JP7007230B2 - 切羽評価システム、切羽評価方法及び切羽評価プログラム - Google Patents

切羽評価システム、切羽評価方法及び切羽評価プログラム Download PDF

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本発明は、切羽評価システム、切羽評価方法及び切羽評価プログラムに関する。
トンネルの掘削工事においては、切羽の状態の評価が行われている。例えば、検査対象物である岩盤の画像を取得し、亀裂が生じている部分を示す画素等に基づいて、岩盤の亀裂の発生状態を把握する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2018-4389号公報
トンネルの工事の現場においては、切羽の崩落等のリスクの有無の作業者への周知、リスクを考慮した掘削後の支保工程の手法の選定等のために、切羽の状態の評価を適切かつ迅速に行うことが求められている。
そこで本発明は、トンネルの切羽のリスクに関する情報を迅速に得ることを目的とする。
本発明の一形態に係る切羽評価システムは、端末及びサーバを含みトンネルの切羽の状態に基づいてリスクを評価する切羽評価システムであって、サーバは、トンネル外の所定の場所に設けられ、端末は、トンネル内に可搬であり、サーバと有線または無線により通信可能であり、端末は、トンネルの切羽の画像である切羽画像を撮影する撮影部と、切羽画像に基づいて、切羽の状態を示す一以上の性状の指標値を判定する性状判定部と、性状の指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとの関連付けである第1の関連付けを参照して、性状判定部により判定された指標値に基づいて、対応するカテゴリを判定するカテゴリ判定部と、カテゴリ判定部により判定されたカテゴリを表示する表示部と、を備え、サーバは、端末から送信された切羽画像を取得する画像取得部と、切羽画像と、切羽画像に基づいて判定された指標値と、指標値に基づいて判定されたカテゴリとを関連付けて記憶する切羽情報記憶部と、を備える。
本発明の一形態に係る切羽評価方法は、端末及びサーバを含みトンネルの切羽の状態に基づいてリスクを評価する切羽評価システムにおける切羽評価方法であって、サーバは、トンネル外の所定の場所に設けられ、端末は、トンネル内に可搬であり、サーバと有線または無線により通信可能であり、切羽評価方法は、端末が、トンネルの切羽の画像である切羽画像を撮影する撮影ステップと、端末が、切羽画像に基づいて、切羽の状態を示す一以上の性状の指標値を判定する性状判定ステップと、端末が、性状の指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとの関連付けである第1の関連付けに基づいて、性状判定ステップにおいて判定された指標値に対応するカテゴリを判定するカテゴリ判定ステップと、端末が、サーバから出力されたカテゴリを、切羽画像に対応するカテゴリとして表示する表示ステップと、サーバが、端末から送信された切羽画像を取得する画像取得ステップと、サーバが、切羽画像と、切羽画像に基づいて判定された指標値と、指標値に基づいて判定されたカテゴリとを関連付けて、切羽に関する情報を記憶する切羽情報記憶部に記憶させる、記憶ステップと、を有する。
上記の形態によれば、トンネル内に持ち込まれた端末により撮影された切羽画像に基づいて、切羽の性状の指標値が判定される。そして、判定された指標値に基づいて、切羽の性状の指標値と所定事象の発生頻度(リスク)を意味するカテゴリとを関連付けた第1の関連付けを参照して、当該切羽に対応するカテゴリが判定される。判定されたカテゴリが端末において出力されることにより、当該切羽に関するリスクに関する情報をトンネル内の工事の現場において迅速に得ることが可能となる。
別の形態に係る切羽評価システムは、サーバは、切羽におけるリスクに関する所定事象の発生の有無を示す事象情報を切羽ごとに取得する事象情報取得部と、設定部と、をさらに備え、切羽情報記憶部は、切羽ごとに指標値及び事象情報を関連付けて記憶しており、設定部は、各カテゴリに属する複数の切羽における所定事象の発生頻度が、予め設定された、所定事象の発生頻度の範囲とカテゴリとの関連付けである第2の関連付けを充足するように、第1の関連付けを設定することとしてもよい。
上記の形態によれば、所定事象の発生頻度の範囲とカテゴリとの関連付けである第2の関連付けが予め設定されている。従って、カテゴリは、リスクとみなされる所定事象の発生頻度をクラス分けして表すものであり、リスクの程度の認識を容易にするものである。また、切羽ごとに記憶及び蓄積された性状の指標値及び事象情報に基づいて、あるカテゴリに属する切羽における所定事象の発生頻度が第2の関連付けを充足するように、指標値の範囲とカテゴリとの関連付けである第1の関連付けがサーバにおいて適切に設定される。
上記課題を解決するために、本発明の一形態に係る切羽評価システムは、トンネルの切羽の状態に基づいてリスクを評価する切羽評価システムであって、切羽を撮影した画像である切羽画像を取得する画像取得部と、切羽画像に基づいて、切羽の状態を示す一以上の性状の指標値を判定する性状判定部と、性状の指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとの関連付けである第1の関連付けに基づいて、性状判定部により判定された指標値に対応するカテゴリを判定するカテゴリ判定部と、カテゴリ判定部により判定されたカテゴリを出力する出力部と、を備える。
また、切羽評価システムは、切羽におけるリスクに関する所定事象の発生の有無を示す事象情報を切羽ごとに取得する事象情報取得部と、切羽ごとに指標値及び事象情報を関連付けて記憶している切羽情報記憶部と、各カテゴリに属する複数の切羽における所定事象の発生頻度が、予め設定された、所定事象の発生頻度の範囲とカテゴリとの関連付けである第2の関連付けを充足するように、第1の関連付けを設定する設定部と、をさらにしなえることとしてもよい。
