JP7002165B1 - 基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な方法で、均一に、酸化ケイ素や窒化ケイ素の絶縁膜の表面改質処理を行うことのできる基板処理装置及びその装置を用いた基板処理方法を提供する。【解決手段】(a)絶縁体からなる筒状の容器と、前記筒状の容器にガスを供給するガス供給口と、前記筒状の容器の側方に設けられたマイクロ波導入口とを備え、筒状の反応性ガスを発生させるための反応性ガス発生室と、(b)前記反応性ガス発生室に接続され、前記反応性ガス発生室で発生した前記筒状の反応性ガスが被処理物である基板に照射されるよう前記基板を保持するための保持台と、前記ガスを排気するガス排気口とを備えた基板処理室とを有する基板処理装置であって、前記筒状の容器と前記基板との距離L1が1 mm以上1000 mm以下であり、前記保持台が、所定の回転軸Rを中心に回転可能に設けられているとともに、前記回転軸Rと前記筒状の容器の中心軸Cとが同一直線上にないことを特徴とする基板処理装置。【選択図】図1(a)

Description

本発明は、酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜等の絶縁膜が形成された基板の表面改質を行うための基板処理装置、及びその装置を用いた基板処理方法に関する。
半導体基板においては、絶縁膜や保護膜として、酸化ケイ素、窒化ケイ素等の膜が広く用いられている。酸化ケイ素膜又は窒化ケイ素膜を形成する方法として、モノシラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)等のシリコン原料ガスと、酸素、又は窒素含有ガス(窒素ガス、アンモニア等)とを使用したプラズマCVD(plasma-enhanced chemical vapor deposition)法が知られている。
プラズマCVDにより成膜された酸化ケイ素膜及び窒化ケイ素膜は、モノシランガスやジシランガスに水素が含まれることから成膜された膜中にSi-H結合が存在し、その結果、絶縁破壊電界が低くなる等の膜特性の低下が問題になることがある。
膜中のSi-H結合を減らし絶縁膜の表面改質を行う方法として、マイクロ波プラズマを用いて表面処理を行う方法がある。しかしながら、プラズマを半導体基板の表面に照射するとプラズマ中のイオンや電子によって膜表面の改質が可能ではあるが、エネルギーが高すぎた場合、基板の膜や素子がダメージを受けてデバイス性能が低下してしまうといった問題が生じる。
特許文献1(特開2017-224669号)は、基板上にプラズマCVDにより成膜された窒化珪素膜にマイクロ波水素プラズマを照射して、マイクロ波プラズマ中の原子状水素により窒化珪素膜の表面部分の水素を除去し、表面部分を改質する窒化珪素膜の処理方法を開示している。引用文献1には、マイクロ波水素プラズマを発生させる際の圧力を10~100 Paに調節することにより、イオンエネルギーが低く、多量の原子状水素(水素ラジカル)を含む状態とすることができ、そのように発生させたプラズマを用いることで、Si-N結合を破壊することなく、Si-H結合からHを除去することができると記載している。
しかしながら、特許文献1に記載のマイクロ波プラズマ処理方法は、水平に保持された基板と、前記基板と平行に配置された円板状のマイクロ波透過板(誘電体)とからなる装置を用いて、円板状のマイクロ波透過板(誘電体)にマイクロ波を照射して発生させた表面波プラズマを下方に拡散させ、基板に照射して基板表面の改質を行うものであるので、基板の広い範囲を処理できるというメリットはあるものの、基板に照射される時点では十分に高いプラズマ密度(ラジカル密度)を得るのが難しい。また引用文献1に記載の方法及び装置で得られるプラズマは、イオン種に対するラジカル種の割合を十分に高めることが難しく、ラジカル種を多く発生させようとするとイオン種の濃度を十分に減少させることができず、基板へのダメージが十分に抑制されない場合がある。従って、基板へのダメージを抑制しつつ、さらに高い効率で基板の改質処理を行う方法が望まれている。
簡便な構成のマイクロ波プラズマ発生装置として、特許文献2(特許第3637397号)は、誘電材料からなる円筒状の二重容器に側面からマイクロ波を導入することで、円筒状の容器が無限長の誘電体線路を形成するとともに、導入したマイクロ波の反射を抑制する構造とし、インピーダンス整合器を不要としたマイクロ波プラズマ発生装置を開示している。特許文献2に記載の円筒型のマイクロ波プラズマ発生装置は、プラズマ密度が高く、処理時間を短くでき、またシンプルな構造のため安価である。
しかしながら、特許文献2に記載の円筒状のマイクロ波プラズマ発生装置によって発生するプラズマは円筒状であるため、被処理物である基板に均一に照射するのが困難であり、基板処理パターンが不均一になってしまう。
特開2017-224669号公報 特許第3637397号公報
従って、本発明の目的は、簡便な方法で、均一に、効率よく、酸化ケイ素や窒化ケイ素の絶縁膜の表面改質処理を行うことのできる基板処理装置及びその装置を用いた基板処理方法を提供することである。
上記目的に鑑み、本発明者らは、水素ガスを流しながら円筒状のマイクロ波プラズマ発生装置によって高密度のプラズマを発生させたときに、円筒状のマイクロ波プラズマ発生装置から被処理物である基板までの距離を最適化することによって、プラズマが基板表面に到達した時点で、プラズマ中のイオン性活性種(水素イオン、電子等)をほぼ失活又はラジカル化させることができ、プラズマを水素ラジカルが主体の反応性ガスとすることが可能であること、さらに円筒状のプラズマから生じる円筒状の反応性ガスを基板に照射する位置及び角度を最適化することにより、円筒状のマイクロ波プラズマ発生装置を用いた場合でも、均一に基板を処理できることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の基板処理装置は、(a)絶縁体からなる筒状の容器と、
