以下、図面を参照して、実施形態に係る超音波診断装置及び画像処理プログラムについて説明する。なお、以下で説明する実施形態は一例であり、本実施形態に係る超音波診断装置及び画像処理プログラムは、以下の説明に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、装置本体100と、超音波プローブ101と、入力インターフェース102と、ディスプレイ103とを有する。超音波プローブ101、入力インターフェース102、及びディスプレイ103は、装置本体100と通信可能に接続される。
超音波プローブ101は、複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子は、装置本体100が有する送受信回路110から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ101は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。すなわち、超音波プローブ101は、被検体Pに対して超音波走査を行って、被検体Pから反射波を受信する。また、超音波プローブ101は、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ101は、装置本体100と着脱自在に接続される。
超音波プローブ101から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ101が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
本実施形態では、超音波プローブ101は、被検体を2次元で走査する1Dアレイプローブであっても、被検体を3次元で走査する3次元プローブすなわちメカニカル4Dプローブや2Dアレイプローブであっても適用可能である。産科超音波においては、胎児を立体で可視化する要求より、メカニカル4Dプローブが使用される事が多い。3次元プローブを用いる場合には、ディスプレイ103における表示画像は特定の断層像もしくは多断面変換表示(MPR:multi planar reconstruction)が含まれる。
入力インターフェース102は、所定の位置(例えば、組織形状の位置や、関心領域、関心領域以外の領域等)の設定等を行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチコマンドスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。入力インターフェース102は、後述する処理回路150に接続されており、操作者(ユーザ)から受け付けた入力操作を電気信号へ変換し処理回路150へと出力する。なお、本明細書において入力インターフェース102は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。なお、入力インターフェース102は、入力部の一例である。
ディスプレイ103は、超音波診断装置1の操作者(ユーザ)が入力インターフェース102を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体100において生成された超音波画像データ等を表示したりする。また、ディスプレイ103は、装置本体100の処理状況や処理結果を操作者に通知するために、各種のメッセージや表示情報を表示する。また、ディスプレイ103は、スピーカーを有し、音声を出力することもできる。
装置本体100は、超音波プローブ101が受信した反射波信号に基づいて超音波画像データを生成する装置である。図1に示す装置本体100は、超音波プローブ101が受信した2次元の反射波データ(エコーデータ)に基づいて2次元の超音波画像データを生成可能な装置である。また、図1に示す装置本体100は、超音波プローブ101が受信した3次元の反射波データに基づいて3次元の超音波画像データ(ボリュームデータ)を生成可能な装置である。
装置本体100は、図1に示すように、送受信回路110と、Bモード処理回路120と、ドプラ処理回路130と、記憶回路140と、処理回路150と、通信インターフェース160とを有する。送受信回路110、Bモード処理回路120、ドプラ処理回路130、記憶回路140、処理回路150、及び通信インターフェース160は、互いに通信可能に接続される。また、装置本体100は、ネットワーク2に接続される。
送受信回路110は、パルス発生器、送信遅延部、パルサ等を有し、超音波プローブ101に駆動信号を供給する。パルス発生器は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、送信遅延部は、超音波プローブ101から発生される超音波をビーム状に集束し、かつ送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルス発生器が発生する各レートパルスに対し与える。また、パルサは、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ101に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、送信遅延部は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面から送信される超音波の送信方向を任意に調整する。
なお、送受信回路110は、後述する処理回路150の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
また、送受信回路110は、プリアンプ、A/D(Analog/Digital)変換器、受信遅延部、加算器等を有し、超音波プローブ101が受信した反射波信号に対して各種処理を行って反射波データを生成する。プリアンプは、反射波信号をチャネルごとに増幅する。A/D変換器は、増幅された反射波信号をA/D変換する。受信遅延部は、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、受信遅延部によって処理された反射波信号の加算処理を行って反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
送受信回路110は、被検体Pを2次元走査する場合、超音波プローブ101から2次元の超音波ビームを送信させる。そして、送受信回路110は、超音波プローブ101が受信した2次元の反射波信号から2次元の反射波データを生成する。また、本実施形態に係る送受信回路110は、被検体Pを3次元走査する場合、超音波プローブ101から3次元の超音波ビームを送信させる。そして、送受信回路110は、超音波プローブ101が受信した3次元の反射波信号から3次元の反射波データを生成する。
ここで、送受信回路110からの出力信号の形態は、RF(Radio Frequency)信号と呼ばれる位相情報が含まれる信号である場合や、包絡線検波処理後の振幅情報である場合等、種々の形態が選択可能である。
Bモード処理回路120は、送受信回路110から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行って、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
ドプラ処理回路130は、送受信回路110から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。具体的には、ドプラ処理回路130は、移動体の運動情報として、平均速度、平均分散値、平均パワー値等を、複数のサンプル点それぞれでドプラデータを生成する。ここで、移動体とは、例えば、血流や、心壁等の組織、造影剤である。ドプラ処理回路130は、血流の運動情報(血流情報) として、血流の平均速度、血流の平均分散値、血流の平均パワー値等を、複数のサンプル点それぞれで推定した情報を生成する。
