JP7016575B2 - ミシンおよびミシンの針棒降下位置調節方法 - Google Patents
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Description
通常、ミシンの停止時には、針を装着した針棒は、縫製作業面(針板)から上昇した上位置にあって、針の先端が布の上方に離れた状態になっている。
この状態では、針と布との正確な位置合わせが困難なため、作業者は、ミシンの右端に設けられたはずみ車(ハンドホイール)を手で回して、針の先端を布の上面にできるだけ近づけるように針棒を降下させる必要があり、位置合わせの度に、針から離れた位置にあるはずみ車を手で回すのが面倒であった。
さらに、本発明のミシンの具体的実施形態として、縫製する布の厚みを計測する布厚計測手段と、前記布厚計測手段によって計測された布厚に基づいて前記布の上面までの高さを前記針棒の降下限界位置として前記駆動指令手段に設定する降下限界設定手段とをさらに備える、構成を採用する。
以下の説明では、図1の斜視図でみて、縦方向を「上下」、左上から右下方向を「左右」、左下から右上方向を「前後」とし、また、図2の透視図でみて、縦方向を「上下」、左下から右上方向を「左右」、右下から左上方向を「前後」とする。
図2において、10は、前記ヘッド部5内で、針棒支持枠11によって上下往復動および左右揺動可能に支持される針棒である。前記針棒10の下端には、針12が装着されている。
前記上軸15の回転運動は、前記上軸15の左端に設けられたクランク機構17により、前記針棒10の上下往復運動に変換される。通常のミシンでは、前記上軸15が1回転するときに、針棒10は、上下方向に1往復する。
このように、前記上軸15の回転位相は、前記針棒10の上下位置に対応している。
主モータ6は、DCモータ等、縫製時に上軸15を高速で回転駆動するモータである。
また、副モータ7は、ステッピングモータ等、上軸の回転位相を高精度で回転制御するモータであり、本実施例では、副モータは、ステッピングモータ7である。
図1において、8は、ベッド部2の上面に装着される針板である。前記針棒10に装着される針12は、針板8の針孔に挿通され、該針板8の下方に収容される後述する釜機構21によって縫目が形成されるとともに、後述する布送り機構22によって布が送られる。
前記下軸20は、下糸ボビンを収容し、前記針板8の下方に設けられた釜機構21を回転するとともに、布Nを前記送り歯13によって前後方向に送るための布送り機構22を駆動する。
前記上軸15および下軸20は、このように構成されたことにより、前記上軸15が1回転すると、下軸20も1回転し、針棒10は、釜機構21および布送り機構22と同期して上下往復動する。
前記押え棒26は、針板8に向かって垂直に延び、軸方向に上下動可能に機枠に支持され、該押え棒26が上下動することにより、前記押え足25は、針板8上の布Nに対して接離することができる。
前記動力伝達機構30は、前記上軸15の回転を主モータ6またはステッピングモータ7のどちらかに切り替える駆動切替部31と、該駆動切替部31による回転を該上軸15に設けられた歯付きの従動プーリ32に伝達する歯付きのモータベルト33とを備え、該上軸15は、主モータ6による正回転駆動またはステッピングモータ7による正逆回転駆動のどちらかによって回転される。
本実施例では、主モータ6の回転軸6aは、駆動プーリ35と常時接続されているが、主モータ6の回転軸6aは、ステッピングモータ7の回転軸7aと同様に、駆動プーリ35と駆動時だけギア等で接続されるように構成されていても構わない。
前記回転位相検出器44は、上軸15と一体的に回転する複数枚の回転ディスク(図示せず)と、ミシン機枠側に設けられ、各回転ディスクの回転状態を光学的に検出する発光部と受光部を備える透過型光センサ(図示せず)とから構成されている。
前記膝当て部48は、作業者によって膝で押されると、レバー47が回動し、図4に示すように、ミシン本体1内部に設けられたリンク機構49を駆動することにより、該リンク機構49に係合する操作量検出部であるポテンショメータ50が回動してニーリフター46の操作開始および操作量を検出する。