前記筒状の容器にガスを供給するガス供給口と、
前記筒状の容器の側方に設けられたマイクロ波導入口とを備え、筒状の反応性ガスを発生させるための反応性ガス発生室と、
(b)前記反応性ガス発生室に接続され、
前記反応性ガス発生室で発生した前記筒状の反応性ガスが被処理物である基板に照射されるよう前記基板を保持するための保持台と、
前記ガスを排気するガス排気口とを備えた基板処理室と
を有し、
前記筒状の容器と前記基板との距離L1が1 mm以上1000 mm以下であり、
前記保持台が、所定の回転軸Rを中心に回転可能に設けられているとともに、前記回転軸Rと前記筒状の容器の中心軸Cとが同一直線上にないことを特徴とする。
本発明の基板処理装置において、前記筒状の容器の上端と前記基板との距離L2、及び前記の平均自由行程λが、式:
0.1×λ≦L2≦100×λ
[ただし、L2は前記筒状の容器の上端と下端との距離(L2-L1)+1 mmよりも大きい。]
を満たすのが好ましい。
本発明の基板処理装置において、前記反応性ガスにより形成されるラジカルの密度は前記基板上において1×1014個/cm3以上であるのが好ましい。
本発明の基板処理装置において、前記保持台を1回転させたときに前記保持台に照射される前記筒状の反応性ガスの軌跡の形状が、前記保持台を1回転させたときに前記基板が描く軌跡の形状を含むように前記基板及び前記筒状の容器が配置されているのが好ましい。
本発明の基板処理装置において、前記筒状の反応性ガスを前記基板に照射した状態で前記保持台を1回転させたときに、前記基板に照射される反応性ガスの積算量が最も多い点での積算量をPMAX、最も少ない点での積算量をPMINとしたとき、0.5≦PMIN/PMAX≦1であるのが好ましい。
本発明の基板処理装置において、前記回転軸Rと前記中心軸Cとは、0~60°の角度をなしていてもよい。
本発明の基板処理装置において、前記筒状の容器に供給する前記ガスは水素であるのが好ましい。
本発明の基板処理装置において、前記筒状の反応性ガスは、前記基板に照射される時点では水素ラジカルを主体とする反応性ガスであるのが好ましい。
本発明の基板処理装置において、前記基板が、最上層にプラズマCVDにより成膜された絶縁膜を有する基板であり、前記水素ラジカルの照射により前記絶縁膜の表面改質を行うのが好ましい。
本発明の基板処理方法は、絶縁体からなる筒状の容器に、前記筒状の容器に設けられたガス供給口からガスを供給するとともに、前記筒状の容器の側方に設けられたマイクロ波導入口からマイクロ波を導入し、前記筒状の容器の内部に筒状の反応性ガスを発生させ、
前記筒状の容器に接続された基板処理室に前記筒状の反応性ガスを供給するとともに、前記ガスを前記基板処理室に設けられたガス排気口から排気しながら、前記基板処理室内の保持台に保持された被処理物である基板に前記筒状の反応性ガスを照射することによって前記基板の表面処理を行う基板処理方法であって、
前記筒状の容器と前記基板との距離L1が1 mm以上1000 mm以下であり、
前記保持台が、所定の回転軸Rを中心に回転可能に設けられているとともに、前記回転軸Rと前記筒状の容器の中心軸Cとが同一直線上にないことを特徴とする基板処理方法。
本発明の基板処理方法において、前記筒状の容器の上端と前記基板との距離L2、及び前記の平均自由行程λが、式:
0.1×λ≦L2≦100×λ
[ただし、L2は前記筒状の容器の上端と下端との距離(L2-L1)+1 mmよりも大きい。]
を満たすのが好ましい。
本発明の基板処理方法において、前記反応性ガスにより形成されるラジカルの密度は前記基板上において1×1014個/cm3以上であるのが好ましい。
本発明の基板処理方法において、前記反応性ガスを1~20分照射したときの照射時間とラジカルの密度との積は前記基板上において25×1014分・個/cm3以上であるのが好ましい。
本発明の基板処理方法において、前記保持台を1回転させたときに前記保持台に照射される前記筒状の反応性ガスの軌跡の形状が、前記保持台を1回転させたときに前記基板が描く軌跡の形状を含むように前記基板及び前記筒状の容器が配置されているのが好ましい。
本発明の基板処理方法において、前記筒状の反応性ガスを前記基板に照射した状態で前記保持台を1回転させたときに、前記基板に照射される反応性ガスの積算量が最も多い点での積算量をPMAX、最も少ない点での積算量をPMINとしたとき、0.5≦PMIN/PMAX≦1であるのが好ましい。
本発明の基板処理方法において、前記回転軸Rと前記中心軸Cとは、0~60°の角度をなしていてもよい。
本発明の基板処理方法において、前記筒状の容器に供給する前記ガスが水素であるのが好ましい。
本発明の基板処理方法において、前記筒状の反応性ガスは、前記基板に照射される時点では水素ラジカルを主体とする反応性ガスであるのが好ましい。
本発明の基板処理方法において、前記基板が、最上層にプラズマCVDにより成膜された絶縁膜を有する基板であり、前記水素ラジカルの照射により前記絶縁膜の表面改質を行うのが好ましい。
本発明の基板処理装置及び基板処理方法により、酸化ケイ素や窒化ケイ素の絶縁膜の表面改質処理を簡便で均一に効率よく行うことができるので、半導体基板の絶縁膜等の表面改質処理に好適である。
本発明は、水素ラジカルの照射により前記絶縁膜の表面改質を行うため、酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜、酸化アルミニウム膜等の絶縁膜に適用することが可能である。特に、最上層にプラズマCVDにより成膜されたSi-H結合が多く存在する絶縁膜を有する基板に対して好適である。
