JP7017434B2 - 光変換導光ユニット、光源装置、及び表示装置 - Google Patents
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Description
<1> 1つの側面の側から入射する光を正面の側に導光する導光板と、
前記導光板の前記光が入射する側の前記1つの側面に、直接に前記導光板に接するように又は非気体の媒介層を介して前記導光板に接するように配された、蛍光体と封止樹脂とを含有する蛍光体層とを有し、
前記導光板において、前記1つの側面と前記正面との角部、及び前記1つの側面と前記正面とは反対側の裏面との角部の少なくともいずれかを面取りした面取り面が形成されていることを特徴とする光変換導光ユニットである。
<2> 前記蛍光体層が、前記媒介層を介して前記導光板に接し、
前記媒介層の屈折率が、前記導光板の屈折率よりも小さい、前記<1>に記載の光変換導光ユニットである。
<3> 前記媒介層の屈折率が、前記導光板の屈折率よりも、0.10以上小さい前記<2>に記載の光変換導光ユニットである。
<4> 前記媒介層の屈折率が、前記蛍光体層の屈折率よりも小さい前記<2>から<3>のいずれかに記載の光変換導光ユニットである。
<5> 前記媒介層の屈折率が、1.40以下である前記<2>から<4>のいずれかに記載の光変換導光ユニットである。
<6> 前記面取り面上に、光反射層を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の光変換導光ユニットである。
<7> 前記導光板の非面取り部の厚み(t)に対する、前記蛍光体層における前記導光板の厚み方向の長さ(L)の比(L/t)が、0.50以上0.90以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載の光変換導光ユニットである。
<8> 前記面取り面と、面取りされた前記導光板の表面とがなす面取り角θpが、下記式(A-1)を満たす前記<1>から<7>のいずれかに記載の光変換導光ユニットである。
〔数1〕
θpc≦θp≦θpc+0.111(ラジアン) ・・式(A-1)
ここで、θpcは、下記式(1)~式(3)から求められる角度を表す。
〔数2〕
n3×sin(π/2)=n2×sin(θm) ・・式(1)
n2×sin(θc)=n1×sin(π/2) ・・式(2)
θpc=θm+θc-(π/2) ・・式(3)
ここで、n1は、空気の屈折率1.00であり、n2は、前記導光板の屈折率を表し、n3は、前記導光板と接する前記蛍光体層の前記封止樹脂、又は前記媒介層の屈折率を表す。
<9> 前記導光板の非面取り部の厚み(t)に対する、前記蛍光体層における前記導光板の厚み方向の長さ(L)の比(R=L/t)が、下記式(B-1)を満たす前記<8>に記載の光変換導光ユニット。
〔数3〕
Rc’-0.03≦R≦Rc’ ・・式(B-1)
ここで、Rc’は、下記式(8)から求められる値を表す。
〔数4〕
Rc’={1-tan(θc)×tan(θp)}/{1+tan(θc)×tan(θp)} ・・式(8)
<10> 前記蛍光体が、硫化物系蛍光体である前記<1>から<9>のいずれかに記載の光変換導光ユニットである。
<11> 前記硫化物系蛍光体が、赤色硫化物蛍光体及び緑色硫化物蛍光体の少なくともいずれかを含む前記<10>に記載の光変換導光ユニットである。
<12> LED素子と、前記<1>から<11>のいずれかに記載の光変換導光ユニットとを有することを特徴とする光源装置である。
<13> 前記<12>に記載の光源装置を有することを特徴とする表示装置である。
本発明の光変換導光ユニットは、導光板と、蛍光体層とを少なくとも有し、好ましくは媒介層を有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記導光板は、1つの側面の側から入射する光を正面の側に導光する。
前記蛍光体層は、前記導光板の前記光が入射する側の前記1つの側面に、直接に前記導光板に接するように又は非気体の前記媒介層を介して前記導光板に接するように配される。