ドプラ処理回路130は、MTIフィルタ及び血流情報生成部を有し、例えば、カラードプラ法を実行し、血流情報を算出する。カラードプラ法では、超音波の送受信が同一の走査線上で複数回行なわれ、同一位置のデータ列に対してMTI(Moving Target Indicator)フィルタを掛けることで、静止している組織、或いは、動きの遅い組織に由来する信号(クラッタ信号)を抑制して、血流に由来する信号を抽出する。そしてカラードプラ法では、この血流信号から血流の速度、血流の分散、血流のパワー等の血流情報を推定する。
MTIフィルタは、フィルタ行列を用いて、同一位置(同一サンプル点)の連続した反射波データのデータ列から、クラッタ成分が抑制され、血流に由来する血流信号が抽出されたデータ列を出力する。血流情報生成部は、MTIフィルタが出力したデータを用いた自己相関演算等の演算を行なって、血流情報を推定し、推定した血流情報をドプラデータとして出力する。MTIフィルタとしては、例えば、バタワース型のIIR(Infinite Impulse Response)フィルタ、多項式回帰フィルタ(Polynomial Regression Filter)等の係数が固定されたフィルタ、または固有ベクトル(eigenvector)等を用いて入力信号に応じて係数を変化させる適応型のフィルタが適用可能である。
なお、図1に例示するBモード処理回路120及びドプラ処理回路130は、2次元の反射波データ及び3次元の反射波データの両方について処理可能である。すなわち、Bモード処理回路120は、2次元の反射波データから2次元のBモードデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のBモードデータを生成する。また、ドプラ処理回路130は、2次元の反射波データから2次元のドプラデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のドプラデータを生成する。
記憶回路140は、処理回路150が生成した表示用の画像データを記憶するメモリである。また、記憶回路140は、Bモード処理回路120やドプラ処理回路130が生成したデータを記憶することも可能である。記憶回路140が記憶するBモードデータやドプラデータは、例えば、診断の後に操作者が呼び出すことが可能となっており、処理回路150を経由して表示用の超音波画像データとなる。
また、記憶回路140は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行うための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、記憶回路140が記憶するデータは、図示しないインターフェースを経由して、外部装置へ転送することができる。なお、外部装置は、例えば、画像診断を行う医師が使用するPC(Personal Computer)や、CDやDVD等の記憶媒体、プリンター等である。また、記憶回路140への記憶の形態は、ライブ情報を一時的に保存する場合と、取得された胎児情報のエビデンスのため長期にわたる記録のための保存の場合がある。
処理回路150は、超音波診断装置1の処理全体を制御する。具体的には、処理回路150は、入力インターフェース102を介して操作者から入力された各種設定要求や、記憶回路140から読み込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信回路110、Bモード処理回路120、ドプラ処理回路130の処理を制御する。また、処理回路150は、記憶回路140が記憶する表示用の超音波画像データをディスプレイ103や、入力インターフェース102におけるタッチコマンドスクリーン等にて表示するように制御する。以下、ディスプレイ103や、タッチコマンドスクリーンにて表示される超音波画像データを超音波画像とも記載する。
処理回路150は、制御機能151と、画像生成機能152と、推定機能153と、計測機能154とを実行する。なお、制御機能151は、表示制御部の一例である。また、画像生成機能152は、画像生成部の一例である。また、推定機能153は、推定部の一例である。また、計測機能154は、計測部の一例である。
ここで、例えば、図1に示す処理回路150の構成要素である制御機能151、画像生成機能152、推定機能153、及び、計測機能154が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路140に記憶されている。処理回路150は、各プログラムを記憶回路140から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路150は、図1の処理回路150内に示された各機能を有することとなる。
通信インターフェース160は、ネットワーク2を経由して外部の各種の装置と通信を行うためのインターフェースである。通信インターフェース160により、処理回路150は、外部装置と通信を行う。例えば、処理回路150は、通信インターフェース160によって、超音波診断装置1以外の外部装置との間で各種データのやり取りを行うことができる。
以上、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の全体構成について説明した。かかる構成のもと、本実施形態に係る超音波診断装置1は、組織形状の推定による半自動計測において、推定の精度を上げ、操作の煩雑性を軽減することを可能にする。具体的には、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、超音波画像における組織の計測に際して、組織形状の推定に失敗した場合に、超音波画像上に指定された組織の位置に基づいて組織形状を再推定することで形状の推定の精度を上げる。その結果、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、操作者による組織形状のマニュアル指定操作の手間を軽減することができ、操作の煩雑性を軽減することを可能にする。以下、超音波診断装置1における詳細な処理について説明する。
制御機能151は、超音波診断装置1の全体を制御する。例えば、制御機能151は、送受信回路110、Bモード処理回路120及びドプラ処理回路130を制御して、反射波データの収集と、Bモードデータ及びドプラデータの生成とを制御する。すなわち、制御機能151は、超音波プローブ101を介して、被検体に対する2次元超音波スキャン及び3次元超音波スキャンを実行させる。また、制御機能151は、画像生成機能152によって生成された超音波画像や、推定機能153、計測機能154による処理結果等をディスプレイ103に表示させるように制御する。
画像生成機能152は、Bモード処理回路120及びドプラ処理回路130が生成したデータから超音波画像データを生成する。すなわち、画像生成機能152は、Bモード処理回路120が生成した2次元のBモードデータから反射波の強度を輝度で表した2次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成機能152は、ドプラ処理回路130が生成した2次元のドプラデータから移動体情報を表す2次元ドプラ画像データを生成する。2次元ドプラ画像データは、速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらを組み合わせた画像である。また、画像生成機能152は、Bモード処理回路120が生成した1走査線上のBモードデータの時系列データから、Mモード画像データを生成することも可能である。また、画像生成機能152は、ドプラ処理回路130が生成したドプラデータから、血流や組織の速度情報を時系列に沿ってプロットしたドプラ波形を生成することも可能である。
