JP7004614B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ともいう。)に関する。
金属粒子をナノサイズにまで微細化すると、バルク状態では見られなかった機能を発現するようになることが従来知られており、中でも応用が期待されているのが「局在プラズモン共鳴」である。プラズモンとは、金属ナノ構造体中の自由電子の集団的な振動によって生起する自由電子の粗密波のことである。
近年、上記プラズモンを扱う技術分野は、「プラズモニクス」と呼ばれ大きな注目を集めているとともに活発な研究が行われており、かかる研究は、金属ナノ粒子の局在プラズモン共鳴現象を利用した発光素子の輝度効率及び外部量子効率の向上を目的とするものを含む。
例えば、特許文献1には、局在プラズモン共鳴現象を利用して蛍光を増強させる技術及び該技術を用いた光励起発光素子が開示されている。特許文献2には、金属系粒子集合体のプラズモン共鳴を利用した有機EL素子が開示されている。非特許文献1には、銀ナノ粒子による局在プラズモン共鳴に関する研究及び局在プラズモン共鳴を利用して発光を増強させた単分子膜を発光層とする光励起発光素子が示されている。なお、特許文献2は、ボトムエミッションタイプの有機EL素子を開示するものではない。
特開2007-139540号公報 特開2013-179017号公報
T. Fukuura and M. Kawasaki, "Long Range Enhancement of Molecular Fluorescence by Closely Packed Submicro-scale Ag Islands", e-Journal of Surface Science and Nanotechnology, 2009, 7, 653
本発明の目的は、良好な輝度効率及び外部量子効率(EQE)を示すことができるボトムエミッションタイプの有機EL素子を提供することにある。
本発明は、以下に示す有機EL素子を提供する。
[1] 透光性基板、アノード層、有機発光材料を含有する発光層、カソード層、誘電体層及び金属系粒子集合体層をこの順に含み、前記透光性基板側から光が取り出される有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記金属系粒子集合体層は、30個以上の金属系粒子が互いに離間して二次元的に配置されてなり、前記金属系粒子の平均粒径が200nm以上1600nm以下の範囲内であり、平均高さが55nm以上500nm以下の範囲内であり、前記平均高さに対する前記平均粒径の比で定義されるアスペクト比が1以上8以下の範囲内であり、隣り合う金属系粒子間の平均距離が1nm以上150nm以下の範囲内である、有機エレクトロルミネッセンス素子。
[2] 前記カソード層が、紫外~可視光領域においてプラズモン共鳴可能な材料で構成されている、[1]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[3] 前記カソード層の厚みが60nm以下である、[1]又は[2]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[4] 前記金属系粒子が、紫外~可視光領域においてプラズモン共鳴可能な金属系材料で構成されている、[1]~[3]のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[5] 前記誘電体層の厚みが20nm以上200nm未満である、[1]~[4]のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[6] 前記発光層の厚みが10nm以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[7] 前記アスペクト比が1を超える、[1]~[6]のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
良好な輝度効率及び外部量子効率を示すことができるボトムエミッションタイプの有機EL素子を提供することができる。
本発明に係る有機EL素子は、ディスプレイ(画像表示装置)や照明装置に好適に適用することができる。
本発明に係る有機EL素子の一例を模式的に示す断面図である。 本発明に係る有機EL素子の他の一例を模式的に示す断面図である。 実験例2の計算結果を示す図である。 実験例3の計算結果を示す図である。 実験例4で得られた積層体における金属系粒子集合体層を直上から見たときのSEM画像(10000倍及び50000倍スケール)である。 実験例4で得られた積層体における金属系粒子集合体層のAFM画像である。 実験例4、実験例5及び実験例6で得られた積層体の吸光スペクトルである。
以下、実施の形態を示して、本発明をより詳細に説明する。
<有機EL素子>
(1)有機EL素子の構造
図1は、本発明に係る有機EL素子の一例を模式的に示す断面図である。図1に示される有機EL素子1は、透光性基板10;アノード層(アノード電極)20;有機発光材料を含有する発光層30;カソード層(カソード電極)40;誘電体層50;金属系粒子集合体層60をこの順に含む。金属系粒子集合体層60は、30個以上の金属系粒子61が互いに離間して二次元的に配置されてなる層である。
有機EL素子1は、透光性基板10側(アノード層20側)から光70が取り出されるボトムエミッションタイプの有機EL素子である。すなわち、有機EL素子1は、透光性基板10側が光取り出し面となっており、光70を出射する。
本発明に係る有機EL素子は、他の構成要素を含んでいてもよい。例えば、本発明に係る有機EL素子は、図2に示される有機EL素子2のように、金属系粒子集合体層60における誘電体層50とは反対側に配置され、金属系粒子集合体層60を支持するための支持基板80を含んでいてもよい。
また、本発明に係る有機EL素子は、アノード層20とカソード層40との間に配置される、発光層30以外の他の層を1種以上含むことができる。他の層の具体例については後述する。
カソード層40の外側(カソード層40を基準にアノード層20側とは反対側)に金属系粒子集合体層60を配置する本発明に係る有機EL素子によれば、発光層30から出射し、透光性基板10方向へ向かう光が金属系粒子集合体層60によって遮断されることがないため、高い輝度効率及び外部量子効率のボトムエミッションタイプ有機EL素子となり得る。
以下、有機EL素子を構成する各層について説明する。
(2)金属系粒子集合体層
金属系粒子集合体層60は、30個以上の金属系粒子61が互いに離間して二次元的に配置されてなる層である。
金属系粒子集合体層60は、有機EL素子の発光増強に特に有利な所定形状の金属系粒子集合体からなる層である。すなわち、金属系粒子集合体層60を構成する金属系粒子61の平均粒径は200nm以上1600nm以下の範囲内、平均高さは55nm以上500nm以下の範囲内、平均高さに対する平均粒径の比で定義されるアスペクト比は1以上8以下の範囲内であり、かつ、隣り合う金属系粒子61間の平均距離(以下、「平均粒子間距離」ともいう。)は1nm以上150nm以下の範囲内である。
上記所定の構造を有する金属系粒子集合体層60は、強いプラズモン共鳴を示すことができるため、これを含む有機EL素子において、発光層30の発光を効果的に増強させることができ、これにより有機EL素子の輝度効率及び外部量子効率を向上させることができる。
