JP7001219B2 - 振動計測装置 - Google Patents

振動計測装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7001219B2
JP7001219B2 JP2017246551A JP2017246551A JP7001219B2 JP 7001219 B2 JP7001219 B2 JP 7001219B2 JP 2017246551 A JP2017246551 A JP 2017246551A JP 2017246551 A JP2017246551 A JP 2017246551A JP 7001219 B2 JP7001219 B2 JP 7001219B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
standard deviation
measured value
piezoelectric sensor
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017246551A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019113396A (ja
Inventor
一洋 谷本
光伸 吉田
克己 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2017246551A priority Critical patent/JP7001219B2/ja
Publication of JP2019113396A publication Critical patent/JP2019113396A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7001219B2 publication Critical patent/JP7001219B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Description

本発明は、生体等の計測対象の振動を計測する振動計測装置に関する。
近年、医療分野に限らず各種の分野において、人などの生体についての体動、心拍(脈拍)、呼気(呼吸数)等の生体情報の計測が行われると共に、計測結果に基づいて生体に対する各種の判定が行われている。
特許文献1には、生体信号検出手段としてケーブル状の圧電センサを用いて生体の心拍や呼吸などに同期した体動信号を検出し、検出した体動信号に基づいて生体の生理心理状態を判定する生体状態判定装置が提案されている。また、特許文献1の生体状態判定装置は、生体信号検出手段によって検出された生体信号データのリアブノフ指数を演算し、リアブノフ指数の平均値と標準偏差の少なくとも一つに基づいて生体の生理心理状態を判定する。
特開2007-125279号公報
ところで、振動情報の計測を開始するタイミングが明らかである場合、例えば、スイッチ操作によって振動情報の計測を開始することができる。しかし、スイッチ操作等により計測を開始することを忘れてしまい、振動情報を計測できないことがある。振動情報を確実に取得する方法としては、振動が計測装置に印加される前から計測装置を継続的に作動させる方法があり、これにより、スイッチ操作を行うタイミングを気にすることなく、計測装置に印加された振動の情報を確実に取得することができる。しかし、この方法では、振動情報以外のデータも蓄積されるので、蓄積されるデータ量が多くなると共に、蓄積されたデータから振動情報に関するデータを抽出する作業が煩雑となる。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、生体情報としての生体の振動などの計測対象の振動の計測を容易にできる振動計測装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の具体的手段は、以下の通りである。
<1> 可撓性を有する圧電体が一対の電極間に設けられ、計測対象の振動によって前記圧電体が変位することで該変位に応じて変化する電位差が前記一対の電極間に生じる圧電センサと、
前記圧電センサの前記一対の電極間の電位差を検出して、該電位差に応じた計測値を出力する計測部と、
所与の時間の間隔で、該時間内における前記圧電センサの前記計測値の標準偏差を演算する演算部と、
前記標準偏差と該標準偏差について所与の基準値とを比較して、前記圧電センサの計測値を出力するか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて前記圧電センサの計測値を出力する出力部と、
を含む振動計測装置。
<2> 前記判定部は、前記標準偏差が前記基準値以上となった場合に、前記圧電センサの計測値を出力すると判定する<1>の振動計測装置。
<3> 前記判定部は、前記標準偏差が前記基準値に満たなくなった場合に、前記圧電センサの計測値の出力を停止すると判定する<2>の振動計測装置。
<4> 前記出力部から出力される前記圧電センサの計測値を記録する記録部を含む<1>から<3>の何れかの振動計測装置。
<5> 複数の前記圧電センサによって構成されるセンサ群を備え、
前記計測部は、複数の前記圧電センサの各々の計測値を出力し、
前記演算部は、複数の前記圧電センサの各々の前記所与の時間内の標準偏差を演算し、
前記判定部は、複数の前記圧電センサの各々の前記標準偏差と前記基準値とを比較して、計測値を出力するか否かを判定する<1>から<4>の何れかの振動計測装置。
<6> 前記センサ群を複数備え、
前記判定部は、前記センサ群ごとに、複数の前記圧電センサの各々の前記標準偏差と前記基準値とを比較して、計測値を出力するか否かを判定し、
前記出力部は、前記センサ群ごとに前記圧電センサの計測値を出力する<5>の振動計測装置。
<7> 前記演算部は、前記圧電センサごとの前記所与の時間内の計測値の前記標準偏差と共に、該計測値の平均値を演算し、
前記判定部は、前記圧電センサごとの前記平均値及び前記標準偏差に基づいて、計測値を出力する圧電センサを選択する選択部を含み、
前記出力部は、前記選択部において選択された前記圧電センサの計測値を出力する<5>又は<6>の振動計測装置。
<8> 前記選択部は、前記標準偏差に対する前記平均値の比が大きい圧電センサを選択する<7>の振動計測装置。
<9> 前記選択部は、前記標準偏差に対する前記平均値の比が大きい順に一つ又は複数の圧電センサを選択する<7>又は<8>の振動計測装置。
<10> 前記選択部は、前記標準偏差に対する前記平均値の比の大きい順が変化した場合に、前記標準偏差に対する前記平均値の比が大きい順に一つ又は複数の圧電センサを選択する<9>の振動計測装置。
<11> 前記圧電センサは、前記計測対象が着用する着衣に設けられた<1>から<10>の何れかの振動計測装置。
本発明の態様によれば、生体情報としての生体の振動などの計測対象の振動の計測を容易にできる、という効果がある。
第1の実施の形態に係る生体情報計測システムの概略構成を示すブロック図である。 (A)~(C)の各々は、第1の実施の形態に係る圧電センサの概略構成図である。 第1の実施の形態の生体情報計測装置における計測処理の概略を示す流れ図である。 第2の実施の形態に係る生体情報計測システムの概略構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態に係る圧電センサの装着例を示す概略図である。 第3の実施の形態に係る生体情報計測システムの概略構成を示すブロック図である。 第3の実施の形態に係る圧電センサの取り付け例を示す概略図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
本発明の一態様は、加振されることで変位する可撓性を有する圧電体が一対の電極の少なくとも一方に設けられ、圧電体が変位することで該変位に応じて変化する電位差が前記一対の電極間に生じる圧電センサと、計測対象に設けられた圧電センサの一対の電極間の電位差を検出して、該電位差に応じた計測値を出力する計測部と、所与の時間間隔で、該時間内における圧電センサの計測値の標準偏差を演算する演算部と、前記標準偏差と該標準偏差について予め設定された基準値とを比較して、前記圧電センサの計測値を出力するか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて前記圧電センサの計測値を出力する出力部と、を含む。
また、本態様における判定部は、標準偏差が基準値以上となった場合に、圧電センサの計測値を出力すると判定することを含んでもよく、判定部は、標準偏差が基準値に満たなくなった場合に、圧電センサの計測値の出力を停止すると判定することを含んでもよい。
また、本態様は、出力部から出力される圧電センサの計測値を記録する記録部を含むことがより好ましい。
本態様における圧電センサは、計測対象が着用する着衣に設けることができる。
