本発明の実施の形態に係る点灯装置及び照明器具について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具200の構成例を示す図である。照明器具200は、交流電源1に接続され交流電源1から供給される電力を光源9に入力可能な直流電流に変換して出力する点灯装置200Aを備えている。点灯装置200Aは、高調波を抑制して力率を改善すると共に整流回路2から出力される電力を直流電力に変換して光源9に供給する直流変換回路である。
照明器具200は、点灯装置200Aから供給される電力により点灯する光源9と、光源9の点灯、消灯又は調光を行うための調光信号を出力する調光器12とを備えている。光源9は複数のLEDを接続したLED群で構成することができる。当該LED群の一端は正極側直流母線Pに接続され、他端は負極側直流母線Nに接続される。
点灯装置200Aは、制御部10の制御を受けて動作することで、整流回路2が整流した直流電圧を調光器12の信号に基づく所望の電流に変換し、光源9に出力する。また、点灯装置200Aは入力電流波形を正弦波状でかつ交流入力電圧と同位相となるように動作し、力率を改善する。点灯装置200Aは、フィルタコンデンサとして機能する第1コンデンサ3、第1インダクタ41、スイッチング素子6、カップリングコンデンサとして機能する第2コンデンサ5、第2インダクタ42、ダイオード7及び出力平滑コンデンサ8を有するSEPICと呼ばれる回路を備える。点灯装置200Aの出力には光源9が接続される。
具体的には、第1インダクタ41の一端は第1コンデンサ3の一端に接続されている。第1コンデンサ3の他端はGNDラインに接続されている。スイッチング素子6は、ドレイン端子、ソース端子及びこれらの端子間をスイッチングするゲート端子を備えている。スイッチング素子6のドレイン端子は、第1インダクタ41の他端に接続されている。スイッチング素子6は第1インダクタ41を介して第1コンデンサ3と並列接続している。あるいは、スイッチング素子6と整流回路2との間にフィルタコンデンサとして機能する第1コンデンサ3が接続されたということもできる。
第2コンデンサ5の一端はスイッチング素子6のドレイン端子に接続されている。第2インダクタ42の一端は第2コンデンサ5の他端に接続されている。第2インダクタ42の他端はGNDラインに接続されている。第2インダクタ42は、第2コンデンサ5を介してスイッチング素子6と並列接続されている。あるいは、第1インダクタ41と第2インダクタ42の間にカップリングコンデンサとして機能する第2コンデンサ5を接続したということができる。
第1インダクタ41と第2インダクタ42は共通のコアに巻線することができる。SEPICは第1インダクタ41と第2インダクタ42を別のコアに巻線し、第1インダクタ41と第2インダクタ42を別の部品としても構成することができるが、これらを同一のコアに巻線する構成のトランスを用いることで部品点数を削減することが可能である。
ダイオード7のアノードは第2インダクタ42の一端と第2コンデンサ5の他端の間に接続されている。出力平滑コンデンサ8の一端はダイオード7のカソードに接続している。出力平滑コンデンサ8の他端は電流検出部11に接続されている。出力平滑コンデンサ8に並列に光源9が接続される。
スイッチング素子6として例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)を用いることができる。MOSFETは、例えばシリコン系からなる半導体で構成してもよいし、炭化珪素あるいは窒化ガリウム系材料などのワイドバンドギャップ半導体で構成してもよい。
スイッチング素子6にワイドバンドギャップ半導体を用いることで、スイッチング素子6の通電損失を減らすことができる。また、良好な放熱性を維持しつつ、スイッチング周波数すなわち駆動周波数を高周波にすることができる。このため、点灯装置200Aの放熱部品を小型化あるいは削除することができるので、点灯装置200Aの小型化及び低コスト化に好適である。
上述の直流変換回路は制御部10によって制御される。制御部10は演算制御部101、駆動回路102及び電流検出部103を備える。制御部10は点灯装置200Aのスイッチング素子6のオンオフを制御することで、光源9に流す電流が所定の電流値になるようにするとともに、交流電源1から入力される電流波形を正弦波状にし入力電圧と同位相にすることで力率を改善する。
演算制御部101は市販のアナログICを組み合わせて構成することができる。アナログICを組み合わせて演算制御部101を構成した場合、調光器12から入力された信号の判定、及び後述する電流の差分値の演算を実現するため回路が複雑化し、部品点数が増加する。そのため演算制御部101は、マイコン、又はCPU若しくはDSPなどの演算装置を用い、ソフトウェアとして実現することで部品点数を抑制できる。
