JP7016270B2 - 送電システムおよび送電方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非接触で電子機器に電力を供給する送電システムおよび送電方法に関する。
従来から、NFC(Near Field radio Communication)などによる近距離無線通信の機能を有する通信機器などの電子機器が普及している。また、電子機器の動作に要する電力を非接触で送電するためのワイヤレス電力伝送回路を備えた送電システムが提案されている。しかしながら、送電システムからの送電に係る出力は、NFCに係る出力よりも格段に大きい。さらに、NFCの使用周波数は、送電システムが送電に用いる周波数もしくはその逓倍の周波数と等しいか近似することがある。例えば、NFCの規格であるISO/IEC14443、ISO/IEC18092、ISO/IEC15693で規定された周波数13.56MHzは、非接触送電の規格であるAirFuel Resonantで規定された使用周波数6.78MHzの2倍に相当する周波数13.56MHzと一致する。そのため、通信装置が非接触送電とNFC通信とを同時に実行すると、NFC回路が破損するおそれがある。
そこで、NFC回路の破損を回避するため、送電される電力が所定の閾値を超えるときNFC回路への導通を遮断する機器が提案されていた。例えば、特許文献1に記載の通信装置は、通信コイルにおける端子電圧が所定の給電閾値電圧を超える場合に、通信コイルとNFC回路との導通を遮断する。また、この通信装置は、通信コイルの端子電圧が給電閾値電圧を超過しない場合、二次電池とNFC回路を導通させることで、NFC回路を作動させる。
特開2014-33509号公報
しかしながら、NFCカードのように、送電システムからの送電時にNFC回路への電力を遮断する手段を備えていないNFC機器も存在する。送電システムからの電力の供給を可能とする送電可能領域に、電力を遮断する機能を有しないNFCカードが進入することを仮定すると、NFCカードのNFC回路への電力の供給が遮断されないので、NFCカードのNFC回路が破損するおそれがある。また、送電可能領域内に電気を伝導する導体が存在すると、送電システムから放射される電磁波により導体に対して電磁誘導を引き起こす。このことは、送電目的とする電子機器への送電効率の低下や安全性の低下などの原因となるおそれがある。例えば、導体における誘導電流の発生による導体もしくはその周囲の機器の破損など温度上昇を原因とする、導体もしくはその周囲の器具の破損などが発生する可能性がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、目的の電子機器への有効な送電を実現することができる送電システムおよび送電方法を提供することを課題とする。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、平面上に配列された複数の給電器を備え、前記複数の給電器の1つは、電源から供給される電力を送電する送電器であり、前記送電器以外の給電器は、前記送電器から直接または間接的に受電した電力を送電する中継器であり、前記給電器のそれぞれは、所定領域において電力を送信波で送電する送電部と、前記所定領域において送電の対象外である対象外物体を検出する検出部と、を備え、前記複数の給電器のうち少なくとも1つの給電器は、他の機器と無線で通信する通信部と、送電制御部と、を備え、前記送電制御部は、前記通信部が送電対象とする対象機器を検出するとき、前記検出部が前記対象外物体を検出した給電器の送電部に送電させず、前記検出部が前記対象外物体を検出しない給電器の送電部に送電させ、前記給電器の検出部が前記対象外物体を検出するとき、前記対象外物体を検出する給電器に最も近接し、かつ、前記対象外物体を検出しない中継器を送電させる給電器として選択する送電システムである。
本発明によれば、目的の電子機器への有効な送電を実現することができる。
第1の実施形態に係る送電システムの概略を示す説明図である。 第1の実施形態に係る送電器の共振回路の例を示す図である。 第1の実施形態に係る中継器の共振回路の例を示す図である。 第1の実施形態に係る送電システムの機能構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る受電器の機能構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係るNFCカードの機能構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る送電器の動作例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る中継器の動作例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る受電器の動作例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る送電システムにおける動作例を示す説明図である。 第2の実施形態に係る送電システムの機能構成例を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る送電器の動作例を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る中継器の動作例を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る送電システムの機能構成例を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る中継器の動作例を示すフローチャートである。 第4の実施形態に係る送電システムの機能構成例を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る送電システムにおける動作例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る送電システム及び送電方法について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る送電システム1の概略を示す説明図である。送電システム1は、非接触で送電対象機器に電力を送電する非接触給電システムである。非接触給電は、非接触充電、非接触送電、ワイヤレス給電、ワイヤレス充電、又はワイヤレス送電とも呼ばれる。
送電システム1は、複数の給電器を含んで構成され、共振共鳴方式に基づいて送電対象機器に送電する。送電システム1は、所定の非接触給電規格、例えば、AirFuel Resonantに準拠していてもよい。図1に示す例では、送電システム1は、15個の給電器が、平面上に3行5列に互いに重ならないように配列されている。また、複数の給電器は、相互に電気的に絶縁され、かつ、それぞれの側面において他の給電器と空間的に密接して配置される。相互に隣接する給電器間の間隔は、所定の間隔(例えば、1~2cm)よりも近接していればよい。複数の給電器は、それぞれ送電コイルを備え、全体としてコイルアレイを形成する。複数の送電コイルは、互いに等しい所定の周波数(例えば、6.78MHz)の送信波で電力を送電可能とする。個々の送電コイルの半径は、例えば、3~10cmである。
図1に示す15個の給電器は、1個の送電器10-1,1と、14個の中継器20-2,1~20-3,5とに分類される。以下の説明では、送電器10-1,1を、単に送電器10と呼ぶことがある。個々の中継器を区別しない場合には、その中継器を、単に中継器20と呼ぶことがある。また、個々の給電器を区別しない場合や、送電器と中継器とを区別しない場合には、個々の給電器、送電器もしくは中継器、又は複数の給電器の集合を、単に給電器と総称することがある。
送電器10は、電源から直接供給される電力を中継器20に送電する。送電器10は、図2に示すように、送電コイル102と、スイッチ部104と、コンデンサ106と、電源108とを含んで構成される。送電コイル102は、電源108から供給される電力を送信波で送信する送電部として機能する。送電コイル102、スイッチ部104、コンデンサ106及び電源108は、直列に接続され共振回路が形成される。共振回路の共振周波数が所定の周波数(例えば、6.78MHz)となるように、送電コイル102のインダクタンスとコンデンサ106の容量を予め設定しておく。
電源108は、その共振回路の共振周波数と等しい周波数で電圧値が振動する電力を生成し、生成した電力を伴う電流を共振回路に供給する。スイッチ部104の端子が短絡して通電可能な状態(ON状態)では、送電コイル102は、電源108から供給される電流により発生する電磁波を送信波として放射する。よって、電源108から供給される電流に伴う電力が、送信波により送電される。スイッチ部104の端子が開放され絶縁された状態(OFF状態)では、送電コイル102には、電源108から電流が供給されないので、送信波による送電はなされない。
