JP7013093B2 - 故障検出装置、移動体搭載装置、故障検出方法 - Google Patents

故障検出装置、移動体搭載装置、故障検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、故障検出装置、移動体搭載装置、及び、故障検出方法に関する。
電気自動車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、又は、燃料電池車等、排気ガスや二酸化炭素の排出量が少ないエコカーが普及している。背景には燃費(電費)の向上要求、環境負荷の低減、技術革新などのさまざまな要因があるが今後もエコカーの普及は進むものと予想される。しかしながら、モーターで走行するエコカーはレシプロエンジンなどの内燃機関が生じさせる走行音を発しないため、歩行者等がエコカーの接近に気づきにくいことが指摘されている。例えば、視覚障害者は走行音により車両の接近を把握する場合があるが、モーターで走行中のエコカーの場合、接近に気づきにくくなることが専門家等からも指摘されている。
このため、モーターのみによる走行が可能なエコカーについて、国や地域によっては車両が接近したことを周囲に通報する音発生装置(車両接近通報装置と呼ばれる場合がある)を車両に備えることが義務づけられている。また、現在は義務づけられていなくても将来的に義務づけられる国や地域が増えることが予想される。
音発生装置は、走行音やロードノイズ等が小さくなる所定値以下の車速で車両が走行する場合、及び、バック走行する場合など、決まった作動条件で音(これを車両接近通知音という)を出力するように設定されている。そして、作動条件を満たす状況では、歩行者等の安全を確保するために確実に音発生装置が動作することが求められる。
図1は、音発生装置の動作と歩行者の対応とを説明する図の一例である。図1(a)に示すように、車載された音発生装置が正常に動作している場合、音発生装置が車両接近通知音をスピーカから出力するので歩行者9は車両8の接近に気づくことができる。これに対し、図1(b)に示すように、音発生装置が故障している場合、車両接近通知音が出力されないので、歩行者9は車両8の接近に気づくことが困難になる。
音発生装置が故障していることに運転者が気づいていれば、何らかの対応が可能であるが、そもそも音発生装置が故障していることに運転者は気づきにくい。これは、音発生装置は車外に音を出力するものであること、及び、作動条件を満たさないと車両接近通知音が出力されないこと等が理由であると考えられる。
音発生装置の故障を検出する方法として、音発生装置が実際に接近音を出力し、接近音をマイクで検出することで確認する方法がある。また、車両接近通知音の出力に使用するスピーカの故障の検出方法として、スピーカのインピーダンスを測定する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003-274491号公報
しかしながら、実際に接近音を出力する方法やスピーカのインピーダンスを測定する方法には、車両接近通知音が出力されない状態では音発生装置の故障を検出できないという問題がある。すでに歩行者が接近している場合に作動条件が満たされたが、音発生装置が故障していたため車両接近通知音が出力されないことから故障が検出されても運転者は対応が困難である。このため、音発生装置の故障検出に関しては、作動条件を満たす前に故障の有無を判断できることが要請される。好ましくは、音発生装置が故障した直後に(リアルタイムに)又は故障前に故障を検出できるとなおよい。
また、実際に車両接近通知音を出力する方法では、「環境音で誤検出」する可能性があるという問題を有している。また、スピーカのインピーダンスを測定する方法では、「実際に音がでているかどうかまでかは検出できていない」という問題を有している。
本発明は、上記課題に鑑み、音が出力されない状態でも音発生装置の故障を検出できる故障検出装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明は、音データに基づく音をスピーカから出力させる音発生装置の故障を検出する故障検出装置であって、前記スピーカから出力されたか否かの照合に使用される照合用データを含む電子透かし信号を生成する電子透かし信号生成手段と、前記電子透かし信号を音として出力する前記スピーカと、前記スピーカが出力した音を集音するマイクと、前記マイクが集音した音に含まれる前記電子透かし信号から前記照合用データを検出する照合用データ検出手段と、前記照合用データ検出手段が検出した前記照合用データを、前記電子透かし信号生成手段が電子透かし信号に含めた前記照合用データと照合して、前記音発生装置の故障の有無を判断する故障判断手段と、を有し、前記電子透かし信号生成手段は、前記照合用データを拡散符号で拡散して前記電子透かし信号を生成するものであり、前記拡散符号をアトランダムに生成することを特徴とする
音が出力されない状態でも音発生装置の故障を検出できる故障検出装置を提供することができる。
