JP7005477B2 - 画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムに係り、特に画像の色味判定に関する。
魚などの水産物及びリンゴなどの農作物等の生産物を出荷する際に、規定の色味に達したか否かを判定する検査が実施される。生産物を撮像して得られた生産物の画像に対して、画像処理を適用して色味判定を実施する場合は、フラッシュの使用の有無及び背景等の撮像条件を揃えて正規化した画像を用いて、画像内の物体の色味を用いる必要がある。
特許文献1は、トンネル覆工のひび割れ検査装置が記載されている。同文献に記載の検査装置は、画像全体の濃淡度の平均値を算出し、各画素の濃淡度から画像全体の濃淡度を除算して、撮像の際の明るさの偏りを取り除いている。
特許文献2は、ニューラルネットワークを適用した特徴識別方法が記載されている。同文献に記載の方法は、色、色調、及び色むらの識別を可能とし、画像の色情報に基づいて、口紅等の化粧品、製品ラベル、及び印刷物等の識別を可能としている。
特許文献3は、自動車の車色を判定する監視システムが記載されている。同文献に記載の自動車の車色の判定では、自動車の撮像画像から抽出したボディ領域を複数のブロックに分割し、各画素のRGB値をブロック全体について集計し、RGB値それぞれの平均輝度を求めている。規定の対称表を参照して、求めたRGB値の平均輝度の組み合わせが最も近い組み合わせを領域の色と特定している。
なお、RGB値のRは赤を表し、Gは緑を表し、Bは青を表す。本明細書では、RGB値という用語は、R値、G値、及びB値の総称を表すこととする。RGB値は、色値の一態様である。
特許第5175528号公報 特開平9-120455号公報 特許第6163302号公報
例えば、リンゴが規定の赤よりも赤くなったことを判定する場合、リンゴを撮像した画像全体からリンゴの領域を認識し、リンゴの領域の色を認識しなければならない。更に、撮像日時が異なる場合や撮像対象の生産物が多数の場合は、全ての生産物における全ての撮像において、撮像条件を一致させることは困難である。例えば、撮像日時が異なる場合、撮像対象の生産物が置かれる位置のずれや、天候等の違いに起因する明るさの違いが生じ得る。
特許文献1は、画像から撮像における明るさの偏りを除去する方法を開示しているが、色に関する開示はない。
特許文献2には、同文献に記載の発明の適用例として、色等の識別が例示されているが、色等の識別に関する具体的な開示はない。
特許文献3に記載の発明は、自動車の撮像画像から自動車自体の抽出及びボディ領域の抽出といった工程が必要である。また、RGB値の平均輝度とボディ領域の色との関係を規定した対称表を予め準備しておく必要がある。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、撮像日時の違い及び撮像対象の変化等に起因する撮像条件の変化等を吸収し、色味の違いを定量化し得る画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、次の発明態様を提供する。
第1態様に係る画像処理装置は、複数の学習対象画像と、複数の学習対象画像のそれぞれから特徴色を除いた平均色との関係を学習した学習済みの学習器を適用して、処理対象画像から平均色を抽出した平均色画像を生成する平均色画像生成部と、処理対象画像から平均色画像を差し引いた差分画像として導出される特徴色画像を生成する特徴色画像生成部と、特徴色画像から処理対象画像における特徴色の色値を導出する色値導出部と、を備えた画像処理装置である。
第1態様によれば、処理対象画像から平均色画像を生成する際に、複数の学習対象画像と、学習対象画像から特徴色を除いた平均色との関係を学習した学習済みの学習器が適用される。これにより、撮像条件等の変動の影響が抑制された平均色画像を生成し得る。また、処理対象画像から平均色画像を差し引いた特徴色画像を生成し、特徴色画像における特徴色の色値を導出する。これにより、特徴色の色味を定量化し得る。
画像という用語は、画像を表す画像データの意味を含み得る。
平均色は、画像において相対的に頻度が高い色を適用し得る。平均色は一種類でもよいし、二種類以上でもよい。
特徴色は、画像において相対的に頻度が低い色を適用し得る。特徴色は一種類でもよいし、二種類以上でもよい。
学習対象画像から特徴色を除く態様には、特徴色の一部を除く態様、又は特徴色の全部を除く態様を適用し得る。
第2態様は、第1態様の画像処理装置において、平均色画像生成部は、学習対象画像の色値を濃淡値へ変換し、色値を変換した濃淡値を色値へ変換して、学習対象画像から特徴色を除いて学習対象画像の平均色を抽出する学習を実施した学習済みの学習器を適用する構成としてもよい。
第2態様によれば、学習済みの学習器を平均色画像生成部として機能させることが可能である。
第3態様は、第2態様の画像処理装置において、平均色画像生成部は、学習対象画像に適用される色数を減らして、学習対象画像の色値を濃淡値へ変換する学習を実施した学習済みの学習器を適用する構成としてもよい。
第3態様によれば、学習対象画像に適用される色のうち、少なくとも一色の色値を濃淡値として適用し得る。
第4態様は、第1態様から第3態様のいずれか一態様の画像処理装置において、平均色画像生成部は、学習対象画像と平均色との関係を学習する際に、平均色に対する特徴色の頻度が低い学習対象画像を適用して学習した学習済みの学習器を適用する構成としてもよい。
第4態様によれば、平均色画像生成部に適用される学習器は、学習対象画像において頻度が低い色をより多く学習する。これにより、学習対象画像から除かれる色をより多く学習し得る。
第5態様は、第1態様から第4態様のいずれか一態様の画像処理装置において、処理対象画像から抽出する特徴色を設定する特徴色設定部を備えた構成としてもよい。
第5態様によれば、処理対象画像に特徴色が二種類以上存在する場合に、処理対象の特徴色を設定し得る。
第6態様は、第1態様から第5態様のいずれか一態様の画像処理装置において、処理対象画像の色値及び特徴色画像の色値はRGB値が適用される構成としてもよい。