ここで、画像生成機能152は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像を生成する。具体的には、画像生成機能152は、超音波プローブ101による超音波の走査形態に応じて座標変換を行うことで、表示用の超音波画像を生成する。また、画像生成機能152は、スキャンコンバート以外の種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行う。また、画像生成機能152は、超音波画像に、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマーク、種々のマーカ等を合成する。
すなわち、Bモードデータ及びドプラデータは、スキャンコンバート処理前の超音波画像データであり、画像生成機能152が生成するデータは、スキャンコンバート処理後の表示用の超音波画像である。なお、Bモードデータ及びドプラデータは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。画像生成機能152は、スキャンコンバート処理前の2次元超音波画像データである「2次元Bモードデータや2次元ドプラデータ」から、表示用の2次元超音波画像である「2次元Bモード画像や2次元ドプラ画像」を生成する。
さらに、画像生成機能152は、Bモード処理回路120が生成した3次元のBモードデータに対して座標変換を行うことで、3次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成機能152は、ドプラ処理回路130が生成した3次元のドプラデータに対して座標変換を行うことで、3次元ドプラ画像データを生成する。すなわち、画像生成機能152は、「3次元のBモード画像データや3次元ドプラ画像データ」を「3次元超音波画像データ(ボリュームデータ)」として生成する。また、画像生成機能152は、3次元のBモードデータや、3次元のドプラデータに対して多断面変換を行うことで、MPR画像を生成する。
上述したように、画像生成機能152は、Bモードデータ及びドプラデータに対して座標変換を行うことで、種々の表示画像を生成する。ここで、第1の実施形態に係る画像生成機能152は、胎児の部位を含む領域に対応する超音波画像を生成する。例えば、画像生成機能152は、胎児の頭部、腹部、脚、腕等の骨を含む超音波画像を生成する。
推定機能153は、超音波画像に基づいて、胎児の部位に当てはまる図形を推定する。ここで、第1の実施形態に係る推定機能153は、超音波画像に含まれる胎児の部位に当てはまる図形を推定し、推定した図形に対する修正指示を受け付けた場合に、修正指示に基づいて胎児の部位に当てはまる図形を再度推定する。なお、推定機能153による推定の詳細については、後述する。
計測機能154は、推定機能153によって推定された図形に基づいて、胎児の部位の計測を行う。例えば、計測機能154は、推定機能153によって推定された図形に基づいて、胎児の児頭周囲長(HC)、児頭大横径(BPD)、腹部周囲長(AC)、大腿骨長(FL)、上腕骨長(HL)等を計測する。制御機能151は、推定機能153による推定結果や、計測機能154による計測結果をディスプレイ103に表示させるように制御する。
以下、推定機能153による部位の推定から再推定までの処理の詳細について説明する。第1の実施形態に係る推定機能153は、超音波画像に基づいて、胎児の部位に当てはまる第1の図形を推定する。具体的には、推定機能153は、画像生成機能152によって生成された超音波画像に含まれる胎児の頭部、腹部、脚、腕等の骨に当てはまる第1の図形を推定する。図2は、第1の実施形態に係る推定機能153による第1の図形の推定の一例を示す図である。ここで、図2においては、胎児の頭部の断層像を示し、頭部に当てはまる楕円を推定する場合の例を示す。
図2に示すように、例えば、推定機能153は、超音波画像に示される胎児の頭部301に当てはまる図形として、楕円302を推定する。なお、推定機能153による楕円の推定の詳細については後述する。図2に示すように、推定機能153が、頭部301に当てはまる楕円302を推定すると、計測機能154は、推定された楕円302に基づいて、児頭周囲長(HC)や、児頭大横径(BPD)を計測する。すなわち、計測機能154は、楕円302の周長や、短軸長を計測する。また、図2に示すように、推定機能153が、頭部301に当てはまる楕円302を推定すると、制御機能151は、超音波画像上に楕円302や、楕円302の構成点303等をマークとして表示させる。
ここで、図2に示すように、推定機能153が、頭部301に当てはまる楕円として、楕円302を推定し、推定された楕円302が超音波画像上で表示された場合、操作者は、頭部301に当てはまる楕円の推定に成功したと判断して、計測機能154によって計測された児頭周囲長(HC)や、児頭大横径(BPD)等を診断に用いることができる。
一方、推定機能153による推定は、必ずしも成功するとは限らず、頭部301に当てはまる楕円の推定に失敗する場合がある。例えば、推定機能153は、他の組織や、アーチファクト(例えば、体表付近の高輝度等)によって楕円の推定に失敗する場合がある。第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、このような状況において、図形を再推定する。ここで、推定機能153は、入力インターフェース102を介して入力された超音波画像上の位置を利用して図形の再推定を行う。以下、図形の再推定について、図3及び図4を用いて説明する。図3及び図4は、第1の実施形態に係る推定機能153による図形の再推定を説明するための図である。
例えば、図3に示すように、推定機能153が、超音波画像に示される胎児の頭部301に当てはまる図形として楕円304を推定し、推定された楕円304が超音波画像上で表示された場合、操作者は、頭部301に当てはまる楕円の推定に失敗したと判断することができる。そこで、制御機能151は、超音波画像をディスプレイ103に表示させ、超音波画像上に、推定機能153が最初に推定した図形(第1の図形)に対応する第1のマーカを表示させる。ここで、図形に対応するマーカとは、図形を示す表示情報であり、図形そのものを示す形状の情報や、図形を構成する構成部分を含む。
例えば、制御機能151は、図4の上段の図に示すように、推定機能153によって推定された楕円304と、楕円304の構成点305を超音波画像上に表示させる。ここで、楕円304における構成点305は、予め決められた位置の構成点が表示される場合でもよく、或いは、操作者によって指定された位置の構成点が表示される場合であってもよい。一例を挙げると、制御機能151は、推定機能153によって推定された楕円の短軸上の1点を表示させる。
図4の上段の図に示すように、制御機能151が、超音波画像上に第1のマーカを表示させると、入力インターフェース102は、超音波画像上の位置を指定する入力を受け付ける。具体的には、入力インターフェース102は、超音波画像において胎児の部位を示す位置を指定する入力を受け付ける。例えば、入力インターフェース102は、図4の下段の図に示すように、構成点305を点305aに移動することで、頭部301の輪郭上の点305aを指定する入力を受け付ける。