音発生装置の動作と歩行者の対応とを説明する図の一例である。 音発生装置の故障を検出する際の仕組みを説明する図の一例である。 故障検出システムを説明する図の一例である。 故障検出装置が故障を検出する際の全体的な流れを説明する図である。 故障検出装置の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。 2値信号変換部の処理を説明する図の一例である。 疑似乱数による拡散を説明する図の一例である。 車両接近通知音への電子透かし信号の加算を模式的に示す図の一例である。 車両接近通知音と電子透かし信号が加算されたステゴ信号の一例を示す図である。 逆拡散が施された電子透かし入りの車両接近通知音(ステゴ信号)を説明する図の一例である。 ゲイン調整の手順を示すフローチャート図の一例である。 故障検出システムの一例の構成図である(実施例2)。 電子透かしによる故障検出とインピーダンス測定による故障検出とを組み合わせることにより得られる情報を示す図である。 一台の車両に搭載された複数の故障検出装置について説明する図の一例である。 スピーカを使用するいくつかの装置の外観図の一例である。
以下、本発明を実施するための形態の一例として、故障検出装置及び故障検出装置が行う故障検出方法について図面を参照しながら説明する。
<基本的な仕組み>
図2を用いて音発生装置の故障検出のための基本的な仕組みについて説明する。図2は、音発生装置の故障を検出する際の仕組みを説明する図の一例である。本実施形態の故障検出装置は音響信号へ電子透かしを埋め込んで(加算して)、この電子透かしを検出することで故障検出を行う。
(1)まず、予め用意されている照合用データd1を疑似乱数d2で拡散し電子透かし信号d3を生成する。
(2)電子透かし信号d3を車両接近通知音d4に加算してステゴ信号を生成する。なお、電子透かし信号は車両接近通知音にマスクされるように音量が制限される。
(3)ステゴ信号d5にDA変換を行いスピーカ11から出力する。
(4)スピーカ11から出力されたステゴ信号d5をマイク12が集音しAD変換する。電子透かし信号は車両接近通知音にマスクされるように音量が制限されるので、ステゴ信号d5は車両接近通知音d4に近い波形となるが実際には異なっている。
(5)故障検出装置はこのステゴ信号d5を再度、同じ疑似乱数で逆拡散する。すると、車両接近通知音は拡散され、照合用データd1が復調される。したがって、電子透かしとして出力した照合用データが復調されるか否かにより、スピーカ11及び音発生装置の故障を検出できる(マイク12が故障している可能性も推定できる)。
車両接近通知音を出力する作動条件が満たされない状況では、照合用データのみを出力することができるので、常時、音発生装置の故障を検出できる。車両接近通知音にマスクされた電子透かし信号を出力するので、車両接近通知音を出力する際も音発生装置の故障を検出できる。したがって、音発生装置が故障した直後に(リアルタイムに)、音発生装置及びスピーカ11の故障を検出できる。
また、実際に車両接近通知音を出力する方法と異なり、「環境音で誤検出」する可能性もほぼなくすことができる。また、スピーカ11のインピーダンスを測定する方法と異なり、実際に音がでているかどうかを含めて検出できる。
<用語について>
故障とは、正常な働きが損なわれることをいう。機能の提供に支障があること、何らかの異常を示すことなども含まれる。
電子透かしとは、デジタルデータ内に何らかの情報を埋め込むこと又は埋め込まれた情報をいう。電子透かしには知覚可能型と知覚困難型の2つがある。本実施形態では知覚困難型が好ましいが、知覚可能型でもよい。
<システム構成例>
図3を用いて、音発生装置の故障を故障検出装置が検出する際のシステム構成例を説明する。図3は、故障検出システムを説明する図の一例である。図3(a)は比較のために示した、従来の音発生装置10の構成例である。従来は、音発生装置10が直接、スピーカ11に車両接近通知音を出力させていた。故障を検出する際には、スピーカ11のインピーダンスを測定したり、スピーカ11が出力する音声をマイク12で集音したりする。
図3(b)は本実施形態の故障検出システム100の一例の構成図である。本実施形態では、音発生装置10と故障検出装置30が通信できるように電気的に接続されている。これにより、音発生装置10は車両接近通知音を故障検出装置30に送信できる。故障検出装置30は、常時、照合用データをスピーカ11から出力する。したがって、車両接近通知音が出力された際は、車両接近通知音に照合用データ(電子透かし信号)を埋め込んで出力する。車両接近通知音が出力されない場合は、照合用データ(電子透かし信号)のみを出力する。電子透かしはホストデータ(本実施形態では車両接近通知音)に埋め込まれた場合にそう呼ばれるのであり、照合用データのみが出力される場合に「電子透かし」とは呼ばないおそれがあるが、本実施形態では説明の便宜上、照合用データのみが出力される場合でも区別せずに「電子透かし」と呼ぶ。
なお、常時とは、故障検出を行いたい時に故障検出が可能であればよく、一切の休止なく照合用データを出力することまでは必要ない。例えば、駐車中、又は、停車中に照合用データの出力を停止してよい。また、バッテリー残量が閾値未満の場合に照合用データの出力を停止してもよい。また、運転者の操作により、照合用データの出力のON/OFFが切り替え可能でもよい。
