JP7014848B2 - 眼の高次収差を考慮して累進レンズのための改善された設計を特定する方法 - Google Patents

眼の高次収差を考慮して累進レンズのための改善された設計を特定する方法 Download PDF

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Description

本発明は、累進眼鏡レンズのための設計、特に改善された設計を特定する方法に関する
。特に、この方法は、コンピュータ実装方法とすることができる。さらに、本発明は、累
進眼鏡レンズの製造方法に関する。さらにまた、本発明は、累進眼鏡レンズのための設計
、特に累進眼鏡レンズのための改善された設計を特定するシステムに関する。さらにまた
、コンピュータプログラム、特に非一時的コンピュータプログラム製品が提供される。さ
らにまた、この製造方法により製造された累進眼鏡レンズが提供される。
本発明の文脈において、複数の用語が使用されており、これらは以下のように定義され
るものとする。
累進眼鏡レンズのための設計とは、この説明の文脈において、累進眼鏡レンズの全体的
な表面幾何学の数学的表現、すなわち、累進眼鏡レンズの前面(すなわち、眼鏡レンズの
、眼と反対側に適合される予定の面)及び後面(すなわち、眼鏡レンズの、眼により近い
側に適合される予定の面)の幾何学形状、相対的な位置、及び相対的な向きのほか、累進
眼鏡レンズの屈折率の数学的表現を意味する。特に、設計は、少なくとも1点におけるレ
ンズの厚さを含んでいてもよい。好ましくは、設計は、眼鏡レンズ全体にわたる厚さ分布
を含んでいてもよい。レンズの屈折率は、眼鏡レンズの材料の屈折率、特に屈折率分布を
含んでいてもよい。屈折率、特に屈折率分布は、基準波長、すなわち基準設計波長に関し
て与えられてもよい。さらに、設計は、眼に関する前面及び後面の位置決めを提供するフ
ィッティングパラメータ、例えば内寄せ、角膜頂点間距離、装用時前傾角、ラップ角又は
そり角、遠用部設計基準点及び/又は近用部設計基準点等を含んでいてもよい。好ましく
は、累進眼鏡レンズの幾何学形状は、眼球回旋点にその原点を有する座標系により与えら
れる。
累進眼鏡レンズの設計光学パワー分布とは、この説明の文脈において、装用者の眼によ
り認識される累進眼鏡レンズ全体にわたる光学パワーの分布を意味し、その際、前記累進
眼鏡レンズを通して見ており、前記装用者の眼の正面の前記累進眼鏡レンズの所定の位置
と向きのほか、装用者が見ている装用者の眼の正面にある複数の物体のための空間におけ
る距離と位置に関する所定のモデルを前提としている。この説明の文脈における設計光学
パワー分布が初期設計光学パワー分布と呼ばれる場合、装用者の眼の低次収差(LOA:
lower-order aberration)と累進眼鏡レンズの低次収差(LOA
)とのみが考慮される。装用者の眼の低次収差(LOA)のみを考慮に入れることは、累
進眼鏡レンズの初期設計光学パワー分布が装用者の眼に高次収差(HOA:higher
-order aberration)がないという前提に基づいていることを意味する
収差は、光学系、例えば本件の場合は眼鏡レンズを通して完璧な焦点が得られる理想的
な球面波面と眼鏡レンズの装用者の眼との光路長の差の結果である。収差はそれらの半径
方向の次数により分類されることが多く、これは瞳孔の大きさ又はレンズ開口の大きさに
対する収差の依存度を示す。
人の眼の光学コンポーネントには、「低次」及び「高次」収差の両方が生じる。視力矯
正の際の関心対象である低次収差は実際には、「二次」収差と呼ばれる低次収差の部分集
合である。二次収差は、瞳孔、すなわち開口中心間の距離の二乗の関数として変化する。
これらの収差は典型的に、球面屈折力成分、円柱(すなわち乱視)屈折力成分、及び円柱
屈折力の向きを説明する軸成分を含む眼鏡処方で補正される。低次収差とは、この説明の
文脈において、一次及び二次収差を意味する。
高次収差は、この説明の文脈において、眼の瞳孔又は(眼鏡)レンズの開口の中心から
の距離の三次又はそれより高次の関数として変化する波面収差を意味する。
低次及び高次収差を異なる級数展開を用いて説明する複数の可能性がある(例えば、R
.R.Shannon, The Art and Science of Optic
al Design, Cambridge University Press, N
ew York, 1997, pp.164-355; V.N. Mahajan,
Optical Imaging and Aberrations, Part I
, Ray Geometrical Optics, SPIE Optical E
ngineering Press, Bellingham Washington
U.S.A., 1998, pp.158-163;米国特許第8,757,800
B2号明細書、米国特許出願公開第2011/0255052 A1号明細書参照)。特
に、テイラー級数展開(例えば、R. Blendowske et al, An A
nalytical Model Describing Aberrations i
n the Progression Corridor of Progressiv
e Addition Lenses, Optometry and Vision
Science, Vol. 83, No. 9, September 2006,
pp.666-671;米国特許第8,985,767 B2号明細書、米国特許第8
,757,800 B2号明細書、米国特許出願公開第2011/0255052 A1
号明細書参照)、ゼルニケ多項式(例えば、R. Blendowske et al,
An Analytical Model Describing Aberrati
ons in the Progression Corridor of Progr
essive Addition Lenses, Optometry and Vi
sion Science, Vol.83, No. 9, Sepetember
2006, pp.666-671; V.N. Mahajan, Optical
Imaging and Aberrations, Part I, Ray Geo
metrical Optics, SPIE Optical Engineerin
g Press, Bellingham Washington U.S.A., 1
998, pp.158-163; Dai et al., Wavefront P
ropagation from one Plane to another wit
h the use of Zernike Polynomials and Tay
lor Polynomials, Applied Optics, Optical
Society of America, Vol.48, Issue 3,200
9, pp.477-488;Gross et al., Handbook of
Optical Systems, Vol. 1 to 6, Wiley VCH
Publishing, Weinheim, 2007, ISBN:978-3-5
27-40382-0;米国特許第8,985,767 B2号明細書、米国特許第8,
757,800 B2号明細書、米国特許第8,992,013 B2号明細書、米国特
許出願公開第2011/0255052 A1号明細書参照)、チェビシェフ多項式(米
国特許出願公開第2011/0255052 A1号明細書)、又はザイデル収差により
定義される波面(米国特許第8,757,800 B2号明細書;米国特許出願公開第2
011/0255052 A1号明細書)は、収差を説明するために使用されてよい(例
えば、R.R. Shannon, The Art and Science of
Optical Design, Cambridge University Pre
ss, New York, 1997, pp.224-225参照)。
累進眼鏡レンズは、個々の装用者からの事前に取得された処方に基づいて設計、製造さ
れた処方累進眼鏡レンズ又は標準的もしくは平均的装用者に関する前提に基づいて設計、
製造された既製の累進眼鏡レンズの何れとすることもでき、それぞれの設計は、装用者の
眼の収差の二次補正に対応する処方累進眼鏡レンズ設計又は既製の累進眼鏡レンズ設計の
何れとすることもできる。
光学パワーとは、この説明の文脈において、眼鏡レンズ又は前記眼鏡レンズの光学面が
、例えばDIN EN ISO:2013-10の4.10項において定義されているよ
うに、屈折力により入射波面の曲率又は方向を変化させる能力を意味する。眼鏡レンズの
特定の光学面に関する場合、表面光学パワーという用語が使用される。累進眼鏡レンズの
光学パワーは、プリズム屈折力及びそれぞれの基底、球面屈折力、乱視屈折力及びそれぞ
れの軸又はその等価物により表現されてもよい。光学パワーという用語は、DIN EN
ISO 13666:2013-10の9.11項において定義されている「装用時」
屈折力と同義で使用される。
累進眼鏡レンズの低次収差(LOA)のみを考慮するとは、この説明の文脈において、
累進眼鏡レンズの設計時に、球面屈折力の分布と乱視屈折率の分布及びそれぞれの軸(又
はその等価物)のみが考慮されることを意味する。
認識光学パワー分布とは、この説明の文脈において、装用者の眼により認識される累進
眼鏡レンズ全体にわたる光学パワーの分布を意味し、その際、前記累進眼鏡レンズを通し
て見ており、前記装用者の眼の正面での前記累進眼鏡レンズの所定の位置と向きを前提と
し、また装用者の眼の低次収差(LOA)と高次収差(HOA)及び累進眼鏡レンズの低
次収差(LOA)と高次収差(HOA)が考慮されている。装用者の眼の低次収差(LO
A)と高次収差(HOA)を考慮に入れるとは、累進眼鏡レンズの光学パワー分布が、装
用者の眼に高次収差(HOA)がなくないという前提に基づく。累進眼鏡レンズの認識光
学パワー分布に関する光学パワーは依然として、設計光学パワー分布に関して使用される
ものの視点から、すなわちプリズムと基底、球面屈折力、乱視屈折力、及びそれぞれの軸
又はその等価物(DIN EN ISO 13666:2013-10の9.11項参照
)で表現される。これらの値、すなわちプリズムと基底、球面屈折力、乱視屈折力、及び
それぞれの軸又はその等価物の計算方法は、米国特許出願公開第2008/023180
2 A2号明細書、特に段落[0062]及び[0063]に記載されている。
設計光学パワー分布と認識光学パワー分布という用語は、この説明の文脈において、上
述の絶対的値を含むだけでなく、それぞれ設計光学パワー誤差分布と認識光学パワー誤差
分布、すなわち完全な補正に必要な値からの偏差を含む。特に、以下における添付の図面
に関して以下に詳細に説明される例は、乱視屈折力誤差分布のみに関する。
累進眼鏡レンズの設計光学パワー誤差分布とは、この説明の文脈において、所定の装用
者の眼により認識される累進眼鏡レンズ全体にわたる光学パワー誤差の分布を意味し、そ
の際、前記累進眼鏡レンズを通して見ており、前記装用者の眼の正面での前記眼鏡レンズ
の所定の位置と向きのほか、装用者が見ている装用者の正面にある物体の距離に関する所
定のモデルを前提とする。特に、光学パワー誤差は球面屈折力誤差と乱視屈折力誤差、及
びそれぞれの軸又はその等価物である。
人の眼の屈折力誤差を、異なる屈折力のレンズを通して複数の視力表が見せられる、い
わゆる自発的屈折矯正検査又は自覚的屈折矯正検査による患者の自発的屈折力に依存して
特定することが慣習的であるが、ここ何年間か、眼の屈折力誤差を測定する可能性、いわ
ゆる他覚的屈折矯正検査が利用可能となっている。さらに、瞳孔全体にわたる眼の屈折力