演算制御部101は、調光器12から入力された信号から光源9に出力する電流の目標値を判定し、電流検出部103において検出した光源9の電流と比較を行い、スイッチング素子6をオンする期間を変化させる。
駆動回路102は、演算制御部101から与えられた信号にもとづきスイッチング素子6を制御する。つまり、ドレイン端子、ソース端子間のオンオフ状態を制御する。
電流検出部103は、演算制御部101と電流検出部11の間に接続され、電流検出部11の出力電圧を演算制御部101に入力可能な電圧に変換する。例えば、抵抗器とコンデンサを有するローパスフィルタを電流検出部103とすることで、高周波ノイズを除去する。また、電流検出部11の出力に過電圧が発生した場合の保護機能としてツェナーダイオードによる電圧クランプ回路を用いた構成としてもよい。
電流検出部11は光源9に流れる電流を検出し、電流検出部103に検出結果を送信する。電流検出部11としてシャント抵抗を用いることができる。また、CT(Current Transformer)を用いることもできる。ただし、光源9としてLEDを用いる場合は直流電流を検出する必要があるため、CTを用いる場合にはホール素子を備える直流電流を測定可能なCTが必要である。
次に、本実施の形態1に係る点灯装置200Aの動作について説明する。まず、点灯装置200Aに交流電源1が接続されると、整流回路2は交流電圧を整流し直流電圧を生成する。第1コンデンサ3はスイッチング素子6のオンオフ動作によるスイッチングリプルを除去する目的で設けられたものである。第1コンデンサ3は整流された電圧の交流電源1の周波数の2倍の周波数成分で脈動する電圧を平滑するためのものではない。整流された電圧の交流電源1の周波数の2倍の周波数成分を平滑する場合、第1コンデンサ3の容量を比較的大きくする必要がある。この場合、コンデンサインプット型の構成になり力率の悪化を招いてしまう。
整流回路2は、4つのダイオードを組み合わせたダイオードブリッジで構成することができる。なお、整流回路2の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、単方向導通素子であるMOSFETを組み合わせて構成してもよい。
スイッチング素子6がオンすると交流電源1は第1インダクタ41を介して短絡されるため、電源側から第1インダクタ41、スイッチング素子6の順で電流が流れ、第1インダクタ41にエネルギーが蓄えられる。このとき、第1インダクタ41の電流は増加していく。また、同時に第2コンデンサ5に充電された電圧が第2インダクタ42に印加されるため、第2コンデンサ5、スイッチング素子6、第2インダクタ42の順に電流が流れ、第2コンデンサ5のエネルギーが第2インダクタ42に蓄えられる。このとき、第2インダクタ42の電流が増加していく。
次にスイッチング素子6をオフすると、第1インダクタ41に蓄えられたエネルギーが放出され、第1インダクタ41、第2コンデンサ5、ダイオード7、出力平滑コンデンサ8、第1コンデンサ3の順に電流が流れ、第2コンデンサ5と出力平滑コンデンサ8を充電する。また、同時に第2インダクタ42に蓄えられたエネルギーが放出され、第2インダクタ42、ダイオード7、出力平滑コンデンサ8の順に電流が流れ、出力平滑コンデンサ8を充電する。このように負荷側にエネルギーを伝達して、最終的に出力平滑コンデンサ8から光源9に平滑された直流電流が供給されて光源9が発光する。
図2は、動作波形を示す図である。図2を参照して制御部10の動作について説明する。なお、図2においては説明の便宜上、スイッチング素子6をオンする繰り返し周波数、すなわちスイッチング周波数Fswを実際の周波数よりも低く記載している。
スイッチング素子6がオンすると第1インダクタ41及び第2インダクタ42の電流が増加する。図2にはスイッチング素子6のゲート電圧オンの期間が示されている。演算制御部101が演算により決定する所定のオン時間が経過すると、スイッチング素子6をオフする。そうすると、第1インダクタ41と第2インダクタ42の電流は減少し、0Aまで低下する。図2にはスイッチング素子6のゲート電圧オフの期間が示されている。
演算制御部101は、スイッチング素子6をオフした後、予め定めるスイッチング周波数Fswで再びスイッチング素子6をオンし、スイッチング動作を開始する。このとき、スイッチング素子6がオンしてから再びオンするまでの周波数は予め定められた周波数であるが、その周波数を入力電圧又は出力電流の大きさによって変更する構成としてもよい。
