JP7007781B1 - 水分散装置 - Google Patents
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Abstract
Description
該反応停止剤は前記水系溶媒より密度が小さく、かつ、前記疎水性炭化水素より密度が大きいことが好ましい。
さらに、本発明の水分散装置を用いて得られた親水性多糖高分子の水分散液は、粒度分布の均一性をより高くすることが可能である。
疎水性炭化水素は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水は、使用目的により適宜純度を選択することができる。たとえば、精製水、蒸留水、水道水、工業用水、脱気水等を用いることができる。
必要な添加剤は、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等が例示される。
水と同様な親水性を有する溶媒は、エタノール、エチレングリコール、グリセリン、1,3-BG(ブチレングリコール)等が例示される。
水系溶媒は、疎水性炭化水素と液-液界面を形成する親水性を有する。また、水系溶媒は1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、反応槽3は、攪拌可能となるように攪拌フィン等が設けられてもよい。槽内の反応内容により、攪拌速度を調整し、また、静置が望ましい場合は攪拌を停止することもできる。
油槽2の油に用いられる疎水性炭化水素は、疎水性を有する炭化水素から適宜選択されるが、特に、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、スクワラン等が好ましい。なお、水系溶媒と液-液界面を形成する性質であることが要求されるため、エステル基やヒドロキシル基、エーテル基等を有する植物油やアルコール等の疎水性の低い炭化水素は好ましくない。
油槽2の油として、疎水性炭化水素を1種用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、油槽2は、攪拌可能となるように攪拌フィン等が設けられてもよい。槽内の分散条件により、攪拌速度を調整することができる。
また、反応槽3に送られた油が、反応槽3の疎水性炭化水素とより効率的に混合されるように、流路5の反応槽3側は、反応槽3の液-液界面より上部に配置されることが好ましい。反応槽3の液-液界面より上部であれば、疎水性炭化水素の層より上方であっても、疎水性炭化水素の層内に注ぎ込むような位置であってもよい。
なお、液-液界面より下方に配置されても、該油は水系溶媒との密度差により反応槽3の疎水性炭化水素に向かって移動して疎水性炭化水素と混合し、最終的には液-液界面を形成するため、効率的ではないが許容される。
油槽2に投入された親水性多糖高分子を含有する粉末は、油槽2の油に分散され、流路5を介して反応槽3に送られる。なお、親水性多糖高分子は、油槽2の油に分散されつつ解繊が始まる。
油槽2の油に分散された親水性多糖高分子は、反応槽3の疎水性炭化水素の層と混合されつつさらに解繊が進み、液-液界面で水系溶媒中の水と会合し、水系溶媒中に移行して分散する。
水分散装置1を用いることにより、該水分散液には、再分散促進剤や分散剤を含まないようにすることができる。
ディスパー等で空気を用いて分散したものではないため、分散液は空気を噛んでおらず脱気工程も不要である。同様な理由で水分散の嫌気的操作が可能となる。
従来法では凝集塊が形成しやすく高濃度の分散液を製造することは難しいが、本発明の水分散液は高濃度であっても液-液界面での解繊であるため、凝集塊が生成しにくい。
特に、親水性多糖高分子の水分散に応用した場合、1%以上といった高濃度の水分散液を大量に得ることができる。
以下に、本発明の水分散装置の基礎実験の結果を説明する。
本発明の水分散装置の基礎実施例として、以下の操作を行い、水分散液を得た。
まず、水より低密度の流動パラフィン(疎水性炭化水素)を、水(水系溶媒)の上に静かに載せ、液-液界面を形成させる。
次に、セルロースナノファイバー(親水性多糖高分子)を、流動パラフィンの上から篩にかけ、流動パラフィンの液面に対して均一に落下させる。
なお、セルロースナノファイバーを投入後、十分に静置すると、すなわち、セルロースナノファイバーの流動パラフィンでの解繊、水との会合、水中への分散の時間を十分にとると、99質量%以上のセルロースナノファイバーが水へ分散することが確認された。
比較例1として、直接低せん断攪拌して得られたセルロースナノファイバー分散溶液を作成した。
具体的には、ホモディスパー(プライミクス株式会社製)を用い、1800rpm、25℃、24時間静置することにより、0.1質量%のセルロースナノファイバー分散溶液を得た。
比較例2として、湿式ビーズミルにより得られたセルロースナノファイバー分散溶液を作成した。該0.1質量%セルロースナノファイバー分散溶液を4℃で6か月保存後、25℃で24時間静置した。
得られた基礎実施例及び比較例の試料を用い、DLS(動的光散乱法;Dinamic Light Scattering)により粒度分布を測定した。使用機器はMalvern Panalytical製のゼータサイザーナノZSで、測定条件は、分散媒:水、25℃、disposable microcuvett使用して、n=3で行った。
測定結果を、図4A、図4B、図4Cに示す。図4A、図4B、図4Cは、横軸に粒径、縦軸に個数(%)を取って、粒度分布を示したものである。