第6態様によれば、平均色画像生成部は、RGB値からRGB値への学習を学習するのでの、学習対象画像に対して正解の付与が不要となる。
第7態様は、第1態様から第6態様のいずれか一態様の画像処理装置において、色値導出部は、特徴色画像の全画素の特徴色の色値の総和を算出する構成としてもよい。
第7態様によれば、処理対象画像における特徴色を数値化し得る。
第8態様は、第1態様から第7態様のいずれか一態様の画像処理装置において、処理対象画像は、農作物及び水産物の少なくともいずれかを撮像して得られた画像が適用される構成としてもよい。
第8態様によれば、農産物及び水産物の撮像条件の変動を吸収し、農産物及び水産物の色の変化を定量化することが可能となる。
第9の態様に係る画像処理方法は、複数の学習対象画像と、複数の学習対象画像のそれぞれから特徴色を除いた平均色との関係を学習した学習済みの学習器を適用して、処理対象画像から平均色を抽出した平均色画像を生成する平均色画像生成工程と、処理対象画像から平均色画像を差し引いた差分画像として導出される特徴色画像を生成する特徴色画像生成工程と、特徴色画像から処理対象画像における特徴色の色値を導出する色値導出工程と、を含む画像処理方法である。
第9態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることが可能である。
第9態様において、第2態様から第8態様で特定した事項と同様の事項を適宜組み合わせることができる。その場合、画像処理装置において特定される処理や機能を担う構成要素は、これに対応する処理や機能を担う画像処理方法の構成要素として把握することができる。
第10態様に係るプログラムは、コンピュータに、複数の学習対象画像と、複数の学習対象画像のそれぞれから特徴色を除いた平均色との関係を学習した学習済みの学習器を適用して、処理対象画像から平均色を抽出した平均色画像を生成する平均色画像生成機能、処理対象画像から平均色画像を差し引いた差分画像として導出される特徴色画像を生成する特徴色画像生成機能、及び特徴色画像から処理対象画像における特徴色の色値を導出する色値導出機能を実現させるプログラムである。
第10態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることが可能である。
第10態様において、第2態様から第8態様で特定した事項と同様の事項を適宜組み合わせることができる。その場合、画像処理装置において特定される処理や機能を担う構成要素は、これに対応する処理や機能を担うプログラムの構成要素として把握することができる。
本発明によれば、処理対象画像から平均色画像を生成する際に、複数の学習対象画像と、学習対象画像から特徴色を除いた平均色との関係を学習した学習済みの学習器が適用される。これにより、撮像条件等の変動の影響が抑制された平均色画像を生成し得る。また、処理対象画像から平均色画像を差し引いた特徴色画像を生成し、特徴色画像における特徴色の色値を導出する。これにより、特徴色の色味を定量化し得る。
図1は実施形態に係る画像処理装置の機能ブロック図である。 図2は図1に示す画像処理装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。 図3は図1に示す画像処理装置に適用される学習器における学習の手順を示すフローチャートである。 図4は図1に示す画像処理装置に適用される画像処理方法の手順を示すフローチャートである。 図5は学習対象画像の一例を示す図である。 図6は学習対象画像の色値の一例を示す図である。 図7は学習器の説明図である。 図8は図7に示す学習器に適用されるネットワークの構成例を示すブロック図である。 図9は図7に示す学習器に適用されるネットワークの他の構成例を示すブロック図である。 図10は比較例に係るネットワークの構成例を示すブロック図である。 図11は図4に示す平均色画像生成工程の模式図である。 図12は図4に示す特殊色画像生成工程の模式図である。 図13は特徴色の色値の一例を示す表である。 図14は平均色画像における色値算出の模式図である。 図15は色成分ごとに色値を算出する場合の例を示す色変換の模式図である。 図16は処理対象画像から平均色画像への変換の具体例を示す表である。 図17は特徴色指定画面の構成例を示す説明図である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。本明細書では、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明は適宜省略することとする。
[画像処理システムの全体構成]
〔機能ブロックの説明〕
図1は実施形態に係る画像処理装置の機能ブロック図である。画像処理装置10は、画像取得部12、学習器14、特徴色画像生成部16、色値算出部18、特徴色設定部20、判別部22、及び記憶部24を備える。また、画像処理装置10は、表示制御部26及び入力制御部28を備える。
画像取得部12は、撮像装置及び画像記憶装置等の外部装置から処理対象画像及び学習対象画像を取得する。画像取得部12は、処理対象画像を取得する処理対象画像取得部、及び学習対象画像を取得する学習対象画像取得部を含んで構成されてもよい。
画像取得部12は、取得した処理対象画像データ等を記憶部24へ記憶する。画像取得部12は、図示しないネットワークと接続されてもよい。画像取得部12は、図示しない記憶デバイスを着脱可能に構成された記憶デバイス装着部を備えてもよい。
本明細書において、画像という用語は画像を表す信号である画像データの意味として使用される場合がある。画像取得部12は、写真等の画像を取得して、画像を信号に変換してもよいし、画像を表す信号である画像データを取得してもよい。
学習器14は、学習対象画像における各画素の色値を学習データとして学習を実施する。色値はRGB値を適用し得る。学習器14は、学習対象画像データにおける各画素の色値を濃淡値へ変換する。学習器14は、学習対象画像における各画素の色値を濃淡値へ変換する際にデータ量を圧縮する。データ量の圧縮の一例として、色数を減らす例が挙げられる。
