以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態において説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は筋力補助装置100を装着した使用者90を正面(前面)から見た様子を示す図である。なお、以降の説明においては、筋力補助装置100を装着した使用者90の右手側を右、左手側を左、使用者90の胸側を前または表、使用者90の背中側を後ろまたは裏、使用者90の脚側を下、使用者90の頭部側を上と記載する。
筋力補助装置100を装着した使用者90を正面から見た場合、筋力補助装置100の一部である肩部ストラップ110、腰部ストラップ120および膝部ストラップ130が使用者90の前面に見える。肩部ストラップ110、腰部ストラップ120および膝部ストラップ130は、使用者90の着用するボディスーツ160の上に装着されている。
使用者90は、筋力補助装置100との摺動による皮膚への擦過を防止することを目的としてボディスーツ160を着用していてもよい。ボディスーツ160自体には、筋力補助装置100の一部としての機能はない。使用者90がボディスーツ160を着用することは必須ではなく、他の衣類を着用してもよい。筋力補助装置100において使用者に触れる部分が平滑に仕上げられているのであれば、使用者90は、筋力補助装置100を直接に装着してもよい。
肩部ストラップ110は、肩の周りを周回する一対の環状部分と、一対の環状部分を連結しつつ使用者90の胸部の周りを周回する部分とが一体をなして形成される。このような構造により、肩部ストラップ110は、肩の周りにも、胸の周りにも回転することなく、使用者90の肩の周りに固定される。
腰部ストラップ120は、腰の周りを周回する大径の環状部分と、大腿部の周りを周回する一対の小径の環状部分とを連結した構造を有する。このような構造により、腰部ストラップ120は、肩の周りにも回転することなく、また、使用者90の身長方向にずれることなく、使用者90に対して固定される。
また、腰部ストラップ120は、それぞれ筐体に納められた制御部170および入力部180を支持する。制御部170は、図中に見える呼吸センサ210、体温計220、および心拍センサ230等から受信した信号に基づいて使用者90の生体情報を取得すると共に、筋力補助装置100の動作を制御する。
入力部180は、使用者90が操作するダイヤル、ボタン等を含む操作盤182を有し、使用者90による指示等を受け付ける。操作盤182を通じて入力された使用者90の指示は、制御部170に伝達され、筋力補助装置100の制御に反映される。
膝部ストラップ130は、使用者90の膝の下にそれぞれ巻き付けられ、使用者90の脚部に対して固定される。膝部ストラップ130および肩部ストラップ110は、それぞれ、使用者90の身体に対して、後述するアクチュエータの一端を固定することを目的として、使用者90に対して機械的に固定することを目的とする。よって、膝部ストラップ130および肩部ストラップ110は、弾性変形が少なく、それ自体の強度が高い材料が選択される。
図2は、筋力補助装置100を装着した使用者90を、背面側から見た様子を示す。筋力補助装置100は、上部アクチュエータ140および下部アクチュエータ150と、後述するセンサ類を更に備える。
上部アクチュエータ140の図中上端は、係止部112により肩部ストラップ110に結合される。上部アクチュエータ140の図中下端は、ロードセル122により腰部ストラップ120に結合される。ロードセル122は、上部アクチュエータ140の一端を腰部ストラップ120に結合すると共に、使用者90に発生した発生負荷により上部アクチュエータ140にかかる機械的負荷を検出負荷として検出する。ロードセル122が検出した検出負荷は、制御部170により取得される。
上部アクチュエータ140は、電圧を印加された場合に伸長または収縮する高分子材料により形成される。よって、上部アクチュエータ140は、制御部170から駆動電圧を印加された場合に、駆動電圧の高さに応じた長さに変化する。これにより、上部アクチュエータ140は、使用者90の脊柱起立筋等の腰部伸展筋の筋力を主に補助する補助力を発生する。
下部アクチュエータ150の図中下端は、係止部132により膝部ストラップ130に結合される。下部アクチュエータ150の図中上端は、ロードセル122により腰部ストラップ120に結合される。ロードセル122は、使用者90に発生した発生負荷により下部アクチュエータ150の一端を腰部ストラップ120に結合すると共に、下部アクチュエータ150にかかる機械的負荷を検出負荷として検出する。ロードセル122が検出した検出負荷は、制御部170により取得される。
下部アクチュエータ150も、電圧を印加された場合に伸長または収縮する高分子材料により形成される。よって、下部アクチュエータ150は、制御部170から駆動電圧を印加された場合に、駆動電圧の高さに応じた長さに変化する。これにより、下部アクチュエータ150は、使用者90の大臀筋などの股関節伸展筋および大腿屈筋群の筋力を主に補助する補助力を発生する。