推定機能153は、制御機能151が第1のマーカを表示させた後で、入力インターフェース102が入力を受け付けた場合、超音波画像及び入力により指定された位置に基づいて、部位に当てはまる、第1の図形と同種の第2の図形を推定する。具体的には、推定機能153は、入力により指定された部位を示す位置を図形の構成部分として含む第2の図形を推定する。例えば、推定機能153は、頭部301に対応する楕円として、頭部301の輪郭上の点305aを構成点として含む楕円を推定する。
上述したように、推定機能153は、最初の図形推定に失敗した場合、入力インターフェース102を介して入力された胎児の部位を示す位置を含むように、図形を再推定する。ここで、第1の実施形態に係る推定機能153は、楕円のパラメータごとの楕円候補群の中から最もよく当てはまる楕円を選択することで、胎児の部位に当てはまる楕円を推定する。具体的には、推定機能153は、入力により指定された位置を図形の構成部分として含む複数の第2の図形候補を超音波画像に当てはめた際のコストをそれぞれ算出し、算出したコストが最小となる第2の図形候補を第2の図形として推定する。
例えば、推定機能153は、コスト関数によって定義された以下の式(1)に基づいて、楕円を推定する。ここで、式(1)における「C(foval(p))」は、「p」を楕円のパラメータとしたコスト関数であり、例えば、以下の式(2)に示すように設計される。なお、式(2)における「I(x,y)」は輝度値を示し、「Nf(p)=1」は楕円円周上の画素の数を示す。
すなわち、推定機能153は、式(1)に示すように、楕円のパラメータを種々変更しながらコスト関数によって算出される複数のコストのうち、コストが最小となる楕円のパラメータを推定する。ここで、コスト関数は、式(2)に示すように、楕円円周上の画素の輝度値の相加平均が大きいほどコストが小さくなるように設計される。これは、「骨は、超音波画像において画素の輝度値が高い」という仮定のもと設計されている。すなわち、超音波画像上に楕円を配置した場合、楕円が頭部の骨と重なっているほど、楕円に相当する位置の画素の輝度値の相加平均が大きくなる。従って、コストが最小となる楕円が頭部の骨と最も重なっていることを示す。
このように、推定機能153は、楕円のパラメータを種々変更して算出したコストのうち、コストが最小となる楕円のパラメータを抽出することで、胎児の部位(頭部)に当てはまる楕円を推定する。ここで、上述したように、本実施形態における再推定では、入力により指定された位置を図形の構成部分として含む楕円が推定される。すなわち、推定機能153は、再推定の際には、楕円のパラメータの数が減った条件で楕円を推定することができ、楕円の推定の精度を向上させることができる。
以下、楕円推定のパラメータの例について、図5A~図5Cを用いて説明する。図5A~図5Cは、第1の実施形態に係る楕円のパラメータの一例を説明するための図である。例えば、図5Aに示すように、楕円の中心座標を「(xc,yc)」、長径を「a」、短径を「b」とし、回転の要素を除外すると、楕円は、以下の式(3)によって示される。
すなわち、楕円は、式(3)に示すように、「a」、「b」、「xc」、「yc」の4つのパラメータによって示される。なお、楕円のパラメータの種類及び数は、式(3)に示すものに限られず、短径、長径を用いる代わり、一方の径と、縦横比との組み合わせを用いる場合であってもよい。かかる場合には、楕円は、以下の式(4)によって示される。なお、式(4)における「b」は一方の径を示し、「R」は縦横比を示し、「(xc,yc)」は中心座標を示す。ここで、縦横比「R」は、多くの胎児であまり変わることがないため、パラメータの範囲を制約するのに適している。
上述したように、推定機能153は、式(3)や式(4)等で示される楕円の式に含まれるパラメータを種々変更しながら、コストが最小となる楕円を推定する。ここで、本実施形態における楕円の再推定では、入力により指定された位置を図形の構成部分として含む楕円を推定することで、パラメータの数を減らすことができる。例えば、図5Bに示すように、操作者の入力によって「(x1,y1)」が指定されると、推定機能153は、点「(x1,y1)」を通る楕円を推定することとなる。すなわち、楕円が点「(x1,y1)」を通過するとした場合、式(4)を以下の式(5)に変形することができ、楕円の一方の径「b」をその他のパラメータによって表現することができるようになる。
従って、式(4)における「b」に対して式(5)を代入することで、パラメータの数を減らすことができる。これにより、「b」を変化させる必要がなくなり、推定に用いる楕円候補の数を削減することができ、楕円推定の精度を向上させることができる。例えば、推定機能153は、最初の楕円推定では、「b」を含めた4つのパラメータを種々変化させた楕円候補についてそれぞれコストを算出して、コストが最小となる楕円を抽出するが、再推定では、「b」を削減した3つのパラメータを種々変化させた楕円候補についてそれぞれコストを算出するだけでよく、楕円推定の精度を向上させることができる。
なお、削減するパラメータは「b」に限らず、その他のパラメータを削減する場合であってもよいが、変化させる範囲がより広いものを削減の対象とすることが望ましい。例えば、楕円の縦横比「R」は、胎児で大きな違いはないため、もともと変化させる範囲が狭い。すなわち、パラメータ「R」を変化させることで得られる楕円候補の数が少ない。従って、推定機能153は、削減するパラメータの種類として、変化させる範囲がより広いものを優先する。
ここで、上述した例では、操作者が1点を指定する場合について説明したが、2点以上指定する場合であってもよい。例えば、図5Cに示すように、操作者の入力によって「(x1,y1)」及び「(x2,y2)」が指定されると、推定機能153は、点「(x1,y1)」及び「(x2,y2)」を通る楕円を推定することとなる。例えば、楕円が点「(x1,y1)」及び「(x2,y2)」を通過するとした場合、式(4)を以下の式(6)に変形することができ、パラメータ「yc」をその他のパラメータによって表現することができるようになる。
従って、式(4)における「yc」に対して式(6)を代入することで、パラメータの数を減らすことができる。これにより、「yc」についても変化させる必要がなくなり、推定に用いる楕円候補の数をさらに削減することができ、楕円推定の精度を向上させることができる。
上述したように、第1の実施形態に係る推定機能153は、超音波画像上に指定された位置を用いて楕円のパラメータを削減することで、楕円推定の精度を向上させることができる。さらに、推定機能153は、パラメータを変化させる範囲をできるだけ制約することで、図形推定の精度をより向上させることができる。すなわち、上述したパラメータの削減に加えて、パラメータを変化させる範囲をより狭くすることで、図形の候補の数をより削減させることができ、図形推定の精度をより向上させることができる。
具体的には、推定機能153は、胎児に関する情報に基づいて設定される制約をさらに満たすように、第2の図形を推定する。一例を挙げると、推定機能153は、胎児の過去の計測結果や、現在の計測済みの結果、双子等複数の胎児の一方の計測結果等に基づく制約を用いて第2の図形を推定する。
例えば、胎児の過去の計測結果を用いる場合、推定機能153は、胎児の週数と計測値との関係に基づいて設定される制約を用いて第2の図形を推定する。胎児のBPD、AC、FL、HL等の各計測値は、胎児の週数と密接な関係がある。そこで、推定機能153は、過去の計測結果から現在の計測値を推定し、推定した計測値からパラメータを変化させる範囲を狭める。例えば、推定機能153は、過去のHCとBPDの計測結果から現在のHCとBPDの値を推定し、推定した値から楕円の縦横比「R」を変化させる範囲を決定する。すなわち、推定機能153は、現在の楕円の縦横比「R」として取りうる可能性が高い範囲で「R」を変化させた複数の楕円候補のコストをそれぞれ算出し、コストが最小となる楕円を抽出する。