中継器20は、送電器10から直接又は間接的に供給される電力を他の中継器20に中継する。中継器20は、図3に示すように、送電コイル202と、スイッチ部204と、コンデンサ206とを含んで構成される。送電コイル202は、自器に到来する電力を送信波で送信する送電部として機能する。送電コイル202、スイッチ部204及びコンデンサ206は、直列に接続され共振回路が形成される。各中継器20の共振回路の共振周波数は、送電器10の共振回路の共振周波数と等しくなるように送電コイル202のインダクタンスとコンデンサ206の容量を予め設定しておく。スイッチ部204の端子が短絡した状態(ON状態)では、送電コイル202には、送電器10から直接又は間接的に到来する電磁波により誘導電流が生じ、到来した電磁波と誘導電流によって生じる電磁波が共振する。共振により生じる電磁波は送信波として、その周囲に放射される。そのため、送電器10から送信波で送電される電力が、順次隣接する中継器20によって中継される。スイッチ部204の端子が開放した状態(OFF状態)では、共振回路が形成されないので、送電コイル202に電磁波が到来しても誘導電流は生じない。従って、スイッチ部204の端子が開放した状態の中継器20は、他の中継器20に電力を中継しない。
図1に戻り、受電器30は、送電システム1が送電対象とする送電対象機器である。受電器30は、送電システム1の各給電器の共振周波数と等しい周波数で共振する共振回路を有し、共振回路は受電コイルを含んで構成される。受電器30の受電コイルには、いずれかの給電器から到来する電磁波により誘導電流が生じ、到来した電磁波と誘導電流によって生じる電磁波が共振する。従って、到来する電磁波が有する電力が共振により高い効率で受電される。受電器30が所定の効率(例えば、90%)以上で受電可能とする送電可能領域は、各給電器から所定の範囲内(例えば、5~10cm)の領域となる。従って、受電器30をいずれかの給電器に近接もしくは接触させると、送電システム1は高い効率で受電器30に送電することができる。図1に示す例では、受電器30が多機能携帯電話機である場合を例にするが、これには限られない。受電器30は、タブレット端末装置、パーソナルコンピュータ、電子時計、ラジオ受信機、テレビジョン受信機、その他、給電器が送電する電力を受電可能な機器であればよい。
本実施形態では、各給電器は、自器から所定の範囲内においてNFCカード40を検出する検出部を備える。NFCカード40は、送電対象機器ではない対象外物体の一例である。送電器10は、他の機器と無線で通信可能とする。送電器10は、送電対象とする受電器30を検出する場合、NFCカード40を検出した給電器に送電させず、NFCカード40を検出しない給電器に送電させる。受電器30への送電がなされるときであっても、NFCカード40を検出する給電器から電磁波が放射されないので給電器から放射される電磁波によるNFCカード40の破損が回避される。
(機能構成)
次に、本実施形態に係る送電システム1の機能構成例について説明する。
図4は、本実施形態に係る送電システム1の機能構成例を示すブロック図である。図4に示す中継器20の個数は1個であるが、複数の中継器20の機能構成は互いに同様である。
まず、送電器10の機能構成例について説明する。送電器10は、送電コイル102、スイッチ部104、コンデンサ106(図2)及び電源108(図2)の他、通信部110、NFC検出部112及び送電制御部114を含んで構成される。
通信部110は、他の機器と所定の通信方式を用いて無線通信を行う通信インタフェースである。通信部110は、所定の手順に従って相手先となる他の機器を検出し、検出した他の機器との間で接続を確立する。相手先となる他の機器は、例えば、中継器20、受電器30である。通信部110は、所定の時間間隔で報知情報を送信し、その応答として他の機器からの応答信号を受信する。通信部110は、受信した応答信号に付随した送信元アドレスもしくは機器情報に基づいて、個々の機器を識別することができる。通信部110が無線通信を実現できる通信可能範囲は、送電システム1全体の送電可能領域を含み、その送電可能領域と同等又はより広い範囲であればよい。所定の通信方式として、例えば、IEEE802.15.1に規定されたBluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)などの短距離無線通信方式、IEEE802.11に規定されたWi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)などの無線LAN(Local Area Network)規格が適用されてもよい。通信部110は、他の機器と無線通信を行う際の無線信号を送受信するためのアンテナとして、送電コイル102を用いてもよいし、別個の専用のアンテナを備えてもよい。
通信部110は、自部が検出した機器を示す通信機器情報を送電制御部114に出力する。なお、通信部110は、中継器20と有線で接続して通信を行ってもよい。
通信部110は、接続を確立した他の機器との間で各種の情報を送受信する。
通信部110は、送電対象外とするNFCカード40の検出の有無を示す検出情報を各中継器20から受信するとき、受信した検出情報を送電制御部114に出力する。
通信部110は、送電制御部114から送電の要否を示す送電制御信号が入力されるとき、入力された送電制御信号を制御対象となる中継器20に送信する。
通信部110は、送電対象とする受電器30から充電制御信号を受信するとき、受信した充電制御信号を送電制御部114に出力する。充電制御信号は、充電の開始又は終了を指示する制御信号である。
NFC検出部112は、自器から所定範囲内の検出領域からNFCカード40を検出する。NFC検出部112は、例えば、NFCコイル(図示せず)と、NFC回路(図示せず)を備えるNFCリーダ・ライタ(Reader/Writer;RW)(図示せず)を含んで構成される。NFCリーダ・ライタは、NFCカード40との間で、所定の近距離通信規格を用いた通信を行う。所定の近距離通信規格は、例えば、ISO/IEC14443、ISO/IEC18092、ISO/IEC15693のいずれでもよい。NFCコイルには、NFC回路と並列にコンデンサが接続され、コンデンサとの間で共振回路を含んで構成される。NFCコイルは、NFCカード40との間で通信を行うためのアンテナとして機能する。NFCコイルは、その周囲の電磁波に応じた誘導電流を発生させる。また、NFCコイルは、NFC回路から供給される信号に応じた電磁波を発生させる。
NFC回路には、NFCカード40から到来する所定の周波数(例えば、13.56MHz)の電磁波に応じた受信信号がNFCコイルから入力される。NFC回路は、入力される受信信号の強度が、所定の受信信号の強度の閾値よりも高いときNFCカード40を検出したと判定し、所定の強度の閾値以下であるときNFCカード40を検出しないと判定する。NFC検出部112は、NFCカード40の検出の有無を示す検出情報を送電制御部114に出力する。NFC検出部112が、NFCカード40を検出可能とする検出可能領域は、送電コイル102からの送電を可能とする送電可能領域よりも広ければよい。即ち、検出可能領域は、送電コイル102により送信した電力がNFCカード40で受電されるとき、受電される電力の強度が、NFCカード40を破損させる強度になる領域が含まれればよい。
なお、NFCコイルとして送電コイル102が用いられてもよい。その場合には、NFC検出部112は、専用のNFCコイルを備えず、省略されてもよい。
送電制御部114は、受電器30が検出されるとき、NFCカード40を検出した給電器に送電させず、NFCカード40を検出していない給電器に送電させるように、各給電器の送電コイルからの送電を制御する。より具体的には、自器への電源供給の開始による起動時において、送電制御部114は、各給電器について検出を示す検出フラグを自部に設定する。送電制御部114は、中継器20から通信部110を介してNFCカード40の検出を示す検出情報を受信するとき、検出フラグが、その中継器20に検出しないこと(以下、「不検出」と呼ぶ)を示す状態に設定されている場合には、検出フラグを、検出を示す状態に更新する。送電制御部114は、中継器20から通信部110を介してNFCカード40の不検出を示す検出情報を受信するとき、検出フラグが、その中継器20に検出を示す状態に設定されている場合には、検出フラグを、不検出を示す状態に更新する。
送電制御部114は、更新後の検出フラグが検出を示すとき、送電停止(OFF)を示す送電制御信号を、当該検出フラグが対応する中継器20に通信部110を介して送信する。更新後の検出フラグが不検出を示すとき、送電実行(ON)を示す送電制御信号を、当該検出フラグが対応する中継器20に通信部110を介して送信する。