なお、上部アクチュエータ140および下部アクチュエータ150として使用できる高分子材料としては、ポリロタキサン架橋体、ジメチルスルホキシドを溶媒とするポリビニルアルコールのゲル、ポリピロール膜等を例示できる。これらの高分子材料は、電圧を印加することにより、伸長または収縮する。上部アクチュエータ140および下部アクチュエータ150は異なる材料であってもよい。
筋力補助装置100は更に、発汗センサ240、および筋電計250、260、270を備える。発汗センサ240は、使用者90の発汗の程度を検出して制御部170に通知する。ひとつの筋電計250は、使用者90の背中において、幅方向中央寄りに配された表面筋電電極252、254を有し、主に脊柱起立筋の筋電位を測定する。制御部170は、筋電計250から取得した筋電位と筋電波形に基づいて、使用者90の脊柱起立筋に対する発生負荷と脊柱起立筋の疲労とを検出する。
他の筋電計260は、使用者90の臀部に配された表面筋電電極262、264を有し、主に大臀筋の筋電位を測定する。制御部170は、筋電計260から取得した筋電位と筋電波形に基づいて、使用者90の大臀筋に対する発生負荷と大臀筋の疲労とを検出する。また他の筋電計270は、使用者90の大腿部裏面に配された表面筋電電極272、274を有し、主に大腿屈筋群の筋電位を測定する。制御部170は、筋電計270から取得した筋電位と筋電波形に基づいて、使用者90の大腿屈筋群に対する発生負荷と大臀筋の疲労とを検出する。
図3は、筋力補助装置100を装着した使用者90を、右側側面から見た様子を示す。なお、この図においては、センサ類の図示を省略している。
筋力補助装置100においては、上部アクチュエータ140が肩部ストラップ110および腰部ストラップ120を結合している。よって、上部アクチュエータ140が収縮した場合は、使用者90の脊柱起立筋の筋力と略平行に作用する補助力が発生して、使用者90の背中を腰部に対して起立させる動作を補助する。また、使用者90が背中を起立させる過程で、使用者にかかる発生負荷の一部を上部アクチュエータ140が担う。
上記の筋力補助装置100において、上部アクチュエータ140を、使用者90に対して左右に配した一対のアクチュエータにより形成してもよい。これにより、一対のアクチュエータを同時に収縮させた場合は、上体の安定を維持しながら使用者90の起立動作を補助できる。また、左右のアクチュエータの一方のみを収縮させることにより、使用者90の上体の回旋運動も補助できる。
この動作に伴って、上部アクチュエータ140の一端を係止するロードセル122は、使用者90の背中にかかる発生負荷に応じた検出負荷を検出する。また、ロードセル122が検出した検出負荷を取得した制御部170は、取得した検出負荷の値に基づいて上部アクチュエータ140の駆動電圧を制御すると共に、使用者90の背中にかかった発生負荷を記録する。例えば、制御部170は、検出負荷の値が予め定めた設定値を超えた場合に上部アクチュエータ140を収縮させ、使用者90が腰を上げる動作を補助する。
また、筋力補助装置100においては、下部アクチュエータ150が腰部ストラップ120および膝部ストラップ130を結合している。よって、下部アクチュエータ150が収縮した場合は、使用者90の大臀筋および大腿屈筋群と略平行に作用する補助力が発生して、使用者90が腰を上げる動作を補助する。下部アクチュエータ150の収縮により、使用者90の大臀筋および大腿屈筋群を収縮する方向の補助力が発生することで股関節の伸展動作の補助を行う。また、使用者90が腰を上げる過程で、使用者90にかかる発生負荷の一部を下部アクチュエータ150が担う。
更に、上記の筋力補助装置100において、下部アクチュエータ150は、使用者90に対して左右に配した一対のアクチュエータにより形成できる。これにより、一対のアクチュエータを同時に収縮させた場合は、使用者90が腰を上げる動作を安定させつつ補助できる。また、左右のアクチュエータの一方のみを収縮させることにより、使用者90の左右一方の膝の屈伸や股関節の伸展動作も補助できる。
この動作に伴って、下部アクチュエータ150の一端を係止するロードセル122は、使用者90の大腿部にかかる発生負荷に起因する検出負荷を検出し、計測する。また、ロードセル122が検出した検出負荷を取得した制御部170は、当該検出負荷の値に基づいて下部アクチュエータ150の駆動電圧を制御すると共に、使用者90の大腿部にかかった発生負荷を記録する。例えば、制御部170は、検出負荷の値が設定値を超えた場合に下部アクチュエータ150を収縮させ、使用者90が腰を上げる動作を補助する。
図4は、筋力補助装置100のブロック図である。図示の通り、筋力補助装置100は、負荷検出部200、制御部170、入力部180、通信部190および補助力発生部101を備える。