前記導光板において、前記1つの側面と前記正面との角部、及び前記1つの側面と前記正面とは反対側の裏面との角部の少なくともいずれかを面取りした面取り面が形成されている。
前記導光板は、1つの側面の側から入射する光を正面の側に導光する。
前記導光板の前記光が入射する側の前記1つの側面には、直接に前記導光板に接するように又は非気体の媒介層を介して前記導光板に接するように、前記蛍光体層が配される。
前記導光板には、前記1つの側面と前記正面との角部、及び前記1つの側面と前記正面とは反対側の裏面との角部の少なくともいずれかを面取りした面取り面が形成されている。
前記導光板の材質が前記アクリル樹脂の場合、その屈折率は、通常1.49~1.53である。
前記導光板の材質が前記ポリカーボネート樹脂の場合、その屈折率は、通常1.59である。
前記導光板の屈折率は大きいほど好ましい。前記導光板の屈折率が大きいと、その分だけ面取りを小さくでき、前記蛍光体層のサイズを大きくできる。
もし、前記蛍光体層のサイズが小さいと、光の色変換が不十分になったり(目的の色度にならなかったり)、また、ある一定量の光が小さな蛍光体層に入射させねばならなくなり、すなわち蛍光体層に入射する光の密度が大きくなり蛍光体層の局所的な発熱が多くなってしまうので、好ましくないことは容易にわかる。もちろん、ここで言う蛍光体層のサイズとは、蛍光体層における導光板の厚み方向の長さのサイズを意味することは言うまでもない。
前記導光板の面積としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記導光板の平均厚みとしては、例えば、0.2mm~3.0mmなどが挙げられる。
前記導光板の裏面(前記正面と反対面)も、基本的には光学的に平滑にすることは言うまでもない。前記導光板の裏面(前記正面と反対面)には、輝度均一化や、輝度向上のためのプリズムを設けられていてもよい。また、白色ドットを印刷等で施していてもよい。導光板の内部で導光された光のうち、プリズムや白色ドット等で反射・散乱された光は導光板の正面の方向へ進行し、正面の全面から光が出る。このことも、従来の導光板の基本機能そのものである。
導光板の端面のうちの他の3つの面は、従来の導光板に求められるように、やはり光学的に平滑であることが好ましい。導光板の前記蛍光体層側の端面以外の3つの端面には、後述する光反射層17のような光反射層により覆われていることが好ましい。
前記導光板には、前記1つの側面と前記正面との角部、及び前記1つの側面と前記正面とは反対側の裏面との角部の少なくともいずれかを面取りした面取り面が形成されている。
面取りにより形成される前記面取り面の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述するように、導光板の屈折率、及び導光板に接する媒介層又は蛍光体層の封止樹脂の屈折率を考慮して、より優れた輝度の均一性が得られるようにしてもよい。
従来公知の導光板を機械加工によって面取りする場合、光学研磨により面取り面を平滑にすることが好ましい。
あるいは、前記導光板が樹脂材料でできている場合は、その面の仕上げとして樹脂を溶解できる溶剤を噴霧し、面取り面の表面の樹脂を溶解させ、面取り面を平滑にする方法でもよい。あるいは面取り面を加熱し、樹脂を熱融解させることで面取り面の表面を平滑にする方法でもよい。
本発明においては、面取りの面は実質的に平面であればよく、例えば、非常に大きな曲率半径である曲面であってもよい。
前記蛍光体層は、蛍光体と封止樹脂とを含有する。
前記蛍光体層は、前記蛍光体がLED素子からの光を吸収し、所定の波長の光を放射する。
前記蛍光体層においては、前記蛍光体は、前記封止樹脂によって封止され担持されている。
前記蛍光体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、硫化物系蛍光体、酸化物系蛍光体、窒化物系蛍光体、フッ化物系蛍光体等を用いることができる。