送電制御部114は、自器(送電器10)のNFC検出部112からNFCカード40の検出を示す検出情報が入力されるとき、自器の検出フラグが不検出を示す状態に設定されている場合には、検出フラグを、検出を示す状態に更新する。送電制御部114は、自器のNFC検出部112からNFCカード40の不検出を示す検出情報が入力されるとき、自器の検出フラグが検出を示す検出フラグが設定されている場合には、検出フラグを、不検出を示す状態に更新する。
送電制御部114は、更新後の検出フラグが検出を示すとき、送電停止(OFF)を示す送電制御信号をスイッチ部104に出力する。スイッチ部104は、送電制御部114から送電停止(OFF)を示す送電制御信号が入力されるとき、端子を開放して送電コイル102からの送電を停止する。更新後の検出フラグが不検出を示すとき、送電実行(ON)を示す送電制御信号をスイッチ部104に出力する。スイッチ部104は、送電制御部114から送電実行(ON)を示す送電制御信号が入力されるとき、端子を短絡して送電コイル102からの送電を実行する。
送電制御部114は、通信部110から受電器30を示す通信機器情報が入力されるとき、受電器30が検出されたと判定し、送電実行(ON)を示す送電制御信号をスイッチ部104に出力する。これにより、自器もしくは中継器からの受電器30への送電が開始される。
送電制御部114は、受電器30から充電停止を示す充電制御情報が入力されるとき、送電停止(OFF)を示す送電制御信号をスイッチ部104に出力する。これにより、自器もしくは中継器からの受電器30への送電が停止される。また、送電制御部114は、通信部110から受電器30を示す通信機器情報が所定時間(例えば、5~30秒)以上入力されないとき、受電器30との接続が断たれたと判定し、送電停止(OFF)を示す送電制御信号をスイッチ部104に出力してもよい。これにより、受電器30への送電が停止される。
次に、本実施形態に係る中継器20の機能構成例について説明する。中継器20は、送電コイル202、スイッチ部204及びコンデンサ206(図3)の他、通信部210及びNFC検出部212を含んで構成される。
送電コイル202、スイッチ部204、コンデンサ206、通信部210、NFC検出部212の構成は、特に断らない限り、送電器10の送電コイル102、スイッチ部104、コンデンサ106、通信部110、NFC検出部112の構成とそれぞれ同様である。
通信部210は、他の機器と無線で通信を行う。通信部210は、送電器10と有線で接続され通信を行ってもよい。
NFC検出部212は、自部によるNFCカード40の検出の有無を示す検出情報を、通信部210を介して送電器10に送信する。
スイッチ部204は、送電器10から通信部210を介して送電停止(OFF)を示す送電制御信号を受信するとき、自部の端子を開放した状態(OFF状態)とし、送電コイル202からの送電を停止させる。
スイッチ部204は、送電器10から通信部210を介して送電実行(ON)を示す送電制御信号を受信するとき、自部の端子を短絡した状態(ON状態)とし、送電コイル202からの送電を実行させる。
なお、送電器10のNFC検出部112の検出可能領域と各中継器20のNFC検出部212の検出可能領域の全体は、送電システム1が占有される領域を含み、かつ、互いに隣接する給電器(送電器10と中継器20を含む)間で個々の検出可能領域が相互に重複する部分が、できるだけ小さく(最小化)なるように設定されればよい。
なお、送電器10の送電コイル102の表面を導体からなるシールドで覆うようにしてもよい。但し、送電コイル102の側面を開放する。これにより、NFCカード40が送電器10に接近しても、送電コイル102から送出される電磁波がシールドで遮蔽されるのでNFCカード40の破損が回避される。また、送電コイル102が送出される電磁波は、その側面から中継器20に到来するので、受電器30に全く送電されなくなることが回避される。
また、電源108(図2)は、1個の給電器(即ち、送電器10)の共振回路(図2)に固定されず、NFCカード40を検出していない中継器20のいずれかの共振回路(図3)に接続され、その中継器20から送電を行うようにしてもよい。例えば、送電器10の送電制御部114は、自器の検出フラグが検出を示すとき、検出フラグが不検出を示す中継器20のうち、自器から最も近接した中継器20を接続先の給電器として選択する。送電制御部114は、自器のスイッチ部104とコンデンサ106を短絡し、接続先の給電器のスイッチ部204とコンデンサ206の間に電源108を接続させ、接続先の給電器を送電器として機能させる。
なお、送電器10の送電制御部114は、自器の検出フラグが再度不検出を示すとき、自器のスイッチ部104とコンデンサ106の間に電源108を接続し、自器を再度送電器として機能させる。送電制御部114は、それまでの接続先の給電器のスイッチ部204とコンデンサ206を短絡させる。
送電器10の送電制御部114は、自器の検出フラグも接続先の給電器の検出フラグも、検出を示すとき、その時点で検出フラグが不検出を示す中継器20のうち、自器から最も近接した中継器20を新たな接続先の給電器として選択する。そして、送電器10の送電制御部114は、新たな接続先の給電器のスイッチ部204とコンデンサ206の間に電源108を接続し、その給電器を送電器として機能させる。また、送電器10の送電制御部114は、それまでの接続先の給電器のスイッチ部204とコンデンサ206を短絡させる。
次に、本実施形態に係る受電器30の機能構成例について説明する。
図5は、本実施形態に係る受電器30の機能構成例を示すブロック図である。
受電器30は、受電コイル302、通信部310、受電処理部312、受電制御部314、二次電池316、及び負荷部318を含んで構成される。
受電コイル302は、送電システム1から送信波で送電された電力を受電する受電部として機能する。受電コイル302には、送電システム1から到来した電磁波による電磁誘導により誘導電流が発生する。受電コイル302は、コンデンサ(図示せず)と並列に接続して共振回路を形成し、誘導電流によりコンデンサの両端に生じた電力を受電した電力として受電処理部312に供給する。その共振回路の共振周波数は、送電器10、中継器20の各々が備える共振回路の共振周波数と等しくなるように、受電コイル302のインダクタンスと、コンデンサの容量を予め設定しておく。
通信部310は、上述の所定の通信方式を用いて無線通信を行う通信インタフェースである。通信部310は、送電器10の通信部110と同様の構成を有していてもよい。但し、通信部310は、相手先となる他の機器を検出し、接続を確立する。その後、通信部310は、接続を確立した他の機器との間で各種の情報を送受信する。通信部310は、例えば、受電制御部314から入力される充電制御情報を送電器10に送信する。
通信部310は、無線信号を送受信するためのアンテナとして、受電コイル302を用いてもよいし、専用の別個のアンテナを用いてもよい。
受電処理部312は、受電コイル302から供給された電力を調整し、調整した電力を受電制御部314に供給する。受電処理部312は、例えば、整流回路(図示せず)と定電圧回路(図示せず)とを備える。整流回路は、受電コイル302から供給された電力を整流し、整流した電力を定電圧回路に供給する。定電圧回路は、整流回路から供給された電力における電圧をほぼ一定の電圧(例えば、6~9V)に調整し、電圧を調整した電力を受電制御部314に供給する。
受電制御部314は、受電処理部312から供給される電力の二次電池316への充電を制御する。受電制御部314は、例えば、受電処理部312から供給される電力が所定の電力値の閾値以上であって、二次電池316の起電力が所定の起電力の閾値未満であるとき、二次電池316への充電を実行すると判定し、動作モードを非充電モードから充電モードに遷移させる。動作モードが充電モードであるとき、受電制御部314は、供給される電力を二次電池316に充電する。所定の起電力の閾値は、例えば、二次電池316の満充電時における起電力である。よって、受電器30が送電システム1上に設置もしくは送電可能領域内に接近して電力を検出し、かつ、二次電池316に十分に電力が蓄えられていないとき充電を開始することができる。
他方、受電制御部314は、二次電池316の起電力が所定の起電力の閾値以上になるとき、受電処理部312からの電力の供給される電力の大きさにかかわらず、二次電池316への充電を停止すると判定し、動作モードを充電モードから非充電モードに遷移させる。よって、二次電池316に十分に電力が蓄えられたとき(満充電)、二次電池316への充電が停止される。受電制御部314は、動作モードを充電モードから非充電モードに遷移させるとき、充電停止を示す充電制御信号を送電器10に通信部310を介して送信する。
二次電池316は、送電システム1から受電制御部314を介して供給される電力を充電可能とする電池(バッテリ)である。二次電池316は、例えば、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池などのいずれであってもよい。二次電池316は、充電された電力を負荷部318に供給することで、負荷部318の電源として機能する。
