMD=KM-NKM …(2)
ポリマーシリーズ(重合度だけが異なる複数のポリマー)Aの質量Anは、一般に、以下のように表現される。
An=Mr×n+Me+Mc …(3)
ここで、nは重合度であり、Meは末端基の質量であり、Mcはカチオン化剤の質量である。(1)式中のMに対して上記(3)式で表されたAnを代入すると、以下の(4)式が導かれる。
KMA=Mri×n+(Me+Mc)Mri/Mr …(4)
上記(4)式において、右辺第1項は整数であるから、小数部分は右辺第2項だけから生じ、それは一定値となり、重合度nには依存しなくなる。
一方、ポリマーシリーズAとはモノマー単位が同一でないポリマーシリーズBは、一般に、以下のように表現される。
Bn=Mr’×n+Me’+Mc’ …(5)
ここで、Me’は末端基の質量であり、Mc’はカチオン化剤の質量である。(1)式中のMに対して(5)式で表されたBnを代入すると、以下の(6)式が導かれる。
KMB=Mri’×Mri/Mr×n+(Me’+Mc’)Mri/Mr …(6)
上記(6)式において、右辺第1項中のMri’×Mri/Mrは整数ではないので、KMBは重合度nに従って一定の割合で徐々に増加し又は減少する。
上記KMの整数値(NKM)を横軸にとり、ケンドリックマスディフェクト(KMD)を縦軸にとり、それらの2軸で定義される座標系に対して各重合度のポリマー(マススペクトル中の各ピーク)をプロットしたものがケンドリックマスディフェクト(KMD)プロットである。そのプロットにおいて、マススペクトル中の各ピークはピーク点すなわちピークを表す表示要素によって表現される。そのプロットは、ピーク点マップ(第1のピーク点マップ)として観念される。NMDプロットにおいて、上記ポリマーシリーズAは横軸に平行に並ぶ複数のピーク点として表現され、上記ポリマーシリーズBは横軸に対して傾斜した直線上に並ぶ複数のピーク点として表現される(後に説明する図6を参照)。そのような表示態様の違いから、複数のポリマーに対応する複数のマススペクトル成分を空間的に区別することが可能である。
KMR解析法では、一般に、上記のNKMをMriで除した場合における余りがケンドリックマスリメインダー(KMR)であると定義される。上記(4)式において、右辺第1項はMriの倍数であるから、それについての余りは0となり、右辺第2項に関係する値だけが残る(それは概ね(Me+Mc)/MrをMriで除した場合に生じる余りに近い整数値となる)。KMRは重合度nには依存しない。横軸にKMRをとり、縦軸にNKMをとり、それらの二軸によって定義される座標系に対して複数のピークを複数のピーク点としてマッピングすることにより、ケンドリックマスリメインダー(KMR)プロットが生成される(後に説明する図8を参照)。そのプロットは、ピーク点マップ(第2のピーク点マップ)として観念される。KMRプロットにおいて、指定したモノマー単位を有し、且つ、末端基及びカチオン化剤の組み合わせが同一である複数のポリマーを表す複数のピーク点は、一点に集まる。KMRプロットによると、末端基及びカチオン化剤の組み合わせの違いにより、複数のポリマーを空間的に区別することが可能となる。なお、カチオン化剤が同じ場合には、末端基の違いから、複数のポリマーを空間的に区別することが可能となる。
以下に説明する実施形態は、上記のようなプロット(以下「ピーク点マップ」という。)に含まれる注目ピーク点集団を利用して、各マススペクトルに含まれる注目ポリマーマススペクトル成分を識別するものである。
(2)実施形態の詳細
図1には、第1実施形態に係る質量分析システムが示されている。質量分析システムは、大別して、質量分析装置10及び情報処理装置12により構成される。情報処理装置12はマススペクトル処理装置として機能するものである。後述するように、情報処理装置12において、マスイメージが生成され、また、分布像が生成される。実施形態において、分析対象となる試料は、合成ポリマー又は天然ポリマーである。その試料はより具体的には複数のポリマーを含む混合物である。他の試料が分析対象とされてもよい。
図1において、質量分析装置10は、試料に対して設定された観測領域を構成する複数のピクセルに対して質量分析を実行する装置である。観測領域は、試料上に設定され、あるいは、試料を包含するように設定される。個々のピクセルは微小領域であり、それは観測点に相当する。観測領域は例えば矩形の領域であり、x方向のピクセル数及びy方向のピクセル数は、例えば、それぞれ数十個又は数百個である。1ピクセルは、例えば、100μm×100μmのサイズを有する。ユーザー(測定者)により、観測領域、その分割数(ピクセルサイズ)、ピクセル単位でのレーザー照射回数(例えば数十回~数百回)、等が指定される。指定された情報に従って、質量分析装置10が動作する。
