JP7017139B2 - 通電制御装置及び電源システム - Google Patents

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Description

この明細書における開示は、通電制御装置及び電源システムに関する。
特許文献1には、通電制御装置が開示されている。通電制御装置は、第1の蓄電装置が接続される端子(以下、第1端子と示す)と、第2の蓄電装置が接続される端子(以下、第2端子と示す)と、負荷が接続される端子(以下、第3端子と示す)を備えている。通電制御装置は、第1端子と第3端子とをつなぐ電流の主経路に設けられたスイッチと、第3端子と第2端子とをつなぐ電流の主経路に設けられたスイッチを備えている。スイッチは、端子間の導通及び遮断を切り替える。
特開2017-185881号公報
従来技術の構成では、蓄電装置側の地絡を検出するために、地絡情報検出部をさらに備えている。地絡情報検出部は、主経路に設けられたスイッチとは別のスイッチを含んでいる。従来技術の構成では、負荷側に生じた異常、たとえば地絡を検出することができない。
開示されるひとつの目的は、端子外のいずれに異常が生じた場合でも、遮断することができる通電制御装置を提供することにある。
ここに開示された通電制御装置は、
外部と接続される3つ以上の端子(121、122、123)と、
異なる端子間をつなぐ電流の主経路(130)に設けられ、端子間の導通及び遮断を切り替えるスイッチ(SW100、SW101、SW102)と、
複数のスイッチのそれぞれに流れる電流を検出し、異常にともなう過電流が流れているか否かを判定する判定部(152)と、
少なくとも一部のスイッチに流れる電流が過電流である場合に、過電流が流れる向きに基づいて、異常の部位にもっとも近い端子に接続されたスイッチをオフ状態に切り替える制御部(151、153)と、
を備え
端子として、第1電源側のラインに接続される第1端子(121)と、第1電源とは別の第2電源側のラインに接続される第2端子(122)と、負荷が接続される少なくともひとつの第3端子(123)と、を有し、
複数のスイッチは、第1端子と第2端子との間に設けられた主経路において、直列に接続され、
第3端子は、主経路において隣り合うスイッチの間に接続されており、
制御部は、連続する2つ以上のスイッチについて過電流の向きが同じ場合に、最下流のスイッチをオフ状態に切り替える。
ここに開示された通電制御装置によると、判定部により、過電流を判定することができる。制御部は、過電流が流れる向きに基づいて、異常の部位にもっとも近い端子に接続されたスイッチをオフさせる。これにより、いずれの端子外で異常が生じても、遮断することができる。
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、及び効果は、後続の詳細な説明、及び添付の図面を参照することによってより明確になる。
第1実施形態に係る通電制御装置を備えた電源システムの概略構成を示す図である。 通電制御装置を示す図である。 コントローラが実行する処理を示すフローチャートである。 タイミングチャートである。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 第2実施形態に係る通電制御装置を備えた電源システムの概略構成を示す図である。 通電制御装置を示す図である。 コントローラが備える真理値表である。 コントローラが実行する処理を示すフローチャートである。 各スイッチにおける過電流の向きと強制遮断されるスイッチとの関係を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 第3実施形態に係る通電制御装置を備えた電源システムの概略構成を示す図である。 端子電圧と、過電流閾値、監視時間との関係を示す図である。 コントローラが実行する処理を示すフローチャートである。 タイミングチャートである。 変形例を示す図である。 各スイッチにおける過電流の向きと強制遮断されるスイッチとの関係を示す図である。 第4実施形態に係る電源システムに適用される通電制御装置の真理値表である。 コントローラが実行する処理を示すフローチャートである。 各スイッチにおける過電流の向きと強制遮断されるスイッチとの関係を示す図である。 変形例を示す図である。 その他の変形例を示す図である。 その他の変形例を示す図である。 その他の変形例を示す図である。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
本実施形態の通電制御装置は、電源システムに適用される。以下では、電源システムとして、車両に搭載される冗長電源システムの例を示す。また、「導通」とは、電気的に接続された状態を示す。「通電」とは、電流が流れている状態を示す。
<電源システム>
図1に基づき、電源システムの概略構成について説明する。図1に示すように、電源システム10は、電源11、12と、通電制御装置13を備えている。電源システム10は、車両に搭載された各種機器に電力を供給する。
電源11、12は、充放電可能とされた直流電圧源である。電源11、12としては、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの二次電池や、キャパシタを採用することができる。本実施形態の電源11は、鉛蓄電池である。電源12は、リチウムイオン電池である。電源11、12の定格電圧は、たとえば12Vである。
電源11の正極には、バス14aが接続されている。電源12の正極には、バス14bが接続されている。バス14a、14bは、通電ライン、電源ラインとも称される。バス14aは、第1電力系統のバスであり、バス14bは第2電力系統のバスである。通電制御装置13は、バス14a、14b間に配置されている。通電制御装置13は、バス14a、14bの電気的な接続状態を制御する。
バス14aには、発電機15と、負荷16a、17が接続されている。バス14bには、負荷16bが接続されている。発電機15及び負荷16a、17は、電源11に対して並列に接続されている。負荷16bは、電源12に対して並列に接続されている。バス14a、14bが導通された状態において、電源11、12、発電機15、及び負荷16a、16b、17は、並列に接続される。発電機15により発電された電力は、電源11、12及び負荷16a、16b、17へ供給可能である。また、電源11、12の少なくとも一方から、負荷16a、16b、17への電力の供給が可能である。
エンジンを走行駆動源とする車両において、発電機15は、たとえばオルタネータやISGである。発電機15は、電源11、12や負荷16a、16b、17への直流電力の供給源である。本実施形態において、電源11及び発電機15が第1電源に相当し、電源12が第2電源に相当する。なお、DCDCコンバータを上記供給源とみなすこともできる。DCDCコンバータは、図示しない高圧バッテリ(たとえば48Vバッテリ)から供給される直流電圧を、電源11、12に供給可能な低電圧に変換して出力する。バス14aに接続されたDCDCコンバータを備える場合、DCDCコンバータも第1電源に相当する。
負荷16a、16bは、車両の安全上、電源失陥時に動作継続する必要がある冗長機器である。負荷16a、16bは、電源失陥が許容されない負荷である。負荷16a、16bは、FOP(Fail Operational)対象負荷である。負荷16a、16bは、安定した電圧の供給を要求する負荷である。安定した電圧とは、所望の動作を継続するための動作保証電圧範囲内の電圧である。
負荷16a、16bは、たとえば冗長化された電動パワーステアリング装置のように、ひとつのコンポーネントにおいて冗長に設けられている。冗長化された電動パワーステアリング装置において、操舵力をアシストするモータは、たとえば2系統の巻線を備えている。負荷16a、16bは、同等機能を異なる形式の機器で実現する組み合わせでもよい。たとえば、車両前方監視を目的としたカメラ及びLIDARのうち、カメラを負荷16aとし、LIDARを負荷16bとしてもよい。
負荷16a、16bは、電源システム10に対して冗長に設けられている。上記したように、電源11側のバス14aに負荷16aが接続され、電源12側のバス14bに負荷16bが接続されている。負荷16a、16bの間に、通電制御装置13が配置されている。第1電力系統の異常時には、電源12から負荷16bへの電力供給を継続し、これにより所望の機能を確保することができる。第2電力系統の異常時には、電源11から負荷16aへの電力供給を継続し、これにより所望の機能を確保することができる。
負荷17は、一般負荷である、負荷17は、FOP非対象負荷(Non-FOP)である。負荷17は、電源失陥時に最悪動作停止しても、車両の安全に対して影響が小さい機器である。負荷17は、電源失陥が許容される負荷である。負荷17として、たとえばパワーウインドウに用いられるモータ、ラジエータファンに用いられるモータなどがある。
なお、バス14aに接続される負荷は、2つの負荷16a、17に限定されない。それ以外の一般負荷、冗長負荷が接続されてもよい。バス14bに接続される負荷は、負荷16bに限定されない。それ以外の一般負荷、冗長負荷が接続されてもよい。冗長負荷の場合、一方をバス14a側、他方をバス14b側に設けるとよい。
<通電制御装置>
図1及び図2に基づき、通電制御装置13について説明する。通電制御装置13は、外部接続用の端子である第1端子21及び第2端子22と、複数のスイッチSWと、コントローラ50を備えている。以下では、第1端子21及び第2端子22を、端子21、22と称することがある。
第1端子21は、第1電源側(電源11側)のバス14aに接続される。第2端子22は、第2電源側(電源12側)のバス14bに接続される。複数のスイッチSWは、端子21、22間において並列に設けられている。スイッチSWは、複数の経路30のそれぞれに設けられている。
本実施形態では、スイッチSWとして2つのスイッチSW1、SW2を備え、経路30として2つの経路31、32を備えている。経路31、32は、端子21、22の間で並列に設けられている。スイッチSW1は経路31に設けられ、スイッチSW2は経路32に設けられている。
スイッチSWは、端子21、22間の導通及び遮断を切り替える。スイッチSWは、対応する経路30を導通状態又は遮断状態に切り替える。スイッチSWのそれぞれは、2つのMOSFET40により構成されている。
スイッチSW1は、nチャネル型のMOSFET41a、41bが直列に接続されてなる。MOSFET41a、41bは、ノーマリオフ型の半導体素子である。MOSFET41a、41bは、寄生ダイオードが互いに逆向きとなるように配置されている。寄生ダイオードは、アノード同士が接続されている。MOSFET41a、41bは、ソース同士が接続されたソースコモン型の接続形態をなしている。MOSFET41aのドレインが第1端子21と電気的に接続され、MOSFET41bのドレインが第2端子22と電気的に接続されている。
スイッチSW2は、スイッチSW1同様の構成をなしている。スイッチSW2は、nチャネル型のMOSFET42a、42bが直列に接続されてなる。MOSFET42a、42bは、寄生ダイオードが互いに逆向きとなるように配置されている。寄生ダイオードは、アノード同士が接続されている。MOSFET42a、42bは、ソースコモン型の接続構造をなしている。
スイッチSW(SW1、SW2)の構成は、上記例に限定されない。たとえばドレイン同士が互いに接続されたドレインコモンの接続形態を採用することもできる。この場合も、寄生ダイオードは互いに逆向きとなる。寄生ダイオードは、カソード同士が接続される。
寄生ダイオードを逆向きに配置しているため、たとえばMOSFET41a、41bの両方のオフさせることで、電流が流れることを防ぐことができる。MOSFET42a、42bについても同様である。
なお、寄生ダイオードを有する半導体素子に代えて、寄生ダイオードを有さない半導体素子、たとえばIGBTやノーマリオン型の素子を採用してもよい。この場合、ひとつのスイッチSWを、ひとつの半導体素子により構成することができる。
コントローラ50は、複数のスイッチSWの駆動を制御する。コントローラ50は、MOSFET40それぞれの駆動を制御する。コントローラ50は、スイッチSWにオン故障が生じているか否かを判定する。コントローラ50は、電子制御装置(ECU)とも称される。コントローラ50には、たとえば端子21、22を介して電力が供給され、動作する。
コントローラ50は、少なくともひとつのコンピュータを含む制御システムによって提供される。制御システムは、ハードウェアである少なくともひとつのプロセッサ(ハードウェアプロセッサ)を含む。ハードウェアプロセッサは、下記(i)、(ii)、又は(iii)により提供することができる。
(i)ハードウェアプロセッサは、ハードウェア論理回路である場合がある。この場合、コンピュータは、プログラムされた多数の論理ユニット(ゲート回路)を含むデジタル回路によって提供される。デジタル回路は、プログラム及び/又はデータを格納したメモリを備える場合がある。コンピュータは、アナログ回路によって提供される場合がある。コンピュータは、デジタル回路とアナログ回路との組み合わせによって提供される場合がある。
(ii)ハードウェアプロセッサは、少なくともひとつのメモリに格納されたプログラムを実行する少なくともひとつのプロセッサコアである場合がある。この場合、コンピュータは、少なくともひとつのメモリと、少なくともひとつのプロセッサコアとによって提供される。プロセッサコアは、たとえばCPUと称される。メモリは、記憶媒体とも称される。メモリは、プロセッサによって読み取り可能な「プログラム及び/又はデータ」を非一時的に格納する非遷移的かつ実体的な記憶媒体である。
(iii)ハードウェアプロセッサは、上記(i)と上記(ii)との組み合わせである場合がある。(i)と(ii)とは、異なるチップの上、又は共通のチップの上に配置される。
すなわち、コントローラ50が提供する手段及び/又は機能は、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又はそれらの組み合わせにより提供することができる。本実施形態では、ASICを用いて実現されている。
コントローラ50には、通電制御装置13外に設けられたECU5が接続される。コントローラ50とECU5とは、車載ネットワークのバスを介して相互に通信可能となっている。コントローラ50は、上位制御装置であるECU5からの指令値、電源11、12の蓄電状態などに基づいて、スイッチSWの制御状態を決定し、スイッチSWの駆動信号を生成する。そして、生成した駆動信号を対応するスイッチSWのゲートに対して出力する。なお、バス14a、14bには、電源11、12のバッテリ電圧を検出する電圧センサがそれぞれ設けられている。コントローラ50は、たとえば電源12のSOCを算出し、SOCが所定の使用範囲内に保持されるよう、電源12の充電量及び放電量を制御する。
コントローラ50は、スイッチSW1、SW2にオン故障が生じているか否かを判定する。本実施形態では、スイッチSWに流れる電流の変化に基づいて、オン故障を判定するように構成されている。図2に示すように、経路30には、スイッチSWに流れる電流を検出するために、スイッチSWに対して直列にシャント抵抗60が設けられている。シャント抵抗60の位置は特に限定されない。たとえば経路31において、シャント抵抗60は、MOSFET41a、41bの間に設けられている。シャント抵抗60を、MOSFET41aよりも第1端子21側に設けてもよいし、MOSFET41bよりも第2端子22側に設けてもよい。経路32のシャント抵抗60についても同様である。