負荷部318は、二次電池316から供給される電力を消費する。負荷部318は、例えば、受電器30が備える各種の機能(例えば、通信、演算、音声や映像などの提示など)を奏する機能部である。
次に、本実施形態に係るNFCカード40の機能構成例について説明する。
図6は、本実施形態に係るNFCカード40の機能構成例を示すブロック図である。
NFCカード40は、NFCコイル402、NFC回路404及び記憶部406を含んで構成される。NFCコイル402、NFC回路404及び記憶部406は、例えば、樹脂材料などの基材に埋め込まれたアンテナとパッシブタイプのIC(Integrated Circuit)チップとして構成される。NFCカードは、例えば、交通機関等の運賃など、各種のサービスや商品の対価の支払いや、その支払いに充当する資金の登録に用いられる交通系カードである。
NFCコイル402は、コンデンサ(図示せず)と並列に接続され共振回路を形成する。
この共振回路の共振周波数が、送電器10のNFC検出部112、中継器20のNFC検出部212の共振回路の共振周波数とそれぞれ等しくなるように、NFCコイル402のインダクタンスと、コンデンサの容量が予め設定されてもよい。
NFCコイル402は、NFCカード40が他のNFC端末(図示せず)との間でNFC通信を行う際のアンテナとして機能する。NFCコイル402は、その周囲の電磁波により誘導電流を発生する。NFCコイル402は、NFC回路404からの信号の供給に応じて、供給される信号に応じた電磁波を発生する。
NFC回路404は、NFC端末(図示せず)との間でNFC通信を行う通信インタフェースとして機能する。NFC回路404は、例えば、NFCコイル402が受電した電力を使用して動作する。NFC回路404は、NFC端末からライト(write)要求を搬送する電磁波を受信する場合、ライト要求で指示された情報を記憶部406に書き込む。
NFC回路404は、リード(read)要求を搬送する電磁波を受信する場合、記憶部406からリード要求で指示された情報を読み出し、読み出した情報を搬送する信号をNFCコイル402に供給し、その信号を送信させる。
記憶部406は、NFC回路404において実行される処理を示す命令を記述したプログラムや、カードID、各種の情報、例えば、チャージ金額(入金金額)等がエンコードされ記憶される。
NFC回路404や記憶部406は、通例、NFC端末からの電磁波を受信して得られる信号による動作を前提としている。かかる電磁波は、送電システム1が送電の際に発生させる電磁波よりも出力が微弱である。NFCコイル402の構成は、受電器30の受電コイル302の構成と同様であるため、NFCコイル402は送電システム1が発生させる電磁波で送電される電力を受電してしまう。そのため、NFCカード40を送電中の送電システム1に接近させると、NFC回路404や記憶部406が正常に動作せず、破損するおそれがある。本実施形態では、送電中の送電システム1にNFCカード40が接近するとき、NFCカード40に対する送電システム1からの送電を阻止し、NFCカード40の破損を回避する。
(動作例)
次に、本実施形態に係る送電器10の動作例について説明する。
図7は、本実施形態に係る送電器10の動作例を示すフローチャートである。
図7に示す処理は、送電器10への電力の供給が開始(電源ON)されるときに開始される。
(ステップS102)送信制御部114は、全ての中継器20の検出フラグを、NFCカード40の不検出を示す状態に設定する。この設定は、中継器20による送電実行(ON)の初期(デフォルト)設定に相当する。但し、この時点では、送電はまだ実行されていない。その後、ステップS104の処理に進む。
(ステップS104)送電制御部114は、いずれかの中継器20からNFCカード40の検出又は不検出(除去)を示す検出情報が通知されたか否かを判定する。通知された場合(ステップS104 YES)、送電制御部114は、ステップS106の処理に進む。通知されない場合(ステップS104 NO)、送電制御部114は、ステップS108の処理に進む。
(ステップS106)送電制御部114は、検出情報を通知した中継器20の検出フラグを、その検出情報に応じて更新する。より具体的には、検出情報が検出を示し、かつその検出フラグが不検出を示すとき、送電制御部114は、その検出フラグを、検出を示す状態に更新する。検出情報が不検出を示し、かつその検出フラグが不検出を示すとき、送電制御部114は、その検出フラグを、検出を示す状態に更新する。なお、送電制御部114は、NFC検出部112から検出を示す検出情報が入力されるとき、自器の検出フラグを、検出を示す状態に設定し、NFC検出部112から不検出を示す検出情報が入力されるとき、自器の検出フラグを、不検出を示す状態に設定する。
その後、ステップS108の処理に進む。
(ステップS108)送電制御部114は、検出フラグに応じて該当する中継器20のスイッチ部204を制御する。より具体的には、送電制御部114は、検出を示す検出フラグに係る中継器20に送電実行(ON)を示す送電制御信号を通知して送電を実行させる、不検出を示す検出フラグに係る中継器20に送電停止(OFF)を示す送電制御信号を通知して送電を停止させる。その後、ステップS110の処理に進む。
(ステップS110)送電制御部114は、通信部110もしくはいずれかの中継器20の通信部210が受電器30を検出したか否かを判定する。受電器30を検出するとき(ステップS110 YES)、ステップS112の処理に進む。受電器30を検出しないとき(ステップS110 NO)、ステップS104の処理に進む。
(ステップS112)送電制御部114は、自器の検出フラグが不検出を示すとき、スイッチ部104に送電実行(ON)を示す送電制御信号を出力し、送電コイル102からの送電を実行させる。その後、ステップS114の処理に進む。
(ステップS114)送電制御部114は、送電停止の要否を判定する。送電制御部114は、受電器30から送電停止(OFF)を示す送電制御信号を受信するとき、送電停止と判定する。送電制御部114は、通信部110が受電器30を検出していない時間が所定時間以上継続するとき、送電停止と判定する。送電停止と判定するとき(ステップS114 YES)、送電制御部114は、送電停止(OFF)を示す送電制御信号をスイッチ部104に出力し、送電コイル102からの送電を停止させる。また、送電制御部114は、通信部110を介して送電停止(OFF)を示す送電制御信号を各中継器20に通知して送電を停止させてもよい。その後、図7に示す処理を終了する。送電停止と判定しないとき(ステップS114 NO)、ステップS104の処理に進む。
次に、本実施形態に係る中継器20の動作例について説明する。
図8は、本実施形態に係る中継器20の動作例を示すフローチャートである。
図8に示す処理は、中継器20に対して送電実行(ON)を示す送電制御信号が送信されるときに開始される。
(ステップS202)スイッチ部204は、初期設定として、端子を短絡した状態(ON状態)に設定する。その後、ステップS204の処理に進む。
(ステップS204)通信部210は、送電器10から送電制御信号を受信する。通信部210が、送電停止(OFF)を示す送電制御信号を受信する場合(ステップS204 YES)、ステップS206の処理に進む。通信部210が、送電停止(OFF)を示す送電制御信号を受信しない場合(ステップS204 NO)、ステップS208の処理に進む。
(ステップS206)通信部210は、受信した送電停止(OFF)を示す送電制御信号をスイッチ部204に出力する。スイッチ部204は、通信部210から送電停止(OFF)を示す送電制御信号が入力されるとき、端子を開放した状態(OFF状態)に設定し、送電コイル202からの送電を停止させる。その後、図8に示す処理を終了する。
(ステップS208)NFC検出部212は、自器から所定範囲内の検出領域からNFCカード40の検出を試みる。NFC検出部212がNFCカード40を検出するとき(ステップS208 YES)、ステップS210の処理に進む。NFC検出部212がNFCカード40を検出しないとき(ステップS208 NO)、ステップS212の処理に進む。
(ステップS210)NFC検出部212は、NFCカード40の検出を示す検出情報を、通信部210を介して送電器10に送信(通知)する。その後、ステップS214の処理に進む。
(ステップS212)NFC検出部212は、NFCカード40の不検出(もしくは検出領域からの除去)を示す検出情報を、通信部210を介して送電器10に送信(通知)する。その後、ステップS214の処理に進む。
(ステップS214)通信部210は、受電器30の検出を試みる。通信部210は、受電器30を検出するとき(ステップS214 YES)、ステップS216の処理に進む。通信部210は、受電器30を検出しないとき(ステップS214 NO)、ステップS204の処理に進む。