金属系粒子集合体層60が示すプラズモン共鳴の強さは、特定波長における個々の金属系粒子61が示す局在プラズモン共鳴の単なる総和ではなく、それ以上の強さである。すなわち、30個以上の所定形状の金属系粒子61が所定の平均粒子間距離で密に配置されることにより、個々の金属系粒子61が相互作用して強いプラズモン共鳴が発現する。これは、金属系粒子61の局在プラズモン間の相互作用により発現したものと考えられる。
一般的に、プラズモン材料は、吸光光度法で吸光スペクトルを測定したとき、紫外~可視光領域におけるピークとしてプラズモン共鳴ピーク(以下、「プラズモンピーク」ともいう。)が観測され、このプラズモンピークの極大波長における吸光度値の大小から、そのプラズモン材料のプラズモン共鳴の強さを略式に評価することができる。
上記所定の構造を有する金属系粒子集合体層60は、これをガラス基板上に積層した状態で吸光光度法により吸光スペクトルを測定したとき、紫外~可視光領域において最も長波長側にあるプラズモンピークの極大波長における吸光度が1以上、さらには1.5以上、なおさらには2程度となり得る。
金属系粒子集合体層60の吸光スペクトルは、ガラス基板上に形成したものを測定サンプルとして、吸光光度法によって測定することができる。具体的には、吸光スペクトルは、金属系粒子集合体層60が積層されたガラス基板の裏面側(金属系粒子集合体層60とは反対側)であって、基板面に垂直な方向から紫外~可視光領域の入射光を照射し、金属系粒子集合体層60側に透過した全方向における透過光の強度Iと、該測定サンプルの基板と同じ厚み及び同じ材質の基板であって、金属系粒子集合体層60が積層されていない基板の面に垂直な方向から先と同じ入射光を照射し、入射面の反対側から透過した全方向における透過光の強度Iとを、それぞれ積分球分光光度計を用いて測定することにより得られる。このとき、吸光スペクトルの縦軸である吸光度は、下記式:
吸光度=-log10(I/I
で表される。
吸光スペクトルは、一般の分光光度計を用いて測定することができる。
また、紫外~可視光領域において最も長波長側にあるプラズモンピークの極大波長やその吸光度を測定するにあたっては、対物レンズと分光光度計を用い、測定視野を絞って吸光スペクトル測定を行ってもよい。
従来のプラズモン材料(金属ナノ粒子又はその集合体)の局在プラズモン共鳴現象を利用した発光増強においては、局在プラズモン共鳴の作用範囲が金属ナノ粒子表面から10nm以下と極めて狭い範囲内に限定されるという問題があった。これは、金属ナノ粒子と励起される分子との距離を大きくしていくと、局在プラズモン共鳴が有効に影響しなくなることによって有機EL素子に対する発光増強効果は徐々に弱まり、フェルスター機構のエネルギー移動が発現する範囲(1nm~10nm)を超えると、発光増強効果をほとんど得ることができなかったためである。
例えば上記特許文献1には、互いに独立する多数の平板状金属粒子からなる粒子集合体を、局在プラズモン共鳴現象を利用して蛍光増強素子として用いることが開示されているが、この発光増強方法においても、効果的な発光増強効果を得るために有効な金属ナノ粒子と励起される分子との間の距離は10nm以下とされている。
従って、従来の金属ナノ粒子又はその集合体の局在プラズモン共鳴現象を利用した有機EL素子の発光増強効果は、局在プラズモン共鳴の作用範囲の制限のために必ずしも十分満足のいくものではなかった。例えば、有機EL素子が厚み数十nm又はそれ以上の発光層を有している場合には、仮に金属ナノ粒子を発光層に近接、あるいは内在させて配置することができたとしても、局在プラズモン共鳴による直接的な発光増強効果は、発光層の一部でしか得ることができないため、輝度効率及び外部量子効率の向上効果は部分的なものであった。
これに対して、上記所定の構造を有する金属系粒子集合体層60は、これを構成する金属系粒子61が、一般に発光増強効果が小さくなると考えられている比較的大粒径の粒子であるにもかかわらず(特許文献1の段落0010及び0011参照)、特定の形状を有する金属系粒子61が特定の平均粒子間距離で離間して配置されていることに起因して、強いプラズモン共鳴を示すとともに、伸長されたプラズモン共鳴の作用範囲(プラズモンによる増強効果の及ぶ範囲)を示す。
上記所定の構造を有する金属系粒子集合体層60によれば、従来では概ねフェルスター距離の範囲内(約10nm以下)に限定されていたプラズモン共鳴の作用範囲を、例えば数百nm程度まで伸長することができる。この作用範囲の伸長によって、発光層30の厚みが大きい場合や、金属系粒子集合体層60を配置する位置が発光層30から離れている場合であっても発光層30の全体を増強させることが可能になり、これにより有機EL素子の輝度効率及び外部量子効率を向上させることができる。
上記のようなプラズモン共鳴の作用範囲の伸長効果もまた、30個以上の所定形状の金属系粒子61を所定間隔で密に配置したことによって生じた金属系粒子61の局在プラズモン間の相互作用により発現したものと考えられる。
上記所定の構造を有する金属系粒子集合体層60は、強いプラズモン共鳴を示し、さらにはプラズモン共鳴の作用範囲が伸長されているため、例えば、10nm以上、さらには20nm以上、なおさらには30nm以上の厚みを有する発光層30の全体を増強させる能力を有し得る。
また、例えば10nm以上、さらには数十nm(例えば20nm、30nm又は40nm)以上、なおさらには数百nm以上離れた位置に配置された発光層30をも発光増強させる能力を有し得る。
また、上記所定の構造を有する金属系粒子集合体層60は、紫外~可視光領域における吸光スペクトルにおいて、金属系粒子61の平均粒径及び平均粒子間距離に依存して、プラズモンピークの極大波長が特異なシフトを示し得る。
具体的には、平均粒子間距離を一定にして金属系粒子61の平均粒径を大きくするに従い、紫外~可視光領域において最も長波長側にあるプラズモンピークの極大波長が短波長側にシフト(ブルーシフト)する。同様に、金属系粒子61が比較的大型である場合において、金属系粒子61の平均粒径を一定にして平均粒子間距離を小さくするに従い(金属系粒子61をより密に配置すると)、紫外~可視光領域において最も長波長側にあるプラズモンピークの極大波長が短波長側にシフトする。この特異な現象は、プラズモン材料に関して一般的に認められているミー散乱理論〔この理論に従えば、粒径が大きくなるとプラズモンピークの極大波長は長波長側にシフト(レッドシフト)する。〕に反するものである。
上記のような特異なブルーシフトもまた、特定の形状を有する金属系粒子61が特定の平均粒子間距離で離間して配置されていることに伴い、金属系粒子61の局在プラズモン間の相互作用が生じていることによるものと考えられる。
金属系粒子集合体層60(ガラス基板上に積層した状態)は、金属系粒子61の形状や平均粒子間距離に応じて、吸光光度法によって測定される紫外~可視光領域における吸光スペクトルにおいて、最も長波長側にあるプラズモンピークが、例えば350nm以上550nm以下又は350nm以上500nm以下の波長領域に極大波長を示し得る。また、金属系粒子集合体層60は、金属系粒子61が十分に長い粒子間距離(例えば1μm)を置いて配置される場合と比較して、典型的には30nm以上500nm以下(例えば30nm以上250nm以下)のブルーシフトを生じ得る。