マイク12は、照合用データ(電子透かし信号)入りの車両接近通知音(これをステゴ信号という)、又は、照合用データ(電子透かし信号)のみを集音して、故障検出装置30に入力する。故障検出装置30は照合用データを検証して音発生装置10の故障の有無を判断する。仮に故障したことを検出した場合、故障検出装置30は音発生装置10が故障した旨を表示装置13に表示する。故障の旨は、携帯電話網などを介してサーバに通知されてもよい。なお、表示装置13はメータパネルでもよいし、ナビゲーション装置のディスプレイでもよい。また、HUD(Head Up Display)でもよい。
また、図示する構成は一例に過ぎず、故障検出装置30が音発生装置10を有していてもよいし、音発生装置10が故障検出装置30を有していてもよい。例えば、ナビゲーション装置が音発生装置10の機能を有する場合、ナビゲーション装置が車両接近通知音を出力すると共に、音発生装置10の故障を検出する形態となる。また、ナビゲーション装置でなくディスプレイオーディオやコネクティッドオーディオについても同様に音発生装置10及び故障検出装置30を兼ねてよい。ディスプレイオーディオ(又はコネクティッドオーディオ)はナビゲーションの機能を搭載せずに主にAV(Audio Visual)機能と通信機能を提供する装置である。
なお、故障検出装置30は、CPU、RAM、フラッシュメモリ、入出力I/F、等を備えた情報処理装置、マイコン、制御装置などと呼ばれる装置である。故障検出装置30は、フラッシュメモリからRAMに展開されたプログラムをCPUが実行することにより後述する機能又は手段を実現する。
<処理の流れ>
図4を用いて故障検出装置30が音発生装置10の故障を検出する際の処理の流れを説明する。図4は、故障検出装置30が故障を検出する際の全体的な流れを説明する図である。
・S1
故障検出装置30は照合用データを生成する。車両接近通知音に埋め込まれる照合用データは、時系列で連続性のあるデータとする。図4の例では、「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」という1つずつカウントアップされる数値である。「9」の後は「0」に戻る。照合用データをこのように規則に基づいて生成されたデータとすることで、故障検出装置30が照合用データを照合する際に、スピーカから出力した照合用データが何であったかを特定する必要がなくなる。
0~9という数値は当然ながら一例である。どのような数値でも照合は可能であるし、数値以外のアルファベット(文字)や記号でもよい。ただし、照合用データのビット数は短い方が好ましい。これは、復調時にデータの検出精度を向上させるために後述するように1bitが多重化されるため、元の照合用データのビット数が短い方が多重化後の照合用データの信号長が短くて済むからである。つまり、短時間に照合用データをうめこむことができ、また、検出も短時間で済む。なお、0~9に必要なビット数は4bitである。
・S2
故障検出装置30は照合用データをハッシュテーブルでハッシュ値(変換後照合用データの一例)に変換する。これは、同一の故障検出装置30が周囲に存在する場合に、この故障検出装置30の電子透かし信号が環境音として入力されることが想定されるためである。近くの故障検出装置30が同じタイミングで同じ数値を出力すると、他方の故障検出装置30が出力した数値を互いに誤検出するおそれがある。このような誤検出を防ぐため、照合用データをハッシュテーブルでハッシュ値に変換する。ハッシュテーブルにより、連続した時系列の数値が不作為に変化するので、同じタイミングで同じ数値を出力する可能性を低減できる。
近くの故障検出装置30が同じハッシュテーブルを使用すると変換後のハッシュ値も同じになるため、複数のハッシュテーブルが用意されており、車両のシステム起動時(内燃機関で走行する車両のイグニッションONに相当)に故障検出装置30はハッシュテーブルをアトランダムに切り替える。これにより、他の車両8の故障検出装置30が出力した電子透かし信号を誤検出する可能性を低減できる。
・S3
故障検出装置30は、照合用データに疑似乱数を乗じて電子透かし信号を生成する。なお、車両接近通知音が出力される際は、車両接近通知音に電子透かし信号を埋め込んで照合用データ(電子透かし信号)入りの車両接近通知音(ステゴ信号)を生成する。電子透かし信号は、車両接近通知音又は環境音によりマスキングされるように大きさ(音量)が制限される。疑似乱数は照合用データを拡散できればよく拡散符号のうちM系列と呼ばれる。この他、PN系列、Gold系列の拡散符号が使用されてもよい。
同一の故障検出装置30が周囲に存在する場合、同じ疑似乱数が使用されると近くの故障検出装置30が出力した電子透かし信号を復調できてしまう。この場合、近くの故障検出装置30が使用したハッシュテーブルが異なると想定され、出力した照合用データと復元した照合用データとが異なるので、故障検出装置30が故障していないのに故障したと誤検出するおそれがある。そこで、故障検出装置30はシステム起動時に疑似乱数をアトランダムに切り替える。これにより、同一の故障検出装置30が周囲に存在しても、近くの故障検出装置30が出力した電子透かし信号を復調できなくなり、故障検出装置30が故障していないのに故障したと誤検出するおそれを低減できる。
・S4
故障検出装置30は、マイク12で照合用データ(電子透かし信号)入りの車両接近通知音、又は、照合用データ(電子透かし信号)のみを集音して、上記のように疑似乱数を乗じることでハッシュ値を検出する。
