JP7006961B2 - 無線通信装置及びアンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信装置及びアンテナ装置に関し、特に同一周波数帯を使用して複数の系のデータを同時に無線伝送可能な無線通信装置、及びその無線通信装置に使用されるアンテナ装置に関する。
近年、インターネットの豊富なコンテンツと、光回線による超高速ネットワークならびに最終ユーザへの無線ネットワークの普及で、“いつでも、どこでも、誰とでも”、さらには“いまだけ、ここだけ、あなただけ”という個人のニ-ズに合わせた情報の提供を可能にする高度情報社会への進展が急速に進んでいる。さらに、センサーネットワークを用いた人を介さない通信によるビッグデータの収集も並行して進んでいる。これらを支える無線システムとして、携帯電話、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、無線LAN(Local Area Network)、ブルートゥース(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)、ジグビー等多様なシステムが提供されている。
加えて、これらのシステムをシームレスに接続し、各システムを組み合わせて提供するサービスも進展している。これらの無線システムは、固有の通信帯域を占有して通信を行うものであり、特に大量のデータを高速に伝送するためには広い周波数帯域を用いる必要があり、貴重な資源である周波数資源を多く必要とするという問題があった。このため、有効利用の指標として伝送情報量を帯域幅で割った周波数あたりの伝送レート(bit/Hz)を向上できる技術の重要性が増大している。
周波数あたりの伝送レートを向上できる技術の1つとして、複数のアンテナを送信側と受信側に配置したMIMO(multiple-input and multiple-output)と称される技術が知られている。MIMOは、同じ時間内に同じ帯域内で、伝搬特性の違いを活用して多重化する空間多重化の手法である。例えば、送信側と受信側のそれぞれがn個(nは任意の整数)のアンテナを備えた場合、送信アンテナの電圧電流と受信アンテナの電圧電流の関係は、伝搬路の伝達関数(例えばZ行列)で一意に定めることができ、n行×n列の正方行列として表現される。
この行列の固有ベクトルを用いるとn行×n列の正方行列は対角化でき、n個の固有ベクトルに関する伝達関数は独立となるので、n重の多重化が可能となる。しかしながら、MIMOでは、混ざり合った信号を数学的に分離するため、複雑な信号処理が必要になるという問題がある。また、複数のアンテナを協調させて動作させることになるので、システム構成が複雑になるという問題もあった。
このような状況を踏まえて、近年、同一の周波数における多重化の手法として、OAM(Orbital Angular Momentum)通信が提案されている。この手法は、電磁界の軌道角運動量が保存される場合にのみ相互作用が許容される現象を活用するものであり、電磁波に軌道角運動量(OAM)の情報を持たせて伝送する手法である。
レーザのようなビーム断面がガウス分布系となる波動では、断面における方位φに関する位相空間分布は、通常の波では一定である。一方、OAM波では、exp(jmφ)(但し、mはOAM波のモード次数で磁気量子数と呼ばれる)に従い、方位φに対して線形に変化して、同一位相面が螺旋状に進む。
このようなOAM波は、光通信の場合には、レーザとホログラムあるいはスパイラル位相板を用いて比較的簡単に実現することができる。一方、マイクロ波の場合には、固有モードの送信方法や受信方法、及び絞られたビームの伝送方法が光通信と大きく異なるため、OAM波の実現は容易ではない。
例えば、特許文献1には、光でOAM通信を行う場合の構成を模擬して、パラボラアンテナにスパイラル状の切込みを入れて、反射面を波長の整数倍ずらすことにより、電磁波でOAM波を生成させる技術が記載されている。
また、特許文献2には、アレイ状のアンテナ素子を円周上に配置して、各アンテナ素子間の位相を一定の間隔でずらすことで、円周上の受信位置で、位相面がexp(jmφ)と変化する電磁界を作り出す技術が記載されている。この技術は、ずらす位相量を離散的に変えることにより、異なるOAMモードを作り出し、モード間で多重化を行うものである。
WO2014/199451号公報 特開2015-231108号公報
特許文献1に記載されるように、パラボラアンテナにスパイラル状に切込みを入れて、反射面を波長の整数倍ずらすことで、OAM波を生成することができる。
しかしながら、切り込みを入れた特殊な形状のパラボラアンテナを製作するのは容易ではなく、量産が困難であるという問題がある。
また、特許文献2に記載されるように、アレイ状のアンテナ素子を円周上に配置する構成とする場合には、一般のMIMO通信の場合と同様に、アンテナ間の受信信号間の相関から、各モードの信号を取り出すための複雑な信号処理が必要となる。さらに、送信側では、exp(jmφ)で回転する電磁界を作成するため、一定の位相差をアンテナ間に与えるための位相器を配置する必要がある。したがって、アレイ状のアンテナ素子を円周上に配置する場合には、送信回路や受信回路の構成が複雑になるという問題がある。
このように、従来から提案されている周波数あたりの伝送レートを向上させる技術は、複雑なアンテナが必要となる問題や、複雑な構成の送受信回路が必要になるという問題があり、周波数あたりの伝送レートをより簡単な構成で向上させることが望まれていた。
本発明の目的は、周波数あたりの伝送レートを簡単な構成で向上させることができる無線通信装置及びアンテナ装置を提供することにある。
本発明の無線通信装置は、送信アンテナと、送信アンテナから送信された無線信号を受信する受信アンテナとを有する無線通信装置である。
送信アンテナ及び受信アンテナは、無線通信周波数から決まる波長の約整数倍であるm,m,・・・,m倍(Nは2以上の整数)のそれぞれ異なる周囲長を有するN個の円形ループアンテナ素子が、同一平面に同心円状に配置される第1の円形ループアンテナ群と、第1の円形ループアンテナ群とは別の同一平面に同心円状に配置されたN個の円形ループアンテナ素子が、第1の円形ループアンテナ群のN個の円形ループアンテナ素子と同一の周囲長を持つ第2の円形ループアンテナ群と、第1の円形ループアンテナ群及び第2の円形ループアンテナ群のそれぞれの円形ループアンテナ素子に個別に接続される複数の給電部とを備える。
送信アンテナのN個の円形ループアンテナ素子の中心軸と、受信アンテナのN個の円形ループアンテナ素子の中心軸とを、ほぼ直線状に配置する。
そして、第1の円形ループアンテナ群と第2の円形ループアンテナ群とで、同じ周囲長を有する円形ループアンテナ素子に給電部を接続する角度位置が、(2l+1)π/2mだけ回転した角度位置(但し、lは任意の整数、mは波長の約整数倍であるm~mの値)とする。
また本発明のアンテナ装置は、無線通信周波数から決まる波長の約整数倍であるm,m,・・・,m倍(Nは2以上の整数)のそれぞれ異なる周囲長を有するN個の円形ループアンテナ素子が、同一平面に同心円状に配置される第1の円形ループアンテナ群と、第1の円形ループアンテナ群とは別の同一平面に同心円状に配置されたN個の円形ループアンテナ素子が、第1の円形ループアンテナ群のN個の円形ループアンテナ素子と同一の周囲長を持つ第2の円形ループアンテナ群と、第1の円形ループアンテナ群及び第2の円形ループアンテナ群のそれぞれの円形ループアンテナ素子に個別に接続される複数の給電部とを備える。
そして、第1の円形ループアンテナ群と第2の円形ループアンテナ群とで、同じ周囲長を有する円形ループアンテナ素子に給電部を接続する角度位置が、(2l+1)π/2mだけ回転した角度位置(但し、lは任意の整数、mは波長の約整数倍であるm~mの値)とする。