負荷検出部200は、複数のロードセル122および複数の筋電計250、260、270と、呼吸センサ210、体温計220、心拍センサ230、発汗センサ240、および筋電計250、260、270とを有する。ロードセル122は、上部アクチュエータ140および下部アクチュエータ150にかかる張力の大きさに基づいて、使用者90の背中または下肢上部にかかる発生負荷を直接的に検出できる。また、筋電計250、260、270も、使用者90の表面筋電位を検出することにより、使用者90の特定の筋肉にかかる発生負荷を直接的に検出できる。
更に、上記ロードセル122および筋電計250、260、270により検出される検出負荷の値が小さい場合であっても、発生負荷が繰り返し発生する場合、あるいは、発生負荷が長時間にわたって継続する場合は、使用者90に相応の負担になる。このような場合は、呼吸センサ210、体温計220、心拍センサ230、および発汗センサ240等により検出した使用者90の生体情報に基づいて、使用者90に発生負荷がかかっていることを検出できる。
例えば、呼吸センサ210が呼吸回数の増加を検知することで、平常時に比べて使用者90に発生負荷がかかっていることを推定できる。また、体温計220による体温上昇、心拍センサ230による心拍数の増加、発汗センサ240による発汗の増加などの検出によっても、使用者90に発生負荷が生じていることを推定できる。これらの推定の結果を、総合して発生負荷の検出に用いることができる。なお、筋電計250、260、270は、表面筋電波形により使用者90の筋肉の疲労を検出する生体センサとしても使用できる。例えば、表面筋電波形の増大を検知することで、筋疲労が生じており、使用者90に発生負荷がかかっていることを検出できる。
こうして、負荷検出部200により検出された使用者90の発生負荷に基づく検出負荷は、制御部170が上部アクチュエータ140および下部アクチュエータ150を制御する場合に参照される。負荷検出部200の検出した情報を参照した制御部170は、筋電計250、260、270およびロードセル122の少なくとも一方の出力を参照して、使用者90が負担した発生負荷の大きさを表す単一の値を算出してもよい。
また、制御部170は、複数のセンサの出力に基づいて、使用者90の疲労状態を表す単一の疲労度を算出してもよい。また、制御部170は、負荷検出部200における呼吸センサ210、体温計220、心拍センサ230、発汗センサ240等の複数のセンサの出力に基づいて、使用者90の疲労状態を表す疲労度の単一の値を算出してもよい。検出した負荷量および疲労度の少なくとも一方は、その値を算出した時間に関連付けて、制御部170により蓄積される。蓄積された情報は、格納部194に格納して、随時参照してもよい。
上記の疲労度は、負荷検出部200における呼吸センサ210、体温計220、心拍センサ230、発汗センサ240等の個々のセンサについて、ひとつのセンサ、例えば、呼吸センサ210からの検出負荷のみを蓄積した場合に使用者90が負担し得る限界の量に対して、百分率として算出してもよい。これにより、各センサの検出負荷から算出された疲労度を加算して、使用者90が様々な種類の発生負荷を併せて蓄積した場合の限界を判定できる。使用者90が負担し得る限界の量は、身長、体重、体格などの身体情報から算出してもよい。
なお、呼吸センサ210、体温計220、心拍センサ230、発汗センサ240等の生体情報センサは負荷検出部を形成するセンサ類の一例に過ぎず、眼電位、血中乳酸濃度、血中酸素濃度等を検出する他のセンサを更に設けてもよい。また、一部のセンサを、筋電計250、260、270のように複数設けてもよい。また、逆に一部のセンサを省略してもよい。
補助力発生部101は、既に説明した上部アクチュエータ140および下部アクチュエータ150を含む。なお、図1から図3に示した筋力補助装置100においては単純化して示したが、補助力発生部101は、より多くのアクチュエータを含んでもよい。また、使用者90の背面以外の他の部位の筋力を補助するアクチュエータを更に設けてもよい。また、能動的なアクチュエータに換えて、受動的な弾性部材を使用して筋力補助装置100を形成することもできる。
すなわち、能動的なアクチュエータに代えて、使用者90に発生負荷が生じた場合に弾性変形する受動的な弾性部材を用いることにより、使用者90が発生負荷に抗して動作する場合に補助力を発生する装置を形成できる。例えば、使用者90の背面側に、使用者90が直立している場合に自然長となるように、上部アクチュエータ140および下部アクチュエータ150に代えて弾性体を取り付ける。これにより、使用者90が上体を前屈させた場合、あるいは腰を落とした場合に、弾性体が伸ばされる。よって、使用者90が直立状態に復帰する場合に、弾性変形した弾性体が自然長に戻ろうとする力が、使用者90に補助力として作用し、使用者90の発生負荷を軽減する。