・S5
故障検出装置30は、照合用データをハッシュ値に変換した際のハッシュテーブルを用いて、ハッシュ値から照合用データを復元する。
・S6
故障検出装置30は、電子透かしとして出力した照合用データが検出されたか否かを検証することで故障判断を行う。環境音等により検出できず0~9の照合用データの一部が抜け落ちるケースや、別の値として誤検出されるケースが想定されるため、一定の数の照合用データの正解率で総合的に故障の有無を判断する。例えば、図4の例では、0~9回の数値のうち、1回目と9回目で正しく検出されていないが、残りの8回は照合用データが正しく検出されている。このように、正解率が閾値以上の場合、故障していないと判断できる。なお、故障判断では、連続してN回、照合用データを正しく検出できない場合に故障していると判断してもよい。
<電子透かし信号の出力と検出>
図5を用いて、電子透かし信号の出力と検出について詳細に説明する。図5は、故障検出装置30の機能をブロック状に示す機能ブロック図を示す。また、図5では、故障検出装置30の各機能が電子透かし信号を出力して検出するまでの流れが示されている。
データ生成部21は、0~9の照合用データを順番に生成する。1つの数値が保持される時間は、電子透かし信号のビットレート〔bps〕により予め決まっている。
ハッシュテーブル生成部28は、0~9を同じく4bitのハッシュ値に変換するハッシュテーブルを、システムの起動時などにアトランダムに生成する。ハッシュテーブルの一例を表1に示す。あるハッシュテーブルで変換された照合用データは、同じハッシュテーブルでなければ復元できないので、別の故障検出装置30が出力した電子透かし信号を復元するおそれを低減できる。
Figure 0007013093000001
表1はハッシュテーブルの一例を示す。このハッシュテーブルに示すように、0~9の数値が重複しない4bitのハッシュ値に変換されている。
ハッシュテーブル変換部22はハッシュテーブル生成部28が生成したハッシュテーブルで照合用データをハッシュ値に変換する。ハッシュ値は電子透かし信号生成装置23に入力される。
電子透かし信号生成装置23は2値信号変換部24、拡散部25、及び、ゲイン調整部26を有している。2値信号変換部24はハッシュ値の1bitを8bitに多重化すると共に、「0」を「-1」に置き換える。したがって、32bitの2値信号が得られる。
図6は、2値信号変換部24の処理を説明する図の一例である。図6(a)はハッシュ値を示す。2値信号変換部24はハッシュ値を8bitに多重化する。図6(b)は多重化されたハッシュ値を示す。何bitに多重化するかは、電子透かし信号を検出できる程度のS/N比となるように決定される。したがって、8bit以外に多重化されてもよい。一般に、多重化のbit数が多いほど、電子透かし信号の検出に有利になる。これは、電子透かし信号の検出時に多重化された時間分の電子透かし信号の合計(より詳細には平均)が利用されるためである。
次に、2値信号変換部24は「0」を「-1」に置き換える。「1」はそのままでよい。図6(c)は「0」が「-1」に置き換えられた多重化後のハッシュ値を示す。「1」はそのままで、「0」が「-1」に置き換えられることで、疑似乱数を2回(拡散と逆拡散)乗じると元のハッシュ値が得られる。
図5に戻って説明する。拡散部25は疑似乱数系列生成部27が生成した疑似乱数で、2値信号変換部24が変換したハッシュ値を拡散する。具体的には疑似乱数をハッシュ値に乗じる。4bitのハッシュ値がそれぞれ8bitに多重化され32bitとなるが、疑似乱数は1bitを拡散するので、疑似乱数の長さは1bitを十分に拡散できる桁数(チップという)とする。
図7は、疑似乱数による拡散を説明する図の一例である。図7(a)は「0」が「-1」に置き換えられた多重化後のハッシュ値を示し、図7(b)は疑似乱数の一例を示し、図7(c)は電子透かし信号を示す。図7(c)に示すように、元の信号(ハッシュ値)が疑似乱数で拡散される。
図5に戻って説明する。ゲイン調整部26は、車両接近通知音又は環境音にマスキングされるように電子透かし信号の音量を小さくする。ゲイン〔dB〕で表現する場合、負値のゲインで電子透かし信号が小さくされる。スピーカ11から出力した際にどの程度の音量に調整するかは実験的に定められてよい。例えば、車両接近通知音が65536階調(16bit)の信号の場合、最大の音量が65536に対応する。このような音量に対し、マイク12で集音した後に検出可能でかつマスキングされるように電子透かし信号の音量を調整する。例えば、電子透かし信号の「1」が65536に対応する場合、電子透かし信号が数百分の一~数千分の一に小さくなるように音量を小さくする。マスキングされればよく、車両接近通知音に対し電子透かしの音量が小さくなっていればよく、車両接近通知音を大きくしてもよい。環境音に対しても同様であるが詳細は後述する。
次に、加算部29が車両接近通知音に電子透かし信号を加算する。このような加算の処理を「埋め込む」という場合がある。車両接近通知音が出力されない場合、加算部29は加算を行わず、電子透かし信号のみをスピーカ11に送出する。