本発明の基板処理装置の一例を示す模式断面図である。 図1(a)のA-A断面図である。 本発明の基板処理装置の他の一例を示す模式断面図である。 図2(a)のB-B断面図である。 図1(a)のA-A断面における反応性ガスの形状を示す模式断面図である。 基板上に照射される反応性ガスの形状の一例を示す模式図である。 基板上に照射される反応性ガスの形状の他の一例を示す模式図である。 基板上に照射される反応性ガスの形状のさらに他の一例を示す模式図である。 基板上に照射される反応性ガスの形状のさらに他の一例を示す模式図である。 基板上に照射される反応性ガスの形状のさらに他の一例を示す模式図である。 本発明の基板処理装置のさらに他の一例を示す模式断面図である。 図5に示す基板処理装置を用いたときに、基板上に照射される反応性ガスの形状を示す模式図である。 筒状の容器の断面形状を変えたときに、基板上に照射される反応性ガスの形状を示す模式図である。 筒状の容器の断面形状を変えたときに、基板上に照射される反応性ガスの形状を示す模式図である。 筒状の容器の断面形状を変えたときに、基板上に照射される反応性ガスの形状を示す模式図である。 本発明の基板処理装置のさらに他の一例を示す模式断面図である。 図9に示す基板処理装置を用いたときに、基板上に照射される反応性ガスの形状を示す模式図である。 筒状の容器の断面形状及び数を変えたときに、基板上に照射される反応性ガスの形状を示す模式図である。 筒状の容器の断面形状及び数を変えたときに、基板上に照射される反応性ガスの形状を示す模式図である。
[1]基板処理装置
図1(a)及び図1(b)は本発明の基板処理装置100の一例を示す。本発明の基板処理装置100は、筒状の反応性ガスGAを発生させる反応性ガス発生室101と、それに連接する基板処理室102とからなり、反応性ガス発生室101は、絶縁体からなる筒状の容器103と、筒状の容器103にガスGを供給するガス供給口104と、筒状の容器103の側方に設けられたマイクロ波導入口105とを備え、基板処理室102は、反応性ガス発生室101で発生した筒状の反応性ガスGAが被処理物である基板106に照射されるよう基板106を保持するための保持台107と、ガスGを排気するガス排気口108とを備え、筒状の容器103と基板106との距離L1が1 mm以上1000 mm以下であり、保持台107が、所定の回転軸Rを中心に回転可能に設けられているとともに、回転軸Rと筒状の容器103の中心軸Cとが同一直線上にないことを特徴とする。
なお図1(a)及び図1(b)に示す基板処理装置100は、筒状の容器103が一重構造となっている例であるが、図2(a)及び図2(b)に示すように、筒状の容器103が、内容器103aと内容器103aに対して外側に同心状に配置された外容器103bとからなる二重構造であってもよい。このように二重構造の容器とすることで、インピーダンス整合器を不要としたマイクロ波プラズマ発生装置を簡便に供給することが可能である。二重構造の筒状の容器からなるマイクロ波プラズマ装置は、例えば、特許文献2に記載のものを用いることができる。
ガス排気口108を設ける位置は、特に限定されないが、保持台107よりも下流側、すなわち、反応性ガス発生室101から見て保持台107の後方に設けるのが好ましい。特に、保持台107の基板106が配置されている側と反対側に設けるのが好ましい。
(1)反応性ガスの性状
基板処理装置100の反応性ガス発生室101において、絶縁体からなる筒状の容器103は減圧状態に保たれており、この筒状の容器103にガス供給口104からガスG(例えば、水素ガス)を供給しながらマイクロ波導入口105からマイクロ波を導入すると、マイクロ波が筒状の容器103の表面を伝送路として定在波を生じ、筒状の容器103を透過したマイクロ波により筒状の容器103内にガスGのプラズマが発生する。プラズマは筒状の容器103の内壁に沿って発生するため筒状となる。このようにして、容器を筒状とすることにより定在波となった部分のマイクロ波密度が高くなり、その結果、筒状の容器103の内側に漏れるマイクロ波によって発生するプラズマの密度が特異的に高くなる。なお、図1(a)に示す例では、ガス供給口104は二カ所設けられているが、一カ所でも良いし、三カ所以上設けても良い。ガス供給口104はを複数も受ける場合は、筒状の容器103で発生するプラズマの位置に沿って、すなわち、筒状の容器の内壁に沿って配置するのが好ましい。また、ガス供給口104の上流側に、ガス流量測定手段を設けるのが好ましい。
ここで発生するプラズマは、ガスGの分子が電離した状態のものであり、例えば、ガスGとして水素ガスを使用した場合、水素イオン、電子等の化学種を含んでいる。ここでイオン種は電子と再結合して、比較的短時間の間に失活し、ガスG又はガスGのラジカルが生成する。水素ガスの場合、発生したプラズマは、時間の経過とともに、水素イオンが減少し、水素ラジカルが増加していく。特に減圧下では、生成したラジカルは他のラジカルとの衝突の機会が少ないため、比較的長い時間存在する。このように、プラズマを起因として発生したラジカルを含むガス、すなわち、本願においてはイオン、電子、ラジカルを含んだガスのことを反応性ガスGAと定義する。反応性ガスGAもプラズマと同様筒状となる。例えば、筒状の容器103が円筒状である場合、反応性ガスGAは軸方向(ガスGの流れ方向)視で筒状の容器103の内壁とほぼ等しい外形を有するリング状となる。