本発明の第1の実施の形態例による無線通信装置の全体構成例を示す構成図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナ構成(上面のパターン)を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナ構成(下面のパターン)を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナの断面図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナの給電部付近を拡大して示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナの電流分布と極座標系での電磁界の観測点を示す図である。 給電部を接続する端子位置が同じ場合のアンテナの反射損失の例を示す特性図である。 給電部を接続する端子位置が同じ場合の各素子間の通過特性の例(アンテナ1を励振)を示す特性図である。 給電部を接続する端子位置が同じ場合の素子間の通過特性の例(アンテナ2を励振)を示す特性図である。 給電部を接続する端子位置が同じ場合の素子間の通過特性の例(アンテナ3を励振)を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナの反射損失の例を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナの各素子間の通過特性の例(アンテナ1を励振)を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナの各素子間の通過特性の例(アンテナ2を励振)を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナの各素子間の通過特性の例(アンテナ3を励振)を示す特性図である。 第1の円形ループアンテナ群と第2の円形ループアンテナ群とで、給電部を接続する端子の角度位置が同じ場合の反射損失の例を示す特性図である。 第1の円形ループアンテナ群と第2の円形ループアンテナ群とで、給電部を接続する端子の角度位置が同じ場合の通過特性の例(アンテナ1を励振)を示す特性図である。 第1の円形ループアンテナ群と第2の円形ループアンテナ群とで、給電部を接続する端子の角度位置が同じ場合の通過特性の例(アンテナ4を励振)を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナ(励振アンテナのループ半径:8.4mm)の反射損失の例を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナ(励振アンテナのループ半径:8.4mm)の通過特性の例(アンテナ1を励振)を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナ(励振アンテナのループ半径:8.4mm)の通過特性の例(アンテナ4を励振)を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナ(励振アンテナのループ半径:16.7mm,25mm)の各素子間の通過特性の例(アンテナ2を励振)を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナ(励振アンテナのループ半径:16.7mm,25mm)の各素子間の通過特性の例(アンテナ3を励振)を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナ(励振アンテナのループ半径:16.7mm,25mm)の各素子間の通過特性の例(アンテナ5を励振)を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態例によるアンテナ(励振アンテナのループ半径:16.7mm,25mm)の各素子間の通過特性の例(アンテナ6を励振)を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態例による無線通信装置の全体構成例を示す構成図である。 本発明の第2の実施の形態例によるアンテナ構成(上面のパターン)を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態例によるアンテナ構成(下面のパターン)を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態例によるアンテナの反射損失の例を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態例による送信アンテナ間の通過特性の例(アンテナ1を励振)を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態例による送信アンテナ間の通過特性の例(アンテナ2を励振)を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態例による送信アンテナ間の通過特性の例(アンテナ3を励振)を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態例によるアンテナの反射損失の例を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態例によるアンテナの各素子間の通過特性の例(アンテナ1を励振)を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態例によるアンテナの各素子間の通過特性の例(アンテナ2を励振)を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態例によるアンテナの各素子間の通過特性の例(アンテナ3を励振)を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態例によるアンテナの各素子間の通過特性の例(アンテナ4を励振)を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態例によるアンテナの各素子間の通過特性の例(アンテナ5を励振)を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態例によるアンテナの各素子間の通過特性の例(アンテナ6を励振)を示す特性図である。
<1.第1の実施の形態例>
以下、本発明の第1の実施の形態例を、図1~図24を参照して説明する。
[1-1.システム全体の構成]
図1は、第1の実施の形態例の無線通信装置全体の構成例を示す図である。
第1の実施の形態例の無線通信装置は、比較的近距離で送信アンテナ100から受信アンテナ200に無線通信を行うものである。送信アンテナ100と受信アンテナ200は同一の構成であり、それぞれ複数(ここでは6本)の円形ループアンテナ素子110~160,210~260を備える。図2及び図3は送信アンテナ100の上面及び下面の構成を示すが、受信アンテナ200についても、送信アンテナ100と同一の形状である。
すなわち、送信アンテナ100は、6本の円形ループアンテナ素子110,120,130,140,150,160を備える。この6本の円形ループアンテナ素子110~160は、第1の円形ループアンテナ群100Aと第2の円形ループアンテナ群100Bとに分かれる。第1の円形ループアンテナ群100Aと第2の円形ループアンテナ群100Bは、図4に示すように、1枚の基板190の表面側の誘電体層191に第1の円形ループアンテナ群100Aが配置され、基板190の裏面側の誘電体層192に第2の円形ループアンテナ群100Bが配置される。
第1の円形ループアンテナ群100Aは、3本の円形ループアンテナ素子110,120,130を備え、この3本の円形ループアンテナ素子110,120,130は、中心位置Cを一致させた状態で同一平面(基板190の表面側の誘電体層191)に配置される。