筋力補助装置100は更に、ネットワーク192を介して外部と通信する通信部190を備える。通信部190が通信する先は、例えば、外部に設けられた格納部194である。格納部194には、例えば、筋力補助装置100を用いる使用者90の作業対象に関する情報を格納している。ここでいう作業対象に関する情報とは、作業の種類、作業における発生負荷の種類、予想される作業時間等を含む。これにより、制御部170は、格納部194から作業対象に関する情報を取得して、補助力発生部101に対する制御に反映させることができる。
また、格納部194は、筋力補助装置100を使用する使用者90の情報を格納して、通信部190を通じて制御部に参照させてもよい。ここでいう使用者90の情報とは、使用者90の体重、筋力、性別、体格等の生体情報を含む。これにより、制御部170は、格納部194から使用者90に関する情報を取得して、補助力発生部101に対する制御に反映させることができる。
上記のように、筋力補助装置100に通信部190を設け、作業対象に関する情報を格納した格納部194と、筋力補助装置100の制御部170とが通信する筋力補助システム300を形成してもよい。これにより、制御部170は、格納部194から取得した情報を、補助力発生部101に対する制御に反映して、使用者90に対してより効果的な補助を実行できる。また、筋力補助装置100から格納部194を参照できるので、筋力補助装置100自体のハードウェア資源を縮小して、より廉価且つ軽量な筋力補助装置100を形成できる。なお、図4に示した例では、格納部194と筋力補助装置100とが対になって筋力補助システム300を形成しているが、格納部194および筋力補助装置100のいずれかまたは両方を複数にしてシステムを形成することもできる。
なお、格納部194の一部または全部を、筋力補助装置100の内部に設けてもよい。この場合、格納部194は、使用者90によって入力部180を通じて情報を入力してもよいし、通信部190を通じて外部からダウンロードした情報を格納してもよい。これにより、他の電子機器により通信速度が低下する環境であっても、制御部170は、種々の情報を参照して補助力発生部101の制御ができる。
図5は、筋力補助装置100において、制御部170の制御の下に補助力発生部101が発生する補助力の特性を模式的に示す図である。補助力発生部101は、制御部170に設定された補助レベルに応じて、複数の特性のいずれかに従って補助力を発生する。
例えば、制御部170に設定された補助レベルが1の場合、負荷検出部200が検出した使用者90に生じた発生負荷に応じて発生する補助力は、図示のように、低いレベルに抑制される。これにより、使用者90が軽減される発生負荷は僅かになるが、補助力の介入が少ないので、使用者90は、自分自身の感覚に従って動作しやすい。
一方、制御部170に設定された補助レベルが6の場合、負荷検出部200が検出した使用者90に生じた発生負荷に応じて発生する補助力は、レベル1の場合に比較すると著しく大きくなる。このため、使用者90の発生負荷は大きく軽減される。使用者90が自身の感覚を動作に反映しにくいと感じた場合使用者90は、例えば、入力部180に設けられた操作盤182を操作することにより、自分にとって適切と思われる補助レベルを、制御部170に設定できる。なお、使用者90が選択した、適切と思われる補助レベルを制御部170において記憶してもよい。その場合には、次回の動作時には、使用者90にとって適切と思われる補助レベルにより、補助力を発生させることができる。
使用者90がある補助レベルを設定して作業をして、補助力に過不足を感じた場合は、補助レベルを上昇または下降させることにより、補助レベルを修正することもできる。使用者90が修正した補助レベルを制御部170において記憶してもよい。その場合には、次回の動作時には、使用者90にとって適切と思われる補助レベルにより、補助力を発生させることができる。更に、何らかの理由で、筋力補助装置100が発生する補助力が、使用者が想定している補助力と異なる不具合が生じた場合、使用者90は、操作盤182を操作することにより、補助レベルを「0」にして筋力補助装置100による補助力を解消できる。
図6は、筋力補助装置100における、制御部170による補助レベルの制御について説明する図である。筋力補助装置100が稼働し始めた当初は、補助レベルは初期値、例えば、上部アクチュエータ140および下部アクチュエータ150に発生させる補助力が最も低い補助レベル1に設定されている。
ここで設定される初期値は、筋力補助装置100の電源が投入される毎にリセットして、予め定めた初期値に復帰するようにしてもよい。また、また、使用者90が、筋力補助装置100を使い始める時点で、個々の判断により選択した初期値を、入力部180を通じて設定してもよい。更に、初期値が設定されなかった場合に、筋力補助装置100が最後に設定されていた初期値を引き継いでもよい。