反応性ガス発生室101で発生した筒状の反応性ガスGAは、供給するガスGの流れに従って、反応性ガス発生室101に連接して設けられている基板処理室102に移動する。このとき、イオン、電子、ラジカル等の化学種は、ガスGによって流れると同時に、拡散によって広がるため、筒状の反応性ガスGAは時間とともに、筒の厚みが広がった形状となっていく。また前述したように、イオン及び電子速やかに失活していくため、時間の経過とともに、イオン種が減少し、ラジカル種が増加する。
ラジカル種を主体とする反応性ガスGAは、所定の回転軸Rを中心に回転可能に設けられた保持台107上に保持された基板106に照射され、基板106表面に設けられた絶縁膜(図示せず)の表面改質を行う。このとき、反応性ガスGA中のイオンや電子が多い場合、反応性ガスのエネルギーが高すぎるため、基板の膜や素子に損傷を与えてしまうので、イオンや電子の化学種を少なくし、絶縁膜の表面改質に有効なラジカル種の濃度を高めるため、筒状の容器103と基板106との距離L1を1 mm以上1000 mm以下とする。このような条件を満たすことで、例えば、ガスとして水素ガスを用いた場合、基板106に照射される時点では水素ラジカルを主体とした反応性ガスGAとすることができる。
ここで筒状の容器103と基板106との距離L1とは、筒状の容器103の最も基板106に近い点から基板106までの距離のことである。例えば、図1(a)に示す態様においては、筒状の容器103の下端103-2から基板106の表面106aまでの距離L1のことである。この距離L1が1 mm未満であると、イオンや電子の化学種が多いため、基板の膜や素子に損傷を与えてしまう。この距離L1が1000 mm超であるとラジカル種が拡散や再結合による失活により基板表面の改質を行うのに十分な濃度が確保できなくなる。筒状の容器103と基板106との距離L1の下限は、好ましくは5 mmであり、より好ましくは10 mmである。筒状の容器103と基板106との距離L1の上限は、好ましくは500 mm、より好ましくは300 mmである。
さらに、筒状の容器103の上端103-1と基板106との距離L2、及び前記反応性ガスG A 中のイオンの平均自由行程λが、式:
0.1×λ≦L2≦100×λ
[ただし、L2は前記筒状の容器の上端と下端との距離(L2-L1)+1 mmよりも大きい。]
を満たすのが好ましい。この条件を満たすことにより、反応性ガスGAが基板106に照射される時点で、反応性ガスGA中のイオンや電子の化学種がある程度失活し、絶縁膜の表面改質に有効なラジカル種の濃度を高めることができる。
反応性ガスGA中のイオン(ガス分子のイオン)は、平均自由行程のオーダーで飛行する間に、概ね、電子と衝突するものは衝突してラジカルになると考えられる。距離L2がガス分子のイオンの平均自由行程の0.1倍より短いと、基板に到達するまでにラジカルになる確率が低く、ラジカル主体の反応性ガスGAが得られない。また距離L2がガス分子の平均自由行程λの100倍より長いと、生成したラジカル同士がさらに衝突してラジカルが失活してしまう。なおここで言う平均自由行程はガス分子のイオンが別のガス分子のイオンに衝突するまでの平均自由行程のことである。距離L2とガス分子のイオンの平均自由行程λとの関係は、0.2×λ≦L2≦50×λであるのが更に好ましく、0.5×λ≦L2≦30×λであるのが最も好ましい。
例えば、ガスとして水素ガスを用いた場合、距離L2と水素イオンの平均自由行程λとが前記式の条件を満たすとこで、基板106に照射される時点では水素ラジカルを主体とした反応性ガスGAとすることができる。水素イオンの平均自由行程λは、水素イオンの粒子径を0.038 nmとしたときに、10 Paの圧力下で64 mmと計算されるので、前記式は6.4 mm≦L2≦6400 mmとなる。ここで、水素ラジカルを主体とした反応性ガスGAとは、水素イオンに対して、水素ラジカルの濃度の方が高い反応性ガスGAのことである。
筒状の容器103と基板106との距離L1と筒状の容器103の上端103-1と基板106との距離L2との比(L2/L1)は、2以上であるのが好ましく、2.5以上であるのがより好ましく、3以上であるのが最も好ましい。この比(L2/L1)を大きくすることにより反応性ガス発生量を増やすことができるとともに、反応性ガスが基板全体へ広がりやすくなるという効果を発揮することができる。
また反応性ガス発生室101と基板処理室102との接続部分において、基板処理室102が反応性ガス発生室101に開口する開口部の開口径が、筒状の容器103の開口径(2r)よりも大きいことが好ましい。このように基板処理室102の開口部102aを筒状の容器103の開口径よりも大きく構成することにより基板処理室102を構成する部材が、反応性ガスやプラズマガスに直接晒されなくなるため、これらのガスによるダメージを少なくすることができる。また、反応性ガス発生室101の開口部を絶縁体により構成することでも同様な効果を発揮することができる。
筒状の容器103と基板106との関係を以上のような構成にすることにより、基板106の表面に、密度が1×1014個/cm3以上、好ましくは1×1015個/cm3以上のラジカルを含む反応性ガスGAを照射することができる。このとき、基板106の温度が0~400℃の範囲で一定に保持できるように、保持台107に保温手段又は冷却手段が備えられているのが好ましい。
(2)筒状の容器と基板との関係
(a)回転軸Rと中心軸Cとが平行に配置されている場合