コントローラ50は、スイッチSWに流れる電流の相関値として、シャント抵抗60の両端電圧を検出する。コントローラ50は、シャント抵抗60の両端電圧に基づいて、スイッチSWに電流が流れているか否か、換言すれば端子21、22間に電流が流れているか否かを判定する。コントローラ50は、電流変化に相関する両端電圧の変化に基づいて、オン故障が生じているか否かを判定する。
コントローラ50は、第1端子21から第2端子22への向きの電流、第2端子22から第1端子21への向きの電流いずれについても検出可能に構成されている。コントローラ50は、双方向の電流を検出可能である。よって、いずれの向きの電流についても、オン故障の有無を判定することができる。
<コントローラが実行する処理>
図3に基づき、コントローラ50が実行する処理について説明する。コントローラ50は、機能安全上、端子21、22間を電流が流れる通電期間において、スイッチSW1、SW2の故障判定処理を実行する。通電期間とは、異なる電力系統間、すなわちバス14a、14b間で電力を受け渡す期間である。たとえば、発電機15の発電した電力が、バス14b側に供給される期間である。電源11からバス14b側に電力が供給される期間である。電源12からバス14a側に電力が供給される期間である。
コントローラ50は、通常、通電期間においてすべてのスイッチSWをオン状態に制御する。本実施形態では、通電期間において一時的に故障判定処理を実行する。故障判定処理は、たとえば通電期間ごとに実行してもよい。故障判定処理実行後、所定時間経過後の最初の通電期間で再び実行してもよい。すなわち、周期的に繰り返し実行してもよい。所定のイベントが発生した後の最初の通電期間で実行してもよい。イベントとしては、たとえばイグニッションスイッチのオン、駐停車、走行モードの切り替わりなどがある。
以下では、端子21、22間を流れる電流をI12、経路31(スイッチSW1)を流れる電流をI12a、経路32(スイッチSW2)を流れる電流をI12b、端子21、22間の電圧をV12と示す。コントローラ50は、シャント抵抗60の両端電圧が所定値を超えることで電流が流れていることを検出する、すなわち通電期間であることを検出すると、以下に示す処理を実行する。
図3に示すように、先ずコントローラ50は、スイッチSW1の故障判定処理を行う。コントローラ50は、スイッチSW1に流れる電流値を保存する(ステップS10)。この電流値は、スイッチSW1をオフさせる前の電流値である。
次いで、コントローラ50は、スイッチSW1をオン状態からオフ状態に切り替え(ステップS11)、切り替えた後に、スイッチSW1に流れる電流値を保存する(ステップS12)。この電流値は、スイッチSW1をオフさせた後の電流値である。
そして、コントローラ50は、スイッチSW1の切り替え前後で、電流値に変化があるか否かを判定する(ステップS13)。コントローラ50は、ステップS10、S12で保存した電流値に基づいて、切り替え前後で電流値に変化があるか否かを判定する。電流値の変化については、所定のマージンをもって判定される。
MOSFET41a、41bのうち、電流を遮断する側のMOSFETがオン故障している場合、遮断できない側のMOSFETの寄生ダイオードを通じて電流が流れる。たとえばMOSFET41aからMOSFET41bの向きに電流が流れているとき、MOSFET41aにオン故障が生じると、MOSFET41bの寄生ダイオードを通じて電流が流れる。よって、経路31は遮断状態にならず、経路31に流れる電流Ia1はほとんど変化しない。MOSFET41a、41bにオン故障が生じていない場合、MOSFET41a、41bがいずれもオフ状態となり、経路31が遮断状態となる。スイッチSW1の抵抗値は、理想的には無限大となり、オン状態よりも高くなる。これにより、経路31に電流が流れず、経路31の電流は切り替えによって低下する。よって、切り替え前後での電流値変化により、オン故障が生じているか否かを判定することができる。
ステップS13において、電流値に変化あり、すなわちオン故障が生じていないと判定すると、コントローラ50は、スイッチSW1をオン状態に戻し(ステップS14)、スイッチSW2の故障判定処理を行う。
コントローラ50は、スイッチSW2に流れる電流値を保存する(ステップS15)。この電流値は、スイッチSW2をオフさせる前の電流値である。
次いで、コントローラ50は、スイッチSW2をオン状態からオフ状態に切り替え(ステップS16)、切り替えた後に、スイッチSW2に流れる電流値を保存する(ステップS17)。この電流値は、スイッチSW2をオフさせた後の電流値である。
そして、コントローラ50は、スイッチSW2の切り替え前後で、電流値に変化があるか否かを判定する(ステップS18)。コントローラ50は、ステップS15、S17で保存した電流値に基づいて、切り替え前後で電流値に変化があるか否かを判定する。電流値の変化については、所定のマージンをもって判定される。
MOSFET42a、42bのうち、電流を遮断する側のMOSFETがオン故障している場合、遮断できない側のMOSFETの寄生ダイオードを通じて電流が流れる。たとえばMOSFET42aからMOSFET42bの向きに電流が流れているとき、MOSFET42aにオン故障が生じると、MOSFET42bの寄生ダイオードを通じて電流が流れる。よって、経路32は遮断状態にならず、経路32に流れる電流Ia2はほとんど変化しない。MOSFET42a、42bにオン故障が生じていない場合、MOSFET42a、42bがいずれもオフ状態となり、経路32が遮断状態となる。スイッチSW2の抵抗値は、理想的には無限大となり、オン状態よりも高くなる。これにより、経路32に電流が流れず、経路32の電流は切り替えによって低下する。よって、切り替え前後での電流値変化により、オン故障が生じているか否かを判定することができる。
ステップS18において、電流値に変化あり、すなわちオン故障が生じていないと判定すると、コントローラ50は、スイッチSW2をオン状態に戻し(ステップS19)、一連の処理を終了する。
ステップS13又はステップS18において、電流値に変化なし、すなわちオン故障が生じていると判定すると、コントローラ50は、オン故障処理を実行し(ステップS20)、一連の処理を終了する。
オン故障処理としては、ECU5へのダイアグ信号の出力や、オン故障しているスイッチSWとは反対の経路30のスイッチSWを常時オンさせる制御への移行などがある。故障してないスイッチSWを常時オンさせることで、オン故障しているスイッチSWの発熱を抑制することができる。
図3では、スイッチSW1の故障判定処理を先に行う例を示したが、スイッチSW2の故障判定処理を先に行うようにしてもよい。
図4は、スイッチSWの駆動信号、電流I12、I12a、I12b、電圧V12のタイミングチャートである。図1では、電流I12、I12a、I12bを二点鎖線で示している。図1では、バス14aからバス14bに向けて電流が流れる例を示している。
コントローラ50は、時刻t1で、スイッチSW1を構成するMOSFET41a、41bの駆動信号を、Hレベル(オン信号)からLレベル(オフ信号)に切り替える。これにより、MOSFET41a、41bはオフ状態となる。時刻t2までオフ状態が保持される。この間、スイッチSW2を構成するMOSFET42a、42bの駆動信号は、Hレベルで保持される。
時刻t1~t2では、スイッチSW1にオン故障が生じていないため、経路31が遮断され、時刻t1より前に較べて電流I12aが低下する。経路32に電流が集中するため、時刻t1より前に較べて電流I12bが増加する。スイッチSW1のオフにより、経路30全体の抵抗値が高くなるため、電圧V12が増加する。
コントローラ50は、時刻t3で、スイッチSW2を構成するMOSFET42a、42bの駆動信号を、HレベルからLレベルに切り替える。これにより、MOSFET42a、42bはオフ状態となる。時刻t4までオフ状態が保持される。この間、スイッチSW1を構成するMOSFET41a、41bの駆動信号は、Hレベルで保持される。
時刻t3~t4では、スイッチSW2にオン故障が生じていないため、経路32が遮断され、時刻t1より前又は時刻t2~t3の間に較べて電流I12bが低下する。経路31に電流が集中するため、時刻t1より前又は時刻t2~t3の間に較べて電流I12aが増加する。スイッチSW2のオフにより、経路30全体の抵抗値が高くなるため、電圧V12が増加する。
時刻t5~t6は、時刻t1~t2と同様である。コントローラ50は、時刻t7~t8の間、MOSFET42a、42bの駆動信号を、Lレベルに切り替える。MOSFET41a、41bの駆動信号は、Hレベルで保持される。
時刻t7~t8では、スイッチSW2にオン故障が生じている。このため、経路32が遮断されず、電流I12bにほとんど変化がない。よって、オン故障と判定することができる。電流I12bがほとんど変化しないため、電流I12a、電圧V12もほとんど変化しない。
本実施形態では、スイッチSW1のオン故障を、スイッチSW1に流れる電流(電流I12a)に基づいて判定し、スイッチSW2のオン故障を、スイッチSW2に流れる電流(電流I12b)に基づいて判定する例を示したが、これに限定されない。
スイッチSW1にオン故障が生じていない場合、上記したように、スイッチSW1の駆動信号の切り替え前後で、スイッチSW2側の電流I12bも変化する。オン故障が生じていると、電流I12bもほとんど変化しない。したがって、スイッチSW2に流れる電流の変化に基づいて、スイッチSW1のオン故障を検出することもできる。同様に、スイッチSW2にオン故障が生じていない場合、上記したように、スイッチSW2の駆動信号の切り替え前後で、スイッチSW1側の電流I12aも変化する。オン故障が生じていると、電流I12aもほとんど変化しない。したがって、スイッチSW1に流れる電流の変化に基づいて、スイッチSW2のオン故障を検出することもできる。
<第1実施形態のまとめ>
本実施形態に係る通電制御装置13によれば、コントローラ50が、第1端子21と第2端子22との間に電流が流れる通電期間において、一時的に故障検出制御に切り替える。故障検出制御時には、複数のスイッチSWの一部である第1スイッチのオン状態が保持される。これにより、第1端子21と第2端子22との通電状態を維持することができる。よって、通電期間においてオン故障判定を行うことができる。
故障検出時において、残りの第2スイッチについては、抵抗値が高くなるように制御される。本実施形態では、第2スイッチをオフさせるため、オン故障が生じていない第2スイッチの抵抗値は理想的には無限大となる。このように、通電期間において、故障検出制御の実行前と実行中とで第2スイッチの抵抗値が異なる。したがって、第2スイッチの抵抗値の変化にともなう物理量(電流値)の変化から、第2スイッチにオン故障が生じているか否かを判定することができる。
以上により、本実施形態に係る通電制御装置13によれば、通電期間において、スイッチのオン故障を確認することができる。なお、オン故障判定の際に、駆動信号としてオン信号が保持されるスイッチSWが第1スイッチに相当し、駆動信号としてオフ信号が入力されるスイッチSWが第2スイッチに相当する。たとえば、図4に示した時刻t1~t2では、スイッチSW1が第2スイッチに相当し、スイッチSW2が第1スイッチに相当する。時刻t3~t4では、スイッチSW1が第1スイッチに相当し、スイッチSW2が第2スイッチに相当する。
電源システム10では、負荷16a、16bに対して第1電源及び第2電源が設けられている。すなわち、電源が冗長に設けられている。負荷16a、16bの少なくとも一方には、電力を安定的に供給しなければならない。本実施形態の通電制御装置13によれば、通電期間において、端子21、22間の通電状態を維持しながら、スイッチSWのオン故障を確認することができる。これにより、実際にバス14a、14bの一方側で、バッテリ失陥、バス地絡、負荷地絡、モータロックなどの異常が生じても、確実にバス14a、14b間を遮断することができる。したがって、負荷16a、16bのうち、異常が生じていない側の負荷について電源失陥を防ぎ、所望の機能を確保することができる。バス14aが第1電源側のラインに相当し、バス14bが第2電源側のラインに相当する。第1電源として電源11及び発電機15を備える例を示したが、第1電源として電源11及び発電機15の一方のみを備えてもよい。
本実施形態では、コントローラ50が、端子21、22間に並列に設けられたすべてのスイッチSWを同時にオフさせるのではなく、時間差を設けて順にオフさせる。このように、オフさせるスイッチSWを順に切り替える。これにより、通電状態を維持しながら、通電期間中にすべてのスイッチSWについてオン故障を確認することができる。
なお、並列に設けられるスイッチSWが3つ以上の場合、ひとつずつ順にオフさせてもよい。複数回に分けて切り替えるうちの少なくとも1回において、複数のスイッチSWを同時にオフさせてもよい。たとえばスイッチSWが3つの場合、2つのスイッチSWを同時にオフさせ、次いで残りのスイッチSWをオフさせてもよい。ひとつずつ順に切り替えると、オン故障が生じたスイッチSWを特定することができる。また、1回の通電期間中に、すべてのスイッチSWをオフさせなくてもよい。複数の通電期間にわたって、すべてのスイッチSWについて順にオフさせてもよい。
コントローラ50は、バス14a、14bの一方側で上記した異常が生じたときに、上位のECU5からの指示に応じてバス14a、14b間を遮断してもよい。また、たとえば上記した電流検出機能を用いて、異常にともなう過電流が流れていることを検出した場合に、バス14a、14b間を遮断してもよい。
<第1実施形態の変形例>
シャント抵抗60を用いて、スイッチSWに流れる電流を検出する例を示したが、これに限定されない。たとえばスイッチSW1、SW2に電流センスを付加してもよい。図5に示す例では、スイッチSW1を構成するMOSFET41a、41bにそれぞれセンスMOS41as、41bsを設けている。センスMOS41as、41bsの一方のみを設けてもよい。図5では、便宜上、スイッチSW1側のみを示しているが、スイッチSW2についても同様である。
スイッチSWの抵抗値の変化にともなって変化する物理量は、電流値に限定されない。たとえば図6に示すように、コントローラ50で、端子21、22間の電圧を検出するようにしてもよい。上記したように、端子21、22間の電圧(V12)は、たとえばスイッチSW1にオン故障が生じていない場合にスイッチSW1の駆動信号の切り替え前後で変化し、オン故障が生じている場合にほとんど変化しない。したがって、スイッチSW1のオン故障を検出することもできる。同様に、端子21、22間の電圧の変化に基づいて、スイッチSW2のオン故障を検出することもできる。
なお、端子21、22間の電圧として、スイッチSW1、SW2それぞれのオン電圧を検出するようにしてもよい。さらには、直列接続された半導体素子の少なくともひとつのオン電圧を検出するようにしてもよい。オン電圧とは、MOSFETにおいてドレイン-ソース間の電圧(Vds)である。
オン故障検出制御において、抵抗値が高くなるようにスイッチSW(第2スイッチ)をオフ状態に制御する例を示したが、これに限定されない。図7に示すように、スイッチSWをハーフオン状態に制御してもよい。ハーフオンとは、実質的にオンであり電流が流れるものの、オン抵抗はフルオンに較べて大きい状態である。図7では、駆動信号(ゲート電圧)をフルオンに較べて低くすることで、ハーフオン状態としている。