を測定することが可能である。測定可能な誤差には、例えば球面収差、コマ収差、トレフ
ォイル誤差、高次球面収差等が含まれる。特定の実施例において、他覚的屈折矯正検査方
法は、伝搬する光束の波面を特定することに基づく。波面リフラクタの機能的原理は、文
献、米国特許第6,382,795 B1号明細書に記載されており、同特許は参照によ
り本願に援用され、その特徴に対する保護が求められてもよく、また、複数の異なる変形
型の概要を含んでいる。
波面リフレクタから得られた情報は、改善された視覚補助具又は改善された視力矯正方
法の開発において使用できる。視力矯正方法のよく知られた例は、wavefront-
guided refractive surgeryの処置である。この処置では、所
望の形状の体積を角膜表面から除去することにより、高次のものを含めた屈折力誤差を補
正する。一般に、視覚補助具のための眼鏡処方を特定するために、アイケア専門家は幾つ
かのパラメータを特定する。例えば眼鏡レンズの場合に最も関連深いものは、通常は球面
、円柱、及び軸の形態で与えられる屈折率の値、瞳孔間距離、フィッティング高さ、装用
時前傾角度、及びその他等のフィッティングパラメータ、例えば累進眼鏡レンズの場合の
近見用加入屈折力である。コンタクトレンズの場合、パラメータ群には通常、少なくとも
、眼鏡レンズと同様の屈折力の値、及び角膜曲率が含まれる。
文献、国際公開2010/142888A1号パンフレットは、概して眼の異常を矯正
するようになされた眼鏡レンズを示している。
文献、米国特許出願公開第2005/0104240 A1号明細書は、高次収差を補
正するように構成された光学レンズの製造方法を示している。文献、米国特許第7,06
3,421 B2号明細書は、高次収差の小さい眼鏡レンズを示している。文献、米国特
許第8,992,013 B2号明細書は、累進屈折力レンズの設計方法を示している。
文献、米国特許出願公開第2005/0270482 A1号明細書は、累進レンズの別
の設計方法を示している。文献、米国特許出願公開第2011/0255052 A1号
明細書は、眼とレンズの波面収差について眼鏡レンズを最適化する方法を示している。
さらに、文献、米国特許第8,985,767 B2号明細書は、累進レンズの設計方
法を示している。この方法は、眼の波面測定結果を取得するステップと、波面測定結果に
基づいて累進レンズの初期設計を特定するステップと、波面測定結果から導出された情報
に基づいて、眼の1つ又は複数の高次収差の変化が眼の収差のための二次補正にどのよう
に影響を与えるかに関する情報を特定するステップと、累進レンズの初期設計を修正して
最終眼鏡レンズ設計を提供するステップと、最終レンズ設計を出力するステップと、を含
む。
累進レンズは、完全には回避できない乱視屈折力誤差の分布を含む、光学パワーの特定
の分布を提供するように設計される。典型的に、これらの設計は事実上、装用者の眼に二
次より高次の収差がまったくないことを前提としている。しかしながら、装用者により認
識される光学パワーのほか、乱視屈折力誤差も個々の装用者の眼の中の高次収差、すなわ
ちHOAにより変化する。その解決策は例えば、米国特許第8,985,767 B2号
明細書に記載されており、これは標的パワー分布を修正して、重み付けされた最適化に頼
って改善されたレンズを生成するものである。しかしながら、新しい標的パワー分布は物
理的に実現不能であるかもしれない。したがって、当初のレンズ又は初期設計の修正は、
最適化に使用された重みの具体的な分布に大きく依存し、設計の最も重要な点を自動的に
反映していないかもしれない。
文献、米国特許出願公開第2011/0255052 A1号明細書は、眼科レンズ要
素の設計方法を示しており、この方法は、基準面における眼の波面収差を特定するステッ
プであって、眼の波面収差は第一の特定の次数及び対応する第一の係数までの昇順の第一
の多項式系により説明できるようなステップと、第二の特定の次数の第一の視力矯正を特
定して、適応された眼科レンズ要素を得るステップと、適応された眼科レンズ要素の開口
上の少なくとも1つの明示された点を特定するステップと、適応された眼科レンズ要素の
明示された点の各々に関する基準面内の高次波面収差を特定するステップであって、高次
波面収差は、第二の特定の次数より高く、第一の特定の次数まで及び対応する第三の係数
までであってこれらを含む昇順の第三の多項式系により説明できるようなステップと、第
二の特定の次数までであってこれを含む第一の視力矯正に基づき、及び第二の特定の次数
より高く、第一の特定の次数までであってこれを含む第一及び第三の係数の合算に基づい
て、明示された点の各々についての第二の特定の次数の第二の視力矯正を特定して、最適
化された眼科レンズ要素を得るステップと、を含む。さらに、本発明は、眼科レンズ要素
の製造方法、コンピュータプログラム製品、及び方法を実行するシステムに関する。
文献、米国特許出願公開第2005/0270482 A1号明細書は、累進レンズを
設計するための方法とシステムを示している。この方法は、装用者に適した周辺設計を有
する基準累進レンズ設計と既知の値の設計上の特徴を修正するステップを含む。基準累進
レンズ設計の修正により、設計上の特徴の何れか少なくとも1つが装用者の選好に応じて
カスタム化された、新たな累進レンズ設計が提供される。新たな累進レンズ設計は、基準
累進レンズ設計と実質的に同じ周辺設計を有する。
文献、米国特許第8 985 767 B2号明細書は、累進レンズの設計方法を示し
ている。この方法は、眼の波面測定結果を得るステップと、波面測定結果に基づいて累進
レンズのための初期設計を特定するステップと、波面測定結果から導出された情報に基づ
いて、眼の1つ又は複数の高次収差の変化が眼の収差の二次補正にどのように影響を与え
るかに関する情報を特定するステップと、累進レンズの初期設計を修正して、最終累進レ
ンズ設計を提供するステップと、最終レンズ設計を出力するステップと、を含む。
したがって、当業界では、個々の装用者の眼の高次収差を考慮した、累進眼鏡レンズの
ための改善された設計を提供する必要性が依然としてある。さらに、この方法では、必要
な計算パワーが少なくてよい。
したがって、本発明の第一の態様によれば、累進眼鏡レンズのための改善された設計を
特定するコンピュータ実装方法が提供され、このコンピュータ実装方法は、
a)装用者の眼の収差情報を提供するステップであって、収差情報は装用者の眼の低次
収差と装用者の眼の高次収差とを含み、低次収差は二次までであってこれを含む収差であ
るようなステップと、
b)累進眼鏡レンズの初期設計光学パワー分布及び対応する初期設計を提供するステッ
プであって、初期設計光学パワー分布及び対応する初期設計は、装用者の眼と累進眼鏡レ
ンズに高次収差がないという前提に基づいており、装用者の眼の正面の前記累進眼鏡レン
ズの所定の位置と向きのほか、装用者が見ている装用者の眼の正面の複数の物体のための
空間内の距離と位置に関する所定のモデルを前提としているようなステップ。換言すれば
、累進眼鏡レンズの初期設計光学パワー分布及び対応する初期設計は、例えば、低次収差
だけ(及び所望の加入屈折力)を用いて、装用者の眼の正面での前記累進眼鏡レンズの所
定の位置と向きのほか、装用者が見ている装用者の眼の正面の複数の物体のための空間内
の距離と位置に関する所定のモデルを前提として、それぞれのレンズ設計者により計算さ
れた。
c)累進眼鏡レンズの初期設計に基づき、及び装用者の眼と累進眼鏡レンズに高次収差
があるとの前提に基づき、したがって、装用者の眼の低次収差と装用者の高次収差のほか
、累進眼鏡レンズの低次収差と高次収差を含み、前ステップの前記装用者の眼の正面での
前記累進眼鏡レンズの前記所定の位置と向きのほか、装用者が見ている装用者の眼の正面
の複数の物体のための空間内の距離と位置に関する前記所定のモデルを前提として、装用
者の眼により認識される認識光学パワー分布を計算するステップと、
d)累進眼鏡レンズの初期設計光学パワー分布を、特に累進眼鏡レンズの初期設計と装
用者の眼との間の距離方向に斜め又は垂直な平面内で平行移動させ、及び/又は累進眼鏡
レンズの初期設計光学パワー分布を特にその平面内で回転させて、認識光学パワー分布と
初期設計光学パワー分布との間の偏差が最小化されるようにすることによって、改善され
た設計光学パワー分布を計算するステップと、
e)累進眼鏡レンズの改善された設計を、
-計算された平行移動及び/又は回転に応じて、累進眼鏡レンズの初期設計を平行移動
及び/又は回転させること、
-標的設計光学パワー分布として改善された設計光学パワー分布を使うことにより、累
進眼鏡レンズの当初設計を最適化すること
からなる群の何れか少なくとも1つの方法ステップによって計算するステップと、
を含む。
装用者の眼の収差情報を提供するとは、この説明の文脈において、何れかの場所で、及
び/又は何れかの人物及び/又は機械により取得された収差情報が、本発明の方法を実行
するために利用可能とされることを意味する。収差情報は、波面測定データ等の測定デー
タであってもよい。
累進眼鏡レンズの初期光学パワー分布及び対応する初期設計を提供するとは、この説明
の文脈において、初期設計光学パワー分布及び対応する初期設計が何れかの場所で、及び
/又は何れかの人物によって特定されたかもしれず、及び/又は本発明による方法を実行
するために機械が利用可能とされる。初期設計光学パワー分布と初期設計という用語は、
上記段落[0003]及び[0004]で説明されている。
認識光学パワー分布と初期設計光学パワー分布との間の偏差を最小化するとは、この説
明の文脈において、初期設計光学パワー分布が平行移動及び/又は回転によって、両方の
パワー分布のプロファイルがより近い一致を示すように変形されることを意味する。特に
、光学パワー分布等高線がより近く一致するようにされてもよい。例は添付の図面に関し
て説明されている。
ある視点と目的(数学的に:標的)の下で最適(最小又は最大)を求めることは一般に
、最適化(最小化又は最大化)と呼ばれる。
上記の特徴e)の第二の代替案により定義される、)累進眼鏡レンズの当初設計を最適
化するとは、累進眼鏡レンズの設計が予め規定されることを意味する。ここでは当初設計
と呼ばれるこの予め規定された設計を規定する1つ又は複数のパラメータは、最適化手順
中に、終了基準が満たされるまで変化させられる。終了基準は、本発明によればそれ以前
に特定された改善された設計光学パワー分布に対応する標的設計パワー分布までの特定の
距離により与えられる。
典型的な最適化プロセス(d)と、e)の第二の代替案の両方の方法ステップに適用さ
れてよい)はコスト関数又はメリット関数の最適化、特に最小化に基づく。コスト関数又
はメリット関数は、figure-of-merit関数としても知られ、選択された特
定のパラメータに関するデータとフィッティングモデルとの間の一致の程度を測定する関
数である。
本発明によるステップe)の第二の代替案に関して適用可能な典型的な最適化手順は、
例えば、W. Koeppen,“Konzeption und Entwicklu
ng von Progressivglaesem”, Deutsche Opti
ker Zeitung DOZ 10/95, pp.42-46、欧州特許第0 8
57 993 2号明細書、又は欧州特許出願公開第1 744 203 A1号明細書
において、改善された設計光学パワー分布を標的設計光学パワー分布として使用して開示
されている。
先行技術でも試みられているように高次収差を含めるために全体的な修正を加えるとい
うより、本発明は、物理的に実現可能な修正、すなわち平行移動と回転を通じて、認識光
