JP7009798B2 - カードおよび埋め込み用基材 - Google Patents
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Description
また、特許文献1~2には、このような多層樹脂フィルムに対して粘着層や接着層を形成し、偽造防止用フィルムとして用いることが記載されている。また、特許文献3には、多層樹脂フィルムの表面に粘着層を形成し、粘着シートとして用いることが記載されている。
また、カード媒体中に埋め込む方法としては、2つの保護層の間に多層樹脂フィルムを配置し、加熱条件下でプレスラミネートして積層一体化する方法が通常用いられる。
しかしながら、このような埋め込み方法によりカードを形成した場合には、熱圧着時に多層樹脂フィルムおよび保護層の間で剥離が生じ易いといった問題がある。
また、上記第1接着層および上記第2接着層(以下、両層を単に接着層と称する場合がある。)の両層が熱可塑性樹脂として、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂を含むことにより、本発明のカードは、多層樹脂フィルム層と表面保護層または裏面保護層との間の接着性に優れたものとなる。このため、本発明のカードは、表面保護層および裏面保護層間の剥離強度に優れたものとなる。
また、上記表面保護層および上記裏面保護層間の剥離強度が3.5N/10mm以上であることにより、本発明のカードは、クレジットカード、銀行等の預貯金カード等のカード、身分証明カード(ID証、学生証、社員証等)、パスポートデータページ等に適用可能となるからである。
また、上記第1接着層および上記第2接着層の両層が熱可塑性樹脂として、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂を含むことにより、本発明の埋め込み用基材は、カードを構成する表面保護層および裏面保護層との剥離強度に優れたものとなる。
以下、本発明のカードおよび埋め込み用基材について詳細に説明する。
まず、本発明のカードについて説明する。
本発明のカードは、表面保護層と、上記表面保護層の一方の面に形成された第1接着層と、上記第1接着層の上記表面保護層とは反対側の面に形成された多層樹脂フィルム層と、上記多層樹脂フィルム層の上記第1接着層とは反対側の面に形成された第2接着層と、上記第2接着層の上記多層樹脂フィルム層とは反対側の面に形成された裏面保護層と、を有するカードであって、上記多層樹脂フィルム層が、屈折率の異なるポリエステル樹脂フィルムが交互に積層されたものであり、上記第1接着層および上記第2接着層がそれぞれ熱可塑性樹脂を含み、上記第1接着層および上記第2接着層の両層の上記熱可塑性樹脂が、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂を含む態様(第1実施態様)と、上記表面保護層および上記裏面保護層間の剥離強度が3.5N/10mm以上である態様(第2実施態様)と、を挙げることができる。
以下、本発明のカードを各態様に分けて説明する。
まず、本発明のカードの第1実施態様について説明する。
本発明のカードの第1実施態様は、表面保護層と、上記表面保護層の一方の面に形成された第1接着層と、上記第1接着層の上記表面保護層とは反対側の面に形成された多層樹脂フィルム層と、上記多層樹脂フィルム層の上記第1接着層とは反対側の面に形成された第2接着層と、上記第2接着層の上記多層樹脂フィルム層とは反対側の面に形成された裏面保護層と、を有するカードであって、上記多層樹脂フィルム層が、屈折率の異なるポリエステル樹脂フィルムが交互に積層されたものであり、上記第1接着層および上記第2接着層がそれぞれ熱可塑性樹脂を含み、上記第1接着層および上記第2接着層の両層の上記熱可塑性樹脂が、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂を含むものである。
図1に例示するように、本態様のカード10は、表面保護層1と、上記表面保護層1の一方の面に形成された第1接着層2と、上記第1接着層2の上記表面保護層1とは反対側の面に形成された多層樹脂フィルム層3と、上記多層樹脂フィルム層3の上記第1接着層2とは反対側の面に形成された第2接着層4と、上記第2接着層4の上記多層樹脂フィルム層3とは反対側の面に形成された裏面保護層5と、を有するカード10であって、上記多層樹脂フィルム層3が、屈折率の異なるポリエステル樹脂フィルムが交互に積層されたものであり、上記第1接着層2および上記第2接着層4がそれぞれ熱可塑性樹脂を含み、上記第1接着層2および上記第2接着層4の両層の上記熱可塑性樹脂が、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂を含むものである。
また、上記第1接着層および上記第2接着層の両層が熱可塑性樹脂として、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂を含むことにより、上記第1接着層および上記第2接着層は、ポリエステル樹脂フィルムにより形成された多層樹脂フィルム層との接着性に優れると共に、カードに用いられる保護層とも接着性に優れるものとなる。
ここで、上記接着層が熱可塑性樹脂として上述のポリエステル樹脂を含むことで、上記第1接着層および上記第2接着層が、多層樹脂フィルム層との接着性に優れると共に、カードに用いられる保護層とも接着性に優れるものとなる理由については、明確ではないが、以下のように推察される。
また、多層樹脂フィルム層を構成するポリエステル樹脂フィルムは、通常、延伸処理等が施されたフィルムが用いられ、そのガラス転移温度は高いものとなっている。このため、多層樹脂フィルム層を表面保護層および裏面保護層によりラミネートする際の加熱条件では、多層樹脂フィルム層は、十分に可塑化することができない場合がある。その結果、多層樹脂フィルム層は、表面保護層および裏面保護層との間の接着性が低いものとなる場合がある。
これに対して、第1接着層および第2接着層の両層は、熱可塑性樹脂としてガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂を含む、すなわち、25℃という常温においてガラス転移以上であるポリエステル樹脂を含むため、ラミネートした後には、容易に剥離することができず、所定の力を要することとなる。したがって、表面保護層および裏面保護層との間の接着性に優れたものとなる。