オン故障が生じていない時刻t11~t12、t13~t14、t15~t16では、端子21、22間の電圧V12が切り替え前後で変化する。ハーフオンにより、オン状態よりも抵抗値が大きくなるため、電圧V12は増加する。一方、時刻t17~t18では、スイッチSW2にオン故障が生じている。オン故障により、スイッチSW2の抵抗値は減少し、電圧V12はほとんど変化しない又はオン状態からの変化が小さくなる。このように、電圧V12の変化に基づいて、オン故障の有無を判定することができる。
ハーフオン状態は、図8に示すように、半導体チップ70に形成された半導体素子のセル領域を、ゲート配線71aに接続される領域と、ゲート配線71bに接続される領域とに分けることでも実現可能である。図8では、半導体チップ70にたとえばMOSFET41aが形成されている。半導体チップ70の板厚方向において、一面側の表層にソース領域70sが設けられ、一面とは反対の裏面側の表層にドレイン領域70dが設けられている。半導体チップ70には、一面から裏面に向けて延びるトレンチ構造のゲート電極70gが設けられている。板厚方向と直交する一方向において、複数のゲート電極70gが並設されている。ソース領域70sは、ゲート絶縁膜を介してゲート電極70gに隣接している。
ゲート電極70gのうち、ゲート電極71g1は、ゲート配線71aと電気的に接続されている。残りのゲート電極71g2は、ゲート配線71bと電気的に接続されている。ゲート電極71g1を有するセル領域と、ゲート電極71g2を有するセル領域とは、面積の比率が所定、たとえばほぼ等しくとなるように設けられている。このように構成されたMOSFET41aに対し、コントローラ50は、ゲート配線71aに駆動信号としてオン信号を出力するとともに、ゲート配線71bに駆動信号としてオフ信号を出力する。これにより、MOSFET41aの内部でオン状態のセルとオフ状態のセルができ、ハーフオン状態となる。ゲート電圧を下げてハーフオン状態にする場合に較べて、所望の抵抗値としやすい。
ゲート電極71g1を有するセル領域と、ゲート電極71g2を有するセル領域の配置は、図8に示す例に限定されない。たとえば、上記した一方向において交互に設けてもよい。
図9及び図10に、端子21、22間に設けられる並列回路の具体例について示す。図9(a)では、スイッチSWを構成する半導体素子がすべて個別に設けられている。具体的には、MOSFET41a、41b、42a、42bが互いに異なる半導体チップ70に構成されている。また、ひとつの半導体パッケージ72がひとつの半導体チップ70を備えている。このように、並列回路を異なる半導体チップ70、異なる半導体パッケージ72にて構成してもよい。
図9(b)では、MOSFET41a、42aがひとつの半導体パッケージ72により構成され、MOSFET41b、42bが他のひとつの半導体パッケージ72により構成されている。このように、並列回路をひとつの半導体パッケージ72にて構成してもよい。図9(b)において、ひとつの半導体パッケージ72は、2つの半導体チップ70を備えている。
図10(a)では、MOSFET41a、42aがひとつの半導体チップ70に構成され、MOSFET41b、42bが他のひとつの半導体チップ70により構成されている。2つの半導体パッケージ72が、半導体チップ70をひとつずつ備えている。このように、並列回路をひとつの半導体チップ70にて構成してもよい。ひとつの半導体チップ70に複数の半導体素子を設けてもよい。すなわち、他チャンネル化してもよい。
図10(a)では、同じ半導体チップ70に設けられたMOSFET41a、42aのドレイン同士が電気的に接続されたドレインコモンの接続形態となっている。MOSFET41b、42b側も同様である。
図10(b)では、図10(a)に対して、同じ半導体チップ70に設けられたMOSFET41a、42aのソース同士も電気的に接続されている。MOSFET41b、42b側も同様である。しかしながら、ゲート配線が個別に設けられている。すなわち、ひとつの半導体素子に形成された2つの半導体素子が個別に制御可能に構成されている。この場合も順にオフさせることで、通電状態を維持しつつ、オン故障の有無を判定することができる。
図示を省略するが、直列接続される半導体素子をひとつの半導体パッケージ72に備える構成としてもよい。直列接続される半導体素子をひとつの半導体チップ70に設けてもよい。並列回路を構成するすべての半導体素子をひとつの半導体パッケージ72に備える構成としてもよい。並列回路を構成するすべての半導体素子をひとつの半導体チップ70に設けてもよい。たとえば上記した4つのMOSFET41a、41b、42a、42bをひとつの半導体チップ70に設けてもよい。ゲート配線を、経路31のMOSFET41a、41bと、経路32のMOSFET42a、42bとで分ければよい。
本実施形態に係る通電制御装置13が適用される電源システム10の構造は、上記例に限定されない。上記した例では、第1電力系統に、通電制御装置13を介して、第2電力系統が単純にアドオンされたシステムであった。これに対し、図11及び図12に示す電源システム10では、3つ以上の電力系統が、通電制御装置13を介して直列に連なるバックボーン型のシステムとなっている。図11では、便宜上、端子(たとえば端子21、22)を省略して図示している。図11(a)に示す電源システム10は、通電制御装置13として、直列に配置された3つの通電制御装置13a~13cを備えている。通電制御装置13a~13cは、それぞれ2つの端子を備えている。
通電制御装置13aが備える2つの端子のうち、ひとつには、バス14aが接続されている。バス14aには、電源11及び発電機15が接続されている。端子の他のひとつには、バス14cが接続されている。バス14cには、負荷16a、17が接続されている。通電制御装置13aにおいて、バス14aが第1電源側のラインに相当し、バス14cが第2電源側のラインに相当する。
通電制御装置13bが備える2つの端子のうち、ひとつには、上記したバス14cが接続されている。端子の他のひとつには、バス14dが接続されている。バス14dには、負荷16bが接続されている。通電制御装置13bにおいて、バス14cが第1電源側のラインに相当し、バス14dが第2電源側のラインに相当する。
通電制御装置13cが備える2つの端子のうち、ひとつには、上記したバス14cが接続されている。端子の他のひとつには、バス14bが接続されている。バス14bには、電源12のみが接続されている。通電制御装置13cにおいて、バス14dが第1電源側のラインに相当し、バス14bが第2電源側のラインに相当する。
このように、負荷16a、16bが、通電制御装置13bを介して異なるバス14c、14dに接続されている。通電制御装置13bに対して、負荷16aは第1電源側に配置され、負荷16bは第2電源側に配置されている。したがって、上記した例のように、電源失陥部位のみを切り離すことができる。なお、バス14c、14dに、第1電源及び第2電源とは別の電源が接続された構成としてもよい。
図11(b)に示す電源システム10では、2つの通電制御装置13がひとつの制御ユニット80として集約されている。制御ユニット80は、2つの通電制御装置13を含む2in1パッケージ構造をなしている。電源システム10は、ひとつの通電制御装置13と、ひとつの制御ユニット80を備えている。制御ユニット80は、3つの端子を備えている。電源11、12間を電気的に接続する2つの端子のうち、ひとつにはバス14aが接続され、他のひとつにはバス14dが接続されている。3つ目の端子は、通電制御装置13の接続点に設けられている。この端子に、負荷16a、17が接続されている。負荷16a、16bの間に、制御ユニット80が含むひとつの通電制御装置13が配置されている。
図12に示す電源システム10は、図11(b)に示した制御ユニット80と同様の2つの制御ユニット80a、80bを備えている。制御ユニット80a、80bは、それぞれ2つの通電制御装置13を含む。制御ユニット80a、80bは、バス14eを介して直列に接続されている。制御ユニット80aにおいて、通電制御装置13同士の接続点に設けられた端子に、負荷16a、17が接続されている。制御ユニット80bにおいて、通電制御装置13同士の接続点に設けられた端子に、負荷16bが接続されている。
図12に示す電源システム10では、負荷16a、16bの間に、2つの通電制御装置13が直列に配置されている。負荷16a、16bの間に配置された2つの通電制御装置13の接続点、すなわちバス14eに対して、負荷16aは第1電源側に配置され、負荷16bは第2電源側に配置されている。したがって、異常部位を切り離して、冗長化された負荷16a、16bの一方の機能を存続させるための、遮断機能を冗長化することができる。
図13に示す電源システム10では、上記したバックボーンを環状に繋げたリング型のシステムとなっている。図13でも、便宜上、端子(たとえば端子21、22)を省略して図示している。電源システム10は、通電制御装置13として、6つの通電制御装置13a~13fを備えている。通電制御装置13a~13fは、それぞれ2つの端子を備えている。
図11(a)同様、3つの通電制御装置13a、13b、13cが、電源11、12の間で直列に配置されている。通電制御装置13aの端子のひとつには、バス14aが接続され、他のひとつには、バス14cが接続されている。通電制御装置13bの端子のひとつには、バス14cが接続され、他のひとつには、バス14dが接続されている。通電制御装置13cの端子のひとつには、バス14dが接続され、他のひとつには、バス14bが接続されている。ただし、バス14cには負荷16aのみが接続され、バス14dには負荷17aのみが接続されている。
残りの3つの通電制御装置13d、13e、13fは、第1電源及び第2電源の間で直列に配置されている。これら通電制御装置13d~13fは、通電制御装置13a~13cに対して並列に設けられている。通電制御装置13dの端子のひとつには、バス14aが接続され、他のひとつには、バス14fが接続されている。通電制御装置13eの端子のひとつには、バス14fが接続され、他のひとつには、バス14gが接続されている。通電制御装置13fの端子のひとつには、バス14gが接続され、他のひとつには、バス14bが接続されている。バス14fには負荷17bが接続され、バス14gには負荷16bが接続されている。負荷17a、17bは、負荷17同様、一般負荷である。
このように、上記した例同様、電力ラインにおいて負荷16a、16bの間には、通電制御装置13が配置されている。負荷16aと第1電源との間には、ひとつの通電制御装置13aが配置され、負荷16aと第2電源との間には、2つの通電制御装置13b、13cが配置されている。負荷16bと第1電源との間には、2つの通電制御装置13d、13eが配置され、負荷16bと第2電源との間には、ひとつの通電制御装置13fが配置されている。負荷16aは、第1電源側に配置され、負荷16bは第2電源側に配置されている。したがって、電源失陥部位のみを切り離すことができる。なお、バス14c、14d、14f、14gに、電源11、12とは別の電源が接続された構成としてもよい。また、負荷16a、16bの接続位置は、図13に示す例に限定されない。間に少なくともひとつの通電制御装置13が配置されればよい。
図14、図15、及び図16に、図13に示したリング型の電源システム10において、図11(b)及び図12に示したように通電制御装置13を集約した例を示す。図14、図15、及び図16でも、便宜上、端子(たとえば端子21、22)を省略して図示している。
図14(a)に示す電源システム10は、2つの制御ユニット80c、80dを備えている。制御ユニット80cは、図13に示した通電制御装置13a、13bに相当する2つの通電制御装置13を含んでいる。制御ユニット80dは、通電制御装置13d、13eに相当する2つの通電制御装置13を含んでいる。電源システム10は、制御ユニット80c、80d以外に、通電制御装置13c、13fに相当する2つの通電制御装置13を備えている。図14(b)に示す電源システム10は、3つの制御ユニット80c、80d、80eを備えている。制御ユニット80eは、図14(a)に示した2つの通電制御装置13を含んでいる。
図15(a)に示す電源システム10は、2つの制御ユニット81a、81bを備えている。制御ユニット81aは、図13に示した通電制御装置13a、13b、13cに相当する3つの通電制御装置13を含んでいる。制御ユニット81bは、通電制御装置13d、13e、13fに相当する3つの通電制御装置13を含んでいる。制御ユニット81a、81bは、それぞれ3in1パッケージ構造をなしている。図15(b)に示す電源システム10は、ひとつの制御ユニット82を備えている。制御ユニット82は、6つの通電制御装置13を含んでいる。制御ユニット82は、6in1パッケージ構造をなしている。
図16は、電源11、12の間で、2つの制御ユニット80c、80fが直列に配置されている。また、第1電源及び第2電源の間で、2つの制御ユニット80d、80gが直列に配置されている。制御ユニット80d、80gは、制御ユニット80c、80fに対して並列に配置されている。図12同様、負荷16a、17aの間に、2つの通電制御装置13が配置されている。また、負荷16b、17bの間に、2つの通電制御装置13が配置されている。負荷16a、17aの間に配置された2つの通電制御装置13の接続点、すなわちバス14eに対して、負荷16aは、第1電源側に配置されている。負荷16b、17bの間に配置された2つの通電制御装置13の接続点、すなわちバス14hに対して、負荷16bは第2電源側に配置されている。
負荷16aと第1電源との間には、ひとつの通電制御装置13が配置され、負荷16aと第2電源との間には、3つの通電制御装置13が配置されている。負荷16bと第1電源との間には、3つの通電制御装置13が配置され、負荷16bと第2電源との間には、ひとつの通電制御装置13が配置されている。負荷16aは、第1電源側に配置され、負荷16bは第2電源側に配置されている。したがって、異常部位を切り離して、冗長化された負荷16a、16bの一方の機能を存続させるための、遮断機能を冗長化することができる。
本実施形態に係る通電制御装置は、
外部と接続される第1端子及び第2端子と、
第1端子と第2端子との間で、並列に設けられた複数のスイッチと、
複数のスイッチの駆動を制御する制御部、
スイッチにオン故障が生じているか否かを判定する判定部と、を備え、
制御部は、第1端子と第2端子との通電期間において、複数のスイッチの一部である第1スイッチのオン状態を保持し、残りのスイッチである第2スイッチの抵抗値がオン状態よりも高くなるように故障検出制御に一時的に切り替え、判定部は、抵抗値の変化にともなう物理量の変化に基づいて、第2スイッチにオン故障が生じているか否かを判定する。
よって、上記した冗長電源システムに適用される構成に限定されない。端子間の通電状態を制御するものであれば適用できる。
(第2実施形態)
本実施形態において、他の実施形態と機能的に及び/又は構造的に対応する部分及び/又は関連付けられる部分には、百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分及び/又は関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。本実施形態の通電制御装置も、先行実施形態同様、電源システムに適用される。
<電源システム>
図17に基づき、電源システムの概略構成について説明する。図17に示すように、電源システム110は、電源111、112と、通電制御装置113を備えている。電源システム110は、車両に搭載された各種機器に電力を供給する。本実施形態の電源111は、鉛蓄電池である。電源112は、リチウムイオン電池である。