質量分析装置10は、図示の構成例において、イオン源14、質量分析部16及び検出部18を有する。それらはいずれも電気的部品及び機械的部品を含む機器である。
イオン源14は、例えば、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI:Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization)法に従うイオン源である。MALDIによれば、もっぱら1価イオンが生成される。よって、それはポリマーの分析において多用される。具体的に説明すると、試料プレート上に試料が配置され、試料に対してレーザーが照射される。レーザー照射点がピクセルに相当する。レーザー照射点から放出されたイオンが電界の作用により質量分析部16の内部へ導かれる。試料プレートの二次元走査により、試料上のレーザー照射点が二次元走査される。レーザー照射点の方を移動させるようにしてもよい。一次イオンを試料に照射し、それにより生じた二次イオンを測定する二次イオン質量分析(SIMS)法に従うイオン源が利用されてもよい。他のイオン源が利用されてもよい。
質量分析部16は、イオンが有する質量(正確には質量電荷比m/z)に応じて、質量分離を行うユニットである。例えば、飛行時間型質量分析計が利用される。他のタイプの質量分析計が利用されてもよい。検出部18はイオンを検出する検出器を有する。検出部18の出力信号はマススペクトルに相当する。ピクセル単位でのレーザー照射ごと、複数のm/zに対応する複数のイオン強度(イオン強度列)が得られる。ピクセル単位での複数のレーザー照射により得られる複数のマススペクトルが積算され、積算されたマススペクトルが生成される。積算されたマススペクトルが以下に説明する情報処理装置12での処理単位となる。積算処理が当該情報処理装置12において実施されてもよい。
情報処理装置12は、上記のようにマススペクトル処理装置として機能するものであり、それは、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)により構成される。情報処理装置12は、CPU及び記憶部を有している。記憶部に格納された動作プログラムがCPUにおいて実行され、これにより、以下に説明する複数の機能が発揮される。図1においては、それらの機能が複数のブロックとして表現されている。情報処理装置12が複数のプロセッサからなる装置として構成されてもよいし、複数の情報処理デバイスにより構成されてもよい。マススペクトル処理のためのプログラムは可搬型記憶媒体又はネットワークを介して情報処理装置12にインストールされ得る。情報処理装置12で処理される個々のデータは、ピクセル位置を表すx座標、y座標及びm/zで特定されるイオン強度データである。
マススペクトルアレイ記憶部20は、ハードディスクドライブ又は半導体メモリにより構成される。マススペクトルアレイ記憶部20には、複数のピクセルに対応する複数のマススペクトル、つまりマススペクトルアレイが記憶される。個々のマススペクトルの実体は、m/z軸上のイオン強度分布である。
マスイメージ生成部24は、二次元質量分布としてのマスイメージを生成するモジュールである。m/z軸上のチャンネル単位で複数のマスイメージが生成されてもよいし、選択された複数のm/z(又はm/z区間)に対応する複数のマスイメージが生成されてもよい。
生成されたマスイメージを表すデータが表示処理部22を介して表示器37へ送られる。表示器37の画面上には1又は複数のマスイメージが表示される。通常、マスイメージはカラー画像として表示される。個々のピクセルに対応するイオン強度が輝度又は色相によって表現される。必要に応じて、表示器37の画面上には1又は複数のマススペクトルが表示される。表示器37は、LCD、有機EL表示デバイス等によって構成される。画像データがネットワークを介して外部装置へ伝送されてもよい。質量分析と並行してマスイメージの生成及び表示が行われてもよい。