前記封止樹脂としては、、LED素子から放射された光を良好に透過し、前記蛍光体を封止できるものであれば、特に制限されない。
しかし、オレフィン系重合体等の熱可塑性樹脂を蛍光体の封止材として用いる場合、シリコーン樹脂等に比べて耐熱性が低いことから、LED素子からの熱や蛍光体の波長変換時の発熱等により、蛍光体層における封止材としての樹脂が、黄変等の熱劣化や熱変形する等の不具合が生じる場合がある。
その点において、本発明の光変換導光ユニットおいては、オレフィン系重合体等の熱可塑性樹脂を蛍光体の封止材として用いも、黄変等の熱劣化や熱変形する等の不具合を防止することができる。
前記媒介層は、非気体の層であれば、前記蛍光層の熱を前記導光板に十分に伝達できる。そのため、前記媒介層としては、気体でなければよく、固体であってもよいし、液体であってもよい。
前記媒介層としては、前記導光板の屈折率よりも小さい屈折率を有することが好ましい。そうすることにより、前記媒介層と前記導光板との界面で光が屈折し、前記媒介層から前記導光板へ出射する光の出射角が小さくなる。そのため、前記導光板の面取りを小さくすることができる。導光板の面取りをすると、蛍光体層の面積(特に、蛍光体層における導光板の厚み方向の長さ)が小さくなる。そのため、導光板の面取りを小さくできると、蛍光体層の面積(特に、蛍光体層における導光板の厚み方向の長さ)を小さくする程度を少なくできる。
前記媒介層の屈折率が、前記導光板の屈折率よりも、0.10以上小さいことが好ましく、0.10以上0.40以下小さいことがより好ましく、0.15以上0.30以下小さいことが特に好ましい。
なお、当然にLEDの光を十分に透過するだけの光学的透明は求められる。
なお、前記媒介層を設ける代わりに、前記蛍光体層の封止樹脂を低屈折率なものにすることで、前記媒介層に代えることができる。
前記媒介層の厚みとは、後述する図6~図7において媒介層の左右方向の長さを指す。
予め媒介層を形成した導光板へ蛍光体層を形成するその他の方法としては、任意の溶媒へ溶解させた封止材と、その溶液へさらに蛍光体を分散させて蛍光体塗料を作り、その蛍光体塗料を媒介層へ塗工し、乾燥することを例示できる。
面取り、及び前記面取り面について、更に詳細に説明する。
面取り、及び前記面取り面の大きさは、導光板の屈折率、及び導光板に接する媒介層又は蛍光体層の封止樹脂の屈折率を考慮して、好適化することができる。そうすることにより、より優れた輝度の均一性が得られる。これは、導光板と、媒介層又は蛍光体層との界面における光の屈折に基づく。
図3は、本発明の光変換導光ユニットの一例の側面概略図である。この図は、光が入射する側を拡大した図である。図面の上側が導光板の正面である。図3では、導光板14のみを記載し、媒介層は省略している。
ここで、本発明において、前記面取り角θpとは、面取り面14aと、面取りされた導光板の表面14bとがなす角をいう。
図3は、導光板の下面または上面(正面)で光が全反射することによって、導光板14内で図の右側方向へ光が導かれることを表したものである。また、導光板の2つの端面であって図の紙面に平行な2つの端面(図の紙面の手前側の面、図の紙面の奥側の面)で光が全反射することによってでも、導光板内で図の右側方向へ光が導かれることもある。導光板内のそれら端面で、光が入射する側に近い側(蛍光体層が配置される側に近い側)の端面部分でも、全反射するように面取り部を設けることが、より好ましい。導光板の端面での面取り部については、導光板の下面及び上面(正面)に設ける面取り部と同様にして考えることができる。以下の説明では、導光板の下面及び上面(正面)に設ける面取り部についてを説明する。
光は、図3においてその図の面内を右方向に進行するものとする。図の2次元面においてのみ光の挙動を考えれば、導光板内での光の全反射の条件は充分に考察できる。なお、実際は、光の進行は3次元であり、図の2次元面(紙面)から外れて進行する光は、導光板への入射角度が、図の2次元面内で進行する光の入射角度よりも必ず大きくなるため、上記のように図3の面内の2次元面で考えればよいのである。
n3×sin(π/2)=n2×sin(θm) ・・式(1)