電源111の正極には、バス114aが接続されている。バス114aには、発電機115が接続されている。発電機115は電力を発生する。本実施形態では、電源111及び発電機115が、バス114aに接続された第1電源である。バス114aに、負荷が接続された構成とすることできる。
電源112の正極には、バス114bが接続されている。電源112が、バス114bに接続された第2電源である。電源111、112の間、すなわちバス114a、114bの間に2つの通電制御装置113が直列に配置されている。2つの通電制御装置113は、バス114cを介して接続されている。バス114bやバス114cに負荷が接続された構成とすることもできる。
以下では、通電制御装置113のひとつを通電制御装置113a、他のひとつを通電制御装置113bと称することがある。通電制御装置113aが第1電源側(電源111側)に配置され、通電制御装置113bが第2電源側(電源112側)に配置されている。通電制御装置113a、113bの構成要素の一部には異なる符号を付与し、他の一部には、便宜上、同じ符号を付与している。
<通電制御装置>
図17及び図18に基づき、通電制御装置113について説明する。通電制御装置13は、外部接続用の端子である第1端子121、第2端子122、及び第3端子123と、複数のスイッチSW100と、コントローラ150をそれぞれ備えている。以下では、第1端子121、第2端子122、第3端子123を、端子121、122、123と称することがある。
通電制御装置113は、スイッチSW100として、電流の主経路(電源ライン)において直列に接続された2つのスイッチSW101、102をそれぞれ有している。スイッチSW101、SW102として、先行実施形態に示したスイッチSWと同様の構成を採用することができる。各スイッチSW100は、2つのMOSFET140を備えて構成されている。
図17に示すスイッチSW101は、MOSFET140として、2つのnチャネル型のMOSFET141a、141bを備えている。MOSFET141a、141bのソース同士が接続されている。寄生ダイオードは互いに逆向きの配置とされ、アノード同士が接続されている。スイッチSW102は、MOSFET140として、2つのnチャネル型のMOSFET142a、142bを備えている。MOSFET142a、142bのソース同士が接続されている。寄生ダイオードは互いに逆向きの配置とされ、アノード同士が接続されている。
以下では、通電制御装置113a側のスイッチSW101、SW102をスイッチSW101a、SW102a、通電制御装置113b側のスイッチSW101、SW102をスイッチSW101b、SW102bと称することがある。スイッチSW102aのMOSFET142bとSW101bのMOSFET141aのドレイン同士が接続されている。すなわち、端子121、122間をつなぐ経路130において、2つのスイッチSW101、SW102が直列に接続されている。経路130が、電流の主経路に相当する。
通電制御装置113aにおいて、スイッチSW101aの一端(MOSFET141aのドレイン)に第1端子121が接続され、スイッチSW102aの一端(MOSFET142bのドレイン)に第2端子122に接続されている。スイッチSW101a、SW102aの接続点に、第3端子123が接続されている。通電制御装置113bにおいて、SW101bの一端(MOSFET145aのドレイン)に第1端子121に接続され、スイッチSW102bの一端(MOSFET146bのドレイン)に第2端子122に接続されている。スイッチSW101b、SW102bの接続点に、第3端子123が接続されている。
通電制御装置113aの第1端子121は、バス114aに接続され、第2端子122はバス114cに接続されている。第3端子123には、冗長負荷である負荷116aと、一般負荷である負荷117が接続されている。第1端子121は第1電源側のラインに接続され、第2端子122は第2電源側のラインに接続されている。負荷116a、117は、第3端子123に接続された負荷群(第1負荷群)である。負荷群に含まれる負荷の数は、2つに限定されない。3つ以上の負荷を含んでもよい。
通電制御装置113bの第1端子121は、バス114cに接続され、第2端子122はバス114bに接続されている。第3端子123には、冗長負荷である負荷116bが接続されている。第1端子121は第1電源側のラインに接続され、第2端子122は第2電源側のラインに接続されている。負荷116bとは別の負荷が、第3端子123に接続されてもよい。この場合、負荷116bを含む複数の負荷により負荷群(第2負荷群)が構成される。たとえば負荷116aはカメラであり、負荷116bはLIDARである。
コントローラ150は、先行実施形態に示したコントローラ50同様、少なくともひとつのコンピュータを含む制御システムによって提供される。コントローラ150が提供する手段及び/又は機能は、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又はそれらの組み合わせにより提供することができる。本実施形態では、ASICを用いて実現されている。
図18に示すように、コントローラ150は、駆動回路151と、判定回路152と、制御回路153と、通信回路154を有している。駆動回路151は、制御回路153からの制御信号にしたがって、スイッチSW101、SW102の駆動信号を生成し、対応するスイッチSW101、SW102のゲートに対して出力する。
電源システム110において、バッテリ(電源)失陥、バス地絡、負荷地絡、モータロックなどの異常が生じると、過電流が流れる。判定回路152は、スイッチSW101、SW102のそれぞれに流れる電流を検出する。そして、検出した電流と過電流閾値とを比較し、過電流が流れているか否かを判定する。このように、スイッチSW101、SW102のそれぞれに流れる電流に基づいて、電源システム110における通電制御装置113外の部分に異常が生じているか否かを判定する。本実施形態では、過電流閾値を超えた状態が所定の監視時間継続すると、過電流状態であることを確定する。
本実施形態の判定回路152は、スイッチSW101、SW102に流れる電流に相関する電圧を検出する。判定回路152は、スイッチSW101の両端間の電圧、スイッチSW102の両端間の電圧をそれぞれ検出する。判定回路152は、検出した両端電圧のそれぞれを過電流閾値である閾値Vrefと比較し、比較結果を過電流判定信号として出力する。判定回路152は、第1端子121から第2端子122へ向けて流れる電流、第2端子122から第1端子121に向けて流れる電流、すなわち双方向の電流を検出、判定可能に構成されている。判定回路152が、判定部に相当する。
たとえば、電流が流れていない時点で電圧検出回路(オペアンプ)の出力は0Vよりも高い所定値(たとえば2.5V)とされ、電流が一方向に流れると所定値よりも高い電圧、反対方向に流れると所定値よりも低い電圧が出力される。判定回路152は、閾値Vrefとして、所定値よりも高い閾値と、所定値よりも低い閾値を有しており、これにより双方向の過電流を判定することができる。また、オペアンプと、オペアンプの出力と閾値Vrefとを比較するコンパレータとの組を2組有し、2つのオペアンプで反転入力端子、非反転入力端子のつなぎを逆にしてもよい。
コントローラ150には、通電制御装置13外に設けられたECU105が接続される。コントローラ150とECU105とは、車載ネットワークのバス106を介して相互に通信可能となっている。異なる通電制御装置113のコントローラ150同士も、バス106を介して通信可能となっている。
制御回路153は、通信回路154を介して、たとえば上位制御装置であるECU105からの指令値を取得する。制御回路153は、取得した指令値、電源111、112の蓄電状態などに基づいてスイッチSWの制御信号を生成し、駆動回路151に出力する。なお、バス114a、114bには、電源111、112のバッテリ電圧を検出する電圧センサがそれぞれ設けられている。コントローラ150は、たとえば電源112のSOCを算出し、SOCが所定の使用範囲内に保持されるよう、電源112の充電量及び放電量を制御する。制御回路153及び駆動回路151が、制御部に相当する。
<コントローラが実行する処理>
先ず、図19に基づき、コントローラ150が備える真理値表について説明する。真理値表は、過電流判定パターンと、過電流判定時に強制的にオフさせる遮断スイッチとの組み合わせを示すマップである。コントローラ150のメモリに真理値表が保存されている。コントローラ150の制御回路153は、真理値表にしたがってスイッチSW101、SW102の強制的な遮断を実行する。遮断スイッチは、コントローラ150の自己判断で強制的に遮断されるスイッチである。図19に示す真理値表は、通電制御装置113a、113bのそれぞれで用いられる。真理値表は、すべてのスイッチSW100がオン状態に制御されているときに用いることができる。真理値表は、後述する遮断処理によってスイッチSW101、SW102の一方が遮断された場合にも用いることができる。
図19に示す真理値表において、「1」は、判定回路152にて過電流判定がなされた場合、すなわち過電流検出ありの場合を示し、「0」は過電流検出なしを示している。「右向き」、「左向き」とは、過電流の流れ方向を示す。「右向き」とは、第1端子121側から第2端子122側への向きを示す。「左向き」とは、第2端子122側から第1端子121側への向きを示す。スイッチSW101、SW102の接続点には第3端子123が接続されている。たとえばスイッチSW101の「右向き」とは、第1端子121側から第3端子123への向きを示し、「左向き」とは、第2端子122側から第3端子123側への向きともいえる。真理値表は、2×2通り、すなわち16通りの検出パターンを有している。
検出パターン#6は、スイッチSW101、SW102について左向きの流れの過電流が検出されたパターンである。この場合、制御回路153は、過電流の流れ方向において最下流のスイッチ、すなわちスイッチSW101を遮断し、上流側のスイッチSW102は遮断しない。このように、異常の発生部位にもっとも近い端子である第1端子121に接続されたスイッチSW101をオフ状態に切り替える。
検出パターン#11は、スイッチSW101、SW102について右向きの流れの過電流が検出されたパターンである。この場合、制御回路153は、過電流の流れ方向において最下流のスイッチ、すなわちスイッチSW102を遮断し、上流側のスイッチSW101は遮断しない。このように、異常の発生部位にもっとも近い端子である第2端子122に接続されたスイッチSW102をオフ状態に切り替える。
検出パターン#10は、スイッチSW101について右向きの流れの過電流が検出され、スイッチSW102について左向きの流れの過電流が検出されたパターンである。スイッチSW101、SW102のいずれも第3端子123側への流れ、換言すれば内向きの流れとなっているため、制御回路153は、スイッチSW101、SW102を両方とも遮断する。このように、異常の発生部位にもっとも近い端子である第3端子123に接続されたスイッチSW101、SW102をオフ状態に切り替える。
検出パターン#1は、スイッチSW101、SW102のいずれも過電流検出なしのパターンである。この場合、制御回路153は、スイッチSW101、SW102のいずれも遮断(オフ)しない。その他の検出パターン(#2~#5、#7~#9、#12~#16)については、スイッチSW101、SW102の動作を任意に設定することができる。本実施形態では、検出パターン#1同様、スイッチSW101、SW102のいずれも遮断なしとしている。真理値表において、「遮断する」は、速やかな処理のために、ECU105の指令に優先して処理される。「遮断しない」は、ECU105の指令が優先となる。コントローラ150が、たとえば検出パターン#6であると判断しても、ECU105からの指令がスイッチSW102の遮断を指示する場合には、スイッチSW102を遮断する。
なお、異常発生部位との位置関係、監視時間などにより、スイッチSW101、SW102のひとつにおいて過電流が検出され、他のひとつにおいて過電流が検出されないことも考えられる。よって、たとえば検出パターン#3の場合、スイッチSW102を遮断し、スイッチSW101を遮断しないようにしてもよい。検出パターン#5の場合、スイッチSW101を遮断し、スイッチSW102を遮断しないようにしてもよい。また、検出パターン#2、#9の場合、スイッチSW101、SW102を遮断するようにしてもよい。
次に、図20に基づき、通電制御装置113のそれぞれのコントローラ150が実行する処理、具体的には、過電流処理について説明する。コントローラ150は、ECU105からの指令により動作する期間において、以下に示す処理を所定の周期で繰り返し実行する。
図20に示すように、先ずコントローラ150は、過電流が検出されたか否かを判定する(ステップS30)。本実施形態では、スイッチSW101、SW102の両端間の電圧が、所定の閾値電圧を超えたか否かを判定する。コントローラ150は、過電流の検出を、ECU105からの指令に基づく通常動作処理に並行して実施する。
ステップS30において、過電流が検出されない場合、コントローラ150は、経時用のカウンタのカウント値をクリアし(ステップS31)、一連の処理を終了する。一方、スイッチSW100の少なくともひとつについて過電流が検出された場合、カウンタをインクリメント(+1)する(ステップS32)。なお、カウントアップするカウンタに代えて、カウントダウンするカウンタを用いてもよい。
次いで、コントローラ150は、カウンタのカウント値が、過電流の監視時間Tfを超えたか否かを判定する(ステップS33)。カウント値が監視時間Tfを超えると、過電流が生じていることを確定し、コントローラ150は、遮断処理を実行する(ステップS34)。カウント値が監視時間Tfを超えていない場合、ステップS30に戻る。
ステップS34において、コントローラ150は、上記した真理値表にしたがって、遮断処理を実行する。たとえばカウント値が監視時間Tfを超えた時点で、スイッチSW101、SW102について左向きの過電流が検出されている場合、検出パターン#6の制御を実行する。すなわち、スイッチSW101を遮断(オフ)する。コントローラ150は、ECU105の指令による通常動作に優先して、対応するスイッチSW100を遮断する。
次いで、コントローラ150は、ステップS34で採用した検出パターンを、外部に送信する(ステップS35)。すなわち、遮断(オフ)したスイッチSW100に関する情報を送信する。本実施形態では、バス106を介してECU105に送信する。
ECU105は、電源システム110全体の遮断の最適化を図るように構成されている。ECU105は、各通電制御装置113から検出パターンを取得する。そして、異常発生部位を切り離すために電源システム110として遮断すべきスイッチSW100を決定し、最適化情報として各通電制御装置113へ送信する。遮断すべきスイッチSW100とは、切り離しのために、必要十分なスイッチSW100である。電源システム110として最適なスイッチSW100については、後述する。
次いで、コントローラ150は、ステップS35の送信処理を実行後、所定時間内に最適化情報を受信したか否か判定する(ステップS36)。受信しない場合、一連の処理を終了する。