第2の円形ループアンテナ群100Bは、3本の円形ループアンテナ素子140,150,160を備え、この3本の円形ループアンテナ素子140,150,160は、中心位置Cを一致させた状態で同一平面(基板190の裏面側の誘電体層192)に配置される。
また、受信アンテナ200は、送信アンテナ100と同一形状であり、6本の円形ループアンテナ素子210,220,230,240,250,260を備え、第1の円形ループアンテナ群200Aと第2の円形ループアンテナ群200Bとに分かれる。
第1の円形ループアンテナ群200Aは、3本の円形ループアンテナ素子210,220,230を備え、この3本の円形ループアンテナ素子210,220,230は、中心位置Cを一致させた状態で同一平面に配置される。
第2の円形ループアンテナ群200Bは、3本の円形ループアンテナ素子240,250,260を備え、この3本の円形ループアンテナ素子240,250,260は、中心位置Cを一致させた状態で同一平面に配置される。
送信アンテナ100の円形ループアンテナ素子110~160と受信アンテナ200の円形ループアンテナ素子210~260は、後述するように給電部で途切れた円形の導体で構成され、導体が環状には繋がっていない(図5参照)。
送信アンテナ100及び受信アンテナ200を構成する各円形ループアンテナ素子110~160,210~260は、それぞれが独立しており、無線通信装置で無線伝送する周波数から決まる波長の約整数倍となる長さを有する。
ここで、第1の円形ループアンテナ群100Aの円形ループアンテナ素子110と、第2の円形ループアンテナ群100Bの円形ループアンテナ素子140とは、同一の周囲長であり、ループ半径が等しい。同様に、円形ループアンテナ素子120と円形ループアンテナ素子150も同一の周囲長でループ半径が等しく、さらに、円形ループアンテナ素子130と円形ループアンテナ素子160も同一の周囲長でループ半径が等しい。
受信アンテナ200についても、第1の円形ループアンテナ群200Aの円形ループアンテナ素子210と、第2の円形ループアンテナ群200Bの円形ループアンテナ素子240とは、同一の周囲長であり、ループ半径が等しい。同様に、円形ループアンテナ素子220と円形ループアンテナ素子250も同一の周囲長でループ半径が等しく、さらに、円形ループアンテナ素子230と円形ループアンテナ素子260も同一の周囲長でループ半径が等しい。
なお、ここでは第1の円形ループアンテナ群100A、200Aの各素子と、第2の円形ループアンテナ群100B、200Bの各素子のループ半径が等しいと述べたが、アンテナ間の干渉で最適値はわずかにずれる場合があるので、これを補償するため、完全に等しいループ半径から若干ずれた値とした、ほぼ等しい半径としてもよい。
各円形ループアンテナ素子110~160,210~260の長さの詳細については後述する。
図1に示すように、送信アンテナ100の第1の円形ループアンテナ群100Aの中心位置Cと第2の円形ループアンテナ群100Bの中心位置Cは、各円形ループアンテナ素子110~160が配置された平面と直交する方向で見たとき一致しており、中心軸φ上にある。
同様に、受信アンテナ200の第1の円形ループアンテナ群200Aの中心位置Cと第2の円形ループアンテナ群200Bの中心位置Cも、各円形ループアンテナ素子210~260が配置された平面と直交する方向で見たとき一致しており、中心軸φを通過上にある。
したがって、中心軸φは、送信アンテナ100の全ての円形ループアンテナ素子110~160と受信アンテナ200の全ての円形ループアンテナ素子210~260の中心位置C~Cを通過する。各中心位置C~Cは、中心軸φと完全に一致することが特性上望ましいが、各中心位置C~Cが中心軸φから多少ずれていても伝送は可能である。
送信アンテナ100と受信アンテナ200との距離Lは、例えば数mmから数十cm程度の比較的近距離に設定する。但し、後述する変形例で説明するように、放物面を備えた反射部材であるパラボロイドを配置して、伝送距離Lを長距離化するようにしてもよい。
送信側の構成について説明すると、送信データ生成部10は、6つの送信データ系列を生成し、生成した6つの送信データ系列を、6つの送信部21,22,23,24,25,26に供給する。各送信部21,22,23,24,25,26は、供給される送信データ系列で変調された、同じ周波数の送信波とする。各送信部21,22,23,24,25,26で得られた送信波は、信号線31,32,33,34,35,36を介して、6本の円形ループアンテナ素子110,120,130,140,150,160に接続された給電部111,121,131,141,151,161に供給される。
そして、6本の円形ループアンテナ素子110,120,130,140,150,160は、各給電部111,121,131,141,151,161に供給された送信波を無線伝送する。
ここで、送信アンテナ100の第1の円形ループアンテナ群100Aの3本の円形ループアンテナ素子110,120,130については、給電部111,121,131を接続する端子位置を、同じ角度位置に設定する。一方、送信アンテナ100の第2の円形ループアンテナ群100Bの3本の円形ループアンテナ素子140,150,160については、給電部141,151,151を接続する端子位置を、第1の円形ループアンテナ群100A側の3本の円形ループアンテナ素子110,120,130に給電部111,121,131を接続した端子位置から、所定角度ずつシフトした角度位置に設定する。
例えば、第1の円形ループアンテナ群100Aの3本の円形ループアンテナ素子110,120,130に給電部111,121,131を接続した端子位置φU1、φU2、φU3を基準位置(0度)としたとき(これら端子位置φU1、φU2、φU3は同じ角度位置)、第2の円形ループアンテナ群100Bの円形ループアンテナ素子140に給電部141を接続した端子位置は、基準位置からシフトした角度位置φL1とする。同様に、第2の円形ループアンテナ群100Bの円形ループアンテナ素子150に給電部151を接続した端子位置は、基準位置からシフトした角度位置φL2とする。さらに、第2の円形ループアンテナ群100Bの円形ループアンテナ素子160に給電部161を接続した端子位置は、基準位置からシフトした角度位置φL3とする。
ここでは、角度位置φL3はπ/6、角度位置φL2はπ/4、角度位置φL1はπ/2である。これらの角度の設定の詳細については後述する。
6本の円形ループアンテナ素子110,120,130,140,150,160から無線伝送された信号は、受信アンテナ200の6本の円形ループアンテナ素子210,220,230,240,250,260で個別に受信される。6本の円形ループアンテナ素子210,220,230,240,250,260は、それぞれ別の給電部211,221,231,241,251,261を備え、各給電部211,221,231,241,251,261に得られる受信信号が、信号線41,42,43,44,45,46を介して個別の受信部51,52,53,54,55,56に供給される。各受信部51,52,53,54,55,56は、同じ周波数で伝送された信号を復調して、受信データ系列を得る。各受信部51,42,53,54,55,56で得られた受信データ系列は、受信データ処理部60に供給される。
受信アンテナ200の6本の円形ループアンテナ素子210~260に給電部211~261を接続する端子位置は、送信アンテナ100の6本の円形ループアンテナ素子110~160に給電部111~161を接続する端子位置と同じである。そして、第2の円形ループアンテナ群200Bの円形ループアンテナ素子140,150,160に給電部141,151,161を接続する端子位置は、基準位置から角度φL1,φL2,φL3だけシフトさせている。