(ステップS216)通信部210は、検出した受電器30を示す通信機器情報を送電器10に送信する。これにより、送電器10から電力が送電される(図7、ステップS110、S112)。スイッチ部204は、端子を短絡した状態(ON状態)に設定し、送電コイル202は、受電器30に対する送電(電力の中継)を実行する。その後、ステップS218の処理に進む。
(ステップS218)通信部210は、送電器10から送電停止(OFF)を示す送電制御信号を受信するとき、送電停止と判定する。送電停止と判定するとき(ステップS218 YES)、図8に示す処理を終了する。送電停止と判定しないとき(ステップS218 NO)、ステップS204の処理に進む。
送電器10の通信部110の通信可能領域が、送電システム1の検出可能領域を含む場合には、本実施形態に係る中継器20の一部又は全部において、通信部210が省略されてもよい。通信部210が省略された中継器20は、図8の処理において、ステップS214とステップS216の処理を省略し、ステップS210又はステップS212の処理の後、ステップS218の処理に進めてもよい。
また、図4に示す例では、NFC検出部212が備えるNFCコイルと送電コイル202が別個であるので、送電停止(OFF)状態であってもNFCカード40の検出は可能である。
図8の処理の終了後、図7の処理の終了前に、NFCカード40が除去されたことをNFC検出部212が検出した場合、通信部210は送電器10にNFCカード40の除去を示す検出情報を通知してもよい。このとき、送電器10は、上記のステップS104、ステップS106に記載したように、中継器20からのNFCカード40の除去を示す検出情報の受信に応じて送電実行(ON)を示す送電制御信号を中継器20に送信する。中継器20は、送電器10から送電実行(ON)を示す送電制御信号を受信した後、図8に示す処理をステップS202から再開してもよい。
また、同一のコイルをNFCコイル及び送電コイル202として共用する場合には、図8に示す処理が終了した後、NFC検出部212はNFCカード40を検出できなくなる。従って、この場合において、図8に示す処理が終了した後には、送電器10が送電を停止するまで(図7の処理が終了するまで)、中継器20からの送電は行われない。
この場合において、中継器20はNFCカード40の再検出を指示するための操作部(例えば、ボタン)と、中継器20の表面から物体の除去を検出するための検出デバイス(例えば、重量センサ、赤外線センサ、カメラ等)のいずれか又は両方をさらに備えてもよい。ユーザが操作部を操作するとき、または検出デバイスが物体の除去を検出するとき、中継器20のNFC検出部212は、NFCカード40の再検出を行うことができる。このような構成により、中継器20からの送電が再開できるようになる。
また、この場合において、送電器10が図7に示す処理を終了した後であれば、NFCカード40の破損のリスクはなくなる。そのため、その時点において、送電器10の送電制御部114は、中継器20のスイッチ部204を、端子を短絡した状態(ON状態)に設定してもよい。その時点で、中継器20のNFC検出部212がNFCカード40を検出しないとき、NFCカード40の不検出(もしくは検出領域からの除去)を示す検出情報を、通信部210を介して送電器に送信(通知)してもよい。その後、送電器10のNFC検出部112がNFCカード40を検出したとき、NFCカード40が中継器の送電範囲から除去されていれば、その中継器20は送電を行うことができる。
次に、本実施形態に係る受電器30の動作例について説明する。
図9は、本実施形態に係る受電器30の動作例を示すフローチャートである。
図9に示す処理は、受電器30を送電システム1上に設置又は送電可能領域内に接近させたときに開始される。
(ステップS302)受電制御部314は、送電システム1から受電される電力を検出し、かつ、二次電池316の起電力が所定の起電力未満であるか否かを判定する。電力が検出され、かつ二次電池316の所定の起電力未満であるとき(ステップS302 YES)、ステップS304の処理に進み、動作モードを充電モードに設定する。送電システム1から受電される電力が検出されない、又は、二次電池316の起電力が所定の起電力以上であるとき(ステップS302 NO)、ステップS302の処理を所定時間後に繰り返す。
(ステップS304)受電制御部314は、送電器10から受電処理部312を介して供給される電力を二次電池316に充電する。その後、ステップS306の処理に進む。
(ステップS306)受電制御部314は、ユーザの操作に応じて動作終了が指示されるとき、もしくは、二次電池316の起電力が所定の起電力以上であるとき充電終了と判定し(ステップS306 YES)、動作モードを非充電モードに設定する。そして、受電制御部314は、送電器10から受電処理部312を介して供給される電力の二次電池316への充電を終了する。その後、図9に示す処理を終了する。充電終了と判定しないとき(ステップS306 NO)、ステップS302の処理に進む。
以上に説明したように、本実施形態に係る送電システム1は、複数の給電器(例えば、送電器10、中継器20)を備える。給電器のそれぞれは、電力を送信波で送電する送電部(例えば、送電コイル102、202)と、自器から所定領域内において送電対象外とする物体である対象外物体(例えば、NFCカード40)を検出する検出部(例えば、NFC検出部112、212)と、を備える。複数の給電器のうち少なくとも1つの給電器(例えば、送電器10)は、他の機器と無線で通信する通信部(例えば、通信部110)と、送電制御部(例えば、送電制御部)とを備える。送電制御部は、検出部が対象外物体を検出した給電器の送電部に送電させず、検出部が対象外物体を検出しない給電器の送電部に送電させる。
この構成により、対象外物体を検出しない給電器からは送電される電力を送電する送信波が放射され、対象外物体を検出した検出部から送電される電力を伴う送信波が放射されない。そのため、電源から供給される電力は、対象外物体を検出しない給電器を経由し、対象外物体を検出した給電器を回避して送電対象とする対象機器(例えば、受電器30)に送電される。従って、対象機器への送電を極力停止させずに、送信波による電力の受電による対象外物体の破損又は損傷を防止することができる。
図10の例では、NFCカード40が中継器20-2,3上に置かれるとき、中継器20-2,3から送信波が放射されず、NFCカード40を検出していない、送電器10-1,1と、その他の中継器から送信波が放射される。そのため、受電器30が中継器20-3,4に近接させると、送電器10-1,1から送電される電力は、中継器20-2,3を迂回し、その周囲の中継器を経由して中継器20-3,4から受電器30に送電することができる。このとき、NFCカード40には、中継器20-2,3から電力を送電する送信波が提示されず、その周囲の中継器(例えば、中継器20-1,4等)から十分に減衰した送信波が到来するに過ぎない。そのため、NFCカード40は、電力を伴う送信波を受電することによる破損又は損傷を回避することができる。
また、給電器のそれぞれの検出部は、対象外物体を検出するとき、その検出の情報(例えば、検出情報)を送電器(例えば、送電器10)に通知し、送電器の送電制御部は、対象外物体を検出した給電器に送電を停止させる。
この構成により、送電器は、送電システム1全体の送電の要否と、給電器個別の送電の要否の制御を一括することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。以下の説明は、第1の実施形態との差異点を主とし、第1の実施形態と同様の構成もしくは処理について同一の符号を付し、その説明を援用する。
図11は、本実施形態に係る送電システム1の機能構成例を示すブロック図である。
送電システム1では、各給電器が、自器の検出部がNFCカード40を検出するとき、自器の送電部に送電を停止させることを特徴とする。
送電器10は、送電コイル102、スイッチ部104、コンデンサ106(図2)及び電源108(図2)の他、通信部110、及びNFC検出部112を含んで構成される。本実施形態に係る送電器10の構成は、第1の実施形態に係る送電器10から送電制御部114(図2)が省略された構成に相当する。
本実施形態では、通信部110は、相手先の機器として検出した他の機器を示す通信機器情報をスイッチ部104に出力する。
NFC検出部112は、NFCカード40の検出の有無を示す検出情報をスイッチ部104に出力する。
スイッチ部104は、通信部110から受電器30を示す通信機器情報が入力され、かつ、NFC検出部112からNFCカード40の不検出を示す検出情報が入力されるとき、自部の端子を短絡した状態(ON状態)とする。これにより、送電コイル102からの受電器30への送電が開始される。
スイッチ部104は、次の(a)、(b)及び(c)のいずれかの場合、自部の端子を開放した状態(OFF状態)とする。自部の端子を開放した状態では、送電コイル102からの受電器30への送電が停止する。