ステップS36において、最適化情報を受信した場合、コントローラ150は、自己判断で強制的に遮断したスイッチSW100が、受信した最適化情報と一致するか否かを判定する(ステップS37)。一致する場合、一連の処理を終了する。一致しない場合、一致しないスイッチSW100の遮断を解除する(ステップS38)して、一連の処理を終了する。
なお、通電制御装置113が送信する検出パターンが過電流検出を示す場合、検出パターンがダイアグ信号を兼ねてもよい。ECU105は、検出パターンを受信すると、外部への報知や所定モードへの切り替えなど、所定の処理を実行する。
ECU105は、検出パターンに基づいて遮断すべきスイッチSW100を特定すると、以降の指令として、遮断スイッチを除くスイッチSW100をオン、オフ駆動させる指令を送信する。よって、通電制御装置113のコントローラ150は、指令に基づく通常動作処理として、遮断スイッチを除くスイッチの駆動を制御する。
上記したフローにおいて、ステップS34の遮断処理が終了したら、一連の処理を終了としてもよい。すなわち、ステップS35~S38の処理を実行しない構成としてもよい。
過電流判定の条件を2つ以上設けてもよい。すなわち、過電流閾値と監視時間との組を、2組以上設けてもよい。たとえば、大電力製品の駆動時などに生じる突入電流を誤検出しないように、以下に示す3つの条件の少なくともひとつが成立すると、条件が成立したスイッチSW100について過電流と判定してもよい。
(第1の条件)300A以上を30μs継続すると、過電流と確定する。
(第2の条件)200A以上を1ms継続すると、過電流と確定する。
(第3の条件)100A以上を100ms継続すると、過電流と確定する。
異常発生部位との位置関係により、スイッチSW101、SW102の過電流確定のタイミングがずれることが考えられる。たとえば、ひとつのスイッチSW100について過電流が確定してから所定時間経過後に、ステップS34に示す遮断処理を実行するようにしてもよい。所定時間が経過する間に過電流が確定したすべてのスイッチSW100について遮断処理を実行することができる。
<第2実施形態のまとめ>
図21は、図17に示した5つの地点A~Eで異常が発生したときの、2つの通電制御装置113a、113bにおける過電流の流れる向きと、遮断スイッチとの関係を示す図である。地点Aは、通電制御装置113aの第1端子121の外(電源111側)である。地点Bは、通電制御装置113aの第3端子123の外(負荷116a、117側)である。地点Cは、通電制御装置113a、113b間(バス114c)である。地点Dは、通電制御装置113bの第3端子123の外(負荷116b側)である。地点Eは、通電制御装置113bの第2端子122の外(電源112側)である。
本実施形態では、異常として、地絡が生じる例を示す。なお、図21に示す×印は、地絡の発生地点を簡易的に示している。また、図21に示す破線丸印は、通電制御装置113の自己判断により強制遮断されるスイッチSW100を示している。図21に示す遮断すべきスイッチとは、電源システム110として異常発生部位を切り離すために必要十分なスイッチである。本実施形態では、ECU105からの指令により送信される最適化情報のスイッチSW100である。
地点Aで地絡が生じると、通電制御装置113aのスイッチSW101a、SW102aに、いずれも左向きの過電流が流れる。また、通電制御装置113bのスイッチSW101b、SW102bに、いずれも左向きの過電流が流れる。通電制御装置113aのコントローラ150(制御回路153)は、上記した真理値表にしたがい、最下流のスイッチSW101aを強制的にオフ状態に切り替える。通電制御装置113bのコントローラ150(制御回路153)は、上記した真理値表にしたがい、最下流のスイッチSW101bを強制的にオフ状態に切り替える。このように、スイッチSW101a、SW101bを強制遮断する。
地点Aにもっとも近いスイッチSW100はスイッチSW101aである。各通電制御装置113から取得した検出パターンに基づき、ECU105は、遮断すべきスイッチSW100がスイッチ101aであると判断し、最適化情報として各通電制御装置113へ送信する。これにより、通電制御装置113aはスイッチSW101aの遮断を継続し、通電制御装置113bはスイッチSW101bの遮断を解除する。スイッチSW101bは、ECU105の指令などに基づくオン、オフ制御が可能となる。
地点Bで地絡が生じると、通電制御装置113aのスイッチSW101aに右向き、SW102aに左向きの過電流が流れる。また、通電制御装置113bのスイッチSW101b、SW102bに、いずれも左向きの過電流が流れる。通電制御装置113aのコントローラ150は、上記した真理値表にしたがい、スイッチSW101a、101bを強制的に遮断する。通電制御装置113bのコントローラ150は、上記した真理値表にしたがい、最下流のスイッチSW101bを強制的に遮断する。
地点Bにもっとも近いスイッチSW100はスイッチSW101a、SW102aである。各通電制御装置113から取得した検出パターンに基づき、ECU105は、遮断すべきスイッチSW100がスイッチ101a、SW102aであると判断し、最適化情報として各通電制御装置113へ送信する。これにより、通電制御装置113aはスイッチSW101a、SW102aの遮断を継続し、通電制御装置113bはスイッチSW101bの遮断を解除する。
地点Cで地絡が生じると、通電制御装置113aのスイッチSW101a、SW102aに、いずれも右向きの過電流が流れる。また、通電制御装置113bのスイッチSW101b、SW102bに、いずれも左向きの過電流が流れる。通電制御装置113aのコントローラ150は、上記した真理値表にしたがい、最下流のスイッチSW102aを強制的に遮断する。通電制御装置113bのコントローラ150は、上記した真理値表にしたがい、最下流のスイッチSW101bを強制的に遮断する。
地点Cにもっとも近いスイッチSW100はスイッチSW102a、SW101bである。各通電制御装置113から取得した検出パターンに基づき、ECU105は、遮断すべきスイッチSW100がスイッチSW102a、SW101bであると判断し、最適化情報として各通電制御装置113へ送信する。よって、通電制御装置113aはスイッチSW102aの遮断を継続し、通電制御装置113bはスイッチSW101bの遮断を継続する。
地点Dで地絡が生じると、通電制御装置113aのスイッチSW101a、SW102aに、いずれも右向きの過電流が流れる。また、通電制御装置113bのスイッチSW101bに右向き、スイッチSW102bに左向きの過電流が流れる。通電制御装置113aのコントローラ150は、上記した真理値表にしたがい、最下流のスイッチSW102aを強制的に遮断する。通電制御装置113bのコントローラ150は、上記した真理値表にしたがい、スイッチSW101b、SW102bを強制的に遮断する。
地点Dにもっとも近いスイッチSW100はスイッチSW101b、SW102bである。各通電制御装置113から取得した検出パターンに基づき、ECU105は、遮断すべきスイッチSW100がスイッチSW101b、SW102bであると判断し、最適化情報として各通電制御装置113へ送信する。よって、通電制御装置113aはスイッチSW102aの遮断を解除し、通電制御装置113bはスイッチSW101b、SW102bの遮断を継続する。
地点Eで地絡が生じると、通電制御装置113aのスイッチSW101a、SW102aに、いずれも右向きの過電流が流れる。また、通電制御装置113bのスイッチSW101b、SW102bに、いずれも右向きの過電流が流れる。通電制御装置113aのコントローラ150は、上記した真理値表にしたがい、最下流のスイッチSW102aを強制的に遮断する。通電制御装置113bのコントローラ150は、上記した真理値表にしたがい、最下流のスイッチSW102bを強制的に遮断する。
地点Eにもっとも近いスイッチSW100はスイッチSW102bである。各通電制御装置113から取得した検出パターンに基づき、ECU105は、遮断すべきスイッチSW100がスイッチSW102bであると判断し、最適化情報として各通電制御装置113へ送信する。よって、通電制御装置113aはスイッチSW102aの遮断を解除し、通電制御装置113bはスイッチSW102bの遮断を継続する。
以上のように、本実施形態に係る通電制御装置113によれば、スイッチSW100のそれぞれに流れる電流を検出し、過電流が流れているか否かを判定することができる。また、電流の向きを検出することができる。そして、過電流が流れる向きに基づいて、異常の部位にもっとも近い端子に接続されたスイッチSW100をオフさせることができる。したがって、いずれの端子外で異常が生じても、遮断することができる。
通電制御装置113のコントローラ150は、過電流の向きに基づいて、遮断すべきSW100を判断する。したがって、ECU105からの指令に基づいてスイッチSW100を遮断する構成、通電制御装置113間で情報を共有してスイッチSW100を遮断する構成に較べて、通信のロスがない分、異常発生部位を直ちに切り離すことができる。緊急措置として、通電制御装置113の自己判断により、異常発生部位を直ちに切り離すことができる。これにより、異常が発生していない正常部位について電力の供給を継続し、所望の機能を確保することができる。
また、電流の主経路(経路130)上に設けられたスイッチSW101、SW102に流れる電流を検出して過電流を判定する。過電流判定のために、他のスイッチを用いていない。スイッチSW100の数が、端子121、122、123の数よりも少ない。これにより、通電制御装置113の構成を簡素化することができる。また、製造コストを低減することもできる。
本実施形態では、第1電源側の第1端子121と第2電源側の第2端子122とをつなぐ経路130において、スイッチSW101、SW102が直列に接続されている。スイッチSW101、SW102の接続点に、第3端子123が接続されている。そして、第3端子123に負荷116a、116b、117が接続されている。したがって、第1電源側及び第2電源側の一方で、バッテリ失陥やバス地絡などの異常が生じても、負荷116a、116b、117の電源失陥を防ぐことができる。
特に本実施形態では、第1電源及び第2電源の間において、複数の通電制御装置113a、113bが直列に配置されている。したがって、負荷116a、116bを、互いに異なる通電制御装置113a、113bに振り分けて、第3端子123に接続させることができる。この形態によれば、図17に示した地点A~E、すなわちいずれの端子外で異常が生じても、負荷116a、116bの少なくとも一方について電源失陥を防ぎ、これにより所望の機能を確保することができる。
本実施形態では、経路130において直列に接続された複数のスイッチSW100のうち、連続する2つ以上のスイッチSW101、SW102について過電流の向きが同じ場合に、最下流のスイッチSW100をオフ状態に切り替える。最下流のスイッチSW100に遮断により、異常発生部位を直ちに切り離すことができる。たとえば、最下流が第1電源側の場合、第1電源を切り離すことができる。最下流が第2電源側の場合、第2電源を切り離すことができる。
本実施形態では、間に第3端子123が接続された2つのスイッチSW101、SW102において、過電流の向きがともに第3端子123に向かう方向の場合に、2つのスイッチSW101、SW102をともにオフ状態に切り替える。たとえば第3端子123に接続された負荷(たとえば負荷116b)に地絡などの異常が生じても、スイッチSW101、SW102の遮断により、異常発生部位を直ちに切り離すことができる。
本実施形態では、通電制御装置113が、通信回路154を備えており、制御回路153が通信回路154を介して検出パターン、すなわち遮断したスイッチSW100に関する情報をECU105へ送信する。そして、ECU105からの送信される最適化情報に基づいて、強制遮断させたスイッチSW100の遮断を解除又は遮断を保持する。これによれば、初期的にコントローラ150の判断で異常発生部位を切り離し、最終的に異常発生部位を切り離すために必要なスイッチSW100のみを遮断させることができる。したがって、異常発生部位によっては、機能を存続させる機器を増やすことができる。
本実施形態では、電源システム110が2つの通電制御装置113を備える例を示したが、これに限定されない。電源111、112間において、3つ以上の通電制御装置113が直列に配置された構成にも適用することができる。たとえば負荷を3箇所に分けて配置することができる。
<第2実施形態の変形例>
遮断するSW100の最適化は、ECU105との間で実現される形態に限定されない。図17に示すように、通電制御装置113同士も、バス106を介して通信可能となっている。遮断処理に用いた検出パターン、すなわち遮断したスイッチSW100に関する情報を、通信によってコントローラ150同士で共有する。そして、自己判断により初期的に遮断させたスイッチSW100のうち、異常発生部位を切り離すのに最適なスイッチSW100のみ遮断を継続させ、それ以外のスイッチSW100があれば遮断を解除するようにしてもよい。
スイッチSW100の両端の電圧により、スイッチSW100に流れる電流を検出する例を示したが、これに限定されない。スイッチSW100のオン電圧による検出方法としては、スイッチSW100が備える2つのMOSFET140のうち、ひとつについてドレイン-ソース間電圧(Vds)を検出してもよい。
オン電圧の検出に代えて、図22に示すように、シャント抵抗160により電流を検出してもよい。図22では、スイッチSW101に流れる電流を検出するシャント抵抗160は、スイッチSW101よりも第1端子121側に設けられ、スイッチSW102に流れる電流を検出するシャント抵抗160は、スイッチSW102よりも第1端子121側に設けられている。シャント抵抗160の位置は図22に示す例に限定されない。
たとえばスイッチSW101、SW102のそれぞれにおいて、MOSFET140の間に設けてもよい。スイッチSW101に対応するシャント抵抗160が、スイッチSW101よりも第2端子122側に設けられ、スイッチSW102に対応するシャント抵抗160が、スイッチSW102よりも第2端子122側に設けられてもよい。
オン電圧の検出に代えて、図23に示すように、スイッチSW101、SW102に電流センスを付加してもよい。スイッチSW101を構成するMOSFET141a、141bにそれぞれセンスMOS141as、141bsを設けている。スイッチSW102を構成するMOSFET142a、142bにそれぞれセンスMOS142as、142bsを設けている。なお、センスMOS141as、141bsの一方のみを設けてもよい。センスMOS142as、142bsの一方のみを設けてもよい。
端子121、122間の経路130において直列に接続される複数のスイッチSW100の数は上記した2つに限定されない。3つ以上設けてもよい。図24に示す例では、経路130において、3つのスイッチSW100が直列接続されている。この通電制御装置113は、図17に示した構成に対して、スイッチSW103が追加されている。スイッチSW103の一端がスイッチSW102と接続され、他端が第2端子122と接続されている。通電制御装置113は第3端子123として、2つの第3端子123a、123bを備えている。第3端子123aは、図17同様、スイッチSW101、SW102の接続点に接続されている。第3端子123bは、スイッチSW102、SW103の接続点に接続されている。