このようなことから、上記第1接着層および上記第2接着層の両層が熱可塑性樹脂として、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂を含むことにより、本態様のカードは、多層樹脂フィルム層と表面保護層または裏面保護層との間の接着性に優れたものとなる。このため、本態様のカードは、表面保護層および裏面保護層間の剥離強度に優れたものとなるのである。
以下、本態様のカードの各構成について詳細に説明する。
第1接着層および第2接着層は、それぞれ熱可塑性樹脂(以下、接着層に用いられる熱可塑性樹脂を第1熱可塑性樹脂と称する場合がある。)を含むものである。
第1接着層および第2接着層の両層の第1熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂(以下、第1ポリエステル樹脂と称する場合がある。)を含むものである。
つまり、第1接着層および第2接着層は、両層共に、第1熱可塑性樹脂として第1ポリエステル樹脂を含むものである。
また、上記第1熱可塑性樹脂は、接着層に主成分として含まれるものである。
ここで、主成分として含まれるとは、上記カードが、表面保護層および裏面保護層間の剥離強度に優れたものとなればよく、例えば、接着層中に80質量%以上含有されるものとすることができる。上記含有量が上記範囲内であることにより、上記カードは、表面保護層および裏面保護層間の剥離強度に優れたものとなるからである。
上記第1ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂である。上記ガラス転移温度であることで、上記カードは、表面保護層および裏面保護層間の剥離強度に優れたものとなるからである。
以下、ガラス転移温度(Tg)は、JIS-K7121に準じて測定した示差走査熱量分析(DSC)測定によるものとすることができる。
なお、ガラス転移温度の測定方法は、より具体的には、約10mgのサンプルを採取し、窒素雰囲気下で、測定開始温度-50℃から昇温速度2℃/分で200℃まで昇温し、200℃で10分間保持し、200℃から冷却速度2℃/分で-50℃まで冷却することによって行うことができる。上記手順に従うDSC(示差走査熱量測定)により得られたDSC曲線において、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度、すなわち中間点ガラス転移温度が本態様におけるガラス転移温度として特定される。
また、ガラス転移温度は、上記第1ポリエステル樹脂が2種以上の樹脂の混合物である場合には、それぞれの樹脂についての値である。
なお、第1ポリエステル樹脂のガラス転移温度の調整方法としては、一般的な調整方法を用いることができ、例えば、第1ポリエステル樹脂の分子量を小さくする方法、第1ポリエステル樹脂の構成単位として、極性基を有する構成単位および環状構造を有する構成単位の含有割合を少なくする方法、側鎖の含有割合を多くする方法、側鎖の長さを長くする方法等により、ガラス転移温度を低くすることができる。
上記ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、スルホイソフタル酸ナトリウム等が挙げられる。
これらのジカルボン酸のうち、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、アジピン酸、セバシン酸が好ましく、テレフタル酸およびイソフタル酸の混合物が特に好ましく、該混合物の混合比は特に限定されない。上記ジカルボン酸を構成材料として含むことで、第1ポリエステル樹脂は、Tgの調整が容易となるからである。
上記ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリストリール、またはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
これらのジオールのうち、1,4-ブタンジオール、1,2-プロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノールおよびネオペンチルグリコールからなる群から選ばれる1種以上が特に好ましい。上記ジオールを構成材料として含むことで、第1ポリエステル樹脂は、Tgの調整が容易となるからである。
重量平均分子量が、上記範囲内であることにより、上記カードは、表面保護層および裏面保護層間の剥離強度に優れたものとなるからである。また、上記第1ポリエステル樹脂のガラス転移温度の調整が容易だからである。
以下、重量平均分子量は、ゲルパミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めるものとすることができる。
重量平均分子量は、より具体的には、「Waters製、Water2695装置」を用い、カラムは「Shodex GPC LF-804(昭和電工製、8.0mmID×300mm)」を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて測定することで得ることができる。また、実験条件としては、試料濃度0.5%、流速1.0ml/min、サンプル注入量50μl、測定温度40℃、RI検出器を用いる条件とすることができる。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」を用いることができる。
また、重量平均分子量は、上記第1ポリエステル樹脂が2種以上の樹脂の混合物である場合には、それぞれの樹脂についての値である。
上記第1接着層および上記第2接着層の少なくとも一方の上記第1熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が、25℃より高いポリエステル樹脂である第2ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。上記第2ポリエステル樹脂を含むことで、上記カードは、レーザーエングレーブにより文字を描画した際にも、多層樹脂フィルム層および保護層の間で剥離が生じにくい、レーザーエングレーブ耐性に優れたものとなるからである。
ここで、レーザーエングレーブ耐性に優れたものとなる理由としては、レーザーエングレーブにより文字を描画する際には、文字が描画される領域を中心に高温となる。これに対して、接着層は、第2ポリエステル樹脂を含むことで、高温時にも可塑化を抑制できる。その結果、多層樹脂フィルム層および保護層の間の剥離を抑制できるのである。