[1-2.アンテナ装置の構成]
図2~図5は、送信アンテナ100の構成を示す。受信アンテナ200についても送信アンテナ100と同じ構成であり、図2~図5に示す説明を適用することができる。
図2及び図3は、送信アンテナ100の第1の円形ループアンテナ群100A(図2)と第2の円形ループアンテナ群100B(図3)とを、図1の中心軸φの上側から平面で見た図である。
図2に示すように、送信アンテナ100の第1の円形ループアンテナ群100Aの3本の円形ループアンテナ素子110,120,130は、同心円状に配置される。また、第2の円形ループアンテナ群100Bの3本の円形ループアンテナ素子140,150,160についても、第1の円形ループアンテナ群100Aと同じ条件で同心円状に配置される。それぞれの円形ループアンテナ素子110,120,130を構成する導体の長さは、送信信号の周波数から決まる波長の約整数倍に設定する。
すなわち、無線送信信号の波長をλとしたとき、円形ループアンテナ素子110,120,130の周囲長が、その波長λの約整数倍となるようにする。つまり、同心円の中心Cから、各円形ループアンテナ素子110,120,130を構成する導体の中心までの半径をa,a,aとし、この半径a~aをa(iは1~3の整数)として示した場合、各円形ループアンテナ素子110~130,140~160の半径aは、以下の[数1]式で示される。
Figure 0007006961000001
但し、nは任意の自然数であり、各円形ループアンテナ素子110~130ごと(及び円形ループアンテナ素子140~160ごと)に異なる値の自然数である。
図2に示すように第1の円形ループアンテナ群100Aの各円形ループアンテナ素子110,120,130を配置したとき、最内周の円形ループアンテナ素子110が最小の周囲長となり、最外周の円形ループアンテナ素子130が最大の周囲長となる。同様に、図3に示すように第2の円形ループアンテナ群100Bの各円形ループアンテナ素子140,150,160を配置したとき、最内周の円形ループアンテナ素子140が最小の周囲長となり、最外周の円形ループアンテナ素子160が最大の周囲長となる。つまり、nは、例えば、各円形ループアンテナ群100A,100Bごとに、内側から外側に向けて1,2,3のように順に増加する自然数である。但し、nの値が1つずつ増加する連なった値とするのは1つの例であり、ランダムに増加する値でもよい。
図4は、送信アンテナ100の断面形状を示す。
送信アンテナ100は、第1の円形ループアンテナ群100Aの3本の円形ループアンテナ素子110~130が、基板190の表面側の誘電体層191の上に配置される。また、第2の円形ループアンテナ群100Bの3本の円形ループアンテナ素子140~160が、基板190の裏面側の誘電体層192の上に配置される。
基板190は、硬質プラスチック独立気泡発泡体(商品名ロハセル)等の低誘電率フォームが使用される。あるいは、基板190の代わりに自由空間としてもよい。
誘電体層191,192としては、例えばガラス・エポシキ基板(FR-4等と称される基板)が使用される。
誘電体層191,192の上に各円形ループアンテナ群100A,100Bを配置したとき、波長は誘電体基板の誘電率εで短縮されるため、各円形ループアンテナ素子110~130,140~160の半径aは、次の[数2]式で示される。ここでの波長λ0は自由空間における波長を示す。
Figure 0007006961000002
また、各円形ループアンテナ素子110,120,130の導体幅dは、ループ半径の1/10以下が望ましい。例えば、各円形ループアンテナ素子110~130,140~160の導体幅dは、最内周の円形ループアンテナ素子110,140の半径の1/10以下の任意の値とする。あるいは、各円形ループアンテナ素子110~130,140~160ごとに、それぞれの半径の1/10以下となるように、外周側になるに従って導体幅dが太くなるようにしてもよい。
そして、第1の円形ループアンテナ群100Aの各円形ループアンテナ素子110,120,130に給電部111,121,131を接続する端子の角度位置φU1、φU2、φU3と、第2の円形ループアンテナ群100Bの各円形ループアンテナ素子140,150,160に給電部141,151,161を接続する端子の角度位置φL1、φL2、φL3は、既に説明したように異なる角度位置に設定する。
すなわち、第1の円形ループアンテナ群100Aの3本の円形ループアンテナ素子110,120,130に給電部111,121,131を接続する端子位置(φU1、φU2、φU3の位置)を基準としたとき、第2の円形ループアンテナ群100Bの円形ループアンテナ素子140に給電部141を接続した端子位置は、基準位置φαから角度φL1だけシフトさせる。同様に、第2の円形ループアンテナ群100Bの円形ループアンテナ素子150に給電部151を接続する端子位置は、基準位置φαから角度φL2だけシフトさせる。さらに、第2の円形ループアンテナ群100Bの円形ループアンテナ素子160に給電部161を接続する端子位置は、基準位置φαから角度φL3だけシフトさせている。
一般には、ループ半径が波長のm倍のループに関して、第1の円形ループアンテナ群100Aと第2の円形ループアンテナ群100Bとでは、角度が(2l+1)π/2mだけ回転した位置とする。ここでlは任意の整数でよい。ここでは、上面側である第1の円形ループアンテナ群100Aの給電部111,121,131を接続した端子の角度位置をφU1、φU2、φU3とし、下面側である第2の円形ループアンテナ群100Bの給電部141,151,161を接続した端子の角度位置をφL1、φL2、φL3とする。ここでの第1の円形ループアンテナ群100A側の角度位置φU1、φU2、φU3は、全て同じ角度である。
なお、受信アンテナ200側の第1の円形ループアンテナ群200Aの各円形ループアンテナ素子210,220,230に給電部211,221,231を接続する端子位置と、第2の円形ループアンテナ群200Bの各円形ループアンテナ素子240,250,260に給電部241,251,261を接続する端子位置も、送信アンテナ100側と同様の条件で、異なる角度位置に設定する。すなわち、上面側である第1の円形ループアンテナ群200Aの給電部211,221,231を接続した端子の角度位置をφU1、φU2、φU3とし、下面側である第2の円形ループアンテナ群200Bの給電部241,251,261を接続する端子の角度位置をφL1、φL2、φL3とする。
図5は、円形ループアンテナ素子110に接続される給電部111の詳細構成を拡大して示したものである。
円形ループアンテナ素子110の端子部である一端110aと他端110bとの間は非導通状態で近接し、一端110a及び他端110bには、直線状の結合線路111a及び111bが接続される。この結合線路111a及び111bは、約90°曲がった位置に配置された別の直線状の結合線路111c及び111dに接続され、結合線路111c及び111dの端に、差動入出力端子であるパッド111e及び111fが形成される。
2つのパッド111e及び111fには、図1に示す送信部21から互いに逆極性の差動信号が供給される。
図5に示す構成の給電部111は、実インピーダンス変換を行うパランとして機能する。このバランとしての機能を持つ給電部111により、例えば円形ループアンテナ素子110の入力インピーダンスを、同軸ケーブルのインピーダンスである50Ωに合わせることができる。なお、図5に示す給電部111の構成は一例であり、アンテナ用の給電部として知られたその他のバラン(平衡-不平衡変換器)を給電部111に適用してもよい。