解析抽出部26は、代表マススペクトル生成手段、マップ生成手段及び抽出手段として機能するものである。すなわち、後に詳述するように、解析抽出部26は、マススペクトルアレイに基づいて積算マススペクトルを生成し、積算マススペクトルに対するピーク解析により全ピークリストを生成する。続いて、解析抽出部26は、全ピークリストに基づいてピーク点マップ(例えば上記KMDプロット、KMRプロット)を生成し、その中に含まれるいずれかのピーク点集団(注目ピーク点集団)のユーザー指定を受け付ける。解析抽出部26による解析結果つまりピーク点マップを示すデータ28が表示処理部22を介して表示器37へ送られている。表示器37にはピーク点マップが表示される。ピーク点マップにおいて、そこに含まれる注目ピーク点集団(注目ポリマーに相当するもの)が入力器38を通じてユーザーによって指定される。その指定により、注目ピーク点集団を特定する座標情報30が解析抽出部26へ与えられる。解析抽出部26は、全ピークリストの中から、指定された注目ピーク点集団に対応する複数の注目ピークを抽出し、これにより注目ピークリストを生成する。更に、解析抽出部26は、注目ピークリストに基づいて、マススペクトルアレイを構成する各マススペクトルから、注目マススペクトル成分(注目ポリマーのマススペクトル)を抽出する。個々の処理内容については後に詳しく説明する。
指標演算部32及びマッピング部34は分布像生成手段として機能する。指標演算部32は、ピクセルごとにつまりマススペクトルごとに、そこから抽出された注目マススペクトル成分に基づいて、具体的には、複数の注目ピークが有する複数のイオン強度に基づいて、指標を演算する。指標は、例えば、総イオン量Itotalである。他の指標として、数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw、多分散度PD、数平均重合度Dpn、重量平均重合度Dpw、等があげられる。それらの指標は、いずれもポリマーの性質を示すものである。それらは以下のように定義される。
Figure 0007018364000001
ここで、Miは重合度iで特定されるポリマーイオンの質量であり、niは重合度iで特定されるポリマーイオンのイオン量である。Rは繰り返し単位(モノマー)の質量である。なお、重合度iの範囲の最大値及び最小値はユーザーにより指定され、あるいは、事前に設定される。個々の指標は、マススペクトル全体についての特徴を示すものであり、つまりマススペクトル全体を反映している情報である。実施形態においては、個々のマススペクトルごとに、複数の指標(指標セット)が演算される。
マッピング部34は、複数のピクセルについて演算された複数の指標セットをマッピングして複数の分布像を生成するモジュールである。各分布像は注目モノマーの二次元分布像に相当する。後述するように、一次元分布像が生成されてもよい。複数の指標がそれぞれ異なる色相変化又は輝度変化によって表現されてもよい。各指標分布像を示すデータが表示処理部22を介して表示器37へ送られ、表示器37の画面上には複数の指標分布像が、同時に又は順次、表示される。各分布像に対するカラー処理又は輝度処理が表示処理部22において実行されてもよい。複数の指標を同時に表現した分布像が生成及び表示されてもよい。複数の分布像の合成により生成された単一の分布像が表示されてもよい。
入力器38は、キーボードやポインティングデバイス等によって構成される。入力器38を用いて、ユーザーにより、観測領域、ピクセル条件、照射回数等の測定条件が定められる。また、マッピング対象となる1又は複数の指標が選択される。更に、後に詳述するように、マススペクトル解析に際して必要となる情報、モノマー単位の質量、質量幅、等が入力される。上記のように注目ピーク点集団の指定も入力器38を用いて行われる。
図2には、上記のマスイメージ生成部において実行されるマスイメージ生成方法が示されている。観測領域40はx方向及びy方向に並んだ複数のピクセルにより構成される。換言すれば、1番目のピクセルからk番目のピクセルにより構成される。上述のように、各ピクセルはレーザー照射点つまり観測点に相当するものである。図2においては、先頭のピクセルp1、j番目のピクセルpj及び最後のピクセルpkが明示されている。複数のピクセルから得られた複数のマススペクトルによりマススペクトルアレイ42が構成される。それには、先頭のマススペクトルs1、j番目のマススペクトルsj及び最後のマススペクトルskが含まれる。個々のマススペクトルは、図示の例において、m/z軸上に離散的に並んだ複数のピークからなる。