本態様においては、なかでも、第1接着層および第2接着層の両層の第1熱可塑性樹脂が、第2ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。第2ポリエステル樹脂が上記両層に含まれることで、カードは、より安定的にレーザーエングレーブ耐性に優れたものとなるからである。
なお、第2ポリエステル樹脂のガラス転移温度の調整方法としては、一般的な調整方法を用いることができ、例えば、第1ポリエステル樹脂の分子量を大きくする方法、第1ポリエステル樹脂の構成単位として、極性基を有する構成単位および環状構造を有する構成単位の含有割合を多くする方法、側鎖の含有割合を少なくする方法、側鎖の長さを短くする方法等により、ガラス転移温度を高くすることができる。
重量平均分子量が、上記範囲内であることにより、接着層は、レーザーエングレーブ耐性に優れたものとなるからである。また、上記第2ポリエステル樹脂のガラス転移温度の調整が容易だからである。
なお、上記含有量は、第2ポリエステル樹脂を含む各接着層での含有量を指すものである。
なお、上記含有量は、第2ポリエステル樹脂を含む各接着層での含有量を指すものである。
上記第1熱可塑性樹脂は、上記第1ポリエステル樹脂を少なくとも含み、第2ポリエステル樹脂を含んでもよいのであるが、さらに必要に応じて、その他の熱可塑性樹脂を含むものであってもよい。
このようなその他の熱可塑性樹脂としては、例えば、アイオノマー樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等を挙げることができる。
ここで、同一種類の樹脂であるとは、第1接着層および第2接着層に含まれる第1熱可塑性樹脂のうち、最も含有質量の大きい樹脂の種類が同一であるものとすることができる。
また、一方の接着層に含まれる第1熱可塑性樹脂のうち最も含有質量の大きい樹脂が2種類ある場合には、他方の接着層に含まれる第1熱可塑性樹脂のうち最も含有質量の大きい樹脂が、その2種類の樹脂のうち少なくとも一方の樹脂と種類が同一である場合も、両層に含まれる第1熱可塑性樹脂は、種類が同一である場合に該当するものとすることができる。
なお、種類が同一であるとは、第1熱可塑性樹脂の主骨格を構成する構成単位の種類が少なくとも同一であるものとすることができる。
例えば、第1接着層に第1熱可塑性樹脂として最も多く含有される樹脂がポリエステル樹脂であり、第2接着層に第1熱可塑性樹脂として最も多く含有される樹脂がポリエステル樹脂である場合、両層の第1熱可塑性樹脂は同一種類の樹脂に該当するものである。
上記接着層は、第1熱可塑性樹脂を含むものであるが、必要に応じて、その他の構成を含むものであってもよい。
このようなその他の構成としては、ブロッキング防止剤、潤滑剤、着色剤、紫外線発光剤や赤外線発光剤などの蛍光発光剤、紫外線吸収剤等を挙げることができる。
なお、直接接するとは、通常、平面視上重なる箇所で直接接することをいうものであり、例えば、多層樹脂フィルム層および接着層の間に、平面視上、多層樹脂フィルム層の全面を覆う他の層が配置され、接着層が、多層樹脂フィルム層と、多層樹脂フィルムの端部においてのみ接する場合は、直接接するものに含まれないものである。
例えば、既に説明した図1は、第1接着層2および第2接着層4の両層が、多層樹脂フィルム層3および保護層(表面保護層1および裏面保護層5)の両者に直接接する例を示すものである。
また、図2における第1接着層2のように、多層樹脂フィルム層との間に他の層が配置される場合でも、多層樹脂フィルム層と平面視上重なる箇所で接する部位が存在する場合には、多層樹脂フィルム層と直接接するものに含まれるものである。
なお、図2は、第1接着層2および多層樹脂フィルム層3の間にホログラム層6が配置される例を示すものである。
なお、既に説明した図1および図2は、接着層の平面視形状が多層樹脂フィルム層の平面視形状と同一形状である例を示すものである。
なお、溶剤の乾燥除去は、上記塗膜を接着対象と接触させた後に、実施されるものであってもよい。
上記多層樹脂フィルム層は、屈折率の異なるポリエステル樹脂フィルムが交互に積層されたものである。
より具体的には、多層樹脂フィルム層は、屈折率の高いポリエステル樹脂フィルム(第1の層)と、屈折率の低いポリエステル樹脂フィルム(第2の層)とが、厚み方向に交互に2層以上積層されたものとすることができる。
また、第1の層および第2の層の厚みは、例えば、それぞれ0.05μm~0.5μmの範囲内とすることができる。また、第1の層および第2の層の総積層数は、例えば、11層~500層の範囲内とすることができる。
さらに、ポリエステル樹脂フィルムを構成するポリエステル樹脂については、所望の反射特性を有することができるものであればよく、例えば、特開2005-59332号公報に記載のポリエステルと同様とすることができる。
より具体的には、第2の層を構成するポリエステル樹脂としては、繰り返し単位の75モル%~97モル%がエチレンテレフタレート成分からなるポリエステルを用いることができる。また、第1の層を構成するポリエステル樹脂としては、例えば、繰り返し単位の95モル%以上がエチレンテレフタレート成分からなり、第2の層を構成するポリエステル樹脂よりエチレンテレフタレート成分の含有割合が大きいるポリエステルを用いることができる。
なお、既に説明した図1および図2は、多層樹脂フィルム層3の平面視形状が、表面保護層1および裏面保護層5の一部を覆うパターン形状である例を示すものである。
上記保護層は、多層樹脂フィルム層を保護するものである。
また、上記保護層は、多層樹脂フィルム層を挟持するように形成されるものである。
さらに、上記表面保護層および裏面保護層は、加熱条件下でプレスラミネートすることで、両層が相互に融着することにより、多層樹脂フィルム層が埋め込まれたカードを形成するものである。
このような保護層の構成材料としては、加熱条件下でプレスラミネートすることで、表面保護層および裏面保護層が融着可能なものであればよく、通常、熱可塑性樹脂(以下、保護層に用いられる熱可塑性樹脂を第2熱可塑性樹脂と称する場合がある。)を主成分として含むものである。
ここで、主成分として含むとは、加熱条件下でプレスラミネートすることで、表面保護層および裏面保護層が融着可能なものであればよく、例えば、保護層中に80質量%以上含有されるものとすることができる。