また、例えば、現在の計測済みの結果を用いる場合においても、推定機能153は、胎児の週数と計測値との関係を用いることができる。例えば、すでにFLが計測済であって、次にBPDを測る場合、同一胎児であれば、過去のFLの計測値から、楕円径「b」を変化させる中心値を、週数とFL・BPDの相互関係より設定し、楕円径「b」を変化させる範囲を狭くする。
また、例えば、双子等複数の胎児の一方の計測結果を用いる場合、推定機能153は、一方の胎児の計測結果から他方の胎児の計測値を推定し、推定した計測値からパラメータを変化させる範囲を狭める。
上述した例では、胎児の頭部を例に挙げて説明したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、胎児の腹部や、脚や腕等の計測に適用される場合であってもよい。かかる場合には、例えば、推定機能153は、腹部の断層像に当てはまる図形として楕円を推定する。ここで、推定機能153は、腹部の楕円を推定する場合にも、上記した頭部と同様の推定を行う。すなわち、推定機能153は、超音波画像上に指定された位置を構成部分として含む楕円の推定をすることで、楕円のパラメータを削減する。さらに、推定機能153は、胎児に関する情報に基づいて設定される制約をさらに満たすように、楕円を推定することで、パラメータの変化の範囲を狭くする。
ここで、推定機能153は、胎児の腹部の断層像に当てはまる楕円を推定する場合に、縦横比を「1:1」として設定する場合であってもよい。すなわち、推定機能153は、胎児の腹部の断層像に当てはまる楕円を推定する場合に、真円を当てはめるようにしてもよい。これにより、パラメータの数を減らすことができ、推定の精度をさらに向上させることができる。
また、例えば、脚や腕の骨等を計測する場合、推定機能153は、各骨に対応する図形として、四角形、又は線分を推定する。一例を挙げると、推定機能153は、大腿骨、脛骨、腓骨、上腕骨、尺骨又は橈骨に対して四角形又は線分を当てはめる。例えば、推定機能153は、対象となる骨を囲む四角形や、骨の長手方向に重なる線分を推定する。ここで、これらの骨に図形を当てはめる場合にも、推定機能153は、上記した楕円の推定と同様に、超音波画像上に指定された位置を構成部分として含む四角形又は線分を推定することで、四角形又は線分のパラメータを削減する。さらに、推定機能153は、胎児に関する情報に基づいて設定される制約をさらに満たすように、四角形又は線分を推定することで、パラメータの変化の範囲を狭くする。
ここで、脚や腕の骨に当てはまる図形を推定する場合、長さがあまり変わらない骨については、一方の骨の計測結果を用いて他方の骨の計測を制約することもできる。例えば、一方が尺骨であり、他方が橈骨である場合や、一方が脛骨であり、他方が腓骨である場合に、推定機能153は、どちらかの骨の計測結果を用いて他方の図形のパラメータの範囲を狭くする。
上述したように、推定機能153は、超音波画像上に指定された位置を用いて楕円のパラメータを削減することで、楕円推定の精度を向上させることができる。ここで、超音波画像上に指定する位置を予め決められた位置にしておくことで、図形の候補をさらに少なくすることもできる。例えば、超音波画像上で指定される位置が、楕円の短軸上の1点と決められている場合、推定機能153は、指定された点を通り、かつ、指定された点が短軸上の1点となる楕円のみを候補とすることができる。
上述したように推定機能153が、図形を再推定すると、計測機能154は、再推定された図形に基づいて各種計測を行う。そして、制御機能151は、超音波画像上に再推定の結果と計測結果を表示させる。図6は、第1の実施形態に係る制御機能151による表示の一例を示す図である。例えば、制御機能151は、図6に示すように、頭部301の再推定された楕円304aや、楕円304aの構成点305a、305bを超音波画像上に表示させる。さらに、制御機能151は、図6に示すように、再推定された楕円304aに基づくBPDの計測結果を表示させる。操作者は、図6に示す再推定の結果と計測結果とを参照して、計測結果が正確であると判断することができる。
次に、第1の実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順について説明する。図7、図8は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の処理手順を示すフローチャートである。ここで、図8における処理は、図7におけるステップS107の処理に対応する。なお、ステップS105における図形の推定においても図8に示す処理が実行される。また、図8では、楕円を推定する場合の処理について示す。
図7におけるステップS101~ステップS104、ステップS106、ステップ108、ステップS110は、例えば、処理回路150が制御機能151に対応するプログラムを記憶回路140から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS105、ステップS107は、例えば、処理回路150が制御機能151に対応するプログラム及び推定機能153に対応するプログラムを記憶回路140から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS109は、例えば、処理回路150が計測機能154に対応するプログラムを記憶回路140から読み出して実行することにより実現される。
本実施形態に係る超音波診断装置1では、図7に示すように、処理回路150が、まず、超音波プローブ101によって受信されたエコーデータに基づいて超音波画像を生成して、ディスプレイ103に表示させる(ステップS101)。次に、処理回路150は、フリーズボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS102)。ここで、フリーズボタンが押下された場合(ステップS102肯定)、処理回路150は、フリーズボタンが押下された際の断面を表示させる(ステップS103)。なお、処理回路150は、フリーズボタンが押下されるまで、リアルタイムの超音波画像の表示を継続する(ステップS102否定)。
次に、処理回路150は、計測ボタンが押下され、計測項目が選択されたか否かを判定する(ステップS104)。ここで、計測ボタンが押下され、計測項目が選択された場合(ステップS104肯定)、処理回路150は、部位に当てはまる図形を推定して、超音波画像上に表示させる(ステップS105)。なお、処理回路150は、計測ボタンが押下され、計測項目が選択されるまで、待機状態である(ステップS104否定)。また、図示していないが、処理回路150は、図形の推定が完了すると各種計測を行う。
そして、処理回路150は、図形の構成点が移動されたか否かを判定する(ステップS106)。ここで、図形の構成点が移動された場合(ステップS106肯定)、処理回路150は、移動後の構成点を含む図形を推定して、超音波画像上に表示させる(ステップS107)。一方、図形の構成点が移動されていない場合(ステップS106否定)、処理回路150は、処理を終了する。
ステップS107において再推定した図形を表示させると、処理回路150は、再度、図形の構成点が移動されたか否かを判定する(ステップS108)。ここで、図形の構成点が移動された場合(ステップS108肯定)、処理回路150は、ステップS107に戻って、移動後の構成点を含む図形を推定して、超音波画像上に表示させる(ステップS107)。一方、図形の構成点が移動されていない場合(ステップS108否定)、処理回路150は、推定した図形に基づいて計測を行い(ステップS109)、超音波画像上の図形と共に、計測結果を表示させる(ステップS110)。