送信アンテナ100が備える他の円形ループアンテナ素子120,130,140,150,160に接続された給電部121,131,141,151,161についても、図5に示す給電部111と同様の構成であり、それぞれの給電部121,131,141,151,161に対応した送信部22,23,24,25,26から差動信号が供給される。
また、受信アンテナ200の各円形ループアンテナ素子210,220,230,240,250,260に接続された給電部211,221,231,241,251,261も、図5に示す給電部111と同様の構成である。すなわち、各給電部211,221,231,241,251,261のパッド(図5に示すパッド111e及び111fと同様の構成)に、各円形ループアンテナ素子210,220,230,240,250,260で受信した差動信号が得られ、パッドに得られる差動信号が各受信部51,52,53,54,55,56に供給される。
[1-3.アンテナ装置の動作特性]
次に、送信アンテナ100及び受信アンテナ200の動作特性について説明する。
まず、個々の円形ループアンテナ素子110~160,210~260の単体としての特性を説明する。
以下の特性説明時には、図1に示した円形ループアンテナ素子110,120,130,140,150,160を、それぞれアンテナ1,2,3,4,5,6と称する。励振される1つの円形ループアンテナ素子i(iは1~6のいずれか)をXY面に配置し、かつその励振端子の位置をX軸上(φ=0)にとったとき、その円形ループアンテナi上の電流分布Ii(φ)は、導体の対称性からフーリエ級数展開することで、次の[数3]式で表現できる。ここで下付き添え字はアンテナ番号を、上付き添え字は展開次数を示す。
Figure 0007006961000003
この[数3]式に基づいて、円形ループアンテナ素子の長さ(周囲長)が波長の約整数倍になったときの電流分布は、周囲長が波長のm倍のアンテナmを励振した場合cos(mφ)の展開係数のImi miが圧倒的に大きく、他の係数は大幅に小さい。またこの場合、放射電磁界の磁気量子数モードはm次が支配的になる。
以上の点をもとに本実施の形態例の送信アンテナ100と受信アンテナ200との伝送特性について説明する。
円形ループアンテナ素子110~160は、それぞれの群ごとにm=1,m=2,m=3としたので、一番小さな円形ループアンテナ素子110を励振した場合ではI1 が圧倒的に大きく、中間のサイズの円形ループアンテナ素子120を励振した場合にはI2 2が圧倒的に大きく、最大のサイズの円形ループアンテナ素子130を励振した場合にはI3 3が圧倒的に大きい。
ここで、例えば最小サイズの円形ループアンテナ1を励振した場合、この円形ループアンテナの放射電磁界は、磁気量子数が1次の電磁界で、アンテナ上の電流展開係数の次数は1次のみと近似できる。この場合の他のアンテナ素子に対する誘起電流は、同じ電流の次数間でのみで起きることが知られている。ここで、この状況をさらに詳しく解析した結果、ループ半径が等しいアンテナ上では導体上のφに関する電流分布は近似的に等しいことを見出した。
アンテナ1が励振された場合、電流は1次のみの電流がアンテナ1上に誘起され、これは他のアンテナに1次のみの電流を誘起する。一方、ループ半径が異なるアンテナでは、1次の電流は誘起されない。したがって下面の同じループ半径であるアンテナ4のみに1次の電流が誘起される。
アンテナ4上の電流分布I(φ)は、電流分布は近似的に等しいことから以下のようになる。ここで励振アンテナの端子の位置はφ=0と置いたので、以降時計回りにφをとる。なお、この場合φの符号が反転するが、cosmφの値は変わらない。
Figure 0007006961000004
ここで、アンテナ4(円形ループアンテナ素子140)の端子位置は、図1~図3に示すように、φ=π/2の位置にあるので、端子の電流は以下のように与えられる。
Figure 0007006961000005
すなわち、アンテナ4の端子には電流は流れないので、同じループ半径であっても、受信しない。一方アンテナ4の端子を、アンテナ1,2,3の端子と同じ方向にすると、以下のようになる。
Figure 0007006961000006
このように端子位置が同じ角度位置である場合には、最大の電流が流れるので、大きく受信する点が動作として異なる。同様に波長のm倍のアンテナiを励振した場合は、ループ半径が異なるアンテナはm次の電流は励起しないため受信しないが、対向した面の同じループ半径のアンテナi′には以下の電流分布が励起される。
Figure 0007006961000007
しかしながら、対向した面の同じループ半径のアンテナi′の端子は(2l+1)π/2mの位置にあるので、端子電流はやはり0となる。
Figure 0007006961000008
したがって、図1に示す構成の送信アンテナ100及び受信アンテナ200を用意したとき、近似的には、端子方位が異なるどのアンテナ素子間でも受信しない特性となる。一方端子方位を同じにすると、同じループ半径のものでは大きく受信する。つまり、送信と受信で同じループ半径かつ端子位置が同じアンテナ素子では送受信するが、他の組み合わせではまったく送受信しないので、同じ周波数帯を使った多重化が可能となる。
なお、同じループ半径で、端子配置がlπ/mずれている場合も[数7]から最大の電流が流れる。従って、最大の電力を受けたい受信側のアンテナについては、上記の例のように端子方位が等しくてもよいが、lπ/mずれていてもよい。
すなわち、m=1,2,3を用いた図1~図3に示す構成では、上面の第1の円形ループアンテナ群100Aの3本の円形ループアンテナ素子110,120,130と、下面の第2の円形ループアンテナ群100Bの3本の円形ループアンテナ素子140,150,160の計6素子が存在するため、各アンテナ素子に異なる信号を載せることで、6値多重が可能になる。端子位置が同じ場合には、多重数は、同一平面に配置された周囲長が異なるアンテナ素子の数に制限される。
ここまでの説明では電流分布を近似していたので、通過特性も近似的にしか正しくないと考えられる。次に、実際に図1~図3に示す送信アンテナ100及び受信アンテナ200を用いて、通過特性を評価した結果を示す。
ここでは、アンテナ1~6(円形ループアンテナ素子110~160,210~260)を、厚さ0.1mmのFR-4基板上に配置した。各群のループ半径は8.4mm、16.7mm、25mmとした。この場合の周囲長は52.8mm、104.9mm、157.1mmであり、実効比誘電率1.2、周波数5.2GHzにおける波長52.66mmの概ね1倍、2倍、3倍である52.7mm、105.3mm、158.0mmと概ね等しい。また、第1の円形ループアンテナ群100Aのアンテナ1~3を配置した面(上面)と、第2の円形ループアンテナ群100Bのアンテナ4~6を配置した面(下面)との間隔は10mmである。各アンテナ素子の端子インピーダンスは100Ωとする。
図7~図10は、アンテナ1~6(円形ループアンテナ素子110~160,210~260)の全ての端子の角度位置(配置方向)が全て同じである場合の反射特性(図7)と各素子間の通過特性(図8~図10)を示す。
また、図11~図14は、図1に示すように、各アンテナ1~6の端子の角度位置(配置方向)を設定した場合(つまりアンテナ4~6の端子位置が上面のアンテナ1~3の端子位置からπ/2,π/4,π/6ずれた構造)の反射特性(図11)と各素子間の通過特性(図12~図14)を示す。
これら図7~図14において、図7及び図11は、送信アンテナ100の反射損失を示す。また、図8及び図12は、アンテナ1を励振させた場合の通過特性、図9及び図13は、アンテナ2を励振させた場合の通過特性、図10及び図14は、アンテナ3を励振させた場合の通過特性を示す。
例えば、図7及び図11に示す反射損失S11は送信アンテナ100のアンテナ1の反射損失を示し、反射損失S22は送信アンテナ100のアンテナ2の反射損失を示し、反射損失S33は送信アンテナ100のアンテナ3の反射損失を示す。