ここで、力率改善動作及び定電流制御について説明する。本実施の形態では、演算制御部101によるフィードバック制御の応答を遅くすることにより、交流電源1の半周期間においてスイッチング素子6をオンする期間であるオン時間はほぼ一定となる。第1インダクタ41に流れる電流のピーク値はオン時間と入力電圧の大きさに比例するため、オン時間がほぼ一定であることから、第1インダクタ41に流れる電流のピーク値の包絡線は交流電源と同じ包絡線を描く。そして、第1インダクタ41に流れる電流を第1コンデンサ3によりスイッチングリプルを取り除き平均化することで交流電源1から流れ込む入力電流をほぼ正弦波状にでき、力率を改善することができる。
図1には図示しないが、必要に応じて交流電源1と整流回路2の間にフィルタ回路を追加することで、スイッチングリプルを取り除く効果を高め、入力電流を正弦波に近づけることができる。このとき、第2コンデンサ5には整流回路2による全波整流電圧とほぼ同等の電圧が充電されるため、第2インダクタ42に流れる電流のピーク値も電源電圧に同期したほぼ正弦波状の波形となる。
LEDの順方向電圧は一般的に定電圧に近い特性を示すため、光源9としてLEDを用いる場合、LEDを所定の明るさで安定的に点灯させるためには点灯装置200Aの出力電流が一定となるように定電流フィードバック制御にて点灯装置200Aを動作させる必要がある。本実施の形態においては、電流検出部11で光源9の電流を検出し、目標値との差分からフィードバック処理を行い、スイッチング素子6のオンオフを制御する。これにより力率改善と定電流制御を1つのスイッチング素子で両立することができる。
図1に示すとおり、制御部10には調光器12が接続されている。演算制御部101は調光器12から出力される調光信号の種類に対応した出力電流目標値を決定し、電流検出部103における電流検出値との差分を得る。電流検出部11で検出した電流検出値が出力電流目標値より大きい場合、スイッチング素子6をオンする期間を短くする。これによって、負荷側に伝達するエネルギーが減少するので出力電流を減少させることができる。逆に、電流検出部11で検出した電流検出値が出力電流目標値より小さい場合、スイッチング素子6をオンする期間を長くする。これによって、負荷側に伝達するエネルギーが増加するので出力電流を増加させることができる。
このようにスイッチング素子6のオン時間を調整することにより特定の出力を得る制御方法は、スイッチング周期に対するオン時間の割合をデューティと呼ぶことから、デューティ制御と呼ばれる。
本実施の形態では、電流検出部11により光源9に流れる電流の大きさを検出し、フィードバック制御することにより定電流制御を達成している。力率改善制御と定電流制御を両立するため、定電流制御のフィードバック応答速度は十分遅くする必要がある。すなわち、応答速度が速いとオン時間の時間変化が大きくなり、交流電圧の位相に沿ったピーク電流制御ができなくなり力率改善が行えない可能性がある。そこで、フィードバック制御の応答速度は交流入力周波数の2倍以下とすることが望ましい。すなわち、電源電圧の周波数が50Hzである場合は、フィードバック制御の応答速度を100Hz以下とすることができる。
図3は、スイッチング素子の3周期分の繰り返し波形を示す波形図である。図3を参照して、第1インダクタ41と第2インダクタ42の動作波形についてより詳細に説明する。スイッチング素子6のスイッチング周波数は、音鳴りの発生を防止するために、人間の可聴域よりも高い周波数とすることができる。例えばスイッチング素子6のスイッチング周波数は20kHz以上である。交流電源1の商用周波数が50Hzの場合、全波整流した際の脈動周波数は100Hzであるため、スイッチング素子6の波形数周期の期間においてはほぼ同一のピーク電流である同一波形が現れる。
SEPICの基本動作において、スイッチング素子6をオンしている期間においては第1インダクタ41と第2インダクタ42の電流は直線状に増加する。一方、スイッチング素子6をオフしている期間においては、第1インダクタ41と第2インダクタ42の電流は0Aに低下するまで直線状に減少する。このように、スイッチングの1周期の間にコイル電流が0Aまで低下する動作を電流不連続モード制御と呼ぶ。
しかしながら、第1インダクタ41と第2インダクタ42として、共通のコアに巻線したトランスを用いる場合には、共振電流が発生し、第1インダクタ41と第2インダクタ42の電流の傾きが直線状にならない場合がある。
図4は、第1インダクタ41と第2インダクタ42に共振電流が発生した場合の波形を示す図である。共振電流により第1インダクタ41と第2インダクタ42の電流の傾きが直線状になっていない。共振電流が発生すると、高周波ノイズが増加してしまう可能性がある。また、高周波電流による第1インダクタ41と第2インダクタ42の高周波抵抗損失が増加し、磁性体コアにおける鉄損も増加するため、トランスの発熱増加及び点灯装置200Aの効率低下が発生してしまう。