本発明の一形態に係る切羽評価方法は、トンネルの切羽の状態に基づいてリスクを評価する切羽評価システムにおける切羽評価方法であって、切羽を撮影した画像である切羽画像を取得する画像取得ステップと、切羽画像に基づいて、切羽の状態を示す一以上の性状の指標値を判定する性状判定ステップと、性状の指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとの関連付けである第1の関連付けに基づいて、性状判定ステップにおいて判定された指標値に対応するカテゴリを判定するカテゴリ判定ステップと、カテゴリ判定ステップにおいて判定されたカテゴリを出力する出力ステップと、切羽におけるリスクに関する所定事象の発生の有無を示す事象情報を切羽ごとに取得する事象情報取得ステップと、各カテゴリに属する複数の切羽における所定事象の発生頻度が、予め設定された、所定事象の発生頻度の範囲とカテゴリとの関連付けである第2の関連付けを充足するように、第1の関連付けを設定する設定ステップと、を有する。
本発明の一形態に係る切羽評価プログラムは、トンネルの切羽の状態に基づいてリスクを評価する切羽評価システムとしてコンピュータを機能させる切羽評価プログラムであって、コンピュータに、切羽を撮影した画像である切羽画像を取得する画像取得機能と、切羽画像に基づいて、切羽の状態を示す一以上の性状の指標値を判定する性状判定機能と、性状の指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとの関連付けである第1の関連付けに基づいて、性状判定機能により判定された指標値に対応するカテゴリを判定するカテゴリ判定機能と、カテゴリ判定機能により判定されたカテゴリを出力する出力機能と、切羽におけるリスクに関する所定事象の発生の有無を示す事象情報を切羽ごとに取得する事象情報取得機能と、各カテゴリに属する複数の切羽における所定事象の発生頻度が、予め設定された、所定事象の発生頻度の範囲とカテゴリとの関連付けである第2の関連付けを充足するように、第1の関連付けを設定する設定機能と、を実現させる。
上記の形態によれば、所定事象の発生頻度の範囲とカテゴリとの関連付けである第2の関連付けが予め設定されている。従って、カテゴリは、リスクとみなされる所定事象の発生頻度をクラス分けして表すものであり、リスクの程度の認識を容易にするものである。また、切羽ごとに記憶及び蓄積された性状の指標値及び事象情報に基づいて、あるカテゴリに属する切羽における所定事象の発生頻度が第2の関連付けを充足するように、指標値の範囲とカテゴリとの関連付けである第1の関連付けが適切に設定される。これにより、切羽の性状の指標値と所定事象の発生頻度とが、カテゴリを介して関連付けられる。そして、このように設定された第1の関連付けを参照して、切羽が表された切羽画像に基づいて判定された性状の指標値に対応するカテゴリが出力されるので、当該切羽に関するリスクに関する情報を迅速に得ることが可能となる。
別の形態に係る切羽評価システムは、設定部は、切羽画像及び当該切羽画像に表された切羽に関する事象情報の取得を契機として、第1の関連付けを設定することとしてもよい。
上記の形態によれば、切羽に関する情報である、切羽画像及び事象情報が取得及び記憶される度に第1の関連付けが更新される。従って、第1の関連付けの精度が向上し、切羽のリスクを適切に判定できる。
別の形態に係る切羽評価システムは、性状判定部は、第1の性状の指標値及び第2の性状の指標値を判定し、第1の関連付けは、第1の性状の指標値及び第2の性状の指標値の組み合わせと、カテゴリとを関連付けていることとしてもよい。
上記の形態によれば、切羽に関する2種類の性状に基づいてカテゴリが判定されるので、切羽のリスクに関するより精度の高い判定が可能となる。
別の形態に係る切羽評価システムでは、切羽の状態を示す性状は、切羽の風化の状態である風化性状、切羽面に生じた亀裂の状態である割目性状、切羽を構成する岩種を示す岩種性状、及び、切羽面に生じた湧き水の状態である湧き水性状のいずれかであることとしてもよい。
上記の形態によれば、カテゴリの判定に切羽の状態に関する種々の性状が用いられるので、切羽に関するリスクの適切な判定が可能となる。
別の形態に係る切羽評価システムでは、所定事象は、切羽の崩落、切羽面における亀裂の発生、切羽の支保工の変形、及び、切羽の支保工の変位のうちの少なくとも一つを含むこととしてもよい。
上記の形態によれば、種々の事象を切羽に関するリスクとして捉えたカテゴリの判定を実施できる。
別の形態に係る切羽評価システムは、トンネル内に可搬な端末及びサーバを含み、端末は、切羽画像を撮影する撮影部と、出力部により出力されたカテゴリであって切羽画像に表された切羽に対応するカテゴリを表示する表示部と、を含み、サーバは、少なくとも、切羽情報記憶部を含むこととしてもよい。
上記の形態によれば、トンネル内に可搬な端末により撮像が可能であるので、切羽画像の取得が容易である。また、切羽画像を撮影した端末に判定されたカテゴリを提示させることができるので、トンネルの工事作業をしている者にタイする切羽のリスクの提示が容易である。
本発明の一側面によれば、トンネルの切羽のリスクに関する情報を迅速に得ることが可能となる。
本実施形態に係る切羽評価システムの装置構成を示す図である。 切羽評価装置の機能的構成を示すブロック図である。 切羽評価装置のハードウェア構成を示す図である。 端末の機能的構成の例を示すブロック図である。 切羽画像の例を示す模式的に図である。 切羽画像に基づく風化性状の判定の例を示す図である。 切羽画像に基づく割目性状の判定の例を示す図である。 図8(a)は、カテゴリ情報記憶部に記憶されている情報であって、風化性状のカテゴリと、風化性状に関する指標値である風化部の面積の割合とを関連付けて記憶しているテーブルの例を示す図である。図8(b)は、カテゴリ情報記憶部に記憶されている情報であって、割目性状のカテゴリと、割目性状に関する指標値である割目部の面積の割合とを関連付けて記憶しているテーブルの例を示す図である。 カテゴリ情報記憶部に記憶されている情報であって、風化性状のカテゴリ及び割目性状のカテゴリの組み合わせと、カテゴリとを関連付けたカテゴリ情報の例を示す図である。 第2の関連付けを記憶しているテーブルの例を示す図である。 切羽評価装置の機能的構成の他の例を示すブロック図である。 端末の機能的構成の他の例を示すブロック図である。 切羽評価システムにおいて実施されるカテゴリの出力に関する切羽評価方法の処理内容を示すフローチャートである。 切羽評価システムにおいて実施される第1の関連付けの設定に関する切羽評価方法の処理内容を示すフローチャートである。 切羽評価プログラムの構成を示す図である。 切羽評価システムの適用例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る切羽評価システム1の装置構成を示す図である。切羽評価システム1は、トンネルの切羽の状態に基づいてリスクを評価するシステムである。図1に示す切羽評価システム1は、切羽評価装置10及び端末20を含み、切羽評価装置10及び端末20は、ネットワークNを介して互いに通信可能である。