(a)受電器30から通信部110を介して充電停止を示す充電制御情報を受信するとき。
(b)通信部110から受電器30を示す通信機器情報が所定時間(例えば、5~30秒以上)入力されないとき。
(c)NFC検出部112からNFCカード40の検出を示す検出情報が入力されるとき。
次に、本実施形態に係る中継器20の機能構成例について説明する。中継器20は、送電コイル202、スイッチ部204及びコンデンサ206(図3)の他、通信部210及びNFC検出部212を含んで構成される。
NFC検出部212は、NFCカード40の検出の有無を示す検出情報をスイッチ部204に出力する。
スイッチ部204は、NFC検出部212からNFCカード40の検出を示す検出情報が入力されるとき、端子を開放した状態(OFF状態)とし、送電コイル202からの送電を停止する。
スイッチ部204は、NFC検出部212からNFCカード40の不検出を示す検出情報が入力されるとき、端子を短絡した状態(ON状態)とし、送電コイル202からの送電を実行させる。
(動作例)
次に、本実施形態に係る送電器10の動作例について説明する。
図12は、本実施形態に係る送電器10の動作例を示すフローチャートである。
図12に示す処理は、送電器10への電力の供給が開始(電源ON)されるときに開始される。
(ステップS410)スイッチ部104は、通信部110もしくはいずれかの中継器20の通信部210が受電器30を検出したか否かを判定する。受電器30を検出するとき(ステップS410 YES)、ステップS412の処理に進む。受電器30を検出しないとき(ステップS410 NO)、所定時間後にステップS410の処理を繰り返す。
(ステップS412)スイッチ部104は、NFCカード40が検出されないとき、自部の端子を短絡状態(ON状態)とし、送電コイル102からの送電を実行させる。スイッチ部104は、NFC検出部112からNFCカード40の不検出を示す検出情報が入力された後、まだNFCカード40の検出を示す検出情報が入力されていないとき、NFCカード40が検出されないと判定することができる。その後、ステップS414の処理に進む。
(ステップS414)スイッチ部104は、送電停止の要否を判定する。スイッチ部104は、受電器30から送電停止(OFF)を示す送電制御信号を受信するとき、送電停止と判定する。送電制御部114は、通信部110が受電器30を検出していない時間が所定時間以上継続するとき、送電停止と判定する。送電停止と判定するとき(ステップS414 YES)、送電制御部114は、送電停止(OFF)を示す送電制御信号をスイッチ部104に出力し、送電コイル102からの送電を停止させる。また、送電制御部114は、通信部110を介して送電停止(OFF)を示す送電制御信号を各中継器20に通知して送電を停止させてもよい。その後、図7に示す処理を終了する。送電停止と判定しないとき(ステップS414 NO)、ステップS410の処理に進む。
次に、本実施形態に係る中継器20の動作例について説明する。
図13は、本実施形態に係る中継器20の動作例を示すフローチャートである。
図13に示す処理は、中継器20への電力の供給が開始(電源ON)されるときに開始される。
(ステップS502)スイッチ部204は、初期設定として、端子を短絡した状態(ON状態)に設定する。その後、ステップS508の処理に進む。
(ステップS508)NFC検出部212は、自器から所定範囲内の検出領域からNFCカード40の検出を試みる。NFC検出部212がNFCカード40を検出するとき(ステップS508 YES)、NFCカード40の検出を示す検出情報をスイッチ部204に出力し、ステップS510の処理に進む。NFC検出部212がNFCカード40を検出しないとき(ステップS508 NO)、ステップS514の処理に進む。
(ステップS510)スイッチ部204は、自部の端子を開放した状態(OFF状態)に設定する。その後、ステップS522の処理に進む。
(ステップS522)スイッチ部204は、検出領域からNFCカード40が除去されたか否かを判定する。スイッチ部204は、例えば、NFCカード40の検出を示す検出情報の入力後にNFCカード40の不検出を示す検出情報がNFC検出部212から入力されるとき、NFCカード40が除去されたと判定することができる。NFCカード40が除去されたと判定するとき(ステップS522 YES)、ステップS524の処理に進む。NFCカード40が除去されたと判定されないとき(ステップS522 NO)、所定時間後にステップS522の処理を繰り返す。
(ステップS524)スイッチ部204は、自部の端子を短絡した状態(ON状態)に設定する。その後、ステップS514の処理に進む。
(ステップS514)通信部210は、受電器30の検出を試みる。通信部210は、受電器30を検出するとき(ステップS514 YES)、ステップS516の処理に進む。
通信部210は、受電器30を検出しないとき(ステップS514 NO)、ステップS508の処理に進む。
(ステップS516)通信部210は、検出した受電器30を示す通信機器情報を送電器10に送信する。このとき、送電器10から電力が送電される(図12、ステップS410、S412)。また、送電器10の通信部110が受電器30を検出する場合も、送電器10から電力が送電されうる。スイッチ部204は、端子を短絡した状態(ON状態)に設定されているので、送電コイル202からの送電(電力の中継)を実行させる。その後、ステップS518の処理に進む。
(ステップS518)スイッチ部204は、送電停止の要否を制御する。スイッチ部204は、受電器30から送電停止(OFF)を示す送電制御信号を受信するとき、送電停止と判定する。送電停止と判定するとき(ステップS518 YES)、図13に示す処理を終了する。送電停止と判定しないとき(ステップS518 NO)、ステップS508の処理に進む。
但し、送電器10の通信部110の通信可能領域が、送電システム1の検出可能領域を含む場合には、本実施形態に係る中継器20の一部又は全部において、通信部210が省略されてもよい。通信部210が省略された中継器20は、図13のステップS524の処理が終了した後、ステップS516の処理に進む。
以上に説明したように、本実施形態に係る送電システム1は、給電器(例えば、送電器10、中継器20)のそれぞれは、自器の検出部(例えば、NFC検出部112、212)が対象外物体(例えば、NFCカード40)を検出するとき、自器の送電部(例えば、送電コイル102、202)に送電を停止させるスイッチ部(例えば、スイッチ部104、204)を備える。
この構成によれば、個々の給電器における対象外物体の検出の有無により、その給電器のスイッチ部の状態を制御し、送電を実行するか否かを制御することができる。対象外物体の検出情報の送信、スイッチ部の制御情報の受信に係る処理を必要としないため、処理に係るシステム規模、給電器間の通信リソースを低減することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。以下の説明は、第2の実施形態との差異点を主とし、第1、第2の実施形態と同様の構成もしくは処理について同一の符号を付し、その説明を援用する。
図14は、本実施形態に係る送電システム1の機能構成例を示すブロック図である。
本実施形態に係る送電器10は、NFC検出部112に代えて異物検出部122を備え
中継器20は、NFC検出部212に代えて異物検出部222を備えることを特徴とする。
送電器10の異物検出部122は、自器から所定範囲内の検出領域から異物を検出する。本実施形態では、異物とは、送電システム1が送電対象としない対象外物体を意味する。より具体的には、金属などの導体で構成され電磁誘導が生じる物体が該当する。かかる物体は、誘導電流の発生により温度が上昇し、対象外物体の過熱によりそれ自体もしくは他の物体を破損させるおそれや、対象機器への送電効率を低下させるおそれがある。また、上記のNFCカード40のように、送電時に送電システム1から放射される電磁波で送電される電力により、対象外物体自体が破損するおそれがある物体も該当する。
異物検出部122は、異物の検出の有無を示す検出情報をスイッチ部104に出力する。
スイッチ部104は、通信部110から受電器30を示す通信機器情報が入力され、かつ、異物検出部122から異物の不検出を示す検出情報が入力されるとき、自部の端子を短絡した状態(ON状態)とする。
スイッチ部104は、上記の(a)、(b)及び次の(c’)のいずれかの場合、自部の端子を開放した状態(OFF状態)とする。これにより、送電コイル102からの受電器30への送電が停止する。
(c’)異物検出部122から異物の検出を示す検出情報が入力されるとき。