図5は第1コンデンサ3、トランス4及び第2コンデンサ5の等価回路である。図5を参照して共振電流が発生する原理について説明する。トランス4は、第1インダクタ41の漏れインダクタンスを表す第1漏れインダクタ41a、第2インダクタ42の漏れインダクタンスを表す第2漏れインダクタ42a、励磁インダクタンスを表すインダクタ43、及び巻数比がn:1の理想トランス44による等価回路で表現している。
図6は、図5において、第2漏れインダクタ42aと第2コンデンサ5を1次側に置換した等価回路である。第2漏れインダクタ42aは巻数比nの2乗を乗算した等価第2漏れインダクタ42a’、第2コンデンサ5は巻数比nの2乗で除算した等価第2コンデンサ5’として、1次側に置換されている。
共振電流は図6に矢印で示す経路で流れる。具体的には、第1コンデンサ3、第1漏れインダクタ41a、等価第2漏れインダクタ42a’、等価第2コンデンサ5’を通る直列共振経路において共振電流が発生する。そのため、第1漏れインダクタ41aのインダクタンスをL41a、第2漏れインダクタ42aのインダクタンスをL42a、第1コンデンサ3の容量をC3、第2コンデンサ5の容量をC5とした場合、直列共振回路であるから、共振周波数Freは理論的に以下の式で得ることができる。
Fre=1/2π√(L41a+n2L42a)(C3×C5/(n2C3+C5))
図7は、EEコアを用いた場合の一般的なトランスの外観図である。磁性体コア45はEEコア、あるいはEERコアと呼ばれる形状のコアである。磁性体コア45の材料として高周波用途ではフェライトなどの材料を用いることができる。また、ボビン46は巻線、とコアを保持するために使用される。
図8は、図7に示すトランスの磁性体コア45、第1インダクタ41及び第2インダクタ42の巻線構造を示す断面構造図である。一般的なトランスでは、第1インダクタ41と第2インダクタ42の結合を高めるため、第1インダクタ41と第2インダクタ42を重ねて巻きつける。この場合、第1漏れインダクタ41aと第2漏れインダクタ42aは比較的小さくなる。例えば、EER-28サイズのコアを使用した1辺30mm程度のトランスの場合、第1インダクタ41のインダクタンスは2mHであるのに対して、第1漏れインダクタ41aのインダクタンスは0.03mH程度である。ここで、磁性体コア45に設けられたギャップは、コアの飽和を防止するとともに第1インダクタ41と第2インダクタ42のインダクタンスを決める。
一方、照明用の点灯装置においては、第1コンデンサ3と第2コンデンサ5の容量を大きくし過ぎてしまうと力率の低下を招く。そこで、第1コンデンサ3と第2コンデンサ5の容量を0.1~0.3μF程度の大きさとする。この場合、共振周波数Freは50kHzを超え、スイッチング周波数Fswよりも高周波となってしまうことから、図4に示すような共振電流が発生してしまう。
図9は、SEPICを採用する実施の形態1のトランス構造の外観図である。このトランス構造は、共振電流を抑制可能なものである。磁性体コア45は前述と同形状のEEコア、あるいはEERコアとすることができる。ボビン46に第1インダクタ41と第2インダクタ42が巻きつけられ、これらの巻線の表面は絶縁シートでカバーしている。ボビン46は仕切り板46Aを有している。この仕切り板46Aが第1インダクタ41と第2インダクタ42の間に位置している。
図10は、図9に示すトランスの磁性体コア45、第1インダクタ41、第2インダクタ42の巻線構造の断面図である。一点鎖線でボビン46の形状も示されている。図10に示すトランスは、第1インダクタ41と第2インダクタ42を重ねることなく、それぞれ分離してコアに巻線したことで、第1漏れインダクタ41aと第2漏れインダクタ42aのインダクタンスを比較的大きくしている。ボビン46は、第1インダクタ41と第2インダクタ42の間に設けられた仕切り板46Aを有している。例えば、EER-28サイズのコアを使用した1辺30mm程度のトランスの場合、第1インダクタ41のインダクタンス2mHに対して、第1漏れインダクタ41aのインダクタンスは0.7mH程度の大きさである。
この場合、共振周波数Freは19kHz未満になる。そのため、第1コンデンサ3と第2コンデンサ5の容量が0.1~0.3μF程度の値であれば、通常は20kHz以上であるスイッチング周波数Fswよりも共振周波数を低くすることができる。こうして、図3に例示した共振電流を生じない又は抑制した動作を実現でき、共振電流による高周波ノイズ増加、高周波電流による巻線損失増加、及び磁性体コアにおける鉄損増加を抑制することができる。
より具体的には、漏れインダクタンスの大きさの合計、すなわちL41a+n2L42aの大きさを1.27mH以上にすることで、共振周波数を20kHz未満にできる。