マススペクトルアレイ42において、符号44で示すように、選択された重合度(つまり質量)に対応する複数のピーク波形(例えばq1,qj,qkを参照)についての複数のイオン強度が参照される。例えば、個々のピーク波形における面積としてイオン強度が特定される。複数のピクセルに対応する複数のイオン強度をマッピングすることにより、選択された重合度に対応するマスイメージ46が生成される。個々のイオン強度の大きさは輝度変化又は色相変化により表現される。このような処理の繰り返しにより、複数の重合度に対応する複数のマスイメージが生成される。それらはマスイメージアレイを構成する。
図3には、複数のポリマーを含む試料から得られたマススペクトルが例示されている。図示の例において、マススペクトル50は、3つのポリマーに対応する3つのマススペクトル成分52,54,56からなる。このようなマススペクトル50に基づいて、特定のポリマー(注目ポリマー)の分布を示す分布像を生成するには、マススペクトル50から特定のマススペクトル成分(注目マススペクトル成分)を抽出することが必要となる。
図4には、分布像の生成方法が示されている。マススペクトルアレイ60は、試料における複数の位置から得られた複数のマススペクトルs1~skにより構成される。指標演算に先立って、符号62で示すように、個々のマススペクトルs1~skから注目マススペクトル成分が抽出される。例えば、k番目のマススペクトルskには2つのマススペクトル成分sk1,sk2が含まれるところ、それらの内で、マススペクトル成分sk1だけが抽出される。他のマススペクトルについても同様に処理される。実施形態においては、その抽出の条件がポリマー解析座標系に従って生成されたピーク値マップに基づいて定められる。
符号64で示すように、複数のマススペクトルs1~skから抽出された複数の注目マススペクトル成分に基づいて、複数の指標セットg1~gkが生成される。例えば、j番目のマススペクトルsjから抽出された注目マススペクトル成分に基づいて、指標セットgjが生成される。個々の指標セットは、例えば、指標aから指標dまでの4つの指標により構成される。例えば、指標aから指標dは、総イオン量、数平均分子量、重量平均分子量、及び、多分散度である。複数の指標セットに基づいて、指標a~dに対応する分布像65a~65dが生成される。個々の指標分布像65a~65dは、それぞれ注目ポリマーの二次元分布を示す画像である。
図5には、解析抽出部の処理内容が概念的に示されている。最初に、複数のピクセルに対応する複数のマススペクトルの全部又は一部を積算することにより、積算マススペクトルが生成される。積算マススペクトルは複数のマススペクトルを代表する代表マススペクトルである。複数のマススペクトルの全部から積算マススペクトルが生成されてもよいし、複数のマススペクトルの中の特定のマススペクトルが代表マススペクトルとされてもよい。積算マススペクトルとして平均マススペクトルが生成されてもよい。
積算マススペクトルに対するピーク解析により全ピークリスト66が生成される。すなわち、積算マススペクトルに含まれるすべてのピークが識別され、個々のピークのm/zが特定される。それと同時に、個々のピークのイオン強度が特定されてもよい。積算マススペクトルの中から、ピーク解析を行う範囲がユーザーにより指定されてもよい。
符号67は、図6乃至図8を用いて説明するように、全ピークリスト66に基づく一連の処理を示している。その処理67には、全ピークリスト66から注目ポリマーに相当する複数の注目ピーク(注目マススペクトル成分)を抽出し、それによって注目ピークリスト68を生成する処理が含まれる。注目ピークリスト68には、複数の注目ピークを特定する情報が含まれ、具体的には、注目ピークごとのm/zが含まれている。それらのm/z及びユーザー指定される質量幅に基づいて、各ピクセルから得たマススペクトルから複数の注目ピーク(注目マススペクトル成分)が抽出される。質量幅は、ピーク探索範囲を特定するものである。各マススペクトルにおいて、注目ピークリストにおいて管理された個々のm/zを中心として質量幅を有する区間が探索範囲として特定され、その探索範囲内において注目ピークが探索される。
図6には、全ピークリストに基づいて生成されるピーク点マップ(KMDプロット)が例示されている。横軸はNKM(ケンドリックマスの整数値)を示しており、縦軸はKMD(ケンドリックマスディフェクト)を示している。ピーク点マップの生成に先立って、ユーザーにより、KMD解析で必要となるモノマー単位の質量が指定される。