また、図8及び図12に示す通過特性S21,S31,S41,S51,S61は、それぞれアンテナ1を励振させた場合のアンテナ2,3,4,5,6の通過特性を示す。
図7に示すように、端子位置が同じ場合には良好な反射損失が得られている。しかしながら、図8~図10に示すように、ループ半径が等しいアンテナ素子間では、アイソレーションが悪くなっている。具体的には、例えば図8の特性S41、図9の特性S52、図10の特性S63では、5.2GHz近傍で、5dB程度になっている。
一方、本実施の形態例の送信アンテナ100の特性では、例えば図12の特性S41、図13の特性S52、図14の特性S63では、5.2GHz近傍で、-30dB以下である。したがって、同一面の異なるループ半径の素子間のアイソレーションより大きな値が得られており、ループ半径が同じ素子(例えばアンテナ1とアンテナ4)でも大きなアイソレーションを得ることができる。
なお、5.2GHzにおける、所望のアンテナ以外からの通過量は、図11に示すように約-20dBで小さいともいえるが、各アンテナが放射する搬送波に信号を載せることを考えると、これは干渉波となるため、できるだけ小さくすることが通信性能を向上させる上で重要である。
次に、送信アンテナ100と受信アンテナ200との間の特性について説明する。
図15~図17は、端子の角度位置(方位角)が同じアンテナ素子である場合の反射損失及び通過特性を示す。一方、図18~図20は、端子の角度位置(方位角)を図1に示すように変えた場合の反射損失及び通過特性を示す。
ここでは、送信アンテナ100の6本の円形ループアンテナ素子110~160を、アンテナ1~6とし、受信アンテナ200の6本の円形ループアンテナ素子210~260を、アンテナ7~12と称する。
なお、図1に示した送信円形ループアンテナ群100Aを配置した面と、送信円形ループアンテナ群100Bを配置した面との間隔は10mm、送受信アンテナ間の距離Lは30mmである。さらに、受信円形ループアンテナ群200Aを配置した面と、受信円形ループアンテナ群200Bを配置した面との間隔も10mmである。
図15及び図18に示す反射損失は、送信アンテナ100の反射特性を示す。例えば、特性S11は、送信アンテナ100のアンテナ1(素子110)での反射特性を示す。
図16~図17及び図19~図20に示す通過特性は、送信アンテナ100のアンテナ1及び4(素子110,140)を励振させた場合の通過特性を示す。例えば特性S12は、送信アンテナ100のアンテナ1(素子110)から送信アンテナ100のアンテナ2(素子120)への通過特性を示す。また特性S17は、送信アンテナ100のアンテナ1(素子110)から受信アンテナ200のアンテナ7(素子210)への通過特性を示す。
図15~図17に示すように、端子方向が同じ素子を2個並べた場合の通過特性では、最大の通過量となっているのは、図16、図17いずれの例でも、励振アンテナと同じループ半径でかつ最も近接している場合である。例えば図16の例では、通過特性S14が最大であり、図17の例では通過特性S41が最大である。同じループ半径でも受信アンテナ200への通過特性S17,S1_10,S47,S4_10は小さい。これは端子配置が同じ方向であるため、受信アンテナ200内の通過を抑制することができず、送信アンテナ100のアンテナ1,4(素子110,140)に乗った信号は受信アンテナ内で伝送してしまうことによる。これを無視して、送信アンテナ100から受信アンテナ200のアンテナ7,10(素子210,240)への通過量を比べた場合には、図16及び図17に示すように、通過はより近いアンテナ7への通過(S17,S47)の方が、より遠いアンテナ10への通過より大きくなり、多重化は不可能である。
一方、図18~図20の例では、反射損失の良い5.15GHz近傍で見ると、図19の例(励振アンテナ1)での最大の通過量は通過特性S17であり、図20の例(励振アンテナ4)での最大の通過量は通過特性S4_10となっている。なお、表示した周波数範囲では、S1_10及びS47は-50dB以下で図18~図20には現れていない。
すなわち、距離としては送信アンテナ100内のアンテナ1とアンテナ4の距離が近いにもかかわらず、送信アンテナ100の下面のアンテナと受信アンテナ200の下面のアンテナ、あるいは送信アンテナの上面のアンテナと受信アンテナの上面のアンテナ間で通過が最大となっている。このように端子配置をずらしたことで、送信アンテナ内の別の素子への通過は抑制され、送信アンテナと受信アンテナとの間で、ループ半径並びに端子方向両方がそろったアンテナ素子間の通過が最大となる。このことから、多重化が可能なことがわかる。
図18~図20では、ループ半径が8.4mmの送信アンテナ100のアンテナ1,4(素子110,140)の特性について示したが、図21~図24に送信アンテナ2,3,5,6の特性を示す。励振アンテナがアンテナ2の場合(図21)は、ループ半径と端子方向が同じ受信アンテナ200のアンテナ8との通過特性S28が最大となっている。同様に、励振アンテナがアンテナ3の場合の特性S39(図22)、励振アンテナがアンテナ5の場合の特性S5_11(図23)、励振アンテナがアンテナ6の場合の特性S6_12(図24)が最大となっている。したがって、送信アンテナ100と受信アンテナ200とで、ループ半径と端子方向とも同じ素子間で通過が最大となっており、またそれ以外のアンテナ間との通過は5.15GHzで-27dBである。送信アンテナ100の各素子を励振した場合、最大通過量と2番目の通過量の差はすべての場合の最小値でも14.1dB以上(S5_11-S56)であり、十分にそれぞれの系の伝送信号を分離することができ、6つの伝送系を使って6値の多重化が可能である。
以上述べたように、本実施の形態例の送信アンテナ100及び受信アンテナ200を用意することで、各素子のループ半径が等しくても端子の角度位置(方位)を所望の値ずらすことで、ループ半径が等しい2つのアンテナ間の通過量を抑制することができる。例えば図1に示すように3種類のループ半径のアンテナ素子を用いることで、ループ半径の種類数の2倍の6値の多重化ができる。
しかも、本実施の形態例の場合には、それぞれのアンテナ素子が送信する周波数は同じであり、従来のような位相器を必要としないシンプルな構成で、単一の周波数帯でも、円形ループアンテナ素子の配置数に比例して送信データ量を増やすことができる。また、各円形ループアンテナ素子は、ほぼ単独のモードの電磁界を選択的に放射し受容するため、それぞれの受信部51~56は、各円形ループアンテナ素子の受信信号を復調するだけで、受信データを取り出すことができる。したがって、複数系統のデータを分離するための特別な処理が必要なく、送信部21~26や受信部51~56の回路構成が非常に簡単になる。
したがって、第1の実施の形態例によると、シンプルな構造で安価かつ量産性に優れたアンテナ装置を使用して、周波数あたりの伝送レートを向上させた無線通信を実現することができる。しかも、第1の実施の形態例の場合、アンテナ装置に接続される送信部や受信部として、複数の系の信号の分離や混合などのための特別な構成を必要としないので、無線通信装置全体としても簡単な構成で、周波数あたりの伝送レートを向上させた無線通信が可能になるという効果を有する。
なお、ここでは3種類のループ半径を用意した例について説明したが、ループ半径の種類は、3種類に限定されず、2種類あるいは4種類以上としてもよい。
<2.第2の実施の形態例>
次に、本発明の第2の実施の形態例を、図25~図38を参照して説明する。
この第2の実施の形態例を説明する図25~図38において、第1の実施の形態例で説明した図1~図24と同一部材には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
[2-1.アンテナ装置の構成]