前記ニーリフター46は、何も操作しない状態の最小位置(ZERO位置)から膝により操作して機械的に限界の最大位置(MAX位置)まで回動できる。前記ニーリフター46は、作業者が操作しない時に、リンク機構49に掛け渡されたねじりばね(トーションばね)51の付勢力により最小位置に戻るようになっている。
前記押え棒駆動用ステッピングモータ27の回転軸には、駆動歯車54が取り付けられ、該ステッピングモータ27の駆動力は、二重歯車55を経て、カムディスク56に伝達される。
前記押え昇降レバー53は、一端がピン59により機枠に支持され、該ピン59を基端に押え棒26に対して略直交方向に延び、該押え昇降レバー53の先端には、押え棒26に摺動可能に嵌合するリング部60が設けられている。
押えばね28は、押え足25が浮動の状態では押え昇降レバー53の降下力によっては縮小しない程度にばね定数が高く設定されている。そのため、押え棒26は、押えばね28を介して押え棒抱き65で押え付けられ、押え昇降レバー53により降下する。
また、前記押え棒26には、押え昇降レバー53の先端に設けられたリング部60の直上に、上げフランジ61が取り付けられている。押え昇降レバー53が振り上げられると、先端のリング部60が上げフランジ61を押し上げ、押え棒26は上昇する。
図5(b)に示すように、前記スリット板29aは、所定高さ範囲にわたって厚さ方向に貫通するスリット66が形成され、該スリット板29aを挟んで発光部と受光部を備える透過型光センサ29bがミシン機枠に取り付けられている。前記スリット板29aは、押え棒抱き65に設けられ、押え棒26の上下動方向と平行に延びている。
透過型光センサ29bは、スリット板29aのスリット66を透過する光を検出することによって、押え棒26の高さ位置を検出可能であり、通過したスリット数をカウントすることによって押え棒26の上昇量および下降量を検出することができる。
前記ヘッド部5の前面下部には、ミシンの始動および停止を指示するスタート・ストップスイッチ69が設けられる。
ミシン本体1内には、制御装置70が設けられ、制御装置70は、CPU71、ROM72およびRAM73を含むマイクロコンピュータと、入力インターフェース74と、出力インターフェース75とを備えている。前記ROM72には、縫製動作を制御するための制御プログラムや、縫製動作に必要な縫目データ等の各種のデータが記憶されている。
また、前記出力インターフェース75には、主モータ6、ステッピングモータ7、押え棒駆動用ステッピングモータ27、ソレノイド42および液晶ディスプレイ68が、それぞれ駆動回路76~80を介して接続されている。
本実施例では、前記ニーリフター46は、通常の縫製モードでは、押え棒26の上下動を指示するのに対し、針棒10の降下位置を調節するモードでは、針棒10の降下を指示する操作部として機能する。
ミシンは、前記回転位相検出器44により上軸15が回転停止状態であることを条件に、ニーリフター46を操作すると、前記押え足25(押え棒26)は、図5(a)に示す、針板8から上昇した解放位置と、図6に示す、針板8上の布Nの上面に当接して布Nを押え付ける押圧位置との間を昇降する。
前記押圧状態にある押え足25から布Nを取り除くために、作業者が膝でニーリフター46の膝当て部48をZERO位置からMAX位置まで押し込むと、図4(a)に示すレバー47は、矢印方向に回動する。前記レバー47が回動すると、リンク機構49は、ねじりばね51に抗して反時計方向に揺動することにより、ポテンショメータ50の時計方向の回動に変換され、ポテンショメータ50は、ニーリフター46の操作量に応じた電気信号を図8に示す制御装置70の入力インターフェース74に入力する。
図5(a)に示すように、前記押え棒駆動用ステッピングモータ27が駆動されると、駆動歯車54と二重歯車55を介してカムディスク56が反時計方向に回転する。カムディスク56が回転すると、押え昇降レバー53の従動突起58は、従動するカム溝57に応じてカムディスク56の半径方向に縮小する。
前記カム溝57が半径方向に縮小すると、従動突起58は、針板8から離れるように上昇し、押え昇降レバー53は、基端のピン59を中心に押え棒26との連結点を振り上げる。前記押え昇降レバー53が振り上げられると、先端のリング部60が押え棒26に固定される上げフランジ61を押し上げ、押え棒26(押え足25)は、上昇して開放位置となる。