また、筋力補助装置100の制御部170が制御の対象とする期間は、例えば、使用者90の一日の業務にあたる勤務時間である。負荷の蓄積については一日の業務の蓄積量に加え、例えば、連続勤務日、一週間、一月、など長期的な蓄積量を用いてもよい。
あるいは、筋力補助装置100の制御部170が制御の対象とする期間は、使用者90の勤務時間のうちの一部であり、予め設定された一定の時間であってもよい。例えば、使用者90に対して予め設定されたスケジュールのうちの移動時間、休息時間等は、制御部170による制御を中断または終了してもよい。制御部170は、制御を中断した場合は、中断直前の状態から制御を継続する。また、制御部170は、制御を一旦終了した場合は予め定められた初期値を再設定の後、改めて制御を開始する。
図示のように、筋力補助装置100が稼働している間、図中上段に示すように、負荷検出部200は、例えば、ロードセル122の出力信号に基づいて使用者90に発生した発生負荷に基づいて検出負荷を検出し続ける。また、図中中段に示すように、制御部170は、負荷検出部200が検出した検出負荷を参照して、当該検出負荷の累計である累積負荷を蓄積する。
ここで、制御部170が参照する検出負荷は、複数のロードセル122の出力を平均する等して算出した単純な値でもよい。一方、当該検出負荷の値は、他のセンサの出力、格納部194から参照した情報等、他の種類の情報も変数として含むより高次の関数から算出した値であってもよい。また、制御部170が蓄積する累積負荷は、負荷検出部200が検出した検出負荷の値を時間積分して算出した積分値であってもよい。
制御部170は、値が順次大きくなる複数の閾値1、2、3、4、5を予め保持し、上記累積負荷の値と比較する。そして、累積負荷が閾値1、2、3、4、5を超える毎に、補助力発生部101の補助レベルを1段ずつ上昇させる。これにより、消化した作業量が増加するにつれて使用者90に残る疲労を、段階的な補助レベルの上昇による補助力の増加で補って、使用者90の作業効率を維持できる。
図7は、筋力補助装置100において制御部170が実行する補助レベルの他の制御を説明する図である。図示の例において、制御部170は、図中上段に示すように、有意な負荷の大きさを判定する基準として予め定められた閾値負荷1と、負荷検出部200が検出した検出負荷の値とを比較して、図中中段に示すように、検出負荷の値が閾値負荷1を超えた回数を計数している。
更に、制御部170は、計数した回数を予め保持する閾値1、2、3、4、5と比較して、回数が閾値1、2、3、4、5を超える毎に、補助力発生部101の補助レベルを段階的に1段ずつ上昇させる。これにより、消化した作業量が増加するにつれて使用者90に残る疲労を、回数に基づいた補助レベルの上昇による補助力の増加で補って、使用者90の作業効率を維持できる。
なお、図7を参照して説明した制御方法は、図6を参照して説明した制御方法に換えて実行してもよいし、図6に示した制御方法と同時に実行してもよい。ただし、両者を同時に実行する場合、検出負荷の値から算出した累積負荷と、検出負荷の値が閾値を超えた回数とは互いに次元の異なる値なので、これらの値を変数として単一の負荷指標を算出する関数と、当該関数に対応した閾値1、2、3、4、5とを予め用意する。
このように、異なる複数の指標を参照して補助レベルを制御することにより、筋力補助装置100の制御精度を向上できる。よって、制御部170は、負荷検出部200から更に他の検出値を参照して補助レベルを制御してもよい。また、制御部170は、複数の制御方法を用意して、使用者90の指定した方法により制御を実行してもよい。
図8は、筋力補助装置100において制御部170が実行する補助レベルの他の制御を説明する図である。先に説明した例では、制御部170は、負荷値の累計である累積負荷または、負荷値が閾値を超えた回数により使用者90の疲労を推定した。しかしながら、使用者によっては、負荷値自体は小さくても、使用者90の疲労の原因となりやすい場合もある。
図示の制御においては、図6に示した場合と同様に、図中上段に示すように、負荷検出部200が検出した負荷値を、制御部170が蓄積して、負荷値の累計である累積負荷を算出する。制御部170は、算出した累積負荷が予め定めた閾値1、2、3、4、5を超える毎に、補助レベルを一段ずつ上昇させる。これにより、筋力補助装置100は、補助レベルに基づいて使用者90の疲労の増加を補って、発生する補助力を増加させる。
更に、図示の例では、制御部170は、図中に示すタイミングT1からT2の期間に、同じ波形をなす負荷が連続して発生していることを検知する。このような負荷は、負荷値のピークこそ低いものの、使用者90の筋肉を急速に疲労させる場合がある。
そこで、制御部170は、累積負荷における繰り返し波形継続する期間が、予め定めた閾値期間を超えた場合に、累積負荷が閾値1、2、3、4、5のいずれかも超えていない場合であっても、補助レベルを一段上昇させて、補助力発生部101が発生する補助力を上昇させる。このような制御部170の制御により、使用者90の疲労の実態(状態)に沿った補助力を補助力発生部101に発生させることができる。