また、本実施形態に係る超音波診断装置1では、図8に示すように、処理回路150が、移動後の構成点を含む楕円候補群を抽出し、抽出した楕円候補群の中から楕円パラメータを選択して(ステップS1071)、楕円のコストを算出する(ステップS1072)。そして、処理回路150は、算出したコストが最小か否かを判定する(ステップS1073)。
ここで、コストが最小の場合(ステップS1073肯定)、処理回路150は、最小のコストと、最小のコストとなるパラメータを更新して(ステップS1074)、全ての候補についてコストを算出したか否かを判定する(ステップS1075)。一方、コストが最小ではない場合(ステップS1073否定)、処理回路150は、全ての候補についてコストを算出したか否かを判定する(ステップS1075)。
ステップS1075において、全ての候補についてコストを算出していない場合(ステップS1075否定)、処理回路150は、ステップS1071に戻って、楕円候補群の中から楕円パラメータを選択する。一方、全ての候補についてコストを算出している場合(ステップS1075肯定)、処理回路150は、最小のコストとなるパラメータの楕円を、超音波画像上に表示させる(ステップS1076)。
上述したように、第1の実施形態によれば、画像生成機能152が、被検体に対する超音波スキャンにより収集されたデータに基づいて、胎児の部位を含む領域に対応する超音波画像を生成する。推定機能153が、超音波画像に基づいて、部位に当てはまる第1の図形を推定する。制御機能151が、超音波画像を表示部に表示させ、超音波画像上に、第1の図形に対応する第1のマーカを表示させる。入力インターフェース102が、超音波画像上の位置を指定する入力を受け付ける。推定機能153は、制御機能151が第1のマーカを表示させた後で、入力インターフェース102が入力を受け付けた場合、超音波画像及び入力により指定された位置に基づいて、部位に当てはまる、第1の図形と同種の第2の図形を推定する。制御機能151は、超音波画像上に、第2の図形に対応する第2のマーカを表示させる。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、指定された位置を用いることで、図形を示すパラメータの数を削減することができ、組織形状の推定による半自動計測において、推定の精度を上げ、操作の煩雑性を軽減することを可能にする。
例えば、最初の図形推定に失敗した後に、マニュアル操作で図形を指定する場合、操作者は、超音波画像を参照しながら、部位の形状に合わせて図形の複数の構成点を移動させることとなり、操作が煩雑になる。例えば、楕円をマニュアル操作で指定する場合、操作者は、少なくとも、短径の2点と長径の1点、又は、短径の1点と長径の2点を指定することとなる。さらに、操作者は、指定後に、指定後の図形における計測を再度実行するように操作することとなる。このように、最初の図形推定に失敗した後に、マニュアル操作で図形を指定する場合には、操作が煩雑になる。
第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、このようなマニュアル操作を行う前に、図形の構成点を1点指定するだけで、精度の高い再推定を行うことができる。従って、操作者がマニュアル操作を行う状況を減らすことができ、操作の煩雑性を軽減することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、計測機能154は、第1の図形に基づく計測により第1の計測値を取得し、第2の図形に基づく計測により第2の計測値を取得する。制御機能151は、第1のマーカと共に第1の計測値を表示させ、第2のマーカと共に第2の計測値を表示させる。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、精度の高い推定によって得られた図形に基づく計測を行うことができ、より正確な計測値を得ることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、第1の図形及び第2の図形は、楕円、四角形、又は線分である。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、胎児の計測の精度を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、入力インターフェース102は、超音波画像において部位を示す位置を指定する入力を受け付ける。推定機能153は、入力により指定された部位を示す位置を図形の構成部分として含む第2の図形を推定する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、図形のパラメータの数を削減して、推定の精度を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、推定機能153は、入力により指定された位置を図形の構成部分として含む複数の第2の図形候補を超音波画像に当てはめた際のコストをそれぞれ算出し、算出したコストが最小となる第2の図形候補を第2の図形として推定する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、楕円の推定を精度よく行うことを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、推定機能153は、胎児に関する情報に基づいて設定される制約をさらに満たすように、第2の図形を推定する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、図形のパラメータを変化させる範囲を狭くすることができ、推定の精度をより向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、計測機能154は、推定機能153により推定された楕円に基づいて、児頭周囲長、児頭大横径又は腹部周囲長を計測する。また、計測機能154は、推定機能153に推定された四角形又は線分に基づいて、大腿骨、脛骨、腓骨、上腕骨、尺骨又は橈骨の長さを計測する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、胎児の種々の計測を精度よく行うことを可能にする。
(第2の実施形態)
上述した実施形態では、複数の図形の候補の中からコストが最小となる図形を選択することで、図形を推定する場合について説明した。第2の実施形態では、部位のエッジ検出を行うことで図形を推定する場合について説明する。なお、以下、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
第2の実施形態に係る推定機能153は、超音波画像におけるエッジを示す点列を検出し、検出した点列に近似し、かつ、入力により指定された位置を図形の構成部分として含む図形を第2の図形として推定する。図9は、第2の実施形態に係る推定機能153による図形の推定の一例を説明するための図である。なお、図9では、楕円を推定する場合を示す。
例えば、推定機能153は、まず、胎児の頭部401を含む超音波画像から、頭部401のエッジを検出する。ここで、推定機能153は、例えば、以下の3つの手法等により超音波画像からエッジを検出する。(1)胎児の頭蓋骨に輝度の閾値を設定し、所定以上の輝度をエッジとする。(2)入力画像をガウシアンフィルタで平滑化し、平滑化された画像の微分を計算して勾配の大きさと方向を求め、方向に沿った成分のみ画像を強調した上で画像の閾値をとることでエッジを得る。(3)過去の画像とエッジとの関係をニューラルネットワーク等で予め学習させておき、学習過程の各パラメータを求めておいてから、入力画像と学習過程の各パラメータによりエッジを得る。
