JP6912149B2 - 接着装置 - Google Patents
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Description
また、接触時に発生する外力は、慣性による衝撃力と接触時にロボットが発生している力との和となる。ここで、慣性による衝撃力は、物体及びロボット可動部の質量と移動速度との積に比例する。しかしながら、ロボットは大きくて重い機構を有しているため、慣性による衝撃力を小さくするためには、接触直前の移動速度を遅くする必要がある。
ところが、上記加速度に比例した力と物体の接触により発生する外力とを区別することは難しく、区別するためにはロボットの減速時間を大幅に長くせざるを得ない。
しかしながら、上記の通り、エンドエフェクタは力センサの先に取付けられているため、ロボットの姿勢が水平ではない場合、力センサには重力加速度による影響でロボットの姿勢とエンドエフェクタの質量に応じた力が発生する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る接着装置の構成例を示す図である。
接着装置は、物体50aを接着先である物体(他の物体)50bに接着する接着作業を行う装置である。この接着装置は、図1に示すように、アクチュエータ1、エンドエフェクタ2、移動部3、位置検出部4、加速度検出部5、外力検出制御部6及び作業制御部7を備えている。また、外力検出制御部6は、アクチュエータ制御部61及び外力検出部62から構成される。
アクチュエータ制御部61及び外力検出部62の構成例については後述する。
外力検出制御部6は、図2に示すように、位置速度変換部63、減算器64、ゲイン調整部65、質量推定部66、加速度補償部67、加減算器68、定電流制御部69、及び外力検出部62を有している。なお図2に示す外力検出制御部6において、外力検出部62を除く機能部(位置速度変換部63、減算器64、ゲイン調整部65、質量推定部66、加速度補償部67、加減算器68及び定電流制御部69)は、アクチュエータ制御部61を構成する。
例えば、可動部12側の質量が規定値の2倍になったとすると、ゲインはその逆数倍の1/2となっており、Ea/Eb=1/2となる。これに対して、ゲインを1倍とするため、可変ゲイン調整部653は2倍の調整値でゲインを調整する。そして、質量推定部66は、この可変ゲイン調整部653の調整値から、可動部12側の質量が規定値の2倍に変化したと推定できる。
この質量推定部66により推定された質量を示す信号は、加速度補償部67に出力される。
作業制御部7は、図4に示すように、移動制御部71及び押付け制御部72を有している。
また、位置速度変換部63は、位置検出部4により検出された位置を微分して速度に変換する。この速度は、固定部11に対する可動部12の速度を示す。
Ir=Irp+Irc (1)
一般的な外乱トルクとしては、作業時にエンドエフェクタ2から受ける反力F、重力加速度αg及び移動加速度α1により発生する力、減速器のロストルク等が考えられる。ここで、アクチュエータ1はダイレクトドライブ形式のリニアアクチュエータであるため、減速器は持たず、ロストルクは考慮する必要は少ない。したがって、駆動電流Iaは、作業時にエンドエフェクタ2から受ける反力F、重力加速度αg及び移動加速度α1により発生する力に比例した値となる。なお以下では、反力Fは、物体50aが物体50bに接触した際に発生する力であるとする。
F+(α1+αg)・(M1+M2+M3)=Kt・Ir=Kt・(Irp+Irc)
(2)
なお、Ktはアクチュエータ1が発生する推力と駆動電流Iaとの比を表したトルク定数である。
(α1+αg)・(M1+M2+M3)=Kt・Irc (3)
F=Kt・Irp (4)
そして、物体50aが物体50bと接触した際に生じる反力Fは、電流指令値Irpを監視することで知ることができる。
つまり、ロボットが急激に移動又は停止を行い移動加速度α1が発生した場合、及び、ロボットが連続して姿勢を変更し重力加速度αgが変化した場合でも、アクチュエータ1の可動部12はゆれることなく反力Fを正しく検出できる。
そして、コンプライアンスの値も自由に設定できる。