反応性ガスGAは筒状であるため、反応性ガスGAをガス供給口104側から基板に向かって見た場合、中心部分の濃度が低く、筒状容器の内壁近くの濃度が高い形状となる。例えば、図1(a)及び図1(b)に示すように、円筒状の容器を有する装置を用いた場合、A-A断面における反応性ガスGAの形状は、図3に示すようなリング形状となる。反応性ガスGAは、軸と垂直な方向へ拡散しながら、基本的にこのような断面リング形状をほぼ保ったまま基板表面に照射される。このため、保持台107の回転軸Rが筒状の容器103の中心軸Cに一致するように保持台107と筒状の容器103とを配置した場合、筒状の容器103の中心軸C周りに反応性ガスGAがほとんど存在しないので、図4(a)に示すように、基板106の回転軸Rの周りには反応性ガスGAが十分に照射されず基板表面の改質を行うことができない。従って、保持台107の回転軸Rと筒状の容器103の中心軸Cとが同一直線上にないようにずらして配置する。回転軸Rと中心軸Cとをずらすことにより、例えば、図4(b)に示すように、断面リング形状の反応性ガスGAが、回転軸Rと基板106の縁部分を含むように基板106上に照射されるので、回転軸Rを中心に基板106を回転させることで、基板106上に全体にわたって反応性ガスGAが照射される。
保持台107を1回転させたときに保持台107に照射される筒状の反応性ガスGAの軌跡の形状が、保持台107を1回転させたときに基板106が描く軌跡の形状を含むように基板106及び筒状の容器103が配置されているのが好ましい。以下に、円形の基板106を用いて、基板106中心を保持台107の回転軸Rに一致させて配置したときの、基板106と断面リング形状の反応性ガスGAとの関係を示しながら説明する。ここで、基板106中心を保持台107の回転軸Rに一致させて配置したので、保持台107を1回転させたときに基板106が描く軌跡の形状は円形の基板106の形状そのものである。
断面リング形状の反応性ガスGAは、筒状の容器103の半径rとほぼ同じ半径を有しているので、前述した、筒状の反応性ガスGAの軌跡の形状が、基板106が描く軌跡の形状(ここでは、基板106の形状)を含むようにするためには、図4(b)に示すように、保持台107の回転軸Rと筒状の容器103の中心軸Cとの距離dがd≦rを満たし、かつ基板106の半径rsがrs≦2rを満たすようにするのが好ましい。d>rである場合は、図4(c)に示すように、基板106の中心軸Rの周りに反応性ガスGAが照射されなくなり、d≦rを満たすがrs>2rである場合は、図4(d)に示すように、基板106の縁部分に反応性ガスGAが照射されなくなる。
反応性ガスGAの半径、すなわち、筒状の容器103の半径rは大きければ大きいほどd≦r及びrs≦2rを満たしやすくなるが、筒状の容器103の半径rを必要以上に大きくしても、図4(e)に示すように、基板106以外の部分に照射される反応性ガスGAが増えるばかりなので、筒状の容器103の半径rは、d≦r≦1.2×d及びrs≦2r≦1.2×rsであるのがより好ましく、d=r及びrs=2rであるのが最も好ましい。
(b)回転軸Rと中心軸Cとが傾いて配置されている場合
回転軸Rと中心軸Cとは平行に配置されている必要はなく、回転軸Rと中心軸Cとが0~60°の角度をなして配置されていても良い。例えば、図5に示す基板処理装置200ように、筒状の容器103の軸方向を保持台107(基板106)に対してα度傾斜させて配置することにより、基板106上に照射される反応性ガスGAの形状が傾斜方向に広がるので、より広い範囲に反応性ガスGAを照射することができる。円柱状の容器103を用いた場合、図6に示すように、基板106上に照射される反応性ガスGAの形状は楕円形状となるので、d≦r及びrs≦2rを満たさない場合でも、基板106の中心部分(図では回転軸R)及び基板106の縁部分に反応性ガスGAを照射することが可能となる。回転軸Rと中心軸Cとのなす角度は、5~50°であるのが更に好ましく、10~40°であるのが最も好ましい。角度が小さすぎると、分布が好ましくない。大きすぎると、基板に照射されない割合が増え好ましくない。
(c)反応性ガスの均一性
基板106表面を効率よく改質処理するためには、発生する反応性ガスGAができるだけ均一に基板106上に照射されるように筒状の容器103のサイズ(直径等)、基板106までの距離、基板106に対する角度等を設定するのが好ましい。実際に基板106表面に照射される反応性ガスGAの量は、筒状の反応性ガスGAを基板106に照射した状態で保持台107を1回転させたときに積算される量である。ここで、基板106に照射される反応性ガスGAの積算量が最も多い点での積算量をPMAX、最も少ない点での積算量をPMINとしたとき、0.5≦PMIN/PMAX≦1であるのが好ましい。すなわち、基板106上で反応性ガスGAの照射量が最も少ない点での照射量PMINが最も多い点での照射量PMAXに対して50%以上とするのが好ましい。PMIN/PMAXの下限はより好ましくは0.6、更に好ましくは0.7、最も好ましくは0.8である。
基板106上に照射される反応性ガスGAをできるだけ均一にする、すなわち、PMIN/PMAXの値をできるだけ大きくするためには、前述したように、筒状の容器103のサイズ(直径等)、基板106までの距離、基板106に対する角度を好ましく設定する以外に、筒状の容器103の断面形状を変更することによっても可能である。図1(a)及び図1(b)に示す筒状の容器103は円筒形であるが、筒状の容器103は円筒形に限らず、断面が多角形の筒状、又は楕円系の筒状であっても良い。例えば、基板106表面に照射される反応性ガスGAの形状が、図7(a)~図7(c)に示すように三角形をベースにした形状となるような筒状の容器を用いても良い。
さらに図8に示す基板処理装置300のように、2つの筒状の容器103をそれぞれ基板に対して傾斜して配置した構成も有効である。この装置を用いたときに基板106表面に照射される反応性ガスGAの形状は図9のようにめがね型となる。
また基板106表面に照射される反応性ガスGAの形状が図10(a)及び図10(b)に示す大小2つのリング形状及び大小2つの三角形をベースにした形状となるように、大きさの異なる2つの円筒状又は三角形の筒状の容器を配置した構成なども有効である。
