JP7004862B1 - 牛舎における乳牛の糞尿の除去作業車の、糞尿の掻き集め作業補助用アタッチメント - Google Patents
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そして、乳牛が、給飼場に供給された飼料を食べるに際しては、乳牛は、牛床から通路に出て、そこに立ちながら、給飼場と通路とを仕切るようにして設置されたスタンチョンと呼ばれる縦柵に設けられた窓から頭部を出して、飼料を食べるようになっている。
現在、通路に貯留した乳牛の糞尿を除去する作業は、通常、少なくとも1日2回、朝夕の搾乳の時間帯の合間を縫って、ショベルローダ等の作業車を走行させることにより行われており、この作業車により、牛舎通路から除去された糞尿は、通路終端に隣接する牛舎内の一時置き場に集積され、次いで、そこからダンプカーに搬送、移載されて、牛舎外の所定の集積場に運ばれ、堆肥処理などの所定の処理がなされている。
このような形状、構造からなるバケットを備えるショベルローダなどの作業車にあっては、乳牛の通路が数10m~50mにも及び、この通路に貯留する糞尿の厚さが10cm前後にも積もる場合に、この通路上を走行して、糞尿をバケットで掻き集めて搬送しようとすると、バケットの全長1.8m、容量1m3の場合、数mも走行すれば、掻き集めた糞尿がバケット内に進入して、直ぐに奥部の、底板と天井板とを繋ぐ湾曲板部に衝突して、跳ね返り、新たに掻き込まれて来る糞尿とも衝突して、最後には、バケット胴体部を左右で塞ぐ両側板を越えて溢れて、バケットの左右両側の通路上にこぼれ落ちることになる。
これより、通路全長に及んで貯留する糞尿を全部掻き集めて搬送して除去し終えるには、通路を長さ方向に沿って数区分に分けた上で、作業車が、各区分における通路上を多数回往復して、前記のような作業を繰り返すことによって行わざるを得ず、労力と時間を要し、きわめて作業効率の悪いものであった。
すなわち、その請求項1に記載された発明は、牛舎における乳牛の通路に貯留する糞尿を掻き集めて搬送して除去する、糞尿の除去作業車が備えるバケットに着脱自在に取り付けられ、前記バケットに代わって、糞尿を、左右に溢れ出ないようにしながら、効率良く掻き集めることができるようにされてなる、牛舎における乳牛の糞尿の除去作業車の、糞尿の掻き集め作業補助用アタッチメントであって、前記アタッチメントは、前記バケットの底板に、嵌脱自在に凹凸嵌合する嵌合部と、前記嵌合部と背中合わせに設けられ、前方に開いた平面視略U字状の折曲板の形状をなし、前記除去作業車が前進移動する時、前進移動して、糞尿をその内部に掻き集める掻き部と、を一体に備えてなり、前記バケットの前記底板と前記アタッチメントの前記嵌合部との嵌脱自在の凹凸嵌合は、前記アタッチメントが着地された状態において、前記除去作業車が前進移動する時、自動的にその凹凸嵌合がなり、前記除去作業車が後退移動する時、自動的にその凹凸嵌合が外れるようにされていて、これにより、前記バケットへの前記アタッチメントの着脱自在の取付け・取外しが、ワンタッチで行われるようにされていることを特徴とする牛舎における乳牛の糞尿の除去作業車の、糞尿の掻き集め作業補助用アタッチメントである。
本願の発明の、牛舎における乳牛の通路に貯留する糞尿の除去作業車(以下、「作業車」と略称する場合がある。)の、糞尿の掻き集め作業補助用アタッチメントにおいては、アタッチメントが、作業車が備えるバケットの底板に、嵌脱自在に凹凸嵌合する嵌合部と、該嵌合部と背中合わせに設けられ、前方に開いた平面視略U字状の折曲板の形状をなし、作業車が前進移動する時、前進移動して、糞尿をその内部に掻き集める掻き部とを一体に備えてなるので、作業車が、通路に貯留する糞尿を掻き集める作業を行うに際して、このアタッチメントが、バケットとの凹凸嵌合を介してバケットに着脱自在に取り付けられて、バケットに代わって用いられると、糞尿を、その掻き部の左右に溢れ出ないようにしながら、効率良く掻き集めることができるようになり、大量の糞尿を所定の一時置き場へと押して行くことができるようになる。
また、これにより、作業車が、長さが数10mないしはそれ以上にも及ぶ通路上を複数回往復して、糞尿の掻き集め作業を繰り返す回数を、従来と比べて大きく低減することができ、糞尿の掻き集め作業に要する労力と時間を大きく節約することができる。
これらにより、糞尿の掻き集め作業の効率を顕著に向上させることができる。