本態様では、測定対象の一例として生体としての人(測定対象者)を適用し、以下では、振動計測装置としての生体情報計測装置を例に説明する。生体情報計測装置は、生体情報として測定対象者から発せられる振動を計測する。計測対象者の振動には、測定対象者の脈拍(心拍)、体動、呼吸時に発生する振動、筋振動などが含まれ、生体情報計測装置は、これらの振動のうちの少なくとも一つの振動の計測に用いられる。
〔第1の実施の形態〕
図1には、第1の実施の形態に係る振動計測装置としての生体情報計測システム10の概略構成がブロック図にて示されている。
図1に示すように、生体情報計測システム10には、振動計測部としての生体情報計測装置12、及び記録部としての記録装置14が設けられている。生体情報計測装置12には、計測部16、演算部としての演算処理部18、判定部20及び出力部22が設けられている。また、記録装置14には、データ記録部24及びデータ出力部26が設けられている。
生体情報計測装置12の計測部16は、A/D変換部28及び検出手段としての圧電センサ30を備えている。圧電センサ30は、可撓性を有しており、振動されるなどして外力が加えられることで変位が生じ、変位に応じた計測値(アナログ信号)を出力する。圧電センサ30は、計測対象者に装着されることで、計測対象者が発する振動等の計測に用いられる。圧電センサ30は、粘着性を有するシート体に配置されて測定対象者の体に貼付されるなどして設けてもよく、測定対象者の体に接触するアンダーウェアなどの着衣に設けられてもよい。また、計測対象者が座席などに着座した状態で計測する場合には、圧電センサ30は、座席のシートやシートバックなどの部材に設けてられてもよい。
A/D変換部28は、A/D変換器(図示省略)を備えており、A/D変換部28は、圧電センサ30の計測値に対して所定のサンプリング周期で信号変換(アナログ/デジタル変換)を行う。これにより、圧電センサ30の計測値xが時間(サンプリング周期)tsの間隔にて出力される。A/D変換部28におけるサンプリング周期(時間ts)は、計測する振動周期に対してサンプリング定理に基づいて設定されればよい。
本態様の圧電センサは、加振されることで変位する可撓性を有する圧電体が一対の電極間に設けられ、圧電体が変位することで該変位に応じて変化する電位差が一対の電極間に生じる。
また、本態様の圧電センサは、一対の電極の一方が線状の内部導体であり、一対の電極の他方が、筒状の外周導体であり、外周導体の内部に内部導体が同軸上に設けられていることが好ましい。また、圧電センサの圧電体は、有機圧電材料が用いられた長尺とされ、内部導体に対して一方向に螺旋状に巻回されて設けることができる。
第1の実施の形態において、圧電センサ30は、一対の電極として互いに対向された第1の導体及び第2の導体を備えており、第1の導体及び第2の導体は、外力によって変位可能にされている。第1の導体と第2の導体との間には、絶縁体としての圧電体が配置されており、圧電体は、印加された張力によって変位されることで、分極が発生する。
圧電センサ30が受ける外力には、圧電センサ30が直接的に受ける引張、加圧及び屈曲が含まれると共に、圧電センサ30が受ける振動が含まれる。圧電センサ30の変位には、入力された外力による部分的又は全体的な伸長、圧縮などの復帰可能な変位が含まれる。
圧電センサ30は、外力によって第1の導体及び第2の導体が変位されることで、変位に応じて圧電体に分極及び分極によって電荷が誘起し、第1の導体と第2の導体との間に電位差が生じる構成とされている。
図2(A)には、圧電センサ30の概略構成が示されている。
図2(A)に示すように、圧電センサ30は、第1の導体及び第2の導体(一対の電極)の一方が棒状又は糸状(線状)の内部導体32とされ、第1の導体及び第2の導体の他方が筒形状にされて内部導体32の周囲を囲う外周導体34とされている。圧電センサ30は、外周導体34と略同軸上に内部導体32が配置されてライン状(同軸ケーブル状)に形成されており、内部導体32と外周導体34との間には、絶縁体としての圧電体36が配置されている。圧電センサ30では、入力された外力に応じて内部導体32と外周導体34との間の圧電体36に変位が生じ、変位が生じることで圧電体36に分極が生じる。圧電センサ30は、圧電体36に分極が生じることで、内部導体32と外周導体34との間に生じている電位差が変化する。
圧電センサ30の内部導体32としては、任意の導体を用いることができるが、錦糸線であることがより好ましい。錦糸線の形態は、繊維に対して、圧延銅箔が螺旋状に巻回された構造を有するが、電気伝導度の高い銅が用いられていることにより出力インピーダンスを低下させることが可能となり、電圧信号の検出が容易となると共に、圧電感度、及び圧電出力の安定性をより向上できる。
圧電センサ30には、有機物(有機化合物、有機圧電材料)であり、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含む長尺状の圧電体36が用いられている。なお、圧電センサ30は、内部導体32及び外周導体34(第1の導体及び第2の導体)の一方に圧電体36が設けられていればよい。
圧電体36に含まれるヘリカルキラル高分子(A)としては、圧電性をより向上させる観点から、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸(polylactic acid:PLA)系高分子であることが好ましく、また、D体又はL体からなることが好ましい。圧電体36は、長さ方向とヘリカルキラル高分子(A)の主配向とが略平行とされており、圧電体36は、配向度Fが、0.5以上、1.0未満とされている。なお、ヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向とは、ヘリカルキラル高分子(A)の主たる配向方向を意味する。また、配向度Fは、圧電体36に含まれるヘリカルキラル高分子(A)の配向の度合いを示す指標であり、例えば、広角X線回折装置(リガク社製 RINT2550、付属装置:回転試料台、X線源:CuKα、出力:40kV 370mA、検出器:シンチレーションカウンター)により測定されるc軸配向度である。圧電体36のヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向は、圧電体36の配向度Fを測定することによって確認できる。
Figure 0007001219000001
外周導体34には、内部導体32の外周面に沿いかつ隙間がないようにされて、圧電体36が一方向に螺旋状に巻回されて形成されている。外周導体34は、帯状の導体の少なくとも一方の面に圧電体36が設けられ、圧電体36と共に内部導体32に対して一方向に螺旋状に巻回されることで、筒状に形成されてもよい。圧電体36は、一方向に螺旋状に巻回されていることで、外周導体34に加圧(例えば、径方向外側からの押圧)、引張、屈曲等を生じさせる外力を受けた際に、長さ方向に張力(応力)が印加される。圧電体36は、長さ方向に張力(応力)が印加されることで変位し、ヘリカルキラル高分子(A)にずり力が加わり、外周導体34の径方向にヘリカルキラル高分子(A)の分極が生じる。その分極方向は、螺旋状に巻回された圧電体36を、その長さ方向に対して平面と見做せる程度の微小領域の集合体とみなした場合、その構成する微小領域の平面に、張力(応力)に起因したずり力がヘリカルキラル高分子(A)に印加された際の、圧電応力定数に起因して発生する電界の方向と略一致する。
具体的には、例えばポリ乳酸(PLA)において分子構造が左巻き螺旋構造からなるL-乳酸のホモポリマー(PLLA)の場合、PLLAの主配向方向と長さ方向が略平行な圧電体36を、内部導体32に対して左巻きに螺旋状に巻回した構造体に張力(応力)が印加されると、径方向に平行に、張力と垂直な円状断面の中心から外側方向への電界(分極)が発生する。また、これとは逆にPLLAの主配向方向と長さ方向が略平行な圧電体36を、内部導体32に対して右巻きに螺旋状に巻回した構造体に張力(応力)が印加された場合、径方向に平行に、張力と垂直な円状断面の外側から中心方向への電界(分極)が発生する。
また、例えば分子構造が右巻き螺旋構造からなるD-乳酸のホモポリマー(PDLA)の場合、PDLAの主配向方向と長さ方向が略平行な圧電体36を、内部導体32に対して左巻きに螺旋状に巻回した構造体に張力(応力)が印加されると、径方向に平行に、張力と垂直な円状断面の外側から中心方向への電界(分極)が発生する。また、これとは逆にPDLAの主配向方向と長さ方向が略平行な圧電体36を、内部導体32に対して右巻きに螺旋状に巻回した構造体に張力(応力)が印加されると、径方向に平行に、張力と垂直な円状断面の中心から外側方向への電界(分極)が発生する。
これにより、圧電センサ30の長さ方向に張力が印加された際には、螺旋状に配置された圧電体36の各部位において、張力に比例した電位差が位相の揃った状態で発生するため、圧電センサ30は、効果的に張力に比例した電圧信号を出力できる。