ここで、θmは、媒介層と導光板の界面、すなわち媒介層面の法線方向を基準とした、導光板への出射角の最大値を表す。n2は、導光板の屈折率を表す。n3は、導光板と接する媒介層の屈折率を表す。他の態様では、n3は、導光板と接する蛍光体層の封止樹脂の屈折率である。
一方、導光板と空気との界面の任意の点において、導光板での臨界角θcは、空気の屈折率をn1とすると、次式(2)となる。
n2×sin(θc)=n1×sin(π/2) ・・式(2)
θpc=θm+θc-(π/2) ・・式(3)
ここで、ΦQは、線分Qへ入射する任意の光のうち、全反射する光の入射角の最小値をあらわす。
そして、面取りの範囲サイズ、すなわち面取りの位置である点Aと、導光板の端面OCとの距離Xは、面取り角度θpがちょうど全反射になるための面取り角θpcの場合で、さらに点Oからの光が点Aでちょうど全反射になる場合は、Xcで表すことにすると、次式(4)で表される。前記距離Xは、面取りにより除去された前記導光板の面取り部14cにおける前記導光板の前記一つの側面に直交する方向の長さである。なお、図3中、面取り部14cは、破線で囲まれた三角形の領域である。
Xc=t×tan(θc)/{1+tan(θc)×tan(θpc)} ・・式(4)
Zc=tan(θc)/{1+tan(θc)×tan(θpc) ・・式(5)
Rc={1-tan(θc)×tan(θpc)}/{1+tan(θc)×tan(θpc)} ・・式(6)
Lc=t×{1-tan(θc)×tan(θpc)}/{1+tan(θc)×tan(θpc)} ・・式(7)
θpc≦θp≦θpc+0.111 (ラジアン) ・・式(A-1)
θpc+0.0556≦θp≦θpc+0.111 (ラジアン) ・・式(A-2)
ここで、θp=θpc+0.111であれば、面取り部における光の全反射の状態が、従来の典型的な導光板において、導光板内で光が全反射して導光されるときの状態と同様となる。従来の典型的な導光板とは、屈折率が1.5であり、形状が矩形、すなわち直方体である。つまり、光が入射する端面と、下面および上面とが、垂直(π/2)になっている。
Rc’-0.03≦R≦Rc’ ・・式(B-1)
Rc’-0.03≦R≦Rc’-0.015 ・・式(B-2)
ここで、Rc’は、下記式(8)から求められる値を表す。
Rc’={1-tan(θc)×tan(θp)}/{1+tan(θc)×tan(θp)} ・・式(8)
ここで、θpは、先に決めた角度であって、すなわち、下記式(1)~式(3)から求められ、そして式(A-1)を満たす角度を表す。
n3×sin(π/2)=n2×sin(θm) ・・式(1)
n2×sin(θc)=n1×sin(π/2) ・・式(2)
θpc=θm+θc-(π/2) ・・式(3)
θpc≦θp≦θpc+0.111 (ラジアン) ・・式(A-1)
なお、θpを前記式(A-1)の範囲で変えて、そしてRを前記式(B-1)の範囲で変えて、数値計算した所、RはおおむねRc~Rc-0.191の範囲となることがわかった。
Z=tan(ΦP)/{1+tan(ΦP)×tan(θp)} ・・式(9)
但し、ΦPは、次式(10)を満たすものである。
R={1-tan(ΦP)×tan(θp)}/{1+tan(ΦP)×tan(θp)} ・・式(10)
θp及びRの決め方によって、ZはZcよりも大きくなったり、小さくなったりする。θpを前記式(A-1)の範囲で変えて、そしてRを前記式(B-1)の範囲で変えて、数値計算した所、Zは、おおむねZc±0.1の範囲となることがわかった。
面取りの範囲サイズXについても、導光板の厚さtに対する面取りの範囲サイズXの割合Zと同様である。すなわち、Xは下記式(11)によって求められる。
X=t×tan(ΦP)/{1+tan(ΦP)×tan(θp)} ・・式(11)
前記比(L/t)を、1.00に近づけようとすると、導光板の屈折率と、それに接する媒介層又は蛍光体層の屈折率との差を大きくする必要があり、導光板等の材料の選択性が狭くなる。