これにより、作業車が、通路に貯留する糞尿を掻き集めて、一時置き場に集積した後、ダンプカーに搬送、移載して、牛舎外に除去するまでの作業全体の作業効率を、顕著に向上させることができる。
これらにより、牛舎における乳牛の通路に貯留する糞尿を掻き集める作業において、アタッチメントや乳牛の通路の損傷が低減され、それらの補修・交換の作業を軽減することができる。
なお、この作業は、バケットに代わって、アタッチメントが行うので、バケットの底板の先端の爪部の損傷は、皆無となる。
これらにより、作業車の運転者の熟練を軽減して、作業車の安全な運転操作を向上させることができる。
次に、本願の発明の、牛舎における乳牛の糞尿の除去作業車の、糞尿の掻き集め作業補助用アタッチメントの一実施例を、図面を参照して、詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、作業車の前進方向を前方として、前後左右を定めることとする。
本実施例の、牛舎における乳牛の糞尿の除去作業車の、糞尿の掻き集め作業補助用アタッチメントにおいては、図1及び図2に示されるように、糞尿の除去作業車1として、従来、周知のショベルローダが使用されている。このショベルローダは、その略中央位置に、運転台2を設けており、その前方部分に、バケット3を備えている。
そして、この糞尿の除去作業車1は、図9に示されるように、乳牛の通路21に貯留する糞尿24を除去するための一連の作業、すなわち、糞尿24を掻き集めて、通路21の終端に隣接する、糞尿の一時置き場25に放出し、その後、ダンプカーに搬送、移載して、牛舎外に除去するまでの一連の作業を行う。
従来のショベルローダなどの作業車1が備えるバケット3では、この作業を効率良く行うことができなかったので、本実施例では、作業車1が、糞尿24を掻き集める作業を行うに際して、そのバケット3にアタッチメント10を、ワンタッチ(せいぜい3秒)で、着脱自在に取り付けて、これを作業車1が押すことにより、バケット3に代わって、アタッチメント10が、糞尿24を、その左右に溢れ出ないようにしながら、効率良く掻き集めることができるようにする。
この、アタッチメント10をバケット3から取り外す操作も、ワンタッチ(せいぜい3秒)で、瞬時に行われるので、作業車1は、アタッチメント10をバケット3から取り外した状態で、次の作業に迅速に移行することができる。
このようにして、作業車1による、乳牛の通路21に貯留する糞尿24の除去作業全体が効率良く行われて、その作業効率を顕著に向上させることができる。
ここで、バケット3の構造と作用について、詳細に説明する。
作業車1のバケット3は、通常の構造からなるものであり、何ら目新しいものではないが、その構造をあらまし説明すると、図1、図2及び図8に示されるように、底板4と、天井板5と、これら両板を繋ぐ接続板6とからなるバケット胴体部の横断面形状が、略V字状のカップ形状をなすものとして製作されている。この場合、接続板6は、湾曲板形状にされて、大きく丸みが付されている。また、バケット胴体部の左右両端は、側板7、7により、それぞれ塞がれている。
次に、アタッチメント10の構造と作用について、詳細に説明する。
アタッチメント10は、この構造を備えることにより、前記のとおり、糞尿24の掻き集め作業を効率良く行うことができるばかりでなく、作業車1が行う、通路21に貯留する糞尿24を掻き集めて搬送して除去するまでの作業全体の作業効率を、顕著に向上させることができるものである。
以下、嵌合部11と掻き部12とを、図3及び図4を参照して、各別に詳しく説明する。
アタッチメント10の嵌合部11は、アタッチメント10が、バケット3の底板4に凹凸嵌合する部分であり、その凹凸嵌合の凹部をなす部分である。
その構造は、アタッチメント10の掻き部12の底部分12aの外面16と、該外面16上に、水平方向に所定の間隔を空けて設定された複数個所(本実施例の場合、左右に2個所)の各々に、底板4を上下から挟持するようにして(図5、図6参照)、それぞれ突設された上下一対の支持杆11a、11bとにより形成されている。
これは、バケット3が、アタッチメント10の嵌合部11とバケット3の底板4との凹凸嵌合を介して、アタッチメント10を抱え上げた時、アタッチメント10の自重を支えるバケット3からの反力が、底板4を介して左右2本の支持杆11b、11bにより多く掛かってくるので、この反力に耐えさせるためである。