圧電センサ30は、内部導体32と外周導体34との間において、内部導体32の外周面に沿って螺旋状に巻回された絶縁体(図示省略)を備えることが好ましい。絶縁体は、外周導体34の圧電体36と交互に交差された組紐構造をなすことがより好ましく、圧電体36に張力がかかりやすくなる観点から、圧電体36と絶縁体との隙間が無い方がより好ましい。
内部導体32と外周導体34との間に絶縁体を配置することで、圧電センサ30が弾性変形可能になると共に、繰り返し屈曲されたり、小さい曲率半径で屈曲されたりした際に隙間が生じるのを抑制でき、かつ内部導体32と外周導体34とを電気的により確実に遮蔽することが可能となり、内部導体32と外周導体34とが電気的に短絡するのを防止できる。このため、圧電センサ30が屈曲して使用される用途においても高い信頼性を確保可能となる。また、絶縁体と圧電体36とは、交互に交差された組紐構造とされてもよく、組紐構造とされること、圧電センサ30の屈曲変形時において、圧電体36が内部導体32に対して一方向に巻回した状態を保持しやすくできる。
圧電センサ30は、外周導体34(圧電体36)の外周に絶縁体(図示省略)を備えることが好ましい。外周導体34の外周に絶縁体を備えることにより、外部からの水や汗等の液体やほこり等の侵入などを抑制できて、浸入物に起因する内部導体32と外周導体34との間の漏れ電流の発生を抑制できる。
また、圧電センサ30は、圧電体36が長尺平板形状を有する場合、圧電感度、及び圧電出力の安定性を向上する観点から、圧電体36の少なくとも一方の主面の側に機能層が配置されていることが好ましい。機能層は、接着層、ハードコート層、帯電防止層、アンチブロック層、保護層、及び電極層のうちの少なくとも一つを含むことが好ましい。これにより、例えば、圧電デバイス(圧電織物、圧電編物等)、力センサ、アクチュエータ、生体情報取得デバイスへの適用がより容易になる。また、機能層として電極層を含むことで、圧電センサ30を、例えば、圧電デバイス(圧電織物、圧電編物等)、力センサ、アクチュエータ、生体情報取得デバイスの構成要素の一つとして用いた場合に、外周導体34又は内部導体32と、他の積層体との接続をより簡易に行うことができるので、本実施の形態の圧電基材(圧電体36)に張力が印加されたときに、張力に応じた電圧信号が検出されやすくなる。
また、接着層を含むことで内部導体32と外周導体34(圧電体36)との相対位置がずれにくくなるため、圧電体36に張力がかかりやすくなり、圧電体36に含まれるヘリカルキラル高分子(A)にずり応力が印加されやすくなる。これにより、効果的に張力に比例した電圧出力を内部導体32と外周導体34との間から検出することが可能となる。また、接着層を備えることで、単位引張力当たりの発生電荷量の絶対値がより増加する。
図2(B)には、圧電センサ30の変形例として、外周導体34が二層構造とされた圧電センサ30Aが示されている。外周導体34を二層構造とする際には、一方向に巻回された内側の圧電体36(36A)の外周に、もう一つの圧電体36(36B)を一方向とは交差する他方向に螺旋状に巻回されることが好ましい。この際、圧電体36Aに含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラティと、圧電体36Bに含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラティとが互いに異なることが好ましい。
これにより、例えば、外周導体34の長さ方向に張力が印加されたときに、圧電体36Aに含まれるヘリカルキラル高分子(A)、及び圧電体36Bに含まれるヘリカルキラル高分子(A)の両方に分極が生じる。分極方向は、いずれも外周導体34の径方向であるので、より効果的に張力に比例した電圧信号(電荷信号)を検出でき、圧電感度、及び圧電出力の安定性をより向上できる。また、圧電体36を二層構造とすることで、内部導体32に対して、圧電体36A及び圧電体36Bの空隙を少なくして密着させることが可能となり、張力によって発生した電界が効率よく伝達されやすくなり、高感度化を実現できる。
図2(C)には、圧電センサ30の圧電センサ30Aとは別の変形例として、外周導体34を形成する圧電体36Aと圧電体36Bとが交互に交差された組紐構造とされた圧電センサ30Bが示されている。圧電センサ30Bは、圧電体36Aと圧電体36Bとが組紐構造とされることで、外周導体34の長さ方向に張力が印加された際に、圧電体36Aに含まれるヘリカルキラル高分子(A)、及び圧電体36Bに含まれるヘリカルキラル高分子(A)の両方に、外周導体34の径方向に分極が生じるので、圧電感度及び出力電圧の安定性がより向上される。しかも、二層構造とした圧電体36A、36Bの間に適度な空隙が生じるため、屈曲変形するような力が働いた際にも、空隙が変形を吸収して、振動された際に、しなやかに屈曲変形しやすくなる。
このように構成されている圧電センサ30は、環境温度に対する計測値の変化が少ない。このため、環境温度に応じた計測値の補正が不要となるので、温度変化が生じやすく環境下においても、適正な計測値が得られる。
また、圧電センサ30は、ダイナミックレンジが広く、小さな変位も計測できるので、空気を伝播した振動などの計測が可能となり、装着位置の自由度が高くなっている。
また、圧電センサ30を用いることで、計測値を出力するためのバイアス電源が不要となるので、計測部16の省電力化を図ることができる。
生体情報計測システム10において圧電センサ30は、糸状に形成されることが好ましい。圧電センサ30が糸状に形成されることで、計測対象者が着用する衣類に縫い込む(織り込み及び編み込みを含む)ことができる。また、糸状に形成された圧電センサ30は、シート等に配置できるので、圧電センサ30を配置したシートを計測対象者の体や衣服に貼り付けてもよい。圧電センサ30によって就寝時の振動等を計測する場合には、糸状の圧電センサ30を寝具(敷布団、シーツ、掛け布団又は掛け布団カバー)に縫い込んで配置できる。さらに、糸状の圧電センサ30は、座席などの計測対象者が接触する部材への配置が容易となる。また、圧電センサ30は、糸状に形成されることで容易に変位されるので、振動の計測が容易になる。
一方、図1に示す生体情報計測装置12は、CPU、ROM、RAM、不揮発性の記憶媒体、入出力インターフェイス等がバスによって接続されたマイクロコンピュータ(マイコン、図示省略)を備えている。生体情報計測装置12は、CPUが記憶媒体に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、マイコンが演算処理部18、判定部20及び出力部22として機能する。
演算処理部18は、A/D変換部28から入力される計測値xに対して標準偏差σの演算を行う。標準偏差σの演算は、予め設定された時間(所与の時間)Tcの間隔で実行される。時間Tcは、A/D変換部28が計測値xを出力する時間(サンプリング周期)tsよりも長い時間とされている(ts<Tc)。また、時間Tcは、計測対象とする振動の周期に応じた時間が設定されることが好ましい。振動に応じた周期としては、少なくとも振動の1周期以上の時間であり、振動の複数周期分の時間であることが好ましい。これにより、演算される標準偏差σに計測対象の振動に起因する計測値xを含むことができる。
演算処理部18における標準偏差σの演算手法に制限はないが、演算処理部18は、例えば、時間Tcにおいて時系列的に入力される計測値x~xについて高速フーリエ変換処理(FFT:fast Fourier transform)を行う。計測対象者などの生体が発する振動は、比較的低い周波数の振動となる。ここから、高速フーリエ変換処理においては、ローパスフィルタを用いて低周波数成分(例えば10Hz未満の周波数成分)を抽出する。これにより、ノイズ成分となる高周波成分を除去できる(ノイズ除去)ので、ノイズ成分に起因する演算誤差を抑制できる。また、高速フーリエ変換処理において、直流成分を除去することがより好ましい。これにより、標準偏差σは、計測値x~xの実効値として容易にかつ高速(短時間)に演算される。
判定部20は、標準偏差σの大きさや変化から計測期間を判定する。計測期間は、計測対象者の状態が、生体情報の計測に好ましい状態となっていると予測される期間であり、計測対象者の体動状態(振動状態)が振動の計測に好ましい状態と予測される期間であり、好ましい計測値xが得られると予測される期間としている。計測期間の前後は、計測開始タイミング及び計測終了タイミングとされる。判定部20は、計測期間において計測を開始する開始タイミング(開始タイミングに至った)を判定する。また、判定部20は、計測期間において計測開始タイミング及び計測を終了する計測終了タイミングを判定することがより好ましい。