学習器14は色値から変換した濃淡値を色値へ戻す。学習器14は、濃淡値を色値へ戻す際に学習対象画像において出現頻度が高い平均的な色は復元する。一方、学習器14は、濃淡値を色値へ戻す際に学習対象画像において出現頻度が低い特殊な色は復元しない。以下、出現頻度が高い平均的な色を平均色と呼ぶ。また、出現頻度が低い特殊な色を特徴色と呼ぶ。
学習済みの学習器14は、処理対象画像から平均色画像を生成する平均色画像生成部として機能する。学習済みの学習器14は、処理対象画像から生成された平均色画像を記憶部24へ記憶する。なお、学習器14の詳細及び平均色画像生成の詳細は後述する。
特徴色画像生成部16は、処理対象画像から平均色画像を差し引いた差分画像を生成する。差分画像は、処理対象画像から特徴色を抽出した特徴色画像である。特徴色画像生成部16は、処理対象画像から生成した特徴色画像を記憶部24へ記憶する。
色値算出部18は、特徴色画像の色値を算出する。例えば、特徴色画像の各画素における特徴色の色値を合算して、特徴色画像の色値とし得る。色値算出部18は、特徴色画像の色値を記憶部24へ記憶する。実施形態に記載の色値算出部18は色値導出部の一例に相当する。
特徴色設定部20は、処理対象画像から抽出する特徴色を設定する。特徴色設定部20は、入力装置32を用いて入力された特徴色を指定する情報に基づいて、特徴色を設定し得る。
判別部22は、特徴色画像の色値に基づいて、評価対象の色を判別する。判別部22を用いた色判別の判別結果を表す信号は、表示制御部26を介してモニタ30へ送信される。モニタ30は、色判別の判別結果を表示する。
記憶部24は、画像取得部12を用いて取得した処理対象画像等の各種データを記憶する。記憶部24は、複数の記憶素子を用いて構成し得る。記憶部24は画像処理装置10と通信可能に接続される外部の記憶装置を適用し得る。
表示制御部26は、モニタ30を用いて表示させる各種情報を、モニタ30の入力形式に対応する表示信号へ変換し、表示信号をモニタ30へ送信する。すなわち、表示制御部26は、モニタ30を制御するディスプレイドライバーとして機能する。
入力制御部28は、入力装置32から入力された信号を受信し、受信した信号を画像処理装置10において処理可能な形式の信号へ変換する。入力装置32は、キーボード及びマウス等を適用し得る。
〔ハードウェアの説明〕
図2は図1に示す画像処理装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。図1に示す画像処理装置10の機能は、図2に示すハードウェアを用いて、プログラムを実行させて実現し得る。
図2に示す画像処理装置10は、プロセッサ40、メモリ42、ストレージ装置44、ネットワークコントローラ46、電源装置48、ディスプレイコントローラ60、入出力インターフェース62、及び入力コントローラ64を備える。なお、図2に示すI/Oは入出力インターフェースを表す。
プロセッサ40、メモリ42、ストレージ装置44、ネットワークコントローラ46、ディスプレイコントローラ60、及び入出力インターフェース62は、バス66を介してデータ通信が可能に接続される。
〈プロセッサ〉
プロセッサ40は、画像処理装置10の全体制御部、各種演算部、及び記憶制御部として機能する。プロセッサ40は、メモリ42に具備されるROM(read only memory)に記憶されているプログラムを実行する。
プロセッサ40は、ネットワークコントローラ46を介して、図示しない外部の記憶装置からプログラムをダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを実行してもよい。外部の記憶装置は、ネットワーク50を介して画像処理装置10と通信可能に接続されていてもよい。
プロセッサ40は、メモリ42に具備されるRAM(random access memory)を演算領域とし、各種プログラムと協働して、各種処理を実行する。これにより、画像処理装置10の各種機能が実現される。
プロセッサ40は、ストレージ装置44からのデータの読み出し、及びストレージ装置44へのデータの書き込みを制御する。プロセッサ40は、ネットワークコントローラ46を介して、外部の記憶装置から各種データを取得してもよい。プロセッサ40は、取得した各種データを用いて、演算等の各種処理を実行可能である。
プロセッサ40は、一つ、又は二つ以上のデバイスが含まれてもよい。デバイスの一例として、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及びPLD(Programmable Logic Device)等が挙げられる。FPGA及びPLDは、製造後に回路構成を変更し得るデバイスである。
デバイスの他の例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が挙げられる。ASICは、特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を備える。
プロセッサ40は、同じ種類の二つ以上のデバイスを適用可能である。例えば、プロセッサ40は二つ以上のFPGAを用いてもよいし、二つのPLDを用いてもよい。プロセッサ40は、異なる種類の二つ以上プロセッサを適用してもよい。例えば、プロセッサ40は一つ以上のFPGAと一つ以上のASICとを適用してもよい。
複数のプロセッサ40を備える場合、複数のプロセッサ40は一つのデバイスを用いて構成してもよい。複数のプロセッサ40を一つのデバイスを用いて構成する一例として、一つ以上のCPU(Central Processing Unit)とソフトウェアとの組合せを用いて一つのデバイスを構成し、このデバイスが複数のプロセッサ40として機能する形態がある。なお、本明細書におけるソフトウェアはプログラムと同義である。
複数のプロセッサ40を一つのデバイスで構成する他の例として、複数のプロセッサ40を含むシステム全体の機能を一つのICチップで実現するデバイスを使用する形態が挙げられる。複数のプロセッサ40を含むシステム全体の機能を一つのICチップで実現するデバイスの代表例として、SoC(System On Chip)が挙げられる。なお、ICは、Integrated Circuitの省略語である。