図25は、本実施の形態例の送信アンテナ100′及び受信アンテナ200′と、それらに接続される送信系及び受信系の構成を示す。
図26及び図27は、送信アンテナ100′の第1の円形ループアンテナ群100A′(図26)と、下面側の第2の円形ループアンテナ群100B′(図27)とを平面で示す。
第2の実施の形態例においては、送信アンテナ100′として、上面側の第1の円形ループアンテナ群100A′と下面側の第2の円形ループアンテナ群100B′とを備え、それぞれの群が3本ずつの円形ループアンテナ素子110~130,140~160を有する点は、第1の実施の形態例の送信アンテナ100と同じである。また、受信アンテナ200′として、上面側の第1の円形ループアンテナ群200A′と下面側の第2の円形ループアンテナ群200B′とを備え、それぞれの群が3本ずつの円形ループアンテナ素子210~230,240~260を有する点も、第1の実施の形態例の受信アンテナ200と同じである。各アンテナ素子の周囲長などの条件も、第1の実施の形態例と同じである。
送信アンテナ100′と受信アンテナ200′との位置関係についても、図1の例と同様に、各アンテナ群100A′,100B′,200A′,200B′の中心が、同じ中心軸φを通過するように配置する。
また、送信アンテナ100′の円形ループアンテナ素子110~160に接続される送信部21~26や、受信アンテナ200′の円形ループアンテナ素子210~260に接続される受信部51~56についても、第1の実施の形態例と同じであり、全ての円形ループアンテナ素子110~160が同じ周波数帯の信号を送信する。
そして、第2の実施の形態例においては、各円形ループアンテナ素子110~160,210~260に、給電部111~161,211~261を接続する角度位置が、第1の実施の形態例とは異なる。
ここでは、図26及び図27に示すように、送信アンテナ100′の上面の3本の円形ループアンテナ素子110~130の給電部111~131の接続位置(端子位置)と、下面の3本の円形ループアンテナ素子140~160の給電部141~161の接続位置(端子位置)とのそれぞれを、(2l+1)π/2mだけ回転した位置となっている点は第1の実施の形態と同じである。
第2の実施の形態の特徴は、上面の3本の円形ループアンテナ素子110,120,130の給電部111,121,131の接続位置をφU1、φU2、φU3とし、基準の角度位置を0とおくと、例えばφU1=0,φU2=π/2,φU3=π/4と同一方向にないことによる。
このとき、下面の3本の円形ループアンテナ素子140,150,160の給電部141,151,161の接続位置をφL1、φL2、φL3は、φL1=π/2,φL2=π/4,φL3=π/12とする。この場合、周囲長が等しい素子110の端子位置と素子140の端子位置は、π/2だけ角度位置がシフトし、素子120の端子位置と素子150の端子位置は、π/4だけ角度位置がシフトし、素子130の端子位置と素子160の端子位置は、π/6だけ角度位置がシフトすることになる。
図26及び図27では、送信アンテナ100′の給電部111~161の接続位置(角度位置)を示すが、受信アンテナ200′の給電部211~216の接続位置(角度位置)についても、送信アンテナ100′と同様に設定する。
[2-2.アンテナ装置の動作特性]
次に、本実施の形態例の送信アンテナ100′及び受信アンテナ200′の動作特性について、図28~図38を参照して説明する。なお、この場合にも、第1の実施の形態例と同様に、送信側の6本の円形ループアンテナ素子110~160をアンテナ1~6とし、受信側の6本の円形ループアンテナ素子110~160をアンテナ7~12とする。
まず、送信アンテナ100′の特性を評価した結果を、図28~図31に示す。ここでは、各円形ループアンテナ素子110,120,130,140,150,160を、厚さ0.1mmのFR-4と称される基板の上に配置し、各群の3つの素子のループ半径を、8.4mm、16.7mm、25mmとし、導体幅dをすべて0.4mmとした。また、第1の円形ループアンテナ群を配置した上面と、第2の円形ループアンテナ群を配置した下面との間隔を10mmに設定する。各アンテナ素子の端子インピーダンスは100Ωとする。
図28に示す反射損失S11は送信アンテナ100のアンテナ1の反射損失を示し、反射損失S22は送信アンテナ100のアンテナ2の反射損失を示し、反射損失S33は送信アンテナ100のアンテナ3の反射損失を示す。
また、図29に示す通過特性S21,S31,S41,S51,S61は、それぞれアンテナ1を励振させた場合のアンテナ2,3,4,5,6への通過特性、図30に示す通過特性S12,S32,S42,S52,S62は、それぞれアンテナ2を励振させた場合のアンテナ1,3,4,5,6への通過特性、図31に示す通過特性S13,S23,S43,S53,S63は、それぞれアンテナ3を励振させた場合のアンテナ1,2,4,5,6の通過特性を示す。
第1の実施の形態例で説明した、上面の端子位置が同じ角度の場合の例である図7~図10では、5.2GHzにおける異なるアンテナ素子間の通過の最大値は、アンテナ3を励振した場合のS23で-23.3dBである。一方、第2の実施の形態例の送信アンテナ100′の場合には、例えば図30に示すように、アンテナ2を励振した場合の特性S42で-30.7dBであり、7.4dBだけ、同じ群内の他のアンテナへの通過量が抑制されている。
次に、第2の実施の形態例における、送信アンテナ100′と受信アンテナ200′との間の特性について説明する。
図32は反射損失を、図33~図38は送信アンテナ100′と受信アンテナ200′との間の通過特性を示す。ここで、図33はアンテナ1(素子110)を励振した場合、図34はアンテナ2(素子120)を励振した場合、図35はアンテナ3(素子130)を励振した場合、図36はアンテナ4(素子140)を励振した場合、図37はアンテナ5(素子150)を励振した場合、図38はアンテナ6(素子160)を励振した場合を示している。
いずれも最大の通過量となるのは、ループ半径並びに端子角度が等しい特性S17,S28,S39,S4_10,S5_11,S6_12であり、他の特性の通過量は小さいので、6値の多重化が可能である。また2番目に大きい通過量は、5.15GHzで-30dBである。最大通過量と2番目の通過量の差はすべての場合の最小値でも15.6dB以上(S5_11-S56)であり、この特性は、第1の実施の形態例のアンテナ特性として示した値である14.1dB以上(図21~図24参照)と比べて、さらに1.5dB大きくなっており、第2の実施の形態例の送信アンテナ100′及び受信アンテナ200′は、さらに特性が優れていることがわかる。
したがって、第2の実施の形態例によると、上述した第1の実施の形態例で説明した効果と同様の効果が得られる。さらに、第2の実施の形態例の場合には、第1の実施の形態例よりも良好なアンテナ特性で実現できる。
<3.変形例>
なお、ここまで説明した実施の形態例の構成は、本発明の要旨を変更しない範囲で、変形や変更が可能である。
例えば、送信アンテナ100や受信アンテナ200に配置する円形ループアンテナ素子110~160,210~260の数は、それぞれ1つの群ごとに3本の素子で合計6本の素子としたが、必要な伝送レートに応じて、6本以外の任意の複数本の素子を配置した送信アンテナ及び受信アンテナとしてもよい。
また、第2の実施の形態例で示した各素子に給電部を接続する端子位置φU1,φU2,φU3の具体的な角度は一例であり、ループ半径や使用する誘電体基板の違いに応じてその他の角度を設定してもよい。この場合、少なくとも上面(表面)側と下面(裏面)側の同じ半径の円形ループアンテナどうしで、相対的な端子位置を凡そ(2l+1)π/2m異なるように設定すればよい。