この補強板片19は、細長い平面視直角三角形の形状をなしていて、直角の角部を嵌合部11の中央側に置き、直角を挟む長辺部分を、支持杆11aの本体部分と平行にし、そこに重ねて、配置されている。したがって、その斜辺部分は、左側の支持杆11aの補強板片19の斜辺部分と、右側の支持杆11aの補強板片19の斜辺部分との、2つの斜辺部分が組み合わさって、平面視ハの字状を呈し、アタッチメント10の嵌合部11がバケット3の底板4に凹凸嵌合する時、バケット3の左右両側板7、7をそれぞれ案内することができるようになっている(図5、図6、図8参照)。
支持杆11aの本体部分と支持杆11bとは、いずれも断面がIの字状をなす金属材料から製作されたものである。
嵌合部11とバケット3の底板4とが凹凸嵌合する、その仕方は、図1、図2、図5、図6を用いて、後で詳しく説明される。
アタッチメント10の掻き部(スクレーパ部)12は、前記のとおり、嵌合部11と背中合わせに設けられ、前方に開いた平面視略U字状の折曲板の形状をなすようにして、形成されている。よって、掻き部12は、その折曲板の底部に相当する底部分12aと、その折曲板の両側部に相当する両側部分12b、12bとが連続一体化したものとして構成されている。
この場合、平面視略U字状の折曲板の形状は、通常のU字よりも、その両辺が底辺よりも相対的に短くされても良く、また、通常のU字よりも、その両辺の挟み角がわずかに開かれるようにされても良い。
なお、この帯板15は、そのボルト18を外して、正面に向かって180度回転させて、その骨格構造部に取り付け直して、その下縁部に対向する上縁部が、同じようにして用いられるようにすることができる。
掻き部12の骨格構造部は、腐食に強い亜鉛メッキが施された金属材料により製作されている。
この場合、運転台2から運転者に視認し易いように、ポール13の方が、ポール14、14よりも、その長さが長くなるようにされている。
なお、符号17、17は、平面視略U字状の折曲板の形状をなす掻き部12の変形を防ぐための補強片である。
次に、アタッチメント10の嵌合部11とバケット3の底板4とが凹凸嵌合する、その仕方について、詳細に説明する。
作業車1が、乳牛の通路21に貯留する糞尿24を掻き集める作業を開始するに当たっては、アタッチメント10を作業車1が備えるバケット3に着脱自在に取り付けるために、アタッチメント10の嵌合部11をバケット3の底板4に、嵌脱自在に、凹凸嵌合させることが行われる。
この場合、作業車1の運転者は、掻き部12の底部分12aの上端面に設けられたポール13を目印にして、嵌合部11とバケット3の底板4との左右方向の位置合わせをしながら、作業車1の走行操作を行う。
次いで、作業車1の運転者は、作業車1を更に前進させて、図6に示されるように、バケット3の底板4の先端縁(爪部)4aが、嵌合部11の左右各一対の上下支持杆11a、11bの間に深く進入して、掻き部12の底部分12aの外面16に軽く衝突するようにする。これにて、アタッチメント10の嵌合部11とバケット3の底板4との凹凸嵌合が完了する。
作業車1の運転者が、以上の操作とは逆に、作業車1を後進させれば、この凹凸嵌合は、即座に外される。
このようにして、アタッチメント10の嵌合部11とバケット3の底板4との、嵌脱自在の凹凸嵌合が完了することにより、アタッチメント10のバケット3への、着脱自在の取付け・取外しが、ワンタッチで行われたことになる。
そして、これにより、作業車1は、図7及び図8に示されるように、それが備えるバケット3を介して、アタッチメント10を保持して持ち上げることができるようになるので、次いで、この状態で、作業車1は、牛舎20における乳牛の通路21まで走行して、そこに進入し、そこに貯留する糞尿24を掻き集める作業を開始する(図9参照)。
また、通路21を挟んで、牛床22と反対側には、給飼場(符号なし)が設けられており、給飼場と通路21とを仕切るようにして、スタンチョン23が設置されている。このスタンチョン23には、複数の窓23aが設けられていて、乳牛は、いずれかの窓23aから頭部を出して、給飼場に供給された飼料を食べることができるようになっている。
これらの設備構造は、従来のフリーストール方式の牛舎と同じである。
本実施例の、牛舎における乳牛の糞尿の除去作業車の、糞尿の掻き集め作業補助用アタッチメントは、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