本態様においては、なかでも、表面保護層および裏面保護層の両層に含まれる第2熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂であること、すなわち、表面保護層および裏面保護層が、ポリカーボネート樹脂を主成分として含むことが好ましい。第2熱可塑性樹脂が上記樹脂であることで、本態様のカードは、強度および耐久性に優れたものとなるからである。
また、上記第2熱可塑性樹脂は、1種類または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
なお、同一種類の樹脂であるとの定義については、上記「1.第1接着層および第2接着層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
例えば、表面保護層に第2熱可塑性樹脂として最も多く含有される樹脂がポリカーボネート樹脂であり、裏面保護層に第2熱可塑性樹脂として最も多く含有される樹脂がポリカーボネート樹脂である場合や、表面保護層に第2熱可塑性樹脂として最も多く含有される樹脂がポリエステル樹脂であり、裏面保護層に第2熱可塑性樹脂として最も多く含有される樹脂がポリエステル樹脂である場合、両層に含まれる第2熱可塑性樹脂は同一種類の樹脂であるものに該当する。
上記保護層は、レーザ光が照射されることにより発色可能なレーザ発色層として用いられるものであってもよい。
本態様のカードは、多層樹脂フィルム層からの反射およびレーザ発色層にレーザ照射により記録された文字情報や、画像を組み合わせて用いることが可能となり、偽造防止性および意匠性により優れたものとなるからである。
なお、図3は、裏面保護層5がレーザ発色層7として用いられる例を示すものである。
また、図3(a)は、本態様のカードの他の例を示す概略平面図であり、図3(b)は図(a)のB-B線断面図である。
このようなレーザ発色層としては、カードに一般的に用いられるものを使用することができ、例えば、レーザ吸収材を有する層とすることができる。
レーザ吸収材については、特開2010-194756号公報に記載のカーボンブラック等のレーザ光エネルギー吸収材と同様とすることができる。
本態様においては、なかでも、上記レーザー発色層が、裏面保護層として用いられることが好ましい。レーザ発色層が裏面保護層として用いられることで、本態様のカードは、レーザ発色層および多層樹脂フィルム層の両者の効果を安定的に発揮可能となるからである。
また、レーザ発色層に描画された画像の偽造方法としては、レーザ発色層上の層を一旦除去し、レーザ発色層の画像の偽造を行った後、一旦除去した層を復元する方法が知られている。しかしながら、多層樹脂フィルム層は一旦除去すると復元が困難な層であるため、偽造者が、レーザ発色層に描画された画像の偽造のため、ホログラム層上の多層樹脂フィルム層を含む層を取り除くことを抑制できる。このため、本態様のカードは、偽造防止性等に優れたものとなるからである。
なお、既に説明した図3は、レーザ発色層7が裏面保護層5aとして用いられる例を示すものであり、さらに第2接着層4と直接接する例を示すものである。
なお、既に説明した図3は、レーザ発色層7が3層の裏面保護層5aのうちの一層として含まれる例を示すものである。また、図3では、レーザー発色層7が第2接着層4と接する裏面保護層5aとして用いられるものである。
上記画像描画部の平面視上の形成箇所は、例えば、多層樹脂フィルム層と平面視上重なる箇所を含むことが好ましい。上記形成箇所であることで、例えば、偽造者が、レーザ発色層に描画された画像の偽造のため、ホログラム層上の多層樹脂フィルム層を含む層を取り除くことを抑制できる。このため、本態様のカードは、偽造防止性等に優れたものとなるからである。
なお、既に説明した図3は、画像描画部7aとして描画された「123456」の形成箇所が、多層樹脂フィルム層3と平面視上重なる箇所である例を示すものである。
上記表面保護層は、通常、透明性を有するものである。
また、裏面保護層は、透明性を有するものであっても、透明性を有しないものであってもよい。
なお、透明性を有するとは、多層樹脂フィルム層で反射される波長の光を透過可能なものであればよい。
具体的には、保護層が透明性を有する場合、保護層の全光線透過率は、50%以上とすることができ、70%以上であることが好ましく、なかでも、90%以上であることが好ましい。全光線透過率が上記範囲であることで、本態様のカードは、多層樹脂フィルム層による偽造防止性および意匠性等に優れたものとなるからである。
ここで、上記保護層の透過率は、JIS K7361-1(プラスチック-透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
なお、既に説明した図1および図2は、表面保護層1および裏面保護層5の両層が、単層構造である例を示すものである。
また、既に説明した図3は、表面保護層1および裏面保護層5の両層が、多層構造である例を示すものである。より具体的には、図3では、表面保護層1として2層の表面保護層1aを含み、裏面保護層5として3層の裏面保護層5aを含むものである。
また、保護層が多層構造である場合、多層構造を構成する各保護層に含まれる第2熱可塑性樹脂は通常同一種類の樹脂である。
例えば、既に説明した図3において表面保護層1として含まれる2層の表面保護層1aを構成する第2熱可塑性樹脂は、同一種類の樹脂であることが好ましい。また、裏面保護層5として含まれる3層の裏面保護層5aを構成する第2熱可塑性樹脂も、同一種類の樹脂であることが好ましい。
なお、上記保護層の厚みは、保護層の構造が多層構造である場合には、合計の厚みをいうものである。
本態様のカードは、表面保護層、第1接着層、多層樹脂フィルム層、第2接着層および裏面保護層を含むものであるが、必要に応じて、その他の層を有するものであってもよい。
本態様のカードは、既に説明した図2および図3に例示するように、ホログラムが記録されたホログラム層を含むことができる。
ホログラム層を含むことにより、本態様のカードは、多層樹脂フィルム層からの反射およびホログラム層に記録されたホログラムを組み合わせて用いることが可能となり、偽造防止性および意匠性により優れたものとなるからである。
なお、図2および図3は、表面保護層1、第1接着層2、ホログラム層6、多層樹脂フィルム層3、第2接着層4および裏面保護層5がこの順で積層した例を示すものである。
さらに、図3(a)では説明の容易のため、印刷層8、表面保護層1の記載を省略するものである。
このようなホログラム層としては、本態様のカードの種類および用途等に応じて適宜選択することができ、例えば、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層またはレリーフホログラムが記録されたレリーフホログラム層を用いることができる。