学パワーを初期設計光学パワーとマッチさせることを目指している。これによって、設計
変更の局面を提供する負担が最適化における重みから数少ないパラメータ、すなわち平行
移動と回転へと移り、これは認識光学パワー分布から抽出できる。特に、累進レンズの初
期設計を考えると、企図される平行移動と回転は、累進レンズの初期設計の表面形状を変
化させずに、「後加工」の中で実行できる(上記ステップe)の第一の代替案)。設計の
この表面形状は、眼に関して平行移動及び回転され、その結果、フィッティングポイント
のための、及び、例えば遠用部設計基準点と近用部設計基準点のための新しい位置が得ら
れる。単なる平行移動と回転により、認識光学パワーと設計光学パワーとの間の重要なマ
ッチングが、累進レンズの最初の設計を特定する際には考慮されなかった、眼の高次収差
により導入される偏差を考慮して実現できることがわかった。特に、平行移動と回転を適
用するだけで、初期設計によるレンズの表面形状の修正を行う必要がなく、レンズの設計
のフィッティングパラメータをわずかに動かすだけで実現できる。さらに、この方法は、
個人の高次収差の影響について設計を有効に補償し、かつ、既存の累進レンズ設計ツール
の簡単な操作で実現できる。
特に、累進レンズの初期設計の平行移動は、1又は2方向に行うことができ、この1又
は2方向の各々は、累進レンズの初期設計と眼との間の距離方向に対して斜め又は垂直な
平面内にある。特に、所定の平行移動はゼロとは異なるもの、例えば、ゼロとは異なる1
つの長さ、又は2つの長さとすることができる。特に、所定の回転はゼロとは異なるもの
、例えばゼロと異なる角度とすることができる。
特に、この方法は、コンピュータ実装方法とすることができる。「提供する」ステップ
は、対応する収差情報又は設計光学パワー分布がコンピュータ実行方法への入力として提
供されることを意味することができる。したがって、測定された波面に関する、又は以前
に特定された初期設計による設計光学パワー分布に関する情報は、その方法のためにイン
ポートできる。しかしながら、「取得する」ステップは、収差情報又は設計光学パワー分
布がそれぞれのステップの中で実際に特定又は測定されることを意味することもできる。
「初期設計光学パワー分布」は、眼の低次収差を補正するために特定される。特に、こ
れらの低次収差は、二次までであってこれを含む収差である。収差はとりわけ、一般に知
られているようにゼルニケ多項式で表現される。このような低次収差だけを含む眼のモデ
ルを構築すると、これらの低次収差を補正するための処方を求めることができる。眼のモ
デルの多項式は、それ以前に測定された低次収差と同じとすることができる。高次収差は
単純に、ゼロに設定される。しかしながら、代替的な改良例において、二次までであって
これを含む多項式系は、眼の測定された波面収差をモデル化する、又はそれに近似させる
ために特定できる。その結果、測定された低次収差とは異なる、二次までであってこれを
含む多項式が特定され、これは、モデルの二次までであって、これを含む多項式も測定さ
れた高次収差によって影響を受けるからである。さらに、所望の加入屈折力が与えられ、
例えば内寄せ、累進帯長さ、及び/又は球面屈折力の最大勾配等の累進設計の別のパラメ
ータに基づいて、累進眼鏡レンズの初期設計光学パワー分布が特定される。その、及び、
例えば瞳孔間距離、角膜頂点間距離、装用時前傾角のようなその他の個別のユーザパラメ
ータに基づいて、通常のような方法で累進眼鏡レンズの最初の設計が特定され、得られる
したがって、「累進レンズの初期設計」は、最適化を通じて実現可能なかぎり良好な初
期設計光学パワー分布を提供するために、最適化プロセスを通じて特定された累進レンズ
の前及び後面の形状を含む。さらに、初期設計は、少なくとも1点における累進眼鏡レン
ズの厚さと、材料の屈折率、特に参照波長での屈折率を含んでいてもよい。さらに、初期
設計は、フィッティングパラメータ、例えば内寄せ、角膜頂点間距離、装用時前傾角、ラ
ップ角又はそり角、遠用部設計基準点及び/又は近用部設計基準点を含んでいてもよく、
これらは眼に関する前及び後面の位置決めを提供する。
眼の遠用部分と近用部分との間の球面屈折力の変化により、ある領域では望ましくない
残留乱視が避けられない。この残留乱視は、乱視屈折力誤差とも呼ばれ、装用者により認
識される。この残留乱視の分布は、初期設計光学パワー分布のその他のパラメータを通じ
て影響を受ける可能性がある。しかしながら、累進眼鏡レンズではこれを完全に回避する
ことができない。したがって、これは初期設計光学パワー分布の中に含まれる。この乱視
は、本願で使用されているような「乱視屈折力誤差」である。換言すれば、乱視屈折力誤
差は、処方された乱視屈折力と、眼鏡レンズにより提供される実際の乱視屈折力との間の
-望ましくない-偏差であり、この偏差が装用者により認識される残留乱視の原因となる
当初、累進眼鏡レンズの初期設計、元になる初期設計光学パワー分布、及び眼の低次-
及び高次-収差を含む収差情報が提供される。累進眼鏡レンズの初期設計に基づき、さら
に眼の低次収差及び高次収差に基づき、眼鏡レンズと眼の系の完全な説明が提供される。
それに基づいて、眼の実際の認識光学パワー分布を特定できる。これを実現する方法は、
当業者にとって一般に知られており、例えば、米国特許第8,985,767 B2号明
細書及び米国特許出願公開第2011/0255052 A1号明細書において論じられ
ている。特定する際に眼の高次収差も含められることになったため、認識光学パワー分布
と初期設計光学パワー分布との間の偏差が存在する。しかしながら、完全な新しい表面の
説明を提供するための一般的な方策において、累進レンズの初期設計の全体的修正をそれ
以上行う必要がないことがわかった。その代わりに、上記特徴e)の第一の代替案で述べ
たような初期設計の単なる平行移動と回転により、初期設計光学パワー分布と認識光学パ
ワー分布との間の非常に良好なマッチを提供できる。
角膜頂点間距離はZ方向に沿って測定され、これは本願によれば「距離方向」とされる
ものとする。したがって、距離方向は第一眼位における視線に平行に延びる。したがって
、累進眼鏡レンズと眼との間の距離は変化しないか、少なくとも大きくは変化しないかも
しれない。平行移動の平面内での累進眼鏡レンズの回転のみ、及び/又は平行移動自体が
行われる。平行移動及び回転が行われる「平面」は、距離方向に対して「斜め又は垂直」
であってもよい。したがって、1つの代替案において、平面は距離方向に垂直である。他
の代替案では、平面は距離方向に対して斜めである。この代案において、距離方向に対し
て斜めの平面は、「レンズ形状の平面」とすることができ、これはフレームに入れられた
ときにボクシング中心においてプラノ又はデモンストレーションもしくはダミーレンズの
前面と接する平面であり、これについてはDIN EN ISO 13666:2013
-10の17.1項を参照されたい。フレームは眼鏡フレームであり、その中に累進眼鏡
レンズが嵌め込まれる。別の例として、距離方向に対して斜めの平面は、後面と第一眼位
における視線の交差点において後面に接する平面とすることかできる。
この平行移動と回転は、偏差の大部分を補償する。数学的に、最適な平行移動と回転が
、もともとの初期設計光学パワー分布を平行移動及び/又は回転させて認識光学パワー分
布とマッチさせることによってみつけられた場合、計算された値の反数又は負数が収差の
効果を補償するために設計に適用される。反対に、認識光学パワー分布が平行移動及び/
又は回転されて設計光学パワー分布とマッチさせられると、その負数ではなく、これらの
補正値を初期設計光学パワー分布に適用して補償できる。したがって、平行移動及び/又
は回転により偏差が最小化され、すると、これらを適用して、累進眼鏡レンズの最終設計
に到達でき、それにしたがって累進レンズが製造され、その後、眼鏡士によってフレーム
の中に嵌め込まれることができる。
さらに、本発明の第二の態様によれば、累進眼鏡レンズの製造方法が提供され、この方
法は、本発明の第一の態様による方法又はその改良案の1つによって累進眼鏡レンズの設
計を特定するステップと、特定された改善された設計の累進眼鏡レンズを製造するステッ
プと、を含む。この方法は、レンズの前面に関して後面を傾けて、処方されたプリズム屈
折力と軸を提供するステップをさらに含んでいてもよい。さらに、製造するステップは、
レンズの前面に関して後面を傾けて、処方されたプリズム屈折力と軸を提供することを含
んでいてもよい。
さらに、本発明の第三の態様によれば、累進眼鏡レンズのための改善された設計を特定
するシステムが提供され、これは、本発明の第一の態様もしくはその改良案の1つ又は本
発明の第二の態様もしくはその改良案の1つによる方法を実行するように構成された処理
ユニットを含む。
さらに、本発明の第四の態様によれば、非一時的コンピュータプログラムが提供され、
これは、コンピュータプログラムがコンピュータ等のデータ処理装置上で実行されると、
本発明の第一の態様もしくはその改良案の1つ又は本発明の第二の態様もしくはその改良
案の1つによる方法を実行するように構成されたプログラムコードを含む。
さらに、本発明の第五の態様によれば、本発明の第二の態様の製造方法により製造され
た累進眼鏡レンズが提供される。
したがって、最初に記した目的は十分に達成できる。
ステップe)の第二の代替案により定義される方法のある改良案において、方法は、
-ステップb)の前記初期設計光学パワー分布は、その各々において、対応する光学パ
ワー値と対応する重み付けが定義される複数の支持点を含み、
-ステップd)の前記計算するステップは、その対応する光学パワー値とその対応する
重み付けを有する前記複数の支持点を、計算された平行移動及び/又は回転に応じて平行
移動及び/又は回転させるステップを含み、
-ステップe)の累進眼鏡レンズの前記当初設計を前記最適化するステップは、前記複
数の支持点の各々における、標的光学パワー値としての前記対応する光学パワー値と、そ
の対応する重み付けを含むコスト関数又はメリット関数を最小化するステップを含む
ことを特徴としてもよい。
この方策の利点は、単純な設計変更により誘導される可能性のある不要な副次的影響、
例えばプリズム基準点における誤ったプリズム屈折力が回避されることにある。
方法の別の改良案において、方法は、前記当初設計を最適化する際に、以下の副次的条
件の群の何れか少なくとも1つが考慮されることをさらに含んでいてもよい:
-左右の眼に関する遠用部基準点及び/又は近用部基準点における個別の光学パワー値
-間膜頂点間距離
-左右の眼に関して必要な異なる特徴的倍率
-フレームの前傾角
-フレームの形状
-センタリング
-瞳孔間距離
-使用条件
-プリズムによる副次的影響の均等化に対する効果を有する、左右の眼の異なる光学パ
ワー
この方策の利点は、単純な設計変更により誘導される可能性のある不要な副次的影響、
例えばプリズム基準点における誤ったプリズ屈折力が回避されることにある。
上述の方法の何れかのまた別の改良案において、方法は、前記ステップa)~e)が反
復的に繰り返されることをさらに含んでいてもよい。
この方策の利点は、標的によりよく適合することである。
方法のまた別の改良案において、方法は、
・複数の点を特定するステップであって、初期設計光学パワー分布が複数の点の各々にお
ける初期設計光学パワーを含むようなステップと、
・認識光学パワー分布を、少なくとも複数の点の各々において、累進眼鏡レンズの初期設
計に基づいて眼により認識される認識光学パワーを特定することによって特定するステッ
プと、
をさらに含み、
複数の点における認識光学パワーと初期設計光学パワーとの間の差の大きさの合計が最