他方、前記比(R=L/t)を小さくすると、導光板等の材料の選択性は広がる。しかし、蛍光体層が小さくなる結果、導光板へ入射する光が少なくなることがある。または、導光板の厚さが厚くなり、そして面取りの範囲サイズも大きくなる結果、バックライトユニットが大型化してしまうことがある。
面取りの範囲サイズはより小さい方がバックライトユニットのより小型化になることは言うまでもない。すでに述べたような考え方の要件内で、適宜小さくすることが好ましい。
図4は、本発明の光変換導光ユニットの一例の側面概略図である。この図は、光が入射する側を拡大した図である。図面の上側が導光板の正面である。
図4の光変換導光ユニットは、導光板14と、導光板14の光が入射する側の側面に直接に接するように配された蛍光体層13とを有する。導光板14において、前記側面と正面との角部、及び前記側面と前記正面とは反対側の裏面との角部は面取りされ、面取り面14aが形成されている。
図5の光変換導光ユニットは、導光板14と、導光板14の光が入射する側の側面に直接に接するように配された蛍光体層13とを有する。導光板14において、前記側面と正面との角部は面取りされ、面取り面14aが形成されている。
蛍光体層13の側の導光板の端面は、導光板の片面(図5では下面)に対して適切に傾ける必要がある。導光板の両面を面取りする場合の角度に相当する角度だけ傾けるのである。導光板の面取りした面の面取りの角度は、導光板の両面を面取りする場合の角度の2倍に相当する角度にする。こうすることで面取り部を導光板の片面だけにすることができる。
図6の光変換導光ユニットは、蛍光体層13と、導光板14と、媒介層16とを有する。導光板14の光が入射する側の側面に、媒介層16を介して蛍光体層13が配されている。導光板14において、前記側面と正面との角部、及び前記側面と前記正面とは反対側の裏面との角部は面取りされ、面取り面14aが形成されている。
前述のとおり、媒介層16を配することにより、面取り面14aの面取り角を小さくでき、蛍光体層13の幅を広くすることができる。
図7の光変換導光ユニットは、蛍光体層13と、導光板14と、媒介層16とを有する。導光板14の光が入射する側の側面に、媒介層16を介して蛍光体層13が配されている。導光板14において、前記側面と正面との角部、及び前記側面と前記正面とは反対側の裏面との角部は面取りされ、面取り面14aが形成されている。
前述のとおり、媒介層16を配することにより、面取り面14aの面取り角を小さくでき、蛍光体層13の幅を広くすることができる。
また、面取り面14aは、光反射層17により覆われている。そうすることにより、面取り面14aから導光板14に光が入射することを防ぐことができる。なお、面取り面14aから導光板14に入射した光は、導光板内で必ずしも全反射にならない。そのため、光反射層17を設けることにより、導光板面内の輝度の均一性がより優れる。
また、光反射層17で反射された光は、LED素子と蛍光体層13との間の空間部分や内壁で反射され、多少は損失するが、多くの光は蛍光体層へ再入射することとなり、輝度がより高くなることにつながる。
さらに、光反射層17と面取り面14aとは一体化していないことが必要である。つまり、それらの間には空間、すなわち、空気層が存在することが必要である。あるいは、屈折率がごく小さい物質が充填されていてもよい。屈折率がごく小さいとは、概して1.1以下であり、固体や液体ではそのように小さな屈折率の物質は無いと言える。よって、気体はそのように小さな屈折率であるので、簡易的には空気である。もちろん、アルゴンなどの気体を充填するようにしてもよい。
光反射層17は、少なくても片面(面取り部の反対側の面)だけが光反射すればよい。もう片面(面取り部の側の面)は、光を反射してもよいし、光を吸収してもよい。
本発明の光源装置は、本発明の光変換導光ユニットを少なくとも有し、更に必要に応じて、LED素子などのその他の部材を有する。
LED素子12と、光変換導光ユニットとは、保持部材19により一体化されている。