計測開始タイミング及び計測終了タイミングの判定には、時間Tcにおける計測値xの標準偏差σに対して予めしきい値として設定した基準値Thを用いることができる。基準値Thは、計測開始タイミングを判定する基準値Thsと計測終了タイミングを判定する基準値Theとで異なってもよく、基準値Thsと基準値Theとが同様であってもよい。基準値Thは、計測する振動、計測対象者の体における振動源(例えば、心拍を計測する際の心臓)と圧電センサ30の位置、圧電センサ30の感度、及び圧電センサ30への振動の伝播特性などが考慮されて設定されることが好ましい。また、基準値Thは、計測対象者に対して振動等の計測を行う環境(計測環境)が考慮されることがより好ましい。即ち、圧電センサ30が外乱(計測対象者の振動等とは異なる振動)を受けて計測値xが変化しやすい計測環境の場合と、圧電センサ30が外乱を受け難い計測環境の場合とでは、基準値Thが異なることがより好ましい。これにより、計測開始タイミング及び計測終了タイミングの判定の精度を向上できる(判定誤差を抑制できる)。
基準値Thは、実際の計測環境と同様の計測環境において試験等を行って計測値xを取得し、取得した計測値xから演算した標準偏差σを用いて設定してもよい。この際の基準値Thは、演算した標準偏差σを中心とした許容範囲を設定し、設定した許容範囲内で設定されてもよい。
基準値Thを用いた判定部20の判定は、計測環境によって異なることが好ましい。例えば、計測値xが、計測期間より前は小さい値であり、徐々に増加して計測期間に入るような計測対象及び計測環境下においては、標準偏差σが基準値Th(Ths)以上となった場合(σ≦Th)、判定部20は、計測開始タイミングに至ったと判定すればよい。
また、計測値xが、計測期間後に、計測期間より小さい値となるような計測対象及び計測環境下においては、標準偏差σが基準値Th(The)より低くなった場合(σ≦Th)、判定部20は、計測終了タイミングに至ったと判定すればよい。
また、本態様と異なる態様としては、標準偏差σが基準値Th(Ths)を越えた場合(σ>Th)、判定部20は、計測開始タイミングに至ったと判定し、標準偏差σが基準値Th(The)以下となった場合(σ≦Th)、判定部20は、計測終了タイミングに至ったと判定すればよい。
また、本態様と別の態様としては、例えば、計測値xが、計測期間の直前は比較的大きい値であり、徐々に低下して計測期間に入るような計測対象及び計測環境下においては、標準偏差σが基準値Th(Ths)以下となった場合(σ≦Th)、又は標準偏差σが基準値Th(Ths)より低くなった場合(σ<Th)、判定部20は、計測開始タイミングに至ったと判定すればよい。また、計測値xが、計測期間後に、計測期間より大きい値となるような計測対象及び計測環境下においては、標準偏差σが基準値Th(The)以上となった場合(σ≧Th)、又は標準偏差σが基準値Th(The)を越えた場合(σ>Th)、判定部20は、計測終了タイミングに至ったと判定すればよい。
本態様と別の態様における判定部20の判定には、標準偏差σの変化を用いてもよい。例えば、計測対象者の動作が安定した状態では、計測値xの標準偏差σの変化が少なくなることから、時間tcごとに演算される標準偏差σの変化幅の基準値が設定されてもよい。この場合、判定部20は、例えば、時系列的に演算される標準偏差σにおいて、前回の標準偏差σと今回の標準偏差σとの差分が基準値内であるか否かを判定する。また、判定部20は、順に演算された複数の標準偏差σに間で、差分が基準値内でとなった場合に、計測タイミングと判定するようにしてもよい。
本態様において、基準値Th(Ths、The)は、予め試験等によって計測値xを予測し、予測した計測値xの標準偏差を演算し、演算した標準偏差に基づいて設定することが好ましい。予め演算して求めている標準偏差に対して、例えば0.9倍などの倍率として基準値Thが設定されてもよい。さらに、同様の計測対象者について、過去に同様の計測結果を得ている場合、その過去の計測結果における計測値の標準偏差を用いて基準値Thが設定されてもよい。
出力部22は、判定部20において、計測開始タイミングに至ったと判定された場合に、A/D変換部28から入力される計測値xを出力する。なお、出力部22は、計測値xの出力を開始する際に、計測時刻を特定し得る時刻データ(タイムスタンプ)を付加することがより好ましい。これにより、時刻データと計測値xのサンプリング周期から各計測値xについて、計測時刻の特定を容易にできる。
記録装置14のデータ記録部24は、HDDやEEPROMなどの不揮発性の記憶デバイス(図示省略)を備えており、データ記録部24では、計測値xが入力されることで、入力された計測値xを時系列的に記憶デバイスに格納する。
記録装置14のデータ出力部26は、一つ又は複数の出力デバイス(図示省略)を備えており、データ出力部26は、計測値xの出力が要求されることで、要求された計測値xを記憶デバイスから読み出して出力する。出力デバイスとしては、例えば、プリンタ(印刷デバイス)を用いてもよく、データ出力部26は、プリンタを用いて計測値xの時間変化を印刷出力する。また、出力デバイスとしては、ディスプレイ(表示デバイス)を用いてもよく、データ出力部26は、予め設定されたU/Iなどを用いて計測値x及び計測値xの変化をディスプレイに表示する。さらに、出力デバイスとしては、通信デバイスを用いてもよく、データ出力部26は、通信デバイスを用いて計測値xを伝送する。この際の計測値xの出力先(伝送先)としては、予め設定された出力先であれば制限はなく、例えば、生体情報を蓄積する機能を有するサーバであってもよく、各種の携帯端末であってもよい。
記録装置14は、マイコンを備え、CPUがプログラムを実行することで、マイコンがデータ記録部24及びデータ出力部26と機能してもよい。また、記録装置14は、生体情報計測装置12と一体にされて、生体情報計測装置12のマイコンがプログラムを実行することで、データ記録部24及びデータ出力部26として機構する構成であってもよい。
また、生体情報計測装置12及び記録装置14は、一つ又は複数のASIC(Application Specific Integrated Circuit)等が用いられて構成されてもよい。特に生体情報計測装置12は、ASICによって構成されることで、小型化できて、計測対象者が圧電センサ30と共に生体情報計測装置12を装着しても、計測対象者が生体情報計測装置12を装着していると感じてしまうのを抑制できる。
また、生体情報計測装置12の出力部22は、可搬式(可搬型)の記憶デバイス(メモリーカードなど)が装着されることで、可搬型記憶デバイスに計測値xを格納する構成であってもよい。この場合、記録装置14のデータ記録部24は、出力部22から取り出された可搬型記憶デバイスが装着されることで、可搬型記憶デバイスに記録された計測値xを読み出して、記憶デバイスに格納する構成であればよい。また、出力部22が可搬型記憶デバイスに計測値xを順に格納する場合、生体情報計測システム10は、記録装置14が省略されてもよい。
さらに、生体情報計測システム10は、生体情報計測装置12と記録装置14とが無線通信手段を介して接続されてもよい。無線通信手段の通信方式としては、ワイヤレスPAN(Personal Area Network)、ワイヤレスHAN(Home Area Network)又はワイヤレスLAN(Local Area Network)などの通信方式を適用できる。これにより、生体情報計測システム10は、生体情報計測装置12で計測された計測値xの取り出しが容易となると共に、生体情報計測装置12と記録装置14との接続のための通信線等が不要になるので、生体情報計測装置12と記録装置14とを別体とした際に、乗員が装着した生体情報計測装置12から通信線が引出されることで、計測対象者が煩わしいと感じたり、通信線が計測対象者の動作に影響を及ぼしてしまうのを抑制できる。
次に、図3を参照しながら、生体情報計測システム10における生体情報計測装置12の動作を説明する。
図3には、生体情報計測装置12の動作の概略が流れ図にて示されている。なお、生体情報計測装置12の判定部20は、標準偏差σが基準値Ths以上となると、計測開始タイミングに至ったと判定し、圧電センサ30が計測対象者から外されて、標準偏差σが基準値The以下となることで、計測終了タイミングに至ったと判定する。
生体情報計測装置12は、計測対象者に装着されて、図示しないバッテリーなどの電源から電力が供給されることで動作されて、図3のフローチャートが実行される。また、生体情報計測装置12は、電力供給が停止(例えば、バッテリーが外された場合など)されることで、動作が終了する。圧電センサ30は、計測対象者に装着されることで、計測値を出力する。
生体情報計測装置12は、動作を開始すると、A/D変換部28において圧電センサ30から入力された計測値がデータ変換されて時間(サンプリング周期)tsごとに計測値xが出力される。
ここで、図3のフローチャートでは、最初のステップ100において、計測値xを順に読み込んで標準偏差σの演算処理が行われる。標準偏差σが演算されると、ステップ102では、標準偏差σと基準値Th(Ths)が比較され、次のステップ104では、標準偏差σが基準値Ths以上となったかが確認される。この際、標準偏差σが基準値Thに達していなければ、ステップ104において否定判定されて、新たに計測された計測値xに対する標準偏差σの演算処理が行われる。