このように、プロセッサ40は、ハードウェア的な構造として、各種のデバイスを一つ以上用いて構成される。
〈メモリ〉
メモリ42は、図示しないROM、及び図示しないRAMを備える。ROMは、画像処理装置10において実行される各種プログラムを記憶する。ROMは、各種プログラムの実行に用いられるパラメータ、及びファイル等を記憶する。RAMは、データの一時記憶領域、及びプロセッサ40のワーク領域等として機能する。
〈ストレージ装置〉
ストレージ装置44は、各種データを非一時的に記憶する。ストレージ装置44は、画像処理装置10の外部に外付けされてもよい。ストレージ装置44に代わり、又はこれと併用して、大容量の半導体メモリ装置を適用してもよい。
〈ネットワークコントローラ〉
ネットワークコントローラ46は、外部装置との間のデータ通信を制御する。データ通信の制御は、データ通信のトラフィックの管理が含まれてもよい。ネットワークコントローラ46を介して接続されるネットワーク50は、LANなどの公知のネットワークを適用し得る。
〈電源装置〉
電源装置48は、UPS(Uninterruptible Power Supply)などの大容量型の電源装置が適用される。電源装置48は停電等に起因して商用電源が遮断された際に、画像処理装置10の各部へ電源を供給する。
〈ディスプレイコントローラ〉
ディスプレイコントローラ60は、プロセッサ40から送信される指令信号に基づいてモニタ30を制御するディスプレイドライバーとして機能する。
〈入出力インターフェース〉
入出力インターフェース62は、画像処理装置10と外部機器とを通信可能に接続する。入出力インターフェース62は、USB(Universal Serial Bus)などの通信規格を適用し得る。
〈入力コントローラ〉
入力コントローラ64は、入力装置32を用いて入力された信号の形式を画像処理装置10の処理に適した形式に変換する。入力コントローラ64を介して入力装置32から入力された情報は、プロセッサ40を介して各部へ送信される。
[学習方法の説明]
図3は図1に示す画像処理装置に適用される学習器における学習の手順を示すフローチャートである。図3に示す学習方法は、学習対象画像取得工程S10、色値抽出工程S12、及び変換工程S14が含まれる。
学習対象画像取得工程S10では、図1に示す画像取得部12を用いて、複数の学習対象画像を取得し、複数の学習対象画像を記憶部24へ記憶する。学習対象画像は、物体のカラー画像を適用し得る。学習対象画像取得工程S10の後に、色値抽出工程S12へ進む。
色値抽出工程S12では、学習器14は学習対象画像から色値を抽出する。学習器14は学習対象画像の各画素のRGB値を抽出する。学習器14は、学習器14とは別に具備された色値抽出部を用いて学習対象画像から抽出した色値を取得してもよい。色値抽出工程S12の後に変換工程S14へ進む。
変換工程S14では、学習器14は学習対象画像の色値を濃淡値へ変換する。学習器14は学習対象画像の色値を濃淡値へ変換する際にデータ量を圧縮する。学習器14は、濃淡値を色値へ変換する。学習器14は学習対象画像の色値から、濃淡値を経て変換された色値への変換関係を学習する。
学習対象画像取得工程S10から変換工程S14までの工程を経て生成された学習済みの学習器14は、処理対象画像から平均色画像を生成する平均色画像生成部として機能する。
[画像処理方法の説明]
図4は図1に示す画像処理装置に適用される画像処理方法の手順を示すフローチャートである。図4に示す画像処理方法は、処理対象画像取得工程S20、平均色画像生成工程S22、特徴色画像生成工程S24、色値算出工程S26、及び判別工程S28を含んで構成される。
処理対象画像取得工程S20では、図1に示す画像取得部12は評価対象の物体の画像である処理対象画像を取得し、処理対象画像を記憶部24へ記憶する。処理対象画像取得工程S20の後に、平均色画像生成工程S22へ進む。
平均色画像生成工程S22では、平均色画像生成部として機能する学習済みの学習器14は、処理対象画像から平均色画像を生成し、平均色画像を記憶部24へ記憶する。平均色画像生成工程S22の後に、特徴色画像生成工程S24へ進む。
特徴色画像生成工程S24では、特徴色画像生成部16は処理対象画像から平均色画像を差し引いて差分画像を生成する。差分画像は、処理対象画像から特徴色を抽出した特徴色画像である。特徴色画像は記憶部24へ記憶される。特徴色画像生成工程S24の後に、色値算出工程S26へ進む。
色値算出工程S26では、色値算出部18は特徴色画像の色値を算出し、特徴色画像と色値とを関連付けして、記憶部24へ記憶する。色値算出工程S26の後に、判別工程S28へ進む。実施形態に記載の色値算出工程S26は色値導出工程の一例に相当する。
判別工程S28では、判別部22は特徴色画像の色値に基づいて評価対象の色を判別する。判別結果はモニタ30に表示される。判別工程S28の後に規定の終了処理が実施され、画像処理は終了される。
[画像処理装置の色判別への適用例]
次に、図1から図4を用いて説明した画像処理装置の色判別への適用例について詳細に説明する。本実施形態では、評価対象として水産物である魚を例示し、魚の表面に現れる赤みが魚の出荷基準を満たすか否かの判別を例示する。すなわち、赤が特徴色であり、魚の地色である白、コンクリートの色である黒、及びコンクリートの色である黄色等が平均色である。
〔学習の説明〕
〈学習対象画像の取得〉
まず、図1に示す学習器14を学習させる。学習器14の学習は、図3に示す学習方法が適用される。まず、複数の学習対象画像を取得するために、複数の魚を一匹ずつコンクリートの床に置いて撮像する。複数の魚は、捕獲直後の魚、捕獲してから数日間経過している魚、及び出荷直前の魚など、様々な経緯の魚を適用する。