図8は、車両接近通知音への電子透かし信号の加算を模式的に示す図の一例である。図8(a)は、車両接近通知音(デジタル)の波形を示しており、図8(b)は埋め込まれる電子透かし(デジタル)の一例を示し、図8(c)は車両接近通知音と電子透かし信号が加算されたステゴ信号の一例を示す。
図8では車両接近通知音の音量に対し電子透かし信号の音量がすでに調整されたものとして説明する。電子透かし信号が+1の場合には車両接近通知音が+1に相当する分大きくなり、電子透かし信号が-1の場合には車両接近通知音が+1に相当する分小さくなる。8bit×4=32bitの電子透かし信号についてこのような加算処理が行われる。
スピーカから音として出力される際は、ビット深度(例えば8bit、16bit、24bitなど)に基づいて音データが1,0のビット列で表され、車両接近通知音のビットレート〔bps〕に基づいてスピーカら出力される。したがって、32bitの電子透かし信号の出力に要する時間はビットレートに応じて変わるので、上記のように、データ生成部21は、0~9の照合用データをビットレートに応じたタイミングで生成する。
電子透かし信号の検出を説明するため、別のステゴ信号のグラフを図9に示す。図9は車両接近通知音と電子透かし信号が加算されたステゴ信号の一例を示す。図9では実線が車両接近通知音を示しており、点線がステゴ信号を示す。なお、横軸はサンプリング時間であり、縦軸は音量の振幅である。電子透かしにより、車両接近通知音とステゴ信号がわずかに異なっている。
図5に戻って説明する。電子透かし入りの車両接近通知音(ステゴ信号)又は電子透かし信号はスピーカ11を振動させる音データとなる。これら音データは、加算部29からスピーカ11へ信号が送出される間にDA変換される。スピーカ11はDA変換された、電子透かし入りの車両接近通知音(ステゴ信号)又は電子透かし信号をDA変換してこれらを含む音を出力する。なお、DA変換をスピーカ11が行ってもよい。
次に、マイク12が電子透かし入りの車両接近通知音(ステゴ信号)又は電子透かし信号を集音する。電子透かし入りの車両接近通知音(ステゴ信号)又は電子透かし信号はAD変換されることでデジタル信号になって、電子透かし信号検出装置40に入力される。
電子透かし信号検出装置40は逆拡散部31、定周期カウンタ32、ビットデータ復元部33、及び、相関計算部34を有する。
まず、逆拡散部31は電子透かし入りの車両接近通知音(ステゴ信号)又は電子透かし信号を疑似乱数で逆拡散する。逆拡散と拡散の演算内容は同じである。拡散で1が乗じられた部分は1のままであり、-1が乗じられた部分は1に戻る。一方、ステゴ信号のうち車両接近通知音は拡散されるのでノイズとみなされる。したがって、電子透かし信号を復元すると共に、車両接近通知音を除去できる。
図10は、逆拡散が施された電子透かし入りの車両接近通知音(ステゴ信号)を説明する図の一例を示す。図10では、実線が逆拡散された電子透かし信号であり、「○」の連続が拡散された車両接近通知音を示す。電子透かし信号は、拡散と逆拡散で2度、疑似乱数が乗じられることになるため、多重化されたハッシュ値に復元されている。
相関計算部34は、下式のような相互相関関数により、1サンプリング周期ずらしながら次々に入力されるステゴ信号と疑似乱数信号の相関計算を行う。X(t)は疑似乱数信号であり、Y(t+τ)はステゴ信号である。
Cxy=Σ X(t)Y(t+τ)
したがって、相関計算部34は逆拡散部31と同様の演算を行うと共に、各乗算結果を加算する。相関計算を行うと、疑似乱数とステゴ信号が同期するタイミングが現れる。このタイミングは疑似乱数の長さと同じであるが、同期するタイミングでは相関計算の結果がピークを示す(同期していなければ疑似乱数の性質によりほぼゼロになる)。したがって、このピークにより電子透かし信号と同期が取れたことを検出できる。なお、具体的にはCxyが閾値以上の場合に同期が取れたと判断する。相関計算部34は、同期が取れた時に定周期カウンタ32と、ビットデータ復元部33にタイミング通知を送信する。
ビットデータ復元部33は、タイミング通知を契機にして多重化数である8bitずつビットデータを復元する。逆拡散により多重化されたハッシュ値が得られているが、マイク12で集音されたデータの値は「+1」又は「-1」になっていない。しかし、「+1」に相当する部分は正値のはずであり、「-1」に相当する部分は負値のはずである。したがって、ビットデータ復元部33は8bitごとに振幅の平均を取り、正値である場合は「+1」に、負値である場合は「0」を復元する。これにより、多重化前のハッシュ値が得られる。ビットデータ復元部33は復元した多重化前のハッシュ値をハッシュテーブル復元部35に送出する。
一方、定周期カウンタ32はタイミング通知を契機にして一定周期(8bit×4bit)分のカウントを行う。制限時間(例えば32bitをカウントする時間+α)内に次のタイミング通知が無い場合、未検出であると判断する。定周期カウンタ32は未検出通知をビットデータ復元部33に送出する。未検出となる場合は、環境音などにより電子透かし信号を検出できない場合となるので、ビットデータを正しく復元できないためである。未検出通知により、ビットデータ復元部33はビットデータの復元を終了することができる。
ハッシュテーブル復元部35は、ハッシュテーブル生成部28が生成したハッシュテーブルからハッシュ値を検索し、このハッシュ値に対応付けられた照合用データを特定する。これにより、電子透かし信号に変換された照合用データが得られる。