小化されるように平行移動及び/又は回転を特定することによって偏差が最小化され、特
に、各点における認識される光学パワーと初期設計光学パワーはそれぞれ、認識乱視屈折
力誤差と初期設計乱視屈折力誤差である。
これにより、偏差は有利な方法で最小化できる。複数の点は、累進眼鏡レンズ全体にわ
たり様々な方法で配置できる。一般に、単純なグリッドを、例えば0.5mm以下の特定
の間隔をあけて確立できる。しかしながら、累進眼鏡レンズ設計は改良されることになる
ため、累進環境レンズの遠用部分に偏差がないことが期待される。したがって、グリッド
は例えば、中間及び近用部分にのみ、特に例えば0.2mm間隔のより緊密なグリッドで
設置されてもよい。もちろん、選択される点が多いほど、認識光学パワー分布と初期設計
光学パワー分布とのマッチにとっての最適を求めるために必要な計算力は多くなる。さら
に、累進眼鏡レンズの、最も一般的な使用領域以外の部分、例えば中間累進帯の外は、中
間累進帯に近い領域ほどマッチさせるのが重要ではないことがわかった。しかしながら、
これは、中間累進帯に沿って、特に初期設計乱視屈折力誤差が低い領域、例えば初期設計
乱視屈折力誤差が1ディオプトリ以下、特に0.5ディオプトリ未満である領域において
複数の点を設置するために賢明でありうる。
方法の改良案において、各点における認識光学パワーと初期設計光学パワーは、それぞ
れ認識乱視屈折力誤差と初期設計乱視屈折力誤差である。特に、認識光学パワーは、認識
乱視屈折力誤差のみとすることができる。特に、初期設計光学パワーは、初期設計乱視屈
折力誤差のみとすることができる。
したがって、各点において認識乱視屈折力誤差と初期設計乱視屈折力誤差との差が特定
される。すると、すべての点を通じた差の大きさが最小化される。この文脈における「乱
視」とは、標準DIN EN ISO 13666:2013-10の12.4項による
乱視の差、すなわち第二の主子午線内の頂点屈折力から第一の主子午線内のそれを差し引
いたものであってもよい。本明細書において、乱視の差は常にプラスであると定義される
。代替的に、異なる光学パワーが使用されてもよい。例えば、初期設計球面屈折力誤差と
認識球面屈折力誤差との差を使用できる。球面屈折力誤差という用語はまた、平均球面屈
折力誤差であってもよい。さらに、例えば絶対的又は合計乱視、すなわち処方乱視屈折力
と乱視屈折力誤差の合算を使用できる。
認識光学パワーを特定するために、標準DIN EN ISO 13666:2013
-10の5.27項による頂点間距離又は角膜頂点間距離、すなわち眼鏡前面の平面に垂
直な視線に沿って測定された、累進眼鏡レンズの後面と角膜頂点との間の距離を特定でき
る。頂点間距離は、個々の装用者について特定できる。代替的に、標準値、例えば15m
mが前提とされてもよい。さらに、角膜頂点から眼の回旋点までの距離を13.5mmの
標準値により近似させることができる。
方法の別の改良案において、累進眼鏡レンズの改善された設計光学パワー分布を計算す
るステップは、累進眼鏡レンズの初期設計光学パワー分布を平行移動及び/又は回転させ
ることのみを含む。特に、この方法は、累進眼鏡レンズの改善された設計光学パワー分布
を計算するステップが、初期設計光学パワー分布を平行移動及び回転させるステップだけ
を含むということを含んでいてもよい。
したがって、平行移動及び回転させること以外に、初期設計光学パワー分布のその他の
修正又は改変は行われない。これによって、認識光学パワー分布と初期設計光学パワー分
布との間の偏差が大きく縮小される。特に、「装用」位置において、すなわち眼鏡の実際
の使用において、レンズと眼の系において導入される別の偏差を考慮して、平行移動と回
転のみを通じて実現される縮小は十分であると考えることができる。
方法の別の改良案において、平行移動及び/又は回転によって改善された設計光学パワ
ー分布を計算するステップは、可能な平行移動及び回転を含む最適化空間を確立するステ
ップと、偏差、特にすべての点を通じた初期設計光学パワーと認識光学パワーとの差の大
きさの合計を最小化するステップとを含み、最適化空間は可能な平行移動と回転のための
範囲を含む。特に、各平行移動の範囲は1.5mm以下の平行移動の大きさであってもよ
く、回転の範囲は1.5度以下の角度の大きさであってもよい。その他の境界条件が設定
されてもよい。平行移動に関して、各平行移動の範囲は2.5mm以下、2.0mm以下
、2.5mm以下、1.0mm以下、又は0.5mm以下の平行移動の範囲であってもよ
い。回転に関して、回転の範囲は2.5度以下、2.0度以下、1.5度以下、1.0度
以下、又は0.5度以下の角度の大きさであってもよい。
したがって、平行移動、特に2つの平行移動距離、及び/又は回転角度を含む最適化空
間が確立される。この最適化空間内で、パラメータの各種の組合せが試行され、認識光学
パワー分布が計算され、初期設計光学パワー分布との偏差が計算される。すべての点を通
じた初期設計光学パワーと認識光学パワーとの間の差の大きさの合計を最小化する平行移
動と回転パラメータセットは最適である。
方法の別の改良案において、初期設計を提供するステップは、
・眼の低次収差を補正する処方を特定し、眼の収差のモデルに基づく処方(及び所望の加
入屈折力)に基づいて初期設計光学パワー分布を特定することによって、初期設計光学パ
ワー分布を特定するステップであって、モデルは、二次までであってこれを含む収差のみ
を含み、処方は、球面屈折力、円柱屈折力、及び円柱軸の何れか少なくとも1つを含むよ
うなステップと、
・眼の収差のモデルに基づく初期設計光学パワー分布に基づいて累進眼鏡レンズの初期設
計を特定するステップであって、モデルは、二次までであってこれを含む収差のみを含み
、累進眼鏡レンズの初期設計は、初期設計光学パワー分布を提供する累進眼鏡レンズの形
状、特に及びフィッティングパラメータを含むようなステップと、
を含む。
特に、所望の加入屈折力、球面屈折力、及び円柱屈折力はゼロとは異なる。特に、初期
設計光学パワー分布は、球面屈折力及び/又は円柱軸を持つ円柱屈折力のみを含む。特に
、換言すれば、初期設計光学パワー分布は、例えばプリズム屈折力及びそれぞれのプリズ
ム基底を含まないかもしれない。これにより、累進眼鏡レンズの初期設計は、当業者にと
って一般的に知られている方法で、眼の測定された波面に基づいて特定される。冒頭に記
したように、累進眼鏡レンズの初期設計と初期設計光学パワー分布を「提供する」ステッ
プは、対応するデータセットがその別の方法のための根拠として受け取られるように行わ
れてもよい。しかしながら、この方法はまた、収差情報に基づいて累進眼鏡レンズの初期
設計光学パワー分布と初期設計を実際に特定するステップも含むことができる。これらの
収差情報に基づいて、初期設計光学パワー分布は、特にゼルニケ多項式、又はテイラー、
チェビシェフ多項式、もしくはザイデル収差等のほかの何れかの種類の適当な多項式の眼
の二次モデル、特に二次までであってこれを含む収差に基づいて特定される。したがって
、眼の収差は、収差に関する二次アプローチでモデル化される。眼のモデルの多項式は、
以前に測定された低次収差と同じとすることができる。高次収差は単純にゼロに設定され
る。しかしながら、代替的な改良案において、二次までであってこれを含む多項式系は、
眼の測定された波面収差をモデル化し、又はこれに近似させるために特定できる。その結
果、測定された低次収差とは異なる、二次までであってこれを含む多項式が特定され、こ
れは、モデルの二次までであってこれを含む多項式は測定された高次収差によっても影響
を受けるからである。このために、これらの収差を補正するための処方を求めることがで
きる。さらに、その処方、所望の加入屈折及び、処方の屈折力を提供する遠用部分と加入
球面屈折力を提供する近用部分からの平行移動を提供する一般的累進設計に基づき、初期
設計光学パワー分布を特定できる。すると、その初期設計光学パワー分布に基づいて、累
進眼鏡レンズの初期設計を特定できる。特に、初期設計は、初期設計光学パワー分布を提
供するように製造できる表面形状を含むことができる。さらに、初期設計は、累進眼鏡レ
ンズの厚さを含むことができる。表面形状と厚さは、最適化プロセスを通じて特定される
。したがって、累進眼鏡レンズの初期設計は、初期設計光学パワー分布を正確に提供しな
いということがあるかもしれない。しかし、それは確かに、それぞれの最適化の基準に基
づいて最適な方法で初期設計光学パワー分布を提供する。さらに、初期設計は、累進眼鏡
レンズを装用者の眼の正面に設置するためのフィッティングパラメータを含む。
他覚的屈折矯正方式の結果を提供する、異なる種類のメリット関数及び最適化方法が検
討されており、当業者によく知られている。例は例えば、文献、米国特許第7,857,
451 B2号明細書の“System and method for optimi
zing clinical optic prescriptions”、文献、米国
特許出願公開第2012/0069297 A1号明細書の“Eyeglass pre
scription method”、文献、米国特許出願公開第2005/01109
46 A1号明細書の“Objective manifest refraction
”、国際公開第03/092485 A1号パンフレットの“Sharpness me
tric for vision quality”、米国特許出願公開第2008/0
100800 A1号明細書の“Eyeglass prescription met
hod”、米国特許出願第2009/0015787 A1号明細書の“Apparat
us and method for determining an eyeglas
s prescription for a vision defect of an
eye”、及び文献、米国特許第8,205,987 B2号明細書の“Method
for optimizing a spectacle lens for the
wavefront aberrations of an eye”において提供さ
れている。
眼鏡処方を特徴付ける1つ又は複数のパラメータは、球面屈折力、円柱屈折力(乱視屈
折力)、円柱軸、又はゼルニケ系からのそれぞれの変換項M、J、及びJ45からなる
群より選択される1つ又は複数のパラメータを含む。特に、パラメータは球面屈折力、円
柱屈折力、及び円柱軸か、M、J、及びJ45の何れかであってもよい。
もちろん、他のパラメータ、例えば二次ゼルニケ多項式も使用されてよい。パラメータ
が球面、円柱、及び軸、又はM、J、及びJ45に設定されるか、二次ゼルニケ係数に
設定されるかは、使用される関数又は他の何れかの選好に依存してもよい。すべてのパラ
メータ又はパラメータの組合せが同等に使用されてよい。当業者であれば容易に気付くよ
うに、球面、円柱、及び軸を含むパラメータセットを再計算して、M、J、及びJ45
を含むパラメータセットを提供してもよい。さらに、二次ゼルニケ係数C 、C +2
、及びC -2はパラメータセットとして使用できる。しかしながら、これらのゼルニケ
係数も、M、J、及びJ45のパラメータセットから導出されてよい。
方法の別の改良案、複数の点の数は少なくとも8である。
一般に、認識光学パワー分布を設計光学パワー分布と整合させるための平行移動と回転
を計算するために使用される点の数が大きいほど、すべての点にわたる偏差の総合計を最
小化するために行われる計算努力は大きくなる。翻って、数が小さければ、平行移動と回
転に関する結果が素早く求まるかもしれないが、認識光学パワー分布と初期設計光学パワ
ー分布の整合ができるだけ良好なものとはならないかもしれない。8つの点は、平行移動