撮像対象の複数の魚は、出荷直前の赤の出現頻度が高い魚は相対的に数が少なく、赤の出現頻度が低く白の出現頻度が高い魚は相対的に数が多い。つまり、撮像対象の複数の魚は、赤の出現頻度が低い魚の側に数の偏った分布を有している。すなわち、学習器14は、平均色の側に偏った数的な分布を有する複数の学習対象画像が用いられる。
図5は学習対象画像の一例を示す図である。図5には、複数の学習対象画像として、学習対象画像100、学習対象画像102、及び学習対象画像104を示す。学習対象画像100は、捕獲された直後の魚110Aをコンクリートの床に置いて撮像して得られている。捕獲された直後の魚110Aは、白と比較して赤の出現頻度が低く赤と比較して白の出現頻度が高い。
学習対象画像102は、捕獲されてから数日経過した魚110Bを、コンクリートの床に置いて撮像して得られている。学習対象画像102に写っている魚110Bは、白と比較して赤の出現頻度が低く、赤と比較して白の出現頻度が高い。一方、学習対象画像102に写っている魚110Bは、学習対象画像100の魚110Aと比較して、赤の出現頻度が高くなり、白の出現頻度が低くなっている。
なお、学習対象画像102の床の位置は、学習対象画像100の床の位置と一致していないため、学習対象画像102の床は黄色が出現している。すなわち学習対象画像102は、赤と比較して黄色の出現頻度が高くなっている。
学習対象画像104は、出荷が可能な程度に赤みを帯びた魚110Cをコンクリートの床に置いて撮像して得られている。学習対象画像104は、白と比較して赤の出現頻度が低く赤と比較して白の出現頻度が高い。一方、学習対象画像104に写っている魚110Cは、学習対象画像100の魚110Aと比較して、赤の出現頻度が高くなり、白の出現頻度が低くなっている。
〈学習対象画像の色値を抽出〉
次に、学習対象画像から色値を抽出し、学習データとする。各学習対象画像の色値は、画素ごとのRGB値を適用し得る。例えば、学習対象画像の画素数が600画素×400画素の場合、一枚の学習対象画像から24万個のRGB値を取得することができる。
図6は学習対象画像の色値の一例を示す図である。図6には、学習対象画像100、学習対象画像102、及び学習対象画像104からの色値の抽出を模式的に図示する。図6には、学習対象画像100から色値(R11,G11,B11)、色値(R12,G12,B12)、及び色値(R1n,G1n,B1n)等を抽出する例を示す。
また、図6には、学習対象画像102から色値(R21,G21,B21)、色値(R22,G22,B22)、及び色値(R2n,G2n,B2n)等を抽出する例、並びに学習対象画像104から色値(R31,G31,B31)、色値(R32,G32,B32)、及び色値(R3n,G3n,B3n)等を抽出する例を示す。
すなわち、学習対象画像100のi番目の画素の色値は、(R1i,G1i,B1i)と表される。同様に、学習対象画像102のi番目の画素の色値は、(R2i,G2i,B2i)と表され、学習対象画像104のi番目の画素の色値は、(R3i,G3i,B3i)と表される。
学習対象画像100、学習対象画像102、及び学習対象画像104の画素数をnとした場合、iは1からnの整数が適用される。すなわち、学習対象画像100は、(R11,G11,B11)から(R1n,G1n,B1n)までのn個の色値が抽出される。
同様に、学習対象画像102は、(R21,G21,B21)から(R2n,G2n,B2n)までのn個の色値が抽出され、学習対象画像104は、(R31,G31,B31)から(R3n,G3n,B3n)までのn個の色値が抽出される。なお、学習対象画像100、学習対象画像102、及び学習対象画像104の画素数nは、同一でもよいし相違していてもよい。
〈色値の変換〉
次に、複数の学習対象画像から抽出した色値を濃淡値へ変換し、濃淡値を色値へ戻す。すなわち、RGB値からRGB値への変換を実施する。図7は学習器の説明図である。図7には、学習対象画像100、学習対象画像102、及び学習対象画像104のそれぞれのi番目の画素の色値の変換例を示す。
すなわち、学習器14は、学習対象画像100のi番目の画素の色値(R1i,G1i,B1i)を、色値(R11i,G11i,B11i)へ変換する。同様に、学習器14は、学習対象画像102のi番目の画素の色値(R2i,G2i,B2i)を、色値(R21i,G21i,B21i)へ変換し、学習対象画像104のi番目の画素の色値(R3i,G3i,B3i)を、色値(R31i,G31i,B31i)へ変換する。
従来技術に係る教師有り学習は、学習対象画像ごとに出荷可又は出荷不可等のラベルを付与し、学習器は学習対象画像とラベルとの関係を学習する。または、学習対象画像に0.1及び0.9等のスコアを付与し、学習器は学習対象画像とスコアとの関係を学習する。そうすると、学習対象画像ごとにラベル及びスコア等の正解を付与するためのコストが発生する。
これに対して本実施形態に示す学習器14は、学習対象画像のRGB値を学習データとして、RGB値からRGB値への変換関係を学習する。これにより、教師有り学習でありながら、学習対象画像へ正解を付与する作業が不要となり、学習対象画像へ正解を付与するためのコストが発生しない。
〔学習器の構成〕
濃淡値を色値へ戻す際に、学習器の性能が高い場合は濃淡値を元の学習対象画像の色値を精度よく復元し得る。本実施形態に適用される学習器14は、性能をあえて落すことで、学習対象画像と学習対象画像における平均色との変換を学習する。
換言すると、本実施形態に適用される学習器14は、学習対象画像における特徴色を元に戻すことができない学習器である。
図8は図7に示す学習器に適用されるネットワークの構成例を示すブロック図である。図8に示すネットワーク200は、入力層202、中間層204、及び出力層206を有する。ネットワーク200は、入力層202の各ノードが中間層204のノードと一つのエッジを用いて接続され、出力層206の各ノードが中間層204のノードと一つのエッジを用いて接続される。
ネットワーク200は、中間層204のノードと出力層206の各ノードとを一つのエッジを用いて接続する構造を有している。ネットワーク200は、濃淡値を色値へ変換する部分が単純な変換を実施するため、変換性能が抑制されている。