アタッチメント10が、作業車1が備えるバケット3の底板4に、嵌脱自在に凹凸嵌合する嵌合部11と、該嵌合部11と背中合わせに設けられ、前方に開いた平面視略U字状の折曲板の形状をなし、作業車1が前進移動する時、前進移動して、糞尿24をその内部に掻き集める掻き部12とを一体に備えてなるので、作業車1が、通路21に貯留する糞尿24を掻き集める作業を行うに際して、このアタッチメント10が、バケット3との凹凸嵌合を介してバケット3に着脱自在に取り付けられて、バケット3に代わって用いられると、糞尿24を、その掻き部12の左右に溢れ出ないようにしながら、効率良く掻き集めることができるようになり、大量の糞尿24を所定の一時置き場25へと押して行くことができるようになる。
また、これにより、作業車1が、長さが数10mないしはそれ以上にも及ぶ通路21上を複数回往復して、糞尿24の掻き集め作業を繰り返す回数を、従来と比べて大きく(1/3程度に)低減することができ、糞尿の掻き集め作業に要する労力と時間を大きく節約することができる。
これらにより、糞尿24の掻き集め作業の効率を顕著に向上させることができる。
これにより、作業車1が、通路21に貯留する糞尿24を掻き集めて、一時置き場25に集積した後、ダンプカー30に搬送、移載して、牛舎外に除去するまでの作業全体の作業効率を、顕著に向上させることができる。
これらにより、牛舎20における乳牛の通路21に貯留する糞尿24を掻き集める作業において、アタッチメント10や乳牛の通路21の損傷が低減され、それらの補修・交換の作業を軽減することができる。
なお、この作業は、バケット3に代わって、アタッチメント10が行うので、バケット3の底板4の先端の爪部4aの損傷は、皆無となる。
これらにより、作業車1の運転者の熟練を軽減して、作業車1の安全な運転操作を向上させることができる。
例えば、その糞尿の性状に、乳牛の糞尿と同じような性状が認められる家畜動物の畜舎における糞尿の除去作業にも、本願の発明を応用することができる。
Claims (4)
- 牛舎における乳牛の通路に貯留する糞尿を掻き集めて搬送して除去する、糞尿の除去作業車が備えるバケットに着脱自在に取り付けられ、前記バケットに代わって、糞尿を、左右に溢れ出ないようにしながら、効率良く掻き集めることができるようにされてなる、牛舎における乳牛の糞尿の除去作業車の、糞尿の掻き集め作業補助用アタッチメントであって、
前記アタッチメントは、
前記バケットの底板に、嵌脱自在に凹凸嵌合する嵌合部と、
前記嵌合部と背中合わせに設けられ、前方に開いた平面視略U字状の折曲板の形状をなし、前記除去作業車が前進移動する時、前進移動して、糞尿をその内部に掻き集める掻き部と、
を一体に備えてなり、
前記バケットの前記底板と前記アタッチメントの前記嵌合部との嵌脱自在の凹凸嵌合は、前記アタッチメントが着地された状態において、前記除去作業車が前進移動する時、自動的にその凹凸嵌合がなり、前記除去作業車が後退移動する時、自動的にその凹凸嵌合が外れるようにされていて、これにより、前記バケットへの前記アタッチメントの着脱自在の取付け・取外しが、ワンタッチで行われるようにされている
ことを特徴とする牛舎における乳牛の糞尿の除去作業車の、糞尿の掻き集め作業補助用アタッチメント。 - 前記掻き部の内面には、固いゴム製の帯板が内張りされ、
前記帯板の下縁部は、その長さ方向と直交する横断面の形状が、下端に行くほどに狭くなる楔形状にされていて、
前記除去作業車の前進移動により、前記帯板の下縁部が、前記通路のコンクリート床面に摺接しながら前進移動するようにされている
ことを特徴とする請求項1に記載の牛舎における乳牛の糞尿の除去作業車の、糞尿の掻き集め作業補助用アタッチメント。 - 前記掻き部の上端面には、その底部分の上端面の中央部と、その両側部分の各上端面の先端部とに、前記除去作業車の運転操作上の目印となるポールが、それぞれ立設されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の牛舎における乳牛の糞尿の除去作業車の、糞尿の掻き集め作業補助用アタッチメント。 - 前記バケットの前記底板に凹凸嵌合する前記アタッチメントの前記嵌合部は、
前記アタッチメントの前記掻き部の底部分の外面と、
前記掻き部の底部分の外面上に、水平方向に所定の間隔を空けて設定された複数個所の各々に、前記底板を上下から挟持するようにして、それぞれ突設された一対の支持杆と、
により形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の牛舎における乳牛の糞尿の除去作業車の、糞尿の掻き集め作業補助用アタッチメント。
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