前記ポテンショメータ50は、ニーリフター46の操作量に応じた電気信号を図8に示す制御装置70の入力インターフェース74に入力すると、該制御装置70は、出力インターフェース75から駆動回路78を介して押え棒駆動用ステッピングモータ27を駆動する。
従動突起58が降下すると、押え昇降レバー53は、基端のピン59を中心に押え棒26との連結点を振り下げる。前記押え昇降レバー53が振り下げられると、先端のリング部60がワッシャ62の上から押えばね28を介して押え棒抱き65を押し下げることにより、押え棒26は降下し、該押え棒26の降下により、図6に示すように、押え足25は、針板8上の布Nの上面に当接して布Nを押え付ける押圧位置となる。
前記制御装置70は、前記スタート・ストップスイッチ69からの電気信号に応じて、出力インターフェース75から駆動回路76を介して主モータ6を駆動する。
図2に示すように、主モータ6が駆動されると、動力伝達機構30を介して上軸15を正回転させ、上軸15は、上軸プーリ18と下軸プーリ23と歯付きベルト24によって下軸20を回転させる。これにより、上軸15と連動する針棒10は、釜機構21および布送り機構22と同期して作動し、布Nを送り歯13により布送りするとともに、針12により縫目を形成する。
図9において、ミシンは、前記通常の縫製モードにおいて、主モータ6の回転駆動によって針棒10(針12)が上位置に停止した状態にある場合、上軸15の回転位相は、回転位相検出器44により検出され、針棒10の上死点を0°とすると、上停止位置Uの範囲は、約30°から70°の間(ハッチングで示す)であり、また、針12の先端が針板8の針孔を挿通する直前の上軸15の回転位相である最降下点Dは、100°付近である。
このように、ステップS2の「針棒降下有効?」で有効と判断され、針棒の降下位置を調整するモードが選択されることで、ステッピングモータ接続処理が行われる(切替指令手段)。
前記回転軸6aには、上軸15を回転するモータベルト33に動力を伝達する駆動プーリ35が取り付けられているので、主モータ6が停止状態であっても、ステッピングモータ7を駆動することにより上軸15を回転することができる。
このために、回転位相検出器44は、図9に示すように、上停止位置Uに停止した上軸15の回転位相に応じた電気信号を制御装置70の入力インターフェース74に入力すると、該制御装置70は、出力インターフェース75から駆動回路77を介してステッピングモータ7を駆動することにより、「針棒基準位置停止」(「基準位置停止指令手段」として機能する。)を指令する(ステップS7)。
前記「針棒基準位置停止」の指令において、後述する「駆動ステップ数と回転方向の算出」(ステップS13)と同様に、回転位相検出器44により検出される上停止位置Uの回転位相(約30°~約70°)と基準上停止位置Sの回転位相(30°)との差分を求め、前記ステッピングモータ7は、動力伝達機構30を介して上軸15を正逆回転し、上軸15を図9に示す基準上停止位置S(30°)に正確に停止させることにより、針棒10を針棒基準位置に停止させることができる。
前記「布厚計測」において、制御装置70は、出力インターフェース75から駆動回路78を介して押え棒駆動用ステッピングモータ27を駆動する。
従動突起58が降下すると、押え昇降レバー53は、基端のピン59を中心に押え棒26との連結点を振り下げる。前記押え昇降レバー53が振り下げられると、先端のリング部60がワッシャ62の上から押えばね28を介して押え棒抱き65を押し下げることにより、押え棒26は降下し、該押え棒26の降下により、押えばね28を所定の圧縮力で押圧したときの布Nに応じた布厚は、図7(a)~(c)に示すように、h1~h3として表され、高さ検出センサ29によって押え棒26の降下量を検出することによって算出することができる。
図9に示すように、前記「針棒の降下限界設定」は、針棒10の最大降下位置として、針板8上に布Nが載置されていない場合を上軸15の回転位相で最降下点D(100°)とし、針板8上に布Nを載置した場合は、上軸15の回転位相で布Nの厚さhに相当する位相分を100°から差し引くことにより降下限界位置Hを設定する。
その後、操作量検出部であるポテンショメータ50から入力インターフェース74に入力される操作量に応じた電気信号の有無により、作業者が操作部であるニーリフター46を操作したかを判断し、ポテンショメータ50からの操作量に応じた電気信号がない場合(ステップS11;NO)は、ステップS1に戻る。