上述とは異なるトランス4の構造を採用してもよい。図11は、別のトランス構造の斜視図である。図11のトランス4は、第1インダクタ41と第2インダクタ42は共通のコア45に、重ねることなく分離して巻線されている。第1ボビン46aと第2ボビン46bは支持部47a、47bによって貫かれている。第1ボビン46aと第2ボビン46bの少なくとも一方は、支持部47a、47bに沿って移動できるように支持部47a、47bに取り付けられている。図11の構成では、第2ボビン46bが支持部47a、47bに沿って移動可能である。
図12は、図11のボビンとインダクタの断面図である。第1インダクタ41は第1ボビン46aを介してコア45に巻線され、第2インダクタ42は第2ボビン46bを介してコア45に巻線されている。第1ボビン46aと第2ボビン46bの間隔y1を変化させることで、第1インダクタ41と第2インダクタ42の距離を変化させることができる。例えば、第2ボビン46bを支持部47a、47bに沿って上下に移動させることで、第1インダクタ41と第2インダクタ42のトランス結合の高さを変化させ、漏れインダクタンスの大きさを調整することができる。
これによって、点灯装置200Aの部品実装後において、動作波形を直接確認しつつ、漏れインダクタンスの大きさを調整し共振電流が生じない第1漏れインダクタ41aと第2漏れインダクタ42aを得ることができる。
図13は、別の変形例に係るトランスの斜視図である。図13のトランスは、第1インダクタ41と第2インダクタ42を同一コアの異なる部分に巻線した点で図11、12のトランスと同じであるが、第1インダクタ41と第2インダクタ42の間隔をスペーサ48a、48bにより決定及び保持する点で図11、12のトランスと異なる。スペーサ48a、48bを第1ボビン46aと第2ボビン46bの間に設けることで、両者の間隔を固定することができる。異なる厚さのスペーサを複数用意しておき、スペーサを選択することで、第1インダクタ41と第2インダクタ42の間隔を調整できる。言いかえれば、スペーサの厚みを変化させることで、漏れインダクタンスの大きさを変化させることができる。
図14は、別の変形例に係るトランスの斜視図である。図14のトランスは、例えば図11のトランスと基本的に同じであるが、支持部を用いず保持具49a、49bを用いる点で図11のトランスと相違する。保持具49a、49bは溝を有する板材である。保持具49a、49bの溝に第1ボビン46aと第2ボビン46bの一部を入れることで、保持具49a、49bを第1ボビン46aと第2ボビン46bに嵌合させる。これにより、第1ボビン46aと第2ボビン46bの位置を固定する。溝の間隔が異なる複数の保持具49a、49bを用意しておき、保持具を選択することで、第1インダクタ41と第2インダクタ42の間隔を調整できる。
図9-14のトランスは、第1インダクタ41と第2インダクタ42が巻線軸の方向に分離した点で共通する。この分離により、漏れインダクタンスを大きくすることができる。第1インダクタ41と第2インダクタ42を巻線軸の方向に分離させる別のトランスを採用してもよい。また、図11-14では、第1インダクタ41が巻き付けられた第1ボビン46aと、第2インダクタ42が巻き付けられた第2ボビン46bとの距離が可変となっている構成の例を説明した。当該距離を調整することができる、別の形態を採用してもよい。
上述の様々な形態によって、第1インダクタ41と第2インダクタ42の漏れインダクタンスと、第1コンデンサ3と第2コンデンサ5の共振周波数を、直流変換回路の駆動周波数よりも低いものとすることで、共振電流を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態の点灯装置200Aは、直流変換回路としてSEPICを用いた場合において、第1インダクタ41のピーク電流を正弦波状として、かつ負荷電流が所望の電流値となるようにスイッチング素子6を制御するので、力率改善制御と定電流制御を1つコンバータで実現できる。したがって、力率改善回路と電流制御回路の2コンバータ構成の場合と比べて部品点数を削減しつつ高力率及び高効率な制御ができる。また、一般的なSEPICに対して、共通化したコアを用いたトランスで漏れインダクタンスが大きいトランス構造にすることで、共振電流の発生を抑制し、部品点数を削減し、回路を小型化し、コストを下げることができる。
実施の形態1では直流変換回路としてSEPICを用いたが、SEPICの他にも、Zetaコンバータの回路構成であっても同様の効果が得られる。実施の形態1ではLEDを備える光源9としたが、光源9は調光可能なものであればLEDに限定されない。例えば有機EL(Electro Luminescence)を備えた光源を用いてもよい。
実施の形態2.