上述したように、エッジを検出すると、推定機能153は、画像のエッジに細線化等の処理を施すことで、図9の上段の図に示すように、エッジの点列402を抽出する。そして、推定機能153は、抽出したエッジの点列402に対して楕円のフィッティングを行うことで楕円を抽出する。ここで、推定機能153は、入力インターフェース102を介して指定された位置を楕円の構成部分として含むように楕円を推定する。すなわち、推定機能153は、図9の下段の図に示すようにエッジの点列402に対してフィッティングを行うことで楕円404を抽出する場合に、入力により指定された楕円の構成点を通過するように、楕円404のフィッティングを行う。
なお、フィッティング方法は、最小二乗法、最尤推定法等の手法を利用できる。また、点列の外れ値除去のため、RANSAC(Random Sample Consensus)等のアルゴリズムを併用してもよい。
また、以上の処理において、楕円のフィッティングに代えて、ハフ(Hough)変換により楕円のパラメータを直接求めるか、接線もしくは楕円が接する円のパラメータを求めてから、間接的に楕円のパラメータを求めるようにしてもよい。上記手法による楕円の推定でも、楕円の方程式と楕円のパラメータを利用することは第1の実施形態と変わらないため、楕円上の点のマニュアル指定による楕円パラメータの削減や、楕円パラメータをとりうる範囲の制約によって、楕円推定の精度の向上が可能であることから、第1の実施形態と同様に、操作の煩雑性を軽減することができる。
また、エッジ検出において機械学習を用いる事例においては、操作者がマニュアルで楕円位置を修正した結果を用いて、再学習させるようにしても良い。より具体的には、装置自体、もしくは装置とネットワークで接続された処理システムに学習辞書データのみならず、過去画像とエッジの組を保存しておき、操作者による楕円上の点の計算上の重みを他のエッジ点に比べて大きくする。
次に、第2の実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順について説明する。図10は、第2の実施形態に係る超音波診断装置1の処理手順を示すフローチャートである。なお、図10においては、図7におけるステップS107の処理に対応する。また、ステップS105における図形の推定においても図10に示す処理が実行される。また、図10では、楕円を推定する場合の処理について示す。
本実施形態に係る超音波診断装置1では、図10に示すように、処理回路150が、まず、画像からエッジを抽出して(ステップS2071)、エッジの点列を抽出する(ステップS2072)。次に、処理回路150は、指定された構成点を含むように楕円をフィッティングして(ステップS2073)、楕円の各パラメータを抽出する(ステップS2074)。そして、処理回路150は、抽出したパラメータの楕円を超音波画像上に表示させる(ステップS2075)。
上述したように、第2の実施形態によれば、推定機能153は、超音波画像におけるエッジを示す点列を検出し、検出した点列に近似し、かつ、入力により指定された位置を図形の構成部分として含む図形を第2の図形として推定する。従って、第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、エッジ検出による図形の推定においても、推定の精度を向上させることを可能にする。
(第3の実施形態)
上述した実施形態では、胎児の過去の計測結果や、現在の計測済みの結果、双子等複数の胎児の一方の計測結果等に基づいて、図形のパラメータの範囲に制約をかける場合について説明した。第3の実施形態では、同一の画像内の同一胎児の異なる部位や、同一胎児の異なる画像における同一部位、双子等の複数の胎児における同一部位において、一方の部位の計測結果に基づいて、他方の部位の推定に制約をかける場合について説明する。すなわち、第3の実施形態では、パラメータによる推定ではなく、一方の部位の計測結果を用いて他方の部位の推定の精度を向上させる場合について説明する。なお、以下、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
同一の画像内の同一胎児の異なる部位に適用する場合、第3の実施形態に係る画像生成機能152は、被検体に対する超音波スキャンにより収集されたデータに基づいて、胎児の第1の部位及び第2の部位を含む領域に対応する超音波画像を生成する。例えば、画像生成機能152は、尺骨と橈骨を含む超音波画像や、脛骨と腓骨を含む超音波画像等を生成する。
そして、第3の実施形態に係る推定機能153は、超音波画像と、第1の部位に当てはまる第1の図形又は第1の図形に基づく計測により取得された第1の計測値と、に基づいて、第2の部位に当てはまる第2の図形を推定する。例えば、推定機能153は、尺骨又は橈骨のどちらか一方の計測結果に基づいて、他方の骨に当てはまる図形を推定する。ここで、推定機能153は、骨に当てはまる図形として、四角形又は線分を推定する。
図11は、第3の実施形態に係る推定機能153による四角形の推定の一例を示す図である。例えば、推定機能153は、図11に示すように、骨501に外接する四角形502を推定する。ここで、第3の実施形態に係る推定機能153は、複数の部位のうち、計測済みの部位の計測結果を用いて、他方の部位の推定に制約をかける。一例を挙げると、推定機能153は、計測済みの部位の計測結果を用いて、超音波画像から抽出される骨相当の領域のなかから、目的の骨の領域を抽出する。例えば、推定機能153は、計測済みの骨のサイズから目的の骨のサイズを推定し、推定したサイズに相当する骨相当の領域を抽出する。
また、同一胎児の異なる画像における複数の部位に適用する場合、第3の実施形態に係る画像生成機能152は、被検体に対する超音波スキャンにより収集されたデータに基づいて、胎児の第1の部位を含む第1の領域に対応する第1の超音波画像、及び胎児の第2の部位を含む第2の領域に対応する第2の超音波画像を生成する。
そして、第3の実施形態に係る推定機能153は、第2の超音波画像と、第1の部位に当てはまる第1の図形又は第1の図形に基づく計測により取得された第1の計測値と、に基づいて、第2の部位に当てはまる第2の図形を推定する。例えば、推定機能153は、過去画像における尺骨の計測結果に基づいて、現在画像における尺骨に当てはまる図形を推定する。或いは、例えば、推定機能153は、現在画像における尺骨の計測結果に基づいて、現在画像における腓骨に当てはまる図形を推定する。この場合も上記と同様に、推定機能153は、計測済みの骨のサイズから目的の骨のサイズを推定し、推定したサイズに相当する骨相当の領域を抽出する。
また、双子等の複数の胎児における同一部位に適用する場合、第3の実施形態に係る画像生成機能152は、被検体に対する超音波スキャンにより収集されたデータに基づいて、第1の胎児の第1の部位を含む第1の領域に対応する第1の超音波画像と、第2の胎児の第2の部位を含む第2の領域に対応する第2の超音波画像とを生成する。
そして、第3の実施形態に係る推定機能153は、第2の超音波画像と、第1の部位に当てはまる第1の図形又は第1の図形に基づく計測により取得された第1の計測値と、に基づいて、第2の部位に当てはまる第2の図形を推定する。例えば、推定機能153は、第1の胎児における尺骨の計測結果に基づいて、第2の胎児における尺骨に当てはまる図形を推定する。この場合も上記と同様に、推定機能153は、計測済みのサイズから目的の骨のサイズを推定し、推定したサイズに相当する骨相当の領域を抽出する。