前記「操作量読取」により、操作量の経時的変化である今回の操作量と前回の操作量との差分を求め、求めた差分が正であれば正回転方向に差分に相当する駆動ステップ数となり、また、前記差分が負であれば逆回転方向に差分に相当する駆動ステップ数となるように、ステッピングモータ7の駆動ステップ数と回転方向を算出する「駆動ステップ数と回転方向の算出」(ステップS13)を行う。
前記「ステッピングモータ駆動制御処理」において、前記ステッピングモータ7は、前記算出された回転方向に、前記算出された駆動ステップ数だけ回転駆動することにより、前記ステッピングモータ7は、動力伝達機構30を介して上軸15を、図9に示す基準上停止位置Sと最降下点D(降下限界位置H)の間の範囲α内で回転し、ニーリフター46の操作量に応じた降下位置に針棒10を停止させることができる。
なお、「操作量読取手段」、「算出手段」および「駆動制御手段」は、「駆動指令手段」として機能する。
上記「針棒降下位置調節モード」が解除された時は、ステッピングモータ7が接続されているか否かを「フラグが1か?」で判断すると、フラグは1である(ステップS4;YES)ので、ステッピングモータ7を駆動切替部31によって上軸15から切断(ステップS5)し、フラグを0に(ステップS15)した後、ステップS1に戻る。
本実施例については、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付して図示することで詳しい説明を省略し、相違点を中心に説明する。
また、前記出力インターフェース75には、第1実施例と同様の機器が接続されている。
本実施例では、前記フットコントローラは、通常の縫製モードでは、主モータ6の駆動速度を指示するのに対し、針棒10の降下位置を調節するモードでは、針棒10の降下を指示する操作部として機能する。
ミシンは、前記回転位相検出器44により上軸15が回転停止状態であることを条件に、フットコントローラを操作すると、主モータ6は、該フットコントローラの踏み込み量に応じて駆動速度を変化させる。
前記制御装置70は、前記可変抵抗器90からの電気信号に応じて、出力インターフェース75から駆動回路76を介して主モータ6を駆動し、可変抵抗器90からの電気信号に応じた速度で主モータ6を回転駆動する。
すなわち、ステップS11で、操作量検出部である可変抵抗器90から入力インターフェース74に入力される操作量に応じた電気信号の有無により、作業者が操作部であるフットコントローラを踏み込んだかを判断し、踏み込んだ場合は、ステップS12へ進み、また、踏み込まれていない場合は、ステップS1に戻る。
つぎに、ステップS12で、制御装置70は、フットコントローラの可変抵抗器90から入力インターフェース74に入力される操作量の経時的変化に応じた電気信号を所定時間間隔でサンプリングする「操作量読取」を行い、ステップS13に進む。
その他の効果は、第1実施例と同様である。
D 最降下点
H 降下限界位置
N 布
S 基準上停止位置
U 上停止位置
1 ミシン本体
2 ベッド部
3 脚柱部
4 アーム部
5 ヘッド部
6 主モータ
6a,7a 回転軸
7 ステッピングモータ(副モータ)
8 針板
10 針棒
11 針棒支持枠
12 針
13 送り歯
15 上軸
16 はずみ車
17 クランク機構
18 上軸プーリ
20 下軸
21 釜機構
22 布送り機構
23 下軸プーリ
24 歯付きベルト
25 押え足
26 押え棒
27 押え棒駆動用ステッピングモータ
28 押えばね
29 高さ検出センサ
29a スリット板
29b 透過型光センサ
30 動力伝達機構
31 駆動切替部
32 従動プーリ
33 モータベルト
35 駆動プーリ
36 従動ギア
37 駆動ギア
38 支持枠
39 摺動軸ユニット
40 接続ギア
41 コイルばね
42 ソレノイド
44 回転位相検出器
46 ニーリフター
47 レバー
48 膝当て部
49 リンク機構
50 ポテンショメータ(操作量検出部)
51 ねじりばね
53 押え昇降レバー
54 駆動歯車
55 二重歯車
56 カムディスク
57 カム溝
58 従動突起
59 ピン
60 リング部
61 上げフランジ
62 ワッシャ
65 押え棒抱き
66 スリット
67 タッチパネル(モード選択部)
68 液晶ディスプレイ
69 スタート・ストップスイッチ