と回転角度のかなり有効な推定を提供できることがわかった。しかしながら、点の数は例
えば少なくとも16、少なくとも32、又は少なくとも64に設定することもできる。
方法の別の改良案において、初期設計光学パワー分布は、0.5ディオプトリの設計乱
視誤差を示す線を含み、複数の点の各々は、0.5ディオプトリの設計乱視屈折力誤差を
示す線上にある。
したがって、複数の点、特に少なくとも6つの点は、0.5ディオプトリの設計乱視屈
折力誤差の線上に提供される。複数の点はその線の上にある。複数の点のほかに、他の点
が存在していてもよく、そこで認識光学パワーと設計光学パワーが比較される。しかしな
がら、複数の点は、それらのそれぞれの数で、0.5ディオプトリの設計乱視屈折力誤差
の線の上に設置される。この線は、初期設計光学パワー分布の大部分を説明しており、装
用者の認識にとって重要な使用領域の大きな面積をカバーすることがわかった。乱視屈折
力誤差が大きいほど、累進眼鏡レンズのうち影響を受ける面積が小さくなる。したがって
、0.5ディオプトリの乱視屈折力誤差を示す線の整列に焦点を当てることは、完全な光
学パワー分布のための良好なマッチを提供することがわかった。例えば、複数の点は、そ
の線上に均等に離間させることも、所定の間隔、例えば1mmでその線に沿って設置され
てもよい。したがって、この結果としては、線の上で均等に離間されたグリッドとはなら
ず、点が0.5ディオプトリの初期設計乱視屈折力誤差の線に沿って分散されることにな
る。
方法のほかの改良案において、回転の中心は、累進眼鏡レンズの設計の幾何学中心に設
定される。
通常、設計は円形又は楕円形のレンズブランクについて計算される。したがって、円形
の縁の中心又は、楕円軸の交点を意味する楕円の中心は、回転の中心として定義できる。
さらに、改良案において、回転の中心は累進眼鏡レンズの初期設計の中間累進帯の中央
に設定できる。
例えば、中間累進帯は、遠用基準点から近用基準点までの直線として定義できる。する
と、回転の中心はその距離の半分に設定できる。
方法の別の改良案において、累進眼鏡レンズの初期設計は累進眼鏡レンズ設計パラメー
タセットを含み、方法は、認識光学パワー分布と初期設計光学パワー分布との間の偏差が
さらに最小化されるように、累進眼鏡レンズの改善された設計を特定するステップと、累
進眼鏡レンズの設計パラメータセットを最適化するステップとを反復的に繰り返すステッ
プをさらに含む。
これにより、平行移動と回転に加えて、累進眼鏡レンズの初期設計は、累進眼鏡レンズ
設計の特定のパラメータを最適化して、認識光学パワー分布を初期設計光学パワー分布に
よりよくマッチさせることによって補正される。これらの累進眼鏡レンズ設計パラメータ
は例えば、中間累進帯の長さ、遠用領域と近用領域の大きさ、遠用領域から近用領域への
移行のための中間累進帯に沿った球面屈折率の勾配、又は遠用部設計基準点に関する近用
部設計基準点の内寄せとすることができる。
もちろん、これらのパラメータの何れを変化させるにも、累進眼鏡レンズの新しい初期
設計を計算する必要がある。再び、これは、眼の収差のモデルに基づいて行わなければな
らず、モデルは二次までであって、これを含む収差のみを含む。すると、再び、認識光学
パワー分布を計算する必要がある。その後、平行移動と回転は、前述のように計算でき、
累進眼鏡レンズ設計パラメータの結果として、平行移動と回転によって初期設計光学パワ
ー分布を認識光学パワー分布によりよくマッチさせることができる。数学的には、パラメ
ータは、初期設計光学パワー分布を認識光学パワー分布にマッチさせることによって求め
ることができる。すると、計算された値の反数又は負数が初期設計に適用されて補償され
る。再び、反対に、認識光学パワー分布が変換された(平行移動及び/又は回転による)
初期設計光学パワー設計にマッチされると、その負数ではなく、これらの補正値が初期設
計光学パワー分布に適用されて、補償できる。しかしながら、パラメータを変化させて、
初期設計光学パワー分布を認識光学パワー分布にマッチさせることが有利となりうる。こ
の工程が終了した後、設計は、反対の符号でパラメータ、例えば内寄せ及び累進帯の長さ
を変化させて再特定され、その後、反対の符号の平行移動及び回転が適用される。これに
よって、幾つかの別のわずかな改善を提供できる。しかしながら、これには累進眼鏡レン
ズの初期設計への補正が必要となるであろう。
方法の別の改良案において、累進眼鏡レンズ設計のパラメータセットは、内寄せ、中間
累進帯の長さ、球面屈折力の最大勾配の何れか少なくとも1つを含む。さらに、近用領域
及び/又は遠用領域の大きさ又は境界は、累進眼鏡レンズ設計パラメータの1つとするこ
とができる。
これによって、基本的な累進眼鏡レンズレイアウトを補正できる。さらに、これらのパ
ラメータ又はそれぞれの補正されたパラメータは、ほとんど物理的に実現可能と考えるこ
とができ、全体的な光学設計レアアウトに対する不利な影響は発生しない。
方法の別の改良案において、累進眼鏡レンズ設計パラメータセットの最適化は、累進眼
鏡レンズ設計パラメータセットを含む最適化空間を確立し、最適化の各ステップにおいて
、新しい累進眼鏡レンズ設計パラメータセットに基づいて新しい初期設計を特定し、その
新しい初期設計に基づいて新しい改善された設計を特定することによって行われる。
これによって、代替的な方法で、初期設計光学パワーと認識光学パワーとの間の偏差を
最小化するための最善の根拠を提供する累進眼鏡レンズ設計パラメータセットを求めるこ
とができ、それによって、その特定の初期設計の特定された平行移動と回転は、その特定
の初期設計を平行移動及び回転させて、改善された累進眼鏡レンズ設計を定義するために
使用される。
方法の別の改良案において、低次収差と高次収差はゼルニケ多項式として表現される。
これは、波面収差のための、及び光学収差を表現するための最も一般的な表現である。
特に、本願全体を通じて、収差の「次数」に関する言及は何れも、例示的に、ゼルニケ
多項式を通じた表現に関することができる。ゼルニケ多項式の場合、「次数」という用語
はゼルニケ多項式のラジアル方向の次数又はラジアル方向の度数を意味する。
方法の別の改良案において、高次収差は三次及び/又は四次の収差のみを含む。
これによって、認識光学パワー分布の計算を簡素化できる。
別の改良案において、各最適化は、最小二乗最適化法により行うことができる。
これらの方法は一般に知られており、特にそれぞれ差と偏差の最小化の問題の良好な解
決策を提供する。
別の改良案において、方法はコンピュータ実装方法である。
すなわち、方法の各ステップは、改善された設計につながる自動的な方法で行うことが
できる。
別の改良案において、眼の収差情報は波面測定結果であるか、又は波面測定結果を通じ
て得られる。眼の各部分の形状を特定し、そこから収差情報を導出するために、眼科磁気
共鳴画像検査法(MRT:Magnetic Resonance Tomograph
y)又は光干渉断層撮影法(OCT:Optical Coherence Tomog
raphy)のようなその他の方法もありうる。
別の改良案において、累進眼鏡レンズの初期設計の平行移動と回転は、累進眼鏡レンズ
の初期設計と眼との間の距離方向に対して斜め又は垂直な平面内で特定される。平面は、
視線を含まなくてもよい。
したがって、本発明による累進眼鏡レンズ設計の移動と回転は、距離方向に垂直な面内
とすることができる。代替的に、平面は、距離方向に対して斜めであってもよく、例えば
、フレームに嵌められたときに、そのボクシング中心においてプラノ又はデモンストレー
ションもしくはダミーレンズの前面に接する平面であってもよく、又は後面と第一眼位に
おける視線との交点において後面に接する平面であってもよい。特に、距離方向に対して
斜めの平面は、X-Z平面とY-Z平面の両方内の距離方向と少なくとも70度の角度を
含んでいてもよく、すなわち、距離方向に垂直な平面に関して20度より大きく傾けられ
ない。
本発明の第三の態様によるシステムの別の改良案において、システムは、眼の屈折特性
を示す波面を測定するように構成された波面収差計をさらに含む。再び、波面収差計は、
シャックハルトマン式波面センサ、チェルニング収差計、タルボット収差計、又はダブル
パス収差計であってもよい。
別の改良案において、波面収差計は、第一の場所に設置され、処理ユニットは第二の場
所に設置され、第一の場所と第二の場所はデータネットワークを介して接続される。
前述のように、これによって、1つの処理ユニットを、各々が波面収差計を有する複数
の眼鏡店で利用できるようになる。したがって、処理ユニットが設置される単独の第二の
場所は、データネットワークを介して複数の第一の場所に接続されてもよい。これによっ
て、必要な計算力を例えば各々の第一の場所又は別の店舗に直接配置しなくてよくなる。
別の改良案において、システムは、改善された設計及び/又は改善された設計光学パワ
ー分布を出力するように構成された出力装置を含む。
前述のように、出力装置は、電子ディスプレイ又はプリンタであってもよい。さらに、
出力装置は、改善された設計及び/又は改善された設計光学パワー分布を記憶する記憶媒
体であってもよい。
言うまでもなく、前述の特徴及び下記の特徴は、その組合せで使用できるだけでなく、
異なる組合せで、又は単独でも使用でき、これも本発明の範囲から逸脱しない。
本発明のその他の特徴と利点は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。別段の
ことわりがないかぎり、使用される技術及び科学用語はすべて、本発明が関する当業者に
より一般的に理解されているものと同じ意味を有する。
図式的な累進レンズとその設計の要素を示す。 レンズと眼の系の概略図を示す。 x方向への乱視屈折力誤差間の偏差の例を視覚化したものを示す。 y方向への乱視屈折力誤差間の偏差の例を視覚化したものを示す。 回転方向における乱視屈折力エラー間の偏差の例を視覚化したものを示す。 x方向、y方向、及び回転方向における偏差の統計的分析を示す。 本発明による方法のある実施形態を示す。 本発明による方法の応用の4つの例を示す。 本発明による方法の別の実施形態を示す。 本発明による方法の別の実施形態の応用の例を示す。 本発明によるコンピュータプログラムを示す。 本発明によるシステムのある実施形態を示す。 本発明によるシステムの別の実施形態を示す。
図1は、レンズ10とその設計の態様を示す。レンズ10は累進眼鏡レンズであるもの
とし、これは、レンズの球面屈折力が遠方視部分12から近方視部分14へと増加するこ
とを意味する。レンズのこれらの領域はまた、遠用領域12及び近用領域14とも説明で
きる。図1に示される例の向きは、それが例えば装用者の左眼の正面で見えるような、す
なわち近用領域が装用者の鼻に向かってシフトする状態である。レンズ10の境界13は
円形に描かれている。しかしながら、これは必須ではない。楕円形の境界を有するレンズ
ブランクも知られている。さらに、レンズの、その表面の数学的説明としての設計は、そ
の後、実際に製造されるレンズ10の縁部13よりも数学的に超えることができる。した
がって、境界13は単に説明のために提供されている。
遠用領域12と近用領域14との間に混合領域又は周辺部16があり、そこでは高いレ
ベルの乱視屈折力誤差が生じる。したがって、周辺部は通常、装用者にとって光学的に有
用であると考えられない。近用領域において、平均球面屈折力は遠用領域におけるよりプ
ラスである。例えば、近用領域の平均球面屈折力は遠用領域のそれより+2.0ディオプ
トリ高くすることができる。2つの領域12及び14間に、いわゆる累進帯又は中間累進
帯18があり、それに沿っては非常に小さい乱視屈折力誤差しか生じず、これは、この累