[2]基板処理方法
本発明の基板処理方法は、前述した反応性ガス発生室とそれに連接する基板処理室を備えた基板処理装置(例えば、図1(a)及び図1(b)に示す装置)を用いて行う。すなわち、本発明の基板処理方法は、絶縁体からなる筒状の容器103に、筒状の容器103に設けられたガス供給口104からガスGを供給するとともに、筒状の容器103の側方に設けられたマイクロ波導入口105からマイクロ波Mを導入し、筒状の容器103の内部に筒状の反応性ガスGAを発生させ、反応性ガス発生室101に接続された基板処理室102に筒状の反応性ガスGAを供給するとともに、ガスを基板処理室102に設けられたガス排気口108から排気しながら、基板処理室内102の保持台107に保持された被処理物である基板106に筒状の反応性ガスGAを照射することによって基板の表面処理を行う方法であって、
筒状の容器103と基板106との距離が1 mm以上1000 mm以下であり、
保持台107が、所定の回転軸Rを中心に回転可能に設けられているとともに、回転軸Rと筒状の容器103の中心軸Cとが同一直線上にないことを特徴とする(図1(a)及び図1(b)を参照)。
反応性ガスGAの照射は、例えば、5~50 Paの圧力に保った筒状の容器103に、ガス供給口104から30 sccmの流量で水素ガスを供給しながら、マイクロ波導入口105から2450 MHz及び800W/cm2のマイクロ波Mを導入し、筒状の容器103内で定在波状態とされたマイクロ波によって筒状の容器103内部に筒状の反応性ガスGAを発生させ、0~400℃に保った基板106に、保持台107を回転させながら、密度が5×1014個/cm3以上のラジカルを含む反応性ガスGAを1~20分照射することによって行う。これによりラジカルの照射時間と密度との積が基板106上において25×1014分・個/cm3以上とできる。反応性ガスGAと基板106の表面との間の電位差は、10 V以下であるのが好ましい。処理後の反応性ガスGAと及び余剰の水素ガスはガス排気口108から排気される。なおラジカルの照射密度は、公知の手法によって決定することができる(T. Arai el al. (2016) "Selective Heating of Transition Metal Usings Hydrogen Plasma and Its Application to Formation of Nickel Silicide Electrodes for Silicon Ultralarge-Scale Integration Devices" Journal of Materials Science and Chemical Engineering, 2016, 4, 29-33)。
ガスは、水素ラジカルを発生させるという観点から、水素ガスを用いるが、水素ガス以外の他の成分を含んでいてもよい。水素ガス以外の成分としては、窒素、酸素、二酸化炭素、アンモニア、希ガス類(ヘリウム・ネオン・アルゴン等)などが挙げられる。筒状の容器103としては、例えば石英製の誘電体管を用いることができる。保持台107は回転可能に保持されているとともに、温度を調節することが可能である。
筒状の容器103内は5~50 Paの圧力に保つのが好ましい。筒状の容器103内を5 Pa以上に保つことにより、反応性ガスGAと基板106との間の電位差を10 V以下にすることが容易になり、イオン性活性種が基板106に与えるダメージを抑制することができる。筒状の容器103内を50 Pa以下に保つことにより、水素ラジカルの平均自由行程を比較的長く保つことができ、発生した水素ラジカルを有効に活用して基板106の表面処理を効率よく行うことができる。
ガスの供給速度は、0.01~1000 sccmであるのが好ましい。より好ましくは、0.05~200 sccm、更に好ましくは0.1~100 sccmである。ガスの供給速度が0.01 sccmより小さいと反応性ガス濃度が高まらず、1000 sccmより大きいと排気がおいつかず圧力が不安定になる。
ガスの排気速度は、1~10000 L/分であるのが好ましい。より好ましくは10~2000 L/分であり、更に好ましくは50~1000 L/分である。ガスの排気速度が1 L/分より小さいと排気に時間がかかり、10000 L/分より大きいとコストがかかりすぎる。
マイクロ波の出力は、1~50000 W/cm2とするのが好ましい。より好ましくは5~5000 W/cm2であり、更に好ましくは10~500 W/cm2である。1 W/cm2より小さいと、反応性ガス生成が少なくなり、50000 W/cm2より大きいとコストがかかりすぎる。
処理時間は、0.001~100分であるのが好ましい。より好ましくは0.01~50、更に好ましくは0.05~20分である。処理時間が0.001分より短いと効果が少なくなり、100分より長いと生産性が悪化する。
保持台107を回転速度は、0.1~10000 rpmであるのが好ましい。より好ましくは1~1000 rpmであり、更に好ましくは10~200 rpmである。回転速度が0.1 rpmより遅いとムラが生じ、10000 rpmより速いと機械耐久性が低下する。
被処理物として、プラズマCVDにより成膜された酸化ケイ素からなる絶縁膜を最上層に設けた基板106を用いて処理した場合、水素ラジカル(H*)を主体とする反応性ガスGAによって、酸化ケイ素膜中に存在するSi-H結合及びSi-OH結合を減少させ、Si-O-Si結合を増加させ、高密度の酸化ケイ素膜とすることができる(下記反応式を参照)。
<反応式>
Si-H + H* → Si- + H2