また、図8の光源装置には、LED素子12からの光が面取り面14aから導光板14に入射することを防ぐ、光反射部材18が設けられている。光反射部材18は、保持部材19と、蛍光体層13との間に配されている。
光反射部材18の材質としては、光を反射するものであればよく、例えば、光反射層17の説明で例示した材質などが挙げられる。
また、保持部材11及び保持部材19は、例えば、光反射性を有している。そうすることにより、LED素子12からの光を外部に漏らさず、効率よく、蛍光体層13に入射させることができる。
LED素子12と、光変換導光ユニットとは、保持部材19により一体化されている。
また、保持部材11及び保持部材19は、光反射性を有している。そうすることにより、LED素子12からの光を外部に漏らさず、効率よく、蛍光体層13に入射させることができる。
保持部材11及び保持部材19の材質としては、光を反射するものであればよく、例えば、光反射層17の説明で例示した材質などが挙げられる。
さらに、図8で示したような光反射部材18も設けると、より好ましい。
本発明の表示装置は、本発明の前記光源装置を少なくとも有し、更に必要に応じて、液晶ディスプレイパネルなどを有する。
<蛍光体層の作製>
蛍光体としては、ユウロピウム賦活ストロンチウムチオガレート(SrGa2S3:Eu、SGS)及びユウロピウム賦活硫化カルシウム(CaS:Eu、CS)を用いた。正珪酸四エチル(TEOS)を用いて、ゾルゲル反応によって、これら蛍光体の粒子の表面をSiO2によって被覆した。
また、封止樹脂としては、熱可塑性樹脂であるシクロオレフィン共重合体(ポリプラスチック社製、型番:TOPAS 6013)を用いた。屈折率は1.53である。
蛍光体層は、上記蛍光体及び封止樹脂を用いて以下のように作製した。即ちまず、二軸混練機を用いて、混練温度240℃にて、シクロオレフィン共重合体樹脂に蛍光体SGS及び蛍光体CSを熱溶融混練してペレットにした(以下、「蛍光体ペレット」と称する)。その際、SGSが5質量%、CSが5質量%となるようにした。
次いで、蛍光体ペレットを単軸押出し機にて熱溶融し、Tダイを用いて押出成形し、幅約200mm、厚さ200μm程度、長さ数10mのシートを得た。このシートを機械加工して、蛍光体層を得た。
この蛍光体シート(蛍光体層)を、必要に応じ切断して用いた。
<導光板(面取り前)の作製>
市販の樹脂板(A4サイズ大)を必要なに切断して用いた。樹脂板の表面及び裏面は光沢があり、つまり光学的に平滑である。材質は、アクリル(屈折率1.50)あるいはポリカーボネート(屈折率1.59)である。機械加工によって切断した端面は荒れているので、サンドペーパーを用いて平滑化し、更に研磨剤を用いて研磨して光沢面にした。
導光板の裏面には、白色塗料でいわゆるドットを印刷した。このドットは従来の導光板で使うように設計した(すなわちホワイトLEDで使うように設計した)ドットパターンとした。ホワイトLEDの光の放出の角度分布と、B-LEDと蛍光体層とによる光の放出の角度分布とが異なるので、それぞれで必要なドットパターンが異なる。本来ならば、本発明の光変換導光ユニットによるバックライトの輝度分布を測定し、その輝度がより均一になるようにドットパターンを変更することが好ましいが、今回の評価ではそれ(設計見直し)は省略した。
<光変換導光ユニットの作製>
導光板の材質はアクリルとした。
媒介層として屈折率が1.20の材料を選んだ。屈折率が1.20の材料として、日本化成製低屈折率コーティング材「メソプラス」(商品名)を用いた。
面取り角が面取り部で全反射に必要なθpcとなるように、そして導光板の厚さに対する蛍光体層のサイズの割合が導光板の下面/上面(正面)で全反射に必要なRcとなるように、導光板の面取り範囲のサイズ(X)、面取り角(θp)、導光板の厚さに対する蛍光体層のサイズの割合、蛍光体層サイズ(L)を求めた。それらの値を下記の表1に示す。計算は有効数字3桁にて行った。
導光板の、LED側の表面及び裏面について、面取り範囲のサイズ及び面取り角度にて、その両面を面取りした。面取り面はサンドペーパーを用いて平滑化し、更に研磨剤を用いて研磨して光沢面にした。