図15は、実施の形態2に係る点灯装置300A及び照明器具300を示す回路図である。実施の形態2では、図1の点灯装置200A及び照明器具200と同一又は対応する構成を有する部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図15に示される実施の形態2に係る点灯装置300Aは検出巻線40を備えている。トランス4’は、第1インダクタ41、第2インダクタ42及び検出巻線40を備えている。検出巻線40はゼロ電流検出に用いられる。検出巻線40は、第1インダクタ41及び第2インダクタ42と同一のコアに巻線されており、これらと磁気的に結合している。検出巻線40の一端はゼロ電流検出部104に接続され、他端はGNDラインに接続される。ゼロ電流検出部104は制御部10の一部として提供することができる。
図16は、ゼロ電流検出部104の構成例を示す図である。ゼロ電流検出部104は、検出巻線40に接続された抵抗素子104aと、抵抗素子104aを介して検出巻線40に接続されたツェナーダイオード104bとを備えている。ツェナーダイオード104bのカソードは、抵抗素子104a及び演算制御部101に接続される。つまり、ツェナーダイオード104bのカソードは抵抗素子104aを介して検出巻線40の一端に接続される。ツェナーダイオード104bのアノードはGNDラインにおいて検出巻線40の他端と接続される。
検出巻線40の両端には、点灯装置300Aの出力電圧、整流回路2の出力電圧、及び第1インダクタ41と第2インダクタ42との巻き数比に応じた交流電圧が出力される。ゼロ電流検出部104はツェナーダイオード104bによって電圧をクランプするため、演算制御部101にはツェナー電圧で決まる正電圧又は順方向電圧で決まる負電圧が入力される。
図17は、点灯装置300Aの動作を示す波形図である。図17においては、説明の便宜上、スイッチング素子6をオンする繰り返し周波数、すなわちスイッチング周波数Fswを実際の周波数よりも低く記載している。
スイッチング素子6がオンすると第1インダクタ41及び第2インダクタ42の電流が増加する。図17にはスイッチング素子6のゲート電圧のオン期間が示されている。所定のオン時間が経過し、スイッチング素子6がオフすると第1インダクタ41及び第2インダクタ42の電流は減少し0Aとなる。図17にはスイッチング素子6のゲート電圧のオフ期間が示されている。
スイッチング素子6がオンしている期間には、ゼロ電流検出部104の出力電圧として、ツェナーダイオード104bの順方向電圧で決まる負電圧が出力される。一方、スイッチング素子6がオフしている期間には、ツェナー電圧で決まる正電圧が出力される。スイッチング素子6がオフしている期間において、第1インダクタ41と第2インダクタ42の電流が0Aまで低下すると、ゼロ電流検出部104の出力電圧が立ち下がる。演算制御部101はゼロ電流検出部104の出力電圧の立ち下がりを検出し、スイッチング素子6のゲートをオンさせ、再びスイッチング動作を開始する。このように、制御部10は、検出巻線40の検出結果の基づき、スイッチング素子6をオンオフする。より具体的には、制御部10は、抵抗素子104aとツェナーダイオード104bの接続点における電圧に基づいてスイッチング素子6をオンオフする。
ここで、力率改善動作及び定電流制御について説明する。本実施の形態では、制御部10によるフィードバック制御の応答を遅くすることにより、交流電源1の半周期間において、オン時間がほぼ一定の値となる。第1インダクタ41に流れる電流のピーク値は、オン時間と入力電圧の大きさに比例するため、オン時間がほぼ一定であることから、第1インダクタ41に流れる電流のピーク値の包絡線は交流電源と同じ包絡線を描く。このとき、スイッチング素子6がオフしている期間において、第1インダクタ41に流れる電流が0Aまで低下すると、ただちに次のスイッチング動作を開始する。そのため、第1インダクタ41に流れる電流はピーク値の包絡線が交流電源と同じ包絡線を描く三角波となる。これにより、第1インダクタ41に流れる電流を第1コンデンサ3によりスイッチングリプルを取り除き平均化することで交流電源から流れ込む入力電流を正弦波状にでき、力率を改善することができる。図15には図示しないが、必要に応じて整流回路2と交流電源1の間にフィルタ回路を追加することで、スイッチングリプルを取り除く効果を高め正弦波に近づけることができる。また、このとき、第2コンデンサ5には、整流回路2による全波整流電圧とほぼ同等の電圧が充電されるため、第2インダクタ42に流れる電流のピーク値も電源電圧に同期したほぼ正弦波状の波形となる。
第1インダクタ41に流れる電流が0Aまで低下するとただちに次のスイッチング動作を開始させる制御方法は、電流臨界モード制御と呼ばれている。電流臨界モードを採用することで、実施の形態1に示すデューティ制御よりも高い力率改善効果が得られる。また、電流臨界モード制御における特徴として、入力電圧、出力電圧、及び光源9に出力する電流値によって、スイッチング周波数が変化する。
図18は、電流臨界モード制御によりスイッチング素子6を制御する場合の点灯装置300Aのスイッチング特性図である。図18の上段の図は、異なる2つの入力電圧について、スイッチング周波数と出力電流の関係を示す。この図から明らかなように、出力電流が大きいほど、また、入力電圧が低いほどスイッチング周波数が低下する。
図18の下段の図は、スイッチング周波数と出力電圧の関係を示す。この図から明らかなように、出力電圧が低いほどスイッチング周波数が低下する。すなわち、入力電圧が低く、出力電圧が低く、出力電流が大きいほど、スイッチング周波数Fswが低くなる。
図19は実施の形態2に係るトランス4’の構成例を示す図である。図19は、磁性体コア45、第1インダクタ41、第2インダクタ42及び検出巻線40の巻線構造に着目した断面図である。第1インダクタ41、第2インダクタ42及び検出巻線40は1つのコア45に巻線されている。一般的なトランスのように、結合を高め、漏れインダクタンスが比較的小さい構造である場合、共振周波数Freがスイッチング周波数Fswよりも高周波になってしまうと、共振電流が発生し高周波ノイズが増加してしまう可能性がある。また、高周波電流による巻線損失が増加し、磁性体コアにおける鉄損が増加してしまうため、第1インダクタ41と第2インダクタ42を重ねることなく分離してコア45に巻線した。これにより、第1漏れインダクタ41aと第2漏れインダクタ42aのインダクタンスを比較的大きくしている。検出巻線40は、共振電流の発生に寄与しないため、第1インダクタ41又は第2インダクタ42に重ねて巻線することができる。
以上のように、本実施の形態の点灯装置300Aは、SEPICにおいて電流臨界モードにより制御を行うことで、実施の形態1に示す点灯装置200Aより高い力率を実現するとともに、負荷電流が所望の電流値となるようにスイッチング素子を制御する。よって、力率改善制御と定電流制御を1つのコンバータで実現でき、高力率かつ高効率な制御ができる。また、一般的なSEPICに対して、共通化したコアを用いたトランスを適用し、なおかつ、漏れインダクタンスが大きいトランス構造にすることで共振電流の発生を抑制し、部品点数削減、回路小型化、低コスト化を達成することができる。
実施の形態2の構成は、実施の形態1の構成と組み合わせて実施することもできる。また、実施の形態2の構成について、少なくとも実施の形態1で記載した変形が可能である。例えば、実施の形態2ではLEDを備える光源9としたが、光源9は調光可能なものであればLEDに限定されず、例えば有機EL(Electro Luminescence)を備えた光源を用いてもよい。
実施の形態3.