端末20は、例えば、据置型又は携帯型のパーソナルコンピュータ、高機能携帯電話機(スマートフォン)、いわゆるタブレット型のコンピュータ等により構成されるが、端末20を構成する装置は限定されず、例えば携帯電話機、携帯情報端末(PDA)などの携帯端末でもよい。なお、図1では、例として3台の端末20が示されているが、その数はこれに限定されない。これらの端末20は、例えば、トンネルの掘削工事の現場に可搬である。また、端末20は、トンネル工事におけるトンネル内の拠点及びトンネル外の拠点等のいずれの場所に設けられてもよい。
図2は、切羽評価装置10の機能的構成を示すブロック図である。切羽評価装置10は、例えば、サーバ等のコンピュータにより構成される。切羽評価装置10が設けられる場所は限定されない。切羽評価装置10は、例えば、トンネル外の所定の場所に設けられる。切羽評価装置10は、トンネルの工事の施工主体の現場近くに設けられた事務所及び更に遠隔の施工主体たる会社の社屋等に設けられてもよい。
本実施形態の切羽評価装置10は、図2に示すように、機能的には、画像取得部11、性状判定部12、カテゴリ判定部13、出力部14、事象情報取得部15及び設定部16を備える。これらの機能部については、後に詳述する。
また、切羽評価装置10の各機能部は、切羽情報記憶部17及びカテゴリ情報記憶部18といった記憶手段にアクセス可能である。これらの記憶部は、切羽評価装置10に備えられることとしてもよいし、切羽評価装置10からのアクセスが可能に設けられた外部の記憶手段として構成されてもよい。
図3は、切羽評価装置10のハードウェア構成図である。切羽評価装置10は、物理的には、図3に示すように、CPU101、RAM及びROMといったメモリにより構成される主記憶装置102、ハードディスク等で構成される補助記憶装置103、通信制御装置104などを含むコンピュータシステムとして構成されている。切羽評価装置10は、入力デバイスであるキーボード、タッチパネル、マウス等の入力装置105及びディスプレイ等の出力装置106をさらに含むこととしてもよい。
図2に示した各機能は、図3に示すCPU101、主記憶装置102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信制御装置104等を動作させるとともに、主記憶装置102や補助記憶装置103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶装置102や補助記憶装置103内に格納される。なお、端末20も、図3に示すようなハードウェア構成を有するコンピュータシステムとして構成される。なお、本実施形態では、各機能部11~16が、切羽評価装置10に構成されることとしているが、複数のコンピュータに分散して構成されることとしてもよい。
図4は、端末20の機能的構成の例を示すブロック図である。端末20は、カメラ21、撮影部22、通信部23、表示部24及びディスプレイ25を備える。カメラ21は、例えば、画像センサを含むデジタルカメラであって、トンネルの切羽を撮像する。本実施形態では、カメラ21は端末20に搭載されている例を示すが、端末20とは別の装置として構成されてもよい。
撮影部22は、カメラ21により撮像された切羽の画像である切羽画像を取得する。撮影部22は、取得した切羽画像を通信部23に送出する。
通信部23は、切羽評価装置10との通信を制御する。具体的には、通信部23は、切羽画像を切羽評価装置10に送信する。また、通信部23は、切羽評価装置10から送信された情報を受信する。具体的には、通信部23は、切羽評価装置10において判定されたカテゴリに関する情報を受信する。
表示部24は、通信部23により受信された情報をディスプレイ25に表示させる。具体的には、表示部24は、例えば、切羽評価装置10において判定されたカテゴリに関する情報をディスプレイ25に表示させる。
ディスプレイ25は、表示部24による制御に基づいて種々の情報を表示する装置である。具体的には、ディスプレイ25は、切羽評価装置10において判定されたカテゴリに関する情報を表示する。これにより、端末20がトンネル内の作業者により所持されている場合には、作業者に対して、切羽のリスクに関する情報を認識させることができる。
再び図2を参照して、切羽評価装置10の機能部を説明する。画像取得部11は、トンネルの切羽を撮影した画像である切羽画像を取得する。本実施形態では、画像取得部11は、端末20から送信された切羽画像を取得する。図5は、切羽画像の例を示す模式的に図である。図5に示すように、切羽画像は、トンネルの掘削工事における切羽を示しており、切羽の状態が表されている。切羽画像は、性状判定部12による性状の判定に供するために、色彩の情報を含むことが好ましい。画像取得部11は、取得した切羽画像を切羽情報記憶部17に記憶させる。
切羽情報記憶部17は、切羽評価装置10において取得された切羽に関する情報を記憶する記憶手段である。具体的には、切羽情報記憶部17は、画像取得部11により取得された切羽画像を記憶する。また、切羽情報記憶部17は、後述されるような、切羽の性状に関する情報(指標値)及び切羽のカテゴリに関する情報等を当該切羽の切羽画像に関連付けて記憶していることとしてもよい。