導光板の、LED側の端面に前記コーティング材を塗布して、媒介層を設けた。蛍光体層を必要な大きさに切断し、屈折率が1.53の粘着剤を用いて、導光板の、LED側の端面に貼り付けた。このようにして、光変換導光ユニットを作製した。
この光変換導光ユニットと、B-LEDと、市販の反射シート(東レ製、商品名ルミラー、型番E60)とを用い、図9で示したような配置で、バックライトユニットを作製した。
媒介層として屈折率が1.30の材料を選択した以外は、実施例1と同様にして、バックライトユニットを作製した。
屈折率が1.30の材料としては、日本化成製低屈折率コーティング材「メソプラス」(商品名)がある。
媒介層として屈折率が1.34の材料を選択した以外は、実施例1と同様にして、バックライトユニットを作製した。
屈折率が1.34の材料としては、アモルファスフッ素樹脂の旭硝子製「サイトップ」(商品名)がある。
媒介層として屈折率が1.38の材料を選択した以外は、実施例1と同様にして、バックライトユニットを作製した。
屈折率が1.38の材料としては、フッ化マグネシウムがある。導光板の、LED側の端面に、フッ化マグネシウムをスパッタリングにて形成した。
媒介層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして、バックライトユニットを作製した。
導光板の材質をポリカーボネートとした以外は、実施例4と同様にして、バックライトユニットを作製した。
導光板の材質をポリカーボネートとした以外は、実施例5と同様にして、バックライトユニットを作製した。
面取りを行わなかった以外は、実施例1と同様にして、バックライトユニットを作製した。
比較例1において、媒介層を設けず、替わりに、蛍光体層と導光板との間に空気層を設けた以外は、比較例1と同様にして、バックライトユニットを作製した。
LED素子を電力1W(20mA)で点灯し、カメラ輝度・色度計(Radientimaging社製:PROMETRIC)を用いて、画面の輝度を測定し、輝度画像を得た。また、画面の上下方向の中央にて、画面の左右方向の輝度分布を得た。得られた輝度分布を図10示す。図10において、横軸は、端部からの距離(mm)、縦軸は輝度を表す。
比較例1は、、LED素子側の画面の端面近傍領域の輝度がとても高かったのに対して、LED素子の反対側の端面近傍領域の輝度は低く、輝度の均一性は低かった。
それに対して、実施例及び比較例2は、輝度の均一性が高かった。
なお、実施例1~7のバックライトユニットは、図10の実施例及び比較例2と同程度に、輝度の均一性が高かった。
各バックライトユニットについて、LED素子を点灯し、その後、蛍光体層の励起光が照射された部分における変形等の有無を目視で評価した。その際、発光素子は、電力6.5Wの条件で行った。
このように、比較例2は信頼性が乏しく、実施例1~7、及び比較例1については高い信頼性を示した。
実施例1~7については、高い輝度の均一性、並びに弱条件及び強条件での高い信頼性を有していた。
これに対して、比較例1については、信頼性は高かったものの、輝度の均一性が低かった。また、比較例2については、輝度の均一性は高かったものの、信頼性については低かった。
12 LED素子
13 蛍光体層
14 導光板
14a 面取り面
14b 表面
14c 面取り部
15 カバー部材
16 媒介層
17 光反射層
18 光反射部材
19 保持部材
100 光源装置
200 光源装置
300 光源装置
Claims (12)
- 1つの側面の側から入射する光を正面の側に導光する導光板と、
前記導光板の前記光が入射する側の前記1つの側面に、非気体の媒介層を介して前記導光板に接するように配された、蛍光体と封止樹脂とを含有する蛍光体層とを有し、
前記導光板において、前記1つの側面と前記正面との角部、及び前記1つの側面と前記正面とは反対側の裏面との角部の少なくともいずれかを面取りした面取り面が形成され、
前記媒介層の屈折率が、前記導光板の屈折率よりも小さく、
前記媒介層の屈折率が、前記蛍光体層の屈折率よりも小さいことを特徴とする光変換導光ユニット。 - 1つの側面の側から入射する光を正面の側に導光する導光板と、
