JP7014408B2 - 温度センサ - Google Patents
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Description
また、カーボンナノチューブの集合体を用いた抵抗型温度センサが知られている(例えば、特許文献3参照)。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、低減された製造コストで製造でき、正確に温度を測定することができる温度センサを提供する。
本発明の温度センサは優れた温度感度及び高い安定度を有するため、正確な温度測定が可能である。このことは、本発明者が行った実験により実証された。
本発明の温度センサは、基板と、カバー部材と、第1及び第2電極とを備えることが好ましく、前記抵抗部は、前記基板と前記カバー部材との間に挟まれることが好ましく、第1及び第2電極は、前記抵抗部の電気抵抗を測定できるように前記抵抗部に接続されることが好ましい。温度センサがこのような構成を有することにより、抵抗部の電気抵抗を容易に測定できる。また、温度センサを薄くすることができる。さらに、温度センサの製造コストを低減することができる。
また、本発明は、第1及び第2電極が形成された基板上に、酸化スズ粒子とカーボンナノチューブと含む分散液又はペーストを塗布又は印刷する工程を含む温度センサの製造方法も提供する。
本実施形態の温度センサ20は、抵抗部2の電気抵抗の変化を利用する温度センサであって、抵抗部2は、酸化スズ粒子とカーボンナノチューブの混合体からなることを特徴とする。
温度センサ20の測定温度域は、例えば0℃以上60℃以下の温度範囲に含まれる温度範囲とすることができる。
抵抗部2を構成する酸化スズ粒子とカーボンナノチューブの混合体は、酸化スズ粒子の表面とカーボンナノチューブの表面とが直接接触するように設けることができる。このことにより、酸化スズ粒子とカーボンナノチューブとを電気的に相互作用させることができ、抵抗部2の温度感度を高くすることができる。
抵抗部2を構成する混合体は、酸化スズ粒子、カーボンナノチューブ及び不可避不純物だけから構成されてもよい。不可避不純物は、例えばカーボンナノチューブ合成時に不純物として生成する炭素物質(アモルファスカーボン、カーボンブラックなど)、カーボンナノチューブの合成時に用いた触媒の微粒子などである。
また、この混合体は、抵抗部2の形成時に利用する分散剤(界面活性剤)などの残留不純物を含んでもよい。
抵抗部2に含まれる酸化スズ粒子は、1nm以上500nm以下の平均粒径を有することが好ましく、5nm以上100nm以下の平均粒径を有することがさらに好ましい。
抵抗部2を構成する混合体に含まれるカーボンナノチューブと酸化スズ粒子の重量比は例えば、1:100~1:2000とすることができる。つまり、混合体は、混合体に含まれるカーボンナノチューブの総重量の100~2000倍の重量の酸化スズ粒子を含むことができる。
抵抗部2の厚さは、例えば、0.01μm以上1mm以下とすることができる。
また、基板3は、1μm以上500μm以下の厚さを有することができる。また、基板3は不通気性を有することができる。
第1電極8及び第2電極9は、2端子測定法で抵抗部2の電気抵抗を測定するように設けられてもよく、4端子測定法で抵抗部2の電気抵抗を測定するように設けられてもよい。例えば、温度センサ20に含まれる第1電極8及び第2電極9が図1(a)、(c)のような構造を有することにより、2端子測定法により抵抗部2の電気抵抗を測定することができる。例えば、第1電極8と第2電極9との間に電流を流したときの電流値及び電圧値から抵抗部2の電気抵抗値を算出することができる。
抵抗部2の電気抵抗は、抵抗部2にパルス電流を流すことにより測定してもよい。このことにより、抵抗部2に電流を流すことにより抵抗部2が発熱することを抑制することができる。また、温度センサ20の消費電力を低減することができる。
第1~第4電極は、例えば銀電極、金電極などである。第1~第4電極は、印刷法などにより基板3上又は抵抗部2上に形成されたものであってもよい。
また、第1電極8と第2電極9との間隔は、0.05mm以上2cm以下とすることができる。
カバー部材6は、例えば、図1(a)(b)に示したような保護層5であってもよい。保護層5は例えばポリマー樹脂層である。ポリマー樹脂層の材料には、ガス透過性の低い材料を用いることができる。