このような、従来のものと比べてプラズモンピークの極大波長がブルーシフトしている金属系粒子集合体層60、例えば青色又はその近傍の波長領域にプラズモンピークを有する金属系粒子集合体層60は、励起光源に紫外光又は紫色光を用い、青色又はその近傍の波長領域の発光を生じる有機発光材料を含む発光層30を用いる場合にとりわけ有用である。すなわち、青色又はその近傍の波長領域の発光を効果的に増強させることができる。
次に、金属系粒子集合体層60の具体的構成についてより詳細に説明する。
金属系粒子61を構成する金属系材料は、紫外~可視光領域においてプラズモン共鳴可能な材料である。紫外~可視光領域においてプラズモン共鳴可能な材料とは、ナノ粒子又はその集合体としたときに、吸光光度法による吸光スペクトル測定において紫外~可視光領域に現れるプラズモンピークを示す材料であることを意味する。
紫外~可視光領域においてプラズモン共鳴可能な金属系材料としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム等の貴金属;アルミニウム、タンタル等の貴金属以外の金属;該貴金属及び貴金属以外の金属から選択される金属を含有する合金;該貴金属及び貴金属以外の金属から選択される金属を含む金属化合物(金属酸化物や金属塩等)が挙げられる。中でも、紫外~可視光領域においてプラズモン共鳴可能な金属系材料としては、金、銀、銅、白金、パラジウム等の貴金属が好ましく、安価で吸収が小さい(可視光波長において誘電関数の虚部が小さい)という観点からは銀であることがより好ましい。
金属系粒子61の平均粒径は200nm以上1600nm以下の範囲内であり、発光層30の発光を増強させる効果を効果的に得るために、好ましくは200nm以上1200nm以下、より好ましくは250nm以上500nm以下、さらに好ましくは300nm以上500nm以下の範囲内である。
金属系粒子61の平均粒径は、金属系粒子61を構成する金属系材料の種類に応じて適切に選択されることが好ましい。
金属系粒子61の平均粒径とは、二次元的に金属系粒子61が配置された金属系粒子集合体層60の直上からのSEM観察画像において、無作為に粒子を10個選択し、各粒子像内に無作為に接線径を5本引き(ただし、接線径となる直線はいずれも粒子像内部のみを通ることができ、このうち1本は粒子内部のみ通り、最も長く引ける直線であるものとする)、その平均値(以下、この平均値を「接線径平均値」ともいう。)を各粒子の粒径としたときの、選択した10個の粒子についての粒径の平均値である。接線径とは、粒子の輪郭(投影像)をこれに接する2本の平行線で挟んだときの間隔(日刊工業新聞社 「粒子計測技術」,1994,第5頁)を結ぶ垂線と定義する。
平均粒径の測定方法についてより具体的に説明すると、まずSEM観察画像は、日本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡「JSM-5500」を用いて測定する。次いで、得られた観察画像を、アメリカ国立衛生研究所製のフリー画像処理ソフト「ImageJ」を用いて横1280ピクセル×縦960ピクセルで読み込む。次に、Microsoft社製の表計算ソフト「Excel」の乱数発生関数「RANDBETWEEN」を用いて、1~1280から10個の乱数(x、x、x、x、x、x、x、x、x、x10)、1~960から10個の乱数(y、y、y、y、y、y、y、y、y、y10)をそれぞれ得る。得られた各10個の乱数から10組の乱数組み合わせ(x,y)、(x,y)、(x,y)、(x,y)、(x,y)、(x,y)、(x,y)、(x,y)、(x,y)及び(x10,y10)を得る。1~1280から発生させた乱数の数値をx座標、1~960から発生させた乱数の数値をy座標として、10組の座標点(x,y)、(x,y)、(x,y)、(x,y)、(x,y)、(x,y)、(x,y)、(x,y)、(x,y)及び(x10,y10)を得る。そして、当該座標点を含む合計10個の粒子像のそれぞれについて上記の接線径平均値を得、次いで当該10個の接線径平均値の平均値として平均粒径を得る。10組の乱数組み合わせである10個の座標点の少なくともいずれか1つが粒子像内に含まれない場合、あるいは同一粒子内に2つ以上の座標点が含まれる場合には、この乱数組み合わせを破棄し、10個の座標点がすべて異なる粒子像内に含まれるまで乱数発生を繰り返す。
金属系粒子61の平均高さは、55nm以上500nm以下の範囲内であり、発光層30の発光を増強させる効果を効果的に得るために、好ましくは55nm以上300nm以下、より好ましくは70nm以上150nm以下の範囲内である。金属系粒子61の平均高さとは、金属系粒子集合体層60のAFM観察画像において、無作為に粒子を10個選択し、これら10個の粒子の高さを測定したときの、10個の測定値の平均値である。
金属系粒子61のアスペクト比は1以上8以下の範囲内であり、発光層30の発光を増強させる効果を効果的に得るために、好ましくは2以上8以下、より好ましくは2.5以上8以下の範囲内である。金属系粒子61のアスペクト比は、上記平均高さに対する上記平均粒径の比(平均粒径/平均高さ)で定義される。金属系粒子61は真球状であってもよいが、発光層20の発光を増強させる効果を効果的に得るために、アスペクト比が1を超える扁平形状を有していることが好ましい。
金属系粒子61は、効果の高いプラズモンを励起する観点から、その表面が滑らかな曲面からなることが好ましく、とりわけ表面が滑らかな曲面からなる扁平形状を有していることがより好ましいが、表面に微小な凹凸(粗さ)を幾分含んでいてもよく、このような意味において金属系粒子61は不定形であってもよい。
金属系粒子集合体層60の面内におけるプラズモン共鳴の強さの均一性に鑑み、金属系粒子61間のサイズのバラツキはできるだけ小さいことが好ましい。ただし、粒径に多少バラツキが生じたとしても、大型粒子間の距離が大きくなることは好ましくなく、その間を小型の粒子が埋めることで大型粒子間の相互作用を発現しやすくすることが好ましい。
金属系粒子集合体層60において金属系粒子61は、その隣り合う金属系粒子61との平均距離(平均粒子間距離)が1nm以上150nm以下の範囲内となるように配置される。このように金属系粒子61を密に配置することにより、強いプラズモン共鳴及びプラズモン共鳴の作用範囲の伸長等の効果を発現させることができる。
平均粒子間距離は、発光層30の発光を増強させる効果を効果的に得るために、好ましくは1nm以上100nm以下、より好ましくは1nm以上50nm以下、さらに好ましくは1nm以上20nm以下の範囲内である。平均粒子間距離が1nm未満であると、粒子間でデクスター機構に基づく電子移動が生じ、局在プラズモンの失活の点で不利となる。
金属系粒子61が互いに離間して配置されている金属系粒子集合体層60は、当該層として導電性を示さないものであることが好ましく、具体的には、金属系粒子集合体層60にマルチメーター〔テスター(ヒューレット・パッカード社製「E2378A」)〕の一対のテスタープローブを10mm~15mm離して接触させたとき、レンジ設定「30MΩ」のときに、当該測定条件にて抵抗値が30MΩ以上である結果、「オーバーロード」と表示されることが好ましい。
一部もしくは全ての金属系粒子61間で電子の授受が可能であると、プラズモン共鳴効果が低減する傾向にある。従って、金属系粒子61間は確実に離間されており、金属系粒子61間には導電性物質が介在されないことが好ましい。