性状判定部12は、切羽画像に基づいて、切羽の状態を示す一以上の性状の指標値を判定する。具体的には、性状判定部12は、切羽画像に対して種々の画像解析技術を適用して、切羽の風化の状態である風化性状、切羽面に生じた亀裂の状態である割目性状、切羽を構成する岩種を示す岩種性状、及び、切羽面に生じた湧き水の状態である湧き水性状等に関する指標値を判定することができる。
図6は、切羽画像に基づく風化性状の判定の例を示す図である。性状判定部12は、例えば、切羽画像に表された切羽の色彩及び明度等に基づいて、切羽の風化の程度を判定できる。即ち、性状判定部12は、例えば、切羽画像の各部分の色彩に関する情報に基づいて、予め風化度と岩盤の色彩等とを対応付けた対応情報を参照して、切羽の各部分の風化度を判定できる。図6に示す例では、性状判定部12は、部分r1について、風化度が4であることを判定する。また、性状判定部12は、部分r2に対して、風化度が0~1であることを判定する。また、性状判定部12は、切羽画像に表された切羽の全体の面積に対する、所定の程度以上の風化が発生している部分の面積の割合を風化性状に関する指標値として判定する。
図7は、切羽画像に基づく割目性状の判定の例を示す図である。性状判定部12は、例えば、切羽画像から、割目(亀裂)が発生している箇所の特有の画像の特徴部分を抽出することにより、割目の発生箇所を抽出する。例えば、性状判定部12は、切羽画像に対するエッジ検出処理、所定画素値を有する画素の抽出等の周知の画像処理技術により、割目の発生箇所を抽出できる。図7に示す例では、性状判定部12は、図5に示した切羽画像から、割目発生部分k1~k3を抽出する。また、性状判定部12は、切羽画像に表された切羽の全体の面積に対する、割目が発生している部分の面積の割合を割目性状に関する指標値として判定する。
性状判定部12は、後述するカテゴリの判定のために、第1の性状の指標値及び第2の性状の2つの指標値を判定することとしてもよい。本実施形態では、性状判定部12は、風化性状に関する指標値及び割目性状に関する指標値をそれぞれ第1及び第2の性状の指標値として取得する。なお、性状判定部12が判定する性状の指標値は、2種類に限定されない。
カテゴリ判定部13は、切羽の性状の指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとの関連付けである第1の関連付けに基づいて、性状判定部12により判定された指標値に対応するカテゴリを判定する。カテゴリは、切羽に関するリスクと見なされる所定事象の発生頻度をクラス分けして表すものである。例えば、トンネルの工事の作業者は、切羽に関して判定されたカテゴリを知ることにより、その切羽のリスクの程度を容易に認識できる。
第1の関連付けは、後に説明するように、設定部16により設定される。本実施形態では、性状判定部12が、第1の性状の指標値及び第2の性状の指標値を判定するので、これに対応して、第1の関連付けは、第1の性状の指標値及び第2の性状の指標値の組み合わせと、カテゴリとを関連付けている。なお、本実施形態では、2種類の性状の指標値に基づいてカテゴリが判定されるが、カテゴリの判定に用いられる性状の指標値の種類の数は、2種類に限定されず、1種類であっても、3種類以上であってもよい。
本実施形態では、カテゴリ判定部13は、カテゴリ情報記憶部18に記憶されている情報を参照してカテゴリを判定する。カテゴリ情報記憶部18は、カテゴリに関する情報を記憶している記憶手段である。
図8は、カテゴリ情報記憶部18に記憶されている情報であって、性状ごとの指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとを関連付けて記憶しているテーブルの例を示す図である。図8(a)は、風化性状のカテゴリと、風化性状に関する指標値である風化部の面積の割合とを関連付けて記憶しているテーブルの例を示す図である。図8(a)に示すように、例えば、風化部の面積が70%である場合には、カテゴリ判定部13は、当該切羽の風化性状のカテゴリが「W1」であることを判定する。なお、風化の性状に関して、風化部の面積の割合に風化の程度を乗じた値が指標値として用いられてもよい。
図8(b)は、割目性状のカテゴリと、割目性状に関する指標値である割目部の面積の割合とを関連付けて記憶しているテーブルの例を示す図である。図8(b)に示すように、例えば、割目部の面積が30%である場合には、カテゴリ判定部13は、当該切羽の割目性状のカテゴリが「C2」であることを判定する。このように、カテゴリ判定部13は、図8に例示されるようなテーブルを参照して、性状ごとのカテゴリを判定できる。
図9は、カテゴリ情報記憶部18に記憶されている情報であって、風化性状のカテゴリ及び割目性状のカテゴリの組み合わせと、カテゴリMとを関連付けたカテゴリ情報の例を示す図である。風化性状及び割目性状のそれぞれの各カテゴリは、図8に示すように、風化性状の指標値及び割目性状の指標値に対応する。従って、図9に示すカテゴリ情報は、風化性状の指標値及び割目性状の指標値の組み合わせと、カテゴリMとを関連付けた情報であって、第1の関連付けを構成する。
図9において、風化性状のカテゴリ及び割目性状のカテゴリの組み合わせに対応して示されている割合(%)を示す数値は、切羽におけるリスクに関する所定事象の一例である崩落の発生頻度の例である。例えば、風化性状のカテゴリがW2であり、割目性状のカテゴリがC2である切羽では、「77%」の割合で崩落が発生したことが示されている。また、図9において、カテゴリMは、切羽に関するリスクと見なされる所定事象の発生頻度をクラス分けして表すものである。
カテゴリ判定部13は、風化性状及び割目性状のそれぞれの指標値に対応するカテゴリ(W1~W4,C1~C4)を判定し、風化性状のカテゴリW1~W4及び割目性状のカテゴリC1~C4の組み合わせに基づいて、カテゴリM(M1~M3)を判定する。即ち、カテゴリ判定部13は、風化性状の指標値及び割目性状の指標値の組み合わせに基づいて、切羽のリスクの程度を示すカテゴリMを判定できる。
出力部14は、カテゴリ判定部13により判定されたカテゴリMを出力する。出力部14は種々の態様によりカテゴリMを出力できる。例えば、出力部14は、切羽画像の送信元である端末20のディスプレイ25にカテゴリMに関する情報を表示させることにより出力してもよい。また、出力部14は、その他の端末20のディスプレイ25及び切羽評価装置10が備える表示装置等にカテゴリMに関する情報を表示させることにより出力してもよい。