標準偏差σが、基準値Ths以上(σ≧Ths)となると、ステップ104において肯定判定されてステップ106に移行する。ステップ106では、出力部22から計測値xの出力が開始される。これにより、生体情報計測装置12から計測値xが出力され、出力された計測値xは、記録装置14のデータ記録部24において記録デバイスに格納される。
また、生体情報計測装置12は、計測値xを出力すると共に、ステップ108において計測値xを順に読み込んで標準偏差σの演算処理が行われる。なお、標準偏差σの演算処理は継続的に行われる。
ステップ110では、演算された標準偏差σと基準値Th(The)とが比較され、次のステップ112では、標準偏差σが基準値Theより下がったか否かが確認される。ここで、標準偏差σが基準値The以上であると(σ≧The)、ステップ112で否定判定されて、計測値xの出力が継続されると共に、標準偏差σの演算が継続される。
これに対して、計測対象者から圧電センサ30等が外された場合などにおいては、圧電センサ30から出力される計測値xの変化が少なくなり標準偏差σが低下する。これにより、標準偏差σが基準値Theより下がると(σ<The)、ステップ112において肯定判定されて、ステップ114へ移行する。このステップ114では、計測値xの出力を停止する。計測値xの出力が停止されると、記録装置14のデータ記録部24では、記録デバイスへの計測値xの格納が停止される。
このように、生体情報計測装置12は、予め設定されている基準値Th(Ths、The)に基づいて、計測値xの出力開始及び出力停止を行うので、電源スイッチ等を設けることなく、計測期間における計測値xを出力できる。このため、記録装置14のデータ記録部24は、不必要なデータの格納が行われることなく、計測期間の計測値xのみを適正に格納することができて、格納したデータ(計測値x)の解析が容易になる。
また、生体情報計測装置12において電源スイッチを省略できることで、生体情報計測装置12をより小型化できるので、計測対象者が装着しても、装着していると感じるのをより抑制できる。
また、生体情報計測装置12は、圧電センサ30が実際に振動を計測している計測期間において計測値xを出力するので、データ記録部24は、計測値xとみなせないデータが記憶デバイスに記憶されることがない。
〔第2の実施の形態〕
本態様は、複数の圧電センサによって構成されるセンサ群を備え、計測部は、複数の圧電センサの各々の計測値を出力し、演算部は、複数の圧電センサの各々の所与の時間内の標準偏差を演算し、判定部は、複数の圧電センサの各々の標準偏差と基準値とを比較して、計測値を出力するか否かを判定することを含む。
また、本態様は、センサ群を複数備え、判定部は、センサ群ごとに、複数の圧電センサの各々の標準偏差と基準値とを比較して、計測値を出力するか否かを判定し、出力部は、センサ群ごとに圧電センサの計測値を出力してもよい。
本態様において、センサ群は、圧電センサが異なる方向に配列されていてもよく、また、圧電センサが計測対象者の体の異なる部位に対応されるように配置されてもよい。
また、本態様において、演算部は、圧電センサごとの所与の時間内の計測値の標準偏差と共に、該計測値の平均値を演算し、判定部は、圧電センサごとの平均値及び標準偏差に基づいて、計測値を出力する圧電センサを選択する選択部を含み、出力部は、選択部において選択された圧電センサの計測値を出力してもよい。
また、本態様において、選択部は、標準偏差に対する平均値の比が大きい圧電センサを選択することを含んでもよい。この場合、選択部は、標準偏差に対する平均値の比が大きい順に一つ又は複数の圧電センサを選択してもよく、選択部は、標準偏差に対する平均値の比の大きさの順序が変化した場合に、標準偏差に対する平均値の比が大きい順に一つ又は複数の圧電センサを選択することがより好ましい。
さらに、本態様において、選択部は、所与の時間間隔で計測値を出力する圧電センサを選択してもよく、計測値を出力する圧電センサの選択を連続的に行ってもよい。計測値を出力する圧電センサの選択を連続的に行うことで、振動を精度よく検出できる。また、計測値を出力する圧電センサの選択を所与の時間間隔で行うことにより、選択部(CPU)における情報処理負荷を小さくできる(増加を抑制できる)。
以下に、第2の実施の形態を説明する。図4には、第2の実施の形態に係る生体情報計測システム40の概略構成が示されており、図5には、第2の実施の形態における計測対象者が模式的に示されている。
図4に示すように、生体情報計測システム40は、振動計測装置としての生体情報計測装置42及び記録部としての記録装置14を備えており、生体情報計測装置42は、生体情報計測システム10の生体情報計測装置12に換えて適用されている。生体情報計測装置42には、複数の圧電センサ30が用いられており、生体情報計測装置42は、複数の圧電センサ30によって一つのセンサ群38が形成されている点で、生体情報計測装置12と相違する。また、生体情報計測装置42は、複数の圧電センサ30から選択した一つ又は複数の圧電センサ30によって計測した計測値xを出力する点で、生体情報計測装置12と相違する。
複数の圧電センサ30は、計測対象者の体において同様の部位に対応されてもよく、異なる部位に対応されてもよい。図5に示すように、第2の実施の形態では、乳児Bを計測対象者としている。複数の圧電センサ30は、乳児Bが着用する衣類としてのベビーウェアBwにおいて胸部に対応する部位であり心臓を含む領域に織り込まれており、複数の圧電センサ30は、乳児BがベビーウェアBwを着用した際に長手方向が上下方向となるように配置されている。これにより、乳児BにベビーウェアBwを着用させることで、圧電センサ30が乳児Bに装着されると共に、圧電センサ30は、乳児Bの心臓を含む領域に対応される。
図4に示すように、生体情報計測装置42は、計測部44、演算部としての演算処理部46、判定部及び選択部としての判定部48及び出力部としての選択出力部50を備えている。計測部44は、上記複数の圧電センサ30及びA/D変換部52を備える。A/D変換部52は、複数の圧電センサ30の各々から入力される計測値に対して信号変換(A/D変換)を行い、圧電センサ30ごとの計測値xを出力する。
演算処理部46は、圧電センサ30ごとの計測値xについて、時間Tcにおける標準偏差σを演算する。また、演算処理部46は、圧電センサ30ごとの計測値xについて、時間Tcにおける平均値μを演算する。
判定部48には、標準偏差σに対する基準値Th(Ths、The)が設定されており、判定部48は、標準偏差σの各々について基準値Th(Ths)と比較し、計測開始タイミングを判定する。また、判定部48は、計測開始タイミング及び計測終了タイミングを判定することがより好ましい。
第2の実施の形態では、一例として、予め設定された基準値Th(Ths)が、計測期間における計測値xの標準偏差σ以下となるように設定されている。判定部48は、標準偏差σが基準値Th以上(σ≧Th)となることで、計測開始タイミングに至ったと判定し、また、判定部48は、標準偏差σが基準値Th未満(σ<Th)となることで、計測終了タイミングに至ったと判定する。
なお、複数の圧電センサ30が少なくとも2箇所以上の部位に対応されて装着される場合、部位ごとに標準偏差σと基準値Thとが比較されて、部位ごとに計測開始タイミングに至ったか否かを判定されてもよい。この場合、部位ごとに基準値Thが異なってもよい。
判定部48は、圧電センサ30ごとに計測値xと標準偏差σとを比較し、複数の圧電センサ30から計測値xの出力に適用する圧電センサ30を選択する。計測値xは、信号レベルが比較的高く、かつ標準偏差σが比較的小さい値が好ましい。ここから、判定部48は、計測値xの平均値μと標準偏差σとを比較し、平均値μと標準偏差σの比(μ/σ)の大きい圧電センサ30を出力対象として選択する。出力対象とする圧電センサ30の数は、一つであってもよく、2又は3(圧電センサ30の総数が4以上の場合)であってもよい。
選択出力部50は、判定部48において、計測開始タイミングに至ったと判定されると、圧電センサ30の計測値xの出力を開始する。この際、選択出力部50は、判定部48によって出力対象として選択された圧電センサ30の計測値xを出力する。なお、選択出力部50は、判定部48において、計測終了タイミングに至ったと判定されることで、圧電センサ30の計測値xの出力を停止する。
このように構成されている生体情報計測システム40の生体情報計測装置42は、乳児BのベビーウェアBwに取り付けられて、電力供給が開始されることで、動作を開始し、ベビーウェアBwが乳児Bに着用されることで、圧電センサ30の各々が乳児Bの心拍、呼吸、寝返りなどの体動などによって振動されて計測値xを出力する。