進帯(progressive corridor)18は、眼が遠用領域12から近用
領域14に移るときにそれに沿って移動すると想定される通路(corridor)であ
る。遠用部設計基準点は、参照番号20で示される。遠用部設計基準点において、遠用屈
折力は設計遠用屈折力とマッチする。同じことが近用部設計基準点22にも当てはまり、
この場合は近用領域の所望の屈折力がマッチさせられる。近用部設計基準点は、この例で
は装用者の鼻に向かってシフトされている。したがって、いわゆる内寄せ26により示さ
れるシフトも示されている。したがって、内寄せ26は、遠用部設計基準点に関する近用
部設計基準点のX方向への偏差である。
遠用部設計基準点20から近用部設計基準点22までの直線は参照番号24で示され、
これは勾配線と呼ばれてもよい。この線に沿って、平均球面屈折力は遠用領域の終わりか
ら遷移し、近用領域の始まりへ向かう遠用領域の平均球面屈折力及び近用領域内の所望の
平均球面屈折力。近用及び遠用領域12、14の大きさ又は面積は、累進帯の長さとは別
に設計できる。大きい領域は、「ハード」設計を生成する傾向があり、それは、周辺領域
16の面積が減少するからである。ピーク乱視と乱視勾配はどちらも、周辺領域16の面
積が減少するにつれて大きくなる。ハード設計の「ハード」は、クリア領域と周辺との間
の乱視屈折力誤差の勾配に関する。累進帯の長さによって遠用領域と近用領域との間の平
均屈折力の勾配が決まる。これらのパラメータはすべて、レンズの加入屈折力に直接対応
する。個々の装用者にとって「ハード」設計と「ソフト」設計の何れが好ましいかは、異
なるかもしれない。
図2は、レンズと眼の系の例を示す。レンズは、ここでも参照番号10で示される。眼
は参照番号30で示される。眼に関して、レンズと眼の系の中の光学パワーを計算する際
、標準的パラメータを使用できる。例えば、眼の直径について標準的な値を使用できる。
レンズは、レンズと眼の系の中で眼の正面に設置される。レンズ平面は、参照番号34で
示される。レンズ10の後面から眼30の角膜に向かって角膜頂点間距離28があり、こ
れは装用者の顔の寸法に依存する個々のパラメータである。角膜頂点間距離はZ方向に測
定され、これは本願によれば「距離方向」であるものとする。したがって、距離方向は、
第一眼位での視線に平行に延びる。眼の平面は、参照番号32で示される角膜頂点にある
ものとする。したがって、本発明によるレンズ設計の移動又は回転は、X-Y平面、すな
わち、距離方向に垂直な平面内とすることができる。代替的に、平面は距離方向に対して
斜めであってもよく、例えば、フレームに嵌められたときに、プラノ又はデモンストレー
ションもしくはダミーレンズの前面にそのボクシング中心で接する平面であるレンズ形状
の平面であっても、又は後面と第一眼位での視線との交点において後面と接する平面であ
ってもよい。特に、距離方向に対して斜めの平面は、X-Z平面とY-Z平面両方におい
て距離方向と少なくとも70度の角度を含んでいてもよく、すなわち、これは距離方向に
垂直な平面に関して20度を超えて傾けられない。
ここで、図3~7を参照して、本発明の一般的な技術的背景を説明する。
一般に、本発明は、個々の装用者の眼の測定された高次収差(HOA)を考慮して、累
進レンズの認識された光学情報の小さい変化に対処するための簡素化された方法である。
基本的な考えは、レンズ全体の複雑な変化を2、3のパラメータに減らすことである。最
も単純なパラメータは、レンズの平行移動と回転である。これは、何れの再最適化も不要
であり、設計の後処理に適用できる。パラメータの次のレベルは、既存の計算エンジンに
おいて現在対処されているパラメータ、例えば内寄せ、累進帯の長さ、遠方視領域と近方
視領域の大きさ、又は球面屈折力の遷移の勾配である。これらは、現在の最適化を大きく
変化させずに含めることができる。
実際の装用者の眼の大きいデータベースの中の眼の幾つかにより修正された累進眼鏡レ
ンズの光学情報を分析すると、あることを観察できる。レンズの近用及び遠用領域のバル
クは影響を受けない。これは、レンズのこれらの領域におけるHOAが設計により非常に
低いため、明らかである。最も影響を受ける領域は累進帯と領域の境界であり、これはレ
ンズのこれらの領域の収差が最も高いという単純な理由による。
さらに、乱視屈折力誤差、すなわち残留乱視の空間分布は、累進眼鏡レンズにおいて、
平均屈折力誤差のそれより重要であると仮定できる。両方を完全に制御することはできな
い。レンズの、円柱誤差と何れのマイナスの平均屈折力エラーもない部分を通じて見ると
き、ある距離で画像が鮮明となる。円柱誤差(乱視屈折力誤差)の大きい部分を通じて見
ると、鮮明な距離はない。したがって、乱視屈折力誤差の分布は、レンズの有益となる可
能性のある領域を決定する。設計の累進帯を装用者の主視線方向に整合させることが特に
重要である。
上記の結果、レンズ-プラス-眼の系における最小乱視屈折力誤差の通路により画定さ
れる累進帯の水平位置は、レンズの重要な局面であり、かつ、レンズのHOAが確実に大
きい領域でもあり、したがって、眼のHOAにより変化する可能性がある。
HOAがレンズの認識光学パワー分布に与える影響は、複雑な2次元分布である。問題
は、レンズの単純な平行移動と回転がどれだけうまく最大の効果を上げることができるか
、である。
瞳孔径4.75~5.25mmの眼500例の、HOAのみを使用し、二次項をゼロに
して、プラノ2.50ディオプトリ加入累進眼鏡レンズの認識光学パワー分布を分析した
。比較として、既知の最適化を行って最適認識の分布を計算した。「X」への平行移動の
単純な推定のために、累進帯の垂直中心付近の最小円柱屈折力の位置における水平シフト
を分析した。図3は、この例がプラノ2.50ディオプトリ加入累進眼鏡レンズに基づく
ため設計乱視屈折力誤差と同じである設計の非点収差と、特定のHOA群での装用者の認
識乱視屈折力誤差のオーバレイマップを含む。等高線は0.50ディオプトリ間隔である
。このマップは、累進帯の明瞭な横方向の変位を示している。
図3の右のグラフは、マップ内で黒い線により示される眼の通路の領域を通じた設計及
び認識乱視屈折力誤差をプロットしたものである。これら2つの関数の最小値の位置間の
差が、眼の通路の水平シフトの推定値とみなされた。
同様の計算を行って、遠用領域の境界の縦のシフトを推定した。この場合、図4に示さ
れる2本の縦の線に沿って見た0.50D等高線の位置間の差を使って、縦のシフトを推
定した。2つのシフトの平均を推定値として使用した。
最後に、回転角は、図5に示される弧に沿って見た0.50D等高線の4つの角度差を
平均することによって推定した。
図6は、500例の眼からのHOAを使って計算されたこれらの測定値の分布を示す。
眼の25%に0.5mm以上の累進帯の水平シフトがあり、25%に0.5mm以上の遠
用領域の縦のシフトがあり、25%に0.5度以上の回転があり、約60%に、3つのパ
ラメータの1つ又は複数における0.5以上のシフトがある。
典型的な眼のHOAによる累進眼鏡レンズの認識光学パワー分布の変化はごく小さい。
これらの変化と、特に乱視屈折力誤差成分は、レンズの単純な平行移動と回転によってか
なりの程度まで補償できる。
図7は、本発明による方法のある実施形態を示す。前記方法は、累進眼鏡レンズの改善
された設計を特定するためのものである。
方法が開始されると、ステップ110で、眼の収差情報が取得され、収差情報は眼の低
次収差と眼の高次収差を含み、このとき低次収差は二次までであってこれを含む収差であ
る。特に、これらの収差情報は、ゼルニケ多項式で表現できる。一般に、眼のこれらの収
差情報は、収差計又は、一般に知られているほかの何れの他覚的波面測定装置でも取得で
きる。眼の各部分の形状を測定し、そこから収差情報を取得するために、眼科MRT等の
その他の方法も考えられる。
さらに、ステップ120で、累進眼鏡レンズの初期設計における設計光学パワー分布が
得られ、このとき初期設計光学パワー分布は、眼の低次収差を補正するため、及び所望の
加入屈折力を提供するために設計され、累進眼鏡レンズの初期設計は、眼の収差のモデル
に基づいて初期設計光学パワー分布を提供するように特定され、モデルは二次までであっ
てこれを含む収差のみ含む。累進眼鏡レンズのこのような初期設計光学パワー分布と初期
設計も方法の中に入力でき、一般に知られている方法によって予め決定しておくこともで
きる。しかしながら、方法の中で直接取得するステップの中でも決定できる。
次に、ステップ130で、累進眼鏡レンズの初期設計、眼の低次収差、及び眼の高次収
差に基づいて、眼により認識される認識光学パワー分布が特定される。
ステップ140で、認識光学パワー分布と初期設計光学パワー分布との間の偏差が最小
化されるような、累進眼鏡レンズの初期設計光学パワー分布と眼との間の距離方向に対し
て斜め又は垂直な平面内での累進眼鏡レンズの初期設計光学パワー分布の平行移動と、距
離方向に垂直又は斜めな平面である平面内の累進眼鏡レンズの初期設計光学パワー分布の
回転とが特定される。特に、この最小化では、設計乱視屈折力誤差と認識乱視屈折力のみ
を考慮に入れることができる。代替的実施形態においては、認識設計乱視屈折力誤差だけ
でなく、設計及び認識平均球面屈折力誤差分布も考慮されてよい。
最後に、ステップ150で、平行移動と回転が特定された後に、特定された平行移動と
回転にしたがって累進レンズの第一の設計を平行移動及び回転させることによって、累進
レンズの改善された設計が特定される。数学的に、初期設計光学パワー分布を平行移動及
び回転させて認識光学パワー分布とマッチさせることによって平行移動と回転が求まると
、特定された値の反数又は負数が元の設計に適用されて、収差の影響が補償される。反対
に、認識された光学パワー分布が平行移動及び回転されて初期設計光学パワー分布にマッ
チされた場合は、その負数ではなくこれらの補正値を初期設計光学パワー分布に適用して
補償できる。
すると、方法は終了する。
図8は、図7の実施形態による方法を適用した4つの例を示す。これらの例について、
設計及び認識乱視屈折力誤差分布の整合は、0.50Dの乱視等高線のみを調べることに
よって特定された。整合は、左右の初期設計乱視屈折力誤差の0.50D等高線の位置に
沿った認識乱視屈折力誤差の値を計算し、その後、ΔX、ΔY、及び眼の通路の中央周囲
での回転角度を調整して経路に沿った乱視の絶対的な差の合計を最小化することによって
達成された。
4つの例は、特に、単純な計算によってこれらに大きいシフトがあると予想されること
から選択された。左の例にはX方向への大きいシフトがあり、次のものには大きい回転が
あり、右隣りには大きいYシフトがあり、右端のものには同程度であるX及びYシフトの
両方がある。シフトが比較的大きいこれらの例は、0.50D等高線を整合された後、ど
こにおいても良好な一致を示している。したがって、これは、単純な平行移動と回転が、
ほとんどの眼のためのレンズの認識に対するHOAの全体的な影響に合理的に近似するも
のであることを黙示している。
図9は、本発明による方法の代替的実施形態200を示す。
方法が開始すると、上記の方法100と同様に、ステップ210で、眼の収差情報が得
られ、収差情報は眼の低次収差と眼の高次収差を含み、このとき低次収差は二次までの、
これを含む収差である。
ステップ220で、次に、累進眼鏡レンズの設計光学パワー分布と第一の設計が得られ
、このとき初期設計光学パワー分布は、眼の低次収差を補正し、所望の加入屈折力を提供
するように設計され、累進眼鏡レンズの初期設計は、眼30の収差のモデルに基づく初期
設計光学パワー分布を提供するように特定され、このモデルは二次までであってこれを含