掘削工程及び支保工程を繰り返すことにより掘り進められるトンネルの施工方法では、掘削工程により現れた切羽の状態に基づいて、支保工程のパターンが検討及び選定される。切羽の状態に対して適切な支保工程が実施されないと、切羽の崩落、コンクリート吹付面における亀裂の発生並びに支保工の変形及び変位等のトラブルが発生する可能性がある。また、このようなトラブルの発生による工程の後戻りには多大な労力が必要となる。本実施形態の切羽評価システム1によれば、切羽のリスクの程度を示すカテゴリに関する情報が出力されるので、当該切羽に関するリスクに関する情報を迅速に得ることが可能となる。これにより、適切な支保工程のパターンの選択が可能となり、切羽の崩落等のトラブルを防止できる。
事象情報取得部15は、切羽におけるリスクに関する所定事象の発生の有無を示す事象情報を切羽ごとに取得する。本実施形態では、切羽のリスクに関する所定事象は、切羽の崩落、切羽面における亀裂の発生、切羽の支保工の変形、及び、切羽の支保工の変位のうちの少なくとも一つを含む。
掘削工程において現れた切羽において所定事象が発生した場合には、例えば、作業者により、所定事象が発生した旨の情報が端末20等を介して入力される。また、掘削工程を経て現れた切羽に関して、後の支保工程等の所定の工程が完了するまで所定の事象が発生しなかった場合には、当該切羽に関して所定事象が発生しなかった旨の情報が端末20等を介して入力される。事象情報取得部15は、このように入力された所定事象の発生の有無に関する事象情報を取得する。事象情報取得部15は、取得した事象情報を切羽ごとに関連付けて切羽情報記憶部17に記憶させる。
設定部16は、あるカテゴリに属する複数の切羽における所定事象の発生頻度が、予め設定された第2の関連付けを充足するように、第1の関連付けを設定する。第2の関連付けは、切羽に関する所定事象の発生頻度の範囲とカテゴリとの関連付けである。
図10は、第2の関連付けを記憶しているテーブルの例を示す図である。具体的には、このテーブルは、カテゴリMと所定事象としての崩落の発生頻度(発生率(%))の範囲とを関連付けて記憶している。図10に示すように、カテゴリM1~M3はそれぞれ、発生率75%以上,25%以上75%未満,25%未満に関連付けられている。第2の関連付けは、例えば、切羽評価システム1の管理者等により予め設定される。
本実施形態では、設定部16は、図10に示すような第2の関連付けを充足するように、第1の関連付けを構成している風化性状の指標値及び割目性状の指標値の組み合わせとカテゴリMとの関連付けを設定する。具体的には、設定部16は、図9に示される所定事象(崩落)の発生頻度の実績が、図10に示されるカテゴリMと崩落の発生頻度との関連付けを充足するように、風化性状のカテゴリ及び割目性状のカテゴリの組み合わせとカテゴリMとの関連付けを設定する。即ち、設定部16は、風化性状のカテゴリと風化部の性状の指標値の範囲との関連付け(図8(a))及び割目性状のカテゴリと割目性状の指標値の範囲との関連付け(図8(b))を調整する。
このように適切に設定された第1の関連付けが参照されて、切羽が表された切羽画像に基づいて、当該切羽に関するカテゴリMが出力されるので、出力されたカテゴリMを参照した者は、当該切羽に関するリスクの程度を容易且つ迅速に認識できる。
また、設定部16は、切羽画像の取得及び当該切羽画像に表された切羽に関する事象情報の取得を契機として、第1の関連付けを設定することとしてもよい。このように、第1の関連付けが適切に更新されることにより、第1の関連付けの精度が向上し、切羽のリスクを適切に判定できる。
次に、図11及び図12を参照して、切羽評価装置及び端末の機能的構成の他の例を説明する。図11は、切羽評価装置10Aの機能的構成を示すブロック図である。図11に示すように、切羽評価装置10Aは、例えば、サーバといったコンピュータにより構成され、画像取得部11A、事象情報取得部15A及び設定部16Aを備える。また、切羽評価装置10Aの各機能部は、切羽情報記憶部17A及びカテゴリ情報記憶部18Aといった記憶手段にアクセス可能である。これらの記憶部は、切羽評価装置10Aに備えられることとしてもよいし、切羽評価装置10Aからのアクセスが可能に設けられた外部の記憶手段として構成されてもよい。
図12は、端末20Aの機能的構成を示すブロック図である。図12に示すように、端末20Aは、カメラ21A、撮影部22A、通信部23A、表示部24A、ディスプレイ25A、性状判定部12A、カテゴリ判定部13A及び出力部14Aを備える。前述のとおり、切羽評価装置10A及び端末20Aに含まれる各機能部が構成される装置は切羽評価装置10A及び端末20Aのいずれかに限定されないが、図11及び図12は、図2及び図4の例と異なる態様にて、各機能部が切羽評価装置10A及び端末20Aに構成される例を示している。
画像取得部11A、事象情報取得部15A、設定部16A、切羽情報記憶部17A及びカテゴリ情報記憶部18Aは、図2に示した画像取得部11、事象情報取得部15、設定部16、切羽情報記憶部17及びカテゴリ情報記憶部18と同様の機能を有する。切羽情報記憶部17Aは、切羽画像に関連付けて、切羽画像に基づいて性状判定部12Aにより判定された指標値、指標値に基づいてカテゴリ判定部13Aにより判定されたカテゴリを記憶する。指標値及びカテゴリ等の情報は、端末20Aから送信される。
カメラ21A、撮影部22A、通信部23A、表示部24A及びディスプレイ25Aは、図4に示したカメラ21、撮影部22、通信部23、表示部24及びディスプレイ25と同様の機能を有する。
また、性状判定部12A、カテゴリ判定部13A及び出力部14Aは、図2に示した性状判定部12、カテゴリ判定部13及び出力部14と同様の機能を有する。