なお、上記の他にも、例えば、一定の負荷が長時間継続する場合、極端に大きな負荷が突発的に生じた場合に、累積負荷が閾値1、2、3、4、5を超えたか否かとは別に、補助レベルを変更する制御をしてもよい。このように、制御部170は、閾値1、2、3、4、5とは別の基準により補助レベルを変更してもよい。また、一定の負荷が長時間継続する状態の後、極端に大きな負荷が突発的に生じた場合にはエラーを出力してもよい。
また、図示のように累積負荷と比較する複数の閾値1、2、3、4、5の間隔は、等間隔でなくてもよい。例えば、蓄積疲労が大きい場合には、補助レベルが頻繁に上昇した方が、使用者90の負担軽減に効果的である場合がある。
更に、制御部170は、閾値1、2、3、4、5を組み合わせた複数の閾値セットを用意して、使用者90の指示、制御部170からの指示等により、閾値セット自体を切り替えた上で、補助レベルの制御を実行してもよい。
図9は、筋力補助装置100において制御部170が実行する補助レベルのまた他の制御を説明する図である。この制御は、図6に示した制御と併せて、制御部170が並行して実行してもよい。
図示の制御においては、図6に示した場合と同様に、図中上段に示すように、負荷検出部200が検出した負荷値を、制御部170が蓄積して、負荷値の累計である累積負荷を算出する。制御部170は、算出した累積負荷が予め定めた閾値1、2、3、4、5を超える毎に、補助レベルを一段ずつ上昇させる。これにより、筋力補助装置100は、使用者90の疲労の増加を補って、発生する補助力を増加させる。
ただし、使用者90がひとつの作業を継続している途中で筋力補助装置100の補助レベルが変化すると、使用者90が違和感を覚える場合がある。そこで、制御部170は、累積負荷と共に、検出負荷の個別のピークP1、P2・・・が発生するタイミングを監視し、いずれかピークPnとその直前のピークPn-1との時間間隔であるピーク間隔をそれぞれ計測する。
更に、制御部170は、計測したピーク間隔のそれぞれと、予め定めた閾値時間1とを比較して、ピーク間隔が閾値時間1よりも短い場合は、使用者90がひとつの作業を継続している最中であると判断して補助レベルの変更を保留する。これにより、継続する作業の途中で補助力が変化することが防止される。
また、制御部170は、上記ピーク間隔が閾値時間1よりも長い場合は、一連の作業が中段したと判断して補助レベルを上昇させる。ここで、前に補助レベルを上昇させてから現在までの間に変更を保留している場合は、補助レベルを上昇させる次の機会が到来した場合に、補助レベルを2段階以上まとめて上昇させてもよい。ただし、極端に補助レベルが変化すると、使用者90が違和感を覚える場合があるので、補助レベルの変化にも上限を定めてもよい。
図示の例では、予め定めた検出閾値を超えるピークを検出した場合に、最初のピークP1から次のピークP2までのピーク間隔は、閾値時間1よりも短い。また、ピークP2に続くピークP3、P4も、閾値時間1が経過する前に到来する。しかしながら、ピークP4の後には、閾値時間1が経過しても次のピークが発生していない。よって、制御部170は、使用者90のひとつの作業が終了したと判断して、補助レベルを上昇させる。
図10は、筋力補助装置100における、制御部170による他の制御を説明する図である。上記のように、筋力補助装置100においては、使用者90による稼働時間が長くなるほど、また、累積負荷が大きくなるほど、更に、疲労の蓄積が大きくなるほど補助レベルを上昇させて、補助力発生部101が発生する補助力を増加させる。しかしながら、例えば、使用者90が休憩をとった場合は、使用者90の疲労が回復され、筋力補助装置100による補助レベルを下げてもよい状態になる。
そこで、制御部170は、負荷検出部200が検出した検出負荷を監視して、予め定めた閾値負荷2より検出負荷が低い状態が、予め定めた閾値時間2よりも長く続いた場合に、使用者90が作業をしておらず、休憩をとっていると判断する。これにより、制御部170は、筋力補助装置100による補助レベルをいったん低下させる。しかしながら、使用者90が再び作業を開始した場合は、作業量に基づいて負荷検出部200が検出する検出負荷が再び閾値負荷2を超えるため、制御部170は、再び負荷を累計する補助レベルの制御を再開する。
なお、制御部170が使用者90の休憩を検出して補助レベルを下げた場合は、同時に、累積負荷もリセットして、筋力補助装置100の使用を開始した時点の補助レベルまで戻す。これにより、休憩により疲労が回復した使用者90にとって適切な補助レベルで、補助力が発生される。なお、休憩の検出による補助レベルのリセットでは、筋力補助装置100が稼働し始めた時点の初期値まで補助レベルを戻してもよいが、初期値と休憩に入る直前の補助レベルとの中間の新たな初期値を設定してもよい。更に、休憩の継続時間に応じて、補助レベルを戻す割合を変化させてもよい。