平均粒子間距離とは、二次元的に金属系粒子61が配置された金属系粒子集合体層60の直上からのSEM観察画像において、無作為に粒子を30個選択し、選択したそれぞれの粒子について、隣り合う粒子との粒子間距離を求めたときの、これら30個の粒子の粒子間距離の平均値である。隣り合う粒子との粒子間距離とは、すべての隣り合う粒子との距離(表面同士間の距離である)をそれぞれ測定し、これらを平均した値である。
平均粒子間距離の測定方法についてより具体的に説明すると、まずSEM観察画像は、日本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡「JSM-5500」を用いて測定する。次いで、得られた観察画像を、アメリカ国立衛生研究所製のフリー画像処理ソフト「ImageJ」を用いて横1280ピクセル×縦960ピクセルで読み込む。次に、Microsoft社製の表計算ソフト「Excel」の乱数発生関数「RANDBETWEEN」を用いて、1~1280から30個の乱数(x~x30)、1~960から30個の乱数(y~y30)をそれぞれ得る。得られた各30個の乱数から30組の乱数組み合わせ(x,y)から(x30,y30)を得る。1~1280から発生させた乱数の数値をx座標、1~960から発生させた乱数の数値をy座標として、30組の座標点(x,y)~(x30,y30)を得る。そして、当該座標点を含む合計30個の粒子像のそれぞれについて、当該粒子と隣り合う粒子との粒子間距離を得、次いで当該30個の隣り合う粒子との粒子間距離の平均値として平均粒子間距離を得る。30組の乱数組み合わせである30個の座標点の少なくともいずれか1つが粒子像内に含まれない場合、あるいは同一粒子内に2つ以上の座標点が含まれる場合には、この乱数組み合わせを破棄し、30個の座標点がすべて異なる粒子像内に含まれるまで乱数発生を繰り返す。
金属系粒子集合体層60に含まれる金属系粒子61の数は30個以上であり、好ましくは50個以上である。金属系粒子61を30個以上含む粒子集合体を形成することにより、金属系粒子61の局在プラズモン間の相互作用によって強いプラズモン共鳴及びプラズモン共鳴の作用範囲の伸長が発現する。
有機EL素子の一般的な素子面積に照らせば、金属系粒子集合体層60に含まれる金属系粒子61の数は、例えば300個以上、さらには17500個以上となり得る。金属系粒子集合体層60における金属系粒子61の数密度は、7個/μm以上であることが好ましく、15個/μm以上であることがより好ましい。
本発明に係る有機EL素子において、金属系粒子集合体層60は、図2に示されるように、支持基板80上に金属系粒子集合体層60が積層された積層体として有機EL素子に組み込まれてもよい。有機EL素子において、支持基板80は、金属系粒子集合体層60における発光層30側とは反対側に配置される。金属系粒子集合体層60を形成するために製法上用いることができる形成用基板を、支持基板80としてそのまま用いることもできる。
上記積層体において、金属系粒子集合体層60は、支持基板80上に直接積層されることが好ましい。
本発明に係る有機EL素子に含まれる金属系粒子集合体層60において、金属系粒子61間は互いに絶縁されている、換言すれば、隣り合う金属系粒子61との間に関して非導電性であることが好ましい。
一部もしくは全ての金属系粒子61間で電子の授受が可能であると、プラズモン共鳴効果が低減する傾向にある。従って、支持基板80上に金属系粒子集合体層60が積層された積層体が有機EL素子に組み込まれる場合、支持基板80は、非導電性材料からなることが好ましい。
支持基板80を構成する非導電性材料としては、マイカ、SiO、ZrO、ガラス等の無機絶縁材料、熱可塑性樹脂等が挙げられる。金属系粒子集合体層60が形成される支持基板80の表面は、平滑であることが好ましい。
支持基板80は、透光性を有する基板又は光学的に透明な基板であってもよいし、非透光性(光吸収性)であってもよい。支持基板80側からの光出射を防止するために、支持基板80を、光を反射する機能を有する反射基板としてもよい。支持基板80を透光性を有する基板又は光学的に透明な基板とし、支持基板80における金属系粒子集合体層60とは反対側に反射基板を配置してもよい。
支持基板80の厚みは特に制限されず、例えば10μm以上300μm以下であり、好ましくは20μm以上200μm以下である。
図1に示される有機EL素子1において、金属系粒子61の表面を覆う、あるいはさらに金属系粒子61間の間隙を埋める保護層を設けてもよい。金属系粒子61間の電気的絶縁性を確保するために、保護層は、誘電体からなることが好ましい。保護層を構成する誘電体については、誘電体層50を構成する誘電体についての後述の記述が引用される。
発光層30から出射される光の極大発光波長は、金属系粒子集合体層60のプラズモンピークの極大波長と一致するか又は近いことが好ましい。これにより、プラズモン共鳴による増強効果をより効果的に高めることができる。金属系粒子集合体層60のプラズモンピークの極大波長は、これを構成する金属系粒子61の構成材料、平均粒径、平均高さ、アスペクト比及び/又は平均粒子間距離の調整により制御可能である。
金属系粒子集合体層60は、例えば次のような方法によって作製することができる。
〔a〕基板(例えば支持基板80)上において微小な種(seed)から金属系粒子61を成長させていくボトムアップ法、
〔b〕所定の形状を有する金属系粒子61を所定の厚みを有する両親媒性材料からなる保護層で被覆した後、LB(Langmuir Blodgett)膜法により、これを基板(例えば支持基板80)上にフィルム化する方法、
〔c〕その他、蒸着又はスパッタリングにより作製した薄膜を後処理する方法、レジスト加工、エッチング加工、金属系粒子が分散された分散液を用いたキャスト法など。
例えば国際公開第2013/042449号には、上記〔a〕の一例として、スパッタンリング等により金属系粒子を基板上に成長させる製造方法が記載されている。また例えば国際公開第2014/045852号には、上記〔c〕の一例として、金属系粒子が分散された分散液を基板上に塗布し、得られた薄膜を金属系粒子集合体層へ形態変化させる製造方法が記載されている。本発明においても、これらの製造方法を好適に用いることができる。また、上記〔a〕の他の例として、金属系粒子を構成する金属カチオンを含む液体に基板を接触させた状態で金属カチオンを還元し、これにより金属系粒子集合体層を基板上に形成する方法を挙げることもできる。
(3)アノード層
アノード層20としては、透光性の電極層が用いられ、高い透光性を有することが好ましく、高い透光性及び高い電気伝導度を有することがより好ましい。
アノード層20としては、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、金、白金、銀、及び銅等からなる薄膜を用いることができ、これらの中でもITO、IZO、又は酸化スズからなる薄膜が好適に用いられる。アノード層20として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機物の透明導電膜を用いてもよい。
アノード層20は、異種材料からなる2層以上の多層構造であってもよい。
アノード層20の厚みは、透光性、電気伝導度等を考慮して選択することができ、例えば1nm以上1μm以下であり、好ましくは5nm以上500nm以下であり、さらに好ましくは10nm以上300nm以下である。