図9は図7に示す学習器に適用されるネットワークの他の構成例を示すブロック図である。図9に示すネットワーク210は、入力層212、第一中間層214、第二中間層216、及び出力層218を備える。
ネットワーク210は、色値を多階調化し、多階調化された色値を濃淡値へ変換し、濃淡値を元の階調数と同じ階調数の色値へ変換する。ネットワーク210は、図8に示すネットワーク200と同様に、出力層218の各ノードが第二中間層216のノードと一つのエッジを用いて接続され、濃淡値を色値へ変換する部分が単純な変換を実施するため、変換性能が抑制されている。
図10は比較例に係るネットワークの構成例を示すブロック図である。図10に示すネットワーク220は、入力層222、第一中間層224、第二中間層226、第三中間層228、及び出力層230を備える。
ネットワーク220は、色値を多階調の色値へ変換し、多階調の色値を濃淡値へ変換する。ネットワーク220は、濃淡値を多階調の色値へ変換し、多階調の色値を元の階調数の色値へ変換する。
ネットワーク220は、図9に示すネットワーク210と比較して、濃淡値から色値へ変換する性能が高いために、入力層222に入力された色値を復元することが可能である。このように高性能のネットワーク220は、本実施形態に係る画像処理装置10には不向きである。
〔画像処理の説明〕
次に、図4に示す画像処理方法について詳細に説明する。
〈平均色画像生成〉
図11は図4に示す平均色画像生成工程の模式図である。図11に示すように、図4に示す平均色画像生成工程S22では、学習器14は処理対象画像300から平均色画像302を生成する。
学習器14は、処理対象画像300の各画素の色値を、平均色画像302の各画素の画素値へ変換する。例えば、処理対象画像300のi番目の画素の画素値(R101i,G101i,B101i)を、平均色画像302のi番目の画素の画素値(R11i,G11i,B11i)へ変換する。
〈特徴色画像生成〉
図12は図4に示す特殊色画像生成工程の模式図である。特徴色画像生成工程S24では、特徴色画像生成部16は、処理対象画像300から平均色画像302を差し引いて、差分画像である特徴色画像310を生成する。
すなわち、特徴色画像生成部16は、処理対象画像300のi番目の画素の画素値から、平均色画像302のi番目の画素値を減算して、特徴色画像310のi番目の画素の画素値を算出する。この処理を処理対象画像300及び平均色画像302の全画素について実施する。
図12に示すように、特徴色画像310のi番目の画素の画素値(R1000i,G1000i,B1000i)は、(|R101i-R11i|,|G101i-G11i|,|B101i-B11i|)と表される。このようにして、画像処理装置10は学習器14が生成した平均色画像302の色値に対する処理対象画像300の色値を可視化することが可能となる。
〈色値算出〉
図4に示す色値算出工程S26では、特徴色画像310を数値化して、処理対象画像300を定量化する。本実施形態に示す画像処理装置10は、特徴色画像310の数値化の例として、特徴色画像310の全画素のR値の総和を適用する。
〈判別〉
図12に示すように、特徴色画像310は処理対象画像300の各画素の色値から、平均色画像302の各画素の色値を減算しているので、特徴色画像310の背景の濃淡値はゼロとなっている。濃淡値のゼロとは最も濃い値を表す。そうすると、処理対象画像300における色味が変動する魚領域300Aの色値の比較を行うことが可能である。
図13は特徴色の色値の一例を示す表である。図13に示す上段の処理対象画像300の赤み量は738.007、下段の処理対象画像300の赤み量は275.542というように、魚の色値を定量化し、両者の赤み量を比較することが可能となる。予め赤み量の閾値を定めておき、赤み量が閾値を超えた場合に出荷可能な魚と判別することが可能である。
本実施形態では、特徴色として赤を例示したが、色値=A×R値+A×G値+A×B値として、定数A、定数A、及び定数Aを適宜設定して、任意の色について色味量を算出してもよい。
〔平均色の色値の説明〕
図14は平均色画像における色値算出の模式図である。図14は三次元空間を用いて、模式的に色値を表している。図14に示す色値400は、処理対象画像300のi番目の画素における色値を表す。また、色値402は、平均色画像302のi番目の画素における色値を表す。図14に示すように、図1に示す学習器14は、色値(R101i,G101i,B101i)を色値(R11i,G11i,B11i)へ変換する処理を実施する。
図15は色成分ごとに色値を算出する場合の例を示す色変換の模式図である。符号410は処理対象画像300のR値から平均色画像302のR値への変換関係を示す。符号412は処理対象画像300のG値から平均色画像302のG値への変換関係を示す。符号414は処理対象画像300のB値から平均色画像302のB値への変換関係を示す。
学習器14は、図15に示す色成分ごとに色値の変換を実施するのではなく、図14に示すように、全ての色成分の色値をまとめて変換する。
〔処理対象画像から平均色画像への変換の具体例〕
図16は処理対象画像から平均色画像への変換の具体例を示す表である。図16に示すように、処理対象画像300の撮像の際の照明及び背景等の撮像条件が相違していても、処理対象画像300の特徴色である赤を処理対象画像300から除いた平均色画像302を生成し得る。
図16に示す例では、魚の赤みを特徴色とし、魚の背景であるコンクリートの黒色、黄色、及び魚の地の白色等を平均色とし、処理対象画像300特徴色が除かれ、処理対象画像300から平均色が抽出された平均色画像302が生成される。
また、魚の地の色である白を第一平均色とし、コンクリートの色である黒を第二平均色とした場合、第一平均色と第二平均色との境界が魚の外形を表す。すなわち、色の処理でありながら、処理対象画像300から主要被写体である魚の外形が自動的に抽出されるので、魚の外形を抽出する処理が不要となる。
〔特徴色設定の説明〕