む収差のみを含む。
次に、前述のように、ステップ230で、累進眼鏡レンズの初期設計、眼の低次収差、
及び眼の高次収差に基づいて、眼により認識される認識光学パワー分布が特定される。
ステップ240で、認識光学パワー分布と初期設計光学パワー分布との間の偏差が最小
化されるような、平面内の、特にその平面内の2方向であって、各々が累進眼鏡レンズの
初期設計と眼との間の距離方向に垂直又は斜めであるような2方向への累進眼鏡レンズの
初期設計光学パワー分布の平行移動と、累進眼鏡レンズの初期設計光学パワー分布と距離
方向に垂直又は斜めの平面との回転が特定される。
しかしながら、その後、方法のこの実施形態によれば、さらに、第二のレベルにおいて
、眼鏡レンズの設計の累進眼鏡レンズ設計パラメータの最適化が行われる。特に、これら
の設計パラメータは、内寄せ、中間累進帯の長さ、及び球面屈折力の最大勾配の何れか少
なくとも1つを含んでいてもよい。したがって、ステップ230及び240は反復的に繰
り返される。ステップ250で、反復が終了したか否かが特定される。終了していなけれ
ば、ステップ260で累進設計のパラメータセットが変更される。その後、新しい初期設
計が特定され、これはその後、ステップ230及び240における平行移動と回転を通じ
て改善できる。すると、再び、ステップ250で、反復が終了したか否かを特定できる。
再び、終了していなければ、ステップ260、230、及び240が別の反復ループで実
行される。
この工程が終了し、平行移動と回転が特定されたら、ステップ270で、平行移動と回
転が現在の初期設計に適用されて、累進眼鏡レンズの最終設計に到達する。
図10を参照すると、次の複雑性レベルにより、レンズが設計された後では行えないが
、累進眼鏡レンズの初期設計の中に含められるパラメータにより制御されるレンズの調整
が必要となる。2つの例示的なパラメータは眼の通路の形状を制御し、これらはすなわち
累進帯の長さ及び内寄せである。次のプロットは、乱視屈折力誤差のみを考慮して、累進
帯の見掛けの長さを0.54mmだけ伸ばした例を示す。それに加えて、累進帯の長さを
変化させると、最高点が有効な増分で移動するため、認識平均屈折力誤差分布も含めたメ
トリックも使用できた。
左の認識プロットは、平行移動と回転のみを適用することによって調整された。右のプ
ロットは、累進帯の0.54mmの伸長と内寄せにおける0.03というわずかなシフト
とを含む。拡大領域は、差と、累進帯をさらに修正することによる改善された対応部分と
を特に示している。
図11はコンピュータプロクラムコードを含む非一時的コンピュータプログラム45を
示し、プログラムコードは、コンピュータプログラムがデータ処理装置又は処理ユニット
44上で実行されると、図7又は9に関連して開示した方法の何れか、又はそれらの改良
案の1つによる方法を実行するように構成される。
図12は、本発明によるシステム40の別の実施形態を示す。波面収差の患者の眼の光
学的波面収差は、収差計42により特定できる。さらに、自覚的屈折力も特定可能であっ
てよい。改善された設計の特定は、処理ユニット44上で行われる。処理ユニット44は
、上で説明した方法を実行するための実行可能なプログラムコードを記憶するコンピュー
タプログラム45を含んでいてもよい。すると、システム40は、出力装置46をさらに
含んでいてよく、これはディスプレイ、プリンタ、又は出力装置46に特定された改善設
計を出力する記憶装置であってもよい。収差計42は、線48を通じて処理ユニット44
に接続される。処理ユニット44は、線50を通じて出力装置46に接続される。線48
及び50はどちらも、各々処理ユニット44と収差計42及び出力装置46との間のデー
タ伝送のための有線接続又は無線接続であってもよい。
これにより、システム40は、収差計により提供されたデータに基づいて、改善された
設計を自動的に特定できる。しかしながら、収差計42の代わりに、判断の元になるデー
タは、事前に取得された複数の患者のデータを記憶する記憶装置から線48を通じて取得
されてもよい。
図13において、別の実施形態のシステム40’が示されている。収差計42は、第一
の場所56に設置されていてもよい。処理ユニット44は第二の場所58に設置される。
出力装置46は、第三の場所60に設置されても、又は第一の場所56に設置されてもよ
い。さらに、製造視覚支援具からの製造ユニット62は、第三の場所60又は第一の場所
56の何れかにあってもよい。
第一の場所56、第二の場所58、及び第三の場所60は相互に離れている。第一の場
所56は、データネットワーク52を通じて第二の場所58と接続されている。第二の場
所58と第三の場所60は、データネットワーク54を通じて接続されている。これによ
って、収差計42を通じて提供される屈折力データを処理ユニット44に送信可能とする
ことができるかもしれない。さらに、特定された改善設計は第一の場所、例えば眼鏡店に
送りなおされてもよく、眼鏡士により認識され、例えば装用者となる人物に提供される。
さらに、特定された改善設計は、それぞれのレンズを製造する離れた製造ユニットに送信
可能である。製造ユニットは、第一の場所56に設置できる。この場合、収差計のデータ
は接続52を通じて第二の場所58の処理ユニット44に送信され、その後、特定された
改善設計は第一の場所56及びその考えうる製造ユニット62に送り戻される。代替的に
、第二の場所58から、特定された眼鏡処方は、考えうる製造ユニット62が視覚補助具
を製造する第三の場所60に送信できる。最後に、この第三の場所60から、製造された
視覚的補助具はその後、矢印64により示されるように、第一の場所56へと出荷される
多数の実施形態を説明した。その他の実施形態は特許請求の範囲の中にある。
優先権出願の特許請求の範囲の開示を確保にするために、それぞれの特許請求の範囲一
式をここに、認可され、欧州特許庁審判部の決定J15/81によれば、特許請求の範囲
を構成しない項目として添付する。
項目1.累進レンズ(10)のための改善された設計を特定する方法(100、200
)において、方法は、
・眼(30)の収差情報を取得するステップ(110、210)であって、収差情報は眼
(30)の低次収差と眼(30)の高次収差を含み、低次収差は二次までであってこれを
含む収差であるようなステップと、
・累進レンズ(10)の設計光学パワー分布と第一の設計を取得するステップ(120、
220)であって、設計光学パワー分布は、眼(30)の低次収差を補正し、所望の加入
屈折力を提供するように設計され、累進レンズ(10)の第一の設計は眼(30)の収差
のモデルに基づいて設計光学パワー分布を提供するように特定され、モデルは二次までで
あってこれを含む収差のみを含むようなステップと、
・累進レンズ(10)の第一の設計、眼(30)の低次収差、及び眼(30)の高次収差
に基づいて、眼(30)により認識される認識光学パワー分布を特定するステップ(13
0、230)と、
・認識光学パワー分布と設計光学パワー分布との間の偏差が最小となるように、累進レン
ズ(10)の第一の設計の平行移動と累進レンズ(10)の第一の設計の回転を特定する
ステップ(140、240)と、
・特定された平行移動と回転により累進レンズ(10)の第一の設計を平行移動及び回転
させることによって、累進レンズ(10)の改善された設計を特定するステップ(150
、270)と、
を含む。
項目2.方法は、
・複数の点を特定するステップであつて、設計光学パワー分布は複数の点の各々における
設計光学パワーを含むようなステップと、
・複数の点の少なくとも1つにおいて、累進レンズ(10)の第一の設計に基づき、眼(
30)により認識される認識光学パワーを特定することによって、認識光学パワー分布を
特定するステップと、
をさらに含み、
複数の点における認識光学パワーと設計光学パワーとの差の大きさの総計が最小化される
ように平行移動と回転を特定することによって、偏差が最小化される、
ことを特徴とする、項目1による方法。
項目3.各点における認識光学パワーと設計光学パワーはそれぞれ認識乱視誤差と設計
乱視誤差であることを特徴とする、項目1又は2による方法。
項目4.平行移動と回転を特定するステップ(150、270)は、考えうる平行移動
と回転を含む最適化空間を確立するステップと、偏差を最小化するステップを含み、最適
化空間は考えうる平行移動と回転のための範囲を含み、各平行移動の範囲は1.5mm以
下の平行移動の大きさであり、回転の範囲は1.5以下の角度の大きさであることを特徴
とする、項目1~3の何れかによる方法。
項目5.第一の設計を取得するステップは、
・眼(30)の低次収差を補正する処方を特定し、処方に基づく設計光学パワー分布と眼
(30)の収差のモデルに基づく所望の加入度数を特定することによって設計光学パワー
分布を特定するステップであって、モデルは二次までであってこれを含む収差のみを含み
、処方は球面屈折力、円柱屈折力、及び円柱軸の何れか少なくとも1つを含むようなステ
ップと、
・眼(30)の収差のモデルに基づく設計光学パワー分布に基づいて累進レンズ(10)
の第一の設計を特定するステップであって、モデルは二次までであってこれを含む収差の
みを含み、累進レンズ(10)の第一の設計は、設計光学パワー分布を提供するレンズ形
状(10)とフィッティングパラメータを含むようなステップと、
を含むことを特徴とする、項目1~4の何れかによる方法。
項目6.複数の点の数は少なくとも8であることを特徴とする、項目1~5の何れかに
よる方法。
項目7.設計光学パワー分布は、0.5ディオプトリの設計乱視誤差を示す線を含み、
複数の点の各々は、0.5ディオプトリの設計乱視誤差を示す線の上にあることを特徴と
する、項目1~6の何れかによる方法。
項目8.回転の中心は、累進レンズ(10)の設計の幾何学中心に設定されることを特
徴とする、項目1~7の何れかによる方法。
項目9.回転の中心、累進レンズ(10)の第一の設計の中間累進帯の中央に設定され
ることを特徴とする、項目1~7の何れかによる方法。
項目10.累進レンズ(10)の第一の設計は累進設計パラメータセットを含み、方法
は、認識光学パワー分布と設計光学パワー分布との間の偏差がさらに最小化されるように
、累進レンズ(10)の改善された設計を特定するステップと、累進設計パラメータセッ
トを最適化するステップとを反復的に繰り返すステップをさらに含むことを特徴とする、
項目1もしくは2、又は項目1又は2に言及する項目4~7の何れかによる方法。
項目11.累進設計パラメータセットは、内寄せ(26)、中間累進帯(24)の長さ
、及び球面屈折力の最大勾配の何れか少なくとも1つを含むことを特徴とする、項目10
による方法。
項目12.累進設計パラメータセットの最適化は、累進設計パラメータセットを含む最
適化空間を確立し、最適化の各ステップにおいて、新しい累進設計パラメータセットに基
づいて新しい第一の設計を特定し、その新しい第一の設計に基づいて新しい改善された設
計を特定することによって行われることを特徴とする、項目10又は11による方法。
項目13.累進レンズ(10)の改善された設計を特定するステップは、累進レンズ(
10)の第一の設計を平行移動及び回転させることだけを含むことを特徴とする、項目1
~9の何れかによる方法。
項目14.高次収差は三次及び/又は四次収差のみを含むことを特徴とする、項目1~
13の何れかによる方法。
項目15.各最適化は最小二乗最適化法により行われることを特徴とする、項目1~1
4の何れかによる方法。
項目16.方法はコンピュータ実装方法であることを特徴とする、項目1~15の何れ
かによる方法。
項目17.眼(30)の収差情報は波面測定結果であることを特徴とする項目1~16