図25及び図26は、図24に示す通電制御装置113のコントローラ150が用いる真理値表である。図25が検出パターン#1~#32を示し、図26が検出パターン#33~#64を示している。図19同様、すべてのスイッチSW100について過電流の向きが同じ場合、最下流のスイッチSW100について遮断し、残りのスイッチSW100については遮断しない。検出パターン#22、#43が該当する。
また、2つ以上の連続するスイッチSW100について過電流の向きが同じ場合、最下流のスイッチSW100について遮断する。検出パターン#22、#38、#42、#43が該当する。たとえば検出パターン#38の場合、スイッチSW102、SW103に流れる過電流の向きがともに左向きであるため、最下流のスイッチSW102を遮断し、残りのスイッチSW103については遮断しない。
また、間に第3端子123が接続された2つのスイッチSW100において、過電流の向きがともに第3端子123に向かう方向、すなわち内向きの場合に、2つのスイッチSW100を両方とも遮断する。検出パターン#38、#42が該当する。たとえば検出パターン#38の場合、スイッチSW101に流れる過電流の向きが右向き、スイッチSW102に流れる電流が左向きであるため、両スイッチSW101、SW102を遮断する。
なお、スイッチSW101、SW102、SW103がいずれも検出なしの場合、検出パターン#1に該当し、スイッチSW101、SW102、SW103を遮断しない。上記した#1、#22、#38、#42、#43以外の検出パターンについては、任意設定が可能である。
2つのスイッチSW101、SW102が、ともに2つのMOSFET140により構成される例を示したが、これに限定されない。たとえば図27に示す構成としてもよい。図27では、便宜上、端子121、122、123を省略して図示している。
図27(a)では、通電制御装置113aが2つのスイッチSW101、SW102cを備えている。スイッチSW102cは、MOSFET140をひとつのみ備えて構成されている。スイッチSW102cにおいて、MOSFET140のソースは、図示しない第2端子122を介してバス114cに接続され、ドレインは、スイッチSW101と接続されている。通電制御装置113bも2つのスイッチSW101c、SW102を備えている。スイッチSW101cは、MOSFET140をひとつのみ備えて構成されている。スイッチSW101cにおいて、MOSFET140のソースは、図示しない第1端子121を介してバス114cに接続され、ドレインは、スイッチSW102と接続されている。
図27(b)では、通電制御装置113aが2つのスイッチSW101、SW102dを備えている。スイッチSW102dは、MOSFET140をひとつのみ備えて構成されている。スイッチSW102dにおいて、MOSFET140のドレインは、図示しない第2端子122を介してバス114cに接続され、ソースは、スイッチSW101と接続されている。通電制御装置113bも2つのスイッチSW101d、SW102を備えている。スイッチSW101dは、MOSFET140をひとつのみ備えて構成されている。スイッチSW101cにおいて、MOSFET140のドレインは、図示しない第1端子121を介してバス114cに接続され、ソースは、スイッチSW102と接続されている。
図27(a)に示す電源システム110では、スイッチSW102c、SW101cのソース同士が電気的に接続されている。寄生ダイオードのアノード同士が電気的に接続されているため、バス114cが地絡しても、スイッチSW102c、SW101cにて遮断することができる。図27(b)に示す電源システム110では、スイッチSW102d、SW101dのドレイン同士が電気的に接続されている。
同じ構成の2つの通電制御装置113が、第1電源(電源111)と第2電源(電源112)との間で直列に配置される例を示したが、これに限定されない。たとえば図28に示すように、第1電源及び第2電源の間に、ひとつの通電制御装置113と、ひとつの通電制御装置213が配置された構成としてもよい。すなわち、本実施形態に係る通電制御装置113を、他の構成の通電制御装置213と組み合わせてもよい。通電制御装置213は、スイッチSW200をひとつのみ備えている。スイッチSW200は、スイッチSW101、SW102同様、2つのMOSFETにより構成されている。図28では、便宜上、端子121、122、123を省略して図示している。
図28では、通電制御装置113、213をつなぐバス114cに負荷116bが接続されている。通電制御装置113は上記したように自己判断による強制遮断機能を有しており、通電制御装置213はこの強制遮断機能を有していない。したがって、通電制御装置213は、通電制御装置113よりも後に遮断するよう、遮断条件(過電流判定の閾値、判定の監視時間)を設定するとよい。なお、通電制御装置213に代えて、先行実施形態に示した通電制御装置13を組み合わせてもよい。
上記では、バックボーン型の通電制御装置113の例を示したが、これに限定されない。リング型にも適用することができる。図29に示すリング型の電源システム110は、4つの通電制御装置113(113a~113d)を備えている。第1電源及び第2電源の間において、2つの通電制御装置113a、113bが直列に配置されている。第1電源及び第2電源の間において2つの通電制御装置113c、113dが直列に配置されている。通電制御装置113c、113dは、バス114dを介して接続されている。通電制御装置113c、113dは、通電制御装置113a、113bに対して並列に設けられている。図29では、便宜上、端子121、122、123を省略して図示している。
通電制御装置113aの図示しない第3端子123には、負荷116a、117aが接続されている。通電制御装置113bの図示しない第3端子123には、負荷117bが接続されている。通電制御装置113cの図示しない第3端子123には、負荷117cが接続されている。通電制御装置113dの図示しない第3端子123には、負荷116bが接続されている。負荷117a、117b、117cも、負荷117同様、一般負荷である。
連続する2つ以上のスイッチSW100について過電流の向きが同じ場合に、最下流のスイッチSW100をオフ状態に切り替える例を示した。このロジックを適用する構成において、図30に示す処理を実行してもよい。図30は、コントローラ150が実行する処理である。図30のうち、ステップS34A~S34Dの処理が、図20に対して追加された処理であり、それ以外の処理は図20と同じである。
ステップS34の遮断処理が終了すると、コントローラ150は、自己判断により強制的に遮断したスイッチSW100が、過電流の向きが同じ連続する2つ以上のスイッチSW100のうち、最下流のスイッチSW100か否かを判定する(ステップS34A)。たとえば、ステップS34で用いた検出パターンに基づいて、最下流のスイッチSW100か否かを判定する。最下流のスイッチSW100ではない場合、ステップS35へ移行する。
遮断したスイッチSW100が最下流のスイッチSW100の場合、次いでコントローラ150は、遮断したスイッチSW100に流れる電流が所定の閾値Iths未満であるか否かを判定する(ステップS34B)。閾値Ithsは、電流が流れていない、すなわち遮断されたか否かを判定する閾値である。たとえば、ステップS34で検出パターン#6の制御を実行した場合、最下流のスイッチSW101について、このスイッチSW101を流れる電流が閾値Iths未満か否かを判定する。
ステップS34Bにおいて閾値Iths未満と判定すると、ステップS35へ移行する。閾値Iths未満ではないと判定すると、次いでコントローラ150は、遮断したスイッチSW100の両端電圧の絶対値が、所定の閾値Vths未満であるか否かを判定する(ステップS34C)。閾値Vthsは、スイッチSW100がオン故障しているか否かを判定する閾値である。遮断の途中(過程)において、両端電圧は、閾値Vthsよりも大きくなる。オン故障している場合、両端電圧の絶対値は閾値Vthsを下回る。したがって、ステップS34Cにおいて、閾値Vths以上の場合、ステップS34Bに戻る。
ステップS34Cにおいて、両端電圧の絶対値が閾値Vthsを下回る場合、遮断したスイッチSW100にオン故障が生じていると判断し、コントローラ150は、隣りのスイッチSW100を強制的に遮断する(ステップS34D)。そして、一連の処理を終了する。隣りのスイッチSW100とは、過電流の向きが同じ連続する2つ以上のスイッチSW100のうち、遮断した最下流のSW100の隣りに位置するスイッチSW100である。たとえば検出パターン#6の場合、最下流のスイッチSW101の隣りに位置するスイッチSW102を遮断する。
これによれば、強制遮断したスイッチSW100がオン故障していても、コントローラ150の自己判断により、直ちに異常発生部位を切り離すことができる。
(第3実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、過電流判定の閾値及び監視時間が一定である例を示した。これに代えて、この実施形態では、過電流判定の閾値、及び/又は、過電流の監視時間を切り替えることができるように構成されている。
<電源システム及び通電制御装置>
図31に示すように、電源システム110の構成は、先行実施形態(図17参照)と同じである。通電制御装置113のコントローラ150は、端子121、122、123の少なくともひとつの電圧を検出し、この電圧に基づいて、過電流判定の閾値、及び/又は、過電流の監視時間を切り替える機能を有している。端子121、122、123の電圧を、以下では、端子電圧と称する場合がある。
具体的には、上記した判定回路152が、端子電圧を検出する。そして、過電流閾値、及び/又は、監視時間を切り替える。たとえば判定回路152は、端子電圧が小さいほど過電流閾値を小さい値にする。判定回路152は、端子電圧が小さいほど監視時間を短くする。判定回路152は、端子電圧が小さいほど、過電流閾値を小さい値にするとともに監視時間を短くする。
本実施形態では、判定回路152が、過電流閾値Ithを一定とし、監視時間Tfを切り替えるように構成されている。図32は、端子電圧VBと、過電流閾値Ith及び監視時間Tfとの関係を示している。過電流閾値Ithは、端子電圧VBによらず、一定値(Ith0)である。監視時間Tfは、端子電圧VBに基づいて、3段階で切り替わる。端子電圧VBが高い側の閾値VthH以上の場合、監視時間Tfとして、もっとも長いTlが設定される。端子電圧VBが閾値VthH未満、低い側の閾値VthL以上の場合、監視時間Tfとして、中間値であるtmが設定される。端子電圧VBが閾値VthLを下回る場合、監視時間Tfとして、もっとも短いtsが設定される。
<コントローラが実行する処理>
次に、図33に基づき、コントローラ150が実行する処理について説明する。図33において、先行実施形態(図20)と同じ処理については、同じ符号を付与している。ステップS30、S31、S32~S34に示す処理は、図20と同じである。
ステップS30において、スイッチSW100の少なくともひとつについて過電流が検出されると、コントローラ150は、端子電圧VBに基づいて監視時間Tfを設定する(ステップS30A)。少なくともひとつのスイッチSW100に過電流が検出されると、端子電圧VBを取得する。そして、端子電圧VBに基づいて監視時間Tfを設定する。たとえば、閾値Vth≧端子電圧VB>閾値VthLの場合、監視時間TfとしてTmを設定する。
次いでコントローラ150は、過電流が検出されたか否かを判定する(ステップS30B)。ステップS30Bにおいて、過電流が検出されない場合、ステップS31の処理を実行し、一連の処理を終了する。一方、スイッチSW100の少なくともひとつについて過電流が検出された場合、ステップS32の処理を実行する。すなわち、カウンタをインクリメントする。
次いで、コントローラ150は、ステップS33の処理を実行する。すなわち、カウンタのカウント値が、ステップS30Aで設定した監視時間Tfを超えたか否かを判定する。カウント値が監視時間Tfを超えている場合、過電流が生じていることを確定し、コントローラ150は、ステップS34の遮断処理を実行する。すなわち、先行実施形態同様、図19に示した真理値表にしたがって、遮断処理を実行する。遮断処理の実行後、一連の処理を終了する。一方、カウント値が監視時間Tfを超えていない場合、ステップS30Bに戻る。
なお、コントローラ150は、監視時間Tfを設定する際に、端子121、122、123の少なくともひとつの端子電圧VBを用いればよい。端子121、122、123のいずれかひとつの端子電圧VBを用いてもよい。すべての端子121、122、123の端子電圧VBを用いてもよい。すべての端子121、122、123の端子電圧VBの平均値を用いてもよい。端子121、122間に配置されたすべてのスイッチSW100がオンされた状態で、同じ通電制御装置113の端子121、122、123について端子電圧VBはほぼ同じである。
図34は、図31に示す地点Eで地絡が生じた場合の、各通電制御装置113における端子電圧、スイッチSW100に流れる電流、駆動信号のタイミングチャートである。図34において、端子電圧VB1a、VB2aは、通電制御装置113aの端子121、122の電圧である。端子電圧VB1b、VB2bは、通電制御装置113bの端子121、122の電圧である。電流I101a、I102aは、通電制御装置113aのスイッチSW101a、SW102aに流れる電流である。電流I101b、I102bは、通電制御装置113bのスイッチSW101b、SW102bに流れる電流である。図34では、電源111側から第2電源112側に流れる電流の向きを正として示している。
時刻t20で地点Eに地絡が発生すると、端子電圧がそれぞれ低下する。通電制御装置113bのほうが、通電制御装置113aよりも地絡発生部位に近い。このため、端子電圧V1b、V2bのほうが、端子電圧V1a、V2aよりも大きな傾きで低下する。すなわち、端子電圧V1b、V2bのほうが、電圧低下が大きく、早く低下する。
地絡により、バス114a側(第1電力系統側)からバス114b(第2電力系統側)に向けて、電流が流れる。各スイッチSW100を流れる電流の大きさは、負荷116a、116b、117の定常電流も含まれるため完全には一致しないが、概ね等しくなる。時刻t21で、すべての電流I101a、I102a、I101b、I102bが過電流閾値Ith0を超える。
時刻t21で、通電制御装置113a側の端子電圧VB1a、VB2aの値は、閾値VthHよりも高い。通電制御装置113b側の端子電圧VB1b、VB2bの値は、閾値Vthhより低く、閾値VthLよりも高い。このため、通電制御装置113aでは、監視時間TfとしてTlが設定され、通電制御装置113bでは、監視時間TfとしてTmが設定される。
地絡のため、時刻t1以後も電流が増加し、時刻t22で通電制御装置113bのカウント値が設定された時間Tmを上回る。これにより、先に通電制御装置113bにおいて遮断処理が実行される。本例では、スイッチSW102bが強制的に遮断される。
スイッチSW102bの遮断により地絡発生部位が第1電力系統と切り離される。これにより、スイッチSW102bよりも第1電力系統側にある端子の電圧VB1a、VB2a、VB1bは正常電圧に復帰する。また、遮断によって、各スイッチSW100を流れる電流が低下する。通電制御装置113aのカウント値が設定された時間Tlを上回る前に、過電流状態が解除(カウントがクリア)される。
本実施形態では、図33に示したように、過電流を検出すると、コントローラ150が端子電圧VBを検出し、検出した端子電圧VBに基づいて監視時間Tfを設定する例を示した。しかしながら、監視時間中も端子電圧VBを常時又は定期的に確認し、端子電圧VBが閾値Vthを下回った場合に、より短い監視時間Tfに切り替えてもよい。