即ち、性状判定部12Aは、撮影部22Aにより撮影された切羽画像に基づいて、切羽の指標値を判定する。また、カテゴリ判定部13Aは、カテゴリ情報記憶部18Aに記憶されている、性状ごとの指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとの関連付け(第1の関連付け)を参照して、カテゴリを判定する。カテゴリ判定部13Aは、第1の関連付けの情報を、カテゴリの判定に先立って取得してもよいし、判定の度に取得または参照してもよい。このように、第1の関連付けが、切羽評価装置10Aに設けられた設定部16Aにより設定され、且つ、カテゴリ情報記憶部18Aに記憶されるので、複数の端末20Aにおいて、一定の基準に基づくカテゴリの判定が可能となる。
出力部14Aは、カテゴリ判定部13Aにより判定されたカテゴリを、表示部24Aに出力する。即ち、表示部24Aは、カテゴリ判定部13Aにより判定されたカテゴリを取得して、ディスプレイ25Aに表示させることができる。また、出力部14Aは、カテゴリ判定部13Aにより判定されたカテゴリに関する情報を、通信部23Aを介して、切羽評価装置10Aに出力する。これにより、切羽評価装置10Aは、切羽画像に対応するカテゴリの情報を取得できる。
次に、図13及び図14を参照して、本実施形態の切羽評価システム1の動作について説明する。図13は、切羽評価システム1において実施されるカテゴリの出力に関する切羽評価方法の処理内容を示すフローチャートである。
ステップS1において、画像取得部11は、トンネルの切羽を撮影した画像である切羽画像を取得する。なお、ステップS1における切羽画像の取得に先立って、端末20の撮影部22,22Aは、トンネル内の現場において切羽画像を撮影する。そして、端末20の通信部23は、撮影された切羽画像を切羽評価装置10に送信する。画像取得部11は、このように端末20から送信された切羽画像を取得する。
続いて、ステップS2において、性状判定部12,12Aは、切羽画像に基づいて、切羽の状態を示す性状の指標値を判定する。
ステップS3において、カテゴリ判定部13,13Aは、切羽の性状の指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとを関連付けた第1の関連付けに基づいて、ステップS2において性状判定部12,12Aにより判定された指標値に対応するカテゴリを判定する。
ステップS4において、出力部14,14Aは、ステップS3においてカテゴリ判定部13により判定されたカテゴリMを出力する。なお、ステップS4におけるカテゴリMの出力に引き続いて、端末20の通信部23は、切羽評価装置10から出力されたカテゴリMの情報を受信する。そして、端末20の表示部24は、受信したカテゴリMの情報をディスプレイ25に表示させる。なお、図12に示したように、性状判定部12A、カテゴリ判定部13A及び出力部14Aが端末20Aに構成される例においては、出力部14Aは、表示部24Aを介して、カテゴリに関する情報をディスプレイ25Aに表示させる。
図14は、切羽評価システム1において実施される第1の関連付けの設定に関する切羽評価方法の処理内容を示すフローチャートである。
ステップS11において、設定部16,16Aは、切羽画像の取得及び当該切羽画像に表された切羽に関する事象情報を取得したか否かを判定する。切羽画像及び対応する事象情報を取得したと判定された場合には、処理はステップS12に進む。一方、切羽画像及び対応する事象情報を取得したと判定されなかった場合には、ステップS11の判定処理を繰り返す。
ステップS12において、設定部16,16Aは、切羽の性状の指標値の範囲をカテゴリMとを関連付けた第1の関連付けを設定(更新)する。
次に、図15を参照して、コンピュータを切羽評価装置10として機能させるための切羽評価プログラムを説明する。切羽評価プログラムp10は、メインモジュールm10、画像取得モジュールm11、性状判定モジュールm12、カテゴリ判定モジュールm13、出力モジュールm14、事象情報取得モジュールm15及び設定モジュールm16を含む。
メインモジュールm10は、切羽評価処理を統括的に制御する部分である。画像取得モジュールm11、性状判定モジュールm12、カテゴリ判定モジュールm13、出力モジュールm14、事象情報取得モジュールm15及び設定モジュールm16を実行することにより実現される機能はそれぞれ、図2に示される切羽評価装置10の画像取得部11、性状判定部12、カテゴリ判定部13、出力部14、事象情報取得部15及び設定部16の機能と同様である。
切羽評価プログラムp10は、例えば、磁気ディスクや光ディスクまたは半導体メモリ等の記憶媒体rm10によって提供される。また、切羽評価プログラムp10は、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
以上説明した本実施形態の切羽評価システム1、切羽評価方法及び切羽評価プログラムp10によれば、所定事象の発生頻度の範囲とカテゴリとの関連付けである第2の関連付けが予め設定されている。従って、カテゴリは、リスクとみなされる所定事象の発生頻度をクラス分けして表すものであり、リスクの程度の認識を容易にするものである。また、切羽ごとに記憶及び蓄積された性状の指標値及び事象情報に基づいて、あるカテゴリに属する切羽における所定事象の発生頻度が第2の関連付けを充足するように、指標値の範囲とカテゴリとの関連付けである第1の関連付けが適切に設定される。これにより、切羽の性状の指標値と所定事象の発生頻度とが、カテゴリを介して関連付けられる。そして、このように設定された第1の関連付けを参照して、切羽が表された切羽画像に基づいて判定された性状の指標値に対応するカテゴリが出力されるので、当該切羽に関するリスクに関する情報を迅速に得ることが可能となる。
次に本実施形態の切羽評価システム1の適用例について説明する。図16は、切羽評価システム1の適用の一例を示す図である。図16に示すように、トンネルの工事においては、本実施形態の評価対象である切羽が所在するトンネル工事現場L2の他に、トンネル工事を実施する主体を構成する企業の本社L4、現場事務所L3及び技術研究所L1等の拠点がある。これらのトンネル工事の各拠点に対して、本実施形態の切羽評価システム1を構成する各装置を設けることができる。例えば、切羽評価装置10が技術研究所L1に設けられ、各端末20のそれぞれがトンネル工事現場L2、現場事務所L3及び本社L4に設けられる。これらの装置間では、いわゆるクラウドcl及び無線または有線のネットワークを介して、データの共有及び送受信が実現される。