図20は、実施の形態3に係る点灯装置400A及び照明器具400を示す回路図である。実施の形態3では、図1の照明器具200又は図15の照明器具300の部分と同一又は対応する部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
直流変換回路である点灯装置400Aは、補助インダクタ13と、補助スイッチング素子14と、切替制御部105と、電圧検出部106を備えている。補助インダクタ13は第1インダクタ41に直列に接続されている。
補助スイッチング素子14は補助インダクタ13と並列に接続されている。補助スイッチング素子14は、整流回路2と第1インダクタ41の間に接続され、オンオフ動作により電流経路を切り替える。補助スイッチング素子14として、例えばトランジスタ又はMOSFETなどを用いることができる。
切替制御部105は補助スイッチング素子14のオンオフを切り替える部分である。具体的には、切替制御部105は、演算制御部101の判定結果に基づき、補助スイッチング素子14を駆動しオンオフ状態を切り替える制御を行う。
電圧検出部106は整流回路2の出力に接続され、整流回路2の出力電圧を演算制御部101に入力可能な電圧に降圧する。電圧検出部106として、例えば抵抗により分圧する構成を採用することができる。
トランス4’は第1インダクタ41、第2インダクタ42及び検出巻線40を備えている。そして、制御部10は検出巻線40に接続されたゼロ電流検出部104を備えている。トランス4’の巻線構造として、実施の形態1及び実施の形態2と同様に、第1インダクタ41と第2インダクタ42を重ねることなく、これらを分離してコアに巻線することができる。これにより、第1漏れインダクタ41aと第2漏れインダクタ42aのインダクタンスを比較的大きくすることで、共振周波数Freをスイッチング周波数Fswよりも低周波にし、共振電流を生じない又は抑制した動作を実現できる。よって、共振電流による高周波ノイズ増加、高周波電流による巻線損失増加、及び磁性体コアにおける鉄損増加を抑制することが可能である。
しかしながら、第1インダクタ41と第2インダクタ42を重ねて巻線する構造に比べると、第1インダクタ41と第2インダクタ42を分離して巻線することで、ボビン形状が大きくなり、トランス4’が大型化する可能性がある。
図20に示す実施の形態3の点灯装置はこの点を考慮した構成であり、トランス4’の巻線構造として、第1インダクタ41と第2インダクタ42をコアに重ねて巻線した構造とすることができる。例えば、図7、8に示す構成を採用することで、第1インダクタ41と第2インダクタ42をコアに重ねて巻線する。この場合、第1漏れインダクタ41aと第2漏れインダクタ42aのインダクタンスが比較的小さくなるが、それでも共振周波数Freをスイッチング周波数Fswよりも低周波にし、共振電流を生じない動作を実現でき、共振電流による高周波ノイズ増加、高周波電流による巻線損失増加、及び磁性体コアにおける鉄損増加を抑制する。
図21は、実施の形態3において、補助スイッチング素子14がオフしている場合の第1コンデンサ3、トランス4’、第2コンデンサ5、補助インダクタ13の等価回路である。トランス4’は、第1インダクタ41の漏れインダクタンスである第1漏れインダクタ41a、第2インダクタ42の漏れインダクタンスである第2漏れインダクタ42a、励磁インダクタンス43、及び巻数比がn:1の理想トランス44による等価回路で表現している。図6と同様に、第2漏れインダクタ42aと第2コンデンサ5は1次側に置換している。
共振電流は図21に矢印で示す経路で流れる。具体的には、第1コンデンサ3、補助インダクタ13、第1漏れインダクタ41a、等価第2漏れインダクタ42a’、等価第2コンデンサ5’を通る直列共振経路において共振電流が発生する。そのため、第1漏れインダクタ41のインダクタンスをL41a、第2漏れインダクタ42のインダクタンスをL42a、補助インダクタ13のインダクタンスをL13、第1コンデンサ3の容量をC3、第2コンデンサ5の容量をC5とした場合、直列共振回路であるから、共振周波数Freは、以下のとおり理論的に得ることができる。
Fre=1/2π√(L41a+n2L42a+L13)(C3×C5/(n2C3+C5))