上述したように、推定機能153が図形を推定すると、制御機能151が、推定結果をディスプレイ103に表示させる。例えば、制御機能151は、超音波画像を表示させ、超音波画像上に、第1の図形に対応する第1のマーカ及び第2の図形に対応する第2のマーカを表示させる。また、例えば、制御機能151は、第1の超音波画像を表示させ、第1の超音波画像上に、第1の図形に対応する第1のマーカを表示させ、第2の超音波画像を表示させ、第2の超音波画像上に、第2の図形に対応する第2のマーカを表示させる。
次に、第3の実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順について説明する。図12は、第3の実施形態に係る超音波診断装置1の処理手順を示すフローチャートである。なお、図12においては、推定機能153による図形の推定の処理のみを示す。
本実施形態に係る超音波診断装置1では、図12に示すように、処理回路150が、まず、検出領域を制約して(ステップS301)、領域内の画素値のヒストグラムを算出する(ステップS302)。そして、処理回路150は、ヒストグラムから閾値を算出する(ステップS303)。例えば、処理回路150は、画像の輝度値の上位5%になるような条件を設定し、その条件で最小となる輝度値を閾値とする。
そして、処理回路150は、算出した閾値を用いて画像を2値化する(ステップS304)。ここで、得られた2値画像には、過剰な領域や穴等のノイズがあるため、処理回路150は、モルフォロジー処理を実行してノイズを除去する(ステップS305)。具体的には、処理回路150は、オープニングとクロージングによってノイズを除去する。この処理により、目的とする部位以外の組織形状も抽出されることとなる。
そして、処理回路150は、抽出された組織形状ごとにIDを付与して(ステップS306)、各IDの領域の長さをそれぞれ算出する(ステップS307)。ここで、各IDの領域は、抽出された組織形状に外接する四角形であり、領域の長さは、回転キャリパー法(rotating calipers)によって求めることができる。なお、長さの計算は、回転キャリパー法に限られず、例えば、2値データと重心を用いて、最初に重心から最も遠い点Aと、点Aから最も遠い点Bとを求め、AB間の距離を長さとする方法等を適用することができる。
その後、処理回路150は、計測済みの骨の長さと、算出した各IDの領域の長さとから、目的とする組織形状を抽出する(ステップS308)。例えば、処理回路150は、計測済みの骨の長さから推定した目的の骨の長さに相当する図形に含まれる組織形状を抽出する。ここで、目的とする部位が超音波画像上で最も長い組織であると仮定した場合、ステップS307で算出した長さのうち、最も長い組織を優先的に選択するようにする場合であってもよい。
また、図12におけるステップS301では、検出領域を制約するが、この制約は、図形を推定する領域を操作者が選んだ関心領域のみとすることや、組織形状が存在し得ない領域または計測しなくてもよい領域を除外すること等が含まれる。また、例えば、尺骨と橈骨のように、同一画面上に近接して存在し、かつ、長さがあまり変わらないものがある。この場合には、処理回路150は、一方の測定が終わった後、他方の長さの推定を行う場合に、計測済みの領域を除去するか、最も長い領域と2番目に長い領域のIDのうち、計測済みのIDを除外するようにする。例えば、処理回路150は、図13における計測済みの尺骨601はIDから外し、橈骨602のみを推定対象とする。これにより、過去に計測した形状が再度選ばれる、または誤って別の部位が選ばれることを防ぐことができる。なお、図13は、第3の実施形態に係る推定機能153による処理の一例を説明するための図である。
上述したように、第3の実施形態によれば、推定機能153は、同一の画像内の同一胎児の異なる部位や、同一胎児の異なる画像における同一部位、双子等の複数の胎児における同一部位において、一方の部位の計測結果に基づいて、他方の部位の推定に制約をかける。従って、第3の実施形態に係る超音波診断装置1は、計測済みの情報を用いて図形を推定することができ、推定の精度を向上させることを可能にする。
(第4の実施形態)
さて、これまで第1~3の実施形態について説明したが、上述した第1~3の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した実施形態では、部位に当てはまる図形を推定する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、推定される図形が、厳密に部位に当てはまっていなくともよい。
また、上述した実施形態では、ユーザによって計測項目が選択される場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、自動判別される場合であってもよい。かかる場合には、例えば、推定機能153は、第1の部位の推定結果に基づいて部位及び計測の種別を判別し、判別した種別に応じた形状の図形に基づいて第2の図形を推定する。例えば、BPDやACの計測における楕円推定の処理には、目的の組織形状の特徴量の抽出も含まれている。そこで、推定機能153は、目的の組織形状を表示している状態で、計測ボタンが押下されると、胎児の頭部か腹部かを判別する機能を実行し、その機能を用いて計測の対象部位及び計測の種類を自動判別する。これにより、操作者の操作手順を減らすことができる。
また、推定機能153は、辞書データに基づいて図形を推定することもできる。具体的には、推定機能153は、部位に当てはまる図形のデータを学習データとして生成された、部位と図形のパラメータとの関係を示す辞書データに基づいて、第2の図形を推定する。すなわち、推定機能153は、推定した部位と図形との関係を学習データとして、辞書データを生成して、記憶回路140に格納する。ここで、辞書データは、再推定によって導出された部位と図形のパラメータとの関係によって更新される。
また、上述した実施形態では、超音波診断装置1が、各種処理を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、ネットワーク上の情報処理装置によって実施される場合であってもよい。かかる場合には、例えば、超音波診断装置1によって収集された超音波画像データが、ネットワーク2を介して外部の情報処理装置に送信される。そして、外部の情報処理装置の処理回路が、上述した制御機能151、画像生成機能152、推定機能153、計測機能154と同様の処理を実行する。
上述した実施形態において図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、上述した実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路140に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路140にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。更に、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
また、上述した実施形態で説明した画像処理方法は、予め用意された画像処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この画像処理方法は、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この画像処理方法は、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、画像内の構造物を計測するときの操作の煩雑性を軽減することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。