アノード層20の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法及び塗布法等が挙げられる。塗布法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法及びインクジェットプリント法等が挙げられる。
(4)発光層
発光層30は発光する機能を有する層であり、有機発光材料を含有する。発光層30は、当該分野において従来公知の材料で構成することができる。有機発光材料は、例えば、従来公知の有機燐光発光材料(燐光発光性高分子等)や有機蛍光発光材料(蛍光発光性高分子等)等である。
本発明に係る有機EL素子は、1層又は2層以上の発光層を有していてもよい。
より具体的には、有機発光材料としては、発光性低分子及び発光性高分子等が挙げられる。発光性低分子としては、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム錯体〔トリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム錯体;Alq〕、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体〔BeBq〕等が挙げられる。発光性低分子を含む発光層30は、例えば、スピンコート法、蒸着法等のドライ成膜法又はウェット成膜法によって得ることができる。
発光性高分子としては、ポリ(9,9-ジオクチルフルオレン-alt-ベンゾチアジアゾール)、ポリ(p-フェニレンビニレン)、ポリアルキルチオフェン等のπ共役系高分子等が挙げられる。発光性高分子を含む発光層30は、例えばスピンコート法など、発光性高分子含有液を用いたウェット成膜法によって得ることができる。
発光層30は、発光性低分子又は発光性高分子がマトリックス中に分散された層であってもよい。マトリックス材料としては、導電性高分子及び半導体高分子等の透明高分子を用いることができる。
発光層30は、色素分子の単分子膜からなるもの、又はマトリックス中に色素分子を分散させたものであってもよい。単分子膜からなる発光層30は、色素分子含有液をスピンコートした後、溶媒を除去する方法により得ることができる。色素分子としては、Exciton社から販売されているローダミン101、ローダミン110、ローダミン560、ローダミン6G、ローダミンB、ローダミン640、ローダミン700等のローダミン系色素、Exciton社から販売されているクマリン503等のクマリン系色素等が挙げられる。
マトリックス中に色素分子を分散してなる発光層30は、色素分子及びマトリックス材料を含有する液をスピンコートした後、溶媒を除去する方法により得ることができる。マトリックス材料としては、導電性高分子及び半導体高分子等の透明高分子を用いることができる。
本発明によれば、強いプラズモン共鳴を示すとともに、プラズモン共鳴の作用範囲(プラズモンによる増強効果の及ぶ範囲)が伸長された金属系粒子集合体層60を備えるため、発光層30が例えば10nm以上、さらには20nm以上、なおさらには30nm以上の厚みを有する場合であっても、発光層30全体の発光増強、ひいては輝度効率及び外部量子効率の向上が可能である。発光層30の厚みの上限は特に制限されないが、好ましくは300nmであり、より好ましくは200nmである。
本発明によれば、強いプラズモン共鳴を示すとともに、プラズモン共鳴の作用範囲(プラズモンによる増強効果の及ぶ範囲)が伸長された金属系粒子集合体層60を備えるため、発光層30の金属系粒子集合体層60側の表面と金属系粒子集合体層60の発光層30側の表面との間の距離が例えば10nm以上、さらには20nm以上、なおさらには30nm以上の厚みを有する場合であっても、発光層30の発光増強、ひいては輝度効率及び外部量子効率の向上が可能である。
本発明に係る有機EL素子は、発光層30の金属系粒子集合体層60側の表面と金属系粒子集合体層60の発光層30側の表面との間の距離が20nm以上であっても、発光層30に含有される有機発光材料のフォトルミネッセンス量子収率(放出されたフォトン数/吸収されたフォトン数)が、金属系粒子集合体層60を有しないこと以外は同じ構成を有する参照有機EL素子と比べて、1.5倍以上、さらには2倍以上、なおさらには3倍以上となり得る。
金属系粒子集合体層60のプラズモン共鳴による発光増強効果は、発光層30と金属系粒子集合体層60との間の距離が大きくなるほど小さくなる傾向にある。かかる観点から、発光層30の金属系粒子集合体層60側の表面と金属系粒子集合体層60の発光層30側の表面との距離は、例えば200nm以下であり、好ましくは150nm以下であり、さらに好ましくは100nm以下である。
(5)カソード層
本発明に係る有機EL素子において、金属系粒子集合体層60は、カソード層40の外側(カソード層40を基準にアノード層20側とは反対側)に配置されている。このような層構成において、金属系粒子集合体層60のプラズモン共鳴による発光増強効果がカソード層40によって遮断されるおそれをなくすために、カソード層40は、紫外~可視光領域においてプラズモン共鳴可能な材料で構成されることが好ましい。紫外~可視光領域においてプラズモン共鳴可能な材料の意味及び例については、金属系粒子61を構成する金属系材料についての記述が引用される。中でも、カソード層40は、銀、アルミニウム、又は、銀若しくはアルミニウムを含む合金からなることが好ましく、銀又はアルミニウムからなることがより好ましい。
カソード層40は、異種材料からなる2層以上の多層構造であってもよい。
カソード層40の厚みは、金属系粒子集合体層60に励起されるプラズモンをカソード層40と共鳴させて、その結果励起されるプラズモン共鳴による増強電場をカソード層40の向こう側(発光層30側)にも及ぼし、有機EL素子の能力を高める観点からは、比較的薄いことが好ましい。この観点から、カソード層40の厚みは、カソード層40を構成する材料種にもよるが、例えば80nm以下であり、好ましくは60nm以下である。
カソード層40が銀で構成される場合、カソード層40の厚みは、好ましくは60nm以下であり、より好ましくは50nm以下であり、さらに好ましくは45nm以下であり、なおさらに好ましくは40nm以下であり、とりわけ好ましくは30nm以下であり、特に好ましくは20nm以下である。
カソード層40がアルミニウムで構成される場合、カソード層40の厚みは、好ましくは40nm以下であり、より好ましくは30nm以下であり、さらに好ましくは25nm以下であり、なおさらに好ましくは20nm以下である。
カソード層40の厚みは、電極としての機能の観点から、好ましくは1nm以上であり、より好ましくは5nm以上であり、さらに好ましくは10nm以上である。
カソード層40の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、塗布法等が挙げられる。
(6)誘電体層
カソード層40と金属系粒子集合体層60との間に配置される誘電体層50は、カソード層40と金属系粒子集合体層60との間の電気的絶縁性を図るための層である。カソード層40と金属系粒子集合体層60との間の電気的絶縁性を確保することにより、金属系粒子集合体層60に電流が流れてプラズモン共鳴による発光増強効果が十分に得られないおそれを防ぐことができる。
誘電体層50は、図2に示されるように、金属系粒子61間の間隙を埋めるように形成されていてもよく、この場合、誘電体層50は、金属系粒子61間の電気的絶縁性を確保する役割をも果たす。