図4Cに示した比較例2でも、セルロースナノファイバーを十分に解繊することができず、不規則なサブミクロン~ミクロンサイズの大粒径の凝集塊が生成していることが分かった。なお、比較例2のように大粒径の凝集塊が不規則に存在する試料は、DLS分析では細かい粒子について正確に測定することができない。
上記DLSにおいては、測定論理上、溶液中の粒子に粒度分布がある場合、特に大きな粒子が多く存在する場合、より小さな粒子の粒度分布を正確に測定できない。そこで、ナノメジャー(登録商標、株式会社カワノラボ製)により、粒度分布を測定した。
測定結果を、図5~図7に示す。図5~図7は、横軸に粒子サイズ、縦軸に頻度を取って、粒度分布を示したものである。
篩:篩の目のサイズが0.1mmのもの、油槽の上部開口部に設けられる
油槽:大きさ24x11.4x25cm、片側下部に取水口があり流路が接続される
流路:ゴムホースであり、油槽との接続部分にコックを備え、流路の反応槽側は反応槽の上部開口部に接続される
反応槽:大きさ24x11.4x25cm、片側下部に取水口があり取水弁が取り付けられる
取水槽:取水弁の下方に設けられる
実施例の水分散装置の油槽に予め約500mlの流動パラフィン(ハイコールK-350、カネダ株式会社製)を満たす。反応槽に、200mlの蒸留水を満たした後、約20mlの流動パラフィン(ハイコールK-350、カネダ株式会社製)を静かに投入した。
セルロースナノファイバー(Cellenpia、日本製紙製)2gを篩に掛けて油槽に投入し、セルロースナノファイバーが油槽内の流動パラフィンに十分に浸潤したことを確認した後、油槽と流路の接続部分のコックを静かに開き、セルロースナノファイバーを含んだ流動パラフィンを反応槽に流し込み、24時間静置した。その後、反応槽の下部に取り付けられた取水弁を開き、取水槽にて水の層を約100ml回収した。
測定結果を、図8に示す。図8は、横軸に粒径、縦軸に個数(%)を取って、粒度分布を示したものである。
2 油槽
3 反応槽
4 取水槽
5 流路
6 取水弁
7 篩
Claims (9)
- 水分散装置であって、
水系溶媒及び疎水性炭化水素を内部に有し、液-液界面が形成された反応槽と、
前記水系溶媒を回収する取水槽と、
前記反応槽内の前記疎水性炭化水素と同じ組成の油又は前記反応槽内の前記疎水性炭化水素と異なる組成の疎水性炭化水素の油を内部に有する、油槽と、
前記油槽及び前記反応槽の間に、送油状態と送油停止状態を制御可能な流路と、
前記反応槽の底部又は側部に開閉可能な取水弁と、
を備え、
前記流路が送油状態のとき、前記油槽の前記油は前記反応槽に送られ、
前記取水弁が開放状態のとき、前記反応槽の前記水系溶媒が前記取水槽に流れるように構成され、
前記反応槽内の前記疎水性炭化水素及び前記油槽内の前記油は、前記水系溶媒より密度が小さい、水分散装置。 - 前記流路の前記反応槽側は、前記液-液界面より上部に配置される、請求項1に記載の水分散装置。
- 前記油槽及び/又は前記反応槽は、温度調整及び/又は攪拌可能な、請求項1又は2に記載の水分散装置。
- 前記油槽の上部に篩をさらに含む、請求項1~3いずれか一項に記載の水分散装置。
- 前記油槽は、親水性多糖高分子を含有する粉末を前記油に分散し、
前記反応槽は、前記流路を介して送られてきた、前記油に分散した前記親水性多糖高分子を、解繊して前記水系溶媒に分散する、請求項1~4いずれか一項に記載の水分散装置。 - 前記篩は前記親水性多糖高分子の粉末の径を一定値以下とし、前記粉末の径が一定値以下となった前記親水性多糖高分子は前記油槽に投入されるように構成される、請求項5に記載の水分散装置。
- 前記親水性多糖高分子は、セルロースナノファイバー、セルロース、セルロース誘導体、グルコマンナン、カラギーナン、キチン、デンプン、グリコーゲン、アガロース、ペクチン、キサンタンガムのうち1以上を含む、請求項5又は6に記載の水分散装置。
- 前記反応槽は、反応停止剤をさらに含み、該反応停止剤は前記水系溶媒より密度が小さく、かつ、前記疎水性炭化水素より密度が大きい、請求項1~7いずれか一項に記載の水分散装置。
- 前記反応停止剤は、アルコール類である、請求項8に記載の水分散装置。
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JP2011056456A (ja) * | 2009-09-14 | 2011-03-24 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | バイオナノファイバーの製造方法 |
WO2016174863A1 (ja) * | 2015-04-28 | 2016-11-03 | バンドー化学株式会社 | ゴム組成物及びその製造方法 |
JP2017048293A (ja) * | 2015-09-01 | 2017-03-09 | 株式会社スギノマシン | セルロースナノファイバー分散体、その製造方法、およびセルロースナノファイバーフィルム |
JP2020517840A (ja) * | 2017-04-21 | 2020-06-18 | ファイバーリーン テクノロジーズ リミテッド | 増強された特性を有するミクロフィブリル化セルロースおよびその製造方法 |
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- 2021-06-11 JP JP2021559881A patent/JP7007781B1/ja active Active
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