図1に示す画像処理装置10は、処理対象画像300から特徴色を抽出する際に、特徴色を設定する特徴色設定部20を備える。特徴色設定部20は入力装置32等から入力された情報を用いて、特徴色を設定してもよい。
処理対象画像300に二種類以上の特徴色が存在する場合が考えられる。かかる場合に、二種類以上の特徴色からどの特徴色を処理対象の特徴色とするかを指定することが可能となる。すなわち、処理対象画像300の色値がA×R値+A×G値+A×B値と表される場合に、定数A、定数A、及び定数Aを設定することが可能となる。
図17は特徴色指定画面の構成例を示す説明図である。画像処理装置10は、モニタ30を用いて特徴色を指定する特徴色指定画面500を表示させ、入力装置32を用いて入力された情報に基づいて特徴色を指定し得る。
特徴色指定画面500は、処理対象画像表示領域502、色指定領域504、撮像条件表示領域506、及び色値表示領域508を含んで構成される。処理対象画像表示領域502は処理対象画像300を表示させる。処理対象画像表示領域502は複数の処理対象画像300を表示させ、複数の処理対象画像300の中から選択された一つの処理対象画像300を表示させてもよい。
色指定領域504は特徴色として設定する色を指定する。図17には赤を指定した場合を示す。色指定領域504はプルダウンメニューを表示させてもよいし、入力装置32を用いて入力された色情報を表示してもよい。特徴色設定部20は、色指定領域504に表示された色を特徴色として設定する。色値算出部18は、特徴色設定部20を用いて設定された特徴色について、図12に示す特徴色画像310から色値を算出する。
撮像条件表示領域506は撮像日時等の撮像条件を表示させる。撮像条件は処理対象画像300に付与されている付帯情報を適用し得る。なお、図17に示す撮像日時は任意の日時である。
色値表示領域508は、色値算出部18を用いて算出した色値を表示させる。特徴色画像310に指定された特徴色が存在しない場合は、色値としてゼロを表示してもよいし、特徴色画像310に指定された特徴色が存在しない旨を表すエラーメッセージを表示してもよい。なお、図17に示す色値は任意の値である。
特徴色指定画面500は、図4に示す判別工程S28において導出された判別結果を表示させる判別結果表示領域が含まれていてもよい。判別結果は、合否を表す文字情報、合否を表す色等を適用し得る。なお、図17に示す特徴色指定画面500は一例であり、適宜、変更、追加、及び削除等が可能である。
[プログラムへの適用例]
上述した画像処理装置10及び画像処理方法は、コンピュータを用いて、画像処理装置10における各部に対応する機能、又は画像処理方法における各工程に対応する機能を実現させるプログラムとして構成可能である。
例えば、コンピュータに、学習対象画像取得工程S10に対応する学習対象画像取得機能、色値抽出工程S12に対応する色値抽出機能、及び変換工程S14に対応する変換機能を実現させるプログラムを構成し得る。
また、コンピュータに、処理対象画像取得工程S20に対応する処理対象画像取得機能、平均色画像生成工程S22に対応する平均色画像生成機能、特徴色画像生成工程S24に対応する特徴色画像生成機能、色値算出工程S26に対応する色値算出機能、及び判別工程S28に対応する判別を実現させるプログラムを構成し得る。実施形態に記載の色値算出機能は、色値導出機能の一例に相当する。
上述した情報処理機能をコンピュータに実現させるプログラムを、有体物である非一時的な情報記憶媒体である、コンピュータが読取可能な情報記憶媒体に記憶し、情報記憶媒体を通じてプログラムを提供することが可能である。また、非一時的な情報記憶媒体にプログラムを記憶して提供する態様に代えて、ネットワークを介してプログラム信号を提供する態様も可能である。
[作用効果]
上記の如く構成された画像処理装置及び画像処理方法によれば、以下の作用効果を得ることが可能である。
〔1〕
学習対象画像100等の複数の学習対象画像と、複数の学習対象画像のそれぞれから特徴色を除いた平均色との関係を学習した学習器14を用いて、処理対象画像300から平均色画像302を生成し、処理対象画像300から平均色画像302を差し引いた特徴色画像310を生成し、特徴色画像310における特徴色の色値を導出する。これにより、撮像条件の変動を吸収し、色味の違いを定量化し得る。また、色の変換処理でありながら、処理対象画像300から対象物を抽出する処理が不要である。
〔2〕
学習器14は、学習対象画像100等の色値を濃淡値へ変換し、濃淡値を特徴色が除かれた色値へ変換する学習を実施する。これにより、学習器14は、処理対象画像300から平均色画像302を生成する平均色画像生成部として機能し得る。
〔3〕
学習器14は、学習対象画像100等に適用されるRGB値のうちR値を濃淡値とする。これにより、学習対象画像100等のRGB値から濃淡値への変換が可能となる。濃淡値はG値を適用してもよいし、B値を適用してもよい。
〔4〕
学習器14は、学習対象画像100等に適用される色のうち、出現頻度が相対的に低い色を特徴色とする学習を実施する。これにより、学習器14は学習対象画像100等の出現頻度が低い色を、学習対象画像100等から除く学習を実施し得る。
〔5〕
特徴色設定部20を備える。これにより、処理対象画像300に二種類以上の特徴色が存在する場合に、処理対象の特徴色を設定し得る。
〔6〕
色値算出部18は特徴色画像310の全画素における色値の総和を算出する。これにより、特徴色を数値化し得る。
[学習対象画像及び処理対象画像の適用範囲]
本実施形態では、色が経時変化する魚等の水産物の撮像画像を処理対象画像300及び学習対象画像100等として例示したが、撮像画像の被写体は色が経時変化する物品に広く適用可能である。
トマト及びリンゴなど色が経時変化して赤みが強くなる農作物の撮像画像を処理対象画像及び学習画像に適用可能である。また、建築物の壁等の構造物の汚れ検出、構造物の色あせ検出、自動車のボディカラーの色あせ等の塗料の変色検出、透明樹脂等の黄変検出などにも、本実施形態に示す画像処理装置及び方法を適用可能である。
更に、有色ガスの濃度検出、有色ガスの混合比率検出、川の汚れ検出、及び川の浄化検出等、気体及び液体等の流体の色変化検出にも、本実施形態に示す画像処理装置及び方法を適用可能である。