図示されたピーク点マップ70は、ピーク点集団72,74を含んでいる。ピーク点集団72は、横軸に平行に並んだ複数のピーク点76によって構成されている。各ピーク点76は、あるモノマーのマススペクトルを構成する各ピークに相当するものである。ピーク点集団74は、横軸に対して傾斜した直線に沿って並んだ複数のピーク点により構成されており、それらは別のポリマーのマススペクトルを構成する複数のピークに相当するものである。
実施形態においては、表示器にピーク点マップが表示される。表示されたピーク点マップ上において、ユーザーにより、いずれかのピーク点集団が指定される。図6においては、ピーク点集団72が指定されている。その指定に際しては、画面上に表示された矩形の囲み図形78の位置及びサイズを操作して、その囲み図形78によって特定のピーク点集団72が囲まれるようにしてもよい。その場合において、囲み図形78の横幅w1及び高さh1がユーザーにより指定されてもよい。
解析抽出部において、個々のピーク点と全ピークリスト上の個々のピークとの対応関係は既知であり、指定されたピーク点集団72に基づいて、全ピークリストから注目ピークリストが抽出される。例えば、全ピークリストにおいて、個々のピーク点の座標が管理されてもよい。それを前提として、囲み図形に属する座標を有するピークが特定されてもよい。
図7には、他のピーク点マップ80が示されている。ピーク点マップ80には、ピーク点集団82,84,86が含まれる。例えば、楕円形状を有する囲み図形88によってピーク点集団84が指定されてもよい。また、大きな囲み図形90によって同時に複数のピーク点集団82,86が指定されてもよい。更に、小さな囲み図形92によってピーク点集団86の一部(それもある意味でピーク点集団である)が指定されてもよい。例えば、複数のピーク点が直線状に並ぶ性質を利用して、個々のピーク点集団が自動的に認識され、その中から自動的に又はマニュアルでいずれかのピーク点集団が選択されてもよい。なお、個々のピーク点の表示に際して、イオン強度に基づいてピーク点のサイズや色相を可変させてもよいが、個々のピーク点集団を識別し、その指定の便宜を図るためには、個々のピーク点を比較的に小さな同じ図形で表現した方がよい。
図8には、KMR解析によって生成されたピーク点マップ(KMRプロット)が例示されている。横軸はNKMを示しており、縦軸はKMRを示している。図示されたピーク点マップ94は、2つのポリマーに対応する2つのピーク点重合部(ピーク点集団)96,98を有している。個々のピーク点重合部96,98は、複数の重合度に対応した複数のピーク点からなり、それらが同じ座標上に重畳表示されている。もっとも、個々のピーク点と個々のピークとの関係は解析抽出部において個別的に管理される。例えば、矩形の囲み図形100によってピーク点重合部96が囲まれ、それが指定される。あるいは、円形の囲み図形102によってピーク点重合部98が囲まれ、それが指定される。
以上のように、ポリマーごとにピーク点を集合させる(換言すればポリマーごとにピーク点集団を分離する)機能もった座標系を利用することにより、注目ポリマーについてのマススペクトルを他のポリマーについてのマススペクトルから精度良く分離することが可能となる。そのような機能を有する座標系として上記以外の座標系が利用されてもよい。
次に、図9を用いて情報処理装置の動作について説明する。図9に示したS10~S26の内でS12~S22が図1に示した解析抽出部において実行されるものである。
S10では、試料上の複数のピクセルから複数のマススペクトルが取得される。S12では、複数のマススペクトルの全部又は一部を積算することによって、代表マススペクトルとしての積算マススペクトルが生成される。S14では、積算マススペクトルに基づいて、そこに含まれる複数のピークを特定する全ピークリストが作成される。S16では、全ピークリストに基づいて、ピーク点マップが生成される。それに先立って、KMD解析等で必要となるモノマー単位の質量(整数質量、精密質量)が指定される。その情報がプリセットされていてもよい。生成されたピーク点マップは画面上に表示される。
S18では、画面上に表示されたピーク点マップに含まれる特定の部分がユーザーにより指定される。これにより注目ポリマーに対応する注目ピーク点集団が他のピーク点集団から区別されつつ選択されることになる。S20では、注目ピーク点集団を構成する複数の注目ピーク点に基づいて、全ピークリストから複数の注目ピークが抽出され、すなわち、注目ピークリストが作成される。S22では、注目ピークリスト及び質量幅に基づいて、個々のマススペクトルから、注目マススペクトル成分としての複数の注目ピークが抽出される。その際においては、個々のマススペクトルにおいて、各注目ピークのm/zを中心とした質量幅の範囲内においてピーク探索が実行される。