データ照合故障判断部36は、電子透かし信号として送信した照合用データと、ハッシュテーブルで特定された照合用データが一致するか否かを判断する。正解率が閾値以下でないか、又は、連続してN回、一致しない場合、音発生装置10、スピーカ11、又は、マイク12のいずれかが故障したと判断する。
<ゲイン調整部のゲインの調整について>
ゲイン調整部26は、車両接近通知音を出力する場合と、出力しない場合とで、ゲインの調整量を変更することが好ましい。これは、車両接近通知音が出力されない場合、電子透かし信号は環境音によりマスクされるが、車両接近通知音と環境音とが同じ音量とは限らないからである。そもそも環境音は一定でない。また、電子透かし信号は、復元が容易なように、歩行者9が聞き取れない最大の音量で出力されることが好ましいと言える。
そこで、ゲイン調整部26は、以下のようにゲインを調整する。図11は、ゲイン調整の手順を示すフローチャート図の一例である。図11の処理は、電子透かし信号の出力中、例えば定期的に実行される。
ゲイン調整部26は車両接近通知音の出力があるか否かを判断する(S10)。例えば、音発生装置10から車両接近通知音が故障検出装置30に入力されたかを判断する。音発生装置10に問い合わせてもよいし、又は、音発生装置10の作動条件を満たしているかどうかをゲイン調整部26が判断してもよい。
ステップS10の判断がYesの場合、ゲイン調整部26は予め定められたゲインで電子透かし信号の音量を調整する(S20)。車両接近通知音に対し例えば数百分の一~数千分の一になるように低減する。なお、ゲインを〔dB〕で表した場合、ゲインは負値になる。
ステップS10の判断がNoの場合、ゲイン調整部26は移動体の速度(車両の場合は車速)を取得する(S30)。これは環境音には車速が影響しやすいためである。
ゲイン調整部26は、車速に応じて定められているゲインで音量調整する(S40)。車速が大きいほど電子透かし信号の音量は大きくてよい。したがって、車速が小さいほど電子透かし信号の音量を小さくする。なお、一般に、車両接近通知音の方が環境音よりも大きいので、車両接近通知音の出力がない場合、車両接近通知音の出力がある場合よりも電子透かし信号の音量を小さくする。
こうすることで、車両接近通知音の出力があるか否か、及び、環境音に対し電子透かし信号を最適な音量に調整できる。
なお、車速に応じてゲインを決定するのでなく、マイク12で実際に環境音の音量を取得して、この音量に基づいて電子透かし信号の音量を小さくしてもよい。
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態の故障検出装置30は、車両接近通知音又は環境音にマスクして照合用データを出力することができるので、車両接近通知音が出力されていない時でも音発生装置10の故障を検出できる。例えば、音発生装置10が故障した直後に故障を検出できる。
また、実際に車両接近通知音を出力する方法と異なり、「環境音で誤検出」する可能性もほぼなくすことができる。また、スピーカ11のインピーダンスを測定する方法と異なり、実際に音がでているかどうかを含めて検出できる。
本実施例では、インピーダンス測定を併用して音発生装置10の故障を検出する故障検出装置30について説明する。電子透かしは元来S/N比が悪い状態で行われるため、検出精度を保ちにくい傾向になる。本実施例では、インピーダンス測定と実施例1の故障検出装置30とを組み合わせることで、故障のより確実な検出を行うことが可能になる。
実施例1にて説明したように、故障検出装置30は電子透かし信号を出力するためスピーカ11が常に駆動状態となるので、インピーダンス測定による故障検出も常時行うことが可能になる。また、電子透かしによる故障検出結果と、インピーダンス測定による故障検出結果を組み合わせることで、故障個所の特定、及び、故障検出装置30とインピーダンス測定装置の相互監視が可能になる。
図12は、本実施例の故障検出システム100の一例の構成図を示す。故障検出装置30の構成は実施例1と同等である。図12ではスピーカ11にインピーダンス測定装置60が接続されており、スピーカ11に流れる電流及び電圧からスピーカ11のインピーダンスを検出回路61で測定する。スピーカ11の内部が断線した場合、スピーカ11に電流が流れなくなるので、閾値とインピーダンスを比較することで断線を検出できる。なお、本実施形態の検出回路61の構成はインピーダンスを測定できればよい。例えば、音発生装置10とスピーカ11に規定の交流電圧を印加し、スピーカ11に流れる電流を検出することで、インピーダンス測定装置60がインピーダンスを算出できる。
なお、インピーダンスではなく、直流の電流に対する抵抗値を検出し、抵抗値に基づいて断線を検出してもよい。
また、図12の構成は一例であり、故障検出装置30がインピーダンス測定装置60を有していてもよい。故障検出装置30はインピーダンス測定装置60から故障の有無の判断結果を取得可能であればよい。
<電子透かしによる故障検出とインピーダンス測定による故障検出とを組み合わせることによる効果>
図13は、電子透かしによる故障検出とインピーダンス測定による故障検出とを組み合わせることにより得られる情報を示す。なお、以下でOKは故障検出なし、NGは故障検出ありを意味する。