カバー部材6は、例えば、図1(c)の示したような保護フィルム4であってもよい。保護フィルム4は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンナフタレート(PENフィルム)などである。また、保護フィルム4は、金属層が高分子フィルムで挟まれたラミネートフィルムであってもよい。基板3と保護フィルム4をその間に抵抗部2を挟んで貼り合わせることにより、基板3と保護フィルム4との間に抵抗部2を密閉することができる。
表1に示した各抵抗部材料を用いて試料1~11の温度センサを作製した。
まず、抵抗部材料の原料と分散剤と水とを混合して分散液を調製した。分散剤には、硫酸ドデシルナトリウム(SDS)を用いた。カーボンナノチューブ(CNT)には外径が約1.8nmで平均長さが5μm以上の単層カーボンナノチューブを用い、SnO2ナノ粒子には平均粒径が100nm以下のものを用いた。試料2、3、11では、水に分散されたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)から成る導電性ポリマー(PEDOT:PSS)を用い、試料7、8のITOナノ粒子には平均粒径が100nm以下のものを用い、Siナノ粒子には平均粒径が100nm以下のものを用い、TiCNナノ粒子には平均粒径が150nm以下のものを用いた。
次に抵抗部を設けたPETフィルムを水に浸漬することにより抵抗部を洗浄し、分散剤を除去した。その後、90℃のオーブン中に1時間入れることにより乾燥させ温度センサを作製した。なお、カバー部材6は設けていない。また、第1電極と第2電極との間隔は、0.6mm~5mmとした。
作製した試料1~11の温度センサを常温付近で温度制御できる環境試験機内に設置し、試験機内の温度を25℃~45℃で変化させたときの抵抗部の電気抵抗を2端子測定法で測定した。また、抵抗部の近くに熱電対を配置し、抵抗部の電気抵抗の測定と同時に温度も測定した。
抵抗部の電気抵抗の安定度及び抵抗部の電気抵抗の温度感度についての試料1~11の評価結果を表1に示す。また、図2は試料1、2の抵抗部の電気抵抗の変化を測定温度と共に示すグラフである。図3は試料4の抵抗部の電気抵抗の変化を測定温度と共に示すグラフである。図4は試料5の抵抗部の電気抵抗の変化を測定温度と共に示すグラフである。
図3のグラフには、試料4のCNTのみによる電気抵抗の温度変化に対する変化を示している。温度変化に対する安定度は良好であるが、試料1と比べると温度変化に対する電気抵抗の変化率は小さかった。従って検出感度が低いことがわかった。
図4のグラフには、試料5のSnO2のみによる電気抵抗の温度変化に対する変化を示している。電気抵抗値が非常に高く、安定度にバラツキがあった。従って、試料5では特性にバラツキがあることがわかった。
Claims (4)
- 抵抗部の電気抵抗の変化を利用する温度センサであって、
前記抵抗部は、酸化スズ粒子とカーボンナノチューブの混合体からなり、
前記混合体は、酸化スズ粒子と、カーボンナノチューブと、不可避不純物だけから構成されることを特徴とする温度センサ。 - 前記抵抗部に含まれる酸化スズ粒子は、1nm以上500nm以下の平均粒径を有し、
前記抵抗部に含まれるカーボンナノチューブは、0.5μm以上50μm以下の平均長さを有する請求項1に記載の温度センサ。 - 基板と、カバー部材と、第1及び第2電極とをさらに備え、
前記抵抗部は、前記基板と前記カバー部材との間に挟まれ、
第1及び第2電極は、前記抵抗部の電気抵抗を測定できるように前記抵抗部に接続される請求項1又は2に記載の温度センサ。 - 前記基板及び前記カバー部材は不通気性を有し、
前記抵抗部は、前記基板と前記カバー部材との間に密閉されている請求項3に記載の温度センサ。
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JP2009109221A (ja) | 2007-10-26 | 2009-05-21 | Ryoichi Shimoda | 半導体フィルムの製造方法および面状温度センサー |
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JP2015523297A (ja) | 2012-04-20 | 2015-08-13 | コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ | 感光性耐熱材料、その製造方法及びその使用方法 |
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