生体情報計測装置42の計測部44は、圧電センサ30の各々から入力される信号(電位差)を信号変換することで、圧電センサ30ごとの計測値xを出力する。計測部44から計測値xの出力が開始されると、演算処理部46は、圧電センサ30ごとに計測値xの標準偏差σ及び平均値μを演算する。判定部48は、圧電センサ30の各々について、標準偏差σと基準値Thsとが比較されて、計測開始タイミングが判定される。また、判定部48は、圧電センサ30の各々について平均値μと標準偏差σとを対比させる。
ここで、各圧電センサ30の標準偏差σが基準値Ths以上となると、判定部48は、計測開始タイミングに至ったと判定する。また、判定部48は、標準偏差σに対する平均値μの比[μ/σ]から、複数の圧電センサ30について比[μ/σ]の高い順から順序を設定し、順序の高い圧電センサ30を出力対象に選択する。また、判定部48は、各圧電センサ30の標準偏差σが基準値Ths未満(σ<The)となると、計測終了タイミングに至ったと判定する。
選択出力部50は、計測開始タイミングに至ったと判定されと、出力対象に選択された圧電センサ30の計測値xを出力する。また、選択出力部50は、計測終了タイミングに至ったと判定されと、計測値xの出力を停止する。これにより、記録装置14には、複数の圧電センサ30の中から出力対象とされた圧電センサ30の計測値xが記憶デバイスに格納され、記録装置14の記憶デバイスには、計測期間における振動(心拍)の計測値xが格納される。
ここで、乳児Bの心拍を計測する場合、心臓に最も近い圧電センサ30が受ける振動の振幅が最も大きくなり、計測値xの平均値μが高くなると共に、標準偏差σが相対的に低くなる。このため、標準偏差σに対する平均値μの比[μ/σ]の最も大きい圧電センサ30を選択することで、心拍を精度よく計測することができる。
一方、演算処理部46は、各圧電センサ30の計測値xに対する標準偏差σの演算及び平均値μの演算が継続し、判定部48は、標準偏差σを用いた計測期間の判定、及び比[μ/σ]を用いた圧電センサ30の選択順序の設定を継続する。
ここで、圧電センサ30の選択順序に変化が生じ、比[μ/σ]の大きい圧電センサ30に入れ替わりが生じると、判定部48は、新たに比[μ/σ]が大きくなった(選択順序が最も高くなった)圧電センサ30を出力対象として選択する(出力対象を変更する)。選択出力部50は、出力対象の圧電センサ30が変更されると、変更された圧電センサ30の計測値xを出力する。
これにより、例えば、ベビーウェアBwがずれたり乳児Bが寝返りを打ったりするなどして、乳児B(例えば心臓)に対する圧電センサ30の相対位置が変化しても、心拍を精度よく計測できる。しかも、出力対象の圧電センサ30の選択を、時間Tcの間隔で行うので、処理負荷の増加を抑えることができて、生体情報計測装置42の電力消費を抑制できる。
一方、乳児Bの心拍に換えて脈拍を計測する場合、圧電センサ30をリストバンドに設けることもできる。しかし、乳児Bは、手にリストバンドが装着されていると、リストバンドに触ってしまうのみでなく、リストバンドを外してしまうことがあり、脈拍を精度よく検出することができない。
これに対して、生体情報計測システム40の生体情報計測装置42は、乳児Bが着用するベビーウェアBwに圧電センサ30(センサ群38)を設けているので、乳児BがベビーウェアBwを着用している間は、心拍を精度よく計測できる。
なお、第2の実施の形態では、センサ群38において比[μ/σ]の大きい圧電センサ30の計測値xを記憶デバイスに格納するようにしたが、比[μ/σ]の小さい圧電センサ30又は標準偏差σの最も大きい圧電センサ30の計測値xも計測(記憶)するようにしてもよい。これらの圧電センサ30の計測値xには、心拍以外の振動(例えば、乳児Bの寝返りや乳児Bが睡眠から目覚めて手足を動かすなどの体動)に起因する振動が含まれるので、心拍と体動とを並行して計測することができる。
また、乳児Bが寝返りを打った場合、睡眠から目覚めて体(手足)を動かした場合などは勿論、体調に変化が生じた場合などにおいては、圧電センサ30の計測値xが急に大きくなって、平均値μや標準偏差σが急に大きくなる。ここから、乳児Bの振動を計測する際、計測値x(時間Tcの平均値μでもよい)及び標準偏差σの一方又は双方が急に大きくなったか否かの検出を行い、平均値μ及び標準偏差σの少なくとも一方が急に大きくなった際には、アラーム等によって周囲に報知するようにしてもよい。これにより、乳児Bから目を離していても、乳児Bの状態を把握可能になり、乳児Bに異変が生じた場合にも、迅速な対応が可能となる。
また、第2の実施の形態では、複数の圧電センサ30によって構成されるセンサ群38を用いた。しかしながら、ベビーウェアBwには、一つの圧電センサ30を取り付けるようにしてもよい。
また、第2の実施の形態では、時間Tcの間隔で出力対象の圧電センサ30を選択したが、出力対象とする圧電センサ30の選択は、連続的(例えば、計測値xごと)に行ってもよい。これにより、乳児Bから発せられる振動を精度よく計測できる。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態を説明する。図6には、第3の実施の形態に係る生体情報計測システム60の概略構成が示されており、図7には、第3の実施の形態における計測対象者の着用する衣類が模式的に示されている。
図6に示すように、生体情報計測システム60は、振動計測装置としての生体情報計測装置62及び記録部としての記録装置14を備えており、生体情報計測装置62は、生体情報計測システム40の生体情報計測装置42に換えて適用されている。生体情報計測装置62には、各々が複数の圧電センサ30を備える複数のセンサ群38(第3の実施の形態では、一例として二つのセンサ群38A、38B)が用いられており、生体情報計測装置62は、複数のセンサ群38を備える点で、生体情報計測装置42と相違する。また、生体情報計測装置62は、センサ群38A、38Bの各々について、複数の圧電センサ30から選択した一つ又は複数の圧電センサ30によって計測した計測値xを出力する点で、生体情報計測装置42と相違する。
図7に示すように、第3の実施の形態では、計測対象者が着用する着衣としてのアンダーウェアUwにセンサ群38A、38Bが設けられている。センサ群38Aの圧電センサ30は、計測対象者の腹部に対応する位置に配置され、圧電センサ30の各々は、長手方向が計測対象者の幅方向(計測対象者の体の周方向)とされて、上下方向(計測対象者の体長方向)に配列されている。また、センサ群38Bの圧電センサ30は、計測対象者の胸部から腹部に対応する位置に配置され、圧電センサ30の各々は、長手方向が計測対象者の上下方向とされて、計測対象者の幅方向に配列されている。これにより、計測対象者がアンダーウェアUwを着用することで、センサ群38Aの圧電センサ30が計測対象者の腹部を含む領域に配置され、センサ群38Bの圧電センサ30が計測対象者の胸部及び腹部を含む領域に配置される。
図6に示すように、生体情報計測装置62は、計測部64、演算部としての演算処理部66、判定部及び選択部としての判定部68及び出力部としての選択出力部50を備えている。計測部64は、複数の圧電センサ30及びA/D変換部52を備える。A/D変換部52は、センサ群38A、38Bの各々の複数の圧電センサ30から入力される計測値に対して信号変換(A/D変換)を行い、圧電センサ30ごとの計測値xを出力する。
演算処理部66は、センサ群38Aの圧電センサ30及びセンサ群38Bの圧電センサ30の各々について、時間Tcにおける標準偏差σを演算する。また、演算処理部66は、センサ群38Aの圧電センサ30及びセンサ群38Bの圧電センサ30の各々について、時間Tcにおける計測値xの平均値μを演算する。
判定部68には、センサ群38A、38Bごとに圧電センサ30の標準偏差σに対する基準値Th(Ths、The)が設定されており、基準値Th(Ths、The)は、センサ群38A、38Bについて同様の値であってもよく、異なる値であってもよい。判定部68は、演算処理部66において演算された標準偏差σの各々について基準値Th(Ths)と比較し、計測期間(計測開始タイミング及び計測終了タイミング)を判定する。なお、計測期間は、センサ群38A、38Bの各々について判定されてもよいが、センサ群38A、38Bの計測期間が同様となるように判定することが好ましい。
また、判定部68は、センサ群38A、38Bの各々について、圧電センサ30ごとに標準偏差σに対する平均値μの比[μ/σ]を算出して、センサ群38A、38Bの各々について、比[μ/σ]の大きい順にして出力対象とする圧電センサ30の順序を設定する。なお、順序の設定は、少なくとも出力対象の圧電センサ30を選択できるように設定されてもよく、例えば、2つの圧電センサ30を選択する場合、上位の2又は3の圧電センサ30についてのみ順序が設定されてもよい。
選択出力部50は、判定部68において、計測開始タイミングに至ったと判定されると、圧電センサ30の計測値xの出力を開始する。この際、選択出力部50は、センサ群38A、38Bの各々について判定部68によって出力対象として選択された圧電センサ30の計測値xを出力する。なお、選択出力部50は、判定部68において、計測終了タイミングに至ったと判定されることで、圧電センサ30の計測値xの出力を停止する。