(i) 電子透かし判断=OK、インピーダンス測定=OK
音発生装置10、故障検出装置30、インピーダンス測定装置60、スピーカ11及びマイク12に故障なし。つまり、故障検出システム100に異常がない。
(ii) 電子透かし判断=OK、インピーダンス測定=NG
インピーダンス測定装置60の故障(実際にはスピーカ11は断線していない)、又は、他車の電子透かし信号の誤検出(スピーカ11は故障しているがマイク12で他車の電子透かし信号を取得した)
(iii) 電子透かし判断=NG、インピーダンス測定=OK
故障検出装置30の故障(音発生装置10とスピーカ11が正常であるが故障検出装置30そのものが故障した)、又は、マイク12の故障(音発生装置10と故障検出装置30は正常であるがマイク12が故障した)
(iv) 電子透かし判断=NG、インピーダンス測定=NG
音発生装置10、故障検出装置30、インピーダンス測定装置60、スピーカ11又はマイク12の1つ以上が確実に故障。つまり、故障検出システム100を使用できないことが明らかな状態。
このように、電子透かしとインピーダンス測定とを組み合わせることで、故障した部分を特定しやすくなる。また、(ii)のように電子透かし判断とインピーダンス測定の組み合わせではインピーダンス測定装置60の故障を検出し、(iii)のような組み合わせでは故障検出装置30の故障を検出するので、インピーダンス測定装置60と故障検出装置30が互いに故障の有無を監視できる。一般に、何らかの装置の故障を検出する装置に関して、この装置の故障を検出する仕組みが必要であるが、本実施例ではインピーダンス測定装置60が音発生装置10と故障検出装置30を監視し、故障検出装置30が音発生装置10とインピーダンス測定装置60を監視するので、故障検出装置30とインピーダンス測定装置60の故障を検出するための別の装置が不要になる。
本実施例では、複数の音発生装置10が車両8に搭載された場合を説明する。例えば、ボディサイズが大きいため想定されたエリアに車両接近通知音を到達させられない等の理由で、一台の車両8に複数の音発生装置10が搭載される場合もある。実施例1の音発生装置10はハッシュテーブルや疑似乱数がアトランダムに生成されるので、複数の故障検出装置30を1台の車両8に搭載できる。
図14は、一台の車両8に搭載された複数の故障検出装置30について説明する図の一例である。この場合、ハッシュテーブルと疑似乱数系列の組み合わせで複数の故障検出装置30が独立して故障検出できるようにしてもよい。しかし、ハッシュテーブルと疑似乱数系列の組み合わせは有限であるので、電子透かし信号のもととなる照合用データをずらして用いることが好適になる。図14では、照合用データの0~9の数値が時間に対し1つ値がずれているが、同じ数値にならなければよい。
これにより、ハッシュテーブルと疑似乱数系列の組み合わせはあくまで「システムの起動タイミングに対してアトランダムで発生」すればよく、ハッシュテーブルと疑似乱数系列がたとえ有限であっても、その車両8を特徴づけるものとなり、他車の電子透かし信号による誤検出を抑制することができる。
実施例1~3では、故障検出装置30が車両8に搭載される例を説明したが、本実施形態の故障検出装置30はスピーカ11を使用する装置に適用できる。
例えば、たまにしか使われないが、いざ使用される時に故障しているとデメリットが大きい装置に好適に適用できる。
・スピーカタイプの報知器(火災報知器、ガス漏れ報知器)
・防災行政無線での放送スピーカ
・セキュリティー警報装置
図15は、スピーカ11を使用するいくつかの装置の外観図である。図15(a)は火災報知器を、図15(b)は防災行政無線での放送スピーカを、図15(c)はガス報知器をそれぞれ示す。これらに限られず、電車内のスピーカ11、ビルの防災スピーカなど、広く適用できる。
また、実施例1~3の故障検出装置30は、車両8以外の移動体にも提供できる。例えば車両8(オートバイを含む)の他、二輪車、車椅子、軽車両、一人又は二人乗りのモビリティ、又は、ロボットなどにも適用できる。これらの移動体に搭載された故障検出装置30は移動体搭載装置となる。例えば、車載装置又はナビゲーション装置が一例として挙げられる。故障検出装置30が車両以外に搭載された場合、車両接近通知音は各搭載装置に適した名称で呼ばれてよい。
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、図5の構成例は、故障検出装置30による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。故障検出装置30の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
なお、電子透かし信号生成装置23は電子透かし信号生成手段の一例であり、電子透かし信号検出装置40は照合用データ検出手段の一例であり、データ照合故障判断部36は故障判断手段の一例であり、加算部29は加算手段の一例であり、ハッシュテーブル変換部22は第一データ変換手段の一例であり、データ生成部21は照合用データ生成手段の一例であり、ハッシュテーブル復元部35は第二データ変換手段の一例であり、ハッシュテーブル生成部28は変換テーブル生成手段の一例であり、ゲイン調整部26は音量調整手段の一例であり、インピーダンス測定装置60は第2の故障検出装置の一例である。