の何れかによる方法。
項目18.累進レンズ(10)の第一の設計の平行移動と回転は、累進レンズ(10)
の第一の設計と眼(30)との間の距離方向(28)に対して斜め又は垂直な平面内で特
定されることを特徴とする、項目1~17の何れかによる方法。
項目19.累進レンズ(10)の製造方法において、
・項目1~18の何れかの方法により累進レンズ(10)の設計を特定するステップと、
・特定された設計で累進レンズ(10)を製造するステップと、
を含む方法。
項目20.項目1~19の何れかによる方法を実行するように構成された処理ユニット
を含む、累進レンズ(10)のための改善された設計を特定するシステム。
項目21.非一時的コンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラム製
品がデータ処理装置上で実行されると、項目1~19の何れかによる方法を実行するよう
に構成されたプログラムコードを含む非一時的コンピュータプログラム製品。
項目22.項目19の製造方法により製造された累進レンズ(10)要素。

Claims (20)

  1. 累進眼鏡レンズ(10)のための改善された設計を特定するコンピュータ実装方法(100、200)において、
    a)装用者の眼(30)の収差情報を提供するステップ(110、210)であって、前記収差情報は前記装用者の眼(30)の低次収差と前記装用者の眼(30)の高次収差を含み、前記低次収差は二次までで、これを含む収差であり、二次収差は、前記装用者の眼(30)の瞳孔の中心の距離の二乗の関数として変化するようなステップと、
    b)前記累進眼鏡レンズ(10)の初期設計光学パワー分布及び対応する初期設計を提供するステップ(120、220)であって、前記初期設計光学パワー分布及び対応する初期設計は、前記装用者の眼(30)の前記低次収差と前記累進眼鏡レンズの前記低次収差のみを考慮に入れ、前記装用者の眼(30)の正面の前記累進眼鏡レンズ(10)の所定の位置と向き及び、前記装用者が見る前記装用者の眼(30)の正面の複数の物体のための空間内の距離と位置に関する所定のモデルを前提として提供されるようなステップと、c)前記累進レンズ(10)の前記初期設計に基づき、また、ステップa)の前記装用者の眼(30)の前記低次収差と前記高次収差のほか、前記累進眼鏡レンズ(10)の前記低次収差と前記高次収差を考慮に入れ、前記装用者の眼(30)の正面の前記累進眼鏡レンズ(10)の前記所定の位置と向きのほか、ステップb)の前記装用者が見る前記装用者の眼(30)の正面の複数の物体のための空間内の前記距離と位置に関する前記所定のモデルを前提として、前記眼(30)により認識される認識光学パワー分布を計算するステップ(130、230)と、
    d)ステップb)の前記累進眼鏡レンズ(10)の前記初期設計光学パワー分布を平行移動させ、及び/又はステップb)の前記累進眼鏡レンズ(10)の前記初期設計光学パワー分布を回転させることにより、ステップc)の前記認識光学パワー分布と前記平行移動及び/又は回転された初期設計光学パワー分布との間の偏差が最小となるように改善された設計光学パワー分布を計算するステップ(140、240)と、
    e)前記累進眼鏡レンズ(10)の前記改善された設計を、ステップd)の前記改善された設計光学パワー分布に前記累進眼鏡レンズのパワー分布を前記累進眼鏡レンズの予め規定された当初設計の一以上のパラメータを変化させることで最適に適合させることによって、計算するステップ(150、270)と、
    を含むコンピュータ実装方法。
  2. -ステップb)の前記初期設計光学パワー分布は複数の支持点を含み、その各々において対応する光学パワー値及び対応する重み付けが規定され、
    -ステップd)の前記計算するステップは、その対応する光学パワー値とその対応する重み付けを有する前記複数の支持点を、前記計算された平行移動及び/又は回転にしたがって平行移動及び/又は回転させることを含み、
    -ステップe)の前記累進眼鏡レンズの前記予め規定された当初設計をに適合させることは、前記複数の支持点の各々における、標的光学パワー値としての前記対応する光学パワー値とその対応する重み付けを含むコスト関数又はメリット関数を最小化することを含む
    ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記予め規定された当初設計を最適に適合させる際、以下の副次的条件の群:
    -左右の眼に関する遠用部基準点及び/又は近用部基準点における個別の光学パワー値
    -角膜頂点間距離
    -左右の眼に関して必要な異なる特徴的倍率
    -フレームの前傾角
    -フレームの形状
    -センタリング
    -瞳孔間距離
    -使用条件
    -プリズムによる副次的影響の均等化に対する効果を有する、左右の眼の異なる光学パワー
    の何れか少なくとも1つが考慮に入れられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ステップd)~e)は反復的に繰り返されることを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記方法は、
    ・複数の点を特定するステップであって、前記初期設計光学パワー分布は、前記複数の点の各々における初期設計光学パワーを含むようなステップと、
    ・少なくとも前記複数の点の各々において、前記累進眼鏡レンズ(10)の前記初期設計に基づいて前記眼(30)により認識される認識光学パワーを特定することにより、前記認識光学パワー分布を特定するステップと、
    をさらに含み、
    前記偏差は、前記複数の点における前記認識光学パワーと前記初期設計光学パワーとの間の差の大きさの総計が最小化されるように前記平行移動及び/又は前記回転を特定することによって最小化される
    ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の方法。
  6. 各点における、又は少なくとも1つの点における前記認識光学パワーと前記初期設計光学パワーが、
    -それぞれ認識乱視誤差と初期設計乱視誤差、
    -それぞれ認識乱視誤差の認識軸と初期設計乱視誤差の初期設計軸
    -それぞれ認識球面誤差と初期設計球面誤差
    -それぞれ認識プリズム誤差と初期設計プリズム誤差、及び
    -認識プリズム誤差の認識基底と認識プリズム誤差の初期基底
    からなる群の何れか少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1~5の何れか1項に記載の方法。
  7. 平行移動及び/又は回転による改善された設計光学パワー分布を計算する前記ステップ(150、270)は、考えうる平行移動及び/又は回転を含む最適化空間を画定するステップと、偏差を最小化するステップを含み、前記最適化空間は、前記考えうる平行移動及び/又は回転の範囲を含み、各平行移動の範囲は1.5mm以下の前記平行移動の大きさであり、及び/又は前記回転の範囲は1.5度以下の角度の大きさであることを特徴とする、請求項1~6の何れか1項に記載の方法。
  8. 前記初期設計を提供するステップは、
    ・前記眼(30)の前記低次収差を補正する処方を特定し、前記処方と前記眼(30)の前記収差のモデルに基づく所望の加入度数に基づいて前記初期設計光学パワー分布を特定することによって前記初期設計光学パワー分布を特定するステップであって、前記モデルは二次までであってこれを含む収差のみを含み、前記処方は、球面屈折力、円柱屈折力と円柱軸、プリズム屈折力、及びプリズム基底の何れか少なくとも1つを含むようなステップと、
    ・前記眼(30)の前記収差のモデルに基づく前記初期設計光学パワー分布に基づいて前記累進眼鏡レンズ(10)の前記初期設計を特定するステップであって、前記モデルは二次までであってこれを含む収差のみを含み、前記累進眼鏡レンズ(10)の前記初期設計は、前記初期設計光学パワー分布を提供するレンズ形状(10)とフィッティングパラメータを含むようなステップと、
    を含むことを特徴とする、請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
  9. 前記回転の中心は、
    -前記累進眼鏡レンズ(10)の前記初期設計の幾何学中心
    -前記累進眼鏡レンズ(10)の前記初期設計の中間累進帯の中央
    からなる群の何れか少なくとも1つに設定されることを特徴とする、請求項1~8の何れかに記載の方法。
  10. 前記累進眼鏡レンズ(10)の前記初期設計は、累進眼鏡レンズ設計パラメータセットを含み、前記方法は、前記認識光学パワー分布と前記初期設計光学パワー分布との間の偏差がさらに最小化されるように、前記累進レンズ(10)の前記改善された設計を特定するステップと、累進設計パラメータセットを最適化するステップを反復的に繰り返すステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1~9の何れかに記載の方法。
  11. 前記累進眼鏡レンズ設計パラメータセットは、内寄せ(26)、中間累進帯(24)の長さ、及び球面屈折力の最大勾配の何れか少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記累進眼鏡レンズ設計パラメータセットの前記最適化は、前記累進眼鏡レンズ設計パラメータセットを含む最適化空間を確立し、前記最適化の各ステップにおいて、新しい累進眼鏡レンズ設計パラメータセットに基づいて新しい初期設計を特定し、その新しい初期設計に基づいて新しい改善された設計を特定することによって行われることを特徴とする、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記累進眼鏡レンズ(10)の前記改善された設計を特定する前記ステップは、前記累進眼鏡レンズ(10)の前記初期設計を平行移動及び/又は回転させることだけを含むことを特徴とする、請求項1~12の何れかに記載の方法。
  14. 前記高次収差は三次及び/又は四次収差のみを含むことを特徴とする、請求項1~13の何れかに記載の方法。
  15. 各最適化は最小二乗最適化法により行われることを特徴とする、請求項1~14の何れかに記載の方法。
  16. 前記眼(30)の前記収差情報は波面測定結果であることを特徴とする請求項1~15の何れかに記載の方法。
  17. 前記累進眼鏡レンズ(10)の前記初期設計の前記平行移動及び/又は前記回転は、前記累進眼鏡レンズ(10)の前記初期設計と前記眼(30)との間の距離方向(28)に対して斜め又は垂直な平面内で特定されることを特徴とする、請求項1~16の何れかに記載の方法。
  18. 累進レンズ(10)の製造方法において、
    ・請求項1~17の何れかの方法により前記累進眼鏡レンズ(10)の改善された設計を特定するステップと、
    ・特定された改善された設計で前記累進眼鏡レンズ(10)を製造するステップと、
    を含む方法。
  19. 請求項1~18の何れかに記載の方法を実行するように構成された処理ユニットを含む、累進眼鏡レンズ(10)のための改善された設計を特定するシステム。
  20. 非一時的コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、請求項1~18の何れかに記載の方法を実行するように構成されたプログラムコードを含む非一時的コンピュータプログラム。
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