70 制御装置
71 CPU
72 ROM
73 RAM
74 入力インターフェース
75 出力インターフェース
76~80 駆動回路
90 可変抵抗器(操作量検出部)
Claims (10)
- 針棒の降下位置を調節するミシンであって、
ミシン機枠に回転自在に支持される上軸と、
針を保持し、前記上軸の回転により上下往復動する針棒と、
前記上軸を正回転駆動する主モータと、
前記上軸を正逆回転駆動する副モータと、
前記上軸の回転を、前記主モータまたは前記副モータによる駆動に切り替える駆動切替部と、
前記針棒の降下位置を調節するモードを選択可能なモード選択部と、
前記針棒の降下位置を操作量によって指示する操作部と、
前記モード選択部によって前記針棒の降下位置を調節するモードが選択された時に、前記駆動切替部により前記上軸の回転を前記副モータによる駆動に切り替える切替指令手段と、
前記操作部の操作量に応じた回転位相と回転方向とで前記上軸を回転するように、前記副モータを駆動する駆動指令手段とを備え、
前記駆動指令手段は、前記操作部の操作量を所定時間ごとに読み取る操作量読取手段と、前記操作量読取手段が読み取った前記操作量の経時的変化に基づいて前記副モータの駆動ステップ数と回転方向とを算出する算出手段とを含む、ミシン。 - 前記副モータは、ステッピングモータである、請求項1に記載のミシン。
- 前記上軸の回転位相を検出する回転位相検出器と、
前記駆動切替部により前記上軸の回転を前記副モータによる駆動に切り替えた時に、前記回転位相検出器が検出した前記上軸の回転位相に基づいて前記針棒が所定の基準位置に停止するように、前記副モータにより前記上軸を回転する基準位置停止指令手段とをさらに備える、請求項1または2に記載のミシン。 - 前記操作部は、ニーリフターである、請求項1~3のいずれかに記載のミシン。
- 前記操作部は、フットコントローラである、請求項1~3のいずれかに記載のミシン。
- 縫製する布の厚みを計測する布厚計測手段と、
前記布厚計測手段によって計測された布厚に基づいて前記布の上面までの高さを前記針棒の降下限界位置として前記駆動指令手段に設定する降下限界設定手段とをさらに備える、請求項1~5のいずれかに記載のミシン。 - 正回転駆動する主モータまたは正逆回転駆動する副モータで上軸を回転することによって、針棒を上下往復動するミシンの針棒降下位置調節方法であって、
通常の縫製モードが選択された時に、前記上軸に前記主モータを接続するステップと、
前記針棒の降下位置を調節するモードが選択された時に、前記上軸に前記副モータを接続するステップと、
前記上軸に前記副モータが接続された時に、前記針棒の降下位置を操作量によって指示する操作部の操作量を読み取るステップと、
前記操作量を読み取るステップで読み取った操作量に応じた回転位相と回転方向とで前記上軸を回転するように、前記副モータの回転駆動を指令するステップとを備え、
前記操作部の操作量を読み取るステップは、該操作部の操作量を所定時間ごとにサンプリングして前記操作量の経時的変化を求めるステップを含み、
前記副モータの回転駆動を指令するステップは、前記操作量の経時的変化を求めるステップで求めた前記経時的変化に基づいて前記副モータの駆動ステップ数と回転方向とを算出するステップと、前記算出するステップで算出した駆動ステップ数と回転方向に応じて前記副モータを駆動制御するステップとを含む、ミシンの針棒降下位置調節方法。 - 前記上軸に前記副モータが接続された時に、該上軸の回転位相を検出するステップと、
前記回転位相を検出するステップで検出した前記上軸の回転位相に基づいて前記針棒が所定の基準位置に停止するように、前記副モータに該上軸の基準位置停止を指令するステップとをさらに備える、請求項7に記載のミシンの針棒降下位置調節方法。 - 縫製する布の厚みを計測するステップと、
前記計測するステップで計測した布厚に基づいて前記布の上面までの高さを前記針棒の降下限界位置として設定するステップとをさらに備える、請求項7または8に記載のミシンの針棒降下位置調節方法。 - 前記針棒の降下位置を調節するモードが解除された時に、前記副モータを前記上軸から切断するステップをさらに備える、請求項7~9のいずれかに記載のミシンの針棒降下位置調節方法。
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