JP7002928B2 - 位置決め装置 - Google Patents
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Description
また、接触時に発生する外力は、慣性による衝撃力と接触時にロボットが発生している力との和となる。ここで、慣性による衝撃力は、物体及びロボット可動部の質量と移動速度との積に比例する。しかしながら、ロボットは大きくて重い機構を有しているため、慣性による衝撃力を小さくするためには、接触直前の移動速度を遅くする必要がある。
ところが、上記加速度に比例した力と物体の接触により発生する外力とを区別することは難しく、区別するためにはロボットの減速時間を大幅に長くせざるを得ない。
しかしながら、上記の通り、エンドエフェクタは力センサの先に取付けられているため、ロボットの姿勢が水平ではない場合、力センサには重力加速度による影響でロボットの姿勢とエンドエフェクタの質量に応じた力が発生する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る位置決め装置の構成例を示す図である。
位置決め装置は、物体50を位置決めする位置決め作業を行う装置である。この位置決め装置は、図1に示すように、アクチュエータ1、エンドエフェクタ2、移動部3、位置検出部4、加速度検出部5、外力検出制御部6及び作業制御部7を備えている。また、外力検出制御部6は、アクチュエータ制御部61及び外力検出部62から構成される。
アクチュエータ制御部61及び外力検出部62の構成例については後述する。
外力検出制御部6は、図3に示すように、位置速度変換部63、減算器64、ゲイン調整部65、質量推定部66、加速度補償部67、加減算器68、定電流制御部69、及び外力検出部62を有している。なお図3に示す外力検出制御部6において、外力検出部62を除く機能部(位置速度変換部63、減算器64、ゲイン調整部65、質量推定部66、加速度補償部67、加減算器68及び定電流制御部69)は、アクチュエータ制御部61を構成する。
例えば、可動部12側の質量が規定値の2倍になったとすると、ゲインはその逆数倍の1/2となっており、Ea/Eb=1/2となる。これに対して、ゲインを1倍とするため、可変ゲイン調整部653は2倍の調整値でゲインを調整する。そして、質量推定部66は、この可変ゲイン調整部653の調整値から、可動部12側の質量が規定値の2倍に変化したと推定できる。
この質量推定部66により推定された質量を示す信号は、加速度補償部67に出力される。
作業制御部7は、図5に示すように、第1の位置決め制御部71、第2の位置決め制御部72及び第3の位置決め制御部73を有している。
また、位置速度変換部63は、位置検出部4により検出された位置を微分して速度に変換する。この速度は、固定部11に対する可動部12の速度を示す。
Ir=Irp+Irc (1)
一般的な外乱トルクとしては、作業時にエンドエフェクタ2から受ける反力F、重力加速度αg及び移動加速度α1により発生する力、減速器のロストルク等が考えられる。ここで、アクチュエータ1はダイレクトドライブ形式のリニアアクチュエータであるため、減速器は持たず、ロストルクは考慮する必要は少ない。したがって、駆動電流Iaは、作業時にエンドエフェクタ2から受ける反力F、重力加速度αg及び移動加速度α1により発生する力に比例した値となる。なお以下では、反力Fは、エンドエフェクタ2が物体50に接触した際に発生する力であるとする。
F+(α1+αg)・(M1+M2)=Kt・Ir=Kt・(Irp+Irc)
(2)
なお、Ktはアクチュエータ1が発生する推力と駆動電流Iaとの比を表したトルク定数である。
(α1+αg)・(M1+M2)=Kt・Irc (3)
F=Kt・Irp (4)
そして、エンドエフェクタ2が物体50と接触した際に生じる反力Fは、電流指令値Irpを監視することで知ることができる。
つまり、ロボットが急激に移動又は停止を行い移動加速度α1が発生した場合、及び、ロボットが連続して姿勢を変更し重力加速度αgが変化した場合でも、アクチュエータ1の可動部12はゆれることなく反力Fを正しく検出できる。
そして、コンプライアンスの値も自由に設定できる。
しかしながら、位置制御ループにおいて、反力Fに対する電流指令値Irpの応答は一般的に速くない。一方、反力Fに対する駆動電流Iaの応答は、可動部12が移動することにより発生する誘導電流によるものであるため、比較的速い。そこで、電流指令値Irpを直接監視するのではなく、駆動電流Iaを監視することで反力Fの検出を行う。
F+(α1+αg)・(M1+M2)=Kt・Ir=Kt・(Irp+Irc)
(2)
Ia=Ir=Irp+Irc (5)
F+(α1+αg)・(M1+M2)=Kt・Ia (6)
F=Kt・(Ia-(α1+αg)・(M1+M2)/Kt) (7)
ロボットの動作は、一般的に、位置制御によりコントロールされる。そのため、物体50の寸法誤差又は把持位置誤差等により、予めプログラムされた目標位置と実際の位置が異なる場合、エンドエフェクタ2が物体50と接触した際に大きな外力Fが発生し、物体50に傷又は破損が発生する恐れがある。
ところが、上記加速度に比例した力とエンドエフェクタ2の物体50との接触により発生する外力Fとを区別することは難しく、区別するためにはロボットの減速時間を大幅に長くせざるを得ない。
すなわち、位置決め作業を行う場合にロボットが取りうる姿勢は常に一定ではなく、作業の状態に応じて変化させる場合が多い。
しかしながら、ロボットとエンドエフェクタ2との間に力センサを設置した場合には、ロボットの姿勢が水平ではないと、力センサには重力加速度αgによる影響でロボットの姿勢とエンドエフェクタ2の質量M2に応じた力が発生する。
なお、図6に示すように、コネクタ51は、相手側のコネクタが接続されるコネクタ接続部511、及び、ケーブルが接続されるケーブル接続部512を有している。図6では、コネクタ接続部511及びケーブル接続部512は矩形状に構成されている。