異物検出部122は、例えば、電源(図示せず)と、センサコイル(図示せず)と、インダクタンスの計測回路(図示せず)と、を含んで構成される。電源は、センサコイルに送電に係る周波数又はその周波数から所定範囲内の周波数の電気信号を供給する。このとき、センサコイルから電磁波が発生する。但し、センサコイルに供給する電力は、送電に係る電力よりも格段に低い値に設定しておく。これにより、電磁波により受電される電力による異物の破損のリスクを低減する。異物がセンサコイルに接近すると、センサコイルのインダクタンスが変化する。計測回路は、センサコイルのインダクタンスを計測し、計測したインダクタンスの所定の基準値からの変化量が、所定の変化量よりも大きいとき異物が検出領域内に存在すると判定する。所定の基準値として、異物が検出領域に存在していない場合において測定されるインダクタンスの値が設定されればよい。検出回路は、センサコイルのインダクタンスの変化量が所定の変化量以内であるとき、異物が検出領域内に存在しないと判定する。異物検出部122が、異物を検出可能とする検出領域は、送電コイル102からの送電を可能とする送電可能領域と同等かより広ければよい。非送電時において、送電コイル102がセンサコイルとして適用されてもよい。
異物検出部122は、例えば、温度センサ(図示せず)を備えてもよい。温度センサは、例えば、検出領域内における物体の温度を非接触で計測する赤外線温度センサである。異物検出部122は、送電時において測定された温度が有意に上昇する物体を異物として判定する。異物検出部122は、例えば、送電開始時における温度と、送電開始から所定時間(例えば、1~2分)経過後の温度との温度差が所定の温度差(例えば、2~5度)以上となる物体を異物と判定する。物体の温度上昇の原因として、受電の際に生じた誘導電流による熱の発生が推定されるためである。
中継器20の異物検出部222は、異物の検出の有無を示す検出情報をスイッチ部204に出力する。異物検出部222の構成は、異物検出部122の構成と同様である。従って、異物検出部222も、その検出領域内における異物を検出することができる。
スイッチ部204は、異物検出部222からNFCカード40の検出を示す検出情報が入力されるとき、端子を絶縁した状態(OFF状態)とし、送電コイル202からの送電を停止する。
スイッチ部204は、異物検出部222からNFCカード40の不検出を示す検出情報が入力されるとき、端子を短絡した状態(ON状態)とし、送電コイル202からの送電を実行させる。
次に、本実施形態に係る中継器20の動作例について説明する。
図15は、本実施形態に係る中継器20の動作例を示すフローチャートである。
図15に示す処理は、中継器20への電力の供給が開始(電源ON)されるときに開始される。なお、ステップS602、S614-S618、S624の処理は、ステップS502、S514-S518、S524の処理と同様であるため、その説明を援用する。
(ステップS608)異物検出部222は、自器から所定範囲内の検出領域から異物の検出を試みる。異物検出部222が異物を検出するとき(ステップS608 YES)、異物の検出を示す検出情報をスイッチ部204に出力し、ステップS610の処理に進む。異物検出部222が異物を検出しないとき(ステップS608 NO)、ステップS614の処理に進む。
(ステップS610)スイッチ部204は、自部の端子を開放した状態(OFF状態)に設定する。その後、ステップS622の処理に進む。
(ステップS622)スイッチ部204は、検出領域から異物が除去されたか否かを判定する。スイッチ部204は、例えば、異物の検出を示す検出情報の入力後に異物の不検出を示す検出情報が異物検出部222から入力されるとき、異物が除去されたと判定することができる。異物が除去されたと判定するとき(ステップS622 YES)、ステップS624の処理に進む。異物が除去されたと判定されないとき(ステップS622 NO)、所定時間後にステップS622の処理を繰り返す。
以上に説明したように、本実施形態に係る送電システム1の給電器(例えば、送電器10、中継器20)は、送電対象としない対象外物体(即ち、異物)を検出する検出部(例えば、異物検出部122、222)を備える。検出部は、送電部(例えば、送電コイル102、202)のインピーダンス変化に基づいて対象外物体を検出してもよいし、送電時における温度上昇に基づいて対象外物体を検出してもよい。
この構成により、対象外物体を検出した検出部を備える給電器からの送電に係る送信波の送信が停止されるため、対象外物体における電磁誘導の発生が回避される。そのため、
送電対象となる対象機器への有効な送電が実現する。より具体的には、送電効率の低下、
対象機器の過熱もしくは他の機器の破損、対象外機器の受電による破損、などが回避される。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。以下の説明は、第3の実施形態との差異点を主とし、第1の実施形態-第3の実施形態と同様の構成もしくは処理について同一の符号を付し、その説明を援用する。
図16は、本実施形態に係る送電システム1の機能構成例を示すブロック図である。
本実施形態に係る送電器10は、さらに異物通知部124を備え、中継器20は、さらに異物通知部224を備えることを特徴とする。
送電器10の異物検出部122は、異物の検出の有無を示す検出情報をさらに異物通知部124に出力する。
異物通知部124は、異物検出部122から異物の検出を示す検出情報が入力されるとき、その異物の検出を通知し、異物の不検出を示す検出情報が入力されるとき、その通知を停止する。通知とは、ユーザに対して認知できるようにその検出を示す情報を提示することを意味する。異物通知部124は、送電器10は、例えば、LED(Light Emitting Diode)ランプ(図示せず)を含んで構成される。LEDランプは、送電器10の表面に配置される。異物通知部124は、異物の検出を示す検出情報が入力されるとき発光し、異物の不検出を示す検出情報が入力されるとき発光を停止する。従って、発光により、送電器10の周辺における検出領域内における異物の検出がユーザに通知される。
中継器20の異物検出部222は、異物の検出の有無を示す検出情報をさらに異物通知部224に出力する。
異物通知部224の構成は、送電器10の異物通知部124の構成と同様である。異物通知部224は、異物検出部222から異物の検出を示す検出情報が入力されるとき、その異物の検出を通知し、異物の不検出を示す検出情報が入力されるとき、その通知を行わない。異物通知部224の構成は、送電器10の異物通知部124と同様であればよい。従って、発光により、中継器20の周辺における検出領域内における異物の検出がユーザに通知される。
以上に説明したように、本実施形態に係る送電システム1の給電器(例えば、送電器10、中継器20)のそれぞれは、検出部(例えば、異物検出部122、222)が送電対象としない対象外物体(即ち、異物)を検出するとき、その検出を通知する通知部(例えば、異物通知部124、224)を備える。
この構成により、周囲の検出可能領域内において対象外物体を検出した給電器から、対象外物体の検出が通知される。そのため、ユーザは、対象外物体の存在と位置を認識することができる。例えば、図17に示すように中継器20-2,3上にNFCカード40が検出されるとき、異物通知部224をなすLEDランプが発光する。このとき、ユーザは中継器20-2,3において異物としてNFCカード40の存在に気づくことができる。よって、対象外物体の除去により送電システム1からの有効な送信が促される。
なお、通知方法は、必ずしも発光や点滅に限られない。例えば、異物の検出を示す文字列の表示であってもよい。表示される文字列には、次に例示するメッセージのように、送電システム1から対象外物体として指定外の機器や金属製品などの異物の除去を示す文字列が含まれてもよい。
「指定外の機器や金属製品をパネルから除けて下さい」
文字列を表示するために、異物検出部122は、例えば、送電器10の表面に液晶パネルを備える。異物通知部124は、異物の検出を示す検出情報が入力されるとき液晶パネルにその文字列を表示させ、異物の不検出を示す検出情報が入力されるときその文字列の表示を停止させる。
また、通知方法は、上記のメッセージを音声で案内する音声メッセージの再生であってもよい。音声メッセージを再生するために、異物通知部124は、送電器10の表面にスピーカを備えてもよい。異物通知部124は、異物の検出を示す検出情報が入力されるときスピーカにその音声メッセージを所定時間間隔で繰り返し再生させ、異物の不検出を示す検出情報が入力されるときその音声メッセージの再生を停止させる。音声メッセージには、異物が検出された送電器10もしくは中継器20の位置を示す情報(例えば、「手前から2列目の左から3番目」、等)が含まれてもよい。
(変形例)
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、第1の実施形態もしくは第2の実施形態に係る送電器10、中継器20は、それぞれ異物通知部124、224を備えてもよい。その場合、異物通知部124、224は、NFC検出部112、212によるNFCカード40を異物とする通知を行う。