これにより、休憩により疲労が回復した使用者90の体力を効率よく使わせて、筋力補助装置100を用いた作業の効率を向上することができる。なお、使用者90が休憩に入った時点で、使用者90がみずから休息に入ったことを、入力部180を通じて制御部170に通知してもよい。また、休憩を検出する場合に用いる閾値時間2よりも長い他の閾値時間を設定して、負荷検出部200が検出負荷を検出しない時間が長くなった場合に、制御部170は、筋力補助装置100を用いた作業が終了したと見做して、筋力補助装置100の電源を遮断してもよい。
図11は、筋力補助装置100における、制御部170による補助レベルの他の制御方法について説明する図である。この制御方法は、図6等に示した他の制御方法に換えて実行してもよいが、図7に示した制御方法について説明したように、他の方法と並列に実行することもできる。
図示のように、筋力補助装置100が稼働している間、図中上段に示すように、負荷検出部200は、使用者90の生体情報に基づいて、使用者90の疲労状態の疲労レベルを監視している。負荷検出部200は、呼吸センサ210、体温計220、心拍センサ230、発汗センサ240、筋電計250、260、270等の出力を変数とする関数を予め保持して、単一の疲労レベルを算出する。制御部170は、この疲労レベルを、使用者90における発生負荷を反映した情報として負荷検出部200から取得して蓄積する。
更に、制御部170は、順次大きくなる予め定められた複数の閾値1、2、3、4、5を保持し、使用者90の疲労レベルの蓄積を示す値が、閾値1、2、3、4、5を超える毎に、補助力発生部101の補助レベルを順次高くする。これにより、筋力補助装置100は、使用者90の疲労の高まりを補助力の上昇により補えるため、使用者90は作業効率を維持できる。
なお、負荷検出部200においては、特に筋電計250、260、270により使用者90の疲労を精度よく検出できる。また、図2に示した例では、筋電計250、260、270の各々は一対の表面筋電電極252、254、262、264、272、274を有していたが、更に刺激電極を加えて使用者90の筋電波形を周期的に検出することにより、使用者90の疲労の検出精度を向上させることができる。
また、図8等に示した場合と同様に、複数の閾値1、2、3、4、5の間隔は、等間隔でなくてもよい。例えば、蓄積疲労が大きい場合には、補助レベルが頻繁に上昇した方が、使用者90の負担軽減に効果的である場合がある。
更に、複数の閾値1、2、3、4、5を組み合わせた互いに異なる閾値セットを複数用意して、使用者90の指示、制御部170からの指示により、閾値セット自体を切り替えた上で、補助レベルの切替制御を実行してもよい。
このように、筋力補助装置100は、使用者90の疲労状態を検出して、検出した疲労の蓄積に基づいて補助レベルを変更する制御を実行してもよい。この制御方法は、先に説明した累積負荷に基づく制御に換えて実行してもよいし、累積負荷に基づく制御と同時に実行してもよい。補助レベルの制御に累積負荷と蓄積疲労を両方参照する場合は、例えば、累積負荷の上昇の傾きと、蓄積負荷の上昇の傾きとを比較して、両者に乖離がある場合は補助レベルを変更する条件の変更に反映させてもよい。
図12は、制御部170によるまた他の制御を説明する流れ図である。使用者90が筋力補助装置100を使用する場合、補助レベルが一定であったとしても、使用者90自身の筋力に対する発生負荷の割合に応じて、適切な補助レベルが異なる場合がある。
例えば、使用者90が介護者であり、発生負荷となるものが被介護者に対する介護作業である場合に、介護者の体重よりも被介護者の体重の方が大きい場合、介護の作業内容が同じであっても、筋力補助装置100による補助レベルを、より高くすることが望ましい。そこで、筋力補助装置100においては、使用者90が入力部180において予め定められた操作をすることにより、制御部170が、通信部190およびネットワーク192を通じて格納部194にアクセスし、使用者90の作業対象に関する情報を取得する。
また、被介護者の体格と介護者の体格をそれぞれ指数化する。たとえば体重が50キロ未満である場合は「1」、50キロ以上且つ55キロ未満である場合には「2」、55キロ以上且つ60キロ未満である場合は「3」、というように、5キロごとに指数を割り振る。そして、介護者の指数を分母、被介護者を分子とし、相対値を算出してもよい。なお、上記の例では体重を指数して、被介護者の体格と介護者の体格を比較したが、身長であってもよく、身長と体重とそれぞれを指数化してもよく、複合的に判断してもよい。
更に、上記の例では、使用者90が介護者である場合には、筋力補助装置100を用いた介護作業を開始する前に、格納部194から、作業対象である被介護者に関する情報を制御部170が取得する(ステップS101)。また、制御部170は、取得した被介護者の情報と、予め保持している使用者90に関する情報とを比較する(ステップS102)。