監視時間Tfを3段階で切り替える例を示したが、これに限定されない。2段階の切り替えでもよいし、4段階以上の切り替えとしてもよい。
端子電圧VBに基づいて、過電流判定を確定するための監視時間Tfを設定する例を示した。しかしながら、上記したように、図35に示すように、端子電圧VBに基づいて、過電流閾値Ithを設定しても同等の効果を奏することができる。図35では、図33に示した処理に対し、ステップS30の前にステップS28を追加している。ステップS28において、コントローラ150は、端子電圧VBに基づいて過電流閾値Ithを設定する。過電流閾値Ithは、多段に設けられており、端子電圧VBが小さいほど小さい過電流閾値が設定される。図35では、端子電圧VBに基づいて、過電流閾値Ith及び監視時間Tfを設定する例を示しているが、監視時間Tfを一定とし、端子電圧VBに基づいて過電流閾値Ithを設定する構成としてもよい。
<第3実施形態のまとめ>
図36は、図31に示した5つの地点A~Eで異常が発生したときの、2つの通電制御装置113a、113bにおける過電流の流れる向きと、強制的に遮断するスイッチSW100との関係を示す図である。図36では、通電制御装置113a側の端子電圧をVBa、通電制御装置113b側の端子電圧をVBbとして、端子電圧VBa、VBbを比較している。地点A~Eは、先行実施形態と同じである。図21同様、×印は、地絡の発生地点を簡易的に示している。また、破線丸印は、通電制御装置113の自己判断により強制遮断されるスイッチSW100を示している。
地点Aで地絡が生じると、各スイッチSW101a、SW102a、SW101b、SW102bに、いずれも左向きの過電流が流れる。通電制御装置113aのほうが地絡発生部位に近いため、端子電圧VBaのほうが端子電圧VBbよりも低くなる。よって、先に通電制御装置113aにおいて遮断処理が実行され、最下流のスイッチSW101aが遮断される。
スイッチSW101aの遮断により、各スイッチSW100を流れる電流が低下する。通電制御装置113bのカウント値が設定された監視時間Tfを上回る前に、過電流状態が解除される。これにより、スイッチSW101bの遮断が回避され、強制的に遮断されるスイッチが遮断すべきスイッチと一致する。
地点Bで地絡が生じると、スイッチSW101aに右向きの過電流が流れ、SW102a、SW101b、SW102bに左向きの過電流が流れる。通電制御装置113aのほうが地絡発生部位に近いため、端子電圧VBaのほうが端子電圧VBbよりも低くなる。よって、先に通電制御装置113aにおいて遮断処理が実行され、スイッチSW101a、SW102aが遮断される。
スイッチSW101a、SW102aの遮断により、各スイッチSW100を流れる電流が低下する。通電制御装置113bのカウント値が設定された監視時間Tfを上回る前に、過電流状態が解除される。これにより、スイッチSW101bの遮断が回避され、強制的に遮断されるスイッチが遮断すべきスイッチと一致する。
地点Cで地絡が生じると、スイッチSW101a、SW102aに右向きの過電流が流れ、スイッチSW101b、SW102bに左向きの過電流が流れる。端子電圧VBa、VBbは、同じ経路に接続されているが、厳密には地絡発生部位に近いほうが低くなる。端子電圧VBa、VBbがほぼ等しい場合は、同じ監視時間Tfが設定され、通電制御装置113a、113bにおいて遮断処理がそれぞれ実行され、スイッチSW102a、SW101bが遮断される。端子電圧VBa、VBbに差がある場合には、各電圧値に応じた値が監視時間Tfとして設定され、地絡発生部位の近い通電制御装置113が先に遮断処理を実行する。これにより先に遮断開始したスイッチSW100を流れる電流は低下するが、もう一方のスイッチSW100を流れる電流は電力系統と地絡箇所である地点Cとの経路が遮断されていないため、電流が流れ続け、所定の監視時間Tfを超過したタイミングで遮断をする。よって、スイッチSW102、SW101bが遮断される。強制的に遮断されるスイッチが遮断すべきスイッチと一致する。
地点Dで地絡が生じると、スイッチSW101a、SW102a、SW101bに右向きの過電流が流れ、SW102bに左向きの過電流が流れる。通電制御装置113bのほうが地絡発生部位に近いため、端子電圧VBbのほうが端子電圧VBaよりも低くなる。よって、先に通電制御装置113bにおいて遮断処理が実行され、スイッチSW101b、SW102bが遮断される。
スイッチSW101b、SW102bの遮断により、各スイッチSW100を流れる電流が低下する。通電制御装置113aのカウント値が設定された監視時間Tfを上回る前に、過電流状態が解除される。これにより、スイッチSW102aの遮断が回避され、強制的に遮断されるスイッチが遮断すべきスイッチと一致する。
地点Eの地絡については、図34にて説明したとおりである。各スイッチSW101a、SW102a、SW101b、SW102bに、右向きの過電流が流れる。通電制御装置113bのほうが地絡発生部位に近いため、端子電圧VBbのほうが端子電圧VBaよりも低くなる。よって、先に通電制御装置113bにおいて遮断処理が実行され、最下流のスイッチSW102bが遮断される。
スイッチSW102bの遮断により、各スイッチSW100を流れる電流が低下する。通電制御装置113aのカウント値が設定された監視時間Tfを上回る前に、過電流状態が解除される。これにより、スイッチSW102aの遮断が回避され、強制的に遮断されるスイッチが遮断すべきスイッチと一致する。
以上のように、本実施形態によれば、端子121、122、123の少なくともひとつの端子電圧に基づいて、過電流閾値Ith、及び/又は、監視時間Tfを設定する。したがって、複数の通電制御装置113が、電源111、112間で直列に配置される構成において、コントローラ150の自己判断ながらも、遮断すべきスイッチSW100のみを強制的に遮断させることができる。よって、緊急措置として強制遮断した後の最適化処理を不要とすることができる。
本実施形態では、電源システム110が2つの通電制御装置113を備える例を示したが、これに限定されない。第1電源及び第2電源の間において、3つ以上の通電制御装置113が直列に配置された構成にも適用することができる。また、第2実施形態に変形例として示した構成にも適用することができる。
(第4実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、過電流の向きに基づいて、強制的に遮断するスイッチSW100を決定する例を示した。これに代えて、この実施形態では、過電流の向きによらず、所定のスイッチSW100を強制的に遮断するように構成されている。所定のスイッチSW100を強制的に遮断しても、負荷116a、116bの少なくとも一方について電源失陥を防ぎ、これにより所望の機能を確保することができるように構成されている。
本実施形態に係る電源システム110の構成は、先行実施形態(図17参照)と同じである。
<コントローラが実行する処理>
先ず、図37に基づき、コントローラ150が備える真理値表について説明する。真理値表が、先行実施形態とは異なる。
図37(a)に示す真理値表は、通電制御装置113aで用いられる。真理値表は、5通りの検出パターンを有している。図37(a)に示すように、スイッチSW101a、SW102aのいずれかで過電流を検出した場合、過電流が流れるスイッチSW100の位置、過電流の向きによらず、所定(特定)のスイッチSW100を遮断する。本実施形態では、第2端子122側のスイッチSW102aのみを遮断する。検出パターン#2~#5は、過電流を検出した場合のパターンである。たとえばスイッチ102aについて左向きの過電流が検出されれば、検出パターン#2が適用される。検出パターン#1は、平常状態を想定しており、スイッチSW101a、SW102aともに過電流の検出がない場合のパターンである。
図37(b)に示す真理値表は、通電制御装置113bで用いられる。真理値表は、5通りの検出パターンを有している。図37(b)に示すように、スイッチSW101b、SW102bのいずれかで過電流を検出した場合、過電流が流れるスイッチSW100の位置、過電流の向きによらず、所定(特定)のスイッチSW100を遮断する。本実施形態では、第1端子121側のスイッチSW101bのみを遮断する。検出パターン#2~#5は、過電流を検出した場合のパターンである。たとえばスイッチ101bについて右向きの過電流が検出されれば、検出パターン#5が適用される。検出パターン#1は、平常状態を想定しており、スイッチSW101b、SW102bともに過電流の検出がない場合のパターンである。
このように、複数の通電制御装置113が第1電源及び第2電源の間で直列に配置された電源システム110において、過電流を検出した場合には、隣りに位置する通電制御装置113b側のスイッチSW102a、SW101bを遮断するように構成されている。換言すれば、負荷116a、116bの間に配置されたスイッチSW102a、SW101bを遮断するように構成されている。
次に、図38に基づき、コントローラ150が実行する処理について説明する。図38において、先行実施形態(図20)と同じ処理については、同じ符号を付与している。ステップS30~S36、S37、S38に示す処理は、図20と同じである。異なる点は、ステップS36A、S36Bの処理が追加されている点である。
ステップS36において最適化情報を受信したと判定すると、コントローラ150は、次いでステップS35で強制的に遮断したスイッチSW100が、最適化情報に含まれているか否か、すなわち遮断すべきスイッチSW100か否かを判定する(ステップS36A)。
最適化情報に遮断したスイッチSW100が含まれていない場合、次いでコントローラ150は、最適化情報に含まれる遮断すべきスイッチSW100のうち、該コントローラ150が駆動を制御するスイッチSW100を遮断する(ステップS36B)。遮断すべきスイッチSW100とは、異常発生部位を切り離す(遮断する)ために必要十分なスイッチSW100である。
最適化情報に遮断したスイッチSW100が含まれている場合、ステップS37に移行して、遮断したスイッチSW100が最適化情報と一致するか否かを判定する。一致する場合、一連の処理を終了する。一致しない場合、ステップS38の処理を実行し、一致しないスイッチSW100の遮断を解除して、一連の処理を終了する。
<第4実施形態のまとめ>
図39は、図17に示した5つの地点A~Eで異常が発生したときの、2つの通電制御装置113a、113bにおける過電流の流れる向きと、遮断スイッチとの関係を示す図である。地点A~Eは、先行実施形態と同じである。図21同様、×印は、地絡の発生地点を簡易的に示している。また、破線丸印は、通電制御装置113の自己判断により強制遮断されるスイッチSW100を示している。
地点Aで地絡が生じると、各スイッチSW101a、SW102a、SW101b、SW102bに、いずれも左向きの過電流が流れる。過電流の検出により、予め定められたスイッチSW102a、SW101bを強制的に遮断する。地点Aにもっとも近いスイッチSW100はスイッチSW101aである。ECU105は、遮断すべきスイッチSW100がスイッチ101aであると判断し、最適化情報として各通電制御装置113へ送信する。これにより、通電制御装置113aはスイッチSW101aを遮断し、スイッチSW102aの遮断を解除する。通電制御装置113bはスイッチSW101bの遮断を解除する。
地点Bで地絡が生じると、スイッチSW101aに右向き、スイッチSW102a、SW101b、SW102bに左向きの過電流が流れる。過電流の検出により、予め定められたスイッチSW102a、SW101bを強制的に遮断する。地点Bにもっとも近いスイッチSW100はスイッチSW101a、SW102aである。ECU105は、遮断すべきスイッチSW100がスイッチ101a、SW102aであると判断し、最適化情報として各通電制御装置113へ送信する。これにより、通電制御装置113aはスイッチSW101aを遮断し、SW102aの遮断を継続する。通電制御装置113bはスイッチSW101bの遮断を解除する。
地点Cで地絡が生じると、スイッチSW101a、SW102aに右向き、スイッチSW101b、SW102bに左向きの過電流が流れる。過電流の検出により、予め定められたスイッチSW102a、SW101bを強制的に遮断する。地点Cにもっとも近いスイッチSW100はスイッチSW102a、SW101bである。ECU105は、遮断すべきスイッチSW100がスイッチSW102a、SW101bであると判断し、最適化情報として各通電制御装置113へ送信する。よって、通電制御装置113aはスイッチSW102aの遮断を継続し、通電制御装置113bはスイッチSW101bの遮断を継続する。
地点Dで地絡が生じると、スイッチSW101a、SW102a、SW101bに右向き、スイッチSW102bに左向きの過電流が流れる。過電流の検出により、予め定められたスイッチSW102a、SW101bを強制的に遮断する。地点Dにもっとも近いスイッチSW100はスイッチSW101b、SW102bである。ECU105は、遮断すべきスイッチSW100がスイッチSW101b、SW102bであると判断し、最適化情報として各通電制御装置113へ送信する。よって、通電制御装置113aはスイッチSW102aの遮断を解除する。通電制御装置113bは、スイッチSW101bの遮断を継続し、スイッチSW102bを遮断する。
地点Eで地絡が生じると、スイッチSW101a、SW102a、SW101b、SW102bに、いずれも右向きの過電流が流れる。過電流の検出により、予め定められたスイッチSW102a、SW101bを強制的に遮断する。地点Eにもっとも近いスイッチSW100はスイッチSW102bである。ECU105は、遮断すべきスイッチSW100がスイッチSW102bであると判断し、最適化情報として各通電制御装置113へ送信する。よって、通電制御装置113aはスイッチSW102aの遮断を解除する。通電制御装置113bは、スイッチ101bの遮断を解除し、スイッチSW102bを遮断する。
以上のように、本実施形態によれば、過電流が検出されると、他の通電制御装置113が接続される端子側のスイッチSW102a、SW101bを遮断する。コントローラ150の自己判断による緊急措置により、いずれの端子外で異常が生じても、負荷116a、116bの少なくとも一方への電力供給を継続でき、これにより所望の機能を確保することができる。
本実施形態では、2つのスイッチSW102a、SW101bを遮断する例を示した。負荷116a、116bの間に配置された複数のスイッチSW102a、SW101bを遮断するため、遮断スイッチとして冗長性を確保することができる。特に遮断スイッチの冗長性が求められない場合には、スイッチSW102a、SW101bのいずれか一方のみを遮断するようにしてもよい。
本実施形態では、電源システム110が2つの通電制御装置113を備える例を示したが、これに限定されない。第1電源及び第2電源の間において、3つ以上の通電制御装置113が直列に配置された構成にも適用することができる。また、第2実施形態に変形例として示した構成にも適用することができる。
<第4実施形態の変形例>