このように構成されている生体情報計測システム60の生体情報計測装置62は、圧電センサ30が縫い込まれたアンダーウェアUwを計測対象者が着用することで、計測対象者から発せられる振動を計測する。このアンダーウェアUwには、センサ群38A、38Bが設けられており、センサ群38Aが腹部に配置され、センサ群38Bが胸部から腹部に渡って配置されている。
ここで、計測対象者は、心拍によって胸部が振動されて、胸部の振動がセンサ群38Bの圧電センサ30によって計測できる。
また、計測対象者が呼吸することで、計測対象者が呼吸する(空気を吸込む)際に腹部が膨らむ。この腹部の膨らみに起因する振動は、圧電センサ30の長手方向を上下方向とした場合より、幅方向(左右方向)とした場合の方が大きな振動として捕らえることができる。
生体情報計測装置62のセンサ群38Aは、圧電センサ30の長手方向が計測対象者の幅方向にされている。このため、生体情報計測装置62では、センサ群38Aの圧電センサ30によって計測対象者の呼吸の際の振動を適正に計測できる。
また、センサ群38A、38Bの圧電センサ30は、アンダーウェアUwに縫い込むなどして配置できるので、計測対象者は、アンダーウェアUwを着用した際に、圧電センサ30が取り付けられていることを意識することがない。
なお、第3の実施の形態では、アンダーウェアUwに2つのセンサ群38A、38Bを設けたが、センサ群の数は、これに限るものではない。例えば、アンダーウェアUwに、3つ以上のセンサ群を設けてもよく、この場合、例えば、腹部を含む領域、右側の胸部を含む領域及び左側の胸部を含む領域などに分けて配置されてもよい。これにより、計測対象者の心拍、呼吸、胸の筋振動などの各種の振動の計測が可能となる。また、計測対象者が着用する衣類の上腕部及び前腕部にセンサ群を設けることで、腕の筋振動(筋肉の動き)や腕の動きを計測でき、衣類の太腿部分及び脛部分(脹脛部分)にセンサ群を設けることで、脚の筋振動(筋肉の動き)や脚の動きを計測できる。
なお、第1の実施の形態から第3の実施の形態では、計測対象者に圧電センサを貼付するか計測対象者の着衣に圧電センサを配置することで、常時、計測対象者の振動を計測可能にした。しかしながら、圧電センサの配置(取り付け)は、これらに限るものではない。
例えば、圧電センサ又はセンサ群は、計測対象者が就寝時に使用するベッドのマット、式布団、掛け布団などの寝具に圧電センサを配置してもよい。圧電センサ又はセンサを寝具に設ける場合、掛け布団でもよいが、敷布団やベッドのマットなどに設けることが好ましい。寝具に圧電センサ(センサ群)を配置する場合、標準偏差σが予め設定した基準値以上となっている間、計測値を記録するようにすればよく、これにより、不必要なデータが記録されてしまうのを抑制できる。また、寝具等に圧電センサ又はセンサ群を設けることで、計測対象者について就寝時の心拍、呼吸、寝返りなどの体動等を計測できて、計測対象者の睡眠状態(睡眠の深さ)の変化(レム睡眠-ノンレム睡眠)、無呼吸症候群の有無などや体調変化などを計測できる。また、圧電センサ又はセンサ群を敷布団等に設けることで、計測対象者の体圧を検出できて、体重等の計測が可能となる。また、圧電センサ(センサ群)は、直接人体に貼り付けることもできる。例えば、人の喉元に圧電センサ又はセンサ群(複数の圧電センサ)を配置することで、嚥下の状態を計測することもできる。
また、圧電センサ又はセンサ群は、車両などにおいて計測対象者(乗員、特に運転者)が着座する座席などに設けてもよい。圧電センサを車両の座席に設ける場合、座席のシートクッション及びシートバックの少なくとも一方に設ければ良い。座席に圧電センサ又はセンサ群を配置する場合、標準偏差σが予め設定した基準値以上となっている間、計測値を記録するようにすればよく、これにより、不必要なデータ(乗員が着座していない状態におけるデータ)が記録されてしまうのを抑制できる。
車両などの座席に圧電センサ又はセンサ群を配置することで、計測対象者としての運転者について心拍、呼吸、体動等を計測できて、運転者が居眠りしやすい体調状態であるかの体調、体調の変化を計測できる。また、車両の座席に運転者の体動を計測する際には、記録部と共に警告部を設け、運転者の体調状態に応じて警告等を行うことで、運転者の覚醒を図ることが、車両の安全走行において好ましい。
さらに、第1の実施の形態から第3の実施の形態では、人を計測対象として、計測対象者が圧する振動を直接的又は間接的に計測した。しかしながら、計測対象は、人(計測対象者)に限らず、動物などの生体であってもよく、圧電センサ30を動物などに設けることで、動物が発する振動の計測を行ってもよい。これにより、生体の体調や体調変化の計測に用いることができる。
また、本発明は、生体の振動等を計測するのに限らず、振動を発するか又は振動が生じる各種の部材を計測対象として、計測対象の発する振動又は計測対象に生じる振動の計測を行ってもよい。特に、圧電センサ30は、一対の電極間に生じる電位差が、環境温度の影響を受けないので、高温の環境下、低温の環境下に限らず温度変化の大きい環境下における計測対象の振動等を高精度に計測できる。
本発明において、計測対象とする部材に制限はないが、例えば、ソファー、椅子、デスク(机)、テーブル、便座、マッサージチェアー、ベッド、ベッドパッド、カーペット、各種のかご、マスク、包帯、ロープ、ぬいぐるみ、各種ネット、バスタブ、壁(壁材)、床(床材)、窓(窓材、窓枠)、ドア、ドアノブ、パソコン、マウス、キーボード、プリンタ、各種の筐体、ロボット、各種の楽器、義手や義足、自転車、スケートボード、ローラスケート、ゴムボールなどの各種のボール、シャトルコック、自転車や各種機器のハンドル、各種機器のペダル、釣竿、釣用の浮き、釣用リール、釣竿受け、ルアー、各種のスイッチ、金庫、柵、ATM、取っ手、ダイアル、橋や建物などの各種の構造物、トンネルなどを適用できる。また、圧電センサ30が設けられる計測対象は、化学反応容器、空圧機器、油圧機器及びそれらに接続された配管を適用でき、モータ、電磁ソレノイド、ガソリンエンジンが適用できる。計測対象とする部材の振動を計測することで、計測対象が正常に動作しているか否かの動作状態や、計測対象に外部から力は加えられていないか否かの計測を行うことができ、計測結果に応じてアラーム等の報知を行うことで、計測対象に生じた異常等を把握できる。
10、40、60 生体情報計測システム
12、42、62 生体情報計測装置
14 記録装置
16、44、64 計測部
18、46、66 演算処理部
20、48、68 判定部
30(30A、30B) 圧電センサ
32 内部導体
34 外周導体
36 圧電体
38、38A、38B センサ群
B 乳児
Bw ベビーウェア
Uw アンダーウェア

Claims (8)

  1. 可撓性を有する圧電体が一対の電極間に設けられ、計測対象の振動によって前記圧電体が変位することで該変位に応じて変化する電位差が前記一対の電極間に生じる圧電センサを複数備えるセンサ群と、
    前記圧電センサの前記一対の電極間の電位差を検出して、該電位差に応じた計測値を出力する計測部と、
    所与の時間の間隔で、該時間内における前記圧電センサの前記計測値の標準偏差を演算する演算部と、
    前記標準偏差と該標準偏差について所与の基準値とを比較して、前記圧電センサの計測値を出力するか否かを判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果に基づいて前記圧電センサの計測値を出力する出力部と、
    備え、
    前記計測部は、複数の前記圧電センサの各々の計測値を出力し、
    前記演算部は、複数の前記圧電センサの各々の前記所与の時間内の標準偏差を演算する際、前記圧電センサごとの前記所与の時間内の計測値の前記標準偏差と共に、該計測値の平均値を演算し、
    前記判定部は、複数の前記圧電センサの各々の前記標準偏差と前記基準値とを比較して、計測値を出力するか否かを判定する際、前記圧電センサごとの前記平均値及び前記標準偏差に基づいて、計測値を出力する圧電センサとして前記標準偏差に対する前記平均値の比が大きい圧電センサを選択する選択部を含み、
    前記出力部は、前記選択部において選択された前記圧電センサの計測値を出力する、
    を含む振動計測装置。
  2. 前記判定部は、前記標準偏差が前記基準値以上となった場合に、前記圧電センサの計測値を出力すると判定する請求項1記載の振動計測装置。
  3. 前記判定部は、前記標準偏差が前記基準値に満たなくなった場合に、前記圧電センサの計測値の出力を停止すると判定する請求項2記載の振動計測装置。
  4. 前記出力部から出力される前記圧電センサの計測値を記録する記録部を含む請求項1から請求項3の何れか1項記載の振動計測装置。
  5. 前記センサ群を複数備え、
    前記判定部は、前記センサ群ごとに、複数の前記圧電センサの各々の前記標準偏差と前記基準値とを比較して、計測値を出力するか否かを判定し、