誘電体層50を構成する材料としては、良好な絶縁性を有するものであれば特に制限されず、例えば、スピンオングラス(SOG;例えば有機シロキサン材料を含有するもの)のほか、SiOやSi、樹脂(例えば、熱可塑性樹脂、硬化樹脂)等を用いることができる。
誘電体層50の厚みは、所望の絶縁性を確保する観点から、好ましくは20nm以上であり、より好ましくは30nm以上である。
また、誘電体層50の厚みは、金属系粒子集合体層60に励起されるプラズモンとカソード層40に励起されるプラズモンとを良好に相互作用させ、その結果励起されるプラズモン共鳴をより強くし、増強電場をカソード層40の向こう側(発光層30側)にも及ぼし、有機EL素子の能力を高める観点から、好ましくは20nm以上200nm未満であり、より好ましくは30nm以上150nm以下であり、さらに好ましくは40nm以上100nm以下であり、なおさらに好ましくは50nm以上80nm以下である。
上述のように、金属系粒子集合体層60のプラズモン共鳴による発光増強効果は、発光層30と金属系粒子集合体層60との間の距離が大きくなるほど小さくなる傾向にある。この点を考慮して、誘電体層50及びカソード層40等の厚みを選択することが好ましい。
本発明に係る有機EL素子は、1層又は2層以上の誘電体層を有していてもよい。誘電体層を2層以上有する場合、これらは、互いに異なる材料で構成されていていてもよい。
(7)透光性基板
透光性基板10を構成する材料は、透光性を有する限り制限されず、例えば、SiO、ZrO、ガラス、シリコン等の無機絶縁材料、熱可塑性樹脂等が挙げられる。透光性基板10は、発光層30から出射される光に関して、60%以上の光透過率を有することが好ましく、80%以上の光透過率を有することがより好ましく、90%以上の光透過率を有することがさらに好ましい。
透光性基板10の厚みは特に制限されず、例えば10μm以上2mm以下であり、好ましくは20μm以上1.5mm以下である。
(8)有機EL素子が有し得る他の構成要素
本発明に係る有機EL素子は、アノード層20とカソード層40との間に配置される、発光層30以外の他の層を1種以上含むことができる。
他の層としては、カソード層40と発光層30との間に設ける層、アノード層20と発光層30との間に設ける層が挙げられる。
カソード層40と発光層30との間に設ける層としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等が挙げられる。これらの層はそれぞれ、2層以上設けられてもよい。
電子注入層は、カソード層40からの電子注入効率を改善する機能を有する層であり、電子輸送層は、電子注入層又はカソード層40により近い電子輸送層からの電子注入を改善する機能を有する層である。
また、電子注入層又は電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層を正孔ブロック層と称することがある。
正孔の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、ホール電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
アノード層20と発光層30との間に設ける層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層等が挙げられる。これらの層はそれぞれ、2層以上設けられてもよい。
正孔注入層は、アノード層20からの正孔注入効率を改善する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔注入層又はアノード層20により近い正孔輸送層からの正孔注入を改善する機能を有する層である。
また、正孔注入層又は正孔輸送層が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層を電子ブロック層と称することがある。
電子の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、電子電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
アノード層20からカソード層40までの層構成の例を挙げれば、例えば次のとおりである。
a)アノード層20/発光層30/カソード層40
b)アノード層20/正孔注入層/発光層30/カソード層40
c)アノード層20/正孔注入層/発光層30/電子注入層/カソード層40
d)アノード層20/正孔注入層/発光層30/電子輸送層/カソード層40
e)アノード層20/正孔輸送層/発光層30/電子注入層/カソード層40
f)アノード層20/正孔輸送層/発光層30/電子輸送層/電子注入層/カソード層40
g)アノード層20/正孔注入層/発光層30/電子輸送層/電子注入層/カソード層40
h)アノード層20/正孔注入層/正孔輸送層/発光層30/カソード層40
i)アノード層20/正孔注入層/正孔輸送層/発光層30/電子注入層/カソード層40
j)アノード層20/正孔注入層/正孔輸送層/発光層30/電子輸送層/カソード層40
k)アノード層20/正孔注入層/正孔輸送層/発光層30/電子輸送層/電子注入層/カソード層40
l)アノード層20/発光層30/電子注入層/カソード層40
m)アノード層20/発光層30/電子輸送層/電子注入層/カソード層40
記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。
<有機EL素子の発光増強方法>
上述のとおり、透光性基板、アノード層、有機発光材料を含有する発光層、カソード層及び誘電体層をこの順に含み、透光性基板側から光が取り出される有機EL素子において、特定の位置に所定の構造を有する金属系粒子集合体層を配置することにより、有機EL素子の発光を増強させることができ、これにより輝度効率及び外部量子効率を向上させることができる。
すなわち、本発明は、下記に示す有機EL素子の発光増強方法にも関する。
透光性基板、アノード層、有機発光材料を含有する発光層、カソード層及び誘電体層をこの順に含み、前記透光性基板側から光が取り出される有機エレクトロルミネッセンス素子の発光増強方法であって、
30個以上の金属系粒子が互いに離間して二次元的に配置されてなり、前記金属系粒子の平均粒径が200nm以上1600nm以下の範囲内であり、平均高さが55nm以上500nm以下の範囲内であり、前記平均高さに対する前記平均粒径の比で定義されるアスペクト比が1以上8以下の範囲内であり、隣り合う金属系粒子間の平均距離が1nm以上150nm以下の範囲内である金属系粒子集合体層を前記誘電体層における前記カソード層側とは反対側に配置することを特徴とする、有機EL素子の発光増強方法。
以下、具体例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
<実験例1:計算シミュレーション1>
市販ソフト「Rsoft CAD」を用いて、複数の金属系粒子が互いに離間して二次元的に配置されてなる金属系粒子集合体層と、カソード層を想定した金属薄膜とからなる積層構造を二次元空間に作成し、この積層構造について、金属系粒子集合体層のプラズモン共鳴による増強電場の及ぶ範囲がどのようになるかを、市販ソフト「Fullwave」を用いたFDTD計算によって検証した。この計算によれば、金属系粒子集合体層のプラズモン共鳴による増強電場の及ぶ範囲とその強度を求めることができる。