図40は、リング型の電源システム110に適用した例を示している。図40では、便宜上、端子121、122、123の図示を省略している。図40(a)、図40(b)では、第1電源及び第2電源の間に、2つの通電制御装置113a、113bが直列に配置されている。また、第1電源及び第2電源の間に、2つの通電制御装置113c、113dが直列に配置されている。通電制御装置113c、113dは、通電制御装置113a、113bに対して並列に設けられている。通電制御装置113aの第3端子123に接続される領域を負荷領域Aと示す。同様に、通電制御装置113bの第3端子123に接続される領域を負荷領域B、通電制御装置113cの第3端子123に接続される領域を負荷領域C、通電制御装置113dの第3端子123に接続される領域を負荷領域Dと示す。また、コントローラ150の自己判断により、強制的に遮断するスイッチSW100に×印を重ねて図示している。
図40(a)では、上記同様、通電制御装置113aのスイッチSW102と、通電制御装置113bのスイッチSW101が遮断される。また、通電制御装置113cのスイッチSW102と、通電制御装置113dのスイッチSW101が遮断される。負荷116aは負荷領域Aに設けられ、負荷116bは負荷領域Dに設けられている。遮断された状態で、負荷116aは第1電源側の第1電力系統につながり、負荷116bは第2電源側の第2電力系統につながる。よって、スイッチSW100の遮断により、いずれの端子外で異常が生じても、負荷116a、116bの少なくとも一方への電力供給を継続することができる。なお、負荷116a、116bの配置は上記例に限定されない。負荷116aを負荷領域A又は負荷領域Cに設け、負荷116bを負荷領域B又は負荷領域Dに設けらればよい。
図40(b)では、通電制御装置113aのスイッチSW101と、通電制御装置113dのスイッチSW102が遮断される。負荷116aは負荷領域Aに設けられ、負荷116bは負荷領域Dに設けられている。遮断された状態で、負荷116aは第2電源側の第2電力系統につながり、負荷116bは第1電源側の第1電力系統につながる。よって、スイッチSW100の遮断により、いずれの端子外で異常が生じても、負荷116a、116bの少なくとも一方への電力供給を継続することができる。なお、負荷116a、116bの配置は上記例に限定されない。負荷116aを負荷領域A又は負荷領域Bに設け、負荷116bを負荷領域D又は負荷領域Cに設けられればよい。
(他の実施形態)
この明細書及び図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品及び/又は要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品及び/又は要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品及び/又は要素の置き換え、又は組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
明細書及び図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書及び図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書及び図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。
図41に示すように、ノーマリオフ型の半導体素子とノーマリオン型の半導体素子を組み合わせてスイッチSW100を構成してもよい。通電制御装置113a、113bにおいて、MOSFET141a、142bがノーマリオン型とされ、MOSFET141b、142aがノーマリオフ型とされている。たとえばバス114cで地絡が発生し、スイッチSW102aのMOSFET142aがオン故障(ショート故障)していても、スイッチSW102aのMOSFET142bにて遮断することができる。よって、第1電源側(たとえば電源111)から負荷116a、117に電力を供給することができる。通電制御装置13及び電源システム10にも適用できる。
コントローラ50、150がASICを用いて実現される例を示した。このコントローラ50、150の内部で地絡が生じると、コントローラ50、150の電源が失陥する。図42に示す例では、コントローラ150へ電源を供給する経路135上に、電流を検出するためのシャント抵抗161が設けられている。そして、コントローラ150が、シャント抵抗161の両端電圧に基づいて、過電流、すなわち地絡を検出できるように構成されている。コントローラ150と外部グランドとをつなぐ経路には、スイッチ190が設けられている。コントローラ150は地絡を検出すると、スイッチ190を強制的に遮断(オフ状態)にする。これにより、地絡による過電流が流れるのを即座に遮断することができる。なお、コントローラ150は、地絡を検出すると、ECU105へダイアグ信号を出力してもよい。コントローラ50についても適用できる。
コントローラ150が、端子121、122の電圧を検出する例を示した。これら端子電圧が両方落ち込むと、図42に示したように、コントローラ150に電源が供給されなくなる。瞬断状態となり、たとえばコントローラ150が内蔵するコンデンサの電荷のみで異常検出及び遮断をしなければならない。そこで、端子電圧に応じて、監視時間Tfを切り替えるようにしてもよい。以下では、端子121の電圧をB1、端子122の電圧をB2と示す。
図43(a)示すように、端子電圧B1、B2のいずれか一方が異常の場合、監視時間Tfとして40μsを設定する。一方、図43(b)示すように、端子電圧B1、B2が両方とも異常の場合、監視時間Tfとして4μsを設定する。このように、端子電圧B1、B2が両方とも落ち込むと、過電流確定までの監視時間(フィルタ時間)を短くするため、コンデンサの電荷で対応することができる。なお、図43では、遮断処理とともに警報(外部への通知)も行う例を示したが、遮断処理のみを実行としてもよい。
105…ECU、106…バス、110…電源システム、111…第1電源、112…第2電源、113、113a、113b、113c、113d…通電制御装置、114a、114b、114c、114d…バス、115…発電機、116a、116b、117、117a、117b、117c…負荷、121…第1端子、122…第2端子、123、123a、123b…第3端子、130、135…経路、140、141a、141b、142a、142b、143a、143b…MOSFET、141as、141bs、142as、142bs…センスMOS、150…コントローラ、151…駆動回路、152…判定回路、153…制御回路、154…通信回路、160…シャント抵抗、190…スイッチ、SW100、SW101、SW101a、SW101b、SW102、SW102a、SW102b、SW103…スイッチ

Claims (9)

  1. 外部と接続される3つ以上の端子(121、122、123)と、
    異なる前記端子間をつなぐ電流の主経路(130)に設けられ、前記端子間の導通及び遮断を切り替えるスイッチ(SW100、SW101、SW102)と、
    複数の前記スイッチのそれぞれに流れる電流を検出し、異常にともなう過電流が流れているか否かを判定する判定部(152)と、
    少なくとも一部の前記スイッチに流れる電流が過電流である場合に、前記過電流が流れる向きに基づいて、前記異常の部位にもっとも近い前記端子に接続された前記スイッチをオフ状態に切り替える制御部(151、153)と、
    を備え
    前記端子として、第1電源側のラインに接続される第1端子(121)と、前記第1電源とは別の第2電源側のラインに接続される第2端子(122)と、負荷が接続される少なくともひとつの第3端子(123)と、を有し、
    複数の前記スイッチは、前記第1端子と前記第2端子との間に設けられた前記主経路において、直列に接続され、
    前記第3端子は、前記主経路において隣り合う前記スイッチの間に接続されており、
    前記制御部は、連続する2つ以上の前記スイッチについて前記過電流の向きが同じ場合に、最下流の前記スイッチをオフ状態に切り替える通電制御装置。
  2. 外部と接続される3つ以上の端子(121、122、123)と、
    異なる前記端子間をつなぐ電流の主経路(130)に設けられ、前記端子間の導通及び遮断を切り替えるスイッチ(SW100、SW101、SW102)と、
    複数の前記スイッチのそれぞれに流れる電流を検出し、異常にともなう過電流が流れているか否かを判定する判定部(152)と、
    少なくとも一部の前記スイッチに流れる電流が過電流である場合に、前記過電流が流れる向きに基づいて、前記異常の部位にもっとも近い前記端子に接続された前記スイッチをオフ状態に切り替える制御部(151、153)と、
    を備え
    前記端子として、第1電源側のラインに接続される第1端子(121)と、前記第1電源とは別の第2電源側のラインに接続される第2端子(122)と、負荷が接続される少なくともひとつの第3端子(123)と、を有し、
    複数の前記スイッチは、前記第1端子と前記第2端子との間に設けられた前記主経路において、直列に接続され、
    前記第3端子は、前記主経路において隣り合う前記スイッチの間に接続されており、
    前記制御部は、間に前記第3端子が接続された2つの前記スイッチにおいて、前記過電流の向きがともに前記第3端子に向かう方向の場合に、2つの前記スイッチの両方をオフ状態に切り替える通電制御装置。
  3. 前記第1電源と前記第2電源との間で、他の前記通電制御装置と直列に配置される請求項1または請求項2に記載の通電制御装置であって、
    前記判定部は、前記第1端子、前記第2端子、及び前記第3端子の少なくともひとつの電圧に応じて、前記過電流を判定する閾値、及び/又は、前記過電流の監視時間を設定する通電制御装置。
  4. 第1電源(111、115)と、
    第2電源(112)と、
    複数の通電制御装置(113)と、
    を備え、
    前記通電制御装置のそれぞれは、
    外部と接続される3つ以上の端子(121、122、123)と、
    異なる前記端子間をつなぐ電流の主経路(130)に設けられ、前記端子間の導通及び遮断を切り替えるスイッチ(SW100、SW101、SW102)と、
    複数の前記スイッチのそれぞれに流れる電流を検出し、異常にともなう過電流が流れているか否かを判定する判定部(152)と、
    少なくとも一部の前記スイッチに流れる電流が過電流である場合に、前記過電流が流れる向きに基づいて、前記異常の部位にもっとも近い前記端子に接続された前記スイッチをオフ状態に切り替える制御部(151、153)と、
    を備えるとともに、
    前記端子として、第1電源側のラインに接続される第1端子(121)と、前記第1電源とは別の第2電源側のラインに接続される第2端子(122)と、負荷が接続される少なくともひとつの第3端子(123)と、を有し、
    複数の前記スイッチは、前記第1端子と前記第2端子との間に設けられた前記主経路において、直列に接続され、
    前記第3端子は、前記主経路において隣り合う前記スイッチの間に接続されており、
    複数の前記通電制御装置が、前記第1電源と前記第2電源との間で直列に配置されている電源システム。
  5. 前記通電制御装置それぞれの前記判定部は、前記第1端子、前記第2端子、及び前記第3端子の少なくともひとつの電圧に応じて、前記過電流を判定する閾値、及び/又は、前記過電流の監視時間を設定する請求項4に記載の電源システム。
  6. 第1電源(111、115)と、
    第2電源(112)と、
    複数の通電制御装置(113)と、
    を備え、
    前記通電制御装置のそれぞれは、
    外部と接続される3つ以上の端子(121、122、123)と、
    異なる前記端子間をつなぐ電流の主経路(130)に設けられ、前記端子間の導通及び遮断を切り替えるスイッチ(SW100、SW101、SW102)と、
    複数の前記スイッチのそれぞれに流れる電流を検出し、異常にともなう過電流が流れているか否かを判定する判定部(152)と、
    少なくとも一部の前記スイッチに流れる電流が過電流である場合に、前記過電流が流れる向きに基づいて、前記異常の部位にもっとも近い前記端子に接続された前記スイッチをオフ状態に切り替える制御部(151、153)と、
    を備えるとともに、
    前記端子として、第1電源側のラインに接続される第1端子(121)と、前記第1電源とは別の第2電源側のラインに接続される第2端子(122)と、負荷が接続される少なくともひとつの第3端子(123)と、を有し、
    複数の前記スイッチは、前記第1端子と前記第2端子との間に設けられた前記主経路において、直列に接続され、
    前記第3端子は、前記主経路において隣り合う前記スイッチの間に接続されており、
    複数の前記通電制御装置が、前記第1電源と前記第2電源との間に配置されており、
    前記通電制御装置のそれぞれは、前記過電流によりオフ状態に制御した前記スイッチに関する情報を、他の前記通電制御装置との間で共有するための通信部(154)をさらに有し、
    前記通電制御装置それぞれの前記制御部は、取得した前記スイッチに関する情報に基づいて、自身がオフ状態に制御している前記スイッチのオフ状態を解除する又は保持する電源システム。
  7. 第1電源(111、115)と、
    第2電源(112)と、
    複数の通電制御装置(113)と、
    を備え、
    前記通電制御装置のそれぞれは、
    外部と接続される3つ以上の端子(121、122、123)と、
    異なる前記端子間をつなぐ電流の主経路(130)に設けられ、前記端子間の導通及び遮断を切り替えるスイッチ(SW100、SW101、SW102)と、
    複数の前記スイッチのそれぞれに流れる電流を検出し、異常にともなう過電流が流れているか否かを判定する判定部(152)と、
    少なくとも一部の前記スイッチに流れる電流が過電流である場合に、前記過電流が流れる向きに基づいて、前記異常の部位にもっとも近い前記端子に接続された前記スイッチをオフ状態に切り替える制御部(151、153)と、
    を備えるとともに、
    前記端子として、第1電源側のラインに接続される第1端子(121)と、前記第1電源とは別の第2電源側のラインに接続される第2端子(122)と、負荷が接続される少なくともひとつの第3端子(123)と、を有し、
    複数の前記スイッチは、前記第1端子と前記第2端子との間に設けられた前記主経路において、直列に接続され、
    前記第3端子は、前記主経路において隣り合う前記スイッチの間に接続されており、
    複数の前記通電制御装置が、前記第1電源と前記第2電源との間に配置されており、
    前記通電制御装置のそれぞれは、前記過電流によりオフ状態に制御した前記スイッチに関する情報を上位制御装置であるECUへ送信し、前記ECUから指令を受信する通信部(154)をさらに有し、
    前記通電制御装置それぞれの前記制御部は、受信した前記指令に基づいて、自身がオフ状態に制御している前記スイッチのオフ状態を解除する又は保持する電源システム。
  8. 前記通電制御装置それぞれの前記制御部は、連続する2つ以上の前記スイッチについて前記過電流の向きが同じ場合に、最下流の前記スイッチをオフ状態に切り替える請求項4~7いずれか1項に記載の電源システム。
  9. 前記通電制御装置それぞれの前記制御部は、間に前記第3端子が接続された2つの前記スイッチにおいて、前記過電流の向きがともに前記第3端子に向かう方向の場合に、2つの前記スイッチの両方をオフ状態に切り替える請求項4~7いずれか1項に記載の電源システム。
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