これにより、例えば、被介護者の体重が使用者90の体重に比較して大きいことが判った場合、制御部170は、稼働開始の当初から筋力補助装置100に設定する補助レベルを高くするように決定する(ステップS103)。これにより、筋力補助装置100は、体格差による使用者90の負担を効果的に軽減できる。
また、ステップS102において、被介護者の体重が使用者90の体重に比較して小さいことが判った場合、制御部170は、稼働開始の当初から筋力補助装置100に設定する補助レベルを低くするように決定する(ステップS103)。これにより、筋力補助装置100の電力を節約できる。また、無用に大きな補助力が生じた場合は、ストラップ類による締めつけ等、使用者90側への負担も増加するので、過剰な補助力を抑制することは、使用者90への負担軽減にもなる。
このように、筋力補助装置100の制御部170は、使用者90による作業の内容および作業対象に関する情報を取得して、取得した情報に応じて、補助力発生部101に発生させる補助力を増減させることができる。これにより、筋力補助装置100は、使用者90自身の肉体条件にかかわらず作業ができる適切な補助レベルで筋力を補助できる。
こうして決定される筋力補助装置100の補助レベルは、その使用者90が筋力補助装置100を使用する場合の初期値として用いてもよい。また、他の指標に基づいて制御している補助レベルに対する閾値の補正に用いてもよい。
図13は、制御部170による、また他の制御を説明する流れ図である。使用者90自身の癖や好み、また、作業に対する技能によって、筋力補助装置100を使用する場合に適切な補助レベルが異なる場合がある。これに対して、筋力補助装置100の制御部170は、使用者90の主観的な使用感を補助力発生部101の制御に反映させることができる。
例えば、筋力補助装置100を使用した使用者90が、経験した補助レベルに対して肯定的な感想をもった場合、使用者90は、フィードバック情報として、入力部180を通じて制御部170にその旨を通知する(ステップS201:NO)。これにより、制御部170は、少なくとも同じ使用者90に対しては、同じ補助レベルの設定で補助力発生部101を制御する。
しかしながら、筋力補助装置100を使用した使用者90が、経験した補助レベルに対して否定的な感想を、フィードバック情報として入力部180を通じて制御部170に通知した場合(ステップS201:YES)、制御部170は、補助力発生部101に補助力を発生させる場合の補助レベルを、異なるレベル、例えば、より高いレベルに変更する(ステップS202)。その後、補助レベルの変更された筋力補助装置100に対して、使用者から肯定的な感想が得られた場合(ステップS201:NO)、制御部170は、上昇させた補助レベルを以降の初期値とする。
一方、補助レベルを変更したにもかかわらず、使用者90からフィードバック情報として再び否定的な感想がもたらされた場合(ステップS201:YES)、制御部170は、補助レベルを、当初の補助レベルでも、最初に変更した補助レベルでもない他の補助レベルに設定する(ステップS202)。この場合、前回は上昇させた補助レベルを低下させてもよい。
上記のような試行錯誤を繰り返すことにより、筋力補助装置100の制御を、使用者90の嗜好に合致したものにしていくことができる。なお、上記ステップS201における使用者90の感想は、例えば、快適/不快、○/×、YES/NOのボタン等を操作する単純な操作により入力できることが好ましい。また、入力部180が、表示部、発音部、発光部等を有する場合は、それらを用いて使用者90に入力を促してもよい。
こうして決定される筋力補助装置100の補助レベルは、その使用者90が筋力補助装置100を使用する場合の初期値として用いてもよいし、他の指標に基づいて制御している補助レベルに対する閾値の補正等に用いてもよい。
このように、筋力補助装置100は、使用者90の状態、状況、使用経過、嗜好等に応じて補助力発生の特性を変化させる。これにより、その時々で使用者90にとって適切な補助力を発生するので使用者の負担を効果的に軽減できる。また、過剰な電力を抑制できるので、筋力補助装置100の稼働時間延長にも寄与する。
上記の例では、能動的に補助力を発生する補助力発生部101を備えた筋力補助装置100について説明したが、補助力発生部101は、弾性部材の弾性力により補助力を発生する受動的な構造にすることもできる。この場合は、補助力を発生する弾性部材の初期長さを変更する構造にすることにより、使用者90に対して発生する補助力を変化させることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。また、上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることが当業者に明らかである。更に、変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。