10 音発生装置
11 スピーカ
12 マイク
13 表示装置
30 故障検出装置
40 電子透かし信号検出装置
60 インピーダンス測定装置
100 故障検出システム

Claims (9)

  1. 音データに基づく音をスピーカから出力させる音発生装置の故障を検出する故障検出装置であって、
    前記スピーカから出力されたか否かの照合に使用される照合用データを含む電子透かし信号を生成する電子透かし信号生成手段と、
    前記電子透かし信号を音として出力する前記スピーカと、
    前記スピーカが出力した音を集音するマイクと、
    前記マイクが集音した音に含まれる前記電子透かし信号から前記照合用データを検出する照合用データ検出手段と、
    前記照合用データ検出手段が検出した前記照合用データを、前記電子透かし信号生成手段が電子透かし信号に含めた前記照合用データと照合して、前記音発生装置の故障の有無を判断する故障判断手段と、を有し、
    前記電子透かし信号生成手段は、前記照合用データを拡散符号で拡散して前記電子透かし信号を生成するものであり、
    前記拡散符号をアトランダムに生成することを特徴とする故障検出装置。
  2. 前記音発生装置が前記音データに基づく音を前記スピーカから出力させる際、
    前記音データに前記電子透かし信号を加算する加算手段を有し、
    前記加算手段が前記音データに前記電子透かし信号を加算したステゴ信号を前記スピーカが出力し、
    前記照合用データ検出手段は、前記ステゴ信号を前記電子透かし信号の生成に使用された前記拡散符号で逆拡散することで、前記ステゴ信号から前記電子透かし信号を検出することを特徴とする請求項1に記載の故障検出装置。
  3. 前記照合用データを生成する照合用データ生成手段と、
    前記照合用データ生成手段が生成した前記照合用データを変換テーブルで変換後照合用データに変換する第一データ変換手段と、を有し、
    前記電子透かし信号生成手段は、前記変換後照合用データを含む電子透かし信号を生成し、
    前記照合用データ検出手段は、前記マイクが集音した音に含まれる前記電子透かし信号から前記変換後照合用データを検出し、
    前記変換テーブルを用いて前記変換後照合用データを前記照合用データに変換する第二データ変換手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の故障検出装置。
  4. 前記変換テーブルをアトランダムに生成する変換テーブル生成手段を有することを特徴とする請求項3に記載の故障検出装置。
  5. 前記電子透かし信号を音として前記スピーカら出力する際の音量を調整する音量調整手段を有し、
    前記音量調整手段は、前記音発生装置が前記音データに基づく音を前記スピーカから出力させるか否かに応じて、前記音量の調整量を変更することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の故障検出装置。
  6. 前記音発生装置と前記故障検出装置は移動体に搭載されるものであり、
    前記音発生装置が前記音データに基づく音を前記スピーカから出力させない場合、
    前記音量調整手段は、前記移動体の速度に応じて前記音量の調整量を変更することを特徴とする請求項5に記載の故障検出装置。
  7. 前記スピーカの故障を電気的に検出する第2の故障検出装置を有するか、又は、前記第2の故障検出装置から前記スピーカの故障の検出結果を取得可能であり、
    前記故障判断手段は、第2の故障検出装置による故障の有無の判断結果と、前記故障検出装置による故障の有無の判断結果とを組み合わせて、第2の故障検出装置又は前記故障検出装置の故障の有無を判断することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の故障検出装置。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載された故障検出装置を搭載した移動体搭載装置。
  9. 音データに基づく音をスピーカから出力させる音発生装置の故障を検出する故障検出装置の故障検出方法であって、
    電子透かし信号生成手段が、前記スピーカから出力されたか否かの照合に使用される照合用データを含む電子透かし信号を生成するステップと、
    前記スピーカが、前記電子透かし信号を音として出力するステップと、
    マイクが、前記スピーカが出力した音を集音するステップと、
    照合用データ検出手段が、前記マイクが集音した音に含まれる前記電子透かし信号から前記照合用データを検出するステップと、
    故障判断手段が、前記照合用データ検出手段が検出した前記照合用データを、前記電子透かし信号生成手段が電子透かし信号に含めた前記照合用データと照合して、前記音発生装置の故障の有無を判断するステップと、を有し、
    前記電子透かし信号生成手段は、前記照合用データを拡散符号で拡散して前記電子透かし信号を生成するものであり、前記拡散符号をアトランダムに生成することを特徴とする故障検出方法。
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