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者により、多くの変形が可能である。
10 画像処理装置
12 画像取得部
14 学習器
16 特徴色画像生成部
18 色値算出部
20 特徴色設定部
22 判別部
24 記憶部
30 モニタ
32 入力装置
40 プロセッサ
42 メモリ
44 ストレージ装置
46 ネットワークコントローラ
48 電源装置
50 ネットワーク
60 ディスプレイコントローラ
62 入出力インターフェース
64 入力コントローラ
66 バス
100 学習対象画像
102 学習対象画像
104 学習対象画像
110A 魚
110B 魚
110C 魚
200 ネットワーク
202 入力層
204 中間層
206 出力層
210 ネットワーク
212 入力層
214 第一中間層
216 第二中間層
218 出力層
220 ネットワーク
222 入力層
224 第一中間層
226 第二中間層
228 第三中間層
230 出力層
300 処理対象画像
300A 魚領域
302 平均色画像
310 特徴色画像
400 色値
402 色値
410 R値の変換関係
412 G値の変換関係
414 B値の変換関係
500 特徴色指定画面
502 処理対象画像表示領域
504 色指定領域
506 撮像条件表示領域
508 色値表示領域
S10からS28 画像処理方法の各工程

Claims (10)

  1. 複数の学習対象画像と、前記複数の学習対象画像のそれぞれから特徴色を除いた平均色との関係を学習した学習済みの学習器を適用して、処理対象画像から前記平均色を抽出した平均色画像を生成する平均色画像生成部と、
    前記処理対象画像から前記平均色画像を差し引いた差分画像として導出される特徴色画像を生成する特徴色画像生成部と、
    前記特徴色画像から前記処理対象画像における特徴色の色値を導出する色値導出部と、
    を備え
    前記平均色画像生成部は、前記学習対象画像における特徴色の色値を元の色値に戻すことができない学習器であり、学習対象画像の色値を濃淡値へ変換し、前記色値を変換した濃淡値を色値へ変換して、前記学習対象画像から特徴色を除いて前記学習対象画像の平均色を抽出する学習を実施した学習済みの学習器を適用する画像処理装置。
  2. 前記平均色画像生成部は、入力層のノードが中間層のノードと一つのエッジを用いて接続され、出力層のノードが前記中間層のノードと一つのエッジを用いて接続される学習器を適用する請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記平均色画像生成部は、前記学習対象画像に適用される色数を減らして、前記学習対象画像の色値を濃淡値へ変換する学習を実施した学習済みの学習器を適用する請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記平均色画像生成部は、学習対象画像と平均色との関係を学習する際に、前記平均色に対する前記特徴色の頻度が低い前記学習対象画像を適用して学習した学習済みの学習器を適用する請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前記処理対象画像から抽出する前記特徴色を設定する特徴色設定部を備えた請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記処理対象画像の色値及び前記特徴色画像の色値はRGB値が適用される請求項1か ら5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記色値導出部は、前記特徴色画像の全画素の特徴色の色値の総和を算出する請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  8. 前記処理対象画像は、農作物及び水産物の少なくともいずれかを撮像して得られた画像が適用される請求項1から7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  9. 複数の学習対象画像と、前記複数の学習対象画像のそれぞれから特徴色を除いた平均色との関係を学習した学習済みの学習器を適用して、処理対象画像から前記平均色を抽出した平均色画像を生成する平均色画像生成工程と、
    前記処理対象画像から前記平均色画像を差し引いた差分画像として導出される特徴色画像を生成する特徴色画像生成工程と、
    前記特徴色画像から前記処理対象画像における特徴色の色値を導出する色値導出工程と、
    を含み、
    前記平均色画像生成工程は、前記学習対象画像における特徴色の色値を元の色値に戻すことができない学習器であり、学習対象画像の色値を濃淡値へ変換し、前記色値を変換した濃淡値を色値へ変換して、前記学習対象画像から特徴色を除いて前記学習対象画像の平均色を抽出する学習を実施した学習済みの学習器を適用する画像処理方法。
  10. コンピュータに、
    複数の学習対象画像と、前記複数の学習対象画像のそれぞれから特徴色を除いた平均色との関係を学習した学習済みの学習器を適用して、処理対象画像から前記平均色を抽出した平均色画像を生成する平均色画像生成機能、
    前記処理対象画像から前記平均色画像を差し引いた差分画像として導出される特徴色画像を生成する特徴色画像生成機能、及び
    前記特徴色画像から前記処理対象画像における特徴色の色値を導出する色値導出機能を実現させるプログラムであり、
    前記平均色画像生成機能は、前記学習対象画像における特徴色の色値を元の色値に戻すことができない学習器であり、学習対象画像の色値を濃淡値へ変換し、前記色値を変換した濃淡値を色値へ変換して、前記学習対象画像から特徴色を除いて前記学習対象画像の平均色を抽出する学習を実施した学習済みの学習器を適用するプログラム。
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