また、第1の実施形態もしくは第2の実施形態に係るNFC検出部112、212は、対象外物体としてNFCカード40に限らず、NFC回路を備える機器を検出してもよい。
また、上述の送電器10は、外部から供給された電力を送電してもよい。その場合、送電器10は、電源108を省略してもよい。
なお、上述の実施形態は、次の態様でも実施することができる。
(1)複数の給電器を備え、前記給電器のそれぞれは、所定領域において電力を送信波で送電する送電部と、前記所定領域において送電の対象外である対象外物体を検出する検出部と、を備え、前記複数の給電器のうち少なくとも1つの給電器は、他の機器と無線で通信する通信部と、送電制御部と、を備え、前記送電制御部は、前記通信部が送電対象とする対象機器を検出するとき、前記検出部が前記対象外物体を検出した給電器の送電部に送電させず、前記検出部が前記対象外物体を検出しない給電器の送電部に送電させる送電システム。
(2)前記給電器のそれぞれの検出部は、前記対象外物体を検出するとき、当該検出の情報を前記送電制御部に通知し、前記送電制御部は、前記検出の情報を参照して、前記対象外物体を検出した給電器に送電を停止させる(1)の送電システム。
(3)前記給電器のそれぞれは、自器の検出部が前記対象外物体を検出するとき、自器の送電部に送電を停止させるスイッチ部を備える(1)の送電システム。
(4)前記通信部は、前記他の機器から受信した機器情報を参照して、前記他の機器を前記対象機器として検出する(1)から(3)のいずれかの送電システム。
(5)前記検出部は、所定の近接通信に係る周波数の電磁波に基づいて前記対象外物体を検出する(4)の送電システム。
(6)前記検出部は、前記送電部のインピーダンス変化に基づいて前記対象外物体を検出する(4)又は(5)の送電システム。
(7)前記検出部は、送電時における温度上昇に基づいて前記対象外物体を検出する(4)又は(5)の送電システム。
(8)前記給電器のそれぞれが1つの平面において2以上の行と2以上の列に配列されてなる(1)から(7)のいずれかの送電システム。
(9)前記給電器のそれぞれは、前記検出部が前記対象外物体を検出するとき、当該検出を通知する通知部を備える(1)から(8)のいずれかの送電システム。
(10)複数の給電器を備え、前記給電器のそれぞれは、所定領域において電力を送信波で送電する送電部と、前記所定領域において送電の対象外である対象外物体を検出する検出部と、を備え、前記複数の給電器のうち少なくとも1つの給電器は、他の機器と無線で通信する通信部と、を備える送電システムの送電方法であって、前記通信部が送電対象とする対象機器を検出するとき、前記検出部が前記対象外物体を検出した給電器の送電部に送電させず、前記検出部が前記対象外物体を検出しない給電器の送電部に送電させる送電制御ステップを有する送電方法。
なお、送電器10の一部、例えば、通信部110、NFC検出部112、送電制御部114、異物検出部122、異物通知部124、中継器20の一部、例えば、通信部210、NFC検出部212、異物検出部222、異物通知部224、受電器30の一部、例えば、受電制御部314、負荷部318は、などのプロセッサを含むコンピュータとして構成され、予め記憶媒体に記憶されたプログラムに記述された命令で指示される処理を実行して、それらの機能を実現してもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
また、上述した実施形態における送電器10、中継器20ならびに受電器30の一部を、LSI(Large Scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Filed-Programmable Gate Array)などの部材を含んで構成されてもよい。送電器10、中継器20ならびに受電器30の一部の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIなどに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
1…送電システム、10…送電器、20…中継器、30…受電器、40…NFCカード、102…送電コイル、104…スイッチ部、106…コンデンサ、108…電源、110…通信部、112…NFC検出部、114…送電制御部、122…異物検出部、124…異物通知部、202…送電コイル、204…スイッチ部、206…コンデンサ、210…通信部、212…NFC検出部、222…異物検出部、224…異物通知部、302…受電コイル、310…通信部、312…受電処理部、314…受電制御部、316…二次電池、318…負荷部、402…NFCコイル、404…NFC回路、406…記憶部

Claims (10)

  1. 平面上に配列された複数の給電器を備え、
    前記複数の給電器の1つは、電源から供給される電力を送電する送電器であり、
    前記送電器以外の給電器は、前記送電器から直接または間接的に受電した電力を送電する中継器であり、
    前記給電器のそれぞれは、
    所定領域において電力を送信波で送電する送電部と、
    前記所定領域において送電の対象外である対象外物体を検出する検出部と、を備え
    前記複数の給電器のうち少なくとも1つの給電器は、
    他の機器と無線で通信する通信部と、
    送電制御部と、を備え、
    前記送電制御部は、
    前記通信部が送電対象とする対象機器を検出するとき、
    前記検出部が前記対象外物体を検出した給電器の送電部に送電させず、
    前記検出部が前記対象外物体を検出しない給電器の送電部に送電させ
    前記給電器の検出部が前記対象外物体を検出するとき、
    前記対象外物体を検出する給電器に最も近接し、かつ、前記対象外物体を検出しない中継器を送電させる給電器として選択する
    送電システム。
  2. 前記給電器のそれぞれの検出部は、
    前記対象外物体を検出するとき、当該検出の情報を前記送電制御部に通知し、
    前記送電制御部は、
    前記検出の情報を参照して、前記対象外物体を検出した給電器に送電を停止させる
    請求項1に記載の送電システム。
  3. 前記給電器のそれぞれは、
    自器の検出部が前記対象外物体を検出するとき、自器の送電部に送電を停止させるスイッチ部を備える
    請求項1に記載の送電システム。
  4. 前記通信部は、
    前記他の機器から受信した機器情報を参照して、前記他の機器を前記対象機器として検出する
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の送電システム。
  5. 前記検出部は、
    所定の近接通信に係る周波数の電磁波に基づいて前記対象外物体を検出する
    請求項4に記載の送電システム。
  6. 前記検出部は、
    前記送電部のインピーダンス変化に基づいて前記対象外物体を検出する
    請求項4又は請求項5に記載の送電システム。
  7. 前記検出部は、
    送電時における温度上昇に基づいて前記対象外物体を検出する
    請求項4又は請求項5に記載の送電システム。
  8. 前記給電器のそれぞれが1つの平面において2以上の行と2以上の列に配列されてなる
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の送電システム。
  9. 前記給電器のそれぞれは、
    前記検出部が前記対象外物体を検出するとき、当該検出を通知する通知部を備える
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の送電システム。
  10. 平面上に配列された複数の給電器を備え、
    前記複数の給電器の1つは、電源から供給される電力を送電する送電器であり、
    前記送電器以外の給電器は、前記送電器から直接または間接的に受電した電力を送電する中継器であり、
    前記給電器のそれぞれは、
    所定領域において電力を送信波で送電する送電部と、
    前記所定領域において送電の対象外である対象外物体を検出する検出部と、を備え
    前記複数の給電器のうち少なくとも1つの給電器は、
    他の機器と無線で通信する通信部と、
    を備える送電システムの送電方法であって、
    前記通信部が送電対象とする対象機器を検出するとき、
    前記検出部が前記対象外物体を検出した給電器の送電部に送電させず、
    前記検出部が前記対象外物体を検出しない給電器の送電部に送電させ
    前記給電器の検出部が前記対象外物体を検出するとき、
    前記対象外物体を検出する給電器に最も近接し、かつ、前記対象外物体を検出しない中継器を送電させる給電器として選択する送電制御ステップと、
    を有する送電方法。
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