補助インダクタ13を設けることで、トランス4’の第1漏れインダクタ41aと等価第2漏れインダクタ42a’のインダクタンスが小さい場合においても、共振周波数Freを低周波化させることができる。つまり、共振周波数Freをスイッチング周波数Fswよりも低周波にして、共振電流の発生を抑制し、高周波ノイズ増加、高周波電流による巻線損失増加、磁性体コアの鉄損増加を抑制することが可能である。
スイッチング周波数Fswを人間の可聴域以上である20kHzよりも大きくした場合を考える。この場合、第1コンデンサ3と第2コンデンサ5の容量が0.1~0.3μF程度の値であれば、補助インダクタ13のインダクタンスL13の大きさを1.27mH以上にすることで、共振周波数を20kHz未満にできる。こうして、共振電流の発生を抑制することができる。一方、補助スイッチング素子14がオンしている場合は、図6と同等の直列共振経路を形成する。
電流臨界モードにより点灯装置400Aを制御する場合、交流電源1の入力電圧によってスイッチング周波数Fswが変化する。そのため、入力電圧が高く、スイッチング周波数Fswが、補助スイッチング素子14オン時の共振周波数Freよりも高い場合は、補助スイッチング素子14をオンする。そうすると、補助インダクタ13に電流が流れず、補助インダクタ13の巻線で発生する損失を抑制できる。
図22は、実施の形態3に係る点灯装置の動作例を示すフローチャートである。図22を参照しつつ、補助スイッチング素子14のオンオフ動作について説明する。
まず、点灯装置400Aに電源が投入される。そうすると、ステップS1、S2において、入力電圧の判定を行う。判定した入力電圧が予め定める閾値よりも大きい場合、ステップS3にて補助スイッチング素子14をオンする。その後、ステップS5に進み、スイッチング素子6のオンオフ制御による点灯動作を開始する。その後、電源が遮断されるまで、点灯状態を維持する。
ステップS1、S2において、判定した入力電圧が閾値以下の場合、ステップS4にて補助スイッチング素子14をオフする。その後、ステップS5に進み、スイッチング素子6のオンオフ制御による点灯動作を開始する。その後、電源が遮断されるまで、点灯状態を維持する。
ステップS1、S2における入力電圧の判定は、例えば、電圧検出部106と、電圧検出部106に接続された演算制御部101で行う。ステップS3、S4における補助スイッチング素子14のオン又はオフは、例えば演算制御部101の指令を受け切替制御部105が行う。整流回路2の出力電圧が予め定められた閾値より大きい場合に補助スイッチング素子14をオンさせ、整流回路2の出力電圧が当該閾値以下の場合に補助スイッチング素子14をオフさせることができる別の構成を有する制御部10を採用してもよい。補助スイッチング素子14をオフとしたときには、第1インダクタ41と第2インダクタ42の漏れインダクタンスと、補助インダクタ13と、第1コンデンサ3と第2コンデンサ5の共振周波数を、直流変換回路の駆動周波数よりも低くすることができる。
以上のように、本実施の形態の点灯装置400Aは、SEPIC回路において、電流臨界モードにより制御を行うことで、実施の形態1より高い力率を実現するとともに、負荷電流が所望の電流値となるようにスイッチング素子6を制御する。そのため、力率改善制御と定電流制御を1つのコンバータで実現でき、高力率かつ高効率な制御ができる。また、一般的なSEPICに対して、共通化したコアを用いたトランスを適用し、補助インダクタ13を選択的に用いる構造にすることで、共振電流の発生を抑制し、部品小型化、回路小型化を達成することができる。
補助インダクタ13は第1コンデンサ3と第1インダクタ41の間に接続した。しかし、共振周波数を変化させることができる任意の位置に補助インダクタ13を設けることができる。補助インダクタ13は、第1インダクタ41と第2インダクタ42が巻線されたコアとは別のコアに巻き付けることができる。制御部10は、点灯装置400Aが光源9を消灯している期間に補助スイッチング素子14の導通状態を変化させることができる。すなわち、入力電圧は通常は頻繁に変わるものではないので、消灯時に補助スイッチング素子14のオンオフを確定させておけば、点灯動作時に当該オンオフを切り替える必要は通常ない。
上述した複数の技術的特徴を組み合わせることができる。また、実施の形態3の構成について、少なくとも実施の形態1、2で記載した変形が可能である。例えば、実施の形態3ではLEDを備える光源9としたが、光源9は調光可能なものであればLEDに限定されず、例えば有機EL(Electro Luminescence)を備えた光源を用いてもよい。