計算条件は次のとおりである。
(計算条件)
グリッド:2nm
計算領域:x軸方向3μm×z軸方向1.5μm
境界条件:z軸両端 PML 4nm
x軸両端 periodic
光源条件:Current Type
金属系粒子の誘電関数:銀の誘電関数
金属薄膜の誘電関数:銀、アルミニウム又はITOの誘電関数
その他の領域の誘電関数:1
金属薄膜のz軸方向長さ(厚み):15nm又は40nm
金属系粒子のサイズ:z軸方向長さ100nm、x軸方向長さ300nm
金属系粒子集合体層と金属薄膜との間の距離(z軸方向長さ):80nm
金属薄膜が厚み(z軸方向長さ)40nmの銀薄膜である場合、及び、厚み15nmのアルミニウム薄膜である場合、金属系粒子集合体層のプラズモンと金属薄膜のプラズモンとの共鳴が励起され、金属薄膜の向こう側(金属薄膜を基準に金属系粒子集合体層とは反対側)に及ぶ増強電場が十分に高い強度で確認された。また、金属薄膜が厚み40nmのアルミニウム薄膜である場合も、金属系粒子集合体層のプラズモンと金属薄膜のプラズモンとの共鳴が励起され、金属薄膜の向こう側(金属薄膜を基準に金属系粒子集合体層とは反対側)に及ぶ増強電場が確認された。このような金属薄膜の向こう側に及ぶ増強電場の形成は、ボトムエミッションタイプの有機EL素子において、金属系粒子集合体層のプラズモン共鳴による発光増強効果を得るうえで重要である。金属薄膜が厚み15nmであり、可視領域でプラズモン共鳴を励起できないITO薄膜である場合、上記のような金属系粒子集合体層のプラズモンと金属薄膜のプラズモンとの共鳴はほとんど見られなかった。
<実験例2:計算シミュレーション2>
計算条件を下記のとおりとしたこと以外は実験例1と同様のFDTD計算によって、カソード層を想定した金属薄膜の厚み及び材質と、金属薄膜の向こう側(金属薄膜を基準に金属系粒子集合体層とは反対側)に及ぶ増強電場の強度との関係を検証した。
(計算条件)
グリッド:2nm
計算領域:x軸方向3μm×z軸方向1.5μm
境界条件:z軸両端 PML 4nm
x軸両端 periodic
光源条件:Current Type
検出器条件:x座標 金属系粒子短軸と同一
z座標 金属薄膜から見て金属系粒子集合体層とは反対側の金属薄膜表面から、10nm離れた位置
金属系粒子の誘電関数:銀の誘電関数
金属薄膜の誘電関数:銀又はアルミニウムの誘電関数
その他の領域の誘電関数:1
金属薄膜のz軸方向長さ(厚み):図3のとおり
金属系粒子のサイズ:z軸方向長さ100nm、x軸方向長さ300nm
金属系粒子集合体層と金属薄膜との間の距離(z軸方向長さ):15nm、30nm、40nm、50nm、60nm
計算結果を図3に示す。図3における縦軸「共鳴電場強度」(任意単位a.u.)とは、E(z)以外の要素が、E(z)の強度の1/10以下であり、かつE(z)の時間変化におけるピークのうち極大値が最も大きいものから数えて2番目に大きい極大値であるときのE(z)の強度を意味する。E(z)は、電磁場の振動のz成分の2乗を意味する。
図3に示される計算結果によれば、金属薄膜の向こう側に及ぶ増強電場を十分に高めるためには、金属薄膜の厚みは、銀薄膜であれば好ましくは60nm以下、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは45nm以下、なおさらに好ましくは40nm以下であり、アルミニウム薄膜であれば好ましくは30nm以下、より好ましくは25nm以下、さらに好ましくは20nm以下、なおさらに好ましくは15nm以下である。
<実験例3:計算シミュレーション3>
計算条件を下記のとおりとしたこと以外は実験例1と同様のFDTD計算によって、金属系粒子集合体層と金属薄膜との間の距離(z軸方向長さ)と、金属薄膜の向こう側(金属薄膜を基準に金属系粒子集合体層とは反対側)に及ぶ増強電場の強度との関係を検証した。
(計算条件)
グリッド:2nm
計算領域:x軸方向3μm×z軸方向1.5μm
境界条件:z軸両端 PML 4nm
x軸両端 periodic
光源条件:CW
金属系粒子の誘電関数:銀の誘電関数
金属薄膜の誘電関数:アルミニウムの誘電関数
その他の領域の誘電関数:1
金属薄膜のz軸方向長さ(厚み):15nm
金属系粒子のサイズ:z軸方向長さ100nm
x軸方向長さ300nm、400nm又は500nm
計算結果を図4に示す。図4における縦軸「共鳴電場強度」の意味は上述のとおりである。
図4に示される計算結果によれば、金属薄膜の向こう側に及ぶ増強電場を十分に高めるためには、金属系粒子集合体層と金属薄膜との間の距離(誘電体層の厚みに相当)は、好ましくは20nm以上200nm未満であり、より好ましくは30nm以上150nm以下であり、さらに好ましくは40nm以上100nm以下であり、なおさらに好ましくは50nm以上80nm以下である。
<実験例4:金属系粒子集合体層の作製>
直流マグネトロンスパッタリング装置を用いて、下記の条件で、支持基板としての超薄ガラス基板(日本電気硝子社製「OA-10G」、厚み50μm)上に、銀粒子を極めてゆっくりと成長させ、支持基板表面の全面に金属系粒子集合体の薄膜を形成して、支持基板と金属系粒子集合体層との積層体を得た。
使用ガス:アルゴン
チャンバ内圧力(スパッタガス圧):10Pa
基板・ターゲット間距離:100mm
スパッタ電力:4W
平均粒径成長速度(平均粒径/スパッタ時間):0.9nm/分
平均高さ成長速度(=平均堆積速度=平均高さ/スパッタ時間):0.25nm/分
基板温度:300℃
基板サイズ及び形状:7mm×11mmの長方形
図5は、得られた積層体における金属系粒子集合体層を直上から見たときのSEM画像である。図5(a)は10000倍スケールの拡大像であり、図5(b)は50000倍スケールの拡大像である。また図6は、得られた積層体における金属系粒子集合体層を示すAFM画像である。AFM像撮影にはキーエンス社製「VN-8010」を用いた(以下同様)。図6に示される画像のサイズは5μm×5μmである。
AFM画像から、実験例4の金属系粒子集合体層を構成する銀粒子の「平均高さ」を求めた。また、SEM画像から、上記の測定方法に従って、実験例4の金属系粒子集合体層を構成する銀粒子の「平均粒径」及び「平均粒子間距離」を求め、得られた平均粒径及び平均高さから「アスペクト比」(平均粒径/平均高さ)を算出した。その結果、平均粒径は335nm、平均粒子間距離は16.7nm、平均高さは96.2nm、アスペクト比は3.48であった。さらにSEM画像より、実験例4の金属系粒子集合体層は、約1.93×10個(約25個/μm)の銀粒子を有することがわかる。
テスター〔マルチメーター(ヒューレット・パッカード社製「E2378A」)〕を用いた上述の方法により、実験例4の金属系粒子集合体層の導電性の有無を確認したところ、上述の測定条件にて抵抗値が30MΩ以上である結果、「オーバーロード」と表示された。実験例4の金属系粒子集合体層は、導電性を有していないことが確認された。
<実験例5及び6:金属系粒子集合体層の作製>
直流マグネトロンスパッタリング法のスパッタ時間を変更したこと以外は実験例4と同様にして、支持基板と金属系粒子集合体層との積層体を2種類作製した(実験例5及び実験例6)。実験例5の金属系粒子集合体層は、金属系粒子の平均高さが約10nmであること以外は実験例4と略同じ粒子形状、アスペクト比及び平均粒子間距離を有し、実験例6の金属系粒子集合体層は、金属系粒子の平均高さが約30nmであること以外は実験例4と略同じ粒子形状、アスペクト比及び平均粒子間距離を有するものであった。