S24では、複数のマススペクトルから抽出された複数の注目マススペクトル成分に基づいて、注目マススペクトル成分ごとに複数の指標(指標セット)が演算される。S26では、複数のマススペクトルについて演算された複数の指標セットに基づいて、複数の指標の二次元分布を表す複数の分布像が形成され、それらが同時に表示され又は選択的に表示される。それらの分布像はいずれも注目ポリマーの存在を示すものであり、しかも注目マススペクトル成分の全体を反映したものである。よって、個々のマスイメージを個別表示する場合に比べて、注目ポリマーの分布をより的確に認識又は分析することが可能となる。
それらの分布像の参照によって複数の注目ポリマーの局在が判明した場合、図10に示す追加的な工程が実行されてもよい。S26に続くS30では、複数の注目ポリマー局在部位に対して複数のROI(関心領域)が設定される。それらの設定は、例えば、ユーザーによって行われる。S32では、複数のROIマススペクトルが生成される。すなわち、個々のROIごとにROIに属する複数のピクセルに対応する複数のマススペクトルが積算され、これによりROIマススペクトルが生成される。それらのROIマススペクトルを画面上に表示してそれらが対比観察されてもよい。あるいは、S38において、個々のROIマススペクトルに対してKMD解析等が実行されてもよい。また、S34において、個々のROIマススペクトルの中から、既に求まっている注目ピークリストに基づいて、特定のポリマーに相当するROIマススペクトル成分が抽出され、S36においてROIごとにROIマススペクトル成分に基づいて指標セットが演算されてもよい。更には指標セットに基づいて複数の分布像が形成されてもよい。
図11には、第2実施形態に係る情報処理装置が示されている。図1に示した構成と同様の構成には同一符号を付しその説明を省略する。第2実施形態においては、マスイメージ生成部24Aにおいて、マススペクトルアレイに基づいて、複数の質量に対応する複数のマスイメージが生成される。それらはマスイメージアレイを構成するものであり、それらはマスイメージアレイ記憶部110に格納される。マスイメージアレイ記憶部110は、ハードディスクドライブ、半導体メモリ等により構成される。マスイメージアレイの実体はマススペクトルアレイである。
解析抽出部26Aは、図1に示した解析抽出部26と同様の機能を有する。すなわち、マスイメージアレイから取り出される複数のマススペクトルに対して図9に示したS12~S22までの処理を適用し、これによって複数のピクセルに対応する複数の注目マススペクトル成分を抽出する。その処理過程では、解析抽出部26Aで生成されたピーク点マップを示すデータ112が表示処理部22Aを介して表示器37へ送られ、表示器37においてピーク点マップが表示される。また、表示されたピーク点マップを通じて注目ピーク点集団がユーザー指定されると、それを特定する座標情報114が解析抽出部に与えられる。
図12には、マスイメージアレイからの複数のマススペクトルの取り出し方法が例示されている。マスイメージアレイ132は、質量軸方向に並ぶ複数のマスイメージ134により構成される。例えば、あるピクセルに着目すると、そのピクセルに対しては、質量軸方向に沿ったイオン強度列138が存在しており、それは複数のイオン強度136からなるものである。イオン強度列138がマスススペクトルに相当する。すなわち、マスイメージアレイ132から複数のピクセルに対応した複数のマススペクトルを取り出せる。
図11に戻って、指標演算部32Aは、個々のピクセルごとに抽出された注目マススペクトル成分に基づいて指標セットを演算する。マッピング部34Aは、個々の指標セットを構成する複数の指標をそれぞれマッピングすることにより複数の分布像を生成する。このように、マスイメージアレイの形成後に複数の分布像を生成することが可能である。
上記の実施形態によれば、各マススペクトル中の注目ポリマーマススペクトル成分を精度良く抽出できる。また、複数のマススペクトルから注目ポリマーマススペクトル成分を効率的に抽出できる。その上で、試料に含まれる注目ポリマーの分布を表す画像を生成してそれをユーザーに提供できる。