また、ホログラム層は、反射型であってもよく、透過型であってもよい。
このような体積ホログラム層およびレリーフホログラム層としてはカードに埋め込まれるホログラム層として一般的に用いられるものと同様とすることができる。
具体的には、上記ホログラム層は、特開2016-90601号公報に記載のものと同様とすることができる。
本態様においては、なかでも、上記形成箇所が、多層樹脂フィルム層と平面視上重なる箇所を含むことが好ましい。ホログラム層の偽造方法としては、ホログラム層上の層を一旦除去し、ホログラム層の偽造を行った後、一旦除去した層を復元する方法が知られている。しかしながら、多層樹脂フィルム層は一旦除去すると復元が困難な層であるため、偽造者が、ホログラム層の偽造のため、ホログラム層上の多層樹脂フィルム層を含む層を取り除くことを抑制できる。このため、上記形成箇所であることで、本態様のカードは、偽造防止性等に優れたものとなるからである。
上記形成箇所としては、例えば、多層樹脂フィルム層と第1接着層または第2接着層との間であることが好ましい。上記形成箇所であることで、本態様のカードは、ホログラム層および多層樹脂フィルム層の形成が容易になるからである。具体的には、本態様のカードの製造方法として、ホログラム層および多層樹脂フィルム層を含む埋め込み用基材を、表面保護層および裏面保護層によりプレスラミネートする方法を用いることが可能となり、両層が位置精度よく埋め込まれたカードを容易に得ることが可能となるからである。
また、本態様においては、上記形成箇所が、多層樹脂フィルム層と第2接着剤層との間であることが好ましい。上記形成箇所であることで、偽造者が、ホログラム層の偽造のため、ホログラム層上の多層樹脂フィルム層を含む層を取り除くことを抑制できる。このため、上記形成箇所であることで、本態様のカードは、偽造防止性等に優れたものとなるからである。
なお、既に説明した図2は、上記形成箇所が多層樹脂フィルム層3および第1接着層2の間である例を示すものである。また、既に説明した図3は、上記形成箇所が多層樹脂フィルム層3および第2接着層4の間である例を示すものである。
このような接着性向上層については、公知の接着性向上手段を用いることができ、例えば、国際公開2011/090030号公報に記載の接着剤層や、プライマー剤等を用いた易接着処理層を挙げることができる。プライマー剤としては、具体的には、アクリル樹脂材料や、ポリウレタン系材料と硬化剤との混合物等を用いることができる。
上記平面視形状としては、例えば、上記多層樹脂フィルム層と同一形状であることが好ましい。上記平面視形状であることで、本態様のカードは、ホログラム層および多層樹脂フィルム層の形成が容易になるからである。具体的には、本態様の製造方法として、ホログラム層および多層樹脂フィルム層を含む埋め込み用基材を、表面保護層および裏面保護層によりプレスラミネートする方法を用いることが可能となり、両層が位置精度よく埋め込まれたカードを容易に得ることが可能となるからである。
なお、既に説明した図3は、上記平面視形状が、平面視上、多層樹脂フィルム層3の一部に重なる形状である例を示すものである。
本態様のカードは、その他の層として、紫外線発光層や赤外線発光層などの蛍光発光層、OVI(Optical Variable Ink)層等の光学可変インキ層、着色層、磁気印刷層、印刷層等のカードに一般的に含まれ、カードの偽造防止性や意匠性向上に用いられる機能向上層を含むものであってもよい。
このような機能向上層の厚み方向の形成箇所、平面視上の形成箇所および平面視形状については、機能向上層および多層樹脂フィルム層の形成容易、偽造防止性の向上等の観点からは、上記「(1)ホログラム層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
また、例えば、既に説明した図4に例示する印刷層8のように、機能向上層の厚み方向の形成箇所を、表面保護層の第1接着層とは反対側の面上とし、さらに、機能向上層の平面視上の形成箇所および平面視形状を、多層樹脂フィルム層の周囲を囲む枠状とすることで、多層樹脂フィルム層の配置箇所を示し、真贋判定を容易としたり、意匠性の向上を図るものであってもよい。
上記カード機能層としては、アンテナを含むアンテナ層、磁気テープを含む磁気テープ層、集積回路(IC)チップを含むICチップ層等を挙げることができる。
本態様のカードの厚みとしては、本態様のカードの用途等に応じて適宜設定されるものである。上記厚みは、例えば、10μm以上5mm以下とすることができる。
なお、本態様のカードを磁気カードとして用いる場合、カードをISO規格に準拠したものとするには、上記厚みは、例えば、0.76mmとすることができる。
本態様のカードのサイズとしては、種々のサイズとすることができる。
例えば、本態様のカードを銀行カードやクレジットカード等として用いる場合、上記サイズは、例えば、縦横が約54mm×約86mmとすることができる。パスポートデータページの場合は、上記サイズは、約88mm×125mmとすることができる。
上記剥離強度としては、例えば、3.5N/10mm以上であることが好ましい。上記剥離強度であることにより、本態様のカードは、様々な用途に用いることができるからである。
より具体的には、JIS X6301で要求される剥離強度を満たすことが可能となる。したがって、本態様のカードは、クレジットカード、銀行等の預貯金カード等のカード、身分証明カード(ID証、学生証、社員証等)、パスポートデータページ等に適用可能となるからである。
なお、上記剥離強度は、JIS X6305-1の90°引き剥がし法に準じて測定される値とすることができる。引張試験機としては、例えばインストロン5565型材料試験機等を用いることができる。剥離強度の測定方法としては、カードから幅10mm、長さ150mmの試験片を切り出し、カードの裏面保護層側の表面に同サイズの両面テープを貼り合わせ、それをさらに固定するためのSUS板に貼り合わせた後、カードの表面保護層を毎分300mmの速さで90°で引き剥がし、安定に剥離が行われている状態の引張荷重(N)を10mm幅における剥離強度として測定する方法を用いることができる。
また、幅10mm未満のサンプルについては、その幅をammとすると、amm幅で同様に測定した剥離強度に10/aを乗じた値を幅10mmにおける剥離強度とみなすことができる。