そして、図8Aに示すように、このコネクタ51は、ケーブル接続部512が冶具52の開口部521に収容されている。なおこの状態では、コネクタ51の位置決めはされていない。冶具52は、位置決め装置とともにコネクタ51の位置決めを行うための部材である。冶具52は、図8に示すように、開口部521が形成される面522が水平(略水平の意味を含む)に構成されている。また、開口部521は、ケーブル接続部512及びコネクタ接続部511を収納可能とする大きさに構成されている。コネクタ51の傾きを規制する際には開口部521の大きさによって規制してもよい。また、開口部521の深さは、コネクタ51を位置決めする工程を通して、把持部21と冶具52が干渉しない範囲とする。また、冶具52には、ケーブル接続部512が開口部521に収納された状態において、コネクタ接続部511の側面のうちの一面が当接可能な壁部523が設けられている。また、コネクタ51のケーブル接続部512の底面及び冶具52の開口部521の底面は表面が滑らかに構成され、コネクタ51を冶具52に対してスライド可能に構成されている。
また図8に示すエンドエフェクタ2では、コネクタ51の位置決めが完了した後、把持しているコネクタ51をそのままピックアップすることが可能であり、次の作業へ移行することができる。
またこの場合、冶具52には、上記壁部523に加え、当該壁部523に対して垂直(略垂直の意味を含む)であり、ケーブル接続部512が開口部521に収納された状態において、コネクタ接続部511の側面のうちの他の一面が当接可能な第2の壁部524が設けられている。
第1の位置決め制御部71bは、押付け部22bが物体50に力(第1の力)F1’で接触するまで、エンドエフェクタ2を3次元空間における第1の軸方向に移動させる。力F1’は、物体50を第1の軸方向に対して位置決め可能な力であり、エンドエフェクタ2及び物体50を破損しない程度に十分に弱い力である。
第2の位置決め制御部72bは、第1の位置決め制御部71bによる処理後、可動部12に加わる外力Fに基づいてエンドエフェクタ2の物体50への接触力を制御しつつ、当該物体50をスライドさせるように、当該エンドエフェクタ2を3次元空間における第2の軸方向及び第3の軸方向に移動させる。この際、第2の位置決め制御部72bは、物体50をスライド可能な力(押付け部22bの押付け力)を維持するように制御を行う。
2 エンドエフェクタ
3 移動部
4 位置検出部
5 加速度検出部
6 外力検出制御部
7 作業制御部
11 固定部
12 可動部
21 把持部
22,22b 押付け部
61 アクチュエータ制御部
62 外力検出部
63 位置速度変換部
64 減算器
65 ゲイン調整部
66 質量推定部
67 加速度補償部
68 加減算器
69 定電流制御部
71,71b 第1の位置決め制御部
72,72b 第2の位置決め制御部
73 第3の位置決め制御部
50 物体
51 コネクタ
52 冶具
511 コネクタ接続部
511 ケーブル接続部
521 開口部
522 面
523 壁部
524 第2の壁部
621 係数乗算部
622 減算器
623 係数乗算部
651 ループゲイン測定部
652 ゲイン交点制御部
653 可変ゲイン調整部
654 発振器
655 加算器
656 比較器
671 乗算器
672 係数乗算部
691 減算器
692 駆動ドライバ
693 電流検出部
Claims (3)
- 固定部、及び当該固定部に対して変位可能な可動部を有するアクチュエータと、
前記固定部に対する前記可動部の位置を検出する位置検出部と、
前記固定部の加速度を検出する加速度検出部と、
前記位置検出部により検出された位置と基準位置との差分に対してゲインを調整し、当該調整結果である電流指令値及び前記加速度検出部により検出された加速度に基づいて前記アクチュエータに対する駆動電流を出力するアクチュエータ制御部と、
前記アクチュエータ制御部において得られた電流指令値、又は、前記加速度検出部により検出された加速度及び前記アクチュエータ制御部により出力された駆動電流の電流値に基づいて、前記可動部に加わる外力を検出する外力検出部と、
前記外力検出部により検出された外力に基づいて前記アクチュエータ制御部を制御する作業制御部と
を備えた位置決め装置。 - 平行な2つの面により物体を把持可能な把持部、及び、当該2つの面に対して垂直な面により当該物体を押付け可能な押付け部を有し、前記可動部に取付けられたエンドエフェクタを備え、
前記作業制御部は、
前記把持部により物体を第1の力で3次元空間における第1の軸方向で把持させる第1の位置決め制御部と、
前記第1の位置決め制御部による処理後、前記押付け部が前記把持部により把持された物体に第2の力で接触するまで、前記エンドエフェクタを3次元空間における第2の軸方向に移動させる第2の位置決め制御部と、
前記第2の位置決め制御部による処理後、前記可動部に加わる外力に基づいて前記エンドエフェクタの物体への接触力を制御しつつ、当該物体をスライドさせるように、当該エンドエフェクタを3次元空間における第3の軸方向に移動させる第3の位置決め制御部とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の位置決め装置。 - 物体を押付け可能な押付け部を有し、前記可動部に取付けられたエンドエフェクタを備え、
前記作業制御部は、
前記押付け部が物体に第1の力で接触するまで、前記エンドエフェクタを3次元空間における第1の軸方向に移動させる第1の位置決め制御部と、
前記第1の位置決め制御部による処理後、前記可動部に加わる外力に基づいて前記エンドエフェクタの物体への接触力を制御しつつ、当該物体をスライドさせるように、当該エンドエフェクタを3次元空間における第2の軸方向及び第3の軸方向に移動させる第2の位置決め制御部とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の位置決め装置。
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