しかしながら、位置制御ループにおいて、反力Fに対する電流指令値Irpの応答は一般的に速くない。一方、反力Fに対する駆動電流Iaの応答は、可動部12が移動することにより発生する誘導電流によるものであるため、比較的速い。そこで、電流指令値Irpを直接監視するのではなく、駆動電流Iaを監視することで反力Fの検出を行う。
F+(α1+αg)・(M1+M2+M3)=Kt・Ir=Kt・(Irp+Irc)
(2)
Ia=Ir=Irp+Irc (5)
F+(α1+αg)・(M1+M2+M3)=Kt・Ia (6)
F=Kt・(Ia−(α1+αg)・(M1+M2+M3)/Kt) (7)
ロボットの動作は、一般的に、位置制御によりコントロールされる。そのため、物体50a,50bの寸法誤差又は把持位置誤差等により、予めプログラムされた目標位置と実際の位置が異なる場合、物体50aが物体50bと接触した際に大きな外力Fが発生し、物体50a又は物体50bに傷又は破損が発生する恐れがある。
ところが、上記加速度に比例した力と物体50aの物体50bとの接触により発生する外力Fとを区別することは難しく、区別するためにはロボットの減速時間を大幅に長くせざるを得ない。
すなわち、接着作業を行う場合にロボットが取りうる姿勢は常に一定ではなく、作業の状態に応じて変化させる場合が多い。
しかしながら、ロボットとエンドエフェクタ2との間に力センサを設置した場合には、ロボットの姿勢が水平ではないと、力センサには重力加速度αgによる影響でロボットの姿勢とエンドエフェクタ2の質量M2に応じた力が発生する。
そこで、実施の形態1に係る接着装置では、レンズ51を接着先であるワーク52の付近まで移動させる際には、速度をV1まで上げて素早く移動させ、レンズ51をワーク52付近からワーク52に接触させる際には、速度をV2まで落として移動させる。このように、速度制御を行うことで、レンズ51とワーク52との間に気泡が生じることを抑制できる。
青森県産業技術開発センター「接合レンズ自動接着システムの開発」
2 エンドエフェクタ
3 移動部
4 位置検出部
5 加速度検出部
6 外力検出制御部
7 作業制御部
11 固定部
12 可動部
61 アクチュエータ制御部
62 外力検出部
63 位置速度変換部
64 減算器
65 ゲイン調整部
66 質量推定部
67 加速度補償部
68 加減算器
69 定電流制御部
71 移動制御部
72 押付け制御部
50a,50b 物体
51 レンズ
52 ワーク
53 接着剤
621 係数乗算部
622 減算器
623 係数乗算部
651 ループゲイン測定部
652 ゲイン交点制御部
653 可変ゲイン調整部
654 発振器
655 加算器
656 比較器
671 乗算器
672 係数乗算部
691 減算器
692 駆動ドライバ
693 電流検出部
Claims (3)
- 固定部、及び当該固定部に対して変位可能な可動部を有するアクチュエータと、
前記固定部に対する前記可動部の位置を検出する位置検出部と、
前記固定部の加速度を検出する加速度検出部と、
前記位置検出部により検出された位置と基準位置との差分に対してゲインを調整し、当該調整結果である電流指令値及び前記加速度検出部により検出された加速度に基づいて前記アクチュエータに対する駆動電流を出力するアクチュエータ制御部と、
前記アクチュエータ制御部において得られた電流指令値、又は、前記加速度検出部により検出された加速度及び前記アクチュエータ制御部により出力された駆動電流の電流値に基づいて、前記可動部に加わる外力を検出する外力検出部と、
前記外力検出部により検出された外力、及び前記位置検出部により検出された位置から得られた速度に基づいて、前記アクチュエータ制御部を制御する作業制御部と
を備えた接着装置。 - 前記可動部に取付けられ、物体を保持可能なエンドエフェクタを備え、
前記作業制御部は、
前記エンドエフェクタにより保持された物体が、接着先である他の物体に近づくように、当該エンドエフェクタを当該他の物体の方向へ第1の速度で移動させる移動制御部を有する
ことを特徴とする請求項1記載の接着装置。 - 前記作業制御部は、
前記移動制御部による処理後、前記可動部に加わる外力が第1の力となるまで、前記エンドエフェクタを当該エンドエフェクタに保持された物体が接着される方向へ、前記第1の速度より遅い第2の速度で移動させる押付け制御部を有する
ことを特徴とする請求項2記載の接着装置。
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