Si-OH + H* → Si-O- + H2、及び
Si- + Si-O- → Si-O-Si
このように、SiO2の密度の高い酸化ケイ素膜とすることにより、高い絶縁性を有する絶縁膜を得ることができる。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
図2に記載の装置を用いて、半導体からなる基板106上に形成されたSiO2絶縁膜の改質処理を行った。このSiO2絶縁膜は、モノシランガスと窒素ガスとを使用したプラズマCVDにより形成し、厚さ:20 nm及び絶縁破壊電界強度:1 MV/cm以下であった。この装置において、筒状の容器103は石英製の内容器103aと内容器103aに対して外側に同心状に配置された石英製の外容器103bとからなる二重構造であり、内容器103aは内径が50 mmであり、外容器103bは内径100 mmであった。筒状の容器103と基板106との距離L1は50 mm、筒状の容器103の上端103-1と基板106との距離L2は250 mmとした。
反応性ガスGAの照射は、20 Paの圧力に保った筒状の容器103に、ガス供給口104から10 sccmの流量で水素ガスを供給しながら、マイクロ波導入口105から2450 MHz及び800 W/cm2のマイクロ波Mを導入し、筒状の容器103内で定在波状態とされたマイクロ波によって筒状の容器103内部に筒状の反応性ガスGAを発生させ、100℃に保った基板106に、保持台107を30 rpmで回転させながら、密度が5×1014個/cm3以上の水素ラジカルを含む反応性ガスGAを5分照射することによって行った。これにより水素ラジカルの照射時間と密度との積が基板106上において25×1014分・個/cm3以上となった。
以上にように水素ラジカルを含む反応性ガスGAを照射することによってプラズマCVDにより形成したSiO2絶縁膜が改質され、絶縁破壊電界強度が7 MV/cmであり、リークなどが生じにくい良好な絶縁膜が得られた。
100・・・基板処理装置
101・・・反応性ガス発生室
102・・・基板処理室
103・・・筒状の容器
103-1・・・上端
103-2・・・下端
C・・・中心軸
106a・・・表面
103a・・・内容器
103b・・・外容器
104・・・ガス供給口
105・・・マイクロ波導入口
106・・・基板
106a・・・表面
107・・・保持台
R・・・回転軸
108・・・ガス排気口
G・・・ガス
GA・・・反応性ガス

Claims (19)

  1. (a)絶縁体からなる筒状の容器と、
    前記筒状の容器にガスを供給するガス供給口と、
    前記筒状の容器の側方に設けられたマイクロ波導入口とを備え、筒状の反応性ガスを発生させるための反応性ガス発生室と、
    (b)前記反応性ガス発生室に接続され、
    前記反応性ガス発生室で発生した前記筒状の反応性ガスが被処理物である基板に照射されるよう前記基板を保持するための保持台と、
    前記ガスを排気するガス排気口とを備えた基板処理室と
    を有する基板処理装置であって、
    前記筒状の容器と前記基板との距離L1が1 mm以上1000 mm以下であり、
    前記保持台が、所定の回転軸Rを中心に回転可能に設けられているとともに、前記回転軸Rと前記筒状の容器の中心軸Cとが同一直線上になく、
    前記保持台を1回転させたときに前記保持台に照射される前記筒状の反応性ガスの軌跡の形状が、前記保持台を1回転させたときに前記基板が描く軌跡の形状を含むように前記基板及び前記筒状の容器が配置されていることを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記筒状の反応性ガスを前記基板に照射した状態で前記保持台を1回転させたときに、前記基板に照射される反応性ガスの積算量が最も多い点での積算量をPMAX、最も少ない点での積算量をPMINとしたとき、0.5≦PMIN/PMAX≦1であることを特徴とする基板処理装置。
  3. (a)絶縁体からなる筒状の容器と、
    前記筒状の容器にガスを供給するガス供給口と、
    前記筒状の容器の側方に設けられたマイクロ波導入口とを備え、筒状の反応性ガスを発生させるための反応性ガス発生室と、
    (b)前記反応性ガス発生室に接続され、
    前記反応性ガス発生室で発生した前記筒状の反応性ガスが被処理物である基板に照射されるよう前記基板を保持するための保持台と、
    前記ガスを排気するガス排気口とを備えた基板処理室と
    を有する基板処理装置であって、
    前記筒状の容器と前記基板との距離L1が1 mm以上1000 mm以下であり、
    前記保持台が、所定の回転軸Rを中心に回転可能に設けられているとともに、前記回転軸Rと前記筒状の容器の中心軸Cとが同一直線上になく、
    前記筒状の反応性ガスを前記基板に照射した状態で前記保持台を1回転させたときに、前記基板に照射される反応性ガスの積算量が最も多い点での積算量をPMAX、最も少ない点での積算量をPMINとしたとき、0.5≦PMIN/PMAX≦1であることを特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記筒状の容器の上端と前記基板との距離L2、及び前記反応性ガスのイオンの平均自由行程λが、式:
    0.1×λ≦L2≦100×λ
    [ただし、L2は前記筒状の容器の上端と下端との距離(L2-L1)+1 mmよりも大きい。]