    前記出力部は、前記センサ群ごとに前記圧電センサの計測値を出力する請求項1から請求項4の何れか1項記載の振動計測装置。
  6. 前記選択部は、前記標準偏差に対する前記平均値の比が大きい順に一つ又は複数の圧電センサを選択する請求項1から請求項5の何れか1項記載の振動計測装置。
  7. 前記選択部は、前記標準偏差に対する前記平均値の比の大きい順が変化した場合に、前記標準偏差に対する前記平均値の比が大きい順に一つ又は複数の圧電センサを選択する請求項6記載の振動計測装置。
  8. 前記圧電センサは、前記計測対象が着用する着衣に設けられた請求項1から請求項7の何れか1項記載の振動計測装置。
JP2017246551A 2017-12-22 2017-12-22 振動計測装置 Active JP7001219B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017246551A JP7001219B2 (ja) 2017-12-22 2017-12-22 振動計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017246551A JP7001219B2 (ja) 2017-12-22 2017-12-22 振動計測装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019113396A JP2019113396A (ja) 2019-07-11
JP7001219B2 true JP7001219B2 (ja) 2022-01-19

Family

ID=67223094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017246551A Active JP7001219B2 (ja) 2017-12-22 2017-12-22 振動計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7001219B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7488156B2 (ja) 2019-09-12 2024-05-21 ダイキンファインテック株式会社 センサ付きマットレスおよびこれを備えるベッド
WO2021250971A1 (ja) 2020-06-12 2021-12-16 株式会社村田製作所 グリップ判定装置、グリップ判定方法及びグリップ判定プログラム

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007139566A (ja) 2005-11-17 2007-06-07 Aisin Seiki Co Ltd 生体情報用圧力センサ及び生体情報用圧力検出装置
JP2009089883A (ja) 2007-10-09 2009-04-30 Konica Minolta Sensing Inc 心房細動検出装置、システムおよび方法
JP2013220295A (ja) 2012-04-19 2013-10-28 Tanita Corp 生体信号処理装置
JP2017521126A (ja) 2014-06-12 2017-08-03 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 安静時心拍数モニタシステム
JP2017148312A (ja) 2016-02-25 2017-08-31 富士通株式会社 センサ情報処理装置、センサユニット、及び、センサ情報処理プログラム

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09280940A (ja) * 1996-04-17 1997-10-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 感震装置
JP2010088725A (ja) * 2008-10-09 2010-04-22 Daikin Ind Ltd 睡眠判定装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007139566A (ja) 2005-11-17 2007-06-07 Aisin Seiki Co Ltd 生体情報用圧力センサ及び生体情報用圧力検出装置
JP2009089883A (ja) 2007-10-09 2009-04-30 Konica Minolta Sensing Inc 心房細動検出装置、システムおよび方法
JP2013220295A (ja) 2012-04-19 2013-10-28 Tanita Corp 生体信号処理装置
JP2017521126A (ja) 2014-06-12 2017-08-03 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 安静時心拍数モニタシステム
JP2017148312A (ja) 2016-02-25 2017-08-31 富士通株式会社 センサ情報処理装置、センサユニット、及び、センサ情報処理プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019113396A (ja) 2019-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wang et al. Development of a PVDF piezopolymer sensor for unconstrained in-sleep cardiorespiratory monitoring
US8400302B2 (en) Electric field sensing device
US7866212B2 (en) High-sensitivity sensors for sensing various physiological phenomena, particularly useful in anti-snoring apparatus and methods
EP2194853A2 (en) Sensor comprising a material which generates an electrical signal in response to elongation
JP6009466B2 (ja) 動物の呼吸及び/又は心拍の変動監視方法
JP2005095408A (ja) 生体状態判断装置及び支援システム
JP7001219B2 (ja) 振動計測装置
CN116059051A (zh) 床系统
KR101387614B1 (ko) 하의 부착형 센서 유닛을 가지는 수면 장애 검출 시스템
KR101885981B1 (ko) 무구속적으로 측정된 심폐신호를 이용한 수면효율의 예측방법
JP5180599B2 (ja) 睡眠状態の判定方法およびシステム
CA3100475C (en) Apparatus and a method for monitoring a patient during his sleep
JP2012005727A (ja) バイタル動的挙動検出装置
JP3167561U (ja) 体動状態監視センサ装置
JP5006018B2 (ja) 生体情報計測用パネル及びそれを用いた生体情報計測システム
JP7260083B2 (ja) 振動センサ、生体情報検出装置及び寝具
JP7170282B2 (ja) 鼾検出方法、鼾検出装置及び寝具
JP7301681B2 (ja) 睡眠状態推定方法および睡眠状態推定装置
JP6078753B2 (ja) 四肢装着型生体情報計測装置
Wang et al. Development of a PVDF piezopolymer sensor for unconstrained in-sleep cardiorespiratory monitoring
Kaburagi et al. Algorithm for estimation of scratching time
JP2008249676A (ja) シート型センサー及び生体情報計測装置
JP2007185409A (ja) 生体信号検出装置
JP2008099747A (ja) 生体情報計測用パネル
KR20180108664A (ko) 수면 상태 측정장치 및 방법, 위상 코히어런스 산출 장치, 생체 진동신호 측정 장치, 스트레스 상태 측정 장치 및 수면 상태 측정 장치 및 심박 파형 추출 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200914

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7001219

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150