また、第1及び第2の実施の形態例では、第1のアンテナ素子群と第2のアンテナ素子群とを、基板190の表面及び裏面に配置するようにしたが、同様に第1のアンテナ素子群と第2のアンテナ素子群とを、それぞれ別の基板に配置してもよい。
さらに、送信アンテナ100(100′)と受信アンテナ200(200′)との間の伝送距離を長距離化するために、送信アンテナ100(100′)に近接して、放物面を備えた反射部材である、パラボロイドを配置すると共に、受信アンテナ200(200′)に近接してパラボロイドを配置するようにしてもよい。
また、各実施の形態例では、一方を送信アンテナ100(100′)とし、他方を受信アンテナ200(200′)としたが、送信アンテナ100(100′)と受信アンテナ200(200′)は同一の構成であるため、送信側と受信側を随時切り替えて、双方向に無線通信を行うようにしてもよい。
さらに、双方向に無線通信を行う場合、送信アンテナ100(100′)側の複数の円形ループアンテナを、2つの群に分けて、一方の群の円形ループアンテナ(例えば図1の円形ループアンテナ素子110~130)を送信用とし、他方の群の円形ループアンテナ(例えば図1の円形ループアンテナ素子140~160)を受信用として、送信と受信を同一周波数で同時に行うようにしてもよい。
また、送信アレイに近接して受信アレイの反対側に導体反射板を付加し、受信側と反対側に放射され無駄になる電磁界をすべて受信側に送信する構成も有効である。送信アレイと反射板の間隔は、通信周波数における波長の1/4から1/20程度とする。また、反射板を受信側にも設け電磁界を送受信アレイ間に閉じ込めて送信電力を有効に利用することも有効である。
また、先に示したように、本発明の送受信を行うアンテナ対の端子方位の相対角度は、lπ/mずれていてもよい。ここでlは任意の整数であり、l=0の場合が第1の実施の形態例で説明した場合に相当する。
10…送信データ生成部、21~26…送信部、31~36,41~46…信号線、51~56…受信部、60…受信データ処理部、100,100′…送信アンテナ、200,200′…受信アンテナ、100A,100A′,200A,200A′…第1の円形ループアンテナ群、100B,100B′,200B,200B′…第2の円形ループアンテナ群、110,120,130,140,150,160,210,220,230,240,250,260…円形ループアンテナ素子、111,121,131,141,211,221,231,241…給電部、190…基板、191,192…誘電体層

Claims (7)

  1. 送信アンテナと、前記送信アンテナから送信された無線信号を受信する受信アンテナとを有する無線通信装置であり、
    前記送信アンテナ及び前記受信アンテナは、
    無線通信周波数から決まる波長の約整数倍であるm,m,・・・,m倍(Nは2以上の整数)のそれぞれ異なる周囲長を有するN個の円形ループアンテナ素子が、同一平面に同心円状に配置される第1の円形ループアンテナ群と、
    前記第1の円形ループアンテナ群とは別の同一平面に同心円状に配置されたN個の円形ループアンテナ素子が、前記第1の円形ループアンテナ群のN個の円形ループアンテナ素子と同一の周囲長を持つ第2の円形ループアンテナ群と、
    前記第1の円形ループアンテナ群及び第2の円形ループアンテナ群のそれぞれの円形ループアンテナ素子に個別に接続される複数の給電部とを備え、
    前記送信アンテナのN個の円形ループアンテナ素子の中心軸と、前記受信アンテナのN個の円形ループアンテナ素子の中心軸とを、ほぼ直線状に配置し、
    前記第1の円形ループアンテナ群と前記第2の円形ループアンテナ群とで、同じ周囲長を有する円形ループアンテナ素子に前記給電部を接続する角度位置が、(2l+1)π/2mだけ回転した角度位置(但し、lは任意の整数、mは波長の約整数倍であるm~mの値)に設定する
    無線通信装置。
  2. 前記第1の円形ループアンテナ群のN個の円形ループアンテナ素子は、前記給電部を接続する角度位置を同じ位置とし、前記第2の円形ループアンテナ群のN個の円形ループアンテナ素子は、前記第1の円形ループアンテナ群の円形ループアンテナ素子に対して、(2l+1)π/2mだけ回転した角度位置に前記給電部を接続する
    請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記第1の円形ループアンテナ群と前記第2の円形ループアンテナ群とで、同じ周囲長を有する円形ループアンテナ素子に前記給電部を接続する角度位置が、(2l+1)π/2mだけ回転した角度位置とした上で、前記第1の円形ループアンテナ群のN個の円形ループアンテナ素子に前記給電部を接続する角度位置を、それぞれ異なる角度位置に設定すると共に、前記第2の円形ループアンテナ群のN個の円形ループアンテナ素子に前記給電部を接続する角度位置を、それぞれ異なる角度位置に設定する
    請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 前記送信アンテナの前記第1の円形ループアンテナ群及び前記第2の円形ループアンテナ群のN個ずつの円形ループアンテナ素子に、それぞれ別の送信部を接続すると共に、前記受信アンテナの前記第1の円形ループアンテナ群及び前記第2の円形ループアンテナ群のN個ずつの円形ループアンテナ素子に、それぞれ別の受信部を接続し、
    それぞれの前記送信部から前記送信アンテナの各円形ループアンテナ素子の一端及び他端に、差動信号となる送信信号を供給し、前記受信アンテナの各円形ループアンテナ素子の一端及び他端から、差動信号となる受信信号をそれぞれの前記受信部に供給するようにした
    請求項1~3のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  5. 無線通信周波数から決まる波長の約整数倍であるm,m,・・・,m倍(Nは2以上の整数)のそれぞれ異なる周囲長を有するN個の円形ループアンテナ素子が、同一平面に同心円状に配置される第1の円形ループアンテナ群と、
    前記第1の円形ループアンテナ群とは別の同一平面に同心円状に配置されたN個の円形ループアンテナ素子が、前記第1の円形ループアンテナ群のN個の円形ループアンテナ素子と同一の周囲長を持つ第2の円形ループアンテナ群と、
    前記第1の円形ループアンテナ群及び第2の円形ループアンテナ群のそれぞれの円形ループアンテナ素子に個別に接続される複数の給電部とを備え、
    前記第1の円形ループアンテナ群と前記第2の円形ループアンテナ群とで、同じ周囲長を有する円形ループアンテナ素子に前記給電部を接続する角度位置が、(2l+1)π/2mだけ回転した角度位置(但し、lは任意の整数、mは波長の約整数倍であるm~mの値)に設定する
    アンテナ装置。
  6. 前記第1の円形ループアンテナ群のN個の円形ループアンテナ素子は、前記給電部を接続する角度位置を同じ位置とし、前記第2の円形ループアンテナ群のN個の円形ループアンテナ素子は、前記第1の円形ループアンテナ群の円形ループアンテナ素子に対して、(2l+1)π/2mだけ回転した角度位置に前記給電部を接続する
    請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 前記第1の円形ループアンテナ群と前記第2の円形ループアンテナ群とで、同じ周囲長を有する円形ループアンテナ素子に前記給電部を接続する角度位置が、(2l+1)π/2mだけ回転した角度位置とした上で、前記第1の円形ループアンテナ群のN個の円形ループアンテナ素子に前記給電部を接続する角度位置を、それぞれ異なる角度位置に設定すると共に、前記第2の円形ループアンテナ群のN個の円形ループアンテナ素子に前記給電部を接続する角度位置を、それぞれ異なる角度位置に設定する
    請求項5に記載のアンテナ装置。
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