上記実施形態においては、積算マススペクトルに基づいてピーク値マップが生成されていたが、いずれかのマススペクトルに基づいてピーク値マップが生成され、その中から選択されたピーク値集団に基づいて、上記マススペクトル又は他のマススペクトルから、注目ポリマーマススペクトル成分が抽出されてもよい。
10 質量分析装置、12 情報処理装置(マススペクトル処理装置)、20 マススペクトルアレイ記憶部、24 マスイメージ生成部、26 解析抽出部、32 指標演算部、34 マッピング部。

Claims (8)

  1. 試料上の複数の位置から取得された複数のマススペクトルに基づいて、それらを代表する代表マススペクトルを生成する代表マススペクトル生成手段と、
    前記代表マススペクトルに含まれる複数のピークを複数のピーク点としてポリマー解析座標系にマッピングすることによりピーク点マップを生成するマップ生成手段と、
    前記ピーク点マップの中から選択された注目ピーク点集団に基づいて、前記各マススペクトルから注目マススペクトル成分を抽出する抽出手段と、
    前記複数のマススペクトルから抽出された複数の注目マススペクトル成分に基づいて、注目マススペクトル成分分布像を生成する分布像生成手段と、
    を含むことを特徴とするマススペクトル処理装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記抽出手段は、
    前記代表マススペクトルから生成される全ピークリストに基づいて、前記注目ピーク点集団に対応する注目ピークリストを生成する手段と、
    前記複数のマススペクトルに対して前記注目ピークリストを共通適用することにより前記複数の注目マススペクトル成分を抽出する手段と、
    を含むことを特徴とするマススペクトル処理装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記代表マススペクトルは、前記複数のマススペクトルの全部又は一部を積算することによって生成される積算マススペクトルである、
    ことを特徴とするマススペクトル処理装置。
  4. 請求項1記載の装置において、
    前記ポリマー解析座標系は、ケンドリックマスディフェクト解析法又はケンドリックマスリメインダー解析法に従う座標系である、
    ことを特徴とするマススペクトル処理装置。
  5. 請求項1記載の装置において、
    前記ピーク点マップを表示する手段と、
    前記ピーク点マップの中から前記注目ピーク点集団をユーザーにより指定するための手段と、
    を含むことを特徴とするマススペクトル処理装置。
  6. 請求項1記載の装置において、
    前記分布像生成手段は、
    前記注目マススペクトル成分ごとに当該注目マススペクトル成分の全体が反映された指標を演算する手段と、
    前記複数の注目マススペクトル成分に対応する複数の指標をマッピングすることにより前記注目マススペクトル成分分布像を生成する手段と、
    を含むことを特徴とするマススペクトル処理装置。
  7. 試料から取得された第1マススペクトルに基づいて、所定の座標系に複数のピーク点をマッピングすることによりピーク点マップを生成する工程と、
    前記ピーク点マップを表示する工程と、
    前記表示されたピーク点マップに含まれる注目ピーク点集団の指定を受け付ける工程と、
    前記注目ピーク点集団に基づいて、前記試料から取得された第2マススペクトルから注目ポリマーマススペクトル成分を抽出する工程と、
    前記注目ポリマーマススペクトル成分に基づいて、前記試料に含まれる注目ポリマーを表す画像を生成する工程と、
    を含むことを特徴とするマススペクトル処理方法。
  8. 情報処理装置において実行されるプログラムであって、
    試料から取得された第1マススペクトルに基づいて、所定の座標系に複数のピーク点をマッピングすることによりピーク点マップを生成する機能と、
    前記ピーク点マップを表示する機能と、
    前記表示されたピーク点マップに含まれる注目ピーク点集団の指定を受け付ける機能と、
    前記注目ピーク点集団に基づいて、前記試料から取得された第2マススペクトルから注目ポリマーマススペクトル成分を抽出する機能と、
    前記注目ポリマーマススペクトル成分に基づいて、前記試料に含まれる注目ポリマーを表す画像を生成する機能と、
    を含むことを特徴とするプログラム。
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