前記導光板の前記光が入射する側の前記1つの側面に、直接に前記導光板に接するように配された、蛍光体と封止樹脂とを含有する蛍光体層とを有し、
前記導光板において、前記1つの側面と前記正面との角部、及び前記1つの側面と前記正面とは反対側の裏面との角部の少なくともいずれかを面取りした面取り面が形成され、
前記面取り面と、面取りされた前記導光板の表面とがなす面取り角θpが、下記式(A-1)を満たすことを特徴とする光変換導光ユニット。
〔数1〕
θpc≦θp≦θpc+0.111(ラジアン) ・・式(A-1)
ここで、θpcは、下記式(1)~式(3)から求められる角度を表す。
〔数2〕
n3×sin(π/2)=n2×sin(θm) ・・式(1)
n2×sin(θc)=n1×sin(π/2) ・・式(2)
θpc=θm+θc-(π/2) ・・式(3)
ここで、n1は、空気の屈折率1.00であり、n2は、前記導光板の屈折率を表し、n3は、前記導光板と接する前記蛍光体層の前記封止樹脂の屈折率を表す。 - 前記媒介層の屈折率が、前記導光板の屈折率よりも、0.10以上小さい請求項1に記載の光変換導光ユニット。
- 前記媒介層の屈折率が、1.40以下である請求項1又は3に記載の光変換導光ユニット。
- 前記面取り面上に、光反射層を有する請求項1から4のいずれかに記載の光変換導光ユニット。
- 前記導光板の非面取り部の厚み(t)に対する、前記蛍光体層における前記導光板の厚み方向の長さ(L)の比(L/t)が、0.50以上0.90以下である請求項1から5のいずれかに記載の光変換導光ユニット。
- 前記面取り面と、面取りされた前記導光板の表面とがなす面取り角θpが、下記式(A-1)を満たす請求項1又は3から6のいずれかに記載の光変換導光ユニット。
〔数1〕
θp c ≦θp≦θp c +0.111(ラジアン) ・・式(A-1)
ここで、θp c は、下記式(1)~式(3)から求められる角度を表す。
〔数2〕
n 3 ×sin(π/2)=n 2 ×sin(θm) ・・式(1)
n 2 ×sin(θc)=n 1 ×sin(π/2) ・・式(2)
θp c =θm+θc-(π/2) ・・式(3)
ここで、n 1 は、空気の屈折率1.00であり、n 2 は、前記導光板の屈折率を表し、n 3 は、前記導光板と接する前記蛍光体層の前記封止樹脂、又は前記媒介層の屈折率を表す。 - 前記導光板の非面取り部の厚み(t)に対する、前記蛍光体層における前記導光板の厚み方向の長さ(L)の比(R=L/t)が、下記式(B-1)を満たす請求項2又は7に記載の光変換導光ユニット。
〔数3〕
Rc’-0.03≦R≦Rc’ ・・式(B-1)
ここで、Rc’は、下記式(8)から求められる値を表す。
〔数4〕
Rc’={1-tan(θc)×tan(θp)}/{1+tan(θc)×tan(θp)} ・・式(8) - 前記蛍光体が、硫化物系蛍光体である請求項1から8のいずれかに記載の光変換導光ユニット。
- 前記硫化物系蛍光体が、赤色硫化物蛍光体及び緑色硫化物蛍光体の少なくともいずれかを含む請求項9に記載の光変換導光ユニット。
- LED素子と、請求項1から10のいずれかに記載の光変換導光ユニットとを有することを特徴とする光源装置。
- 請求項11に記載の光源装置を有することを特徴とする表示装置。
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JP2018031802A JP7017434B2 (ja) | 2018-02-26 | 2018-02-26 | 光変換導光ユニット、光源装置、及び表示装置 |
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- 2018-02-26 JP JP2018031802A patent/JP7017434B2/ja active Active
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