〔金属系粒子集合体層積層基板の吸光スペクトル測定〕
図7は、実験例4、実験例5及び実験例6で得られた金属系粒子集合体層を有する積層体の吸光光度法により測定された吸光スペクトルである。非特許文献(K. Lance Kelly, et al., "The Optical Properties of Metal Nanoparticles: The Influence of Size, Shape, and Dielectric Environment", The Journal of Physical Chemistry B, 2003, 107, 668)に示されているように、実験例4のような扁平形状の銀粒子は、平均粒径が200nmのとき約550nm付近に、平均粒径が300nmのときは650nm付近にプラズモンピークを持つことが一般的である(いずれも銀粒子単独の場合である)。
一方、実験例4の積層体は、これを構成する銀粒子の平均粒径が約300nm(335nm)であるにもかかわらず、図7に示されるように、紫外~可視光領域において最も長波長側にあるプラズモンピークの極大波長は約450nm付近と、短波長側にシフトしていることがわかる。
プラズモンピークの極大波長は金属系粒子の平均粒径にも依存する。例えば、実験例5及び実験例6では、平均粒径が小さいために実験例4と比較してかなり長波長側にプラズモンピークを有しており、その極大波長は、それぞれ約510nm、約470nmである。
また実験例4では、紫外~可視光領域において最も長波長側にあるプラズモンピークの極大波長における吸光度が約1.9と、実験例5及び実験例6に比べて極めて高く、これより実験例4の金属系粒子集合体層は、極めて強いプラズモン共鳴を示すことがわかる。
<実施例1:有機EL素子の作製>
厚み700μmの無アルカリガラス基板上にアノード層として平均厚み45nmのITO層を成膜した後、正孔注入層形成用溶液をアノード層上にスピンコートして、平均厚み65nmの正孔注入層を積層した。正孔注入層形成用溶液には、PLEXTRON ICS社製、商品名「Plexcore AQ 1200」を、エタノールを用いて希釈したものを用いた。
ついで、正孔輸送材料を含有するキシレン溶液を正孔注入層上にスピンコートして、20nm厚の正孔輸送層を形成した。正孔輸送材料は、特開2013-47315号公報の合成例1に従って合成した高分子化合物である。
次に、発光材料を含有するキシレン溶液を正孔輸送層上にスピンコートして、65nm厚の発光層を形成した。発光材料は、特許第6159715号公報の調製例に従って合成した高分子化合物である。発光材料の構成単位及び各構成単位のモル比を表1に示す。モル比は、仕込み比に基づき算出した。
Figure 0007004614000001
その後、真空蒸着法により、電子注入層としてのNaF層(4nm厚)、カソード層としてのアルミニウム層(15nm厚)をこの順で発光層上に積層して、基礎有機EL素子を得た。
実験例4に従って積層体を作製した後ただちに、スピンオングラス(SOG)溶液を金属系粒子集合体層上にスピンコートして、平均厚み30nmのSOG層を積層した。SOG溶液には、有機系SOG材料である東京応化工業株式会社製「OCD T-7 5500T」をエタノールで希釈したものを用いた。
ついで、アクリル樹脂(アクリル酸ブチル、アクリル酸メチル及びアクリル酸2-ヒドロキシエチルをモノマー単位とする、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが130万、分子量分布Mw/Mnが4.2のアクリル樹脂)を含有する酢酸エチル溶液をSOG層上にスピンコートして平均厚み50nmのアクリル樹脂層を積層した。
ついで、基礎有機EL素子のカソード層に、アクリル樹脂層を有する積層体をアクリル樹脂層側で貼合した後、乾燥剤付きガラスで封止して、有機EL素子を得た。
<比較例1>
上記の基礎有機EL素子を比較例1の有機EL素子とした。
〔輝度効率及び外部量子効率(EQE)の評価〕
実施例1及び比較例1の有機EL素子について、次の方法に従って輝度効率及び外部量子効率(EQE)を測定し、評価した。
輝度測定装置を用いて、電圧を掃引して、有機EL素子の基板発光面から垂直上面方向にて観測される輝度(Cd/m)を測定した。
観測された輝度が1000Cd/mであったときの電流値(単位:A)を測定し、当該輝度をその電流値で割ってCd/A @1000Cd/mを求めた。
電流量が1mA/cmであるときの輝度からCd/A @1mA/cmを求めた。
観測された輝度が1000Cd/mであったときの当該輝度、発光スペクトル、印加電圧及び電流量からEQE @1000Cd/mを求めた。
結果を表2に示す。実施例1の有機EL素子の輝度効率及びEQEは、比較例1の有機EL素子に比べて有意に向上していた。
Figure 0007004614000002
1,2 有機EL素子、10 透光性基板、20 アノード層、30 発光層、40 カソード層、50 誘電体層、60 金属系粒子集合体層、61 金属系粒子、70 光、80 支持基板。

Claims (8)

  1. 透光性基板、アノード層、有機発光材料を含有する発光層、カソード層、誘電体層及び金属系粒子集合体層をこの順に含み、前記透光性基板側から光が取り出される有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記金属系粒子集合体層は、30個以上の金属系粒子が互いに離間して二次元的に配置されてなり、前記金属系粒子の平均粒径が200nm以上1600nm以下の範囲内であり、平均高さが55nm以上500nm以下の範囲内であり、前記平均高さに対する前記平均粒径の比で定義されるアスペクト比が1以上8以下の範囲内であり、隣り合う金属系粒子間の平均距離が1nm以上150nm以下の範囲内である、有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記カソード層が、紫外~可視光領域においてプラズモン共鳴可能な材料で構成されている、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記カソード層の厚みが60nm以下である、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記金属系粒子が、紫外~可視光領域においてプラズモン共鳴可能な金属系材料で構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記誘電体層の厚みが20nm以上200nm未満である、請求項1~4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記発光層の厚みが10nm以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記アスペクト比が1を超える、請求項1~6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記誘電体層は、1層又は2層から構成される、請求項1~7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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