このような適用例では、トンネル工事現場L2の端末20により切羽画像が撮影される。そして、技術研究所L1に設けられた切羽評価装置10により、切羽画像に基づいてカテゴリが判定され、判定されたカテゴリの情報が、トンネル工事現場L2の端末20において出力される。
また、切羽画像及びカテゴリ等の切羽に関する情報は、現場事務所L3の端末20及び本社L4の端末20等においても共有及び参照される。従って、現場事務所L3及び本社L4において切羽に関する情報を参照した者は、切羽に関するリスクの評価及び掘削工程の後に実施される支保工程のパターンの検討及び選定等を行うことができる。そして、現場事務所L3及び本社L4において評価されたリスク及び後の工程に関する情報を、トンネル工事現場L2の作業者に通知できる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
1…切羽評価システム、10…切羽評価装置、11…画像取得部、12…性状判定部、13…カテゴリ判定部、14…出力部、15…事象情報取得部、16…設定部、17…切羽情報記憶部、18…カテゴリ情報記憶部、20…端末、21…カメラ、22…撮影部、23…通信部、24…表示部、25…ディスプレイ、m10…メインモジュール、m11…画像取得モジュール、m12…性状判定モジュール、m13…カテゴリ判定モジュール、m14…出力モジュール、m15…事象情報取得モジュール、m16…設定モジュール、N…ネットワーク、p10…切羽評価プログラム、rm10…記憶媒体。

Claims (11)

  1. 端末及びサーバを含みトンネルの切羽の状態に基づいてリスクを評価する切羽評価システムであって、
    前記サーバは、前記トンネル外の所定の場所に設けられ、
    前記端末は、
    前記トンネル内に可搬であり、前記サーバと有線または無線により通信可能であり、
    前記端末は、
    前記トンネルの切羽の画像である切羽画像を撮影する撮影部と、
    前記切羽画像に基づいて、切羽の状態を示す一以上の性状の指標値を判定する性状判定部と、
    前記性状の指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとの関連付けである第1の関連付けを参照して、前記性状判定部により判定された指標値に基づいて、対応するカテゴリを判定するカテゴリ判定部と、
    前記カテゴリ判定部により判定されたカテゴリを表示する表示部と、を備え、
    前記サーバは、
    前記端末から送信された前記切羽画像を取得する画像取得部と、
    前記切羽画像と、前記切羽画像に基づいて判定された前記指標値と、前記指標値に基づいて判定されたカテゴリとを関連付けて記憶する切羽情報記憶部と、を備える、
    切羽評価システム。
  2. 前記サーバは、
    切羽におけるリスクに関する所定事象の発生の有無を示す事象情報を切羽ごとに取得する事象情報取得部と、
    設定部と、をさらに備え、
    前記切羽情報記憶部は、切羽ごとに前記指標値及び前記事象情報を関連付けて記憶しており、
    前記設定部は、各カテゴリに属する複数の切羽における前記所定事象の発生頻度が、予め設定された、前記所定事象の発生頻度の範囲とカテゴリとの関連付けである第2の関連付けを充足するように、前記第1の関連付けを設定する、
    請求項1に記載の切羽評価システム。
  3. 端末及びサーバを含みトンネルの切羽の状態に基づいてリスクを評価する切羽評価システムにおける切羽評価方法であって、
    前記サーバは、前記トンネル外の所定の場所に設けられ、
    前記端末は、前記トンネル内に可搬であり、前記サーバと有線または無線により通信可能であり、
    前記切羽評価方法は、
    前記端末が、前記トンネルの切羽の画像である切羽画像を撮影する撮影ステップと、
    前記端末が、前記切羽画像に基づいて、切羽の状態を示す一以上の性状の指標値を判定する性状判定ステップと、
    前記端末が、前記性状の指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとの関連付けである第1の関連付けに基づいて、前記性状判定ステップにおいて判定された指標値に対応するカテゴリを判定するカテゴリ判定ステップと、
    前記端末が、前記サーバから出力された前記カテゴリを、前記切羽画像に対応するカテゴリとして表示する表示ステップと、
    前記サーバが、前記端末から送信された前記切羽画像を取得する画像取得ステップと、
    前記サーバが、前記切羽画像と、前記切羽画像に基づいて判定された前記指標値と、前記指標値に基づいて判定されたカテゴリとを関連付けて、切羽に関する情報を記憶する切羽情報記憶部に記憶させる、記憶ステップと、
    を有する切羽評価方法。
  4. 端末及びサーバを含みトンネルの切羽の状態に基づいてリスクを評価する切羽評価システムであって、
    トンネルの切羽の画像である切羽画像に基づいて、切羽の状態を示す一以上の性状の指標値を判定する性状判定部と、
    前記性状の指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとの関連付けである第1の関連付けを参照して、前記性状判定部により判定された指標値に基づいて、対応するカテゴリを判定するカテゴリ判定部と、を備え、
    前記サーバは、前記トンネル外の所定の場所に設けられ、
    前記端末は、
    前記トンネル内に可搬であり、前記サーバと有線または無線により通信可能であり、
    前記端末は少なくとも、
    前記トンネルの切羽の画像である切羽画像を撮影する撮影部と、
    前記カテゴリ判定部により判定されたカテゴリを表示する表示部と、を備え、
    前記サーバは少なくとも、
    前記端末から送信された前記切羽画像を取得する画像取得部と、
    前記切羽画像と、前記切羽画像に基づいて判定された前記指標値と、前記指標値に基づいて判定されたカテゴリとを関連付けて記憶する切羽情報記憶部と、を備える、