なお、上述の剥離試験を行った場合には、通常、裏面保護層および多層樹脂フィルム層間、または、表面保護層および多層樹脂フィルム層間で剥離が生じるものである。
上記製造方法としては、より具体的には、多層樹脂フィルム層の両面に第1接着層および第2接着層が形成された埋め込み用基材を準備し、この埋め込み用基材を、表面保護層および裏面保護層の間に配置して、所定の温度および圧力の条件でプレスラミネートして積層一体化した後、所定のカードのサイズに打ち抜く方法を用いることができる。
また、本態様のカードの用途としては、パスポート等に含まれるデータページ等を挙げることができる。
次に、本発明のカードの第2実施態様について説明する。
本態様のカードは、表面保護層と、上記表面保護層の一方の面に形成された第1接着層と、上記第1接着層の上記表面保護層とは反対側の面に形成された多層樹脂フィルム層と、上記多層樹脂フィルム層の上記第1接着層とは反対側の面に形成された第2接着層と、上記第2接着層の上記多層樹脂フィルム層とは反対側の面に形成された裏面保護層と、を有するカードであって、上記多層樹脂フィルム層が、屈折率の異なるポリエステル樹脂フィルムが交互に積層されたものであり、上記第1接着層および上記第2接着層がそれぞれ熱可塑性樹脂を含み、上記表面保護層および上記裏面保護層間の剥離強度が3.5N/10mm以上であるものである。
また、上記表面保護層および上記裏面保護層間の剥離強度が3.5N/10mm以上であることにより、本態様のカードは、JIS X6301で要求される剥離強度を満たすことが可能となる。したがって、本態様のカードは、クレジットカード、銀行等の預貯金カード等のカード、身分証明カード(ID証、学生証、社員証等)、パスポートデータページ等に適用可能となるからである。
以下、本態様のカードの各構成について詳細に説明する。
なお、表面保護層、多層樹脂フィルム層および裏面保護層については、上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本態様における表面保護層および上記裏面保護層間の剥離強度は、3.5 N/10mm以上である。
このような剥離強度については、3.5N/10mm以上であれば特に限定されるものではない。上記剥離強度であることにより、本態様のカードは、様々な用途に用いることができるからである。
なお、剥離強度の測定方法については、上記「A.第1実施態様」の「5.カード」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
第1接着層および第2接着層は、第1熱可塑性樹脂を含むものである。
また、上記第1熱可塑性樹脂は、接着層に主成分として含まれるものである。なお、主成分として含まれるの定義については、上記「I.カード」の「A.第1実施態様」の「1.第1接着層および第2接着層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記第1熱可塑性樹脂としては、具体的には、アイオノマー樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等を挙げることができる。
本態様においては、なかでも、上記第1熱可塑性樹脂が、上記「A.第1実施態様」の「1.第1接着層および第2接着層」の項に記載のものであることが好ましい。本態様のカードは、表面保護層および裏面保護層間の剥離強度が上記所定の範囲内であるものとすることが容易となるからである。
本態様のカードは、表面保護層、第1接着層、多層樹脂フィルム層、第2接着層および裏面保護層を含むものであるが、必要に応じて、その他の層を有するものであってもよい。
このようなその他の層としては、上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本態様のカードの厚み、サイズ、製造方法、用途等の本態様のカードについてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「5.カード」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
次に、本発明の埋め込み用基材について説明する。
本発明の埋め込み用基材は、第1接着層と、上記第1接着層の一方の面に形成された多層樹脂フィルム層と、上記多層樹脂フィルム層の上記第1接着層とは反対側の面に形成された第2接着層と、を有する埋め込み用基材であって、上記多層樹脂フィルム層が、屈折率の異なるポリエステル樹脂フィルムが交互に積層されたものであり、上記第1接着層および上記第2接着層がそれぞれ熱可塑性樹脂を含み、上記第1接着層および上記第2接着層の両層の上記熱可塑性樹脂が、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂を含むことを特徴とするものである。
図4に例示するように、本発明の埋め込み用基材20は、第1接着層2と、上記第1接着層2の一方の面に形成された多層樹脂フィルム層3と、上記多層樹脂フィルム層3の上記第1接着層2とは反対側の面に形成された第2接着層4と、を有する埋め込み用基材20であって、上記多層樹脂フィルム層3が、屈折率の異なるポリエステル樹脂フィルムが交互に積層されたものであり、上記第1接着層および上記第2接着層がそれぞれ熱可塑性樹脂を含み、上記第1接着層2および上記第2接着層4の両層の上記熱可塑性樹脂が、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂を含むものである。
また、上記第1接着層および上記第2接着層の両層が熱可塑性樹脂として、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂を含むものであることにより、本発明の埋め込み用基材は、カードを構成する表面保護層および裏面保護層との剥離強度に優れたものとなる。
以下、本発明の埋め込み用基材の各構成について詳細に説明する。
なお、第1接着層、多層樹脂フィルム層および第2接着層については、上記「I.カード」の「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明の埋め込み用基材は、第1接着層、多層樹脂フィルム層および第2接着層を有するものであるが、必要に応じてその他の層を有するものであってもよい。