    ことを特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記反応性ガスにより形成されるラジカルの密度が前記基板上において1×1014個/cm3以上であることを特徴とする基板処理装置。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記回転軸Rと前記中心軸Cとが、0~60°の角度をなしていることを特徴とする基板処理装置。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記筒状の容器に供給する前記ガスが水素であることを特徴とする基板処理装置。
  8. 請求項7に記載の基板処理装置において、
    前記筒状の反応性ガスは、前記基板に照射される時点では水素ラジカルを主体とする反応性ガスであることを特徴とする基板処理装置。
  9. 請求項8に記載の基板処理装置において、
    前記基板が、最上層にプラズマCVDにより成膜された絶縁膜を有する基板であり、前記水素ラジカルの照射により前記絶縁膜の表面改質を行うことを特徴とする基板処理装置。
  10. 絶縁体からなる筒状の容器に、前記筒状の容器に設けられたガス供給口からガスを供給するとともに、前記筒状の容器の側方に設けられたマイクロ波導入口からマイクロ波を導入し、前記筒状の容器の内部に筒状の反応性ガスを発生させ、
    前記筒状の容器に接続された基板処理室に前記筒状の反応性ガスを供給するとともに、前記ガスを前記基板処理室に設けられたガス排気口から排気しながら、前記基板処理室内の保持台に保持された被処理物である基板に前記筒状の反応性ガスを照射することによって前記基板の表面処理を行う基板処理方法であって、
    前記筒状の容器と前記基板との距離L1が1 mm以上1000 mm以下であり、
    前記保持台が、所定の回転軸Rを中心に回転可能に設けられているとともに、前記回転軸Rと前記筒状の容器の中心軸Cとが同一直線上になく、
    前記保持台を1回転させたときに前記保持台に照射される前記筒状の反応性ガスの軌跡の形状が、前記保持台を1回転させたときに前記基板が描く軌跡の形状を含むように前記基板及び前記筒状の容器が配置されていることを特徴とする基板処理方法。
  11. 請求項10に記載の基板処理方法において、
    前記筒状の反応性ガスを前記基板に照射した状態で前記保持台を1回転させたときに、前記基板に照射される反応性ガスの積算量が最も多い点での積算量をPMAX、最も少ない点での積算量をPMINとしたとき、0.5≦PMIN/PMAX≦1であることを特徴とする基板処理方法。
  12. 絶縁体からなる筒状の容器に、前記筒状の容器に設けられたガス供給口からガスを供給するとともに、前記筒状の容器の側方に設けられたマイクロ波導入口からマイクロ波を導入し、前記筒状の容器の内部に筒状の反応性ガスを発生させ、
    前記筒状の容器に接続された基板処理室に前記筒状の反応性ガスを供給するとともに、前記ガスを前記基板処理室に設けられたガス排気口から排気しながら、前記基板処理室内の保持台に保持された被処理物である基板に前記筒状の反応性ガスを照射することによって前記基板の表面処理を行う基板処理方法であって、
    前記筒状の容器と前記基板との距離L1が1 mm以上1000 mm以下であり、
    前記保持台が、所定の回転軸Rを中心に回転可能に設けられているとともに、前記回転軸Rと前記筒状の容器の中心軸Cとが同一直線上になく、
    前記筒状の反応性ガスを前記基板に照射した状態で前記保持台を1回転させたときに、前記基板に照射される反応性ガスの積算量が最も多い点での積算量をPMAX、最も少ない点での積算量をPMINとしたとき、0.5≦PMIN/PMAX≦1であることを特徴とする基板処理方法。
  13. 請求項10~12のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記筒状の容器の上端と前記基板との距離L2、及び前記反応性ガス中のイオンの平均自由行程λが、式:
    0.1×λ≦L2≦100×λ
    [ただし、L2は前記筒状の容器の上端と下端との距離(L2-L1)+1 mmよりも大きい。]
    を満たすことを特徴とする基板処理方法。
  14. 請求項10~13のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記反応性ガスにより形成されるラジカルの密度が前記基板上において1×1014個/cm3以上であることを特徴とする基板処理方法。
  15. 請求項10~14のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記反応性ガスを1~20分照射したときの照射時間とラジカルの密度との積が前記基板上において25×1014分・個/cm3以上であることを特徴とする基板処理方法。
  16. 請求項10~15のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記回転軸Rと前記中心軸Cとが、0~60°の角度をなしていることを特徴とする基板処理方法。
  17. 請求項10~16のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記筒状の容器に供給する前記ガスが水素であることを特徴とする基板処理方法。
  18. 請求項17に記載の基板処理方法において、
    前記筒状の反応性ガスは、前記基板に照射される時点では水素ラジカルを主体とする反応性ガスであることを特徴とする基板処理方法。
  19. 請求項18に記載の基板処理方法において、
    前記基板が、最上層にプラズマCVDにより成膜された絶縁膜を有する基板であり、前記水素ラジカルの照射により前記絶縁膜の表面改質を行うことを特徴とする基板処理方法。
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