    切羽評価システム。
  5. 前記サーバは、
    切羽におけるリスクに関する所定事象の発生の有無を示す事象情報を切羽ごとに取得する事象情報取得部と、
    設定部と、をさらに備え、
    前記切羽情報記憶部は、切羽ごとに前記指標値及び前記事象情報を関連付けて記憶しており、
    前記設定部は、各カテゴリに属する複数の切羽における前記所定事象の発生頻度が、予め設定された、前記所定事象の発生頻度の範囲とカテゴリとの関連付けである第2の関連付けを充足するように、前記第1の関連付けを設定する、
    請求項4に記載の切羽評価システム。
  6. 端末及びサーバを含みトンネルの切羽の状態に基づいてリスクを評価する切羽評価システムにおける切羽評価方法であって、
    前記サーバは、前記トンネル外の所定の場所に設けられ、
    前記端末は、前記トンネル内に可搬であり、前記サーバと有線または無線により通信可能であり、
    前記切羽評価方法は、
    前記端末が、前記トンネルの切羽の画像である切羽画像を撮影する撮影ステップと、
    前記切羽評価システムが、前記切羽画像に基づいて、切羽の状態を示す一以上の性状の指標値を判定する性状判定ステップと、
    前記切羽評価システムが、前記性状の指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとの関連付けである第1の関連付けに基づいて、前記性状判定ステップにおいて判定された指標値に対応するカテゴリを判定するカテゴリ判定ステップと、
    前記端末が、前記サーバから出力された前記カテゴリを、前記切羽画像に対応するカテゴリとして表示する表示ステップと、
    前記サーバが、前記端末から送信された前記切羽画像を取得する画像取得ステップと、
    前記サーバが、前記切羽画像と、前記切羽画像に基づいて判定された前記指標値と、前記指標値に基づいて判定されたカテゴリとを関連付けて、切羽に関する情報を記憶する切羽情報記憶部に記憶させる、記憶ステップと、
    を有する切羽評価方法。
  7. トンネルの切羽の状態に基づいてリスクを評価する切羽評価システムであって、
    切羽を撮影した画像である切羽画像を取得する画像取得部と、
    前記切羽画像に基づいて、切羽の状態を示す一以上の性状の指標値を判定する性状判定部と、
    前記性状の指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとの関連付けである第1の関連付けに基づいて、前記性状判定部により判定された指標値に対応するカテゴリを判定するカテゴリ判定部と、
    前記カテゴリ判定部により判定されたカテゴリを出力する出力部と、
    切羽におけるリスクに関する所定事象の発生の有無を示す事象情報を切羽ごとに取得する事象情報取得部と、
    切羽ごとに前記指標値及び前記事象情報を関連付けて記憶している切羽情報記憶部と、
    各カテゴリに属する複数の切羽における前記所定事象の発生頻度が、予め設定された、前記所定事象の発生頻度の範囲とカテゴリとの関連付けである第2の関連付けを充足するように、前記第1の関連付けを設定する設定部と、
    を備える切羽評価システム。
  8. 前記切羽の状態を示す性状は、切羽の風化の状態である風化性状、切羽面に生じた亀裂の状態である割目性状、切羽を構成する岩種を示す岩種性状、及び、切羽面に生じた湧き水の状態である湧き水性状のいずれかである、
    請求項に記載の切羽評価システム。
  9. 前記所定事象は、切羽の崩落、切羽面における亀裂の発生、切羽の支保工の変形、及び、切羽の支保工の変位のうちの少なくとも一つを含む、
    請求項7または8に記載の切羽評価システム。
  10. トンネルの切羽の状態に基づいてリスクを評価する切羽評価システムにおける切羽評価方法であって、
    切羽を撮影した画像である切羽画像を取得する画像取得ステップと、
    前記切羽画像に基づいて、切羽の状態を示す一以上の性状の指標値を判定する性状判定ステップと、
    前記性状の指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとの関連付けである第1の関連付けに基づいて、前記性状判定ステップにおいて判定された指標値に対応するカテゴリを判定するカテゴリ判定ステップと、
    前記カテゴリ判定ステップにおいて判定されたカテゴリを出力する出力ステップと、
    切羽におけるリスクに関する所定事象の発生の有無を示す事象情報を切羽ごとに取得する事象情報取得ステップと、
    各カテゴリに属する複数の切羽における前記所定事象の発生頻度が、予め設定された、前記所定事象の発生頻度の範囲とカテゴリとの関連付けである第2の関連付けを充足するように、前記第1の関連付けを設定する設定ステップと、
    を有する切羽評価方法。
  11. トンネルの切羽の状態に基づいてリスクを評価する切羽評価システムとしてコンピュータを機能させる切羽評価プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    切羽を撮影した画像である切羽画像を取得する画像取得機能と、
    前記切羽画像に基づいて、切羽の状態を示す一以上の性状の指標値を判定する性状判定機能と、
    前記性状の指標値の範囲と当該性状に関するカテゴリとの関連付けである第1の関連付けに基づいて、前記性状判定機能により判定された指標値に対応するカテゴリを判定するカテゴリ判定機能と、
    前記カテゴリ判定機能により判定されたカテゴリを出力する出力機能と、
    切羽におけるリスクに関する所定事象の発生の有無を示す事象情報を切羽ごとに取得する事象情報取得機能と、
    各カテゴリに属する複数の切羽における前記所定事象の発生頻度が、予め設定された、前記所定事象の発生頻度の範囲とカテゴリとの関連付けである第2の関連付けを充足するように、前記第1の関連付けを設定する設定機能と、
    を実現させる切羽評価プログラム。
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