本発明においては、既に説明した図4に例示するように、その他の層が、上記第1接着層2および上記第2接着層4の少なくとも一方の層の上記多層樹脂フィルム層3とは反対側の面に剥離シート21を有することが好ましい。本発明の埋め込み用基材は、ロール状に巻き取られた形状で保存した場合でも、ブロッキング等の発生を抑制できるからである。
なお、図4は、本発明の埋め込み用基材20が、その他の層として、第2接着層4の多層樹脂フィルム層3とは反対側の面に形成された剥離シート21を有する例を示すものである。
このような剥離シートとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等からなるシートとすることができる。
上記剥離シートの厚さは、本発明の埋め込み用基材の種類や用途等に応じて適宜選択される。
このような処理方法としては、例えばシリコーン処理、オレフィン処理、メラミン処理、アルキッド処理等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
上記その他の層としては、上記「I.カード」の「4.その他の層」に記載のその他の層を含むことができる。
具体的には、本発明の埋め込み用基材に含まれるその他の層としては、図5(a)に例示するように、多層樹脂フィルム層と接着層(第1接着層または第2接着層)との間に配置されるホログラム層や、機能向上層を含むことができる。
また、上記埋め込み用基材に含まれるその他の層としては、図5(b)に例示するように、第1接着層または第2接着層のいずれか一方の層の上記多層樹脂フィルム層とは反対側の面に配置される層として、保護層を含むことができる。
なお、図5(a)~(b)は、本発明の埋め込み用基材20の他の例を示す概略断面図であり、図5(a)は、本発明の埋め込み用基材20が、多層樹脂フィルム層3および第1接着層2の間に形成されたホログラム層6を有する例を示すものであり、図5(b)は、第2接着層4の多層樹脂フィルム層3とは反対側の面に形成された裏面保護層5を有する例を示すものである。また、図5(b)は、裏面保護層5が2層以上の裏面保護層5aを有する多層構造を有し、裏面保護層5aのうち第2接着層4に直接接する裏面保護層5aがレーザ光照射前のレーザ発色層7として用いられる例を示すものである。
本発明の埋め込み用基材は、図6に例示するように、埋め込み用基材を構成する層を厚み方向に切断する切れ込み部22を有するものであってもよい。
上記切れ込み部を有することにより、本発明の埋め込み用基材は、切れ込み部で分断された領域を容易にカードに埋め込み可能となるからである。
例えば、図7(a)に例示するように、第2接着層4を裏面保護層5に接触させ、例えば、加熱p1や超音波ウェルディング法等の仮接着方法を用いて、切れ込み部22により囲まれる部位を裏面保護層5に仮接着させる。次いで、図7(b)に例示するように、所定の剥離力p2により、切れ込み部22により囲まれる部位以外を剥離する。そして、切れ込み部22により囲まれる部位のみを裏面保護層5上に残した状態で、表面保護層1を所定の加熱p3条件下で、プレスラミネートすることで(図7(c))、保護層5に対してパターン形状の多層樹脂フィルム層3が埋め込まれたカード10を容易に得ることが可能となる(図7(d))。
なお、図6(a)は、本発明のカードの埋め込み用基材の他の例を示す概略平面図であり、図6(b)は、図6(a)のC-C線断面図である。
また、図7は、本発明の埋め込み用基材を用いたカードの製造方法の一例を示す工程図である。
例えば、本発明の埋め込み用基材が、第1接着層および第2接着層が多層樹脂フィルム層と同一平面視形状で埋め込まれたカードの製造に用いられる場合、既に説明した図6(a)に示すように、上記切れ込み部22が形成される層は、第1接着層2、多層樹脂フィルム層3および第2接着層4を含むものとすることができる。
なお、既に説明した図6および図7は、カードに埋め込まれない部材である剥離シート21には切れ込み部が形成されない例を示すものである。
既に説明した図6(a)は、上記切れ込み部22の平面視形状が破線状である例を示すものである。
このような切れ込み部のパターン形状としては、平面視上所定の領域を囲む形状とすることができる。
ここで、所定の領域を囲むものとしては、上記切れ込み部のみ、または切れ込み部および埋め込み基材の端部によって所定の領域が囲まれるものとすることができる。
例えば、既に説明した図6(a)は、切れ込み部のみによって所定の領域が囲まれる例を示すものである。また、図8は、切れ込み部および埋め込み基材の端部によって所定の領域が囲まれる例を示すものである。
本発明の埋め込み用基材の厚みとしては、カードに埋め込み可能なものであればよく、用途等に応じて適宜設定されるものである。
このような厚みとしては、例えば第1接着層の多層樹脂フィルム層とは反対側の面から、第2接着層の多層樹脂フィルム層とは反対側の面までを、10μm以上70μm以下とすることができる。
上記製造方法は、例えば、剥離シートを準備し、剥離シート上に第1接着層を形成し、次いで、第1接着層上に多層樹脂フィルム層を積層し、次いで、多層樹脂フィルム層上に第2接着層を形成する方法を用いることができる。
なかでも本発明においては、偽造防止性および意匠性が要求されるカード等に好ましく用いられる。
多層樹脂フィルム層として、19μmのPET帝人デュポンフィルム(株)社製MLF-19を準備した。
この多層樹脂フィルム層の両面に、下記組成からなるポリエステル系接着剤(組成物)を乾燥除去時における厚みが6g/m2となる厚みで塗布した後、塗膜から溶剤を乾燥除去した。
このようにして、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂およびガラス転移温度が25℃より高いポリエステル樹脂を含む、第1接着層および第2接着層を形成した。
なお、下記表1における接着剤組成の数値は、各成分の配合割合を質量部で示すものである。また、表1における「第1」および「第2」は、それぞれ、第1接着層および第2接着層を示すものである。
また、以下、ガラス転移温度(Tg)および分子量は、それぞれの樹脂のガラス転移温度(Tg)および重量平均分子量を示すものである。
・ポリエステル樹脂(ユニチカ社製エリーテルUE-3201 Tgは65℃、分子量 20000) 10質量部
・ポリエステル樹脂(ユニチカ社製エリーテルUE-3220 Tgは5℃、分子量は25000) 90質量部
・溶剤 酢酸エチル 50質量部
次いで、得られた埋め込み用基材を、2cm角の正方形に切り出し、表面保護層および裏面保護層として12cm×8cmの2枚のポリカーボネートシートの間に挿入し、175℃の加熱条件および1.7t/m2のプレス条件でプレスラミネートを行った。
これにより、多層樹脂フィルム層が埋め込まれたカードを得た。
また、裏面保護層のポリカーボネートシートは、カーボンブラックを含有するレーザ発色層としての機能を有するものである。
下記組成からなるオレフィン系接着剤(組成物)を乾燥除去時における厚みが6g/m2となる厚みで塗布した後、塗膜から溶剤を乾燥除去し、ポリオレフィン樹脂を含む第2接着層を形成した以外は、実施例1と同様の方法によりカードを得た。
・ポリオレフィン樹脂(ジャパンコーティングレジン社製EC1200) 100質量部
・溶剤 酢酸エチル 50質量部
第1接着層および第2接着層を形成しなかった以外は、実施例1と同様の方法によりカードを得た。すなわち、埋め込み用基材として多層樹脂フィルム層を2cm角の正方形に切り出し、表面保護層および裏面保護層として12cm×8cmの2枚のポリカーボネートシートの間に挿入し、175℃の加熱条件および1.7t/m2のプレス条件でプレスラミネートを行った。
実施例および比較例で得られたカードについて、剥離強度、レーザーエングレーブ耐性について評価を行った。
実施例および比較例で得られたカードについて、JISX6305-1の90°引き剥がし法に準じて測定した。
具体的には、カードを幅10mm、長さ150mmに切断して、試験片を得た。次いで、試験片の裏面保護層側の表面に同サイズの両面テープを貼り合わせ、それをさらに固定するためのSUS板に貼り合わせた後、カードの表面保護層側の層を毎分300mmの速さで90°方向に引き剥がし、安定に剥離が行われている状態の引張荷重(N)を10mm幅における剥離強度として測定した。引張試験機は、インストロン5565型材料試験機を用いた。結果を下記表1に示す。
実施例および比較例で得られたカードに対して、表面保護層側から波長532nmのレーザ光を、14Jで、照射してレーザ発色層(裏面保護層)に画像の描画を行った後、カードを目視で観察し、保護層および多層樹脂フィルム層の間に、浮き(部分的な剥離)や剥がれ(全面が剥離)の有無を確認し、以下の基準で評価した。結果を下記表1に示す。
○:浮きも剥がれも観察されなかった。
×:浮きまたは剥がれが観察された。
表1より、実施例では、上記第1接着層および上記第2接着層の両層が熱可塑性樹脂として、ガラス転移点が25℃以下のポリエステル樹脂を含むことにより、第1接着層および第2接着層の両層が多層樹脂フィルム層および保護層の両層と直接接するように配置した場合、すなわち、多層樹脂フィルム層および保護層の両層と直接接する接着層の全てが、熱可塑性樹脂として、ガラス転移点が25℃以下のポリエステル樹脂を含むことにより、表面保護層および裏面保護層間の剥離強度に優れたカードを得ることができた。具体的には、JISにおいて、クレジットカード等のカードに対して、JIS X6301等で要求される剥離強度である3.5N/10mm以上の剥離強度のカードを得ることができた。
また、第1接着層および第2接着層の少なくとも一方が、熱可塑性樹脂としてガラス転移温度が25℃より高いポリエステル樹脂、特に、第1接着層および第2接着層の両層が、熱可塑性樹脂として、ガラス転移温度が60℃以上のポリエステル樹脂を含むことにより、レーザーエングレーブにより描画を行った場合でも、カードに浮き等の発生は観察されなかった。
一方、比較例のように、第1接着層および第2接着層の両層が、熱可塑性樹脂としてガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂を含まない場合、すなわち、多層樹脂フィルム層および保護層の両者と直接接する接着層の全てが、熱可塑性樹脂として、ガラス転移点が25℃以下のポリエステル樹脂を含まない場合には、表面保護層および裏面保護層間の剥離強度が十分なカードを得ることはできなかった。
また、比較例では、レーザーエングレーブにより描画を行った場合に、浮き等の発生が観察された。
2 … 第1接着層
3 … 多層樹脂フィルム層
4 … 第2接着層
5a、5 … 第2保護層
6 … ホログラム層
7 … レーザ発色層
7a … 画像描画部
8 … 印刷層
10 … カード
20 … 埋め込み用基材
21 … 剥離シート
22 … 切れ込み部
Claims (5)
- 表面保護層と、
前記表面保護層の一方の面に形成された第1接着層と、
前記第1接着層の前記表面保護層とは反対側の面に形成された多層樹脂フィルム層と、
前記多層樹脂フィルム層の前記第1接着層とは反対側の面に形成された第2接着層と、
前記第2接着層の前記多層樹脂フィルム層とは反対側の面に形成された裏面保護層と、
を有するカードであって、
前記多層樹脂フィルム層が、屈折率の異なるポリエステル樹脂フィルムが交互に積層されたものであり、
前記第1接着層および前記第2接着層がそれぞれ熱可塑性樹脂を含み、
前記第1接着層および前記第2接着層の両層の前記熱可塑性樹脂が、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂を含み、
前記第1接着層および前記第2接着層の少なくとも一方の前記熱可塑性樹脂が、ガラス転移温度が25℃より高いポリエステル樹脂を含む、カード。 - 前記表面保護層および前記裏面保護層間の剥離強度が3.5N/10mm以上である、請求項1に記載のカード。
- 前記表面保護層および前記裏面保護層が、ポリカーボネート樹脂を主成分として含む、請求項1または請求項2に記載のカード。
- 第1接着層と、
前記第1接着層の一方の面に形成された多層樹脂フィルム層と、
前記多層樹脂フィルム層の前記第1接着層とは反対側の面に形成された第2接着層と、
を有する埋め込み用基材であって、
前記多層樹脂フィルム層が、屈折率の異なるポリエステル樹脂フィルムが交互に積層されたものであり、
前記第1接着層および前記第2接着層がそれぞれ熱可塑性樹脂を含み、
前記第1接着層および前記第2接着層の両層の前記熱可塑性樹脂が、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂を含み、
さらに、前記第1接着層および前記第2接着層の少なくとも一方の前記熱可塑性樹脂が、ガラス転移温度が25℃より高いポリエステル樹脂を含む、埋め込み用基材。 - 前記第1接着層および前記第2接着層の少なくとも一方の層の前記多層樹脂フィルム層とは反対側の面に剥離シートを有する、請求項4に記載の埋め込み用基材。
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